説明

記録再生装置

【課題】 本発明は、ユーザが所望の箇所を容易に検索することができる記録再生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の記録再生装置は、映像信号の変化の有無に応じて、記録レートを変更する記録レート変更手段と、記録レートが変更された時間にチャプタを設定するチャプタ設定手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像情報を記録,再生可能な記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークカメラによる映像変化の検知により、配信する映像の解像度と圧縮率を可変し高画質の映像を送ると同時にその情報も付加して受信側に送ることで、受信側の記録装置も高画質モードに切り換えて録画することができる装置が知られている。
【特許文献1】特開2005-268996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の装置は、画質モードの切り換えで、長時間記録が可能であるが、再生時に映像信号に変化のあった箇所を検索する手段がないため、所望の箇所を容易に検索できないという問題点があった。
【0004】
本発明は、ユーザが所望の箇所を容易に検索することができる記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の記録再生装置は、映像信号を撮像するためのカメラと、
前記カメラによる前記映像信号から該映像信号の変化の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段による前記映像信号の変化の有無に応じて、前記映像信号の記録レートを変更する記録レート変更手段と、
前記記録レート変更手段により、前記映像信号の記録レートが変更された時間にチャプタを設定するチャプタ設定手段と
を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、前記記録レート変更手段は、前記映像信号の変化が無の場合は、所定の記録レートで記録させ、
前記検知手段により、前記映像信号の変化が有となった場合には、前記所定の記録レートより高い記録レートに変更して記録することを特徴とする。
【0007】
また、前記チャプタ設定手段は、前記映像信号の記録レートが前記所定の記録レートより高い記録レートで記録が開始された時間より所定時間前の時間に前記チャプタを設定することを特徴とする。
【0008】
また、前記チャプタ設定手段により前記チャプタが設定された映像信号には、該チャプタが設定されていることを示す情報を付加することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザが映像信号の中から所望の箇所を容易に検索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は、本発明に係る実施形態を備えた記録再生装置10の概略ブロック図である。図2は、図1の記録再生装置10の記録レート設定処理の動作手順を示すフローチャートである。図3は、実施形態における装置構成と、カメラ30からの映像信号との関連を示した概念図である。図4は、記録レートとチャプタ分割ポイントとの関係を示した概念図である。
【0012】
図1の記録再生装置10は、図3(b)に示されるように、カメラ30とモニタ40が接続される。カメラ30により、被写体を撮影し、撮影した映像信号を記録再生装置10に取り込まれ、モニタ40に表示させる。映像信号は、図3(a)に示すように、撮影時間順に、紙面左側から紙面右側に順次モニタ40に表示されるが、紙面右側では被写体に動きがあり、これにより映像信号に変化が生じていることを示す。本実施形態では、図3(a)の映像信号の変化を検出するものである。
【0013】
図1及び図2を用いて記録再生装置10について説明する。図1に示すように、記録再生装置10は、映像処理部11、映像変化検知部12、映像圧縮処理部13、映像圧縮モード制御部14、録画モード制御部15、記録部16、映像出力部17、OSD(オン・スクリーン・ディスプレィ)18、CPU19、操作部20で構成する。記録再生装置10は、CPU19の動作により、カメラ30で得られた映像をモニタ40で見ることができる。
【0014】
記録再生装置10に接続されているカメラ30で被写体の撮影を開始すると、CPU19は、映像処理部11を制御して、カメラ30で得られた映像信号を映像圧縮処理部13と映像変化検知部11へ送る(ステップS501)。映像変化検知部12は、例えば映像信号の複数点の変化量をチェックし、変化量若しくは変化した箇所があらかじめ設定した値より大きい場合には、映像変化有,値より小さい場合には映像変化無として、映像変化の検知の有無をチェックする(ステップS502)。映像圧縮処理モード制御部14は、予め図5のような映像変化の有無に対応した映像圧縮モードを設定するテーブル601を有しており、ステップS502で映像変化の検知有の場合に、映像圧縮処理モード制御部14に指令を送り、映像圧縮処理部13による記録レートを、映像変化がない場合のときより記録レートが高い高画質モードに切り換えて、映像圧縮処理部13での高画質処理を行う(ステップS503)。また、ステップS502で映像変化の検知なしの場合は、記録レートは低い低画質モードのままで画質処理を行う(ステップS504)。これらの処理は、図4のように、カメラ30による被写体の映像信号の経過時間と、記録再生装置10による記録レートとの関係で示すと、映像の変化を検出すると、記録レートを上げて記録し、映像の変化がなくなる(図3(a)の紙面右側の状態から、再び紙面左側の状態になる)と記録レートを落とすという動作となる。そして、映像圧縮処理部13からの映像データは記録部16(例えば、HDD,DVD)に送られ、記録される。
【0015】
また、図4に示すように、映像データとは別に、録画モード制御部15は、記録レート変化点にチャプタ分割情報(経過時刻と該時刻における映像データの記録部16における記録位置情報)を映像データに付加して、記録部16に記録する(ステップS505)。これにより、図4に示すように、映像信号の変化点にチャプタを設定することが可能となる。
【0016】
なお、上述したように、映像変化が検知され記録レートを変化させた位置にチャプタを設定できるため、ユーザは映像変化があったところをすぐに見ることができるが、該部分がどのように変化したかを見ることができれば、ユーザにとってより便利である。これは、例えば、図4の映像の変化を検出したポイントから予め設定した時間前の時間にチャプタを設定することにより実現できる。該位置にチャプタを設定するには、映像圧縮モード制御部14が映像圧縮処理部13に対して高記録レートの高画質モードに切り替えるように指示し、映像圧縮処理部13が高記録レートで記録を開始した経過時刻から予め設定した時間前の経過時刻にチャプタを設定する。具体的には、該時刻に相当する記録部16に記録されている映像データの位置情報を、チャプタとして記録部16に記録させる。これにより、ユーザは映像の変化する時間前と変化した箇所を連続してチェックできるため、映像の変化の確認が容易となる。
【0017】
また、図6に示すように、記録再生装置10で複数の映像信号を記録し、複数タイトルが生成された場合、上述した映像の変化が検出され、これによりチャプタが設定されたタイトルには、タイトル名(XXXX)の後に"有"を記録再生装置10が付け、変化が検出されなかったタイトルのタイトル名の後には"無"を付けることもできる。これは、映像圧縮モード制御部14が映像圧縮処理部13に対して高記録レートの高画質モードに切り替えるように指示したタイトルには、CPU19が図示しないキャラクタジェネレータから"有"をタイトル名の最後に付けるように指示することで可能となる。
【0018】
上述した実施形態の記録再生装置10は、下記使用用途として用いることができるとともに、下記効果を有する。
【0019】
(1)泥棒や車上荒らしなどの対策
カメラを家の周りや車などに向けることで、泥棒や車上荒らしなどの対策として使用できる。通常の状態ではチャプタ分割されず、泥棒や車上荒らしなど記録映像に変化があった映像部分からユーザが指定した時間分前にチャプタ分割されるため、ユーザはすべての再生を行ってチェックすることなく、チャプタを飛ばすことで泥棒や車上荒らしが記録されている少し前の再生場面に移動できる。
【0020】
(2)野生動物の監視
カメラを森などに設置することで、野生動物の生態調査用として使用できる。通常の状態ではチャプタ分割されず、野生動物が現れたなど記録映像に変化があった映像部分からユーザが指定した時間分前にチャプタ分割されるため、ユーザはすべての再生を行ってチェックすることなく、チャプタを飛ばすことで野生動物が現れた部分が記録されている少し前の再生場面に移動できる。
【0021】
(3)流れ星の記録
夜、カメラを空に向けて設置することで、流れ星などの記録用として使用できる。通常の状態ではチャプタ分割されず、流れ星が流れたなど記録映像に変化があった映像部分からユーザが指定した時間分前にチャプタ分割されるため、ユーザはすべての再生を行ってチェックすることなく、チャプタを飛ばすことで流れ星が流れた部分が記録されている少し前の再生場面に移動できる。
【0022】
そして、本発明によれば、下記効果がある。
【0023】
1.映像に変化があった部分のみ記録レートを高くして記録し、通常は低いレートで記録するため、限られた記録するディスク容量に対して、長時間の記録が可能である。記録レートの高い部分のみ再生できる機能を付加することで、映像に変化があった箇所のみの再生が可能となる。また、映像の変化を検出する前の映像も見ることができる。
【0024】
2.常時録画で数時間毎にタイトルまたはチャプタ分割したものに対して、特定の名称や記号を付加することで、ユーザはどれが映像の変化を検出したものなのかすぐに判断できる。特定の名称または記号が付加されているもののみ再生する機能を付加することで、映像に変化があった箇所のみの再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態による記録再生装置の概略構成図。
【図2】同実施の形態にかかわる記録レート設定処理の動作手順を示すフローチャート。
【図3】同実施の形態にかかわる装置構成と、カメラ30からの映像信号との関連を示した概念図。
【図4】同実施の形態にかかわる記録レートとチャプタ分割ポイントとの関係を示した概念図。
【図5】同実施の形態にかかわる映像変化の有無に対応した映像圧縮モードを設定するテーブル。
【図6】同実施の形態にかかわるタイトル一覧の画面例。
【符号の説明】
【0026】
10 記録再生装置
12 映像変化検知部
14 映像圧縮モード制御部
15 録画モード制御部
30 カメラ
40 モニタ
601 テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を撮像するためのカメラと、
前記カメラによる前記映像信号から該映像信号の変化の有無を検知する検知手段と、
前記検知手段による前記映像信号の変化の有無に応じて、前記映像信号の記録レートを変更する記録レート変更手段と、
前記記録レート変更手段により、前記映像信号の記録レートが変更された時間にチャプタを設定するチャプタ設定手段と
を備えたことを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
前記記録レート変更手段は、前記映像信号の変化が無の場合は、所定の記録レートで記録させ、
前記検知手段により、前記映像信号の変化が有となった場合には、前記所定の記録レートより高い記録レートに変更して記録することを特徴とする請求項1記載の記録再生装置。
【請求項3】
前記チャプタ設定手段は、前記映像信号の記録レートが前記所定の記録レートより高い記録レートで記録が開始された時間より所定時間前の時間に前記チャプタを設定することを特徴とする請求項2記載の記録再生装置。
【請求項4】
前記チャプタ設定手段により前記チャプタが設定された映像信号には、該チャプタが設定されていることを示す情報を付加することを特徴とする請求項2記載の記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−202037(P2007−202037A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20806(P2006−20806)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】