説明

複合機、複合機制御システム、複合機の制御方法、プログラムおよびその記録媒体

【課題】情報処理装置で動作するアプリケーションの操作画面複合機において迅速に表示させる。
【解決手段】ウェブブラウザ部22は入力部12aが情報処理装置50において実行されるアプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、第2ウェブサーバ部24に当該アプリケーションプログラムの操作画面データの取得要求を行い、第2ウェブサーバ部24は上記取得要求に応じて上記アプリケーションプログラムの操作画面データを外部アプリケーションUI記憶部15aから読み出してウェブブラウザ部22に応答し、表示部12bはウェブブラウザ部22が第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに応じた操作画面を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複合機と情報処理装置とが連携して動作する複合機制御システムおよび複合機制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コピー機能、スキャン機能、印刷機能、およびFAX送受信機能などの複数の装置機能を併せ持つ複合機が知られている。近年では、このような複合機がPC(パーソナルコンピュータ)やサーバ装置などの情報処理装置と通信ネットワークを介して接続され、多種多様な処理を行うようになっている。すなわち、情報処理装置において動作するアプリケーションと複合機の機能とを連携させ、複合機をトータルアプリケーションシステムの一部として動作させることが行われている。これにより、複合機の機能と情報処理装置の機能とを適宜組み合わせた柔軟性のあるサービスの構築を容易に行うことができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、画像処理に関する処理要求を含むデータを外部PCから受け付け、当該データに応じて装置機能を制御する複合機が開示されている。特許文献1では、複合機に備えられる外部API部が、外部PCから受け付けた上記処理要求を含むデータを当該複合機の制御層のAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェイス)に対応するコマンドに変換して制御層に渡すようになっている。
【0004】
また、特許文献2には、複合機と、通信ネットワークを介して複合機に制御指示を送信する制御装置とを備える複合機制御システムが開示されている。この複合機制御システムでは、操作画面のデータを制御装置から複合機にHTTPを用いて送信する。そして、操作画面に入力された指示に応じて、制御装置が複合機にSOAPを用いて制御コマンドを送信し、複合機が制御コマンドに応じた機能を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−80018号公報(平成17年3月24日公開)
【特許文献1】特開2007−174400号公報(平成19年7月5日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2の技術には、複合機に記憶している操作画面データに応じた画像を表示部に表示させる場合よりも、操作画面を表示するまでの時間が長くなるという問題がある。
【0007】
すなわち、特許文献1,2では、外部装置(PC、制御装置)から操作画面データを複合機に送信し、複合機が外部装置から受信した操作画面データに応じた操作画面を表示させるようになっている。このため、外部装置から操作画面データをダウンロードするのに時間がかかるため、操作画面を表示するまでの時間が長くなってしまう。また、操作画面が複数のパーツ画像から構成されている場合には、各パーツ画像を取得するために複数回の通信が発生することから、操作画面を表示するまでの時間がさらに長くなってしまう。
【0008】
なお、外部装置のアプリケーションを複合機において動作させるようにすることで操作画面データの通信に要する時間の短縮を図ることが考えられる。しかしながら、その場合には、当該アプリケーションによる処理(例えば画像の加工/編集等)を複合機のCPUで実行する必要がある。ところが、複合機のCPUは一般にPC等の外部装置よりも処理能力が低い。このため、外部装置のアプリケーションの処理を複合機のCPUで実行するようにすると、当該処理に要する時間がかえって長くなってしまう。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複合機と情報処理装置とが連携して複合機の動作を制御する構成において、情報処理装置で動作するアプリケーションの操作画面を複合機において迅速に表示させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の複合機は、上記の課題を解決するために、第1ウェブサーバ部とアプリケーションプログラムを実行する外部アプリケーション部とを備えた情報処理装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続される、複数の装置機能を備えた複合機であって、操作画面データに応じた操作画面を表示する表示部と、ユーザからの指示入力を受け付ける操作入力部と、第2ウェブサーバ部と、上記情報処理装置において実行されるアプリケーションプログラムの操作画面データを記憶した記憶部と、ウェブブラウザ部と、上記装置機能の動作を制御する機器制御部とを備え、上記ウェブブラウザ部は、上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、上記第2ウェブサーバ部に当該アプリケーションプログラムの操作画面データの取得要求を行い、上記第2ウェブサーバ部は、上記取得要求に応じて上記アプリケーションプログラムの操作画面データを上記記憶部から読み出して上記ウェブブラウザ部に応答し、上記表示部は、上記ウェブブラウザ部が上記第2ウェブサーバ部から取得した上記操作画面データに応じた操作画面を表示することを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、上記ウェブブラウザ部は、上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、上記第2ウェブサーバ部に当該アプリケーションプログラムの操作画面データの取得要求を行い、上記第2ウェブサーバ部は、上記取得要求に応じて上記アプリケーションプログラムの操作画面データを上記記憶部から読み出して上記ウェブブラウザ部に応答し、上記表示部は、上記ウェブブラウザ部が上記第2ウェブサーバ部から取得した上記操作画面データに応じた操作画面を表示させる。これにより、情報処理装置の外部アプリケーション部で実行されるアプリケーションプログラムを複合機で利用する場合であっても、当該アプリケーションの操作画面データを情報処理装置から取得するのではなく、複合機自身の記憶部から取得することができる。したがって、操作画面を表示するまでに要する時間を短縮して操作画面を迅速に表示させることができる。
【0012】
また、上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けた後、上記表示部が上記操作画面データに応じた操作画面を表示するまでに間に、上記情報処理装置との通信が行われない構成としてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、情報処理装置において実行されるアプリケーションプログラムの起動指示を受け付けた後、情報処理装置との通信を行うことなく、上記アプリケーションプログラムの操作画面を表示することができる。したがって、操作画面をより迅速に表示させることができる。
【0014】
また、上記操作画面データは、操作画面の表示形式を示す情報である表示形式情報と、当該複合機に対して通信可能に接続される他の装置に対して操作画面の生成条件の少なくとも一部を示す情報である生成条件情報の送信要求を行うための要求先情報とを含んでおり、上記ウェブブラウザ部は、上記要求先情報に示された要求先から上記生成条件情報を取得し、上記表示部は、上記操作画面データに含まれる上記表示形式情報と、上記要求先から取得した上記生成条件情報とを組み合わせることによって生成される操作画面を表示する構成としてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、操作画面の生成条件の少なくとも一部を示す情報を他の装置から取得する一方、操作画面の表示形式を示す情報については複合機自身の記憶部から取得することができる。したがって、操作画面の表示形式および生成条件を全て情報処理装置から取得する場合に比べて、通信量を低減し、操作画面を迅速に表示させることができる。
【0016】
また、上記生成条件情報は、上記生成条件情報は、上記要求先が上記送信要求を受信した時点で上記複合機において利用可能な装置、ファイル、またはアプリケーションプログラムのリストであり、上記表示部は、上記リストに含まれる項目を示す画像を上記操作画面に含めて表示させる構成としてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、その時点で利用可能な装置、ファイル、またはアプリケーションプログラムのリストを他の装置から取得し、第2ウェブサーバ部から取得した操作画面データと他の装置から取得したリストに応じた操作画面を表示させることができる。これにより、外部との通信を抑制しつつ、現時点で利用可能な装置、ファイル、またはアプリケーションプログラムのリストを反映させた操作画面を表示させることができる。
【0018】
また、上記ウェブブラウザ部は、上記操作入力部が上記アプリケーションプログラムの操作画面に対するユーザからの指示入力を受け付けた場合であって当該指示入力が上記アプリケーションプログラムに対して制御指示の送信要求を要する指示入力である場合に、上記第1ウェブサーバ部に対して当該指示入力に応じた制御指示の送信要求を行い、上記第1ウェブサーバ部は上記送信要求に応じた制御指示を外部アプリケーション部から取得して上記ウェブブラウザ部に応答し、上記機器制御部は、上記ウェブブラウザ部が上記第1ウェブサーバ部から取得した上記制御指示に基づいて上記装置機能の動作を制御する構成としてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、ユーザからの指示入力に応じた制御指示を情報処理装置の第1ウェブサーバ部から取得し、当該制御指示に基づいて複合機の装置機能の動作を制御することができる。
【0020】
また、上記記憶部は、上記機器制御部に上記装置機能の動作制御を実行させるための制御コマンドを格納しており、上記ウェブブラウザ部は、上記第2ウェブサーバ部に対して上記第1ウェブサーバ部から取得した制御指示に対応する制御コマンドの取得要求を行い、上記第2ウェブサーバ部は上記制御指示に対応する制御コマンドを上記記憶部から読み出して上記ウェブブラウザ部に応答し、上記機器制御部は、上記ウェブブラウザ部が上記第2ウェブサーバ部から取得した上記制御コマンドに基づいて上記装置機能の動作を制御する構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、上記ウェブブラウザ部、上記第1ウェブサーバ部、および上記第2ウェブサーバ部として汎用されているウェブブラウザおよびウェブサーバのソフトウェアを用いることができる。したがって、これら各部のバージョンアップや変更が行われたとしても、各部を構成するソフトウェアの独自拡張を行う必要がなく、保守効率を向上させることができる。
【0022】
上記第1ウェブサーバ部から上記ウェブブラウザ部に送信される上記制御指示は、上記ウェブブラウザ部を上記第2ウェブサーバ部における当該制御指示に対応する上記制御コマンドを取得するためのアドレスにアクセスさせるためのループバックアドレスまたはリダイレクト命令を含むHTTPメソッドを用いた制御指示である構成としてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、上記ウェブブラウザ部として汎用されているウェブブラウザのソフトウェアを用いることができる。また、HTTPメソッドのデータは情報処理装置と複合機との間にファイアウォールが構築されている場合であっても情報処理装置から複合機に送信することができる。また、ウェブブラウザ部は複合機に備えられているので、ウェブブラウザ部と上記第2ウェブサーバ部との間にはファイアウォールは構築されていない。したがって、情報処理装置と複合機との間にファイアウォールが構築されている場合であっても、情報処理装置から送信されるHTTPメソッドのデータに含まれるループバックアドレスまたはリダイレクト命令に基づいて制御コマンドを特定することができるので、情報処理装置から複合機の機能を制御することができる。
【0024】
また、上記ウェブブラウザ部から上記第1ウェブサーバ部への制御指示の送信要求は、HTTPメソッドを用いて行われる構成としてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、上記ウェブブラウザ部として汎用されているウェブブラウザのソフトウェアを用いることができる。
【0026】
本発明の複合機制御システムは、第1ウェブサーバ部とアプリケーションプログラムを実行する外部アプリケーション部とを備えた情報処理装置と、当該情報処理装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続される上記したいずれかの複合機とを備えていることを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、情報処理装置の外部アプリケーション部で実行されるアプリケーションプログラムを複合機で利用する場合であっても、当該アプリケーションの操作画面データを情報処理装置から取得するのではなく、複合機自身の記憶部から取得することができる。したがって、操作画面を表示するまでに要する時間を短縮して操作画面を迅速に表示させることができる。
【0028】
本発明の複合機の制御方法は、第1ウェブサーバ部とアプリケーションプログラムを実行する外部アプリケーション部とを備えた情報処理装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続される、複数の装置機能を備えた複合機の制御方法であって、上記複合機は、操作画面データに応じた操作画面を表示する表示部と、ユーザからの指示入力を受け付ける操作入力部と、上記情報処理装置において実行されるアプリケーションプログラムの操作画面データを記憶した記憶部とを備え、上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、当該アプリケーションプログラムの操作画面データを上記記憶部から取得する工程と、上記記憶部から取得した上記操作画面データに応じた操作画面を上記表示部に表示させる工程とを含むことを特徴としている。
【0029】
上記の方法によれば、情報処理装置の外部アプリケーション部で実行されるアプリケーションプログラムを複合機で利用する場合であっても、当該アプリケーションの操作画面データを情報処理装置から取得するのではなく、複合機自身の記憶部から取得することができる。したがって、操作画面を表示するまでに要する時間を短縮して操作画面を迅速に表示させることができる。
【0030】
なお、上記複合機は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記ウェブブラウザ部および上記第2ウェブサーバ部として動作させることにより、上記複合機をコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0031】
以上のように、本発明の複合機および複合機制御システムは、操作画面データに応じた操作画面を表示する表示部と、ユーザからの指示入力を受け付ける操作入力部と、第2ウェブサーバ部と、上記情報処理装置において実行されるアプリケーションプログラムの操作画面データを記憶した記憶部と、ウェブブラウザ部と、上記装置機能の動作を制御する機器制御部とを備え、上記ウェブブラウザ部は、上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、上記第2ウェブサーバ部に当該アプリケーションプログラムの操作画面データの取得要求を行い、上記第2ウェブサーバ部は、上記取得要求に応じて上記アプリケーションプログラムの操作画面データを上記記憶部から読み出して上記ウェブブラウザ部に応答し、上記表示部は、上記ウェブブラウザ部が上記第2ウェブサーバ部から取得した上記操作画面データに応じた操作画面を表示する。
【0032】
また、本発明の複合機の制御方法は、上記複合機が、操作画面データに応じた操作画面を表示する表示部と、ユーザからの指示入力を受け付ける操作入力部と、第2ウェブサーバ部と、上記情報処理装置において実行されるアプリケーションプログラムの操作画面データを記憶した記憶部とを備え、上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、当該アプリケーションプログラムの操作画面データを上記記憶部から取得する工程と、上記記憶部から取得した上記操作画面データに応じた操作画面を上記表示部に表示させる工程とを含むそれゆえ、操作画面を表示するまでに要する時間を短縮して操作画面を迅速に表示させる。
【0033】
それゆえ、本発明の複合機、複合機制御システム、および複合機の制御方法によれば、情報処理装置の外部アプリケーション部で実行されるアプリケーションプログラムを複合機で利用する場合であっても、操作画面を表示するまでに要する時間を短縮して操作画面を迅速に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態にかかる複合機および複合機制御システムの構成を示す説明図である。
【図2】図1に示した複合機の表示部に表示される操作画面の一例を示す説明図である。
【図3】図1に示した複合機の表示部に表示される操作画面の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示した複合機制御システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図1に示した複合機の表示部に表示される操作画面の一例を示す説明図である。
【図6】図1に示した複合機の表示部に表示される操作画面の一例を示す説明図である。
【図7】図1に示した複合機の外部アプリケーションUI記憶部に記憶されている操作画面の基本情報の一例を示す説明図である。
【図8】図1に示した複合機の表示部に表示される操作画面の一例を示す説明図である。
【図9】図1に示した複合機における処理シーケンスの一例を示す説明図である。
【図10】図1に示した複合機における処理シーケンスの一例を示す説明図である。
【図11】図1に示した複合機における処理シーケンスの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の一実施形態について説明する。
【0036】
(1−1.複合機制御システム1の全体構成)
図1は、本実施形態にかかる複合機制御システム1の構成を示す説明図である。この図に示すように、複合機制御システム1は、複合機(MFP;multifunction peripheral)10と、情報処理装置(サーバ装置)50とを含んでおり、これら各装置が通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。なお、複合機制御システム1に含まれる複合機10の台数は複数であってもよく、情報処理装置50の台数も複数であってもよい。
【0037】
通信ネットワーク30としては、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線、シリアルケーブル等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。また、複合機10と情報処理装置50とは、ウェブサーバとウェブブラウザとの間の通信(例えば、ウェブページの要求および送信)に用いられるプロトコルであるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)メソッドを用いて通信を行うようになっている。
【0038】
(1−2.複合機10の構成)
複合機10は、HTTPを用いて情報処理装置50からHTML形式の制御情報を受け取り、受け取った制御情報に基づいて複合機10の各種装置機能を実行するデジタル複合機またはアナログ複合機である。上記の装置機能としては、例えば、スキャン機能、印刷機能、コピー機能、ファクシミリの送受信機能、通信機能などが挙げられる。ただし、複合機10が有する装置機能は上記の機能に限るものではない。例えば、上記の各機能の一部を備えていなくてもよく、上記の各機能の一部に代えて、あるいは上記の各機能に加えて、他の装置機能を備えていてもよい。
【0039】
複合機10は、制御部(画像生成部)11、操作部12、画像読取部13、画像形成部14、記憶部15、および第2通信部16を備えている。また、制御部11は、機器制御部(画像生成部)21、ウェブブラウザ部22、制御アプリケーション部23、および第2ウェブサーバ部24を備えている。また、記憶部15は、外部アプリケーションUI記憶部15aを備えている。
【0040】
操作部12は、ユーザに対して各種情報を通知するとともに、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェイスである。操作部12は、各種の入力キーを含む入力部(操作入力部)12aと、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの表示部12bとを備えている。なお、操作部12は、入力部12aと表示部12bとが一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
【0041】
画像読取部13は、スキャナと、原稿をスキャナの位置まで搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るスキャン機能を実行する。なお、画像読取部13は、所定の解像度で画像を読み取る。
【0042】
画像形成部14は、用紙などの記録シートに対して、入力された画像データに対応する画像(文字/写真/グラフィック)を印刷するためのものであり、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを含む。具体的には、画像形成部14は、画像読取部13から入力された画像データを印刷するコピー機能、および外部装置から入力された画像データを印刷するプリンタ機能を実行する。
【0043】
第2通信部16は、通信ネットワーク30を介して、情報処理装置50などの外部装置との間で通信を行う通信インターフェイスである。本実施形態では、上述したように、第2通信部16は情報処理装置50とHTTPを用いて通信する。また、第2通信部16は、アクセス先が自装置のIPアドレスが示されている場合、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24にアクセスすることもできる。
【0044】
制御部11は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置である。制御部11は、上記記憶部に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで機器制御部21、ウェブブラウザ部22、制御アプリケーション部23、および第2ウェブサーバ部24の機能を実現する。
【0045】
ウェブブラウザ部22は、Webページを閲覧するためのソフトウェアに従った動作を行うものである。なお、上記ソフトウェアとしては、汎用されているウェブブラウザのソフトウェアを用いることができる。ウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して、情報処理装置50が有する第1ウェブサーバ部53だけでなく、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24とも通信を行うことができる。
【0046】
第2ウェブサーバ部24は、汎用されているウェブサーバのソフトウェアに従った動作を行うものである。ここで、ウェブサーバとは、インターネット上の情報システムであるWWW(World Wide Web)を構成する情報処理装置の機能を提供するソフトウェアである。第2ウェブサーバ部24は、ウェブブラウザ部22からの要求(HTTPリクエスト)を受信し、当該要求に応じたアプリケーションを実行させ、ウェブブラウザ部22に対して応答(HTTPレスポンス)を行うものである。
【0047】
制御アプリケーション部23は、ウェブサーバ上で動作するウェブアプリケーションに従った処理を実行するものである。制御アプリケーション部23は、複合機10の各種機能(例えば、コピー機能)を制御する必要がある場合、当該機能を制御するための制御コマンドを機器制御部21に送る。また、制御アプリケーション部23は、制御コマンドに従って、ウェブブラウザ部22を制御することで、複合機10に固有の固有情報を第1ウェブサーバ部53に送信するように通信制御する。これにより、複合機10の機能を制御することができる。
【0048】
記憶部15は、複合機10で扱われる各種データ(基本操作画面データ、固有操作モード用の操作画面データ、各種ルックアップテーブル等)を記憶する記憶手段である。記憶部15の構成は特に限定されるものではないが、例えばハードディスクなどを用いることができる。また、記憶部15は、外部アプリケーションUI記憶部15aを備えている。この外部アプリケーションUI記憶部15aには、情報処理装置50の外部アプリケーション部54に対応する操作画面データ等のUI(ユーザインターフェイス)データが格納されている。上記の操作画面データは、操作画面の表示内容を示すウェブページデータであってもよく、操作画面の表示形式を示す情報である表示形式情報と他の装置に対して操作画面の生成条件の少なくとも一部を示す情報である生成条件情報の送信要求を行うための要求先情報とを含むデータであってもよい。
【0049】
機器制御部21は、複合機10の各種機能を制御するものである。すなわち、機器制御部21は、画像読取部13、画像形成部14、第2通信部16、および操作部12等の各部の動作を制御する。例えば、機器制御部21は、画像読取部13の動作を制御して、スキャン画像のデータを取得する。また、機器制御部21は、画像形成部14の動作を制御して、画像データに応じた画像を記録材上に形成(出力)する。さらに、機器制御部21は、第2通信部16を用いて、入力された画像データを指定された外部のリソースに格納する処理や、入力された画像データを電子メールに添付して指定されたアドレスに送信する処理などを行う。
【0050】
機器制御部21は、固有操作モードと、連携操作モードとを有している。機器制御部21は、通常時(例えば複合機10の電源投入直後など)には、記憶部15に記憶している基本操作画面データに応じた基本操作画面を表示部12bに表示させる。そして、この基本操作画面に対するユーザからのモード選択指示に応じて固有操作モードまたは連携操作モードを選択する。あるいは、固有操作モードに属するアプリケーションおよび連携操作モードに属するアプリケーション(外部アプリケーション)のうちのいずれかのアプリケーションを選択する。
【0051】
図2は、複合機10の表示部12bに通常時(例えば電源投入直後など)に表示される基本操作画面の一例を示す説明図である。この図に示すように、基本操作画面では、「COPY」、「IMAGE SEND」、および「OSA」の3つのタグを選択可能になっている。このうち、「COPY」および「IMAGE SEND」は固有操作モードに対応している。「COPY」は画像読取部13で原稿から読み取った画像を記録材上に印刷するコピー機能を選択するためのタブであり、「IMAGE SEND」は画像読取部13で原稿から読み取った画像を他の装置に送信する画像読取送信機能を選択するためのタブである。また、「OSA」は「SHARP OSA(シャープオープンシステムアーキテクチャー、登録商標)の略であり、連携操作モードに対応している。
【0052】
固有操作モードは複合機10に固有のモードである。固有操作モードでは、予め記憶部15に記憶している固有操作モード用の操作画面データに応じた操作画面を表示部12bに表示させる。そして、複合機10内に格納されている、当該操作画面に対してユーザから入力された指示に応じた制御コマンドに基づいて複合機10の各種機能を制御する。また、固有操作モード時には、機器制御部21は、現在の複合機10の構成や状態に合わせて、記憶部15に保持されているパーツ(構成要素画像)単位の画像情報(パーツ画像)を適宜組み合わせ、操作画面上に表示させるなどの制御も行う。なお、固有操作モードは、従来の複合機で行われている一般的なモードであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0053】
連携操作モードでは、予め記憶部15に記憶している操作画面データ(連携操作モード用の操作画面データ)に応じた操作画面を表示部12bに表示させる。そして、当該操作画面に対してユーザから入力された指示に応じた制御指示を情報処理装置50で動作する外部アプリケーション部54から取得し、この制御指示に従って複合機10の各種機能を制御する。
【0054】
図3は、図2の基本操作画面において「OSA」タブが選択された場合に表示される操作画面の一例を示す説明図である。この図に示すように、本実施形態では、連携操作モードに対応するアプリケーションとして、「コンテンツ印刷アプリ」、「Anywhere印刷アプリ」、および「簡単スキャンアプリ」の3つのアプリケーション(外部アプリケーション)が登録されている。
【0055】
なお、図3の操作画面に対応する操作画面データでは、各アプリケーションを選択するための操作ボタンに、当該アプリケーションの操作画面データを取得するためのアクセス先を示す情報が関連付けられている。上記のアクセス先を示す情報としては、例えばループバックアドレスに各操作ボタンに対応するパス(path)を付加した情報(本実施形態では、127.0.0.1/print/contentsprint)を用いることができる。そして、これらの操作ボタンの選択操作が行われると、ウェブブラウザ部22は、この操作ボタンに対応付けられた上記情報に対応するアクセス先(本実施形態では第2ウェブサーバ部24における上記操作画面データを取得するためのアクセス先)にアクセスする。これにより、ウェブブラウザ部22は、選択操作されたアプリケーションの操作画面データを第2ウェブサーバ部24から取得し、取得した操作画面データを制御アプリケーション部23に通知する。制御アプリケーション部23は上記操作画面データに応じた操作画面を表示部12bに表示させるための制御コマンドを機器制御部21に通知し、これによって上記操作画面が表示部12bに表示される。また、連携操作モードでは、ウェブブラウザ部22は、上記操作画面に対するユーザからの指示入力に応じた制御指示を情報処理装置50の第1ウェブサーバ部53または自装置の第2ウェブサーバ部24から取得して制御アプリケーション部23に通知する。制御アプリケーション部23は、ウェブブラウザ部22から通知された制御指示に応じた制御コマンドを機器制御部21に通知し、機器制御部21がこの制御コマンドに応じて複合機10の各装置機能を制御する。
【0056】
なお、ループバックアドレスとは、ネットワークカード(例えば通信部の機能を担うハードウェア)などのループバックインターフェイスに割り当てられた仮想的なIPアドレスであり、自装置を示すIPアドレスのことである。ループバックアドレスは、汎用されているウェブブラウザで使用されている公知のアドレスである。ループバックアドレスを使用して自装置のアドレスにアクセスして操作画面データを取得することにより、パケットデータを複合機10の外部に送信する必要がなくなる。また、例えば、アドレスの名前解決のDNS(Domaim Name System)サーバにアクセスしたり、情報処理装置50からHTMLデータを取得するための通信を行ったりする必要がなくなる。これにより、通信ネットワークを介して他の装置から操作画面データを取得する場合よりも操作画面を迅速に表示することができる。
【0057】
また、機器制御部21は、複合機10の機種に依存しない制御コマンドを受け付け可能なOpenI/F部21aを備えている。OpenI/F部21aは、複合機10の各種機能を制御するための制御コマンドを制御アプリケーション部23に公開しており、制御アプリケーション部23から制御コマンドを受け付けるとともに、受け付けた制御コマンドを、機器制御部21で認識可能なコマンドに変換するものである。
【0058】
OpenI/F部21aは、外部に公開している制御コマンドと、機器制御部21で認識可能なコマンドとを対応付けた変換テーブルを記憶する変換テーブル記憶部(図示せず)を備えており、当該変換テーブルに従って、コマンドの変換処理を行う。
【0059】
このように、OpenI/F部21aは、複合機10の機種によらない共通の制御コマンドを受け付け可能である。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションは、複合機10によらず共通のものを用いることができる。そのため、新たなウェブアプリケーションに従って制御アプリケーション部23を動作させる場合、各複合機10に対して同じウェブアプリケーションをインストールするだけでよく、複合機10ごとにウェブアプリケーションの変更を行う必要がなくなる。これにより、制御アプリケーション部23を動作させるためのウェブアプリケーションの開発を容易に行うことができる。
【0060】
(1−3.情報処理装置50の構成)
情報処理装置50は、図1に示したように、第1通信部52と、制御部51とを備えている。また、制御部51は、第1ウェブサーバ部53と、外部アプリケーション部54とを備えている。
【0061】
制御部51は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶部(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置である。制御部11は、上記記憶部に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで第1ウェブサーバ部53、および外部アプリケーション部54の機能を実現する。
【0062】
第1通信部52は、LANやインターネット回線等を介して複合機10と通信するものである。また、第1通信部52は、HTTPの通信プロトコルを用いて複合機10と通信する。これにより、情報処理装置50は、1または複数の複合機10に対するウェブサーバ装置として機能するようになっている。
【0063】
第1ウェブサーバ部53は、ウェブサーバのソフトウェアに従って動作するものである。第1ウェブサーバ部53は、第1通信部52を介して複合機10からの要求(HTTPリクエスト)を受信し、当該要求に応じたファイルや画像データ、印刷データ、制御情報などを第1通信部52を介して当該複合機10に応答する機能を有する。
【0064】
外部アプリケーション部54は、第1ウェブサーバ部53からの指示に応じて、所定のウェブアプリケーションに従った動作を行う。すなわち、外部アプリケーション部54は、ウェブサーバ上で動作する各種のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。なお、このウェブアプリケーションは、例えば、Java(登録商標)scriptで記載され、ウェブサーバ上に設けられたJava(登録商標)script実行環境で動作するアプリケーションであってもよい。
【0065】
例えば、外部アプリケーション部54は、複合機10からの要求が印刷データファイルの送信要求である場合、印刷アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部54は、当該送信要求で示されるフォルダ名のフォルダから指定されたファイル名の印刷データを取得し、その印刷データを第1ウェブサーバ部53に通知する。また、外部アプリケーション部54は、複合機10からの要求が取得可能な印刷データファイルのリストの送信要求である場合、その時点で複合機10に提供可能な印刷データファイルのリストを取得し、そのファイルリストを第1ウェブサーバ部53に通知する。
【0066】
(1−4.連携操作モードの動作)
次に、複合機10と情報処理装置50とが連携して処理を実行する連携操作モードが選択された場合の処理について説明する。図4は連携操作モードが選択された場合の処理(図2の基本操作画面において「OSA」タブが選択された後、図3の操作画面が表示されている状態からの処理)の流れを示すフローチャートである。
【0067】
まず、図3の操作画面において入力部12aに連携操作モードのアプリケーション(外部アプリケーション)の選択指示が入力されると(S1)、機器制御部21は、ウェブブラウザ部22を起動させる。ウェブブラウザ部22は、S1で選択操作された操作ボタンに関連付けられているURLにアクセスし、選択操作されたアプリケーションの操作画面データの送信要求を行う(S2)。
【0068】
本実施形態では、上記のURLとして、第2ウェブサーバ部24における、外部アプリケーションUI記憶部15aからユーザに選択されたアプリケーションの操作画面データを取得するためのループバックアドレスおよびパスが設定されている。そのため、ウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して第2ウェブサーバ部24に操作画面データの送信を要求するためのHTTP Getコマンドを送信する。第2ウェブサーバ部24は、当該Getコマンドに対応する操作画面データを外部アプリケーションUI記憶部15aから読み出してウェブブラウザ部22に伝達する(S3)。
【0069】
次に、ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに基づいて、操作画面の表示を行うために外部アプリケーション部54から情報(操作画面の生成条件の少なくとも一部を示す情報である生成条件情報)を取得する必要があるか否かを判断する(S4)。
【0070】
すなわち、本実施形態では、(i)外部アプリケーションUI記憶部15aに格納されている操作画面のウェブページデータのみに基づいて操作画面を表示できるアプリケーションと、(ii)外部アプリケーションUI記憶部15aに格納されている操作画面のウェブページデータと情報処理装置50から取得する生成条件情報とに基づいて操作画面を表示するアプリケーションとがある。そして、上記(ii)のアプリケーションの場合、外部アプリケーションUI記憶部15aに格納されている操作画面データとして、操作画面の表示形式を示す情報である表示形式情報と、複合機10に対して通信可能に接続される他の装置(典型的には情報処理装置50)に対して操作画面の生成条件の少なくとも一部を示す情報である生成条件情報の送信要求を行うための要求先情報とを示すウェブページデータ(HTTPデータ)が格納されている。ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに上記の要求先情報が含まれているか否かに応じて生成条件情報を他の装置から取得する必要があるか否かを判断する。
【0071】
なお、上記の表示形式情報には、例えば、パーツ画像データ、パーツ画像のサイズ情報、文字のフォント情報、文字のサイズ情報、パーツ画像の色情報、文字の色情報、パーツ画像および文字のレイアウト情報、あるいはこれら各情報のうちの一部が含まれている。また、上記の生成条件情報の一例としては、例えば、上記要求先が上記送信要求を受信した時点で複合機10において利用可能な装置、ファイル、またはアプリケーションプログラムのリストを示す情報などが挙げられる。
【0072】
S4において外部アプリケーション部54から情報を取得する必要があると判断した場合、ウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して情報処理装置50に情報の送信要求(HTTP Getコマンド)を送信する(S5)。具体的には、ウェブブラウザ部22は、S3で第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに含まれる上記要求先情報に示されている要求先に対して上記生成条件情報の送信を要求する。あるいは、S1において選択操作するためのアプリケーションの選択ボタンに要求先情報(要求先アドレスおよび送信要求する生成条件情報)を対応付けておき、当該選択ボタンに対応する要求先に対して生成条件情報の送信を要求するようにしてもよい。
【0073】
情報処理装置50の第1ウェブサーバ部53は上記の送信要求を受信すると(S21)、外部アプリケーション部54から当該送信要求に対応する情報を取得して複合機10に応答(返信)する(S22)。これにより、複合機10のウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して情報処理装置50から応答される情報を受信する(S6)。
【0074】
その後、ウェブブラウザ部22は、S3でウェブブラウザ部22が第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データ(S4がNoの場合)、またはS3でウェブブラウザ部22が第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データとS6で情報処理装置50から受信した生成条件情報とに基づいて生成した操作画面の画像データ(S4がYesの場合)を、制御アプリケーション部23に伝達する。これにより、制御アプリケーション部23はこの操作画面の画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させるための制御コマンドを機器制御部21に伝達し、当該画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させる(S7)。
【0075】
本実施形態では、図3の操作画面に表示される各アプリケーションのうち、「コンテンツ印刷アプリ」および「簡単スキャンアプリ」については、外部アプリケーションUI記憶部15aに記憶されている操作画面データに基づいて、情報処理装置50との通信を行うことなく操作画面を表示できるようになっている。したがって、図3の操作画面において「コンテンツ印刷アプリ」または「簡単スキャンアプリ」が選択された場合、ウェブブラウザ部22は、外部アプリケーションUI記憶部15aに記憶されている当該アプリケーションに対応する操作画面データを第2ウェブサーバ部24から取得し、当該操作画面データに応じた操作画面の画像データを制御アプリケーション部23に伝達する。制御アプリケーション部23はこの操作画面の画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させるための制御コマンドを機器制御部21に伝達し、当該画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させる。図5は、図3の操作画面において「コンテンツ印刷アプリ」が選択された場合に表示される操作画面を示す説明図である。また、図6は図3の操作画面において「簡単スキャンアプリ」が選択された場合に表示される操作画面を示す説明図である。
【0076】
また、本実施形態では、図3の操作画面に表示される各アプリケーションのうち、「Anywhere印刷アプリ」については、外部アプリケーションUI記憶部15aに記憶されている操作画面データに、表示形式情報と「Anywhere印刷アプリ」は、複合機10に対してネットワークを介して通信可能に接続されている他の装置から印字データを取得し、当該印字データに応じた画像を記録材上に印刷するアプリケーションである。「Anywhere印刷アプリ」が選択された場合、ウェブブラウザ部22は、外部アプリケーションUI記憶部15aに記憶されている当該アプリケーションに対応する操作画面データを第2ウェブサーバ部24から取得する。そして、ウェブブラウザ部22は、取得した操作画面データに含まれる要求先情報に基づいて、情報処理装置50(第1ウェブサーバ部53)に生成条件情報の送信要求を行い、情報処理装置50から応答される生成条件情報を受信する。そして、ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに含まれる表示形式情報と、情報処理装置50から取得した生成条件情報とに基づいて操作画面の画像データを生成し、制御アプリケーション部23に伝達する。制御アプリケーション部23はこの操作画面の画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させるための制御コマンドを機器制御部21に伝達し、当該画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させる。
【0077】
図7は、図3の操作画面において「Anywhere印刷アプリ」が選択された場合に、ウェブブラウザ部22が第2ウェブサーバ部24を介して外部アプリケーションUI記憶部15aから取得する操作画面データ(HTMLデータ)の一部を示す説明図である。このHTMLデータ中に示されたWindowOnLoad関数はブラウザがHTMLデータを読み込む際に実行される関数であり、この図の例ではrequestFileList関数を呼び出している。requestFileList関数は、JavaScriptにて動的に<script>タグを生成させ、第1ウェブサーバ部53に対するHTTP Getによるリクエスト処理を発生させている。このリクエストを受けた第1ウェブサーバ部53は、ファイルリストを生成するJavaScript関数updateListを呼び出す応答を返す。これにより、HTMLデータに予め記述されているupdateList関数が実行され、ファイルリストの内容が反映された操作画面の画像データが生成されることになる。
【0078】
図8は、図3の操作画面において「Anywhere印刷アプリ」が選択された場合に、ウェブブラウザ部22が第2ウェブサーバ部24から取得する操作画面データに含まれる表示形式情報と、ウェブブラウザ部22が情報処理装置50から取得する生成条件情報とに基づいて生成・表示される操作画面の一例を示す説明図である。この図に示す例では、ウェブブラウザ部22が情報処理装置50から取得する生成条件情報には現時点で複合機10が取得可能な印字データが「ジョブ1」、「ジョブ2」、および「ジョブ3」であることを示すファイルリストが含まれている。ウェブブラウザ部22は、このファイルリストと第2ウェブサーバ部24から取得する操作画面データに含まれる表示形式情報とに基づいて、「ジョブ1」、「ジョブ2」、および「ジョブ3」の各項目を選択するための各操作ボタンを含む操作画面を生成している。
【0079】
その後、機器制御部21は、S7で表示させた操作画面に対する入力部12aを介して入力されるユーザからの操作入力を受け付け(S8)、当該操作入力をウェブブラウザ部22に伝達する。ウェブブラウザ部22は、この操作入力が外部アプリケーション部54に対する情報要求を要するものであるか否かを判断する(S9)。この判断は、例えば、S8においてユーザが選択操作した操作ボタンに外部アプリケーション部54に対する情報送信要求を行うための情報(例えば要求先アドレスなど)が関連付けられているか否かに応じて行えばよい。
【0080】
そして、ユーザからの操作入力が外部アプリケーション部54への情報要求を要するものであると判断した場合、ウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して情報処理装置50に当該操作入力に応じた情報の送信を要求するための送信要求(HTTLリクエスト)を行う(S10)。具体的には、S7で表示した操作画面のHTMLデータにおいて、S8でユーザが選択操作した操作ボタンには当該選択操作に対応する情報の送信を要求するためのURL(ここでは情報処理装置50の第1ウェブサーバ部53に対して情報送信を要求するためのアドレス)が対応付けられている。ウェブブラウザ部22は、このURLに基づいて情報処理装置50の第1ウェブサーバ部53に情報送信要求を行う。
【0081】
情報処理装置50の第1ウェブサーバ部53は上記の送信要求を受信すると(S23)、当該送信要求に対応する情報を外部アプリケーション部54から取得して複合機10に応答(返信)する(S24)。これにより、複合機10のウェブブラウザ部22は、第2通信部16を介して情報処理装置50から応答される情報を受信する(S11)。
【0082】
例えば、図5の操作画面において「今日の天気」または「今日のニュース」の操作ボタンが選択操作された場合、ウェブブラウザ部22は、当該操作ボタンに関連付けられている要求先に当該操作ボタンに対応する情報(天気情報またはニュース情報)の送信を要求する。なお、カレンダーの情報については複合機10の記憶部15に格納されており、図5の操作画面において「カレンダー」の操作ボタンが選択された場合、ウェブブラウザ部22は上記操作ボタンに関連付けられた第2ウェブサーバ部24のアドレスにアクセスしてカレンダーの情報を取得する。
【0083】
また、図6の操作画面において「スタート」の操作ボタンが選択された場合、この操作ボタンにはスキャン条件の送信を要求する要求先が関連付けられており、ウェブブラウザ部22は、当該操作ボタンに関連付けられている要求先にスキャン条件の送信要求を行う。
【0084】
また、図8の操作画面において「ジョブ1」、「ジョブ2」、および「ジョブ3」の各印字データを選択するための操作ボタンには当該印字データの送信要求を行うための要求先が関連付けられている。そして、ウェブブラウザ部22は、これら各操作ボタンのいずれかが選択操作された場合、当該操作ボタンに関連付けられている要求先に印字データの送信要求を行う。
【0085】
その後、ウェブブラウザ部22は、S8で受け付けた操作入力(S9がNoの場合)、あるいはS11で情報処理装置50から受信した情報(S9がYesの場合)が、ジョブの実行を要求するものであるか否かを判断する(S12)。
【0086】
そして、S12においてジョブの実行を要求するものであると判断した場合、ウェブブラウザ部22は、機器制御部21に当該要求に応じたジョブを実行させ(S13)、処理を終了するか否かを判断する(S14)。
【0087】
一方、S12においてジョブの実行を要求するものではないと判断した場合、およびS14において処理を終了しないと判断した場合、ウェブブラウザ部22は、操作画面の更新が必要であるか否かを判断する(S15)。そして、更新が不要な場合、ウェブブラウザ部22は、S7に戻り、機器制御部21に前回S7で表示させた操作画面の表示を継続させる。
【0088】
一方、更新が必要な場合、ウェブブラウザ部22は、機器制御部21に、S8で受け付けた操作内容および/またはS11で受信した情報に応じて操作画面の画像データを更新させ(S16)、S7に戻って当該画像データに応じた操作画面を表示させる。具体的には、S7で表示した操作画面の操作画面データにおいて、S8でユーザが選択した次の操作画面を要求するための操作ボタンには次の操作画面の操作画面データを要求するためのアクセス先を示す情報が対応付けられている。ウェブブラウザ部22は、この情報に基づいて次の操作画面の操作画面データを取得し、機器制御部21に当該操作画面データに応じた表示を行わせる。
【0089】
なお、本実施形態では、情報処理装置50が複合機10に対してジョブの実行命令を行う場合、情報処理装置50の第1ウェブサーバ部53は、ウェブブラウザ部22のアクセス先を、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24における、当該実行命令に応じたジョブ機能を複合機10に行わせるための制御コマンドを取得するためのアドレスに変更させるためのHTTPレスポンスを複合機10に応答する。これにより、複合機10では、ウェブブラウザ部22が、情報処理装置50から送信される制御コマンドではなく、内部の制御アプリケーション部23から取得する制御コマンドに基づいて複合機10の各種機能を制御することができる。その結果、複合機10と情報処理装置50との間に制御コマンドの通信を遮断するファイアウォールが構築されていたとしても、複合機10は、情報処理装置50から受けたHTTPレスポンスに応じた制御コマンドを取得し、各種機能を正常に制御することができる。
【0090】
上記のウェブブラウザ部22のアクセス先を複合機10内部の第2ウェブサーバ部24に変更させるための処理は、例えば複合機10内部の第2ウェブサーバ部24にアクセスさせるためのアクセス先を示す情報を上記HTTPレスポンスに記しておくことにより実現できる。
【0091】
また、複合機10内部の第2ウェブサーバ部24にアクセスさせるために、HTTPリダイレクトを用いてURLを変更させる指示を含むHTTPレスポンスを複合機10に送信するようにしてもよい。HTTPリダイレクトとは、データの送受信に使われるHTTPにおけるウェブサーバからの応答の種類の一つであり、URLが変更されたことを知らせる機能である。HTTPリダイレクトは、汎用されているウェブブラウザで使用されている公知の機能である。上記のHTTPリダイレクト命令としては、例えば、(a)HTTPリダイレクト応答(例えば応答コード“3XX”)、(b)HTML(Hypertext Markup Language)リフレッシュメタタグ、および(c)リダイレクト形式指示(ボタン操作などのマニュアル操作、またはJava(登録商標)スクリプトなどを用いた自動リダイレクトの指示)などを用いることができる。また、上記のJava(登録商標)スクリプトを用いた指示は、例えば、“location.href”によるものであってもよく、隠しインラインフレーム(hidden iframe)によるものであってもよく、JSONP(Javaスクリプト Object Notification with padding)によるものであってもよい。
【0092】
図9は、図3の操作画面において「コンテンツ印刷アプリ」が選択され、さらに図5の操作画面において「今日の天気」または「今日のニュース」が選択された場合の処理シーケンスを示す説明図である。
【0093】
図3の操作画面において「コンテンツ印刷アプリ」が選択されると、ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24に操作画面データの送信要求(HTTP Page Request)を送信し(図4のS2に対応)、外部アプリケーションUI記憶部15aに格納されている操作画面データを取得する(図4のS3に対応)。そして、ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに応じた操作画面の画像データを制御アプリケーション部23に通知する。これにより、制御アプリケーション部23が上記画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させるための制御コマンドを機器制御部21に通知し、上記操作画面(図5参照)が表示部12bに表示される(図4のS7に対応)。
【0094】
その後、上記操作画面に対する操作入力により「今日の天気」または「今日のニュース」の操作ボタンが選択されると(図4のS8に対応)、ウェブブラウザ部22は、当該操作ボタンに関連付けられた要求先に第2通信部16を介して当該操作ボタンに対応する印字データの送信要求を行い(図4のS10に対応)、上記要求先から応答される印字データ(今日の天気を示す情報、または今日のニュースを示す情報)を受信する(図4のS11に対応)。
【0095】
ウェブブラウザ部22は、上記印字データを受信すると、受信した印字データを制御アプリケーション部23に伝達し、制御アプリケーション部23は当該印字データの印刷処理を行わせるための制御コマンドを機器制御部21に伝達する。これにより、印刷処理が実行される(図4のS13に対応)。
【0096】
なお、図5の操作画面において「カレンダー」の操作ボタンが選択された場合、ウェブブラウザ部22は、当該操作ボタンに関連付けられた第2ウェブサーバ部24のアドレスにアクセスして記憶部15に予め格納されているカレンダーの印字データを取得し、取得した印字データを制御アプリケーション部23に伝達し、制御アプリケーション部23は当該印字データの印刷処理を行わせるための制御コマンドを機器制御部21に伝達する。これにより、カレンダーの印刷処理が実行される。
【0097】
図10は、図3の操作画面において「AnyWhere印刷アプリ」が選択された場合の処理シーケンスを示す説明図である。
【0098】
図3の操作画面において「AnyWhere印刷アプリ」が選択されると、ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24に操作画面データの送信要求(HTTP Page Request)を送信し(図4のS2に対応)、外部アプリケーションUI記憶部15aに格納されている操作画面データを取得する(図4のS3に対応)。この場合に外部アプリケーションUI記憶部15aから読み出される操作画面データには、表示形式情報とファイルリスト(生成条件情報)の要求先情報とが含まれている。ウェブブラウザ部22は、この要求先情報に応じた要求先に、ファイルリストの取得要求を送信し(図4のS5に対応)、当該要求先から応答されるファイルリストを受信する(図4のS6に対応)。そして、操作画面データに含まれる表示形式情報と上記要求先から取得したファイルリストとを組み合わせて操作画面の画像データを生成し、制御アプリケーション部23に通知する。これにより、制御アプリケーション部23が上記画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させるための制御コマンドを機器制御部21に通知し、上記操作画面(図8参照)が表示部12bに表示される(図4のS7に対応)。
【0099】
その後、上記操作画面に対する操作入力により「ジョブ1」〜「ジョブ3」のいずれかの操作ボタンが選択されると(図4のS8に対応)、ウェブブラウザ部22は、当該操作ボタンに関連付けられた要求先に第2通信部16を介して印字データの送信要求を行い(図4のS10に対応)、上記要求先から応答される印字データを受信する(図4のS11に対応)。
【0100】
また、ウェブブラウザ部22は、上記印字データを受信すると、受信した印字データを制御アプリケーション部23に伝達し、制御アプリケーション部23は当該印字データの印刷処理を行わせるための制御コマンドを機器制御部21に伝達する。これにより、印刷処理が実行される(図4のS13に対応)。
【0101】
図11は、図3の操作画面において「簡単スキャンアプリ」が選択された場合の処理シーケンスを示す説明図である。
【0102】
図3の操作画面において「簡単スキャンアプリ」が選択されると、ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24に操作画面データの送信要求(HTTP Page Request)を送信し(図4のS2)、外部アプリケーションUI記憶部15aに格納されている操作画面データを取得する(図4のS3)。そして、ウェブブラウザ部22は、第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに応じた操作画面の画像データを制御アプリケーション部23に通知する。これにより、制御アプリケーション部23が上記画像データに応じた操作画面を表示部12bに表示させるための制御コマンドを機器制御部21に通知し、上記操作画面(図6参照)が表示部12bに表示される(図4のS7に対応)。
【0103】
その後、上記操作画面に対する操作入力により「スタート」の操作ボタンが選択されると(図4のS8)、ウェブブラウザ部22は、当該操作ボタンに関連付けられた要求先に第2通信部16を介してスキャン条件を示す情報の送信要求を行い(図4のS10)、上記要求先から応答されるスキャン条件を示す情報を受信する(図4のS11)。
【0104】
ウェブブラウザ部22は、上記スキャン条件を示す情報を受信すると、当該情報を制御アプリケーション部23に伝達し、制御アプリケーション部23は当該情報に応じたスキャン処理を行わせるための制御コマンドを機器制御部21に伝達する。これにより、情報処理装置50(外部アプリケーション部54)から伝達されるスキャン条件に基づくスキャン処理が実行される(図4のS13)。なお、図11の例では、スキャン条件を示す情報に読み取った画像データを送信する送信先情報が含まれており、機器制御部21は、制御アプリケーション部23から通知された制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して読み取らせた画像データを第2通信部16を介して上記送信先情報に応じた送信先に送信させる。
【0105】
以上のように、本実施形態にかかる複合機10は、入力部12aが情報処理装置50において実行されるアプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、ウェブブラウザ部22が第2ウェブサーバ部24に当該アプリケーションプログラムの操作画面データの取得要求を行い、第2ウェブサーバ部24が上記取得要求に応じて上記アプリケーションプログラムの操作画面データを外部アプリケーションUI記憶部15aから読み出してウェブブラウザ部22に応答し、表示部12bはウェブブラウザ部22が第2ウェブサーバ部24から取得した操作画面データに応じた操作画面を表示する。
【0106】
これにより、情報処理装置50の外部アプリケーション部54で実行されるアプリケーションプログラムを複合機10で利用する場合であっても、当該アプリケーションの操作画面データを情報処理装置50から取得するのではなく、複合機10自身の記憶部15から取得することができる。したがって、操作画面を表示するまでに要する時間を短縮して操作画面を迅速に表示させることができる。
【0107】
また、本実施形態において、複合機10および/または情報処理装置50に備えられる各部(各ブロック)、特に複合機10の制御部11および/または情報処理装置50の制御部51を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、複合機10および/または情報処理装置50は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである複合機10および/または情報処理装置50の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、複合機10および/または情報処理装置50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
【0108】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0109】
また、複合機10および/または情報処理装置50を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0110】
また、複合機10および/または情報処理装置50の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限るものではない。例えば、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよく、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0111】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、通信ネットワークを介して通信可能に接続された複合機と情報処理装置とが連携して動作する複合機制御システム、複合機制御方法、および上記複合機制御システムに備えられる複合機に適用できる。
【符号の説明】
【0113】
1 複合機制御システム
10 複合機
11 制御部
12 操作部
12a 入力部(操作入力部)
12b 表示部
13 画像読取部
14 画像形成部
15 記憶部
15a 外部アプリケーションUI記憶部
16 第2通信部
21 機器制御部
21a OpenI/F部
22 ウェブブラウザ部
23 制御アプリケーション部
24 第2ウェブサーバ部
30 通信ネットワーク
50 情報処理装置
51 制御部
52 第1通信部
53 第1ウェブサーバ部
54 外部アプリケーション部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ウェブサーバ部とアプリケーションプログラムを実行する外部アプリケーション部とを備えた情報処理装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続される、複数の装置機能を備えた複合機であって、
操作画面データに応じた操作画面を表示する表示部と、
ユーザからの指示入力を受け付ける操作入力部と、
第2ウェブサーバ部と、
上記情報処理装置において実行されるアプリケーションプログラムの操作画面データを記憶した記憶部と、
ウェブブラウザ部と、
上記装置機能の動作を制御する機器制御部とを備え、
上記ウェブブラウザ部は、上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、上記第2ウェブサーバ部に当該アプリケーションプログラムの操作画面データの取得要求を行い、
上記第2ウェブサーバ部は、上記取得要求に応じて上記アプリケーションプログラムの操作画面データを上記記憶部から読み出して上記ウェブブラウザ部に応答し、
上記表示部は、上記ウェブブラウザ部が上記第2ウェブサーバ部から取得した上記操作画面データに応じた操作画面を表示することを特徴とする複合機。
【請求項2】
上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けた後、上記表示部が上記操作画面データに応じた操作画面を表示するまでに間に、上記情報処理装置との通信が行われないことを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
上記操作画面データは、操作画面の表示形式を示す情報である表示形式情報と、当該複合機に対して通信可能に接続される他の装置に対して操作画面の生成条件の少なくとも一部を示す情報である生成条件情報の送信要求を行うための要求先情報とを含んでおり、
上記ウェブブラウザ部は、上記要求先情報に示された要求先から上記生成条件情報を取得し、
上記表示部は、上記操作画面データに含まれる上記表示形式情報と、上記要求先から取得した上記生成条件情報とを組み合わせることによって生成される操作画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の複合機。
【請求項4】
上記生成条件情報は、上記要求先が上記送信要求を受信した時点で上記複合機において利用可能な装置、ファイル、またはアプリケーションプログラムのリストであり、
上記表示部は、上記リストに含まれる項目を示す画像を上記操作画面に含めて表示させることを特徴とする請求項3に記載の複合機。
【請求項5】
上記ウェブブラウザ部は、上記操作入力部が上記アプリケーションプログラムの操作画面に対するユーザからの指示入力を受け付けた場合であって当該指示入力が上記アプリケーションプログラムに対して制御指示の送信要求を要する指示入力である場合に、上記第1ウェブサーバ部に対して当該指示入力に応じた制御指示の送信要求を行い、
上記第1ウェブサーバ部は上記送信要求に応じた制御指示を外部アプリケーション部から取得して上記ウェブブラウザ部に応答し、
上記機器制御部は、上記ウェブブラウザ部が上記第1ウェブサーバ部から取得した上記制御指示に基づいて上記装置機能の動作を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の複合機。
【請求項6】
上記記憶部は、上記機器制御部に上記装置機能の動作制御を実行させるための制御コマンドを格納しており、
上記ウェブブラウザ部は、上記第2ウェブサーバ部に対して上記第1ウェブサーバ部から取得した制御指示に対応する制御コマンドの取得要求を行い、
上記第2ウェブサーバ部は上記制御指示に対応する制御コマンドを上記記憶部から読み出して上記ウェブブラウザ部に応答し、
上記機器制御部は、上記ウェブブラウザ部が上記第2ウェブサーバ部から取得した上記制御コマンドに基づいて上記装置機能の動作を制御することを特徴とする請求項5に記載の複合機。
【請求項7】
上記第1ウェブサーバ部から上記ウェブブラウザ部に送信される上記制御指示は、上記ウェブブラウザ部を上記第2ウェブサーバ部における当該制御指示に対応する上記制御コマンドを取得するためのアドレスにアクセスさせるためのループバックアドレスまたはリダイレクト命令を含むHTTPメソッドを用いた制御指示であることを特徴とする請求項6に記載の複合機。
【請求項8】
上記ウェブブラウザ部から上記第1ウェブサーバ部への制御指示の送信要求は、HTTPメソッドを用いて行われることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の複合機。
【請求項9】
第1ウェブサーバ部とアプリケーションプログラムを実行する外部アプリケーション部とを備えた情報処理装置と、当該情報処理装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続される請求項1から8のいずれか1項に記載の複合機とを備えていることを特徴とする複合機制御システム。
【請求項10】
第1ウェブサーバ部とアプリケーションプログラムを実行する外部アプリケーション部とを備えた情報処理装置に対して通信ネットワークを介して通信可能に接続される、複数の装置機能を備えた複合機の制御方法であって、
上記複合機は、
操作画面データに応じた操作画面を表示する表示部と、
ユーザからの指示入力を受け付ける操作入力部と、
上記情報処理装置において実行されるアプリケーションプログラムの操作画面データを記憶した記憶部とを備え、
上記操作入力部が上記情報処理装置において実行される上記アプリケーションプログラムの起動指示を受け付けたときに、当該アプリケーションプログラムの操作画面データを上記記憶部から取得する工程と、
上記記憶部から取得した上記操作画面データに応じた操作画面を上記表示部に表示させる工程とを含むことを特徴とする複合機の制御方法。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載の複合機を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記ウェブブラウザ部および上記第2ウェブサーバ部として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−240200(P2012−240200A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108789(P2011−108789)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】