説明

計量繰出し容器

【課題】被収納物をこぼすことなく、片手で、かつ、極めて容易に、所望量計量して繰出すようにした計量繰出し容器を提供する。
【解決手段】容器本体1の外側面における上部には計量ケース5を備えさせ、該容器本体1の側部と該計量ケース5の上部とには該容器本体内の被計量物を該軽量ケース内に流入させるための相互に連通する連通孔9a、9bを設け、被収納物を収納する容器本体を傾けることにより被計量物が該連通孔を通って該軽量ケース内に所望量流入するようになし、更に、該計量ケースには該軽量ケース内の被計量物を外部に流出させるための出口11を備えさせたことを特徴とする計量繰出し容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量繰出し容器に関するものであり、更に詳しくは、液状体、粉状体等の被計量物を所望量(所望の量)計量して繰出すようにした計量繰出し容器に係るものである。
【0002】
本発明による計量繰出し容器は、例えば液状ないし粉状の農薬その他の薬品、洗剤、食材等を所望量計量して用いるような場合に使用される。
【背景技術】
【0003】
被計量物を所望量計量して用いる際には、一般に、容器に収納されている被計量物を計量用カップ、計量用スプーン等の計量手段に移すことにより、所望量を計量して該容器から取り出すという手法(以下「従来の計量手法」という。)が用いられている。
【0004】
実公昭61−12908号公報は、容器本体の周面を複数縦に分割して調合品項目を形成した表示部を設け、各調合品項目に調合材料の使用分量に対応する複数の容積表示目盛を調合材料の投入順に表示してなるクッキング計量攪拌容器(以下「従来のクッキング計量攪拌容器」という。)を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭61−12908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記従来の計量手法においては、計量作業が面倒であり、被収納物を計量手段からこぼすおそれがあり、計量作業に両手を要する等の問題がある。
【0007】
一方、上記従来のクッキング計量攪拌容器は、調合材料を計量しつつ順次容器内に投入し、攪拌するようにしたものであり、該容器から被計量物を所望量繰出すようにしたものではない。
【0008】
本発明は、被収納物をこぼすことなく、片手で、かつ、極めて容易に、所望量計量して繰出すようにした計量繰出し容器を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、下記の計量繰出し容器を提供する。
【0010】
(1)容器本体の外側面における上部には計量ケースを備えさせ、該容器本体の側部と該計量ケースの上部とには該容器本体内の被計量物を該軽量ケース内に流入させるための相互に連通する連通孔を設け、被収納物を収納する容器本体を傾けることにより被計量物が該連通孔を通って該軽量ケース内に所望量流入するようになし、更に、該計量ケースには該軽量ケース内の被計量物を外部に流出させるための出口を備えさせたことを特徴とする計量繰出し容器(請求項1)。
【0011】
(2)前記計量ケースの出口には蓋を着脱自在に備えさせる(請求項2)。
【0012】
(3)前記容器本体は、容器主部と、該容器主部における上端開口部に着脱自在に取り付けた容器頭部とよりなり、
前記計量ケースは、該容器頭部の外側面に備えさせ、該容器頭部の側部と該計量ケースの上部とには該容器本体内の被計量物を該軽量ケース内に流入させるための相互に連通する連通孔を設ける(請求項3)。
【0013】
(4)前記計量ケースには該軽量ケース内の被計量物を計量するための目盛を備えさせる(請求項4)。
【発明の効果】
【0014】
[請求項1の発明]
使用者は、単に、容器本体を傾けることにより被計量物を連通孔を介して軽量ケース内に所望量流入させ、該軽量ケース内の被計量物を出口より外部に流出させることにより、被収納物を所望量取り出すことができる。この作業は、被収納物をこぼすことなく、片手で、かつ、極めて容易におこなうことができる。
【0015】
[請求項2の発明]
計量ケースの出口には蓋を着脱自在に備えさせたため、容器本体より計量ケース内に所望量の被計量物をこぼすことなく、一層容易、かつ、確実に流入させることができる。
【0016】
[請求項3の発明]
容器本体は、容器主部と、該容器主部とは別体の容器頭部とにより形成され、該容器頭部に計量ケースを外設させているため、計量ケースを外設した容器頭部は別の計量ケースを外設した容器頭部と交換自在である。
【0017】
[請求項4の発明]
計量ケースには該軽量ケース内の被計量物を計量するための目盛を備えさせているため、軽量ケース内に流入した被計量物を容易、かつ、確実に計量することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明による計量繰出し容器の一例を示す正面図である。
【図2】図2は、同上計量繰出し容器の一部断面正面図である。
【図3】図3は、同上計量繰出し容器の一部断面側面図である。
【図4】図4は、本発明による計量繰出し容器の別の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、図1〜図3に示す事例について説明する。
【0020】
符号1に示すものは計量繰出し容器の容器本体である。符号3に示すものは容器本体1の上端開口部に着脱自在に備えさせた蓋体である。
【0021】
容器本体1の外側面における上部には計量ケース5を備えさせる。計量ケース5は、好ましくは、透明である。
【0022】
容器本体1の側部と計量ケース5の上部とには該容器本体1内の被計量物7を該軽量ケース5内に流入させるための連通孔9a、9bを設ける。連通孔9a、9bは、相互に連通する。
【0023】
以上により、被収納物7を収納する容器本体1を傾けることにより被計量物7が連通孔9a、9bを通って軽量ケース5内に所望量流入するようになす。この事例においては、容器本体1は、図3における左方に傾けることにより、被計量物7が連通孔9a、9bを通って軽量ケース5内に流入する。
【0024】
更に、計量ケース5には容器本体1を傾けることにより該軽量ケース5内の被計量物7を外部に流出させるための出口11を備えさせる。例えば、容器本体1を図、図2における右方に傾けることにより、被収納物7は出口11より外部に流出する。
【0025】
計量ケース5の出口11には蓋13を着脱自在に備えさせる。
【0026】
計量ケース5には該軽量ケース5内の被計量物7を計量するための目盛15を備えさせる。
【0027】
次に、図4に示す事例について説明する。この事例は、図1〜図3に示す事例と異なる点についてのみ、説明する。
【0028】
この事例においては、容器本体1は、容器主部1aと、該容器主部1aにおける上端開口部21に着脱自在に取り付けた容器頭部1bとよりなる。
【0029】
容器頭部1bは、一例として、容器主部1aにおける上端開口部21に螺合させる。
【0030】
前記計量ケース5は、容器頭部1bの外側面に備えさせ、該容器頭部1bの側部と該計量ケース5の上部とには容器本体1内の被計量物7を該軽量ケース5内に流入させるための相互に連通する連通孔9a、9bを設ける。
【符号の説明】
【0031】
1 容器本体
1a 容器主部
1b 容器頭部
3 蓋体
5 計量ケース
7 被計量物
9a 連通孔
9b 連通孔
11 出口
13 蓋
15 目盛
21 上端開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の外側面における上部には計量ケースを備えさせ、該容器本体の側部と該計量ケースの上部とには該容器本体内の被計量物を該軽量ケース内に流入させるための相互に連通する連通孔を設け、被収納物を収納する容器本体を傾けることにより被計量物が該連通孔を通って該軽量ケース内に所望量流入するようになし、更に、該計量ケースには該軽量ケース内の被計量物を外部に流出させるための出口を備えさせたことを特徴とする計量繰出し容器。
【請求項2】
前記計量ケースの出口には蓋を着脱自在に備えさせたことを特徴とする請求項1に記載の計量繰出し容器。
【請求項3】
前記容器本体は、容器主部と、該容器主部における上端開口部に着脱自在に取り付けた容器頭部とよりなり、
前記計量ケースは、該容器頭部の外側面に備えさせ、該容器頭部の側部と該計量ケースの上部とには該容器本体内の被計量物を該軽量ケース内に流入させるための相互に連通する連通孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の計量繰出し容器。
【請求項4】
前記計量ケースには該軽量ケース内の被計量物を計量するための目盛を備えさせたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の計量繰出し容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−140325(P2011−140325A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1658(P2010−1658)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(505428949)
【Fターム(参考)】