説明

視線誘導標の設置構造及びこの設置構造に用いられる視線誘導標

【課題】視線誘導の機能を安全に継続できる視線誘導標の設置構造と、これに用いる視線誘導標を提供する。
【解決手段】一の方向へ向けて再帰反射面を設けた反射体5と、発光ダイオードと、この発光ダイオードから発する光を集光レンズで集光して前記再帰反射面とは逆の方向へ向けて放出させる投光部6とを備えた、第一の視線誘導標と第二の視線誘導標とを、相互に間隔をあけ且つ投光部6を車両の進行方向へ向けて列設させ、第二の視線誘導標の後方に設置させた第一の視線誘導標の投光部6から放出させた光が、第一の視線誘導標の前方に設置させた第二の視線誘導標の反射体5の再帰反射面へ投射させる。当初車両の進行方向である前方へ向けて光を投射するように設けられたものであることから、投射された光が道路を走行する車両の運転手の目に直接入るような問題が生じにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の主に路肩や中央分離帯などに設置され、車両の運転者の視線を誘導する視線誘導標の設置構造と、この設置構造に用いられる視線誘導標に関するものである。
【背景技術】
【0002】
路肩などに設置されて、発する光により、走行する車両の運転手へ道路の線形などを示す交通安全製品は、従来より種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば特許文献1には、ガードレール上に設置され、且つ、該ガードレールの長さ方向に沿って赤色レーザ・ビームが発せられるレーザ発振器と、該レーザ発振器に対向位置し、前記赤色レーザ・ビームを前記レーザ発振器側に向けて反射せしめる反射ミラーを設置して成る車両誘導装置、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−030900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の如き車両誘導装置は、濃霧や排気ガスの粒子に反射するレーザ・ビームの光を利用して、形成される光の帯を車両運転手等に視認させるものであるが、車両や飛来物などが接触する等して、発せられるレーザ・ビームの向きがずれたときに、車両運転手の目に入って損傷させ、事故を生じさせるなどの可能性があるという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、視線誘導の機能を安全に継続できる視線誘導標の設置構造と、これに用いる視線誘導標を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る視線誘導標の設置構造は、一の方向に向けて再帰反射面が設けられた反射体と、発光ダイオードと、該発光ダイオードから発せられた光を集光レンズで集光して前記再帰反射面とは逆の方向へ向けて放出させる投光部とを備えた、第一の視線誘導標と第二の視線誘導標とが、相互に間隔をあけ且つ前記投光部を車両の進行方向に向けて列設されて、前記第二の視線誘導標の後方に設置された第一の視線誘導標の投光部から放出された光が、第一の視線誘導標の前方に設置された第二の視線誘導標の前記反射体の再帰反射面へ投射されるようになされていることを特徴としている。
【0008】
一の方向に向けて再帰反射面を設けた反射体と、発光ダイオードと、この発光ダイオードの発する光を集光レンズで集光して前記再帰反射面とは逆の方向へ向けて放出させる投光部とを備えた、第一の視線誘導標と第二の視線誘導標とを、相互に間隔をあけ且つ前記投光部を車両の進行方向に向けて列設させて、前記第二の視線誘導標の後方に設置させた第一の視線誘導標の投光部から放出させた光を、第一の視線誘導標の前方に設置させた第二の視線誘導標の前記反射体の再帰反射面へ投射させるので、前記第一の視線誘導標の投光部と前記第二の視線誘導標の反射体との間において、霧や降雨、排気ガスなどの粒子等が光に照射されることにより光の帯が形成され、道路を走行する車両運転手等に対して道路の線形を明確に認識させることができる。
また、前記第一の視線誘導標の投光部からの光を前記第二の視線誘導標の前記反射体の再帰反射面へ投射させるので、前記反射体より前記投光部方向へ再帰反射された光が、前記光の帯の形成に寄与する。
また、車両の接触などによって第一の視線誘導標の向きがずれ、前記投光部からの光の向きがずれたときでも、当初車両の進行方向である前方へ向けて光を投射するように設けられたものであることから、投射された光が道路を走行する車両の運転手の目に直接入るような問題が生じにくくなされる。
また、前記第一の視線誘導標の投光部からの光を前記第二の視線誘導標の前記反射体の再帰反射面へ投射させるので、車両の接触などによって第二の視線誘導標の向きがずれたときでも、投射された光を光源である第一の視線誘導標の前記投光部の方向以外への反射がなされにくく、反射された光が道路を走行する車両の運転手の目に直接入るような問題が生じにくくなされると共に、本来の道路の線形とは異なる位置に光の帯を形成して車両運転手に誤った認識をさせるなどの問題が生じにくい。
【0009】
また、前記第一の視線誘導標の前記発光ダイオードが発する光を集光レンズによって集光させて前記投光部から放出させるので、レーザ・ビームなどと異なり、投光部からの光が車両運転手などの目に直接入るなどしても、目を損傷させるような問題が生じにくくなされる。
また、前記第一の視線誘導標と、第二の視線誘導標がそれぞれ車両の進行方向とは逆の後方へ再帰反射面を向けた反射体を備えるので、故障などによって投光部からの光の投射が停止したときでも、前記各反射体がぞれぞれ車両のヘッドライト光を再帰反射させて車両運転手に視認されるので、道路の線形を示す視線誘導標としての機能が継続される。
【0010】
また、前記第一の視線誘導標の発光ダイオードから放射状に発せられる光を、前記投光部から平行に投射されるように前記集光レンズで集光させれば、前後に設置された前記第一の視線誘導標と第二の視線誘導標との間隔が大きくなっても、投光部からの光の拡散が抑制されて強い光となされ、前記第一の視線誘導標と第二の視線誘導標との間に光の帯をより明瞭に形成させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る視線誘導標の設置構造と、これに用いる視線誘導標によれば、視線誘導の機能を安全に継続できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る視線誘導標を設置した状態の一形態を示す、(イ)は背面図であり、(ロ)は正面図である。
【図2】図1の視線誘導標を示す、(イ)は背面図であり、(ロ)は側面図であり、(ハ)は正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】本発明に係る視線誘導標の実施の他の一形態を示す、(イ)は背面図であり、(ロ)は側面図であり、(ハ)は正面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図5の視線誘導標に形成された集光レンズの周辺を示す図6の拡大図である。
【図8】本発明に係る視線誘導標の設置構造の実施の一形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は視線誘導標である。
視線誘導標1は、立設された円筒形状の支柱Sの上端に取り付けられて道路脇などに並設され、道路の線形などを車両のドライバー等に示すようになされている。
また、視線誘導標1は、照射された光を光源方向へ反射させる再帰反射面を有する反射体5を後面に備え、光を前方へ向けて放出する投光部6を前面に備えている。
【0014】
図2は、図1の視線誘導標1を示す、(イ)は背面図であり、(ロ)は側面図であり、(ハ)は正面図であり、図3は図2のA−A断面図であり、図4は図2のB−B断面図である。
本実施形態の視線誘導標1は、前記反射体5と投光部6とを備える本体部2と、この本体部2の下方に設けられた取付部3とを備えている。
【0015】
前記本体部2は軸方向を前後に向けた略短円柱形状に形成され、その円形形状に形成された後面に前記反射体5が設けられ、同様に円形形状に形成された前面に前記投光部6が設けられている。また、前記本体部2の上半分の外周側面に沿うように形成された曲板形状のひさし7が、前方と後方とへそれぞれ突出するように形成されており、前記反射体5や投光部6への着雪や降雨を抑制させるように設けられている。
【0016】
前記本体部2の下端には、下方へ突出する支持部23が形成されており、前記取付部3の上端には板形状に形成されて上方へ突出する二枚一対の外嵌部33が形成されている。
具体的には、前記支持部23は横向きの半円柱形状の外形に形成され、その軸方向を本体部2の左右横方向へ向け、その外周側面が下方へ向くように形成されている。
そして、前記取付部3に形成された二枚一対の外嵌部33は、その間隔が前記支持部23の左右の両側面の間隔の大きさに対応して形成されており、半円形に形成された前記支持部23の支持側面23aが前記各外嵌部33の間に挟み込まれるようにして取り付けられている。
詳細には、前記取付部3の各外嵌部33には円形の貫通穴34がそれぞれ形成され、前記支持部23の各支持側面23aには、横方向へ突出する円柱形状の突部23bがそれぞれ形成されている。
そして、前記支持部23は、前記各突部23bを前記各貫通穴34に挿入させ、これを軸として前記各外嵌部33間で回動可能となされるように、前記取付部3に取り付けられている。
このように設けることで、支柱Sの上端に取り付けられた視線誘導標1の、前記本体部2の前面および後面の向きを、上下方向へ調整できるようになされている。
【0017】
取付部3は、下方が開口する円筒形状に形成された筒部31と、この筒部31の上端を閉塞する天板部32と、この天板部32の上面から上方へ突出する板形状の外嵌部33とが設けられている。
前記筒部31には、その筒壁を貫通するねじ穴35が2個形成されており、このねじ穴35の内側には雌ねじが形成されている。
また、前記筒部31は、その内径が支柱Sの外径に対応した大きさに形成され、その内側に支柱Sの上端を挿入可能に形成されている。
そして、前記筒部31内に支柱Sの上端を挿入させ、前記ねじ穴35に螺入させた取付ねじ(図示せず)の先端を前記支柱Sの外側面に押し付けることで、前記取付部3が支柱Sの上端に取り付けられるようになされている。
上記のように取付部3を形成させることで、前記取付ねじを緩めた状態で、支柱Sの上端で取付部3を回動可能となるように設けている。このように設けることで、支柱Sの上端に取り付けられた視線誘導標1の、前記本体部2の前面および後面の向きを、水平方向へ調整できるようになされている。
【0018】
本実施形態の視線誘導標1は、本体部2に内装された発光ダイオードの発する光を、前面に設けた投光部6から放出するように設けられている。
具体的には、本実施形態の投光部6は、図4に示すように、中空形状に設けられた本体部2の前面に形成された開口を、透光性を有する保護カバー65で塞ぐような構造に設けられている。
そして、本体部2には、前方へ光を発する発光ダイオード61が内装され、この発光ダイオード61と前記保護カバー65との間には集光レンズ62が配置されて設けられている。
【0019】
一般的に用いられる発光ダイオード61は、放射状に光を発するが、本実施形態の視線誘導標1は、発光ダイオードから放射状に発せられる光L1を、前記集光レンズ62に入射させて、平行方向へ出射させるように集光させるように設けられている。そして、集光レンズ62から出射された光は、保護カバー65を通って本体部2の後方へ放出されるようになされている。
【0020】
また、本実施形態の視線誘導標1には、後面に円盤形状の反射体5が設けられている。
具体的には、前記反射体5は、後方から照射された光を光源方向へ再帰反射させるように再帰反射面を後方へ向けて、本体部2の前面に取り付けられている。
【0021】
図5は本発明に係る視線誘導標1の実施の他の一形態を示す、(イ)は背面図であり、(ロ)は側面図であり、(ハ)は正面図であり、図6は図5のA−A断面図である。
本実施形態の視線誘導標1は、前面に設けられた投光部6の構成が、前記図2〜図4に示す視線誘導標1の実施形態と、異なる主な事項である。
【0022】
即ち、本実施形態の視線誘導標1は、前記図2〜図4に示す視線誘導標1の実施形態と同様に、再帰反射面を有する反射体5と投光部6とを備える本体部2と、この本体部2の下方に設けられた取付部3とを備える。
また、本実施形態の視線誘導標1は、前記図2〜図4に示す視線誘導標1の実施形態と同様に、前記本体部2の下端には、下方へ突出する支持部23が形成され、前記取付部3の上端には上方へ突出する二枚一対の外嵌部33が形成されており、前記支持部23が前記各外嵌部33の間に挟み込まれるようにして回動可能に取り付けられて、支柱Sの上端に取り付けられた視線誘導標1の、前記本体部2の前面および後面の向きを、上下方向へ調整できるようになされている。
また、本実施形態の視線誘導標1は、前記図2〜図4に示す視線誘導標1の実施形態と同様に、取付部3が、下方が開口する円筒形状に形成された筒部31を備え、その筒壁を貫通するねじ穴35が形成されており、前記筒部31内に支柱Sの上端を挿入させ、前記ねじ穴35に螺入させた取付ねじの先端を前記支柱Sの外側面に押し付けることで、前記取付部3が支柱Sの上端に取り付けられるようになされ、前記取付ねじを緩めることで、支柱Sの上端に取り付けられた視線誘導標1の、前記本体部2の前面および後面の向きを、水平方向へ調整できるようになされている。
【0023】
本実施形態の視線誘導標1は、6個の発光ダイオード61を備え、それぞれ間隔をあけて配置された各発光ダイオード61の発する光を、前記本体部2の前面に設けた投光部6から後方へ放出するように設けられている。
具体的には、前記本体部2の前面には、円錐台形状に窪む凹部69が6カ所形成され、各凹部69内にそれぞれ収納されて各発光ダイオードが取り付けられている。
そして、前記各凹部69と各発光ダイオード61との前方に配置された、透光性の保護カバー65が前記本体部2の前面に取り付けられて投光部6を形成している
具体的には、前記各凹部69と各発光ダイオード61に保護カバー65が覆い被さるように設けられており、各発光ダイオード65の光は、それぞれ保護カバー65を透過して、本体部2の前方へ投射されるようになされている。
本実施形態の保護カバー65は、略円盤形状に形成されたカバー板部66と、このカバー板部66の縁より前方向へ延設されるように形成された円筒形状のカバー筒部68とを備え、このカバー筒部68の内側に前記各凹部69と各発光ダイオード61とを収納させるように、前記保護カバー65が本体部2に取り付けられている。
【0024】
前記保護カバー65のカバー板部66には、凸レンズである集光レンズ62が一体的に形成されている。この集光レンズ62は、前記各凹部66に対応する位置にそれぞれ1個づつ、合計6個形成されており、前記各凹部66内の各発光ダイオード61の発する光を入射させ、集光して本体部2の前方へ放出させるように設けられている。
【0025】
図7は図5の視線誘導標に形成された集光レンズ62の周辺を示す図6の拡大図である。
本実施形態の各集光レンズ62は、カバー板部66の厚みをレンズ形状に形成させて、保護カバー65に一体的に設けており、カバー板部66の外側へ突出する外側レンズ部62aと、カバー板部66の内側へ突出する内側レンズ部62bとから各集光レンズ62が構成されている。
前記外側レンズ部62aは、カバー板部66の外側面がレンズ面形状に突出して形成されている。
また、前記内側レンズ部62bは、カバー板部66の内側面が円柱形状に突出し、更にその円形に突出する突出面にレンズ面形状の窪みが形成されている。
前記外側レンズ部62aのレンズ面の曲率が、前記内側レンズ部62bのレンズ面より大きくなされるように形成させて、前記各集光レンズ62が凸レンズとして機能するように設けられており、詳細には、図7に示すように、各発光ダイオード61から放射状に発せられる光L1をそれぞれ入射させて、平行方向へ出射させるように集光させるように設けられている。
【0026】
上記形態の視線誘導標に用いられる前記集光レンズ62は、放射状に発せられる光L1を集光させて平行光L2として出射させるものであり、凸レンズとして機能する各種レンズ体を選択又は組み合わせて利用することができる。例えば、図2〜4に示す実施形態の集光レンズ62は、フレネルレンズを用いてその厚みを小さくし、本体部2への内装を容易なものとしているが、これに限るものではなく、通常用いられる凸レンズを用いてもよい。また、図5〜7に示す実施形態において、保護カバー65の板部66にフレネルレンズを形成させても良い。
また、1つのレンズで集光レンズ62を形成させずに、複数のレンズを組み合わせて集光レンズ62を構成させてもよい。
【0027】
図8は本発明に係る視線誘導標の設置構造の実施の一形態を示す平面図である。
図面において、1Aは第一の視線誘導標であり、1Bは第二の視線誘導標である。
本実施形態の第一の視線誘導標1Aと第二の視線誘導標1Bとには、それぞれ図1に示す視線誘導標1が用いられており、立設された支柱Sの上端に取り付けられている。
そして前記第一の視線誘導標1Aと第二の視線誘導標1Bとは、それぞれ道路Rの路側に間隔をあけて設置されており、道路Rを走行する車両Cの進行方向を前方としたときに、第一の視線誘導標1Aを後方に、第二の視線誘導標1Bをその前方にそれぞれ配置させて、設置させている。
【0028】
前記第一の視線誘導標1Aと第二の視線誘導標1Bとは、その再帰反射面を備えた反射体2が後方へ向けられているので、道路Rを走行する車両Cのヘッドライト光L5が各反射体2に照射されたとき、その反射光L6が光源方向である車両Cへ再帰反射されて、車両Cの運転手に視認され、運転手へ注意喚起や、道路線形の把握などを行わせることができる。
【0029】
また、前記第一の視線誘導標1Aは、その投光部6から投射される光L3が第二の視線誘導標1Bの反射体2へ投射されるように、その本体部2の向きを調整して設置されている。
上記のように各視線誘導標1A、1Bを設置させることで、霧や、降雪、降雨、排気ガスの粒子などが前記光L3に照射されて、前記第一の視線誘導標1Aの投光部6と前記第二の視線誘導標1Bの反射体2との間に光の帯が視認されるように形成され、道路Rを走行する車両運転手等に対して道路の線形を明確に認識させることができる。
【0030】
また、前記光L3を、前記第二の視線誘導標1Bの反射体5の再帰反射面へ投射させるので、反射体2に再帰反射された光L4が光源方向である第一の視線誘導標1Aの前記投光部へ向けて反射されて、前記第一の視線誘導標1Aと前記第二の視線誘導標1Bとの間の霧や、降雪、降雨、排気ガスの粒子などが前記光L4に照射され、形成される光の帯がより明るく明瞭に視認されるようになされる。
また、前記第一の視線誘導標1Aの投光部6からの光L3を、前記第二の視線誘導標1Bの反射体5へ投射させるので、車両の接触などによって第二の視線誘導標1Bの向きがずれたときでも、光L3の反射光L4が光源である第一の視線誘導標1Aの方向以外への反射されにくくなされ、反射光L4が道路Rを走行する車両Cの運転手の目に直接入るような問題が生じにくくなされると共に、本来の道路Rの線形とは異なる位置に光の帯を形成して車両運転手に誤った認識をさせるなどの問題が生じにくい。
【0031】
また、前記第一の視線誘導標1Aや第二の視線誘導標1Bは、各々の投光部6からの光L3を、道路Rを走行する車両の進行方向である後方へ投射させるように設置されるので、車両の接触などによって第一の視線誘導標1Aや第二の視線誘導標1Bの向きがずれ、前記投光部6からの光の向きがずれたときでも、投射された光L3が道路を走行する車両Cの運転手の目に直接入るような問題が生じにくくなされる。
【0032】
本発明に係る視線誘導標の設置構造は、前方へ再帰反射面を向けた反射体5と、発光ダイオード61と、この発光ダイオード61の光を集光させる集光レンズ62と、集光させた光を後方へ向けて投射させる投光部6とを備える第一の視線誘導標1Aと第二の視線誘導標1Bとで構成できるので、各視線誘導標1A、1Bの構造は、図2〜4に示す前記実施形態や、図5〜7に示す前記実施形態に限るものではなく、適宜好適な部材や構造を選択して、前記第一の視線誘導標1Aと第二の視線誘導標1Bとを形成させてよい。
【0033】
本発明に係る視線誘導標1は、発光ダイオード61から放射状に発せられる光を、集光レンズ62により平行方向へ出射させるように集光させているが、ここで言う平行方向へ出射させるための集光とは、第一の視線誘導標と、第二の視線誘導標との間により明瞭な光の帯を形成させるために、光の拡散を抑制させて光の強さを強めるためのものであるので、完璧な平行光となるに至るまで集光を制御する必要はない。
具体的には、出射される光が、完璧な平行光よりも若干放射状となるように集光させてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 視線誘導標
2 本体部
23 支持部
23a 支持側面
23b 突部
3 取付部
31 筒部
32 天板部
33 外嵌部
34 貫通穴
35 ねじ穴
5 反射体
6 投光部
61 発光ダイオード
62 集光レンズ
65 保護カバー
66 カバー板部
68 カバー筒部
69 凹部
7 ひさし
S 支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の方向に向けて再帰反射面が設けられた反射体と、発光ダイオードと、該発光ダイオードから発せられた光を集光レンズで集光して前記再帰反射面とは逆の方向へ向けて放出させる投光部とを備えた、第一の視線誘導標と第二の視線誘導標とが、相互に間隔をあけ且つ前記投光部を車両の進行方向に向けて列設されて、前記第二の視線誘導標の後方に設置された第一の視線誘導標の投光部から放出された光が、第一の視線誘導標の前方に設置された第二の視線誘導標の前記反射体の再帰反射面へ投射されるようになされていることを特徴とする視線誘導標の設置構造。
【請求項2】
前記視線誘導標は、発光ダイオードから放射状に発せられた光が、前記投光部から平行に放出されるように前記集光レンズで集光されていることを特徴とする請求項1に記載の視線誘導標の設置構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の視線誘導標の設置構造に用いられる前記視線誘導標であることを特徴とする視線誘導標。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−193497(P2012−193497A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56083(P2011−56083)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】