説明

試料採取装置

【課題】 配管を切断することなしにその内壁面からの試料の採取を行うことを可能にする装置を提供すること。
【解決手段】 管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための装置は、一対のつば部材と、両つば部材間に配置されかつ両つば部材に接続された一対の弾性部材と、両弾性部材にそれぞれ取り付けられ、両つば部材の周面に連なる仮想筒内に位置する一対の濾紙部材とからなる組立体を備え、さらに一方のつば部材に係止可能である一端部と、両弾性部材間を経て他方のつば部材を貫通する他端部とを有するワイヤと、他方のつば部材を貫通した前記ワイヤの一部が通された鞘部材とを備える。鞘部材に対して前記ワイヤを相対移動させることにより、管内で両つば部材を互いに近接させ、これにより両弾性部材を湾曲させ、濾紙部材を管の内壁面に接触させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質による表面汚染を検査するために使われるスミヤ法の実施に供される試料採取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射性物質を取り扱う研究室、実験室、病院等の施設の解体、改変等に際し、当該施設の床、壁、実験台等における放射性物質による表面汚染の検査をするため、これらの表面(検査面)の一定面積を濾紙部材で擦り、これにより濾紙部材に付着した試料の放射能を測定するスミヤ法が用いられている。
【0003】
高所にある検査面のように手の届きにくいところからの試料採取には、遠隔操作が可能である試料採取装置が提案されている(後記特許文献1参照)。しかし、この試料採取装置は、排水管や排気ダクトのような配管の内壁面を検査面とするものについて適用することができない。
【特許文献1】特開平9−96677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、配管の検査のため、配管をその上流から下流までの間の複数箇所で切除し、切除した配管の切断片から試料を採取することが行われている。しかし、配管の切断に伴って放射性物質を含んだ溶液や粉末が飛散することがあり、これによって作業者が被曝したり、放射能汚染が拡大する危険があった。また、床や壁に埋設された配管からの試料採取には、これに先立ち、床や壁の一部を破壊しなければならなかった。さらに、配管の切断には騒音や振動を伴うという不利があった。
【0005】
本発明の目的は、配管を切断することなしにその内壁面からの試料の採取を行うことを可能にする装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1に記載の発明は、管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための装置に係り、互いに相対する一対のつば部材と、両つば部材間に配置されかつ両つば部材に接続された一対の弾性部材と、両弾性部材にそれぞれ取り付けられた、両つば部材の周面間の仮想筒内に位置する一対の濾紙部材と、一方のつば部材に連結された又は係止可能である一端部と、両弾性部材間を経て他方のつば部材を貫通する他端部とを有するワイヤと、前記他方のつば部材を貫通した前記ワイヤの一部が通された、前記他方のつば部材に当接可能の鞘部材とを含み、前記鞘部材に対して前記ワイヤを相対移動させることにより、前記管内で両つば部材を互いに近接させ、これにより両弾性部材を湾曲させ、前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能であることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、両つば部材、両弾性部材及び濾紙部材の組立体について、これを検査対象である管の端部からその内部に挿入し、管内を移動させることができる。前記組立体の移動は、前記管内に前記組立体を推し進めるべく、前記組立体から伸びるワイヤ及び鞘部材を前記管内に送り出すことにより行うことができる。前記組立体の移動時、両つば部材の周面が前記管の内壁面上を滑動する。前記弾性部材に取り付けられた濾紙部材は両つば部材の周面間の仮想筒内に位置することから、前記組立体の移動の間、両つば部材は前記濾紙部材を前記管の内壁面から間隔をおくスペーサとしての働きをなし、前記濾紙部材は前記管の内壁面に接しないように維持される。前記組立体の前記管内における目標位置への到達は、前記ワイヤ又は前記鞘部材の送り出し長さを計測することにより知ることができる。前記組立体が前記目標位置に到達した後、前記管の内部からその外部に伸びる前記鞘に対して前記ワイヤを相対移動させること、具体的には前記鞘を前記組立体の他方のつば部材に当接させ、これを維持する間に前記ワイヤを引き寄せる。これにより、前記管内の組立体の一方のつば部材が他方のつば部材に接近し、両つば部材間の両弾性部材が湾曲する。その結果、前記弾性部材上の濾紙部材が前記管の内壁面に押し付けられる。前記管の内壁面からの試料採取は、前記濾紙部材を前記管の内壁面に押し付けた状態のまま、前記ワイヤ及び前記鞘部材を引き寄せ、前記組立体をわずかに移動させることにより行うことができる。これにより、前記濾紙部材が前記管の内壁面に付着した物質を擦り取る。この濾紙部材による擦り取りは、個々の作業者が濾紙部材を手に持って行う擦り取り作業と異なり、ほぼ一定の押圧力の付与下で行うことができるため、各目標位置でばらつきのない一定量の試料を採取することができる。
【0008】
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成事項を備えた上で、さらに、一方のつば部材に設けられ、他方のつば部材と反対の側に向けて先細に伸びる突出部材を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記管が湾曲し、あるいは折れ曲がっているとき、突出部材が管内を移動中の前記組立体に先行して前記管の内壁面に当たり、その案内の下、前記管の内壁面に沿っての前記組立体の管内移動を容易にする。
【0010】
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3に記載の発明は、他の試料採取装置に係り、弾性を有する袋体と、前記袋体の口部の周りに取り付けられたつば部材と、前記袋体に取り付けられ、前記つば部材の周面の延長である仮想筒面内に位置する少なくとも1つの濾紙部材と、前記袋体の口部に接続され該袋体の内部に連通する導管とを含み、前記導管を介して前記袋体の内部に流体を供給することにより、前記管内で前記袋体を膨張させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、袋体、つば部材及び濾紙部材の組立体について、これを検査対象である管の端部からその内部に挿入し、管内を移動させることができる。前記組立体の移動は、前記管内に前記組立体を推し進めるべく、前記袋体から伸びる導管を前記管内に送り出すことにより行うことができる。前記組立体の移動時、前記袋体の口部の周りのつば部材の周面が前記管の内壁面上を滑動する。前記袋体に取り付けられた濾紙部材は前記つば部材の周面の延長である仮想筒面内に位置することから、前記組立体の移動の間、前記つば部材は前記濾紙部材を前記管の内壁面から間隔をおくスペーサとしての働きをなし、前記濾紙部材は前記管の内壁面に接しないように維持される。前記組立体の前記管内における目標位置への到達は、前記導管の送り出し長さを計測することにより知ることができる。前記袋体が前記目標位置に到達した後、前記導管を通して前記管の外部から空気のような流体を前記袋体に供給し、前記袋体を膨張させる。これにより、前記袋体上の濾紙部材が前記管の内壁面に押し付けられる。前記管の内壁面からの試料採取は、前記濾紙部材を前記管の内壁面に押し付けた状態のまま、前記導管を引き寄せ、前記膨張した袋体をわずかに移動させることにより行うことができる。これにより、前記濾紙部材が前記管の内壁面に付着した物質を擦り取る。この濾紙部材による擦り取りは、個々の作業者が濾紙部材を手に持って行う擦り取り作業と異なり、ほぼ一定の押圧力の付与下で行うことができるため、各目標位置でばらつきのない一定量の試料を採取することができる。
【0012】
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4に記載の発明は、さらに他の試料採取装置に係り、開口を有するケーシングと、前記ケーシングに取り付けられ該ケーシングの開口を密閉する弾性膜と、前記ケーシングの開口の周囲を取り巻く突条と、前記弾性膜に取り付けられ、前記ケーシングと前記突条の先端との間に位置する濾紙部材と、前記ケーシングに取り付けられ該ケーシングの内部に連通する導管とを含み、前記導管を介して前記ケーシングの内部に流体を供給することにより、前記管の内部で前記弾性膜を膨張させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、ケーシング及び弾性膜の組立体について、これを検査対象である管の端部からその内部に挿入し、管内を移動させることができる。前記組立体の移動は、前記管内に前記組立体を推し進めるべく、前記組立体から伸びる導管を前記管内に送り出すことにより行うことができる。前記組立体の移動時、前記ケーシングの開口の周囲を取り巻く突条が前記管の内壁面上を滑動する。前記弾性膜に取り付けられた濾紙部材は前記ケーシングと前記突条の先端との間に位置することから、前記組立体の移動の間、前記突条は前記濾紙部材を前記管の内壁面から間隔をおいた位置に維持するスペーサとしての働きをなし、前記濾紙部材は前記管の内壁面に接しないように維持される。前記組立体の前記管内における目標位置への到達は、前記導管の送り出し長さを計測することにより知ることができる。前記組立体が前記目標位置に到達した後、前記導管を通して、前記管の外部から前記ケーシング内に空気のような流体を供給する。これにより、前記弾性膜が膨張し、該弾性膜上の濾紙部材が前記管の内壁面に押し付けられる。前記管の内壁面からの試料採取は、前記濾紙部材を前記管の内壁面に押し付けた状態のまま、前記導管を引き寄せ、前記組立体をわずかに移動させることにより行うことができる。これにより、前記濾紙部材が前記管の内壁面に付着した物質を擦り取る。この濾紙部材による擦り取りは、個々の作業者が濾紙部材を手に持って行う擦り取り作業と異なり、ほぼ一定の押圧力の付与下で行うことができるため、各目標位置でばらつきのない一定量の試料を採取することができる。
【0014】
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5に記載の発明は、磁性体からなる管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための装置に係り、開口を有するケーシングと、該ケーシング内に配置された弾性部材と、前記ケーシング内に配置された電磁石であって前記弾性部材の弾力に抗してその一部が前記ケーシングの開口から該ケーシングの外部に突出可能である電磁石と、前記ケーシングの開口の周囲を取り巻く突条と、前記電磁石に取り付けられ前記ケーシングの開口に臨む濾紙部材であって前記ケーシングと前記突条の先端との間に位置する濾紙部材と、前記電磁石に電気的に接続されかつ前記ケーシングに連結された電源コードとを含み、前記電源コードを介して前記電磁石に通電することにより、前記管の内部で前記電磁石を励磁させ、これにより前記電磁石の一部を前記弾性部材の弾力に抗して前記ケーシングの開口から前記ケーシングの外部に突出させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、ケーシング、弾性部材及び電磁石の組立体について、これを検査対象である管の端部からその内部に挿入し、管内を移動させることができる。前記組立体の移動は、適当な棒で前記管内に前記組立体を推し進めることにより行うことができる。このとき、前記ケーシングの開口の周囲を取り巻く突条が前記管の内壁面上を滑動する。前記弾性膜に取り付けられた濾紙部材は前記ケーシングと前記突条の先端との間に位置することから、前記組立体の移動の間、前記突条はは前記濾紙部材を前記管の内壁面から間隔をおいた位置に維持するスペーサとしての働きをなし、前記濾紙部材は前記管の内壁面に接しないように維持される。前記組立体の前記管内における目標位置への到達は、前記組立体から伸びる電源コードの長さを計測することにより知ることができる。前記組立体が前記目標位置に到達した後、前記電源コードを介して、前記管の外部から前記電磁石に通電しこれを励磁する。これにより、前記電磁石が前記管に磁気吸引され、前記ケーシング内で前記弾性部材の弾力に抗して移動し、その一部が前記ケーシングの開口空買いケーシングの外部に突出する。その結果、前記電磁石上の濾紙部材が前記管の内壁面に押し付けられる。前記管の内壁面からの試料採取は、前記濾紙部材を前記管の内壁面に押し付けた状態のまま、前記電源コードを引き寄せ、前記組立体をわずかに移動させることにより行うことができる。これにより、前記濾紙部材が前記管の内壁面に付着した物質を擦り取る。この濾紙部材による擦り取りは、個々の作業者が濾紙部材を手に持って行う擦り取り作業と異なり、ほぼ一定の押圧力の付与下で行うことができるため、各目標位置でばらつきのない一定量の試料を採取することができる。
【0016】
(請求項6記載の発明の特徴)
管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための方法であって、1又は一対の弾性部材と該弾性部材に取り付けられた濾紙部材とを有する組立体をその濾紙部材が前記管の内壁面に接しないように前記管内に挿入すること、前記弾性部材を弾性変形させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に押し付けること、前記濾紙部材を前記管の内壁に押し付ける間に、前記組立体を前記管の軸線方向に移動させること、前記弾性部材を弾性復帰させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面から離すこと、前記組立体をその濾紙部材が前記管の内壁面に接しないようにして前記管から取り出すことを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、弾性部材とこれに取り付けられた濾紙部材とを有する組立体を検査対象である管の内部に挿入するとき、前記濾紙部材が前記管の内壁面に接しないようにする。これにより、濾紙部材が非汚染状態に維持される。その後、前記弾性部材を弾性変形することにより、非汚染状態の前記濾紙部材を前記管の内壁面に押し付け、この間に前記組立体を前記管の軸線方向へ移動させることにより、前記管の内壁面に付着した物質(試料)を前記濾紙部材に擦り取ることができる。次に、前記弾性部材を弾性復帰させ、これにより、試料が付着した濾紙部材を前記管の内壁面から離し、この状態を維持する間に前記組立体を前記管から取り出すことにより、前記管の所定の位置における試料のみが付着した濾紙部材を前記管内から取り出すことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、配管を切断することなしにその内壁面からの試料の採取を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1の実施例)
図1〜図3を参照すると、本発明の第1の実施例に係る試料採取装置全体が符号1で示されている。試料採取装置1は、建物に設置された排水管や排気ダクトのような管3についてスミヤ法による遊離性の表面汚染の検査を行うために用いられ、管3の内壁面5に付着した放射性物質を試料として採取する。検査対象である管3の内壁面5は、試料採取時における放射能汚染の拡大防止のため、予め高圧水で洗浄され、さらに管3に高圧空気を送り込むことにより管3内の残留水が除去され、乾燥される。
【0020】
試料採取装置1は、一対のつば部材7と、両つば部材7間に配置されかつ両つば部材7に接続された一対の弾性部材9と、両弾性部材9にそれぞれ取り付けられた一対の濾紙部材11とからなる組立体13を含む。試料採取装置1は、さらに、組立体13を遠隔操作するためのワイヤ15及び該ワイヤの一部が通された鞘部材17とを含む。
【0021】
組立体13は、管3の開口端部からその内部に挿入可能の大きさを有する。組立体13は、管3の検査のために所定位置まで管3内を移動され、所定位置において、試料採取のためにワイヤ15により遠隔操作される。
【0022】
組立体13の両つば部材7は矩形の板体からなり、両板体はこれらの板面が(図1で見て管3の長手方向に)互いに相対してかつ間隔をおいて配置されている。両つば部材7は、組立体13が管3内に置かれるとき、これらの周面において管3の内壁面5に接し、両弾性部材9及び濾紙部材11を管3内に支持する。また、組立体13が管3内を移動されるとき、両つば部材7の周面が管3の内壁面5上を滑動する。組立体13の管3内移動は、ワイヤ15及び鞘部材17を管3内に送り出して組立体13を管3の奥に推し進めることにより行うことができる。あるいは、適当な棒状部材(図示せず)で管3内の組立体13を奥に推し進めることにより行うことができる。つば部材7については、これを前記矩形の板体により構成する図示の例に代えて、例えば六角形のような他の多角形、円形等の板体からなるものとすることができる。また、前記板体からなるものとする例に代えて、矩形のような多角形、円形等のフレームからなるもの、あるいはブロック体等からなるものとすることができる。
【0023】
組立体13の両弾性部材9は同形の細長い板ばねからなる。両板ばねはこれらの板面が(図1で見て上下方向に)互いに相対してかつ間隔をおいて配置されている。両板ばねは、これらの両端部において、両つば部材7に設けられたブラケット19に枢軸21を介して枢着されており、これにより両つば部材7に接続されている。この枢着の例に代えて、例えばねじ(図示せず)を用いて前記板ばねの端部を前記板体に固定してもよい。弾性部材9は、これを板状のものとする図示の例に代えて、例えばコイルばねのような線状のものとし、その両端部を両つば部材に接続してもよい。
【0024】
両弾性部材9は、管3外からのワイヤ15の遠隔操作により両つば部材7を相互に接近させて両つば部材7の相互間隔を狭め、これにより互いに反対方向(図1〜図3において上下方向)へ湾曲させることができる。両弾性部材9は、これらが湾曲したとき、これらにそれぞれ取り付けられた濾紙部材11を管3の内壁面5に当接させ得る長さ寸法のものが選択される。管3の内壁面5に当接する濾紙部材11は、内壁面5から試料を採取する役割を担う。
【0025】
各弾性部材9は、湾曲するとき、その両端部において、各つば部材7に対して枢軸21の周りに枢動する。他方、両つば部材7は、湾曲した両弾性部材9から、両つば部材7の相互間隔を広げるように作用する弾性復帰力を受ける。両つば部材7の狭められた相互間隔は、ワイヤ15及び鞘部材17の作用により維持される。
【0026】
両弾性部材9はこれらが互いに平行に伸びるように配置することが可能である。しかし後述する理由から、好ましくは、図1に示すように、互いに反対方向へわずかに湾曲して伸びるように配置する。このような配置は、後述のワイヤ15を緊張状態におくことにより可能である。これにより、両つば部材7を相互接近させたときに両弾性部材9が互いに反対方向にではなく共に同方向に湾曲することを確実に防止することができる。
【0027】
濾紙部材11は、組立体13が管3内におかれるときに管3の内壁面5に相対するように各弾性部材9に取り付けられている。好ましくは、濾紙部材11は、弾性部材9を湾曲させたときの撓みの最も大きい箇所である、弾性部材9の長さ方向におけるほぼ中央部に配置する。また、濾紙部材11は、両つば部材7の周面間の仮想筒23(図1参照)の内部に位置する。仮想筒23は、つば部材7が図示の例では矩形の板体からなることから四角柱からなり、また例えばつば部材7が円板からなるときは円筒または円柱からなる。濾紙部材11がこの仮想筒23内の内部に位置することから、両つば部材7が管3の内壁面5上にあるとき、濾紙部材11は内壁面5から間隔をおかれた位置に保持され、管3の内壁面5に接しない。これにより、組立体13の移動中における濾紙部材11への試料の付着(汚染)が防止される。
【0028】
両濾紙部材11は、それぞれ、鞘部材17に対してワイヤ15をこれが緊張するように操作し、これにより両つば部材7を相互に接近させて弾性部材9を湾曲させるとき、管3の内壁面5に押し付けられる。内壁面3に押し付けられた両濾紙部材11は、ワイヤ15の緊張状態を維持したまま該ワイヤ15と鞘部材17とを管3の前記開口端部に向けて引き寄せ、これにより組立体13を管3の長手方向にわずかに変位させるとき、内壁面3を擦り、該内壁面から試料を擦り取る。濾紙部材11による試料の擦り取りの後は、鞘部材17に対してワイヤ15をこれが弛緩するように操作し、これにより、両弾性部材9を湾曲した状態(図3に示す状態)から元の状態である弾性復帰の状態(図1に示す状態)に戻す。次に、ワイヤ15を管3の前記開口端部から引き寄せることにより、管3内の組立体13を移動させ、管3から引き出す。移動の間、擦り取られた前記試料が付着した濾紙部材11は、つば部材7のスペーサとしての機能により管3の内壁面5に接することを回避され、これにより管3の目標箇所において採取した試料が他の箇所で汚染されることなく確実に回収される。前記試料が付着した濾紙部材11は、管3内から引き出された組立体13の弾性部材9から取り外され、取り外された濾紙部材11は、別個に準備された装置による放射能計測に供される。
【0029】
組立体13を遠隔操作するためのワイヤ15は、一方(図1において左方)のつば部材7を貫通する一端部25と、両弾性部材9間を経て、他方(図1において右方)のつば部材7を貫通する他端部27とを有する。ワイヤ15の一端部25にはリング29が固定されており、一端部25はリング29を介して一方のつば部材7に係止可能である。ワイヤ15の一端部25は、一方のつば部材7に係止可能とすることに代えて、これを一方のつば部材7に連結し、あるいは固定してもよい。他方、ワイヤ15の他端部27は、他方のつば部材7を経た後の部分において、鞘部材17に通されている。ワイヤは、より線からなるもの及び単一の鋼線からなるもののいずれでもよい。
【0030】
鞘部材17は他方のつば部材7に当接可能とされている。図示の例では、鞘部材17は他方のつば部材7に固定され、常に当接している。これによれば、鞘部材17に対してワイヤ15を図1で見て右側へ相対移動させると、ワイヤ15の一端部25が一方のつば部材7に係止しているため、一方のつば部材7が他方のつば部材7に向けて相対的に移動し、また、鞘部材17が他方のつば部材7に当接しているため、他方のつば部材7は移動を制限される。その結果、両つば部材7が相互に近接し、これらの相互間隔が狭まる。これに従い、両弾性部材9が次第に湾曲する。なお、ワイヤ15を鞘部材17に対してわずかに変位させ、ワイヤ15緊張状態におくことにより、図1に示すように、両弾性部材9をこれらがわずかに湾曲するようにしておくことができる。
【0031】
ところで、管3は直線的に伸びるものばかりでなく、折れ曲がりの部分を有するものがある。このような折れ曲がり部分を有する管内に組立体13を進めるとき、その先導役をなすものがあれば、管3内の前記折れ曲がり部分における組立体13の移動をより円滑にすることができる。この実施例にあっては、前記先導役を果たすものとして、一方のつば部材7に突出部材31が設けられている。
【0032】
図示の突出部材31は、他方のつば部材7と反対の側(図1で見て左側)に向けて先細に伸びる二等辺三角形状の板部材からなる。これによれば、移動中の組立体13が管3の折れ曲がり部分に差し掛かったとき、組立体13に先行する突出部材31の先細の先端が前記折れ曲がり部分の内壁面をなぞり、これにより組立体13はその進むべき方向に誘導される。その結果、組立体13の管3内における曲線移動が円滑になされる。なお、突出部材31は、図示の例に代えて、例えば円錐、角錐等からなるものとすることができる。
【0033】
(第2の実施例)
図4及び図5に第2の実施例を示す。この第2の実施例に係る試料採取装置32は、弾性を有する部材(弾性部材)であるゴム製の袋体33と、袋体33の口部34に取り付けられ該口部を取り巻くつば部材35と、袋体33に取り付けられた一対の濾紙部材36とからなる組立体37と、袋体33の口部35に接続され該袋体の内部に連通する導管39とを備える。
【0034】
組立体37は、管3の前記開口端部からその内部に挿入可能の大きさを有する。組立体37は、管3の検査のために所定位置まで管3内を移動され、所定位置において、試料採取のために導管39を介して袋体33に空気のような流体が供給され、またその後前記流体が排出される。組立体37は、例えば導管39を管3内に押し出すことにより、あるいは棒で押すことにより、管3内を移動させることができる。
【0035】
袋体33は、管3内において、前記流体の供給により膨張し、両濾紙部材36を内壁面5に押し付けることが可能であるゴムのような弾性体からなる。
【0036】
つば部材35は、前記第1の実施例におけるつば部材7と同様のものからなり、管3内において、非膨張状態にある袋体33及び両濾紙部材36を内壁面5から間隔をおいた位置に支持する作用をなす。このとき、つば部材35はその周面において管3の内壁面5に接する。
【0037】
濾紙部材36は、前記第1の実施例における濾紙部材11と同様のものからなり、袋体33が非膨張状態にあるとき、つば部材35の周面の延長である仮想筒面41の内部に位置する。このことから、濾紙部材36は、管3内においてその内壁面5に接しないように維持される。
【0038】
この実施例では、試料採取のため、管3内の所定位置において、導管39を介しての流体供給により袋体33を弾性膨張させ、これにより両濾紙部材36を管3の内壁面5に押し付ける。この状態を維持する間に、組立体37を管3の軸線方向にわずかに変位させる。これにより、内壁面5に接する両濾紙部材36が内壁面5から試料を擦り取る。組立体37の前記変位は、導管39を管3からわずかに引き出すことにより行うことができる。その後、袋体33内の流体を排出して袋体33を収縮(弾性復帰)させ、導管39を引き出す。このとき、つば部材35により、試料が付着した濾紙部材36が内壁面5に接しないように維持される。こうして、試料が付着した濾紙部材11を入手することができる。
【0039】
なお、本実施例においては、袋体33に取り付けられる両濾紙部材36は、互いに相対するように配置することが望ましい。これにより、両濾紙部材36が管3の内壁面5に接するとき、袋体33が管の内壁面5に接することを防止することができる。しかし、このことは、濾紙部材36の取付数量を1又は3以上とすることを妨げるものではなく、また濾紙部材36の取付位置を制限するものでもない。
【0040】
(第3の実施例)
図6〜図8に第3の実施例を示す。この第3の実施例に係る試料採取装置42は、開口45を有するケーシング43と、該ケーシングに取り付けられ該ケーシングの開口45を密閉する弾性膜47と、ケーシング43に設けられその開口45の周囲を取り巻く突条49と、弾性膜47に取り付けられた濾紙部材48とからなる組立体51と、ケーシング43に取り付けられ該ケーシングの内部に連通する導管53とを備える。
【0041】
組立体51は、管3の開口端部からその内部に挿入可能の大きさを有する。組立体51は、管3の検査のために所定位置まで管3内を移動され、所定位置において、試料採取のために導管53を介してケーシング43内に空気のような流体が供給され、また供給された流体が排出される。導管53は第2の実施例における導管39と同様のものからなり、組立体51は導管53を管3内に押し出すことにより、あるいは棒で押すことにより管3内を移動させることができる。
【0042】
ケーシング43の開口45を密閉する弾性膜47は、管3内において、ケーシング43内への前記流体の供給により膨張して張り出し、濾紙部材11を内壁面5に押し付けることが可能であるゴムのような弾性体からなる。
【0043】
突条49は、管3内において、非膨張状態にある弾性膜47及び濾紙部材48を内壁面5から間隔をおいた位置に支持する。このとき、突条49はその先端(図6で見て下端)において管3の内壁面5に接する(図6)。
【0044】
濾紙部材48は、前記第1の実施例における濾紙部材11と同様のものからなり、弾性膜47が非膨張状態にあるとき、ケーシング43の開口45と、突条49の下端との間に位置する。このことから、濾紙部材48は、管3内においてその内壁面5に接しないように維持される。
【0045】
この実施例では、試料採取のため、管3内の所定位置において、導管53を介しての流体供給により弾性膜47を弾性膨張させる。より詳細には、弾性膜47の一部が突条49の下端を超えて張り出すように膨張させる。これにより、濾紙部材48が管3の内壁面5に押し付けられ、同時にケーシング43が内壁面5の上方に持ち上げられる(図7及び図8)。この状態を維持する間に、組立体51を管3の軸線方向にわずかに変位させる。これにより、内壁面5に接する濾紙部材48が内壁面5から試料を擦り取る。組立体51の前記変位は、導管53を管3からわずかに引き出すことにより行うことができる。その後、ケーシング43内に導入された前記流体を排出して弾性膜47を被膨張状態にし、管3内から導管53を引き出す。このとき、突条49により、試料が付着した濾紙部材48が内壁面5に接しないように維持される。こうして、試料が付着した濾紙部材48を入手することができる。
【0046】
(第4の実施例)
図9〜図11に第4の実施例を示す。この第4の実施例に係る試料採取装置54が適用される管3は鉄のような磁性体からなる。これに対し、前記第1の実施例、第2の実施例及び第3の実施例に係る試料採取装置1,32,42は、管3の材質を問わず、適用可能である。
【0047】
試料採取装置54は、開口57を有するケーシング55と、該ケーシング内に配置された弾性部材59及び電磁石61と、ケーシング55に取り付けられ該ケーシングの開口57の周囲を取り巻く突条63と、電磁石61に取り付けられケーシング55の開口57に臨む濾紙部材64とからなる組立体65と、電磁石61に電気的に接続されかつケーシング55に連結された電源コード67とを備える。
【0048】
組立体65は管3の開口端部からその内部に挿入可能の大きさを有する。弾性部材59は、ケーシング55内において該ケーシングの開口57の周囲に配置された複数のコイルばねからなる。弾性部材59は、弾性を有するものであれば、前記コイルばね以外の任意の弾性体をもって構成することができる。電磁石61は、弾性部材59である前記複数のコイルばね上に配置されている。電磁石61は、弾性部材59の弾力に抗してケーシング55の開口57からケーシング55の外部に突出可能である一部69を有する。
【0049】
組立体65は、管3の検査のために所定位置まで管3内を移動され、所定位置において、試料採取のために電源コード67を介して電磁石61に通電され、また通電を停止される。組立体65は電源コード67を管3内に押し出すことにより、あるいは棒で組立体を管の奥に向けて押しやることにより管3内を移動させることができる。管3内で電磁石61に通電すると、電磁石61はその磁気吸着作用を管3に及ぼす。その結果、電磁石61は弾性部材59の弾力に抗して、図8で見て下降し、その一部69がケーシング55の開口を経てケーシング55の外部に突出する(図10)。これにより、電磁石61の一部69に取り付けられた濾紙部材64が管3の内壁面5に押し付けられる。通電を停止すると、電磁石61は弾性部材59の弾性復帰力により元の位置(図9に示す位置)に戻される。
【0050】
突条63は、電磁石61が非通電状態にあるとき、管3内において、濾紙部材64を内壁面5から間隔をおいた位置に支持する。このとき、突条63はその先端(図9で見て下端)において管3の内壁面5に接する。
【0051】
濾紙部材64は、前記第1の実施例における濾紙部材11と同様のものからなり、電磁石61が非通電状態にあるとき、ケーシング55の開口57と、突条63の下端との間に位置する。このことから、濾紙部材64は、管3内においてその内壁面5に接しないように維持される。
【0052】
この実施例では、試料採取のため、管3内の所定位置において、電源コード67を介しての通電により電磁石の一部69をケーシング55の開口57から突出させる。これにより、濾紙部材64が管3の内壁面5に押し付けられ、同時にケーシング55が内壁面5の上方に持ち上げられる。この状態を維持する間に、組立体65を管3の軸線方向にわずかに変位させる。これにより、内壁面5に接する濾紙部材64が内壁面5から試料を擦り取る。組立体65の前記変位は、電源コード67を管3の外部で該管からわずかに引き出すことにより行うことができる。その後、電磁石61への通電を停止し、管3内から電源コード67を引き出す。このとき、突条63により、試料が付着した濾紙部材64が内壁面5に接しないように維持される。こうして、試料が付着した濾紙部材64を入手することができる。
【0053】
なお、管3の内壁面5の表面汚染検査については、前記スミヤ法による間接測定法によるほか、これと併せて、管3内に汚染検査用サーベイメータを走査させる直接測定法により行うことができる。これによれば、前記間接測定法による汚染状況と前記直接測定法による汚染状況との相関を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施例に係る試料採取装置の側面図である。
【図2】図1に示す試料採取装置の正面図である。
【図3】弾性部材が湾曲された状態における、図1に示す試料採取装置の側面図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る試料採取装置の側面図である。
【図5】袋体が膨張された状態における、図4に示す試料採取装置の側面図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係る試料採取装置の部分縦断面図である。
【図7】弾性膜が膨張された状態における、図6に示す試料採取装置の部分縦断面図である。
【図8】弾性膜が膨張された状態における、図6に示す試料採取装置の横断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例に係る試料採取装置の部分縦断面図である。
【図10】電磁石に通電した状態における、図9に示す試料採取装置の部分縦断面図である。
【図11】電磁石に通電した状態における、図9に示す試料採取装置の横断面図である。
【符号の説明】
【0055】
1,32,42,54 試料採取装置
3 管
5 管の内壁面
7,35 つば部材
9 弾性部材
11,36,48,64 濾紙部材
13,37,51,65 組立体
15 ワイヤ
17 鞘部材
23,41 仮想筒
31 突出部材
33 袋体
39 導管
43,55 ケーシング
45,57 開口
47 弾性膜
49,63 突条
59 弾性部材
61 電磁石
67 電源コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための装置であって、
互いに相対する一対のつば部材と、
両つば部材間に配置されかつ両つば部材に接続された一対の弾性部材と、
両弾性部材にそれぞれ取り付けられた、両つば部材の周面間を伸びる仮想筒内に位置する一対の濾紙部材と
一方のつば部材に連結された又は係止可能である一端部と、両弾性部材間を経て他方のつば部材を貫通する他端部とを有するワイヤと、
前記他方のつば部材を貫通した前記ワイヤの一部が通された、前記他方のつば部材に当接可能の鞘部材と、を含み、
前記鞘部材に対して前記ワイヤを相対移動させることにより、前記管内で両つば部材を互いに近接させ、これにより両弾性部材を湾曲させ、前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能である
ことを特徴とする、試料採取装置。
【請求項2】
さらに、一方のつば部材に設けられ、他方のつば部材と反対の側に向けて先細に伸びる突出部材を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の試料採取装置。
【請求項3】
管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための装置であって、
弾性を有する袋体と、
前記袋体の口部の周りに取り付けられたつば部材と、
前記袋体に取り付けられ、前記つば部材の周面の延長である仮想筒面内に位置する少なくとも1つの濾紙部材と
前記袋体の口部に接続され該袋体の内部に連通する導管とを含み、
前記導管を介して前記袋体の内部に流体を供給することにより、前記管内で前記袋体を膨張させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能である
ことを特徴とする、試料採取装置。
【請求項4】
管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための装置であって、
開口を有するケーシングと、
前記ケーシングに取り付けられ該ケーシングの開口を密閉する弾性膜と、
前記ケーシングの開口の周囲を取り巻く突条と、
前記弾性膜に取り付けられ、前記ケーシングと前記突条の先端との間に位置する濾紙部材と、
前記ケーシングに取り付けられ該ケーシングの内部に連通する導管とを含み、
前記導管を介して前記ケーシングの内部に流体を供給することにより、前記管の内部で前記弾性膜を膨張させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能である
ことを特徴とする、試料採取装置。
【請求項5】
磁性体からなる管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための装置であって、
開口を有するケーシングと、
前記ケーシング内に配置された弾性部材と、
前記ケーシング内に配置された電磁石であって前記弾性部材の弾力に抗してその一部が前記ケーシングの開口から該ケーシングの外部に突出可能である電磁石と、
前記ケーシングの開口の周囲を取り巻く突条と、
前記電磁石に取り付けられ前記ケーシングの開口に臨む濾紙部材であって前記ケーシングと前記突条の先端との間に位置する濾紙部材と、
前記電磁石に電気的に接続されかつ前記ケーシングに連結された電源コードとを含み、
前記電源コードを介して前記電磁石に通電することにより、前記管の内部で前記電磁石を励磁させ、これにより前記電磁石の一部を前記弾性部材の弾力に抗して前記ケーシングの開口から前記ケーシングの外部に突出させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に接触させることが可能である
ことを特徴とする、試料採取装置。
【請求項6】
管の内壁面に付着した放射性物質を試料として採取するための方法であって、
1又は一対の弾性部材と該弾性部材に取り付けられた濾紙部材とを有する組立体をその濾紙部材が前記管の内壁面に接しないように前記管内に挿入すること、
前記弾性部材を弾性変形させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面に押し付けること、
前記濾紙部材を前記管の内壁に押し付ける間に、前記組立体を前記管の軸線方向に移動させること、
前記弾性部材を弾性復帰させ、これにより前記濾紙部材を前記管の内壁面から離すこと、
前記組立体をその濾紙部材が前記管の内壁面に接しないようにして前記管から取り出すことを含む、
ことを特徴とする、試料採取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−216157(P2008−216157A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56531(P2007−56531)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(507075118)株式会社巧喜 (1)
【Fターム(参考)】