説明

視聴率自動収集システムおよびその視聴率自動収集方法

【課題】移動中のTVなどの視聴率を、簡単な付加装置により、容易に得る事が出来ると共に、その構成を簡単にできる視聴率自動収集システムおよびその視聴率自動収集方法を提供する。
【解決手段】TV付き携帯端末10のTV視聴データを、その携帯端末ネットワーク20の視聴率用サーバ21に記憶し、各携帯端末ネットワーク20に記憶したTV視聴データを視聴率集計センタ30で集計して各TV視聴率データを計算して各ユーザに配布することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴率自動収集システムおよびその視聴率自動収集方法に関し、特に携帯端末を用いた移動機の視聴率を収集する視聴率自動収集システムおよびその視聴率自動収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビジョン(TV)の視聴率調査は、リクエスト、応募、意見などの情報から統計分析するアンケート方式と、視聴番組収集機によるオンライン方式とがあるが、オンライン方式の方が早く正確なため、このオンライン方式を実施することが多い。オンライン方式は、専門業者であるVIDEO・RESEARCH(ビデオリサーチ)社が、専用の視聴番組収集機によって行っている。すなわち、番組モニタとして依頼された世帯のTV受信機には、その視聴番組収集機やその送受信機に取り付けられる。この視聴番組収集機の視聴データは、電話回線を使って視聴データ集計センタに送られて、そこで視聴率データが計算される。そして、この視聴率データは、放送局、新聞社や出版社に提供される。
【0003】
この視聴番組収集機を用いた場合、視聴番組収集機やその送受信機の設置が必要であり、設置、調整に費用と時間がかかり、その取り扱いも大変である。そのため、PHS(personal handy−phonesystem)システムを利用した視聴率自動収集システムが提案されている。
【0004】
このTVの視聴率自動収集システム(従来例1)として、特許文献1に示すものがある。図5は各世帯とネットワーク及びデータ集計センタの関係を示す模式図である。このシステムは、PHSのデータ送受信システムを組み込んだTV用リモコン106を、各世帯101の各個人に貸与し、各リモコンは操作履歴を内蔵RAMに記録し、その履歴データをPHSシステムが所定周期でデータ集計センタ30aにメール送信する。センタ30aでは一定期間または任意時間にメールボックスをアクセスしてデータを分析し、世帯視聴率や個人視聴率を求めている。
【0005】
図5において、それぞれTV107a〜107nをもつ各世帯101a〜101nは、PHSに係るPIAFS(PHS:internet AccessForum Standard)対応のネットワーク102に含まれている。また、このPIAFS対応のネットワーク102はインターネット103を介してデータ集計センタ30aと接続されている。そして、各世帯101a〜101nにはデータ集計センタ30a側からそれぞれリモートコマンダ106a〜106nが貸与されており、各世帯101a〜101nではそれを使用して家庭のTV107a〜107nを制御する。尚、各リモートコマンダ106a〜106nのTV制御コードは、予め各世帯101a〜101nのTV107a〜107nに対応したものに初期設定されている。
【0006】
ここでリモートコマンダ106a〜106nは、通例のTV用リモートコマンダと同様であるが、PHS電話機に適用されているアンテナが付設されている。各リモートコマンダ106a〜106nとPIAFS対応のネットワーク102との関係を説明する。図における基地局105a〜105nは各世帯101a〜101nをサービスエリアにもつ。これら各基地局105a〜105nを統括しているPIAFS独自のネットワーク上にはメールサーバ110が設置されているが、そのメールサーバ110には予めデータ集計センタ30aのメールボックス111が登録されている。そして、そのメールボックス111に対してはインターネット103を介してデータ集計センタ30a側からアクセスでき、そのアクセスによってデータ集計センタ30aがメールボックス111に蓄積されているデータを任意のタイミングで取り出すことが可能になっている。
【0007】
リモートコマンダ106a〜nでTV107a〜nに対する電源ON操作が行われると、LEDを起動し、同操作に対応した変調赤外線をTV107a〜n側へ射出してTV107a〜nの電源をONにする。これと同時に、その時点でのタイマーの計測時刻を読取り、電源ON操作の操作種別コードと時刻データをRAMなどのメモリへ書き込む。
【0008】
TV107a〜nの電源がONになった後に、リモートコマンダ106a〜nでチャンネル選択操作がなされると、リモコン制御部がドライバによってLEDを起動する。そして、その操作に対応した変調赤外線をTV107a〜n側へ射出してTV107a〜nのチャンネルを選択されたチャンネルに設定する。この時、チャンネル操作の操作種別コードとその時点でのタイマーの計測時刻データとチャンネルデータをメモリへ書き込む。また、電源OFF操作であれば、TVの電源をOFFにすると共に、電源OFF操作の操作種別コードとその時刻データをメモリへ書き込む。このようにして、メモリには、操作履歴を時系列的に表現したデータが記録・格納されてゆく。
【0009】
一方、リモートコマンダ106a〜nは、所定時間:ΔT(例えば、15分間)毎に、周期的動作をする。すなわち、所定時間ΔT毎に、自動的にPHSシステムを立ち上げ、メモリへデータを書き込み中か否かを確認し、書き込み中でなければ端末IDとその時点でメモリに格納・蓄積されているデータを、ネットワーク 上のメールボックス111宛てに送信する。また、メモリへ書き込み中の場合には、一旦待機して書き込みが完了した後に、前記と同様に端末IDとその書き込み後の全てのデータをメールボックス111宛てに送信する。そして、送信済となったメモリのデータはクリアされ、再びその後の操作による履歴が記録・格納されてゆく。従って、各世帯101a〜nのリモートコマンダ106a〜nにおける上記の動作により、ネットワーク上のメールボックス111には、各世帯の操作履歴データが順次蓄積されてゆく。
【0010】
一方,データ集計センタ30a側は、所定時間:ΔT(例えば、30分間)が経過する度に、データ収集動作を実行する。即ち、所定時間ΔT毎に、インターネット103を介してネットワーク上のメールボックス111をアクセスし、そのメールボックス111に蓄積されている全てのデータをデータ集計センタ30aのデータベースサーバへダウンロードさせて格納する。
【0011】
以上の結果、データ集計センタ30aには、モニタとなった各世帯101a〜101nのTV操作履歴データが収録されることになるが、端末IDが各世帯101a〜101nに対応付けられているため、同一の端末IDデータに係るTV操作履歴データを時系列的に整理すれば、各世帯毎のTV視聴率を求めることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
例えば、図6のように、操作履歴データからは、9時12分33秒から9時20分55秒までは先の電源OFF時点のチャンネルが、9時20分55秒から9時23分09秒らまでは6チャンネルが、9時23分09秒から10時03分44秒までは10チャンネルが、10時03分44秒から11時57分15秒までは1チャンネルが、また、18時30分49秒から19時45分26秒までは8チャンネルが、…が、それぞれ視聴されていたという世帯視聴率データを得ることができる。
また、別の従来例2として、携帯電話にTVリモコン機能を組み込んだシステムが特許文献2に示されている。このシステムでは、TVリモコンに内蔵した記憶媒体に利用者が行ったTV番組選択の番組ヒストリ(視聴した番組、時間等)を蓄積している。この蓄積されたTV視聴データは、携帯電話のインターネットを経由で視聴率サーバに送信して蓄積される。視聴率データ集計センタは、視聴率サーバに蓄積された視聴データを、インターネット経由で視聴率サーバに接続して入手できる。従って、データ集計センタでは、そのTV番組視聴データからそれぞれのTV番組視聴率を計算することが出来る。
【0013】
【特許文献1】特開2002−077436号
【特許文献2】特開2002−135810号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、この従来技術1では、TV視聴するためのリモートコマンダを各世帯に貸与する必要があり、システム構成が複雑になるという問題がある。さらに、カーナビTV、携帯TVなどの移動中TVの視聴者はカバーできてないという問題がある。
【0015】
また、従来技術2では、携帯端末を利用して視聴率データを取得出来るが、この場合も、TV用リモートコマンダを携帯端末にもたせているため、このリモートコマンダ付き携帯端末を使用しない場合には、データが得られず、また、カーナビTV、携帯TVなどの移動中TVの視聴者はカバーできてないという問題がある。
【0016】
本発明の主な目的は、自動車などで移動中のTVなどの視聴率を、簡単な付加装置により、容易にチェックする事が出来ると共に、その構成を簡単にできる視聴率自動収集システムおよびその視聴率自動収集方法をを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の視聴率自動収集システムの構成は、TV付き携帯端末で視聴したチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを、前記TV付き携帯端末から送出し、その携帯端末ネットワークの視聴用サーバに記憶し、各携帯端末ネットワークの視聴率用サーバに記憶したTV視聴データを視聴率集計センタに送出し、前記視聴率集計センタで受けたTV視聴データを集計して各TV視聴率データを算出することを特徴とする。
【0018】
本発明において、TV付き携帯端末は、TV視聴データを所定周期ごとに自動的に読み出して視聴用サーバに送出することができ、また、TV付き携帯端末が、カーナビゲーション装置(カーナビ)に付加されたもの、またはTV付き携帯電話であることができる。
【0019】
本発明の視聴率自動収集方法の構成は、TV付き携帯端末で視聴したチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを、前記TV付き携帯端末から送出し、その携帯端末ネットワークの視聴用サーバに記憶し、各携帯端末ネットワークの視聴率用サーバに記憶したTV視聴データを視聴率集計センタに送出し、前記視聴率集計センタで受けたTV視聴データを集計して各TV視聴率データを算出することを特徴とする。
【0020】
本発明の視聴データ用サーバの構成は、各TV付き携帯端末で視聴したチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを前記各TV付き携帯端末からそれぞれ受けて記憶する記憶手段と、この記憶手段に集計したTV視聴データを視聴率集計センタに送出するデータ配送手段とを備え、前記携帯端末ネットワーク内に設けられたことを特徴とする。
【0021】
本発明のTV付き携帯端末の構成は、視聴したTVチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを、携帯端末ネットワーク内に設けた視聴用サーバに送出する視聴データ送出手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明において、視聴データ送出手段が、TV視聴データを一時記憶する記憶部と、この記憶部に記憶したTV視聴データを所定周期ごとに読み出して視聴用サーバに送出する視聴データ送出部を備えることができ、また、TV視聴データの自動送信機能をアクティブ /インアクティブに切替える切替設定手段を有することができ、また、視聴データ送出部は、周期的に記憶部を確認し、TVを視聴していると識別した場合に、TV視聴データを視聴用サーバへ送出する機能を有することができ、また、操作部で操作する際に、一定時間以上視聴チャンネルの変更がない場合には、記憶部の記憶内容をクリアすることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、携帯端末などの移動中のTV視聴状況を把握することが出来るという効果がある。また、本発明によれば、装置構成が簡単であるため、対象加入者(サンプル)を容易に増やせることが出来、従って視聴率の計算精度が上がると共に、さらに視聴率の自動化処理により、TV視聴率の不正操作が困難になるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に図面により本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態のブロック図である。図1に示すように、本実施形態は、TV付き携帯端末10,10a〜10eを対象にした視聴率自動収集システムである。すなわち、TV付き携帯端末10,10a、10bおよび10c〜10eは、それぞれ携帯電話ネットワーク20,20aに含まれ、TV付き携帯端末10,10a〜10eからそれぞれTV視聴データが送出される。この携帯電話ネットワーク20,20aには、通常のメールサーバの他に、視聴データを集計するための視聴データサーバ21,21aが設けられ、それぞれTV付き携帯端末10,10a〜10eからのTV視聴データを受ける。
【0025】
これら視聴データサーバ21,21aからのTV視聴データは、視聴率データ集計センタ30に送られ、集計され、視聴率データが求められる。視聴率データ集計センタ30で求められた視聴率データは、それぞれユーザである新聞社41、出版社42や放送局43に配送される。
【0026】
図2は本実施形態のTV付き携帯端末10、視聴データサーバ21および視聴率データ集計センタ30の構成を示すブロック図である。図において、TV付き携帯端末10は、携帯端末部11とTV部12との他に、操作部13、視聴データ作成部14、記憶部15および配送部16から構成される。操作部13は、携帯端末部11とTV部12との操作を行うが、視聴データ作成部14は、TV部12を視聴する操作部13のスイッチ操作に対応して、視聴チャンネルと視聴時間を記憶部15に一時記憶させるとともに、配送部16から、視聴データサーバ21に向けて出力される。
【0027】
この場合の視聴データは、TV付き携帯端末10からの出力が、図6と同様のものとなる。ここでは、TVを見ていない時のデータも出力しているが、TVを視聴している時のチャンネルデータのみを配送するようにしてもよい。この場合、TVSWオンからSWオフの間の選択チャネル(視聴中)を記憶部16に記憶すればよい。
【0028】
また、TVのSWをオン・オフ操作する事を考慮して、一定時間(例えば3時間)チャンネル変更がない場合に、この一定時間(3時間)毎に記憶部16をクリアする事も考えられる。これは、携帯端末ではこのように長時間連続してTVの同じチャンネルを視聴することが考えられないからである。また、TVの視聴が継続されていることを確認するため、携帯電話機10内に、周期的(例えば10分)にそのメモリ16を確認し、TVを視聴していると識別した場合に、その視聴チャンネル情報を配送部17から配送することもできる。
【0029】
次に、携帯端末10の配送部17からの出力は、視聴データサーバ21に入力され、その記憶部22に記憶される。この場合は、記憶部22には、例えば図3のようなデータが蓄積される。各携帯端末10,10a〜10dからの視聴データは、視聴データサーバ21,21aを介してそれぞれ記憶部22、22aに集められ、視聴率データ集計センタ30に送られ、集計される。
【0030】
なお、図3は、サーバ21から記憶部22に入力された視聴データを示している。視聴データは、加入者識別番号(契約者ID)、受信時間、受信チャンネルおよびその動作モード(例えば、移動中の場合○印)などから構成される。例えば、契約者ID101は、移動中に9時10分から9時40分まで、チャンネルC1を見て、10分間中断し、また9時50分から10時10分まで、チャンネルC1を見たことを示す。また、契約者ID102は、停止中に9時15分から9時50分まで、チャンネルC1を見て、40分間中断し、また10時30分から11時01分まで、チャンネルC2を見たことを示す。
この視聴データの送信情報には、必要に応じて視聴装置の種類(TV、カーナビ、携帯TVなど)や視聴装置の位置情報等を付加することができる。この位置情報は、どこでTV視聴していたかを確認するもので、例えばGPS内蔵の携帯電話の場合に可能である。
【0031】
図2に戻って、視聴率データ集計センタ30では、受信部31で受けた各視聴データサーバ21,21aからのデータを演算部32でまとめ、視聴情報を統計集計し、各TV番組の視聴率を計算する。そして集計された視聴率データを送信部33から配信契約者41〜43へ配信する。
【0032】
本実施形態は、各記憶部16を周期的(例えば10分)に処理しているので、その処理タイミングを調整することにより、リアルタイムな情報(視聴率データ)の配信を可能に出来る。
【0033】
本実施形態の視聴率自動収集システムでは、TV付き携帯端末10,10a〜10eの中に、視聴データを視聴データサーバ21,21aに配送するための回路が付加される。この付加回路は、視聴データ作成部14、記憶部15および配送部16であるが、記憶部15も、視聴チャンネルと視聴時間を記憶するだけで、データ量も少ないので、極めて簡単な回路で済ませることが出来る。すなわち、ビデオリサーチ社が設置するような専用の機器を不要とし、また、専用のリモコンを貸与する必要もない。
【0034】
本実施形態の構成により、TV付き携帯端末などの移動中のTV視聴状況を把握することが出来ると共に、その装置構成が簡単であるため、対象加入者(サンプル)を容易に増やせることが出来、従って視聴率の計算精度が上がると共に、さらに視聴率の自動化処理により、TV視聴率の不正操作が困難になるという特徴がある。
【0035】
なお、本実施形態の視聴率自動収集システムを採用するには、本実施形態のような付加回路を設けたTV付き携帯端末を普及させる必要がある。そのためには、TV付き携帯端末に、視聴データの自動送信機能をアクティブ/インアクティブと切替える機能をもたせておく必要がある。そして、この視聴データの提供を承諾した加入者には、加入者へ手渡し時に、自動送信機能をアクティブに設定する。そして、この視聴データの提供を承諾した加入者にはポイント加算、割引などのインセンティブを与えるようすればよい。
【0036】
その場合には、携帯電話加入者には費用負担を課さずに、インセンティブを与えられるので、加入者を増加することが出来、ひいては、TV視聴率精度を上げることも出来るようになる。
【0037】
このポイント加算、割引などのインセンティブを与える場合には、視聴率データ集計センタ30からのデータが、TV付き携帯端末10からインターネットを介してチェック出来るようにしておけばよい。
【実施例1】
【0038】
本実施例1は、実施形態の視聴率自動収集システムと同様の構成である。まず、本実施例の機能を運用する前提として、本実施例のサービス提供者(携帯事業者を想定)は視聴率購入顧客(放送局、新聞社など)と契約する。視聴率情報の提供を承諾する場合には、携帯電話契約時、すなわち、携帯電話機手渡し時に情報提供機能(アクティブ/インアクティブ切替)をアクティブに設定される。
【0039】
TVが内蔵された携帯電話機10の場合、周期的にそのTV視聴状況を確認しTVを視聴していると識別した場合、その視聴情報を視聴データ集計センタ30へ送る。まず、TV付き携帯電話10の視聴希望のチャンネルを設定する。そして、携帯電話10内の視聴状況スキャン周期タイマー(10分)により、その周期毎に、視聴チャンネルメモリを読み出す。そして、そのチャンネル情報に、移動中かどうか、TV種類(TV付き携帯電話、カーナビTV)またその位置情報などを付加し、メール形式の固定のフォーマットにして視聴データ集計センタ30へ送る。
【0040】
視聴データ集計センタ30では、不特定多数の携帯電話から送られてきた情報を、一般的な視聴率集計処理により処理し、を計算する。計算結果の各番組の視聴率は、視聴率購入顧客との契約状況に合わせ、適宜契約者へリアルタイムに視聴率情報を配信する。
【0041】
本実施例は、TV内蔵携帯端末などの移動装置を対象にして移動中の視聴率を求めることを特徴とする。また、周期的(例えば10分)に視聴状況を確認し、さらに一定時間(例えば3時間)チャンネル変更がない場合に、この一定時間毎に記憶部16をクリアすることを特徴とする。また、TV視聴のチャネル情報に、移動中か否かや、TV種類(TV付き携帯端末や、TV付き携帯カーナビ)や、その移動装置の位置情報などを付加し、所定のフォーマットにして視聴率データ集計センタへ送ることが出来る。なお、本実施例における情報提供を承諾した加入者には、ポイントなどのインセンティブを与えることが出来る。
【実施例2】
【0042】
図4は本発明の第2の実施例の携帯端末部分のブロック図であり、TVを見られるカーナビに携帯電話が付加された場合で、TV付きカーナビ19,19aを示す。このTV付きカーナビ19,19aは、図1に対して、カーナビ部17、表示部18が付加され、表示部18は、カーナビ部17とTV部12とを操作部13の指示により切替えて表示出来るようになっている。カーナビ部17は、通常の地図や音声指示により車の運転者に指示を与えるカーナビ機能を有し、カーナビ部17の運用時にはカーナビ部の表示をし、TV視聴時にはTV部12の受像チャンネルを表示する。カーナビ部17以外の本実施例の機能・動作は、実施例1と同様である。
【0043】
本実施例は、カーナビに携帯電話を内蔵したもので、周期的に視聴状況を確認しTVを視聴していると識別した場合、視聴チャンネル情報を視聴データ集計センタ30へ送る動作も、実施例1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、TV付き携帯端末、携帯電話や、携帯電話・TV付きカーナビに適用できるが、ラジオ視聴率調査にも適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明する視聴率自動収集システムのブロック図である。
【図2】図1の携帯端末、視聴データサーバの部分の詳細ブロック図である。
【図3】図1の携帯端末11のデータ構成を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明する携帯端末部分のブロック図である。
【図5】従来例の視聴率自動収集システムのブロック図である。
【図6】図5の携帯端末のデータ構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
10,10a〜10e TV付き携帯端末
11,11a 携帯端末
12、12a TV部
13 操作部
14 データ作成部
15 記憶部
16 配送部
17 カーナビ部
18 表示部
20,20a 携帯電話ネットワーク
21,21a 視聴データサーバ
22,22a 記憶部
30,30a データ集計センタ
31 受信部
32 演算部
33 送信部
101a〜101n 世帯
102 PHSネットワーク
103 インターネット
105a〜105n PHS基地局
106a〜106n リモートコマンダ
107a〜107n TV
110 メールサーバ
111 メールボックス(記憶装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TV付き携帯端末で視聴したチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを、前記TV付き携帯端末から送出し、その携帯端末ネットワークの視聴用サーバに記憶し、各携帯端末ネットワークの視聴率用サーバに記憶したTV視聴データを視聴率集計センタに送出し、前記視聴率集計センタで受けたTV視聴データを集計して各TV視聴率データを算出することを特徴とする視聴率自動収集システム。
【請求項2】
TV付き携帯端末は、TV視聴データを所定周期ごとに自動的に読み出して視聴用サーバに送出する請求項1記載の視聴率自動収集システム。
【請求項3】
TV付き携帯端末が、カーナビゲーション装置(カーナビ)に付加されたものである請求項1または2記載の視聴率自動収集システム。
【請求項4】
TV付き携帯端末が、TV付き携帯電話である請求項1または2記載の視聴率自動収集システム。
【請求項5】
TV付き携帯端末で視聴したチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを、前記TV付き携帯端末から送出し、その携帯端末ネットワークの視聴用サーバに記憶し、各携帯端末ネットワークの視聴用サーバに記憶したTV視聴データを視聴率集計センタに送出し、前記視聴率集計センタで受けた各TV視聴率データを集計して各TV視聴率データを算出することを特徴とする視聴率自動収集方法。
【請求項6】
TV付き携帯端末は、TV視聴データを所定周期ごとに自動的に読み出して視聴用サーバに送出する請求項5記載の視聴率自動収集方法。
【請求項7】
TV付き携帯端末が、カーナビに設けられている請求項5または6記載の視聴率自動収集方法。
【請求項8】
各TV付き携帯端末で視聴したチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを前記各TV付き携帯端末からそれぞれ受けて記憶する記憶手段と、この記憶手段に集計したTV視聴データを視聴率集計センタに送出するデータ配送手段とを備え、前記携帯端末ネットワーク内に設けられたことを特徴とする視聴データ用サーバ。
【請求項9】
TV視聴データは、TV付き携帯端末から所定周期ごとに自動的に入力されるようにした請求項8記載の視聴データ用サーバ。
【請求項10】
視聴したTVチャンネルおよびその視聴時刻を含むTV視聴データを、携帯端末ネットワーク内に設けた視聴用サーバに送出する視聴データ送出手段を備えることを特徴とするTV付き携帯端末。
【請求項11】
視聴データ送出手段が、TV視聴データを一時記憶する記憶部と、この記憶部に記憶したTV視聴データを所定周期ごとに読み出して視聴用サーバに送出する視聴データ送出部を備える請求項10記載のTV付き携帯端末。
【請求項12】
TV視聴データの自動送信機能をアクティブ /インアクティブに切替える切替設定手段を有する請求項10記載のTV付き携帯端末。
【請求項13】
視聴データ送出部は、周期的に記憶部を確認し、TVを視聴していると識別した場合に、TV視聴データを視聴用サーバへ送出する機能を有する請求項11記載のTV付き携帯端末。
【請求項14】
操作部で操作する際に、一定時間以上視聴チャンネルの変更がない場合には、記憶部の記憶内容をクリアする請求項11記載のTV付き携帯端末。
【請求項15】
請求項10乃至14記載のTV付き携帯端末が、携帯電話またはカーナビゲーション装置であるTV付き携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−80849(P2006−80849A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−262211(P2004−262211)
【出願日】平成16年9月9日(2004.9.9)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】