説明

複数の接触帯電器を用いた画像形成装置

【課題】接触帯電部材の重複部分、すなわち、帯電領域の重複部分における電子写真感光体表面の劣化を十分に防止することの可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】帯電手段として有する複数個の接触帯電部材は、電子写真感光体1の表面を重複して帯電させる重複部分と、電子写真感光体1の表面を単独で帯電させる非重複部分と、を有するように、電子写真感光体1表面の移動方向と直交する方向に沿って分布している画像形成装置であって、重複部分に相当する部分における、電子写真感光体1とクリーニングブレード7との接触荷重は、非重複部分に相当する部分における、電子写真感光体1とクリーニングブレード7との接触荷重と比較して3〜10%高めに設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものであり、詳しくは、1個の電子写真感光体の表面に複数個の帯電部材を接触させて電子写真感光体表面の帯電を行う画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、帯電、露光、現像、転写などの工程を経て画像形成が行われるが、かかる帯電工程には通常コロトロンと呼ばれるワイヤでの帯電方式が適用されてきた。しかしながら、コロトロンで帯電を行う際にはオゾン等が発生するという問題があった。
【0003】
このような背景の下、ロール形状やブラシ形状の帯電部材(接触帯電部材)を電子写真感光体表面に接触させながら所定の電流を印加することにより電子写真感光体表面を帯電させる接触帯電方式の実用化が進められている。
【0004】
ところで、例えば感光体の帯電面幅が約1mにも及ぶ広幅の画像形成装置において、電子写真感光体と同じ幅の接触帯電部材を用いた場合には、帯電部材のたわみや加工性の悪さなどの影響により均一な帯電を行うことが困難であった。また、このように長尺な接触帯電部材は、製造コストなどの点でも実用に供し得るものではなかった。
【0005】
そこで、接触帯電方式が適用された広幅の画像形成装置において、電子写真感光体表面を均一に帯電するための様々な方法が検討されており、例えば特許文献1には、複数個の接触帯電部材が被帯電面の移動方向に分布した帯電装置が開示されている。
【0006】
しかし、このような帯電装置を備える画像形成装置を長時間使用していくと、帯電領域の重複部分にトナーが付着して画像が乱れやすくなる。そこで、特許文献2には、接触帯電部材のそれぞれに印加される交流電流が1.3mA以下に制御する手法、膜厚24μm以上の電荷輸送層を備えることにより、これらの悪影響を除外する提案がされている。
【0007】
【特許文献1】特開平8−305128号公報
【特許文献2】特開2000−91135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、このような画像形成装置でも長時間使用していくと、同様の現象はやはり発生してしまうため、該電子写真感光体は感光層全体の摩耗による画質欠陥発生より前に交換せざるを得なかった。
【0009】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、電子写真感光体が長尺な場合であっても感光体表面を十分に均一に帯電させることができ、また長期間使用した場合にも感光体表面がクリーニング不良となることなく十分に良好な画像品質を継続して得ることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の構成は以下のとおりである。
【0011】
(1)電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる、複数個の接触帯電部材を有する帯電手段と、前記電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、現像された像を被転写媒体に転写する転写手段と、前記電子写真感光体の表面上に残った前記現像剤をクリーニングするクリーニング部材と、を備え、前記複数個の接触帯電部材は、前記電子写真感光体の表面を重複して帯電させる重複部分と、前記電子写真感光体の表面を単独で帯電させる非重複部分と、を有するように、前記電子写真感光体表面の移動方向と直交する方向に沿って分布している画像形成装置であって、前記クリーニング部材は、前記電子写真感光体の表面上に接触するクリーニングブレードを含み、前記重複部分に相当する部分における、前記電子写真感光体と前記クリーニングブレードとの接触荷重は、前記非重複部分に相当する部分における、前記電子写真感光体と前記クリーニングブレードとの接触荷重と比較して3〜10%高めに設定されることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明の画像形成装置によれば、電子写真感光体が長尺であっても、電子写真感光体表面を十分に均一に且つ漏れなく帯電させることができ、帯電領域の重複部分における電子写真感光体表面の部分的な摩耗が生じても十分にクリーニングすることが出来る。
【0013】
また、本発明の画像形成装置によれば、重複部分のクリーニング不良を十分に防ぎ、電子写真感光体の膜摩耗による画質欠陥が生じるまで、長期にわたって優れた画像品質を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は本発明における画像形成装置の実施の形態を示す概略構成図である。また、図2a、図2bには、図1に示した画像形成装置における電子写真感光体1と接触帯電部材2a〜2cとの位置関係を示す斜視図および上面図を示した。
【0016】
図1、図2aおよび図2bに示した装置において、電子写真感光体1は支持体9によって支持されており、支持体9を中心として矢印の方向に所定の回転速度で回転可能となっている。そして、電子写真感光体1の回転方向に沿って、3個の接触帯電部材2a〜2c、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング手段7がこの順で配置されている。また、当該装置は像定着装置6を備えており、被転写媒体Pは転写装置5を経て像定着装置6へと搬送される。
【0017】
電子写真感光体1は、円筒状の導電性基体上に感光層が形成されたもので、当該感光層には電荷発生物質及び電荷輸送物質が含まれている。なお、図1に示した実施の形態において用いられる電子写真感光体1は、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させてこれらを積層した積層型感光体であってもよく、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよいが、好ましくは積層型感光体である。また、電荷発生物質及び電荷輸送物質としては特に制限されないが、例えば図3に例示される電子写真感光体1の構成ならびに後述する電荷発生物質及び電荷輸送物質を用いることができる。
【0018】
図3に示した本発明の実施の形態における電子写真感光体1において、導電性基体21としては、通常、直径がφ10〜200mm、長さが250〜1500mmの円筒体が用いられる。また、導電性基体21の材料としては、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、フェノール樹脂などの高分子材料または硬質紙などの絶縁材料に導電物質を分散させて導電処理したもの;上記の絶縁材料に金属箔を積層したもの;上記の絶縁材料に金属の蒸着膜を形成したもの、などが挙げられる。
【0019】
また、導電性基体21は、陽極酸化処理、粗研削処理、ホーニング処理などの表面処理が施されたものであってもよい。このような表面処理により導電性基体の表面粗さを所定の範囲内(好ましくはRaが0.05〜0.5μm、Rmaxが0.5〜5μm)とすることによって、光の干渉を防止することができる。
【0020】
なお、ここでの表面粗さRaとは、粗さの尺度の一つである算術平均粗さであり、公知の触針式表面粗さ測定機(例えば、サーフコム1400A:東京精密社製)を使用して測定することができる。
【0021】
本実施の形態の導電性基体21における表面粗さRaの測定は、サーフコム1400Aを用いて、JIS B0601−1994に準拠し、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmからなる測定条件で実施されたものである。なお、これ以外の条件で測定することも可能であるが、上記した測定条件と相関が取れる条件で測定されることが好ましく、測定された値は、上記した測定条件で評価した値に換算することにより評価される。
【0022】
また、Rmaxは、JIS B0601−1982に準拠して例えば、サーフコム1400A:東京精密社製を用いて測定されるものである。
【0023】
また、導電性基体21の内周面に、金属、樹脂、ゴムなどを円筒形または円柱形に加工した部材を嵌合させることにより、振動音を抑制することができる。
【0024】
下引き層22は所定の樹脂を含んで形成されたものである。かかる樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂などが挙げられ、これらの樹脂にジルコニウム化合物、チタニウム化合物などを配合して下引き層としてもよい。下引き層の膜厚は、好ましくは0.1〜3.0μmである。
【0025】
このように導電性支持体上に下引き層を設けると、下記(1)〜(6)に示す効果を得ることができる。
【0026】
(1)導電性支持体から感光層への不必要なキャリアの注入が防止されて画質が向上する。
【0027】
(2)電子写真感光体の光減衰曲線の環境依存性(温度、湿度など)が低減して安定した画質が得られる。
【0028】
(3)適度な電荷輸送能により、長期にわたって繰り返し使用する場合にも電荷が蓄積されず、感度変動の発生が抑制される。
【0029】
(4)帯電電圧に対する適度な耐圧性により、絶縁破壊に起因する画像欠陥の発生が防止される。
【0030】
(5)接着層として、感光層を支持体に一体的に保持することができる。
【0031】
(6)支持体の光反射が防止される。
【0032】
電荷発生層23は電荷発生物質および結着樹脂を含んで形成されたものであり、電荷発生物質は結着樹脂中に分散されて電荷発生層23中に保持されている。かかる電荷発生物質としては、特に限定されないが、具体的には、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、キノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩、アズレニウム塩、三方晶型セレンなどが挙げられる。また、結着樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、スチレン−メタクリル酸メチルコポリマー、ポリサルホン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、セルロースエステル類などを用いることができる。電荷発生層23の膜厚は、好ましくは0.05〜1.0μmである。
【0033】
電荷輸送層24は電荷輸送物質および結着樹脂を含んで形成されたものであり、電荷輸送物質は結着樹脂中に分散されて層中に保持されている。かかる電荷輸送物質としては、特に限定されないが、具体的には、アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳香族化合物またはその誘導体、インドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、トリアゾールなどの窒素含有複素環式化合物またはその誘導体、ヒドラゾンなどの正孔輸送物質が挙げられる。また、結着樹脂としては、前記電荷発生層の結着樹脂として用いられるものと同様の樹脂を用いることができる。
【0034】
また、電荷輸送層24の膜厚は、長尺の電子写真感光体であっても表面を十分に均一に且つ漏れなく帯電させることができるということ、また、帯電領域の重複部分における電子写真感光体表面の劣化防止ということを考慮すると、24μm以上が好ましく、さらに好ましくは26〜40μmである。電荷輸送層の膜厚が24μm未満であると、接触帯電部材で帯電する際に、重複部分にトナーが付着して画像が乱れる現象や、重複部分の帯電特性が低下してカブリが発生する現象が起こりやすくなり、長期にわたって十分に優れた画像品質を得ることが困難となるおそれがある。
【0035】
下引き層22、電荷発生層23、および電荷輸送層24を成膜する際には、(結着)樹脂、あるいは更に電荷発生物質または電荷輸送物質を所定の溶剤に分散させて得られる塗工液を所定の層(導電性支持体、下引き層、電荷発生層など)上に塗布し、乾燥させることによって好適に得ることができる。
【0036】
前記溶剤としては、揮発性が高く、かつ、その溶剤が気化した際の蒸気の密度が空気よりも大きいものが好ましい。具体的には、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、2,4−ペンタジオン、アニソール、3−オキソブタン酸メチル、モノクロロベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセルソルブアセテートなどが挙げられる。これらの有機溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
また、前記溶剤に結着樹脂、電荷輸送物質、電荷発生物質などの材料を分散させる方法としては、サンドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミル、ダイノーミル、高圧ホモジナイザー、超音波分散機、コボールミル、ロールミルなどが挙げられる。
【0038】
また、前記の塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法などが挙げられる。
【0039】
また、本発明の実施の形態における電子写真感光体として、電子写真感光体表面の劣化をより確実に防止し、画像品質のさらなる向上を目的として、感光層上に表面保護層をさらに備えるものを用いてもよい。
【0040】
前記表面保護層としては、酸化チタンなどの半導電性微粒子や電荷輸送能を有する低分子化合物が結着樹脂中に分散された層や、電荷輸送能を有する光機能性高分子化合物(例えば特開平9−190004号公報、特開平11−38656号公報、特開2000−171990号公報等に記載の有機ケイ素化合物)を含む層などが挙げられる。
【0041】
また、本発明の実施の形態における接触帯電部材2a〜2cは円筒形状(ロール状)であり、導電性の芯材の外周面に弾性層、抵抗層、保護層がこの順序で積層されることによって構成される。
【0042】
前記芯材としては、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケルなどの導電性を有する材料や、導電性粒子等を分散した樹脂成形品などを用いることができる。
【0043】
また、前記弾性層の材料としては、EPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴムなどのゴム材に、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウムなどの金属、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、Sb、In、ZnO、MgOなどの金属酸化物、などの導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散した材料が好ましく用いられる。
【0044】
前記抵抗層および保護層の材料としては、前記の導電性粒子あるいは半導電性粒子をアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PETなどのポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂に分散し、その抵抗を制御したものが好ましく用いられる。
【0045】
また、前記抵抗層および保護層には、必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。これらの層を形成する手法としてはブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等を用いることができる。
【0046】
前記抵抗層および保護層の抵抗率は好ましくは10〜1014Ωcm、より好ましくは10〜1012Ωcm、さらに好ましくは10〜1012Ωcmである。また、前記抵抗層および保護層の膜厚はそれぞれ好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜500μm、さらに好ましくは0.5〜100μmである。
【0047】
図2a、図2bに示したように、本実施の形態において、接触帯電部材がたわまない長さであるとともに安価な製造が可能な長さとするために、例えば接触帯電部材を接触帯電部材2a〜2cの3本に分けて電子写真感光体1表面に配置している。
【0048】
また、接触帯電部材2a,2b,2cは、電子写真感光体1表面の移動方向(図2aまたは図2b中の矢印方向)と直交する方向(電子写真感光体1の回転軸方向)に沿って所定の間隔をもって配置されている。接触帯電部材2a,2cは、電子写真感光体1の両端部にそれぞれ配置されている。一方、接触帯電部材2bは電子写真感光体1の中央部に、接触帯電部材2aと2cとの間に位置するように備えられており、接触帯電部材2bによる帯電領域の両端部がそれぞれ接触帯電部材2a、2cによる帯電領域の端部と重複するように配置されている。つまり、接触帯電部材2a,2b,2cは、電子写真感光体1の表面を重複して帯電させる重複部分と、電子写真感光体1の表面を重複することなく、単独で帯電させる非重複部分と、を有するように分布している。
【0049】
これらの径形状の接触帯電部材2a,2b,2cの作製は、例えば、予め所定厚に形成されたシート状またはチューブ状の層を接着または被覆することによって行っても良いし、静電スプレーやディッピング塗工等、従来から知られている工法によって、またはそれに準じて行っても良い。また、押出し成形によって大まかに層形成した後に研磨等によって形状を整える方法であっても良く、型内で所定の形状に材料を硬化、成形する方法であっても良い。
【0050】
接触帯電部材2a〜2cに、電子写真感光体1の表面を帯電させる際には、それぞれの接触帯電部材に印加される交流電流値は特に制限されないが、長尺な電子写真感光体を十分に均一、かつ漏れなく帯電させるという観点、および帯電領域の重複部分における電子写真感光体表面の劣化防止という観点からは、1.3mA以下であることが好ましく、特に、電子写真感光体表面の帯電均一性や画像カブリの発生のしやすさ等を考慮すると、0.7〜1.3mAであることがより好ましい。
【0051】
当該交流電流値が1.3mA以下であると、重複部分にトナーが付着して画像が乱れる現象や、重複部分の帯電特性が低下してカブリが発生する現象をより確実に防止することができ、画像品質をさらに向上させることができる。
【0052】
また、接触帯電部材2a〜2cに、交流電流を印加する際の周波数は400〜2000Hzであることが好ましい。周波数が400Hz未満の場合には電子写真感光体1表面の帯電が不均一となってカブリが発生しやすくなる傾向にあり、他方、周波数が2000Hzを越えると振動音が発生しやすくなる傾向にある。
【0053】
なお、図1、図2aおよび図2bに示した接触帯電部材2a〜2cは、電子写真感光体1と接触させることにより電子写真感光体1と同じ周速度で回転可能なものであるが、接触帯電部材2a〜2cのそれぞれに所定の駆動手段を取り付け、電子写真感光体1の周速度と異なる周速度で回転させてもよい。
【0054】
また、図1に示した画像形成装置は、3個の接触帯電部材2a〜2cを備えるものであるが、本発明の実施の形態において、画像形成装置に備えられる接触帯電部材の個数は電子写真感光体の寸法や接触帯電部材の加工性に応じて適宜選定することができる。
【0055】
このようにして帯電された電子写真感光体1の表面に、露光装置3からの露光光を照射して静電潜像が形成される。露光装置3としては、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッターなどの光学系装置を用いることができる。
【0056】
次いで、電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像が、現像装置4により現像されてトナー像が形成される。現像装置4としては、一成分系、二成分系などの正規または反転現像剤を用いた、公知の現像手段などを用いることができる。また、使用されるトナーの形状は特に制限されず、例えば粉砕法による不定形トナーや重合法による球状または粒状トナーが好適に使用される。
【0057】
電子写真感光体1表面のトナー像は、転写装置5により被転写媒体Pに転写される。転写装置5としては、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器などが挙げられるが、オゾン発生防止の観点から接触型転写帯電器を用いることが好ましい。
【0058】
この被転写媒体Pが像定着装置6に搬送されて、加熱又は加圧によりトナー像の被転写媒体への定着が行われてプリントアウトされる。
【0059】
一方、転写工程後の電子写真感光体1の表面には、通常、残存トナーが付着しているので、クリーニング装置で残存トナーの除去が行われる。このようにして清浄面化された電子写真感光体1は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。
【0060】
クリーニング装置は、電子写真感光体に付着するトナーを除去するクリーニング部材と、クリーニング部材を支持する支持部材とを備えている。クリーニング部材としては、クリーニングブレードを用いることが好ましい。クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられており、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。上記硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
【0061】
クリーニングブレードの物性としては、例えば硬度(JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に規定するタイプAデュロメータにより得られるデュロメータ硬さ)A50/S〜A90/S、ヤング率約3.92×10〜約8.82×10N/m(40〜90kgf/cm)、100%モジュラス(JIS K6261「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの低温試験法」に準拠)約1.96×10〜約6.37×10N/m(20〜65kgf/cm)、300%モジュラス(JIS K6261「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの低温試験法」に準拠)約6.86×10〜約1.36×10N/m(70〜150kgf/cm)、引っ張り強さ(JIS K6251に準拠)約2.35×10〜約4.9×10N/m(240〜500kgf/cm)、伸(JIS K6251「加硫ゴムの引張試験方法」に規定する切断時伸び)290〜500%、反発弾性(JIS K6255「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの反撥弾性試験方法」に準拠)30〜70%、引裂強さ(JIS K6252「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引き裂き強度の求め方」に準拠)約2.46×10〜約7.35×10N/m(25〜75kgf/cm),永久伸(JIS K6262「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永久ひずみ試験方法」に準拠)4.0%以下のものが使用可能であるが、これに限らず、電子写真感光体1表面の材料により適宜決定してよい。またブレードの圧接力は約0.98〜約5.88N/m(10〜60gf/cm)当接角度は17〜30°が好ましい。
【0062】
クリーニングブレードを支持する支持部材としては、クリーニングブレードよりも剛性の高いものであればいかなるものでも構わない。具体的には、アルミ、軟鋼板、SUS板、等の金属部材、またはカーボン、ガラス繊維を混合した樹脂成形部材、などから形成されていることが望ましい。また、これらの支持部材は、高剛性を得るための形状、例えばL字形状などをなしていても良い。
【0063】
図4(a)に例示するようなクリーニングブレード30を、電子写真感光体1の表面に当接させて、図4(b)に示す状態としたときの荷重Nは、支持部材32の一方のみが固定された片持ち梁と見なして、一般に、下記式で示すことが出来る。
【0064】
N=K×S , K=3EI/L , I=Bt/12
ただし、N:荷重(N(ニュートン))、K:ばね定数(N/m)、S:くい込み量(m)、E:ヤング率(Pa(パスカル)あるいはN/m)、I:断面二次モーメント(m)、L:自由長さ(m)、B:長手方向長さ(m)、t:厚さ(m)、X:設定角度(degree(°))、Y:当接角度(degree(°))、をそれぞれ示す(図4(a)、(b)を参照のこと)。
【0065】
ここでクリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重Nを、接触帯電部材の帯電領域の重複部分について3〜10%高めとなるように電子写真感光体1の軸方向に不均一に設定することによって、長尺な電子写真感光体1を十分に均一にかつ漏れなくクリーニングすることができる。従って、重複部分にトナーが付着して画像が乱れる現象や、重複部分の帯電特性が低下してカブリが発生する現象を生じることなく、長期にわたって優れた画像品質を得ることが可能となる。
【0066】
一方、複数の接触帯電部材による帯電領域の、重複部分における「クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重」の増分が、非重複部分における「クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重」の3%よりも少ないと前述の効果を十分に得ることが出来ない。また、複数の接触帯電部材による帯電領域の、重複部分における「クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重」の増分が、非重複部分における「クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重」に対して10%を超えると通常部分との境目近傍のクリーニング性能が相対的に低くなり、クリーニング不良を発生し、実用には耐えかねる画像形成装置となる。
【0067】
従って、上記に示す各種のパラメータを、重複部分と非重複部分とにおいて異なるように操作することにより、接触帯電部材の帯電領域の重複部分について、「クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重」を部分的に変動させることが出来る。例えば、クリーニングブレード30の荷重Nは、クリーニングブレード30の厚さtの三乗に比例するので、重複部分における「クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重」の増分を3%にしようとすると、厚さtを非重複部分に対して約0.99%増大させればよいことがわかる。同様に、重複部分における「クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重」の増分を10%にしようとすると、厚さtを非重複部分に対して約3.23%増大させればよいことがわかる。
【0068】
同様に、クリーニング部材と電子写真感光体1とが接触する荷重を、複数の接触帯電部材による帯電領域の重複部分について、3〜10%高めとなるように、接触帯電部材の帯電領域の端部が重複する部分のみ、変動させればよく、例えば帯電領域の重複部分に相当する部分において部分的にクリーニングブレード30の自由長さLを変更する、くい込み量Sを変更する等いかなる方法を採用してもよい。
【0069】
なお、本明細書において、複数の接触帯電部材による帯電領域の重複部分「のみ、」接触する荷重を3〜10%高めにするとは、帯電領域の重複部分と非重複部分との境界において接触荷重を変化させることが好ましいが、これに限らず、例えばある所定の幅を持って段階的に荷重を変化させるようにしてもよい。このとき許容される所定の幅は、複数の接触帯電部材による帯電領域の、それぞれの全長や重複部分の幅に関係なく、10mm程度である。
【実施例】
【0070】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0071】
[接触帯電部材の作製]
接触帯電部材である帯電ロールとしては、金属(SUS304)製シャフト表面にエピクロルヒドリンゴム層を形成し、さらにこのエピクロルヒドリンゴム層の表面に酸化スズの導電粉を含有させたポリアミドを3μm程度コートしたものを使用した。
【0072】
帯電ロール全長は、A3ノビ対応部品である330mmとした。前述の通り、電子写真感光体の有効感光領域(920mm)を十分に帯電させるために、若干の余裕をもって、帯電領域は930mmに設定した。従って、帯電ロールは3本が必要となり、それらの重なり部分は、(330×3−930)/2=30mmとなるようにセッティングした(図2a、図2bを参照のこと)。
【0073】
本実施例において、帯電ロールの径形状は、従来既知のいわゆるクラウン形状とした。帯電部材の研磨は、帯電ロールの長さと同程度の幅の砥石を用い、それを一度押し当てることにより行った。
【0074】
[クリーニング部材(1)の作製]
クリーニング部材として使用するポリウレタン製のクリーニングブレードを作製した。ポリウレタンは、ゴム硬度A70/S(JIS K 6253に規定するタイプAデュロメータにより得られるデュロメータ硬さ)、ヤング率6.6MPaのものを使用した。クリーニングブレードの形状は、従来公知の形状であり、厚さ2mm、全長930mmのほぼ直方体形状とした(図5(a)参照)。これを貼り付ける支持部材として、図5(a)に示すクリーニングブレードとほぼ同じ形状の冷間圧延鋼板(SPCC)を使用した(図5(b)参照)。クリーニングブレード30と支持部材32とを、ホットメルト接着剤により貼り付け、クリーニングブレード30の自由長さLを20mmとする、図5(c)に示すようなクリーニング部材(1)を得た。
【0075】
このようにして得られたクリーニング部材(1)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとは、まったく同一である。
【0076】
[クリーニング部材(2−1)の作製]
図5(b)に示す支持部材32に替えて、図6(b)に示す形状の支持部材を使用することを除いて、あとはクリーニング部材1と同様にしてクリーニング部材(2−1)を作製した。図6(b)に示す支持部材は、3本の接触帯電部材による帯電領域の重複部分に相当する箇所を長さ方向に延ばした形状を有している。延ばした部分の長さは、他の部分と比較して自由高さL方向に0.05mmだけ高く設定した。クリーニングブレードと支持部材とを接着させた後のクリーニングブレード自由高さLは、帯電領域の重複部分に相当する箇所において19.95mm、その他の部分において20mmとした。
【0077】
このようにして得られたクリーニング部材(2−1)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとを比較すると、Nの方がNよりも0.8%程度高い状態である。
【0078】
[クリーニング部材(2−2)の作製]
図6(b)に示す支持部材において、3本の接触帯電部材による帯電領域の重複部分に相当する箇所を長さ方向に延ばした部分は、他の部分と比較して自由高さL方向に0.20mmだけ高く設定したものを使用することを除いて、あとはクリーニング部材2−1と同様にしてクリーニング部材(2−2)を作製した。クリーニングブレードと支持部材とを接着させた後のクリーニングブレード自由高さLは、帯電領域の重複部分に相当する箇所において19.80mm、その他の部分において20mmとした。
【0079】
このようにして得られたクリーニング部材(2−2)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとを比較すると、Nの方がNよりも3.1%程度高い状態である。
【0080】
[クリーニング部材(2−3)の作製]
図6(b)に示す支持部材において、3本の接触帯電部材による帯電領域の重複部分に相当する箇所を長さ方向に延ばした部分は、他の部分と比較して自由高さL方向に0.4mmだけ高く設定したものを使用することを除いて、あとはクリーニング部材(2−1)と同様にしてクリーニング部材(2−3)を作製した。クリーニングブレードと支持部材とを接着させた後のクリーニングブレード自由高さLは、帯電領域の重複部分に相当する箇所において19.6mm、その他の部分において20mmとした。
【0081】
このようにして得られたクリーニング部材(2−3)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとを比較すると、Nの方がNよりも6.4%程度高い状態である。
【0082】
[クリーニング部材(2−4)の作製]
図6(b)に示す支持部材において、3本の接触帯電部材による帯電領域の重複部分に相当する箇所を長さ方向に延ばした部分は、他の部分と比較して自由高さL方向に0.6mmだけ高く設定したものを使用することを除いて、あとはクリーニング部材(2−1)と同様にしてクリーニング部材(2−4)を作製した。クリーニングブレードと支持部材とを接着させた後のクリーニングブレード自由高さLは、帯電領域の重複部分に相当する箇所において19.4mm、その他の部分において20mmとした。
【0083】
このようにして得られたクリーニング部材(2−4)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとを比較すると、Nの方がNよりも9.6%程度高い状態である。
【0084】
[クリーニング部材(2−5)の作製]
図6(b)に示す支持部材において、3本の接触帯電部材による帯電領域の重複部分に相当する箇所を長さ方向に延ばした部分は、他の部分と比較して自由高さL方向に0.7mmだけ高く設定したものを使用することを除いて、あとはクリーニング部材(2−1)と同様にしてクリーニング部材(2−5)を作製した。クリーニングブレードと支持部材とを接着させた後のクリーニングブレード自由高さLは、帯電領域の重複部分に相当する箇所において19.3mm、その他の部分において20mmとした。
【0085】
このようにして得られたクリーニング部材(2−5)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとを比較すると、Nの方がNよりも11.3%程度高い状態である。
【0086】
[クリーニング部材(3)の作製]
図5(a)に示すクリーニングブレードに替えて、図7(a)に示す形状のクリーニングブレードを使用することを除いて、あとはクリーニング部材(1)と同様にしてクリーニング部材(3)を作製した。図7(a)に示すクリーニングブレードは、3本の接触帯電部材による帯電領域の重複部分に相当する箇所において厚さを増加させた形状を有している。具体的には、帯電領域の重複部分に相当する箇所の厚さを2.04mm、その他の部分における厚さを2mmとした。図7(b)に示す支持部材に貼り付けて、図7(c)に示すクリーニング部材(3)を得た。なお、クリーニング部材(3)において、クリーニングブレードの自由長さは20mmとした。
【0087】
このようにして得られたクリーニング部材(3)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとを比較すると、Nの方がNよりも6.4%程度高い状態である。
【0088】
[クリーニング部材(4)の作製]
図8(b)に示す、SPCC製の部材を支持部材として使用した。図8(b)に示す支持部材は、凸面40,42を有するように屈曲させた形状を有している。図8(b)に示す支持部材の凸面40,42は、帯電領域の重複部分に相当する長さ(ここでは30mm)を有しており、凸面40,42における凸量は、凸面40,42に平行な平面44に対して、厚さ方向に0.13mmだけ高く設定されている。
【0089】
このようにして作製した、図8(b)に示す支持部材の凸面40,42側に、図8(a)に示すクリーニングブレードが密着するように変形させながら貼り付けて、図8(c)に示すクリーニング部材(4)を得た。クリーニングブレードの自由長さは20mmとした。
【0090】
このようにして得られたクリーニング部材(4)において、複数の帯電ロールによる帯電領域が重ならない非重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nと、帯電領域が重なる重複部分に相当する部分におけるブレード荷重Nとを比較すると、Nの方がNよりも6.5%程度高い状態である。
【0091】
なお、クリーニング部材(1)〜(4)におけるブレード荷重N,Nとは、図5(c)、図6(c)、図7(c)および図8(c)に示したクリーニング部材(1)〜(4)の稜36が、クリーニングブレード30の他の部位に先んじて電子写真感光体1に対し当接するようにして、矢印34の方向に接触させるときの荷重、すなわちクリーニングブレード30と電子写真感光体1との接触荷重をいう(図4を参照のこと)。
【0092】
[電子写真感光体(1)の作製]
中心軸方向の長さ965mm、内径φ78mm、外径φ84mmの円筒状のアルミニウム(6063;JIS H4080)製基体についてホーニング処理を行い、Ra0.2μmに粗面化した。次いで、界面活性剤を用いたブラシ洗浄、純水による洗浄を順次行い、135℃で5分間乾燥させた。さらにこの基体の表面に24℃の冷却エアーを10m/secで5分間吹き付けた。
【0093】
次に、4質量部のポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社製)を溶解したn−ブチルアルコール170質量部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトンジルコニウムブチレート)20質量部及び有機シラン化合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)10質量部を混合撹拌して下引き層用の塗布液を調製した。この塗布液を上記の基体の外周面に塗布し、室温で5分間の風乾を行った後、10分間で50℃に昇温し、50℃、85%RHの恒温恒湿槽中に入れて20分間加湿硬化促進処理を行った。さらに、熱風乾燥機中、150℃で10分間の乾燥処理を行い、膜厚1μmの下引き層を成膜した。
【0094】
さらに、電荷発生材料としてのクロロガリウムフタロシアニン15質量部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー製)10質量部、n−ブチルアルコール300質量部からなる混合物を、サンドミルを用いて4時間分散させて、電荷発生層用の塗布液を調製した。この塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0095】
そして、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン4質量部とビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:4万)6質量部とをクロルベンゼン80質量部に溶解させて電荷輸送層用の塗布液を調製した。この塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布装置を用いて塗布し、110℃、40分の乾燥処理を行った。このようにして膜厚22μmの電荷輸送層を形成し、図3に示した構成を有する電子写真感光体(1)が得られた。
【0096】
[電子写真感光体(2)の作製]
電荷輸送層の膜厚を24μmとしたこと以外は電子写真感光体(1)と同様に作製して電子写真感光体(2)を得た。
【0097】
[電子写真感光体(3)の作製]
電荷輸送層の膜厚を26μmとしたこと以外は電子写真感光体(1)と同様に作製して電子写真感光体(3)を得た。
【0098】
[電子写真感光体(4)の作製]
電荷輸送層の膜厚を30μmとしたこと以外は電子写真感光体(1)と同様に作製して電子写真感光体(4)を得た。
【0099】
[電子写真感光体(5)の作製]
電荷輸送層の膜厚を40μmとしたこと以外は電子写真感光体(1)と同様に作製して電子写真感光体(5)を得た。
【0100】
[電子写真感光体(6)の作製]
電荷輸送層の膜厚を42μmとしたこと以外は電子写真感光体(1)と同様に作製して電子写真感光体(6)を得た。
【0101】
得られた電子写真感光体(1)〜(6)の有効感光領域は、いずれも920mmであり、図面関連システムで一般的な36インチ(≒914.4mm)を包含するものとした。
【0102】
[画像形成装置(1)の作製]
電子写真感光体(1)を用い、3個の接触帯電部材を図2(a)、(b)に示したように配置して、図1に示した構成を有する画像形成装置を作製した。なお、露光装置3としてLED、現像装置4として一成分現像器、転写装置5として転写ローラ、像定着装置として加熱ローラ及び加圧ローラ、クリーニング装置7としてクリーニング部材(1)をそれぞれ用いた。クリーニング部材(1)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。これを画像形成装置(1)とする。
【0103】
[画像形成装置(2)の作製]
クリーニング装置7としてクリーニング部材(2−1)を用いることを除いて画像形成装置(1)と同様の構成を備える画像形成装置(2)を作製した。クリーニング部材(2−1)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。
【0104】
[画像形成装置(3)の作製]
クリーニング装置7としてクリーニング部材(2−2)を用いることを除いて画像形成装置(1)と同様の構成を備える画像形成装置(3)を作製した。クリーニング部材(2−2)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。
【0105】
[画像形成装置(4)の作製]
クリーニング装置7としてクリーニング部材(2−3)を用いることを除いて画像形成装置(1)と同様の構成を備える画像形成装置(4)を作製した。クリーニング部材(2−3)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。
【0106】
[画像形成装置(5)の作製]
クリーニング装置7としてクリーニング部材(2−4)を用いることを除いて画像形成装置(1)と同様の構成を備える画像形成装置(5)を作製した。クリーニング部材(2−4)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。
【0107】
[画像形成装置(6)の作製]
クリーニング装置7としてクリーニング部材(2−5)を用いることを除いて画像形成装置(1)と同様の構成を備える画像形成装置(6)を作製した。クリーニング部材(2−5)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。
【0108】
[画像形成装置(7)の作製]
クリーニング装置7としてクリーニング部材(3)を用いることを除いて画像形成装置(1)と同様の構成を備える画像形成装置(7)を作製した。クリーニング部材(3)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。
【0109】
[画像形成装置(8)の作製]
クリーニング装置7としてクリーニング部材(4)を用いることを除いて画像形成装置(1)と同様の構成を備える画像形成装置(8)を作製した。クリーニング部材(4)の、電子写真感光体(1)に対する設定角度Xを22°、くい込み量Sを2mmに設定した(図4参照)。このとき、接触帯電器の重なり部においては、2.0+0.13mmのくい込み量となっており、クリーニング部材(4)の長さ方向に段階的にくい込み量が変化している。
【0110】
[画像形成装置(9)の作製]
電子写真感光体(1)に替えて電子写真感光体(2)を用いることを除いて画像形成装置(4)と同様の構成を備える画像形成装置(9)を作製した。
【0111】
[画像形成装置(10)の作製]
電子写真感光体(1)に替えて電子写真感光体(3)を用いることを除いて画像形成装置(4)と同様の構成を備える画像形成装置(10)を作製した。
【0112】
[画像形成装置(11)の作製]
電子写真感光体(1)に替えて電子写真感光体(4)を用いることを除いて画像形成装置(4)と同様の構成を備える画像形成装置(11)を作製した。
【0113】
[画像形成装置(12)の作製]
電子写真感光体(1)に替えて電子写真感光体(5)を用いることを除いて画像形成装置(4)と同様の構成を備える画像形成装置(12)を作製した。
【0114】
[画像形成装置(13)の作製]
電子写真感光体(1)に替えて電子写真感光体(6)を用いることを除いて画像形成装置(4)と同様の構成を備える画像形成装置(13)を作製した。
【0115】
このようにして得られた画像形成装置(1)〜(13)について、表1にまとめた。
【0116】
【表1】

【0117】
[画像品質評価試験]
画像形成装置(1)〜(13)において、電子写真感光体の回転周速を60mm/sec、各接触帯電部材に交流電流を印加して、A0サイズのプリントを連続でプリントする試験を行った。プリントは、何もプリントしない白地と部分と、ハーフトーン、そしてソリッドと呼ばれる黒部分が混在するパターンとした(図9を参照のこと)。
【0118】
各条件で行った試験後のプリントサンプルの白地部分のカブリの有無を目視により確認し、使用不可と判断するプリントが発生した時点での印刷枚数を記録した。
【0119】
<実施例1>
画像形成装置(3)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表2に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0120】
<実施例2>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【0121】
<実施例3>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【0122】
<実施例4>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【0123】
<実施例5>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表2に示す。
【0124】
【表2】

【0125】
<実施例6>
画像形成装置(4)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表3に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0126】
<実施例7>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0127】
<実施例8>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0128】
<実施例9>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0129】
<実施例10>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0130】
【表3】

【0131】
<実施例11>
画像形成装置(5)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表4に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0132】
<実施例12>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0133】
<実施例13>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0134】
<実施例14>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0135】
<実施例15>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表4に示す。
【0136】
【表4】

【0137】
<実施例16>
画像形成装置(7)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表5に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0138】
<実施例17>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例16と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表5に示す。
【0139】
<実施例18>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例16と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表5に示す。
【0140】
<実施例19>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例16と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表5に示す。
【0141】
<実施例20>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例16と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表5に示す。
【0142】
【表5】

【0143】
<実施例21>
画像形成装置(8)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表6に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0144】
<実施例22>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例21と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表6に示す。
【0145】
<実施例23>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例21と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表6に示す。
【0146】
<実施例24>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例21と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表6に示す。
【0147】
<実施例25>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例21と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表6に示す。
【0148】
【表6】

【0149】
<実施例26>
画像形成装置(9)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表7に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0150】
<実施例27>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例26と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表7に示す。
【0151】
<実施例28>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例26と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表7に示す。
【0152】
<実施例29>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例26と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表7に示す。
【0153】
<実施例30>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例26と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表7に示す。
【0154】
【表7】

【0155】
<実施例31>
画像形成装置(10)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表8に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0156】
<実施例32>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例31と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表8に示す。
【0157】
<実施例33>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例31と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表8に示す。
【0158】
<実施例34>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例31と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表8に示す。
【0159】
<実施例35>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例31と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表8に示す。
【0160】
【表8】

【0161】
<実施例36>
画像形成装置(11)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表9に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0162】
<実施例37>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例36と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表9に示す。
【0163】
<実施例38>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例36と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表9に示す。
【0164】
<実施例39>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例36と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表9に示す。
【0165】
<実施例40>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例36と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表9に示す。
【0166】
【表9】

【0167】
<実施例41>
画像形成装置(12)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表10に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0168】
<実施例42>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例41と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表10に示す。
【0169】
<実施例43>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例41と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表10に示す。
【0170】
<実施例44>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例41と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表10に示す。
【0171】
<実施例45>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例41と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表10に示す。
【0172】
【表10】

【0173】
<実施例46>
画像形成装置(13)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表11に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0174】
<実施例47>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は実施例46と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表11に示す。
【0175】
<実施例48>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は実施例46と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表11に示す。
【0176】
<実施例49>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は実施例46と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表11に示す。
【0177】
<実施例50>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は実施例46と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表11に示す。
【0178】
【表11】

【0179】
<比較例1>
画像形成装置(1)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表12に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0180】
<比較例2>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は比較例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表12に示す。
【0181】
<比較例3>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は比較例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表12に示す。
【0182】
<比較例4>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は比較例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表12に示す。
【0183】
<比較例5>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は比較例1と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表12に示す。
【0184】
【表12】

【0185】
<比較例6>
画像形成装置(2)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表13に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0186】
<比較例7>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は比較例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表13に示す。
【0187】
<比較例8>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は比較例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表13に示す。
【0188】
<比較例9>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は比較例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表13に示す。
【0189】
<比較例10>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は比較例6と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表13に示す。
【0190】
【表13】

【0191】
なお、比較例1〜比較例10の画像評価試験において、使用不可とされる画像欠陥は、比較例1、6を除き、接触帯電ロール部材の重複部に生じたカブリであった。
【0192】
<比較例11>
画像形成装置(6)を使用し、接触帯電部材に印加する交流電流値を0.5mAとして画像品質評価試験を行った。得られた結果を表14に示す。初期段階より、ハーフトーン画像に使用不可と判断される不良が発生した。
【0193】
<比較例12>
接触帯電部材に印加する交流電流値を0.7mAとしたこと以外は比較例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表14に示す。
【0194】
<比較例13>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.1mAとしたこと以外は比較例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表14に示す。
【0195】
<比較例14>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.3mAとしたこと以外は比較例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表14に示す。
【0196】
<比較例15>
接触帯電部材に印加する交流電流値を1.5mAとしたこと以外は比較例11と同様にして、画像品質評価試験を行った。得られた結果を表14に示す。
【0197】
【表14】

【0198】
なお、比較例11〜比較例15の画像評価試験を開始したところ、数十枚でいわゆるブレード鳴きが発生し、実使用に耐えられない状態であった。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明の画像形成装置によれば、電子写真感光体が長尺であっても、電子写真感光体表面を十分に均一に且つ漏れなく帯電させることができ、また、接触帯電部材の重複部分、すなわち、帯電領域の重複部分における電子写真感光体表面の劣化を十分に防止することが必要とされる画像形成方法の用途に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2a】図1に示した画像形成装置における電子写真感光体と接触帯電部材との位置関係を示す斜視図である。
【図2b】図1に示した画像形成装置における電子写真感光体と接触帯電部材との位置関係を示す上面図である。
【図3】本発明の実施の形態における電子写真感光体1を示す模式断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における電子写真感光体1とクリーニングブレードとの当接の様子を示す模式断面図である。
【図5】クリーニングブレード(a)、支持部材(b)およびクリーニングブレード(c)の形状を示す模式断面図である。
【図6】クリーニングブレード(a)、支持部材(b)およびクリーニングブレード(c)の形状を示す模式断面図である。
【図7】クリーニングブレード(a)、支持部材(b)およびクリーニングブレード(c)の形状を示す模式断面図である。
【図8】クリーニングブレード(a)、支持部材(b)およびクリーニングブレード(c)の形状を示す模式断面図である。
【図9】実施例の画像品質評価試験に用いたプリントパターンの模式図である。
【符号の説明】
【0201】
1 電子写真感光体、2a,2b,2c 接触帯電部材、3 露光装置、4 現像装置、5 転写装置、6 像定着装置、7 クリーニング装置、9 支持体、20 感光層、21 導電性基体、22 下引き層、23 電荷発生層、24 電荷輸送層、30 クリーニングブレード、32 支持部材、34 当接方向、36,36a,36b 稜、40,42 凸面、44 平面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させる、複数個の接触帯電部材を有する帯電手段と、
前記電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、
現像された像を被転写媒体に転写する転写手段と、
前記電子写真感光体の表面上に残った前記現像剤をクリーニングするクリーニング部材と、
を備え、
前記複数個の接触帯電部材は、
前記電子写真感光体の表面を重複して帯電させる重複部分と、
前記電子写真感光体の表面を単独で帯電させる非重複部分と、
を有するように、前記電子写真感光体表面の移動方向と直交する方向に沿って分布している画像形成装置であって、
前記クリーニング部材は、前記電子写真感光体の表面上に接触するクリーニングブレードを含み、
前記重複部分に相当する部分における、前記電子写真感光体と前記クリーニングブレードとの接触荷重は、
前記非重複部分に相当する部分における、前記電子写真感光体と前記クリーニングブレードとの接触荷重と比較して3〜10%高めに設定されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−171531(P2007−171531A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368787(P2005−368787)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】