説明

記録装置及び駆動力伝達制御方法

【課題】キャリッジの移動を利用した駆動切替動作を確実に行うことができる記録装置の提供。
【解決手段】(B)に示すように、キャリッジが矢印P方向に移動し、クラッチレバー227を位置12aから位置12bに押し込む。中間ギア222は、クラッチレバーの位置に連動して位置12aから位置12bへ矢印L方向に移動し、その結果、中間ギアとLFギア210との噛み合い状態が解除される。(E)に示すように、中間ギアがポンプ用梁219にはめ込むための接続位置に移動した状態で、キャリッジを矢印Q方向に駆動し、クラッチレバーを位置12bから位置12aに移動する。すると中間ギアは、クラッチレバーの位置に連動して矢印O方向に位置12bから位置12aへ移動し、ポンプ用梁219にはめ込まれ、ポンプギアと噛み合った状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置及び駆動力伝達制御方法に関する。特に、本発明は、キャリッジの移動を利用して、記録媒体を搬送させるための駆動源の駆動力を他の機構の駆動のために必要に応じて切り替える切替機構を有する記録装置、及びその装置の駆動力伝達制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うものであり、記録ヘッドの小型化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができる。さらには、普通紙に特別な処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を容易に記録することができるなどの利点を有している。
【0003】
その記録装置の記録ヘッドには一般に微細な吐出口を配列した構成が用いられている。そのため、吐出口内部へ気泡や塵埃の混入した場合、あるいはインクの溶剤の蒸発に伴うインク粘度の増加等によって、インクが吐出または記録に適しない状態となる場合等がある。これらの場合には、インクをリフレッシュすることにより吐出不良要因を除去する吐出回復処理が行われている。
【0004】
さて、一般のシリアル記録装置では、記録ヘッドを搭載したキャリッジを走査するための駆動源として、DCモータを用いる場合が多い。また、キャリッジの移動方向と直角の方向に記録媒体を搬送するための駆動源としてもDCモータを用いることが多い。
【0005】
さらに、装置のコストダウン、省スペース化等のため駆動源であるモータの数を減らす目的で、1つの駆動源で複数の機構を駆動できるようにしたものが開発されている。
【0006】
このような記録装置には、駆動する機構を必要に応じて切り替えるための切替機構が備えられている。
【0007】
これまでに提案されたシリアル記録装置の駆動切替機構の一つとして、キャリッジの駆動を利用したものがある。
【0008】
これによると、駆動切替機構を用いることで、記録媒体の搬送と、回復機構の駆動を搬送モータのみで駆動できるようにしている。駆動を切り替えるための切替機構としてクラッチギアを設けており、キャリッジを切替位置に移動させるとクラッチギアはキャリッジに押されてLFギアと噛み合う機構を採用している。その切替位置ではホームポジションセンサはキャリッジの遮光板を検出せず、これによりキャリッジが切替位置にあることが検出され、キャリッジの移動を利用した駆動切替動作を確実に実施することができる。
【特許文献1】特開平9−141966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
さて、上記従来例では、クラッチギアと切替位置(ホームポジション)の間に記録ヘッドのキャップが備えられた構成が採用されている。
【0010】
この構成で、例えば、クラッチギアとキャップとの間、或はクラッチギアと同じ位置に切替位置があると、ホームポジションセンサがキャリッジ位置の検出を1度も正しくしたことがないと次のような問題が生じてしまう。即ち、キャリッジが正しくクラッチギアを押しているのか、記録ヘッドがキャップされているのか判断することができないという問題である。このような問題が生じると、キャリッジの移動を利用した駆動切替動作を確実に実施することはできない。
【0011】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、キャリッジの移動を利用した駆動切替動作を確実に行うことができる記録装置と駆動力伝達制御方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、以下のような構成からなる。
【0013】
即ち、キャリッジモータの駆動力により記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させ、前記記録ヘッドから記録媒体に記録を行う記録装置であって、搬送モータの駆動力を用いて前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送モータの駆動力を用いて前記記録ヘッドの回復を行う回復手段と、前記搬送モータの駆動力を前記搬送手段、或は、前記回復手段に伝達する伝達手段と、前記伝達手段による前記搬送モータの駆動力の伝達先を切り替える切り替え手段と、前記キャリッジの往復移動のホームポジションを検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたホームポジションに基づいて、前記切り替え手段を動作させ、前記搬送モータの駆動力を前記伝達手段により前記搬送手段或は前記回復手段に伝達するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また他の発明によれば、搬送モータの駆動力を用いて記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送モータの駆動力を用いて記録ヘッドの回復を行う回復手段と、前記搬送モータの駆動力を前記搬送手段、或は、前記回復手段に伝達する伝達手段とを備え、キャリッジモータの駆動力により前記記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させ、前記記録ヘッドから記録媒体に記録を行う記録装置の駆動力伝達制御方法であって、前記キャリッジの往復移動のホームポジションを検出する検出工程と、前記検出工程において検出されたホームポジションに基づいて、前記伝達手段による前記搬送モータの駆動力の伝達先を切り替える切り替え手段を動作させ、前記搬送モータの駆動力を前記伝達手段により前記搬送手段、或は、前記回復手段に伝達するよう制御する制御工程とを有することを特徴とする駆動力伝達制御方法を備える。
【発明の効果】
【0015】
従って本発明によれば、搬送モータの駆動力が他の機構に伝達される状態にないまま、他の機構を駆動させようとして搬送モータが駆動されることを防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、既に説明した部分には同一符号を付し重複説明を省略する。
【0017】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。さらに人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0018】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0019】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0020】
図1は、本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概観斜視図である。
【0021】
図1に示す記録装置は、記録媒体201を給紙搬送するために、給紙ベース208、圧板(不図示)、ピックアップローラ(不図示)、搬送ローラ214、ピンチローラ209を備えている。また、記録媒体201に記録を行うインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)202を着脱自在に搭載するキャリッジ203を備えている。また、フレーム205に両端が固定され、キャリッジ203を、記録媒体201の搬送方向と直交し、かつ、記録媒体201の面に平行な方向に摺動可能に支持するガイドレール204を備えている。
【0022】
キャリッジ203を往復走査させるために、キャリッジベルト206、キャリッジモータ207、キャリッジ駆動プーリ(不図示)を備えている。また、キャリッジ203の位置情報を検知するために、ガイドレール204に平行な方向にライン型のインクリメンタルエンコーダを備えている。なお、ライン型のインクリメンタルエンコーダは、キャリッジエンコーダセンサ(不図示)とキャリッジコードストリップ229で構成される。
【0023】
上記構成において、ピックアップローラと搬送ローラ214が回転すると、記録媒体201が装置内にフィードされて記録ヘッド202のインク吐出面と対向する位置にまで搬送される。その位置で、キャリッジモータ207を駆動させることでキャリッジベルト206が回転し、キャリッジ203がガイドレール204に沿って直線方向に往復走査される。これと同時に、キャリッジ203に搭載された記録ヘッド202から記録信号に応じてインクが吐出されることにより、記録媒体201に画像が記録される。
【0024】
さて、記録ヘッド202のインク吐出面や吐出口に紙粉やゴミ等の異物が付着したり、あるいは吐出口付近のインクが乾燥してその粘度が増加したり、固着すると、吐出口に目詰まりが発生して吐出不良(不吐出を含む)が発生することがある。
【0025】
そこで、この記録装置には、目詰まりを防止するため、非記録時に記録ヘッド202の吐出口面をキャップ(不図示)で密閉したり、記録ヘッド202の吐出口面に付着した異物を除去するためのクリーニング機構が設けられている。具体的には、このクリーニング機構として、可撓性のワイパ(不図示)で記録ヘッド202の吐出口面を拭き取り清掃する機構が採用されている。このワイパとキャップとは、記録ヘッド202による記録領域外に設けられている。そして、キャップによる密閉動作(キャップ動作)は、記録ヘッドを記録領域外に設けられたキャッピング位置へ移動させることによって行われる。
【0026】
さらに、ポンプ(不図示)等の吸引手段によりキャップを通して吐出口からインクを吸引することで吐出口の正常化を図るようにした回復機構も設けられている。
【0027】
またさらに、搬送ローラ214の一端にはその回転を、LF中間ギア216と排紙ローラギア217とを介して、排紙ローラ212に伝えるためのLFギア(搬送ギア)210が設けられている。またさらに、搬送ローラ214の位置情報を検知するために、LF中間ギア216の支点225の軸上にロータリ型のインクリメンタルエンコーダが設けられている。なおロータリ型のインクリメンタルエンコーダは、LFエンコーダセンサ(不図示)とLFコードホイール(不図示)とで構成されていてもよい。
【0028】
なお、図1において、215はプラテン、220は拍車である。
【0029】
通常の記録動作において、記録媒体の搬送動作と、記録ヘッドの吸引回復動作やクリーニング動作とを同時に実行する必要はない。記録媒体が装置外よりフィードされるとき、記録媒体が間歇搬送されるとき、記録媒体を装置外に排出するときに、記録ヘッドの吸引回復動作やクリーニング動作を実行することはない。
【0030】
従って、この記録装置では搬送モータを1つの駆動源として、記録媒体の搬送と、記録ヘッドの吸引回復とクリーニングとを行なう。そのために、搬送モータの駆動力の伝達先を吸引回復機構及びクリーニング機構と記録媒体の搬送機構とのいずれかとする駆動切替機構を備える。
【0031】
図2は、記録装置の駆動切替機構を示した概略図である。
【0032】
この駆動切替機構には、搬送ローラ214と同軸に設けられたLFギア210と、中間ギア222と、ポンプギア223が設けられている。また、LFギア210と、ポンプギア223にはそれぞれ、中間ギア222と噛み合わせるためにLF用梁218とポンプ用梁219が設けられている。
【0033】
さらに、中間ギア222の移動範囲を制限するために、中間ギアの支点225を中心にした一点鎖線で示す円弧上に2つの壁が設けられている。この2つの壁は、中間ギア222が反時計回りに移動した場合の限界となる正転壁228と、中間ギア222が時計回りに移動した場合の限界となる逆転壁229からなる。これらの範囲内で後述する条件下で中間ギア222は移動することができる。
【0034】
中間ギア222がポンプギア223に噛み合った状態で搬送モータを逆転駆動させるとポンプ(不図示)による吸引動作を実行する一方、LFギア210に噛み合った状態で搬送モータを正転駆動させると記録媒体の搬送動作を実行することができる。
【0035】
さらに、搬送モータからの駆動力をキャップに伝えるために、クラッチレバー(後述)が設けられている。記録ヘッド202のインク吐出面をキャップするようにキャップを移動させる駆動力は、搬送モータから中間ギア222及びポンプギア223を伝わってキャップに伝達される。なお、中間ギア222が、ポンプギア223に噛み合った状態で、搬送モータを正転駆動させ、カムを一周させると、キャップを上下させ、次いでワイパを前後させることができる。
【0036】
このような構成は、クラッチレバーとキャップとの間に切替位置(ホームポジション)が存在することを意味する。
【0037】
上述したキャッピング及びクリーニング動作等を行うために、キャリッジ203を所定の位置に停止させるには、キャリッジ203のホームポジションを検出する必要がある。次に、検出されたホームポジションからのキャリッジ203の相対位置をエンコーダパルス数等で算出し、それにより、キャリッジ203の停止位置を制御する。
【0038】
キャリッジ203のホームポジションは、記録装置の初期化動作において、キャリッジ203をフレーム205に向かって移動させ、キャリッジ203がクラッチレバー227に当接し、さらに押し込んだ位置(突き当て位置)で検出される。
【0039】
図3は、記録ヘッドをキャッピング状態で記録装置を電源投入して初期化動作を実行する場合のキャリッジ203とキャップ224とクラッチレバー227の位置関係を示した断面図である。
【0040】
図4は、記録ヘッドを非キャッピング状態で記録装置を電源投入して初期化動作を実行する場合のキャリッジ203とキャップ224とクラッチレバー227の位置関係を示した断面図である。
【0041】
図3〜図4は、それぞれの(A)〜(C)のように、キャリッジ203がフレーム205のある方向に移動していくにつれ、クラッチレバー227がフレーム205の所定の位置にある穴に押し込まれる様子を示している。このとき、キャップ224はキャリッジ203の移動経路から退避するように(図では下方向)移動する。
【0042】
キャリッジ203の突き当て位置は、ライン型のインクリメンタルエンコーダからの位置情報のフィードバックにより検知されるが、突き当て位置にフォトインタラプタを設けることにより同様の検知を行ってもよい。
【0043】
なお、図3〜図4に示した動作については後でさらに詳述する。
【0044】
図5は記録装置の駆動切替動作の概念を説明するための概念図である。
【0045】
図5(A)に示すように、中間ギア222がLFギア210に噛み合った状態で、搬送モータの回転はLFモータギア(不図示)及び中間ギア222を介してLFギア210に伝達され、これにより搬送ローラ214が回転する。
【0046】
一方、クラッチレバー227は、図3〜図4に示されているように、ガイドレール204に沿ってキャリッジ203を移動させた場合に、キャリッジ203の当接部に突き当てられる位置に設けられている。
【0047】
図5(B)に示すように、キャリッジ203が矢印P方向に移動し、クラッチレバー227を位置12a(第1の位置)から位置12b(第2の位置)に押し込む。すると中間ギア222は、クラッチレバー227の位置に連動して位置12aから位置12bへ矢印L方向に移動し、その結果、中間ギア222とLFギア210との噛み合い状態が解除される。
【0048】
なお、中間ギア222が位置12bにある間は、中間ギア222は図2に示したように中間ギアの支点225を中心に正転壁228から逆転壁229の範囲(図5では位置12c(第3の位置)から位置12d(第4の位置)の範囲)を移動することができる。
【0049】
次に、図5(C)に示すように、中間ギア222を所定の位置に停止させるために、中間ギア222を矢印M方向に移動させ、初期位置(位置12c)を検出する。初期位置はロータリ型のインクリメンタルエンコーダからの位置情報のフィードバックにより検知される。このロータリ型のインクリメンタルエンコーダは、例えば、上述したLFエンコーダセンサとLFコードホイール)とで構成されていてもよい。しかしながら、その代わりに、その検知を中間ギアの突き当て位置に設けられたフォトインタラプタを用いることにより行ってもよい。
【0050】
図5(D)に示すように、中間ギア222の初期位置からポンプギア223までの相対位置をエンコーダパルス数等で算出し、それにより、中間ギア222を矢印N方向に移動させ、所定の位置で停止する。
【0051】
図5(E)に示すように、中間ギア222がポンプ用梁219にはめ込むための接続位置に移動した状態で、キャリッジ203を矢印Q方向に駆動し、クラッチレバー227を位置12bから位置12aに移動する。すると中間ギア222は、クラッチレバー227の位置に連動して矢印O方向に位置12bから位置12aへ移動し、ポンプ用梁219にはめ込まれ、ポンプギア223と噛み合った状態となる。このようにして、中間ギアはロックされる。
【0052】
なお、中間ギア222とクラッチレバー227には、矢印OとQ方向に付勢するばね等の付勢手段(不図示)が設けられている。
【0053】
これにより駆動切替機構の接続先を、搬送動作機構と回復動作機構との間で切り替えることができる。
【0054】
以上説明したように、この実施例では、記録媒体201の搬送及び記録ヘッド202の回復動作はいずれも搬送モータを駆動源としており、その切り替えをキャリッジ203の移動を利用したクラッチレバー227によって行なう。
【0055】
図6は記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【0056】
図6に示されるように、CPU301はROM302に格納された制御プログラムをRAM303に展開して実行することにより装置全体を制御する。一方、CPU301はホスト(不図示)からインタフェース(I/F)306を介して転送された記録データに基づいて記録動作を実行する。その記録動作において、CPU301はモータコントローラ304を介してキャリッジモータや搬送モータの駆動制御を行なう一方、記録ヘッドコントローラ305を介して記録ヘッド202を制御する。
【0057】
装置各部はバスライン309により互いに接続され、装置各部には電源供給ライン310を介して必要な電力が供給される。また、記録動作を行う上で必要な種々のパラメータや定数はEEPROM307に格納される。
【0058】
なお、CPU301にはセンサからのアナログデータを入力するために、A/Dコンバータ308が設けられている。
【0059】
この記録装置への外部からの種々の指示は、表示パネル311に設けられたスイッチ(SW)を介してなされ、表示パネル311を介して種々のメッセージなどを表示する。
【0060】
図7は、モータ駆動制御の概念図である。
【0061】
上述のように、CPU301はモータコントローラ304を介してキャリッジモータや搬送モータの駆動制御を行なう。実際には、この記録装置では、装置各要素の負荷分散のために、モータコントローラ304がモータドライバ401を介して、キャリッジモータ207を搬送モータ226との駆動を制御している。
【0062】
次に、上述した記録装置の駆動切替機構の動作について説明する。
【0063】
図8は記録装置の駆動切替動作の概要を示すフローチャートである。
【0064】
図8に示すように、駆動切替動作の一連の流れは以下の通りである。
【0065】
まず、ステップS10ではスライド動作を行い、次に、ステップS20では、中間ギアの動作を初期化する。さらに、ステップS30では、中間ギアの接続先を移動させる。最後に、ステップS40において、中間ギアをロックする。
【0066】
次に、ステップS10〜S40の夫々の詳細な動作について、図9〜図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0067】
図9はステップS10のスライド動作の詳細を示すフローチャートである。
【0068】
まず、ステップS11では、キャリッジ203を駆動させ、キャリッジモータ207の回転を続けながらクラッチレバー227に突き当てを保持する。
【0069】
次に、ステップS12では、キャリッジ203の突き当て位置をキャリッジ203のホームポジションとして記憶する。この位置は、図3(C)や図4(C)に示したように、クラッチレバー227に突き当て押し込んだ位置である。
【0070】
このような動作により、中間ギア222は、それまで接続されていたLFギア210、もしくはポンプギア223から離間し、自由に接続先を切り替えられる状態となる。
【0071】
図10はステップS20の中間ギアを初期化する動作の詳細を示すフローチャートである。
【0072】
まず、ステップS21では搬送モータを正転駆動させ、中間ギア222が正転壁228に突き当たるまで移動する。つまり、図2において、中間ギア222が支点225を中心に反時計回りに回転し、正転壁228まで移動する。
【0073】
次いで、ステップS22において、中間ギア222の突き当て位置を、中間ギア222の初期位置として記憶する。
このとき、中間ギア222が正転壁228に突き当った位置をLFエンコーダにより検知することは、中間ギア222の初期位置をLFエンコーダにより検知することと同じである。
【0074】
以上の動作により、中間ギア222の初期位置を確定することができる。なお、このような中間ギアの初期化動作は、スライド動作によって、中間ギア222が自由に接続先を切り替えられる状態で実行される。
【0075】
図11はステップS30の接続先移動動作の詳細を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS31では、中間ギア222を初期位置から所望の接続先まで搬送モータを固定量、逆転駆動させる。これにより、中間ギア222は初期位置である正転壁228から時計回りに所望の角度だけ回転し移動する。例えば、ポンプを用いた記録ヘッドの吸引回復を実行する場合なら、中間ギヤ222はポンプギヤ223と噛み合う位置まで回転移動する。
【0077】
以上の動作により、中間ギア222を所望の接続先に移動させることができる。なお、接続先移動動作は、中間ギア222を初期位置に移動させた状態で実施する。
【0078】
図12はステップS40のロック動作の詳細を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS41では、キャリッジ203のクラッチレバー227に突き当てて押し込みを保持した状態を解除する。
【0080】
以上の動作により、中間ギア222がLFギア210、もしくはポンプギア223と噛み合った状態となる。なお、ロック動作は、接続先移動動作によって、中間ギア222を所望の接続先に移動させた状態で実施する。
【0081】
以上により、駆動切替機構の接続先の切り替えと、接続先の確定が可能となる。
【0082】
なお、駆動切替機構の接続先が確定しない限り、中間ギア222の接続先は、接続している可能性のあるLFギア210、もしくはポンプギア223を実際に駆動させて、駆動先のセンサ等の検知状況から判断する以外に、現在の接続先を知ることはできない。
【0083】
≪キャッピング状態でパワーオン≫
次に、記録装置のパワーオフが記録ヘッドをキャッピングした状態でなされた場合の中間ギア222の接続先の確定動作について説明する。
【0084】
図3(A)に示すように、記録装置のパワーオフが記録ヘッドをキャッピングした状態でなされた場合、記録ヘッド202のインク吐出部の目詰まりを防止するために、記録ヘッド202の吐出口面はキャップ224で密閉されている。なお、パワーオフ時にキャッピングされたか否かの情報をEEPROMに保持することで、次に記録装置をパワーオンする時にそのキャッピング状態を知ることができる。
【0085】
さて、記録ヘッドがキャッピングされた状態で記録装置をパワーオンすると、EPROMに保持された情報に基づき、駆動切替機構の接続先はポンプギア223に接続されていると判断する。なぜなら、記録ヘッドがキャッピングされているのは、記録ヘッドの吸引回復を目的としてであり、その実行にポンプを駆動する必要があるので中間ギアはポンプギアと噛み合っているとみなせるからである。
【0086】
従って、記録装置の初期化動作において、キャップ224がキャリッジ203の動作を干渉していると判断する。
【0087】
そのため、キャリッジ203のホームポジションの確定と、中間ギヤの接続先を確定することを目的として駆動切替動作を実行する。
【0088】
次に、搬送モータを正転駆動させ、キャップ224を解除する。搬送モータを正転駆動させると、キャップ224は下方へ移動する。ここで、キャップ224の動きについて、補足する。この装置には、搬送モータの正転駆動を続けると、キャップ224の上下の移動範囲において最下位置に到達した後、キャップ224は上方へ移動するような機構が備えられている。
【0089】
これにより、図3(B)に示すように、キャップ224は解除され、キャリッジ203が自由に移動できる状態となる。
【0090】
さらに、図3(C)に示すように、上述のスライド動作を実行して、キャリッジ203がクラッチレバー227に突き当たった位置を、キャリッジ203のホームポジションとして記憶させる。
【0091】
以降は、前述した駆動切替動作の一連の流れと同じであるので、説明は省略する。
【0092】
以上により、キャリッジ203のホームポジションの確定と、駆動切替機構の接続先を確定することができる。
【0093】
≪非キャッピング状態でパワーオン≫
次に、記録装置のパワーオフを記録ヘッドのキャッピングを行っていない状態でなされた場合の中間ギアの接続先の確定動作について説明する。記録ヘッドが非キャッピング状態で記録装置をパワーオンする場合、その初期化動作において、キャップ224がキャリッジ203の動作を干渉するか否か判断できない。
【0094】
そのため、キャリッジ203のホームポジションを確定することはできないが、干渉物を確実に解除し、接続先を確定することを目的として1回目の駆動切替動作を実行する。
【0095】
次に、干渉物が解除された状態で、キャリッジ203のホームポジションを確定することを目的として2回目の駆動切替動作を実施する。
【0096】
ここで、1回目の駆動切替動作について説明する。
【0097】
図4(A)に示すように、スライド動作を実施し、キャリッジ203がキャップ224に突き当った位置を、クラッチレバー227に突き当たった位置だとみなしたまま、突き当て押し込みを保持する。つまり、キャリッジ203を図4(A)で更に、右へ移動させようと、CPU301はキャリッジモータの駆動を制御する(突き当て制御と表現する)。このときキャリッジ203がキャップ224に突き当った位置を、キャリッジ203の仮のホームポジションとして記憶させる。また、キャリッジ203がキャップ224に突き当たっているので、物理的には中間ギア222はポンプギア223に接続されているとみなせる。
【0098】
次に、中間ギアの初期化動作を実行する。
【0099】
図4(B)に示すように、中間ギアの初期化動作において、搬送モータを正転駆動させると、中間ギヤ222は支点225を中心に反時計回りに回転移動する。一方、中間ギア222はポンプギア223に接続されているので、駆動の途中でキャップ224を解除することができる。このとき、搬送モータの正転駆動量は、少なくともキャップ224を解除するために必要な駆動量を超えているものとする。
【0100】
図4(C)に示すように、キャリッジ203はキャップ224への突き当てを保持しているため、キャップ224が解除されると、クラッチレバー227まで移動し、クラッチレバー227に突き当たる。つまり、CPU301により突き当て制御を行っているので、キャップ224が解除されたために、クラッチレバー227まで移動するのである。
【0101】
ここで初めて、中間ギア222を自由に接続先を切り替えられる状態にすることができる。また、搬送モータの正転駆動を続けているため、中間ギア222は正転壁228に突き当たる。
このとき、中間ギア222が正転壁228に突き当った位置を検知できたので、搬送モータの正転駆動を停止する。
【0102】
さらに、接続先移動動作を実施する。
【0103】
中間ギアの初期化動作により、中間ギア222は初期位置に移動した状態なので、この状態から所望の接続先までの距離を固定量駆動する。
【0104】
最後に、ロック動作を行う。
【0105】
以上により、干渉物を確実に解除し、接続先を確定することができる。
【0106】
次に、2回目の駆動切替動作について説明する。
【0107】
前述の1回目の駆動切替動作により、干渉物の解除と接続先の確定はできたが、キャリッジ203のホームポジションは、キャリッジ203がキャップ224に突き当った位置を仮のホームポジションとして記憶したままである。
【0108】
そのため再度、駆動切替動作を実施する。
【0109】
この駆動切替動作は、前述した記録ヘッドをキャッピングした状態でパワーオフした後に記録装置をパワーオンしたときの初期化動作における駆動切替動作と同じであるため、その説明は省略する。
【0110】
このようにして、キャリッジ203のホームポジションを確定することができる。
【0111】
以上説明したように、キャリッジの突き当て位置検出を利用して、中間ギアとLFギアとが噛み合う第1の状態と、中間ギアとポンプギアとが噛み合う第2の状態との切り替えを確実に行うことができる。第1の状態では、搬送機構に搬送モータの駆動力を伝達可能な状態となる一方、第2の状態では回復機構に搬送モータの駆動力が伝達可能な状態となる。
【0112】
また、キャリッジ203のホームポジションはライン型のインクリメンタルエンコーダからの位置情報のフィードバックにより、その突き当てを検知するので、その検出は従来の部品を流用して行われ、部品点数の増加もない。
【0113】
従って、以上説明した実施例に従えば、クラッチレバーに向かって突き当たるまでキャリッジが移動することにより駆動切替機構が動作し、搬送機構を駆動する搬送モータの駆動力が回復機構にも伝達される。また、記録ヘッドのキャッピング状態によっては、装置のパワーオン時にキャリッジがクラッチレバーに突き当たっているのか、もしくは他の機構に連動した干渉物(キャップ)に突き当たっているかを判断できない場合がある。その場合は、仮に干渉物に突き当たっていたとしても、干渉物の突き当てを検出した位置をキャリッジの仮のホームポジションとみなす。次いで、搬送モータを所望の接続先に接続するための駆動をさせる仮定で、干渉物を取り除き、所望の接続先に接続させることができる。
【0114】
このようにこの実施例に従えば、クラッチと駆動切替位置とキャップの位置関係の制約なしに、キャリッジの移動を利用した駆動切替動作を確実に行うことができる。
【0115】
加えて、この構成は簡単なので、製造コストの上昇もないという利点がある。
【0116】
なお、以上の実施例において、記録装置に適用される記録ヘッド202から吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体201に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0117】
また、以上の実施例は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体等)を備えている。そのため、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0118】
さらに、以上の実施例では、記録装置の例としてインクジェット記録装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれによって限定されるものではない。ワイヤドット式や熱転写式等であっても、キャリッジの往復移動機構及び記録媒体の搬送機構の他に付加的な機構が設けられている場合には、搬送機構と付加的な機構とを同一の駆動源で駆動する目的で本発明を適用することができる。
【0119】
さらに加えて、本発明のインクジェット記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力装置として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の概観斜視図である。
【図2】記録装置の駆動切替機構を示した概略図である。
【図3】記録ヘッドをキャッピング状態で記録装置を電源投入して初期化動作を実行する場合のキャリッジとキャップとクラッチレバーの位置関係を示した断面図である。
【図4】記録ヘッドを非キャッピング状態で記録装置を電源投入して初期化動作を実行する場合のキャリッジとキャップとクラッチレバーの位置関係を示した断面図である。
【図5】記録装置の駆動切替動作の概念を説明するための概念図である。
【図6】記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【図7】モータ駆動制御の概念図である。
【図8】記録装置の駆動切替動作の概要を示すフローチャートである。
【図9】スライド動作の詳細を示すフローチャートである。
【図10】中間ギアを初期化する動作の詳細を示すフローチャートである。
【図11】接続先移動動作の詳細を示すフローチャートである。
【図12】ロック動作の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0121】
201 記録媒体
202 記録ヘッド
203 キャリッジ
204 ガイドレール
205 フレーム
206 キャリッジベルト
207 キャリッジモータ
208 給紙ベース
209 ピンチローラ
210 LFギア
212 排紙ローラ
214 搬送ローラ
215 プラテン
216 LF中間ギア
217 排紙ローラギア
218 LF用梁
219 ポンプ用梁
220 拍車
222 中間ギア
223 ポンプギア
224 キャップ
225 中間ギアの支点
227 クラッチレバー
228 正転壁
229 逆転壁
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 モータコントローラ
305 記録ヘッドコントローラ
306 I/F
307 EEPROM
308 A/Dコンバータ
309 バスライン
310 電源供給ライン
311 表示パネル
401 モータドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリッジモータの駆動力により記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させ、前記記録ヘッドから記録媒体に記録を行う記録装置であって、
搬送モータの駆動力を用いて前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送モータの駆動力を用いて前記記録ヘッドの回復を行う回復手段と、
前記搬送モータの駆動力を前記搬送手段、或は、前記回復手段に伝達する伝達手段と、
前記伝達手段による前記搬送モータの駆動力の伝達先を切り替える切り替え手段と、
前記キャリッジの往復移動のホームポジションを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたホームポジションに基づいて、前記切り替え手段を動作させ、前記搬送モータの駆動力を前記伝達手段により前記搬送手段或は前記回復手段に伝達するよう制御する制御手段とを有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記切り替え手段は、前記キャリッジの移動によりキャリッジの移動方向に移動が可能なクラッチレバーをさらに有し、
前記制御手段は、前記キャリッジの移動により前記クラッチレバーの位置が第1の位置から前記キャリッジのホームポジションである第2の位置に移動したときに、前記切り替え手段を動作させ、前記伝達手段による前記搬送モータの駆動力を伝達を解除するように制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記伝達手段は、前記クラッチレバーの位置が前記第2の位置にある場合には、第3の位置と第4の位置との間で移動が可能となり、
前記搬送モータの駆動力により、前記伝達手段は前記伝達手段のホームポジションである前記第3の位置に移動し、
前記伝達手段は、前記第3の位置から前記第4の位置への方向へと、前記搬送モータの駆動力を前記搬送手段に伝達する可能な位置、或は、前記搬送モータの駆動力を前記回復手段に伝達する可能な位置まで移動することにより、前記搬送モータの駆動力を前記搬送手段、或は、前記回復手段に伝達することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記搬送手段は、
前記搬送モータの駆動力により回転する搬送ローラと、
前記搬送ローラに前記搬送モータの駆動力を伝達する搬送ギアとを含み、
前記回復手段は、
前記記録ヘッドをキャッピングするキャップと、
前記搬送ローラの駆動力を前記記録ヘッドの回復を行なうために用いるポンプに伝達するポンプギアとを含み、
前記伝達手段は、前記搬送ギア、或は、前記ポンプギアと前記キャップとに前記搬送モータの駆動力を伝達する中間ギアであり、
前記搬送モータの駆動力の前記搬送手段への伝達は、前記搬送ギアと前記中間ギアとの噛み合わせにより実行され、前記搬送モータの駆動力の前記回復手段への伝達は、前記ポンプギアと前記中間ギアとの噛み合わせにより実行されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記キャップは、前記記録ヘッドをキャッピングした状態では、前記キャリッジの移動を干渉する位置にあることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録ヘッドに前記キャップがキャッピングされた状態で、装置がパワーオフされ、再びパワーオンされると、前記制御手段は、前記中間ギアを介して前記キャップに前記搬送モータの駆動力を伝達し、前記記録ヘッドから前記キャップによるキャッピングを解除し、その後、前記中間ギアを前記搬送ギア、或は、前記ポンプギアに噛み合わせることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記記録ヘッドに前記キャップがキャッピングされていない状態で、装置がパワーオフされ、再びパワーオンされると、前記制御手段は、前記キャリッジモータを駆動させて前記キャリッジを移動させ、前記キャリッジが前記キャップに突き当たった位置を前記キャリッジの仮のホームポジションとみなし、前記中間ギアを介して前記キャップに前記搬送モータの駆動力を伝達し、前記記録ヘッドから前記キャップによるキャッピングを解除し、その後、さらに前記中間ギアを移動させ、前記中間ギアを前記搬送ギア、或は、前記ポンプギアに噛み合わせることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項8】
前記記録ヘッドはインクを吐出する吐出口を備えたインクジェット記録ヘッドであり、
前記回復手段は前記インクジェット記録ヘッドのインク吐出を回復させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記インクジェット記録ヘッドは、インクを吐出口より吐出させるために用いられる熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項10】
搬送モータの駆動力を用いて記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送モータの駆動力を用いて記録ヘッドの回復を行う回復手段と、前記搬送モータの駆動力を前記搬送手段、或は、前記回復手段に伝達する伝達手段とを備え、キャリッジモータの駆動力により前記記録ヘッドを搭載したキャリッジを往復移動させ、前記記録ヘッドから記録媒体に記録を行う記録装置の駆動力伝達制御方法であって、
前記キャリッジの往復移動のホームポジションを検出する検出工程と、
前記検出工程において検出されたホームポジションに基づいて、前記伝達手段による前記搬送モータの駆動力の伝達先を切り替える切り替え手段を動作させ、前記搬送モータの駆動力を前記伝達手段により前記搬送手段、或は、前記回復手段に伝達するよう制御する制御工程とを有することを特徴とする駆動力伝達制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−46963(P2010−46963A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214639(P2008−214639)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】