説明

複合装置

【課題】装置全体の高さを低く抑えた複合装置の提供を目的とする。
【解決手段】画像形成装置2の上方に画像読取装置3を備え、さらに画像形成装置2により画像形成され、排出された用紙Pを保持する用紙保持部5を画像形成装置2と画像読取装置3との間に備えた複合装置1であって、用紙Pを用紙保持部5へ排出する排出機構4を有し、この排出機構4の少なくとも一部が、用紙保持部5に面する画像読取装置3の下面3aよりも上方に配置された複合装置1である。この複合装置1では、用紙Pを用紙保持部5へ排出する排出機構4の上方のローラ4aが、用紙保持部5に面する画像読取装置3の下面3aよりも上方に配置されているので、画像読取装置3の上面3bまでの高さが低くなり、装置全体の高さを低く抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画像読取装置を備えた複合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、本願発明の背景技術について説明する。
【0003】
図4は従来の複合装置の概略構成を示す断面図である。図4に示すように、画像形成装置11および画像読取装置12の両装置を備えた複合装置10は、画像形成装置11の上方に画像読取装置12を配置した構成を採っている(例えば、特許文献1参照。)。また、この種の複合装置10では、必要な設置面積を小さくするため、画像形成装置11により画像形成され、排出された用紙を保持する保持部13を画像形成装置11と画像読取装置12との間に備える。画像読取装置12は、画像形成後の用紙を保持部13へ排出する排出機構14の上方に、支持部15を介して連結されている。
【特許文献1】特開2000−289917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、SOHO向けに複合装置10の小型化が望まれており、複合装置10についても(特許文献1)に記載のような従来のデスクサイド設置型のものよりもデスクトップ設置型のものが求められている。このようなデスクトップ設置型では、椅子に座ったままの状態で各種操作を行うことが可能であることが望まれるため、設置面積だけでなく、装置の高さが低いことが要求される。
【0005】
ところが、図4に示す複合装置10では、画像読取装置12が、画像形成装置11の排出機構14の上方に支持部15を介して連結されているので、画像読取装置12の上面の位置が高くなっている。そのため、この複合装置10をデスク上に設置しても、椅子に座ったまま画像読取装置12の操作を行うことが困難である。
【0006】
そこで、本発明においては、装置全体の高さを低く抑えた複合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の複合装置は、画像形成装置の上方に画像読取装置を備え、さらに画像形成装置により画像形成され、排出された記録媒体を保持する保持部を画像形成装置と画像読取装置との間に備えた複合装置であって、記録媒体を保持部へ排出する排出機構を有し、この排出機構の少なくとも一部が、保持部に面する画像読取装置の下面よりも上方に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録媒体を保持部へ排出する排出機構の少なくとも一部が、保持部に面する画像読取装置の下面よりも上方に配置されているので、画像読取装置の上面までの高さが低くなり、装置全体の高さを低く抑えた複合装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本願の第1の発明は、画像形成装置の上方に画像読取装置を備え、さらに画像形成装置により画像形成され、排出された記録媒体を保持する保持部を画像形成装置と画像読取装置との間に備えた複合装置であって、記録媒体を保持部へ排出する排出機構を有し、この排出機構の少なくとも一部が、保持部に面する画像読取装置の下面よりも上方に配置されていることを特徴とする複合装置である。本発明によれば、記録媒体を保持部へ排出する排出機構の少なくとも一部が、保持部に面する画像読取装置の下面よりも上方に配置されているので、画像読取装置の上面までの高さが低くなり、装置全体の高さを低く抑えた複合装置が得られる。
【0010】
本願の第2の発明は、保持部が、排出機構から排出される記録媒体の先端を後端よりも低くなるように保持するものであることを特徴とする。本発明によれば、排出される記録媒体の先端側から記録媒体を取り出す際に、この取り出し側の空間が広くなるため、作業性が良くなる。
【0011】
本願の第3の発明は、排出機構が、一対以上のローラから構成されるものであり、このローラのうち少なくとも1つのローラが、保持部に面する画像読取装置の下面よりも上方に配置されていることを特徴とする。本発明によれば、排出機構の一部であるローラが、保持部に面する画像読取装置の下面よりも上方に配置されているので、この画像読取装置の下面よりも上方に配置されているローラの分だけ装置全体の高さを低く抑えることができる。
【0012】
本願の第4の発明は、排出機構の少なくとも一部が、画像読取装置内に配置されていることを特徴とする。本発明によれば、画像読取装置内に配置されている排出機構の分だけ装置全体の高さを低く抑えることができる。
【0013】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態1における複合装置の概略構成を示す断面図であって、(a)は通常状態を示す図、(b)は画像読取装置を上げた状態を示す図である。
【0015】
図1(a)に示すように、本発明の実施の形態1における複合装置1は、記録媒体としての用紙P上に画像形成を行う画像形成装置2と、この画像形成装置2の上方に配置された画像読取装置3とから構成される。画像読取装置3は、原稿から画像読み取りを行うものである。複合装置1をコピー装置として使用する場合、画像読取装置3により原稿を読み取ると、この読み取られた画像が画像形成装置2により用紙P上に形成される。
【0016】
画像形成装置2は、図示しないが、現像器、感光体、LSU(レーザスキャニングユニット)、用紙Pを供給する給紙カセット、給紙カセットから用紙Pを1枚ずつ供給するピックアップローラ、転写ローラ等を備える。画像形成後の用紙Pは、一対のローラ4a,4b等から構成される排出機構4により、画像形成装置2と画像読取装置3との間に形成された用紙保持部5へ排出される。
【0017】
なお、本実施の形態1においては、排出機構4の上方のローラ4aは画像読取装置3内に配置されており、下方のローラ4bは画像形成装置2内に配置されている。つまり、ローラ4aは、画像読取装置3内に配置されることにより、用紙保持部5に面する画像読取装置3の下面3aよりも上方に配置されていることになる。
【0018】
また、画像読取装置3は、図示しないヒンジ機構によって端部が揺動可能に画像形成装置2に装着されている。したがって、ローラ4aは、図1(b)に示すように画像読取装置3を上げると、画像読取装置3とともに上方へ移動するので、ローラ4a,4b間に用紙Pが詰まった場合には、画像読取装置3を持ち上げるだけで詰まった用紙Pを取り除くことが可能である。
【0019】
用紙保持部5は、画像形成装置2の筐体に形成された凹部であり、その底面5aは、排出機構4から排出される用紙Pの先端が後端よりも低くなるように傾斜を設けて形成されている。また、用紙保持部5の下端部には、排出機構4から排出される用紙Pが落下しないようにストッパ6が形成されている。
【0020】
上記構成の複合装置1では、用紙Pを用紙保持部5へ排出する排出機構4の一部であるローラ4aが、用紙保持部5に面する画像読取装置3の下面3aよりも上方に配置されているので、画像読取装置3の上面3bまでの高さが低くなり、装置全体の高さを低く抑えることが可能となる。
【0021】
図2は図4に示す従来の複合装置10と本実施の形態1における複合装置1との装置全体の高さを比較した図である。図2に示すように、本実施の形態1における複合装置1は、従来の複合装置10と比較して支持部15の上端面からローラ4aの下端面までの長さの分だけ装置全体の高さが低くなっている。
【0022】
また、本実施の形態1における複合装置1では、用紙保持部5が、排出機構4から排出される用紙Pの先端を後端よりも低くなるように保持するので、この排出される用紙Pをその先端側(図1の左側)から取り出す際に、この取り出し側の空間が広くなる。そのため、用紙Pの取り出し時の作業性が良い。
【0023】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図3は本発明の実施の形態2の複合装置の概略構成を示す断面図であって、(a)は通常状態を示す図、(b)は画像読取装置を上げた状態を示す図である。なお、図3において、図1と同じ構成部分については、図1と同一の符号を付している。
【0024】
図3に示すように、この複合装置7では、排出機構4のローラ4aが画像形成装置8内に配置されており、画像読取装置9内には配置されていない。その代わりに、画像読取装置9は、画像形成装置8の排出機構4のローラ4aよりも上方の部分に相当する部分が凹状に形成されている。また、この複合装置7においても、排出機構4のローラ4aは、用紙保持部5に面する画像読取装置9の下面9aよりも上方に配置されている。
【0025】
このような構成であっても、用紙Pを用紙保持部5へ排出する排出機構4の一部であるローラ4aが、用紙保持部5に面する画像読取装置9の下面よりも上方に配置されていることにより、画像読取装置9の上面9bまでの高さが低くなり、装置全体の高さを低く抑えることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、画像形成装置および画像読取装置を備えた複合装置として有用である。特に、本発明は、装置全体の高さを低く抑えた複合装置として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1における複合装置の概略構成を示す断面図
【図2】図4に示す従来の複合装置と本実施の形態1における複合装置との装置全体の高さを比較した図
【図3】本発明の実施の形態2の複合装置の概略構成を示す断面図
【図4】従来の複合装置の概略構成を示す断面図
【符号の説明】
【0028】
1,7 複合装置
2,8 画像形成装置
3,9 画像読取装置
3a,9a 下面
3b,9b 上面
4 排出機構
4a,4b ローラ
5 用紙保持部
5a 底面
6 ストッパ
P 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の上方に画像読取装置を備え、さらに前記画像形成装置により画像形成され、排出された記録媒体を保持する保持部を前記画像形成装置と画像読取装置との間に備えた複合装置であって、
前記記録媒体を前記保持部へ排出する排出機構を有し、
この排出機構の少なくとも一部が、前記保持部に面する前記画像読取装置の下面よりも上方に配置されていることを特徴とする複合装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記排出機構から排出される記録媒体の先端を後端よりも低くなるように保持するものであることを特徴とする請求項1記載の複合装置。
【請求項3】
前記排出機構は、一対以上のローラから構成されるものであり、
このローラのうち少なくとも1つのローラが、前記保持部に面する前記画像読取装置の下面よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の複合装置。
【請求項4】
前記排出機構の少なくとも一部が、前記画像読取装置内に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の複合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−5184(P2008−5184A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−172156(P2006−172156)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】