記録媒体分別装置、消色装置及び記録媒体分別方法
【課題】ジャムを引き起こす可能性のある記録媒体を効率よく分別する記録媒体分別装置、消色装置及び記録媒体分別方法を提供する。
【解決手段】消色装置は、記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイドと、この第1の搬送ガイドとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイドと、この第2の搬送ガイドを開閉させる変位装置と、を備える記録媒体分別装置と、制御部と、を有し、制御部は、この記録媒体分別装置内にてジャムが発生したと判定したとき、第2の搬送ガイドを開放してジャムを起こした記録媒体を回収する。
【解決手段】消色装置は、記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイドと、この第1の搬送ガイドとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイドと、この第2の搬送ガイドを開閉させる変位装置と、を備える記録媒体分別装置と、制御部と、を有し、制御部は、この記録媒体分別装置内にてジャムが発生したと判定したとき、第2の搬送ガイドを開放してジャムを起こした記録媒体を回収する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、記録媒体分別装置、消色装置及び記録媒体分別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
資源の節約のため、消色可能な現像材を使用して画像形成を行うことがある。消色可能な現像材としては熱によって色が消えるトナー、インクなどがある。この消色可能な現像材によって画像形成された記録媒体は、消色装置によって加熱され、消色されたのちに再利用される。
【0003】
しかし、消色装置に投入される使用済みの記録媒体はクリップやホチキスによって複数枚とめられていることがある。この複数枚とめられた記録媒体は搬送されると記録媒体搬送機構の途中にてジャムを起こし、消色装置の故障を引き起こす。
【0004】
この点に関し、重送検知センサにより重送を検知する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3061377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、重送検知センサによって検知できない場合が存在する。従って、ジャムを引き起こす可能性のある記録媒体を効率よく分別する記録媒体分別装置、消色装置及び記録媒体分別方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱ローラと、曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、記録媒体を前記間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとの間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき変位機構に第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開放させる制御部と、を備える消色装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置の側面図である。
【図2】第1の実施形態の記録媒体分別装置の構造を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の記録媒体分別装置内にてジャムが発生した時の様子を示す図である。
【図4】第1の実施形態の第2の搬送ガイドが開放された状態を示す図である。
【図5】第1の実施形態のジャムを起こした記録媒体の回収動作を示す図である。
【図6】第1の実施形態の消色装置の構成を示す図である。
【図7】第2の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置の側面図である。
【図8】第2の実施形態の第1の搬送ガイドの構造を示す斜視図である。
【図9】第2の実施形態の第2の搬送ガイドの構造を示す斜視図である。
【図10】第2の実施形態の記録媒体分別装置の構造を示す斜視図である。
【図11】第2の実施形態の記録媒体分別装置のX4矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、記録媒体分別装置、消色装置、及び記録媒体分別方法の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
本実施形態の消色装置は、記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱ローラと、曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、記録媒体を間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとの間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき変位機構に第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開放させる制御部と、を備える。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置10の側面図である。図1に示すように、消色装置10は、消色する記録媒体を載置する入口トレイ101と、入口トレイ101に載置された記録媒体を一枚ずつ取り出すピックアップローラ102と、記録媒体の通過を検知する通過センサ103と、記録媒体の重送を検知する重送センサ104と、記録媒体の厚さを検知する厚さセンサ105と、記録媒体を搬送する搬送ローラ106と、記録媒体を識別し、分別する記録媒体分別装置200と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱装置である加熱ローラ107と、記録媒体上の画像が消色されているかを検知する画像検知センサ108と、記録媒体の搬送路を切り替える切り替え装置109と、再利用可能な記録媒体を蓄積する再利用ボックス110と、再利用不可能な記録媒体を蓄積する廃棄ボックス111と、制御部と、を備える。
【0012】
重送センサ104は例えば超音波を記録媒体の一方の面から他方の面に向けて通過させ、通過した超音波のレベルを出力する。制御部はこのレベルに基づいて重送を判定する。
【0013】
厚さセンサ105は記録媒体にアクチュエータを当接させ、このアクチュエータの動きを永久磁石に伝え、永久磁石の動きを磁気センサによって検知し、記録媒体の厚みに応じた信号を出力する。制御部はこの出力信号に基づいて記録媒体の厚さを判定する。
【0014】
加熱装置である加熱ローラ107は金属によって形成され、内部にヒータを有する。加熱ローラ107は記録媒体上の消色可能な現像材を消色温度以上に加熱して記録媒体を消色する。
【0015】
加熱装置は記録媒体を消色温度以上に加熱できればよく、熱源は問わない。加熱装置は例えば、サーマルヘッド、ハロゲンヒーター、グラファイトヒーター、IH(Induction Heater)、発熱ランプを内蔵した熱伝導性材料によって形成されるローラなど、を採用できる。
【0016】
加熱装置は記録媒体に接触せずに加熱する熱源を採用できる。
【0017】
消色可能な現像材は、呈色性化合物、顕色剤、消色剤を含む。呈色性化合物は、例えばロイコ染料が挙げられる。顕色剤は、例えばフェノール類が挙げられる。消色剤は、加熱されると呈色性化合物と相溶し、顕色剤と親和性を有さない物質が挙げられる。
【0018】
消色可能な現像材は、呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色し、消色温度以上の加熱により呈色性化合物と顕色剤との相互作用が絶たれるため、消色する。
【0019】
画像検知センサ108は、例えばラインセンサ、CMOSセンサなどの光学画像センサを用いることができる。画像検知センサ108の出力はA/Dコンバータによりディジタルデータに変換され、制御部に出力される。
【0020】
制御部は、このディジタルデータに基づいて、消色されなかった画像が記録媒体上に存在するかを判定する。
【0021】
消色されなかった画像が存在することにより再利用不可能と判定された記録媒体は、切り替え装置109によって切り替えられた記録媒体搬送路を経由して廃棄ボックス111に蓄積される。
【0022】
記録媒体分別装置200は、第2の搬送ガイド202と、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路に設置され、記録媒体の有無を検知する第1ジャムセンサ203と、第2の搬送ガイド202の記録媒体搬送方向下流に設置され、記録媒体の有無を検知する第2ジャムセンサ204と、を備える。
【0023】
記録媒体分別装置200は、加熱ローラ107の記録媒体搬送方向上流に設置される。
【0024】
図2は、第1の実施形態の記録媒体分別装置200の構造を示す斜視図である。図2に示すように、記録媒体分別装置200は凸型形状をなし、記録媒体搬送路の一方の面をなす第1の搬送ガイド202Aと、第1の搬送ガイド202Aの外側を覆うように、第1の搬送ガイド202Aに対向して配置され、記録媒体搬送路の他の面をなす第2の搬送ガイド202Bと、第2の搬送ガイド202Bを第1の搬送ガイド202Aの方向に往復移動させる変位装置202Cと、を備える。
【0025】
記録媒体は第1の搬送ガイド202Aと第2の搬送ガイド202Bとの間隙を搬送される。
【0026】
記録媒体分別装置200は、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド202Aと、この第1の搬送ガイド202Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド202Bと、この第2の搬送ガイド202Bを開閉させる変位装置202Cと、を備える。
【0027】
記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド202Aの凸部に沿って曲面をなしている。すなわち、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド202Aの凸部の曲率半径rと等しい曲面を描く。この曲率半径rは、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。
【0028】
記録媒体がジャムを起こすのは、記録媒体搬送路の曲面の部分である。曲面の曲率半径が小さいほどジャムは起こりやすい。ここで、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路の曲面の曲率半径rは記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。従って、記録媒体分別装置200が有する曲面を通過できる記録媒体は、記録媒体分別装置200より下流の曲面をジャムを起こさずに通過できる。
【0029】
図3は、第1の実施形態の記録媒体分別装置200内にてジャムが発生した時の様子を示す図である。図3に示すように、記録媒体分別装置200の入り口に設置される投入ローラ202Dは記録媒体Pを記録媒体分別装置200内に搬送する。
【0030】
第1ジャムセンサ203及び第2ジャムセンサ204は、記録媒体の有無を検知し、信号を制御部に出力する。制御部は第1ジャムセンサ203が記録媒体を検知し、第2ジャムセンサ204が記録媒体を検知しない状態があらかじめ定められる閾値時間以上継続する場合、ジャムが発生したと判定する。
【0031】
制御部は、ジャムが発生したと判定した場合、投入ローラ202Dの駆動を停止する。
【0032】
図4は、第1の実施形態の第2の搬送ガイド202Bが開放された状態を示す図である。図4に示すように、制御部は、記録媒体分別装置200内にてジャムが発生したと判定した場合、変位装置202Cのソレノイドを駆動させて第2の搬送ガイド202Bを第1の搬送ガイド202Aと反対の方向、すなわち矢印X1方向に変位させて記録媒体搬送路を開放する。
【0033】
図5は、第1の実施形態のジャムを起こした記録媒体の回収動作を示す図である。図5に示すように、制御部は投入ローラ202Dを駆動させてジャムを起こした記録媒体を下方の回収ボックスに、矢印X2方向に落下させる。
【0034】
次に、制御部は、第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しないとき、変位装置202Cのソレノイドを駆動させて第2の搬送ガイド202Bを矢印X1方向と反対の方向に変位させて記録媒体搬送路を閉じる。
【0035】
制御部は投入ローラ202Dを一定時間駆動させても第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しているときは、故障と判定してコントロールパネル402にその旨を表示する。
【0036】
図6は、第1の実施形態の消色装置10の構成を示す図である。図6に示すように、消色装置10は、制御部であるメインCPU401と、表示装置であるコントロールパネル402と、記憶装置であるROM・RAM403と、を備える。
【0037】
また、メインCPU401は、加熱ローラ107と、重送センサ104と、厚さセンサ105と、第1ジャムセンサ203と、第2ジャムセンサ204と、記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置208と、変位装置202Cとに接続する。
【0038】
以上のべたように、本実施形態の消色装置10は、記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド202Aと、この第1の搬送ガイド202Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド202Bと、この第2の搬送ガイド202Bを開閉させる変位装置202Cと、を備える記録媒体分別装置200と、制御部と、を有し、制御部は、この記録媒体分別装置200内にてジャムが発生したと判定したとき、第2の搬送ガイド202Bを開放してジャムを起こした記録媒体を回収する。
【0039】
従って、ジャムを引き起こす可能性のある記録媒体を効率よく分別することができるという効果がある。
【0040】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置10の側面図である。図7に示すように、消色装置10は、消色する記録媒体を載置する入口トレイ101と、入口トレイ101に載置された記録媒体を一枚ずつ取り出すピックアップローラ102と、記録媒体の通過を検知する通過センサ103と、記録媒体の重送を検知する重送センサ104と、記録媒体の厚さを検知する厚さセンサ105と、記録媒体を搬送する搬送ローラ106と、記録媒体を識別し、分別する記録媒体分別装置300と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱ローラ107と、記録媒体上の画像が消色されているかを検知する画像検知センサ108と、記録媒体の搬送路を切り替える切り替え装置109と、再利用可能な記録媒体を蓄積する再利用ボックス110と、再利用不可能な記録媒体を蓄積する廃棄ボックス111と、制御部と、を備える。
【0041】
重送センサ104、厚さセンサ105、加熱ローラ107、及び画像検知センサ108の構成及び動作は第1の実施形態における重送センサ104、厚さセンサ105、加熱ローラ107、及び画像検知センサ108の構成及び動作と同様である。
【0042】
記録媒体分別装置300は、第2の搬送ガイド302と、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路に設置される第1ジャムセンサ203と、第2の搬送ガイド302の記録媒体搬送方向下流に設置される第2ジャムセンサ204と、を備える。
【0043】
記録媒体分別装置300は、加熱ローラ107の記録媒体搬送方向上流に設置される。
【0044】
図8は、第2の実施形態の第1の搬送ガイド302Aの構造を示す斜視図である。図8に示すように、記録媒体分別装置300は凸型形状をなし、記録媒体搬送路の一方の面をなす第1の搬送ガイド302Aを備える。
【0045】
図9は、第2の実施形態の第2の搬送ガイド302Bの構造を示す斜視図である。図9に示すように、記録媒体分別装置300は第1の搬送ガイド302Aの外側を覆うように、第1の搬送ガイド302Aに対向して配置され、記録媒体搬送路の他の面をなす第2の搬送ガイド302Bと、第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向と垂直方向、すなわち矢印X3方向に往復移動させる変位装置302Cと、を備える。
【0046】
記録媒体は第1の搬送ガイド302Aと第2の搬送ガイド302Bとの間隙を搬送される。
【0047】
変位装置302Cは、モータ303と、モータ303に接続される歯車303Aと、歯車303Aとかみ合う歯を有し、第2の搬送ガイド302Bに設置されるプレート302B1と、を備える。
【0048】
変位装置302Cは、正転又は反転することにより第2の搬送ガイド302Bを開放させ、又は閉じる。
【0049】
図10は、第2の実施形態の記録媒体分別装置300の構造を示す斜視図である。図10に示すように、記録媒体分別装置300は、二組の第1の搬送ガイド302A及び第2の搬送ガイド302Bを備える。記録媒体は矢印X4の方向に、第1の搬送ガイド302Aと第2の搬送ガイド302Bとによって形成される搬送路を搬送される。
【0050】
図11は、第2の実施形態の記録媒体分別装置300のX4矢視図である。図11に示すように、第2の搬送ガイド302Bは記録媒体搬送路内側に向かって、下方に傾斜している。
【0051】
従って、第2の搬送ガイド302Bが開放されたときにジャムを起こした記録媒体をより効率よく落下させることができる。
【0052】
記録媒体分別装置300は、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド302Aと、この第1の搬送ガイド302Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド302Bと、この第2の搬送ガイド302Bを開閉させる変位装置302Cと、を備える。
【0053】
記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド302Aの凸部に沿って曲面をなしている。すなわち、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド302Aの凸部の曲率半径rと等しい曲面を描く。この曲率半径rは、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。
【0054】
記録媒体がジャムを起こすのは、記録媒体搬送路の曲面の部分である。曲面の曲率半径が小さいほどジャムは起こりやすい。ここで、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路の曲面の曲率半径rは記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。従って、記録媒体分別装置300が有する曲面を通過できる記録媒体は、記録媒体分別装置300より下流の曲面をジャムを起こさずに通過できる。
【0055】
記録媒体分別装置300内にてジャムが発生した場合について説明する。記録媒体分別装置300の入り口に設置される投入ローラは記録媒体Pを記録媒体分別装置300内に搬送する。
【0056】
第1ジャムセンサ203及び第2ジャムセンサ204は、記録媒体の有無を検知し、信号を制御部に出力する。制御部は第1ジャムセンサ203が記録媒体を検知し、第2ジャムセンサ204が記録媒体を検知しない状態があらかじめ定められる閾値時間以上継続する場合、ジャムが発生したと判定する。
【0057】
制御部は、ジャムが発生したと判定した場合、投入ローラの駆動を停止する。制御部は、記録媒体分別装置300内にてジャムが発生したと判定した場合、変位装置302Cのモータ303を駆動させて第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に変位させて記録媒体搬送路を開放する。
【0058】
制御部は投入ローラを駆動させてジャムを起こした記録媒体を下方の回収ボックスに落下させる。
【0059】
次に、制御部は、第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しないとき、変位装置302Cのモータ303を駆動させて第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向に対して垂直方向内側に変位させて記録媒体搬送路を閉じる。
【0060】
制御部は投入ローラを一定時間駆動させても第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しているときは、故障と判定してコントロールパネル402にその旨を表示する。
【0061】
なお、消色装置10の構成は図6に示す第1の実施形態における消色装置10の構成と同様である。
【0062】
以上のべたように、本実施形態の消色装置10は、記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド302Aと、この第1の搬送ガイド302Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド302Bと、この第2の搬送ガイド302Bを開閉させる変位装置302Cと、を備える記録媒体分別装置300と、制御部と、を有し、制御部は、この記録媒体分別装置300内にてジャムが発生したと判定したとき、第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に開放してジャムを起こした記録媒体を回収する。
【0063】
従って、ジャムを引き起こす可能性のある記録媒体を効率よく分別することができる消色装置10をより小型化できるという効果がある。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
300:記録媒体分別装置
302A:第1の搬送ガイド
302B:第2の搬送ガイド
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、記録媒体分別装置、消色装置及び記録媒体分別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
資源の節約のため、消色可能な現像材を使用して画像形成を行うことがある。消色可能な現像材としては熱によって色が消えるトナー、インクなどがある。この消色可能な現像材によって画像形成された記録媒体は、消色装置によって加熱され、消色されたのちに再利用される。
【0003】
しかし、消色装置に投入される使用済みの記録媒体はクリップやホチキスによって複数枚とめられていることがある。この複数枚とめられた記録媒体は搬送されると記録媒体搬送機構の途中にてジャムを起こし、消色装置の故障を引き起こす。
【0004】
この点に関し、重送検知センサにより重送を検知する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3061377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、重送検知センサによって検知できない場合が存在する。従って、ジャムを引き起こす可能性のある記録媒体を効率よく分別する記録媒体分別装置、消色装置及び記録媒体分別方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱ローラと、曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、記録媒体を前記間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとの間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき変位機構に第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開放させる制御部と、を備える消色装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置の側面図である。
【図2】第1の実施形態の記録媒体分別装置の構造を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の記録媒体分別装置内にてジャムが発生した時の様子を示す図である。
【図4】第1の実施形態の第2の搬送ガイドが開放された状態を示す図である。
【図5】第1の実施形態のジャムを起こした記録媒体の回収動作を示す図である。
【図6】第1の実施形態の消色装置の構成を示す図である。
【図7】第2の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置の側面図である。
【図8】第2の実施形態の第1の搬送ガイドの構造を示す斜視図である。
【図9】第2の実施形態の第2の搬送ガイドの構造を示す斜視図である。
【図10】第2の実施形態の記録媒体分別装置の構造を示す斜視図である。
【図11】第2の実施形態の記録媒体分別装置のX4矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、記録媒体分別装置、消色装置、及び記録媒体分別方法の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
本実施形態の消色装置は、記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱ローラと、曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、記録媒体を間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとの間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき変位機構に第2の搬送ガイドを変位させて記録媒体搬送路を開放させる制御部と、を備える。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置10の側面図である。図1に示すように、消色装置10は、消色する記録媒体を載置する入口トレイ101と、入口トレイ101に載置された記録媒体を一枚ずつ取り出すピックアップローラ102と、記録媒体の通過を検知する通過センサ103と、記録媒体の重送を検知する重送センサ104と、記録媒体の厚さを検知する厚さセンサ105と、記録媒体を搬送する搬送ローラ106と、記録媒体を識別し、分別する記録媒体分別装置200と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱装置である加熱ローラ107と、記録媒体上の画像が消色されているかを検知する画像検知センサ108と、記録媒体の搬送路を切り替える切り替え装置109と、再利用可能な記録媒体を蓄積する再利用ボックス110と、再利用不可能な記録媒体を蓄積する廃棄ボックス111と、制御部と、を備える。
【0012】
重送センサ104は例えば超音波を記録媒体の一方の面から他方の面に向けて通過させ、通過した超音波のレベルを出力する。制御部はこのレベルに基づいて重送を判定する。
【0013】
厚さセンサ105は記録媒体にアクチュエータを当接させ、このアクチュエータの動きを永久磁石に伝え、永久磁石の動きを磁気センサによって検知し、記録媒体の厚みに応じた信号を出力する。制御部はこの出力信号に基づいて記録媒体の厚さを判定する。
【0014】
加熱装置である加熱ローラ107は金属によって形成され、内部にヒータを有する。加熱ローラ107は記録媒体上の消色可能な現像材を消色温度以上に加熱して記録媒体を消色する。
【0015】
加熱装置は記録媒体を消色温度以上に加熱できればよく、熱源は問わない。加熱装置は例えば、サーマルヘッド、ハロゲンヒーター、グラファイトヒーター、IH(Induction Heater)、発熱ランプを内蔵した熱伝導性材料によって形成されるローラなど、を採用できる。
【0016】
加熱装置は記録媒体に接触せずに加熱する熱源を採用できる。
【0017】
消色可能な現像材は、呈色性化合物、顕色剤、消色剤を含む。呈色性化合物は、例えばロイコ染料が挙げられる。顕色剤は、例えばフェノール類が挙げられる。消色剤は、加熱されると呈色性化合物と相溶し、顕色剤と親和性を有さない物質が挙げられる。
【0018】
消色可能な現像材は、呈色性化合物と顕色剤との相互作用により発色し、消色温度以上の加熱により呈色性化合物と顕色剤との相互作用が絶たれるため、消色する。
【0019】
画像検知センサ108は、例えばラインセンサ、CMOSセンサなどの光学画像センサを用いることができる。画像検知センサ108の出力はA/Dコンバータによりディジタルデータに変換され、制御部に出力される。
【0020】
制御部は、このディジタルデータに基づいて、消色されなかった画像が記録媒体上に存在するかを判定する。
【0021】
消色されなかった画像が存在することにより再利用不可能と判定された記録媒体は、切り替え装置109によって切り替えられた記録媒体搬送路を経由して廃棄ボックス111に蓄積される。
【0022】
記録媒体分別装置200は、第2の搬送ガイド202と、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路に設置され、記録媒体の有無を検知する第1ジャムセンサ203と、第2の搬送ガイド202の記録媒体搬送方向下流に設置され、記録媒体の有無を検知する第2ジャムセンサ204と、を備える。
【0023】
記録媒体分別装置200は、加熱ローラ107の記録媒体搬送方向上流に設置される。
【0024】
図2は、第1の実施形態の記録媒体分別装置200の構造を示す斜視図である。図2に示すように、記録媒体分別装置200は凸型形状をなし、記録媒体搬送路の一方の面をなす第1の搬送ガイド202Aと、第1の搬送ガイド202Aの外側を覆うように、第1の搬送ガイド202Aに対向して配置され、記録媒体搬送路の他の面をなす第2の搬送ガイド202Bと、第2の搬送ガイド202Bを第1の搬送ガイド202Aの方向に往復移動させる変位装置202Cと、を備える。
【0025】
記録媒体は第1の搬送ガイド202Aと第2の搬送ガイド202Bとの間隙を搬送される。
【0026】
記録媒体分別装置200は、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド202Aと、この第1の搬送ガイド202Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド202Bと、この第2の搬送ガイド202Bを開閉させる変位装置202Cと、を備える。
【0027】
記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド202Aの凸部に沿って曲面をなしている。すなわち、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド202Aの凸部の曲率半径rと等しい曲面を描く。この曲率半径rは、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。
【0028】
記録媒体がジャムを起こすのは、記録媒体搬送路の曲面の部分である。曲面の曲率半径が小さいほどジャムは起こりやすい。ここで、記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路の曲面の曲率半径rは記録媒体分別装置200の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。従って、記録媒体分別装置200が有する曲面を通過できる記録媒体は、記録媒体分別装置200より下流の曲面をジャムを起こさずに通過できる。
【0029】
図3は、第1の実施形態の記録媒体分別装置200内にてジャムが発生した時の様子を示す図である。図3に示すように、記録媒体分別装置200の入り口に設置される投入ローラ202Dは記録媒体Pを記録媒体分別装置200内に搬送する。
【0030】
第1ジャムセンサ203及び第2ジャムセンサ204は、記録媒体の有無を検知し、信号を制御部に出力する。制御部は第1ジャムセンサ203が記録媒体を検知し、第2ジャムセンサ204が記録媒体を検知しない状態があらかじめ定められる閾値時間以上継続する場合、ジャムが発生したと判定する。
【0031】
制御部は、ジャムが発生したと判定した場合、投入ローラ202Dの駆動を停止する。
【0032】
図4は、第1の実施形態の第2の搬送ガイド202Bが開放された状態を示す図である。図4に示すように、制御部は、記録媒体分別装置200内にてジャムが発生したと判定した場合、変位装置202Cのソレノイドを駆動させて第2の搬送ガイド202Bを第1の搬送ガイド202Aと反対の方向、すなわち矢印X1方向に変位させて記録媒体搬送路を開放する。
【0033】
図5は、第1の実施形態のジャムを起こした記録媒体の回収動作を示す図である。図5に示すように、制御部は投入ローラ202Dを駆動させてジャムを起こした記録媒体を下方の回収ボックスに、矢印X2方向に落下させる。
【0034】
次に、制御部は、第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しないとき、変位装置202Cのソレノイドを駆動させて第2の搬送ガイド202Bを矢印X1方向と反対の方向に変位させて記録媒体搬送路を閉じる。
【0035】
制御部は投入ローラ202Dを一定時間駆動させても第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しているときは、故障と判定してコントロールパネル402にその旨を表示する。
【0036】
図6は、第1の実施形態の消色装置10の構成を示す図である。図6に示すように、消色装置10は、制御部であるメインCPU401と、表示装置であるコントロールパネル402と、記憶装置であるROM・RAM403と、を備える。
【0037】
また、メインCPU401は、加熱ローラ107と、重送センサ104と、厚さセンサ105と、第1ジャムセンサ203と、第2ジャムセンサ204と、記録媒体を搬送する記録媒体搬送装置208と、変位装置202Cとに接続する。
【0038】
以上のべたように、本実施形態の消色装置10は、記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド202Aと、この第1の搬送ガイド202Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド202Bと、この第2の搬送ガイド202Bを開閉させる変位装置202Cと、を備える記録媒体分別装置200と、制御部と、を有し、制御部は、この記録媒体分別装置200内にてジャムが発生したと判定したとき、第2の搬送ガイド202Bを開放してジャムを起こした記録媒体を回収する。
【0039】
従って、ジャムを引き起こす可能性のある記録媒体を効率よく分別することができるという効果がある。
【0040】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の記録媒体分別装置を含む消色装置10の側面図である。図7に示すように、消色装置10は、消色する記録媒体を載置する入口トレイ101と、入口トレイ101に載置された記録媒体を一枚ずつ取り出すピックアップローラ102と、記録媒体の通過を検知する通過センサ103と、記録媒体の重送を検知する重送センサ104と、記録媒体の厚さを検知する厚さセンサ105と、記録媒体を搬送する搬送ローラ106と、記録媒体を識別し、分別する記録媒体分別装置300と、記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱ローラ107と、記録媒体上の画像が消色されているかを検知する画像検知センサ108と、記録媒体の搬送路を切り替える切り替え装置109と、再利用可能な記録媒体を蓄積する再利用ボックス110と、再利用不可能な記録媒体を蓄積する廃棄ボックス111と、制御部と、を備える。
【0041】
重送センサ104、厚さセンサ105、加熱ローラ107、及び画像検知センサ108の構成及び動作は第1の実施形態における重送センサ104、厚さセンサ105、加熱ローラ107、及び画像検知センサ108の構成及び動作と同様である。
【0042】
記録媒体分別装置300は、第2の搬送ガイド302と、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路に設置される第1ジャムセンサ203と、第2の搬送ガイド302の記録媒体搬送方向下流に設置される第2ジャムセンサ204と、を備える。
【0043】
記録媒体分別装置300は、加熱ローラ107の記録媒体搬送方向上流に設置される。
【0044】
図8は、第2の実施形態の第1の搬送ガイド302Aの構造を示す斜視図である。図8に示すように、記録媒体分別装置300は凸型形状をなし、記録媒体搬送路の一方の面をなす第1の搬送ガイド302Aを備える。
【0045】
図9は、第2の実施形態の第2の搬送ガイド302Bの構造を示す斜視図である。図9に示すように、記録媒体分別装置300は第1の搬送ガイド302Aの外側を覆うように、第1の搬送ガイド302Aに対向して配置され、記録媒体搬送路の他の面をなす第2の搬送ガイド302Bと、第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向と垂直方向、すなわち矢印X3方向に往復移動させる変位装置302Cと、を備える。
【0046】
記録媒体は第1の搬送ガイド302Aと第2の搬送ガイド302Bとの間隙を搬送される。
【0047】
変位装置302Cは、モータ303と、モータ303に接続される歯車303Aと、歯車303Aとかみ合う歯を有し、第2の搬送ガイド302Bに設置されるプレート302B1と、を備える。
【0048】
変位装置302Cは、正転又は反転することにより第2の搬送ガイド302Bを開放させ、又は閉じる。
【0049】
図10は、第2の実施形態の記録媒体分別装置300の構造を示す斜視図である。図10に示すように、記録媒体分別装置300は、二組の第1の搬送ガイド302A及び第2の搬送ガイド302Bを備える。記録媒体は矢印X4の方向に、第1の搬送ガイド302Aと第2の搬送ガイド302Bとによって形成される搬送路を搬送される。
【0050】
図11は、第2の実施形態の記録媒体分別装置300のX4矢視図である。図11に示すように、第2の搬送ガイド302Bは記録媒体搬送路内側に向かって、下方に傾斜している。
【0051】
従って、第2の搬送ガイド302Bが開放されたときにジャムを起こした記録媒体をより効率よく落下させることができる。
【0052】
記録媒体分別装置300は、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド302Aと、この第1の搬送ガイド302Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド302Bと、この第2の搬送ガイド302Bを開閉させる変位装置302Cと、を備える。
【0053】
記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド302Aの凸部に沿って曲面をなしている。すなわち、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路は第1の搬送ガイド302Aの凸部の曲率半径rと等しい曲面を描く。この曲率半径rは、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。
【0054】
記録媒体がジャムを起こすのは、記録媒体搬送路の曲面の部分である。曲面の曲率半径が小さいほどジャムは起こりやすい。ここで、記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路の曲面の曲率半径rは記録媒体分別装置300の記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい。従って、記録媒体分別装置300が有する曲面を通過できる記録媒体は、記録媒体分別装置300より下流の曲面をジャムを起こさずに通過できる。
【0055】
記録媒体分別装置300内にてジャムが発生した場合について説明する。記録媒体分別装置300の入り口に設置される投入ローラは記録媒体Pを記録媒体分別装置300内に搬送する。
【0056】
第1ジャムセンサ203及び第2ジャムセンサ204は、記録媒体の有無を検知し、信号を制御部に出力する。制御部は第1ジャムセンサ203が記録媒体を検知し、第2ジャムセンサ204が記録媒体を検知しない状態があらかじめ定められる閾値時間以上継続する場合、ジャムが発生したと判定する。
【0057】
制御部は、ジャムが発生したと判定した場合、投入ローラの駆動を停止する。制御部は、記録媒体分別装置300内にてジャムが発生したと判定した場合、変位装置302Cのモータ303を駆動させて第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に変位させて記録媒体搬送路を開放する。
【0058】
制御部は投入ローラを駆動させてジャムを起こした記録媒体を下方の回収ボックスに落下させる。
【0059】
次に、制御部は、第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しないとき、変位装置302Cのモータ303を駆動させて第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向に対して垂直方向内側に変位させて記録媒体搬送路を閉じる。
【0060】
制御部は投入ローラを一定時間駆動させても第1ジャムセンサ203が記録媒体を検出しているときは、故障と判定してコントロールパネル402にその旨を表示する。
【0061】
なお、消色装置10の構成は図6に示す第1の実施形態における消色装置10の構成と同様である。
【0062】
以上のべたように、本実施形態の消色装置10は、記録媒体搬送路下流方向に存在するどの曲面の曲率半径より小さい曲率半径rを有する第1の搬送ガイド302Aと、この第1の搬送ガイド302Aとともに記録媒体搬送路を形成し、この記録媒体搬送路を開閉可能に設置される第2の搬送ガイド302Bと、この第2の搬送ガイド302Bを開閉させる変位装置302Cと、を備える記録媒体分別装置300と、制御部と、を有し、制御部は、この記録媒体分別装置300内にてジャムが発生したと判定したとき、第2の搬送ガイド302Bを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に開放してジャムを起こした記録媒体を回収する。
【0063】
従って、ジャムを引き起こす可能性のある記録媒体を効率よく分別することができる消色装置10をより小型化できるという効果がある。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0065】
300:記録媒体分別装置
302A:第1の搬送ガイド
302B:第2の搬送ガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、
前記第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、記録媒体を前記間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、
前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとの前記間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、
前記ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき前記変位機構に前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開放させる制御部と、
を備える記録媒体分別装置。
【請求項2】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを第1の搬送ガイドと反対の方向に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項1記載の記録媒体分別装置。
【請求項3】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項1記載の記録媒体分別装置。
【請求項4】
記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、
前記記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱装置と、
曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、
前記第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、前記記録媒体を前記間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、
前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとの前記間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、
前記ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき前記変位機構に前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開放させる制御部と、
を備える消色装置。
【請求項5】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを第1の搬送ガイドと反対の方向に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項4記載の消色装置。
【請求項6】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項4記載の消色装置。
【請求項7】
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路に、前記記録媒体の有無を検知する第1ジャムセンサと、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路の記録媒体搬送方向下流に、前記記録媒体の有無を検知する第2ジャムセンサと、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1のジャムセンサが閾値時間以上の間記録媒体を検出し続け、前記第2のジャムセンサが閾値時間以上の間記録媒体を検出しないとき、前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路にてジャムが発生したと判定する請求項4記載の消色装置。
【請求項8】
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路の入り口に投入ローラをさらに備え、
前記制御部は、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路にてジャムが発生したと判定したとき、
前記投入ローラを停止させ、
前記第2の搬送ガイドを開放し、
前記投入ローラを回転させて記録媒体を回収する請求項4記載の消色装置。
【請求項9】
記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと前記記録媒体搬送路を開閉可能に第1の搬送ガイドと対向して設置される第2の搬送ガイドとが形成する曲面を有する前記記録媒体搬送路に記録媒体を投入し、
前記記録媒体搬送路にてジャム起こした記録媒体を、前記第2の搬送ガイドを開放して回収する消色装置の記録媒体分別方法。
【請求項1】
曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、
前記第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、記録媒体を前記間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、
前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとの前記間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、
前記ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき前記変位機構に前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開放させる制御部と、
を備える記録媒体分別装置。
【請求項2】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを第1の搬送ガイドと反対の方向に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項1記載の記録媒体分別装置。
【請求項3】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項1記載の記録媒体分別装置。
【請求項4】
記録媒体を搬送する記録媒体搬送機構と、
前記記録媒体を消色温度以上に加熱する加熱装置と、
曲面を有する記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと、
前記第1の搬送ガイドに対向して間隙を開けて配置され、前記記録媒体を前記間隙を通して搬送する第2の搬送ガイドと、
前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開閉する変位装置と、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとの前記間隙を搬送される記録媒体がジャムを起こしたことを検知するジャムセンサと、
前記ジャムセンサによりジャムが起きたと判定するとき前記変位機構に前記第2の搬送ガイドを変位させて前記記録媒体搬送路を開放させる制御部と、
を備える消色装置。
【請求項5】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを第1の搬送ガイドと反対の方向に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項4記載の消色装置。
【請求項6】
前記変位装置は、
前記第2の搬送ガイドを記録媒体搬送方向に対して垂直方向外側に変位させることにより記録媒体搬送路を開放する請求項4記載の消色装置。
【請求項7】
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路に、前記記録媒体の有無を検知する第1ジャムセンサと、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路の記録媒体搬送方向下流に、前記記録媒体の有無を検知する第2ジャムセンサと、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1のジャムセンサが閾値時間以上の間記録媒体を検出し続け、前記第2のジャムセンサが閾値時間以上の間記録媒体を検出しないとき、前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路にてジャムが発生したと判定する請求項4記載の消色装置。
【請求項8】
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路の入り口に投入ローラをさらに備え、
前記制御部は、
前記第1の搬送ガイドと前記第2の搬送ガイドとが形成する記録媒体搬送路にてジャムが発生したと判定したとき、
前記投入ローラを停止させ、
前記第2の搬送ガイドを開放し、
前記投入ローラを回転させて記録媒体を回収する請求項4記載の消色装置。
【請求項9】
記録媒体搬送路を形成する第1の搬送ガイドと前記記録媒体搬送路を開閉可能に第1の搬送ガイドと対向して設置される第2の搬送ガイドとが形成する曲面を有する前記記録媒体搬送路に記録媒体を投入し、
前記記録媒体搬送路にてジャム起こした記録媒体を、前記第2の搬送ガイドを開放して回収する消色装置の記録媒体分別方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−190109(P2011−190109A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33214(P2011−33214)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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