説明

記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置における記憶媒体搬送機構

【課題】フレームに設けた記憶媒体挿入口から挿入した記憶媒体を安定して装置内部へと搬入すると共に、2枚目の記憶媒体が誤って挿入されるのを簡素な構造にて防止する。
【解決手段】搬送ローラ31と対を成す押圧部材32を揺動可能に取付け、押圧部材32は前方側に遮蔽部を形成し、両端部には軸を外方向へと延出形成し、さらに両端部近傍にはアーム38aを下方へと延出形成する。押圧部材32とフレームとの間には、記憶媒体挿入口1から挿入する大径の記憶媒体3を搬送ローラ31側へと押圧部材32によって常に押圧するための付勢手段を設けると共に、付勢手段の付勢力に抗して前記両アーム38aを押圧する押圧手段を設け、両アーム38aを介して押圧部材32を揺動することで記憶媒体挿入口1を一時的に閉鎖する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は円盤状記憶媒体(以下、単に記憶媒体と称す)の挿抜を直接可能とする記憶媒体挿入口(以下、単に挿入口と称す)を備えた所謂スロットイン方式の記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置において、記憶媒体の安定した搬入動作を可能とし、且つ記憶媒体の搬入が完了した後で別の記憶媒体が誤って挿入されるのを確実に防止する記憶媒体挿入完了時における2枚目の記憶媒体挿入防止機構を備えたスロットイン方式の記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下、本発明におけるスロットイン方式の記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置を総称して記録再生装置、或いは単に装置と称して説明を続ける。
【0003】
記録再生装置は一般的に該装置に設けた記憶媒体挿入口近傍に記憶媒体を搬送するための搬送ローラを備え、ユーザーが該記憶媒体挿入口から記憶媒体を挿入すると該搬送ローラが回転を始め、前記記憶媒体を装置内部へと搬送することが出来るように構成している。そして、装置内部の所定位置に搬送された記憶媒体は、ターンテーブルと前記ターンテーブルの対向位置に配設されるクランパーとによって挟持され、回転状態にある前記記憶媒体の記録面に光を照射し、情報の読込み或いは情報の書込みを行うピックアップユニットを用いて記憶媒体に記録された情報の再生や記憶媒体への情報の記録を行っている。これら記憶媒体の搬送構造については従来より多種に亘って存在している。
【0004】
特開2003−317355号に係る「ディスク再生装置」は、ディスク搬送ローラを支持するローラ支持体の動きを利用して、再生基板の、外筐に対する前後左右上下方向の移動を規制している。すなわち、ローラ支持体の左右側板部に前・後・左・右・上・下・当接部を設け、外筐の天板および底板には前記各当接部に対応する被当接部を設け、ディスク搬送ローラがディスク搬送位置にあるときは、各当接部とそれぞれ対応する被当接部との当接により、再生基板の前部の、外筐に対する前後左右上下方向の移動を規制している。
【0005】
しかし、装置内部に挿入されたディスク(記憶媒体)を搬送ローラと共に挟持するガイド板と2枚目のディスクの挿入を防止する部材とを別々に設けている。その為、構成する部品点数が増加し、安価な装置を提供することが困難となる。又、ガイド板と2枚目ディスクの挿入防止部材とを金属製部品により構成しており、捩れや反りなどに対して有効な効果が望めるが、部品単価の高騰や装置全体の重量増加を招く虞がある。さらに、搬送ローラ側をガイド板に押し当てることで記憶媒体を挟持する構造としている為に、構造が複雑化してしまう。
【0006】
尚、他の従来技術として、特開2004−046913号に係る「ディスクガイド機構及びこのディスクガイド機構を用いたディスク再生装置」、特開2003−217207号に係る「ディスク再生装置」、特開2002−230878号に係る「ディスク再生装置」、特開2001−331999号に係る「ディスク装置」、実開平06−011142号に係る「ディスクプレーヤに於けるディスクチャッキング機構」などが知られている。これらの記録再生装置についても、搬送ローラを用いた記憶媒体の搬送構造は複雑化し、部品点数は多くなってしまう。
【特許文献1】特開2003−317355号に係る「ディスク再生装置」
【特許文献2】特開2004−046913号に係る「ディスクガイド機構及びこのディスクガイド機構を用いたディスク再生装置」
【特許文献3】特開2003−217207号に係る「ディスク再生装置」
【特許文献4】特開2002−230878号に係る「ディスク再生装置」
【特許文献5】特開2001−331999号に係る「ディスク装置」
【特許文献6】実開平06−011142号に係る「ディスクプレーヤに於けるディスクチャッキング機構」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、挿入口から挿入される記憶媒体を装置内部に搬送する構造には色々あるが、従来の記録再生装置には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題は、この問題点であり、従来に比べて部品点数を少なくした簡単な記録媒体搬送構造を実現し、しかも記憶媒体を安定して装置内部へと搬送すると共に、既に装置内部へと記憶媒体の挿入が完了した状態から2枚目の記憶媒体が誤って挿入されるのを防止出来る記録再生装置の記憶媒体搬送機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明が対象とする記録再生装置は、外装を担うフレームに設けた記憶媒体挿入口からユーザーが直接記憶媒体を挿入し、これを搬送ローラにて装置内部へと引き込むことが出来る構造としている。そこで、前記記憶媒体挿入口付近には該記憶媒体の片面側から外周縁部近傍に当接して搬送する搬送ローラを取付け、該搬送ローラは駆動モータの動力が伝達機構を介して供給されることにより回転する。そして、搬送ローラは記録再生装置の前記記憶媒体挿入口と略平行を成して延び、該搬送ローラの両端部から中央部に向かって外径が小さくなるようにテーパーを成している。従って、挿入される記憶媒体が装置内部の搬送軌道からズレることを抑えることが出来、仮に位置がズレた状態で該記憶媒体が挿入された場合でも、テーパーを有する搬送ローラにより挿入する記録媒体を装置内部へと搬送しながら所定の軌道となるように中央に寄せることが可能となる。
【0009】
そして、前記搬送ローラと対を成して挿入される記憶媒体を挟持すると共に、該搬送ローラ側へと押圧する押圧部材を装置内部において揺動可能に取付けている。前記押圧部材は、バネなどの付勢手段によって搬送ローラ側へ常時押圧力が付勢される。そして、押圧部材の両端部には下方に延出した支持部を介して該支持部の先端側から外方向へと軸を設け、この軸を支点に押圧部材は揺動することが出来る。
【0010】
さらに押圧部材の前方側には、既に装置内部へと記憶媒体の挿入が完了した状態から2枚目の記憶媒体が誤って挿入されるのを防止するために挿入口を一時的に閉鎖する遮蔽部を一体的に形成し、装置内部の所定位置において記憶媒体がターンテーブルとクランパーとによって回転可能に挟持された時点で前記遮蔽部は挿入口を閉鎖した状態となる。この場合、付勢手段によって常時搬送ローラ側へと押圧力を与えていた押圧部材が付勢力に抗して軸を支点に揺動し、遮蔽部によって前記挿入口を閉鎖する構造となっている。尚、押圧部材を揺動するための有効手段として、本発明では押圧部材の両端部から略垂直方向へとアームを延出形成し、記録再生装置の下方側より上方側へと前記アームを押圧する押圧手段を設けることによって付勢力に抗した押圧部材の揺動動作及び動作後の状態維持を実現している。ここで本発明における押圧手段とは、装置内部において挿入された記憶媒体をクランパーと共に挟持して該記憶媒体を回転するためのターンテーブルと、回転状態の記憶媒体から必要な情報の読込みや書込みを行うピックアップユニットとを主要構成部品として備えたトラバースユニットを挿入する記憶媒体の大きさに応じて所定位置でタイミングよく傾動させることを可能とする記憶媒体の挿入方向とほぼ平行に摺動するスライダーと、前記スライダーと連結して前記記憶媒体の挿入方向とほぼ直交する方向へと摺動する横スライダーとを用いた構造としている。すなわち、前記スライダーと前記横スライダーの摺動動作に連動して押圧部材を揺動させ、2枚目の記憶媒体が装置内部へと誤って挿入されるのを防止することが出来る。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る搬送構造は搬送ローラと押圧部材にて構成し、挿入口から挿入される記憶媒体は押圧部材によって搬送ローラ側に押圧されることでモータを動力源とする搬送ローラの回転により該記憶媒体は安定して確実に装置内部へと搬送される。また、前記押圧部材の両端部に支持部を介して該支持部の先端から外方向へと軸を設け、該軸を記録再生装置の外観を構成するフレームに形成した軸受けに嵌めて揺動を行う構造としている為、記憶媒体の搬送時おいて該記憶媒体を搬送ローラ側へと押圧する押圧部材の不要な捩れを抑えることが出来、安定した記憶媒体の搬送動作が可能となる。
【0012】
そして、該押圧部材には遮蔽部を形成し、さらに前記押圧部材の両端部から略垂直方向へとアームを延出形成し、これら両アームを下方側から上方側へと押圧手段によって押圧することで、記憶媒体の搬送時における該記憶媒体の搬送のローラ側への押圧機能と、既に装置内部へと記憶媒体の挿入が完了した状態から2枚目の記憶媒体が誤って挿入されるのを防止する記憶媒体の誤挿入防止機能とを兼用して行うことが出来る。しかも、両機能を備えた押圧部材は簡素な構造でありながら、確実な動作を安定して実現している。
【実施例】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態としての実施例を図1〜図19により以下に説明する。尚、本発明はその主旨に反しない範囲で、実施例において説明した構成のものに対しても容易に適用可能である。
【0014】
図1は本実施例における記録再生装置を示す外観斜視図である。同図の符号1は記憶媒体の挿抜を可能とする記憶媒体挿入口、2は装置内部へと搬送された記憶媒体を所定の位置においてターンテーブルと共に挟持する為のクランパーを回転自在に懸架するクランパー懸架部を夫々表している。尚、本実施例における記憶媒体とは、音声信号及び/又は映像信号を記録した、或いは前記信号の記録を可能とした略円盤形状を成す媒体であり、例えば、CD、DVD、若しくはディスク等と称される媒体を示す。又、前記記憶媒体には直径が約120MMである大径の記憶媒体と、直径が約80MMである小径の記憶媒体とが存在する。この記憶媒体を記憶媒体挿入口1より挿入することで装置内部の搬送機構が働き、前記記憶媒体は所定の位置へと搬入されることとなるが、このとき、挿入する記憶媒体の大きさが大径の記憶媒体であっても、或いは小径の記憶媒体であっても、その中心が装置内部の所定位置へと到達してターンテーブルとクランパーとによって確実に挟持される構造となっている。
【0015】
そして本発明の記録再生装置はスロットイン方式である為に、上記記憶媒体挿入口1近傍には記憶媒体の挿入方向に対して直交する方向に延び、前記記憶媒体の片面側より外周縁近傍に当接する搬送ローラを有している。本実施例における搬送ローラについてさらに詳述すると、前記搬送ローラの両端部より中央に向かって径が小さくなるテーパー状と成っており、記憶媒体の記録面側から当接する構造としている。上述の構造により、テーパー状の搬送ローラは挿入する記憶媒体の記録面側より当接しても常に外周縁の近傍に当接することから記録面を傷付けることなく装置内部へと搬送することが可能となる。又、記憶媒体挿入口1は大径の記憶媒体が挿入可能な大きさで形成されていることから、小径の記憶媒体を挿入する場合には記憶媒体挿入口1の中心からズレて挿入されることが考えられる。しかし、搬送ローラの形状を両端部から中央に向かって径が小さくなるテーパー状に形成していることによって、記憶媒体挿入口1の中心からズレて小径の記憶媒体が挿入されても記録面を傷付けることなく中心位置へと寄せながら所定の位置へと搬送することが可能となる。
【0016】
そして上記搬送ローラの一方端にはギアを取着しており、該ギアはその近傍に配設した駆動モータの動力を得て回転する。駆動モータの軸にはウォームギアを取付け、このウォームギアから減速ギア機構を介して上記搬送ローラへと動力の伝達を行い回転駆動している。尚、前記駆動モータの動力は、搬送ローラの回転の他に後述するスライダーの移動を行うための動力としても使用している。又、前述の減速ギア機構については搬送ローラ及び後述するスライダーへの適切な動力伝達が可能な構成であれば特に限定しないこととする。
【0017】
次に記録再生装置の記憶媒体挿入口1から記憶媒体を挿入したときの動作について説明する。図2は記録再生装置の記憶媒体挿入口1に大径の記憶媒体3を一部挿入した状態を示す概略平面透視図である。同図の符号4a,4bは記憶媒体の挿入/排出を検知する検知スライダー、5a,5bは前記検知スライダーと一体に形成されていて挿入又は排出する記憶媒体の外周縁に当接するピン、6は検知レバー、7は装置内部の後方位置において記憶媒体の外周縁が当接する支持部材、8は中間ガイドレバー、9は装置の外装を担うフレームを夫々表している。上記検知スライダー4a,4bはフレーム9に設けている図示しないガイド部に沿って左右方向へと摺動可能に組付けられている。そして、各検知スライダー4a,4bと一体に形成しているピン5a,5bに挿入する大径の記憶媒体3の外周縁が当接することで、両ピン5a,5bが離間する方向へと押圧され、前記各スライダー4a,4bは外方向(同図の左右方向)へと摺動する。
【0018】
図3は大径の記憶媒体3が図2の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図である。検知スライダー4a,4bは大径の記憶媒体3の外周縁に当接するピン5a,5bと共に外方向へと摺動し、同時に前記ピン5aと連結する検知レバー6は軸10を支点として時計方向に回動する。検知レバー6の回動構造について詳述すると、検知スライダー4aと一体に形成されているピン5aが検知レバー6の先端に形成している長溝11に遊嵌した状態にて連結されており、該ピン5aが大径の記憶媒体3の外周縁に押圧されて検知スライダー4aが左外方向へと摺動すると共に、該ピン5aの遊嵌によって該検知スライダー4aと連結された検知レバーは軸10と支点として時計方向へと回動することが出来る。
【0019】
上記検知レバー6の奥側には中間ガイドレバー8が回動自在に配置されており、該中間ガイドレバー8にはピン12を一体に形成している。又、前記検知レバー6には前記ピン12が挿嵌可能な2つのセレクト溝14a,14bが他端部13において対を成して形成されている。大径の記憶媒体3が挿入されて前記検知レバー6が時計方向に回動する前は、図2に示すように軸側に位置するセレクト溝14aにピン12が遊嵌しており、図3に示すように大径の記憶媒体3がさらに挿入されることで検知レバー6が軸10を支点として時計方向へと回動し、中間ガイドレバー8のピン12が前記検知レバー6の他端部13の下側に形成しているセレクト溝14aから離脱する。
【0020】
図4は大径の記憶媒体3が装置内部へ約1/2搬入された状態を示す概略平面透視図である。図3の状態から大径の記憶媒体3がさらに装置内部へと挿入されることによって、該大径の記憶媒体3の外周縁に当接するピン5a,5bと共に検知スライダー4a,4bは外方向へと摺動し、同時に検知レバー6は軸10を支点としてさらに時計方向へと回動する。
【0021】
図5は大径の記憶媒体3が図4の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図である。この状態では、検知スライダー4a,4bは互いが近接する方向へと僅かに戻される。検知スライダー4a,4bは互いが近接する方向へと常時付勢力が働いており、記憶媒体の外周縁に当接するピン5a,5b間の間隔は挿入する記憶媒体の直径を最大として付勢力に抗して離間するため、前記大径の記憶媒体3が半分以上挿入されると該大径の記憶媒体3の外周縁に当接しているピン5a,5b間の距離は小さくなり、外方向へと摺動していた検知スライダー4a,4bは付勢力によって戻されることとなる。付勢力を発生させる一例として、本実施例では検知レバー6にコイルバネ15を連結した構造としている。前記コイルバネ15によって、検知レバー6を反時計方向へと回転するトルクを付勢し、該検知レバー6と連結している検知スライダー4aは、付勢力によって内方向へと摺動し、同時にピニオンギア16を介して噛み合っている検知スライダー4bも内側へと摺動することになる。
【0022】
図6は大径の記憶媒体3が図5の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図である。検知レバー6は軸10を支点に反時計方向へと回動すると共に、検知スライダー4a,4bは互いに近接する内側方向へと摺動する。そして、大径の記憶媒体3が搬送ローラにて搬入されることで、装置内部の後方位置に配設された支持部材7に前記大径の記憶媒体3の外周縁が当接し、該大径の記憶媒体3の搬送動作が押圧力となって前記支持部材7は装置の後方側へと移動させられる。尚、前記支持部材7に関しても記憶媒体3の外周縁が当接する前の位置を基準として常時この位置に復帰出来るよう付勢力が働いている。そして、この付勢力に抗して搬送される大径の記憶媒体3の押圧力により、前記支持部材7は装置の後方側へと移動することとなる。
【0023】
図7は大径の記憶媒体3が装置内の所定の位置に搬入された状態を示す概略平面透視図である。前記図6に示すように、大径の記憶媒体3の後方側外周縁が支持部材7に当接し、さらに該大径の記憶媒体3が搬送ローラにて搬入されることによって、前記支持部材7は該大径の記憶媒体3に押圧されて装置の後方側へと移動し、それに伴い中間ガイドレバー8は反時計方向へと回動する。そしてコイルバネ15の付勢力により、検知レバー6は更に反時計方向へと回転して、前記中間ガイドレバー8から起立するピン12はセレクト溝14bに遊嵌することとなる。
【0024】
記録再生装置に対し、大径の記憶媒体3を挿入する前は、図2に示すように中間ガイドレバー8のピン12は検知レバー6の他端部13下側に形成したセレクト溝14aに遊嵌しているが、装置内部に搬送された大径の記憶媒体3の外周縁に押圧されて支持部材7は後方へと移動し、前記支持部材7と連結している中間ガイドレバー8が連動して反時計方向へと回動することでピン12の位置が変わることとなる。前記ピン12の位置が変わった状態にて検知スライダー4a,4bのピン5a,5bが前記大径の記憶媒体3の外周縁に当接しながら互いが近接する方向へと摺動し、前記検知スライダー4aのピン5aと連結している検知レバー6がコイルバネ15の付勢力によって軸10を支点に反時計方向へと回動し、前記中間ガイドレバー8のピン12は検知レバー6の他端部13上側に形成したセレクト溝14bに遊嵌することとなる。中間ガイドレバー8のピン12が検知レバー6のセレクト溝14bに遊嵌した状態で該大径の記憶媒体3はさらに装置内部へと搬入され、支持部材7は該大径の記憶媒体3の搬送動作に付随して後方へと移動し、該支持部材7の移動に伴って中間ガイドレバー8はさらに反時計方向へと回動することとなる。そして、中間ガイドレバー8のピン12が検知レバー6のセレクト溝14bに遊嵌した状態となっている為、前記ピン12が前記セレクト溝14bを介して検知レバー6を後方へと移動させる。尚、検知レバー6の後方移動を可能とする為、支点となる軸10が嵌る部分を長穴形状(以下、長穴41と称す)とし、前記長穴41に軸10を遊嵌している。
【0025】
尚、支持部材7と中間ガイドレバー8との連結構造について一例を詳述すると、支持部材7から起立するピン17を中間ガイドレバー8の端部に形成したガイド溝18に遊嵌し、前記支持部材7が大径の記憶媒体3に押圧されて後方へと移動することによってピン17は遊嵌するガイド溝18に沿って移動し、該中間ガイドレバー8は軸を支点に反時計方向へと回動することが出来る。
【0026】
図8は前記図6に構成部品としてスライダー19と減速ギア機構20を追加した状態を示す概略平面透視図である。すなわち、本発明の記録再生装置には大径の記憶媒体3の挿入方向とほぼ平行に摺動可能とするスライダー19が取付けられ、前記スライダー19は上記検知レバー6、支持部材7、及び中間ガイドレバー8と連動して前記大径の記憶媒体3を装置内部の所定位置においてターンテーブルとクランパーとにより挟持することができる。同じく、小径の記憶媒体を挿入した場合においても、大径の記憶媒体3と区別して所定位置への搬入及び該所定位置でのターンテーブルとクランパーとによる挟持固定を可能としている。
【0027】
上記減速ギア機構20は駆動モータ(図示なし)から動力を得て回転し、ギア21は搬送ローラと直結していて、ギア21が回転することで大径の記憶媒体3は装置内部へと搬入される。図8の状態ではスライダー19に設けているラックギア22はギア21と噛合していないが、該スライダー19が僅かに後方へ移動することによって前記ラックギア22は前記ギア21と噛合して、駆動モータの動力によって該スライダー19は摺動することが出来る。
【0028】
スライダー19には概略円弧状に湾曲した摺動カム溝23を有し、この摺動カム溝23には検知レバー6から下方に向かって設けた突片24が遊嵌している。該突片24は前記検知レバー6が軸10を中心として回動する場合、摺動カム溝23に沿って移動することが出来る。そして、大径の記憶媒体3の後方外周縁が支持部材7に当接し、該支持部材7が前記大径の記憶媒体3と共に後方へ移動するならば、中間ガイドレバー8が回動してピン12が遊嵌するセレクト溝14bを介して検知レバー6を後方へと移動する。その結果、摺動カム溝23に遊嵌している突片24がスライダー19を後方へと僅かに移動させ、前記スライダー19に設けているラックギア22が上記ギア21と噛合することとなる。
【0029】
図9は検知レバー6の移動に伴ってスライダー19のラックギア22とギア21とが噛合した状態を示す概略平面透視図である。駆動モータの動力により回転するギア21とラックギア22とが噛合することによって、スライダー19は装置の後方側へと摺動することが出来る。ギア21は減速ギア機構20の一部品であり、大径の記憶媒体3を搬入出する搬送ローラへの回転力の伝達を行っているが、スライダー19のラックギア22が前記ギア21と噛合することで前記スライダー19は駆動モータの動力によって移動することとなる。
【0030】
ところで、スライダー19にはガイド溝27が形成してあり、前記ガイド溝27には前記スライダー19と略直交してフレーム9に配設された横スライダー29に形成された突片28が遊嵌している。すなわち、スライダー19の摺動動作によってガイド溝27に遊嵌した突片28が移動する為、該突片28を形成した横スライダー29についても、前記スライダー19の移動に伴って摺動することとなる。そして、本実施例では、前記横スライダー29の摺動動作に連動して、ターンテーブルやピックアップユニットを主要構成部品として備えたトラバースユニットの傾動が可能な構造としている。すなわち、記録再生装置内部の所定位置に大径の記憶媒体3が到達した時点でスライダー19が駆動モータの動力によって該記録再生装置の後方側へと摺動するのに連動して横スライダー29が移動し、該横スライダー29の動作に連動してトラバースユニットが傾斜状態から水平状態へと傾動を開始する。そして、大径の記憶媒体3の記録面側より前記トラバースユニットのターンテーブルによって該大径の記憶媒体3を持ち上げ、前記ターンテーブルと対向する位置に配置されたクランパーと共に該大径の記憶媒体3を挟持することとなる。この時点では、搬送ローラから大径の記憶媒体3は離間した状態にあるが、該大径の記憶媒体3の外周縁においてはピン5や支持部材7が当接したままとなっている。
【0031】
次に、大径の記憶媒体3の外周縁に当接しているピン5及び支持部材7が離間する構造について説明する。スライダー19が記録再生装置の後方側へと移動することによって、突片24が摺動カム溝23に沿って移動し、前記突片24を形成している検知レバー6が軸10を支点とし、コイルバネ15の付勢力に抗して時計方向へと僅かに回動する。そして、検知レバー6の回動に伴い、長溝11に遊嵌したピン5aと共に検知スライダー4aが大径の記憶媒体3の外周縁から離間する方向へと移動し、前記検知スライダー4aとピニオンギア16を介して連結する検知スライダー4bについても互いが離間する方向へと移動する。
【0032】
支持部材7が大径の記憶媒体3の外周縁より離間するタイミングに関してもスライダー19の移動によるものである。すなわち、スライダー19の後方端には2つのセレクトガイド溝25a,25bが形成されており、前記セレクトガイド溝25a,25bに選択的に遊嵌する突片26が中間ガイドレバー8と一体に形成されている。前述したように、前記中間ガイドレバー8は支持部材7と連結した構造にある為、大径の記憶媒体3を挿入した場合、スライダー19の移動により中間ガイドレバー8に形成した突片26がセレクトガイド溝25aに遊嵌する。遊嵌した前記突片26はセレクトガイド溝25aに嵌合した状態で前記スライダー19と共に移動し、該突片26が形成されている中間ガイドレバー8は軸を支点として反時計方向に回動する。前記中間ガイドレバー8の回動により、支持部材7は大径の記憶媒体3の外周縁より離間する方向へと移動することが出来る。図10はスライダー19が記録再生装置の後方側への摺動動作を完了した状態を示す概略平面透視図であり、突片24は摺動カム溝23の前方側端部へと位置する状態にまでスライダー19が後方へと移動することとなる。
【0033】
ところで、摺動カム溝23はスライダー19の摺動方向と平行となるよう形成されておらず、湾曲した形状となっている。その為、前記摺動カム溝23に遊嵌している突片24を介して検知レバー6は軸10を支点として時計方向へと僅かに回動出来ると共に、該検知レバー6の先端に設けた長溝11に遊嵌しているピン5aを大径の記憶媒体3の外周縁から離間する方向へと移動することが出来る。
【0034】
一方、スライダー19の後方端に設けたセレクトガイド溝25a,25bに対して選択的に遊嵌可能とする突片26は、例えば大径の記憶媒体3を挿入した場合、前記スライダー19が記録再生装置の後方へと移動して前記セレクトガイド溝25aに突片26が遊嵌し、該スライダー19がさらに摺動することで前記セレクトガイド溝25aの溝底に達した前記突片26を後方へと移動させることとなり、その結果、中間ガイドレバー8は軸と支点として反時計方向へと回動する。そして、前記中間ガイドレバー8の先端部にはガイド溝18が形成してあり、前記ガイド溝18には支持部材7から起立形成したピン17が遊嵌している為、該中間ガイドレバー8の回動に伴って前記支持部材7は後方側へと移動し、該支持部材7は大径の記憶媒体3の外周縁から離間することとなる。
【0035】
又、横スライダー29に形成した突片28が遊嵌するスライダー19に形成したガイド溝27は、前記スライダー19の摺動方向とほぼ平行に形成された位置の異なる端部を斜めに連結した形状を成している。そして、前記スライダー19に形成されたラックギア22がギア21に噛合するまでは、図9に示すように前記横スライダー29の突片28は前記ガイド溝27の外側後方端に位置しているが、前記ラックギア22が前記ギア21と噛合して前記スライダー19が記録再生装置の後方へと移動を開始すると傾斜部分を伝って、最終的には図10に示すように前記突片28は前記ガイド溝27の内側前方端へと移動する。
【0036】
従って、横スライダー29はスライダー19の移動に連動して、ガイド部に沿って右方向へと摺動することが出来る。横スライダー29にはガイド溝(図示なし)が設けられており、ピックアップユニットやターンテーブルを主要構成部品とするトラバースユニット(図示なし)の一方端部は記録再生装置の外観を構成するフレーム9と連結して傾動支点とし、該トラバースユニットの他方端部は先端に突出した突起を横スライダー29のガイド溝に遊嵌している。従って、大径の記憶媒体3が記録再生装置に挿入される前は一方端部を支点に傾斜した状態にあるトラバースユニットが、前記大径の記憶媒体3の挿入によるスライダー19の摺動、及び前記スライダー19の移動に連動した横スライダー29の摺動によって、該横スライダー29のガイド溝に遊嵌したトラバースユニットの突起が移動して前記トラバースユニットは略水平状態となるよう傾動する。そして、記録再生装置内部の所定位置にある大径の記憶媒体3の記録面側より、トラバースユニットに取付けられたターンテーブルが該トラバースユニットの傾動動作によって上昇して該大径の記憶媒体3を持ち上げ、クランパー懸架部2に懸架されたクランパーと共に該大径の記憶媒体3は挟持されることとなる。
【0037】
図11〜図15は小径の記憶媒体30を記憶媒体挿入口1から挿入している各行程を表した概略平面透視図である。図11は記録再生装置の記憶媒体挿入口1に小径の記憶媒体30を一部挿入した状態を示す概略平面透視図であり、前記図2の場合と同じく、符号4a,4bは検知スライダー、5a,5bはピン、6は検知レバー、7は支持部材、8は中間ガイドレバーを夫々表している。上記検知スライダー4a,4bはフレーム9に設けているガイド部にガイドされて左右方向へスライド出来るように成っている。そして、各検知スライダー4a,4bの先端に設けているピン5a,5bに挿入する小径の記憶媒体30の外周縁が当接することで、前記ピン5a,5bは押圧されて互いが離間する外側へと摺動する。
【0038】
図12は小径の記憶媒体30が図11の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図であり、上記検知スライダー4a,4bは小径の記憶媒体30の外周縁に沿って外側へと摺動し、同時に検知レバー6は軸10を支点として時計方向へと回動する。検知スライダー4aと一体に形成しているピン5aは検知レバー6の先端に形成している長溝11に遊嵌していて、該ピン5aが検知スライダー4aと共に左外方向へと摺動するならば、検知レバー6は時計方向へと回動する。
【0039】
上記中間ガイドレバー8にはピン12を起立し、このピン12は検知レバー6の他端部13に形成しているセレクト溝14aに遊嵌している。小径の記憶媒体30の挿入と共に検知レバー6は軸10を支点として時計方向に回動するが、回動する角度が小さい為にピン12はセレクト溝14aから離脱することはない。これに対して大径の記憶媒体3の場合には、前記図3に示すように検知レバー6の回動する角度が大きくなる為、ピン12はセレクト溝14aから離脱することとなる。
【0040】
図13は小径の記憶媒体30が図12の状態よりもさらに挿入された状態を示す概略平面透視図である。前記小径の記憶媒体30の外径の半分以上が記録再生装置の内部へと挿入されると、検知レバー6は軸10を支点に反時計方向へと回動すると共に、検知スライダー4a,4bは該小径の記憶媒体30の外周縁に当接しながら互いが近接する方向へと摺動する。但し、図13で示す状態では記録再生装置の後方に配置された支持部材7に挿入された小径の記憶媒体30の外周縁は当接しておらず、ある程度の間隔を残している。
【0041】
図14は小径の記憶媒体30が図13の状態よりもさらに挿入された状態を示す概略平面透視図である。同図で示すように、小径の記憶媒体30の外周縁から検知スライダー4a,4bの端部に形成しているピン5a,5bは離れてしまうが、図示しない搬送ローラと後述する押圧部材により該小径の記憶媒体30は記録再生装置の内部へとさらに搬送されることとなる。尚、該搬送ローラは端部から中央部分に向かって小径と成るようにテーパーを形成している為、該小径の記憶媒体30は搬入されると共に中央へと移動する。例えば、記憶媒体挿入口1の端部から小径の記憶媒体30を挿入したとしても、前記搬送ローラの形状によって該小径の記憶媒体30は記録再生装置内部の中央部分に向かって搬入されることとなる。
【0042】
図15は図14の状態よりもさらに記録再生装置の内部へと搬入する小径の記憶媒体30の外周縁が支持部材7に当接し、該小径の記憶媒体30の搬入移動と共に支持部材7が僅かに後方へと押圧されて移動した状態を示す概略平面透視図である。小径の記憶媒体30は搬送ローラによって記録再生装置の後方へと移動し、該小径の記憶媒体30の外周縁によって支持部材7を押圧して後退させる。そして、前記支持部材7の後退に伴い、中間ガイドレバー8は軸を支点に反時計方向へと回動し、該中間ガイドレバー8に形成したピン12がセレクト溝14aに遊嵌している為に検知レバー6は後方へと移動する。
【0043】
検知レバー6の後方移動の構造については大径の記憶媒体3を挿入する場合とほぼ同じである。すなわち、検知レバー6の他端部13に形成しているセレクト溝14aには中間ガイドレバー8に起立形成したピン12が遊嵌しており、中間ガイドレバー8が軸を支点として反時計方向へと回動することによって、前記ピン12を介して検知レバー6は後方へと引かれることとなる。そして、前記検知レバー6の回動支点部分には長穴41が形成されており、この長穴41に軸10が嵌っている構造としている為、該長穴41の範囲内で前記検知レバー6は移動することが出来る。前記検知レバー6の後方移動に伴ってスライダー19が後方へと移動し、前記スライダー19のラックギア22とギア21とが噛合して駆動モータの動力により前記スライダー19は記録再生装置の後方側へと移動することについては、大径の記憶媒体3を挿入するときの前記図9〜図10にて説明した内容とほぼ同じである。
【0044】
尚、大径の記憶媒体3を挿入する場合と、小径の記憶媒体30を挿入する場合とにおいて、スライダー19が駆動モータの動力によって摺動するタイミングと、支持部材7が記憶媒体の外周縁から離間するタイミングとが異なる。すなわち、大径の記憶媒体3を記録再生装置へと挿入した場合には、図6〜図7に示すように、中間ガイドレバー8に起立形成したピン12が検知レバー6の端部13に形成したセレクト溝14bに遊嵌した状態で該検知レバー6は後方へと引かれてスライダー19のラックギア22とギア21とが噛合し、図8〜図10に示すように、駆動モータの動力によって記録再生装置の後方へと移動する前記スライダー19の後方端部に形成したセレクトガイド溝25aに中間ガイドレバー8に形成した突片26が遊嵌して、該大径の記憶媒体3の外周縁から支持部材7を離間する方向へと移動させる。一方、小径の記憶媒体30を記録再生装置へと挿入した場合には、図14〜図15に示すように前記ピン12はセレクト溝14aに遊嵌した状態で該検知レバー6は後方へと引かれてスライダー19のラックギア22とギア21とが噛合し、図示しないが、駆動モータの動力によって記録再生装置の後方へと移動する前記スライダー19の後方端部に形成したセレクトガイド溝25bに中間ガイドレバー8に形成した突片26が遊嵌して、該小径の記憶媒体30の外周縁から支持部材7を離間する方向へと移動させる。
【0045】
これら異径の記憶媒体に対応した構造の違いについては、記録再生装置内部の所定位置、すなわち挿入された記憶媒体をターンテーブルとクランパーとによって挟持する位置に確実に到達させると共に、該記憶媒体が挟持された後で保持機能を有する支持部材7を確実に離間させるためにある。本実施例においては、2種のセレクト溝14a,14b、セレクトガイド溝25a,25b、及びこれらに遊嵌するピン12、突片26という構成によって実現しており、電気的手段を用いず安価に対応可能としている。
【0046】
尚、小径の記憶媒体30をターンテーブルとクランパーとで挟持する手段については大径の記憶媒体3を挿入した場合と同じである。すなわち、スライダー19の移動に合わせて摺動する横スライダー29の移動によって傾動するトラバースユニットに取付けられたターンテーブルが小径の記憶媒体30の記録面側から該記憶媒体を持ち上げると共に、対向位置のクランパー懸架部2に懸架されたクランパーと共に該小径の記憶媒体30を挟持することとなる。ターンテーブルによって持ち上げられた小径の記憶媒体30は搬送ローラから離間した状態にあり、且つ前記クランパーとによって挟持された後は該小径の記憶媒体30の外周縁から支持部材7等の当接していた部品が離間している状態になることから、ターンテーブルにより該小径の記憶媒体30を回転してピックアップユニットによる情報の読込み又は書込みが可能となる。
【0047】
図16は本実施例の記録再生装置における記憶媒体挿入口近傍を示す内部縦断面図である。同図の符号1は記憶媒体挿入口、3は大径の記憶媒体、31は搬送ローラ、32は押圧部材を夫々表している。搬送ローラ31は記憶媒体挿入口1の後方位置に配置され、該記憶媒体挿入口1に沿って平行に延びる細い棒体を成しているが、該搬送ローラ31の両端部から中央部に向いてその外径が僅かに小さくなるようにテーパーを形成している。記憶媒体挿入口1から挿入された大径の記憶媒体3は搬送ローラ31に載り、該搬送ローラ31が時計方向(矢印方向)に回転することで、前記大径の記憶媒体3は記録再生装置内部へと引き込まれる。しかも、前記搬送ローラ31は両端部から中央部に向かって細くなるように僅かにテーパー状と成っている為に、前記大径の記憶媒体3、特に小径の記憶媒体30の場合には、記憶媒体挿入口1の端部側から挿入されても、その搬入途中において中央部へと移動することが出来る。
【0048】
ところで、回転する搬送ローラ31上に大径の記憶媒体3が載置されただけの状態では、該大径の記憶媒体3は前記搬送ローラ31上でスリップし、記録再生装置の内部へと確実に搬入できない虞がある。そこで、記録再生装置の内部へと挿入された大径の記憶媒体3を搬送ローラ31側へと押圧する為の押圧部材32を該搬送ローラ31の対向位置に配設している。すなわち、本実施例では、記録再生装置の内部へと挿入される大径の記憶媒体3の記録面側である記憶媒体挿入口1近傍の下方位置に搬送ローラ31を配設し、該搬送ローラ31の対向位置となる記憶媒体挿入口1近傍の上方位置に押圧部材32を配設した構造としており、前記記憶媒体挿入口1より挿入された大径の記憶媒体3を押圧部材32が該大径の記憶媒体3の表示面側より搬送ローラ31側へと押圧して記録再生装置内部への搬入を可能としている。尚、この押圧部材32は主に合成樹脂を材料として形成しており、形成の容易さは勿論のこと、該押圧部材32によって挿入する大径の記憶媒体3などが損傷しないよう考慮している。
【0049】
前記押圧部材32と、この押圧部材32を配設しているフレーム9との間には、搬送ローラ31側への押圧力を発生させる為の付勢部材を設けており、本実施例においてはトーションバネ35を前記付勢部材として取付けている。前記トーションバネ35の付勢力によって、押圧部材32を常時搬送ローラ31へと押圧した状態としている。そして、前記押圧部材32は同図で示すように、軸を支点にトーションバネ35の付勢力によって搬送ローラ31に向かって低くなるように傾斜している為、記憶媒体挿入口1から挿入される大径の記憶媒体3は押圧部材32によって前記搬送ローラ31側へと押圧された状態、すなわち、前記搬送ローラ31と前記押圧部材32とによって大径の記憶媒体3が挟持された状態で記録再生装置の内部へと確実に搬入することが出来る。
【0050】
図17は大径の記憶媒体3が記録再生装置内部の所定位置において、ターンテーブル33によって持ち上げられた状態を示す内部縦断面図である。ターンテーブル33はトラバースユニットに取付けられており、記憶媒体挿入口1から搬送ローラ31の回転により搬入された大径の記憶媒体3が所定の位置に達したところで、傾斜状態にあったトラバースユニットが一方端部を支点にクランパー側へと傾動し、該トラバースユニットが略水平状態となったときには前記大径の記憶媒体3はターンテーブル33によって持ち上げられた状態となる。さらに詳述すれば、本実施例における記憶媒体は外形が略円盤形状を成し、中央部分に貫通孔を有した所謂ディスク状記憶媒体であり、トラバースユニットと共に傾動するターンテーブル33の一部が前記記憶媒体の貫通孔に嵌入して持ち上げることとなる。同図で示すように、大径の記憶媒体3がターンテーブル33によって持ち上げられた状態においては、該大径の記憶媒体3は搬送ローラ31から離間した状態にある。そして、上記押圧部材32は軸を支点として後述する押圧手段によって付勢力に抗して略水平となるよう揺動している。
【0051】
ところで、該押圧部材32の前方側(記憶媒体挿入口側)には遮蔽部34を形成しており、該遮蔽部34は前記押圧部材32が略水平となるよう揺動することで記憶媒体挿入口1を閉鎖することが出来る。すなわち、大径の記憶媒体3が記録再生装置の内部へと搬入されてターンテーブル33によって持ち上げられるならば、押圧部材32が付勢力に抗して略水平となるよう揺動し、遮蔽部34によって記憶媒体挿入口1を閉鎖して2枚目の記憶媒体が該記憶媒体挿入口1から誤って挿入されるのを防止することが出来る。大径の記憶媒体3に対する情報の読込み(再生)、若しくは情報の書込み(記録)については、ターンテーブル33と連結した回転駆動モータの動力によって持ち上げられた大径の記憶媒体3が回転し、該大径の記憶媒体3の記録面よりトラバースユニットに備えたピックアップユニットが回転方向に直交して移動することにより行う。大径の記憶媒体3に対する情報の読込み、或いは情報の書込みが終了して記録再生装置の内部から前記大径の記憶媒体3を搬出する場合には、トラバースユニットの一方端部を支点として傾斜状態となるよう下降すると共に前記押圧部材32は付勢力によって水平状態から傾斜状態となるよう揺動する為、前記押圧部材32形成した遮蔽部34は記憶媒体挿入口1を閉鎖していた状態から上方へと移動して該記憶媒体挿入口1を開口することとなる。
【0052】
そして、トラバースユニットが一方端部を支点として傾斜状態となるよう傾動することで、大径の記憶媒体3の記録面側外周縁近傍と搬送ローラ31とが当接すると共に、該大径の記憶媒体3の表示面側からトーションバネ35の付勢力によって押圧部材32が前記搬送ローラ31側へと押圧力を付与することとなる。搬送ローラ31と押圧部材32とによって大径の記憶媒体3を挟持し、且つ前記押圧部材32によって前記搬送ローラ31側へと該大径の記憶媒体3を押圧した状態で搬送ローラ31は反時計方向(矢印と反対方向)へと回転し、該大径の記憶媒体3は記憶媒体挿入口1から搬出される。
【0053】
ところで、記録再生装置に対する大径の記憶媒体3の搬入/搬出は、上記搬送ローラ31の回転駆動により行われるが、該搬送ローラ31の回転始動/停止には主に検知スイッチが用いられている。本実施例の場合、大径の記憶媒体3、或いは小径の記憶媒体30の搬送時に外周縁へと当接する検知スライダー4a,4bの摺動動作を利用して検知スイッチの操作を行っている。すなわち、検知スライダー4a,4bの摺動軌道上において検知スイッチをON/OFF可能な状態で配設している。本実施例についてさらに詳述すると、一方の検知スライダー4bの摺動軌道上に該検知スライダー4bに押圧されてON/OFF可能な2個の検知スイッチを並設配置した構造としている。すなわち、本実施例の記録再生装置は、大径の記憶媒体3と小径の記憶媒体30の何れの記憶媒体が挿入された場合でも搬入/搬出を確実に行うための構造としている。
【0054】
並設配置された2個の検知スイッチの内、記憶媒体挿入口1の内側寄りに配設された検知スイッチ(以下、検知スイッチAと称す)は、前記記憶媒体挿入口1から大径の記憶媒体3、又は小径の記憶媒体30が挿入されたときに該記憶媒体の外周縁に当接して摺動する検知スライダー4bに押圧されてONとなり、駆動モータが回転を開始し、該駆動モータを動力源として搬送ローラ31が回転を開始する。又、前記検知スイッチAは記憶媒体の搬入が完了したときの駆動モータの停止にも関係している。すなわち、記憶媒体の挿入により検知スイッチAをON状態とする検知スライダー4bは該記憶媒体の外周縁に沿って摺動する為、記憶媒体挿入口1の中央位置を基準として離間する方向へと摺動していた前記検知スライダー4bは該中央位置へ戻り前記検知スイッチAから一度離れてOFFとなる。そして、前述で説明したように、記憶媒体が所定の位置においてターンテーブル33とクランパーとによって挟持された後、スライダー19に形成された摺動カム溝23に遊嵌している突片24が該スライダー19の摺動に伴って移動することによって検知レバー6は軸10を支点として時計方向へと僅かに回動する。そして、前記検知レバー6とピン5aの遊嵌によって連結している検知スライダー4aが記憶媒体挿入口1の中央位置から僅かに離間する方向へと摺動するのに合わせて検知スライダー4bも摺動し、前記検知スイッチAを再度押圧してON状態とする。このときに駆動モータの回転を停止し、該駆動モータを動力源とする搬送ローラ31についても停止することとなる。
【0055】
次に記録再生装置の内部から記憶媒体を搬出するときの検知スイッチの役割について説明する。本実施例の記録再生装置を内蔵する電子機器の表示面等に設けられている操作ボタンの内、記憶媒体の搬出に関するボタンを操作することによって、前記記録再生性装置の駆動モータが記憶媒体を搬入するときとは逆の方向(前述で説明したときの反時計方向)へと回転を開始する。そして、装置内部の所定位置においてターンテーブル33とクランパーとにより挟持された記憶媒体はトラバースユニットの下方傾動動作によって挟持状態は解除され、前記駆動モータを動力源とする搬送ローラ31によって記憶媒体挿入口1へと搬出される。ここで大径の記憶媒体3を搬出する場合、該大径の記憶媒体3の外周縁に沿って摺動する検知スライダー4bによって検知スイッチA、及び該検知スイッチAと一定の間隔を設けて並設された検知スイッチ(以下、検知スイッチBと称す)とをON/OFFすることとなる。又、小径の記憶媒体30を搬出する場合には、該小径の記憶媒体30の外周縁に沿って摺動する検知スライダー4bによって検知スイッチAのみをON/OFFすることとなる。これは、搬出する記憶媒体の径の違いによるものであり、押圧する検知スイッチの状態に合わせて搬出する記憶媒体が大径の記憶媒体3であるか、或いは小径の記憶媒体30であるかを検知すると共に、前記記憶媒体の種類に応じて駆動モータの停止のタイミングを調整し、記憶媒体挿入口1から突出する量を最適にする構造となっている。
【0056】
大径の記憶媒体3を搬出する場合は、ターンテーブル33にて持ち上げる記録再生装置内部の所定位置から記憶媒体挿入口1に突出するまでの間において、検知スライダー4bの摺動動作により検知スイッチAと検知スイッチBとを押圧する。さらに詳述すれば、記録再生装置の内部において挟持状態が解除された大径の記憶媒体3は、押圧部材32によって搬送ローラ31側へと押圧され、該搬送ローラ31の回転によって記憶媒体挿入口1へと搬出される。搬出移動する前記大径の記憶媒体3の外周縁に当接する検知スライダー4bは、最初に検知スイッチAを押圧してON状態とし、さらに大径の記憶媒体3が搬出方向へと移動すれば、前記検知スイッチAに続き検知スイッチBも押圧してON状態となる。すなわち、前記大径の記憶媒体3によって検知スライダー4a及び検知スライダー4bが互いに最も離間する状態において、検知スイッチA及び検知スイッチBは何れも押圧されてON状態となっている。この状態から前記大径の記憶媒体3が搬送ローラ31によってさらに搬出移動すると、該大径の記憶媒体3の外周縁に沿って検知スライダー4a及び検知スライダー4bが互いに近接する方向へと移動し、該検知スライダー4bは検知スイッチBから離れて該検知スイッチBはOFF状態となる。検知スイッチAがON状態であって、検知スイッチBがON状態からOFF状態へと切換わったときに駆動モータを停止することで、大径の記憶媒体3は記憶媒体挿入口1からその一部が適度に突出した状態で停止することとなり、該記憶媒体挿入口1から前記大径の記憶媒体3が落下することはない。
【0057】
一方、小径の記憶媒体30を搬出する場合には前記大径の記憶媒体3を搬出する場合とは異なり、検知スライダー4bの摺動動作によって検知スイッチAのみを押圧することとなる。そして、検知スイッチAがON状態からOFF状態へと切換わったときに駆動モータを停止することによって、前記小径の記憶媒体30は記憶媒体挿入口1からその一部が適度に突出した状態で停止することとなり、該記憶媒体挿入口1から前記小径の記憶媒体30が落下することはない。以上のことから、本実施例では検知スライダー4bの搬送軌道上に検知スイッチA及び検知スイッチBを設け、該検知スライダー4bの移動量に応じて記憶媒体挿入時における駆動モータの始動/停止、及び異なる径を有する記憶媒体の搬出時における駆動モータの停止が可能な構造としている。
【0058】
図18は大径の記憶媒体3及び小径の記憶媒体30を記憶媒体挿入口1から一部挿入した状態を示す概略平面透視図である。尚、同図においては大径の記憶媒体3と小径の記憶媒体30とを重ねた状態で表示しているが、実際には何れか1枚の記憶媒体のみを挿入することとなる。ところで押圧部材32には前方側(記憶媒体挿入口側)に遮蔽部34を形成してあり、概略L形断面を成していることは前述のとおりである。そして前記押圧部材32の両端部には軸37,37を延出して形成しており、記録再生装置のフレーム9に軸支されている。又、押圧部材32の上方部分には前記フレーム9との間に2個のトーションバネ35,35を取付けており、該押圧部材32の全体に亘って均等な付勢力を付加し、該押圧部材32が常に搬送ローラ31に向かって傾斜した状態としている。
【0059】
図19は本実施例における押圧部材32の具体的形状を示す斜視図である。該押圧部材32の両端部には軸37,37が外方向へと延出形成してあり、又、前記両端部近傍にはアーム38a,38bを下方へと延出形成している。該押圧部材32は軸37,37を中心として揺動するように軸支されており、記憶媒体の搬入/搬出時においてはトーションバネ35,35の付勢力が働いて該押圧部材32は軸37,37を支点として傾斜した状態となっている。そして、押圧手段によってアーム38a,38bを下方側より押圧することで、押圧部材32がトーションバネ35,35の付勢力に抗して軸37,37を支点に揺動し、該押圧部材32の前方側に形成した遮蔽部34が下降して記憶媒体挿入口1を閉鎖することとなる。尚、アーム38a,38bに対する押圧手段が解除されるならば、トーションバネ35,35の付勢力によって前記押圧部材32は軸37,37を支点として前記遮蔽部34が上方する方向へと揺動し、前記記憶媒体挿入口1は開口する。
【0060】
ここで、本実施例における押圧手段について図9を用いて説明する。本実施例においては、アーム38a,38bを下方側より押圧する手段としてスライダー19、及び横スライダー29の摺動動作を利用した構造としている。スライダー19には駆動モータの動力を伝達するためにギア21と噛合するラックギア22が形成してあり、同図はギア21がスライダー19のラックギア22と噛合した状態を示している。そして、前記スライダー19にはラックギア22と略平行に押圧部材揺動溝39が設けてあり、前記押圧部材揺動溝39に前記押圧部材32から下方へ延出形成された一方のアーム38aが遊嵌している。尚、該アーム38aは押圧部材32の後方側より下方に向かって延出形成している。一方、同図において横スライダー29の右先端部にも押圧部材揺動溝40が形成されている。前記横スライダー29は前記スライダー19の摺動動作に連動して横方向へと移動することが出来、該横スライダー29の摺動動作によって前記押圧部材32の下方へ延出形成された他方のアーム38bが前記押圧部材揺動溝40に係合することとなる。
【0061】
図16に示す押圧部材32のアーム38aはスライダー19に形成している押圧部材揺動溝39に遊嵌して後方端に位置し、他方のアーム38bは横スライダー29の押圧部材揺動溝40と係合していない位置にある。そこで、スライダー19がギア21及びラックギア22の噛合により後方へ摺動するならば、アーム38aは押圧部材揺動溝39の入口側端に達して上方側へと押圧し、同時に横スライダー29が右方向へ移動することで他方のアーム38bが押圧部材揺動溝40と係合して該押圧部材32を略水平状態で保持することとなる。従って、前記押圧部材32のアーム38a,38bは、スライダー19及び横スライダー29の摺動動作によって下方側より押圧することとなり、該押圧部材32はトーションバネ35,35の付勢力に抗して揺動し、図17に示すように記憶媒体挿入口1が遮蔽部34にて閉鎖される状態のままその状態を保持されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施例における記録再生装置を示す外観斜視図。
【図2】記録再生装置の記憶媒体挿入口に大径の記憶媒体を一部挿入した状態を示す概略平面透視図。
【図3】大径の記憶媒体が図2の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図。
【図4】大径の記憶媒体が装置内部へ約1/2搬入された状態を示す概略平面透視図。
【図5】大径の記憶媒体が図4の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図。
【図6】大径の記憶媒体が図5の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図。
【図7】図7は大径の記憶媒体が装置内の所定の位置に搬入された状態を示す概略平面透視図。
【図8】図6に構成部品としてスライダーと減速ギア機構を追加した状態を示す概略平面透視図。
【図9】検知レバーの移動に伴ってスライダーのラックギアとギアとが噛合した状態を示す概略平面透視図。
【図10】スライダーが記録再生装置の後方側への摺動動作を完了した状態を示す概略平面透視図。
【図11】記録再生装置の記憶媒体挿入口に小径の記憶媒体を一部挿入した状態を示す概略平面透視図。
【図12】小径の記憶媒体が図11の状態よりもさらに装置内部へと挿入された状態を示す概略平面透視図。
【図13】小径の記憶媒体が図12の状態よりもさらに挿入された状態を示す概略平面透視図。
【図14】小径の記憶媒体が図13の状態よりもさらに挿入された状態を示す概略平面透視図。
【図15】小径の記憶媒体の外周縁が支持部材に当接して該小径の記憶媒体の搬入移動と共に支持部材が僅かに後方へと押圧されて移動した状態を示す概略平面透視図。
【図16】本実施例の記録再生装置における記憶媒体挿入口近傍を示す内部縦断面図。
【図17】大径の記憶媒体が記録再生装置内部の所定位置においてターンテーブルによって持ち上げられた状態を示す内部縦断面図。
【図18】大径の記憶媒体及び小径の記憶媒体を記憶媒体挿入口から一部挿入した状態を示す概略平面透視図。
【図19】本実施例における押圧部材32の具体的形状を示す斜視図。
【符号の説明】
【0063】
1 記憶媒体挿入口
2 クランパー懸架部
3 大径の記憶媒体
4a 検知スライダー
4b 検知スライダー
5a ピン
5b ピン
6 検知レバー
7 支持部材
8 中間ガイドレバー
9 フレーム
10 軸
11 長溝
12 ピン
13 他端部
14a セレクト溝
14b セレクト溝
15 コイルバネ
16 ピニオンギア
17 ピン
18 ガイド溝
19 スライダー
20 減速ギア機構
21 ギア
22 ラックギア
23 摺動カム溝
24 突片
25a セレクトガイド溝
25b セレクトガイド溝
26 突片
27 ガイド溝
28 突片
29 横スライダー
30 小径の記憶媒体
31 搬送ローラ
32 押圧部材
33 ターンテーブル
34 遮蔽部
35 トーションバネ
36 回転駆動モータ
37 軸
38a アーム
38b アーム
39 押圧部材揺動溝
40 押圧部材揺動溝
41 長穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームに設けた記憶媒体挿入口近傍に挿入方向に対して直交して設けた搬送ローラと、前記搬送ローラと対を成して揺動可能に取付けた合成樹脂製の押圧部材とによって円盤状記憶媒体を装置内部へと搬入可能とする記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置において、前記押圧部材は既に装置内部へと記憶媒体の挿入が完了した状態から2枚目の記憶媒体が誤って挿入されるのを防止するために該押圧部材の揺動動作によって記憶媒体挿入口を閉鎖可能とする遮蔽部を一体に形成した概略L形断面を成し、且つ前記押圧部材の両端部には揺動支点となる軸を外方向へと突出し、さらに前記押圧部材の両端部近傍にはアームを略垂直方向へと延出形成し、また前記記憶媒体挿入口から挿入して搬入される記憶媒体を前記押圧部材を用いて前記搬送ローラ側へと押圧するための付勢手段を設け、前記記憶媒体の搬入動作が完了した状態で前記付勢手段の付勢力に抗して上記両アームを押圧することで前記押圧部材を強制的に揺動し、前記遮蔽部により記憶媒体挿入口を閉鎖するための押圧手段を備えたことを特徴とする記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置における記憶媒体搬送機構。
【請求項2】
上記付勢手段にはトーションバネを使用しており、前記トーションバネは押圧部材の上面側とフレームとの間に設置し、記憶媒体挿入口より挿入する記憶媒体の搬入時、或いは装置内部から前記記憶媒体挿入口へと送る記憶媒体の搬出時において、前記記憶媒体を常時搬送ローラと前記押圧部材とで挟持可能としたことを特徴とする請求項1記載の記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置における記憶媒体搬送機構。
【請求項3】
上記アームの押圧手段として、記憶媒体の挿入方向とほぼ平行に摺動するスライダーと、前記スライダーのスライド動作に連動して前記記憶媒体の挿入方向とほぼ直交する方向へと摺動する横スライダーとをフレームに取付け、前記スライダーには押圧部材に形成する一方のアームを付勢手段の付勢力に抗して押圧することで該押圧部材を揺動するための押圧部材揺動溝を形成して前記一方のアームを遊嵌し、前記横スライダーの一方側端部は前記スライダーと摺動可能に連結し、前記横スライダーの他方側端部には前記押圧部材が付勢手段の付勢力に抗して揺動が完了した状態で該押圧部材に形成する他方のアームを保持するための押圧部材揺動保持溝を形成して前記他方のアームを係合可能としたことを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置における記憶媒体搬送機構。
【請求項4】
前記フレームには、記憶媒体の情報の読込み、又は前記記憶媒体の情報の書込みを可能とするピックアップユニットと、記憶媒体挿入口より搬入される該記憶媒体を所定の位置において回転するためのターンテーブルとを備えたトラバースユニットを傾動可能に取付け、前記トラバースユニットの一方端部を前記フレームと連結して傾動支点とし、前記トラバースユニットの他方端部を上記横スライダーと連結して該横スライダーの摺動動作に連動して該トラバースユニットが傾動することを特徴とする請求項3記載の記憶媒体再生装置又は記憶媒体の記録及び再生装置における記憶媒体搬送機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−80020(P2010−80020A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249546(P2008−249546)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(390001959)オリオン電機株式会社 (427)
【Fターム(参考)】