説明

記録装置

【課題】ディスク1上に点在する空き領域の中から、転送レートに応じた容量を有する空き領域を選択して記録信号の記録を行うことで、一連の記録信号の連続的な記録再生を可能とする。
【解決手段】システムコントローラ3が、ディスク1に記録されているコントロールデータに基づいて、データ領域間の全ての空き領域の位置と容量をそれぞれ検出し、その空き領域に所定の転送レートで記録信号の記録を行う場合に、データ領域のシークに要する時間、第1のトラックバッファ10の容量等に基づいて、一連の記録信号の連続的な記録再生が可能であるか否かを判別する。そして、一連の記録信号の連続的な記録再生が可能であると判断された空き領域を選択して記録信号の記録を行う。これにより、一連の記録信号の連続的な記録再生を可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDVD記録再生装置(DVD:デジタルビデオディスク或いはデジタルバーサタイルディスク)やHDD装置(HDD:ハードディスクドライブ)等に設けて好適な記録装置に関し、特に複数の転送レートでの記録が可能である場合に、記録媒体上に点在する空き領域の中から、各転送レート毎に連続記録再生が可能となる空き領域を検出して記録信号の記録を行うことにより、映画等の連続的な情報の連続的な記録再生を可能とした記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MPEG技術を用いて画像情報や音声情報等の所定の情報に圧縮伸長処理を施して例えばDVD(デジタルビデオディスク或いはデジタルバーサタイルディスク)に記録再生を行う記録再生装置が知られている。
【0003】
この記録再生装置には、数種類のアングル中から希望した1つのアングルを選択した際に、ディスク上に間欠的に記録されている前記選択されたアングルに対応する情報を、ジャンプしながら間欠的に再生するマルチアングル機能が設けられている。
【0004】
また、この記録再生装置には、例えば高画質記録モード、中間画質記録モード及び普通画質記録モードが設けられており、この各記録モードを選択して情報の記録が可能となっている。具体的には、高画質記録モードでは、例えば8Mbpsの転送レートの情報を2時間分記録可能となっており、中間画質記録モードでは、例えば4Mbpsの転送レートの情報を4時間分記録可能となっている。また、普通画質記録モードでは、2Mbpsの転送レートの情報を8時間分記録可能となっている。
【0005】
従来の記録再生装置には、所定ビットのメモリ(以下トラックバッファ(TB)という。)が設けられており、このトラックバッファを介して情報の記録再生を行うことで、転送レートの異なる情報の転送レートの差を吸収して前記マルチアングル機能や各記録モードでの記録等を実現するようになっている。
【0006】
具体的には、前記トラックバッファとしては、例えば4MバイトのDRAMが設けられており、可変転送レートで8Mbpsの転送速度の情報を0.5秒程度記憶することができるようになっている。ただ、今日においては、この4Mバイトのトラックバッファが使用されることは少なく、この容量以上の、例えば16Mバイト或いは64Mバイトのトラックバッファを使用するのが一般的となっている。16Mバイトのトラックバッファは、可変転送レートで8Mbpsの転送速度の情報を2秒程度記憶することができ、64Mバイトのトラックバッファは、可変転送レートで8Mbpsの転送速度の情報を8秒程度記憶することができるようになっている。
【0007】
特開平10−92158号の特許公開公報には、この間欠的に再生する信号の連続性を維持するために、装置として必要なシーク時間とトラックバッファの容量との関係が開示されている。
【特許文献1】特開平10−92158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ディスクが記録可能なディスクである場合、一度記録したものを一部消去する等の編集を行うと、空き領域と記録済み領域とがそれぞれ不規則に点在することとなるため、記録再生を行う情報の連続性をトラックバッファの容量で確保することが困難となる問題を生ずる。
【0009】
すなわち、前記4Mbitのトラックバッファの場合、前述のように転送レートが8Mbpsの情報を0.5sec分の記憶可能なのであるが、複数回にわたり記録や消去を行うことで、ディスク上のある空き領域から次の空き領域までの間が0.5sec以上離れてしまった場合には、情報を連続的に記録再生することができない。
【0010】
また、ある空き領域から次の空き領域までの間が0.5sec以上離れてしまった場合において、前記8Mbpsの転送レートの情報を8秒分記憶可能な64MBのトラックバッファを設けたとしても、入力される情報の転送レートが8Mbpsで、ディスクに記録する際の転送レートが10Mbpsであった場合には、記録待ち時間の比率は(10−8)/10=0.2となる。すなわち、記録中に20%に相当する時間をシークに要してしまうと、トラックバッファの容量を増やしたとしても、やはり入力された情報を連続的に記録再生することはできない。
【0011】
このように情報を連続的に記録再生するためには、入力される情報の転送レートと、トラックバッファの容量と、媒体に記録する際に情報の転送レートと、媒体の空き領域と、媒体の空き領域或いは記録済み領域をシークするシーク時間とが大きく影響する。
【0012】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、編集等により媒体上に空き領域が点在する状態となった場合でも、所定の情報を連続的に記録再生可能とすることができるような記録装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の本発明に係る記録装置は、上述の課題を解決するための手段として、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収する一時記憶手段と、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段とを有する。
【0014】
また、これら各手段に加え、前記空き領域検出手段で検出された各空き領域の前後に位置する記録領域から前記空き領域までシークするのに要する時間を検出するシーク時間検出手段と、記録情報の転送レートを「B」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記シークに要する時間を「T」として、「C/B>T」を満足する場合に、その空き領域を連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段とを有する。
【0015】
請求項2に記載の本発明に係る記録装置は、上述の課題を解決するための手段として、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収する一時記憶手段と、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、前記空き領域検出手段で検出された各空き領域の前後に位置する記録領域から前記空き領域までシークするのに要する時間を検出するシーク時間検出手段とを有する。
【0016】
また、これら各手段に加え、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、記録情報の転送レートを「B」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」、前記シークに要する時間を「T」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段とを有する。
【0017】
請求項3に記載の本発明に係る記録装置は、上述の課題を解決するための手段として、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収する一時記憶手段と、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、前記空き領域検出手段で検出された各空き領域の前後に位置する記録領域から前記空き領域までシークするのに要する時間を検出するシーク時間検出手段とを有する。
【0018】
また、これら各手段に加え、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、記録情報の転送レートを「B」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」、前記シークに要する時間を「T」として、「C/B>T」及び「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段とを有する。
【0019】
請求項4に記載の本発明に係る記録装置は、上述の課題を解決するために、前記記録可能空き領域検出手段として、記録信号の転送レートに対応する容量以上の容量を有する空き領域に対してのみ、連続的な記録情報の記録再生が可能であるか否かの判断を行うものを設ける。
【0020】
請求項5に記載の本発明に係る記録装置は、上述の課題を解決するための手段として、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収する一時記憶手段と、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、前記記録媒体に記録する記録情報の情報量を検出する情報量検出手段とを有する。
【0021】
また、これら各手段に加え、前記情報量検出手段で検出された記録情報の情報量が所定の転送レートに対応する情報量以下であった場合、該記録情報の情報量を所定の転送レートに対応する情報量とするためのダミー情報を形成するダミー情報形成手段と、前記ダミー情報形成手段で形成されたダミー情報を記録情報に付加することにより、該記録情報の情報量を所定の転送レートに対応する情報量として前記空き領域検出手段により検出された空き領域に記録する記録手段とを有する。
請求項6に記載の本発明に係る記録装置は、上述の課題を解決するための手段として、記録情報の転送レートに対応する前記空き領域の容量、及び/又は、記録情報の転送レートに対応する実質的な記録可能時間を少なくとも表示する表示手段を有する。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に記載の本発明に係る記録装置は、記録可能空き領域検出手段が、記録情報の転送レートを「B」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記記録領域のシークに要する時間を「T」として、「C/B>T」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出するため、記録情報の転送レートに応じた空き領域を検出することができる。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、記録情報の転送レートに応じた連続的な記録再生を可能とすることができる。
請求項2に記載の本発明に係る記録装置は、記録可能空き領域検出手段が、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、記録情報の転送レートを「B」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」、前記記録領域のシークに要する時間を「T」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出するため、記録情報の転送レートに応じた空き領域を検出することができる。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、記録情報の転送レートに応じた連続的な記録再生を可能とすることができる。
請求項3に記載の本発明に係る記録装置は、記録可能空き領域検出手段が、記録時及び再生時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、記録情報の転送レートを「B」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」、前記記録領域のシークに要する時間を「T」として、「C/B>T」及び「m>(A×B×T)/(A−B)」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出するため、記録情報の転送レートに応じた空き領域をさらに正確に検出することができる。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、記録情報の転送レートに応じた連続的な記録再生を確実に可能とすることができる。
請求項4に記載の本発明に係る記録装置は、記録可能空き領域検出手段が、記録信号の転送レートに対応する容量以上の容量を有する空き領域に対してのみ、連続的な記録情報の記録再生が可能であるか否かの判断を行うため、全ての空き領域に対してこの判断を行う場合よりも、対応する空き領域を高速で検索することができ、記録情報の記録に要する時間の短縮化を図ることができる。
請求項5に記載の本発明に係る記録装置は、記録情報の情報量が所定の転送レートに対応する情報量以下であった場合に、ダミー情報形成手段で形成されたダミー情報を記録情報に付加することで、該記録情報の情報量を所定の転送レートに対応する情報量としたうえで記録媒体に記録するようにしている。このため、記録情報の削除を行った際には、この所定の転送レートに対応する情報量の容量の空き領域が形成されることとなる。従って、空き領域の容量の検出を行うことなく記録情報の記録を可能とすることができ、記録情報の記録に要する時間の短縮化を図ることができる。
請求項6に記載の本発明に係る記録装置は、表示手段が、記録情報の転送レートに対応する前記空き領域の容量、及び(又は)、記録情報の転送レートに対応する実質的な記録可能時間を少なくとも表示することにより、ユーザに対して記録情報の記録に対する判断材料を提供することができる。このため、ユーザは、記録情報の転送レートを適宜選択することで、記録媒体上の空き領域を有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係る記録装置は、図1に示すようなDVD記録再生装置に適用することができる。この本発明の第1の実施の形態となるDVD記録再生装置は、相変化材料で形成された記録型のDVD−RWディスク1(DVDリライタブルディスク:以下、単にディスク1という。)に対して映像情報及び音声情報等の所定の情報を、線速度一定(CLV)で記録再生するようになっている。
【0024】
このディスク1の1周分のデータ量は、ディスク内周で2ECCブロック程度(1ECCブロックは、エラー訂正の処理単位で16セクタからなる。)、ディスク外周で4ECCブロック程度となっている。また、このディスク1の回転周期は、ディスク内周で40msec、ディスク外周で80msec程度となっている。
【0025】
このようなDVD記録再生装置は、例えば操作パネルやリモートコントローラ(リモコン)等である操作部2から記録再生の指定がなされると、システムコントローラ3がこれを検出し、ドライバ5及びスピンドルモータ9をディスク1を線速度一定に回転駆動すると共に、サーボ制御回路4及びドライバ5を介して光学ピックアップ6のアクチュエータを駆動して、指定された記録トラックに光学ピックアップ6を移動制御する。
【0026】
光学ピックアップ6はディスク1にレーザビームを照射して得られた反射光に基づいて、再生信号(RF信号)、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号及びコントロールデータを形成する。プリアンプ7は、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号及びコントロールデータをサーボ制御回路4にそれぞれ帰還する。サーボ制御回路4は、この帰還されたコントロールデータに基づいて、目的のトラックのセクタを再生するようにアクチュエータを駆動してピックアップを移動制御する。また、サーボ制御回路4は、トラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づいて、トラッキングエラー及びフォーカスエラーがそれぞれ零となるようにドライバ5を介して光学ピックアップ6を制御する(フィードバック制御)。
【0027】
また、プリアンプ7は、再生信号に対して所定のイコライジング処理を施すことで周波数特性を最適化すると共に、PLL回路で位相制御を施して信号処理回路8に供給する。また、プリアンプ7は、ジッタ生成回路により、PLL回路のビットクロックと再生信号の時間軸とを比較することでジッタ値を形成し、これをシステムコントローラ3に供給する。システムコントローラ3は、このジッタ値を検出し、この検出したジッタ値に基づいて、記録時における波形補正制御を行う。
【0028】
信号処理回路8は、再生信号がMPEGの可変転送レートで圧縮符号化されたデータである場合、この再生信号を例えば64Mバイトの第1のトラックバッファ10(例えばDRAM)に一時的に記憶して読み出すことで、再生信号の可変転送レートの時間変動分を吸収する。そして、この第1のトラックバッファ10から読み出された再生信号をデジタル化して同期検出を行い、EFM+信号(8−16変調信号)となっている再生信号をNRZデータ(NRZ:Non Return to Zero)の形態にデコードすると共にNRZデータにエラー訂正処理を施し、これをAV符号化復号化部11に供給する。
【0029】
AV符号化復号化部11は、信号処理回路8から供給された再生信号を、例えば64Mバイトの第2のトラックバッファ12に書き込み制御及び読み出し制御しながら、MPEG技術に基づいて圧縮符号化され且つオーディオデータとビデオデータが多重化されている前記再生信号を、圧縮オーディオデータと圧縮ビデオデータに分離すると共に、それぞれをMPEG技術に基づいて伸長復号化処理する。
【0030】
そして、伸長復号化処理したオーディオデータをアナログ化して、例えばテレビジョン受像機のスピーカ部13に供給する。これにより、ディスク1に記録されているオーディオデータに対応する音響出力を得ることができる。また、AV符号化復号化部11は、伸長復号化処理したビデオデータを表示制御部14に供給する。表示制御部14は、このビデオデータを例えばNTSC方式のテレビジョン信号に変換し、これをテレビジョン受像機の表示部15に供給する。これにより、ディスク1に記録されているビデオデータに対応する映像出力を得ることができる。
【0031】
以上、簡単ではあるが当該実施の形態のDVD記録再生装置の全体的な動作を説明したが、以下、「記録時の動作」及び「再生時の動作」に分けてそれぞれ説明する。
【0032】
まず、「記録時の動作」であるが、当該実施の形態のDVD記録再生装置は、例えば画像を記録する場合に、8Mbpsの転送レートで2時間分の画像の記録が可能な高画質記録モード、4Mbpsの転送レートで4時間の画像の記録が可能な中間画質記録モード、及び2Mbpsの転送レートで8時間の画像の記録が可能な普通画質記録モードの3つの記録モードが設けられており、ユーザは、この3つの記録モードの中から所望の記録モードを選択し、これを操作部2を操作して入力する。
【0033】
システムコントローラ3は、このユーザにより入力された記録モードを検出すると、該記録モードに対応する転送レートをAV符号化復号化部11に設定すると共に、サーボ制御回路3及びドライバ5を介してスピンドルモータ9を線速度一定に回転制御し、光学ピックアップ6を駆動制御してレーザースポットをディスク1上に照射する。そして、これにより再生された、信号トラックに予め記録されているアドレス信号に基づいて、光学ピックアップ6を目的のセクタに移動制御する。
【0034】
なお、この例では、ディスク1を線速度一定(CLV)に制御することとしたが、これは、角速度一定(CAV)、ゾーンCAV等で制御してもよい。ゾーンCAVとした場合、内周と外周の線速度が30ゾーン程度に変更になるような場合でも、トラックのアドレス位置をシステムコントローラ3が管理しながら、それぞれの位置にて角速度を設定する。
【0035】
AV符号化復号化部11は、入力端子16を介して供給される記録信号(映像情報及び音声情報等)を、第2のトラックバッファ12に対して書き込み及び読み出し制御しながら、MPEG技術を用いて所定の記録単位に圧縮符号化処理し、これを信号処理回路8に供給する。
【0036】
システムコントローラ3は、コントロールデータに基づいて記録信号の圧縮レートを検出する。信号処理回路8は、システムコントローラ3により検出された圧縮レートに基づいて、第1のトラックバッファ10に「FULL」と「EMP
TY」の値をそれぞれ設定し、AV符号化復号化部11により圧縮符号化処理された記録信号を第1のトラックバッファ10に一時的に記憶して読み出すことで、再生信号の可変転送レートの時間変動分を吸収する。
【0037】
具体的には、図2(a)は普通画質記録モード(転送レートが2Mbpsの記録モード)における、第1のトラックバッファ10の記憶領域のデータの占有量の遷移を示す図なのであるが、この図からわかるように、時間t1及び時間t3の間は、2Mbpsの転送レートで第1のトラックバッファ10へ記録情報の書き込みが行われる。前述のように、この第1のトラックバッファ10へ記録情報の書き込みを行っている間(時間t1及び時間t3の間)は、光学ピックアップ6は、待機状態に制御される。
【0038】
なお、DVD−RW(RW:リライタブル)の場合、1倍速でのディスクへの書き込み速度は11.08Mbps又は10.08Mbpsであるが、この例においては説明を簡素化するために、1倍速でのディスクへの書き込み速度を例えば10Mbpsとして説明する。
【0039】
第1のトラックバッファ10に書き込まれた記録情報は、この場合、ディスク1への書き込み速度が10Mbpsであるため、「10Mbps−2Mbps=8Mbps」の速度で、時間t2及び時間t4の間に読み出される。光学ピックアップ6は、この第1のトラックバッファ10から記録情報が読み出されたタイミングで駆動状態に制御される。これにより、前記記録情報がディスク1に記録されることとなる。
【0040】
同様に、図2(b)は中間画質記録モード(転送レートが4Mbpsの記録モード)における、第1のトラックバッファ10の記憶領域のデータの占有量の遷移を示す図なのであるが、この図からわかるように、時間t1及び時間t3の間は、4Mbpsの転送レートで第1のトラックバッファ10へ記録情報の書き込みが行われる。そして、この第1のトラックバッファ10に書き込まれた記録情報は、「10Mbps−4Mbps=6Mbps」の速度で、時間t2及び時間t4の間に読み出されディスク1に記録される。
【0041】
同様に、図2(c)は高画質記録モード(転送レートが8Mbpsの記録モード)における、第1のトラックバッファ10の記憶領域のデータの占有量の遷移を示す図なのであるが、この図からわかるように、時間t1及び時間t3の間は、8Mbpsの転送レートで第1のトラックバッファ10へ記録情報の書き込みが行われる。そして、この第1のトラックバッファ10に書き込まれた記録情報は、「10Mbps−8Mbps=2Mbps」の速度で、時間t2及び時間t4の間に読み出されディスク1に記録される。
【0042】
このように、当該実施の形態のDVD記録再生装置においては、ディスクの記録再生時の転送レートである10Mbpsに対して、記録時の転送レートを2Mbps、4Mbps及び8Mbpsと低く設定してあるため、図2(a)〜(c)に示す時間t1或いは時間t3で示す光学ピックアップ6を待機状態に制御している間に、各転送レートの差を吸収することができ、連続的に記録情報の記録を行うことができる。
【0043】
次に、「再生時の動作」であるが、当該実施の形態のDVD記録再生装置は、再生時となると、システムコントローラ3が再生指定されたトラックの位置に光学ピックアップ6を移動制御すると共に、ディスク1に記録されている前記コントロールデータに基づいて記録時の圧縮レートを検出する。信号処理回路8は、システムコントローラ3により検出された圧縮レートに基づいて、第1のトラックバッファ10に「FULL」と「EMPTY」の値をそれぞれ設定し、光学ピックアップ6により再生された再生信号を第1のトラックバッファ10に書き込み制御する。
【0044】
信号処理回路8は、第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量を監視しており、この第1のトラックバッファ10への再生信号の書き込みにより、第1のトラックバッファ10の残量が「EMPTY」を越えたタイミングで、第1のトラックバッファ10に書き込まれた再生信号の読み出しを開始し、これをAV符号化復号化部11に供給する。
【0045】
AV符号化復号化部11は、前述のように第2のトラックバッファ12に再生信号を書き込み及び読み出し制御しながらMPEG技術を用いて該再生信号を伸長復号化処理し、音声信号と映像信号とを分離してそれぞれスピーカ部13及び表示部15に供給する。
【0046】
この再生信号の読み出しが行われているときでも、第1のトラックバッファ10への再生信号の書き込みは継続されているのであるが、以下に説明するように第1のトラックバッファ10への再生信号の読み出し速度よりも書き込み速度の方が速いため、再生信号は読み出し以上に第1のトラックバッファ10に書き込まれる。従って、第1のトラックバッファ10から再生信号が読み出されているときでも、該第1のトラックバッファ10の前記残量は徐々に減少する(書き込まれた再生信号が徐々に蓄積される。)。
【0047】
システムコントローラ3は、第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量が「FULL」となったタイミングで再生を一時停止するように光学ピックアップ6を制御する。これと共に信号処理回路8は、第1のトラックバッファ10への再生信号の書き込みを一時停止する。これにより、第1のトラックバッファ10に書き込まれた再生信号が信号処理回路8により読み出されるだけとなるため、第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量は徐々に増加する。
【0048】
システムコントローラ3は、このように増加する第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量が「EMPTY」となったタイミングで再生を再開するように光学ピックアップ6を制御する。これと共に信号処理回路8は、第1のトラックバッファ10への再生信号の書き込みを再開する。
【0049】
そして、信号処理回路8は、前述のように第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量が「FULL」となるまで該第1のトラックバッファ10に再生信号を書き込み制御する。
【0050】
具体的には、図3(a)は普通画質記録モード(転送レートが2Mbpsの記
録モード)で記録された記録信号の再生時における第1のトラックバッファ10の記憶領域のデータの占有量の遷移を示す図なのであるが、この図からわかるように、この場合、ディスクへの記録信号の書き込み速度は10Mbpsであるため、再生が開始されてから第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量が「EMPTY」となるまでの時間t1の間は、第1のトラックバッファ10へは10Mbpsの転送レートで再生信号の書き込みが行われ、該残量が「EMPTY」から「FULL」となるまでの時間t2,時間t4,時間t6の間は、「10Mbps−2Mbps=8Mbps」の転送レートで第1のトラックバッファ10に再生信号の書き込みが行われる。
【0051】
また、光学ピックアップ6の再生動作、及び第1のトラックバッファ10への書き込み動作がそれぞれ一時停止制御される間である、該第1のトラックバッファ10の残量が「FULL」から「EMPTY」となるまでの時間t3,時間t5の間は、2Mbpsの転送レートで第1のトラックバッファ10から再生信号の読み出しが行われる。
【0052】
同様に、図3(b)は中間画質記録モード(転送レートが4Mbpsの記録モード)で記録された記録信号の再生時における第1のトラックバッファ10の記憶領域のデータの占有量の遷移を示す図なのであるが、この図からわかるように再生が開始されてから第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量が「EMPTY」となるまでの時間t1の間は、第1のトラックバッファ10へは10Mbpsの転送レートで再生信号の書き込みが行われ、該残量が「EMPTY」から「FULL」となるまでの時間t2,時間t4,時間t6の間は、「10Mbps−4Mbps=6Mbps」の転送レートで第1のトラックバッファ10に再生信号の書き込みが行われる。
【0053】
また、光学ピックアップ6の再生動作、及び第1のトラックバッファ10への書き込み動作がそれぞれ一時停止制御される間である、該第1のトラックバッファ10の残量が「FULL」から「EMPTY」となるまでの時間t3,時間t5の間は、4Mbpsの転送レートで第1のトラックバッファ10から再生信号の読み出しが行われる。
【0054】
同様に、図3(c)は高画質記録モード(転送レートが8Mbpsの記録モード)で記録された記録信号の再生時における第1のトラックバッファ10の記憶領域のデータの占有量の遷移を示す図なのであるが、この図からわかるように再生が開始されてから第1のトラックバッファ10の記憶領域の残量が「EMPTY」となるまでの時間t1の間は、第1のトラックバッファ10へは10Mbpsの転送レートで再生信号の書き込みが行われ、該残量が「EMPTY」から「FULL」となるまでの時間t2,時間t4,時間t6の間は、「10Mbps−8Mbps=2Mbps」の転送レートで第1のトラックバッファ10に再生信号の書き込みが行われる。
【0055】
また、光学ピックアップ6の再生動作、及び第1のトラックバッファ10への書き込み動作がそれぞれ一時停止制御される間である、該第1のトラックバッファ10の残量が「FULL」から「EMPTY」となるまでの時間t3,時間t5の間は、8Mbpsの転送レートで第1のトラックバッファ10から再生信号の読み出しが行われる。
【0056】
このように、当該実施の形態のDVD記録再生装置においては、ディスクの記録再生時の転送レートである10Mbpsに対して、再生時の転送レートを2Mbps、4Mbps及び8Mbpsと低く設定してあるため、図3(a)〜(c)に示す時間t3或いは時間t5で示す光学ピックアップ6を待機状態に制御している間に、各転送レートの差を吸収することができ、連続的に記録情報の再生を行うことができる。
【0057】
すなわち、記録時或いは再生時においても、各転送レートの差の時間は、ディスク上に記録信号の記録を行わない時間、或いは再生を行わない時間であるため、この分時間的な余裕を持つことができる。従って、ディスク上の記録を行う領域或いは再生を行う領域が一旦途切れたとしても、前記記録を行わない時間或いは再生を行わない時間内に、次に記録を行う領域或いは再生を行う領域に光学ピックアップ6を移動制御することができ、動画等を連続的に記録或いは再生することができる。
【0058】
次に、当該実施の形態のDVD記録再生装置の実際の記録動作の説明をする。
図4(a)は、上述の記録動作で記録されたディスク上の記録信号(音声情報及び映像情報等)を模式的に示す図であり、この例においては、コントロールデータに続いて記録信号のファイル1(File1)〜ファイル8(File8)がそれぞれディスク1上に記録されている。なお、コントロールデータが記録されている側がディスク内周側、記録信号の一つであるファイル8(File8)が記録されている側がディスク外周側となっている。
【0059】
ここで、ユーザが、前記操作部2を操作することでディスク1上に記録されている全ファイル(ファイル1〜ファイル8)の中からファイル2,ファイル4,ファイル6,ファイル8を削除したとすると、図4(b)に示すようにディスク1上に4つの分割された空き領域が形成される。
【0060】
システムコントローラ3は、以下に説明する演算を行い、この演算結果に基づいて新たな記録信号を各空き領域に分割して記録することにより、一連の記録信号を連続して各空き領域に記録可能とし、また、各空き領域に分割して記録された各記録信号を連続して再生可能としている。
【0061】
図5に、システムコントローラ3が実行する記録制御のフローチャートを示す。このフローチャートは、当該DVD記録再生装置のメイン電源が投入されることでスタートとなり、システムコントローラ3がステップS1からステップS7の各ルーチンの実行を開始する。
【0062】
まず、ステップS1では、システムコントローラ3が、光学ピックアップ6を制御してディスク内周に記録されている前記コントロールデータ(図4(a)参照)を再生し、これを第1のトラックバッファ10に一旦記憶してステップS2に進む。
【0063】
ステップS2では、システムコントローラ3が、この第1のトラックバッファ10に記憶されたコントロールデータ中に記録されている、データ領域中に記録されているビデオファイル等のデータの開始アドレスと終了アドレスの位置から、ディスク1上の一部又は全ての空き領域の開始アドレス及び終了アドレスを検出すると共に、該各空き領域の容量を計算してステップS3に進む。
【0064】
ステップS3では、システムコントローラ3が、空き領域と次の空き領域との間に存在する各データ領域の大きさを計算すると共に、各データ領域のシークに要する時間であるシーク時間を検出してステップS4に進む。
【0065】
このシーク時間は、ディスク1がCLV制御であるため、空き領域の終了アドレスから次の空き領域の開始アドレスまでの間のアドレス差を計算し、システムコントローラ3内のROMに記憶されているシークテーブルを参照することでトラック移動本数を求め、このトラック移動本数に基づいて、後に説明する所定の係数演算を行うことで算出される。
【0066】
次にステップS4では、システムコントローラ3が、2Mbps,4Mbps,8Mbpsの各転送レートの中から予め標準として定められた例えば8Mbpsの転送レートに基づいて、各データ領域のシーク時間中に、前記第1のトラックバッファ10が「Full」になるか否か(連続記録再生を可能とする空き領域か否か)を各空き領域毎に判別してステップS5に進む。
【0067】
なお、この例では、8Mbpsの転送レートに基づいて、その空き領域が連続記録に適しているか否かの演算を行うこととしたが、これは、操作部3を用いてユーザが任意に変更可能となっており、例えば転送レートとして2Mbpsの転送レートが選択された場合はこの2Mbpsの転送レートに基づいて、4Mbpsの転送レートが選択された場合はこの4Mbpsの転送レートに基づいてシステムコントローラ3が前記演算を行うこととなる。
【0068】
次に、ステップS5では、システムコントローラ3が、連続再生に適していない空き領域を除いた各空き領域(連続再生を可能とする空き領域)に基づいて、記録順序を決定すると共に、この決定した全空き領域の容量に対して転送レートを乗算して記録可能時間を計算して図1に示す表示部15に表示してステップS6に進む。
【0069】
すなわち、
ディスク1への記録再生の転送レートをA(Mbps)、
入力信号の圧縮後の転送レート をB(Mbps)、
第1のトラックバッファ10の容量 をC(Mb)、
所定のシーク時間 をT(msec)、
所定の領域の記録時間 をTw(msec)、
所定の領域の記録容量 をm(Mb)
としてステップS2〜ステップS5における演算動作をさらに詳しく説明すると、まず、図6に示す第1の空き領域の記録容量をmとした場合、この第1の空き領域に記録信号を記録する際に要する時間(記録時間Tw)は、「Tw=m/A」となる。
【0070】
ここで、記録済み領域をシーク中に第1のトラックバッファ10を「Full」にしないために BR>ヘ、第1のトラックバッファ10の容量Cを入力信号の転送レートBで記録している時間よりも、シーク時間Tを短くする必要がある(C/B>T)。なお、このシーク時間Tは、トラックを移動する時間及び回転待ち時間を含む時間である。
【0071】
次に、図6に示す第1の空き領域に記録した記録信号に連続する記録信号を第2の空き領域に記録するには、該第2の空き領域の容量m1として、この空き領域を記録中に第1のトラックバッファ10が「EMPTY」近辺になるような所定以上の容量が必要となる。これは、第2の空き領域の容量が所定以上ないと、第1のトラックバッファ10の記憶容量の残量が少なくならずに、次のシーク中に第1のトラックバッファ10がオーバーフローしてしまうためである。
【0072】
この場合、第2の空き領域が有すべき容量は、
「(A−B)/A> T/(m/A+T)」であり、
「m>(A×B×T)/(A−B)」である。
【0073】
すなわち、転送レートの差に相当する第1のトラックバッファ10の容量を、シーク時間Tでの転送レートBの容量が越えないようにしなければならない。前述のように、シーク時間Tは、入力信号の転送レートに応じて変化するため、実際に記録するときの転送レートBによって、記録に必要な空き領域の容量が変動することになる。
【0074】
具体的には、例えば外周から内周までの最大のシーク時間Tを3sec、入力信号の圧縮後の転送レートBを2Mbps、ディスク1への記録再生の転送レートAを10Mbpsとすると、空き領域mの容量としては7.5MB以上の容量が必要であり、シーク時間Tを3sec、入力信号の圧縮後の転送レートBを8Mbps、ディスク1への記録再生の転送レートAを10Mbpsとすると、空き領域mの容量としては120MB以上必要となる。
【0075】
また、「Full」の値を第1のトラックバッファ10の容量の上限値に設定してしまうと、シーク時にオーバーフローを生じた場合には連続的なデータに欠損を生ずる虞がある。このため、図6に示すように第1のトラックバッファ10には、該第1のトラックバッファ10の容量の例えば略2/3の値として「Full2」が設定され、この「Full2」の値よりも低い略1/3の値に「Full1」が設定されている。この「Full1」の値が第1のトラックバッファ10の通常のワーク領域であり、「Full1」から「Full2」までの間の容量が、シーク時にオーバーフローを生じないように確保している上述の第1のトラックバッファ10の容量Cであり、余裕分の記憶容量である。
【0076】
具体的には、例えば標準的な最大シーク時間Tを3sec、再生時の標準的な転送レートBを8Mbpsとした場合、この最大シーク時間Tの間、第1のトラックバッファ10に書き込まれるべきデータのデータ量は24Mbとなる。このため、前記「Full1」までの容量を24Mbとした場合、第1のトラックバッファ10の容量は「Full2」までの容量として48Mb必要となる。そして、誤り訂正処理やシステムのワーク領域等に18Mbを用いるとすると、第1のトラックバッファ10全体で64Mbの容量が必要となる。この容量が64MbのDRAMは、現在、安価に入手可能であり、一時記憶用メモリとして最適である。従って、この64MbのDRAMを用いることにより、当該DVD記録再生装置を安価に製作することができ、ユーザに対して安価に提供可能とすることができる。
【0077】
なお、前述のシーク時間の演算や空き領域の容量の演算等は、適宜簡略化してもよい。また、例えばROMの中に予め演算した計算結果をテーブル化して記憶しておき、記録再生時にこれを参照してシーク時間や空き領域の容量等を得るようにしてもよい。
【0078】
システムコントローラ3は、このような演算により全空き領域の容量を検出すると、該各空き領域の容量に対して転送レート(この場合、8Mbps)を乗算して記録可能時間を計算し、ディスク1上の全空き領域の容量、及び8Mbpsの転送レートの場合の記録可能時間及び実効空き容量を前記表示部15に表示制御する。なお、この場合、前記演算の基準となる転送レートを8Mbpsとしたため、8Mbpsの転送レートの場合の記録可能時間及び実効空き容量を表示部15に表示制御することとしたが、これは、ユーザにより4Mbpsの転送レート、或いは2Mbpsの転送レートが選択された場合は、4Mbps或いは2Mbpsの転送レートの場合の記録可能時間及び実効空き容量が表示部15に表示制御されることとなる。
【0079】
次に、図5に示すステップS6では、システムコントローラ3が、ユーザからの記録開始指示の有無を検出する。そして、ユーザから記録開始指示がなされるまで当該ステップS6を繰り返すことで記録待機状態となり、記録開始指示がなされたタイミングでステップS7に進む。
【0080】
ステップS7では、システムコントローラ3が、前記ステップS5において決定した記録順序に従って図1に示す入力端子16を介して供給される記録信号を記録制御する。そして、ユーザから記録停止が指定されたタイミングで当該図5のフローチャートに示す全ルーチンの実行が終了となる。
【0081】
なお、システムコントローラ3は、記録信号の記録が終了すると、この記録した記録信号と記録位置に関する情報をコントロール信号としてディスク1の前記コントロール領域(図4(a)参照)に書き込み制御する。
【0082】
記録信号の具体的な記録形態は、図4(c)〜(e)に示すようになっている。図4(c)は転送レートが2Mbpsの場合の記録形態、図4(d)は転送レートが4Mbpsの場合の記録形態、図4(e)は転送レートが8Mbpsの場合の記録形態を示している。
【0083】
まず、転送レートが2Mbpsの場合における図4(c)に示す例では、ファイル2、ファイル4、ファイル6、ファイル8の記録信号を消去することで形成された各空き領域の容量が順に大きく(容量:ファイル2<ファイル4<ファイル6<ファイル8)、ファイル3よりファイル5のトータル距離が短く、また、ファイル5よりファイル7のトータル距離が短くなっている。ファイル3よりファイル5のトータル距離が短いということは、ファイル3のシーク時間よりもファイル5のシーク時間の方が短くなっている(シーク時間:ファイル3>ファイル5)。また、ファイル5よりファイル7のトータル距離が短いということは、ファイル5のシーク時間よりもファイル7のシーク時間の方が短くなっている(シーク時間:ファイル5>ファイル7)。
【0084】
このような空き領域の状況において、その空き領域の前段に位置するデータファイルをシークしている間に第1のトラックバッファ10がFullとならなければその空き領域に記録信号の記録をしても連続再生が可能となる。このため、転送レートが2Mbpsである場合には、図4(c)に示すように、まず、ファイル1のデータ領域をシークによりジャンプし、ファイル2を消去することで形成された空き領域にファイル11の記録信号を記録し、ファイル3のデータ領域をシークによりジャンプし、ファイル4を消去することで形成された空き領域にファイル12の記録信号を記録する。また、ファイル5のデータ領域をシークしてファイル6を消去することで形成された空き領域にファイル13の記録信号を記録し、ファイル7のデータ領域をシークしてファイル8を消去することで形成された空き領域にファイル14の記録信号を記録する。
【0085】
次に、空き領域の状況が図4(c)に示す状況と同じ場合において、転送レートが4Mbpsである場合、転送レートが2Mbpsの場合よりも第1のトラックバッファ10に記憶できる時間が短くなることで、例えばファイル1のデータ領域をシークによりジャンプしている間に第1のトラックバッファ10がFullとなってしまうとすると、図4(d)に示すように、ファイル2を消去することで形成された空き領域は不適当と判断して記録信号の記録には用いない。
【0086】
そして、ファイル3のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル4を消去することで形成された空き領域にファイル21の記録信号の記録を行い、同様にファイル5、ファイル7のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル6、ファイル8を消去することで形成された各空き領域にファイル22、ファイル23の各記録信号をそれぞれ記録する。
【0087】
次に、空き領域の状況が図4(c)に示す状況と同じ場合において、転送レートが8Mbpsである場合、転送レートが4Mbpsの場合よりも第1のトラックバッファ10に記憶できる時間がさらに短くなることで、例えばファイル1及びファイル3のデータ領域をシークによりジャンプしている間に第1のトラックバッファ10がFullとなってしまうとすると、図4(e)に示すように、ファイル2を消去することで形成された空き領域及びファイル4を消去することで形成された空き領域は不適当と判断して記録信号の記録には用いない。
【0088】
そして、ファイル5のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル6を消去することで形成された空き領域にファイル31の記録信号の記録を行い、ファイル7のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル8を消去することで形成された空き領域にファイル32の記録信号を記録する。
【0089】
以上の説明から明らかなように、当該第1の実施の形態のDVD記録再生装置は、
入力信号の圧縮後の転送レートを B(Mbps)、
第1のトラックバッファ10の容量を C(Mb)、
所定のシーク時間を T(msec)
として「C/B>T」となる場合に、その空き領域を連続的な信号の記録再生が可能な空き領域と判断して記録信号の記録を行う。
【0090】
また、
ディスク1への記録再生の転送レートを A(Mbps)、
入力信号の圧縮後の転送レート を B(Mbps)、
所定の領域の記録容量 を m(Mb)
所定のシーク時間 を T(msec)、
として「m>(A×B×T)/(A−B)」となる場合に、その空き領域を連続的な信号の記録再生が可能な空き領域と判断して記録信号の記録を行う。
【0091】
これにより、編集等によりディスク1上に空き領域が点在する状態となった場合でも、動画等の連続した信号を切れ目無く記録再生可能とすることができる。
【0092】
また、全空き領域の容量や、所定の転送レート(この場合、8Mbps)での記録可能時間(及び実効空き容量)を表示することにより、ユーザに対してディスク1の空き領域の有効利用の判断材料を提供することができる。このため、記録により無駄となるディスク1の空き領域を削減可能とすることができる。
【0093】
なお、この第1の実施の形態の説明では、「C/B>T」及び「m>(A×B×T)/(A−B)」の両方を満足する場合に、その空き領域を連続的な信号の記録再生が可能な空き領域と判断することとしたが、これは、「C/B>T」或いは「m>(A×B×T)/(A−B)」のいずれか一方で判断するようにしてもよい。
【0094】
次に、本発明の第2の実施の形態のDVD記録再生装置の説明をする。上述の第1の実施の形態では、所定の転送レート(例えば8Mbps)に基づいて連続記録再生を可能とする空き領域を検索し、及び記録可能時間等を表示部15に表示することとしたが、この第2の実施の形態は、2Mbps、4Mbps及び8Mbpsの各転送レートに基づいて連続記録再生を可能とする空き領域を検索すると共に、各転送レート毎の記録可能時間等を表示部15に表示するようにした
ものである。
【0095】
この第2の実施の形態のDVD記録再生装置のシステムコントローラ3が実行する記録制御のフローチャートを図7に示す。なお、この図7に示すフローチャートの説明においては、上述の第1の実施の形態と同じ動作を示すルーチンには、図5に示したフローチャートのルーチンと同じステップ番号を付し、重複した説明を省略する。
【0096】
すなわち、この図7のフローチャートにおいて、第2の実施の形態のDVD記録再生装置のシステムコントローラ3は、ステップS1〜ステップS3のルーチンを実行することでディスク1上の全空き領域と、各空き領域間のデータ領域のシーク時間を上述のように演算するとステップS11に進む。
【0097】
ステップS11では、システムコントローラ3が、2Mbps,4Mbps,8Mbpsでの各転送レート(各記録モード)毎に、連続記録再生可能な空き領域を検出して、該各転送レート毎の記録順序を決定すると共に、この結果に基づいて、各転送レート毎の記録可能時間及び実効空き容量を算出してステップS12に進む。
【0098】
ステップS12では、システムコントローラ3が、図8に示すようにディスク1上の全空き領域の容量、及び各転送レート毎の記録可能時間(及び実効空き容量)を表示部15に表示制御してステップS13に進む。このように、各転送レート毎の記録可能時間(及び実効空き容量)等を表示部15に表示することで、ユーザは、所望の転送レートの選択が可能となる。この転送レートの選択は、図1に示す操作部2を介して行われる。
【0099】
なお、図8において、全空き領域の容量が2GBであるのに対して、実行空き領域が1.0GB、1.5GB等のように少なくなっているが、これは、後に説明するように記録に不適当と判断された空き領域(容量不足の空き領域)は使用せずに、記録に適当と判断された空き領域のみ使用して記録情報の記録を行うためである。
【0100】
ステップS13では、システムコントローラ3が、ユーザにより所望の転送レートの選択がなされたか否かを判別する。そして、所望の転送レートの選択がなされていない場合は(Noの場合は)転送レートの入力待ち状態となり、当該ステップS13を繰り返し実行し、所望の転送レートの選択がなされた場合は(Yesの場合は)ステップS14に進む。
【0101】
ステップS14では、システムコントローラ3が、ユーザにより選択された転送レートに対応する連続記録再生可能な空き領域を検出すると共に、この記録順序を決定してステップS15に進む。ステップS15では、システムコントローラ3が、図1に示す入力端子16を介して記録すべき記録信号の入力がなされたか否かを判別し、記録信号の入力がなされない場合は(Noの場合は)、記録信号の入力がなされるまで当該ステップS15のルーチンを繰り返し実行し、記録信号の入力がなされた場合は、ステップS7に進む。そして、このステップS7において、上述のように連続記録再生可能な空き領域に記録信号を順次記録し、この図7に示すフローチャートの全ルーチンを終了する。
【0102】
以上の説明から明らかなように、当該第2の実施の形態のDVD記録再生装置は、各転送レート毎に連続記録再生が可能な空き領域を検索すると共に、各転送レート毎の記録可能時間等を表示部15に表示することにより、ユーザに対して
転送レート(記録モード)を選択するうえでの判断材料を提供することができ、無駄な空き領域の発生を削減することができる他、上述の第1の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0103】
次に、本発明の第3の実施の形態のDVD記録再生装置の説明をする。上述の第2の実施の形態では、各転送レート毎の連続記録再生可能な空き領域を検索することとしたが、この第3の実施の形態は、連続記録再生可能な空き領域の最低限の容量を各転送レート毎に予め決定し、この最低限の容量以下の容量の空き領域は該容量検出の演算を省略することで、各転送レート毎の連続記録再生可能な空き領域の検索時間の短縮化を図ったものである。
【0104】
この第3の実施の形態のDVD記録再生装置のシステムコントローラ3が実行する記録制御のフローチャートを図9に示す。なお、この図9に示すフローチャートの説明においては、上述の第2の実施の形態と同じ動作を示すルーチンには、図7に示したフローチャートのルーチンと同じステップ番号を付し、重複した説明を省略する。
【0105】
すなわち、この図9のフローチャートにおいて、第3の実施の形態のDVD記録再生装置は、ステップS1及びステップS2においてシステムコントローラ3が上述のようにディスク上の各空き領域の位置と容量を検出するとステップS21に進む。
【0106】
ステップS21では、システムコントローラ3が各空き領域の容量を算出すると共に、各空き領域のうち、容量が所定の容量以下の空き領域は記録不可と判断してステップS22に進む。
【0107】
具体的には、システムコントローラ3は、転送レートが8Mbpsの場合は8MB以下の容量の空き領域は記録不可と判断し、転送レートが4Mbpsの場合は4MB以下の容量の空き領域は記録不可と判断し、転送レートが2Mbpsの場合は2MB以下の容量の空き領域は記録不可と判断する。或いは、転送レートに関係なく、8MB以下の容量の空き領域は記録不可と判断するようにしてもよい。
【0108】
次にステップS22では、システムコントローラ3が、前記ステップS21で記録可能と判断した空き領域間のシーク時間を計算すると共に、各記録モードでの転送レートと、第1のトラックバッファ10の容量と前記計算したシーク時間とに基づいて、各転送レート毎の連続記録再生可能な空き領域を検出する。そして、連続記録再生可能な空き領域に対する記録順序を決定すると共に、各転送レート毎の記録可能時間を計算してステップS12に進む。
【0109】
ステップS12では、システムコントローラ3が、図8を用いて説明したようにディスク上の全空き領域の容量と共に、各転送レート毎の記録可能時間等を表示部15に表示制御する。そして、ステップS13〜ステップS15及びステップS7において、ユーザにより選択された転送レートで記録信号の記録を行い当該図9のフローチャートに示す全ルーチンを終了する。
【0110】
以上の説明から明らかなように、当該第3の実施の形態のDVD記録再生装置は、連続記録再生可能な空き領域の最低限の容量を各転送レート毎に予め決定し、この最低限の容量以下の容量の空き領域は該容量検出の演算を省略することで、各転送レート毎の連続記録再生可能な空き領域の検索時間の短縮化を図ることができる他、上述の第2の実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0111】
次に、本発明の第4の実施の形態のDVD記録再生装置の説明をする。上述の各実施の形態では、記録される記録信号のデータ量に制限は無く、記録時に記録可能な容量を有しているか否かを各空き領域毎に判断することとしたが、この第4の実施の形態は、記録する記録信号のデータ量を所定のデータ量以上とすることで、データが削除された場合に形成される空き領域の容量も所定の容量以上として、空き領域の容量の計算をすることなく、そのまま記録信号の記録を可能としたものである。
【0112】
この第4の実施の形態のDVD記録再生装置のシステムコントローラ3が実行する記録制御のフローチャートを図10に示す。この図10のフローチャートにおいて、第4の実施の形態のDVD記録再生装置は、ステップS30において、ディスク1に記録されているコントロールデータを取り込み、ステップS31に進む。ステップS31では、システムコントローラ3が、この取り込んだコントロールデータに基づいて、各データ領域の間の容量を検出することで各空き領域の位置及び容量を検出しステップS32に進む。
【0113】
以下に説明するが、当該第4の実施の形態では、ステップS32で検出される空き領域の容量が、どの転送レートで記録信号に記録を行っても連続記録再生が可能な容量となっている。
【0114】
ステップS32では、システムコントローラ3が、ユーザから記録の指定がなされたか否かを判別し、記録の指定がなされない場合は(Noの場合は)該記録の指定がなされるまで当該ステップS32のルーチンを繰り返し実行する待機状態となり、記録の指定がなされたタイミングでステップS33に進む。
【0115】
ステップS33では、システムコントローラ3が、図4(a)〜(e)を用いて説明したように各空き領域に対して記録信号の記録を行いステップS34に進む。但し、この場合、システムコントローラ3は、記録信号が例えば最低8MBとなるようにして記録を行う。もし、記録する記録信号が8Mbに満たない場合は、以下に説明するステップS36で形成されたダミーデータを記録信号に付加することで全データ量を8MBとして記録を行う。
【0116】
ステップS34では、システムコントローラ3が、全ての記録信号の記録が終了したか否かを判別し、Noの場合はステップS33に戻って記録信号の記録を継続し、Yesの場合はステップS35に進む。
【0117】
ステップS35では、システムコントローラ3が、その空き領域に対して該空き領域が有する容量分の記録信号の記録を行ったか否か、言い換えれば記録信号を記録することでその空き領域が全て記録信号で埋まったか否かを判別し、Yesの場合はそのまま当該図10に示すフローチャートの全ルーチンを終了し、Noの場合はステップS36に進む。
【0118】
ステップS36では、その空き領域が全て記録信号で埋まっていないため、その空き領域の記録信号が記録された領域以外の領域を埋めるためのダミーデータ(例えばヌルデータ)を、信号処理回路8が形成してステップS33に戻る。ステップS33では、上述のようにシステムコントローラ3が、記録信号にダミーデータを付加することにより、該記録信号のデータ容量を8Mbとして記録を行う。
【0119】
なお、システムコントローラ3は、記録終了後に、該記録した記録信号に対応するコントロールデータとして、前記ダミーデータを含めた終了位置を記録する。
【0120】
以上の説明から明らかなように、当該第4の実施の形態のDVD記録再生装置は、記録する記録信号の最低限の容量が定められている(この例では8MB)。このため、編集等により記録信号が削除された場合でも、空き領域の容量は最低8MB以上となる。従って、2Mbps、4Mbps、8Mbpsのいずれの転送レートにおいても記録信号の記録を可能とすることができる。従って、空き領域の容量の検出を省略することができ、記録信号の記録までに要する時間を大幅に短縮化することができる他、上述の各実施の形態と同じ効果を得ることができる。
【0121】
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例である。このため、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。例えば、上述の各実施の形態は、本発明をDVDに対して記録再生を行うDVD記録再生装置に適用した例であったが、本発明は、いわゆるハードディスク(HDD)等の他の記録媒体に対して記録再生を行う装置に適用してもよい。また、一時記憶手段として、64MバイトのDRAMの第1のトラックバッファ10を用いることとしたが、これは、例えばHDD等の記録装置を用いてもよい。そして、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明に係る記録装置を適用した第1の実施の形態となるDVD記録再生装置の概略的なブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のDVD記録再生装置の記録時における、各転送レート毎の第1のトラックバッファの記憶領域の占有量の遷移を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のDVD記録再生装置の再生時における、各転送レート毎の第1のトラックバッファの記憶領域の占有量の遷移を示す図である。
【図4】ディスク上に点在する空き領域、及び各転送レートに応じて各空き領域に記録される記録信号の記録位置を説明するためのディスクの模式図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のDVD記録再生装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】前記第1のトラックバッファの記憶領域の占有量の遷移、及び記録信号の記録タイミングを説明するための図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のDVD記録再生装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】各転送レート毎に算出され表示される記録可能時間等の表示例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のDVD記録再生装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第4の実施の形態のDVD記録再生装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
1…ディスク、2…操作部、3…システムコントローラ、4…サーボ制御回路
、5…ドライバ、6…光学ピックアップ、7…プリアンプ、8…信号処理回路、
9…スピンドルモータ、10…第1のトラックバッファ、11…AV符号化復号化部、12…第2のトラックバッファ、13…スピーカ部、14…表示制御部、15…表示部、16…記録信号の入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収する一時記憶手段と、
記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、
前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、
前記空き領域検出手段で検出された各空き領域の前後に位置する記録領域から前記空き領域までシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、記録情報の転送レートを「B」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、
前記記録媒体に記録する記録情報の情報量を検出する情報量検出手段と、
前記情報量検出手段で検出された記録情報の情報量が所定の情報量以下であった場合、該記録情報の情報量を所定の情報量とするためのダミー情報を形成するダミー情報形成手段と、
前記ダミー情報形成手段で形成されたダミー情報を記録情報に付加することにより、該記録情報の情報量を所定の情報量として前記空き領域検出手段により検出された空き領域に、前記一時記憶手段を介して記録する記録手段と
を有することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収する一時記憶手段と、
記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、
前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、
前記空き領域検出手段で検出された各空き領域の前後に位置する記録領域から前記空き領域までシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、記録情報の転送レートを「B」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」として、「C/B>T」及び「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、
前記記録媒体に記録する記録情報の情報量を検出する情報量検出手段と、
前記情報量検出手段で検出された記録情報の情報量が所定の情報量以下であった場合、該記録情報の情報量を所定の情報量とするためのダミー情報を形成するダミー情報形成手段と、
前記ダミー情報形成手段で形成されたダミー情報を記録情報に付加することにより、該記録情報の情報量を所定の情報量として前記空き領域検出手段により検出された空き領域に、前記一時記憶手段を介して記録する記録手段と
を有することを特徴とする情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−176922(P2008−176922A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38461(P2008−38461)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【分割の表示】特願平11−225374の分割
【原出願日】平成11年8月9日(1999.8.9)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】