説明

診断支援システム、方法及びコンピュータプログラム

【課題】関心領域単位で被験者と比較対象者の3次元撮像データとを比較して、診断を支援する。
【解決手段】被験者、及び複数の健常者の脳を撮像した3次元の撮像データを記憶する記憶部11,13と、脳における、疾患別に予め定められているVOIデータを記憶する記憶部17と、記憶部13,17を参照して、複数の健常者データ131のそれぞれにおけるVOIを代表する第一の代表値を、健常者データ131ごとに特定する健常者VOI処理部19と、記憶部11,17を参照して、被験者の標準脳データ113におけるVOIを代表する第二の代表値を特定する被験者VOI処理部21と、健常者データ131ごとの複数の第一の代表値に基づいて、第二の代表値を評価するZ値算出部23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験者の3次元撮像データと健常者などの比較対象者の3次元撮像データとを比較して、所定の疾患であるか否かの診断を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被験者の3次元撮像データと健常者などの比較対象者の3次元撮像データとを比較して診断を支援する技術が、例えば特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−204641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、被験者の3次元撮像データと比較対象者の3次元撮像データとをボクセル単位で比較し、特異領域の広がりを抽出している。つまり、VOIなどの関心領域が設定されているときでも、ボクセル単位で比較を行っているので、特異領域についてより詳細な検討が可能となる。
【0005】
一方で、ある疾患に対してVOIを設定して分析している場合、VOI全体がその疾患と何らかの関連を有する領域と考えることもできる。従って、VOI内の一部のボクセルのみに注目するのではなく、VOIを全体として一つの領域と捉えて解析を行うことで、疾患の診断支援に役立つ可能性もある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、関心領域単位で被験者の3次元撮像データと比較対象者の3次元撮像データとを比較して、診断を支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施態様に従う診断支援システムは、被験者、及び特定のグループに属する複数の比較対象者の所定の器官を撮像した3次元の撮像データを記憶する撮像データ記憶手段と、前記器官における、疾患別に予め定められている関心領域を示す関心領域データを記憶する関心領域記憶手段と、前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記複数の比較対象者の撮像データのそれぞれにおける前記関心領域を代表する第一の代表値を、比較対象者の撮像データごとに特定する第一の特定手段と、前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記被験者の撮像データにおける前記関心領域を代表する第二の代表値を特定する第二の特定手段と、前記比較対象者の撮像データごとの複数の第一の代表値に基づいて、前記第二の代表値を評価する評価手段と、を備える。
【0008】
好適な実施形態では、前記関心領域は、第一の個別関心領域と第二の個別関心領域とを有し、前記第一の特定手段は、前記複数の比較対象者の撮像データのそれぞれについて、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値をそれぞれ特定し、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値に基づいて、前記複数の比較対象者の撮像データごとの前記複数の第一の代表値を特定し、前記第二の特定手段は、前記被験者の撮像データについて、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値をそれぞれ特定し、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値に基づいて、前記第二の代表値を特定するようにしてもよい。
【0009】
好適な実施形態では、前記第一の特定手段は、前記複数の比較対象者の撮像データのそれぞれについて、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値の平均値を、前記複数の第一の代表値とし、前記第二の特定手段は、前記被験者の撮像データについて、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値の平均値を前記第二の代表値としてもよい。
【0010】
好適な実施形態では、前記第一の特定手段及び第二の特定手段は、それぞれ、前記第一の個別関心領域及び前記第二の個別関心領域の重要度に応じた重み付けを行って、前記複数の第一の代表値及び前記第二の代表値を特定してもよい。
【0011】
好適な実施形態では、前記評価手段は前記第二の代表値のZ値を算出するものであってもよい。
【0012】
好適な実施形態では、前記断層画像は、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)画像であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像診断支援システムの構成図である。
【図2】被験者の個人脳データ111、標準脳データ113及び健常者データ131のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】VOIデータ170の一例を示す図である。
【図4】あるX―Y断面におけるVOIの分布の一例を示す図である。
【図5】判定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る画像診断支援システムについて図面を用いて説明する。本実施形態に係る画像診断支援システムは、複数の健常者と被験者の脳のSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)画像を対比して、被験者の疾患の診断の支援を行うものである。
【0015】
図1に、本実施形態にかかる画像診断支援システム1の全体構成図を示す。
【0016】
本実施形態に係る画像診断支援システム1は、画像診断支援システム本体10と、画像診断支援システム本体10に接続された入力装置2と、表示装置3とを備える。画像診断支援システム本体10は、例えば汎用的なコンピュータシステムにより構成され、以下に説明する画像診断支援システム本体10内の個々の構成要素または機能は、例えば、コンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0017】
画像診断支援システム本体10には、診断の対象となる被験者のデータ(被験者データ)を記憶する被験者データ記憶部11と、あらかじめ収集しておいた健常者のデータ(健常者データ)を記憶する健常者データ記憶部13と、被験者の個人脳データの前処理を行う前処理部15と、脳における疾患別に予め定められている関心領域を示すVOI(Volume of Interest)データを記憶したVOIデータ記憶部17と、VOIデータに基づいて、被験者データを処理する被験者VOI処理部19と、VOIデータに基づいて、健常者データを処理する健常者VOI処理部21と、Z値を算出するZ値算出部23と、算出されたZ値を記憶するZ値データ記憶部25と、Z値に基づいて疾患判定を行う疾患判定部27と、被験者データとZ値とに基づいて、被験者画像を表示装置3に表示させる表示制御部29と、を備える。
【0018】
被験者データ記憶部11は、被験者データとして、被験者の個人脳データ111と、被験者の標準脳データ113とを記憶する。個人脳データ111は、SPECT撮像装置5で撮像した被験者の3次元のSPECTデータである。標準脳データ113は、個人脳データ111を前処理部15で処理した後の被験者の3次元のSPECTデータである。個人脳データ111及び標準脳データ113は、いずれも複数のボクセルからなるデータである。
【0019】
前処理部15は、被験者の個人脳データ111を所定の標準脳の形状に変換する解剖学的標準化処理を行って、標準脳データ113を生成する。前処理部15は、さらに、標準脳データ113のボクセル値の平滑化処理を行っても良いし、ボクセル値の正規化処理を行っても良い。つまり、標準脳データ113のボクセル値には、平滑化処理及び正規化処理の少なくともいずれか一方が施されていても良い。
【0020】
健常者データ記憶部13には、健常者データとして、予め収集しておいた多数の健常者の脳の3次元のSPECTデータである健常者の標準脳データ(以下、健常者データと称する)131が記憶されている。つまり、健常者データ131は、解剖学的標準化処理が施された標準脳形状になっている。さらに、上述のボクセル値の平滑化処理及び正規化処理の少なくともいずれか一方が施されていても良い。
【0021】
図2は、被験者の個人脳データ111、標準脳データ113及び健常者データ131のデータ構造の一例を示す図である。
【0022】
被験者の個人脳データ111、標準脳データ113及び健常者データ131は、同じデータ構造を有している。つまり、標準脳形状の頭部の左右方向をX軸、前後方向をY軸、上下方向をZ軸としたとき、Z軸方向にN枚のX−Y断面の画像データからなる。各画像データに含まれるボクセル値は、各画像の画素値と対応する。
【0023】
再び図1を参照すると、VOIデータ記憶部17は、疾患別重症度(病期、進行度)別に予め設定されているVOIを示すVOIデータが記憶されている。つまり、VOIデータ記憶部17には、疾患別重症度別のVOIを示すVOIデータ170が複数格納されている。ここで、VOIは、脳のSPECT画像において、各疾患の診断を行う際に着目すべき3次元領域である。つまり、疾患別重症度別のVOIは、それぞれの疾患重症度別で血流量の変化が生じる領域である。従って、VOIは、疾患別、さらには疾患の病期重症度別に、それぞれ異なる領域が設定される。一つのVOIデータに複数のVOIが設定されていてもよい。脳の疾患例としては、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、マシャド・ジョセフ病、オリーブ橋小脳萎縮症などが挙げられる。ターゲット領域は、例えば、NINCDS−ADRDAなど所定の診断基準や各種検査に基づいて定められる。例えば、疾患群(ある疾患の多数の患者データ)と健常者群(多数の健常者データ)とを群間比較して、検定統計量(t検定etc)によってその閾値を決めることによって作成することができる。
【0024】
図3は、VOIデータ記憶部17に記憶されているVOIデータ170の一例を示す図である。すなわち、各VOIデータ170は、それぞれ、「アルツハイマー重度1」「アルツハイマー重度2」・・・などと、疾患別病期重症度別に設定されている。各VOIデータ170は、同図に示すように、VOIとなるボクセルには「1」、それ以外の領域のボクセルには「0」がセットされている。
【0025】
改めて図1を参照すると、被験者VOI処理部19は、被験者データ記憶部11及びVOIデータ記憶部17を参照して、被験者の標準脳データ113におけるVOIを代表するVOI値を特定する。例えば、被験者VOI処理部19は、被験者の標準脳データ113とVOIデータ170とを対比して、VOI内のボクセルのボクセル値に基づいてVOI値を特定する。このVOI値は、VOIを代表する値であって、例えば、各VOI内のボクセルのボクセル値の平均値でも良いし、あるいは、最も出現頻度が高い値でもよい。被験者VOI処理部19は、一つのVOIデータ170に対して一つのVOI値を特定する。
【0026】
図4は、頭部のあるX―Y断面におけるVOIの分布の一例を示す図である。例えば、同図に示すように、ある疾患に対するVOIとして、互いに異なる複数の個別VOI200,201が設定されることがある。つまり、複数の個別VOIにより、一つのVOIが形成されることがある。各個別VOI200,201は、例えば、側頭と後部帯状回など、脳の異なるセグメントにそれぞれ設定されていても良い。この例では、個別VOI200を構成するボクセル数が10、個別VOI201を構成するボクセル数が100とする。さらに、個別VOI200内の平均ボクセル値が50(カウント)、個別VOI201内の平均ボクセル値が60(カウント)とする。
【0027】
このとき、被験者VOI処理部19は、個別VOI200と個別VOI201をあわせた全ボクセル(すなわち110ボクセル)の平均値を算出して、その平均値をVOI値としても良い。例えば、上記の例の場合、以下の式によりVOI値は59.1となる。
(10*50+100*60)/110=59.1。
【0028】
また、被験者VOI処理部19は、被験者の標準脳データ113について、各個別VOI200,201ごとに、それぞれの個別VOIを代表する値(以下、個別代表値と称する)を特定し、個別代表値に基づいてVOI値を特定しても良い。例えば、被験者VOI処理部19は、個別VOI200及び個別VOI201の大きさを考慮せずにそれぞれの個別代表値の平均値を算出して、これをVOI値としても良い。
【0029】
例えば、上記の例の場合、各個別VOIの平均値を個別代表値とすれば、個別VOI200の個別代表値は50、個別VOI201の個別代表値は60である。従って、個別代表値である50と60の平均をとれば、以下の式によりVOI値は55となる。
(50+60)/2=55
【0030】
さらには、個別代表値からVOI値を算出する際、各個別代表値に個別VOI200、201の、予め定められている重要度に応じた重み付けを行ってもよい。
【0031】
例えば、個別VOI200と個別VOI201の重要度が2:1であるとき、以下に示すように個別VOI200の個別代表値に2倍の重み付けを行って、VOI値は53.3となる。
(50*2+60)/3=53.3
【0032】
なお、個別VOIの重要度は、例えば、VOIデータ170を生成する際の検定統計量(例えばt値)に応じて定めても良い。
【0033】
健常者VOI処理部21は、健常者データ記憶部13及びVOIデータ記憶部17を参照して、複数の健常者の健常者データ131のそれぞれにおけるVOIを代表する、複数のVOI値を特定する。
【0034】
例えば、健常者VOI処理部21は、上述した被験者VOI処理部19と同じ処理を行って、健常者データ131ごとに、一つのVOIデータ170に対して一つのVOI値を算出する。被験者VOI処理部19の説明では、VOI値の算出手法について複数言及したが、被験者VOI処理部19と健常者VOI処理部21が同じ手法を用いてそれぞれVOI値を算出するようにしても良い。
【0035】
健常者VOI処理部21は、さらに、算出した複数の健常者データ131のVOI値の平均値M及び標準偏差SDを算出する。
【0036】
なお、上記の説明では、ボクセル値を用いてVOI値を算出しているが、他の値を用いてVOI値を算出しても良い。例えば、予め被験者の標準脳データ113について、複数の健常者データ131に基づいてボクセルごとにZ値を算出しておき、このボクセルのZ値を用いて、上記と同様の手順でVOI値を算出しても良い。
【0037】
複数の健常者のVOI値に基づいて被験者のVOI値を評価する評価手段として、本実施形態では、Z値算出部23がZ値を算出する。すなわち、Z値算出部23は、健常者VOI処理部21で算出された複数の健常者データ131のVOI値、その平均値M及び標準偏差SDを用いて、被験者VOI処理部19で算出された標準脳データ113のVOI値のZ値を算出する。ここで算出されたZ値は、Z値データ記憶部25に格納される。
【0038】
なお、被験者のVOI値の評価手法としては、Z値を算出する以外の手法を用いても良い。例えば、t検定などを行って評価しても良い。
【0039】
疾患判定部27は、Z値算出部23が算出したZ値に基づいて、被験者がある疾患(以下、対象疾患という)である確からしさを判定する。例えば、疾患判定部27は、予め定められた判定基準、例えば各VOIデータ170に対応する判定のための基準値を保持している。そして、疾患判定部27は、対象疾患に対応するVOIデータ170の基準値とZ値算出部23が算出したZ値とを対比して、被験者が対象疾患である可能性を判定する。この判定結果は、医師が診断を行う際の診断支援情報として活用される。
【0040】
表示制御部29は、被験者データ記憶部11に記憶されている被験者データに基づいて、被験者のSPECT画像を表示装置3へ表示させる。表示制御部29は、このときに、Z値データ記憶部25に記憶されている同じ被験者のZ値を参照して、そのZ値に応じた表示態様(例えばZ値の大きさに応じて着色するなど)でSPECT画像を表示させてもよい。また、表示制御部29は、個人脳データ111に基づくSPECT画像及び標準脳データ113に基づくSPECT画像のいずれを表示させてもよい。個人脳データ111に基づくSPECT画像にZ値に応じた表示態様を重ねるときは、個人脳形状へ逆変換したZ値を用いても良い。表示制御部29は、表示装置3に疾患判定部27の判定結果をあわせて表示させても良い。
【0041】
次に、図5に示すフローチャートに従って、本システムで被験者が対象疾患であるか否かの確からしさを判定する際の処理手順を説明する。
【0042】
まず、本システムは、SPECT撮像装置5から、被験者の脳を撮像したSPECTデータである個人脳データ111を取得し、被験者データ記憶部11に格納する(S11)。
【0043】
つぎに、前処理部15が被験者データ記憶部11に記憶されている個人脳データ111に対する前処理を行って、標準脳データ113を生成する(S13)。
【0044】
被験者VOI処理部19は、VOIデータ記憶部17に記憶されている、対象疾患に対応する一つのVOIデータ170と、ステップS13で生成した標準脳データ113とに基づいて、上述の処理を行ってVOI値を算出する(S15)。
【0045】
健常者データ記憶部13には、予め複数の健常者の健常者データ131が格納されている。そこで、健常者VOI処理部21は、ステップS15で用いたVOIデータ170と複数の健常者データ131とに基づいて上述の処理を行い、健常者データ131ごとのVOI値、それらの平均値M及び標準偏差SDを算出する(S17)。
【0046】
なお、ステップS15とステップS17はいずれを先に行っても良い。
【0047】
Z値算出部23は、ステップS15及びS17の処理結果に基づいて、標準脳データ113のVOI値のZ値を算出する(S19)。
【0048】
疾患判定部27は、Z値算出部23が算出したZ値に基づいて、被験者が対象疾患である確からしさを判定する(S21)。
【0049】
表示制御部29は、被験者データ記憶部11に記憶されている標準脳データ113とZ値データとに基づいて、被験者のSPECT画像を表示装置3へ表示させる(S23)。
【0050】
これにより、VOI単位で被験者の3次元SPECTデータと健常者の3次元SPECTデータとを比較して、対象疾患であるか否かの診断を支援することができる。
【0051】
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0052】
例えば、健常者は、特定のグループに属する比較対象者の一例であり、健常者以外にも、例えば特定の疾患の患者など、共通の傾向を有するグループに属する者のデータを用いても良い。例えば、比較対象者として初期のアルツハイマー患者の患者データを用いた場合、被験者データから初期のアルツハイマー患者に対して特徴的な領域が抽出される。さらには、比較対象者をある疾患(例えばアルツハイマー型認知症)の患者とし、別の疾患(例えば鬱病)を対象疾患とすれば、二つの疾患を併発している被験者とそうでない被験者とを鑑別することもできる。
【0053】
また、上述の実施形態では、画像診断支援システムが脳のSPECTデータを解析する場合を例に説明したが、本発明はこれらのデータを扱うものに限定されない。例えば、脳以外の器官のデータを解析することもできるし、SPECT以外のモダリティーの撮像データ、例えばMRI(Magnetic Resonance Imaging)、X線CT(Computed Tomography)、PET(Positron Emission Tomography)、超音波などの撮像データを解析することもできる。
【符号の説明】
【0054】
1 画像診断支援システム
2 入力装置
3 表示装置
5 SPECT撮像装置
10 画像診断支援システム本体
11 被験者データ記憶部
13 健常者データ記憶部
15 前処理部
17 VOIデータ記憶部
19 被験者VOI処理部
21 健常者VOI処理部
23 Z値算出部
25 Z値データ記憶部
27 疾患判定部
29 表示制御部
111 個人脳データ
113 標準脳データ
131 健常者データ
170 VOIデータ
200,201 個別VOI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者、及び特定のグループに属する複数の比較対象者の所定の器官を撮像した3次元の撮像データを記憶する撮像データ記憶手段と、
前記器官における、疾患別に予め定められている関心領域を示す関心領域データを記憶する関心領域記憶手段と、
前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記複数の比較対象者の撮像データのそれぞれにおける前記関心領域を代表する第一の代表値を、比較対象者の撮像データごとに特定する第一の特定手段と、
前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記被験者の撮像データにおける前記関心領域を代表する第二の代表値を特定する第二の特定手段と、
前記第一の特定手段により前記比較対象者の撮像データごとに特定された複数の第一の代表値に基づいて、前記第二の代表値を評価する評価手段と、を備える診断支援システム。
【請求項2】
前記関心領域は、第一の個別関心領域と第二の個別関心領域とを有し、
前記第一の特定手段は、前記複数の比較対象者の撮像データのそれぞれについて、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値をそれぞれ特定し、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値に基づいて、前記複数の比較対象者の撮像データごとに前記第一の代表値を特定し、
前記第二の特定手段は、前記被験者の撮像データについて、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値をそれぞれ特定し、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値に基づいて、前記第二の代表値を特定する、請求項1記載の診断支援システム。
【請求項3】
前記第一の特定手段は、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値の平均値を、前記複数の比較対象者の撮像データごとの前記第一の代表値とし、
前記第二の特定手段は、前記被験者の撮像データについて、前記第一の個別関心領域の代表値及び前記第二の個別関心領域の代表値の平均値を前記第二の代表値とする、請求項2記載の診断支援システム。
【請求項4】
前記第一の特定手段及び第二の特定手段は、それぞれ、前記第一の個別関心領域及び前記第二の個別関心領域の重要度に応じた重み付けを行って、前記複数の比較対象者の撮像データごとの前記第一の代表値及び前記第二の代表値を特定する、請求項2記載の診断支援システム。
【請求項5】
前記評価手段は前記第二の代表値のZ値を算出する、請求項1〜4のいずれに記載の診断支援システム。
【請求項6】
前記断層画像は、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)画像であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像診断支援システム。
【請求項7】
被験者、及び特定のグループに属する複数の比較対象者の所定の器官を撮像した3次元の撮像データを記憶する撮像データ記憶手段と、前記器官における、疾患別に予め定められている関心領域を示す関心領域データを記憶する関心領域記憶手段と、を備えた診断支援システムが、
前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記複数の比較対象者の撮像データのそれぞれにおける前記関心領域を代表する第一の代表値を、比較対象者の撮像データごとに特定するステップと、
前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記被験者の撮像データにおける前記関心領域を代表する第二の代表値を特定するステップと、
前記比較対象者の撮像データごとに特定された複数の第一の代表値に基づいて、前記第二の代表値を評価するステップと、を行う診断支援方法。
【請求項8】
被験者、及び特定のグループに属する複数の比較対象者の所定の器官を撮像した3次元の撮像データを記憶する撮像データ記憶手段と、前記器官における、疾患別に予め定められている関心領域を示す関心領域データを記憶する関心領域記憶手段と、を備えた診断支援システムのためのコンピュータプログラムであって、
前記診断支援システムに、
前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記複数の比較対象者の撮像データのそれぞれにおける前記関心領域を代表する第一の代表値を、比較対象者の撮像データごとに特定するステップと、
前記撮像データ記憶手段及び前記関心領域記憶手段を参照して、前記被験者の撮像データにおける前記関心領域を代表する第二の代表値を特定するステップと、
前記比較対象者の撮像データごとに特定された複数の第一の代表値に基づいて、前記第二の代表値を評価するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−115270(P2011−115270A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273606(P2009−273606)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000149837)富士フイルムRIファーマ株式会社 (54)
【Fターム(参考)】