説明

試料分析装置

【課題】分注装置を含んだ分析装置においては、分析結果の信頼性を向上するためには工程管理が重要である。さらに遺伝子検査の分野など、増幅反応を伴う装置ではコンタミリスクが高く、不具合発生時において適切な回復処理を行う必要がある。
【解決手段】本発明は、分注手段、及び容器移送手段を移動させる搬送機構に、分注工程、及び容器移送工程を監視する撮影手段を設けることに関する。本発明によれば、動作の監視を動作場所にて行うことにより、各工程が実行されたか否かを確実に判断できる。更に、二次的な不具合を防止できる。これにより、信頼性の高いシステムを構築できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体試料を吸引吐出することにより分注を行う機構や、装置に設置された容器やノズルチップなどの消耗品を移送する機構を有する装置に関し、例えば、核酸分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体の吸引吐出を行う分注装置は、従来から分析の精度向上や、極少量の液量を分注する要求に応えるため、分注の正確性および再現性の向上に努めてきた。具体的には、関連する機械や部品の精度向上と材質の進化,機械の制御技術の進化などによって性能向上を実現してきたが、近年では、動作の過程を検証する要求が高まっている。この要求は、必要な工程を確実に実行したかを検証することにより、最終的に得られる結果の信頼性を確保することに貢献するとともに、万が一工程に不具合が発生した場合、工程を継続させることによって発生しうる不具合を最小限に抑えることを目的とするものである。不具合とは、例えば分注装置においては、液体を一時的に収納するノズルチップと、液体を吸引するためのシリンジユニットと接続するチップフィッティングとの接合が不十分であり、分注すべき液量が不正確になり、正しい分析結果が得られない場合である。この様な不具合を検出する方法のひとつとして、液体の吸引吐出を行う機構では、流路内の圧力変動検出により液体の流動状況を監視する方法が用いられている。
【0003】
また、近年は自動化が進み、分析に使用する容器など消耗品部材を搬送する機能を有する分析装置およびシステムもある。この場合においても、消耗品の保持や有無を判定し、同様の工程監視を行うものが多い。具体的には、例えば、ロボットハンドを用いて容器の搬送を行う装置においては、把持する部材の停止位置が容器の有り無しによって異なることを利用して容器の把持を確認する方法が用いられている。
【0004】
尚、特開2007−292606号公報(特許文献1)には、撮影ユニットで複数回の移動撮影を行うことにより、半導体ウェハの全表面にわたる複数の部分画像を取得する半導体ウェハの表面検査装置が開示されている。
【0005】
また、特開2005−164506号公報(特許文献2)には、試薬を反応容器に分注する分注プローブを備えた血液や尿などの自動分析装置において、出射した光の反射を検知して、反射光の強さと反射物までの距離を検出する光反射検出器が、3軸方向に移動可能な試薬保持機構や試薬キャップ開栓機構に併設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−292606号公報
【特許文献2】特開2005−164506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明者が、液体試料を分注し、消耗品を移送する装置について鋭意検討した結果、次のような知見を得るに至った。
【0008】
分析性能の信頼性をさらに高め、かつ不具合発生時に適切な対処をするためには、例えば試料や薬品の飛散という不具合にとどまらず、さらに、それらが混合することによって発生する二次的な不具合をも考慮して適切に対応しなければならない。そのためには、監視対象であるノズルチップや容器内の液体の状態をより正確に知ることが重要な課題となる。
【0009】
これに対し従来技術では、間接的な状態検出方法のため、検出できる現象が限定的であった。例えば、流路内の圧力変動検出により液体の流動状況を監視する方法では、シリンジユニット動作と、該動作により流動される液体との間に発生する流路内の圧力差を検出するため、液量の変動を直接検出することはできなかった。
【0010】
同様に、容器を把持する部材の停止位置によって容器の保持状態を検出する方法では、容器の有無検出は容易であるが、把持した容器内の液量や、容器自身の把持角度などの検出は限定的であった。
【0011】
さらに液体の状態を把握できないため、ノズルチップ廃棄や容器廃棄時に発生しうるノズルチップからの液体の漏れや容器の落下などにより、コンタミネーションが発生するリスクがあった。特に遺伝子検査など、採取した試料の増幅反応を伴う分野では不具合発生以降の処理工程を最適化しないと、廃棄されたノズルチップに付着した液滴同士が接触することで増幅反応が起こり、その後の回復作業時間が増大するなど、装置の運用に重大な影響を与える恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、分注手段、及び容器移送手段を移動させる搬送機構に、分注工程、及び容器移送工程を監視する撮影手段を設けることに関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動作の監視を動作場所にて行うことにより、各工程が実行されたか否かを確実に判断できる。更に、二次的な不具合を防止できる。これにより、信頼性の高いシステムを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1における分析装置の構成図。
【図2】実施例1における機能集約ユニット構成図。
【図3】実施例1における分析装置の装置系統図。
【図4】実施例1における液量検出フロー図。
【図5】実施例1における液量検出NG判定時の動作フロー図。
【図6】実施例1における容器検出フロー図。
【図7】実施例1における容器検出NG判定時の動作フロー図。
【図8】実施例2における機能集約ユニット構成図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施例では、液体の分注や消耗品の移送を実施する機構と、撮像手段とを一つのユニットに集約している。撮像手段を用いることにより、液体の量を算出するのに必要な変動量や、容器の有無自体を、直接的に検出し、状態判断できる。また、液体の分注や消耗品の移送を行ったその場所での状態判断をすることができる。更に、検出手段の共用化が図れることによって検出器の共用化や集約化が可能となり、分析装置の小型化が図れる。これにより、ユニット稼動範囲のいずれの場所における動作であっても即時検出が可能となり、2次的な不具合も防止することが可能となる。
【0016】
より具体的には、共用化され集約化された検出手段を、検出対象となる分注機構やロボットハンドリング機構などと一体化している。一体化により、分注や容器搬送などの各種工程をあらゆる場所で監視可能となり、工程管理の信頼性が増すとともに、不具合発生時の検出精度も向上し、適切な処理が可能となる。このように、動作の監視を動作場所にて行うことにより、工程が確実に実行されたか否かを判断でき、かつ二次的な不具合を防止可能な信頼性の高いシステムを構築できる。また、機能を集約することにより、小型装置の提供が可能となる。
【0017】
実施例では、液体を吸引、及び吐出する分注手段と、容器を把持、及び移動する移送手段と、を備えたユニットと、当該ユニットを移動させる搬送機構と、を備え、ユニットが、分注手段、及び移送手段を監視する撮影手段を備える試料分析装置を開示する。
【0018】
また、実施例では、ノズルチップとの接続手段と、容器の保持手段と、を備えたユニットと、当該ユニットを移動させる搬送機構と、を備え、ユニットが、ノズルチップ、及び容器を視野に納める撮影手段を備える試料分析装置を開示する。
【0019】
また、実施例では、撮像手段から得た画像情報を用いて、分注工程、及び移送工程の成否判断する演算手段を備える試料分析装置を開示する。
【0020】
また、本実施例では、撮像手段から得た画像情報を用いて、分注工程、及び移送工程の手順を変更する試料分析装置を開示する。
【0021】
また、本実施例では、容器の廃棄場所を複数備え、撮像手段から得た画像情報を用いて、容器の廃棄場所を判断する演算手段を備える試料分析装置を開示する。
【0022】
また、本実施例では、分注手段がノズルチップを含む試料分析装置を開示する。
【0023】
また、本実施例では、ノズルチップの廃棄場所を複数備え、撮像手段から得た画像情報を用いて、ノズルチップの廃棄場所を判断する演算手段を備える試料分析装置を開示する。
【0024】
また、本実施例では、容器、及びノズルチップの廃棄場所を複数備え、撮像手段から得た画像情報を用いて、容器、及びノズルチップの廃棄場所を判断する演算手段を備える試料分析装置を開示する。
【0025】
また、本実施例では、撮影手段がCCDカメラを含む試料分析装置を開示する。
【0026】
また、本実施例では、撮影手段が、分注手段、及び移送手段を同時に視野に納めている試料分析装置を開示する。
【0027】
また、本実施例では、撮影手段が、視野を変えるための移動機構を備える試料分析装置を開示する。
【0028】
以下、上記及びその他の本願発明の新規な特徴と効果について図面を参酌して説明する。尚、図面は専ら説明に用いるものであり、権利範囲を減縮するものではない。
【実施例1】
【0029】
本実施例では、各工程を実施する機構と、汎用性の高い撮像手段による機能を一つのユニットに集約した分析装置を説明する。撮像手段を用いることにより、液体の量を算出するのに必要な変動量や、容器内の液体有無を直接的に、かつ、検出対象を捜査した場所で状態の検出・判断することができるため、高精度な工程管理と、不具合発生時にはコンタミネーションリスクを低減した適切な回復動作を選択することができる。
【0030】
図1に、本実施例における分析装置10の全体図を示す。
【0031】
分析装置10は、遺伝子検査のために核酸を含む試料を分析する装置である。分析装置10には、分析に必要な機能として、試料と試薬を混合する攪拌ユニット48,容器5を閉栓する閉栓ユニット49、及び分析ユニット15が配置されている。分析ユニット15の機能は、例えば、分光光度計相当の光学測定機能などである。
【0032】
分析装置10の左側には、複数のノズルチップ3を保持するノズルチップラック11や、複数の容器5を保持する容器ラック12が配置されている。
【0033】
また、分析装置10には、ノズルチップ3を用いて試料や試薬を分注する分注機能や、容器5の把持して移動させる移送機能を有する機能集約ユニット1を備える。機能集約ユニット1は、ロボットアームX軸44、及びロボットアームY軸45により保持され、2次元的に移動可能である。尚、機能集約ユニット1の一部構成はZ軸方向(上下方向)に移動可能であるが、ロボットアームZ軸などを追加し、機能集約ユニット1自体を3次元的に動かすことも可能である。
【0034】
分析装置10には、2つの廃棄ボックス14,17を有し、廃棄すべき対象により廃棄場所を選択可能としている。使用済みのノズルチップ3や容器5は、これら廃棄ボックスに投棄される。
【0035】
図2に、本実施例における機能集約ユニット1の構成図を示す。
【0036】
機能集約ユニット1には、ノズルチップ3とシリンジユニット2を用いた分注機構と、容器5を保持できるグリッパ4、及び撮像手段であるCCDカメラ30を搭載している。CCDカメラ30に用いる撮像素子は、CMOSなど、電子データにて出力できるものであれば他の種類のものでもかまわない。シリンジユニット2とグリッパ4はCCDカメラ30の正面に配置されており、ともに、CCDカメラ30の視野内に配置されている。
【0037】
分注機構には、液体を吸引するシリンジユニット2が配置されている。シリンジユニット2は、ステッピングモーターによって駆動されるプランジャ41を有し、指定した液量に対応した液体の吸引、及び吐出が可能となっている。シリンジユニット2の先端にはノズルチップ3を保持するためのチップフィッティング6(図示せず)が接続されており、接合によりノズルチップ3と接続できる。本実施例にて使用するノズルチップ3は、外部より液体の状態を確認できるよう、透明、もしくは半透明の材質になっている。また、ポリプロピレン(polypropylene)など、耐薬品性の高い樹脂を使用することが望ましい。
【0038】
グリッパ4には、容器5を把持するためのグリッパアーム46が2本取り付けてあり、容器5を挟み込むことで、容器5の保持を行うことができる。グリッパアーム46はソレノイド(図示せず)によって一定方向に移動され、2本のグリッパアーム46間に設置したばね(図示せず)により、ソレノイド非駆動時には反対方向に動作させることが可能である。
【0039】
CCDカメラ30は、シリンジユニット2及びグリッパ4機構が搭載されている機能集約ユニット1上に設置されているため、機能集約ユニット1が移動しても、これらの機構との位置関係は常に一定に保たれる。
【0040】
図3に、本実施例における装置系統図を示す。制御用のソフトウェアはPC50に格納されており、オペレータからの入力により動作を開始する。試料を吸引するシリンジユニット22(プランジャ41),シリンジの上下移動機構(シリンジZ軸42),容器5を把持するグリッパアーム46,グリッパの上下移動機構(グリッパZ軸43)、これらを移動するロボットアームX軸44,ロボットアームY軸45らは、機構制御部53を介してPC50と接続され、PC50に格納されたソフトウェアによって動作を指示される。CCDカメラ30は画像処理部54を介してPC50に接続され、PC50に格納されたソフトウェアによって監視対象の状態を判断する。
【0041】
図4に、本実施例の液量検出フロー図を示す。機能集約ユニット1はロボットアームX軸44,ロボットアームY軸45の動作によりノズルチップラック11上の、対象とするノズルチップ3の位置へ移動する。その後、シリンジユニット2を上下方向に移動可能なシリンジ上下移動機構(図示せず)により下降させ、ノズルチップ3にチップフィッティング6を圧入し、結合させる。ノズルチップ3を結合した後、シリンジ上下移動機構によりシリンジを上昇させ、CCDカメラ30の視野内に停止させる。その後、CCDカメラ30でノズルチップ3を撮影し、ノズルチップ3が装着されているか否かを判定する。ノズルチップ3が装着されていない場合、指定回数再装着工程を繰り返し、その後でもノズルチップ3が装着されていないと判断された場合、アラームを発し、装置をストップさせる。ノズルチップ3が装着されたと判断した場合、ロボットアームX軸44,ロボットアームY軸45が動作可能な高さまでシリンジユニット2を上昇させ、分注元である試料容器18へ移動させる。試料容器18へ移動させた後、シリンジ上下機構によりシリンジユニット2を下降させ、ノズルチップ3先端を一定量試料容器内の試料に挿入する。その後、シリンジユニット2のプランジャ41を動作させ、試料を指定量吸引させた後、CCDカメラ30の視野内までノズルチップ3を上昇させる。その後、CCDカメラ30でノズルチップ3を撮影し、液面の有無の違いにより吸引した試料が充填されている領域を検出する。領域の検出方法は、例えば、液体の有無によって発生するコントラストの差を用いて、ソフトウェアにて検出を行う方法、などである。
【0042】
その後、検出した領域から断面積を計算し、事前に取得してあるチップの形状情報より、吸引した試料の液量を算出する。その後、算出した液量と、吸引を指示した液量の差分が定めた範囲内であれば正常であると判断し、そうでなければ異常であると判断する。正常と判断した場合、ロボットアームX軸44,ロボットアームY軸45が動作可能な高さまでシリンジユニット2を上昇させ、定められた工程にしたがって動作を継続させる。異常と判断した場合、警告を発し、装置を停止させる。本実施例における手順では、分注元である試料容器上にて正常か否かの判定が行われるため、仮にノズルチップ3の接合不良により試料の漏れが発生した場合でも試料は試料容器内に落下する。このため、試料の飛散や飛び散りによる二次的な不具合を防止することが可能である。
【0043】
尚、試料吸引と同様に、試料吐出時の監視にもCCDカメラ30は使用できる。具体的には、試料吐出後、ノズルチップ3内に試料がないことを確認する。
【0044】
図5に、本実施例における液量検出異常判定時の動作フローを示す。異常判定となった場合、まず試料などの液体を吸引する前か後かにより、次工程を判断する。液体吸引前であれば、そのままノズルチップ3の廃棄が可能となる。これに対し、液体吸引後の場合は、すでに廃棄されていたノズルチップ3に対し、混合が不可能な液体に接液したノズルチップ3の場合、他の適切な廃棄先を選択する。更に、ノズルチップ3内に液体が残っている場合は、廃棄先に液体を飛散させることを防止する目的で、自動での廃棄を行わず、オペレータの作業にて回復動作を行う。
【0045】
図6に、本実施例における容器検出フローを示す。機能集約ユニット1は、ロボットアームX軸44、及びロボットアームY軸45の動作により、容器ラック12上の、対象とする容器5の位置へ移動する。その後、グリッパ4を上下方向に移動可能なグリッパ上下移動機構(図示せず)により下降させ、容器5をグリッパアーム46にて挟み込み、把持する。容器5を把持した後、グリッパ上下移動機構によりグリッパ4を上昇させ、CCDカメラ30の視野内に停止させる。その後、CCDカメラ30で容器5を撮影し、容器5が把持されているか否かを判定する。容器5が把持されていない場合、指定回数再把持工程を繰り返し、その後でも容器5が把持されていないと判断された場合、アラームを発し、装置をストップさせる。容器5が把持されたと判断した場合、ロボットアームX軸44、及びロボットアームY軸45が動作可能な高さまでグリッパ4を上昇させ、設置先へ移動させる。なお、本動作は、容器5を把持する場合だけでなく、設置場所へ容器5を設置する場合にも適用される。具体的には、容器5を設置したのち、CCDカメラ30にてグリッパ4に容器5がないことを確認すればよい。
【0046】
図7に、本実施例における容器検出異常判定時の動作フローを示す。異常判定となった場合、まず容器内への試料などの液体を吐出する前か後かにより、次工程を判断する。液体吐出前であれば、容器内には液体が入っていないため、そのまま容器5の廃棄が可能となる。これに対し、液体吐出後の場合は、対象となる容器5が閉栓する前か後かで次工程を判断する。閉栓されていれば、廃棄されているノズルチップ3に付着、もしくは閉栓されていない容器5の液体と混合するリスクはなく、すでにノズルチップ3もしくは容器5が廃棄済みである場所に、あらたに容器5を廃棄することが可能である。閉栓前であれば、すでに廃棄されているノズルチップ3に付着、もしくは閉栓されていない容器5の液体と反応するか否かによって次工程を決定する。
【0047】
混合が不可能な液体が分注された容器5の場合、自動での廃棄を行わず、オペレータの作業にて回復動作を行うことを促し、試料の飛散によるコンタミネーション発生のリスクを抑制することが可能となる。
【0048】
分注装置を含んだ分析装置においては、分析結果の信頼性を向上するためには工程管理が重要である。さらに遺伝子検査の分野など、増幅反応を伴う装置ではコンタミリスクが高く、不具合発生時において適切な回復処理を行う必要がある。
【0049】
本実施例では、各工程を実施する機構と、撮像手段による機能を一つのユニットに集約している。撮像手段を用いることにより、液体の量を算出するのに必要な変動量や、容器の保持状態ではなく、容器の有無自体を直接的に、かつ、検出対象を捜査した場所で状態の検出・判断することができる。動作の監視を動作場所にて行うことにより、工程が確実に実行されたか否かを判断でき、かつ二次的な不具合を防止可能な信頼性の高いシステムを構築できる。また、機能を集約することにより、小型の装置の提供が可能となる。
【0050】
尚、本実施例では、核酸含有試料の分析装置を例に説明したが、それ以外の試料、例えば、血液や尿などの生体試料の分析装置にも適用することができる。
【実施例2】
【0051】
本実施例では、機能集約ユニット1の別の例を示す。以下、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0052】
図7に、本実施例における機能集約ユニット1の構成図を示す。本実施例では、CCDカメラ30に回転機構61を備えており、カメラ回転軸62を中心にCCDカメラ30を固定した状態よりも、より広い視野を監視することができる。これにより、監視対象のレイアウトの自由度が増し、より集約ユニットの小型化、および配置の最適化が図れる。なお、CCDカメラ30の回転機構に、直線移動が可能な直動軸を単数、又は複数組み合わせることも可能である。この場合、さらに広範囲を監視することが可能となる。
【符号の説明】
【0053】
1 機能集約ユニット
2 シリンジユニット
3 ノズルチップ
4 グリッパ
5 容器
6 チップフィッティング
10 分析装置
11 ノズルチップラック
12 容器ラック
13 分注ステーション
14 廃棄ボックス1
15 分析ユニット
16 搬入搬出口
17 廃棄ボックス2
18 試料容器
30 CCDカメラ
31〜35 ステッピングモーター
36 ソレノイド
41 プランジャ
42 シリンジZ軸
43 グリッパZ軸
44 ロボットアームX軸
45 ロボットアームY軸
46 グリッパアーム
47 廃棄口
48 攪拌ユニット
49 閉栓ユニット
50 PC
51 キーボード
52 モニタ
53 機構制御部
54 画像処理部
61 カメラ回転機構
62 カメラ回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吸引、及び吐出する分注手段と、容器を把持、及び移動する移送手段と、を備えたユニットと、
当該ユニットを移動させる搬送機構と、
を備えた試料分析装置であって、
前記ユニットが、前記分注手段、及び前記移送手段を監視する撮影手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1記載の試料分析装置において、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、分注工程、及び移送工程の成否判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1記載の試料分析装置において、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、分注工程、及び移送工程の手順を変更することを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1記載の試料分析装置において、
容器の廃棄場所を複数備え、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、容器の廃棄場所を判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1記載の試料分析装置において、
前記分注手段がノズルチップを含むことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5記載の試料分析装置において、
前記ノズルチップの廃棄場所を複数備え、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、ノズルチップの廃棄場所を判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項5記載の試料分析装置において、
前記容器、及び前記ノズルチップの廃棄場所を複数備え、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、前記容器、及び前記ノズルチップの廃棄場所を判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1記載の試料分析装置において、
前記撮影手段がCCDカメラを含むことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1記載の試料分析装置において、
前記撮影手段が、前記分注手段、及び前記移送手段を同時に視野に納めていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1記載の試料分析装置において、
前記撮影手段が、視野を変えるための移動機構を備えることを特徴とする装置。
【請求項11】
ノズルチップとの接続手段と、容器の保持手段と、を備えたユニットと、
当該ユニットを移動させる搬送機構と、
を備えた試料分析装置であって、
前記ユニットが、前記ノズルチップ、及び前記容器を視野に納める撮影手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項11記載の試料分析装置において、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、分注工程、及び移送工程の成否判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項11記載の試料分析装置において、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、分注工程、及び移送工程の手順を変更することを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項11記載の試料分析装置において、
容器の廃棄場所を複数備え、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、容器の廃棄場所を判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項11記載の試料分析装置において、
前記ノズルチップの廃棄場所を複数備え、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、ノズルチップの廃棄場所を判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項11記載の試料分析装置において、
前記容器、及び前記ノズルチップの廃棄場所を複数備え、
前記撮像手段から得た画像情報を用いて、前記容器、及び前記ノズルチップの廃棄場所を判断する演算手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項11記載の試料分析装置において、
前記撮影手段がCCDカメラを含むことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項11記載の試料分析装置において、
前記撮影手段が、前記分注手段、及び前記移送手段を同時に視野に納めていることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項11記載の試料分析装置において、
前記撮影手段が、視野を変えるための移動機構を備えることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−175420(P2010−175420A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18954(P2009−18954)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】