説明

複素環式ボロン酸およびその誘導体を調製するための方法

複素環式のボロン酸化合物を合成することに関連して、収斂的合成方法論は、ボロピロリジン化合物およびボロピロリジン化合物の誘導体を調製するために特に有効である。本発明は、種々のボロピロリジン酸およびエステルを調製するための合成方法に関連する。そのような化合物は、糖尿病および関連した疾患に苦しむ患者を処置することに有用である。下記の式Iの化合物を、下記の式IIの化合物とカップリングして、下記の式IIIの化合物を得ることを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は一般には、種々の複素環式ボロン酸およびその誘導体を調製するための合成方法に関連する。より具体的には、本発明は、種々のボロピロリジン酸およびエステルを調製するための合成方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
ジペプチジルペプチダーゼ−IV(DPP−IV)は、プロリン/アラニンの後を切断するアミノ−ジペプチダーゼの一群に属するセリンプロテアーゼである。DPP−IVは、N末端から2番目にプロリンまたはアラニンが存在するタンパク質から優先してN末端ジペプチドの放出を触媒する。DPP−IVの合成阻害剤のインビボ投与は、血糖の制御を改善することが示されており、従って、そのような阻害剤は、II型糖尿病患者および関連した状態を有する患者の処置のために提案されている。
【0003】
近年、DPP−VIIIおよび他の関連した酵素を上回る、DPP−IVについて選択的な複素環式のボロン酸系阻害剤が開示されている。加えて、そのような化合物を含む医薬組成物、および、そのような化合物の使用方法が記載されている。これらの応用では、様々な複素環式のボロン酸系阻害剤を合成するための様々な方法が開示されるが、これらの化合物を改善された純度および収率で製造する新しい方法が、糖尿病および関連した疾患のための医薬配合物および処置方法におけるそれらの増大しつつある重要性のために望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明は、複素環式のボロン酸化合物を合成するための効率的な方法を提供する。具体的には、種々のピロリジンボロン酸およびその誘導体を調製するための収斂的合成方法が提供される。そのような化合物は、例えば、糖尿病および関連した疾患に苦しむ患者を処置することにおいて有用である。簡単に記載すると、本発明の方法は、下記に示される式Iの活性カルボニル化合物を下記に示される式IIのアミノ化合物とカップリングすることに関する。適切なアミン保護基およびボロン酸保護基が、望ましくない副反応をこれらの基により回避するために用いられる。活性カルボニル化合物は、アミンとのアミド結合を形成することができる任意のカルボン酸誘導体であり得る。そのような活性カルボニル化合物には、酸塩化物、混合無水物、活性化エステルおよびアジドなど、ならびに、カルボン酸をカップリング剤(例えば、ジイミドなど)と組み合わせることによって形成される中間体が含まれるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
(発明の詳細な説明)
本発明は、種々のN−置換されたアミノアセチルピロリジンボロン酸およびその誘導体を合成するための方法を提供する。従って、1つの態様において、下記の式Iの化合物:
【0006】
【化15】

を、下記の式IIの化合物:
【0007】
【化16】

とカップリングして、下記の式III:
【0008】
【化17】

の化合物を得ることを含み、
上記の式において、
Aが、OH、または、アミンによって置換され得る基であり;
PrがN保護基であり;
が、本明細書中で定義されるような、ヘテロ原子を場合により含有する置換または非置換の炭化水素基であり;好ましくは、Rは、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリール基またはヘテロアリールアルキル基であり;かつ
およびRが独立して、または、一緒になって、ヒドロキシルに加水分解され得る基である、
方法が提供される。2−ピロリジンボロン酸は、文献に記載される方法を使用して容易に合成することができる。
【0009】
本発明の別の態様において、式Iの化合物を、
式IV、R−NHの化合物を、塩基の存在下、式V、L−CH−COOR’の化合物によりアルキル化して、式VI、R−NH−CH−COOR’の化合物を得ること(式中、Lは、負荷電基として、または、負荷電基を形成するためにイオン化可能である基として安定である脱離基であり、Rは以前に定義された通りであり、かつ、R’はカルボキシル保護基である);
第二級アミンを保護して、式VII、R−N(Pr)−CH−COOR’を得ること;および
式VIIの化合物を式Iの化合物に変換すること
によって調製する方法が提供される。この態様において、アミンR−NHは、商業的供給元(例えば、Sigma Aldrichなど)からもまた入手可能であり、また、当業者に知られている常法的方法によっても容易に合成することができる。そのようなアミンを合成するための指針については、例えば、“Advanced Organic Chemistry”(第4版、J.March、Wiley Interscience、New York、N.Y.、1992)を参照のこと。
【0010】
いくつかのそのような実施形態において、Lは、Cl、Br、I、メシラートまたはトリフラートである。他のそのような実施形態において、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムである。
【0011】
上記で示されたように、R’はカルボキシル保護基であり、例えば、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基などである。従って、R’は、メチル、エチル、t−ブチル、アリルまたはベンジルが可能である。従って、いくつかの実施形態において、式VIIの化合物は、AがOHである式Iの化合物に塩基により加水分解される。
【0012】
他の実施形態において、Prは、例えば、CbzまたはBocである。従って、いくつかの実施形態において、式VIの第二級アミンの保護が、置換または非置換のアルコキシクロロホルマートまたはアリールオキシクロロホルマートにより行われる。アミン保護基Prによるこの保護工程は、所望される下流側生成物を反応系列の対応する様々な副生成物から容易に分離することを可能にするので、本発明のプロセスのためには特に好都合である。他のプロセス処理法のもとでは、これらの副生成物の分離は、達成することが困難である。
【0013】
本明細書中に開示される方法のいくつかの実施形態において、AはOHであり、従って、式Iはカルボン酸である。そのため、式Iの化合物を式IIの化合物にカップリングすることが、カップリング剤を使用して行われる。第二級アミンとのアミド結合を形成させるために好適な任意のカップリング試薬をこの反応のために使用することができる。好適なカップリング試薬には、DCC、DIC、EDCI、HATU、BOP、BOP−Cl、PyBOPおよびPyBrOPなどが含まれる。このカップリングは、反応を容易にするカップリング添加剤(例えば、HOBt、HOAtまたはDMAPなど、ただしこれらに限定されない)の存在下で行うことができる。カップリング試薬およびカップリング剤の適切な組み合わせを当面の課題のために選択することは十分に当業者の能力の範囲内である。
【0014】
このカップリングは、例えば、式IIの化合物が塩(例えば、HCl塩など)として用いられる場合、塩基の存在下で行うことができる。カップリングを妨害しない任意の塩基を使用することができる(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリンなど)。使用された塩基の量は、中和される塩の量に依存し、また、カップリング試薬、カップリング添加剤、あるいは、カップリング試薬および/またはカップリング添加剤の反応から生じる副産物が、カップリング反応を容易にするために中和されなければならないかどうかに依存する。カップリング反応のために必要な塩基の量およびタイプを選択することは十分に当業者の能力の範囲内である。
【0015】
本発明の方法の別の実施形態において、Aは、アミンによって置換され得る基である。様々なそのような基がこの分野では広く知られており、これらには、例えば、イミダゾリル、F、Cl、Br、I、アジド、ペンタフルオロフェノキシ、p−ニトロフェノキシ、N−オキシスクシンイミドまたはOC(O)OR(式中、Rは置換または非置換のC1〜8アルキルである)が含まれる。従って、Aは、Aが結合するカルボニルとの組み合わせで、酸塩化物、活性エステル、混合無水物、および、他の活性化されたアシル基を形成する。塩基(例えば、上記で記載された塩基など)を、必要な場合には、式IIの化合物の塩、および/または、置換反応の任意の酸副産物を中和するために使用することができる。
【0016】
Aが、アミンによって置換され得る基である方法のいくつかの実施形態において、Aは、ワンポット反応で、対応する酸から形成され、その後、式IIの化合物と反応させられる。例えば、式Iの酸(すなわち、AがOHである)は、塩基の存在下でのアルキルクロロホルマート(例えば、イソブチルクロロホルマートまたはt−ブチルクロロホルマート)との反応によって混合無水物(AがOC(O)ORである)に変換することができる。典型的には、混合無水物の形成は、室温よりも低い温度で、例えば、約0℃〜約−15℃またはそれ以下の温度などで行われる。短い時間の後で、式IIの化合物またはその塩が、式IIIの化合物を形成させるために混合無水物に加えられる。式IIが酸付加塩の形態であるならば、十分な量のより多い塩基を、その酸を中和するために加えなければならない(例えば、1.1当量、1.2当量、1.5当量、2当量またはそれ以上など)。
【0017】
本発明の方法のいくつかの実施形態において、Rは、
a)(C1〜12)アルキル、(C2〜12)アルケニル、(C2〜12)アルキニル、(C3〜12)シクロアルキルまたは(C3〜12)シクロアルケニル(ただし、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびシクロアルケニル基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換され、かつ、前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分は直鎖または分枝鎖を含み、また、環状部分を含むことができる);
は、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルコキシ、シクロアルキル、カルボキシ、アセトアミド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、スルファモイル、スルホンアミド、カルバモイル、アリール、ヘテロアリール(ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される)、アミノ(ただし、前記アミノ基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される)、−SOR、−SO、−COR、−CO、−CONHR、−CON(R、−ORまたは−S−Rである;
は、ハロゲン、(C1〜10)アルキル、(C1〜10)アルコキシ、(C1〜10)アルキルアミノ、(C1〜10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミドまたはカルバモイルである;
は、(C1〜10)アルキル、(C2〜10)アルケニル、(C2〜10)アルキニル、(C3〜10)シクロアルキル、(C5〜10)シクロアルケニル、ベンジル、フェネチル、アリールまたはヘテロアリールであり、ただし、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基は場合により、アリールまたはヘテロアリールにより一置換または独立して多置換される(この場合、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される;および、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される);
b)(C3〜10)シクロアルキルに場合により縮合するアリール、または、(C3〜10)シクロアルキルに場合により縮合するヘテロアリール(ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される);
c)インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、(CHアダマンチル(ただし、jは0〜3である)、または、[2.2.1]もしくは[3.1.1]の二環式炭素環部分(4−ペンチルビシクロ[2.2.2]オクタ−1−イル)アミンを含む)(ただし、前記インダニル部分、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル部分、(CHアダマンチル部分、および、[2.2.1]または[3.1.1]の二環式炭素環部分は場合により、ヒドロキシ、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、(C1〜8)アルカノイルオキシまたはR10N−CO−O−(式中、RおよびR10は独立して、(C1〜8)アルキルまたはフェニルであり、前記アルキル基およびフェニル基は場合により、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルにより一置換または独立して多置換されるか、あるいは、RおよびR10は一緒になって、(C3〜6)アルキレンである)により一置換または独立して多置換される);
d)R11(CH−(式中、R11は2−オキソピロリジニルである)、(C1〜6)アルコキシ、フェニル、フェノキシ、(C1〜8)シクロアルキル、[3.3.3]の二環式炭素環部分、ピリジニル、ナフチル、シクロヘキセニルまたはアダマンチル(ただし、前記2−オキソピロリジニル基、(C1〜6)アルコキシ基、フェニル基、ピリジニル基およびナフチル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換または独立して三置換される;前記フェノキシ基は場合により、(C1〜4)アルキル、(C1〜4)アルコキシまたはハロゲンにより一置換または独立して二置換される;および、前記[3.3.3]の二環式炭素環部分は場合により、(C1〜8)アルキルにより一置換または独立して多置換される;および、pは0〜3である;
12は、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルコキシ、シクロアルキル、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシ、スルファモイル、カルバモイル、スルホンアミド、アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、アリール、ヘテロアリールであり、ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される);
e)(R13CH(CH−(式中、R13はフェニルであり、前記フェニル基は独立して場合により、R12により一置換または独立して多置換され、qは0〜3である);
f)下記式の基:
【0018】
【化18】

(式中、R14およびR15は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、(C3〜12)シクロアルキル環、(C3〜12)シクロアルケニル環、ベンジル、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記シクロアルキル環は場合により、ヒドロキシ(C1〜6)アルキルにより置換され、また、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R14およびR15は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、rは2〜6である);
g)下記式の基:
【0019】
【化19】

(式中、R16およびR17はそれぞれが独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R16およびR17は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、sは1〜6である);
h)下記式の基:
【0020】
【化20】

(式中、R18およびR19は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、ベンジル、ベンゾチアゾール、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ベンゾチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R18およびR19は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、それぞれのtは独立して0〜6である;および、uは0〜3である);
i)下記式の基:
(フェニル−CH−C(CH−)
(式中、フェニル基は場合により、R12により一置換または独立して多置換される);
j)下記式の基:
【0021】
【化21】

(式中、R20はN保護基であるか、あるいは、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、(C3〜8)シクロアルキルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、(C1〜6)アルキルオキシカルボニル、arlkylオキシカルボニル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニル置換されたチアゾール環、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ただし、これらはそれぞれが場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは非存在であるか、あるいは、ハロゲン、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、O−アルキルカルボキシラート、O−アラルキルカルボキシラート、N−アルキルカルボキサミド、N−アラルキルカルボキサミドまたはフェニルである;
sは1〜6である;tは0〜6である;および、uは0〜3である);または
k)下記式の基:
【0022】
【化22】

(式中、R21は、水素、(C1〜8)アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、ただし、前記ベンジル基およびフェニル基は場合により、環において、R12により一置換または独立して二置換される;それぞれのtは独立して0〜6である;および、uは0〜3である);
l)アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシビシクロアルキル、ヒドロキシトリシクロアルキル、ビシクロアルキルアルキル、アルキルビシクロアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキル(ただし、これらはすべてが場合により、ハロゲン、アルキル、ポリハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ポリハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロアリールアミノ、アリールアミノ、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキニルアミノ−カルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニル、アミノスルフィニル、アミノスルホニル、アルキルスルフィニル、スルホンアミドまたはスルホニルにより一置換または独立して多置換される)
である。
【0023】
本発明の方法のいくつかのそのような実施形態において、Rは、
a)(C3〜10)シクロアルキルに場合によりに縮合するヘテロアリールに場合によりに縮合するアリール(ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される;
は、ハロゲン、(C1〜10)アルキル、(C1〜10)アルコキシ、(C1〜10)アルキルアミノ、(C1〜10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミドまたはカルバモイルである);
b)R11(CH−(式中、R11は2−オキソピロリジニルである)、(C1〜6)アルコキシ、フェニル、フェノキシ、(C1〜8)シクロアルキル、[3.3.3]の二環式炭素環部分、ピリジニル、ナフチル、シクロヘキセニルまたはアダマンチル(ただし、前記2−オキソピロリジニル基、(C1〜6)アルコキシ基、フェニル基、ピリジニル基およびナフチル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換または独立して三置換される;前記フェノキシ基は場合により、(C1〜4)アルキル、(C1〜4)アルコキシまたはハロゲンにより一置換または独立して二置換される;および、前記[3.3.3]の二環式炭素環部分は場合により、(C1〜8)アルキルにより一置換または独立して多置換される;および、pは0〜3である);
12は、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルコキシ、シクロアルキル、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチルメトキシ、スルファモイル、カルバモイル、スルホンアミド、アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、アリール、ヘテロアリールであり、ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される;
c)下記式の基:
【0024】
【化23】

(式中、R14およびR15は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、(C3〜12)シクロアルキル環、(C3〜12)シクロアルケニル環、ベンジル、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記シクロアルキル環は場合により、ヒドロキシ(C1〜6)アルキルにより置換され、また、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R14およびR15は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、rは2〜6である);
d)下記式の基:
【0025】
【化24】

(式中、R18およびR19は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、ベンジル、ベンゾチアゾール、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ベンゾチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R18およびR19は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、それぞれのtは独立して0〜6である;および、uは0〜3である);
e)下記式の基:
【0026】
【化25】

(式中、R20はN保護基であるか、あるいは、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、(C3〜8)シクロアルキルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、(C1〜6)アルキルオキシカルボニル、arlkylオキシカルボニル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニル置換されたチアゾール環、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ただし、これらはそれぞれが場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは非存在であるか、あるいは、ハロゲン、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、O−アルキルカルボキシラート、O−アラルキルカルボキシラート、N−アルキルカルボキサミド、N−アラルキルカルボキサミドまたはフェニルである;
sは1〜6である;tは0〜6である;および、uは0〜3である)
である。
【0027】
本発明の方法のいくつかの実施形態において、Rは、下記式の基:
【0028】
【化26】

(式中、R14およびR15は独立して、N保護基、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、(C3〜12)シクロアルキル環、(C3〜12)シクロアルケニル環、ベンジル、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記シクロアルキル環は場合により、ヒドロキシ(C1〜6)アルキルにより置換され、また、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R14およびR15は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環またはN保護基を形成するか、あるいは、R14およびR15の一方が水素である;および、rは2〜6である)
である。いくつかのそのような実施形態において、rは、2、3または4である。他のそのような実施形態において、R14およびR15は独立して、メチル、エチル、ベンジル、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニル、フェニルスルホニルであるか、あるいは、R14およびR15の一方が水素であり、かつ、他方が、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニル、フェニルスルホニルである。
【0029】
他の実施形態において、Rは、下記式の基:
【0030】
【化27】

(式中、R18およびR19は独立して、N保護基、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、ベンジル、ベンゾチアゾール、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ベンゾチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R18およびR19の一方が水素であるか、あるいは、R18およびR19は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環またはN保護基を形成する;それぞれのtは独立して0〜6である;および、uは0〜3である)
である。いくつかのそのような実施形態において、tは、それぞれの存在において、独立して、0、1または2である。他のそのような実施形態において、R18およびR19は独立して、メチル、エチル、ベンジル、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニル、フェニルスルホニルであるか、あるいは、R18およびR19の一方が水素であり、かつ、他方が、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニル、フェニルスルホニルである。
【0031】
さらに別の実施形態において、Rは、下記式の基:
【0032】
【化28】

(式中、R20はN保護基であるか、あるいは、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、(C3〜8)シクロアルキルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、(C1〜6)アルキルオキシカルボニル、arlkylオキシカルボニル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニル置換されたチアゾール環、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して多置換される;Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ただし、これらはそれぞれが場合により、R12により一置換または独立して多置換される;Rは非存在であるか、あるいは、ハロゲン、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、O−アルキルカルボキシラート、O−アラルキルカルボキシラート、N−アルキルカルボキサミド、N−アラルキルカルボキサミドまたはフェニルである;sは1〜6である;tは0〜6である;および、uは0〜3である)
である。いくつかのそのような実施形態において、R20は、ベンジル、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニルまたはフェニルスルホニルである。いくつかのそのような実施形態において、uは1または2であり、かつ/または、tは0または1であり、かつ/または、Rが非存在である。さらに他のそのような実施形態において、Rが、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、ブチル、フェニルまたはベンジルであり、ただし、フェニルおよびベンジルは場合により、ペルフルオロ化されるか、あるいは、F、Cl、Br、I、R’、OR’、CN、SH、NO、NR’、COOR’、CF、OCF、SR’、S(O)R’またはS(O)R’から独立して選択される1個、2個または3個の基により置換され、ただし、R’はHであるか、あるいは、FおよびClからなる1つまたは複数の基で場合により置換されるC1〜4アルキルである。特定の実施形態において、Rは非存在である。いくつかの実施形態において、Rは、水素、あるいは、置換または非置換のアルキル、アラルキルまたはヘテロシクリルアルキルである。Rが1つまたは複数の官能基により置換されるとき、そのような官能基は、Prと同じまたは異なり、かつ、Prと同時に、または、Prとは別個に、または、Prに連続して除くことができるさらなる保護基によって保護することができる。前述のピロリジニル形態を有し、かつ、ピロリジニル窒素に結合した保護基Prを有する特に好ましいR基は、
【0033】
【化29】

(式中、波線はR配置またはS配置あるいはその混合を示す)
である。
【0034】
本発明の方法のさらに他の実施形態において、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシビシクロアルキル、ヒドロキシトリシクロアルキル、ビシクロアルキルアルキル、アルキルビシクロアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキルであり、ただし、これらはすべてが場合により、ハロゲン、アルキル、ポリハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ポリハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロアリールアミノ、アリールアミノ、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキニルアミノ−カルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニル、アミノスルフィニル、アミノスルホニル、アルキルスルフィニル、スルホンアミドまたはスルホニルにより一置換または独立して多置換される。例えば、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、s−ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチルまたは1−シクロヘキシルエタ−1−イル(これらはそれぞれが場合により、ハロゲンまたはヒドロキシにより一置換または独立して多置換される)が可能である。
【0035】
カップリングは典型的には、溶媒の存在下で行われる。好適な溶媒には、水、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、あるいは、それらのいずれか2つ以上の混合物が含まれる。溶媒の正確な選択は、方法において使用されるカップリング試薬または式Iの中間体(例えば、酸塩化物、アジド、活性エステル、混合無水物)の選択によって決定される。出発物質および試薬はすべてが溶媒に可溶でなければならない。所望の生成物を使用済みの試薬から容易に分離することを可能にする溶媒または溶媒系を選ぶことが、必ずしも必要ではないが、好都合である。使用済み試薬の沈殿化は、そのような分離を行うための便利な方法である。適切な溶媒の選択は十分に当業者の能力内である。
【0036】
広範囲の様々なN保護基を本発明の方法において用いることができる。いくつかの実施形態において、N保護基Prは、ベンジル、Cbz、Boc、Fmoc、AllocまたはTeocが可能である。いくつかの実施形態において、PrはCbzであり、水素化分解(例えば、Pd/C、Pd(OH)またはPdブラックを伴うH)によって除かれる。他の実施形態において、PrはBocであり、酸分解(例えば、4N HCl/ジオキサン、30%TFA/ジクロロメタンまたは95%TFA/水)によって除かれる。加えて、N保護基は、ある種のアミン含有R基を保護するために使用することができる。そのような場合、PrおよびRのさらなる保護基は同じまたは異なることができる。従って、本明細書中に開示される方法はさらに、Prを、Rのいずれかの保護基と一緒に、または、Rのいずれかの保護基とは別個に除くことを含む。
【0037】
上記で示されたように、RおよびRは、独立して、または、一緒になって、ヒドロキシルに加水分解され得る基である。例えば、RおよびRは独立して、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシまたはn−ブトキシであるか、あるいは、一緒になって、1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタンまたはピナンジオキシであり得る。本発明の方法はさらに、RおよびRをヒドロキシルに加水分解することを含む。加水分解は、例えば、フェニルボロン酸、水、および、有機溶媒(これは、tertブチルメチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、または、その混合物である)の存在下で行うことができる。
【0038】
反応条件は、アミド結合形成を得るための試薬および方法に依存する。典型的には、カップリング反応は周囲温度またはその付近において大気圧下で行われる。著しい熱がカップリング反応によって生じるならば、反応液を水浴または氷浴などの手段によって冷却することができる。
【0039】
カップリング反応の経過を湿式化学または分光分析によって追跡することができる。湿式化学技術には、アミン出発物質および/または酸出発物質を示す酸または塩基の存在または非存在を求めるために反応混合物の一部を滴定することが含まれる。同様に、使用済みのカップリング試薬(例えば、使用済みのDCCなど)の存在または非存在を、溶媒系が適切に選ばれ、その結果、使用済みのDCCが沈殿するならば、単に観察することによって明らかにすることができる。
【0040】
カップリング反応が完了した後、保護されているピロリジン生成物を常法的技術によって単離および精製することができる。これには、酸性の副生成物、または、反応混合物に存在し得る副産物の中和、不溶性の使用済み試薬を除くための反応混合物のろ過、2相抽出技術(例えば、塩化メチレンおよび水、メタノールまたはその混合物など)を使用する抽出が含まれる。さらなる精製を、カラムクロマトグラフィー、高圧液体クロマトグラフィー、場合により塩形成との組み合わせでの沈殿化、光学異性体のさらなる光学分割のためのキラルな塩の形成、ならびに、アミド基およびアミン基を含有する有機化合物を精製するための他の化学的技術の使用によって達成することができる。そのような精製技術の議論、ならびに、対応する有機反応についての詳細を、“Advanced Organic Chemistry”(第4版、Jerry March、Wiley Interscience、New York、N.Y.、1992)、ならびに、“Organic Synthesis”(Collective Volumes 1−11、編者:Gilman他、Wiley Interscience、New York、N.Y.、1998)に見出すことができる。
【0041】
定義
下記の略号が本明細書中では使用される:
BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
BOP−Cl:ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM:ジクロロメタン
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
DIEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:N,N−ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDCI:1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
EtOAc:酢酸エチル
EtN、TEA:トリエチルアミン
HATU:2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
MeOH:メタノール
mL:ミリリットル
mmol:ミリモル
MS:質量分析
μL:マイクロリットル
NMM:N−メチルモルホリン
NMR:核磁気共鳴
PyBOP:ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート
PyBrOP:ブロモ−トリ−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート
TFA:トリフルオロ酢酸
下記の用語は、本明細書中では、下記で定義されるように使用される。
【0042】
用語「DPP−IV」はジペプチジルペプチダーゼIV(EC3.4.14.5;DPP−IV)(これはまた、「CD−26」として知られている)を示す。DPP−IVは、ジペプチドを、プロリン残基またはアラニン残基を末端から2番目の位置に含有するポリペプチド鎖のN末端から優先的に切断する。
【0043】
本明細書中で使用される用語「ヒドロキシルに加水分解され得る基」は、水溶液中でヒドロキシル基に変換することができる基を示す。いくつかの実施形態において、このような基は生理学的pHでヒドロキシルに加水分解される場合がある。特定の実施形態において、このような基は、本発明の化合物のボロン酸官能基を、化合物の他の機能的部位を伴う反応が行われている間、遮蔽するために、または、そうでない場合には保護するために用いられる。典型的には、ボロン酸のOH基が、アルコール(例えば、(+)−ピナンジオールまたは(−)−ピナンジオール;ピナコール;1,2−ジシクロヘキシルエタンジオール;1,2−エタンジオール;2,2−ジエタノールアミン;1,3−プロパンジオール;2,3−ブタンジオール、ジイソプロピルタルタラート;1,4−ブタンジオール;ジイソプロピルエタンジオール;(S,S)−5,6−デカンジオール;1,1,2−トリフェニル−1,2−エタンジオール;(2R,3R)−1,4−ジメチオキシ−1,1,4,4−テトラフェニル−2,3−ブタンジオール;メタノール;エタノール;イソプロパノール;カテコール;1−ブタノールなど)に由来するボロン酸エステルとして保護される。当業者によって理解されるように、1つだけのヒドロキシ基を有するアルコール(例えば、メタノールなど)は、−B(OR)の構造(式中、Rはアルコール由来の有機部分である)(例えば、−B(OCH)を有するジエステルを形成する。比較として、ジオール(例えば、ピナコールなど)は、有機部分(例えば、−C(CH−C(CH−)が両方の酸素に結合する、−B(OH)を有する環状のボロン酸ジエステルを形成する。
【0044】
本明細書中で使用される用語「N保護基」または用語「N−保護(された)」は、アミノ酸またはペプチドのN末端を保護するために、あるいは、アミノ基を、合成手順の期間中、望ましくない反応から保護するために意図されたそのような基を示す。一般に使用されるN保護基が、T.W.Greene、P.G.Wuts、“Protective Groups In Organic Synthesis,3rd Ed.”(John Wiley&Sons、New York(1999))(これは本明細書により参考として組み込まれる)に開示される。N保護基には、アシル基、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイルおよび4−ニトロベンゾイルなど;スルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなど;カルバマート形成基、例えば、ベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニルおよびフェニルチオカルボニルなど;アルキル基、例えば、ベンジル、トリフェニルメチルおよびベンジルオキシメチルなど;シリル基、例えば、トリメチルシリルなどが含まれる。好ましいN保護基には、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、フェニルスルホニル、ベンジル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)およびベンジルオキシカルボニル(Cbz)がある。
【0045】
一般に、「置換された(される)」は、含有される水素原子に対する1つまたは複数の結合が、非水素原子または非炭素原子(例えば、ハロゲン(すなわち、F、Cl、BrおよびI);ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基などの基における酸素原子;チオール基、アルキルスルフィド基およびアリールスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基およびスルホンアミド基などの基におけるイオウ原子;アミン、ヒドロキシルアミン、N−オキシド、ヒドラジド、アジドおよびエナミンなどの基における窒素原子;および、様々な他の基におけるヘテロ原子、ただしこれらに限定されない)に対する結合によって置き換えられる、下記で定義されるような有機基を示す。置換されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびシクロアルケニル基、ならびに、他の置換された基にはまた、炭素原子または水素原子に対する1つまたは複数の結合が、ヘテロ原子(例えば、カルボニル基(オキソ)、カルボキシル基、エステル基、アミド基、イミド基、ウレタン基およびウレア基における酸素;ならびに、イミン、ヒドロキシイミン、オキシム、ヒドラゾン、アミジン、グアニジンおよびニトリルにおける窒素、ただしこれらに限定されない)に対する1つまたは複数の結合(二重結合または三重結合を含む)によって置き換えられる基が含まれる。
【0046】
置換された環基(例えば、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基およびヘテロアリール基など)にはまた、水素原子に対する結合が、炭素原子に対する結合により置き換えられる環および縮合環系が含まれる。従って、置換されたアリール基、ヘテロシクリル基およびヘテロアリール基はまた、下記で定義されるようなアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基により置換され得る。
【0047】
アルキル基には、1個〜約20個の炭素原子、典型的には1個〜12個の炭素原子、または、一部の実施形態では1個〜8個の炭素原子を有する直鎖および分枝状のアルキル基およびシクロアルキル基が含まれる。直鎖アルキル基の例には、1個〜8個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基およびn−オクチル基などが含まれる。分枝状アルキル基の例には、イソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基および2,2−ジメチルプロピル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換されたアルキル基は、上記で列挙された基のいずれかにより、例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、チオ基、アルコキシ基およびハロゲン基などにより1回または複数回、置換され得る。
【0048】
シクロアルキル基は環状のアルキル基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびシクロオクチル基
などであるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は3個〜8個の環構成原子を有し、これに対して、他の実施形態では、環炭素原子の数が、3から、5、6または7に及ぶ。シクロアルキル基にはさらに、多環式のシクロアルキル基(例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基、ボルニル基、カンフェニル基、イソカンフェニル基およびカレニル基など、ただしこれらに限定されない)、および、縮合環(例えば、デカリニルなど、ただしこれらに限定されない)が含まれる。シクロアルキル基にはまた、上記で定義されるような直鎖アルキル基または分枝状アルキル基により置換される環が含まれる。代表的な置換されたシクロアルキル基は一置換または二回以上置換され得る(例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、チオ基、アルコキシ基およびハロゲン基により置換され得る、例えば、2,2−二置換、2,3−二置換、2,4−二置換、2,5−二置換または2,6−二置換されたシクロヘキシル基、あるいは、一置換、二置換または三置換されたノルボルニル基またはシクロヘプチル基など、ただしこれらに限定されない)。
【0049】
シクロアルキルアルキル基は、アルキル基の水素結合または炭素結合が、上記で定義されるようなシクロアルキル基に対する結合により置き換えられる、上記で定義されるようなアルキル基である。
【0050】
アリール基は、ヘテロ原子を含有しない環状の芳香族炭化水素である。従って、アリール基には、フェニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニル基、インダセニル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、ナフタセニル基、クリセニル基、ビフェニレニル基、アントラセニル基およびナフチル基が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリール基は6個〜14個の炭素を基の環部分に含有する。表現「アリール基」には、縮合環を含有する基(例えば、縮合した芳香族−脂肪族環系など、例えば、インダニルおよびテトラヒドロナフチルなど)が含まれるが、環構成原子の1つに結合する他の基(例えば、アルキル基またはハロゲン基など)を有するアリール基は含まれない。むしろ、トリルなどの基は、置換されたアリール基として示される。代表的な置換されたアリール基は一置換または2回以上置換され得る(例えば、上記で列挙された基などの基により置換され得る、2−置換、3−置換、4−置換、5−置換または6−置換されたフェニル基またはナフチル基など、ただしこれらに限定されない)。
【0051】
アラルキル基は、アルキル基の水素結合または炭素結合が、上記で定義されるようなアリール基に対する結合により置き換えられる、上記で定義されるようなアルキル基である。代表的なアラルキル基には、ベンジル基および縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基(例えば、4−エチル−インダニルなど)が含まれる。
【0052】
ヘテロシクリル基には、3個以上の環構成原子を含有し、そのうちの1つまたは複数がヘテロ原子(例えば、N、OおよびSなど、ただしこれらに限定されない)である芳香族環化合物および非芳香族環化合物が含まれる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は3個〜20個の環構成原子を含有し、これに対して、他のそのような基は3個〜15個の環構成原子を有する。表現「ヘテロシクリル基」には、縮合した芳香族基および非芳香族基を含む縮合環を含む様々な縮合環化学種が含まれる。この表現にはまた、ヘテロ原子を含有する多環式の環系(例えば、キヌクリジルなど、ただしこれらに限定されない)が含まれる。しかしながら、この表現には、環構成原子の1つに結合する他の基(例えば、アルキル基またはハロゲン基など)を有するヘテロシクリル基は含まれない。むしろ、これらは「置換されたヘテロシクリル基」として示される。ヘテロシクリル基には、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、ピリジニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ジヒドロベンゾフラニル基、インドリル基、ジヒドロインドリル基、アザインドリル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、アザベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イソオキサゾロピリジニル基、チアナフタレニル基、プリニル基、キサンチニル基、アデニニル基、グアニニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、キノキサリニル基およびキナゾリニル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換されたヘテロシクリル基は一置換または2回以上置換され得る(例えば、上記で列挙された基などの基により2−置換、3−置換、4−置換、5−置換または6−置換されるか、あるいは、二置換されるピペリジニル基またはキノリニル基など、ただしこれらに限定されない)。
【0053】
ヘテロアリール基は、5個以上の環構成原子を含有し、そのうちの1つまたは複数がヘテロ原子(例えば、N、OおよびSなど、ただしこれらに限定されない)である芳香族環化合物である。ヘテロアリール基には、ピロリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、ピリジニル基、チオフェニル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、アザインドリル基、インダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、アザベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、イミダゾピリジニル基、イソオキサゾロピリジニル基、チアナフタレニル基、プリニル基、キサンチニル基、アデニニル基、グアニニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基、キノキサリニル基およびキナゾリニル基が含まれるが、これらに限定されない。表現「ヘテロアリール基」には、縮合環化合物(例えば、インドリルおよび2,3−ジヒドロインドリルなど)が含まれるが、この表現には、環構成原子の1つに結合する他の基(例えば、アルキル基など)を有するヘテロアリール基は含まれない。むしろ、そのような置換基を有するヘテロアリール基は「置換されたヘテロアリール基」として示される。代表的な置換されたヘテロアリール基は、上記で列挙された基などの基により1回または複数回、置換され得る。
【0054】
アリール基およびヘテロアリール基のさらなる例には、フェニル、ビフェニル、インデニル、ナフチル(1−ナフチルおよび2−ナフチル)、N−ヒドロキシテトラゾリル、N−ヒドロキシトリアゾリル、N−ヒドロキシイミダゾリル、アントラセニル(1−アントラセニル、2−アントラセニル、3−アントラセニル)、チオフェニル(2−チオフェニル、3−チオフェニル)、フリル(2−フリル、3−フリル)、インドリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、キナゾリニル、フルオレニル、キサンテニル、イソインダニル、ベンズヒドリル、アクリジニル、チアゾリル、ピロリル(2−ピロリル)、ピラゾリル(3−ピラゾリル)、イミダゾリル(1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、トリアゾリル(1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサゾリル(2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、チアゾリル(2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピラジニル、ピリダジニル(3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル)、キノリル(2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、8−イソキノリル)、ベンゾ[b]フラニル(2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4−ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル(2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、7−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル))、ベンゾ[b]チオフェニル(2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニル、7−ベンゾ[b]チオフェニル)、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル(2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、7−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル))、インドリル(1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、インダゾール(1−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル、6−ベンゾイミダゾリル、7−ベンゾイミダゾリル、8−ベンゾイミダゾリル)、ベンゾオキサゾリル(1−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(1−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、カルバゾリル(1−カルバゾリル、2−カルバゾリル、3−カルバゾリル、4−カルバゾリル)、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−1−イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−3イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−4イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−1−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−3−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−4−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5イル)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
ヘテロシクリルアルキル基は、アルキル基の水素結合または炭素結合が、上記で定義されるようなヘテロシクリル基に対する結合により置き換えられる、上記で定義されるようなアルキル基である。代表的なヘテロシクリルアルキル基には、フラン−2−イルメチル、フラン−3−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、テトラヒドロフラン−2−イルエチルおよびインドール−2−イルプロピルが含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
ヘテロアラルキル基は、アルキル基の水素結合または炭素結合が、上記で定義されるようなヘテロアリール基に対する結合により置き換えられる、上記で定義されるようなアルキル基である。
【0057】
用語「アルコキシ」は、上記で定義されるようなアルキル基につながった酸素原子を示す。直鎖アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。分枝状アルコキシの例には、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペンチルオキシおよびイソヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。環状アルコキシの例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0058】
用語「アリールオキシ」および用語「アリールアルコキシ」は、酸素原子に結合したアリール基、および、アルキルにおいて酸素原子に結合したアラルキル基をそれぞれ示す。例には、フェノキシ、ナフチルオキシおよびベンジルオキシが含まれるが、これらに限定されない。
【0059】
用語「アルカノイル」は、単独または別の基の一部としてであっても、カルボニル基に連結されたアルキルを示す。
【0060】
用語「アミン」(または用語「アミノ」)には、例えば、−NRの式を有する第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミンが含まれる。RおよびRはそれぞれの存在において、独立して、水素、あるいは、本明細書中で定義されるような置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、arlkyl基、ヘテロシクリル基またはヘテロシクリルアルキル基である。従って、アミンには、−NH、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミンおよびヘテロシクリルアミンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0061】
用語「アミド」(“amide”または“amido”)には、C−アミド基およびN−アミド基、すなわち、それぞれ、−C(O)NR基および−NRC(O)R基が含まれる。RおよびRは独立して、水素、あるいは、本明細書中で定義されるような置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、arlkyl基、ヘテロシクリル基またはヘテロシクリルアルキル基である。従って、アミド基には、カルバモイル基(−C(O)NH)およびホルムアミド基(−NHC(O)H)が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
用語「ウレタン」(または用語「カルバミル」)には、N−ウレタン基およびO−ウレタン基、すなわち、それぞれ、−NR10C(O)OR11基および−OC(O)NR1011基が含まれる。R10およびR11は独立して、水素、あるいは、本明細書中で定義されるような置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、arlkyl基またはヘテロシクリル基である。
【0063】
用語「スルホンアミド」(“sulfonamide”または“sulfonamido”)には、S−スルホンアミド基およびN−スルホンアミド基、すなわち、それぞれ、−SONR1213基および−NR12SO13基が含まれる。R12およびR13は独立して、水素、あるいは、本明細書中で定義されるような置換または非置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、arlkyl基またはヘテロシクリル基である。従って、スルホンアミド基には、スルファモイル基(−SONH)が含まれるが、これに限定されない。
【0064】
本明細書において示されるすべての刊行物、特許出願、発行された特許、および、他の文書は、それぞれの個々の刊行物、特許出願、発行された特許、または、他の文書が、その全体において参考として組み込まれることが具体的および個々に示されていたかのように参考として本明細書中に組み込まれる。参考として組み込まれた本文に含有される定義は、それらが本開示における定義と矛盾する場合に限って除外される。
【0065】
本発明は、このように一般的に記載されているが、下記の実施例を参照することによってより容易に理解され、この場合、下記の実施例は例示として提供され、本発明の限定であることは意図されない。
【実施例】
【0066】
実施例1
2−(ベンジルオキシカルボニル−R−アミノ)酢酸メチルエステルの合成
【0067】
【化30】

工程a−第一級アミン(1当量(eq))が(アミンの1M〜1.5Mの濃度を得るために)MTBEおよびHO(2:3)に溶解され、KCO(4eq)を含有する二相溶液に、室温での激しい撹拌とともに、ブロモ酢酸メチル(1.5eq)を加える。反応をTLC(DCMにおける5%MeOH、これはIによって可視化される)およびLCMSによってモニターする。反応は典型的には、およそt=2時間で完了している。
【0068】
工程b−1aを含有する工程(a)由来の二相溶液を氷浴で冷却し、Cbz−Cl(1eq)を加える。フラスコを氷浴から除き、さらに20分間撹拌する。反応液をHO(生成物1mmolあたり3mL〜4mL)により希釈し、MTBEにより抽出する(3回、生成物1mmolあたり4mL〜5mL)。有機層を一緒にし、2N HClにより洗浄した(3回、生成物1mmolあたり6mL〜7mL)。1bの溶液を約0.5M〜1Mに濃縮し、下記の反応において“そのまま”使用した。この2工程手順は、上記で示された不純物の直接的な除去を可能にした。この不純物は、第二級アミンを保護しない手法を使用する場合、アルキル化反応の後で除くことが困難である。この経路を使用する場合、2N HClによる酸性洗浄により、ジアルキル化された不純物が除かれる。
【0069】
実施例2
2−(ベンジルオキシカルボニル−R−アミノ)酢酸の合成
【0070】
【化31】

工程c−1b(理論的には1eq)のMTBEにおける溶液(約0.5M〜1M)に、NaOHを含有する水溶液(HOにおいて2eq、約2M)を加える。反応混合物を約2時間にわたって加熱還流する。濁ったエマルションを室温に冷却し、0.2N NaOH溶液(生成物1mmolあたり3mL〜4mL)およびさらなるMTBE(生成物1mmolあたり3mL〜4mL)により希釈する。得られた二相溶液を激しく30分間撹拌し、有機層を除き、水層をさらなるMTBE(生成物1mmolあたり3mL〜4mL)により洗浄し、その後、1N HCl(生成物1mmolあたり約2mL〜3mL)により酸性化する。得られた乳白色の懸濁物をMTBEにより抽出し(3回、生成物1mmolあたり6mL〜7mL)、有機層を一緒にし、ブライン(40mL)により洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、2を、例えば、高収率で泡状の白色固体として得る。
【0071】
実施例3
(2R)−1−{2−[ベンジルオキシカルボニル−R−アミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステルの合成
【0072】
【化32】

工程d−2(1eq)がMeTHFおよびイソブチルクロロホルマート(0.98eq)に溶解された氷冷溶液(約1M)に、NMM(1.5eq)を2分かけて滴下して加える。このとき、白色の沈殿物が典型的には形成される。この混合物を0℃で10分間撹拌し、続いて、固体のHCl boroPro−(+)−ピナンジオール6B(0.98eq)をさらなるNMM(1.5eq)と一緒に加える。氷浴を除き、反応液を45分間撹拌し、その後、NaHCO溶液(生成物1mmolあたり約3mL〜4mL)により反応停止させ、MTBEにより抽出する(3回、生成物1mmolあたり約15mL)。有機分画物を一緒にし、1N HCl(2回、生成物1mmolあたり約15mL)、続いて、ブライン(生成物1mmolあたり約15mL)により洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、3を、例えば、高収率で泡状の白色固体として得る。
【0073】
実施例4
(2R)−1−{2−[R−アミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステルの合成
【0074】
【化33】

工程e−多量のN(g)が流される3(1eq)のメタノール性溶液に、触媒量のパラジウム担持炭素(10%)を加える。その後、反応フラスコを真空下で排気し、H(g)を風船によって導入する。フラスコをもう一度、真空下で排気し、H(g)を再び風船によって導入する。この手順をさらに一回繰り返して、Hによる何らかの残存ガスの完全な置換を確実にする。反応混合物を激しく2時間撹拌する。TLC(DCMにおける5%MeOH、これはIによって可視化される)により、すべての出発物質が消費されることが示された後、フラスコにN(g)を流し、反応液をろ過し、濃縮して、4を、例えば、ほぼ定量的な収率で白色固体として得る。
【0075】
実施例5
(2R)−1−{2−[R−アミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸の合成
【0076】
【化34】

工程f−4(1eq)が水に溶解された溶液(約0.3M〜0.5M)に、フェニルボロン酸(1.05eq)およびMTBE(反応物1mmolあたり約7mL〜8mL)を加える。この二相溶液を激しく撹拌する。MTBE層をデカンテーションによって定期的に除き、さらなるMTBEを加え、続いて、激しく撹拌する。脱保護をLCMSによってモニターする。さらなるフェニルボロン酸を、反応を完了させるために必要に応じて加えることができる。脱保護はLCMSによってモニターすることができる。数回の洗浄およびデカンテーションの後、脱保護が完了しており、その後、水層をイソプロピルアルコール(生成物1mmolあたり約7mL〜8mL)により希釈し、真空下で濃縮する。残渣を、さらに2回、共沸乾燥して、残留する水を除き、その後、最後に、ガラス状の透明な固体をイソプロピルアルコール(生成物1mmolあたり1mL)で希釈し、これに酢酸イソプロピル(生成物1mmolあたり約7mL〜8mL)を加える。酢酸イソプロピルを加えたとき、白色の固体が典型的にはフラスコの側壁に現れる。その後、溶媒を真空下で除いて、白色の沈殿物を得る。沈殿物をフラスコの側壁からかき取り、酢酸イソプロピル(生成物1mmolあたり約4mL〜5mL)に懸濁し、真空下で濃縮する。このプロセスをさらに2回繰り返し、続いて、高真空下で乾燥して、5を、例えば、白色固体として得る。
【0077】
実施例6
(2R)−1−{2−[R−アミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸の合成のための代替合成手順
合成スキーム
【0078】
【化35】

実施例6A
3−(R)−(ベンジルオキシカルボニル−カルボキシメチル−アミノ)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル3B
反応器Aに、(R)−Cbz−3−アミノピロリジン塩酸塩10A(1kg)と、MTBE(3kg)と、炭酸カリウム(2.6kg)を水(5kg)に溶解した溶液とを仕込んだ。混合物を0℃〜10℃の間に冷却し、ブロモ酢酸メチル(0.9kg)を撹拌とともに加え、続いて、MTBE(0.2kg)を加え、その後、反応器の温度を20℃〜25℃の間に加温した。4時間後、反応器を0℃〜10℃の間に冷却し、クロロギ酸ベンジルを、バッチ処理温度を15℃未満で維持しながら加え、続いて、MTBE(0.2kg)を加えた。混合物を20℃〜25℃の間に加温し、撹拌を1時間続けた。撹拌を止め、有機層を単離し、水(2kg)により洗浄し、次いで、3N塩酸(2L)により2回洗浄して、中間体20Aを得た。反応器に50%(w/w)水酸化ナトリウム(1kg)および水(4kg)を仕込み、反応器を2時間にわたって加熱還流し(約55℃)、その後、20℃〜25℃の間に冷却した。有機相を捨て、水相をMTBE(2kg)により2回洗浄し、0℃〜5℃の間に冷却し、その後、バッチ処理温度を35℃未満で維持しながら37%(w/w)塩酸(1.2kg)で処理した。水相をジクロロメタン(2.7kg)により2回抽出した。有機相を集め、約1リットルの体積に濃縮し、その後、2回、ジクロロメタン(4kg)により希釈し、約1リットルの体積に濃縮して、3−(R)−(ベンジルオキシカルボニル−カルボキシメチル−アミノ)−ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル3Bのジクロロメタンにおける溶液を得た。
【0079】
実施例6b
(2R)−1−{2−[(3R)−ピロリジニルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル8B
(2R)−boroPro−(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステルHCl塩6B(16.56kg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.36kg)、メチルモルホリン(20.64kg)、3−(R)−(ベンジルオキシカルボニル−カルボキシメチル−アミノ)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル3B(98.36kg)およびジクロロメタン(213.6kg)を窒素雰囲気下の反応器に仕込み、0℃〜5℃に冷却し、その後、EDCI(12.24kg)を加え、混合物を、温度を0℃〜5℃で維持しながら撹拌した。4時間後、反応器を20℃〜25℃に加温し、撹拌を6時間続けた。反応混合物を、反応器の温度を25℃以下で維持しながら真空下で蒸留して、110リットルの最終体積にした。反応器に水(96kg)およびクエン酸(1.2kg)を仕込み、15分間撹拌し、その後、水層を捨てた。反応器に水(225.6kg)および重炭酸ナトリウム(15.36kg)を仕込み、15分間撹拌し、その後、水層を捨てた。反応器に酢酸エチル(283.2kg)を仕込み、温度を20℃〜25℃で安定化させ、その後、7%重炭酸ナトリウム水溶液(134.4kg)を加え、混合物を10分間撹拌し、その後、水層を捨てた。このプロセスを、7%重炭酸ナトリウム水溶液(64.8kg)を用いて繰り返した。反応器に水(96kg)およびクエン酸(1.2kg)を仕込み、10分間撹拌し、その後、水層を捨てた。反応混合物を20℃〜35℃において真空下で濃縮して、約41リットルの最終体積にした。
【0080】
7Bを含有する反応器にメタノール(48kg)を仕込み、温度を20℃〜25℃で安定化させ、窒素雰囲気を確立した。窒素雰囲気下にある別の反応器において、5%パラジウム担持炭素(1.92kg)およびメタノール(100.8kg)を仕込み、その後、このメタノール反応混合物を加えた。反応器に水素を吹き込み、水素の陽圧を撹拌とともに維持した。4時間後、窒素雰囲気を確立し、反応器に無水硫酸ナトリウム(40.8kg)を仕込んだ。反応混合物をろ過し、ろ液および反応器をメタノール(24kg)によりすすいだ。反応混合物を、温度を20℃〜35℃の間で維持しながら真空下で濃縮して、約48リットルの最終体積にした。溶媒交換を、酢酸エチル(211kg)を加え、次いで、反応器の温度を20℃〜35℃で維持しながら真空下で約79リットルの最終体積に濃縮することからなる2回のサイクルにより行った。反応混合物を−5℃〜−10℃の間に冷却し、その後、ろ過した。ケークを40℃の最高温度において真空下で乾燥して、カップリング物の(2R)−1−{2−[(3R)−ピロリジニルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル8Bを得た(14.98kg)。
【0081】
実施例6c
(2R)−1−{2−[(3R)−ピロリジン−3−イルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸のモノL−酒石酸塩9T
(2R)−1−{2−[(3R)−ピロリジン−3−イルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸(1S,2S,3R,5S)−ピナンジオールエステル8B(12.5kg)、L−酒石酸(5kg)および精製水(25kg)を窒素雰囲気下の反応器に仕込んだ。反応混合物を30℃未満で1時間撹拌し、その後、フェニルボロン酸(4.13kg)およびMTBE(46.3kg)を加え、混合物を15℃〜25℃で2時間撹拌した。水相を集め、2−メチルテトラヒドロフラン(53.8kg)で10分間撹拌して処理し、その後、水相を単離した。これを4回繰り返した。水相を、35℃〜50℃の間の温度で2時間以上、真空下で濃縮した。濃縮された水相を凍結乾燥して、(2R)−1−{2−[(3R)−ピロリジン−3−イルアミノ]アセチル}ピロリジン−2−ボロン酸のモノL−酒石酸塩9Tを得た。
【0082】
本発明が、当業者が本発明を行い使用するために十分に詳しく記載および例示されているが、様々な代替、改変および改善が、請求項の精神および範囲から逸脱することなく当業者には明らかである。
【0083】
本明細書中に例示的に記載される本発明は、本明細書中に具体的には開示されていない何らかの要素(1つまたは複数)、限定(1つまたは複数)が存在しない場合でも好適に実施することができる。用いられている用語および表現は、限定の用語としてではなく、記述の用語として使用され、従って、そのような用語および表現の使用では、示された特徴および記載された特徴の何らかの均等物またはその一部を除外するという意図は全くなく、しかし、様々な改変が、特許請求される発明の範囲の範囲内において可能であることが認識される。従って、本発明は好ましい実施形態および場合に応じた特徴によって具体的に開示されているが、本明細書中に開示される概念の改変および変化が当業者によって用いられ得ること、また、そのような改変および変化は、添付された請求項によって定義されるような本発明の範囲の範囲内であると見なされることを理解しなければならない。
【0084】
加えて、本発明の様々な特徴または態様がマーカッシュ群に関して記載される場合、当業者は、本発明がまた、それにより、マーカッシュ群の任意の個々の構成要素または構成要素の部分群に関して記載されることを認識する。例えば、Xが、臭素、塩素およびヨウ素からなる群から選択されるとして記載されるならば、Xが臭素であることについての請求項、および、Xが臭素および塩素であることについての請求項が完全に記載される。
【0085】
本明細書中でなされるすべての参照および引用は、完全に再現されたかのように本明細書中に組み込まれる。そのような参照および引用からの一節はすべてが、本明細書中に記載されるいずれかの態様、特徴または細部のために適用可能であると見なされる。
【0086】
他の実施形態が下記の請求項において示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式Iの化合物:
【化1】

を、下記の式IIの化合物:
【化2】

とカップリングして、下記の式IIIの化合物:
【化3】

を得ること
を含み、
上記の式において、
Aが、OH、または、アミンによって置換され得る基であり;
PrがN保護基であり;
が、ヘテロ原子を場合により含有する置換または非置換の炭化水素基であり;かつ
およびRが独立して、または、一緒になって、ヒドロキシルに加水分解され得る基である、方法。
【請求項2】
式Iの化合物を、
式IV、R−NHの化合物を、塩基の存在下、式V、L−CH−COOR’の化合物によりアルキル化して、式VI、R−NH−CH−COOR’の化合物を得ること(式中、Lは脱離基であり、Rは以前に定義された通りであり、かつ、R’はカルボキシル保護基である);
第二級アミンを保護して、式VII、R−N(Pr)−CH−COOR’を得ること;および
式VIIの化合物を式Iの化合物に変換すること
によって調製することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Lが、Cl、Br、I、メシラートまたはトリフラートである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
R’が、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基である、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
R’が、メチル、エチル、t−ブチル、アリルまたはベンジルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムである、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
式VIIの化合物が、AがOHである式Iの化合物に塩基により加水分解される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第二級アミンの前記保護が置換または非置換のアルコキシクロロホルマートまたはアリールオキシクロロホルマートにより行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
AがOHであり、かつ、前記カップリングが、カップリング剤を使用して行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記カップリング剤が、DCC、DIC、EDCI、HATU、BOP、BOP−Cl、PyBOPまたはPyBrOPである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記カップリングがカップリング添加剤の存在下で行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記カップリング添加剤が、HOBt、HOAtまたはDMAPである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記カップリングが塩基の存在下で行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項14】
前記塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはN−メチルモルホリンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
Aが、イミダゾリル、F、Cl、Br、I、アジド、ペンタフルオロフェノキシ、p−ニトロフェノキシ、N−オキシスクシンイミドまたはOC(O)OR(式中、Rは置換または非置換のC1〜8アルキルである)から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項16】
Prが、ベンジル、Cbz、Boc、Fmoc、AllocまたはTeocである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項17】
が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、ヘテロシクリル基、ヘテロシクリルアルキル基、ヘテロアリール基またはヘテロアリールアルキル基である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
が、
a)(C1〜12)アルキル、(C2〜12)アルケニル、(C2〜12)アルキニル、(C3〜12)シクロアルキルまたは(C3〜12)シクロアルケニル(ただし、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびシクロアルケニル基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換され、かつ、前記アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分は直鎖または分枝鎖を含み、また、環状部分を含むことができる);
は、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルコキシ、シクロアルキル、カルボキシ、アセトアミド、シアノ、ニトロ、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、スルファモイル、スルホンアミド、カルバモイル、アリール、ヘテロアリール(ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される)、アミノ(ただし、前記アミノ基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される)、−SOR、−SO、−COR、−CO、−CONHR、−CON(R、−ORまたは−S−Rである;
は、ハロゲン、(C1〜10)アルキル、(C1〜10)アルコキシ、(C1〜10)アルキルアミノ、(C1〜10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシル、スルファモイル、スルホンアミドまたはカルバモイルである;
は、(C1〜10)アルキル、(C2〜10)アルケニル、(C2〜10)アルキニル、(C3〜10)シクロアルキル、(C5〜10)シクロアルケニル、ベンジル、フェネチル、アリールまたはヘテロアリールであり、ただし、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基は場合により、アリールまたはヘテロアリールにより一置換または独立して多置換される(この場合、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される;および、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される);
b)(C3〜10)シクロアルキルに場合により縮合するアリール、または、(C3〜10)シクロアルキルに場合により縮合するヘテロアリール(ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される);
c)インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、(CHアダマンチル(ただし、jは0〜3である)、または、[2.2.1]もしくは[3.1.1]の二環式炭素環部分(4−ペンチルビシクロ[2.2.2]オクタ−1−イル)アミンを含む)(ただし、前記インダニル部分、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル部分、(CHアダマンチル部分、および、[2.2.1]または[3.1.1]の二環式炭素環部分は場合により、ヒドロキシ、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、(C1〜8)アルカノイルオキシまたはR10N−CO−O−(式中、RおよびR10は独立して、(C1〜8)アルキルまたはフェニルであり、前記アルキル基およびフェニル基は場合により、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルにより一置換または独立して多置換されるか、あるいは、RおよびR10は一緒になって、(C3〜6)アルキレンである)により一置換または独立して多置換される);
d)R11(CH−(式中、R11は2−オキソピロリジニルである)、(C1〜6)アルコキシ、フェニル、フェノキシ、(C1〜8)シクロアルキル、[3.3.3]の二環式炭素環部分、ピリジニル、ナフチル、シクロヘキセニルまたはアダマンチル(ただし、前記2−オキソピロリジニル基、(C1〜6)アルコキシ基、フェニル基、ピリジニル基およびナフチル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換または独立して三置換される;前記フェノキシ基は場合により、(C1〜4)アルキル、(C1〜4)アルコキシまたはハロゲンにより一置換または独立して二置換される;および、前記[3.3.3]の二環式炭素環部分は場合により、(C1〜8)アルキルにより一置換または独立して多置換される;および、pは0〜3である;
12は、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)アルコキシ、シクロアルキル、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、ヒドロキシ(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、トリフルオロメトキシ、スルファモイル、カルバモイル、スルホンアミド、アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、アリール、ヘテロアリールであり、ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される);
e)(R13CH(CH−(式中、R13はフェニルであり、前記フェニル基は独立して場合により、R12により一置換または独立して二置換され、qは0〜3である);
f)下記式の基:
【化4】

(式中、R14およびR15は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、(C3〜12)シクロアルキル環、(C3〜12)シクロアルケニル環、ベンジル、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記シクロアルキル環は場合により、ヒドロキシ(C1〜6)アルキルにより置換され、また、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R14およびR15は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、rは2〜6である);
g)下記式の基:
【化5】

(式中、R16およびR17はそれぞれが独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R16およびR17は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、sは1〜6である);
h)下記式の基:
【化6】

(式中、R18およびR19は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、ベンジル、ベンゾチアゾール、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ベンゾチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R18およびR19は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、それぞれのtは独立して0〜6である;および、uは0〜3である);
i)下記式の基:
(フェニル−CH−C(CH−)
(式中、フェニル基は場合により、R12により一置換または独立して多置換される);
j)下記式の基:
【化7】

(式中、R20はN保護基であるか、あるいは、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、(C3〜8)シクロアルキルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、(C1〜6)アルキルオキシカルボニル、arlkylオキシカルボニル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニル置換チアゾール環、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ただし、これらはそれぞれが場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは非存在であるか、あるいは、ハロゲン、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、O−アルキルカルボキシラート、O−アラルキルカルボキシラート、N−アルキルカルボキサミド、N−アラルキルカルボキサミドまたはフェニルである;
sは1〜6である;tは0〜6である;および、uは0〜3である);または
k)下記式の基:
【化8】

(式中、R21は、水素、(C1〜8)アルキル、ベンジルまたはフェニルであり、ただし、前記ベンジル基およびフェニル基は場合により、環において、R12により一置換または独立して二置換される;それぞれのtは独立して0〜6である;および、uは0〜3である);および
l)アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシビシクロアルキル、ヒドロキシトリシクロアルキル、ビシクロアルキルアルキル、アルキルビシクロアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキル(ただし、これらはすべてが場合により、ハロゲン、アルキル、ポリハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ポリハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロアリールアミノ、アリールアミノ、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキニルアミノ−カルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニル、アミノスルフィニル、アミノスルホニル、アルキルスルフィニル、スルホンアミドまたはスルホニルにより一置換または独立して多置換される)
である、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
が、
a)(C3〜10)シクロアルキルに場合によりに縮合するアリール、または、(C3〜10)シクロアルキルに場合によりに縮合するヘテロアリール(ただし、前記アリール基およびヘテロアリール基は場合により、Rにより一置換または独立して多置換される);
は、ハロゲン、(C1〜10)アルキル、(C1〜10)アルコキシ、(C1〜10)アルキルアミノ、(C1〜10)ジアルキルアミノ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヒドロキシル(C1〜6)アルキル、ヒドロキシメチル、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、N−ヒドロキシイミノ、シアノ、カルボキシ、アセトアミド、ヒドロキシ、スルファモイル、スルホンアミドまたはカルバモイルである);
b)R11(CH−(式中、R11は2−オキソピロリジニルである)、(C1〜6)アルコキシ、フェニル、フェノキシ、(C1〜8)シクロアルキル、[3.3.3]の二環式炭素環部分、ピリジニル、ナフチル、シクロヘキセニルまたはアダマンチル(ただし、前記2−オキソピロリジニル基、(C1〜6)アルコキシ基、フェニル基、ピリジニル基およびナフチル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換または独立して三置換される;前記フェノキシ基は場合により、(C1〜4)アルキル、(C1〜4)アルコキシまたはハロゲンにより一置換または独立して二置換される;および、前記[3.3.3]の二環式炭素環部分は場合により、(C1〜8)アルキルにより一置換または独立して多置換される;および、pは0〜3である);
c)下記式の基:
【化9】

(式中、R14およびR15は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、(C3〜12)シクロアルキル環、(C3〜12)シクロアルケニル環、ベンジル、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記シクロアルキル環は場合により、ヒドロキシ(C1〜6)アルキルにより置換され、また、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R14およびR15は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、rは2〜6である);
d)下記式の基:
【化10】

(式中、R18およびR19は独立して、水素、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、ベンジル、ベンゾチアゾール、ベンゾイル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ベンゾチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換されるか、あるいは、R18およびR19は一緒になって、(C3〜12)シクロアルキル環を形成する;および、それぞれのtは独立して0〜6である;および、uは0〜3である);
e)下記式の基:
【化11】

(式中、R20はN保護基であるか、あるいは、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、(C3〜8)シクロアルキルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、(C1〜6)アルキルオキシカルボニル、arlkylオキシカルボニル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニル置換されたチアゾール環、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ただし、これらはそれぞれが場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは非存在であるか、あるいは、ハロゲン、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、O−アルキルカルボキシラート、O−アラルキルカルボキシラート、N−アルキルカルボキサミド、N−アラルキルカルボキサミドまたはフェニルである;
sは1〜6である;tは0〜6である;および、uは0〜3である)
である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
が、下記式の基:
【化12】

(式中、R20はN保護基であるか、あるいは、(C1〜8)アルキル、(C1〜6)アルキルカルボニル、ジ−(C1〜6)アルキルアミノカルボニル、(C3〜8)シクロアルキルカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、(C1〜6)アルキルオキシカルボニル、arlkylオキシカルボニル、ピリジン、ピリミジン、フェニル、フェニル置換されたチアゾール環、フェニルアミノカルボニル、アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルであり、ただし、前記ベンジル基、ベンゾイル基、ピリジン基、ピリミジン基、フェニル基、フェニルアミノカルボニル基、アルキルスルホニル基およびフェニルスルホニル基は場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ただし、これらはそれぞれが場合により、R12により一置換または独立して二置換される;Rは非存在であるか、あるいは、ハロゲン、(C1〜8)アルキル、(C1〜8)アルコキシ、O−アルキルカルボキシラート、O−アラルキルカルボキシラート、N−アルキルカルボキサミド、N−アラルキルカルボキサミドまたはフェニルである;
sは1〜6である;tは0〜6である;および、uは0〜3である)
である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
20が、ベンジル、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニルまたはフェニルスルホニルである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
uが1または2である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
tが0または1である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
が、水素、メチル、トリフルオロメチル、エチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、ブチル、フェニルまたはベンジルであり、ただし、前記フェニルおよびベンジルは場合により、ペルフルオロ化されるか、あるいは、F、Cl、Br、I、R’、OR’、CN、SH、NO、NR’、COOR’、CF、OCF、SR’、S(O)R’またはS(O)R’から独立して選択される1個、2個または3個の基により置換され、ただし、R’はHであるか、あるいは、FおよびClからなる1つまたは複数の基で場合により置換されるC1〜4アルキルである、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
が非存在である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
14およびR15が独立して、メチル、エチル、ベンジル、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニル、フェニルスルホニルであるか、あるいは、R14およびR15の一方が水素であり、かつ、他方が、Cbz、Boc、Fmoc、Alloc、Teoc、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、シクロヘキシルカルボニル、フェニルスルホニルである、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ビシクロアルキル、トリシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルシクロアルキル、ヒドロキシシクロアルキル、ヒドロキシビシクロアルキル、ヒドロキシトリシクロアルキル、ビシクロアルキルアルキル、アルキルビシクロアルキル、アルキルチオアルキル、アリールアルキルチオアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロヘテロアルキルまたはシクロヘテロアルキルアルキルであり、ただし、これらはすべてが場合により、ハロゲン、アルキル、ポリハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ポリハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ポリシクロアルキル、ヘテロアリールアミノ、アリールアミノ、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ニトロ、シアノ、アミノ、置換アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキニルアミノ−カルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニル、アミノスルフィニル、アミノスルホニル、アルキルスルフィニル、スルホンアミドまたはスルホニルにより一置換または独立して多置換される、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
およびRが独立して、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシまたはn−ブトキシであるか、あるいは、一緒になって、1,2−ジオキサエチレン、1,3−ジオキサプロピレン、2,3−ジメチル−2,3−ジオキサブタンまたはピナンジオキシである、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記カップリングが溶媒の存在下で行われる、請求項1〜27のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記溶媒が、水、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、または、それらのいずれか2つ以上の混合物である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
Prを除くことをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項32】
PrがCbzであり、水素化分解によって除かれる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
PrがBocであり、酸分解によって除かれる、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
およびRをヒドロキシルに加水分解することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
およびRをヒドロキシルに加水分解することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項36】
前記加水分解が、フェニルボロン酸、水およびエーテルの存在下で行われる、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記エーテルが、tertブチルメチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、または、その混合物である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
が、下記式の基:
【化13】

(式中、波線はR配置またはS配置あるいはその組み合わせを示す)
である、請求項20に記載の方法。
【請求項39】
N−保護−3−(N−保護−カルボキシメチルアミノ)ピロリジンの名称を有し、かつ、下記式の構造:
【化14】

(式中、PrはN保護基であり、波線はR配置またはS配置あるいはその組み合わせを示す)
を有する中間体化合物。

【公表番号】特表2009−503077(P2009−503077A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525055(P2008−525055)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/029451
【国際公開番号】WO2007/016356
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(506159943)フェノミックス コーポレーション (8)
【氏名又は名称原語表記】PHENOMIX CORPORATION
【Fターム(参考)】