説明

複合液体を少なくとも2つの成分に分離するための機器および方法

一定容量の全血を少なくとも血漿成分と赤血球成分とに分離するための方法および機器は、一定容量の全血を収容する分離バッグ(1)を遠心分離して、分離バッグ(1)の中で、少なくとも、血漿を含有する第1の成分と赤血球を含有する第2の成分とに分離することと、分離バッグ(1)の遠心分離中に、血漿成分バッグ(4)内に第1の成分を移すことと、分離バッグ(1)の遠心分離中に、洗浄液バッグ(3)から分離バッグ(1)内に一定容量の洗浄液を移すことと、一定容量の洗浄液を第2の成分と混合することと、分離バッグ(1)を遠心分離して、分離バッグ(1)の中で、洗浄された赤血球成分と上清成分とを分離することと、分離バッグ(1)の遠心分離中に、廃棄物バッグ(2、3)内に上清成分を移すことと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一定容量の複合液体を少なくとも2つの成分に分離するための機器および方法に関する。
【0002】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2006年12月20日に出願された米国仮出願第60/870860号の利益を主張する。
【背景技術】
【0003】
本発明の機器および方法は、水性成分および1つ以上の細胞成分を含有する生体液を分離するのに特に適切である。たとえば、本発明は、一定容量の全血から、血漿成分および赤血球成分の抽出、血小板濃厚血漿成分および赤血球成分の抽出、または、血漿成分、血小板/単核球成分および赤血球成分の抽出を含む使用の可能性がある。
【0004】
特許文献1には、様々な分離プロトコルにしたがって、一定容量の全血を少なくとも3つの成分に分離する方法および機器が記載されている。たとえば、1つのプロトコルは、一定容量の全血を、血漿成分、赤血球成分および単核球成分(一定容量の血漿、血小板、単核球および残りの赤血球を含む)に分離することを提供する。この機器は、血漿用のバッグ、単核球成分用のバッグ、および、赤血球成分バッグ用のバッグを含む3つのサテライトバッグに接続されている、環状分離バッグを備えるバッグセットを含む、様々なバッグセットと協働するように適合された遠心分離機を備える。遠心分離機は、分離バッグをスピンして中に収容された全血を遠心分離するためのロータであって、分離バッグを支持するためのターンテーブルと、分離バッグに接続された成分バッグを収容するための中心コンパートメントと、を有するロータと、分離バッグを圧搾して、少なくとも血漿成分を血漿成分バッグ内に移動させ且つ単核球成分を単核球成分バッグ内に移動させる圧搾システムとを含む。
【0005】
特許文献1によれば、分離バッグに収容される一定容量の全血を少なくとも3つの成分に分離する方法は、分離バッグの中で、血漿を含有する第1の内側層と、血小板を含有する第2の中間層と、リンパ球、単球および顆粒球を含有する第3の中間層と、赤血球を含有する第4の外側層とを分離させ、少なくとも第3の層および第4の層は、部分的にオーバーラップするように、分離バッグを遠心分離することと、分離バッグに接続された血漿成分バッグ内に、第1の層の第1の画分を実質的に含有する血漿成分を移すことと、分離バッグに接続された単核球成分バッグ内に、リンパ球および単球を含有する第3の層の画分を少なくとも含有する単核球成分を移すことと、の各ステップを備える。
【0006】
この方法は、様々な理由のために輸血可能な赤血球には望ましくない単核球を実質的に含まない赤血球成分を分離することを可能にする。
【0007】
白血球は、望ましくないタンパク質(たとえばプリオン)およびウイルスを含むかもしれない血漿の残り容量内に赤血球が詰められる赤血球成分から少なくとも部分的に除去することが望ましい唯一の汚染物質ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許EP第1709983号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の1つの目的は、血漿が除去されている輸血可能な赤血球生成物を準備するのを可能にする分離全血用の方法および機器を設計することである。
【0010】
本発明によれば、一定容量の全血を少なくとも血漿成分と赤血球成分とに分離するための方法は、一定容量の全血を収容する分離バッグを遠心分離して、分離バッグの中で、少なくとも、血漿を含有する第1の成分と赤血球を含有する第2の成分とに分離することと、分離バッグの遠心分離中に、分離バッグに接続された血漿成分バッグ内に第1の成分を移すことと、分離バッグの遠心分離中に、分離バッグに接続された洗浄液バッグから分離バッグ内に一定容量の洗浄液を移すことと、一定容量の洗浄液を第2の成分と混合することと、分離バッグを遠心分離して、分離バッグの中で、洗浄された赤血球成分と使用済み洗浄液を含有する上清成分とを分離することと、分離バッグの遠心分離中に、分離バッグに接続された廃棄物バッグ内に上清成分を移すことと、を備える。
【0011】
方法は、分離バッグに接続された全血バッグから分離バッグ内に一定容量の全血を移すことをさらに備えてもよい。また、一定容量の全血は、遠心分離によって、全血バッグから分離バッグ内に移されてもよい。分離バッグは遠心分離されて、分離バッグの中で、血漿を含有する第1の成分と、赤血球を含有する第2の成分と、血小板および単核球を含有する中間成分と、に分離する。
【0012】
方法は、分離バッグの遠心分離中に、分離バッグに接続された中間成分バッグ内に中間成分を移すことと、をさらに備える。
【0013】
方法は、分離バッグに接続された全血バッグから分離バッグ内に一定容量の全血を移すことと、一定容量の全血が分離バッグ内に移された後に、全血バッグ内に中間成分を移すことと、をさらに備えてもよい。
【0014】
一定容量の洗浄液は、遠心分離によって分離バッグ内に移される。
【0015】
分離バッグ内に移される一定容量の洗浄液は、実質的に、洗浄液バッグに当初収容された洗浄液の総容量に対応する。
【0016】
上清成分は、洗浄液が分離バッグ内に移された後に廃棄物バッグとして使用される洗浄液バッグ内に移される。分離バッグ内に移される一定容量の洗浄液は、洗浄液バッグに当初収容された洗浄液の総容量の第1の画分である。
【0017】
方法は、分離バッグに接続された全血バッグから分離バッグ内に一定容量の全血を移すことと、分離バッグから、一定容量の全血が分離バッグ内に移された後に廃棄物バッグとして使用される全血バッグ内に、上清成分を移すことと、をさらに備える。
【0018】
方法は、廃棄物バッグ内に上清成分を移した後に、分離バッグの遠心分離中に、洗浄液バッグに当初収容された洗浄液の総容量の第2の画分を、分離バッグ内に移すことと、洗浄液を第2の成分と混合することと、分離バッグを遠心分離して、分離バッグの中で、洗浄された赤血球成分と、使用済み洗浄液を含有する上清成分と、に分離することと、分離バッグの遠心分離中に、廃棄物バッグ内に上清成分を移すことと、をさらに備える。
【0019】
一定容量の洗浄液を第2の成分と混合することは、遠心分離スピードを変えることを備える。また、一定容量の洗浄液を第2の成分と混合することは、分離バッグに、回転軸を中心にした前後運動をさせることを備えてもよい。
【0020】
方法は、初めに、分離バッグを内部容積が一定の分離コンパートメントに入れることをさらに備える。
【0021】
第1の成分を血漿成分バッグ内に移すことは、分離バッグと血漿成分バッグとの間の連通を可能にすることと、分離コンパートメント内に流体をポンプ注入して、第1の成分が実質的に血漿成分バッグ内に移されるまで分離バッグを圧搾することと、を備える。
【0022】
一定容量の洗浄液を分離バッグ内に移すことは、第1の成分が血漿成分バッグ内に移された後に、分離コンパートメントから一定容量の流体をポンプ注出することと、分離バッグと洗浄液バッグとの間の流体連通を可能にして、一定容量の洗浄液を分離バッグ内に移すようにすることと、を備える。分離コンパートメントからポンプ注出される一定容量の流体は、実質的に、分離バッグ内に移される決定された容量の洗浄液に対応する。
【0023】
方法は、廃棄物バッグ内に上清成分を移した後に、分離バッグ内に赤血球用の一定容量の保存溶液を移すことをさらに備える。一定容量の保存溶液は、当初、分離バッグに接続された赤血球生成物バッグに収容されており、一定容量の保存溶液は赤血球生成物バッグから分離バッグ内に移される。
【0024】
方法は、一定容量の保存溶液を第2の成分と混合することをさらに備える。
【0025】
方法は、赤血球生成物バッグ内に保存溶液と第2の成分との混合物を移すことをさらに備える。
【0026】
方法は、保存溶液と第2の成分との混合物が赤血球生成物バッグ内に移されるときに、混合物を白血球除去フィルタ(leuko-depletion filter)を通して濾過することをさらに備える。
【0027】
本発明によれば、少なくとも3つのサテライトバッグに流体的に接続されている分離バッグ内に収容された一定容量の全血を、少なくとも血漿成分と赤血球成分とに分離するための機器は、ロータの回転軸を中心にして分離バッグをスピンするためのロータであって、分離バッグを収容するための分離コンパートメントと、少なくとも3つのサテライトバッグが分離コンパートメント内の分離バッグよりも回転軸により近くなるようにこれらのサテライトバッグを収容するための容器と、を備えるロータと、ロータに装着され、分離バッグを第1のサテライトバッグに接続するチューブと相互作用し、これを通る流体流れを選択的に通すかまたは阻止する第1の弁部材であって、第1のサテライトバッグは当初は一定容量の全血を収容するためのものである、第1の弁部材と、ロータに装着され、分離バッグを第2のサテライトバッグに接続するチューブと相互作用し、これを通る流体流れ成分を選択的に通すかまたは阻止する第2の弁部材であって、第2のサテライトバッグは当初は一定容量の洗浄液を収容するためのものである、第2の弁部材と、ロータに装着され、分離バッグを第3のサテライトバッグに接続するチューブと相互作用し、これを通る流体流れ成分を選択的に通すかまたは阻止する第3の弁部材であって、第3のサテライトバッグは最終的に血漿成分を収容するためのものである、第3の弁部材と、分離コンパートメント内に流体をポンプ注入し、3つのサテライトバッグの少なくとも2つ内に分離バッグの内容物を移させるためのポンプシステムと、制御ユニットであって、分離バッグに収容された一定容量の全血を、少なくとも、血漿を含有する内側層と赤血球を含有する外側層とに沈殿するのを可能にする遠心分離スピードで、ロータを回転させるように、第3の弁部材に、第3のサテライトバッグに接続されたチューブを開かせ、第1および第2の弁部材は閉じているように、ポンプシステムに、分離コンパートメント内に流体をポンプ注入させ、第3のサテライトバッグ内に、内側層の主要画分を含有する血漿成分を移させるように、第3の弁部材に、第3のサテライトバッグに接続されたチューブを閉じさせるように、ポンプシステムに、一定容量の流体を分離コンパートメントからポンプ注出させるように、第2の弁部材に、第2のサテライトバッグに接続されたチューブを開かせ、これによって、一定容量の洗浄液が遠心分離によって第2のサテライトバッグから分離バッグ内に移されるように、ロータに、一定容量の洗浄液を外側層および内側層の残っている画分と混合させるように、上清を含有する内側層および洗浄された赤血球を含有する外側層の沈殿を可能にする遠心分離スピードで、ロータを回転させるように、第1および第2の弁の一方に、それぞれ分離バッグを第1または第2のサテライトバッグに接続するチューブを開かせるように、且つ、ポンプシステムに、分離コンパートメント内に流体をポンプ注入させ、上清を第1または第2のサテライトバッグ内に移させるように、プログラムされた制御ユニットと、を備える。
【0028】
制御ユニットは、ポンプシステムに、少なくとも第2のサテライトバッグに収容された洗浄液の総容量に対応する一定容量の流体を分離コンパートメントからポンプ注出させるように、第2の弁部材に、第2のサテライトバッグに接続されたチューブを開かせ、これによって、洗浄液の総容量が遠心分離によって第2のサテライトバッグから分離バッグ内に移されるように、上清を含有する内側層および洗浄された赤血球を含有する外側層の沈殿後に、第2の弁部材に、分離バッグを第2のサテライトバッグに接続するチューブを開かせるように、ポンプシステムに、分離コンパートメント内に流体をポンプ注入させ、第2のサテライトバッグ内に上清を移させるように、さらにプログラムされてもよい。
【0029】
制御ユニットはまた、ポンプシステムに、第2のサテライトバッグに収容された洗浄液の総容量の決定された画分に対応する一定容量の流体を分離コンパートメントからポンプ注出させるように、第2の弁部材に、第2のサテライトバッグに接続されたチューブを開かせ、これによって、洗浄液の総容量の決定された画分が遠心分離によって第2のサテライトバッグから分離バッグ内に移されるように、上清を含有する内側層および洗浄された赤血球を含有する外側層の沈殿後に、第1の弁部材に、分離バッグを第1のサテライトバッグに接続するチューブを開かせるように、ポンプシステムに、分離コンパートメント内に流体をポンプ注入させ、第1のサテライトバッグ内に上清を移させるように、さらにプログラムされてもよい。
【0030】
制御ユニットは、一定容量の全血を、少なくとも、血漿を含有する第1の内側層と赤血球を含有する第2の外側層と血小板および単核球を含有する中間層とに沈殿するのを可能にする遠心分離スピードでロータを回転させるように、血漿成分が第3のサテライトバッグ内に移されたとき、第1の弁部材に、分離バッグを第1のサテライトバッグに接続するチューブを開かせ、第2および第3の弁部材は閉じているように、ポンプシステムに、分離コンパートメント内に流体をポンプ注入させ、血小板および単核球を含有する中間成分を第1のサテライトバッグ内に移させるように、さらにプログラムされてもよい。
【0031】
制御ユニットは、当初は、第1の弁部材に、分離バッグを第1のサテライトバッグに接続するチューブを開かせ、第2および第3の弁部材は閉じており、第1のサテライトバッグは一定容量の全血を収容するように、一定容量の全血が遠心分離によって第1のサテライトバッグから分離バッグ内に移るのを可能にする遠心分離スピードで、ロータを回転させるように、さらにプログラムされてもよい。
【0032】
制御ユニットは、ロータに、ロータの回転スピードをより高い回転スピードとより低い回転スピードとの間で変えることによって、一定容量の洗浄液を外側層および内側層の残っている画分と混合させるように、さらにプログラムされてもよい。
【0033】
制御ユニットは、ロータを停止することによって、ロータに、一定容量の洗浄液を外側層および内側層の残っている画分と混合させるように、且つ、回転軸を中心にして一方の方向に且つ反対方向に交互にロータを回転させるように、さらにプログラムされてもよい。
【0034】
本発明の他の特徴および利点は、例示としてのみみなされる以下の説明および添付の図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による分離機器と協働するように設計されたバッグのセットの概略図である。
【図2】図1のバッグのセットの分離バッグの拡大図である。
【図3】本発明による分離機器の部分断面概略図である。
【図4】本発明による分離機器のロータの断面図である。
【図5】図4のロータ内に嵌るロータライナーおよびバッグローダーのアセンブリの第1の実施形態の斜視図である。
【図6】図5のロータライナーおよびバッグローダーアセンブリのバッグローダーが部分的に上げられている状態の斜視図である。
【図7】図6のバッグローダーの斜視図である。
【図8】図7のバッグローダーの、垂直面に沿った断面図である。
【図9】図6〜図8のバッグローダーに嵌っているバッグホルダの斜視図である。
【図10】図6〜図8のバッグローダーに嵌っているバッグホルダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1および図2は、全血を、血漿成分(本質的に血漿を含有する)と、赤血球成分(本質的に赤血球を含有する)とに分離するように、または、血漿成分と、赤血球成分と、血小板および単核球を含有する中間成分とに分離するように適合されたバッグのセットの一例を示す。このバッグセットは、可撓性のある分離バッグ1と、これに接続された4つの可撓性のあるサテライトバッグ2、3、4、5と、を備える。分離バッグ1は、略円形の外側縁7および内側縁8を有する環状分離チャンバ6を備える。分離チャンバ6の外側円形縁7および内側円形縁8は、実質的に同心である。分離チャンバ6は、分離チャンバ6の内容物を第4のサテライトバッグ5内に排出するのを助けるために外側縁7から外向きに突出する第1の鋭角の漏斗状延長部9を備える。また、分離チャンバ6は、漏斗分離された成分を第1、第2および第3のサテライトバッグ2、3、4内に流し込むのを助けるために、円形縁8からバッグ1の中心へ向けて突出する第2の鈍角の漏斗状延長部10を備える。
【0037】
分離バッグ1は、環状チャンバ5の内側縁8に接続されている半可撓性ディスク形状接続要素11をさらに備える。ディスク形状接続要素11は、後述する遠心分離機のロータの3つのピンチ弁部材42、43、44(図2の点線に概略的に示されている)を部分的に囲繞するために、第2の漏斗状延長部10に面する内側縁に3つの丸みを帯びた窪み12を備える。ディスク形状接続要素11は、分離バッグ1を遠心分離機のロータに接続するために、一連の穴13を備える。
【0038】
第1のサテライトバッグ2は、2つの目的を有し、全血収集バッグとして且つ中間成分バッグ(第1の分離プロトコル、後述する)として、または、全血収集バッグとして且つ廃棄物バッグ(第2の分離プロトコル、後述する)として、連続して使用される。第1のサテライトバッグ2は、当初は、分離プロセス前に供血者から一定容量の全血(通常、約450ml)を受け取り、分離プロセス中に、中間成分(第1の分離プロトコル)か、または、中間成分と使用済み洗浄液との廃棄混合物(第2の分離プロトコル)か、のいずれかを受け取るように意図されている。第1のサテライトバッグ2は、平らであり実質的に矩形であり、バッグをかけるための穴14を有する2つの補強イヤを上部隅に備える。第1のサテライトバッグ2は、第1のサテライトバッグ2の上部縁に接続された第1の端および内側環状縁8近くで第2の漏斗状延長部10に接続された第2の端を有する第1の移送チューブ20によって、分離バッグ1に接続されている。第1のサテライトバッグ2は、一定容量の抗凝固剤溶液(典型的に、約450mlの供血用に、約63mlのクエン酸リン酸デキストロースの溶液)を収容する。移送チューブ20に装着された破断可能なコネクタ21が、第1の移送チューブ20を通って液体が流れるのを阻止し、抗凝固剤溶液が第1のサテライトバッグ2から分離バッグ1内に流れるのを防止する。
【0039】
バッグセットは、一方の端で第1のサテライトバッグ2の上部縁に接続され、他方の端に、シース23によって保護された針を備える収集チューブ22をさらに備える。収集チューブ22には、クランプ24が嵌められている。
【0040】
第2のサテライトバッグ3は、当初は、赤血球用の所定の容量の洗浄液を収容するように意図されている。第1の分離プロトコルでは、第2のサテライトバッグ3はまた、分離プロセス中に、使用済み洗浄液を収集するためにも使用される。第2のサテライトバッグ3は、平らであり実質的に矩形であり、バッグをかけるための穴14を有する2つの補強イヤを上部隅に備える。第2のサテライトバッグ3は、第2の移送チューブ25によって分離バッグ1に接続されている。第2の移送チューブ25は、第2のサテライトバッグ3の上部縁に接続された第1の端と、内側円形縁8近くで、第2の漏斗状延長部10の先端に対して第1の移送チューブ20の第2の端とは反対側に、第2の漏斗状延長部10に接続された第2の端と、を有する。移送チューブ25に装着された破断可能なコネクタ21が、第2の移送チューブ25を通って液体が流れるのを阻止し、洗浄液が第2のサテライトバッグ3から分離バッグ1内に流れるのを防止する。
【0041】
第3のサテライトバッグ4は、血漿成分を受け取るように意図されている。第3のサテライトバッグ4は、平らであり実質的に矩形であり、バッグをかけるための穴14を有する2つの補強イヤを上部隅に備える。第3のサテライトバッグ4は、第3の移送チューブ26によって分離バッグ1に接続されている。第3の移送チューブ26は、第3のサテライトバッグ4の上部縁に接続された第1の端と、第2の漏斗状延長部10の先端に接続された第2の端と、を有する。
【0042】
第4のサテライトバッグ5は、赤血球成分を受け取るように意図されている。第4のサテライトバッグ5は、平らであり実質的に矩形であり、バッグをかけるために穴14を有する2つの補強イヤを上部隅に備える。第4のサテライトバッグ5は、第4の移送チューブ27によって分離バッグ1に接続されている。第4の移送チューブ27は、第4のサテライトバッグ5の上部縁に接続された第1の端と、第1の漏斗状延長部9の先端に接続された第2の端と、を有する。第4の移送チューブ27は、それぞれ白血球除去フィルタ28の入口および出口に接続された2つのチューブセグメントを備える。分離バッグ1に接続されたチューブセグメントには、クランプ24が嵌められている。第4のサテライトバッグ5に接続されたチューブセグメントには、破断可能なコネクタ21が嵌められ、コネクタ21が壊されたときには、分離バッグ1と第4のサテライトバッグ5との間に液体が流れるのを可能にする。フィルタは、たとえば、ポール・コーポレーション(Pall Corporation)が製造したタイプRC2Dのフィルタであってもよい。このようなフィルタは、ディスク形状のケーシングを備え、これに、半径方向の入口ポートおよび出口ポートが、直径対向で接続されている。ケーシングは、ポリカーボネート(GE Lexan HF1140)から作られ、内部容積が約33mlである。ケーシングは、ポリエステル繊維(直径約2ミクロン)の不織ウェブの複数層から構成された濾過媒体で満たされている。第4のサテライトバッグ5は、赤血球用に一定容量の保存溶液を収容する。
【0043】
分離バッグ1の変形例は、偏心である外側円形縁7および/または内側円形縁8を有する分離チャンバ6を含んでもよく、すなわち、分離チャンバ6は、環状ではなく、C字形となるように内側縁8から外側縁7へ延出する半径方向壁を備え。分離チャンバ6は、内側縁および外側縁を含むいずれの形状(分離バッグが遠心分離機のロータに装着されるときには、内側縁は、外側縁よりも遠心分離機のロータの軸に近い)を有してもよく、たとえば、2つの側方向半径方向縁によって境界を定められた環の一部の形状または矩形形状である。この変形例では、すべてのサテライトバッグは、分離バッグの内側縁に接続されてもよい。
【0044】
また、分離バッグ1は、遠心分離機のロータの平らなサポート表面かまたは円錐台サポート表面かのいずれかに嵌るような形状とすることができる。
【0045】
図1および図2に示されたバッグセットのバッグおよびチューブは、すべて、血液および血液成分に接触するのに適切な可撓性のあるプラスチック材料から作られている。
【0046】
図3および図4は、遠心分離によって一定容量の複合液体を分離するための機器の実施形態を示す。機器は、図1および図2に示された分離バッグのセットを受け取るように適合された遠心分離機と、分離された成分をサテライトバッグ内に移させるための成分移送機構と、を備える。
【0047】
遠心分離機は、軸受アセンブリ30によって支持されるロータを備え、ロータが垂直中心軸31を中心にして回転するのを可能にする。ロータは、第1の上部部分32と第2の下部部分33とを備える円筒形ロータシャフトであって、シャフトの上部部分32は一部が軸受アセンブリ30を通って延出し、プーリー34が、シャフトの上部部分32の下部端に接続されているロータシャフトと、サテライトバッグを収容するための中心コンパートメント35であって、上部端でロータシャフト32、33に接続されている中心コンパートメント35と、少なくとも1つのサテライトバッグを中心コンパートメント35内の決定された位置に支持するために、中心コンパートメント35および可動バッグローダー87内に嵌るロータライナー79と、分離バッグを支持するための円形ターンテーブル37であって、上部端でコンパートメント35に接続されており、ロータシャフト32、33、コンパートメント35およびターンテーブル37の中心軸は、回転軸31に一致するターンテーブル37と、ターンテーブル37に固定されるバランシングアセンブリ38と、を備える。
【0048】
遠心分離機は、中心垂直軸31を中心にしてロータを回転するために、プーリー34の溝に係合したベルト41によってロータに連結されたモータ40をさらに備える。
【0049】
分離機器は、第1、第2および第3のピンチ弁部材42、43、44をさらに備え、これらは、可撓性のあるプラスチックチューブを通って液体が流れるのを選択的に阻止するかまたは可能にするために、且つ、プラスチックチューブを選択的に封止し切断するために、ロータに装着されている。各ピンチ弁部材42、43、44は、細長い円筒形本体と、静止上部ジョーおよび開位置と閉位置との間を動くことができる下部ジョーによって画成される溝を有する頭部と、を備え、溝は、下部ジョーが開位置にあるときには、図1および図2に示されたバッグセットの移送チューブ20、25、26の1本が中にぴったり係合することができるような寸法にされている。細長い本体は、下部ジョーを動かすための機構を含み、これは、プラスチックチューブを封止し切断するのに必要なエネルギを供給する高周波ジェネレータに接続されている。ピンチ弁部材42、43、44は、これらの長手方向軸が同一平面上であり、ロータの中心軸31に平行であり、これらの頭部が中心コンパートメント35のへりより上に突出するように、中心コンパートメント35の周囲に装着されている。分離バッグ1がターンテーブル37に装着されるときに、分離バッグ1およびこれに接続された移送チューブ20、25、26に対するピンチ弁部材42、43、44の位置は、図2に点線で示されている。電力は、ロータシャフトの下部部分33のまわりに装着されているスリップリングアレイ45を通って、ピンチ弁部材42、43、44に供給される。
【0050】
ターンテーブル37は、上部の小さい方の縁がコンパートメント35のへりに接続されている中心円錐台部分47と、円錐台部分47の下部の大きい方の縁に接続された環状の平らな部分48と、環状部分48の外側周囲から上向きに延出する外側円筒形フランジ49と、を備える。ターンテーブル37は、開位置と閉位置との間を旋回するように、ヒンジによってフランジ49に固定されているアーチ形の円形蓋50をさらに備える。蓋50には、ロック51が嵌められ、これによって閉位置で閉塞されることができる。蓋50は、環状内側表面を備え、これは、蓋50が閉位置にあるときには、ターンテーブル37の円錐台部分47および環状の平らな部分48とともに、実質的に平行四辺形の形状を有する半径方向断面を有する円錐台環状コンパートメント52を画成するような形状にされている。円錐台環状コンパートメント52(以下、「分離コンパートメント」ともいう。)は、固定容量を有し、図1および図2に示された分離バッグ1を収容するように意図されている。
【0051】
バランシングアセンブリ38は、略リングの形状を有し、中心コンパートメント35の上部端とターンテーブル37の円錐台壁47との間に延出する空間内でロータに装着されている。バランシングアセンブリ38は、断面が半径方向平面に沿って略矩形であるキャビティを画成するリング形状のハウジング53を備える。バランシングアセンブリは、直径がハウジング53のキャビティの半径方向深さよりもわずかに小さい複数の非常に重いボール54をさらに備える。ボール54が互いに接触するときには、ハウジング52の約180度のセクターを占める。
【0052】
成分移送機構は、分離コンパートメント52内の分離バッグを圧搾し且つ分離された成分をサテライトバッグ内に移させるための圧搾システムを備える。圧搾システムは、ターンテーブル37の円錐台部分47および環状の平らな部分48をライニングにするような形状にされている可撓性のある環状ダイヤフラム55を備え、これに対して、小さい方の円形縁および大きい方の円形縁に沿って固定されている。圧搾システムは、ロータシャフトの下部部分33の下部端からロータを通ってターンテーブル37へ延出するダクト57を経由して、可撓性のあるダイヤフラム55とターンテーブル37との間に画成された膨張可能な油圧チャンバ56に油圧液体をポンプ注入し且つこれからポンプ注出するための油圧ポンプステーション60をさらに備える。ポンプステーション60は、回転式流体カップリング58を経由してロータダクト57に流体的に接続された油圧シリンダ62内を動くことができるピストン61を有するピストンポンプを備える。ピストン61は、ピストンロッド62に連結された親ねじ64を動かすステッピングモータ63によって作動される。ステッピングモータ63は、別々のインクリメントまたはステップによって制御されることができ、モータ63の車軸のターンのほんのわずかに対応する各ステップは、ピストン61の小さな直線変位に対応し、且つ、油圧チャンバ56にポンプ注入し且つこれからポンプ注出されている液体の少量の決定された容量にも対応する。油圧シリンダ62はまた、油圧シリンダ62、ロータダクト57および膨張可能な油圧チャンバ56を含む油圧回路内に油圧液体を導入するかまたはこれから油圧液体を引き出すかを選択的に可能にするために、弁66によって制御されたアクセスを有する油圧液体溜65にも接続されている。圧力ゲージ67は、中の油圧を測定するために油圧回路に接続されている。
【0053】
分離機器は、機器が作動するときに分離バッグ1内で発生する分離プロセスの特徴を検出するために、3つのセンサ70、71、72をさらに備える。3つのセンサ70、71、72は、ロータの回転軸31から異なる距離で蓋50に包埋されており、第1のセンサ70は回転軸31にもっとも近く、第2のセンサ71は回転軸31にもっとも遠く、第3のセンサ72は中間位置を占める。蓋50が閉じているときには、3つのセンサ70、71、72は、図2に示されるように分離バッグ1に面する。第1のセンサ70(以下、「内側センサ」ともいう。)は、第2の漏斗状延長部10に接続された第2の移送チューブ25の端から短い距離で分離チャンバ6上に位置決めされるように、蓋50に包埋されている。内側センサ70は、インタフェース気体/液体、血漿と血小板/単核球層との間のインタフェース、濃厚血小板血漿と単核球との間のインタフェース、および、赤血球を検出することができる。第2のセンサ71(以下、「外側センサ」ともいう。)は、内側縁8から分離チャンバの幅の約3分の2で分離チャンバ6上に位置決めされるように蓋50に包埋され、第2の漏斗状延長部10に対してずれており、一方、第1および第2の移送チューブ20、26のそれぞれの端に対してよりも、第2の移送チューブ25の端により近い。外側センサ71は、液体、たとえば血液を検出することができる。第3のセンサ72(以下、「中間センサ」ともいう。)は、内側縁8から分離チャンバの幅の約3分の1で、実質的に、第2の漏斗状延長部10に接続された第3の移送チューブ26の端と同一の半径で、分離チャンバ6上に位置決めされるように蓋50に包埋される。中間センサ72は、血漿と血液細胞との間のインタフェースを検出することができる。各センサ70、71、72は、赤外線LEDおよびフォトデテクタを含むフォトセルを備えることができる。電力は、スリップリングアレイ45を通って、センサ70、71、72に供給される。
【0054】
分離機器は、制御ユニット(マイクロプロセッサ)と、様々な分離プロトコルに関する情報およびプログラムされた指令を且つこのような分離プロトコルにしたがった機器の動作に関する情報およびプログラムされた指令をマイクロプロセッサに提供するためのメモリと、を含むコントローラ80をさらに備える。特に、マイクロプロセッサは、分離プロセスの様々な段階中にロータが回転する遠心分離スピードに関連する情報を、且つ、分離された成分が分離バッグ1からサテライトバッグ2、3、4内に移される様々な移送流量に関連する情報を受け取るようにプログラムされている。様々な移送流量に関連する情報は、たとえば、油圧回路の油圧液体流量として、または、油圧ポンプステーション60のステッピングモータ63の回転スピードとして表すことができる。マイクロプロセッサは、メモリから直接にまたはメモリを通して、圧力ゲージ67からおよびフォトセル70、71、72から情報を受け取るように、且つ、選択された分離プロトコルに沿って分離機器を作動させるように、遠心分離機モータ40、ステッピングモータ63、および、ピンチ弁部材42、43、44を制御するように、さらにプログラムされている。
【0055】
ロータは、サテライトバッグ、移送チューブおよび白血球除去フィルタを受け取るために、且つ、決定された位置にバッグを保持するために、中心コンパートメント35内に嵌るロータライナー79と、ロータライナー内に嵌るバッグローダー87と、をさらに備える。図5〜図8は、ロータライナー79およびバッグローダー87の実施形態を示す。バッグローダー87の機能の1つは、少なくとも1つのサテライトバッグをロータの中心コンパートメント35内に取り付け、且つ/または、これから取り外すためのバッグ取付機構として作用することである。ロータライナー79の機能の1つは、バッグローダー87が中心コンパートメント35内に挿入され且つこれから除去されるときにバッグローダー87を中心コンパートメント35内にガイドするための、且つ、ロータ内の決定された位置にバッグローダー87を位置決めするための、ガイド手段として作用することである。
【0056】
ロータライナー79は、底壁80および側方向壁81を有する容器120と、側方向壁81の上部へりのわずかに下で容器120に接続されているフランジ82と、を備える。
【0057】
側方向壁81は、実質的に、上向きにフレア状である円錐台によって画成され、これは、円錐台の軸に平行に延出する平らな平面によって交差される。側方向壁81は、したがって、円錐台のセクターである第1の部分を有し、平らであり平行四辺形の形状を有する第2の部分に接続されている。側方向壁81の第1の部分を部分的に画成する円錐台の軸(これはまた、ロータライナー79の長手方向軸も形成する)は、ロータの回転軸31に一致する。円錐台の角度は、約3度である。これは、より開くこともできる。しかし、角度が大きくなればなるほど、サテライトバッグを保管するためのロータライナー79内部の利用可能な空間が小さくなる。
【0058】
側方向壁81の上部へりは、これの円周の約3分の2上に内向きに曲げられ、狭い円形リップ84を形成するようにし、これの下にチューブのループがくっつくことができる。リップ84は、ロータライナー79の長手方向軸に実質的に垂直である平面に延出する。
【0059】
フランジ82は環状であり、約85度の角度で下向きにフレア状である円錐台の形状を有する。円に配列された一連の丸みを帯びたピン83が、フランジ82から上向きに突出する。ピン83のサイズおよび位置は、分離バッグ1の半可撓性ディスク形状接続要素11の穴13のサイズおよび位置に対応する。ピン83は、分離バッグ1をロータ上に位置決めするのを助け、ロータが回転しているときに分離バッグ1がロータに対して動くことを防止する。フランジ82は、ロータライナー79の側方向壁81の平らな部分に沿って、隣接する平らな壁に部分的に進入する3つの整列配置された円筒形開口部85を備える。ロータライナー79がロータの中心コンパートメント35に完全に挿入されると、3つのピンチ弁部材42、43、44は、ピンチ弁部材の頭部がフランジ82より上に突出するように開口部85を通って延出する。幾分複雑な幾何学形状の3つのガイド要素126、128、129が、フランジ82の内側周囲に沿って突出し、3つの開口部85を部分的に囲繞し、3つの狭いゲート86の境界を定め、これによって、ピンチ弁部材42、43、44に係合したチューブを、決定された方向に沿って中心コンパートメント35内にガイドすることができる。
【0060】
バッグローダー87は、ロータライナー79内に嵌るような寸法にされ、ロータライナーに完全に係合されたとき、液体で満たされた少なくとも1つのサテライトバッグを支持し、且つ、選択されたスピードでロータが回転するときにサテライトバッグに接続された分離バッグ内にサテライトバッグの内容物が完全に移されるようにこれを保持するサポート部材を形成するような寸法にされる。サポート部材は、これに固定されたサテライトバッグが、移送チューブが接続されている上部部分よりも、ロータの回転軸31により近い下部部分を有するように設計されている。
【0061】
サポート部材は、ロータの回転軸31に対して傾斜している壁の部分を備える。上部部分によって傾斜した壁の上部部分に固定されたサテライトバッグは、ロータの回転中に遠心力によって傾斜した壁に対して押圧され、このため、サテライトバッグの下部部分は上部部分よりも回転軸に近い。
【0062】
バッグローダー87は、主に、少なくとも1つのサテライトバッグの上部部分をバッグローダー87に着脱自在に固定するための固定機構を備える上部部分と、少なくとも1つのサテライトバッグの下部部分を収容するためのレセプタクルを備える下部部分と、上部部分を下部部分に接続し、バッグローダー87の上部部分に固定された上部部分およびレセプタクルに挿入された下部部分を有するサテライトバッグの中間部分を露出する中間部分と、を備える。
【0063】
より詳細には、ローダー87は、ロータライナー79の高さ上に延出する第1の外側のガター状の壁88と、バッグローダーの底部からロータライナー79の8番目の約3分の1上に延出する第2の内側のガター状の壁89と、を有する。内側および外側の壁88、89は、内側壁89の凹面が外側壁88の凹面に面するように、これらの側方向縁に沿って接続されている。第1の外側壁88の内側表面は、角度が約3度である円錐台壁のセクターによって画成されている。バッグローダー87は、外側壁88の内側表面を画成する円錐台の中心軸に一致する長手方向軸を有する。バッグローダー87がロータの中心コンパートメント35に完全に挿入されたとき、バッグローダー87の長手方向軸は、ロータの回転軸31に一致する。第2の内側壁89は、バッグローダー87の長手方向軸に平行な長手方向軸を有する円筒のセクターである。2つの壁88、89の寸法およびこれらの間の距離は、内側壁89のいずれの点からもバッグローダー87の長手方向軸に対する距離が、この長手方向軸から外側壁88に固定されたサテライトバッグの入口/出口が位置する外側壁88の点(窪み94、95)の距離よりも短いように選択される。これにより、バッグローダーに取り付けられたサテライトバッグが、遠心力下で、サテライトバッグの全内容物をこれに取り付けられた分離バッグへ移すことができるロータの領域に確実に閉じ込められるようにする。バッグローダー87は、第2の内側壁89(円筒のセクター)の下部へりに接続されている、長手方向軸に垂直である平らな部分90と、平らな部分90から、平らな底部分90からのバッグローダー87の高さの約5分の1で、第1の外側壁88(円錐台のセクター)の中央長手方向軸に位置する点へ上昇する湾曲したS字型部分91と、を有する底壁をさらに備える。幾何学的な点から、バッグローダー87の底部の第2の部分91は、円錐台と垂直軸を有する円筒との交点から生じる。第2の内側壁89、第2の内側壁89に接続されている第1の外側壁88の下部部分、および、これに接続された底壁90、91は、バッグローダー87に取り付けられたサテライトバッグの下部部分用にレセプタクル96を形成する。このレセプタクルは、サテライトバッグの下部部分がロータライナー79の内側表面と相互作用するのを防止することによって、バッグローダー87をロータの中心コンパートメント34内に挿入するのを容易にする。
【0064】
バッグローダー87は、これの上部部分に、以下に述べるバッグホルダ100の相補的な係止要素の端を着脱自在に受けて係止するために、内側表面で開口する2つの側方向窪み92を含む固定手段をさらに備える。狭いさねの形態のガイド93が、バッグホルダ100を適所に設定するのを助けるために、各窪み92の底部からバッグローダー87の側方向縁へ向けて延出する。バッグローダー87は、2つの係止窪み92の間に、サテライトバッグの上部部分に包埋された移送チューブの端を収容するために2つの他の窪み94、95を備える。
【0065】
図9および図10に示されたバッグホルダ100は、遠心分離機の動作中にサテライトバッグ2、3、4をローダー87の決定された位置に固定するために使用される。
【0066】
バッグホルダ100は、細長い平らな本体101を備え、本体101の中央に、平らなU字形の取扱付属物102が接続され、バッグホルダ100がバッグローダー87に装着されるときに上向きに突出するようにする。細長い平らな本体101は、側部AおよびBの両方に2つの平行なガター状ガイド103、104が嵌められ、これらは、細長い平らな本体101の長手方向軸に垂直であり、細長い平らな本体101の中心部分に延出し、実質的に、それぞれ、U字形の取扱付属物102の側方向縁に整列配置する。バッグホルダ100がバッグローダー87に固定されたとき、細長い平らな本体101は実質的に垂直であり、ガター状ガイド103、104はロータの回転軸31に実質的に平行である。ガター状ガイド103、104は、移送チューブ20、25、26の一部または針シース23が中にぴったり係合することができるような寸法にされている。
【0067】
バッグホルダ100は、少なくとも1つのサテライトバッグ2、3、4、5をローダー87に吊すために細長い平らな本体101に接続された第1の組のペグ107、108の形態の吊し機構をさらに備える。ペグ107、108は、細長い平らな本体101の側部Aから垂直に延出する。2つのペグ107、108の間の距離は、実質的に、サテライトバッグ2、3、4、5のイヤの穴14の間の距離と同一である。ペグ107、108の断面は、実質的に、穴14に嵌る。
【0068】
ペグ107、108はまた、バッグホルダ100をローダー87に固定するためにも使用される。この目的のために、2つのペグ107、108の間の距離は、実質的に、ローダー87の上部部分の2つの係止窪み92の間の距離と同一である。また、各ペグ107、108の先端には、ローダー87の係止窪み92内に着脱自在に係止することができる係止要素109、110が嵌められている。各係止要素109、110は、丸みを帯びた端を有する可撓性のあるプレートから構成され、これは、対応するペグ107、108に垂直に接続されている。
【0069】
バッグホルダ100は、分離バッグ1を、および、場合によってはサテライトバッグ2、3、4、5を、これへ解放可能に固定するために細長い平らな本体101に接続された第2の組のペグ111、112をさらに備える。ペグ111、112は、ペグ107、108と同一の軸に沿って細長い平らな本体101の側部Bから垂直に延出する。ペグ111、112の先端には、ペグに係合されたサテライトバッグがバッグアセンブリの遠心分離中にペグから離脱するのを防止するために、保持要素113、144が嵌められている。全体的に、第2の組のペグ111、112は、ペグの長さを除いては、第1の組のペグ107、108と同一であり、長さは、第1の組の方が第2の組よりも長い。
【0070】
バッグローダー87がロータライナー79に完全に係合されたとき、ペグに係合したサテライトバッグ2、3、4、5がロータの中心コンパートメント35の決定された位置を占めることは、細長い平らな本体101および第1および第2の組のペグ106、107、111、112のそれぞれの配列によって生じる。さらに、ロータが回転を開始するとき、第1の組のペグ106、107の機構によってバッグローダー87に装着された液体で満たされたサテライトバッグが、遠心力によってローダー87の円錐台壁88および丸みを帯びた底部部分91にくっつき、このため、バッグの上部部分は、バッグの下部部分よりも、ロータの回転軸31からさらに遠く離れる。この配置のおかげで、サテライトバッグを分離バッグに接続する移送チューブが開き回転スピードが十分に高いときには、当初サテライトバッグに収容されていた液体は、完全に分離バッグ内に排出する。
【0071】
全血供血から、3つの血液成分、すなわち、血漿成分と、血小板/単核球成分と、洗浄された赤血球成分と、を準備することを目的とする第1の分離プロトコルの例が、以下に説明される。
【0072】
第1の分離プロトコルに沿った分離機器の動作は、以下の通りである。
【0073】
第1段階(第1のプロトコル):図1、図2に示されたようなバッグセットが、(図3、図4に示されるように)遠心分離機のロータの適所に設定される。
【0074】
第1段階の開始時に、図1のバッグセットの第1のサテライトバッグ2は、一定容量の抗凝固処理全血(通常、約500ml)を収容し、第2のサテライトバッグ3は、一定容量の洗浄液(通常、約350mlの塩水)を収容する。収集チューブ22は、封止され、切断されている。第4のサテライトバッグ5を分離バッグ1に接続する移送チューブ27のクランプ24は、閉じている。第1のサテライトバッグ2および第2のサテライトバッグ3は、(図9、図10に示される)バッグホルダ100の第1の組のペグ107、108に係合し、第1のサテライトバッグ2が先に係合されている。第3のサテライトバッグ4および第4のサテライトバッグ5は、第2の組のペグ111、112に係合している。サテライトバッグ2、3、4、5は、バッグローダー87に挿入され、バッグホルダ100は、バッグホルダ100の可撓性のある係止要素109、110をバッグローダー87の係止窪み92内に強制的に係合することによって、バッグローダー87に固定され、この結果、第1のサテライトバッグ2はバッグローダー87の内側表面に隣接する。次いで、バッグローダー87は、遠心分離機の中心コンパートメント35内に完全に挿入され、この中で、バッグローダー87はロータライナー79によってガイドされている。次いで、サテライトバッグ2、3、4、5は、実質的に、ロータの回転軸31を含む平面の一方の側部に位置する。
【0075】
分離バッグ1は、ターンテーブル37に置かれ、ロータライナー79のフランジ82のピン83は、分離バッグ1のディスク形状接続要素11の穴13に係合している。第1のサテライトバッグ2を分離バッグ1に接続する第1の移送チューブ20は第1のピンチ弁部材42に係合し、第2のサテライトバッグ3を分離バッグ1に接続する第2の移送チューブ25は第2のピンチ弁部材43に係合し、第3のサテライトバッグ4を分離バッグ1に接続する第3の移送チューブ26は第3のピンチ弁部材44に係合する。第1のサテライトバッグ2と分離バッグ1との間、および、第2のサテライトバッグ3と分離バッグ1との間の連通を阻止する破断可能なピン21が、壊される。ロータの蓋49は、閉じている。
【0076】
第2段階(第1のプロトコル):第1のサテライトバッグ2に収容された抗凝固処理全血が分離バッグ1に移される。
【0077】
第2段階の開始時に、第1のピンチ弁部材42は開き、第2および第3のピンチ弁部材43、44は閉じている。ロータは遠心分離機モータ40によって動くように設定され、ロータの回転スピードは徐々に増加し、ついには、以下のように選択される第1の遠心分離スピード(たとえば、約1500RPM)に到達する。すなわち、
・遠心力下で、第1のサテライトバッグ2の内容物を分離バッグ1に移させるのに十分に高いスピード、
・より短時間で移送全体を起こさせるほど十分に高いスピード、
一方、同時に、
・第1のサテライトバッグ2内の圧力が、超えれば溶血が発生する決定された圧力閾値を実質的に超えさせないほど十分に低いスピード、
・分離バッグ1に入る血液の流れに、溶血を発生させる剪断力を生成させないほど十分に低いスピード、
である。
【0078】
サテライトバッグ2内で超えれば溶血が発生する圧力閾値は約10PSIであり、このような圧力閾値に到達せず且つ分離バッグに入る血液の流れにおける剪断力が溶血を発生させない最大回転スピードは、約1800RPMであると決定されている。約1500RPMの回転スピードで、約500mlの抗凝固処理全血を第1のサテライトバッグ2から分離バッグ1に移すのに、約1分かかる。
【0079】
外側セル71が血液を検出したとき、第3のサテライトバッグ4(この中に後に血漿成分が移される)に接続された第3の移送チューブ26を通る流体の流れを制御する弁部材44が、血液を分離バッグ1の中に注ぐときに空気が分離バッグ1から出るのを可能にするように、所定の時間の間(たとえば、約30秒)、開けられる。
【0080】
外側セル71が、遠心分離プロセスの開始後所定の時間内に血液を検出していない場合には、制御ユニット80は、ロータを停止させ、警告を発生させる。これは、特に、第1の移送チューブ20の破断可能なコネクタ21が、誤って壊れていない場合に、発生する可能性がある。
【0081】
第3段階(第1のプロトコル):分離チャンバ1内の空気が、第1のサテライトバッグ2内に追い出され、この中に、血小板/単核球成分が後に移される。
【0082】
第3段階の開始時に、第1のサテライトバッグ2の全内容物は、分離バッグ1内に移されており、第1のピンチ弁部材42は開き、第2および第3のピンチ弁部材43、44は閉じている。ロータは、第1の回転スピード(約1500RPM)で回転する。ポンプステーション60は、一定の流量(たとえば、約240ml/分)で油圧液体を油圧チャンバ56内にポンプ注入し、その後、分離バッグ1を圧搾するように作動される。分離バッグ1内の空気は、第1のサテライトバッグ2内に追い出され、第1のサテライトバッグ2には、後に血小板/単核球成分が移される。内側センサ70によるインタフェース空気/液体の検出後所定の時間後に、ポンプステーション60は停止され、第1のピンチ弁部材42は閉じられる。
【0083】
第4段階(第1のプロトコル):分離チャンバ内の血液成分が、所望の層へ沈殿する。
【0084】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じている。ロータのスピードは、血液成分が所望のレベルで沈殿する第2の高い遠心分離スピード(たとえば、約3200RPM、いわゆる「ハードスピン」)に到達するまで、徐々に増加する。ロータは、分離バッグ1に当初移された全血のヘマトクリット値がどの値であれ、所定の期間の終了時に、血液が、分離バッグ1内に、外側環状赤血球層のヘマトクリット値が約90%であり内側環状血漿層が実質的に細胞を含まないところまで沈殿するように選択される所定の時間(たとえば、約220秒)、第2の遠心分離スピードで回転される。より詳細には、この沈殿段階の結果、分離バッグ1は4つの層、すなわち、主に血漿を含有する第1の内側層と、主に血小板を含有する第2の中間層と、主に白血球(リンパ球、単球および顆粒球)を含有する第3の中間層と、主に赤血球を含有する第4の外側層と、を呈し、第3の層および第4の層は、部分的にオーバーラップする(顆粒球は第4の層に部分的に包埋されている)
第5段階(第1のプロトコル):血漿成分は、第3のサテライトバッグ4内に移される。
【0085】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じている。ロータは、沈殿段階と同一の高い遠心分離スピードで回転される。所定の沈殿期間の終了前に発生する可能性がある、中間センサ72が外向きに動いている血漿/血液細胞インタフェースを検出した後の所定の時間後に、第3のサテライトバッグ4へのアクセスを制御する第3のピンチ弁部材44は開き、ポンプステーション60は、一定の流量(たとえば、約220ml/分)で油圧液体を油圧チャンバ56内にポンプ注入するように作動される。膨張する油圧チャンバ56は、分離バッグ1を圧搾し、血漿を第3のサテライトバッグ4内に移させる。内側センサ70による血漿/血液細胞インタフェースの検出後所定の時間が経過した後に、ポンプステーション60は停止され、第3のピンチ弁部材44は閉じられる。この段階の終了時に、血漿の総容量の第1の主要部分は第3のサテライトバッグ4内にあり、一方、血漿の総容量の第2の残りの部分は、分離バッグ1内に残っている。
【0086】
血漿成分の移送流量(これは直接、油圧流体の流量に関する)は、血漿成分を血小板で不純にするのを避けるように、血小板層を乱すことなく、できるだけ高くなるように選択される。
【0087】
第6段階(第1のプロトコル):血小板/単核球成分が、第1のサテライトバッグ2内に移される。
【0088】
第6段階は、第3のピンチ弁部材44が第5段階の終了時に閉じられるとすぐに開始することができる。この第5段階の開始時に、ピンチ弁部材42、43、44は閉じている。ロータは、先のものと同一の高い遠心分離スピードで回転される。第1のサテライトバッグ2へのアクセスを制御する第1のピンチ弁部材42は開き、ポンプステーション60は、一定の流量(たとえば、約140ml/分)で油圧液体を油圧チャンバ56内にポンプ注入するように作動される。膨張する油圧チャンバ56は、分離バッグ1を圧搾し、血漿の残りの容量、血小板、リンパ球、単球および少量の赤血球を含有する血小板/単核球成分を第1のサテライトバッグ2内に移させる。油圧チャンバ56内にポンプ注入された決定された容量の油圧液体(これは、今度は、ステッピングモータ63の多数のステップによって決定することができる)に対応する所定容量が、第1のサテライトバッグ2内に移された後に、ポンプステーション60は停止され、第1のピンチ弁部材42は閉じられる。
【0089】
たとえば、血小板/単核球成分の所定容量は、約5mlの血漿および約5mlの赤血球を含んで、約10〜15mlの間で設定することができる。
【0090】
第7段階(第1のプロトコル):一定容量の洗浄液が、第2のサテライトバッグ3から分離バッグ1内に移される。
【0091】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じている。遠心分離機のスピードは、ポンプステーション60が油圧チャンバ56から油圧液体をポンプ注出することができる第3の遠心分離スピード(たとえば、約1000RPM)へ減少する。ポンプステーション60は、第2のサテライトバッグ3の洗浄液の容量に対応する一定容量の油圧液体を油圧チャンバ56からポンプ注出するように作動される。ポンプステーション60は、速い流量(たとえば、500ml/分)で油圧液体をポンプ注入するように制御される。
【0092】
第2のピンチ弁部材43は、第2のサテライトバッグ3に収容される洗浄液の総容量を、遠心力下で、分離バッグ1内に移すことができるように、所定の時間の間開いている。
【0093】
第8段階(第1のプロトコル):赤血球が、洗浄液と混合される。
【0094】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じている。
【0095】
一実施形態において、ロータの回転スピードは、ロータが停止するまで減少する。モータ40は、混合のために、所定の時間の間、各方向に、決定された角度(たとえば、180度)で、ロータを前後に回転するように制御される。
【0096】
別の変形例において、ロータの回転スピードは、決定された時間の間、第3の回転スピードから第4の回転スピード(たとえば、2500RPM)へ、周期的に急増および急減する。
【0097】
第9段階(第1のプロトコル):赤血球と洗浄液との混合物が、所望の層へ沈殿する。
【0098】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じている。
【0099】
ロータのスピードは、赤血球が上清(血漿およびおそらく望ましくないタンパク質およびウイルスを含む使用済み洗浄液)から分離される第2の高い遠心分離スピード(たとえば、約3200RPM)に到達するまで徐々に増加する。より詳細には、ロータは、混合物内の赤血球の濃度が何であれ、所定の期間の終了時に、赤血球が、外側環状赤血球層のヘマトクリット値が約90%であり内側環状上清層が実質的に細胞を含まないところまで沈殿するように選択される。
【0100】
第10段階(第1のプロトコル):上清成分が、第2のサテライトバッグ3(当初は、洗浄液を収容していた)内に移される。
【0101】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じている。ロータは、沈殿段階と同一の高い遠心分離スピードで回転される。所定の沈殿期間の終了前に発生する可能性がある、中間センサ72が外向きに動いている上清/血液細胞インタフェースを検出した後の所定の時間後に、第2のサテライトバッグ3へのアクセスを制御する第2のピンチ弁部材43は開き、ポンプステーション60は、一定の流量(たとえば、約220ml/分)で油圧液体を油圧チャンバ56内にポンプ注入するように作動される。膨張する油圧チャンバ56は、分離バッグ1を圧搾し、廃棄物バッグとして使用される第2のサテライトバッグ3内に上清成分を移させる。内側センサ70による上清/血液細胞インタフェースの検出後所定の時間が経過した後に、ポンプステーション60は停止され、第2のピンチ弁部材43は閉じられる。この段階の終了時に、分離バッグは、本質的に、洗浄された赤血球を収容している。
【0102】
第11段階(第1のプロトコル):遠心分離プロセスが終了する。
【0103】
ロータの回転スピードは、ロータが停止するまで減少し、ポンプステーション60は、油圧チャンバ56が実質的に空になるまで高い流量(たとえば、約800ml/分)で油圧液体を油圧チャンバ56からポンプ注出するように作動され、ピンチ弁部材42、43、44は、移送チューブ20、25、26を封止し切断するように作動される。洗浄された赤血球は、分離バッグ1内に残っている。
【0104】
第12段階(第1のプロトコル):赤血球成分が、第4のサテライトバッグ5内に移される。
【0105】
ロータの蓋50が開かれ、第4のサテライトバッグ5に接続された分離バッグ1が、これから取り外される。移送チューブ27のクランプ24は開いている。第4のサテライトバッグ5と白血球除去フィルタ28との間の連通を阻止する破断可能なコネクタ21が壊される。第4のサテライトバッグ5に収容された保存溶液が、重力によって、フィルタ28を通って分離バッグ1内に流れることができ、そこで、粘度を低くするように赤血球と混合される。次いで、分離バッグ1の内容物は、重力によって、フィルタ28を通って第4のサテライトバッグ5内に流れることができる。白血球(顆粒球および残りの単球およびリンパ球)は、フィルタ28によって捉えられ、このため、第4のサテライトバッグ5内の最終的な濃厚赤血球は、望ましくないタンパク質およびウイルスが実質的に除去されるのに加えて、実質的に白血球を含まず、1濃厚赤血球成分当たり5×106未満の白血球というAABB(米国血液銀行協会(American Association of Blood Banks))の基準に合致する。
【0106】
全血供血から2つの血液成分を、すなわち、血漿成分と(2回洗浄された)赤血球成分とを準備することを目的とする第2の分離プロトコルの例が、以下に説明される。
【0107】
第2のプロトコルは、第1のプロトコルとは、本質的に、以下の点で異なる。
【0108】
・赤血球は、1回ではなく、2回洗浄される。
【0109】
・各分離段階後に、上清成分が、廃棄物バッグとして使用される第1のサテライトバッグ2内に移される。
【0110】
・血小板/単核球成分は、さらなる処理のために隔離されるのではなく、上清成分とともに廃棄される。
【0111】
第2の分離プロトコルに沿った分離機器の動作は、以下の通りである。
【0112】
第1〜第6段階(第2のプロトコル)は、第1のプロトコルの第1〜第6段階と同一である。
【0113】
第7段階(第2のプロトコル):決定された容量の洗浄液が、第2のサテライトバッグ3から分離バッグ1内に移される。
【0114】
この段階の開始時に、ピンチ弁部材42、43、44は閉じている。遠心分離機のスピードは、ポンプステーション60が油圧チャンバ56から油圧液体をポンプ注出することができる第3の遠心分離スピード(たとえば、約1000RPM)へ減少する。ポンプステーション60は、第2のサテライトバッグ3の洗浄液の総容量の半分に対応する一定容量の油圧液体を油圧チャンバ56からポンプ注出するように作動される。ポンプステーション60は、速い流量(たとえば、500ml/分)で油圧液体をポンプ注入するように制御される。
【0115】
第2のピンチ弁部材43は、第2のサテライトバッグ3に収容される洗浄液の総容量の半分を、遠心力下で、分離バッグ1内に移すことができるように、所定の時間の間、開いている。
【0116】
第8段階(第2のプロトコル):赤血球が、洗浄液と混合される。
【0117】
この段階は、本質的に第1のプロトコルの第8段階に対応する。
【0118】
第9段階(第2のプロトコル):赤血球と洗浄液との混合物が、所望の層へ沈殿する。
【0119】
この段階は、本質的に第1のプロトコルの第9段階に対応する。
【0120】
第10段階(第2のプロトコル):上清成分が、血小板/単核球成分が先に移されている第1のサテライトバッグ2内に移される。したがって、この第2のプロトコルによれば、第1のサテライトバッグ2は廃棄物バッグとして使用される。
【0121】
この段階の開始時に、3つのピンチ弁部材42、43、44は閉じている。ロータは、沈殿段階と同一の高い遠心分離スピードで回転される。所定の沈殿期間の終了前に発生する可能性がある、中間センサ72が外向きに動いている上清/血液細胞インタフェースを検出した後の所定の時間後に、第1のサテライトバッグ2へのアクセスを制御する第1のピンチ弁部材42は開き、ポンプステーション60は、一定の流量(たとえば、約220ml/分)で油圧液体を油圧チャンバ56内にポンプ注入するように作動される。膨張する油圧チャンバ56は、分離バッグ1を圧搾し、廃棄物バッグとして使用される第1のサテライトバッグ2内に上清成分を移させる。内側センサ70による上清/血液細胞インタフェースの検出後所定の時間が経過した後に、ポンプステーション60は停止され、第1のピンチ弁部材43は閉じられる。この段階の終了時に、分離バッグ1は、本質的に、1回洗浄された赤血球を収容している。
【0122】
第7段階〜第10段階は、1回繰り返され、その結果、サテライトバッグ3に残っている洗浄液の容量の残りの半分が分離バッグ1内に移され、これは、1回洗浄された赤血球と混合され、混合物は、2回洗浄された赤血球と上清成分とを分離するように遠心分離され、上清成分は、既に血小板/単核球成分および使用済み洗浄液の総容量の第1の半分を収容している第1のサテライトバッグ2内に移される。
【0123】
第2のプロトコルの最後の2つの段階は、第1のプロトコルの第11段階および第12段階と同一である。
【0124】
第2のプロトコルの変形例において、赤血球は、2回洗浄される代わりに、3回以上洗浄されてもよく、たとえば、各回、同一量の洗浄液で洗浄されてもよい。
【0125】
第3の分離プロトコルは、一定量の全血から2つの血液成分、すなわち、血小板濃厚血漿成分および洗浄された赤血球成分を準備することにある。
【0126】
第3のプロトコルによれば、
・分離バッグ1に収容される一定容量の全血は、「ソフトスピン」遠心分離プロセス(たとえば、約2000RPM)を受け、このプロセスの終了時に、分離バッグ1は3つの層を呈する。すなわち、血小板の大半が浮遊している主に血漿を含有する第1の内側層(血小板濃厚血漿)と、主に白血球(リンパ球、単球および顆粒球)を含有する中間層と、主に赤血球を含有する第3の外側層であり、第3の層および第4の層はオーバーラップする(顆粒球は、部分的に第4の層に包埋されている)。
【0127】
・ロータの回転スピードは同一のままで、血小板濃厚血漿成分は、第3のサテライトバッグ4内に移される。
【0128】
・次いで、分離バッグ1は、高濃厚赤血球(たとえば、約90ヘマトクリット)から残っている血漿を抽出するために、所定の時間の間、「ハードスピン」遠心分離プロセス(たとえば、約3200RPM)を受ける。
【0129】
・次いで、血漿、単核球および少量の赤血球を含有する単核球成分が、廃棄物バッグとして使用される第1のサテライトバッグ2内に移される。
【0130】
・次いで、分離バッグ1に残っている濃厚赤血球は、第2のサテライトバッグ3に収容された洗浄液で洗浄される。洗浄は、第2のサテライトバッグ3の全内容物で1回洗浄されるか、または、各回第2のサテライトバッグ3の内容物の一部で2回以上洗浄されるか、のいずれかである。上清は、すべてを1度にかまたは数回に分割して、第1のサテライトバッグ2内に移される。
【0131】
第3のプロトコルの別の実施形態において、単核球成分は、廃棄されずに、血小板濃厚血漿が第3のサテライトバッグ4内に移された後に、赤血球は、所望の回数だけ洗浄される。すべての白血球は、濾過によって最終的な赤血球生成物から除去される。
【0132】
本明細書に記載された機器および方法に対して、様々な変更を行うことができることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、明細書に述べた主題に限定されないことを理解すべきである。むしろ、本発明は、変更例および変形例を含むことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定容量の全血を、少なくとも血漿成分と赤血球成分とに分離するための方法であって、
一定容量の全血を収容する分離バッグ(1)を遠心分離して、前記分離バッグ(1)の中で、少なくとも、血漿を含有する第1の成分と赤血球を含有する第2の成分とに分離することと、
前記分離バッグ(1)の遠心分離中に、前記分離バッグ(1)に接続された血漿成分バッグ(4)内に前記第1の成分を移すことと、
前記分離バッグ(1)の遠心分離中に、前記分離バッグ(1)に接続された洗浄液バッグ(3)から前記分離バッグ(1)内に一定容量の洗浄液を移すことと、
前記一定容量の洗浄液を前記第2の成分と混合することと、
前記分離バッグ(1)を遠心分離して、前記分離バッグ(1)の中で、洗浄された赤血球成分と、使用済み洗浄液を含有する上清成分と、を分離することと、
前記分離バッグ(1)の遠心分離中に、前記分離バッグ(1)に接続された廃棄物バッグ(2、3)内に前記上清成分を移すことと、
を備える方法。
【請求項2】
前記分離バッグ(1)に接続された全血バッグ(2)から前記分離バッグ(1)内に前記一定容量の全血を移すことをさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記一定容量の全血は、遠心分離によって、前記全血バッグ(2)から前記分離バッグ(1)内に移される請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記分離バッグ(1)は遠心分離されて、前記分離バッグ(1)の中で、血漿を含有する第1の成分と、赤血球を含有する第2の成分と、血小板および単核球を含有する中間成分と、に分離する請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記分離バッグ(1)の遠心分離中に、前記分離バッグ(1)に接続された中間成分バッグ(2)内に前記中間成分を移すことをさらに備える請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記分離バッグ(1)に接続された前記全血バッグ(2)から前記分離バッグ(1)内に前記一定容量の全血を移すことと、
前記一定容量の全血が前記分離バッグ(1)内に移された後に、前記全血バッグ(2)内に前記中間成分を移すことと、
をさらに備える請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記一定容量の洗浄液は、遠心分離によって、前記分離バッグ(1)内に移される請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記分離バッグ(1)内に移される前記一定容量の洗浄液は、実質的に、前記洗浄液バッグ(3)に当初収容された洗浄液の総容量に対応する請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記上清成分は、前記洗浄液が前記分離バッグ(1)内に移された後に前記廃棄物バッグとして使用される前記洗浄液バッグ(3)内に移される請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記分離バッグ(1)内に移される前記一定容量の洗浄液は、前記洗浄液バッグ(3)に当初収容された洗浄液の総容量の第1の画分である請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記分離バッグ(1)に接続された全血バッグ(2)から前記分離バッグ(1)内に前記一定容量の全血を移すことと、
前記一定容量の全血が前記分離バッグ(1)内に移された後に前記廃棄物バッグとして使用される前記全血バッグ(2)内に、前記分離バッグ(1)から前記上清成分を移すことと、
をさらに備える請求項10記載の方法。
【請求項12】
廃棄物バッグ(2)内に前記上清成分を移した後に、
前記分離バッグ(1)の遠心分離中に、前記洗浄液バッグ(3)に当初収容された洗浄液の総容量の第2の画分を、前記分離バッグ(1)内に移すことと、
前記洗浄液を前記第2の成分と混合することと、
前記分離バッグ(1)を遠心分離して、前記分離バッグ(1)の中で、洗浄された赤血球成分と、使用済み洗浄液を含有する上清成分と、に分離することと、
前記分離バッグ(1)の遠心分離中に、前記廃棄物バッグ(2)内に前記上清成分を移すことと、
をさらに備える請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記一定容量の洗浄液を前記第2の成分と混合することは、遠心分離スピードを変えることを備える請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記一定容量の洗浄液を前記第2の成分と混合することは、前記分離バッグ(1)に、回転軸を中心にして前後運動をさせることを備える請求項1記載の方法。
【請求項15】
初めに、前記分離バッグ(1)を内部容積が一定の分離コンパートメント(52)に入れることをさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記第1の成分を血漿成分バッグ(4)内に移すことは、
前記分離バッグ(1)と前記血漿成分バッグ(4)との間の流体連通を可能にすることと、
前記分離コンパートメント(52)内に流体をポンプ注入して、前記第1の成分が実質的に前記血漿成分バッグ(4)内に移されるまで、前記分離バッグ(1)を圧搾することと、
を備える請求項15記載の方法。
【請求項17】
一定容量の洗浄液を前記分離バッグ(1)内に移すことは、
前記第1の成分が前記血漿成分バッグ(4)内に移された後に、前記分離コンパートメント(52)から一定容量の流体をポンプ注出することと、
前記分離バッグ(1)と前記洗浄液バッグ(3)との間の流体連通を可能にして、前記分離バッグ(1)内に一定容量の洗浄液を移すようにすることと、
を備える請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記分離コンパートメント(52)からポンプ注出される前記一定容量の流体は、実質的に、前記分離バッグ(1)内に移される決定された容量の洗浄液に対応する請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記廃棄物バッグ(2、3)内に前記上清成分を移した後に、前記分離バッグ(1)内に赤血球用の一定容量の保存溶液を移すことをさらに備える請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記一定容量の保存溶液は、当初、前記分離バッグ(1)に接続された赤血球生成物バッグ(5)に収容されており、前記一定容量の保存溶液は前記赤血球生成物バッグ(5)から前記分離バッグ(1)内に移される請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記一定容量の保存溶液を前記第2の成分と混合することをさらに備える請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記赤血球生成物バッグ(5)内に保存溶液と第2の成分との前記混合物を移すことをさらに備える請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記保存溶液と第2の成分との混合物が前記赤血球生成物バッグ(5)内に移されるときに、前記混合物を白血球除去フィルタ(leuko-depletion filter)を通して濾過することをさらに備える請求項22記載の方法。
【請求項24】
少なくとも3つのサテライトバッグ(2、3、4)に流体的に接続されている分離バッグ(1)内に収容された一定容量の全血を、少なくとも血漿成分と赤血球成分とに分離するための機器であって、
ロータ(32、33、35、37)であって、前記ロータ(32、33、35、37)の回転軸(31)を中心にして前記分離バッグ(1)をスピンするためのロータ(32、33、35、37)であって、
前記分離バッグ(1)を収容するための分離コンパートメント(52)と、
前記少なくとも3つのサテライトバッグが前記分離コンパートメント(54)内の前記分離バッグ(1)よりも前記回転軸(31)により近くなるように前記サテライトバッグ(2、3、4)を収容するための容器(35)と、
を備えるロータ(32、33、35、37)と、
前記ロータ(32、33、35、37)に装着され、前記分離バッグ(1)を第1のサテライトバッグ(2)に接続するチューブ(20)と相互作用し、これを通る流体流れを選択的に通すかまたは阻止する第1の弁部材(42)であって、前記第1のサテライトバッグ(2)は当初は一定容量の全血を収容するためのものである、第1の弁部材(42)と、
前記ロータ(32、33、35、37)に装着され、前記分離バッグ(1)を第2のサテライトバッグ(3)に接続するチューブ(25)と相互作用し、これを通る流体流れ成分を選択的に通すかまたは阻止する第2の弁部材(43)であって、前記第2のサテライトバッグ(3)は当初は一定容量の洗浄液を収容するためのものである、第2の弁部材(43)と、
前記ロータ(32、33、35、37)に装着され、前記分離バッグ(1)を第3のサテライトバッグ(4)に接続するチューブ(26)と相互作用し、これを通る流体流れ成分を選択的に通すかまたは阻止する第3の弁部材(44)であって、前記第3のサテライトバッグ(4)は最終的に血漿成分を収容するためのものである、第3の弁部材(44)と、
前記分離コンパートメント(52)内に流体を注入し、前記3つのサテライトバッグ(2、3、4)の少なくとも2つ内に前記分離バッグ(1)の内容物を移させるためのポンプシステム(60)と、
制御ユニット(80)であって、
前記分離バッグ(1)に収容された一定容量の全血を、少なくとも、血漿を含有する内側層と赤血球を含有する外側層とに沈殿するのを可能にする遠心分離スピードで、前記ロータ(32、33、35、37)を回転させるように、
前記第3の弁部材(44)に、前記第3のサテライトバッグ(4)に接続された前記チューブ(26)を開かせ、前記第1および第2の弁部材(42、43)は閉じているように、
前記ポンプシステム(60)に、前記分離コンパートメント(52)内に流体をポンプ注入させ、前記第3のサテライトバッグ(4)内に、前記内側層の主要画分を含有する血漿成分を移させるように、
前記第3の弁部材(44)に、前記第3のサテライトバッグ(4)に接続された前記チューブ(26)を閉じさせるように、
前記ポンプシステム(60)に、前記分離コンパートメント(52)から一定容量の流体をポンプ注出させるように、
前記第2の弁部材(43)に、前記第2のサテライトバッグ(3)に接続された前記チューブ(25)を開かせ、これによって、一定容量の洗浄液が遠心分離によって前記第2のサテライトバッグ(3)から前記分離バッグ(1)内に移されるように、
前記ロータ(32、33、35、37)に、前記一定容量の洗浄液を前記外側層および前記内側層の残っている画分と混合させるように、
前記ロータ(32、33、35、37)を、上清を含有する内側層および洗浄された赤血球を含有する外側層の沈殿を可能にする遠心分離スピードで回転させるように、
前記第1および第2の弁(42、43)の一方に、それぞれ前記分離バッグ(1)を前記第1または第2のサテライトバッグ(2、3)に接続するチューブ(20、25)を開かせるように、
前記ポンプシステム(60)に、前記分離コンパートメント(52)内に流体をポンプ注入させ、前記上清を前記第1または第2のサテライトバッグ(2、3)内に移させるように、
プログラムされた制御ユニットと、
を備える機器。
【請求項25】
前記制御ユニット(80)は、
前記ポンプシステム(60)に、少なくとも前記第2のサテライトバッグ(3)に収容された洗浄液の総容量に対応する一定容量の流体を前記分離コンパートメント(52)からポンプ注出させるように、
前記第2の弁部材(43)に、前記第2のサテライトバッグ(3)に接続された前記チューブ(25)を開かせ、これによって、前記洗浄液の総容量が遠心分離によって前記第2のサテライトバッグ(3)から前記分離バッグ(1)内に移されるように、
上清を含有する内側層および洗浄された赤血球を含有する外側層の沈殿後に、前記第2の弁部材(43)に、前記分離バッグ(1)を前記第2のサテライトバッグ(3)に接続する前記チューブ(25)を開かせるように、
前記ポンプシステム(60)に、前記分離コンパートメント(52)内に流体をポンプ注入させ、前記第2のサテライトバッグ(3)内に前記上清を移させるように、
さらにプログラムされている請求項24記載の機器。
【請求項26】
前記制御ユニット(80)は、
前記ポンプシステム(60)に、前記第2のサテライトバッグ(3)に収容された洗浄液の総容量の決定された画分に対応する一定容量の流体を前記分離コンパートメント(52)からポンプ注出させるように、
前記第2の弁部材(43)に、前記第2のサテライトバッグ(3)に接続された前記チューブ(25)を開かせ、これによって、前記洗浄液の総容量の前記決定された画分が遠心分離によって前記第2のサテライトバッグ(3)から前記分離バッグ(1)内に移されるように、
上清を含有する内側層および洗浄された赤血球を含有する外側層の沈殿後に、前記第1の弁部材(42)に、前記分離バッグ(1)を前記第1のサテライトバッグ(2)に接続する前記チューブ(20)を開かせるように、
前記ポンプシステム(60)に、前記分離コンパートメント(52)内に流体をポンプ注入させ、前記第1のサテライトバッグ(2)内に前記上清を移させるように、
さらにプログラムされている請求項24記載の機器。
【請求項27】
前記制御ユニット(80)は、
一定容量の全血を、少なくとも、血漿を含有する第1の内側層と赤血球を含有する第2の外側層と血小板および単核球を含有する中間層とに沈殿するのを可能にする遠心分離スピードで、前記ロータ(32、33、35、37)を回転させるように、
前記血漿成分が前記第3のサテライトバッグ(4)内に移されたとき、前記第1の弁部材(42)に、前記分離バッグ(1)を前記第1のサテライトバッグ(2)に接続する前記チューブ(20)を開かせ、前記第2および第3の弁部材(43、44)は閉じているように、
前記ポンプシステム(60)に、前記分離コンパートメント(52)内に流体をポンプ注入させ、血小板および単核球を含有する中間成分を前記第1のサテライトバッグ(2)内に移させるように、
さらにプログラムされている請求項24記載の機器。
【請求項28】
前記制御ユニット(80)は、
当初は、前記第1の弁部材(42)に、前記分離バッグ(1)を前記第1のサテライトバッグ(2)に接続する前記チューブ(20)を開かせ、前記第2および第3の弁部材(43、44)は閉じており、前記第1のサテライトバッグ(2)は一定容量の全血を収容するように、
前記一定容量の全血が遠心分離によって前記第1のサテライトバッグ(2)から前記分離バッグ(1)内に移るのを可能にする遠心分離スピードで、前記ロータ(32、33、35、37)を回転させるように、
さらにプログラムされている請求項24記載の機器。
【請求項29】
前記制御ユニット(80)は、前記ロータ(32、33、35、37)に、前記ロータ(32、33、35、37)の回転スピードをより高い回転スピードとより低い回転スピードとの間で変えることによって、前記一定容量の洗浄液を前記外側層および前記内側層の残っている画分と混合させるように、さらにプログラムされている請求項24記載の機器。
【請求項30】
前記制御ユニット(80)は、前記ロータ(32、33、35、37)を停止することによって、前記ロータ(32、33、35、37)に、前記一定容量の洗浄液を前記外側層および前記内側層の残っている画分と混合させるように、且つ、回転軸を中心にして一方の方向に且つ反対方向に交互に前記ロータ(32、33、35、37)を回転させるように、さらにプログラムされている請求項24記載の機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2010−512970(P2010−512970A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543034(P2009−543034)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/086454
【国際公開番号】WO2008/079611
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(507114521)カリディアンビーシーティー、インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】CaridianBCT, Inc.
【住所又は居所原語表記】10811 West Collins Avenue, Lakewood, Colorado 80215, U.S.A.
【Fターム(参考)】