説明

記録再生制御装置

【課題】記録媒体のアドレス領域とデータ領域別にRF再生信号のゲイン制御量を時間遅れなく適切に制御しつつ、デジタルデータを再生する。
【解決手段】デジタルデータ復調手段7は、再生RF信号検出手段2からの再生RF信号からアドレス情報8を復調する。第1のアドレスゲート信号生成手段10は、少なくともアドレス情報8に基づいてアドレス領域を示す第1のアドレスゲート信号11を生成し、第2のアドレスゲート信号生成手段12は、第1のアドレスゲート信号11よりも所定時間進んだ第2のアドレスゲート信号13を生成する。制御量伝送手段6は、第2のアドレスゲート信号の立上りタイミングでアドレス部ゲイン制御量生成手段16のアドレス部ゲイン制御量を、第2のアドレスゲート信号の立下りタイミングでデータ部ゲイン制御量生成手段17のデータ部ゲイン制御量を、各々、ゲイン制御手段4に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体にデジタルデータを記録するため、及び、記録媒体からデジタルデータを再生する制御方式及び制御回路に関するものである。
本発明は、特に、間欠的にエンボス状のアドレス情報が存在するようなDVD−RAM(DVD-Random Access Memory)ディスクの記録再生に、好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
情報記録媒体としての光ディスク媒体にデジタルデータを記録する方式として、コンパクトディスク(Compact Disc(登録商標);以下、CDと称す)やDVD(Digital Versatile Disk;以下、DVDと称す)に見られるように線速度を一定にして記録媒体上の記録密度を一様にする方式が多く用いられている。近年、読み取り専用の光ディスクのみならず、記録可能なDVD−RAM、1回書き込みが可能なDVD−Recordabule(以下、DVD−Rと称す)、及び書き換え可能なDVD−Rewritable(以下、DVD−RWと称す)が、注目されている。
【0003】
ここで、DVD−RAMは、ランダムアクセスによる記録再生が可能という特徴があるため、DVD−レコーダー、及び、情報記録媒体として適している。
【0004】
このようなDVD−RAMについては、アドレス情報等が書き込まれているCAPA部と、実際にデジタルデータを記録するデータ部とを一組として構成されるセクタと呼ばれる単位ブロックが複数存在し、各々のセクタ毎に位相同期引き込みを行うことになる。
【0005】
更に、このようなDVD−RAMについては、アドレス情報等が書き込まれているCAPA部と、データ部とでは、各々、アドレス情報の振幅値とデータ信号の振幅値とが異なって、相互に異なる信号特性を有する。また、CAPA部がランド用のCAPA部とグルーブ用のCAPA部とに分かれている場合にも、それらのランド用及びグルーブ用の各CAPA部別に良好な記録再生を行うように、ランド用CAPA部のアドレス情報とグルーブ用CAPA部のアドレス情報とは、互いに振幅値が異なって、異なる信号特性を有する。
【0006】
図23は、従来の自動利得制御装置を示す図である。図23に示した自動利得制御装置は、異なる信号特性を有する複数のCAPA部の信号を持つ入力アナログ信号100の振幅を所定利得で増幅するVGA(Variable Gain Amplitude;以下、VGAと称す)101と、前記VGA101の出力をサンプリングしてデジタル信号103に変換するA/D変換器102と、その変換後のデジタル信号103の信号長を検出する信号弁別手段104と、前記信号弁別手段104で検出された信号長105と外部から入力された制御ゲート信号106とに基づいて、所望の信号長のデジタル信号の振幅情報108を抽出する振幅情報抽出手段107と、この抽出された振幅情報108に基づいて、前記VGA101を制御するための制御信号110を生成するAGC制御手段109と、制御信号110をアナログ信号に変換し、VGA101に出力するD/A変換器111を備える。
【0007】
このような自動利得制御装置を用いることにより、例えば、振幅値が相互に異なって異なる信号特性を持つCAPA部のアドレス情報とデータ部のデータとの振幅値を個別に自動利得制御したり、更には、CAPA部がランド用のCAPA部とグルーブ用のCAPA部とに分かれている場合に、そのランド用及びグルーブ用の両アドレス情報の振幅値をで個別に自動利得制御することにより、CAPA部とデータ部間や、ランド用とグルーブ用のCAPA部相互間で、個別に適切な振幅調整を行って、アドレス情報の取得率を上げるようにしている。このような技術は例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2004−48707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、高速で記録再生を行う場合に、ゲイン制御情報を伝送する系(図23では、AGC制御手段109からVGA101にゲイン制御情報を伝送する系)の遅延量が相対的に大きくなってくる。このため、CAPA部(アドレス領域)とデータ領域との境界、又は、ランド側のアドレス領域とグルーブ側のアドレス領域との境界付近において、ゲイン制御情報の反映が遅れ、その結果、自動振幅制御が不安定になって、アドレス情報やデジタルデータの再生性能が低下する欠点があることが判った。
【0009】
そこで、前記の欠点を解消すべく、例えば、ゲイン制御情報の伝送系をアナログ信号処理のみで構成することが考えられるが、この場合には、ゲイン制御情報の伝送時間を短縮できるが、逆に、回路規模及び消費電力が大きくなるばかりでなく、再生能力が高いPRML(Partial Response Maximum Likelihood)信号処理方式等のデジタル信号処理手段が使用できなくなる欠点が新たに生じる。一方、前記従来の構成のようにデジタル信号処理を適用した場合に、ゲイン制御情報の伝送時間を短縮しようとすると、D/A変換器111を高速性能のものを使用することになるが、これでは回路規模及び消費電力が大きくなるばかりでなく、D/A変換器111でグリッジ雑音等が発生して、再生RF信号が劣化し、再生性能が低下するという課題が生じる。
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、その目的は、ゲイン制御情報の伝送系をアナログ信号処理する構成やデジタル信号処理する構成の何れの場合においても、アドレス領域とデータ領域との境界付近において、時間遅れのない正常で適切なゲイン制御情報を再生RF信号に反映させることにある。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、前記アドレス領域とデータ領域との境界付近だけでなく、ランド用とグルーブ用とのアドレス領域の境界付近において、トラッキングバランスが崩れている場合でも、ランド用とグルーブ用との両アドレス情報に対して時間遅れのない適切なゲイン制御情報を反映させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の記録再生制御装置は、アドレス領域を示すアドレスゲート信号に対して、ゲイン制御情報を伝送する系の遅延量に応じて、事前に進んだ位相でゲイン制御情報を切り換えることとする。
【0013】
また、前記第2の目的を達成するために、ランド用とグルーブ用のアドレスを区別するためのアドレス領域の極性を示すアドレス極性信号に対しても、ゲイン制御情報を伝送する系の遅延量に応じて、事前に進んだ位相でゲイン制御情報を切り換えることとする。
【0014】
具体的に、請求項1記載の発明の記録再生制御装置は、エンボス状のアドレス領域と記録可能なデータ領域とがセクタ毎に間欠的に存在する記録媒体に対する記録再生制御装置であって、前記記録媒体から読み出されたRF再生信号からデジタルデータを復調するデジタルデータ復調手段と、前記デジタルデータ復調手段により前記アドレス領域から読みだされたアドレス情報を基に次のセクタのアドレス情報の位置を示す第1のアドレスゲート信号を生成する第1のアドレスゲート信号生成手段と、前記第1のアドレスゲート信号を任意の時間分進めて第2のアドレスゲート信号を生成する第2のアドレスゲート信号生成手段と、前記記録媒体から読み出されたRF再生信号から振幅情報を検出する振幅検出手段と、前記振幅情報を受け、この振幅情報と前記アドレス領域に対して任意に設定可能なアドレス振幅目標値との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するアドレス部ゲイン制御量生成手段と、前記振幅情報を受け、この振幅情報と前記データ領域に対して任意に設定可能なデータ振幅目標値との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するデータ部ゲイン制御量生成手段と、前記アドレス部ゲイン制御量生成手段と前記データ部ゲイン制御量生成手段の出力信号を、前記第1のアドレスゲート信号及び前記第2のアドレスゲート信号に基づいて切り換えながら伝送する制御量伝送手段と、前記制御量伝送手段の出力信号であるゲイン制御情報を基に、前記アドレス領域と前記データ領域別に、前記再生RF信号の振幅を制御するゲイン制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、前記第1のアドレスゲート信号生成手段は、前記デジタルデータ復調手段で生成された前記再生RF信号の有するクロック成分に同期したチャネルクロックでカウントするセクタカウンタと、前記アドレス領域の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報を保持するアドレス始端情報保持手段と、前記アドレス領域の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報を保持するアドレス終端情報保持手段とを有し、前記アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記アドレス始端情報から任意の進み位置であるアドレス始端予測情報を保持するアドレス始端予測情報保持手段と、前記アドレス終端情報から任意の進み位置であるアドレス終端予測情報を保持するアドレス終端予測情報保持手段とを有し、前記アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をネゲートするものであることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明は、前記請求項2に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記記録媒体の再生速度に応じて、前記アドレス始端予測情報を前記アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記アドレス終端予測情報を前記アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレスゲート予測位置設定手段を有することを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、前記請求項2に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、固定クロックを生成する固定クロック生成手段と、前記固定クロックでカウントを行う固定クロックカウント手段と、前記固定クロックカウント手段によりカウントされる期間中における前記チャネルクロックの個数をカウントし、そのカウント値を保持する進み位相情報決定手段とを有し、前記アドレス始端予測情報保持手段は、前記アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス始端予測情報を設定して保持し、アドレス終端予測情報保持手段は、前記アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス終端予測情報を設定して保持することを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、前記制御量伝送手段は、前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がりタイミングで前記アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送し、前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がりタイミングで前記データ部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送することを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記請求項5に記載の記録再生制御装置において、前記アドレス部ゲイン制御量生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置から前記第1のアドレスゲート信号の立ち上がり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有し、前記データ部ゲイン制御量生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がり位置から前記第1のアドレスゲート信号の立ち下がり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能であることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、前記請求項1に記載のデジタル記録再生制御装置において、前記エンボス状のアドレス領域がランドとグルーブとの双方に対応できる構成である場合、ランド側かグルーブ側かを判別可能な第1のアドレス極性信号を生成する第1のアドレス極性信号生成手段と、前記第1のアドレス極性信号を任意の時間分進めて第2のアドレス極性信号を生成する第2のアドレス極性信号生成手段とを有し、前記アドレス部ゲイン制御量生成手段は、ランド用のゲイン制御量を生成するランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段と、グルーブ用のゲイン制御量を生成するグルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段とを有し、前記制御量伝送手段は、前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段、前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段及び前記データ部ゲイン制御量生成手段の各出力信号の何れかを、前記第1のアドレスゲート信号、前記第2のアドレスゲート信号並びに前記第1のアドレス極性信号及び前記第2のアドレス極性信号に基づいて、切り換えながら伝送することを特徴とする。
【0022】
請求項9記載の発明は、前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、前記第1のアドレスゲート信号生成手段は、前記デジタルデータ復調手段で生成された前記再生RF信号の有するクロック成分に同期したチャネルクロックでカウントするセクタカウンタと、前記アドレス領域の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報を保持するアドレス始端情報保持手段と、前記アドレス領域の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報を保持するアドレス終端情報保持手段とを有し、前記アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、前記第1のアドレス極性信号生成手段は、ランド側のアドレス領域の始端を示すカウント値であるランド用アドレス始端情報を保持するランド用アドレス始端情報保持手段と、ランド側のアドレス領域の終端を示すカウント値であるランド用アドレス終端情報を保持するランド用アドレス終端情報保持手段とを有し、前記ランド用アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をアサートし、前記ランド用アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をネゲートするものであり、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記アドレス始端情報から任意の進み位置であるアドレス始端予測情報を保持するアドレス始端予測情報保持手段と、前記アドレス終端情報から任意の進み位置であるアドレス終端予測情報を保持するアドレス終端予測情報保持手段とを有し、前記アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記ランド用アドレス始端情報から任意の進み位置であるランド用アドレス始端予測情報を保持するランド用アドレス始端予測情報保持手段と、前記ランド用アドレス終端情報から任意の進み位置であるランド用アドレス終端予測情報を保持するランド用アドレス終端予測情報保持手段とを有し、前記ランド用アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレス極性信号をアサートし、前記ランド用アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレス極性信号をネゲートすることを特徴とする。
【0023】
請求項10記載の発明は、前記請求項9に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記記録媒体の再生速度に応じて、前記アドレス始端予測情報を前記アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記アドレス終端予測情報を前記アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレスゲート予測位置設定手段を有し、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記記録媒体の再生速度に応じて、前記ランド用アドレス始端予測情報を前記ランド用アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記ランド用アドレス終端予測情報を前記ランド用アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレス極性予測位置設定手段を有することを特徴とする。
【0024】
請求項11記載の発明は、前記請求項9に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段が、固定クロックを生成する固定クロック生成手段と、前記固定クロックで任意のカウントを行う固定カウント手段と、前記固定カウント手段によりカウントされる期間中における前記チャネルクロックの個数をカウントしてそのカウント値を保持する進み位相情報決定手段とを備え、前記アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス始端予測情報を設定すると共に、前記アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス終端予測情報を設定するものであり、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記ランド用アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記ランド用アドレス始端予測情報を設定すると共に、前記ランド用アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段の差に基づいて前記ランド用アドレス終端予測情報を設定することを特徴とする。
【0025】
請求項12記載の発明は、前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、前記第1のアドレスゲート信号生成手段は、前記デジタルデータ復調手段で生成された前記再生RF信号の有するクロック成分に同期したチャネルクロックでカウントするセクタカウンタと、前記アドレス領域の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報を保持するアドレス始端情報保持手段と、前記アドレス領域の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報を保持するアドレス終端情報保持手段とを有し、前記アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、前記第1のアドレス極性信号生成手段は、ランド側のアドレス領域の始端を示すカウント値であるランド用アドレス始端情報を保持するランド用アドレス始端情報保持手段と、ランド側のアドレス領域の終端を示すカウント値であるランド用アドレス終端情報を保持するランド用アドレス終端情報保持手段とを有し、前記ランド用アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をアサートし、前記ランド用アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をネゲートするものであり、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記アドレス始端情報から任意の進み位置であるアドレス始端予測情報を保持するアドレス始端予測情報保持手段と、前記アドレス終端情報から任意の進み位置であるアドレス終端予測情報を保持するアドレス終端予測情報保持手段とを有し、前記アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記第2のアドレス極性信号を、前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置以後の任意の位置でアサートし、前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がり位置でネゲートし、更に、前セクタの前記第1のアドレス極性信号がグルーブ側を示している場合には前記第2のアドレス極性信号をそのまま出力し、前セクタの前記第1のアドレス極性信号がランド側を示している場合には前記第2のアドレス極性信号を反転して出力するアドレス極性信号反転手段を有することを特徴とする。
【0026】
請求項13記載の発明は、前記請求項12に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、記録媒体の再生速度に応じて、前記アドレス始端予測情報を前記アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記アドレス終端予測情報を前記アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレスゲート予測位置設定手段を有することを特徴とする。
【0027】
請求項14記載の発明は、前記請求項12に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、固定クロックを生成する固定クロック生成手段と、前記固定クロックで任意のカウントを行う固定クロックカウント手段と、前記固定クロックカウント手段によりカウントされる期間中における前記チャネルクロックの個数をカウントして、そのカウント値を保持する進み位相情報決定手段と、前記アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス始端予測情報を設定すると共に、前記アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス終端予測情報を設定することを特徴とする。
【0028】
請求項15記載の発明は、請求項8に記載の記録再生制御装置において、前記制御量伝送手段は、前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がりタイミングにおいて、前記第2のアドレス極性信号がランド側を示す場合には前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送する一方、前記第2のアドレス極性信号がグルーブ側を示す場合には前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送し、前記第2のアドレス極性信号の極性が切り替わるタイミングにおいて、前記第2のアドレス極性信号がランド側を示す場合には前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送する一方、前記第2のアドレス極性信号がグルーブ側を示す場合には前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送し、前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がりタイミングにおいて前記データ部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送することを特徴とする。
【0029】
請求項16記載の発明は、前記請求項15に記載の記録再生制御装置において、前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置から第1のアドレスゲート信号の立ち上がり位置までの期間において、又は、前記第2のアドレス極性信号の極性の切り変わり位置から第1のアドレス極性信号の極性切り変わり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有し、前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置から第1のアドレスゲート信号の立ち上がり位置までの期間において、又は、前記第2のアドレス極性信号の極性の切り変わり位置から第1のアドレス極性信号の極性きり変わり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有し、前記データ部ゲイン制御量生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がり位置から前記第1のアドレスゲート信号の立ち下がり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有することを特徴とする。
【0030】
請求項17記載の発明は、前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能であり、且つ、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記第2のアドレス極性信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能であることを特徴とする。
【0031】
請求項18記載の発明は、前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、前記第1のアドレス極性信号生成手段は、前記第1のアドレス極性信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能であり、且つ、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記第2のアドレス極性信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能であることを特徴とする。
【0032】
請求項19記載の発明は、前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、前記データ部ゲイン制御量生成手段は、ゲインリセット信号により待機ゲイン制御量に固定されるデータ部ゲインリセット回路と、前記データ領域をリードする場合に、リード開始の前の任意のセクタで前記ゲインリセット信号をアサートした後、任意の区間をおいて前記ゲインリセット信号をネゲートするデータ部リセット制御手段とを有して、ゲイン制御量を前記待機ゲイン制御量に保持した後、前記データ領域でのゲイン制御を開始することを特徴とする。
【0033】
請求項20記載の発明は、前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、前記デジタルデータ復調手段は、前記再生RF信号をデジタルRF信号に変換するアナログ・デジタルコンバータと、前記デジタルRF信号からオフセット成分を除去するオフセット補正手段と、前記オフセット補正手段の出力信号から、前記再生RF信号が有するクロック成分に同期したチャネルクロックを、前記アナログ・デジタルコンバータに回帰することにより生成する位相同期制御手段と、前記オフセット補正手段の出力信号に対して二値化を行うPRML信号処理手段と、前記二値化信号からデジタルデータを復調する復調手段とを有し、前記振幅検出手段は、前記デジタルRFからピークエンベロープとボトムエンベロープを検出し、前記ピークエンベロープと前記ボトムエンベロープの差から前記振幅情報を検出するものであり、前記制御量伝送手段は、前記ゲイン制御情報を任意のタイミングで保持するゲイン制御情報保持手段と、前記ゲイン制御情報保持手段の出力信号をシリアル情報に変換するパラレル・シリアル変換手段とを有して、前記シリアル情報を前記ゲイン制御手段に伝送するものであり、前記ゲイン制御手段は、前記制御量伝送手段からのシリアル情報をパラレル情報に変換するシリアル・パラレル変換手段と、前記シリアル・パラレル変換手段の出力信号に基づいてゲインを変更するゲインアンプとにより構成されることを特徴とする。
【0034】
以上により、請求項1〜20記載の発明の記録再生制御装置では、アドレス領域を示すアドレスゲート信号を事前に進んだ位相に調整したので、このアドレスゲート信号に基づいたタイミングで生成されるゲイン制御情報の伝送系に遅延があっても、時間遅れの少ないゲイン制御情報でもって信号の振幅制御を行うことが可能である。従って、高速で記録再生を行う場合であっても、アドレス領域とデータ領域との境界点においてゲイン制御情報を適切に切り換えて、再生RF信号に反映させることができる。よって、回路規模の削減及び消費電力の低減を可能とし更にはデジタル信号処理を適用して再生性能の向上を図りながら、自動振幅制御を安定化させて、アドレス情報とデジタルデータの再生性能を向上させることができる。
【0035】
また、請求項2及び9記載の発明では、チャネルクロック基準のセクタカウンタを用いるので、1セクタ前のアドレス情報から正確なアドレスゲート信号の生成が可能となる。従って、自動ゲイン制御がより一層に安定して、プレイアビリティが向上する。
【0036】
更に、請求項3、10及び13記載の発明では、再生速度の変化に応じてアドレスゲート信号の生成位置を切り換えるので、チャネルクロック基準で見た場合にゲイン制御情報の伝送遅延量が相対的に変化して見えるときでも、ゲイン制御情報が最適な位置で反映される。従って、シーク時やCAV(Constant Angular Velocity)方式時に、自動ゲイン制御が安定して、プレイアビリティがより向上する。
【0037】
加えて、請求項4、11及び14記載の発明では、固定クロックの特性を生かして、ゲイン制御情報の伝送遅延量をチャネルクロックに換算するので、再生速度の変化に対して自動でアドレスゲート信号の生成位置を最適化することができる。よって、シーク時やCAV(Constant Angular Velocity)方式時に、自動ゲイン制御が更に安定して、プレイアビリティを向上することが可能となる。
【0038】
また、請求項5記載の発明では、最小のアドレスゲート信号によってアドレス領域とデータ領域との双方の切り換えを行うので、回路規模の削減と制御の簡易化が可能となる。
【0039】
更に、請求項6及び16記載の発明では、安定したゲイン制御が可能な位置以外では、ゲイン制御をホールドできるので、自動ゲイン制御が安定して、アドレス情報及びデジタルデータの再生性能が向上する。
【0040】
加えて、請求項7、17及び18記載の発明では、第2のアドレスゲート信号や第2のアドレス極性信号の生成機能が必要とされない記録媒体の再生速度に対しては、その信号生成機能を反映しない機能があるので、消費電力の低減が可能である。
【0041】
また、請求項8〜11記載の発明では、ランド用アドレス領域かグルーブ用アドレス領域かを示すアドレス極性信号を事前に進んだ位相に調整したので、このアドレス極性信号に基づいたタイミングで生成されるゲイン制御情報の伝送系に遅延があっても、時間遅れの少ないゲイン制御情報でもって信号の振幅制御を行うことが可能である。従って、高速で記録再生を行う場合であっても、ランド用アドレス領域とグルーブ用アドレス領域との境界点においてゲイン制御情報を適切に切り換えて、再生RF信号に反映させることができる。よって、回路規模の削減及び消費電力の低減を可能とし更にはデジタル信号処理を適用して再生性能の向上を図りながら、自動振幅制御を安定化させて、ランド用アドレス情報とグルーブ用アドレス情報とを精度良く再生することができる。
【0042】
更に、請求項12記載の発明では、アドレス極性情報の進み位相のゲート信号を生成する手段を簡易化できるので、回路規模を削減することが可能となる。
【0043】
加えて、請求項15記載の発明では、最小のゲート信号により、ランド側のアドレス領域とグルーブ側のアドレス領域とデータ領域との3種類を切り換えることが可能であるので、回路規模の削減と制御の簡易化が可能である。
【0044】
また、請求項17記載の発明では、アドレス極性信号関係を切り換え可能にしたので、自動ゲイン制御の制御速度が必要な場合にはアドレス領域を1本化し、制御速度が必要でない場合にはランド側アドレス領域とグルーブ側アドレス領域とを分離できて、制御の最適化が可能となる。また、シーク直後の引き込み時間の短縮となるので、プレイアビリティの向上も可能である。
【0045】
更に、請求項19記載の発明では、リード開始前にデータ領域のゲイン量を待機ゲイン制御量にリセットすることが可能となるので、リード直前までのデータ領域でのゲイン制御をホールドすることができる。よって、自動ゲイン制御の安定化によるプレイアビリティの向上と消費電力の低減とが可能となる。
【発明の効果】
【0046】
以上説明したように、請求項1〜20記載の発明の記録再生制御装置によれば、記録媒体のアドレス領域を示すアドレスゲート信号を事前に進んだ位相に調整したので、高速で記録再生を行う場合であっても、アドレス領域とデータ領域との境界点で、ゲイン制御情報を時間遅れなく適切に切り換えることができ、よって、回路規模の削減、消費電力の低減及びデジタル信号処理の適用による再生性能の向上を図りつつ、自動振幅制御を安定化させて、アドレス情報とデジタルデータとの再生性能を向上させることができる。
【0047】
特に、請求項8〜11記載の発明によれば、更に、記録媒体のランド用アドレス領域かグルーブ用アドレス領域かを示すアドレス極性信号を事前に進んだ位相に調整したので、高速で記録再生を行う場合であっても、ランド用アドレス領域とグルーブ用アドレス領域との境界点でゲイン制御情報を時間遅れなく適切に切り換えることができ、よって、回路規模の削減、消費電力の低減及びデジタル信号処理の適用による再生性能の向上を図りつつ、自動振幅制御を安定化させて、ランド用アドレス情報とグルーブ用アドレス情報との再生性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態の記録再生制御装置を図面と共に詳細に説明する。
【0049】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における記録再生制御装置の構成を示すブロック図を示す。
【0050】
この第1の実施形態は、請求項1に記載の発明に対応するものであり、記録型光ディスクであるDVD−RAMの高速記録時、及び高速再生時に、アドレス領域を示すアドレスゲート信号に対して、ゲイン制御情報を伝送する系の遅延量に応じて、事前に進んだ位相でゲイン制御情報を切り換えることにより、アドレス領域とデータ領域との境界付近において、遅れのない正常なゲイン制御情報を再生RF信号に反映させる構成とすることにより、回路規模の削減と、消費電力の低減、及び、デジタル信号処理の適用による再生性能の向上を併せ持つ記録再生制御装置を実現したものである。以下、説明する。
【0051】
図1において、光記録媒体(記録媒体)1は、デジタルデータを記録するための相変化型記録材料の薄膜を有する情報記録媒体であり、トラックが既定間隔でらせん状又は同心円状に形成されている。光ディスク媒体1の一つである書き換えが可能なDVD−RAMディスクは、エンボス領域に間欠的に形成されているアドレス情報(CAPA)と、ユーザーが書き換え可能なデータ部とを有しており、ランダムアクセス性能が高いシステムを構築できると共に、記録データの品質保証も容易であるという特徴を持っているものである。
【0052】
再生RF信号検出手段2は、光記録媒体1からデジタルデータを読み出すに際して、光スポットの焦点を合わせてトラック上を捜査するレーザ発生器を搭載したアクチュエータと、光スポットからの反射光を電気信号に変換するフォトディテクタなどを具備しているピックアップなどで構成される。この再生RF信号検出手段2は、ブースト量とカットオフ周波数とを任意に設定できるフィルタを具備するものであっても良い。このフィルタは、例えば、図2の実線で示すような周波数特性を有する高次等リップルフィルタ等であっても良い。この図2において、点線で示した特性は、高域のブーストを行わない場合の特性である。
【0053】
前記再生RF信号検出手段2より検出された再生RF信号3は、ゲインを制御するためのゲイン制御手段4に入力されて、ゲイン制御量5により振幅が調整される。ゲイン制御量5は、制御量伝送手段6から供給される。ゲイン制御手段4は、例えば図3に示すような、ゲイン制御量5と振幅との関係に基づくVGAで構成される。ゲイン制御量5と制御量伝送手段6に関しては、後ほど説明する。
【0054】
先ずは、光記録媒体1の記録再生のために必要とされるデジタル2値化信号と、その信号中に含まれるアドレス情報8と、その信号に同期したチャネルクロック9との生成方法に関して、説明する。ゲイン制御手段4の出力信号は、デジタルデータ復調手段7に入力されて、2値化信号に変換され、且つ、アドレス情報8や、記録されたデジタルデータに復調される。また、同時に、再生RF信号の3の有するクロック成分に同期したチャネルクロック9も抽出される。
【0055】
前記デジタルデータ復調手段7は、例えば図4に示すような構成を有する。ゲイン制御手段4のアナログ信号の出力信号を、VCO22(電圧制御発振器;以下、VCOと称す)により生成されるチャネルクロック9を用いて、デジタル信号に変換する回路としてのA/D変換器(アナログ・デジタルコンバータ)18により多ビットのデジタルRF信号19に標本化する。このデジタルRF信号19をオフセット補正手段20に入力することにより、デジタルRF信号19に含まれる振幅方向のオフセット成分を補正する。一方、デジタルRF信号19のクロック成分に同期するようにチャネルクロック9を制御するために、位相同期制御手段21により、オフセット補正手段20の出力信号のゼロクロス近傍の標本化データから位相誤差情報を抽出し、フィルタ処理を施しながら、位相誤差情報をゼロにするようにVCO22で生成されるチャネルクロック9の発振周波数を制御する。このように、再生された再生RF信号3に含まれるチャネル周波数成分に同期したチャネルクロック9が生成される。また、近年、再生品質の向上を目的に、雑音耐性に優れ、意図的な符号間干渉を付加し、その相関性をもとに最も確からしい系列を推定する技術であるPRML(パーシャルレスポンスマキシマムライクリフード;以下、PRMLと称す)信号処理技術を適用する場合も増えてきている。ここでは、オフセット補正手段20からの出力信号をPRML信号処理手段23に入力することにより、より確からしい系列を抽出した後、その系列をアドレス復調回路24に入力して、アドレス情報8を検出する機能を有することにより、アドレス情報8を正確に検出することが可能である。このように上述した一連のデジタルデータを復調する手段により、再生性能の向上、及び、記録媒体からのデジタルデータの読み出し品質を示すプレイアビリティの向上が可能となる。ここで示した構成は、一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0056】
尚、デジタルデータ復調手段7は、A/D変換器18を用いないで、アナログ位相同期回路により、チャネルクロック9とアドレス復調回路24の入力信号を生成するものであっても良い。
【0057】
次に、図1において、第1のアドレスゲート信号生成手段10により、アドレス情報8と、チャネルクロック9を基に、次のセクタでアドレス部と予想される位置に第1のアドレスゲート信号11が生成される。ここで、ゲイン制御情報5を決定する手段として、デジタルデータ復調手段7を介して伝送されるゲイン制御手段4の出力信号から、振幅検出手段14により、振幅情報15を検出した後、この振幅情報15を基に、第1のアドレスゲート信号11でアサートされている区間のアドレス部に対して任意に設定可能なアドレス振幅目標値との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するアドレス部ゲイン制御量生成手段16と、前記振幅情報15を基に、第1のアドレスゲート信号11でネゲートされている区間のデータ部に対して任意に設定可能なデータ振幅目標値との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するデータ部ゲイン制御量生成手段17とにより、各々の領域における信号振幅を自動調整するための制御量を生成することが可能となる。ここで、前記アドレス部ゲイン制御量生成手段16及びデータ部ゲイン制御量生成手段17は、各々、前回のセクタの最終制御値を保持しておく機能を有するものである。
【0058】
次に、図1においては、制御量伝送手段6により、第1のアドレスゲート信号11の立ち上がりタイミングで前回のセクタの制御値を開始値としてアドレス部ゲイン制御量生成手段16の出力信号をゲイン制御情報5として伝送し、第1のアドレスゲート信号11の立ち下がりタイミングで前回のセクタの制御値を開始値としてデータ部ゲイン制御量生成手段17の出力信号をゲイン制御情報5として伝送する。これにより、例えば、DVD−RAMディスクを低速で記録再生する場合には、各々で信号特性が異なるアドレス部とデータ部において、各々の領域に対して適切な再生RF信号3に対するゲイン制御が可能となり、波形の品質が向上することにより、高い再生性能とプレイアビリティが確保できる。ところが、近年、電気機器、電子機器に関しても、環境にやさしい製品作りが必要になってきており、その中でも、アナログ機能をデジタル化することにより、低コスト化と省電力化に有利とされる微細ルールの半導体プロセスを用いた高集積化されたシステムLSIの活用が強く望まれている。その際に、光記録媒体に対して、高速で記録再生する場合にも、省電力化やコスト削減のために、以下に示すようなデジタル回路を基準にしたシステム構成にすることが多くなっている。
【0059】
前記図1に示した振幅検出手段14は、例えば、図5に示すように構成されるものである。図4で示したようなデジタルデータ復調手段7の出力信号であるデジタルRF信号19から、任意の区間の信号の最大成分を検出しながら低域通過型フィルタにより平滑化するピークエンベロープ検出回路25によりピークエンベロープを検出し、任意の区間の信号の最小成分を検出しながら低域通過型フィルタにより平滑化するボトムエンベロープ検出回路26によりボトムエンベロープを検出し、各々により検出されたピークエンベロープ信号とボトムエンベロープ信号を差分検出回路27に入力して、信号の差分情報を検出することにより、振幅情報15を得るものである。ここで得られた振幅情報15は、ゲイン制御手段4の出力信号の振幅を表すものであり、DVD−RAMディスクの場合には、図6(a)の符号28Aと28Bで示すアドレス情報8が存在するアドレス部(CAPA部)と、符号29Aと29Bで示す書き換え可能な領域であるデータ部の各々の時刻における振幅を示すものである。ここで示した構成は、一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0060】
尚、第1のアドレスゲート信号生成手段10は、例えば、図6に示すような原理により第1のアドレスゲート信号11を生成するものである。また、図7に示すような構成を有するものである。ここで示す原理と構成は一例であり、この原理と構成に限定されるものではない。図7に示した第1のアドレスゲート信号生成手段10は、同図及び図6(b)に示すように、デジタルデータ復調手段7で生成された再生RF信号3の有するクロック成分に同期したチャネルクロック9でカウントアップするセクタカウンタ30を有し、更に、セクタカウンタ30のカウント値に対して、アドレス部の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報31を保持するアドレス始端情報保持手段48と、アドレス部の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報32を保持するアドレス終端情報保持手段49とを有する。前記セクタカウンタ30は、前記アドレス始端情報31と自己のセクタカウンタ30のカウント値とが一致する箇所で第1のアドレスゲート信号11をアサートし、前記アドレス終端情報32と自己のセクタカウンタ30のカウント値とが一致する箇所で第1のアドレスゲート信号11をネゲートするものである。例えば、セクタカウンタ30は、アドレス部28A、28Bから検出されたアドレス情報8により、アドレス終端情報32が示す位置30A、30Bでカウントリセットする機能を有する。ここで示した第1のアドレスゲート信号11により、アドレス部とデータ部との振幅情報15を識別することが可能となる。
【0061】
前記振幅情報15は、第1のアドレスゲート信号11を基準に、アドレス部ゲイン制御量生成手段16とデータ部ゲイン制御量生成手段17とにより、ゲイン制御情報5に変換されるが、その際、図8に示すような制御量伝送手段6とゲイン制御手段4を用いると、ゲイン制御手段4と制御量伝送手段6とが、別々のLSIで構成される場合に、伝送に必要な端子数が少なくなるため、機器の実装が容易になるだけでなく、伝送路から放出されるデジタル雑音も少なくなるため機器の雑音特性も良好になるという特徴を有することになる。以下、これを詳述する。
【0062】
図8の制御量伝送手段6において、ゲイン制御情報保持手段36は、第1のアドレスゲート信号11がアサートされている区間は、アドレス部ゲイン制御量生成手段16の出力信号を選択し、第1のアドレスゲート信号11がネゲートされている区間は、データ部ゲイン制御量生成手段17の出力信号を選択する。前記ゲイン制御情報保持手段36の出力信号は、多ビットのデジタル信号であるので、これをパラレル・シリアル変換手段37によりシリアルデータに変換した後、図1に示したゲイン制御情報5として、ゲイン制御手段4に伝送される。このとき、ゲイン制御手段4は、入力されるシリアルデータ(ゲイン制御情報5)を、シリアル・パラレル変換手段38によりパラレルデータに変換した後、D/A変換器(デジタル・アナログコンバータ)39によりアナログ制御信号に変換して、最後にVGA40により、再生RF信号3のゲインを調整して出力する。
【0063】
前記の図8の構成において、デジタル信号処理を行うことにより、コスト削減と省電力化は達成可能となるが、パラレル・シリアル変換と、更にそれを戻すシリアル・パラレル変換の時間遅延が発生するために、制御量伝送手段6からゲイン制御手段4までの区間で、ゲイン制御情報5が伝送される時間に一定の遅延が生じてしまい、これにより、例えば、DVD−RAMメディアの高速記録再生時には、相対的にゲイン制御量5の遅延量が大きくなってしまうために、ゲインの制御位置が遅れることになる。従って、このままの状態では、信号の特性が異なるアドレス部とデータ部とのゲインを各々個別に制御したい場合に、図6(c)に示すような第1のアドレスゲート信号11でゲイン切り換えをすると、遅延時間35の分だけ、ゲインの再生RF信号3への反映が遅れるために、図6(f)に示すようにゲイン切り換え位置の前後でゲイン制御が崩れ、その結果、図6(e)の符号28C、28D、29C、29Dに示すようにゲイン制御手段4の出力信号の振幅が不安定になる可能性が高くなる欠点がある。
【0064】
そこで、本実施形態では、第1のアドレスゲート信号11をゲイン制御情報5の遅延時間(図6の時間35)分進めた図6(d)に示すような第2のアドレスゲート信号13を、第2のアドレスゲート信号生成手段12により生成することにより、第2のアドレスゲート信号13を用いて、制御量伝送手段6においてゲイン制御情報5を早めに伝送するようにすれば、ゲイン制御手段4に到達するゲイン制御情報5が、図6(h)で示すように、最適な位置になるので、図6(g)に示すように、AGC(Auto Gain Control;以下、AGCと称す)が正常に動作する。
【0065】
前記第2のアドレスゲート信号生成手段12は、例えば、図6及び図9に示すような原理及び構成により、第2のアドレスゲート信号13を生成するものである。ここで示す原理と構成は一例であり、この原理と構成の限定されるものではない。図9の第2のアドレスゲート信号生成手段12では、同図及び図6(b)に示すように、第1のアドレスゲート信号生成手段10と同様のセクタカウンタ30を有するものが共通に使用され、セクタカウンタ30のカウント値に対して、再生倍速情報43からアドレスゲート信号の進み位相を予測して設定するためのアドレスゲート予測位置設定手段50の出力信号を元に、アドレス部の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報31から任意の進み位置であるアドレス始端予測情報33を保持するアドレス始端予測情報保持手段41と、アドレス部の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報32から任意の進み位置であるアドレス終端予測情報34を保持するアドレス終端予測情報保持手段42とを有する。前記セクタカウンタ30は、前記アドレス始端予測情報33と自己のセクタカウンタ30のカウント値とが一致する箇所で第2のアドレスゲート信号13をアサートし、前記アドレス終端予測情報34と自己のセクタカウンタ30のカウント値とが一致する箇所で第2のアドレスゲート信号13をネゲートするものである。
【0066】
ここで示した第2のアドレスゲート信号13により、例えば、デジタル信号に示したDVD−RAMディスクの高速記録再生時に、図4、図5及び図8で示したように、低コスト化、省電力化に有利で且つPRML信号処理技術などの雑音耐性に有用なシステムを用いているので、図6の遅延時間35で示すようなゲイン制御情報5の伝送遅延が発生する場合においても、アドレス部ゲイン制御量生成手段16及びデータ部ゲイン制御量生成手段17により得られた情報を基に、制御量伝送手段6で、第2のアドレスゲート信号13の立ち上がりタイミングでアドレス部ゲイン制御量生成手段16の出力信号をゲイン制御情報5として伝送し、第2のアドレスゲート信号13の立ち下がりタイミングでデータ部ゲイン制御量生成手段17の出力信号をゲイン制御情報5として伝送することにより、各々信号特性が異なるアドレス部とデータ部とに対して、ゲイン制御手段4に到達するゲイン制御情報5が、図6(h)で示すように、最適な位置になる。従って、図6(g)に示すように、AGC(Auto Gain Control)が正常に動作することになる。
【0067】
従って、低コスト化、省電力化に有利で且つPRML信号処理技術などの雑音耐性に有用なデジタル信号処理システムを用いた場合にも、例えば、DVD−RAMディスクの高速記録再生時にも、最適な信号振幅を保持することが可能となるので、デジタルデータ復調手段7により読み出されるアドレス情報8や、デジタル復調信号の品質が向上することにより、再生性能や、プレイアビリティが向上する。
【0068】
一方、記録媒体1の回転速度を一定にして記録再生を行うCAV(Constant Angular Velocity;以下、CAVと称す)方式の場合は、記録媒体1の内周と外周とでチャネルビットレートが2倍以上異なることが知られている。また、記録再生倍速が異なる場合にも、同様にチャネルビットレートが異なる。このとき、制御量伝送手段6とゲイン制御手段4との間で伝送されるゲイン制御情報5の遅延量35が一定である場合には、図10に示すように、再生RF信号3のチャネルビットレートが、図10(a)と図10(e)に示すように約3対2の比率で異なる場合は、伝送遅延量35との相対関係が異なることになる。ここで、記録再生速度に応じて、同期したチャネルクロック9から生成されるセクタカウンタ30は、図10(b)及び図10(f)に示すようになる。ここで、アドレス始端情報31とアドレス終端情報32とは、同様の値で良く、図10(c)に示す第1のアドレスゲート信号11Aと図10(g)に示す第1のアドレスゲート信号11Bが生成されると共に、アドレス部28A、28Bに対して、セクタカウンタ30は符号30A、30Bで示す箇所でリセットされ、一方、アドレス部28G、28H、28Iに対して、セクタカウンタ30は符号30C、30D、30Eの箇所でリセットされる。ところが、伝送遅延量35が一定であるために、アドレス始端予測情報33とアドレス終端予測情報34とが、異なるチャネルビットレート間で同じ値であった場合には、第2のアドレスゲート信号13が適切な位置に生成できないため、十分にAGC動作を保障できなくなる。
【0069】
そこで、本実施形態では、図1に示す再生倍速情報43に応じて、図10(b)に示すアドレス始端予測情報33Aと図10(f)に示すアドレス始端予測情報33Bとを、ファームウェアやミドルウェア等によりアドレス始端予測情報保持手段41に設定することにより、図10(d)に示す第2のアドレスゲート信号13Aと図10(h)に示す第2のアドレスゲート信号13Bのアサート箇所を最適に保つことが可能となる。同様に、再生倍速情報43に応じて、図10(b)に示すアドレス終端予測情報34Aと図10(f)に示すアドレス終端予測情報34Bを、ファームウェアやミドルウェア等により図9のアドレス終端予測情報保持手段42に設定することにより、図10(d)に示す第2のアドレスゲート信号13A及び図10(h)に示す第2のアドレスゲート信号13Bのネゲート箇所を最適に保持することが可能となる。ここで、再生倍速情報43は、光記録媒体1の回転速度や、半径方向の記録再生位置に従って、例えば、CPUによって管理されている記録再生速度情報であっても良い。更には、チャネルクロック9の周期情報から得られる線速度情報のようなものであっても良い。
【0070】
このような一連の動作によって、記録再生速度の変化に応じて、第2のアドレスゲート信号13の位置を切り換えることにより、チャネルクロック9基準で見た場合に、ゲイン制御情報5の伝送遅延量35が相対的に変化して見える場合も、ゲイン制御情報5が最適な位置で反映されるので、シーク時やCAV方式時にAGCが安定することにより、プレイアビリティを向上することが可能となる。
【0071】
尚、上述した記録再生速度が異なる場合の第2のアドレスゲート信号13の生成手段として、図11に示すような第2のアドレスゲート信号生成手段12を用いても良い。ここで示す構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。以下、この構成を説明する。
【0072】
図11に示した第2のアドレスゲート信号生成手段12は、固定クロック生成手段44により、固定クロック45を生成する。ここで、固定クロック生成手段44は、水晶などにより安定した周波数を供給できるようなクロック発生源である。固定クロック45は、固定クロックカウント手段46により、制御遅延量35に相当する区間を計測する。次に、進み位相情報決定手段47により、固定クロックカウント手段46によりカウントされる期間中における前記チャネルクロック9の個数をカウントして、そのカウント値を保持する。ここで、アドレス始端情報31と進み位相情報決定手段47の出力結果との差をアドレス始端予測情報保持手段41に設定して、アドレス始端予測情報33を生成することにより、第2のアドレスゲート信号13のアサート位置を決定する。同様に、アドレス終端情報32と進み位相情報決定手段47との出力結果の差をアドレス終端予測情報保持手段42に設定して、アドレス終端予測情報34を生成することにより、第2のアドレスゲート信号13のネゲート位置を決定する。
【0073】
上述した一連の動作により、記録再生速度が異なる場合においても、固定クロックの特性を生かして、ゲイン制御情報5の伝送遅延量35をチャネルクロックに換算することにより、記録再生速度の変化に対して、自動で且つ精度良く第2のアドレスゲート信号13の位置を最適化することができる。従って、シーク時やCAV(Constant Angular Velocity)方式時に、自動ゲイン制御が更に安定するので、プレイアビリティを向上することが可能となる。
【0074】
また、第2のアドレスゲート信号生成手段12において、第2のアドレスゲート信号13を生成するかどうかを任意に設定することができれば、第2のアドレスゲート信号13を必要としない領域で、省電力化を図ることが可能となる。例えば、図11に示すような第2のアドレスゲート信号生成手段12において、再生倍速情報43によりセクタカウンタ30を動作及び停止させることが可能であり、一方で、固定クロック生成手段44を動作及び停止させることが可能な構成をとっても良い。この機能は、CAV方式を用いた記録再生時であれば、内周側では、第2のアドレスゲート信号13を生成せずに、第1のアドレスゲート信号11のみでAGCを動作させて省電力化を優先し、シークや連続記録再生により、外周部に近い領域では、第2のアドレスゲート信号13を用いて、AGCを動作させて、再生性能やプレイアビリティを優先することにより、再生性能やプレイアビリティを維持しながら省電力化を図ることが可能となる。
【0075】
尚、第2のアドレスゲート信号生成手段12を動作させるか停止するかは、再生倍速情報43が、チャネルクロック9から線速度情報を得るような場合には、再生倍速情報43の線速度情報に従って、任意の線速度以上では第2のアドレスゲート信号生成手段12を動作させる一方、任意の線速度以下では第2のアドレスゲート信号生成手段12を停止させることにより、同様の効果を得ることが可能である。
【0076】
更に、図12に示すように、アドレス部ゲイン制御量生成手段16が、図6に示すように、第2のアドレスゲート信号13の立ち上がり位置から第1のアドレスゲート信号11の立ち上がり位置までの伝送遅延量35の区間においてゲイン制御をホールドする手段を有するものであり、同様に、データ部ゲイン制御量生成手段17が、第2のアドレスゲート信号13の立ち下がり位置から第1のアドレスゲート信号11の立ち下がり位置までの伝送遅延量35の区間においてゲイン制御をホールドする手段を有するものであっても良い。
【0077】
上述したようなホールド手段を有することにより、安定したゲイン制御が可能な位置以外で、ゲイン制御をホールドすることができるので、自動ゲイン制御が安定して、再生性能を向上することが可能となる。
【0078】
(第2の実施形態)
図13は、本発明の第2の実施形態における記録再生制御装置の構成を示すブロック図を示す。
【0079】
この第2の実施形態は、請求項8及び15に記載の発明に対応するものである。
【0080】
DVD−RAMは、高記録密度を実現するために、記録の線密度向上に有利なマークエッジ記録と共に、狭トラックピッチ化で有利なランド・グルーブ記録方式を用いている。これまでの連続溝方式の光ディスクは、基板上にトラッキング用の案内溝(グルーブ)を設け、その溝内にのみ記録していたが、高記録密度のために溝と溝の間のランド部にも記録する方法がランド・グルーブ記録である。CAPA部は、図14に示すように、データ部の記録トラック(ランド又はグルーブ)に対し1/2トラックずらして記録する構成が採用される。グルーブトラッキング時のアドレスは後ろ側CAPA部52から得られ、ランドトラッキング時のアドレスは前側CAPA部51から得ることができる。そのため、CAPA部は、ランド側CAPA部51とグルーブ側CAPA部52との間で、振幅成分を含めて、特性が異なる。また、CAPA部とCAPA部との間のデータ部(ランド又はグルーブ)はウォブルされている。このウォブルを数えることにより、次のCAPA部の位置を正確に把握することができる。
【0081】
本実施形態2が、実施形態1と異なる点は、これらのランド側CAPA部51とグルーブ側CAPA部52とを個別にゲイン制御する機能を有する点である。図13に示した記録再生制御装置では、第1のアドレス極性信号生成手段53と、第2のアドレス極性信号生成手段54と、ランド用アドレス部ゲイン制御手段55と、グルーブ用アドレス部ゲイン制御手段56とを有し、ゲイン量伝送手段6でのゲイン量を、前記第1のアドレス極性信号57と第2のアドレス極性信号58とにも基づいて制御することにより、記録型光ディスクであるDVD−RAMの高速記録時及び高速再生時に、アドレス領域を示すアドレスゲート信号とアドレスの極性を示すアドレス極性信号に応じて、ゲイン制御情報5を伝送する系の遅延量に応じて、事前に進んだ位相でゲイン制御情報を切り換えることにより、ランド用アドレス領域とグルーブ用アドレス領域とデータ領域との境界付近において、時間遅延のない正常なゲイン制御情報を再生RF信号に反映させる構成にしたものである。
【0082】
本実施形態2では、振幅検出手段14によって生成される振幅情報15は、ゲイン制御手段4の出力信号の振幅を表すものであり、DVD−RAMディスクの場合には、図15(a)に示したランド用CAPA部51A、51Bとグルーブ用CAPA部52A、52Bとで構成されるアドレス情報8が存在するアドレス部(CAPA部)と、書き換え可能な領域であるデータ部29A、29Bでの、各々の時刻における振幅を示すものである。ここで示した構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0083】
図13において、第1のアドレス極性信号生成手段53により、アドレス情報8とチャネルクロック9とを基に、次のセクタでランド用CAPA部51と予想される位置に第1のアドレス極性信号57を生成する。ここで、ゲイン制御情報5を決定する手段として、デジタルデータ復調手段7を介して伝送されるゲイン制御手段4の出力信号から、振幅検出手段14により、振幅情報15を検出した後、この振幅情報15を基に、第1のアドレスゲート信号11がアサートされている区間で且つ第1のアドレス極性信号57がアサートされている間のランド側CAPA部51に対して任意に設定可能なアドレス振幅目標値と振幅情報15との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段55と、前記振幅情報15を基に、第1のアドレスゲート信号11がアサートされている区間で且つ第1のアドレス極性信号57がネゲートされている間のグルーブ側CAPA部52に対して任意に設定可能なアドレス振幅目標値と振幅情報15との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するグルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段56と、前記振幅情報15を基に、第1のアドレスゲート信号11がネゲートされている区間のデータ部に対して任意に設定可能なデータ振幅目標値と振幅情報15との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するデータ部ゲイン制御量生成手段17とにより、各々の領域における信号振幅を自動調整するための制御量を生成することが可能となる。ここで、ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段55と、グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段56と、データ部ゲイン制御量生成手段17とは、各々、前回のセクタの最終制御値を保持しておく機能を有するものであっても良い。
【0084】
次に、図13において、制御量伝送手段6により、第1のアドレスゲート信号11がアサート状態であり且つ第1のアドレス極性信号57が立ち上がりタイミングである場合に、前回のセクタの制御値を開始値としてランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段55の出力信号をゲイン制御情報5として伝送し、第1のアドレスゲート信号11がアサート状態であり且つ第1のアドレス極性信号57が立ち下がりタイミングである場合に、前回のセクタの制御値を開始値としてグルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段56の出力信号をゲイン制御情報5として伝送し、第1のアドレスゲート信号11が立ち下がりタイミングである場合に、前回のセクタの制御値を開始値としてデータ部ゲイン制御量生成手段17の出力信号をゲイン制御情報5として伝送することにより、例えば、DVD−RAMディスクを低速で記録再生する場合には、各々で信号特性が異なるランド用CAPA部51とグルーブ用CAPA部52とデータ部との間で、各々の領域に対して適切な再生RF信号3に対するゲイン制御が可能となり、波形の品質が向上して、高い再生性能とプレイアビリティとを確保できる。ところが、実施形態1でも述べたが、光記録媒体1に対して、高速で記録再生する場合にも、省電力化やコスト削減のために、デジタル回路を基準にしたシステム構成にすることが多くなっている。
【0085】
前記第1のアドレス極性信号生成手段53は、例えば、図15に示すような原理及び図16に示すような構成により第1のアドレス極性信号57を生成するものである。ここで示す原理と構成は一例であり、この原理と構成に限定されるものではない。図16の第1のアドレス極性信号生成手段53は、同図及び図15(b)に示すように、デジタルデータ復調手段7で生成された再生RF信号3の有するクロック成分に同期したチャネルクロック9でカウントアップするセクタカウンタ30を有する。このセクタカウンタ30は、前記第1のアドレスゲート信号生成手段10のセクタカウンタ30を利用して、双方で共通使用しても良い。図16の第1のアドレス極性信号生成手段53は、更に、前記セクタカウンタ30のカウント値に対して、ランド用アドレス部の始端を示すカウント値であるランド用アドレス始端情報59を保持するアドレス始端情報保持手段60と、ランド用アドレス部の終端を示すカウント値であるランド用アドレス終端情報61を保持するランド用アドレス終端情報保持手段62とを有し、セクタカウンタ30は、前記ランド用アドレス始端情報59と自己のセクタカウンタ30のカウント値との一致する箇所で第1のアドレス極性信号57をアサートし、前記ランド用アドレス終端情報61と自己のセクタカウンタ30のカウント値との一致する箇所で第1のアドレス極性信号57をネゲートするものである。例えば、セクタカウンタ30は、図15(a)に示すアドレス部51A、51B、52A、52Bから検出されたアドレス情報8に基づいて、アドレス終端情報32が示す位置30A、30Bにてカウントをリセットする機能を有する。ここで示した第1のアドレス極性信号57により、ランド用アドレス部とグルーブ用アドレス部とデータ部との振幅情報15を識別することが可能となる。
【0086】
図13において、前記振幅情報15は、ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段55、グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段56及びデータ部ゲイン制御量生成手段17により、第1のアドレスゲート信号11を基準に、ゲイン制御情報に変換されるが、その際、図17に示すような制御量伝送手段6とゲイン制御手段4を用いると、ゲイン制御手段4と制御量伝送手段6とが別々のLSIで構成される場合に、伝送に必要な端子数が少なくなって、機器の実装が容易になるだけでなく、伝送路から放出されるデジタル雑音も少なくなって、機器の雑音特性も良好になるという特徴を有することになる。以下、これを説明する。
【0087】
図17の制御量伝送手段6では、ゲイン制御情報保持手段36により、第1のアドレスゲート信号11がアサートされている区間で且つ第1のアドレス極性信号57がアサートされている区間は、ランド用アドレス部ゲイン制御手段55の出力信号を選択し、第1のアドレスゲート信号11がアサートされている区間で且つ第1のアドレス極性信号57がネゲートされている区間は、グルーブ用アドレス部ゲイン制御手段56の出力信号を選択し、第1のアドレスゲート信号11がネゲートされている区間は、データ部ゲイン制御量生成手段17の出力信号を選択する。ゲイン制御情報保持手段36の出力信号は、多ビットのデジタル信号であるので、この多ビットのデジタル信号をパラレル・シリアル変換手段37により、シリアルデータに変換した後、ゲイン制御情報5としてゲイン制御手段4に伝送する。このとき、ゲイン制御手段4は、入力されたシリアルデータ(ゲイン制御情報5)をシリアル・パラレル変換手段38によりパラレルデータに変換した後、D/A変換器39によりアナログ制御信号に変換して、最後にVGA40により、再生RF信号3のゲインを調整して出力する。
【0088】
前記図17の構成では、デジタル信号処理を行うことにより、コスト削減と省電力化は達成可能となるが、パラレル・シリアル変換と、更にそれを戻すシリアル・パラレル変換の時間遅延が発生し、このため、制御量伝送手段6からゲイン制御手段4までの区間で、ゲイン制御情報5が伝送される時間に一定の遅延が生じてしまい、これにより、例えば、DVD−RAMメディアの高速記録再生時には、相対的にゲイン制御量5の遅延量が大きくなってしまい、ゲインの制御位置が遅れることになる。このままの状態では、信号の特性が異なるランド用アドレス部とグルーブ用アドレス部とデータ部との各ゲインを、各々、個別に制御したい場合に、図15(c)に示すような第1のアドレスゲート信号11と、図15(e)に示すような第1のアドレス極性信号57とでゲイン切り換えをすると、遅延時間35の時間分だけ、ゲインの再生RF信号3への反映が遅れ、その結果、図15(h)に示すようにゲイン切り換え位置の前後でゲイン制御が崩れて、図15(g)の符号51C、51D、52C、52D、29C、29Dに示すようにゲイン制御手段4の出力信号の振幅が不安定になる可能性が高くなる。
【0089】
そこで、第1のアドレスゲート信号11をゲイン制御情報5の遅延時間(図15の時間35)分だけ進めた図15(d)に示すような第2のアドレスゲート信号13を、第2のアドレスゲート信号生成手段12により生成し、また、図15(f)に示すような第2のアドレス極性信号58を、第2のアドレス極性信号生成手段54により生成することにより、第2のアドレスゲート信号13と第2のアドレス極性信号58とを用いて、制御量伝送手段6においてゲイン制御情報5を早めに伝送するようにすれば、ゲイン制御手段4に到達するゲイン制御情報5が、図15(k)で示すように、最適な位置になるため、図15(i)に示すように、AGC(Auto Gain Control;以下、AGCと称す)が正常に動作する。
【0090】
前記第2のアドレス極性信号生成手段54は、例えば、図15及び図18に示す原理及び構成により第2のアドレス極性信号58を生成するものである。ここで示す原理と構成は一例であり、この原理と構成の限定されるものではない。図15(b)及び図18に示すように、第2のアドレス極性信号生成手段54は、第1のアドレスゲート信号生成手段10と同様のセクタカウンタ30を有する。このセクタカウンタ30は、第1のアドレスゲート信号生成手段10のセクタカウンタ30を利用して、共通に使用しても良い。第2のアドレス極性信号生成手段54は、セクタカウンタ30のカウント値に対して、再生倍速情報43からアドレス極性信号の進み位相を予測して設定するためのアドレス極性予測位置設定手段75の出力信号を元に、ランド用アドレス部の始端を示すカウント値であるランド用アドレス始端情報59から任意の進み位置であるランド用アドレス始端予測情報63を保持するランド用アドレス始端予測情報保持手段64と、ランド用アドレス部の終端を示すカウント値であるランド用アドレス終端情報61から任意の進み位置であるランド用アドレス終端予測情報65を保持するランド用アドレス終端予測情報保持手段66とを有する。そして、セクタカウンタ30は、ランド用アドレス始端予測情報63と自己のセクタカウンタ30のカウント値とが一致する箇所で第2のアドレス極性信号58をアサートし、ランド用アドレス終端予測情報65と自己のセクタカウンタ30のカウント値とが一致する箇所で第2のアドレス極性信号58をネゲートするものである。
【0091】
ここで示した第2のアドレス極性信号58により、例えばDVD−RAMディスクの高速記録再生時に、図4、図5及び図17で示したように低コスト化、省電力化に有利で且つPRML信号処理技術などの雑音耐性に有用なシステムを用いているので、図15の時間35で示すようなゲイン制御情報5の伝送遅延が発生する場合においても、ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段55とグルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段56とデータ部ゲイン制御量生成手段17とにより得られた情報を基に、制御量伝送手段6において、第2のアドレスゲート信号13がアサート状態であり、第2のアドレス極性信号58が立ち上がりタイミングである場合に、前回のセクタの制御値を開始値としてランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段55の出力信号をゲイン制御情報5として伝送し、また、第2のアドレスゲート信号13がアサート状態であり、第2のアドレス極性信号58が立ち下がりタイミングである場合に、前回のセクタの制御値を開始値としてグルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段56の出力信号をゲイン制御情報5として伝送し、更に、第2のアドレスゲート信号13が立ち下がりタイミングである場合に、前回のセクタの制御値を開始値としてデータ部ゲイン制御量生成手段17の出力信号をゲイン制御情報5として伝送することにより、各々、信号特性が異なるランド用アドレス部とグルーブ用アドレス部とデータ部とに対して、ゲイン制御手段4に到達するゲイン制御情報5が、図15(k)で示すように、最適な位置になるので、図15(i)に示すように、AGC(Auto Gain Control)が正常に動作することになる。
【0092】
従って、低コスト化、省電力化に有利で、且つ、PRML信号処理技術などの雑音耐性に有用なデジタル信号処理システムを用いた場合にも、例えば、DVD−RAMディスクの高速記録再生時にも、最適な信号振幅を保持することが可能となる。よって、デジタルデータ復調手段7により読み出されるアドレス情報8や、デジタル復調信号の品質が更に向上することにより、再生性能やプレイアビリティが向上する。
【0093】
一方、記録媒体の回転速度を一定にして記録再生を行うCAV(Constant Angular Velocity;以下、CAVと称す)方式の場合は、記録媒体の内周と外周で、チャネルビットレートが2倍以上異なることが知られている。また、記録再生倍速が異なる場合にも、同様にチャネルビットレートが異なる。
【0094】
このような記録再生速度が異なる場合の第2のアドレス極性信号58の生成手段として、図19に示すような第2のアドレス極性信号生成手段54を用いても良い。ここで示す構成は一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0095】
図19に示す第2のアドレス極性信号生成手段54は、固定クロック生成手段44と、固定クロックカウント手段46と、進み位相情報決定手段47とを有し、これ等は実施形態1のものと同様の構成を有する。ランド用アドレス始端情報59と進み位相情報決定手段47の出力結果との差をランド用アドレス始端予測情報保持手段64に設定して、ランド用アドレス始端予測情報63を生成することにより、第2のアドレス極性信号58のアサート位置を決定する。同様に、ランド用アドレス終端情報61と進み位相情報決定手段47の出力結果との差をランド用アドレス終端予測情報保持手段66に設定して、ランド用アドレス終端予測情報65を生成することにより、第2のアドレス極性信号58のネゲート位置を決定する。
【0096】
上述した一連の動作により、記録再生速度が異なる場合においても、固定クロックの特性を生かして、ゲイン制御情報の伝送遅延量をチャネルクロックに換算することにより、ランドとグルーブとで特性の異なるCAPA部を有する場合であっても、記録再生速度の変化に対して、自動で且つ精度良く第2のアドレス極性信号の位置を最適化することができる。よって、シーク時やCAV(Constant Angular Velocity)方式時に、自動ゲイン制御が更に安定して、プレイアビリティを向上することが可能となる。
【0097】
また、前記実施形態1で示したように、第2のアドレスゲート信号生成手段12において、第2のアドレスゲート信号13を生成するかどうかを任意に設定することができれば、第2のアドレスゲート信号13を必要としない領域で、省電力化を図ることが可能となる。同様に、第1のアドレス極性信号生成手段53において、第1のアドレス極性信号57を生成するかどうかを任意に設定することができ、且つ、第2のアドレス極性信号生成手段54において、第2のアドレス極性信号58を生成するかどうかを任意に設定することができれば、第1のアドレス極性信号57と第2のアドレス極性信号58とを必要としない領域で、省電力化を図ることが可能となる。
【0098】
例えば、図16に示すような第1のアドレス極性信号生成手段53において、再生倍速情報43によりセクタカウンタ30を動作及び停止させることを可能としたり、図19に示すような第2のアドレス極性信号生成手段54において、再生倍速情報43によりセクタカウンタ30を動作及び停止させることを可能としたりしても良い。一方、固定クロック生成手段44の動作及び停止を任意に制御できる構成を採用しても良い。例えば、CAV方式を用いた記録再生時であれば、内周側では、第1のアドレス極性信号57及び第2のアドレス極性信号58を生成せずに、第1のアドレスゲート信号11及び第2のアドレスゲート信号13のみでAGCを動作させて省電力化を優先し、シークや連続記録再生により、外周部に近い領域では、第1のアドレス極性信号57及び第2のアドレス極性信号58を用いて、AGCを動作させて再生性能やプレイアビリティを優先することにより、再生性能やプレイアビリティを維持しながら省電力化を図ることが可能となる。また、応用として、CAV方式を用いた記録再生時であれば、内周側では、第2のアドレスゲート信号13及び第2のアドレス極性信号58を生成せずに、第1のアドレスゲート信号11及び第1のアドレス極性信号57のみでAGCを動作させて省電力化を優先し、シークや連続記録再生により、外周部に近い領域では、第2のアドレスゲート信号13及び第2のアドレス極性信号58を用いて、AGCを動作させて再生性能やプレイアビリティを優先することにより、再生性能やプレイアビリティを維持しながら省電力化を図ることが可能となる。
【0099】
尚、第1のアドレス極性信号生成手段53及び第2のアドレス極性信号生成手段54を動作させるか停止するかは、再生倍速情報43が、チャネルクロック9から線速度情報を得るような場合には、再生倍速情報43の線速度情報に従って、任意の線速度以上では、第1のアドレス極性信号生成手段53及び第2のアドレス極性信号生成手段54を動作させ、一方、任意の線速度以下では、第1のアドレス極性信号生成手段53及び第2のアドレス極性信号生成手段54を停止させることにより、同様の効果を得るようにしても良い。
【0100】
尚、第2のアドレスゲート信号生成手段12及び第2のアドレス極性信号生成手段54を動作させるか停止するかは、再生倍速情報43が、チャネルクロック9から線速度情報を得るような場合には、再生倍速情報43の線速度情報に従って、任意の線速度以上では、第2のアドレスゲート信号生成手段12及び第2のアドレス極性信号生成手段54を動作させ、一方、任意の線速度以下では、第2のアドレスゲート信号生成手段12及び第2のアドレス極性信号生成手段54を停止させることにより、同様の効果を得るようにしても良い。
【0101】
また、図20に示すように、ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段55が、第2のアドレスゲート信号13の立ち上がり位置から第1のアドレスゲート信号11の立ち上がり位置までの期間、又は、第2のアドレス極性信号58の極性の切り変わり位置から第1のアドレス極性信号57の極性切り変わり位置までの期間では、ゲイン制御をホールドするためのホールド手段を有するものであっても良い。また、グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段56が、第2のアドレスゲート信号13の立ち上がり位置から第1のアドレスゲート信号11の立ち上がり位置までの期間、又は、第2のアドレス極性信号58の極性の切り変わり位置から第1のアドレス極性信号57の極性切り変わり位置までの期間は、ゲイン制御をホールドするためのホールド手段を有するものであっても良い。
【0102】
同様に、データ部ゲイン制御量生成手段17が、第2のアドレスゲート信号13の立ち下がり位置から第1のアドレスゲート信号11の立ち下がり位置までの伝送遅延量35の期間は、ゲイン制御をホールドする手段を有するものであっても良い。
【0103】
上述したようなホールド手段を有することにより、ランドとグルーブとを有するDVD−RAMメディアにおいても、安定したゲイン制御が可能な位置以外で、ゲイン制御をホールドすることができるので、自動ゲイン制御が安定して、再生性能を向上することが可能となる。
【0104】
(第3の実施形態)
図21は、本発明の第3の実施形態における記録再生制御装置における第2のアドレス極性信号生成手段54の内部構成のブロック図を示す。
【0105】
本実施形態は、請求項12に記載の発明に対応するものである。ここで示す構成は、一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0106】
前記実施形態1及び実施形態2と異なる点は、図21に示すように、第2のアドレス極性信号生成手段54は、第2のアドレス極性信号58を生成するに際し、第2のアドレスゲート信号13の立ち上がり位置から任意のチャネルクロック9の数をカウントするカウンタ67を有し、セクタカウンタ30は、前記カウンタ67の出力信号と、自己のセクタカウンタ30のカウント値との関係で第2のアドレス極性信号58をアサートする一方、アドレス情報8を基にアドレス終端情報保持手段49から出力されるアドレス終端情報32のタイミングで、第2のアドレス極性信号58をネゲートするものである。
【0107】
更に、図21の第2のアドレス極性信号生成手段54は、1つ前のセクタの第1のアドレス極性信号57を保持する保持手段68において、その保持する第1のアドレス極性信号57がグルーブ用のアドレス領域を示している場合は、第2のアドレス極性信号58をそのまま出力し、前記保持手段68に保持された第1のアドレス極性信号57がランド用のアドレス領域を示している場合は、第2のアドレス極性信号58を反転して出力するアドレス極性信号反転手段69を有する。それ以外の構成は、前記実施形態1及び2に記載したものと同じ構成を有する。
【0108】
上述のアドレス極性信号反転手段69を用いることにより、実施形態2に比べて、アドレス極性情報の進み位相のゲート信号を生成する構成を簡易化できるので、回路規模を有効に削減することが可能となる。
【0109】
(第4の実施形態)
図22は、本発明の第4の実施形態における記録再生制御装置におけるデータ部ゲイン制御量生成手段17の構成を示すブロック図を示す。
【0110】
この第4の実施形態は、請求項19に記載の発明に対応するものであり、制御の安定化を図るものである。ここで示す構成は、一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0111】
図22において、データ部ゲイン制御量生成手段17は、前記実施形態1〜3の機能を有するだけでなく、入力される振幅情報15によらず、ゲインリセット信号70により待機ゲイン制御量71に固定されるデータ部ゲインリセット回路72を有する。前記ゲインリセット信号70はデータ部リセット制御手段74により生成される。このデータ部リセット制御手段74では、データ部をリードする際に、リード開始情報73を基に、その前の任意のセクタで前記ゲインリセット信号70をアサートし、その後、任意の区間をおいて前記ゲインリセット信号70をネゲートする。それ以外の構成は、前記実施形態1〜3に示す構成と同様である。
【0112】
前記の構成により、リード開始前にデータ部のゲイン制御量を待機ゲイン制御量71にリセットすることが可能となるので、リード直前までのデータ部でのゲイン制御量を前記待機ゲイン制御量71にホールドし、その後、データ部のゲイン制御を開始でき、自動ゲイン制御の安定化によるプレイアビリティの向上と消費電力の低減とが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上説明したように、本発明は、DVD−RAMの高速記録再生に対して、回路規模の削減、低消費電力、及び再生性能を高品質に維持できるので、DVDレコーダーやDVDマルチドライブなどの記録再生制御装置として有用である。また、低消費電力の面でも、DVD−RAMを搭載したデジタルハンディーカムコーダや、ノート型パーソナルコンピュータ用のスリム型光ディスクドライブに適用しても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の第1の実施形態における記録再生制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】同記録再生制御装置に備える再生RF信号検出手段を高次等リップルフィルタで構成する場合の周波数特性を示す図である。
【図3】同記録再生制御装置に備えるゲイン制御手段におけるゲイン制御量と再生RF信号の振幅との関係を示す図である。
【図4】同記録再生制御装置に備えるデジタルデータ復調手段の内部構成を示す図である。
【図5】同記録再生制御装置に備える振幅検出手段の内部構成を示す図である。
【図6】同記録再生制御装置の要部の様子及び波形を示し、同図(a)はアドレス部(CAPA部)とデータ部での各々の時刻における振幅を示す図、同図(b)はセクタカウンタのカウント値を示す図、同図(c)は第1のアドレスゲート信号を示す図、同図(d)は第2のアドレスゲート信号を示す図、同図(e)はゲイン制御手段の出力信号の振幅が不安定になる様子を説明する図、同図(f)はゲイン切り換え位置の前後でゲイン制御量の切り換えが遅れる様子を説明する図、同図(g)はAGC(Auto Gain Controlが正常に動作する様子を説明する図、同図(h)はゲイン制御手段に到達するゲイン制御情報5が時間遅れのない最適な位置になる様子を説明する図である。
【図7】同記録再生制御装置に備える第1のアドレスゲート信号生成手段の内部構成を示す図である。
【図8】同記録再生制御装置に備える制御量伝送手段及びゲイン制御手段の内部構成を示す図である。
【図9】同記録再生制御装置に備える第2のアドレスゲート信号生成手段の内部構成を示す図である。
【図10】再生RF信号のチャネルビットレートが約3対2の比率である場合の要部の様子及び波形を示し、同図(a)はチャネルビットレートの比率が3の場合のアドレス部(CAPA部)とデータ部での各々の時刻における振幅を示す図、同図(b)は同セクタカウンタのカウント値を示す図、同図(c)は同第1のアドレスゲート信号を示す図、同図(d)は同第2のアドレスゲート信号を示す図、同図(e)はチャネルビットレートの比率が2の場合のアドレス部(CAPA部)とデータ部での各々の時刻における振幅を示す図、同図(f)は同セクタカウンタのカウント値を示す図、同図(g)は同第1のアドレスゲート信号を示す図、同図(h)は同第2のアドレスゲート信号を示す図である。
【図11】同記録再生制御装置に備える第2のアドレスゲート信号生成手段の他の内部構成を示す図である。
【図12】同記録再生制御装置に備えるアドレス部ゲイン制御量生成手段及びデータ部ゲイン制御量生成手段の変形例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態における記録再生制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図14】記録媒体のランド側CAPA部、グルーブ側CAPA部、及びデータ部の配置関係を示す図である。
【図15】同記録再生制御装置の要部の様子及び波形を示し、同図(a)はランド側CAPA部、グルーブ側CAPA部及びデータ部での各々の時刻における振幅を示す図、同図(b)はセクタカウンタのカウント値を示す図、同図(c)は第1のアドレスゲート信号を示す図、同図(d)は第2のアドレスゲート信号を示す図、同図(e)は第1のアドレス極性信号を示す図、同図(f)は第2のアドレス極性信号を示す図、同図(g)はゲイン制御手段の出力信号の振幅が不安定になる様子を説明する図、同図(h)はゲイン切り換え位置の前後でゲイン制御量の切り換えが遅れる様子を説明する図、同図(i)はAGC(Auto Gain Controlが正常に動作する様子を説明する図、同図(k)はゲイン制御手段に到達するゲイン制御情報5が時間遅れのない最適な位置になる様子を説明する図である。
【図16】同記録再生制御装置に備える第1のアドレス極性信号生成手段の内部構成を示す図である。
【図17】同記録再生制御装置に備える制御量伝送手段及びゲイン制御手段の内部構成を示す図である。
【図18】同記録再生制御装置に備える第2のアドレス極性信号生成手段の内部構成を示す図である。
【図19】同記録再生制御装置に備える第2のアドレス極性信号生成手段の他の内部構成を示す図である。
【図20】同記録再生制御装置に備えるランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段、グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段及びデータ部ゲイン制御量生成手段の変形例を示す図である。
【図21】本発明の第3の実施形態の記録再生制御装置に備える第2のアドレス極性信号生成手段の内部構成を示す図である。
【図22】本発明の第4の実施形態の記録再生制御装置に備えるデータ部ゲイン制御量生成手段の内部構成を示す図である。
【図23】従来の自動利得制御装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0115】
1 光記録媒体
2 再生RF信号検出手段
3 再生RF信号
4 ゲイン制御手段
5 ゲイン制御情報
6 制御量伝送手段
7 デジタルデータ復調手段
8 アドレス情報
9 チャネルクロック
10 第1のアドレスゲート信号生成手段
11 第1のアドレスゲート信号
12 第2のアドレスゲート信号生成手段
13 第2のアドレスゲート信号
14 振幅検出手段
15 振幅情報
16 アドレス部ゲイン制御量生成手段
17 データ部ゲイン制御量生成手段
18 A/D変換器(アナログ・デジタルコンバータ)
30 セクタカウンタ
36 ゲイン制御情報保持手段
37 パラレル・シリアル変換手段
38 シリアル・パラレル変換手段
39 D/A変換器(デジタル・アナログコンバータ)
40 VGA(Variable Gain Amplitude;以下、VGAと称す)
41 アドレス始端予測情報保持手段
42 アドレス終端予測情報保持手段
44 固定クロック生成手段
46 固定クロックカウント手段
47 進み位相情報決定手段
48 アドレス始端情報保持手段
49 アドレス終端情報保持手段
50 アドレスゲート予測位置設定手段
53 第1のアドレス極性信号生成手段
54 第2のアドレス極性信号生成手段
55 ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段
56 グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段
57 第1のアドレス極性信号
58 第2のアドレス極性信号
60 ランド用アドレス始端情報保持手段
62 ランド用アドレス終端情報保持手段
64 ランド用アドレス始端予測情報保持手段
66 ランド用アドレス終端予測情報保持手段
68 保持手段
69 アドレス極性信号反転手段
70 ゲインリセット信号
72 データ部ゲインリセット回路
74 データ部リセット制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンボス状のアドレス領域と記録可能なデータ領域とがセクタ毎に間欠的に存在する記録媒体に対する記録再生制御装置であって、
前記記録媒体から読み出されたRF再生信号からデジタルデータを復調するデジタルデータ復調手段と、
前記デジタルデータ復調手段により前記アドレス領域から読みだされたアドレス情報を基に次のセクタのアドレス情報の位置を示す第1のアドレスゲート信号を生成する第1のアドレスゲート信号生成手段と、
前記第1のアドレスゲート信号を任意の時間分進めて第2のアドレスゲート信号を生成する第2のアドレスゲート信号生成手段と、
前記記録媒体から読み出されたRF再生信号から振幅情報を検出する振幅検出手段と、
前記振幅情報を受け、この振幅情報と前記アドレス領域に対して任意に設定可能なアドレス振幅目標値との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するアドレス部ゲイン制御量生成手段と、
前記振幅情報を受け、この振幅情報と前記データ領域に対して任意に設定可能なデータ振幅目標値との差分がゼロに近づいて行くようにゲイン制御量を生成するデータ部ゲイン制御量生成手段と、
前記アドレス部ゲイン制御量生成手段と前記データ部ゲイン制御量生成手段の出力信号を、前記第1のアドレスゲート信号及び前記第2のアドレスゲート信号に基づいて切り換えながら伝送する制御量伝送手段と、
前記制御量伝送手段の出力信号であるゲイン制御情報を基に、前記アドレス領域と前記データ領域別に、前記再生RF信号の振幅を制御するゲイン制御手段とを備えた
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、
前記第1のアドレスゲート信号生成手段は、
前記デジタルデータ復調手段で生成された前記再生RF信号の有するクロック成分に同期したチャネルクロックでカウントするセクタカウンタと、
前記アドレス領域の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報を保持するアドレス始端情報保持手段と、
前記アドレス領域の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報を保持するアドレス終端情報保持手段とを有し、
前記アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
前記アドレス始端情報から任意の進み位置であるアドレス始端予測情報を保持するアドレス始端予測情報保持手段と、
前記アドレス終端情報から任意の進み位置であるアドレス終端予測情報を保持するアドレス終端予測情報保持手段とを有し、
前記アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をネゲートするものである
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項3】
前記請求項2に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
前記記録媒体の再生速度に応じて、前記アドレス始端予測情報を前記アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記アドレス終端予測情報を前記アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレスゲート予測位置設定手段を有する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項4】
前記請求項2に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
固定クロックを生成する固定クロック生成手段と、
前記固定クロックでカウントを行う固定クロックカウント手段と、
前記固定クロックカウント手段によりカウントされる期間中における前記チャネルクロックの個数をカウントし、そのカウント値を保持する進み位相情報決定手段とを有し、
前記アドレス始端予測情報保持手段は、前記アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス始端予測情報を設定して保持し、
アドレス終端予測情報保持手段は、前記アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス終端予測情報を設定して保持する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項5】
前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、
前記制御量伝送手段は、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がりタイミングで前記アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送し、前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がりタイミングで前記データ部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項6】
前記請求項5に記載の記録再生制御装置において、
前記アドレス部ゲイン制御量生成手段は、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置から前記第1のアドレスゲート信号の立ち上がり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有し、
前記データ部ゲイン制御量生成手段は、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がり位置から前記第1のアドレスゲート信号の立ち下がり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項7】
前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
前記第2のアドレスゲート信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能である
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項8】
前記請求項1に記載のデジタル記録再生制御装置において、
前記エンボス状のアドレス領域がランドとグルーブとの双方に対応できる構成である場合、ランド側かグルーブ側かを判別可能な第1のアドレス極性信号を生成する第1のアドレス極性信号生成手段と、
前記第1のアドレス極性信号を任意の時間分進めて第2のアドレス極性信号を生成する第2のアドレス極性信号生成手段とを有し、
前記アドレス部ゲイン制御量生成手段は、
ランド用のゲイン制御量を生成するランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段と、
グルーブ用のゲイン制御量を生成するグルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段とを有し、
前記制御量伝送手段は、
前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段、前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段及び前記データ部ゲイン制御量生成手段の各出力信号の何れかを、前記第1のアドレスゲート信号、前記第2のアドレスゲート信号並びに前記第1のアドレス極性信号及び前記第2のアドレス極性信号に基づいて、切り換えながら伝送する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項9】
前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、
前記第1のアドレスゲート信号生成手段は、
前記デジタルデータ復調手段で生成された前記再生RF信号の有するクロック成分に同期したチャネルクロックでカウントするセクタカウンタと、
前記アドレス領域の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報を保持するアドレス始端情報保持手段と、
前記アドレス領域の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報を保持するアドレス終端情報保持手段とを有し、
前記アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、
前記第1のアドレス極性信号生成手段は、
ランド側のアドレス領域の始端を示すカウント値であるランド用アドレス始端情報を保持するランド用アドレス始端情報保持手段と、
ランド側のアドレス領域の終端を示すカウント値であるランド用アドレス終端情報を保持するランド用アドレス終端情報保持手段とを有し、
前記ランド用アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をアサートし、前記ランド用アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をネゲートするものであり、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
前記アドレス始端情報から任意の進み位置であるアドレス始端予測情報を保持するアドレス始端予測情報保持手段と、
前記アドレス終端情報から任意の進み位置であるアドレス終端予測情報を保持するアドレス終端予測情報保持手段とを有し、
前記アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、
前記第2のアドレス極性信号生成手段は、
前記ランド用アドレス始端情報から任意の進み位置であるランド用アドレス始端予測情報を保持するランド用アドレス始端予測情報保持手段と、
前記ランド用アドレス終端情報から任意の進み位置であるランド用アドレス終端予測情報を保持するランド用アドレス終端予測情報保持手段とを有し、
前記ランド用アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレス極性信号をアサートし、前記ランド用アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレス極性信号をネゲートする
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項10】
前記請求項9に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
前記記録媒体の再生速度に応じて、前記アドレス始端予測情報を前記アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記アドレス終端予測情報を前記アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレスゲート予測位置設定手段を有し、
前記第2のアドレス極性信号生成手段は、
前記記録媒体の再生速度に応じて、前記ランド用アドレス始端予測情報を前記ランド用アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記ランド用アドレス終端予測情報を前記ランド用アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレス極性予測位置設定手段を有する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項11】
前記請求項9に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段が、
固定クロックを生成する固定クロック生成手段と、
前記固定クロックで任意のカウントを行う固定カウント手段と、
前記固定カウント手段によりカウントされる期間中における前記チャネルクロックの個数をカウントしてそのカウント値を保持する進み位相情報決定手段とを備え、
前記アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス始端予測情報を設定すると共に、前記アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス終端予測情報を設定するものであり、
前記第2のアドレス極性信号生成手段は、
前記ランド用アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記ランド用アドレス始端予測情報を設定すると共に、前記ランド用アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段の差に基づいて前記ランド用アドレス終端予測情報を設定する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項12】
前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、
前記第1のアドレスゲート信号生成手段は、
前記デジタルデータ復調手段で生成された前記再生RF信号の有するクロック成分に同期したチャネルクロックでカウントするセクタカウンタと、
前記アドレス領域の始端を示すカウント値であるアドレス始端情報を保持するアドレス始端情報保持手段と、
前記アドレス領域の終端を示すカウント値であるアドレス終端情報を保持するアドレス終端情報保持手段とを有し、
前記アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、
前記第1のアドレス極性信号生成手段は、
ランド側のアドレス領域の始端を示すカウント値であるランド用アドレス始端情報を保持するランド用アドレス始端情報保持手段と、
ランド側のアドレス領域の終端を示すカウント値であるランド用アドレス終端情報を保持するランド用アドレス終端情報保持手段とを有し、
前記ランド用アドレス始端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をアサートし、前記ランド用アドレス終端情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第1のアドレス極性信号をネゲートするものであり、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
前記アドレス始端情報から任意の進み位置であるアドレス始端予測情報を保持するアドレス始端予測情報保持手段と、
前記アドレス終端情報から任意の進み位置であるアドレス終端予測情報を保持するアドレス終端予測情報保持手段とを有し、
前記アドレス始端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をアサートし、前記アドレス終端予測情報と前記セクタカウンタのカウント値とが一致する箇所で前記第2のアドレスゲート信号をネゲートするものであり、
前記第2のアドレス極性信号生成手段は、
前記第2のアドレス極性信号を、前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置以後の任意の位置でアサートし、前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がり位置でネゲートし、
更に、前セクタの前記第1のアドレス極性信号がグルーブ側を示している場合には前記第2のアドレス極性信号をそのまま出力し、前セクタの前記第1のアドレス極性信号がランド側を示している場合には前記第2のアドレス極性信号を反転して出力するアドレス極性信号反転手段を有する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項13】
前記請求項12に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
記録媒体の再生速度に応じて、前記アドレス始端予測情報を前記アドレス始端予測情報保持手段に設定すると共に、前記アドレス終端予測情報を前記アドレス終端予測情報保持手段に設定するアドレスゲート予測位置設定手段を有する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項14】
前記請求項12に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、
固定クロックを生成する固定クロック生成手段と、
前記固定クロックで任意のカウントを行う固定クロックカウント手段と、
前記固定クロックカウント手段によりカウントされる期間中における前記チャネルクロックの個数をカウントして、そのカウント値を保持する進み位相情報決定手段と、
前記アドレス始端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス始端予測情報を設定すると共に、前記アドレス終端情報と前記進み位相情報決定手段のカウント値との差に基づいて前記アドレス終端予測情報を設定する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項15】
請求項8に記載の記録再生制御装置において、
前記制御量伝送手段は、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がりタイミングにおいて、前記第2のアドレス極性信号がランド側を示す場合には前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送する一方、前記第2のアドレス極性信号がグルーブ側を示す場合には前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送し、
前記第2のアドレス極性信号の極性が切り替わるタイミングにおいて、前記第2のアドレス極性信号がランド側を示す場合には前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送する一方、前記第2のアドレス極性信号がグルーブ側を示す場合には前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送し、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がりタイミングにおいて前記データ部ゲイン制御量生成手段の出力信号を伝送する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項16】
前記請求項15に記載の記録再生制御装置において、
前記ランド用アドレス部ゲイン制御量生成手段は、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置から第1のアドレスゲート信号の立ち上がり位置までの期間において、又は、前記第2のアドレス極性信号の極性の切り変わり位置から第1のアドレス極性信号の極性切り変わり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有し、
前記グルーブ用アドレス部ゲイン制御量生成手段は、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち上がり位置から第1のアドレスゲート信号の立ち上がり位置までの期間において、又は、前記第2のアドレス極性信号の極性の切り変わり位置から第1のアドレス極性信号の極性きり変わり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有し、
前記データ部ゲイン制御量生成手段は、
前記第2のアドレスゲート信号の立ち下がり位置から前記第1のアドレスゲート信号の立ち下がり位置までの期間において、ゲイン制御量をホールドするホールド手段を有する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項17】
前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、
前記第2のアドレスゲート信号生成手段は、前記第2のアドレスゲート信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能であり、
且つ、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記第2のアドレス極性信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能である
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項18】
前記請求項8に記載の記録再生制御装置において、
前記第1のアドレス極性信号生成手段は、前記第1のアドレス極性信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能であり、
且つ、前記第2のアドレス極性信号生成手段は、前記第2のアドレス極性信号を生成するかどうかを任意に設定することが可能である
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項19】
前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、
前記データ部ゲイン制御量生成手段は、ゲインリセット信号により待機ゲイン制御量に固定されるデータ部ゲインリセット回路と、
前記データ領域をリードする場合に、リード開始の前の任意のセクタで前記ゲインリセット信号をアサートした後、任意の区間をおいて前記ゲインリセット信号をネゲートするデータ部リセット制御手段とを有して、
ゲイン制御量を前記待機ゲイン制御量に保持した後、前記データ領域でのゲイン制御を開始する
ことを特徴とする記録再生制御装置。
【請求項20】
前記請求項1に記載の記録再生制御装置において、
前記デジタルデータ復調手段は、
前記再生RF信号をデジタルRF信号に変換するアナログ・デジタルコンバータと、
前記デジタルRF信号からオフセット成分を除去するオフセット補正手段と、
前記オフセット補正手段の出力信号から、前記再生RF信号が有するクロック成分に同期したチャネルクロックを、前記アナログ・デジタルコンバータに回帰することにより生成する位相同期制御手段と、
前記オフセット補正手段の出力信号に対して二値化を行うPRML信号処理手段と、
前記二値化信号からデジタルデータを復調する復調手段とを有し、
前記振幅検出手段は、
前記デジタルRFからピークエンベロープとボトムエンベロープを検出し、前記ピークエンベロープと前記ボトムエンベロープの差から前記振幅情報を検出するものであり、
前記制御量伝送手段は、
前記ゲイン制御情報を任意のタイミングで保持するゲイン制御情報保持手段と、
前記ゲイン制御情報保持手段の出力信号をシリアル情報に変換するパラレル・シリアル変換手段とを有して、前記シリアル情報を前記ゲイン制御手段に伝送するものであり、
前記ゲイン制御手段は、
前記制御量伝送手段からのシリアル情報をパラレル情報に変換するシリアル・パラレル変換手段と、
前記シリアル・パラレル変換手段の出力信号に基づいてゲインを変更するゲインアンプとにより構成される
ことを特徴とする記録再生制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−97789(P2008−97789A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281777(P2006−281777)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】