説明

複数提供の還元液製品を順次生産するためのコンテナシステム

飲料用濃縮物から飲料を生産するコンテナシステム(10)であって、このコンテナシステムはある液量を保持するための容器を含み、少なくとも一つのキャリア(20−1)を保持するために連結された取付システムを備えてなり、各キャリアは飲料用濃縮物を含む複数のコンパートメント(21)を有し、このコンテナシステムは複数のコンパートメント(21)の少なくとも一つを穿刺するために連結された切断システムを備えてなり、複数のコンパートメント(21)のうち少なくとも一つが穿刺されると、飲料用濃縮物は液量と混ぜ合わされて容器(10)内に飲料を生産するコンテナシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体製品を還元するための方法および装置、ならびに飲料または食品等の複数提供の還元液製品を順次生産するためのコンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料市場では、消費される飲料は、その範囲および量の両方において、実質的に伸びているもしくは、継続的に伸びていくと見られている。消費者の好みや需要の広がりや、含まれる原料やその効能に関する飲料の高級化、および「消費者の利便性」に向けての確固たる動向が、結果的に、ほとんどあらゆるカテゴリーにおいて非常に多くの飲料が提供され、「栄養飲料」や「薬草およびエリキシル剤」飲料等の新たなカテゴリーが創作される。そのため、30年前には、小売店の冷蔵飲料売場は、ほんの2,3の選択肢があるだけの非常に小さなものだったが、今日では、さらに多くの小売店が、通路という通路に飲料(冷蔵されたもの、および冷蔵されていないもの)を提供している。
【0003】
想像通り、極めて多量の飲料が市場で好調を得るべく個性的なパッケージを求め、使い捨てタイプの容器を常に必用としている。そのような市場では、過度なエネルギーの消費と、廃棄した容器の圧倒的な負担が求められるので、当然のことながら、「環境を破壊する」ことになる。
【0004】
飲料の原料についての知識の増加、および製造方法および製造技術の進歩は、新たな飲料を多数作り出すことを可能にした。その一方で、それらを作り出す製造工程もまた大きく効率を上げている。恐らく、飲料製造における最も重要な効率性の一つは、「濃縮」飲料(一般的には液状)の大量生産し、また、この濃縮物を、最終的に多数の異なる種類の飲料を混ぜ合わせ、パッケージに詰めるために設けられたプラントに向けて発送するといったことを、飲料製造業者が実践してきているということにある。一般的には、「ボトル詰めプラント」と呼ばれているが、それらのプラントでは、あらゆる飲料の主な原料となる「純水」を添加する前、地方の小売販売網を介して流通するために飲料をパッケージ詰めする前に、砂糖や二酸化炭素等の多数の他の標準的な原料(本質的な)を濃縮物と混ぜ合わせる。この流通された、2段階生産方法は、明らかに、水と消費者パッケージが輸送される全体的な距離を短くすることにより全体的な輸送費を削減する。しかしながら、ボトル詰め段階までに達成される効率は、還元された飲料を最終的な消費形態にするために取り扱うその後の段階が非効率であるためほぼ縮小される。これらの非効率性は、倉庫に入れる工程と流通させる工程、売場収容力とディスプレイ、さらに消費者の取得と消費に大きく分類される。
【0005】
消費者が水を加えて製品を「還元」するような濃縮形態の飲料を提供するというアイデア自体は新規ではない。液体と粉形態の飲料用濃縮物の市場はあるが、飲料を個人レベルで還元するための効率的かつ便利なシステムはまだない。
【0006】
飲料を還元させるためのシステム用に提供された方法の例を、様々な特許や特許出願公報が開示している。下記の例を考察する。
【0007】
特許文献1は主な流体の流れに第二の流体を添加するための装置を開示している。流量制御装置が添加された流体の量を制御するように位置付けられている。開示されている装置は、主な流体全体を混ぜ合わせることも、一回限りに制限することも提供していない。
【0008】
同様の一連の装置が、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6に開示されている。これらの装置は、消費者に多用途システムを提供するものではない。
【0009】
例えば、特許文献2は、容器を液体容器に取り付けると、混合物の密封を解いて、液体容器中の液体と混ぜ合わせ、液体にフレーバーをつけるための容器栓を開示している。本願で開示されている容器栓は、また、液体を1回限り(の量)提供することに限定されている。特許文献3も、また、特許文献4、特許文献5、および特許文献6に開示された装置同様、液体を1回限り(の量)提供することに限定されている。さらに、製造業者が、これらの装置が製造費用が嵩み、競合する生産業において商業ベースでの成功を提供できないであろうことを認識するのは容易であろう。
【0010】
市場に流通されている濃縮飲料の大多数(全てではない)は、大きな容器に混ぜ合わされて、その容器から1杯づつ注がれるように意図されている。「複数提供」(「1回限りの」提供とは異なり)用のサイズの濃縮物、およびそれらを混ぜ合わせる効果的なシステムがないので、濃縮物は、即座に消費する目的での購入には適さない。
【0011】
よって、消費者に、多様性と携帯性を提供するような、かつ、それに付随する製造費用および流通費用における進歩を提供するような飲料システムが必用であり、それは、好ましくは、廃棄飲料容器による環境負荷を軽減する。
【特許文献1】米国特許出願番号第2004/0007594号の「ボーナス・フレーバー・ディスペンサー」
【特許文献2】米国特許出願番号第2004/007481号「即席食品を収容する容器蓋」
【特許文献3】米国特許出願番号第2003/0213709号「飲料貯蔵および放出装置」
【特許文献4】米国特許番号第5,971,140号「流体および液体混合装置」
【特許文献5】米国特許番号第6,230,884号「解放可能なタブレットバスケットを備える放出キャップ」
【特許文献6】米国特許番号第6,540,070号「解放可能な濃縮フレーバーを備える水ボトルアタッチメント」
【発明の開示】
【0012】
上記の必要性を満たすために、本発明は、必要に応じて、飲料または食品等の還元液製品を連続して生産し、一度に複数の個人へ提供するための方法およびコンテナシステムを提供する。このコンテナシステムは、消費者(使用者)によって個人的に使用されることを主な目的としており、消費者は、複数の飲料または食品の個別分量を、それぞれ、同時に密封を解いて、密封を解いた濃縮物を水等の液体と混ぜ合わせて容器内で還元液製品を生産し、それによって、還元製品は使用者によって消費されるように構成されている。
【0013】
本発明は様々な実施形態を有する。例えば、第一の実施形態において、コンテナシステムは、容器、ホルダー、および基部の3つの独立した部品を採用している。濃縮物の個別分量を収容するホルダーのみ、取り替える必要がある。開封された濃縮物の分量と混ぜ合わされる液体を保持する容器と容器の端部でホルダーを支持するのに用いられる基部は、ともに、再利用可能である。
【0014】
飲料濃縮物から飲料を調製する飲料コンテナシステムを開示する。このコンテナシステムは、液量を保持する容器を含み、少なくとも1つのキャリアを保持するためにコンテナシステムに連結される取付システムを有し、各キャリアは飲料濃縮物が入った複数のコンパートメントを有し、システムは複数のコンパートメントの少なくとも一つを穿刺するために連結される切断システムをさらに有し、複数のコンパートメントの少なくとも一つが穿刺されると、飲料濃縮物は液量と混ぜ合わされて容器内で飲料を生産することを特徴とする。
【0015】
また、飲料濃縮物から飲料を調製する飲料コンテナシステムの生産方法が開示されており、前記方法は、飲料濃縮物を含む複数のコンパートメントを有する少なくとも一つのキャリアを保持する取付システムを選択する工程と、複数のコンパートメントのうちの少なくとも一つを穿刺するための切断システムを選択する工程と、液量を保持する容器を選択する工程と、コンテナシステムを生産するために、取付システムと切断システムを容器に連結する工程を含む。
【0016】
さらに、飲料を生産する方法を含むが、この方法は、液量を保持し、少なくとも一つのキャリアを保持するべく連結される取付システムを有する容器を選択する工程を含み、各キャリアは飲料濃縮物を含む複数のコンパートメントを有し、容器は複数のコンパートメントのうちの少なくとも一つを穿刺するために連結される切断システムをさらに含み、複数のコンパートメントのうちの少なくとも一つが穿刺されると、飲料濃縮物は液量と混ぜ合わされて容器内に飲料を生産し、容器を液量で満たし、少なくとも一つのキャリアを容器内に取り付け、さらに、複数のコンパートメントのうち少なくとも一つを穿刺することを特徴とする。
【0017】
また、コンテナシステムに用いるのに適したキャリアを含む飲料濃縮物容器を開示する。このコンテナシステムは飲料濃縮物供給を解除するための切断システムを含み、キャリアは少なくとも一つの飲料濃縮物が入った複数のコンパートメントと複数のコンパートメントのそれぞれに入っている飲料濃縮物を覆って密封するための少なくとも一つのカバーを有することを特徴とする。
【0018】
飲料濃縮物から飲料を調製する飲料コンテナシステムをさらに開示する。この飲料コンテナシステムは液量を保持するための容器手段を含み、容器手段は少なくとも一つのキャリア手段を保持するために連結される取付手段を有し、各キャリア手段は飲料濃縮物を含む複数のコンパートメントを有し、飲料コンテナシステムはこれに連結され、複数のコンパートメントの少なくとも一つから飲料濃縮物を解放する切断手段をさらに有し、飲料濃縮物が解放されると、この飲料濃縮物は液量と混ぜ合わされて容器手段内で飲料を生産することを特徴とする。
(図面の簡単な説明)
【0019】
下記の詳細な説明において、添付の図面を参照している。
図1は、本発明の第一のタイプのコンテナシステム用の2種類のサイズのコンテナを組み立てた側面図である。
図2は、図1のシステムの展開側面図である。
図3は、基部、カップ型キャリア、シール、および図1の容器の下部の展開側面図である。
図4は、基部とキャリアを取り外した状態の図1の容器の底面図である。
図5は、図1の容器を囲い込むカムを配置した側面図である。
図6Aおよび図6Bは、まとめて図6と称される、図1のコンテナシステムの断面図であり、基部は図6Aの第一の位置から回転してキャリアを図6Bの第二の位置へ移動させる状態を図示している。
図7は、本発明のコンテナシステムの第二のタイプの側面断面図である。
図8は、図7のシステムと共に用いる容器の斜視図である。
図9A、図9Bおよび図9Cは、まとめて図9と称される、図7のコンテナシステム用のフラッパーおよびカバーハウジングの斜視図である。
図10は、貫流型キャリアの展開斜視図である。
図11は、カバーハウジングとキャリアに対してフラッパーが上昇位置および弛緩位置にある状態を図示する。
図12は、カバーハウジングとキャリアに対してフラッパーが半押下位置にある状態を図示する。
図13は、カバーハウジングとキャリアに対してフラッパーが完全押下位置にある状態を図示する。
図14は、ストローとともに用いるコンテナシステムを図示する。
図15は、図14のコンテナシステムの第二の実施形態を図示する。
図16は、積み上げたキャリアを図示する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本明細書は、本発明の多様な実施形態を開示する。第一のタイプと第二のタイプと称する2つのカテゴリーが多様な実施形態とともに実施され得る。本明細書中に用いられている参照番号は、実施形態間に共通する発明の態様、またはある実施形態に特定された態様を参照してもよい。例えば、カップ型キャリア20−1および貫流型キャリア20−2を参照する。場合によっては、キャリア20−1および20−2の各々の違いはほとんどないか、または全くない。そのような場合、キャリア20として、一般的な用語で、その構成要件(キャリア)を参照する。よって、当業者は、多様な実施形態の態様が必要に応じて取り替え可能であり、本明細書に開示された実施形態は図示することのみを目的としたものであり、よって、本発明を限定するものではないことを認識するであろう。
【0021】
図1ないし6は、飲料濃縮物から飲料を混ぜ合わせて、各人の消費用に飲料を放出するための第一のタイプのコンテナシステム10を図示する。図7ないし16は、第二のタイプのコンテナシステム10の態様を図示する。
【0022】
第一のタイプ
図1を参照すると、コンテナシステム10が図示されている。この第一の実施形態において、前記コンテナシステム10は、カバー6−1、容器2−1、および基部4を含む。本実施形態において、カバー6−1は、再利用可能な個人用飲料容器に適するものとして知られたデザインを有する蓋である。例えば、カバー6−1は蓋にネジ止めされてもよいし、またはカチッと取り付けられてもよいし、さらに、こぼれるのを防止し、需要に応じて、内容物にアクセスするために回転可能なシャッターをさらに含んでもよい。カバー6−1は、小さな通気口を有し、その反対側にそれよりも大きいフリップ開口を配し、利用者は、このフリップ開口から飲料を飲み、容器2−1内へ水を注いで容器を最充填するための開口部としての役割も果たす。頂部カバー6−1の取り外し性によって、容器2−1の製造が容易となり、最充填や洗浄が簡単にできる。必用に応じて、容器2−1の上縁部に注ぎ口(図示せず)を設けることができる。図1は、375mlと750mlの2種類の容量のサイズの容器2を図示している。多数の異なるサイズの容器2が用いられ得ることが認識されるであろう。
【0023】
標準的なサイズの基部4を多様なサイズの容器2−1に用いることができるのが好ましい。コンテナシステム10の基部4、容器2−1、カバー6−1、およびその他の構成要件は、適当な材料で製造されてよい。例えば、様々な構成要件は、周知の射出成形技術を用いて、食品と接触しても化学反応を起こさないプラスチック材料で製造されてもよい。耐性または装飾を施すのに適当な金属部分が含まれていてもよい。例えば、容器2−1は、限定しないが、アルミニウム・ジャケット等の磨いた金属ジャケットを有していてもよい。そのような構成要件は、ねじ留め、接着剤、インターロック、熱接着、溶融等の追加技術、およびその他の技術によって組み立てられてもよい。容器2−1は、ハンドルまたはその他の装飾を、必要に応じて、含んでもよい。容器2−1は、透き通ったプラスチックで形成され、それによって、容器2−1の内容物を視覚により確認できるのことが好ましい。実施形態の中には、透き通った窓を含み、視覚により確認できるようにして、その一方で、コンテナシステム10の他の部分が可視光線の波長が透過しないものもある。本明細書に開示された発明の態様の製造技術は周知であり、そのような態様は、概して、これ以上記載しない。
【0024】
図2を参照すると、容器2−1の下部を取り囲むカムトラック25が図示されている。カムトラック25を有する容器2−1の部分は、密封凹部26によって、制限されているのが好ましい。カムトラック25は、基部4の取付システムおよび基部4の操作態様を制御するためのシステムを提供し、これが、キャリア20の取付システムを提供する。密封凹部26は、容器2−1の内容物の漏れを確実に適切に防止する。図示されたキャリア20は、カップ型キャリア20−1である。各キャリア20は、飲料濃縮物を入れる複数のコンパートメント21を有する。第二のタイプのキャリア20、即ち貫流型キャリア20−2について、また第二のタイプのコンテナシステム10についてさらに説明する。
【0025】
本明細書において後に記載されるこれらの第一のタイプおよび第二のタイプのコンテナシステムにおいて、キャリア20は回転トレーである。キャリア20は多様な形状、サイズ、構成およびその他の特徴を含み得る。
【0026】
カップ型キャリア20−1は、平らな丸い底部、円筒状の外側側壁、中央領域、および平らな底部と外側側壁と中央領域の間に放射状に延び、それらを強固に連結する複数の放射状の仕切りを有する加工された本体を有するのが好ましい。中央領域は、基部4に取り付けられたロック28の挿入を許容する通り道を含む。平らな底部、外側側壁、および各キャリア20の放射状の仕切りは、共同してパイを切り分けたときの形状を有する独立した個別のコンパートメント21を複数画定する。各コンパートメント21は、飲料または食品等の液体または粉状物のいずれかの形態の飲料濃縮物を、水等の液量と混ぜ合わせるために、収容するように構成され、この液量は飲料濃縮物の量よりも多いので、飲料または食品等の還元液を生産することができる。カップ型キャリア20−1の他の形態を図3に示す。
【0027】
キャリア20は、カップ型キャリア20−1または貫流型キャリア20−2として本明細書中に説明されているが、これらの実施形態は、図示することのみを目的とするものであり、それらに限定されるものではない。例えば、本明細書中に記載されていないキャリア20の他の実施形態としては、「チューブ状」キャリア20があり、このキャリア20は主容器2(例えば、頂部から底部へ)内へ下方へ延びる外形を有し、キャリア20の側壁を介して各コンパートメント21に穴を開けるための装置を有するコンテナシステム10と共に用いられる。または、キャリア20は、プランジャを、注射器プランジャのように頂部から底部に押し下げて、濃縮された内容物を各チャンバーから裂開し、押出できるように、チューブ状で垂直な形状であってもよいが、コンパートメント21間に裂開可能な壁を有するのがよい。要約すれば、キャリア20は広く多様な形状、サイズまたは構成を有することができ、さらに、それぞれが解放可能な複数の飲料濃縮物の部分を収容するのに独自かつ新規な機能を提供することができる。
【0028】
図3を参照すると、キャリア20用のカバー22(本明細書では頂部カバー22−1として示されている)が図示されている。カバー22は、透明なプラスチック等の適当な裂開可能な材料で作成された薄膜であり、流体が浸透しない薄膜であるのが好ましい。カバー22は、適当な従来の熱密閉技術を用いて、複数のコンパートメント21を被覆するようにキャリア20の仕切りに沿って中央領域上の円筒壁の縁部に取り付けられ、それによって、飲料用濃縮物を各分量づつ分離して閉じ込め、密封するのが好ましい。一つのコンパートメント21を密封しているカバー22の密封特性を、穿刺したり、薄い層に裂いたり、孔を開けたり、または、阻害したりしても、他のコンパートメント21のいずれかから飲料用の濃縮物を解放するような結果にはならないのが好ましい。各キャリア20は、一杯分の飲料用濃縮物を複数杯分含んでいてもよいし、多数の飲料用濃縮物を含んでいてもよいし、あるいは必要に応じてそれらを組み合わせてもよい。
【0029】
当業者は、様々な技術がキャリア20から飲料用濃縮物を解放するのに用いられ得ることを認識するであろう。本明細書中に開示された技術は、限定されるものではなく、キャリア20から飲料用濃縮物を解放する方法を単に例示したものである。
【0030】
図3には基部4の内部の態様も図示されている。基部4にはロック28が含まれ、このロック28はこの基部4と一体に形成され、基部4の底部の中央部において基部4に取り付けられるのが好ましい。基部の内壁に沿って少なくとも一つのカム従動子29がある。このカム従動子29によって、カムトラック25に沿って基部4が、その周りを一周し、確実に取り付けられる。カム従動子29は、図4に示されるように、カムエントリーポイント24を介してカムトラック25内に取り付けられる。
【0031】
ロック28は、カップ型キャリア20−1を基部4内に確実に位置づけするように基部4に含まれ、取り付けられてもよい。例示によって、限定はしないが、ロック28は一対の連続する部分で構成されていてもよく、これらの部分は通常の緩やかな離間位置から互いに向けて圧縮され得る。それらの部分の上端にはフックが形成され、これらのフックは、カップ型キャリア20−1の中央を介してロック28を保持するように中央の基台の上縁部に配されるのが好ましく、それによって、カップ型キャリア20−1が基部4内にぴったりと勘合される。他の例として、ロック28はカップ型キャリア20−1の中央領域内の通路内に押圧勘合される多角形のポストの形状とすることができる。また他の例として、ロック28は、フックが90度づつずれて基部の内側壁に沿って定期的に配され、それによって、キャリア20の外側壁に重ねることによりキャリ20を保持するような一連の構造(図示せず)であってもよい。
【0032】
使用者は、飲料用濃縮物を充填されたカップ型キャリア20−1を基部4内に配する。封止リング27もまた基部4内のキャリア20上に配される。または、封止リングは、基部4と一体形成された部分であってもよい。または、封止リング27は、密封凹部26に取り付けられるか、または一体形成されてもよい。一端キャリア20が基部4内に導入されると、導入された基部4は、容器2−1に取り付けられる。第一のタイプのコンテナシステム10における各実施形態に共通しているのは、封止リング27は、容器2−1から内容物が漏れるのを防止するような構造を提供する。
【0033】
図4を参照すると、容器2−1は、一般的には連続する円筒状の側壁によって形成される円筒形の本体である。容器2−1は、容器2−1の端部に隣接する、容器2−1の側壁の内面の離間した部分の間に延び、その部分に取り付けられる開骨格30を含む。容器2−1は、上端が開口しているので、使用者は、ある量の液体を容器2−1に容易に注ぎ込むことが可能で、かつ容器2−1の内容物にアクセスして消費することができるのが好ましい。開骨格30は、必須ではないが、中央リング32と複数の放射状アームの形状を取ることが好ましく、放射状アームは3本ぐらいで、互いに角度をもって配され、中央リング32から容器2−1の内側表面に放射状に延び、延びた先で取り付けられるのが好ましい。そのような構成を有することにより、開骨格30は、容器2−1の端部が開放された底部によって強度が低くなっているところを、補強、支持し、同時に、容器2−1内の液量を基部4に向かって通り抜けやすくし、また連通しやすくする。開骨格30は切断部材31を、望ましい向きに支持する。
【0034】
プラスチックまたはその他の適当な材料でできた切断部材31が開骨格30に支持されるのが好ましい。切断部材31は、容器2−1に取り付けられるときに、基部4内にあるキャリア20の頂部カバー22−1に向き合う。切断部材31および開骨格30は、容器2−1と一体に連結されるのが好ましく、共に同じ射出形成工程において同じ材料で形成されるのが好ましい。しかしながら、実施形態の中には、切断部材31は後から取り付けられるものがあってもよい。一例として、金属製のクリップ(図示せず)で形成された切断部材31が開骨格30でからぶら下がっている。切断部材31は、一つのコンパートメント21に含まれる飲料用濃縮物のために十分に適切な頂部カバー22−1を切断し、飲料用濃縮物を液量と混ぜ合わせて分配するよう構成および適合されている。切断部材31は、キャリア20と基部4が切断部材に向かって軸方向に進行すると同時に切断部材に対して回転するよう作動する。一実施形態において、基部4が切断部材31に向かって進行、移動すると、ロック28の突出部は、容器2−1の中央リング32に等接することにより、基部4の向きを維持しつつ軸方向への移動を制限するのに役立つ。キャリア20と基部4が一端容器2−1上に備え付けられると、コンテナシステム10は、液量を受け取って保持し、飲料濃縮物と混ぜ合わせることができる。
【0035】
封止リング27は、容器2−1を、容器2−1の外側表面の周りを取り囲む位置で、カムシステム26の上で包囲するのが好ましいが、必ずしもこれに限らない。封止リング27は、容器2−1の外側表面上を取り囲むように形成された密封凹部26内に据え付けるように配される。様々な実施形態において、封止リング27は、基部が容器2−1に設置されると、容器2−1と基部4との間に封止状態を形成し、容器2−1からの漏れを防止する。
【0036】
図5を参照すると、カムシステムは、容器2−1の端部の外側周囲に形成されたカムトラック25と、カム従動子29と協働するために基部4の側壁の内側表面に固定された少なくとも一つを含むのが好ましい。カムトラック25は、起伏する、またはより詳しくは、正弦曲線形状の主パス50を含み、この主パスは、容器2−1の側壁の外側表面上およびその周り、特にその端部周りに形成された主凹部または溝によって画定されている。起伏する主パス50は、交互に連絡する峰部分と谷部分でできており、これらの部分は、基部4が容器2−1に対して回転する間に、基部4に対して上昇位置と下降位置を画定している。カムトラック25はまた峰部間の起伏する主パスの間に延びて互いに連絡する、容器2−1の外側表面にある窪んだ補助溝によって画定される複数の出入り口補強通路24を含む。
【0037】
図5では、カムトラック25の一つおきの谷部分に出入り口補強通路24がある。他の実施形態では、一つおきの峰部分に出入り口補強通路24があるような他の配置でもよい。カムトラック25の起伏する主パス50はエンドレスパスであり、基部4およびキャリア20は容器2−1の端部に対して基部4を回転させることにより動かされる。
【0038】
カム従動子29は、単体のつまみ、または、例えば4つの、複数のつまみの形状を取ることができ、基部4の連続する側壁の内側表面に固定される。カム従動子29は、例えば1−2mm程度、キャリア20と基部4の間の環状スペースに向けて突起するのが好ましい。つまみは、例えば、直径が4mm程度であってもよい。円筒状のつまみは、カムトラック25内にぴたりと勘合し、カム従動子29として作動して、容器2−1の外側表面上の窪んだ溝によって画定されるカムトラック25の主パス50と出入り口補強通路24を辿るのが好ましい。キャリア20が基部4に備え付けられた状態で、カム従動子29はカムトラック25の出入り口補強通路に沿って、基部4とキャリア20が容器2−1の端部に対して「ねじ留め」するように、または「ねじを解く」ように回転運動する間に、カムトラック25の起伏する主パス内に向けて、または主パスから移動する。上記のように、容器2−1の端部は、基部4とキャリア20の間の環状スペース内に取り外し可能に備え付けられ、または勘合される。図5に示されるように、容器2−1の底端部を一周してカム従動子29が整列し易くする補助スタート溝51が設けられていてもよい。カムトラック25の出入り口補強通路24は、基部4が取り外された場合に、残りの内容物がこぼれるかもしれないので、各々、基部4が偶発的に取り外されることがないようにこぶ状部を含んでいる。
【0039】
主パス50は、各キャリア20と同数の峰部分を含むので、各峰部分はキャリア20の一つのコンパートメント21に対応する。このような設計を用いることにより、基部4が完全に一回転すると、一つのキャリア20内の各コンパートメント21の各々が空になる。窪み53がカムトラック25内に含まれ、カム従動子29の休止ポイントを提供する。図5に示されるように、窪み53は、基部4が切断部材31よりも低い位置に休止するように配されるのが好ましい。コンパートメント21の数は容器2−1の容量、濃縮度、および望ましい混合率等の要因によって決まるものと推測される。
【0040】
使用するために第一のタイプのコンテナシステム10を準備することにより、キャリア20を基部4内へ選択および装填することが必要となる。しかしながら、他の構成においてはカップ型キャリア20−1が用いられるのが好ましく、貫流型キャリア20−2(図10参照)等の他のキャリア構造が用いられてもよい(例えば、ロック28が基部4の内側壁に沿う構造を含む場合)。基部4を容器2−1に連結する前に、封止リング27が適切に装填される。キャリア20を装填された基部4は、その後、容器2−1の底部に対して基部4を配し、カム従動子29がカムトラック25の出入り口補強通路24内に入り込むように、基部4を容器2−1に対して回転させることにより、容器2−1に連結させる。その後、使用者は、カム従動子29がカムトラック25の主パス50に入るように、基部4と容器2−1を相互に回転させ続ける。基部4とキャリア20が所定の位置に固定されると、基部4は低めの位置に落ち着くのが好ましい。つまり、コンテナシステム10は、基部4のカム従動子29がカムトラック25の谷部分内に位置されるにつれて、軸方向に延びる。この時点で、容器2−1は、飲料カップを充填するための従来の方法により、水等の液量で満たされていてもよい。図6Bは、コンテナシステム10の断面側面図であり、基部4は低めの位置にある。
【0041】
図6Bは、基部4内にキャリア20が装填さている状態を図示する。キャリア20は、ロック28を用いて所定の位置に固定されるが、ロックはキャリア20の頂部部分に載るフックを有するのが好ましい。図6Bに見られるように、コンパートメント21は切断部材31よりも低い位置にあり、その間にいくらか距離があるので、穿刺されることはない。基部4が容器2−1に対して回転することにより、カム従動子29が上昇し、基部4を上昇位置に引き上げる。図6Aに示すように、キャリア20が上昇位置に入ると、切断部材31は頂部カバー22−1を穿刺すべく作動する。穿刺することにより、飲料濃縮物36を液量35と混ぜ合わせる。飲料濃縮物36と液量35とは、コンテナシステム10を攪拌するもしくは揺さぶるなどの従来の方法で、完全に混ぜ合わされるのが好ましい。
【0042】
基部4を連結するときと同様の方法で、容器2−1から基部4を引き離すことができるが、このとき基部4は、カム従動子29を出入り口補強通路24内に誘導するように回転される。
【0043】
第二のタイプ
図7ないし16にコンテナシステム10の第二の好ましい実施形態が開示されている。
【0044】
図7,8および9を参照すると、好ましい(即ち、第二のタイプの)コンテナシステム10の実施形態の態様が図示されている。図7において、容器2−2は底部が閉じている。容器6−2はフラッパー90を含み、その詳細が図9に図示されている。実施形態によっては、フラッパー90(図9Aおよび9B)は、ヒンジ70を用いてカバーハウジング91(図9C)内に取り付けられている。カバーハウジング91の開口97を通してフラッパー90が挿入され、その後、フラッパー90を適切な方向へ捻ることによって取り付けられる。即ち、ヒンジ70がカバーハウジング91内のマウント73と連結されるように、フラッパー90をある方向に捻る。フラッパー90はスプリングアーム76とスプリングターミネーション75を含む。スプリングアーム76とスプリングターミネーション75は、協働してフラッパー90がカバーハウジング91内に備え付けられるとき、フラッパー90を上方位置に保持する。他の実施形態において、他のタイプのスプリングをスプリングアーム76とスプリングターミネーション75の変わりに用いることができる。他のスプリングの例としては、コイルスプリングおよび板バネがある、が、これらに限定されない。切断部材31を作動するために、使用者は、フラッパー90がシェルフ95に接触するまで押下するだけでよい。他の実施形態において、フラッパー90はバネ荷重を含まない。これらの実施形態において、フラッパー90の位置決めは、使用者が選択した位置にフラッパー90が留まるように、使用者が制御する。これらの実施形態には爪車(図示せず)等の装置が含まれ、フラッパー90を望ましい位置に確実に固定する。
【0045】
注ぎ口92は、フラッパー90に含まれ、容器2−2からの内容物の出口の役目を提供する。注ぎ口92を有する実施形態の中には、フラッパー90が出口用側壁93を含み、この側壁93はフラッパー90の頂部表面の下に直角に配されている。このようにして、側壁93はフラッパー90のカバーハウジング91内での横方向の動きを制限し、飲料が注ぎ口92内に確実に注がれるようにする。本実施形態において、出口は開口底部を有し、それによって、容器2−2内の内容物が注ぎ口92を通って、出口に向けて自由に注がれ得る。
【0046】
カバー22を穿刺する装置は必要に応じて変更可能である。例えば、図9Aにおいて、切断部材31はカバーを穿刺する役目を果たす。図9Bは、カバー22に押し込むべく機能する押込み部材39を図示する。カバー22の無欠性を破壊し、それによって飲料濃縮物36を解放するのに様々な技術が用いられ得ることは当業者は理解するであろう。上記のような技術は、切断、裂開、分断、穿刺、突き刺し、押込み、またはその他の一または複数の工程を含むので、これらの用語はカバー22の無欠性を分断することに関しては、一般的に相互交換可能であると考える。よって、この文脈において、「切断システム」は、カバー22を分断するのに必要な物理的力を加え、飲料濃縮物36を解放することができるシステムを意図する。
【0047】
カバー6−2は、通気孔74を有し、使用中に発生する勾配圧力を最小限にとどめるようにするのが好ましい。カバー6−2は、必用に応じて、カバー6−2を手できつく閉めるのに有用で、使用者がフラップの頂部の下側に指を挿入してこれを押下位置から引き戻すのに有用な爪車96等の他の特徴を含んでいてもよい。カバーハウジング91が容器2−2に取り付けるための条を含んでいる場合には、そのように手できつく閉めるのが望ましいかもしれない。カバー6−2は、漏れ防止用のシール部材27を含むのが好ましい。
【0048】
図7および8に戻ってこれらを参照すると、容器2−2は、貫流型キャリア20−2を取り付けるためのキャリアシェルフ71を含むのが好ましい。キャリアシェルフ71は、容器22−2の直径を横切って貫流型キャリア20−2を支持する横木部材72を含むのが好ましい。容器2−2は、カバー6−2内のシール部材27を補強するために、密封凹部26等の特徴を含むのが好ましい。貫流型キャリア20−2は、コンパートメント21の頂部および底部の両方を通って液量が流れるようにする。
【0049】
フラッパー90を押下することにより飲料用濃縮物36を解放してある程度混ぜ合わせる。図11,12および13を参照すると、フラッパー90の回転が図示されている。図11には、フラッパー90を緩めて上昇された状態を図示する。図12では、矢印で示すように下降する動きによって、切断部材31が貫流キャリア20−2の上部カバー22−1を穿刺または押し込ませる。図13は、フラッパー90が下限まで押し込まれて、切断部材31もまた貫流型キャリア20−2の下部カバー22−2を穿刺または押し込んで飲料用濃縮物36を容器2−2内に解放する状態を図示する。フラッパー90はシェルフ95によってこれ以上の動きを制限される。図13において、切断部材31は貫流型キャリア20−2の底部を穿刺していることに留意されたい。
【0050】
図10を参照すると、第二のタイプのキャリア20、即ち、貫流型キャリア20−2がより詳細に図示されている。貫流型キャリア20−2は、頂部カバー22−1と類似の底部カバー22−2を含む。即ち、底部カバー22−2は、頂部カバー22−1と同様の材料で形成され、頂部カバー22−1がカップ型キャリア20−1に取り付けられるのと同様の方法で貫流型キャリア20−2の本体に取り付けられていてもよい。貫流型キャリア20−2の底部カバー22−1および頂部カバー22−2(まとめてカバー22と称する)は、中央開口102を含んで主軸101を収容する。主軸101は、貫流型キャリア20−2内に含まれ、手作業用またはその他の目的のための取っ手を提供する。例えば、ある実施形態においては、主軸はロックとしての役割を果たし、カバー6−2を取り外すときに(例えば、水を再充填するために)、キャリア20−2を保持する蓋に(例えば、主軸101をカバー6−2の中央下側の「雌型」空洞内に押し込むことにより)キャリア20−2を保持するようにしてもよい。このとき、カバー6−2が取り外されると、キャリア20−2を容器2−2から取り外す追加工程が行われる。他の実施形態においては、ある種の機構がコンテナシステム10に含まれ、主軸101に取り付けられたギアを駆動することにより貫流型キャリア20−2を回転させてもよい。そのような実施形態において、使用者がフラッパー90を押下すると、それによって、主軸101を介して貫流型キャリア20−2が回転する。主軸101の底部は中空で、それによってキャリア20−2を積み重ねるための特徴を提供するのが好ましい。キャリア20−2を積み重ねることで、図16に例示されるように、貫流型キャリア20−2の小売り包装が便利になる。還流型キャリア20−2を積み重ねると、大容量の容器2−2にとっても便利になるかもしれない。他のコンテナシステム10の実施形態の例と貫流型キャリア20−2の組み合わせを用いるべく提供する例を図14および15に図示する。
【0051】
図14を参照すると、飲料用濃縮物を還元するためのコンテナシステム10が図示されている。コンテナシステム10は容器2−3とカバー6−3を含む。図示されるように、容器2−3は貫流型キャリア20−2を取り付けるためのキャリアシェルフ71を含む。本実施形態において、カバー6−3は第一の通路140を含む。第一の通路140は、ストロー141を挿入するのに用いられ得、このストローは、貫流型キャリア20−2に孔を開け、使用者が還元飲料を取り出すための手段を提供するのに用いられ得る。図15を参照すると、また、カバー6−3は第二の通路142を含む。第二の通路142はコンテナシステム10に通気孔を提供し、ストロー141を収容するためにアクセスするのにも用いられ得る。本実施形態において、第一の通路140は第一の入り口143を含み、第二の通路142は第二の入り口144を含むのが好ましい。第一の入り口143および第二の入り口144は、カバー6−3を封止して、各々の通路を閉じたときの漏れを防止するのが好ましい。ある実施形態においては、第二の入り口144を開いてストロー141を収容すべくクランプ145にアクセスできる。クランプ145はカバー6−3に連結されるのが好ましい。ある実施形態においては、ストロー141を収容するためには、このストロー141を容器の頂部付近で固定しつつ、第二の入り口144を介して容器2−3内へ挿入する必要がある。他の実施形態においては、ストロー141を収容するために、カバー6−3を取り除き、ストロー141の上端を固定してカバー6−3内へ挿入し、その後、カバー6−3を容器2−3上に固定する必要がある。
【0052】
ストロー141は、堅牢な熱可塑性物質等の強固な材料で形成され、カバー22を穿刺するのに有効な鋭い先端を含むのが好ましい。多数の異なるタイプのストローを用いることができるが、異なるタイプのストローの機能に関して一回の噴出テストを行うことは、各ストローの貫流型キャリア20−2のカバー22を穿刺する能力である。
【0053】
図15に示されるように、複数の貫流型キャリア20−2を(他と同様に)本実施形態で用いることが可能である。よって、使用者は多様な容器サイズに対して一つのサイズの貫流型キャリア20−2を用いることができる。即ち、2倍のサイズの容器2−3は、便宜的に、2つ以上の貫流型キャリア20−2用のスペースを含み、混合率を制御することができる。
【0054】
貫流型キャリア20−2を手で回転させることによって、消費に望ましいコンパートメント21が選択されるのが好ましい。これは、カバー6−3に備え付ける前にキャリア20を手作業で配するか、または他の技術によって配することによって達成できる。他の技術の一例では、カバー6−3が細長い主軸101用の貫通孔を含み、この細長い主軸101がカバー6−3を通って挿入される実施形態を含む。
【0055】
ストロー141は、多様な形態で容器2−3に収容されてもよいことに留意されたい。例えば、ある実施形態において、ストロー141は、貫流型キャリア20−2の空のコンパートメント21を通り抜けて挿入される。他の実施形態において、容器2−3は、キャリア20に隣接してストロー141を収容するための侵入路を含む。
【0056】
上記のコンテナシステム10は、製造業者、小売業者および消費者に様々な利点を提供する。製造業者に関しては、その利点としては、使い捨ての容器をなくし、液体の入っていない小さなホルダー/濃縮物パッケージの包装および流通を増加させることにより、包装および流通コストの削減されることである。小売業者に関しては、その利点としては、増大する食品および飲料の選択肢を貯蔵するために必要な陳列棚スペースが削減されることである。消費者に関しては、その利点としては、最小限の移送または貯蔵で、望みの飲料を入手し易くなることである。
【0057】
本発明とその効果は、上記の記述からい理解されるであろうし、本発明の主旨および範囲を逸脱することなく、または材料から得られる利点を何ら犠牲にすることなく、様々な変更を行うことができることも、上記の構成が単に好ましい実施形態または例示としての実施形態であることも上記の記載から明らかであろう。
【0058】
当業者であれば、本明細書中の開示内容と齟齬を生じずに、上記の実施形態に対して様々な変更を加えることができることを認識するであろう。例示の中には、本明細書中に開示されたコンテナシステム10の実施形態を構成する多様な他の材料を用いることを含んだものもある。さらに、開示された構成にある種の変更を加えることを必要とするような多様な製造技術も用いられ得る。例えば、当業者であれば、封止リング27、即ちシール部材27を単独または密封凹部6との組み合わせで用いることが必ずしも必要とされていないことを認識し、この密封システムまたは他の密封システムを用いてもよいことを認識するであろう。つまり、他の技術も確実に漏れ防止を提供することが知られており、どの技術一つ、あるいはそれらの技術の組み合わせも、本明細書中の開示内容と共に用いることができる。よって、それらの変更は本開示内容によって想定される開示の範囲内であるとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
下記の詳細な説明において、添付の図面を参照している。
【図1】本発明の第一のタイプのコンテナシステム用の2種類のサイズのコンテナを組み立てた側面図である。
【図2】図1のシステムの展開側面図である。
【図3】基部、カップ型キャリア、シール、および図1の容器の下部の展開側面図である。
【図4】基部とキャリアを取り外した状態の図1の容器の底面図である。
【図5】図1の容器を囲い込むカムを配置した側面図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは、まとめて図6と称される、図1のコンテナシステムの断面図であり、基部は図6Aの第一の位置から回転してキャリアを図6Bの第二の位置へ移動させる状態を図示している。
【図7】本発明のコンテナシステムの第二のタイプの側面断面図である。
【図8】図7のシステムと共に用いる容器の斜視図である。
【図9A】図9A、図9Bおよび図9Cは、まとめて図9と称される、図7のコンテナシステム用のフラッパーおよびカバーハウジングの斜視図である。
【図9B−C】図9A、図9Bおよび図9Cは、まとめて図9と称される、図7のコンテナシステム用のフラッパーおよびカバーハウジングの斜視図である。
【図10】貫流型キャリアの展開斜視図である。
【図11】カバーハウジングとキャリアに対してフラッパーが上昇位置および弛緩位置にある状態を図示する。
【図12】カバーハウジングとキャリアに対してフラッパーが半押下位置にある状態を図示する。
【図13】カバーハウジングとキャリアに対してフラッパーが完全押下位置にある状態を図示する。
【図14】ストローとともに用いるコンテナシステムを図示する。
【図15】図14のコンテナシステムの第二の実施形態を図示する。
【図16】積み上げたキャリアを図示する。
【図17】本発明のコンテナシステムの断面図である。
【符号の説明】
【0060】
2 容器;4 基部;6 カバー;10 コンテナシステム;21 コンパートメント;25 カムトラック;26 密封凹部;27 封止リング;28 ロック;30 開骨格

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料用濃縮物から飲料を調製するための飲料コンテナシステムにおいて、前記飲料コンテナシステムは、ある液量を保持する容器を含み、前記システムは少なくとも一つのキャリアを保持するために連結される取付システムを備えてなり、各キャリアは飲料用濃縮物を含む複数のコンパートメントからなり、前記システムは複数のコンパートメントのうちの少なくとも一つを穿刺するために連結される切断システムを備えてなり、複数のコンパートメントの少なくとも一つが穿刺されると、飲料用濃縮物が液量と混ぜ合わされて容器内で飲料を調製する前記飲料コンテナシステム。
【請求項2】
前記取付システムは、少なくとも一つのキャリアを保持するための取り外し自在の基部を備えることを特徴とする請求項1に記載の飲料コンテナシステム。
【請求項3】
前記取り外し自在の基部は、複数のコンパートメントのうち穿刺すべき少なくとも一つを選択するためのカムトラックをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の飲料コンテナシステム。
【請求項4】
少なくとも一つのキャリアは、カップ型キャリアおよび貫流型キャリアの少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1に記載の飲料コンテナシステム。
【請求項5】
前記切断システムと前記取付システムの少なくとも一方が容器に対して取り外し自在の基部に連結されることを特徴とする請求項1に記載の飲料コンテナシステム。
【請求項6】
前記切断システムおよび前記取付システムのいずれか一方が容器に対して取り外し自在のカバーに連結されることを特徴とする請求項1に記載の飲料コンテナシステム。
【請求項7】
前記液量および前記飲料のいずれかの漏れを防止するための密封システムをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の飲料コンテナシステム。
【請求項8】
飲料用濃縮物から飲料を調製するための飲料用コンテナシステムの生産方法であって、
飲料用濃縮物を含む複数のコンパートメントを備える少なくとも一つのキャリアを保持するための取付システムを選択する工程と、
前記複数のコンパートメントのうちの少なくとも一つを穿刺するための切断システムを選択する工程と、
ある液量を保持するための容器を選択する工程と、
前記取付システムと前記切断システムとを容器に連結して前記コンテナシステムを生産する工程とを含む前記方法。
【請求項9】
連結工程は、前記容器、前記切断システムおよび前記取付システムの少なくとも一方を、射出成形、ねじ留め、接着、インターロック、および溶融する工程のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
生産工程は、少なくとも一つのキャリアの本体を射出成形する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
生産工程は、少なくとも一つのキャリアの複数のコンパートメントに少なくとも一つの飲料用濃縮物を充填する工程をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
生産工程は、少なくとも一つのカバーを備える少なくとも一つのキャリア内に飲料用濃縮物を密封する工程をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記取付システムの連結工程は、取り外し自在の基部、取り外し自在のカバー、および容器のいずれかに前記取付システムを連結する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
切断システムの構成要件を選択する工程は、切断部材を選択する工程およびストローを選択する工程の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
飲料調整方法であって、
ある液量を保持する容器を選択する工程であって、前記容器は少なくとも一つのキャリアを保持するために連結される取付システムを備えてなり、各キャリアは飲料濃縮物を含む複数のコンパートメントを含み、前記容器は複数のコンパートメントのうち少なくとも一つを穿刺するために連結される切断システムを備えてなり、前記複数のコンパートメントのうち少なくとも一つが穿刺されると、飲料用濃縮物が前記液量と混ぜ合わされて容器内に飲料を生産する工程と、
容器を液量で満たす工程と、
少なくとも一つのキャリアを容器内に取付ける工程と、
前記複数のコンパートメントのうちの少なくとも一つを穿刺する工程とを含むことを特徴とする前記方法。
【請求項16】
飲料用濃縮物容器であって、
コンテナシステムで用いられるべく構成されたキャリアを含み、前記コンテナシステムは飲料用濃縮物の供給を解除するための切断システムを有し、前記キャリアは少なくとも一つの飲料用濃縮物を含み、複数のコンパートメントの各々の中に飲料用濃縮物を密封するために覆う少なくとも一つのカバーを有する前記容器。
【請求項17】
前記少なくとも一つのカバーは裂開可能な材料からなる膜を備えることを特徴とする請求項16に記載の飲料用濃縮物容器。
【請求項18】
前記キャリアは、回転トレーおよびストローの少なくともいずれかを備えることを特徴とする請求項16に記載の飲料用濃縮物容器。
【請求項19】
飲料用濃縮物から飲料を調製するための飲料用コンテナシステムであって、
ある液量を保持するための容器手段を含み、前記容器手段は少なくとも一つのキャリア手段を保持するために連結される取付手段を備えてなり、各キャリア手段は飲料用濃縮物を含む複数のコンパートメントを備え、前記飲料用コンテナシステムはそれに連結される切断手段をさらに備えてなり、前記切断手段は複数のコンパートメントの少なくとも一つから飲料用濃縮物を解放し、前記飲料用濃縮物が解放されると、前記飲料用濃縮物は前記液量と混ぜ合わされて容器手段内に飲料を生産する前記飲料用コンテナシステム。
【請求項20】
前記切断手段は、穿刺手段と押圧手段のいずれか一方を備えることを特徴とする請求項19に記載の飲料用コンテナシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B−C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−515778(P2009−515778A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539186(P2008−539186)
【出願日】平成17年11月13日(2005.11.13)
【国際出願番号】PCT/AU2005/001715
【国際公開番号】WO2007/053875
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(508140936)
【Fターム(参考)】