説明

試験データ生成プログラムおよびテープライブラリ試験プログラム

【課題】装置仕様がわからないテープライブラリ装置に対しても、試験を実施することを課題とする。
【解決手段】テープライブラリ試験装置は、試験対象のテープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する。そして、テープライブラリ試験装置は、計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間が要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出する。その後、テープライブラリ試験装置は、抽出した特異点を移動させる、テープライブラリ装置の試験データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験データ生成プログラムおよびテープライブラリ試験プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テープライブラリ装置は、媒体を格納したセルと、媒体を搬送する運搬機構や媒体搬送用ロボットであるACC部と、媒体に対してデータの読み書きを実行する記憶再生機構であるMTU(Magnetic Tape Unit)部とを有する。セルやMTU部は、テープライブラリ装置のロッカーに配置される。ACC部は、ロッカー内における前後左右の4面に対して、媒体搬送を実行する。
【0003】
このようなテープライブラリ装置では、ロッカー機構、セル、マガジンなどの組み立て時のマージン不足、ACC部の移動速度に対する制御誤り、ACC部の移動パターンに対するACC制御ファームウェアの誤りなどによる不具合が起こりうる。また、各面のコーナーでは、ACC部が回転動作を行うための回転領域を有する。そして、これらの不具合や回転領域の不足によって、ACC部がロッカーに接触し誤動作する障害等が発生する。
【0004】
このため、テープライブラリ装置の開発段階又は出荷前に、ACC部の移動制御に関する試験が実施されている。例えば、ランダムに特定したセルからセルに媒体を移送させて、移送時間が所定時間内か否かを判定するランダム移送テストが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−095621号公報
【特許文献2】特開平1−307965号公報
【特許文献3】特開2006−216104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、装置仕様がわからない、ブラックボックスのテープライブラリ装置に対しては、試験を実施することができないという課題があった。
【0007】
具体的には、テープライブラリ装置の試験を実施する試験実施装置は、装置仕様から入手できるロッカー、セル列、マガジン等の情報が設定された上で、ランダムにセルを指定する。このため、試験実施者は、テープライブラリ装置の装置仕様として、ロッカー、セル列、マガジン等の情報を試験実施装置に設定する必要がある。
【0008】
ところが、新規開発製品の初期評価やOEM(Original Equipment Manufacturer)、他社製品評価依頼に対する試験などでは、装置仕様の入手がタイムリーに行えない。また、アプリケーションソフトの開発では、セル構成等の情報を必要としないことが多く、入手した装置仕様にセル構成等が記載されていない場合もある。また、装置仕様が明確になった時点で、試験プログラムに対してセル構成等の情報を追加する機能変更を行う手法も考えられるが、新規開発の製品、OEM、他社製品評価依頼への評価に対してタイムリーな適用ができないので、有効な手法とは言えない。
【0009】
別の手法として、ブラックボックスのテープライブラリ装置に対して、移送元セルと移送先セルの組み合わせを網羅的にやることも考えられる。しかし、狙ったパターンのテストを実施するまで試験を繰り返すため、長時間の試験が必要となり、試験カバレージが低下して装置品質の確保に影響を及ぼすので、有効な手法とは言えない。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、装置仕様がわからないテープライブラリ装置に対しても、試験を実施することができる試験データ生成プログラムおよびテープライブラリ試験プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示する試験データ生成プログラムおよびテープライブラリ試験プログラムは、一つの態様において、テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させる。そして、各セル間ごとに、前記媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する。前記計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間の移動に要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出する。前記抽出した特異点を移動させる、前記テープライブラリ装置の試験データを生成する。
【発明の効果】
【0012】
開示する試験データ生成プログラムおよびテープライブラリ試験プログラムの一つの態様によれば、装置仕様がわからないテープライブラリ装置に対しても、試験を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係る試験データ生成装置を含むシステムの例を示す図である。
【図2】図2は、実施例2に係るテープライブラリ試験装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、セル構成DBに記憶される情報の例を示す図である。
【図4】図4は、試験データDBに記憶される情報の例を示す図である。
【図5】図5は、試験対象とするテープライブラリ装置のロッカー構成を示す図である。
【図6】図6は、試験対象とするテープライブラリ装置におけるロッカー内のセル配置構成を示す図である。
【図7】図7は、特異点およびグループ化を説明する図である。
【図8】図8は、実施例2に係るテープライブラリ試験装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、テープライブラリ試験プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、開示する試験データ生成プログラムおよびテープライブラリ試験プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1に係る試験データ生成装置を含むシステムの例を示す図である。図1に示すように、このシステムは、テープライブラリ装置1と試験データ生成装置10とがネットワークなどを介して相互に通信可能に接続されている。
【0016】
テープライブラリ装置1は、カートリッジテープなどであるカセットを格納するセルと、セルを格納するロッカーと、ACC部と、MTU(Magnetic Tape Unit)部とを有する。ACC部は、カートリッジテープなどであるカセットを搬送する運搬機構や媒体搬送用ロボットであり、MTU部は、カセットのカートリッジテープに対してデータの読み書きを実行する記憶再生機構である。
【0017】
このテープライブラリ装置1は、コンピュータなどのホスト装置からアクセス要求を受け付けると、当該アクセス要求に含まれるアドレスに対応したセルからカセットを取り出す。そして、テープライブラリ装置1は、取り出したカセット内のカートリッジテープに対して、データの読み書きを実行する。
【0018】
テープライブラリ装置1は、装置内部の前面、後面、左面、右面の各面にロッカーを配置し、各ロッカー内にセルを保持している。なお、本実施例では、テープライブラリ装置1を試験対象装置とするため、テープライブラリ装置1のロッカー構成、ロッカー内部のセル構成等の装置仕様については、ブラックボックスの状態である。ただし、テープライブラリ装置1における先頭セルを示す先頭セルの論理セルアドレスと、最終セルを示す最終セルの論理セルアドレスについては、テープライブラリ装置1に予め登録されている。
【0019】
試験データ生成装置10は、テープライブラリ装置1とネットワークを介して接続され、計測部10aと抽出部10bと生成部10cとを有し、テープライブラリ装置10を試験する試験データを生成するコンピュータである。
【0020】
計測部10aは、テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する。抽出部01bは、計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間の移動に要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出する。生成部10cは、抽出した特異点を移動させる、テープライブラリ装置1の試験データを生成するする。
【0021】
例えば、テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報では、先頭セルの論理セルアドレスが「1000」、最終セルの論理セルアドレスが「1500」、論理セルアドレス単位が「1」で定義されているとする。この場合、計測部10aは、「1000」から「1001」、「1001」から「1002」などのように、各セル間ごとに媒体を移動させて、媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する。なお、論理セルアドレス単位は、セル情報に定義されている必要はなく、一般的に使用されている情報を基に、管理者等によって試験データ生成装置10に予め設定されていてもよい。
【0022】
この結果、試験データ生成装置10から試験データの提供を受ける試験装置は、テープライブラリ装置1におけるACC部の移動時間が長いセル間の移動テストを実行することができる。また、ACC部が回転動作を行う各面のコーナー、言い換えると、ACC部の移動時間が最も長いセル間の移動テストも実施することができる。したがって、装置仕様がわからないテープライブラリ装置に対しても、試験を実施することができる。
【実施例2】
【0023】
[テープライブラリ試験装置の構成]
次に、テープライブラリ試験装置20について説明する。図2は、実施例2に係るテープライブラリ試験装置の構成を示すブロック図である。このテープライブラリ試験装置20は、図2に示すように、通信制御I/F部21と、入力部22と、表示部23と、セル構成DB24と、試験データDB25と、制御部30とを有する。
【0024】
通信制御I/F部21は、テープライブラリ試験装置20と接続される他装置との間の通信を制御するインタフェースである。例えば、通信制御I/F部21は、制御部30から発行されたコマンドをテープライブラリ装置1に送信し、テープライブラリ装置1から各種情報を受信する。
【0025】
入力部22は、例えば試験開始指示や試験終了指示などユーザからの各種操作指示を受け付けるキーボードやマウスなどであり、受け付けた情報を制御部30等に出力し、後述する表示部23も、マウスと協働してポインティングディバイス機能を実現する。表示部23は、各種の情報を出力する出力手段であり、例えば試験データ、試験結果等を表示するモニタやスピーカーである。
【0026】
セル構成DB24は、制御部30によって生成された、ブラックボックスであるテープライブラリ装置1のセル構成を記憶する。なお、セル構成DB24に記憶される情報は、初期の段階では空であり、後述する装置構成特定部36によって生成されたデータが格納される。したがって、後述する図3は、装置構成特定部36によって生成された後に格納されたデータである。
【0027】
図3は、セル構成DBに記憶される情報の例を示す図である。図3に示すように、セル構成DB24は、「セル種別、4コーナー、4コーナー、4コーナー」を対応付けて記憶する。また、「セル種別」には、「一般セル、MTUセル」が対応付けられており、「一般セル」には、「左サイド、右サイド、バックサイド」に対応付けて「通し番号、論理セルアドレス」が対応付けられている。また、「MTUセル」には、「MTUサイド」に対応付けて「通し番号、論理セルアドレス」が対応付けられている。
【0028】
かかる「通し番号」は、セルの論理アドレスに対応付けて割り当たられた番号であり、テープライブラリ試験装置20がセルの管理等に使用する番号である。「論理セルアドレス」は、各セルの位置を特定するアドレスである。テープライブラリ試験装置20は、ホストからアクセス要求を受信した場合に、アクセス要求から「論理セルアドレス」を取得し、取得した「論理セルアドレス」に対応するセルから媒体を取り出す。
【0029】
「左サイド」は、テープライブラリ試験装置20に向かって左側に位置するロッカーを示しており、「右サイド」は、テープライブラリ試験装置20に向かって右側に位置するロッカーを示している。「バックサイド」は、テープライブラリ試験装置20の後ろ側に位置するロッカーを示しており、「MTUサイド」は、テープライブラリ試験装置20のMTUが存在するロッカーを示している。
【0030】
「一般セル」は、MTU以外の通常のセル、言い換えると、記憶媒体を有するカセットを格納するセルを示す。「MTUセル」は、一般セルに格納される媒体にデータの読み書きを実行するMTUドライブを格納するセルを示す。「4コーナー」は、ロッカーの四隅を示す。
【0031】
図3は、通し番号(1)が割り当てられた論理セルアドレス「1000」と、(2)が割り当てられた「1018」と、(3)が割り当てられた「1095」と、(4)が割り当てられた「1113」とで囲まれた各セルが左サイドのロッカーを形成することを示す。同様に、(5)が割り当てられた「1228」と、(6)が割り当てられた「1237」と、(7)が割り当てられた「1283」と、(8)が割り当てられた「1293」とで囲まれた各セルが左サイドのロッカーを形成することを示す。同様に、(9)が割り当てられた「1360」と、(10)が割り当てられた「1370」と、(11)が割り当てられた「1415」と、(12)が割り当てられた「1425」とで囲まれた各セルが左サイドのロッカーを形成することを示す。
【0032】
また、(13)が割り当てられた論理セルアドレス「1114」と、(14)が割り当てられた「1132」と、(15)が割り当てられた「1209」と、(16)が割り当てられた「1227」とで囲まれた各セルが右サイドのロッカーを形成することを示す。同様に、(17)が割り当てられた「1294」と、(18)が割り当てられた「1303」と、(19)が割り当てられた「1349」と、(20)が割り当てられた「1359」とで囲まれた各セルが右サイドのロッカーを形成することを示す。同様に、(21)が割り当てられた「1426」と、(22)が割り当てられた「1436」と、(23)が割り当てられた「1481」と、(24)が割り当てられた「1491」とで囲まれた各セルが右サイドのロッカーを形成することを示す。
【0033】
また、バックサイドのロッカーは、(25)が割り当てられた論理セルアドレス「1492」と、(26)が割り当てられた「1510」と、(27)が割り当てられた「1530」と、(28)が割り当てられた「1547」とで囲まれた各セルで形成される。
【0034】
通し番号(29)が割り当てられた論理セルアドレス「500」と、(30)が割り当てられた「501」と、(31)が割り当てられた「502」と、(32)が割り当てられた「503」とで囲まれた各セルがMTUサイドのロッカーを形成することを示す。同様に、(33)が割り当てられた「504」と、(34)が割り当てられた「505」と、(35)が割り当てられた「506」と、(36)が割り当てられた「507」とで囲まれた各セルがMTUサイドのロッカーを形成することを示す。同様に、(37)が割り当てられた「508」と、(38)が割り当てられた「509」と、(39)が割り当てられた「510」と、(40)が割り当てられた「511」とで囲まれた各セルがMTUサイドのロッカーを形成することを示す。
【0035】
図2に戻り、試験データDB25は、試験データ生成部37によって生成された試験データを記憶する。なお、試験データDB25に記憶される情報は、初期の段階では空であり、後述する試験データ生成部37によって生成されたデータが格納される。したがって、後述する図4は、試験データ生成部37によって生成された後に格納されたデータである。
【0036】
図4は、試験データDBに記憶される情報の例を示す図である。図4に示すように、試験データDBは、「No、対象セル、試験対象の媒体搬送セル位置」を対応付けて記憶する。「No」は、試験の順番を示す項番である。「対象セル」は、試験対象となるセルのグループやロッカー位置を示す。「試験対象の媒体搬送セル位置」は、カセットを搬送させるセルの通し番号を示す。
【0037】
図4の場合、1番目の試験は、「グループ1」を対象とし、通し番号(1)、(2)、(3)、(4)、(1)、(3)、(2)、(4)の順に媒体搬送する試験であることを示す。2番目の試験は、「グループ3」を対象とし、通し番号(5)、(6)、(7)、(8)、(5)、(7)、(6)、(8)の順に媒体搬送する試験であることを示す。3番目の試験は、「グループ5」を対象とし、通し番号(9)、(10)、(11)、(12)、(9)、(11)、(10)、(12)の順に媒体搬送する試験であることを示す。4番目の試験は、「グループ2」を対象とし、通し番号(13)、(14)、(15)、(16)、(13)、(15)、(14)、(16)の順に媒体搬送する試験であることを示す。
【0038】
5番目の試験は、「グループ4」を対象とし、通し番号(17)、(18)、(19)、(20)、(17)、(19)、(18)、(20)の順に媒体搬送する試験であることを示す。6番目の試験は、「グループ6」を対象とし、通し番号(21)、(22)、(23)、(24)、(21)、(23)、(22)、(24)の順に媒体搬送する試験であることを示す。7番目の試験は、「グループ7」を対象とし、通し番号(25)、(26)、(27)、(28)、(25)、(27)、(26)、(28)の順に媒体搬送する試験であることを示す。8番目の試験は、「左サイド」を対象とし、通し番号(1)、(10)、(3)、(12)、(1)、(3)、(10)、(12)の順に媒体搬送する試験であることを示す。
【0039】
9番目の試験は、「右サイド」を対象とし、通し番号(13)、(22)、(15)、(24)、(13)、(15)、(22)、(24)の順に媒体搬送する試験であることを示す。10番目の試験は、左右サイド間を媒体搬送させる試験「左/右サイド」を対象とし、通し番号(1)、(22)、(3)、(24)、(10)、(15)、(12)、(22)の順に媒体搬送する試験であることを示す。11番目の試験は、左右およびバックサイド間を相互に媒体搬送させる試験「左/右/バックサイド」を対象とし、通し番号(25)、(1)、(28)、(15)、(26)、(3)、(27)、(13)の順に媒体搬送する試験であることを示す。12番目の試験は、「左/右/バックサイド」を対象とし、通し番号(26)、(12)、(28)、(22)の順に媒体搬送する試験であることを示す。
【0040】
13番目の試験は、「MTUドライブ」を対象とし、通し番号(1)、(29)、(1)、(30)、(1)、(31)、(1)、(32)の順に媒体搬送する試験であることを示す。14番目の試験は、「MTUドライブ」を対象とし、通し番号(1)、(33)、(1)、(34)、(1)、(35)、(1)、(36)の順に媒体搬送する試験であることを示す。15番目の試験は、「MTUドライブ」を対象とし、通し番号(1)、(37)、(1)、(38)、(1)、(39)、(1)、(40)の順に媒体搬送する試験であることを示す。
【0041】
図2に戻り、制御部30は、例えば、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するCPU(Central Processing Unit)などの電子回路である。この制御部30は、装置情報取得部31、セル間計測部32、MTU計測部33、特異点抽出部34、グループ間計測部35、装置構成特定部36、試験データ生成部37、試験実行部38を有する。
【0042】
装置情報取得部31は、入力部22等によって試験開始指示が受け付けられると、試験対象であるテープライブラリ装置1に対して、SCSI(Small Computer System Interface)コマンドを発行する。SCSIコマンドの一例としては、Element Address Assignment Parameter要求を指示するMode Senseコマンドがある。
【0043】
そして、装置情報取得部31は、テープライブラリ装置1のメモリ等に予め格納されているセル情報として、「先頭セルの論理セルアドレス」、「最終セルの論理セルアドレス」を取得する。同様に、装置情報取得部31は、「先頭MTUの論理セルアドレス」、「最終MTUの論理セルアドレス」等を取得する。そして、装置情報取得部31は、取得したセル情報等をセル間計測部32やMTU計測部33に出力する。
【0044】
セル間計測部32は、テープライブラリ装置1の先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、カセットを移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する。例えば、セル間計測部32は、装置情報取得部31によって取得されたセル情報に基づいて、先頭セルにカセットをセットし、先頭セルから2番目のセルにカセットを搬送させる指示をテープライブラリ装置1に対して出力する。そして、テープライブラリ装置1は、先頭セルから2番目のセルへカセットを搬送する。セル間計測部32は、カセットの移動に要した時間である媒体搬送時間をテープライブラリ装置1から取得する。
【0045】
次に、セル間計測部32は、2番目のセルから3番目のセルにカセットを搬送させる指示をテープライブラリ装置1に対して出力する。そして、テープライブラリ装置1は、2番目のセルから3番目のセルへカセットを搬送する。セル間計測部32は、カセットの移動に要した時間である媒体搬送時間をテープライブラリ装置1から取得する。続いて、セル間計測部32は、3番目のセルから4番目のセルにカセットを搬送させる指示をテープライブラリ装置1に対して出力する。そして、テープライブラリ装置1は、3番目のセルから4番目のセルへカセットを搬送する。セル間計測部32は、カセットの移動に要した時間である媒体搬送時間をテープライブラリ装置1から取得する。
【0046】
このように、セル間計測部32は、テープライブラリ装置1に対して、先頭セルから最終セルまで、順番にカセットを搬送させる指示を送信する。そして、セル間計測部32は、先頭セルから最終セルまで、順番にカセットを搬送して媒体搬送時間を計測し、計測したセル間ごとの媒体搬送時間を内部メモリ等に格納する。
【0047】
MTU計測部33は、テープライブラリ装置1の先頭セルから各記MTUまでカセットを移動させて、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測する。例えば、MTU計測部33は、装置情報取得部31からセル情報およびMTU情報に基づいて、先頭セルにカセットをセットして先頭セルから1つのMTUにカセットを搬送させる指示をテープライブラリ装置1に対して出力する。そして、テープライブラリ装置1は、先頭セルから1つのMTUへカセットを搬送する。その後、MTU計測部33は、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間をテープライブラリ装置1から取得する。
【0048】
続いて、MTU計測部33は、カセットを先頭セルに戻した後、先頭セルから別のMTUにカセットを搬送させる指示をテープライブラリ装置1に対して出力する。そして、テープライブラリ装置1は、先頭セルから別のMTUへカセットを搬送する。その後、MTU計測部33は、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間をテープライブラリ装置1から取得する。さらに、MTU計測部33は、カセットを先頭セルに戻した後、先頭セルから別の新たなMTUにカセットを搬送させる指示をテープライブラリ装置1に対して出力する。そして、テープライブラリ装置1は、先頭セルから別の新たなMTUへカセットを搬送する。その後、MTU計測部33は、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間をテープライブラリ装置1から取得する。
【0049】
このように、MTU計測部33は、テープライブラリ装置1に対して、先頭セルから各MTUまで、順番にカセットを搬送させる指示を送信する。そして、セル間計測部32は、先頭セルから各MTUまで、順番にカセットを搬送して媒体搬送時間を計測し、計測した媒体搬送時間を内部メモリ等に格納する。
【0050】
特異点抽出部34は、セル間計測部32によって計測された各セル間の媒体搬送時間から、他とは異なる媒体搬送時間であるセル間を特異点として抽出する。例えば、特異点抽出部34は、セル間計測部32によって媒体搬送時間の計測が終了したことを受信する。そして、特異点抽出部34は、先頭セルから2番目のセルへの媒体搬送時間(1s)を取得し、2番目のセルから3番目のセルへの媒体搬送時間(1s)を取得して比較する。この例の場合、特異点抽出部34は、両方の媒体搬送時間が同じ1sであるので、ACC部の移動距離が同じであると認識し、先頭セル、2番目のセル、3番目のセルを通常点とする。
【0051】
このように、特異点抽出部34は、計測された各媒体搬送時間が1sであるか否かを判定していく。そして、特異点抽出部34は、例えば20番目のセルか21番目のセルへの媒体搬送時間が4sであった場合、基準となる1sとは異なる媒体搬送時間であることから、20番目のセルを特異点として抽出する。また、特異点抽出部34は、例えば28番目のセルか29番目のセルへの媒体搬送時間が2sであった場合も、基準となる1sとは異なる媒体搬送時間であることから、28番目のセルを特異点として抽出する。そして、特異点抽出部34は、抽出した特異点と媒体搬送時間とを対応付けて内部メモリ等に格納するとともに、グループ間計測部35に出力する。
【0052】
グループ間計測部35は、特異点抽出部34によって抽出された特異点における媒体搬送時間を順番に比較して、媒体搬送時間が変化した特異点を特定し、特定した特異点間に存在するセルをグループ化する。例えば、グループ間計測部35は、特異点が抽出されたことの通知を特異点抽出部34から受信する。そして、グループ間計測部35は、1つ前の特異点の媒体搬送時間と次の特異点の媒体搬送時間が同じ場合、同じセル配置面の同一グループにあると判定する。また、グループ間計測部35は、1つ前の特異点の媒体搬送時間と次の特異点の媒体搬送時間が異なる場合、別なセル面の配置であると判定する。
【0053】
このように、グループ間計測部35は、特異点のセル位置が属するセル配置のグループ構成を切り分ける。なお、グループ間計測部35は、最初のセル位置と最初の特異点及び特異点が変化したセル位置と一つ手前の特異点のセル位置が1グループの4コーナーのセル位置を判定する。
【0054】
装置構成特定部36は、グループ間計測部35によって測定されたグループ間の媒体搬送時間に基づいて、各グループの配置を特定する。具体的には、装置構成特定部36は、グループ化された各グループごとに、当該グループにおける最終セルから他の各グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測する。また装置構成特定部36は、先頭セルからMTUまで媒体を移動させて、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測する。つまり、装置構成特定部36は、各グループ間の媒体搬送におけるACC部の回転処理及び移動距離の差分をチェックし、セル配置のグループがロッカーの左面、右面、後面の何処に属しているのかを切り分ける。
【0055】
例えば、グループが5つにグループ化された例で説明する。装置構成特定部36は、グループ1の最終セルからグループ2の先頭セル、グループ1の最終セルからグループ3の先頭セル、グループ1の最終セルからグループ4の先頭セル、グループ1の最終セルからグループ5の先頭セルへの媒体搬送時間を測定する。また、装置構成特定部36は、グループ2の最終セルからグループ3の先頭セル、グループ2の最終セルからグループ4の先頭セル、グループ2の最終セルからグループ5の先頭セルへの媒体搬送時間を測定する。
【0056】
このように、装置構成特定部36は、各グループの先頭セルから各他グループの最終セルまでの媒体搬送時間を測定する。その結果、グループ間計測部35は、グループ1と3の間の媒体搬送時間が同じである場合には、グループ1と3が同じロッカー面のグループであると特定する。また、装置構成特定部36は、グループ2と4の間の媒体搬送時間が同じである場合には、グループ2と4が同じロッカー面のグループであると特定する。
【0057】
続いて、装置構成特定部36は、各グループの配置を特定する。例えば、グループ間計測部35は、異なるグループと特定したグループ1とグループ2について、グループ1の最終セルからグループ2の先頭セルへの搬送時間より、グループ2の最終セルからグループ3の先頭セルへの搬送時間が大きいと判定したとする。この場合、装置構成特定部36は、グループ1とグループ2が配置されるロッカー面が別であると特定する。同様に、装置構成特定部36は、グループ3の最終セルからグループ5の先頭セルへの媒体搬送時間を測定する。また、装置構成特定部36は、グループ2の最終セルからグループ5の先頭セルへの媒体搬送時間を測定する。両方の測定結果が、各グループ間の媒体搬送時間よりも大きい場合、装置構成特定部36は、グループ5のロッカー面がグループ1及びグループ2とも異なるロッカー面に配置されていると判定する。
【0058】
つまり、装置構成特定部36は、グループ1および3、グループ2および4が左又は右ロッカーであり、グループ5が後ろロッカーであると特定する。なお、一般的に先頭セルが左であることを考慮すると、装置構成特定部36は、グループ1および3が左ロッカー、グループ2および4が右ロッカーと特定する。そして、装置構成特定部36は、グループ化したセル構成や特定してロッカーの配置構成等を試験データ生成部37に出力する。
【0059】
試験データ生成部37は、グループ間計測部35から受信したグループ化されたセル構成やロッカーの配置構成に基づいて、テープライブラリ装置1を試験する試験データを生成して、試験データDB25に格納する。例えば、試験データ生成部37は、管理者等によって指定されたテスト条件に従って試験データを生成する。
【0060】
具体的な例を挙げると、試験データ生成部37は、特異点として抽出された各グループの四隅に位置するセルと先頭セル「1000」との間を繰り返してカセットを搬送させる試験データを生成する。また、試験データ生成部37は、各グループにおける四隅に位置するセル間を繰り返して搬送させる試験データを生成する。また、各グループの所定セルから各MTUまでカセットを搬送する試験データや、各グループ内で繰り返しカセット搬送する試験データなどを生成する。
【0061】
試験実行部38は、試験データ生成部37から試験データが生成されたことが通知されると、試験データDB25から試験データを読み出して実行する。そして、試験実行部38は、実行した結果を表示部23に表示させたり、他の装置に送信したり、メモリ等に記憶したりする。
【0062】
[セル構成特定の具体例]
次に、テープライブラリ試験装置20が実行するセル構成を特定する具体例について説明する。図5は、試験対象とするテープライブラリ装置のロッカー構成を示す図であり、図6は、試験対象とするテープライブラリ装置におけるロッカー内のセル配置構成を示す図である。
【0063】
図5に示すように、テープライブラリ試験装置20が試験対象とするテープライブラリ装置は、中央にACC部を有し、左面のロッカーには、CELL1、CELL3、CELL5が配置されている。また、右面のロッカーには、CELL2、CELL4、CELL6が配置されている。また、後面のロッカーには、CELL7と、Drive a〜cが配置されている。なお、ここで示したCELLは、セルを構成するエレメントを示し、Driveは、MTUを構成するエレメントを示すものとする。
【0064】
図6に示すように、試験対象とするテープライブラリ装置は、一般セルを格納する7つのロッカーと、MTUを格納する3つのDriveとを有している。また、一般セルの先頭セルの論理セルアドレス(以下、単に「アドレス」という)は「1000」であり、最終セルのアドレスは「1530」である。また、先頭MTUのアドレスは「500」であり、最終MTUのアドレスは「511」である。
【0065】
ここでは、試験対象とするテープライブラリ装置の構成がわかっていない状態で、テープライブラリ試験装置20を用いて、図5や図6に示した構成を特定する例について説明する。
【0066】
まず、テープライブラリ試験装置20の装置情報取得部31は、入力部22等によって試験開始指示が受け付けられると、試験対象であるテープライブラリ装置1に対して、SCSIコマンドを発行する。そして、装置情報取得部31は、先頭セルのアドレスが「1000」であり、最終セルのアドレスが「1530」であり、先頭MTUのアドレスが「500」であり、最終MTUのアドレスが「511」であることを認識する。
【0067】
次に、セル間計測部32は、テープライブラリ装置1の先頭セルから最終セルまでカセットを順次移動させて、各セル間ごとに、カセットを移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する。
【0068】
図6の場合、セル間計測部32は、まず、先頭セル「1000」からアドレス「1001」にカセットを搬送させて媒体搬送時間を計測する。次に、セル間計測部32は、アドレス「1001」からアドレス「1002」にカセットを搬送させて媒体搬送時間を計測する。このように、セル間計測部32は、セルからセルへの媒体搬送時間、言い換えると、隣り合うアドレス番号のセル間でカセットを搬送させた媒体搬送時間を計測する。
【0069】
続いて、MTU計測部33は、テープライブラリ装置1の先頭セルから各記MTUまでカセットを搬送させて、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測する。
【0070】
図6の場合、MTU計測部33は、まず、先頭セル「1000」から先頭MTU「500」までカセットを搬送させた処理時間を計測する。次に、MTU計測部33は、先頭セル「1000」からMTU「501」までカセットを搬送させた処理時間を計測する。次に、MTU計測部33は、先頭セル「1000」からMTU「502」までカセットを搬送させた処理時間を計測する。このように、MTU計測部33は、先頭セル「1000」から最終MTU「511」まで順番に、カセットを搬送させて処理時間を計測する。
【0071】
続いて、特異点抽出部34は、先頭セル「1000」からアドレス「1001」までの媒体搬送時間よりも長く時間を要したセルを特異点として抽出する。図6の場合、特異点抽出部34は、「1018」、「1037」、「1056」、「1075」、「1094」、「1113」を特異点として抽出する。同様に、特異点抽出部34は、「1132」、「1151」、「1170」、「1189」、「1208」、「1227」を特異点として抽出する。同様に、特異点抽出部34は、「1237」、「1246」、「1258」、「1270」、「1282」、「1293」を特異点として抽出する。同様に、特異点抽出部34は、「1303」、「1312」、「1324」、「1336」、「1348」、「1359」を特異点として抽出する。同様に、特異点抽出部34は、「1370」、「1381」、「1392」、「1403」、「1414」、「1425」を特異点として抽出する。同様に、特異点抽出部34は、「1436」、「1447」、「1458」、「1469」、「1480」、「1491」を特異点として抽出する。同様に、特異点抽出部34は、「1510」、「1529」、「1547」を特異点として抽出する。
【0072】
なお、Driveの数等がわからない場合には、上述した手法を各MTUまでの処理時間に対して実行することで、MTUにおける特異点を見つけることもできる。ここでは、3つのDriveにMTUが12個あることから、1Driveが4MTUで構成されていることがわかっているものとする。
【0073】
続いて、グループ間計測部35は、特異点抽出部34によって抽出された特異点における媒体搬送時間を順番に比較して、媒体搬送時間が変化した特異点を特定し、特定した特異点間に存在するセルをグループ化する。
【0074】
図6の場合、グループ間計測部35は、特異点であるアドレス「1018」からアドレス「1019」までの媒体搬送時間と、特異点であるアドレス「1037」からアドレス「1038」までの媒体搬送時間とが同じであると判定する。つまり、グループ間計測部35は、アドレス「1018」からアドレス「1019」までと、アドレス「1037」からアドレス「1038」までのACC部の移動距離が同じであると判定する。
【0075】
このように特異点における媒体搬送時間を判定していくと、グループ間計測部35は、特異点であるアドレス「1113」からアドレス「1114」までの媒体搬送時間が他よりも長いことを検出する。すると、グループ間計測部35は、特異点であるアドレス「1113」よりも前に位置するセルをグループ化する。つまり、グループ間計測部35は、アドレス「1113」と、アドレス「1113」の1つ前の特異点の次のセルである「1095」と、最初の特異点「1018」と、最初セル「1000」とを四隅とするグループ1を特定する。
【0076】
この手法により、グループ間計測部35は、変化した特異点「1113」の次の「1114」と、「1114」以降の最初の特異点「1132」と、次に変化した特異点「1227」と、変化した特異点の1つ前の特異点の次の「1209」をグループ2と特定する。また、グループ間計測部35は、変化した特異点「1227」の次の「1228」と、「1228」以降の最初の特異点「1237」と、次に変化した特異点「1293」と、変化した特異点の1つ前の特異点の次の「1283」をグループ3と特定する。
【0077】
また、グループ間計測部35は、変化した特異点「1293」の次の「1294」と、「1294」以降の最初の特異点「1303」と、次に変化した特異点「1359」と、変化した特異点の1つ前の特異点の次の「1349」をグループ4と特定する。また、グループ間計測部35は、変化した特異点「1359」の次の「1360」と、「1360」以降の最初の特異点「1370」と、次に変化した特異点「1425」と、変化した特異点の1つ前の特異点の次の「1415」をグループ5と特定する。
【0078】
また、グループ間計測部35は、変化した特異点「1425」の次の「1426」と、「1426」以降の最初の特異点「1436」と、次に変化した特異点「1491」と、変化した特異点の1つ前の特異点の次の「1481」をグループ6と特定する。また、グループ間計測部35は、変化した特異点「1491」の次の「1492」と、「1492」以降の最初の特異点「1510」と、次に変化した特異点「1547」と、変化した特異点の1つ前の特異点の次の「1530」をグループ7と特定する。
【0079】
さらに、MTU計測部33は、先頭セル「1000」からMTU「500」までカセットを移動させて、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測する。同様に、MTU計測部33は、先頭セル「1000」からMTU「501」までカセットを移動させて、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測する。このように、MTU計測部33は、先頭セルから最終MTU「511」までの各処理時間を計測する。
【0080】
その後、装置構成特定部36は、グループ1の最終セル「1113」から他グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測する。同様に、装置構成特定部36は、各グループの最終セルから他グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測する。この結果、装置構成特定部36は、グループ1の最終セル「1113」からグループ3の先頭セル「1228」までの時間と、グループ3の最終セル「1293」からグループ5の先頭セル「1360」までの時間とが同じであると判定する。つまり、装置構成特定部36は、グループ1、グループ3、グループ5は同じ面に配置されると特定する。
【0081】
また、装置構成特定部36は、グループ2の最終セル「1132」からグループ4の先頭セル「1294」までの時間と、グループ4の最終セル「1359」からグループ6の先頭セル「1426」までの時間とが同じであると判定する。つまり、装置構成特定部36は、グループ2、グループ4、グループ6は同じ面に配置されると特定する。
【0082】
また、装置構成特定部36は、グループ1の最終セル「1113」からグループ3の先頭セル「1228」への時間よりも、グループ1の最終セル「1113」からグループ2の先頭セル「1227」への媒体搬送時間が大きいと判定する。この結果、装置構成特定部36は、グループ1とグループ2のロッカー面が別であると判定する。
【0083】
また、装置構成特定部36は、グループ5の最終セル「1425」からグループ7の先頭セル「1492」への媒体搬送時間がグループ1の最終セル「1113」からグループ3の先頭セル「1228」までの時間よりも大きいと判定する。同様に、装置構成特定部36は、グループ6の最終セル「1491」からグループ7の先頭セル「1492」への媒体搬送時間がグループ2の最終セル「1132」からグループ4の先頭セル「1294」までの時間よりも大きいと判定する。この結果、装置構成特定部36は、グループ7はグループ1ともグループ2とも異なる面に配置されることを認識する。つまり、装置構成特定部36は、左右面や前面に比べて、ACC部の移動時間より長くなる後面に配置されていると特定する。
【0084】
また、装置構成特定部36は、先頭セル「1000」から各MTUまでの時間がグループ1の最終セル「1113」からグループ3の先頭セル「1228」までの時間よりも大きいと判定する。つまり、装置構成特定部36は、MTUのロッカー面がグループ1及びグループ2とも異なるロッカー面、言い換えると、後面に配置されていると特定する。
【0085】
さらに、装置構成特定部36は、先頭セルから左下から一般的に始まることを考慮すると、グループ1が左下に位置し、グループ2が右下に位置すると特定できる。また、装置構成特定部36は、グループ1からの距離が大きいほど、グループ1よりも上に位置すると特定でき、同様に、グループ2からの距離が大きいほど、グループ2よりも上に位置すると特定できる。
【0086】
このように、上述した処理を実行することで、テープライブラリ試験装置20は、図7に示した構成を特定することができる。図7は、特異点およびグループ化を説明する図である。図7に示すように、テープライブラリ試験装置20は、アドレス「1000」、「1018」、「1095」、「1113」を四隅とするグループ1が左下のロッカーに格納されていると判定する。また、テープライブラリ試験装置20は、アドレス「1228」、「1237」、「1283」、「1293」を四隅とするグループ3が左側の真ん中のロッカーに格納されていると判定する。また、テープライブラリ試験装置20は、アドレス「1360」、「1370」、「1415」、「1425」を四隅とするグループ5が左上のロッカーに格納されていると判定する。
【0087】
同様に、テープライブラリ試験装置20は、アドレス「1114」、「1132」、「1209」、「1227」を四隅とするグループ2が右下のロッカーに格納されていると判定する。また、テープライブラリ試験装置20は、アドレス「1294」、「1303」、「1349」、「1359」を四隅とするグループ4が右側の真ん中のロッカーに格納されていると判定する。また、テープライブラリ試験装置20は、アドレス「1426」、「1436」、「1481」、「1491」を四隅とするグループ6が右上のロッカーに格納されていると判定する。
【0088】
さらに、テープライブラリ試験装置20は、アドレス「1492」、「1510」、「1530」、「1547」を四隅とするグループ7が後面のロッカーに格納されていると判定する。また、テープライブラリ試験装置20は、MTUを搭載する3つのDriveについても、後面に位置すると判定する。テープライブラリ試験装置20は、このようにして得られた構成情報に基づいて、試験データを生成する。
【0089】
[処理の流れ]
次に、実施例2に係るテープライブラリ試験装置の処理の流れを説明する。図8は、実施例2に係るテープライブラリ試験装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0090】
図8に示すように、装置情報取得部31は、試験開始指示が受け付けられると(ステップS101肯定)、試験対象であるテープライブラリ装置1に対してSCSIコマンドを発行してセル情報を取得する(ステップS102)。
【0091】
続いて、セル間計測部32は、テープライブラリ装置1の先頭セルから最終セルまでカセットを順次移動させて、各セル間ごとに、カセットを移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する(ステップS103)。
【0092】
また、MTU計測部33は、テープライブラリ装置1の先頭セルから各記MTUまでカセットを移動させて、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測する(ステップS104)。
【0093】
そして、特異点抽出部34は、セル間計測部32によって計測された各セル間の媒体搬送時間から、媒体搬送時間が同じである通常点と、媒体搬送時間が異なるセル間である特異点とを抽出する(ステップS105)。
【0094】
その後、グループ間計測部35は、特異点抽出部34によって抽出された特異点における媒体搬送時間を順番に比較して、媒体搬送時間が変化した特異点を特定し、特定した特異点間に存在するセルをグループ化する(ステップS106)。
【0095】
そして、装置構成特定部36は、グループ化された各グループごとに、当該グループにおける最終セルから他の各グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測する(ステップS107)。ここで、装置構成特定部36は、先頭セルからMTUまで媒体を移動させて、カセットの搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測する。
【0096】
その後、装置構成特定部36は、各グループ間の媒体搬送におけるACC部の回転処理及び移動距離の差分をチェックし、セル配置のグループがロッカーの左面、右面、後面の何処に属しているのか特定する(ステップS108)。
【0097】
さらに、装置構成特定部36は、特定したグループの四隅の論理セルアドレスから、各グループに属するセルの論理セルアドレスを特定してセル構成を生成し、セル構成DB24に格納する(ステップS109)。
【0098】
その後、試験データ生成部37は、セル構成DB24に記憶されるセル構成に基づいて、テープライブラリ装置1を試験する試験データを生成して、試験データDB25に格納する(ステップS110)。そして、試験実行部38は、試験データ生成部37から試験データが生成されたことが通知されると、試験データDB25から試験データを読み出して実行する(ステップS111)。
【0099】
[実施例2による効果]
実施例2によれば、セル列やマガジンの端が判るようになり、装置仕様がブラックボックスであっても、セル配置の物理構成を狙った試験ができるようになる。また、ロッカー内の4面(前後左右の面)に対して、短時間での媒体搬送機構の網羅性試験が実施可能となる。
【0100】
また、セル配置の物理構成を自動で識別し試験が実施できる。このため、新しいテープライブラリ装置をサポートするごとに物理セル構成を考慮したテストプログラムの機能変更が不要となり、テストプログラムの適用がタイムリーに行え、製品品質の早期安定化と向上が図れる。また、既存装置のセル数やMTU数を変更した個別モデルの評価が必要となった場合でも、直ちにテストプログラムでの装置評価の自動化が可能となり、評価作業の精度向上が図れる。
【実施例3】
【0101】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に異なる実施例を説明する。
【0102】
(MTU)
上記実施例では、セルの構成とともにMTUの構成や配置等についても自動的に特定する例を説明したが、これに限定されるものではない。セルの構成だけを特定して試験データを生成することもできる。こうすることで、MTUの構成が変わらずに、セル構成だけが変わった場合などは、2回目以降の自動認識を短縮することができる。
【0103】
(システム)
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0104】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、例えばセル間計測部32とMTU計測部33とを統合するなど各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0105】
(プログラム)
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。
【0106】
図9は、テープライブラリ試験プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図9に示すように、コンピュータシステム100は、RAM101と、HDD102と、ROM103と、CPU104とを有する。ここで、ROM103には、上の実施例と同様の機能を発揮するプログラムがあらかじめ記憶されている。つまり、図9に示すように、装置情報取得プログラム103a、セル間計測プログラム103b、MTU計測プログラム103c、特異点抽出プログラム103dがあらかじめ記憶されている。また、ROM103には、グループ間計測プログラム103e、装置構成特定プログラム103f、試験データ生成プログラム103g、試験実行プログラム103hがあらかじめ記憶されている。
【0107】
そして、CPU104には、これらのプログラム103a〜103hを読み出して実行することで、図9に示すように、各プロセスとなる。つまり、装置情報取得プロセス104a、セル間計測プロセス104b、MTU計測プロセス104c、特異点抽出プロセス104dとなる。また、グループ間計測プロセス104e、装置構成特定プロセス104f、試験データ生成プロセス104g、試験実行プロセス104hとなる。
【0108】
なお、装置情報取得プロセス104aは、図2に示した装置情報取得部31に対応し、同様に、セル間計測プロセス104bは、セル間計測部32に対応する。また、MTU計測プロセス104cは、MTU計測部33に対応し、特異点抽出プロセス104dは、特異点抽出部34に対応する。また、グループ間計測プロセス104eは、グループ間計測部35に対応し、装置構成特定プロセス104fは、装置構成特定部36に対応する。また、試験データ生成プロセス104gは、試験データ生成部37に対応し、試験実行プロセス104hは、試験実行部38に対応する。
【0109】
また、HDD102には、セル構成テーブル102a、試験データテーブル102bが設けられる。セル構成テーブル102aは、図2に示したセル構成DB24に対応し、試験データテーブル102bは、試験データDB25に対応する。
【0110】
ところで、上記したプログラム103a〜103hは、必ずしもROM103に記憶させておく必要はない。例えば、コンピュータシステム100に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に記憶させておくようにしてもよい。また、コンピュータシステム100の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」に記憶させておいてもよい。さらに、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータシステム100に接続される「他のコンピュータシステム」に記憶させておいてもよい。そして、コンピュータシステム100がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0111】
すなわち、この他の実施例でいうプログラムは、上記した「可搬用の物理媒体」、「固定用の物理媒体」、「通信媒体」などの記録媒体に、コンピュータ読み取り可能に記録されるものである。そして、コンピュータシステム100は、このような記録媒体からプログラムを読み出して実行することで上記した実施例と同様の機能を実現する。なお、この他の実施例でいうプログラムは、コンピュータシステム100によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータシステムまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0112】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0113】
(付記1)コンピュータに、
テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、前記媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測し、
前記計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間の移動に要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出し、
前記抽出した特異点を移動させる、前記テープライブラリ装置の試験データを生成する処理を実行させることを特徴とする試験データ生成プログラム。
【0114】
(付記2)前記抽出した特異点における媒体搬送時間を順番に比較して、前記媒体搬送時間が変化した特異点を特定し、特定した特異点間に存在するセルをグループ化し、
前記グループ化した各グループごとに、当該グループにおける最終セルから他の各グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測し、計測されたグループ間の媒体配送時間に基づいて、各グループの配置を特定し、
前記特定した各グループの配置と各グループに属するセルとを用いて、前記試験データを生成する処理をコンピュータにさらに実行させることを特徴とする付記1に記載の試験データ生成プログラム。
【0115】
(付記3)前記先頭セルから各記憶再生機構まで媒体を移動させて、前記媒体の搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測し、
前記計測されたグループ間の媒体配送時間および前記計測された処理時間から、各グループおよび記憶再生機構の配置を特定し、
前記特定された各グループおよび記憶再生機構の配置を用いて、前記試験データを生成する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記1または2に記載の試験データ生成プログラム。
【0116】
(付記4)前記生成した試験データに基づいて、前記テープライブラリ装置の試験を実施する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の試験データ生成プログラム。
【0117】
(付記5)テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、前記媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測する計測部と、
前記計測部によって計測された各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間の移動に要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された特異点を移動させる、前記テープライブラリ装置の試験データを生成する生成部と
を有することを特徴とする試験データ生成装置。
【0118】
(付記6)前記抽出部によって抽出された特異点における媒体搬送時間を順番に比較して、前記媒体搬送時間が変化した特異点を特定し、特定した特異点間に存在するセルをグループ化するグループ化部と、
前記グループ化部によってグループ化された各グループごとに、当該グループにおける最終セルから他の各グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測し、計測されたグループ間の媒体配送時間に基づいて、各グループの配置を特定する特定部と、をさらに有し、
前記生成部は、前記特定部によって特定された各グループの配置と各グループに属するセルとを用いて、前記試験データを生成することを特徴とする付記5に記載の試験データ生成装置。
【0119】
(付記7)前記計測部は、前記先頭セルから各記憶再生機構まで媒体を移動させて、前記媒体の搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測し、
前記特定部は、前記計測されたグループ間の媒体配送時間および前記計測部によって計測された処理時間から、各グループおよび記憶再生機構の配置を特定し、
前記生成部は、さらに、前記特定部によって特定された各グループおよび記憶再生機構の配置を用いて、前記試験データを生成することを特徴とする付記5または6に記載の試験データ生成装置。
【0120】
(付記8)前記生成部によって生成された試験データに基づいて、前記試験データ生成装置の試験を実施する実施部をさらに有することを特徴とする付記5〜7のいずれか一つに記載の試験データ生成装置。
【0121】
(付記9)コンピュータが実行する制御方法であって、
テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、前記媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測し、
前記計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間の移動に要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出し、
前記抽出した特異点を移動させる、前記テープライブラリ装置の試験データを生成することを特徴とする制御方法。
【0122】
(付記10)前記抽出した特異点における媒体搬送時間を順番に比較して、前記媒体搬送時間が変化した特異点を特定し、特定した特異点間に存在するセルをグループ化し、
前記グループ化した各グループごとに、当該グループにおける最終セルから他の各グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測し、計測されたグループ間の媒体配送時間に基づいて、各グループの配置を特定し、
前記特定した各グループの配置と各グループに属するセルとを用いて、前記試験データを生成することを特徴とする付記9に記載の制御方法。
【0123】
(付記11)前記先頭セルから各記憶再生機構まで媒体を移動させて、前記媒体の搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測し、
前記計測されたグループ間の媒体配送時間および前記計測部によって計測された処理時間から、各グループおよび記憶再生機構の配置を特定し、
前記特定した各グループおよび記憶再生機構の配置を用いて、前記試験データを生成することを特徴とする付記9または10に記載の制御方法。
【0124】
(付記12)前記生成した試験データに基づいて、前記テープライブラリ装置の試験を実施することを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の制御方法。
【0125】
(付記13)コンピュータに、
テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、前記媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測し、
前記計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間が要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出し、
前記抽出した特異点を移動させる、前記テープライブラリ装置の試験データを生成し、
前記生成した試験データに基づいて、前記テープライブラリ装置の試験を実施する処理を実行させることを特徴とするテープライブラリ試験プログラム。
【符号の説明】
【0126】
1 テープライブラリ装置
10 試験データ生成装置
10a 計測部
10b 抽出部
10c 生成部
20 テープライブラリ試験装置
21 通信制御I/F部
22 入力部
23 表示部
24 セル構成DB
25 試験データDB
30 制御部
31 装置情報取得部
32 セル間計測部
33 MTU計測部
34 特異点抽出部
35 グループ間計測部
36 装置構成特定部
37 試験データ生成部
38 試験実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、前記媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測し、
前記計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間の移動に要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出し、
前記抽出した特異点を移動させる、前記テープライブラリ装置の試験データを生成する処理を実行させることを特徴とする試験データ生成プログラム。
【請求項2】
前記抽出した特異点における媒体搬送時間を順番に比較して、前記媒体搬送時間が変化した特異点を特定し、特定した特異点間に存在するセルをグループ化し、
前記グループ化した各グループごとに、当該グループにおける最終セルから他の各グループの先頭セルまでの媒体搬送時間を計測し、計測されたグループ間の媒体配送時間に基づいて、各グループの配置を特定し、
前記特定した各グループの配置と各グループに属するセルとを用いて、前記試験データを生成する処理をコンピュータにさらに実行させることを特徴とする請求項1に記載の試験データ生成プログラム。
【請求項3】
前記先頭セルから各記憶再生機構まで媒体を移動させて、前記媒体の搬送開始指示から終了応答までの処理時間を計測し、
前記計測されたグループ間の媒体配送時間および前記計測された処理時間から、各グループおよび記憶再生機構の配置を特定し、
前記特定された各グループおよび記憶再生機構の配置を用いて、前記試験データを生成する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1または2に記載の試験データ生成プログラム。
【請求項4】
テープライブラリ装置において予め定義されるセル情報に基づいて、先頭セルから順次媒体を最終セルまで移動させて、各セル間ごとに、前記媒体を移動させるのに要した時間である媒体搬送時間を計測し、
前記計測した各セル間の媒体搬送時間から、他のセル間が要した媒体移送時間より長い媒体搬送時間を要したセル間を特異点として抽出し、
前記抽出した特異点を移動させる、前記テープライブラリ装置の試験データを生成し、
前記生成した試験データに基づいて、前記テープライブラリ装置の試験を実施する処理を実行させることを特徴とするテープライブラリ試験プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−64270(P2012−64270A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206954(P2010−206954)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】