説明

観察装置及び観察方法

【課題】アクティブ型の自動焦点検出に適用できない対物レンズを使用しても、短時間で観察位置に合焦位置を位置合わせ可能な観察装置及び観察方法を提供する。
【解決手段】容器11における所定の基準面に合焦させる対物レンズ1と、所定の観察位置10aを観察する対物レンズ2と、対物レンズ1、2を切換え可能な手段3と、アクティブ型の自動焦点検出を行い、対物レンズ1の合焦位置を基準面に一致させる自動合焦手段4と、対物レンズ1が基準面に合焦したときの、基準面における対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報を検出する位置情報検出手段5と、その位置情報と対物レンズ1の合焦位置における対物レンズ2の合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報とを用いて、対物レンズ2の合焦位置が観察位置に一致するように、対物レンズ2における容器との相対的な距離を調整する自動合焦手段6を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動焦点制御機能を備えた顕微鏡などの観察装置及び観察方法に関し、例えば、マルチウェルプレート、シャーレ、顕微鏡標本など、肉厚の薄い透明部材に保持された試料の画像、特にマルチウェルプレートに培養されている細胞サンプルの画像を取得するのに好適な観察装置及び観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マルチウェルプレートに培養した細胞などの画像を取得する観察装置の画像取得システムでは、マルチウェルプレート中の細胞に自動的に焦点合わせを行うために、種々の自動焦点検出方式が採用されている。
【0003】
自動焦点検出方式には、アクティブ型とパッシブ型がある。アクティブ型の自動焦点検出方式では、光点ないしマークを対象物に投影し、該光点の位置ないし形状に依存してフォーカシング信号を形成する。一方、パッシブ型の自動焦点検出方式では、画像センサで受光した対象物の画像信号からフォーカシング信号を形成する。
【0004】
しかるに、パッシブ型の自動焦点検出方式は、アクティブ型のものに比べて焦点検出により多くの時間を要し、また、対象物である細胞の画像を得るために照明することが必須であるため、照明光による細胞のダメージが懸念される。このため、上述した画像取得システムにおいては、検出時間の観点において有利なアクティブ型の自動焦点検出方式を採用することが望まれる。
【0005】
アクティブ型の自動焦点検出方式を採用した画像取得システムとしては、例えば、次の特許文献1に記載のものがある。
【特許文献1】特表2002−541430号公報
【0006】
特許文献1に記載のシステムでは、アクティブ型の自動焦点検出により、マイクロプレートウェルの底部の下側面近傍における光学参照点を感知し、感知した光学参照点から、ウェル中の目標層への固定された距離だけ、マイクロプレートウェルの下側面をその長手軸方向に移動させることで、マイクロプレートウェルの目標層に対して光学的に焦点合わせを行うようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムに採用したアクティブ型の自動焦点検出方式は、観察に使用する対物レンズによっては、マイクロプレートウェルの底部の下側面近傍における光学参照点に対して焦点検出をすることができない場合がある。
例えば、対物レンズの倍率を低くすると、焦点深度が深くなる。しかし、試料を保持するマルチプレートウェルやシャーレ等の透明部材の底部は肉厚が薄い。このため、低倍率の対物レンズを用いると、焦点検出精度が悪くなり焦点検出に支障を来たし易い。一方、対物レンズの倍率を高くすると、焦点深度が浅くなるが、射出瞳径が小さくなって、視野が暗くなる。その結果、高倍率の対物レンズを用いると、自動焦点検出に用いるフォーカシング信号を形成するための光量が不十分なものとなり焦点検出に支障を来たし易い。このため、低倍率又は高倍率の度合いが大きな対物レンズに対しては、特許文献1に記載のようなアクティブ型の自動焦点検出方式では焦点検出をすることができず、焦点検出に時間のかかるパッシブ型の自動焦点検出方式を採用せざるを得ない。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、アクティブ型の自動焦点検出に適用できない対物レンズを使用しても、短時間で観察位置に合焦位置を位置合わせ可能な観察装置及び観察方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明による観察装置は、容器に配置された標本に対物レンズを自動的に合焦して該標本を観察する観察装置であって、前記容器の底部における所定の基準面に合焦させるための基準面合焦用対物レンズと、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察するための標本観察用対物レンズと、前記基準面合焦用対物レンズと前記標本観察用対物レンズとを切換えて観察光路に挿入可能な対物レンズ切換え手段と、アクティブ型の自動焦点検出を行い、前記観察光路に挿入された前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置を前記基準面に一致させるアクティブ型自動合焦手段と、前記観察光路に挿入された前記基準面合焦用対物レンズが前記基準面に合焦したときの、該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報を検出する位置情報検出手段と、前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報と前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報とを用いて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整する標本観察用対物レンズ自動合焦手段、を有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の観察装置においては、前記標本観察用対物レンズ自動合焦手段が、前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
【0011】
また、本発明の観察装置においては、前記標本観察用対物レンズ自動合焦点手段が、前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整し、さらに、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
【0012】
また、本発明の観察装置においては、前記標本観察用対物レンズ自動合焦点手段が、前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該基準面に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整し、さらに、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
【0013】
また、本発明による観察方法は、容器に配置された標本に対物レンズを自動的に合焦して該標本を観察する観察方法であって、対物レンズ切換え手段を介して、前記容器の底部における所定の基準面に合焦させるための基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入し、次いで、アクティブ型自動合焦手段を介して、該基準面合焦用対物レンズを介したアクティブ型の自動検出を行い、該観察光路に挿入された該基準面合焦用対物レンズの合焦位置を該基準面に一致させ、次いで、位置情報検出手段を介して、該基準面合焦用対物レンズが該基準面に合焦したときの、該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な光軸方向の位置情報を検出する基準面合焦用対物レンズ合焦ステップと、前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報と前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報とを用いて、該観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整する標本観察用対物レンズ合焦ステップ、を有することを特徴としている。
【0014】
また、本発明の観察方法においては、前記標本観察用対物レンズ合焦ステップが、前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、該観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
【0015】
また、本発明の観察方法においては、前記標本観察用対物レンズ合焦ステップが、前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、該観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整し、次いで、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
【0016】
また、本発明の観察方法においては、前記標本観察用対物レンズ合焦ステップが、前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記基準面に一致するように、該標本観察用対物レンズと該容器との相対的な距離を調整し、次いで、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、アクティブ型の自動焦点検出に適用できない対物レンズを使用しても、短時間で観察位置に合焦位置を位置合わせ可能な観察装置及び観察方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施形態の説明に先立ち、本発明の構成及び作用効果について説明する。
本発明の観察装置は、容器の底部における所定の基準面に合焦させるための基準面合焦用対物レンズを、基準面から所定距離離間した標本における所定の観察位置を観察するための標本観察用対物レンズと共に備え、標本観察用対物レンズと基準面合焦用対物レンズとを対物レンズ切換え手段を介して観察光路に切換えて挿入できるように構成されている。また、アクティブ型自動合焦手段を介して、アクティブ型の自動焦点検出を行うことで、観察光路に挿入された基準面合焦用対物レンズの合焦位置を基準面に一致させるように構成されている。
【0019】
このように、標本観察用対物レンズとは別に、容器の底部における所定の基準面に合焦させるための基準面合焦用対物レンズを備えると、この基準面合焦用対物レンズにアクティブ型の自動焦点検出に適用できるレンズを用いることで、基準面合焦用対物レンズの合焦位置を基準面に時間をかけることなく一致させることができる。
【0020】
また、本発明の観察装置は、位置情報検出手段を介して、観察光路に挿入された基準面合焦用対物レンズが基準面に合焦したときの、基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報を検出し、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、位置情報検出手段を介して検出された基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報と前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報とを用いて、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置に一致するように、標本観察用対物レンズにおける容器との相対的な距離を調整するように構成されている。
【0021】
このため本発明の観察装置によれば、標本観察用対物レンズがアクティブ型の自動焦点検出を行うことができない(その結果、アクティブ焦点検出装置を採用した従来の観察システムでは観察位置に合焦できない)標本観察用対物レンズであっても、観察位置に合焦することができる。
しかも、基準面の位置までは、上述したように、基準面合焦用対物レンズを介してアクティブ型の自動焦点検出を行うことができるようにしたので、全ての段階においてパッシブ型の自動焦点検出を行って合焦を行うのに比べて遥かに合焦時間を短縮することができる。
特に、焦点距離の異なる(倍率の異なる)複数の標本観察用対物レンズを随時交換して観察するような場合においては、基準面合焦用対物レンズにより合焦した基準面の位置情報に基づいて、合焦することができるようにすれば、合焦に要する時間を短縮化できる。
【0022】
ここで、本第1の発明の観察装置においては、標本観察用対物レンズ自動合焦手段が、観察光路に標本観察用対物レンズを挿入して標本観察用対物レンズの合焦位置を観察位置に一致させるために、位置情報検出手段を介して検出された基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報とともに、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さに基づいて観察位置の位置情報が求まるようにするのが好ましい。
【0023】
基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報は既知である。また、標本の検査に用いる容器の底部の平均的な厚さ、及び標本の平均的な厚さも、規格化された容器の底部の厚さの平均値、及び標本の一般的な厚さの平均値であり、検査前に既知情報として得ておくことが可能である。
そこで、基準面合焦用対物レンズを介したアクティブ型の自動焦点検出を行うことによって得られた基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報に、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さを加算することで、基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な観察位置の位置情報が求まる。ここで、対物レンズ切換え手段を介して切換えられる基準面合焦用対物レンズと標本観察用対物レンズの観察光路における胴付き位置は、光軸方向において同じ高さ位置に位置する。
そこで、求まった観察位置の位置情報であるところの基準面合焦用対物レンズの胴付き位置から観察位置までの距離と、標本観察用対物レンズの胴付き位置から標本観察用対物レンズの合焦位置との差分だけ、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズを光軸方向に移動させることにより、標本観察用対物レンズの合焦位置を観察位置に一致させることができる。
【0024】
したがって、本第1の発明の観察装置によれば、基準面合焦用対物レンズの合焦位置を基準面に一致させた後には、標本観察用対物レンズに対してはアクティブ型、パッシブ型のいずれの自動焦点検出を行うことなく、既知の値を用いて算出した観察位置に合焦位置を一致させることができるので、合焦動作を非常に迅速化することができる。
【0025】
ところで、本第1の発明の観察装置において、基準面合焦用対物レンズの合焦位置を基準面に一致させたときの基準面の位置情報に加算する、容器の底部の平均的な厚さや標本の平均的な厚さは、実際の個々の容器、標本を測定した値ではない。しかるに、容器の底部の厚さの誤差が大きい場合や、容器の内部に入れる標本の厚さの個体差が大きい場合には、所定の基準面の位置情報に容器の底部の平均的な厚さや標本の平均的な厚さを加算しても、実際の観察位置から大きくずれ、その結果、標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置から大きくずれてしまうおそれがある。
【0026】
そこで、標本観察用対物レンズの観察位置への合焦精度を高めるために、本第2の発明の観察装置においては、標本観察用対物レンズ自動合焦手段が、位置情報検出手段を介して検出された基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置に一致するように、標本観察用対物レンズにおける容器との相対的な距離を調整した後に、さらに、標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置に一致するように、標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
【0027】
このようにすれば、標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出に費やす時間は、わずかなもので足りるため、パッシブ型の自動焦点検出のみを用いた合焦に比べて遥かに短時間で、所望の観察位置に合焦位置を一致させることができる上、容器の形状誤差が大きい場合や、容器の内部に入れる標本の厚さの個体差が大きい場合であっても、標本観察用対物レンズを高精度に観察位置に合焦することができる。
【0028】
また、標本の観察に際しては、容器の底部の厚さや標本の厚さが、個々に大きく異なる場合がある。そのような場合には、本第2の発明のように位置情報検出手段を介して検出された基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報と、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置に一致するように、標本観察用対物レンズにおける容器との相対的な距離を調整した後、さらにパッシプ方式を用いて合焦しても、却って時間が長くかかってしまう場合が生じ得る。
【0029】
そこで、本第3の発明の観察装置においては、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段が、位置情報検出手段を介して検出された基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズの合焦位置が基準面に一致するように、標本観察用対物レンズにおける容器との相対的な距離を調整し、さらに、標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置に一致するように、標本観察用対物レンズにおける容器との相対的な距離を調整するのが好ましい。
即ち、本第3の発明の観察装置では、標本観察用対物レンズの合焦位置を基準面に一致させた後に、さらにパッシプ型の自動焦点検出を介して観察位置へ合焦位置を一致させるようにしている。
このようにすれば、容器の底部の厚さ、あるいは、標本の厚さが個々に大きく異なっても、時間をかけ過ぎることなく高精度に合焦することができる。
【0030】
なお、本発明の観察装置における基準面は、容器の底部における標本側の面、標本とは反対側の面のいずれ面も適用可能である。しかるに、本第1の発明、本第2の発明の観察装置において、容器の底部における標本側の面を基準面とする場合には、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段は、標本の平均的な厚さを考慮せずに、位置情報検出手段を介して検出された基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置に一致するように、標本観察用対物レンズにおける容器との相対的な距離を調整するようにすればよい。また、本第3の発明の観察装置においては、容器の底部における標本側の面を基準面とする構成は、容器の底部の厚さに個体差がなく、かつ、標本の厚さの個体差が大きい場合に有効となる。
【0031】
第一実施形態
図1は本発明の第一実施形態にかかる観察装置の全体構成を概略的に示す説明図、図2は図1の観察装置における合焦動作の手順を示すフローチャート、図3は図1の観察装置における合焦動作の手順を示す状態説明図で、(a)は基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入した初期状態、(b)はアクティブ型の焦点検出方式により基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(c)は観察光路に挿入する対物レンズを基準面合焦用対物レンズから標本観察用対物レンズ切換えた状態、(d)は基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させたときの基準面との相対的な位置情報、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さ、及び基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態を示している。
【0032】
第一実施形態の観察装置は、基準面合焦用対物レンズ1と、標本観察用対物レンズ2と、対物レンズ切換え手段3と、アクティブ型自動合焦手段4と、位置情報検出手段5と、標本観察用対物レンズ自動合焦手段6を有している。
【0033】
基準面合焦用対物レンズ1は、標本10を収容する容器であるマイクロウェルプレート11の底部11aにおける所定の基準面に合焦させるために用いる対物レンズである。所定の基準面としては、例えば、底部11aにおける標本10側の面11a1又は標本10とは反対側の面11a2が挙げられる。第一実施形態の観察装置では、反対側の面11a2を基準面としている。また、基準面合焦用対物レンズ1は、後述するアクティブ型の自動焦点検出を行うことによって、マイクロプレートウェル11の底部11aにおける所定の基準面11a2に合焦させることができる焦点深度及びNAを備えている。
【0034】
標本観察用対物レンズ2は、標本10における所定の観察位置10aを観察するために用いる対物レンズである。所定の観察位置10aは、標本10における基準面11a2から所定距離離間した、例えば、標本10と培養液との界面が挙げられる。
【0035】
対物レンズ切換え手段は、基準面合焦用対物レンズ1と標本観察用対物レンズ2とを切換えて観察光路に挿入可能な、例えば、レボルバやスライダ等の切換え部材(図示省略)と、切換え部材を駆動する切換え部材駆動部3aと、制御部9の内部に備えられた切換え部材駆動部3a用駆動制御回路(図示省略)で構成されている。
【0036】
アクティブ型自動合焦手段は、アクティブ型の自動焦点検出を行い、観察光路に挿入された基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置を基準面11a2に一致させる手段である。図1の観察装置では、レーザダイオード4aと、ハーフミラー4bと、コリメートレンズ4cと、ハーフミラー4dと、ピンホール4jと、フォトダイオード4eと、レーザダイオード駆動部4fと、受光信号処理部4gと、Zステージ4hと、Zステージ駆動部4iと、制御部9の内部に備えられたレーザダイオード駆動部4f用駆動制御回路(図示省略)及びZステージ駆動部4i用駆動制御回路(図示省略)を有して構成されている。
そして、アクティブ型自動合焦手段は、レーザダイオード駆動部4fを介してレーザダイオード4aから所定波長のレーザ光を出射し、ハーフミラー4b、コリメートレンズ4c、ハーフミラー4d、基準面合焦用対物レンズ1を経由した光を容器11に向けて収束光として照射し、容器11からの反射光を、基準面合焦用対物レンズ1、ハーフミラー4d、コリメートレンズ4c、ハーフミラー4b、ピンホール4jを経てフォトダイオード4eで受光する。そして、制御部9の内部に備えられたZステージ駆動部4i用駆動制御回路(図示省略)が、フォトダイオード4eでの受光領域が極小になるように、Zステージ駆動部4iを介してZステージ4hをZ方向に移動させ、基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置を基準面11a2に一致させるようになっている。
なお、図1の例では、Zステージ4hは、対物レンズをZ方向に移動可能に構成されているが、容器11をZ方向に移動可能に構成してもよい。
【0037】
位置情報検出手段は、制御部9の内部に設けられた、例えば、Zステージ駆動部4iによるZ方向の駆動量を検出するとともに、基準面合焦用対物レンズ1の胴付き位置から合焦位置までの同焦距離L1に基づいて、基準面11a2のZ方向の位置を算出する回路(図示省略)で構成されている。そして、観察光路に挿入された基準面合焦用対物レンズ1が基準面11a2に合焦したときの、基準面11a2における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報を検出する機能を備えている。
【0038】
標本観察用対物レンズ自動合焦手段は、制御部9に設けられた、位置情報検出手段を介して検出された基準面11a2における基準面11a2に合焦したときの基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報Z1+L1、容器11の底部11aの平均的な厚さT1、標本10の平均的な厚さT2、及び標本観察用対物レンズ2の胴付き位置から合焦位置までの同焦距離L2に基づいて、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、Zステージ駆動部4iの回転方向及び回転量を制御して、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整する回路(図示省略)で構成されている。
【0039】
その他、図1中、5aは結像レンズ、5bはミラー、5cは撮像素子、5dは撮像素子で撮像された信号を処理する信号処理部、6aは容器11を載置した状態でXY方向に移動させるXYステージ、6bはXYステージ駆動部である。信号処理部、XYステージ駆動部6bは、夫々制御部9に接続され、制御部9の内部に設けられた制御回路を介して作動を制御されている。
【0040】
そして、第一実施形態の観察装置は、制御部9を介して、標本観察用対物レンズ2の観察位置10aへの合焦を図2及び図3に示す手順で行うように構成されている。なお、観察光路上には所望のウェルが配置されているものとする。
まず、対物レンズ切換え手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1を観察光路に挿入する(ステップS11)。この段階では、基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置は、図3(a)に示すように、基準面11a2から△1離れている。
【0041】
次に、アクティブ型自動合焦手段を介して、アクティブ型の自動焦点検出を行い、図3(b)に示すように、観察光路に挿入された基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置を基準面11a2に一致させる(ステップS12)。
【0042】
次に、位置情報検出手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1が基準面11a2に合焦したときの、基準面11a2における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報を検出する(ステップS13)。詳しくは、Zステージ駆動部4iによるZ方向の駆動量△1を検出することで、基準面合焦用対物レンズ1のZ方向での位置Z1が求
まる。そして、この基準面合焦用対物レンズ1のZ方向での位置Z1に基準面合焦用対物レンズ1の同焦距離L1を加算することで、基準面11a2のZ方向での相対的な位置Z1+L1が求まる。
【0043】
次に、対物レンズ切換え手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1から標本観察用対物レンズ2に切換えて観察光路に挿入する(ステップS14)。この段階では、基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置は、図3(c)に示すように、基準面11a2から△2離れて
いる。
【0044】
次に、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段を介して、位置情報検出手段を介して検出された基準面11a2における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報Z1+L1、容器11の底部11aの平均的な厚さ(ここではT1とする)、標本10の平均的な厚さ(ここではT2とする)、及び標本観察用対物レンズ2の同焦距離L2に基づいて、図3(d)に示すように、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整する(ステップS15)。
【0045】
第一実施形態の観察装置によれば、アクティブ型の自動焦点検出が可能な基準面合焦用対物レンズ1を用いて基準面11a2に合焦し、そのときの基準面11a2における基準面合焦用対物レンズ1との相対的な位置情報Z1+L1に基づいて、観察位置10aの位置情報Z1+L1+T1+T2を算出し、その観察位置10aの位置情報Z1+L1+T1+T2と標本観察用対物レンズ2の同焦距離L2に基づく合焦位置Z1+L2との差分△2+T1+T2をZ方向に移動させるので、標本観察用対物レンズ2としてアクティブ
型の自動焦点検出に適用できない対物レンズを使用しても、短時間で観察位置に合焦位置を位置あわせ可能な観察装置及び観察方法が得られる。
【0046】
第二実施形態
図4は本発明の第二実施形態にかかる観察装置における合焦動作の手順を示すフローチャート、図5は第二実施形態の観察装置における合焦動作の手順を示す状態説明図で、(a)は基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入した初期状態、(b)はアクティブ型の焦点検出方式により基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(c)は観察光路に挿入する対物レンズを基準面合焦用対物レンズから標本観察用対物レンズ切換えた状態、(d)は基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させたときの基準面との相対的な位置情報、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さ、及び基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態、(e)は(d)の位置からパッシブ型の焦点検出方式により標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態、を示している。
【0047】
第二実施形態の観察装置では、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段が、位置情報検出手段を介して検出された基準面11a2における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報Z1+L1、容器11の底部11aの平均的な厚さT1、標本10の平均的な厚さT2、及び標本観察用対物レンズ2の同焦距離L2に基づいて、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整した上で、さらに、標本観察用対物レンズ2を介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整するように構成されている。
パッシブ型の自動焦点検出のための制御は、図1に示した信号処理部5を経由して得られた信号に基づいて、Zステージ駆動部4iによるZ方向の駆動量を検出する制御部9の内部に設けられた図示しない制御回路によって行われるように構成されている。
その他の構成は、第一実施形態の観察装置とほぼ同じである。
【0048】
そして、第二実施形態の観察装置は、制御部9を介して、標本観察用対物レンズ2の観察位置10aへの合焦を図4及び図5に示す手順で行うように構成されている。
まず、対物レンズ切換え手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1を観察光路に挿入する(ステップS21)。この段階では、基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置は、図5(a)に示すように、基準面11a2から△1離れている。
【0049】
次に、アクティブ型自動合焦手段を介して、アクティブ型の自動焦点検出を行い、図5(b)に示すように、観察光路に挿入された基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置を基準面11a2に一致させる(ステップS22)。
【0050】
次に、位置情報検出手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1が基準面11a2に合焦したときの、基準面11a2における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報を検出する(ステップS23)。詳しくは、図1に示したZステージ駆動部4iによるZ方向の駆動量△1を検出することで、基準面合焦用対物レンズ1のZ方向での
位置Z1が求まる。そして、この基準面合焦用対物レンズ1のZ方向での位置Z1に基準面合焦用対物レンズ1の同焦距離L1を加算することで、基準面11a2のZ方向での相対的な位置Z1+L1が求まる。
【0051】
次に、対物レンズ切換え手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1から標本観察用対物レンズ2に切換えて観察光路に挿入する(ステップS24)。この段階では、基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置は、図5(c)に示すように、基準面11a2から△2離れて
いる。
【0052】
次に、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段を介して、位置情報検出手段を介して検出された基準面11a2における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報Z1+L1、容器11の底部11aの平均的な厚さ(ここではT1とする)、標本10の平均的な厚さ(ここではT2とする)、及び標本観察用対物レンズ2の同焦距離L2に基づいて、図5(d)に示すように、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整する(ステップS25)。
ここまでの処理手順は、第一実施形態の観察装置と同じである。
【0053】
ここで、第二実施形態の観察装置では、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段は、さらに、標本観察用対物レンズ2を介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整する(ステップS26)。
【0054】
第一実施形態及び第二実施形態の標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して行う、標本観察用対物レンズにおける容器11との相対的な距離の調整(ステップS15,S25)に際し、用いられる容器11の底部11aの厚さT1や標本10の厚さT2は、規格化された容器11の底部11aの厚さの平均値、標本10の一般的な厚さの平均値であって、実際の個々の容器11、標本10を測定した値ではない。しかるに、容器11の底部11aの厚さの誤差や、容器11の内部に入れる標本10の厚さの固体差が大きい場合には、所定の基準面11a2の位置情報に基づいて、観察位置10aの位置情報Z1+L1を算出し、さらに、容器11の底部11aの厚さT1や標本10の厚さT2を加算して観察位置10aの位置情報Z1+L1+T1+T2を求めても、図5(d)に示すように、算出処理によって得られた位置が実際の観察位置10aから大きくずれ、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aから大きくずれてしまうおそれがある。
【0055】
しかるに、第二実施形態の観察装置によれば、第一実施形態の観察装置と同様の位置調整を行った後にさらに、標本観察用対物レンズ2を介したパッシブ型の自動焦点検出を行うことによって標本観察用対物レンズ2を観察位置10aに合焦させるようにしたので、標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出に費やす時間は、わずかなもので足り、パッシブ型の自動焦点検出のみを用いた合焦に比べて遥かに短時間で、所望の観察位置10aに合焦位置を一致させることができる上、容器11の形状誤差が大きい場合や、容器11の内部に入れる標本10の厚さの個体差が大きい場合であっても、標本観察用対物レンズを高精度に観察位置10aに合焦させることができる。
【0056】
第三実施形態
図6は本発明の第三実施形態にかかる観察装置における合焦動作の手順を示すフローチャート、図7は第三実施形態の観察装置における合焦動作の手順を示す状態説明図で、(a)は基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入した初期状態、(b)はアクティブ型の焦点検出方式により基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(c)は観察光路に挿入する対物レンズを基準面合焦用対物レンズから標本観察用対物レンズ切換えた状態、(d)は基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させたときの基準面との相対的な位置情報、及び基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(e)は(d)の位置からパッシブ型の焦点検出方式により標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態、を示している。
【0057】
第三実施形態の観察装置では、底部11aにおける標本10側の面11a1を基準面としている。
また、第三実施形態の観察装置では、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段が、位置情報検出手段を介して検出された基準面11a1における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報Z1’+L1、及び標本観察用対物レンズ2の同焦距離L2に基づいて、観察光路に挿入された標本観察用対物レンズ2の合焦位置が基準面11a1に一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整し、さらに、標本観察用対物レンズ2を介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整するように構成されている。
即ち、第三実施形態の観察装置では、標本観察用対物レンズ2の合焦位置を基準面11a1に一致させた後に、さらにパッシプ型の自動焦点検出を介して観察位置10aへ合焦位置を一致させるようにしている。
【0058】
そして、第三実施形態の観察装置は、制御部9を介して、標本観察用対物レンズ2の観察位置10aへの合焦を図6及び図7に示す手順で行うように構成されている。
まず、対物レンズ切換え手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1を観察光路に挿入する(ステップS31)。この段階では、基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置は、図7(a)に示すように、基準面11a1から△1’離れている。
【0059】
次に、アクティブ型自動合焦手段を介して、アクティブ型の自動焦点検出を行い、図7(b)に示すように、観察光路に挿入された基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置を基準面11a1に一致させる(ステップS32)。
【0060】
次に、位置情報検出手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1が基準面11a1に合焦したときの、基準面11a1における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報を検出する(ステップS33)。詳しくは、図1に示したZステージ駆動部4iによるZ方向の駆動量△1’を検出することで、基準面合焦用対物レンズ1のZ方向で
の位置Z1’が求まる。そして、この基準面合焦用対物レンズ1のZ方向での位置Z1’に基準面合焦用対物レンズ1の同焦距離L1を加算することで、基準面11a1のZ方向での相対的な位置Z1’+L1が求まる。
【0061】
次に、対物レンズ切換え手段を介して、基準面合焦用対物レンズ1から標本観察用対物レンズ2に切換えて観察光路に挿入する(ステップS34)。この段階では、基準面合焦用対物レンズ1の合焦位置は、図7(c)に示すように、基準面11a1から△2’離れ
ている。
【0062】
次に、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段を介して、位置情報検出手段を介して検出された基準面11a1における基準面合焦用対物レンズ1との光軸方向での相対的な位置情報Z1’+L1、及び標本観察用対物レンズ2の同焦距離L2に基づいて、図7(d)に示すように、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が基準位置11a1に一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整する(ステップS35)。
【0063】
ここで、第三実施形態の観察装置では、標本観察用対物レンズ自動合焦点手段は、さらに、標本観察用対物レンズ2を介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、標本観察用対物レンズ2の合焦位置が観察位置10aに一致するように、標本観察用対物レンズ2における容器11との相対的な距離を調整する(ステップS36)。
【0064】
標本の観察に際しては、容器の底部の厚さや標本の厚さが、個々に大きく異なる場合がある。そのような場合には、第二実施形態の観察装置のように位置情報検出手段を介して検出された基準面における基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報と、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さ、及び基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズの合焦位置が観察位置に一致するように、標本観察用対物レンズにおける容器との相対的な距離を調整した後、さらにパッシプ方式を用いて合焦しても、却って時間が長くかかってしまう場合が生じ得る。
【0065】
しかるに、第三実施形態の観察装置によれば、基準面として、容器の底部における標本面側を採用し、標本観察用対物レンズの合焦位置を基準面に一致させた後に、さらにパッシプ型の自動焦点検出を介して観察位置へ合焦位置を一致させるようにしたので、容器の底部の厚さ、あるいは、標本の厚さが個々に大きく異なっても、時間をかけることなく高精度に合焦することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は肉厚の薄い透明部材に保持された試料の画像、特にマルチウェルプレートに培養されている細胞サンプルの画像を用いて細胞観察、解析を行う生物、医療の分野に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第一実施形態にかかる観察装置の全体構成を概略的に示す説明図である。
【図2】図1の観察装置における合焦動作の手順を示すフローチャートである。
【図3】図1の観察装置における合焦動作の手順を示す状態説明図で、(a)は基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入した初期状態、(b)はアクティブ型の焦点検出方式により基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(c)は観察光路に挿入する対物レンズを基準面合焦用対物レンズから標本観察用対物レンズ切換えた状態、(d)は基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させたときの基準面との相対的な位置情報、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さ、及び基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態を示している。
【図4】本発明の第二実施形態にかかる観察装置における合焦動作の手順を示すフローチャートである。
【図5】第二実施形態の観察装置における合焦動作の手順を示す状態説明図で、(a)は基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入した初期状態、(b)はアクティブ型の焦点検出方式により基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(c)は観察光路に挿入する対物レンズを基準面合焦用対物レンズから標本観察用対物レンズ切換えた状態、(d)は基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させたときの基準面との相対的な位置情報、容器の底部の平均的な厚さ、標本の平均的な厚さ、及び基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態、(e)は(d)の位置からパッシブ型の焦点検出方式により標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態、を示している。
【図6】本発明の第三実施形態にかかる観察装置における合焦動作の手順を示すフローチャートである。
【図7】第三実施形態の観察装置における合焦動作の手順を示す状態説明図で、(a)は基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入した初期状態、(b)はアクティブ型の焦点検出方式により基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(c)は観察光路に挿入する対物レンズを基準面合焦用対物レンズから標本観察用対物レンズ切換えた状態、(d)は基準面合焦用対物レンズを基準面に合焦させたときの基準面との相対的な位置情報、及び基準面合焦用対物レンズの合焦位置における標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、標本観察用対物レンズを基準面に合焦させた状態、(e)は(d)の位置からパッシブ型の焦点検出方式により標本観察用対物レンズを観察位置に合焦させた状態、を示している。
【符号の説明】
【0068】
1 基準面合焦用対物レンズ
2 標本観察用対物レンズ
3a 切換え部材駆動部
4a レーザダイオード
4b ハーフミラー
4c コリメートレンズ
4d ハーフミラー
4e フォトダイオード
4f レーザダイオード駆動部
4g 受光信号処理部
4h Zステージ
4i Zステージ駆動部
4j ピンホール
5a 結像レンズ
5b ミラー
5c 撮像素子
5d 信号処理部
6a XYステージ
6b XYステージ駆動部
9 制御部
10 標本
10a 観察位置
11 マイクロウェルプレート
11a 底部
11a1 底部11aにおける標本10側の面
11a2 底部11aにおける標本10とは反対側の面
L1 基準面合焦用対物レンズ1の胴付き位置から合焦位置までの同焦距離
L2 標本観察用対物レンズ2の胴付き位置から合焦位置までの同焦距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に配置された標本に対物レンズを自動的に合焦して該標本を観察する観察装置であって、
前記容器の底部における所定の基準面に合焦させるための基準面合焦用対物レンズと、
前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察するための標本観察用対物レンズと、
前記基準面合焦用対物レンズと前記標本観察用対物レンズとを切換えて観察光路に挿入可能な対物レンズ切換え手段と、
アクティブ型の自動焦点検出を行い、前記観察光路に挿入された前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置を前記基準面に一致させるアクティブ型自動合焦手段と、
前記観察光路に挿入された前記基準面合焦用対物レンズが前記基準面に合焦したときの、該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報と前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報とを用いて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整する標本観察用対物レンズ自動合焦手段、
を有することを特徴とする観察装置。
【請求項2】
前記標本観察用対物レンズ自動合焦手段が、前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整することを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
【請求項3】
前記標本観察用対物レンズ自動合焦点手段が、前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整し、さらに、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の観察装置。
【請求項4】
前記標本観察用対物レンズ自動合焦点手段が、前記位置情報検出手段を介して検出された前記基準面における前記基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、前記観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該基準面に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整し、さらに、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整することを特徴とする請求項1に記載の観察装置。
【請求項5】
容器に配置された標本に対物レンズを自動的に合焦して該標本を観察する観察方法であって、
対物レンズ切換え手段を介して、前記容器の底部における所定の基準面に合焦させるための基準面合焦用対物レンズを観察光路に挿入し、次いで、アクティブ型自動合焦手段を介して、該基準面合焦用対物レンズを介したアクティブ型の自動検出を行い、該観察光路に挿入された該基準面合焦用対物レンズの合焦位置を該基準面に一致させ、次いで、位置情報検出手段を介して、該基準面合焦用対物レンズが該基準面に合焦したときの、該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な光軸方向の位置情報を検出する基準面合焦用対物レンズ合焦ステップと、
前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報と前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報とを用いて、該観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整する標本観察用対物レンズ合焦ステップ、
を有することを特徴とする観察方法。
【請求項6】
前記標本観察用対物レンズ合焦ステップが、前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、該観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整することを特徴とする請求項5に記載の観察方法。
【請求項7】
前記標本観察用対物レンズ合焦ステップが、前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、前記容器の底部の平均的な厚さ、前記標本の平均的な厚さ、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、該観察光路に挿入された該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整し、次いで、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整することを特徴とする請求項5又は6に記載の観察方法。
【請求項8】
前記標本観察用対物レンズ合焦ステップが、前記対物レンズ切換え手段を介して、前記基準面合焦用対物レンズから、前記基準面から所定距離離間した前記標本における所定の観察位置を観察する標本観察用対物レンズに切換えて前記観察光路に挿入し、次いで、標本観察用対物レンズ自動合焦手段を介して、前記位置情報検出手段を介して検出された該基準面における該基準面合焦用対物レンズとの光軸方向での相対的な位置情報、及び前記基準面合焦用対物レンズの合焦位置における前記標本観察用対物レンズの合焦位置との光軸方向での相対的な位置情報に基づいて、該標本観察用対物レンズの合焦位置が前記基準面に一致するように、該標本観察用対物レンズと該容器との相対的な距離を調整し、次いで、該標本観察用対物レンズを介したパッシブ型の自動焦点検出を行い、該標本観察用対物レンズの合焦位置が該観察位置に一致するように、該標本観察用対物レンズにおける該容器との相対的な距離を調整することを特徴とする請求項5に記載の観察方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−282357(P2009−282357A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−135110(P2008−135110)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】