説明

計測装置

【課題】、オイルミストや塵などの付着から装置を保護して測定精度の劣化を防止し、加工機械のそばでも測定が行える計測装置を提供すること。
【解決手段】被検物Mの形状を測定する計測装置であって、前記被検物Mの形状情報を採取する検出手段(形状センサ20、投影ユニット21、撮像ユニット22)と、前記計測部の周囲に気体流を形成する気体流形成手段(エアーポンプ30、エアーホース31、エアーダクト21d、22c)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被検物の3次元形状を測定する計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検物の3次元形状を測定する計測装置として、例えば基盤上に水平一方向に移動するXステージとこれと直交する水平他方向に移動するYステージからなる移動テーブルを設け、また基盤上に垂直方向に移動するZステージにセンサヘッドを設けて、このセンサヘッドに移動テーブル上に載置された被検物に向けて測定光を発する光源と被検物から反射した測定光の反射光画像を取得するテレビカメラを内蔵した装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
上記装置では、被検物に対して測定光源から測定光を照射し、被検物から反射する測定光の反射光画像を、測定光が照射される方向とは異なる方向からテレビカメラで観察し、反射光画像中の測定光の形状と、光源の位置と、テレビカメラの位置とから、被検物の3次元形状を非接触で測定する。
【特許文献1】特開平11−125508号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の計測装置は、通常、被検物(機械加工物)を機械加工する旋盤などから離れた場所、例えば測定室内に設置されている。機械加工後に一旦被検物を加工現場から測定室に持ち込み、測定を行い、測定結果から再度機械加工が必要な場合には被検物を加工現場に戻している。
【0005】
このように被検物を加工現場と測定室との間で行き来することは時間の大きなロスにつながり、生産性の向上などの観点から被検物の加工現場(旋盤のすぐそば)で測定を行うことが提案されている。
【0006】
しかし、加工現場では切削屑や切削油などが飛び散っていることから、これら切削油などから計測装置を保護するために遮蔽する必要があるが、切削油はオイルミストとして加工現場の雰囲気中に浮遊する。また、加工現場にはオイルミスト以外に塵なども浮遊しており、計測装置の周囲に遮蔽物を設置したとしてもオイルミストや塵などが計測装置の心臓部である測定光源やテレビカメラに付着することがある。
【0007】
オイルミストや塵などの装置心臓部(測定光源やテレビカメラなどの直接計測にかかわる部位)への付着を放置しておくと、被検物への測定光の照射量の変化(減少)やテレビカメラに入射する反射光量の変化(減少)などが起こり、これに起因して測定精度が劣化する課題がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、オイルミストや塵などの付着から装置を保護して測定精度の劣化を防止し、加工機械のそばでも測定が行える計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の請求項1に記載の計測装置は、被検物の形状を測定する計測装置であって、前記被検物の形状情報を採取する検出手段と、前記検出手段の周囲に気体流を形成する気体流形成手段と、を備え、前記気体流形成手段は、集塵手段を介して前記検出手段の外界の雰囲気よりも不純物の少ない気体を流して、前記検出手段を前記雰囲気から隔てる気体流形成手段であることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に記載の計測装置は、請求項1に記載の計測装置において、前記集塵手段は、前記気体に含まれる不純物を正または負に帯電させる帯電機構と、前記帯電させた不純物の帯電極性とは、逆の極性に帯電させた集塵機構とを有し、該集塵機構により前記帯電させた不純物を引き寄せることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に記載の計測装置は、請求項2に記載の計測装置において、前記帯電機構は、帯電した不活性ガスを前記気体に含まれる不純物に吹き付けて不純物を帯電させるか、或いは不純物を含む前記気体を帯電した不活性ガス雰囲気中を通過させることにより不純物を帯電させることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に記載の計測装置は、請求項3に記載の計測装置において、前記集塵機構は、前記帯電させた不純物を含む気体の流路を囲む網目構造を有し、該網目を通過させて前記帯電した不活性ガス及び不純物を吸引排気することを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に記載の計測装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の計測装置において、前記検出手段は光学系を備え、前記気体流は前記光学系から射出した光の光路に沿って該光学系を構成する光学部品を囲むように形成されることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に記載の計測装置は、請求項5に記載の計測装置において、前記光学系は、前記被検物に光を照射する照明部と、該光の照射によって前記被検物から反射する反射光を検出する受光部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項7に記載の計測装置は、請求項5に記載の計測装置において、前記光学系は、前記被検物から反射する反射光を検出する受光部を備えていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項8に記載の計測装置は、請求項1から4のいずれか1項に記載の計測装置において、前記検出手段は前記被検物に接触する測定子を備え、前記気体流は前記測定子を囲むように形成されることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項9に記載の計測装置は、請求項1から8のいずれか1項に記載の計測装置において、前記気体流形成手段は、前記検出手段の前記被検物が載置された方向に向けて面した領域の外周部に設けられ、前記気体流を形成する気体を噴出する射出口を備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項10に記載の計測装置は、請求項1から8のいずれか1項に記載の計測装置において、前記気体流は、該気体流と前記気体流形成部と前記検出手段を支持する支持部材とによって前記検出手段の周囲を取り囲む閉じ空間を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、オイルミストや塵などの付着から装置を保護して測定精度の劣化を防止し、加工機械のそばでも測定が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下本発明の計測装置の第1の実施形態について図1乃至図6を参照して説明する。
【0021】
本発明の計測装置は被検物の3次元形状を計測する装置で、塵やオイルミストが浮遊する雰囲気の中、例えば旋盤のそばに設置される。
【0022】
図1は本発明の計測装置の一実施形態を示す概略図である。
【0023】
本実施形態の計測装置には、被検物Mの形状情報を採取する検出手段としての形状センサ20を装備した計測装置本体10と、形状センサ20の周囲に気体流を形成する気体流形成手段を構成するエアーポンプ30とが設けられている。エアーポンプ30は、その駆動時に発生する振動が計測装置本体10に伝わるのを可及的に少なくするため、計測装置本体10を設置した床11の該計測装置本体10から離して設置される。
【0024】
計測装置本体10は、床11に設置された除振台12上にベース13を配置し、このベース13上にXステージ14とYステージ15とZステージ16とを配置して構成されている。
【0025】
除振台12は、エアーポンプ30で発生して床11を通じてベース13に伝わる振動の殆どを吸収する装置である。したがって、計測装置本体10はエアーポンプ30が発生する振動の影響を殆ど受けることがない。
【0026】
Xステージ14は、被検物Mを載置する機構で、載置した被検物Mをベース13上で水平一方向(図1の矢印X方向参照)に平行移動させる。
【0027】
Yステージ15は、ベース13上でXステージ14と直交する水平他方向(図1の矢印Y方向参照)に移動する水平部分15aと、この水平部分15a上に垂直に起立して設けられた垂直部分15bとを有している。この垂直部分15bにはZステージ16が移動可能に支持されている。
【0028】
Zステージ16は、Yステージ15の垂直部分15bに沿いベース13に対して垂直方向(図1の矢印Z方向参照)に移動可能な基部16aと、この基部16aからベース13に対して平行に延びるアーム部16bとを有している。アーム部16bの先端部には被検物Mと対向するようにして形状センサ20が取り付けられる。
【0029】
形状センサ20は、Yステージ15とZステージ16によってベース13に対して水平方向(矢印Y方向)及び垂直方向(矢印Z方向)に移動可能である。形状センサ20は、被検物Mの形状を光切断法によって計測する装置で、図2に示すように、測定光を被検物Mに投影する投影ユニット21と、被検物Mからの反射光を受光し、被検物Mの測定光が照射された位置を撮像する撮像ユニット22とを有する。図4に示すように、これらユニット21,22を支持する筐体20aの内部には、各ユニット21,22に設けられた気体流供給部20bを有する。なお、この筐体20aに前述のアーム部16bが接続されている。
【0030】
投影ユニット21と撮像ユニット22には、それらの周囲にそれぞれ設けた上述の気体流供給部20bに接続されたエアーホース31を介してクリーンエアー(計測装置本体10が設置されている雰囲気に含まれるオイルミストや塵などの不純物が雰囲気よりも少ないエアー)がエアーポンプ30から供給される。
【0031】
図1(b)は集塵手段40の概略構成を示す断面図である。この図1(b)に示すように、クリーンエアーはエアーポンプ30から集塵手段40を介して供給される。集塵手段40は、エアーポンプ30から供給される空気中に含まれる不純物やエアーポンプ30で捕捉されたエアーに混在している不純物やエアーポンプ30内で発生する不純物を取り除いている。
【0032】
集塵手段40は、エアーポンプ30から供給される気体が導かれる導入口49と、導入口49に導入された気体を通過させる導入路41と、その導入路41に連結され、帯電された不活性ガスを導入路41に供給するイオン化ガス発生部48と、導入路41の放出口50側に設置された網目部材42と、網目部材42で引き寄せられた不純物を捕捉する不純物回収部43と、排気口44とを備えている。
【0033】
この集塵手段40は、エアーポンプ30から供給される空気中に含まれる不純物を正または負に帯電させる帯電機構と、帯電させた不純物の帯電極性とは、逆の極性に帯電させた集塵機構とを有し、その集塵機構により前記帯電させた不純物を引き寄せる。
【0034】
帯電機構は、不活性ガス供給部47とイオン化ガス発生部48からなり、イオン化ガス発生部48で帯電された不活性ガスをエアーポンプ30から供給される気体と一緒に導入路41に流すことで不純物への帯電がなされる。
【0035】
不活性ガス供給部47は、一定圧力で不活性ガスをイオン化ガス発生部48に供給している。
【0036】
イオン化ガス発生部48は図示していない放電電極が備えられている。また、イオン化ガス発生部48は高周波電源46から高周波電力の供給を受けている。イオン化ガス発生部48は高周波電力によりその内部で放電が行われ、供給された不活性ガスを電離させる。そして、電離された不活性ガスを導入路41に供給する。このようにして、帯電した不活性ガスを前記気体に含まれる不純物に吹き付けて不純物を帯電させる。
【0037】
また、集塵機構は網目部材42と不純物回収部43からなり、網目部材42で引き寄せられた前記帯電した不活性ガス及び不純物を吸引排気し、不純物回収部43で気体から不純物を分離する。
【0038】
網目部材42は、直流電源45により帯電された不純物の逆の極性に帯電されている。網目部材42は帯電させた不純物を含む気体の流路を囲むように配置されている。また排気口44は不図示の吸引ポンプに接続されているので、網目部材42で引き寄せられた不純物や不活性ガスは不純物回収部43に回収される。この不純物回収部43にはフィルターや遠心分離部を備えており、気体と不純物を分離し、気体から不純物を取り除く。
【0039】
一方、網目部材42で引き寄せられなかった気体は、そのまま放出口50に向かい、放出口50に接続されたエアーホース31に不純物の少ないクリーンエアーが供給される。
【0040】
エアーホース31は弾性に富むゴムで構成され、自在に曲げられ、また、エアーポンプ30が発生する振動を吸収する。
【0041】
投影ユニット21には、図3及び図4に示すように、レーザー発光素子21aと投影レンズ21bとスリット21cとエアーダクト21dとが設けられている。レーザー発光素子21aは、レーザー光を放射する発光素子で、このレーザー光は投影レンズ21bによってコリメートされる。コリメートされたレーザー光は、スリット21cを通り抜けて、シート状の測定光に整形され、被検物Mに向かう。エアーダクト21dは、スリット21cと投影レンズ21bとの周囲(投影ユニット21の被検物Mが載置された方向に該当する領域以外の外周部)に投影レンズ21bの光軸を中心に周方向に均等な間隔で複数配置された、クリーンエアーの射出口である。
【0042】
投影ユニット21にエアーホース31を介して送り込まれたクリーンエアーは、図4に示すように、投影ユニット21内に形成した気体流供給部20bを通って複数のエアーダクト21dから吹き出る。これらのエアーダクト21dは、投影レンズ21bの光軸に向かって僅かながら傾いていて、その光軸を中心に放射状に配置されているので、エアーダクト21dから吹き出るクリーンエアーは、スリット21cから射出した測定光に沿って流れ、投影レンズ21bから離れた位置で他のエアーダクト21dからのクリーンエアーとぶつかり合う。このとき、クリーンエアーはスリット21cが設けられた面を底面とする円錐状の気体流の層(エアーカーテン 図4の点線で囲んだ部位)を形成するので、投影ユニット21の周囲の雰囲気は、このクリーンエアーの気体流の層(エアーカーテン)やエアーダクト21dと筐体20aに阻まれて、このエアーカーテンと筐体20aとで囲まれた内部の空間に入りにくくなっている。従って、この雰囲気中に浮遊する粉塵やオイルミストはスリット21cと投影レンズ21bに近づくことが困難である。スリット21cの開口部と投影レンズ21bの表面は常にクリーンエアーに曝されていて、曇りが発生するほどの塵やオイルミストの付着がない。
【0043】
それ故、光量を増やさなくとも被検物Mの形状を計測する精度を常に高く維持することができる。
【0044】
被検物Mに到達した測定光は、被検物Mの表面で反射して、その一部の反射光が撮像ユニット22に向かう。
【0045】
撮像ユニット22には、図5及び図6に示すように、撮像レンズ22aと撮像素子22bとエアーダクト22cとが設けられている。撮像レンズ22aは、被検物Mの像を撮像素子22b上に結像するレンズで、撮像素子22bは撮像レンズ22aが結像する像を画像データに光電変換する素子である。撮像ユニット22(撮像素子22b)から出力される画像データは、図示しない計測回路によって、当該到達位置情報や各ステージの位置情報、測定光の射出方向に基づいて、被検物Mの形状を現す形状データに変換された後、CADなどの装置に出力される。エアーダクト22cは、撮像レンズ22aの周囲(撮像ユニット22の被検物Mが載置された方向に向けて面した領域の外周部)に設けられ、撮像レンズ22aの光軸を中心に周方向に均等な間隔で複数配置されている。ここからクリーンエアーが射出される。
【0046】
撮像ユニット22にエアーホース31を介して送り込まれたクリーンエアーは、図6に示すように、筐体20a内に形成した気体流供給部20bを通って複数のエアーダクト22cから吹き出る。これらのエアーダクト22cは、撮影レンズ22aの光軸に向かって僅かながら傾いていて、この光軸を中心に放射状に配置されているので、エアーダクト22cから吹き出るクリーンエアーは、撮像レンズ22aの光軸に沿って流れ、撮影レンズ22aから離れた位置で他のエアーダクト22cからのクリーンエアーとぶつかり合う。このとき、クリーンエアーは撮像レンズ22aの外周から発した気体流の層(エアーカーテン 図6の点線で囲んだ部位)を形成するので、撮像ユニット22の周囲の雰囲気は、このクリーンエアーの気体流(エアーカーテン)やエアーダクト22cや筐体20aに阻まれて、このエアーカーテンの内部の空間に入り難くなっている。従って、この雰囲気中に浮遊する塵やオイルミストは、撮像レンズ22aに近づくことが困難である。撮像レンズ22aの表面は常にクリーンエアーに曝されていて、塵やオイルミストによって曇ることがない。
【0047】
それ故、長時間形状測定を行っても被検物Mの形状を計測する精度を常に高く維持することができる。また、被検物Mの入れ替えのために、防汚部材を開閉するなどの特別の操作も必要ないので、取り扱いが容易となる。
【0048】
上述したように本実施形態の計測装置は、投影ユニット21と撮像ユニット22とがエアーポンプ30からのクリーンエアーによって形成されるエアーカーテンにより計測装置本体10が設置されている雰囲気から隔離することが出来ることから、測定精度の劣化について留意する必要がなく計測装置本体10を旋盤などの金属加工機械のそばに設置することが可能となり、加工後の被検物Mを加工機械の設置場所から離れた箇所にある測定室で計測するために加工機械の設置場所と測定室との間を行き来する必要がなく、生産性を向上させることが可能となる。
【0049】
次に、本発明の計測装置にかかる第2の実施形態を説明する。本実施の形態は、集塵手段40のイオン化ガス発生部48の配置位置が第1の実施形態と異なる点である。なお、第1の実施形態と同じ構成については、第1の実施形態と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0050】
ところで、本実施形態の計測装置は、集塵手段40に設けられたイオン化ガス発生部48aが導入路41の途中に配置されている。図7は第2の実施形態における集塵手段40の概略構成図である。
【0051】
不活性ガス供給部47から供給された不活性ガスが導入路41中に配置されたイオン化ガス発生部48aにより、導入路41中に帯電した不活性ガスが滞留している状態を形成している。エアーポンプ30から供給さえる不純物を含む気体は帯電した不活性ガス雰囲気中を通過させることにより、その不純物を帯電させることができる。その後、放出口50側にある網目部材42で引き寄せられ、不純物回収部43に回収されることになる。
【0052】
なお、イオン化ガス発生部48aは第1の実施形態のものと同じものが使用できる。
【0053】
本発明は上記実施形態で示したものに限定されるものではない。例えば被検物Mの形状情報を採取する検出手段として投影ユニット21と撮像ユニット22とからなる形状センサ20について説明したが、例えば被検物Mから反射する反射光を検出する受光部としての撮像ユニット22のみを備えたものであってもよい。また、形状センサ20のように非接触で被検物Mの形状情報を採取する他に、被検物Mに接触してその形状情報を採取する測定子(プローブ)などでもよい。この場合、測定子の周囲にその軸線方向に沿って気体流を形成する。
【0054】
また、各エアーダクトから射出したクリーンエアーどうしがぶつかるように気体流の方向を設定しているが、これ以外にも、エアーダクトから吹き出たクリーンエアーが被検物Mや被検物Mを載置するステージまで到達するようにし、気体流と、各ユニットの筐体と、ステージ又は被検物Mとで計測装置が置かれた周囲の雰囲気と隔てられているようにしてもよい。
【0055】
また、クリーンエアーを計測装置が置かれた雰囲気から採取するのではなく、異なる雰囲気、例えば旋盤などが置かれた建屋の外の雰囲気から採取した方が好ましい。このようにすることでクリーンエアーの浄化度を容易に向上することができる。
【0056】
また、気体流は、更に形状センサ20の光学系が設けられている部分だけに形成するのではなく、筐体20a側にも形成すると、更に形状センサ20への汚れの付着が難しくなり、汚染を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の計測装置の第1の実施形態を示す概略図(a)と、集塵手段の一実施形態を示す概略図(b)である。
【図2】図1の計測装置に装備される形状センサの概略図である。
【図3】図2の形状センサを構成する投影ユニットの正面図である。
【図4】図3のB−B´線に沿った縦断面図である。
【図5】図2の形状センサを構成する撮像ユニットの正面図である。
【図6】図3のA−A´線に沿った縦断面図である。
【図7】本発明の計測装置の第2の実施の形態で用いられる集塵手段の概略図である。
【符号の説明】
【0058】
10 計測装置本体
11 床
12 除振台
13 ベース
14 Xステージ
15 Yステージ
16 Zステージ
20 形状センサ
21 投影ユニット
22 撮像ユニット
30 エアーポンプ
40 集塵手段
48、48a イオン化ガス発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検物の形状を測定する計測装置であって、
前記被検物の形状情報を採取する検出手段と、
前記検出手段の周囲に気体流を形成する気体流形成手段とを備え、
前記気体流形成手段は、集塵手段を介して前記検出手段の外界の雰囲気よりも不純物の少ない気体を流して、前記検出手段を前記雰囲気から隔てる気体流形成手段であることを特徴とする計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の計測装置において、
前記集塵手段は、前記気体に含まれる不純物を正または負に帯電させる帯電機構と、
前記帯電させた不純物の帯電極性とは、逆の極性に帯電させた集塵機構とを有し、該集塵機構により前記帯電させた不純物を引き寄せることを特徴とする計測装置。
【請求項3】
請求項2に記載の計測装置において、
前記帯電機構は、帯電した不活性ガスを前記気体に含まれる不純物に吹き付けて不純物を帯電させるか、或いは不純物を含む前記気体を帯電させた不活性ガス雰囲気中を通過させることにより不純物を帯電させることを特徴とする計測装置。
【請求項4】
請求項3に記載の計測装置において、
前記集塵機構は、前記帯電させた不純物を含む気体の流路を囲む網目構造を有し、該網目を通過させて前記帯電した不活性ガス及び不純物を吸引排気することを特徴とする計測装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の計測装置において、
前記検出手段は光学系を備え、
前記気体流は前記光学系から射出した光の光路に沿って該光学系を構成する光学部品を囲むように形成されることを特徴とする計測装置。
【請求項6】
請求項5に記載の計測装置において、
前記光学系は、前記被検物に光を照射する照明部と、該光の照射によって前記被検物から反射する反射光を検出する受光部とを備えることを特徴とする計測装置。
【請求項7】
請求項5に記載の計測装置において、
前記光学系は、前記被検物から反射する反射光を検出する受光部を備えていることを特徴とする計測装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の計測装置において、
前記検出手段は前記被検物に接触する測定子を備え、
前記気体流は前記測定子を囲むように形成されることを特徴とする計測装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の計測装置において、
前記気体流形成手段は、前記検出手段の前記被検物が載置された方向に向けて面した領域の外周部に設けられ、前記気体流を形成する気体を噴出する射出口を備えていることを特徴とする計測装置。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の計測装置において、
前記気体流は、該気体流と前記気体流形成部と前記検出手段を支持する支持部材とによって前記検出手段の周囲を取り囲む閉じ空間を形成することを特徴とする計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−44038(P2010−44038A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332232(P2008−332232)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】