説明

記録媒体供給装置及び画像形成装置

【課題】用紙(記録媒体)の種類によらず用紙高さを確実に検知し、用紙高さ検知時の用紙ダメージ、傷発生及び衝突音を抑制できる記録媒体供給装置を提供する。
【解決手段】シート状記録媒体を積層状態で搭載可能な記録媒体搭載部と、積層状態の記録媒体にエアを吹き付けて最上位置の一枚の記録媒体を浮上させるエア吐出手段と、浮上させた当該最上位置の一枚の記録媒体を吸着して搬送する搬送手段と、積層状態の記録媒体の最上面に接触してその高さ位置を検知する上面位置検知手段(34)とを備えた記録媒体供給装置である。上面位置検知手段(34)に、記録媒体の最上面に対する押し付け力を可変にする押し付け力可変機構(60)を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の記録媒体を供給する記録媒体供給装置、及びその記録媒体供給装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、紙やOHPフィルム等を1枚ずつ供給する給紙装置が知られている。給紙装置には、トレイに積層状態で搭載された束状の用紙にエアを吹き付けて用紙(記録媒体)を捌きつつ浮上させて互いに分離させ、最上位に位置する用紙を吸引力によって吸着ベルトに吸着させて搬送するエア分離給紙装置がある。従来のエア分離給紙装置としては、例えば、特許文献1(特開2001−247229号公報)や特許文献2(特開2007−45630号公報)に記載されたものがある。
【0003】
図12に、前記エア分離給紙装置の概略構成を示す。
図12に示すエア分離給紙装置301は、複数枚の用紙Pを搭載するトレイ302と、搭載された用紙Pの上部前端と上部側端にエアを吹き付けるフロントブロワ303及びサイドブロワ304と、搭載された用紙Pを1枚ずつ吸着して搬送する吸着ベルト305を備えている。用紙Pはトレイ302上で用紙Pのサイズに合わせるように、前端面を基準面としてのフロントフェンス306に当てて揃えている。
【0004】
このエア分離給紙装置301で用紙Pを供給するには、まず、フロントブロワ303とサイドブロワ304からトレイ302に搭載された用紙Pの束に向かってエアを吹き付け、このエアによって用紙P間に空気を送り込んで用紙Pを捌きながら吸着ベルト305の高さhまで浮上させる。そして、浮上させた用紙のうち、最上位置の用紙P1を吸着ベルト305に吸着させ、この状態で吸着ベルト305が回転することによって、当該用紙P1が図示しない画像形成部へと搬送され、画像形成が行われる。
【0005】
また、前記特許文献1や2に記載されたエア分離給紙装置は、搭載された用紙の最上面の位置を検知する上面位置検知手段を備えている。この上面位置検知手段としては、例えば、図12に示すように、用紙束の最上面に当接すると共に揺動可能に構成されたアクチュエータ310と、アクチュエータ310の揺動を検知する揺動検知センサ311を有するものがある。アクチュエータ310の取り付け位置は、用紙サイズの大小によらず安定した精度で狙いの距離hを保ち続けるように、吸着ベルト305近傍に設けられている。
【0006】
この場合、用紙が供給されて用紙束の高さが低くなると、それに伴ってアクチュエータ310が揺動する。そして、アクチュエータ310の揺動量を揺動検知センサ311が検知し、そのときの検知信号に基づいて、図示しない押上げ手段がトレイ302の底板を上昇させることにより、用紙束の上面から吸着ベルト305までの高さh(距離)が一定になるように制御されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12に示す上面位置検知手段のアクチュエータ310は、用紙の種類によらず、常に一定の押し付け力でアクチュエータ310の先端のコロ312が用紙束の上面に接触している。しかし、複写機等の画像形成装置では、普通紙や再生紙だけでなく、表面に塗工処理が施されたアート紙やコート紙、ノンカーボン紙等に対応するようになってきており、これらの用紙は普通紙や再生紙に比べて表面が傷つきやすい。そのため、用紙高さを検知する際の用紙上面押さえつけによって、コロ312の跡が残ってしまい、出力された用紙の品質を損なってしまうことがある。
【0008】
特に、特開2011−73864号公報のように用紙に対しエアを吹き付ける度にコロを用紙上面から一時的に離間させる装置では、高速用紙搬送のためにコロの当接と離間が高速で繰り返される場合、用紙上面に対するコロの衝突力が大きくなってコロ跡が付きやすい。
【0009】
そこで、用紙上面に対する押し付け力を弱めに設定することが考えられるが、そうすると厚紙のようにコシのある用紙を通紙する際に、用紙上面押し付け力が用紙のコシによる上向きの力に負けてしまい、用紙上面位置の正しい検出が出来ないおそれがある。さらに、硬い厚紙の場合はアクチュエータ310の先端のコロ312が当接する際の衝突音の発生も問題となることがある。
【0010】
本発明は、前記した問題点に鑑みてなされたものであり、用紙の紙種(記録媒体の種類)によらず用紙高さを確実に検知して用紙を確実に搬送すると共に、用紙高さ検知時の用紙へのダメージ、傷発生及び衝突音を防止できる記録媒体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、シート状記録媒体を積層状態で搭載可能な記録媒体搭載部と、前記積層状態の記録媒体にエアを吹き付けて最上位置の一枚の記録媒体を浮上させるエア吐出手段と、浮上させた当該最上位置の一枚の記録媒体を吸着して搬送する搬送手段と、前記積層状態の記録媒体の最上面に接触してその高さ位置を検知する上面位置検知手段とを備えた記録媒体供給装置において、前記記録媒体の最上面に対する前記上面位置検知手段の押し付け力を可変にする押し付け力可変機構を有する記録媒体供給装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、記録媒体の最上面に対する上面位置検知手段の押し付け力を可変にする押し付け力可変機構を設けたので、傷つきやすい記録媒体を使用する場合は当該押し付け力を低減することによって記録媒体が損傷するのを防止することができ、また硬い記録媒体を使用する場合も押し付け力を低減することによって衝突音を防止することができる。
また、コシの強い記録媒体を使用する場合は当該コシの強さに負けないように押し付け力を増大することによって、記録媒体の上面位置の正確な検出と、それによる記録媒体の確実な搬送が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の給紙装置を備えた画像形成装置の実施の一形態を示す外観図である。
【図2】画像形成装置本体の概略構成図である。
【図3】給紙装置の全体の概略構成図である。
【図4】給紙装置の内部構造を示す斜視図である。
【図5】給紙装置の内部構造を示す斜視図である。
【図6】吸着ベルトユニットを下から見た斜視図である。
【図7】吸着ベルトユニットを上から見た斜視図である。
【図8A】吸着ベルトユニットに設けられた押し付け力可変機構を上から見た斜視図であって、押し付け力を大にした状態の斜視図である。
【図8B】吸着ベルトユニットに設けられた押し付け力可変機構を上から見た斜視図であって、押し付け力を小にした状態の斜視図である。
【図9】押し付け力可変機構の側面図である。
【図10】(A)は操作レバーの固定時の側面図である。(B)は操作レバーの回動時の側面図である。
【図11】(A)は押し付けコロの側面図である。(B)は(A)のB−B線矢視断面図である。
【図12】従来のエア分離給紙装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面に基づき、本発明の記録媒体供給装置の実施形態について説明する。
なお、この実施形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0015】
(画像形成装置)
図1は、本発明の実施形態に係る給紙装置を備えた画像形成装置の実施の一形態を示す外観図である。
図1に示すように、この画像形成装置1は、画像形成装置本体2と、その画像形成装置本体2の一側面に接続されて、画像形成装置本体2に対して用紙を供給する給紙装置3とから構成されている。
【0016】
図2は、前記画像形成装置本体の概略構成図である。
図2に示すように、画像形成装置本体2は、4つのプロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkを備えている。各プロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkは、画像形成装置本体2に対して着脱可能に構成してある。各プロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。
【0017】
具体的には、各プロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkは、静電潜像担持体としての感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ6と、感光体5の表面にトナー像を形成する現像手段としての現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード8を備えている。
【0018】
図1において、各プロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkの上方には、露光手段としての露光装置9が配設されている。露光装置9は、各プロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkの感光体5にレーザ光を照射するように構成されている。
【0019】
一方、各プロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkの下方には、転写装置10が配設されている。転写装置10は、複数のローラ11〜14に掛け渡された無端状のベルトから成る中間転写ベルト15を有する。中間転写ベルト15は、複数のローラ11〜14のうちの1つが駆動ローラとして回転することによって、図の矢印に示す方向に周回走行可能に構成されている。
【0020】
4つの感光体5に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ16が配設されている。各一次転写ローラ16はそれぞれの位置で中間転写ベルト15の内周面を加圧しており、中間転写ベルト15の加圧された部分と各感光体5とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。また、中間転写ベルト15を掛け回した1つのローラ14に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ17が配設されている。この二次転写ローラ17は中間転写ベルト15の外周面を加圧しており、二次転写ローラ17と中間転写ベルト15とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。
【0021】
画像形成装置本体2内には、前記給紙装置3から供給された用紙を、二次転写ニップを通して機外に設けた排紙トレイ18へ案内するための搬送経路Rが配設されている。搬送経路Rにおいて、二次転写ローラ17の位置よりも用紙搬送方向上流側にはタイミングローラ19が配設されている。二次転写ローラ17の位置よりも用紙搬送方向下流側には、定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20の用紙搬送方向の下流側には、一対の排紙ローラ21が配設してある。
【0022】
定着装置20は、内部に加熱源を有する加熱ローラ20aと、その加熱ローラ20aを加圧する加圧ローラ20bを有する。加熱ローラ20aと加圧ローラ20bは互いに所定の圧力で接触しており、その接触部において定着ニップを形成している。
【0023】
以下、図2を参照して前記画像形成装置の基本的動作について説明する。
各プロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkの感光体5が図の反時計回りに回転駆動され、帯電ローラ6によって各感光体5の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置9から帯電された各感光体5の表面にレーザ光が照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として可視像化される。
【0024】
中間転写ベルト15を加圧するローラの1つが回転駆動し、中間転写ベルト15を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ16に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ16と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体5に形成された各色のトナー画像が、前記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト15上に順次重ね合わせて転写される。
【0025】
このようにして、中間転写ベルト15はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、転写後の各感光体5の表面には、中間転写ベルト15に転写しきれなかったトナーが残留している。この感光体5上に残留したトナーは、クリーニングブレード8によって除去される。
【0026】
用紙は、図1に示す給紙装置3から搬出され、この搬出された用紙は、タイミングローラ19によってタイミングを計られて、二次転写ローラ17と中間転写ベルト15との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ17に、中間転写ベルト15上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が付与され、二次転写ニップに転写電界が形成される。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト15上のトナー画像が用紙上に一括して転写される。
【0027】
トナー画像が転写された用紙は、定着装置20へと搬送される。定着装置20内で、用紙は加熱ローラ20aと加圧ローラ20bとの間に挟まれて加熱・加圧され、トナー画像が用紙上に定着される。その後、用紙は一対の排紙ローラ21によって排紙トレイ18に排出される。
【0028】
以上の説明は、用紙にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット4Y,4C,4M,4Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0029】
(給紙装置)
次に、図3〜図11に基づいて、本発明の記録媒体供給装置の実施形態に係る、給紙装置の構成について説明する。図3は給紙装置3の全体の概略構成図である。同図に示す給紙装置3は、複数枚の用紙Pを積層状態で搭載可能な記録媒体搭載部としての給紙トレイ32と、用紙を搬送する搬送手段としての吸着ベルト33と、搭載された用紙束の上面位置を検知する上面位置検知手段としての上面位置検知装置34と、上面位置検知装置34の検知結果に基づいて用紙束の上面の高さを所定の高さまで上昇させる図示しない押し上げ手段と、搭載された用紙束にエアを吹き付けて最上位置の一枚の用紙を浮上させるエア吐出手段としてのフロントブロワ35及びサイドブロワ36と、吸着ベルト33よりも用紙搬送方向の下流側に配設された一対の搬送ローラ37と、さらに下流側に配設された用紙検知センサ38を備える。
【0030】
前記上面位置検知装置34は、アクチュエータ40、フォトセンサ41、押し付け部材としての押し付けコロ42、付勢手段としての付勢レバー43と付勢コロ44を有する。ここで「付勢手段」とは弾性的な力を作用させる手段をいう。この上面位置検知装置34の詳細は後述する。
【0031】
給紙トレイ32は、給紙装置3の不図示の前扉を開くことにより、手前側に取り出し可能に構成されている。そして、給紙装置3から取り出した状態の給紙トレイ32に対して、用紙を交換又は補充することができるようになっている。この給紙トレイ32に搭載可能な用紙Pは、厚紙、はがき、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ等を含む。本発明の実施形態に係る給紙装置は、用紙以外のシート状の記録媒体として、OHPシートもしくはOHPフィルム等も供給可能に構成されている。
【0032】
図4は、本発明の給紙装置の内部構造を示す斜視図である。
図4に示すように、記録媒体搭載部としての給紙トレイ32は、上方が開放された箱状をなす。給紙トレイ32は、底板32aと、底板32a上に搭載された用紙束の搬送方向前端を位置決めするフロントフェンス32bと、前記用紙束の幅方向(搬送方向と直交する方向)の両端を位置決めする一対のサイドフェンス32cと、前記用紙束の搬送方向後端を位置決めするエンドフェンス32dとを有する。用紙の交換又は補充は、給紙トレイ32の上方から行う。
【0033】
給紙トレイ32のフロントフェンス32b側の上部に、前記吸着ベルト33等を有する吸着ベルトユニット48が、給紙トレイ32の上方を幅方向(図3で見て紙面に垂直方向)に横断する形で取り付けられている。この吸着ベルトユニット48に吸引ダクト49が接続されている。
【0034】
図5は、吸着ベルトユニット48を取り外した状態の図4の給紙装置を示す。
図5に示すように、フロントフェンス32bの上部近傍に一つのフロントエア吐出口35aが配設され、2つのサイドフェンス32cの上部に、それぞれ一対のサイドエア吐出口36a、36aが設けられている。これら吐出口35a、36aは、不図示のダクトを介して各フェンス内に配設されたブロワ(フロントブロワ35、サイドブロワ36)にそれぞれ接続されている。そして各吐出口35a、36aから吐出されたエアが、給紙トレイ32に搭載された用紙束の上層に吹き付けられるようになっている。
【0035】
図6は、図4に示す吸着ベルトユニット48を下方から見た斜視図である。図6に示すように、吸着ベルトユニット48は、吸着ベルト33と、吸着ベルト33を回転駆動させる駆動手段としての駆動モータ50と、吸着ベルトユニット48を不図示の吸引ブロワに接続する吸引ダクト49と、前記上面位置検知装置34を有する。
【0036】
吸着ベルト33は、駆動ローラ51と従動ローラ52との間に、所定の張力をかけた状態で掛け渡されている。駆動ローラ51に駆動モータ50が連結され、駆動モータ50があらかじめ設定された給紙タイミングで駆動されると、駆動ローラ51が回転駆動して吸着ベルト33が矢印方向に回転するようになっている。
【0037】
駆動ローラ51と従動ローラ52との間であって吸着ベルト33で囲まれた領域には、下向き(図6では上向き)の開口が形成された箱状の吸引チャンバ53が設けられている。この吸引チャンバ53は吸引ダクト49を介して不図示の吸引ブロワに接続されている。この不図示の吸引ブロワが駆動して、吸引ダクト49を介して吸引チャンバ53からエアが吸引されると、吸引チャンバ53の内部が負圧になる。これにより、吸着ベルト33に形成された複数の吸引口33aからエアが吸引され、その吸引されるエアによって吸着ベルト33の下面に用紙を吸着するようになっている。
【0038】
吸着ベルト33の従動ローラ52の側方に、従動ローラ52と平行に回動軸77が配置されている。この回動軸77の一端に、後述するアクチュエータ40が回動自在に取り付けられている。回動軸77の他端は、図8A及び図8Bのように、トルクリミッタ80とその軸部80aを介して、第1支持部材57のアクセス側(給紙装置3前面側)に図6、図7のように配置された多角柱状のグリップ78に連結されている。そして、このグリップ78を時計方向に回転させることによって、後述のフォトセンサ41の位置を低くし、この反対に反時計方向に回転させることによって、フォトセンサ41の位置を高くすることができるようになっている。
【0039】
図7は、図4の吸着ベルトユニット48を上から見た斜視図である。この図7から分かるように、吸着ベルトユニット48は、ユニットの主体となる水平で矩形板状をなす第1支持部材57と、この第1支持部材57よりも小さい第2支持部材58を有する。第1と第2の2つの支持部材57、58に分けているのは主として組立を容易にするためであり、これら2つの支持部材57、58を一体形の一つの支持部材にすることも可能である。第2支持部材58は板金で構成され、第1支持部材57の手前側部分に第2支持部材58とほぼ等大で形成された切欠き57a内に、複数のネジで取り付けられている。
【0040】
前記第2支持部材58に、図8A及び図8Bに示すように、上面位置検知装置34と、この上面位置検知装置34の押し付け力を可変にする押し付け力可変機構60が配置されている。この押し付け力可変機構60は一例であって、当該可変機構60を図示例以外の可変機構に置き換え可能であることは勿論である。なお、吸着ベルト33は吸着ベルトユニット48の下側に配置されているので、図7では第1支持部材57と第2支持部材58に隠れて見えない。
【0041】
第2支持部材58は、図7から分かるように、第1支持部材57の例えばほぼ半分の長さを有し、第2支持部材58の奥側端部は、第1支持部材57の長手方向のほぼ中央に位置している。第2支持部材58の上には、図8A及び図8Bに示すように、その長手方向に沿って板状の操作レバー62が配置されている。この操作レバー62は、そのほぼ中央部で例えば約160°の鈍角θを形成して折れ曲がっており、この折れ曲がった部分が支持部としての支軸63を介して第2支持部材58に回動自在に支持されている。操作レバー62の手前側端部は、第1支持部材57のアクセス側(給紙装置3前面側)の端まで延びてクランク状に下方に屈曲し、その端部に、樹脂製の操作部62aが取り付けられている。そして、この操作部62aの右隣に前述のグリップ78が配置される位置関係となっている。
【0042】
操作レバー62の支軸63よりも手前側の上面に、弾性部材としてのバネ材、この実施形態では矩形の板バネ64が2つのネジ65で取り付けられている。この板バネ64は、詳しくは図10(A)(B)のように手前側が斜め上方に屈曲し、この屈曲部64aの下面に、球体66が溶接又は接着等で取り付けられている。
【0043】
板バネ64の屈曲部64aの下方の操作レバー62に、前記球体66が通り抜け可能な大きさであって、球体66の直径の例えば約1.1倍よりは小さい1つの上貫通孔67が形成されている。また、操作レバー62の下側の第2支持部材58には、操作レバー62が支軸63を中心として回動した時の前記上貫通孔67の回動軌跡に対応するように、複数の下貫通孔68が等間隔で形成されている。この下貫通孔68は、球体66の直径よりも小さい(球体の直径の例えば約90%)円形の貫通孔である。
【0044】
操作レバー62を所定の位置に回動させると、球体66のほぼ下側半分が下貫通孔68のいずれか一つに嵌り込み(球体66の外周面は下貫通孔68に対して線接触)、図10(A)のように、支軸63を中心とする操作レバー62の回動がこの球体66を介してロックされるようになっている。すなわち、板バネ64、球体66及び上下の貫通孔67、68によって、操作レバー62のロック機構が構成されている。
【0045】
操作レバー62の回動位置を変えたい場合、操作レバー62の操作部62aを水平方向に右又は左方向に強く押す。このように操作部62aを押すと、図10(B)のように球体66が板バネ64の屈曲部64aの押し下げ力に抗して下貫通孔68から脱出し、球体66を第2支持部材58の上面で滑らせながら操作レバー62の回動が可能になる。そして球体66が隣接する別の下貫通孔68の位置まで来ると、板バネ64の屈曲部64aの押し下げ力で球体66が当該下貫通孔68に嵌り込む。
【0046】
操作部62aは、第1支持部材57のアクセス側(給紙装置3前面側)、すなわち給紙トレイ32の手前側端部に位置しているので、給紙トレイ32を装置本体から取り出すことなく容易に操作することができる。なお、この実施形態では操作レバー62を段階的にロックないし位置決めするようにしたが、板バネ64、球体66及び上下の貫通孔67、68に代えて、支軸63に例えばトルクリミッタを取り付けることにより、操作レバー62を無段階に位置決め可能にしてもよいことは勿論である。
【0047】
第2支持部材58の奥側には、図8A及び図8Bに示すように板状の付勢レバー43が設けられている。この付勢レバー43は、その上端に近い部分が第2支持部材58の奥側端部に設けられた支点としての支軸72に回動自在に支持され、この支軸72を中心にして上下方向に回動自在とされている。支軸72は図9から分かるように、前記回動軸77を基準として上方に所定距離Dだけ離間して配置されている。付勢レバー43の下端部は斜め下方に向かって延び、その先端に付勢コロ44が回転自在に取り付けられている。
【0048】
付勢レバー43の上端部に図9のようにL字状のバネ掛け部43aが形成され、このバネ掛け部43aに、弾性部材としての引張バネ74の一端が掛け止めされている。この引張バネ74の他端は、操作レバー62の奥側端部に形成されたL字状のバネ掛け部62bに掛け止めされている。つまり、引張バネ74の他端は、操作レバー62とその支軸63を介して、位置変更可能に第1支持部材57に支持されている。従って、付勢レバー43は図8A及び図8Bで常時引張バネ74によって反時計方向に回動付勢されている。
【0049】
なお、引張バネ74は弾性部材の一例であって、この引張バネ74を他の弾性部材に置き換え可能であることは勿論である。押し付け力可変機構60の変形により、弾性部材として例えば捩りバネを使用することが可能である。このような捩りバネは、例えば支軸72の回りに配置することができ、捩りバネの一端を付勢レバー43に掛け止めし、他端を例えば回転操作部材に連結する構成が可能である。
【0050】
前述した回動軸77は、トルクリミッタ80の拘束力によって、自由な回動が規制されるようになっている。トルクリミッタ80としては、例えば公知のコイルスプリング方式やパウダー方式を使用可能である。グリップ78は、このトルクリミッタ80に抗して回動軸77を無段階に回動させるためのものである。なお、トルクリミッタ80に代えて、段階的に回動位置をロックするロック部材を設けてもよい。
【0051】
回動軸77の奥側端部に、前記アクチュエータ40が回動自在に取り付けられている。また、このアクチュエータ40の近傍の回動軸77に、投光部と受光部が対向配置された一体形のフォトセンサ41がブラケット79を介して取り付けられている。フォトセンサ41はアクチュエータ40の回動位置を検知するためのもので、接触式又は非接触式にかかわらず、同等の機能を有する他のセンサに代替可能なことは勿論である。
【0052】
アクチュエータ40は板金をゲート状(門形)に折り曲げ形成したもので、アクチュエータ40の片側に、板状のフィラー40aが形成されている。そして、このフィラー40aを両側から挟むようにして、フォトセンサ41の投光部と受光部が配置され、フォトセンサ41によって、アクチュエータ40が所定の回動位置に到達したか否かが検知されるようになっている。一方、アクチュエータ40の反対側に、水平に延びたアーム部40bが形成され、このアーム部40bの先端に、用紙最上面を加圧するための押し付けコロ42が支軸45によって回転自在に取り付けられている。この押し付けコロ42は、給紙トレイ32の幅方向ほぼ中央に位置し、その支軸45を給紙方向と直交する方向に向けている。
【0053】
アクチュエータ40のフィラー40aとアーム部40bは、ほぼ水平な連結板部40cで連結され、この連結板部40cの上面に、図8A、図8B及び図9に示すように、前記付勢コロ44が所定の接触圧で接触している。従って、アクチュエータ40は付勢コロ44の付勢力によって、回動軸77を中心として図9で反時計方向に付勢され、押し付けコロ42が用紙最上面の幅方向ほぼ中央に所定の押し付け力を与えている。
【0054】
この実施形態では、アクチュエータ40を引張バネ74で直接付勢しないで、付勢レバー43と付勢コロ44を介して間接的に付勢する構成としている。これは、支軸72を中心とした付勢レバー43のレバー比によって、引張バネ74の付勢力を大きく低減し、もって相対的に大きなバネ定数の引張バネ74を使用可能とするためである。これにより、操作レバー62の少ない回動量で必要な押し付け力の変化を生じさせることができる。また、引張バネ74のバネ定数を大きくすることで、バネスペース(巻数とバネ径)の低減並びに製造コストの低減が可能である。
【0055】
押し付けコロ42が用紙束の上面に接触している状態で、用紙が供給され用紙束の上面位置(高さ)が低くなると、それに追随してアクチュエータ40が回動軸77を中心として揺動する。そして、このアクチュエータ40の揺動に伴うフィラー40aの変位をフォトセンサ41が検知するようになっている。また、そのときのフォトセンサ41の検知信号に基づいて図示しない押上げ手段が給紙トレイ32の底板32aを上昇させて、用紙束の上面から吸着ベルト33までの高さh(図3参照)を所定の高さに維持するように構成されている。
【0056】
押し付けコロ42は、図11に示すように、中空円筒状の樹脂からなる芯材42aと、この芯材42aの外周に嵌め込まれた、弾性部材としてのゴム製円筒状の押し付け部42bを有する。押し付け部42bはゴム以外の弾性部材で置き換え可能であることは勿論である。
【0057】
押し付け部42bの左右両端の周縁部は、芯材42aの外周面に形成された環状溝42cに嵌め込まれており、押し付け部42bの幅方向中央は、半径方向外側に円弧状に膨らんでいる。これにより、押し付けコロ42は、コロの幅方向両側よりも幅方向中央で大径となっている(φD’<φD)。そして押し付け部42bの内側(少なくとも幅方向中央の大径部分の内側)に形成された空隙部42dによって、当該押し付け部42bが適度の弾性を有するようになっている。
【0058】
なお、前記空隙部42dは必要に応じて芯材42aの半径方向に孔部42eを形成することによってボア部42fと連続させることが可能である。こうすることで、孔部42eを介して空隙部42dに対する空気の出入りを許容することができ、押しつけ部42bが弾性変形しやすくなる。
【0059】
押し付けコロ42は空隙部42d或いはボア部42fによって中空構造とされているため、軽量化及び材料節減によるコストダウンが可能である。また前記孔部42eも、同様に軽量化と材料節減に資することは勿論である。なお、ボア部42fは図9のように押し付けコロ42の支軸45を挿入するための孔である。
【0060】
このように、押し付けコロ42はその外径が幅方向中央から両側にかけて次第に小さくなる形状に成形されているので、用紙に対する接紙面積を小さくすることができ、これにより用紙へのダメージ、傷発生の範囲を縮小することができる。また、押し付け部42bが適度の弾性を有しているので、表面が傷つきやすいノンカーボン紙等の出力時の用紙品質を損なうことなく通紙が可能となり、機器としての用紙対応力を強化することができる。
【0061】
(給紙動作)
次に、給紙装置の給紙動作(給紙方法)について説明する。
画像形成装置本体から給紙指令が発せられると、ブロワ(フロントブロワ35及びサイドブロワ36)から搭載された用紙束の上層の用紙にエアを吹き付け、同時に吸着ベルト33のエア吸引を開始する。これにより、用紙束の最上位置にある1枚目の用紙を2枚目以降の用紙と分離しつつ吸着ベルト33の高さhまで浮上させ、吸着ベルト33の下面に吸着する。そして、1枚目の用紙を吸着ベルト33に吸着した状態で、吸着ベルト33と搬送ローラ37との回転を開始し1枚目の用紙を搬送する。
【0062】
その後、1枚目の用紙が図3の用紙検知センサ38に到達して検知されたら、吸着ベルト33の回転を停止する。搬送ローラ37は、吸着ベルト33が停止した状態で用紙の搬送を継続する。アクチュエータ40の押し付けコロ42が2枚目の用紙の上面に接触し、用紙束の上面位置の検知を行う。用紙束の上面位置を検知した結果、その上面位置が予め設定された基準高さを下回っている場合は、図示しない押上げ手段によって給紙トレイ32の底板32aを上昇させて、用紙束の上面から吸着ベルト33までの高さh(距離)が所定の値となるように高さ調整する。また、検知した用紙束の上面位置が予め設定された基準高さを下回っていない場合は、高さ調整は行わない。
【0063】
(用紙押し付け力の増減操作)
次に、用紙押し付け力の増減操作について説明する。
通常の用紙(普通紙)を搬送する時は、操作レバー62を図8Aの位置にして使用するが、表面に塗工処理が施されたアート紙やコート紙、ノンカーボン紙、或いはOHPフィルムなどの損傷しやすい記録媒体を搬送する時は、操作レバー62の操作部62aを手で持って同レバー62を図8A及び図9で反時計方向に回動させ、図8Bの位置に回動させる。この際、操作レバー62の操作部62aは、第1支持部材57のアクセス側(給紙装置3前面側)、すなわち給紙トレイ32の手前側端部に位置しているので、給紙トレイ32を装置本体から取り出すことなく容易に操作可能である。
【0064】
このように操作レバー62を反時計方向に回動させると、操作レバー62の先端側が引張バネ74を緩める方向(図8Bで右方向)に移動するので、付勢レバー43の付勢力が低下する。このため、付勢コロ44によるアクチュエータ40への当接圧が低下し、押し付けコロ42による用紙の押し付け力が低下する。従って、傷つきやすい記録媒体に押し付けコロ42が当接しても、当該記録媒体が損傷するのを防止することができる。また、前述した押し付けコロ42の素材、形状、構造は、このような記録媒体の損傷防止を一層確実なものとする。
【0065】
この反対に、傷つき難くコシが強い厚紙などの記録媒体を搬送する場合は、押し付けコロ42の押し付け力が弱いと記録媒体のコシの強さに押し付けコロ42の押し付け力が負けてしまうので、この場合は押し付けコロ42による押し付け力を増大させる。すなわち、用紙に対する押し付け力を増大させるために、操作レバー62の操作部62aを手で持って、同レバー62を図8A及び図9で時計方向に回動させる。
【0066】
これにより、引張バネ74が操作レバー62によってより強く引っ張られ、付勢レバー43の付勢コロ44によるアクチュエータ40への当接力が増大し、押し付けコロ42による記録媒体の上面に対する押し付け力が増大する。これにより、厚紙などの記録媒体のコシの強さに負けない押し付け力が得られ、用紙上面位置の正確な検出とそれによる確実な記録媒体の搬送が可能になる。
また、前述した押し付けコロ42の素材、形状、構造は、コシの強い記録媒体に押し付けコロ42が当接する際の衝突音の発生を抑制する効果を発揮する。また、操作レバー62で押し付けコロ42による用紙の押し付け力を調整することでも、当該衝突音の発生を抑制することができる。
【0067】
(用紙上面位置の高さ調整)
次に、用紙上面位置の高さhの調整について説明する。
給紙動作で説明したように、用紙束の上面位置が予め設定された基準高さを下回っている場合は、給紙トレイ32の底板32aを上昇させることによって用紙束の上面から吸着ベルト33までの高さh(距離)が所定の値となるように高さ調整する。用紙束の上面位置が予め設定された基準高さを下回っているか否かは、押し付けコロ42が取り付けられたアクチュエータ40のフィラー40aが、フォトセンサ41を遮光するか否かによって判定される。
【0068】
用紙束上面位置が下がってくると、図9に示すフィラー40aの遮光部が、回動軸77を中心とするアクチュエータ40の反時計方向の回動と共に下がってくる。そして、この遮光部がフォトセンサ41の光軸を遮った時の押し付けコロ42の高さで、押し上げ手段によって給紙トレイ32の底板32aを上昇させ始める。すなわち、押し上げ手段がフォトセンサ41からの信号を受けて、給紙トレイ32の底板32aを上昇させることによって前記高さ調整が開始される。この高さ調整により、フィラー40aの遮光部が上昇し、フォトセンサ41の投光部の光が受光部へ再び通るようになると、高さ調整が終了する(高さhが所定の値となる)。
【0069】
一般的な給紙装置では、用紙束の上面から吸着ベルト33までの高さhは一定とされている。しかし、この高さhが一定であると、普通紙とは厚さが異なる薄紙や厚紙を搬送する場合に問題がある。すなわち、薄紙の場合は最上位置の用紙とその下側の用紙が分離しにくく、用紙が複数枚の束として吸着ベルト33に吸着されてそのまま搬送(重送)されてしまうことがある。また、厚紙などのように秤量(g/m2)が大きい場合は吸着ベルト33に吸着されるまでに時間がかかるため、吸着ベルト33に吸着されないで空送りが発生することがある。この実施形態では、搬送する用紙の種類に応じて、グリップ78を回転することにより前記高さhを増減調整可能とした。
【0070】
すなわち、薄紙を搬送する場合はグリップ78を図7で時計方向に必要所定量だけ回転させる。これにより、当該グリップ78に連結された回動軸77が同方向に回転してフォトセンサ41の位置が低くなる。そして、その低くなった分だけ、前記押し上げ手段によって給紙トレイ32の底板32aを上昇させる際に、フィラー40aの遮光部がフォトセンサ41の光軸から抜けるのが早まる。この結果、押し上げ手段による給紙トレイ32の底板32aの上昇時間が短くなって前記高さhが増大し、薄紙が確実に分離されるようになる。
【0071】
一方、厚紙を搬送する場合はグリップ78を図7で反時計方向に必要所定量だけ回転させる。これにより、当該グリップ78に連結された回動軸77が同方向に回転してフォトセンサ41の位置が高くなる。そして、その高くなった分だけ、前記押し上げ手段によって給紙トレイ32の底板32aを上昇させる際に、フィラー40aの遮光部がフォトセンサ41の光軸から抜けるのが遅れる。この結果、押し上げ手段による給紙トレイ32の底板32aの上昇時間が長くなって前記高さhが減少し、厚紙などの秤量が大きい記録媒体も確実に吸着ベルト33に吸着されるようになる。
【0072】
薄紙の場合も厚紙の場合も、グリップ78は無段階に回転調整可能であるので、用紙上面高さhを細かく調整することができ、薄紙から厚紙までその秤量にかかわらず正常に給紙ができることで用紙対応力を強化することができる。グリップ78は第1支持部材57のアクセス側(給紙装置3前面側)、すなわち給紙トレイ32の手前側端部に位置しているので、給紙トレイ32を装置本体から取り出すことなく用紙上面高さhを容易に調整可能である。用紙上面位置の高さhの調整は、以上のようにして行うことができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。また、本発明に係る給紙装置(記録媒体供給装置)は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、その他の複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に設けることも可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体
3 給紙装置(記録媒体供給装置)
32 給紙トレイ(記録媒体搭載部)
33 吸着ベルト(搬送手段)
34 上面位置検知装置(上面位置検知手段)
35 フロントブロワ(エア吐出手段)
36 サイドブロワ(エア吐出手段)
40 アクチュエータ
40a フィラー
41 フォトセンサ
42 押し付けコロ
43 付勢レバー
44 付勢コロ
48 吸着ベルトユニット
57 第1支持部材(支持部材)
58 第2支持部材(支持部材)
60 押し付け力可変機構
62 操作レバー
74 引張バネ(弾性部材)
77 回動軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】
【特許文献1】特開2001−247229号公報
【特許文献2】特開2007−45630号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状記録媒体を積層状態で搭載可能な記録媒体搭載部と、前記積層状態の記録媒体にエアを吹き付けて最上位置の一枚の記録媒体を浮上させるエア吐出手段と、浮上させた当該最上位置の一枚の記録媒体を吸着して搬送する搬送手段と、前記積層状態の記録媒体の最上面に接触してその高さ位置を検知する上面位置検知手段とを備えた記録媒体供給装置において、
前記記録媒体の最上面に対する前記上面位置検知手段の押し付け力を可変にする押し付け力可変機構を有する記録媒体供給装置。
【請求項2】
前記上面位置検知手段が、前記記録媒体搭載部の上方に配置された支持部材に回動自在に支持されたアクチュエータと、前記アクチュエータの先端に取り付けられ前記記録媒体の最上面に接触する押し付け部材と、前記アクチュエータの先端を下方に付勢する付勢手段を有する請求項1の記録媒体供給装置。
【請求項3】
前記付勢手段が弾性部材を有し、前記弾性部材の一端が前記押し付け力可変機構を介して前記支持部材に支持されると共に、他端が前記アクチュエータに連結された請求項2の記録媒体供給装置。
【請求項4】
前記押し付け力可変機構が、前記支持部材の幅方向に延びて一端に前記弾性部材としてのバネが連結されると共に、他端が前記支持部材のアクセス側において操作部を形成する操作レバーと、前記操作レバーの中間部分を前記支持部材に回動自在に支持する支持部と、前記操作レバーを所定の回動位置でロックするロック機構を有する請求項3の記録媒体供給装置。
【請求項5】
前記付勢手段が、前記バネによって付勢され前記アクチュエータの回動軸から離間した支点を中心として回動自在な付勢レバーと、前記付勢レバーの先端に取り付けられて前記アクチュエータを付勢する付勢コロを有する請求項2から4のいずれか1の記録媒体供給装置。
【請求項6】
前記押し付け部材を押し付けコロで構成すると共に、当該押し付けコロをコロの幅方向両側よりも幅方向中央で大径にした請求項5の記録媒体供給装置。
【請求項7】
前記押し付けコロの外周を弾性部材で構成すると共に、当該弾性部材の幅方向中央の大径部分の内側に空隙部を形成した請求項6の記録媒体供給装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1の記録媒体供給装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−95565(P2013−95565A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241111(P2011−241111)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】