説明

複合発酵法による排水と海水の混合水の淡水化方法

【課題】 BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法を提供する。
【解決手段】混合池において、BOD値が高い排水に海水を混合する工程と、発酵槽と発酵合成槽と合成槽において、複合発酵法により、前記原水の汚染物質を分解消失しつつ、塩分濃度を低減する工程とからなる、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合発酵法により、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、特に発展途上国では、水不足は深刻な問題であり、低コストで海水を淡水化する技術が望まれている。
【0003】
そのような中で、現在、海水を淡水化する技術は以下のとおり、二つの方法が知られている。一つは、海水を蒸留して淡水化する方法である。もう一つは、海水を逆浸透膜(RO膜)で濾過し、淡水化する方法である。その内容は、具体的には、以下の二つの文献である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−221140号公報
【特許文献2】特開2008−100219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、海水を蒸留して淡水化する方法については、熱効率が大変悪く、大量のエネルギーが必要で、多大なコストがかかる。
【0006】
また、海水を逆浸透膜(RO膜)で濾過し、淡水化する方法については、RO膜が海水中の微生物や析出物で目詰まりしないための前処理に手間がかかることと、施設の整備に多大なコストがかかる。
【0007】
したがって、本発明の課題は、低コストで海水を淡水化する方法を提供することである。その方法として、微生物を用いた海水の淡水化方法が考えられるが、実験的に実施された例によると、海水のみを淡水化することは不可能であった。
【0008】
そこで、生活排水や工場廃水等のBOD値が高い排水と海水を混合した原水を、微生物を用いた方法、すなわち複合発酵法により、淡水化する方法を提供することを本発明の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法において、1)混合池において、前記排水に海水を混合する工程と、2)発酵槽と発酵合成槽と合成槽において、複合発酵法により、前記原水の汚染物質を分解消失しつつ、塩分濃度を低減する工程とからなる、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法である。
【0010】
本発明の複合発酵法による淡水化方法において、1)前記発酵槽と前記発酵合成槽と前記合成槽において、複合発酵法により、前記原水の有害菌のほとんどを分解消失し、有害菌の残りを有機物に変える工程と、2)カーボン触媒槽とサンド触媒槽において、前記有機物と有効性菌を除去する工程とが含まれる。
【0011】
本発明の複合発酵法による淡水化方法において、カーボンフィルターとマイクロフィルター(0.5μ、0.2μ)の濾過により、最も微細な微生物を除去し、生活用水、農業用水、工業用水を供給する工程が含まれる。
【0012】
本発明の複合発酵法による淡水化方法において、RO膜の濾過により、飲用水を供給する工程が含まれる。
【0013】
本発明の複合発酵法による淡水化方法において、前記発酵槽と前記発酵合成槽との間にある沈殿槽において、前記原水を液体と固形分(菌床)に分け、固形分(菌床)は前記混合池に返送し、液体は前記発酵合成槽に移送する工程が含まれる。
【0014】
本発明の複合発酵法による淡水化方法において、前記発酵合成槽と前記合成槽との間にある沈殿槽において、前記原水を液体と固形分(菌床)に分け、固形分(菌床)は前記発酵合成槽に返送し、液体は前記合成槽に流下させる工程が含まれる。
【0015】
本発明の複合発酵法による淡水化方法において、前記発酵槽と前記発酵合成槽と前記合成槽における複合発酵環境を絶えず整えるために、前記発酵槽内の原水に、EMBC増殖液を添加する工程が含まれる。
【0016】
ここで、BOD(生物化学的酸素要求量)値の高い排水とは、生活排水、農業排水、工場廃水、畜産由来排水、食品加工排水など微生物の代謝源となる有機物など汚染源を含む排水を言う。本発明では、海水と混合することにより、後述する複合発酵を行うための微生物の生存環境を確立できる環境の排水をBOD値の高い排水と言う。このような排水と海水とを混合することによって得られた原水を、本発明において、複合発酵法により処理する。このような原水は、BOD値の高い排水により海水中の塩分が希釈されなおかつ複合発酵が生じやすい環境となっている。
本発明において、このような原水を複合発酵法により処理することにより、BOD値と塩分濃度が段階的に低減することを実験的に見出したものである。
【0017】
そして、本発明で使用する用語「複合発酵法」とは、単発酵から複発酵、並行複発酵、平衡複発酵、固形発酵の連動と作用を引き起こし、基質と代謝から置換と交換という有機・生物的情報エネルギー触媒を生み出し、その状態を創り上げる連鎖循環式発酵法を言う。このような連鎖循環式発酵によりすべての微生物を有効な生態系へ導き、その微生物の情報とエネルギーの連動サイクルを生じ、微生物の循環作用を発現し、共存・共栄・共生を実現している。
【0018】
より具体的には、まず好気発酵微生物が働き出すことから始まるが、ここで発酵微生物とは酵母、乳酸菌類等であり、アミノ酸、ビタミン、ミネラル等の生理活性物質を作り、大腸菌、糸状菌等の好気性雑菌を浄菌、抑制する。次に乳酸菌が通性嫌気性菌類へとリレーし、放射菌類が現れて抗菌性物質を作り、病原性細菌、ウイルス等の嫌気性雑菌を浄菌する。この二つの浄菌作用が連動すると、アゾトバクター、根粒菌等の窒素固定菌が、空気より気体を取り込んで固定する働きをし、最後に光合成細菌、藻類、化学合成細菌が固定化された気体を取り込んで光合成等、有用な物質やエネルギーへの変換が行われる。このサイクルが継続されることによって、BOD値が高い排水と海水を混合した原水の汚染物質を分解消失し、塩分濃度を低減し、有害菌のほとんどを分解消失し、有害菌の残りを有機物に変える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、混合池において、前記排水に海水を混合し、発酵槽と発酵合成槽と合成槽において、複合発酵法により、前記原水の汚染物質を分解消失しつつ、塩分濃度を低減することにより、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化することが可能となる。
【0020】
本発明によると、前記発酵槽と前記発酵合成槽と前記合成槽において、複合発酵法により、前記原水の有害菌のほとんどを分解消失し、有害菌の残りを有機物に変え、カーボン触媒槽とサンド触媒槽において、前記有機物と有効性菌を除去することにより、有害菌をすべて除去することが可能となる。このことより、有害菌を除去することを目的して、特別に、マイクロフィルター(0.2μ)、限外濾過膜(UF膜)、ナノ濾過膜(NF膜)、RO膜等を設置することが不要となり、コストの増加を抑えることができる。
【0021】
本発明によると、カーボンフィルターとマイクロフィルター(0.5μ、0.2μ)の濾過により、最も微細な微生物を除去し、生活用水、農業用水、工業用水を供給することが可能となる。
【0022】
本発明によると、RO膜の濾過により、飲用水を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のBOD値が高い排水と海水の混合水を淡水化するシステムを示す概念図である。
【図2】本発明の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明のBOD値が高い排水と海水の混合水を淡水化するシステムを示す概念図であり、図2は本発明の実施形態を示す平面図である。
【0025】
(実施形態)
図2に示すとおり本発明の実施形態に係る淡水化方法は、複合発酵法により、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法である。以下にその方法を記す。
【0026】
生活排水や工場廃水等のBOD値の高い排水と海水を、混合池1に入れ、混合池1の大きさによって適正にエアレーションを行う。
【0027】
混合池内1の原水を第一ポンプ21により第一発酵槽2の前槽(後述)に汲み上げる。第一発酵槽2の容量は1日の処理量に対しほぼ同量である。第一発酵槽2内の原水は、第一ブロワー22によって散気管23を通してエアレーションされている。第一発酵槽2の中に、第一発酵槽2内の原水の容量の100分の3から1000分の1の割合のEBMC増殖液を加える。EMBC増殖液は、発酵槽と発酵合成槽と合成槽内における複合発酵環境を絶えず整えるために原水に添加するものである。さらに、第一発酵槽2内の原水の濃度が50〜100ppmとなるように複合発酵MLSS菌床を加え、発酵させる。第一発酵槽2は同量の二槽(前槽、次槽)に分かれている。原水は前槽から次槽へオーバーフローにより自然流下し、次槽の中間深度まで移送管(図示せず)で送られる。
【0028】
EMBC増殖液は以下のようにして得られる。
水90重量%、松、笹、梅、無花果、栗、桃、柿の葉から抽出した抽出液6重量%、オカラ3重量%、糖密1重量%からなる原液に、空気中から微生物を混入させて、1ccあたりの微生物数(生菌数)が10または10から10に増加すると、菌の死滅が起こらなくなる。それによって、1ccあたりの微生物数(生菌数)が1020から1030へと飛躍的に増大し、微生物の高密度化が起き、さらにこの水溶液内で微生物酵素の高濃度化が起きる。そして、松、笹、梅、無花果、栗、桃、柿の葉に含まれる植物酵素とともに結合結晶化(合成融合)し、誘導体たる抗酸化物質が生成される。この抗酸化物質を含む溶液を濾過してEMBC増殖液は得られる。
【0029】
複合発酵MLSS菌床とは以下のようなものである。
複合発酵法により、屎尿または生活排水を沈殿槽等で嫌気発酵、固形発酵させ、MLSSに複合発酵状態にある微生物が付着(着子)し、嫌気性菌類が根付き(着床)、その嫌気性菌類がコロニー化(菌床)したものが、複合発酵MLSS菌床である。
【0030】
さらに原水は、第一発酵槽2の次槽から第二発酵槽3の前槽(後述)にオーバーフローにより自然流下し、前槽の中間深度まで移送管(図示せず)で送られる。第二発酵槽3の容量は1日の処理量に対しほぼ同量である。第二発酵槽3は同量の三槽(前槽、次槽、3槽)に分かれている。原水は前槽から次槽へオーバーフローにより自然流下し、次槽の中間深度まで移送管(図示せず)で送られ、次槽から3槽へオーバーフローにより自然流下し、3槽の中間深度まで移送管(図示せず)で送られる。第二発酵槽3内の原水は、第一ブロワー22によって散気管24を通してエアレーションされ、完全に発酵される。
【0031】
原水は、第二発酵槽3の3槽から第一沈殿槽4へオーバーフローにより自然流下する。原水は、第一沈殿槽4内で液体(第一次中間処理水)と固形分(菌床)に分けられる。固形分(菌床)は、混合池1に返送され、原水の発酵に役立てられる。第一次中間処理水は、第一沈殿槽4から第一中継槽5へオーバーフローにより自然流下する。
【0032】
第一中継槽5内の第一次中間処理水を第二ポンプ25により第一発酵合成槽6に汲み上げる。そして、第一次中間処理水は、第一発酵合成槽6、第二発酵合成槽7、第三発酵合成槽8へ、順次オーバーフローにより自然流下する。第一発酵合成槽6と第二発酵合成槽7と第三発酵合成槽8の合計の容量は1.5日の処理量に対しほぼ同量である。第一発酵合成槽6内と第二発酵合成槽7内と第三発酵合成槽8内の第一次中間処理水は、第一ブロワー22によって散気管27を通してエアレーションされ、発酵合成が行われる。
【0033】
第一次中間処理水は、第三発酵合成槽8から第二沈殿槽9へオーバーフローにより自然流下する。第一次中間処理水は、第二沈殿槽9内で液体(第二次中間処理水)と固形分(菌床)に分けられる。固形分(菌床)は、第二ブロワー26によりエアーによって、第一発酵合成槽6に返送され、流入する第一次中間処理水の発酵合成に役立てられる。第二次中間処理水は、第二沈殿槽9から第一合成槽10へオーバーフローにより自然流下する。
【0034】
第二次中間処理水は、第一合成槽10、第二合成槽11、第三合成槽12、カーボン触媒槽13へ、順次オーバーフローにより自然流下する。第一合成槽10と第二合成槽11と第三合成槽12の合計の容量は1.5日の処理量に対しほぼ同量である。第一合成槽10内と第二合成槽11内と第三合成槽12内の第二次中間処理水は、第一ブロワー22によって散気管28を通してエアレーションされ、合成が行われる。
【0035】
発酵槽における原水の発酵、発酵合成槽における第一次中間処理水の発酵合成、合成槽における第二次中間処理水の合成の各過程を経て、BOD値が高い排水と海水を混合した原水は、複合発酵法により、段階的に、原水中の汚染物質が分解消失し、塩分濃度が低減し、有害菌のほとんどが分解消失し、有害菌の残りが有機物に変えられ、淡水化される。
【0036】
発酵槽で生じる発酵は、主として好気発酵(例えば、好気発酵9:嫌気発酵1の割合での発酵)である。「主として好気発酵」とは、好気発酵が優位である好気/嫌気複合発酵を意味し、若干の嫌気発酵が生じていることを意味する。
【0037】
発酵合成槽で生じる発酵合成は、発酵槽よりも嫌気度の高い発酵である。より具体的には、「好気発酵と嫌気発酵の両方」、例えば好気発酵5:嫌気発酵5の割合で複合発酵が生じる。
【0038】
合成槽では、発酵合成槽よりも高い嫌気度で発酵が生じる(嫌気発酵が優位な発酵)。
【0039】
また、合成槽は、光合成系微生物群、藻類、藻菌類等による生物触媒及び酵素触媒処理を行うための槽である。これら光合成細菌や藻菌類の触媒作用により生理活性物質の結晶体を獲得し、物質間の作用である常温超伝導を終了させる。合成槽にて細菌類の働きを終了させるとともに、細菌類のDNAを分解させ、塩基類を元のタンパク化させ結晶体として作用に用いる。
【0040】
さらに、合成槽は、有機性エネルギー培地と無機性媒体(C・SiO、Ti、Fe、Al、Cu、Mg、Li、Be、B etc.)によるイオン触媒層を有している。これらのイオン触媒層により、原子、イオンレベルの転移、変位、昇華(消失)を生じさせる。また、有機性タンパク結晶によるエネルギー転移も同時に行われる。
【0041】
以上の過程を経て淡水化された水は、カーボン触媒槽13の下部からサンド触媒槽14の下部に移送され、有機物と有効性菌は除去される。淡水化された水は、サンド触媒槽14の上部から第二中継槽15へオーバーフローにより自然流下する。第二中継槽15内の淡水化された水を第三ポンプ29によりカーボンフィルター16に汲み上げる。
【0042】
淡水化された水は、カーボンフィルター16、マイクロフィルター(0.5μ)17、マイクロフィルター(0.2μ)18を通過し、最も微細な微生物が除去され、第一次処理水が得られ、第三中継槽19に移送される。
【0043】
第三中継槽19内の第一次処理水は第四ポンプ30によりに汲み上げられ、生活用水、農業用水、工業用水として供給される。
【0044】
また、第三中継槽19内の第一次処理水は第四ポンプ30によりに汲み上げられ、RO膜20を通過させると、第二次処理水が得られ、飲用水として供給される。
【0045】
淡水化された水を、農業用水、工業用水として使用する場合には、必要とする農業用水、工業用水の質とカーボンフィルター、マイクロフィルター(0.5μ、0.2μ)の費用との兼ね合いから、第二中継槽15から取水するか、第三中継槽19から取水するか選択することができる。
【0046】
なお、図2に示す実施形態において、二つの発酵槽(第一発酵槽2、第二発酵槽3)、三つの発酵合成槽(第一発酵合成槽6、第二発酵合成槽7、第三発酵合成槽8)、三つの合成槽(第一合成槽10、第二合成槽11、第三合成槽12)を配置したが、これらの数は限定されるものではなく、数は異なってもよい。
【0047】
また、図2に示す実施形態において、第一発酵槽2は同量の二槽(前槽、次槽)に分かれ、第二発酵槽3は同量の三槽(前槽、次槽、3槽)に分かれているが、これらの分割の数は限定されるものではなく、数は異なってもよい。
【実施例】
【0048】
以上に記した本発明の方法に基づき、複合発酵法により、塩分濃度が高い原水を実際に処理した計測結果を示す。なお、以下の実施例において、図2に示す装置を用いた。
【0049】
(実施例1)
表1は、BOD値が高くかつ塩分濃度が高い原水を、発酵槽、発酵合成槽、合成槽、カーボン触媒層、サンド触媒層を通して処理した結果である。BOD値、COD値、SS値については、原水と各処理段階における値を示し、水素イオン濃度と塩化物イオンについては原水と処理水の値を示している。
【0050】
【表1】

【0051】
表1の結果より、本発明による複合発酵法を用いて、強酸性の原水を中性化するとともに、BOD値、COD値、SS値、塩化物イオン(塩化水素由来)を低減できることが分かる。さらに、BOD値、COD値、SS値については、原水、発酵槽内の水、発酵合成槽内の水、合成槽内の水、処理水と処理が進むに従って、段階的に、低減していくことが分かる。
【0052】
(実施例2)
表2は、塩分濃度が高い原水を、発酵槽、発酵合成槽、合成槽を通して処理した結果であり、原水と各処理段階における陽イオン濃度と陰イオン濃度を示している。
【0053】
【表2】

【0054】
表2の結果より、本発明による複合発酵法を用いて、原水の塩分濃度が、原水、発酵槽内の水、発酵合成槽内の水、合成槽内の水、処理水と進むに従って、段階的に、低減していくことが分かる。
【0055】
実施例1と実施例2から、複合発酵法を用いた本発明の方法により、BOD値が高くかつ塩分濃度の高い原水に対して、BOD値と塩分濃度を低減することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明により、低コストでBOD値の高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法が確立され、この方法により、低コストで安全な生活用水、農業用水、工業用水、飲用水が供給され、先進国と発展途上国とを問わず、産業上の寄与は大きいものである。
【符号の説明】
【0057】
1 混合池
2 第一発酵槽
3 第二発酵槽
4 第一沈殿槽
5 第一中継槽
6 第一発酵合成槽
7 第二発酵合成槽
8 第三発酵合成槽
9 第二沈殿槽
10 第一合成槽
11 第二合成槽
12 第三合成槽
13 カーボン触媒槽
14 サンド触媒槽
15 第二中継槽
16 カーボンフィルター
17 マイクロフィルター(0.5μ)
18 マイクロフィルター(0.2μ)
19 第三中継槽
20 RO膜
21 第一ポンプ
22 第一ブロワー
23 散気管
24 散気管
25 第二ポンプ
26 第二ブロワー
27 散気管
28 散気管
29 第三ポンプ
30 第四ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法において、
1)混合池において、前記排水に海水を混合する工程と、
2)発酵槽と発酵合成槽と合成槽において、複合発酵法により、前記原水の汚染物質を分解消失しつつ、塩分濃度を低減する工程と、
からなる、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化する方法。
【請求項2】
請求項1の淡水化方法であって、
1)前記発酵槽と前記発酵合成槽と前記合成槽において、複合発酵法により、前記原水の有害菌のほとんどを分解消失し、有害菌の残りを有機物に変える工程と、
2)カーボン触媒槽とサンド触媒槽において、前記有機物と有効性菌を除去する工程と、
を含む請求項1の淡水化方法。
【請求項3】
請求項1の淡水化方法であって、カーボンフィルターとマイクロフィルター(0.5μ、0.2μ)の濾過により、最も微細な微生物を除去し、生活用水、農業用水、工業用水を供給する工程を、含む請求項1の淡水化方法。
【請求項4】
請求項1の淡水化方法であって、RO膜の濾過により、飲用水を供給する工程を、含む請求項1の淡水化方法。
【請求項5】
請求項1の淡水化方法であって、前記発酵槽と前記発酵合成槽との間にある沈殿槽において、前記原水を液体と固形分(菌床)に分け、固形分(菌床)は前記混合池に返送し、液体は前記発酵合成槽に移送する工程を、
含む請求項1の淡水化方法。
【請求項6】
請求項1の淡水化方法であって、前記発酵合成槽と前記合成槽との間にある沈殿槽において、前記原水を液体と固形分(菌床)に分け、固形分(菌床)は前記発酵合成槽に返送し、液体は前記合成槽に流下させる工程を、
含む請求項1の淡水化方法。
【請求項7】
請求項1の淡水化方法であって、前記発酵槽と前記発酵合成槽と前記合成槽における複合発酵環境を絶えず整えるために、前記発酵槽内の原水に、EMBC増殖液を添加する工程を含む請求項1の淡水化方法。
【請求項8】
複合発酵法により、前記原水の汚染物質を分解消失し、塩分濃度を低減し、有害菌のほとんどを分解消失し、有害菌の残りを有機物に変えることにより、BOD値が高い排水と海水を混合した原水を淡水化するための前記発酵槽、前記発酵合成槽、前記合成槽、前記有機物と有効性菌を除去するための前記カーボン触媒槽と前記サンド触媒槽、最も微細な微生物を除去することにより生活用水、農業用水、工業用水を得るための前記カーボンフィルターと前記マイクロフィルター(0.5μ、0.2μ)、飲用水を得るための前記RO膜から構成されることを特徴とする淡水化装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−240635(P2010−240635A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−111848(P2009−111848)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(309007900)株式会社地球環境秀明 (3)
【Fターム(参考)】