説明

記憶システム及びその管理方法並びに記憶制御装置

【課題】各ユーザが与えられた権限の範囲内で必要な設定を行うことができるiSCSIを実装したストレージ装置を実現することを目的とした記憶システム及びその管理方法並びに記憶制御装置を提案しようとするものである。
【解決手段】1又は複数のホスト計算機と、各前記ホスト計算機に対してデータを読み書きするための記憶領域でなる複数の論理ボリュームを提供する記憶制御装置とを有する記憶システムにおいて、前記記憶制御装置は、前記ホスト計算機に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報として管理する管理部と、前記ホスト計算機からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別部と、識別部により識別した必要な前記ボリューム情報に基づいて、前記ボリューム情報に含まれる前記論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を前記論理ボリュームに対して実行する実行部と、を備えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記憶システム及びその管理方法並びに記憶制御装置において、設定作業を行うためのインタフェース技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ストレージ装置において、ネットワーク接続の機能が多く実現されてきている。このネットワーク接続の機能により、ストレージ装置は、ファイバチャネルやIP(Internet Protocol)ネットワークなどを介して、計算機とデータやコマンドの送受信を行うことができる。そして、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)によってSCSI(Small Computer System Interface)コマンドの送受信を行うプロトコルとして、iSCSI(Internet Small Computer Systems Interface)が標準化されており、このiSCSIを実装したストレージ装置が多く使用されるようになってきている。
【0003】
従来、計算機とiSCSIを実装したストレージ装置を新規に接続し、計算機がiSCSIを実装したストレージ装置内の記憶領域をSCSI機器としてアクセスできる状態にするためには、管理者がiSCSIを実装したストレージ装置に対して、イニシエータ名、ターゲット名、等の情報の設定を行い、計算機のユーザに対してこれらの情報を通知する。そしてユーザが、これらの情報を計算機に対して設定する、という手続きを経る必要があった。
【0004】
通常、この手続きはユーザ毎に必要となり、設定すべきLU(Logical Unit)のRAID(Redundant Array of Inexpensive Disks)レベルや容量もユーザによって異なるため、iSCSIを実装したストレージ装置を使用するユーザ数が増大するにつれて、管理者の負荷が増大するという問題があった。
【0005】
この問題を解決する方法として、iSCSIを実装したストレージ装置に対する設定権限をユーザに対して委譲し、上記設定作業の一部をユーザに行わせるという技術が考えられる。
【0006】
なお、iSCSIを実装したストレージ装置内部でのデータ移動やデータコピーに関するストレージ装置内部の状態の変化に対応する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−192305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、iSCSIを実装したストレージ装置に対する設定権限をユーザに委譲する場合、ユーザがディスク領域を無制限に割り当てることにより、iSCSIを実装したストレージ装置のディスク上の空き領域が枯渇するという問題が新たに発生する。
【0008】
また、従来、管理者は管理用端末で設定作業を行うためにiSCSIを実装したストレージ装置に固有のソフトウェアを使用していた。このため、設定権限をユーザへ委譲するためには、iSCSIを実装したストレージ装置に固有のソフトウェアを個々の計算機にインストールする必要が生じるという問題が発生する。
【0009】
そこで、本発明は、iSCSIを実装したストレージ装置に固有のソフトウェアを個々の計算機にインストールすることなく、各ユーザが与えられた権限の範囲内で必要な設定を行うことができるiSCSIを実装したストレージ装置を実現することを目的とした記憶システム及びその管理方法並びに記憶制御装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、1又は複数のホスト計算機と、各前記ホスト計算機に対してデータを読み書きするための記憶領域でなる複数の論理ボリュームを提供する記憶制御装置とを有する記憶システムにおいて、前記記憶制御装置は、前記ホスト計算機に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報として管理する管理部と、前記ホスト計算機からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別部と、識別部により識別した必要な前記ボリューム情報に基づいて、前記ボリューム情報に含まれる前記論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を前記論理ボリュームに対して実行する実行部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
その結果、論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を識別することで、ストレージ装置内で当該処理を行うことができる。
【0012】
また、本発明においては、1又は複数のホスト計算機と、各前記ホスト計算機に対してデータを読み書きするための記憶領域でなる複数の論理ボリュームを提供する記憶制御装置とを有する記憶システムの管理方法において、前記記憶制御装置は、前記ホスト計算機に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報として管理する管理ステップと、前記ホスト計算機からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別ステップと、識別ステップにより識別した必要な前記ボリューム情報に基づいて、前記ボリューム情報に含まれる前記論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を前記論理ボリュームに対して実行する実行ステップと、を備えることを特徴とする。
【0013】
その結果、論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を識別することで、ストレージ装置内で当該処理を行うことができる。
【0014】
さらに、本発明においては、1又は複数のホスト計算機に対してデータを読み書きするための記憶領域でなる複数の論理ボリュームを提供する記憶制御装置において、前記ホスト計算機に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報として管理する管理部と、前記ホスト計算機からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別部と、識別部により識別した必要な前記ボリューム情報に基づいて、前記ボリューム情報に含まれる前記論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を前記論理ボリュームに対して実行する実行部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
その結果、論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を識別することで、ストレージ装置内で当該処理を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザがストレージ装置に固有のソフトウェアを使用することなく、与えられた権限の範囲内でストレージ装置に対する設定作業を行うことができるため、管理者の設定作業の負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(1)第1の実施の形態
第1の実施の形態では、ストレージ装置が新規にLUを作成する場合の動作を例にとり、説明する。
【0018】
図1は、第1の実施の形態に係る記憶システムの概略図である。図1に示すように、記憶システム1は、インターネット、イントラネットなどのネットワーク120を介して互いに接続された、ストレージ装置100、複数のホスト計算機110、ストレージ装置100に接続された管理用端末150を備えて構成される。
【0019】
ホスト計算機110は、データの入出力を伴うアプリケーションを実行する情報処理装置であり、ストレージ装置100にアクセスするためのイニシエータプログラム111及びイニシエータプログラム111を実行するためのホスト側CPU(Central Processing Unit)112を有している。
【0020】
ストレージ装置100は、ストレージ側CPU101(制御部)と、メモリ(制御部)102と、アクセスを高速化するためのキャッシュ103と、ディスクコントローラ104と、1枚以上のディスク105と、ポート106a、106b(以下、まとめてポート106ともいう)と、フラッシュメモリ等からなる半導体メモリ107と、管理ポート108と、これらの装置を接続するバス109と、を有する。
【0021】
ストレージ側CPU101は、メモリ102に記憶されたターゲットプログラム201を実行することで、後記する各種の処理を行う。
【0022】
メモリ102は、後記するターゲットプログラム201及びデータを記憶するための装置である。
【0023】
キャッシュ103は、書き込みデータを一時的に記憶するための装置である。
【0024】
ディスクコントローラ104は、ディスク105へのデータの入出力を制御する装置である。なお、ディスクコントローラ104は、RAID(Redundant Array of Independent Disks)に相当する処理を行うものであってもよい。
【0025】
ディスク105は、ホスト計算機110が読み書きするデータを記憶する装置である。
【0026】
ポート106は、ストレージ装置100にLAN(Local Area Network)ケーブルを接続するためのネットワークカード等の装置であり、データの送受信処理を行う。なお、本実施形態では、ストレージ装置100が2つのポート106a、106bを有するものとするが、3つ以上のポート106を有するものであってもよい。
【0027】
半導体メモリ107は、ストレージ装置100の起動時にメモリ102に読み出されるプログラム及びデータを記憶する装置である。
【0028】
管理ポート108は、ストレージ装置100を管理用端末150へ接続するための装置である。
【0029】
管理用端末150は、ストレージ装置100の管理ポート108を通じて、後記するイニシエータ毎のLUの最大ディスク使用量の設定など、ストレージ装置100に対する設定作業を行うための計算機である。
【0030】
図2は、ストレージ装置100のメモリ102に記憶されるプログラム及びデータを示したものである(適宜図1参照)。メモリ102には、ターゲットプログラム201と、ターゲット表202と、イニシエータ管理表203と、が記憶される。
【0031】
ターゲットプログラム201は、ホスト計算機110上で動作しているイニシエータプログラム111との間で、iSCSIの規格に従いiSCSI PDU(Protocol Data Unit)の送受信を行うためのプログラムである。またターゲットプログラム201は、ホスト側CPU112のイニシエータプログラム111の処理に基づくiSCSI Login PDUの受信を契機として、LUあるいはターゲットの新規作成、追加、削除を行ったりするが、このときの動作の詳細は図5から図8を用いて後記する。
【0032】
ターゲット表202は、イニシエータ、ターゲット、ポート、LUの対応関係及び、該当するLUの容量を示す表であるが、詳細については図3を用いて後記する。
【0033】
イニシエータ管理表203は、イニシエータ毎に割り当てられたLUの使用容量の上限を示す表であるが、詳細については図4を用いて後記する。
【0034】
図3は、ターゲット表202の一例を示す図である。
【0035】
ターゲット表202は、「イニシエータ名」フィールド301、「ターゲット名」フィールド302、「割当ポート」フィールド303、「LUN」フィールド304及び「ディスク使用量」フィールド305の情報からなるテーブルである。
【0036】
「イニシエータ名」フィールド301には、iSCSIイニシエータを識別する名前が格納されている。
【0037】
「ターゲット名」フィールド302には、iSCSIターゲットを識別する名前が格納されている。
【0038】
「割当ポート」フィールド303には、ポート106がイニシエータのターゲットへのアクセスを許可するか否かを表す情報が格納されている。例えば、アクセスを許可する場合「1」の値を、許可しない場合「0」の値を取るものとする。本実施の形態の一例ではストレージ100が2個のポート106a、106bを持つ場合を例に取って説明しており、これらのポートがそれぞれIPアドレス「192.168.0.1」及び「192.168.0.2」で識別されるものとしている。図3に示した一例では、イニシエータ名「initiator0」で識別されるイニシエータが、ターゲット名「iqn.init000−20gb−jbod−lu0」で識別されるターゲットに対して、IPアドレス「192.168.0.1」で識別されるポートを通じてアクセスできるが、IPアドレス「192.168.0.2」で識別されるポートを通じてアクセスできないことを意味する。
【0039】
「LUN」フィールド304には、各ホスト計算機110に割り当てたLUを識別するための番号が格納されている。「LUN」フィールド304内の「−」は、各ホスト計算機110に割り当てられていないLUを示している。
【0040】
「ディスク使用量」フィールド305は、該当するLUの容量を表す。本実施の形態では、ディスク使用量305はギガバイトを単位として表すものとする。図3に示した例では、イニシエータ名「initiator0」で識別されるイニシエータが、ターゲット名「iqn.init000−20gb−jbod−lu0」で識別されるターゲットへアクセスすることによって利用できるLUN番号「0」のLUの容量が20ギガバイトであることを意味する。
【0041】
図4は、イニシエータ管理表203の一例を示す図である。イニシエータ管理表203は、「イニシエータ番号」フィールド401、「イニシエータ名」フィールド402及び「最大ディスク使用量」フィールド403の情報からなるテーブルである。
【0042】
「イニシエータ番号」フィールド401には、ストレージ装置100がイニシエータを識別するために付与する、ストレージ装置100の内部でのみ有効な番号が格納されている。
【0043】
「イニシエータ名」フィールド402には、前記の通り、イニシエータを識別するための名前が格納されている。
【0044】
「最大ディスク使用量」フィールド403は、各イニシエータに割り当てられた容量の上限を示している。本実施の形態では、管理者が管理用端末150を用いてイニシエータ毎の最大のディスク使用量を設定するものとする。図4に示した例では、イニシエータ名「initiator0」にストレージ装置100が付与したイニシエータ番号は「000」であることを示し、このイニシエータに割り当てられた最大ディスク使用量の上限が80ギガバイトであることを意味する。
【0045】
図5は、ホスト側CPU112がイニシエータプログラム111を用いてストレージ側CPU101にiSCSI Login Request PDUを送信したときのホスト側CPU112及びストレージ側CPU101の間のメッセージ及びデータのやり取りを表す図である。ストレージ側CPU101は、ターゲットプログラム201を用いて処理を行う。
【0046】
まず、ホスト側CPU112は、ディスカバリセッションを発行する。この発行によって、ターゲット名等の情報を得ることができる。そしてホスト側CPU112は、ディスカバリセッションの開始の要求とログインの要求をするため、iSCSI Login Request PDUをストレージ装置100側へ送信する(SP501)。
【0047】
ストレージ側CPU101は、ディスカバリセッションへのiSCSI Login Request PDUを受信すると、処理A(SP502)を行った後、iSCSI Login Request PDUに対する応答としてiSCSI Login Request PDUをホスト計算機110へ送信する(SP503)。これによりホスト計算機110のログインを許可する。このとき、ストレージ側CPU101は、iSCSI Login Request PDU内のStatusフィールドの値に直前の処理A(SP502)の戻り値を設定する。なお、処理Aの詳細については、図6を用いながら後記する。
【0048】
ディスカバリセッションを確立したホスト側CPU112は、ターゲット名等の情報の通知を要求するText Request PDUをストレージ装置100側へ送信する(SP504)。
【0049】
ストレージ側CPU101は、ホスト側CPU112が送信したText Request PDUを受信すると、ターゲット表202を参照する。ストレージ側CPU101は、「イニシエータ名」フィールド301のイニシエータ名に対応するすべてのターゲット名をText Response PDUに含ませてホスト計算機110へ送信する(SP505)。これにより、複数のターゲット名をホスト計算機110側で表示することができるため、ユーザは、どのターゲット名にログインするかを判断することができる。
【0050】
ディスカバリセッションによってターゲット名を通知されたホスト側CPU112は、ノーマルセッション(通常モードのログイン)で行うよう要求をするiSCSI Login PDUをストレージ装置100へ送信する(SP506)。
【0051】
ストレージ側CPU101は、通常モードでログインを行うよう要求をするiSCSI Login Request PDUを受信すると、処理A(SP507)を行った後、iSCSI Login Request PDUに対する応答として、Statusフィールドの値に直前の処理Aの戻り値を設定して、iSCSI Login Response PDUをホスト計算機110へ送信する(SP508)。すなわち、ストレージ側CPU101は、ホスト計算機110に対して特定したターゲットのログインを許可又は不許可した旨を送信する。なお、処理Aの詳細については、図6を用いながら後記する。
【0052】
図6は、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201を実行させ処理Aを行うフローチャートである。まず、ストレージ側CPU101は、ホスト計算機110からiSCSI Login PDUを受信すると(SP501)、iSCSI Login PDUのコマンドに含まれている「Session Type」フィールドから値を読み出す。
【0053】
そしてストレージ側CPU101は、iSCSI Login PDUの「Session Type」が「Discovery」であるか否かを判断する(SP601)。そしてストレージ側CPU101は、「Session Type」が「Discovery」であると判断した場合には(SP601:YES)、引き続き、iSCSI Login PDUのコマンドの中から「Initiator Name」フィールドが存在するか否かを判断する(SP603)。
【0054】
ストレージ側CPU101は、当該コマンドに「Initiator Name」フィールドが存在すると判断した場合には(SP603:YES)、「Initiator Name」フィールドの値を引数として後記する処理Bを実行し(SP605)、ログイン成功の戻り値である「Success」にして(SP606)処理Aを終える。
【0055】
一方、ステップSP603において、ストレージ側CPU101は、「Initiator Name」フィールドが存在しないと判断した場合には(SP603:NO)、ログイン失敗の戻り値である「Initiator Error」にして(SP607)処理Aを終える。
【0056】
また、ステップSP601において、ストレージ側CPU101は、「Session Type」フィールドの値が「Discovery」ではないと判断した場合には(SP601:NO)、ステップSP507の処理であると判断したため、次に、「Session Type」フィールドの値が「Normal」であるか否かを判断する(SP602)。
【0057】
そして、ストレージ側CPU101は、「Session Type」フィールドの値が「Normal」であると判断した場合には(SP602:YES)、次に、iSCSI Login PDUのコマンドの中に「Initiator Name」フィールド及び「Target Name」フィールドが存在するかどうか判断する(SP604)。
【0058】
ストレージ側CPU101は、これらのフィールドの両方が存在すると判断した場合には(SP604:YES)、「Initiator Name」フィールド及び「Target Name」フィールドの値を引数として後記する処理Cを実行する(SP608)。そして、ストレージ側CPU101は、ログイン成功又は失敗かの判断をした処理Cの戻り値を処理Aの戻り値として(SP609)、処理Aを終える。
【0059】
ストレージ側CPU101は、「Initiator Name」フィールド及び「Target Name」フィールドの少なくとも一方が存在しないと判断した場合には(SP604:NO)、ログイン失敗として処理Aの戻り値を「Initiator Error」にして(SP610)、処理Aを終える。
【0060】
なお、ストレージ側CPU101は、「Session Type」のフィールドの値が「Discovery」ではなく(SP601:NO)、「Normal」でもないと判断した場合には(SP602:NO)、ログイン失敗として処理Aの戻り値を「Initiator Error」にして(SP610)、処理Aを終える。
【0061】
図7は、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201を実行させ処理Bを行うフローチャートである。
【0062】
具体的には、まずストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名がイニシエータ管理表203に登録されているかどうかを判断する(SP701)。
【0063】
そして、ストレージ側CPU101は、イニシエータ名がイニシエータ管理表203に登録されていると判断した場合には(SP701:YES)、イニシエータ管理表203とターゲット表202とを参照する。ストレージ側CPU101は、当該イニシエータ名に該当する「最大ディスク使用量」フィールド403の最大ディスク使用量から既に割り当てた「ディスク使用量」フィールド305のディスク使用量を引いたものを、新規に割り当てることのできるディスク使用量とする。
【0064】
そして、新規に割り当てることのできるディスク使用量に基づいて、ストレージ側CPU101は、1つ以上の新規割り当て可能なLUのRAIDレベルと容量の組を求める(SP702)。例えば、イニシエータ名「initiator0」のイニシエータに2個のLUが割り当てられており、それぞれのディスク使用量が20ギガバイトであるとき、同じイニシエータからのiSCSI Login Request PDUを、ホスト計算機110から受信したとすると、ストレージ側CPU101は、RAIDレベルでの構成ではなく通常の構成であるJBOD構成で最大40ギガバイト、RAIDレベル1の構成で20ギガバイトのLUを提供することができる。
【0065】
次に、ストレージ側CPU101は、前ステップSP702で求めたLUのRAIDレベルと容量の組み合わせのそれぞれについて、ターゲット名を生成し、生成したターゲット名をターゲット表202に追加をする(SP703)。本実施の形態では、図3に示すように、文字列「iqn.init」、イニシエータ番号、文字「−」、LU容量、文字列「gb−」、RAIDレベル、文字列「−LU」及びLUNの文字列を左から順に連結させたターゲット名を作成して、ターゲット自体を作成している。ストレージ側CPU101は、このように作成した各ターゲットをターゲット表202に追加する。
【0066】
なお、本実施の形態では、上記の通り作成したターゲットの「割当ポート」フィールド303はすべて「1」とし、「LUN」フィールド304及び「ディスク使用量」フィールド305は空欄とする。
【0067】
続いて、ストレージ側CPU101は、既に「LUN」が付与されているLUについて、文字列「iqn.init」、イニシエータ番号、文字列「−delete」、文字列「−lu」、LUNを左から順に連結したものをターゲット名とするターゲット(以下、これを削除用ターゲットと呼ぶ)をターゲット表202に追加する(SP704)。これらのターゲットについても、本実施の形態では、上記の通り作成したターゲットの「割当ポート」フィールド303はすべて「1」とし、「LUN」フィールド304及び「ディスク使用量」フィールド305は空欄とする。
【0068】
一方、ステップSP701において、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名がイニシエータ管理表203に登録されていないと判断した場合には(SP701:NO)、まず、イニシエータ番号を付与し、引数として渡されたイニシエータ名、イニシエータ番号及び予め管理者によって設定されている最大ディスク使用量をイニシエータ管理表203に追加する(SP705)。
【0069】
次に、ストレージ側CPU101は、イニシエータ管理表203を参照して新規に付与したイニシエータ番号に該当する「最大ディスク使用量」フィールド403の最大ディスク使用量を新規割り当て可能なディスク使用量として、1つ以上の新規割り当て可能なLUのRAIDレベルと容量の組み合わせを計算する(SP706)。例えば、イニシエータ管理表203にイニシエータ名「initiator1」のデータが存在しない状態で、「initiator1」というイニシエータ名を持つiSCSI Login PDUをホスト計算機110から受信したとすると、ストレージ側CPU101は、JBOD構成で最大80ギガバイト、RAIDレベル1の構成で最大40ギガバイトのLUを提供できる。
【0070】
次に、ストレージ側CPU101は、前ステップSP706で求めたLUのRAIDレベルと容量の組み合わせについて、ターゲット名を生成し、生成したターゲット名をターゲット表202に追加する(SP707)。なおターゲット名の生成方法は、ステップSP703で説明したものと同様であるので説明を省略する。
【0071】
図8は、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201を実行させ処理Cを行うフローチャートである。
【0072】
具体的にはまず、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202に登録されているかどうかを判断する(SP801)。
【0073】
そして、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202に登録されていると判断した場合には(SP801:YES)、次に、ターゲット名に「delete」が含まれているかどうか判断する(SP802)。
【0074】
判断した結果、ストレージ側CPU101は、ターゲット名に「delete」が含まれていると判断した場合には(SP802:YES)、当該ターゲット名を読み込み、ターゲット表202を参照して、削除の対象となるLUのLU番号を識別する。そうしてストレージ側CPU101は、識別したLU番号に該当する番号を「LUN」フィールド304から検出すると、該当する行をターゲット表202から削除して、LUを削除する(SP803)。
【0075】
例えば、ストレージ側CPU101が認識したLU番号が「0」の場合、LU0がホスト計算機110に割り当てられていることを「LUN」フィールド304で確認すると、「LUN」フィールド304に「0」が格納されている行をターゲット表202から削除し、LU0を削除する。
【0076】
次にストレージ側CPU101は、識別したLUに対応する行を削除した旨の戻り値をログインのターゲットとなる対象がないとする「Target Removed」として(SP804)処理Cを終える。
【0077】
一方、ステップSP802において、ストレージ側CPU101は、ストレージ側CPU101は、ターゲット名に「delete」が含まれていないと判断した場合には(SP802:NO)、ターゲット名の文字列中、イニシエータ番号及び文字「−」以降のLU容量情報から読み込む。そしてストレージ側CPU101は、対応するLUのRAIDレベルと容量を認識し、ターゲット表202を参照して、該当するLUNとディスク使用量を追加する(SP805)。
【0078】
さらに、ストレージ側CPU101は、前ステップSP805で追加したRAIDレベル及び容量でLUを作成する(SP806)。
【0079】
次に、ストレージ側CPU101は、ターゲット表202を参照して「LUN」フィールド304が空欄「−」となっているターゲットを削除し(SP807)、ログイン成功の戻り値である「Success」にして(SP808)処理Cを終える。
【0080】
なお、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202に登録されていないと判断した場合は(SP801:NO)、ログイン失敗の戻り値である「Initiator Error」にして(SP809)処理Cを終える。
【0081】
このようにして、ホスト計算機110からストレージ装置100にiSCSI Loginコマンドをストレージ装置が受信した場合に、ストレージ装置100はログイン許可応答(SP503)及びユーザがストレージ装置100に対して行うことのできる処理を表す文字列を持たせた応答(SP505)をすることができる。
【0082】
また、ホスト計算機110からストレージ装置100上の特定のターゲットの使用の開始が予想されるメッセージをストレージ装置100が受信した場合に(SP506)、ターゲットの名前に応じた処理(SP507)を行うことができる。
【0083】
さらにストレージ装置100はターゲット名に応じて、LUを生成してホスト計算機110に提供することができる。
【0084】
(2)第2の実施の形態
次に第2の実施の形態では、ストレージ装置100Aが新規に特定のファイルシステムでフォーマットされたLUを作成する場合の動作について説明する。
【0085】
なお、本実施の形態の記憶システム1A構成は第1の実施の形態における記憶システム1構成と、メモリ102Aを除いて、同様である。また、本実施の形態におけるストレージ装置100Aの動作のうち、第1の実施の形態の図5で示されるシーケンス図及び図6で示される処理Aのフローチャートは同様であるため説明を省略する。本実施の形態では、第1の実施の形態と異なる箇所について説明をする。
【0086】
図9は、本実施の形態におけるターゲット表202Aを示す。図9のターゲット表202Aには、ストレージ装置100Aが新規に特定のファイルシステムでフォーマットされたLUを作成するための文字列を追加している。
【0087】
本実施の形態の処理Bについては、ストレージ側CPU101が、ターゲットプログラム201Aに基づいて処理を行う。
【0088】
本実施の形態で説明をする処理Bは、図7で説明をした第1の実施の形態における処理Bと、ステップSP703を除いて同様である。本実施の形態では、図7のステップSP703に相当するステップ(図示せず)において、第1の実施の形態で説明したターゲット名のほかに、文字列「iqn.init」、イニシエータ番号、文字「−」、LU容量、文字列「gb−」、RAIDレベル、文字「−」、ファイルシステム名、文字列「−LU」、LUNを左から順に連結したものをターゲット名として生成し、生成したターゲット名をターゲット表202Aに追加する。ここでファイルシステム名は「ntfs(NT File System)」「ext3」等の代表的なファイルシステムを設定するものとする。
【0089】
本実施の形態で説明をする処理Cは、図8で説明をした第1の実施の形態における処理Cと、ステップSP806を除いて同様である。本実施の形態では、図8のステップSP806に相当するステップ(図示せず)において、ターゲット名の文字列中でRAIDレベルとLUNの間にファイルシステム名が含まれていた場合、ストレージ側CPU101は、該当するファイルシステムをLUに書き込む。
【0090】
このようにして、ホスト計算機110はストレージ100における特定のファイルシステムでフォーマットされたLUを周辺機器として使用できるようになる。
【0091】
(3)第3の実施の形態
第3の実施の形態では、ストレージ装置100Bが既存のLUのバックアップを作成する場合の動作について説明する。
【0092】
なお、本実施の形態の記憶システム1B構成は、第1の実施の形態における記憶システム1構成と、メモリ102Bを除いて、同様である。また、本実施の形態におけるストレージ装置100Bの動作のうち、第1の実施の形態の図5で示されるシーケンス図及び図6で示される処理Aのフローチャートが同様であるため、説明を省略する。本実施の形態では、第1の実施の形態と異なる箇所について説明をする。
【0093】
図10は、本実施の形態におけるターゲット表202Bを示す。図10のターゲット表202Bには、ストレージ装置100Bが既存のLUのバックアップを作成するための文字列を追加している。
【0094】
本実施の形態の処理Bについては、ストレージ側CPU101が、ターゲットプログラム201Bに基づいて処理を行う。
【0095】
本実施の形態で説明をする処理Bは、図7で説明をした第1の実施の形態における処理Bと、ステップSP703を除いて同様である。本実施の形態では、図7のステップ703に相当するステップにおいて、第1の実施の形態で説明したターゲット名のほかに、文字列「iqn.init」、イニシエータ番号、文字「−」、文字列「backup」、文字列「−LU」、LUNを左から順に連結したものをターゲット名として生成し、生成したターゲット名をターゲット表202Bに追加する。
【0096】
本実施の形態で説明をする処理Cは、以下に説明する。処理Cについても、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201Bに基づいて処理を行う。
【0097】
具体的にはまず、図11に示すように、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202Bに登録されているかどうかを判断する(SP901)。
【0098】
そして、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202Bに登録されていると判断した場合には(SP901:YES)、次に、ターゲット名に「backup」が含まれているかどうか判断する(SP902)。ストレージ側CPU101は、ターゲット名に「backup」が含まれていると判断した場合には、ターゲット名を読み込み、ターゲット表202Bから当該LUに対応するLUNの番号を識別し、読み込まれたLUの複製を作成する(SP903)。従って複製されたLUは、読み込まれたLUと同一のRAIDレベル、容量及びデータを有することになる。次にストレージ側CPU101は、複製したLUのLUN及びディスク使用量をターゲット表202Bに追加する(SP904)。
そしてストレージ側CPU101は、ターゲットであるLUが移動したとする戻り値である「Target Moved Temporarily」にして(SP905)処理Cを終える。なお戻り値は、通常のログインではないことをホスト計算機110が識別できるだけの戻り値でよく、「Target Moved Temporarily」に限られない。
【0099】
なお、ステップSP906からステップSP910の処理は、上述した図8のステップSP805からSP809の処理と同じなので、説明を省略する。
【0100】
このようにして、ホスト計算機110は必要に応じてLUのバックアップを作成することができる。
【0101】
(4)第4の実施の形態
第4実施形態では、ストレージ装置100Cが既存のイニシエータの設定情報を提供する場合の動作について説明する。
【0102】
本実施の形態の記憶システム1C構成は第1の実施の形態における記憶システム1構成と、メモリ102Cを除いて、同様である。また、本実施の形態におけるストレージ装置100Cの動作のうち、第1の実施の形態の図5で示されるシーケンス図及び図6で示される処理Aのフローチャートは同様であるので、説明を省略する。本実施の形態では、第1の実施の形態と異なる箇所について説明をする。
【0103】
図12は、本実施の形態におけるターゲット表202Cを示す。図12のターゲット表202Cには、ストレージ装置100Cが既存のイニシエータの設定情報を提供するための文字列を追加している。
【0104】
本実施の形態の処理Bについては、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201Cに基づいて処理を行う。
【0105】
本実施の形態で説明をする処理Bは、図7で説明をした第1の実施の形態における処理Bと、ステップSP703を除いて同様である。本実施の形態では、図7のステップ703に相当するステップにおいて、第1実施形態で説明したターゲット名のほかに、ターゲット名は、文字列「iqn.init」、イニシエータ番号、文字「−」、文字列「showconfig」、文字「−」、ファイルシステム名を左から順に連結したものをターゲット名として生成し、生成したターゲット名をターゲット表202Cに追加する。
【0106】
本実施の形態で説明をする処理Cは、以下に説明する。本実施の形態の処理Cについても、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201Cに基づいて処理を行う。
【0107】
具体的にはまず、図13に示すように、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202Cに登録されているかどうかを判断する(SP1001)。
【0108】
そして、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202Cに登録されていると判断した場合には(SP1001:YES)、次に、ターゲット名に「showconfig」が含まれているかどうか判断する(SP1002)。
【0109】
ストレージ側CPU101は、ターゲット名に「showconfig」が含まれていると判断した場合には(SP1002:YES)、ターゲット名を読み込み、ターゲット表202Cから当該LUに対応するLUN及びディスク使用量をターゲット表202Cに追加し(SP1003)新規なLUを作成する(SP1004)。このときホスト計算機110に割当てるLUは、未割当てのLUであればよい。またディスク使用量は、後記する実行プログラムを記録できる容量であればよい。
【0110】
そしてストレージ側CPU101は、ターゲット名を読み込んだ際にファイルシステム名を識別し、該当するファイルシステムをLUに書き込んだ上で、このLU上に、Windows(登録商標)、Linux等の代表的なOS上で実行できる実行プログラムを書き込む(SP1005)。この実行プログラムは、ホスト計算機110上で実行された時に、該当するイニシエータに割り当てられているターゲットのターゲット名、割り当てポート、LUN、ディスク使用量の組をホスト計算機110のディスプレイ等の出力装置へ表示するものとする。そしてストレージ側CPU101は、戻り値を「Target Moved Temporarily」にして(SP1006)処理Cを終える。
【0111】
なお、ステップSP1007からステップSP1011の処理は、上述した図8のステップSP805からSP809の処理と同じなので、説明を省略する。
【0112】
このようにして、ユーザがホスト計算機110を操作することによって、ストレージ装置100Cに設定されている情報を必要に応じて確認することができる。
【0113】
(5)第5の実施の形態
第5の実施の形態では、ストレージ装置100Dが特定のイニシエータのパスワードを変更する場合の動作について説明する。
【0114】
本実施の形態の記憶システム1D構成は第1の実施の形態における記憶システム1構成と、メモリ102Dを除いて、同様である。また、本実施の形態におけるストレージ装置100Dの動作のうち、第1の実施の形態の図5で示されるシーケンス図及び図6で示される処理Aのフローチャートは同様であるため、説明を省略する。本実施の形態では、第1の実施の形態と異なる箇所について説明をする。
【0115】
図14は、本実施の形態におけるターゲット表202Dを示す。図14のターゲット表202Dには、ストレージ装置100Dが特定のイニシエータのパスワードを変更ための文字列を追加している。
【0116】
図15は、本実施の形態におけるイニシエータ管理表203Dを示す。図15のイニシエータ管理表203Dは、図4で説明をした「イニシエータ番号」フィールド401、「イニシエータ名」フィールド402及び「最大ディスク使用量」フィールド403に加え、「パスワード」フィールド404から構成される。
【0117】
「パスワード」フィールド404には、イニシエータに対してユーザが設定したパスワードが格納されている。
【0118】
本実施の形態の処理Bについては、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201Dに基づいて処理を行う。
【0119】
本実施の形態で説明をする処理Bは、図7で説明をした第1の実施の形態における処理Bと、ステップSP703を除いて同様である。本実施の形態では、図7のステップ703に相当するステップにおいて、第1実施形態で説明したターゲット名のほかに、ターゲット名は、文字列「iqn.init」、イニシエータ番号、文字「−」、文字列「changepassword」、文字「−」、ファイルシステム名を左から順に連結したものをターゲット名として生成し、生成したターゲット名をターゲット表202Dに追加する。
【0120】
本実施の形態で説明をする処理Cは、以下に説明する。本実施の形態の処理Cについても、ストレージ側CPU101がターゲットプログラム201Dに基づいて処理を行う。
【0121】
具体的にはまず、図16に示すように、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202Dに登録されているかどうかを判断する(SP1101)。
【0122】
そして、ストレージ側CPU101は、引数として渡されたイニシエータ名及びターゲット名の組がターゲット表202Dに登録されていると判断した場合には(SP1101:YES)、次に、ターゲット名に「changepassword」が含まれているかどうか判断する(SP1102)。
【0123】
ストレージ側CPU101は、ターゲット名に「changepassword」が含まれていると判断した場合には(SP1102:YES)、読み込んだターゲット名から該当するファイルシステムをLUに書き込んだ上で、Windows(登録商標)、Linux等の代表的なOS上で実行できる実行プログラムを書き込む(SP1103)。
【0124】
次に、ストレージ側CPU101は、ストレージ装置100Dにおいて、実行プログラムの指定が未使用となっているUDPポート番号の1つを待受け状態とする(SP1104)。
【0125】
ホスト計算機110は上記実行プログラムを実行することで、ユーザは新しいパスワードを入力することができる。そうして、ユーザが新しいパスワードを入力すると、ホスト計算機110は、ストレージ装置100Dに当該パスワードを送信する。
【0126】
そしてストレージ側CPU101は新しいパスワードを受信したか否かを判断する(SP1105)。ストレージ側CPU101は新しいパスワードを受信したと判断した場合には(SP1105:YES)、イニシエータ管理表203Dを更新し(SP1106)、UDPポート番号の待受け状態を解除する(SP1108)。
【0127】
一方、ストレージ側CPU101は新しいパスワードを受信していないと判断した場合には(SP1105:NO)、待受け開始から一定時間を経過したかを判断する(SP1107)。ストレージ側CPU101は、待受け開始から一定時間を経過していないと判断した場合には(SP1107:NO)、ステップSP1105に戻る。
【0128】
ストレージ側CPU101は、待受け開始から一定時間を経過していると判断した場合には(SP1107:NO)、UDPポート番号の待受け状態を解除する(SP1108)。
【0129】
そうして、ストレージ側CPU101は、戻り値を「Success」にして(SP1109)処理Cを終える。
【0130】
なお、ステップSP1110からステップSP1114の処理は、上述した図8のステップSP805からSP809の処理と同じなので、説明を省略する。
【0131】
このようにして、ユーザは必要に応じてストレージ装置100Dに設定されているパスワードを自ら変更することができる。
【0132】
(6)他の実施の形態
なお、上述の実施の形態においては、ホスト計算機110に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報(ターゲット名)として管理する管理部をメモリ102及びターゲット表202により構成し、ホスト計算機110からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別部をCPU101及びターゲットプログラム201により構成し、識別部により識別した必要なボリューム情報に基づいて、ボリューム情報に含まれる論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を論理ボリュームに対して実行する実行部をCPU101及びターゲットプログラム201により構成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、管理部、識別部及び実行部をそれぞれ個別のハードウェア構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、1又は複数のストレージ装置を有する記憶システムや、その他の形態の記憶システムに広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】第1の実施の形態における記憶システムの概略図である。
【図2】第1の実施の形態におけるメモリ内のブロック図である。
【図3】第1の実施の形態におけるターゲット表を示す図表である。
【図4】第1の実施の形態におけるイニシエータ管理表を示す図表である。
【図5】第1の実施の形態におけるiSCSIログイン時のシーケンスを示す図である。
【図6】第1の実施の形態におけるターゲットプログラムの処理Aを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施の形態におけるターゲットプログラムの処理Bを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態におけるターゲットプログラムの処理Cを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態におけるターゲット表を示す図表である。
【図10】第3の実施の形態におけるターゲット表を示す図表である。
【図11】第3の実施の形態におけるターゲットプログラムの処理Cを示すフローチャートである。
【図12】第4の実施の形態におけるターゲット表を示す図表である。
【図13】第4の実施の形態におけるターゲットプログラムの処理Cを示すフローチャートである。
【図14】第5の実施の形態におけるターゲット表を示す図表である。
【図15】第5の実施の形態におけるイニシエータ管理表を示す図表である。
【図16】第5の実施の形態におけるターゲットプログラムの処理Cを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0135】
1……記憶システム、110……ホスト計算機、100……ストレージ装置、102……メモリ、201……ターゲットプログラム、202……ターゲット表202……イニシエータ管理表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のホスト計算機と、各前記ホスト計算機に対してデータを読み書きするための記憶領域でなる複数の論理ボリュームを提供する記憶制御装置とを有する記憶システムにおいて、
前記記憶制御装置は、
前記ホスト計算機に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報として管理する管理部と、
前記ホスト計算機からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別部と、
識別部により識別した必要な前記ボリューム情報に基づいて、前記ボリューム情報に含まれる前記論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を前記論理ボリュームに対して実行する実行部と、
を備えることを特徴とする記憶システム。
【請求項2】
前記論理ボリュームの機能情報は、新しい論理ボリュームを作成するための容量情報及び構成情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて新しい論理ボリュームを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
【請求項3】
前記論理ボリュームの機能情報は前記ホスト計算機に割り当てたられた前記論理ボリュームを削除するための削除情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームを削除する
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
【請求項4】
前記論理ボリュームの機能情報は、ホスト計算機からのデータを管理するファイルシステムの種類情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームを所定のファイルシステムにフォーマットする
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
【請求項5】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームの複製ボリュームを作成するための作成情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームの複製ボリュームを作成する
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
【請求項6】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機に対して未割り当ての前記論理ボリュームの容量情報、構成情報、ファイルシステムの種類情報及び前記ファイルシステム上で実行する実行プログラムの種類情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記論理ボリュームを作成し、作成した前記論理ボリュームに所定のファイルシステムをフォーマットし、フォーマットされた前記論理ボリュームに所定の実行プログラムを書込む
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
【請求項7】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機から前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードの変更情報であり、
前記管理部は、
ホスト計算機から前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードを管理し、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードを変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の記憶システム。
【請求項8】
1又は複数のホスト計算機と、各前記ホスト計算機に対してデータを読み書きするための記憶領域でなる複数の論理ボリュームを提供する記憶制御装置とを有する記憶システムの管理方法において、
前記記憶制御装置は、前記ホスト計算機に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報として管理する管理ステップと、
前記ホスト計算機からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別ステップと、
識別ステップにより識別した必要な前記ボリューム情報に基づいて、前記ボリューム情報に含まれる前記論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を前記論理ボリュームに対して実行する実行ステップと、
を備えることを特徴とする管理方法。
【請求項9】
前記論理ボリュームの機能情報は、新しい論理ボリュームを作成するための容量情報及び構成情報であり、
前記実行ステップでは、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて新しい論理ボリュームを作成する
ことを特徴とする請求項8に記載の管理方法。
【請求項10】
前記論理ボリュームの機能情報は前記ホスト計算機に割り当てたられた前記論理ボリュームを削除するための削除情報であり、
前記実行ステップでは、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームを削除する
ことを特徴とする請求項8に記載の管理方法。
【請求項11】
前記論理ボリュームの機能情報は、ホスト計算機からのデータを管理するファイルシステムの種類情報であり、
前記実行ステップは、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームを所定のファイルシステムにフォーマットする
ことを特徴とする請求項8に記載の管理方法。
【請求項12】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームの複製ボリュームを作成するための作成情報であり、
前記実行ステップは、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームの複製ボリュームを作成する
ことを特徴とする請求項8に記載の管理方法。
【請求項13】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機に対して未割り当ての前記論理ボリュームの容量情報、構成情報、ファイルシステムの種類情報及び前記ファイルシステム上で実行する実行プログラムの種類情報であり、
前記実行ステップは、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記論理ボリュームを作成し、作成した前記論理ボリュームに所定のファイルシステムをフォーマットし、フォーマットされた前記論理ボリュームに所定の実行プログラムを書込む
ことを特徴とする請求項8に記載の管理方法。
【請求項14】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機から前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードの変更情報であり、
前記管理ステップは、
ホスト計算機から前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードを管理し、
前記実行ステップは、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードを変更する
ことを特徴とする請求項8に記載の管理方法。
【請求項15】
1又は複数のホスト計算機に対してデータを読み書きするための記憶領域でなる複数の論理ボリュームを提供する記憶制御装置において、
前記ホスト計算機に割り当て又は未割り当ての前記論理ボリュームの情報をボリューム情報として管理する管理部と、
前記ホスト計算機からのコマンドに基づいて、必要な前記ボリューム情報を識別する識別部と、
識別部により識別した必要な前記ボリューム情報に基づいて、前記ボリューム情報に含まれる前記論理ボリュームの機能情報に応じた所定の処理を前記論理ボリュームに対して実行する実行部と、
を備えることを特徴とする記憶制御装置。
【請求項16】
前記論理ボリュームの機能情報は、新しい論理ボリュームを作成するための容量情報及び構成情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて新しい論理ボリュームを作成する
ことを特徴とする請求項15に記載の記憶制御装置。
【請求項17】
前記論理ボリュームの機能情報は前記ホスト計算機に割り当てたられた前記論理ボリュームを削除するための削除情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームを削除する
ことを特徴とする請求項15に記載の記憶制御装置。
【請求項18】
前記論理ボリュームの機能情報は、ホスト計算機からのデータを管理するファイルシステムの種類情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームを所定のファイルシステムにフォーマットする
ことを特徴とする請求項15に記載の記憶制御装置。
【請求項19】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームの複製ボリュームを作成するための作成情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記ホスト計算機に割り当てられた前記論理ボリュームの複製ボリュームを作成する
ことを特徴とする請求項15に記載の記憶制御装置。
【請求項20】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機に対して未割り当ての前記論理ボリュームの容量情報、構成情報、ファイルシステムの種類情報及び前記ファイルシステム上で実行する実行プログラムの種類情報であり、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記論理ボリュームを作成し、作成した前記論理ボリュームに所定のファイルシステムをフォーマットし、フォーマットされた前記論理ボリュームに所定の実行プログラムを書込む
ことを特徴とする請求項15に記載の記憶制御装置。
【請求項21】
前記論理ボリュームの機能情報は、前記ホスト計算機から前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードの変更情報であり、
前記管理部は、
ホスト計算機から前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードを管理し、
前記実行部は、
前記論理ボリュームの機能情報に基づいて前記論理ボリュームにアクセスするためのパスワードを変更する
ことを特徴とする請求項15に記載の記憶制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−84094(P2008−84094A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264550(P2006−264550)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】