説明

認知症治療のための5−HT4受容体アゴニスト

本発明は、認知症の治療に有用である5−HT4アゴニスト活性を有する式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩に関する。また、本発明は、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を含む認知症治療のための医薬組成物に関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における認知症の治療方法に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト身体の治療に使用するための化合物に関する。具体的には、本発明は、認知症を治療するために、または脳におけるβ−アミロイドペプチド(Aベータ)の増加および/または脳のシナプスのアセチルコリン(Ach)レベルの枯渇に関連付けられている認知症の発症もしくは進行を予防もしくは遅らすために有用な選択的5−HT4受容体アゴニズムを有する化合物に関する。
【0002】
本発明は、また、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を含む認知症の治療のための医薬組成物に関する。本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を、対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における認知症の治療方法にも関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、必要とする対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における認知症の治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、5−HT4受容体作動薬は、胃食道逆流疾患、胃腸疾患、胃運動性障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候(IBS)、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、悪心、中枢神経系疾患、アルツハイマー病(AD)、認知障害、嘔吐、片頭痛、神経疾患、痛み、心不全および心不整脈などの心血管障害、糖尿病、無呼吸症候群などの様々な疾患の治療に有用であることがわかっている(非特許文献1; 非特許文献2; 非特許文献3; 非特許文献4; 非特許文献5; 非特許文献6; および非特許文献7を参照のこと)。
【0004】
アルツハイマー病は、認知症の中で最も多く見られる形態である。その診断は、米国精神医学会が発表しているDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第4版(DSM−IV)に記載されている。ADは、臨床的には記憶および一般的な認知機能の段階的喪失を特徴とし、病理学的には患者の皮質および連合脳領域における細胞外タンパク質プラークの沈着を特徴とする神経変性障害である。過去には、コリン作動性仮説、Aベータ仮説、およびタウ仮説が提唱されており、ADの原因メカニズムを特定するために、膨大な数の研究が、各仮説で実施されている。
【0005】
コリン作動性仮説の起源以来20年以上、多くの研究から得られたデータによって、アルツハイマー病認知症症候群を説明するものとしてこの仮説の信憑性が議論されてきた(非特許文献8)。これらの研究は、学習と記憶におけるアセチルコリン(ACh)の役割が浮上することと相まって、「アルツハイマー病のコリン仮説」につながった。その結果、大脳基底部におけるコリン作動性ニューロンの変性、ならびにそれに関連した大脳皮質およびその他の領域におけるコリン作動性神経伝達の欠損が、AD患者に見られる認知機能の低下に大きく寄与しているとする説が提案された。この作用メカニズムに基づき、脳のシナプスにおけるアセチルコリンの分解を抑制するアセチルコリンエステラーゼ阻害剤がADの治療薬として市販されている。
【0006】
Aベータは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)から、ベータセクレターゼおよびガンマセクレターゼにより細胞内タンパク質分解作用を介して形成される。ガンマセクレターゼにより媒介されるタンパク質分解の部位の違いにより、鎖長の異なるAベータ、例えばAベータ(1−38)、Aベータ(1−40)およびAベータ(1−42)が生ずる。Aベータは、細胞外媒体に分泌された後、ADにおける重要な神経毒性物質であると広く考えられている、可溶性の集合体を最初に形成し(非特許文献9参照)、これは最終的にはADの病理学的特徴である不溶性の沈着物および高濃度の神経突起プラークに変化する(非特許文献10)。この仮説に基づくAD治療薬の候補品のいくつかは現在臨床試験中であり、AD患者に対するある程度の有効性が報告されている(非特許文献11、非特許文献12)。
【0007】
上記2つのメカニズム、すなわち1)脳内のアセチルコリンレベルの誘導、ならびに2)皮質およびそれと関連する脳領域でのアミロイドプラークの沈着後のAベータ産生の抑制は、AD治療のための有望なメカニズムであることがヒトで証明されている。メカニズム1)は、市場では、たとえばドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤が例として挙げられ、またメカニズム2)は、たとえばAベータ抗体やセクレターゼ阻害剤などの薬物が例として挙げられ、その有効性は、ADの臨床試験で報告されている。
【0008】
これら2つのメカニズムは、ADの治療に異なる効果を示すことが期待される。メカニズム1)は、対症療法ではあるものの、それは患者の記憶や認知機能を回復する。一方、Aベータ産生抑制によるメカニズム2)は、AD患者の疾患修飾療法をもたらす神経保護機能を有する。したがって、これらの作用メカニズムを合わせ持つ薬物は、AD治療のための魅力的な薬となる。我々が知る限り、本発明は、動物においてメカニズム1)および2)をいずれも明確に示した化合物の最初の例である。
【0009】
特にADでは、5−HT4アゴニズムが上記で提唱される治療メカニズムをいずれも提供することが文献で論じられている。そして、いくつかの5−HT4アゴニストが合成され、当該アゴニストを使用した非臨床試験および臨床試験が開始されている。しかしながら、動物のAベータ抑制試験において効果を示す実施例は全く確認されていない。例えば、開発の臨床段階にあるPRX−03140はAベータを減少させる傾向を示したものの、動物モデルでは有意な抑制は示さなかった(非特許文献13)。またRS67333も、細胞培養を使用したAベータ分泌抑制試験がなされているものの、動物を用いた試験は行われていない(非特許文献14)。従って、本発明は、動物において上記2つのメカニズムがいずれも明確に実証された化合物の最初の例である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Bockaert Jら、TiPs 13;141−45,1992
【非特許文献2】Ford A.Pら、Med.Res.Rev.13:633−62,1993
【非特許文献3】Gullikson G.W.ら、Drug Dev.Res.26;405−17,1992
【非特許文献4】Richard M. Eglenら、TiPs 16;391−98,1995
【非特許文献5】Bockaert J.ら、CNS Drugs 1;6−15,1994
【非特許文献6】Romanelli M.N.ら、Arzheim Forsch./Drug Res.,43;913−18,1993
【非特許文献7】Kaumann A.J.ら、Naunyn−Schmiedebergs Arch Pharmacol.,344;150−59,1991
【非特許文献8】Francis Pら、J Neurol Neurosurg Psychiatry 66;137−147,1999
【非特許文献9】Gong Yら、PNAS 100;10417−22,2003
【非特許文献10】Hardy Jら、Science 297;353−356,2002
【非特許文献11】Mount Cら、Nature Medicine 12;780−784,2006
【非特許文献12】Siemers ERら、Clinical Neuropharmacology 30;317−325,2007
【非特許文献13】Shacham Sら、10th ICAD O3−05−03,2006
【非特許文献14】Cho, Sら、Experimental Neurology 203;274−278,2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ヒト身体の治療に使用するための化合物を提供することである。具体的には、本発明は、認知症を治療するために、または脳におけるβ−アミロイドペプチド(Aベータ)の増加および/または脳のシナプスのAchレベルの枯渇に関連付けられている認知症の発症もしくは進行を予防もしくは遅らすために有用な選択的5−HT4受容体アゴニズムを有する化合物を提供することである。
【0012】
加えて、本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を含む認知症治療のための医薬組成物を提供すること、また式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における認知症の治療方法を提供すること、さらに、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を必要とする対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における認知症の治療方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の要旨は、次の様である:
[1] 対象哺乳動物を含む対象動物の認知症を治療するための薬剤の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用:
【化1】

式中、
Hetは、Bが直接結合する、1個の窒素原子と4〜7個の炭素原子とを有する複素環基(該複素環基は、無置換か、または置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、およびアミノ基から独立に選ばれ;
Aは、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Bは、共有結合、または1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Arは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)、−O−C−Cアルキル、−O−複素環、および−O−CH−Rから成る群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
は、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、C−Cシクロアルキル基(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソ、C−Cアルコキシ、およびヒドロキシ−C−Cアルキルからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)からなる群から選ばれ;
Xは、−O−、−S−、−NH−、または−CH−を表し;
nは、0または1を表し;
mは、0または1を表し;
Rは、独立に
(i)オキソ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、またはテトラゾール基;
(ii)3〜8個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)3〜8個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、アミノ基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基、カルボキシル基、アミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノ置換アルキル基、カルバモイル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、1、2、または3を表す;
[2] [1]に記載の使用、ここで
Hetは
【化2】

から選ばれる複素環基であり;
該複素環基は、無置換か、または置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜4個の置換基で置換されており;
該置換基αは、ヒドロキシ基およびハロゲン原子から独立に選ばれ;
Aは、1〜2個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Bは、1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Arは、
【化3】

(R1aは、イソプロピル基、n−プロピル基、またはシクロペンチル基を表し、
2aは、メチル基、フッ素原子、または塩素原子を表す);
【化4】

(R1bは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、またはハロゲン原子を表し、
2bは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す);
【化5】

(R1cは、C−Cシクロアルキル(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)、複素環、および−CH−R2cから成る群から選ばれ;
2cは、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、およびC−Cシクロアルキル基(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソ、C−Cアルコキシ、およびヒドロキシ−C−Cアルキルからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)からなる群から選ばれる);
【化6】

(R1dは、水素原子、ハロゲン原子、またはC−Cアルキル基を表し;
2dは、C−Cアルキル基またはC−Cシクロアルキル基を表す);
【化7】

(R1eは、イソプロピル基またはシクロペンチル基を表し;
2dは、独立にハロゲン原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
qは、0、1、2、3または4である);
【化8】

(R1fは、水素原子、ハロゲン原子、またはC−Cアルキル基を表し;
2fおよびR3fは、独立にメチル基もしくはエチル基を表すか、またはR2fおよびR3fは、一緒にC−Cアルキレン架橋を形成して3〜5員環を構成する);
【化9】

(R1gは、C−Cアルキル基、−CH−C−Cシクロアルキル基、またはC−Cシクロアルキル基を表し;
2gは、水素原子またはハロゲン原子を表す);
【化10】

(R1hは、C−Cアルキル基を表し;
2hは、水素原子またはハロゲン原子を表し;
qは、1または2である);
【化11】

【化12】

(R1iは、C−Cアルキル基を表し;
2iは、水素原子またはハロゲン原子を表し;
rは、1または2である);
【化13】

(R1jは、C−Cアルキル基を表し;
2jは、水素原子、またはハロゲン原子を表す);または

【化14】

を表し;
Xは、Arが
【化15】

を表すとき−O−を表し;
nは、Arが
【化16】

を表すとき1を表し;
mは、0または1を表し;
Rは、独立に
(i)ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、またはカルボキシル基;
(ii)4〜7個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)5〜7個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、カルバモイル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、1を表す;
[3] [2]に記載の使用、ここで
Hetは
【化17】

を表し、この基は、無置換か、または置換基αからなる群から選ばれる1つの置換基で置換されており;
該置換基αは、ヒドロキシ基から独立に選ばれ;
Aは、メチレン基を表し;
Bは、メチレン基を表し;
mは、Arが
【化18】

のとき、0を表し;
Rは、独立に
(i)ヒドロキシ基;
(ii)4〜6個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜2個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)5〜6個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜2個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、1を表す;
[4] [3]に記載の使用、ここで
Rは、独立して1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル基、ヒドロキシシクロペンチル基、ヒドロキシテトラヒドロピラニル基、テトラゾリルテトラヒドロピラニル基、テトラゾリルシクロペンチル基、ピペリジニル基、またはモルホリニル基を表す;
[5] [1]に記載の使用、ここで式(I)の化合物は、以下から選ばれる:
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
3−イソプロピル−N−((1−(2−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イル)プロピル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2’−オキソスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−1’−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((シス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド・シュウ酸塩;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((シス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
4−((4−(((4−((トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,3R)−3−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((1−ヒドロキシシクロペンチル)メトキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−イソブトキシベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
N−(シス−6−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−(シス−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
1−シクロブチル−N−(シス−6−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]ピペリジン−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−エトキシベンズアミド−;
4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
5−アミノ−6−ブロモ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(R)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(R)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;および
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド、
または、薬学的に許容されるその塩;
[6] 式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩と、認知症やその症状の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の追加の化合物とを併用することを特徴とする、[1]に記載の使用;
[7] 請求項1に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を含む認知症治療のための医薬組成物;
[8] 認知症やその症状の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の追加化合物の治療有効量をさらに含む、[7]に記載の医薬組成物;
[9] [1]に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を被験哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における、認知症の治療方法;
[10] 認知症の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の化合物の治療有効量を投与することをさらに含む、[9]に記載の方法。
[11] [1]に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、必要としている対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、認知症の治療方法;
[12] 認知症の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の追加化合物の治療有効量を投与する工程をさらに含む、[11]に記載の方法;および
[13] 対象哺乳動物を含む対象動物における認知症治療に用いられる[1]に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【発明の効果】
【0014】
驚くべきことに、5−HT4受容体に強い親和性を有する本発明の化合物が認知症の治療に有用であることが見出された。
【0015】
すなわち、本発明者らは、本発明の上記化合物が上記のメカニズム1)に基づいたAD治療のための望ましい特性を有することを、ラットの新規物体認識試験およびラットのスコポラミン誘発性自発的交替モデルを用いて確認した。本発明の化合物がまた、上記のメカニズム2)に基づいたAD治療のために望ましい特性を有することが、Tg2576マウスにおけるベータペプチドを定量することで確認されたのである。
【0016】
したがって、本発明の化合物は、認知症の治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】新規物体認識試験の識別指数の改善を示すグラフである。
【図2】自発的交替の回復を示すグラフである。
【図3】Tg2576マウスにおけるAベータ(Aベータ1〜40(左側)または1〜42(右側))の減少を示すグラフである。
【図4】ラット海馬におけるACh濃度を示すグラフである(ラット数6匹)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
認知症治療のための本発明の化合物は、以下の式(I)の化合物:
【化19】

[式中、
Hetは、Bが直接結合する、1個の窒素原子と4〜7個の炭素原子とを有する複素環基(該複素環基は、無置換か、または置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、およびアミノ基から独立に選ばれ;
Aは、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Bは、共有結合、または1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Arは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)、−O−C−Cアルキル、−O−複素環、および−O−CH−Rから成る群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
は、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、C−Cシクロアルキル基(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソ、C−Cアルコキシ、およびヒドロキシ−C−Cアルキルからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)からなる群から選ばれ;
Xは、−O−、−S−、−NH−、または−CH−を表し;
nは、0または1を表し;
mは、0または1を表し;
Rは、独立に
(i)オキソ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、またはテトラゾール基;
(ii)3〜8個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)3〜8個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、アミノ基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基、カルボキシル基、アミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノ置換アルキル基、カルバモイル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、1、2、または3を表す。]
または薬学的に許容されるその塩の使用である。
【0019】
本発明の化合物は、溶媒和物、水和物、複合体、多形体、プロドラッグ、異性体、および同位体標識化合物を含む。
【0020】
また、本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における認知症治療のための医薬組成物を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、薬学的に許容される担体とともに式(I)のキノロンカルボン酸化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を含む認知症治療のための医薬組成物を提供する。
【0022】
また、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、必要とする対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、該動物における認知症の治療方法を提供する。さらに、本発明は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における認知症の治療方法を提供する。さらに、本発明は、対象哺乳動物を含む対象動物の認知症を治療するための薬剤の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0023】
本明細書では、用語「対象動物」とは、対象哺乳動物または対象非哺乳動物を含む。好ましい対象哺乳動物の例としては、ヒト、げっ歯類、伴侶動物、家畜、霊長類を含むが、これらに限定されない。好ましいげっ歯類は、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、およびモルモットを含むが、これらに限定されない。好ましい伴侶動物は、ネコ、イヌ、ウサギ、およびフェレットを含むが、これらに限定されない。好ましい家畜は、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ラマ、およびアルパカを含むが、これらに限定されない。好ましい霊長類は、チンパンジー、キツネザル、アカゲザル、マーモセット、クモザル、リスザル、およびベルベットモンキーを含むが、これらに限定されない。好ましい非哺乳類の例としては、制限なしに、鳥類、爬虫類、両生類、および魚類が挙げられるが、これらに限定されない。鳥類の非限定的な例としては、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、およびガチョウが挙げられる。
【0024】
用語「認知症」はアルツハイマー病(AD)、およびAベータペプチド増加および/または脳内のAChレベルの減少と関連する他の認知症タイプ、たとえば、血管性認知症、神経変性疾患に関連した認知症、パーキンソン病関連認知症、前頭側頭型の認知症、ピック病、びまん性レビー小体関連の認知症、外傷性脳損傷または低酸素性虚血性傷害に関連した認知症、うつ病または統合失調症関連認知症、ハンチントン病関連認知症、HIV関連認知症を含む。用語「認知症」はまた、臨床症状、たとえば、認知機能障害、記憶喪失、および上記疾患におけるAベータ−ペプチドの増加および/または、脳内アセチルコリンレベルの減少に関連付けられている行動の変化を含む。
【0025】
本明細書では、「Het」における用語「複素環」とは、
【化20】

などの、1個の窒素原子および4〜7個の炭素原子を有する複素環基を意味する。
【0026】
本明細書では、「A」における用語「アルキレン」とは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和した基を意味し、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、tert−ブチレンが含まれるがこの限りでない。「A」における「アルキレン」は、好ましくはメチレン基、エチレン基、またはプロピレン基、より好ましくはメチレン基またはエチレン基、最も好ましくはメチレン基を表す。
【0027】
本明細書では、「B」における用語「アルキレン」とは、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和した基を意味し、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、tert−ブチレン、n−ペンチレン、イソペンチレン、sec−ペンチレン、tert−ペンチレンなどが含まれる。「B」における「アルキレン」は、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、より好ましくは1〜3個の炭素原子を有するアルキレン基、より一層好ましくはメチレン基またはエチレン基、さらに一層好ましくはメチレン基を表す。
【0028】
本明細書では、「R」における「アルキルアミノ」の「アルキル」;「置換基α」における「ヒドロキシ置換アルキル基」および「1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基」の「アルキル」;「置換基β」における「アルキル」;ならびに「置換基β」における「ヒドロキシ置換アルキル基」および「アミノ置換アルキル基」の「アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の飽和した基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが含まれるがこの限りでない。
【0029】
本明細書では、「R」における用語「シクロアルキル」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの、3〜8個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味する。
【0030】
本明細書では、「R」における用語「複素環」とは、環中に1個以上のヘテロ原子を有し、好ましくは2〜6個の炭素原子および1〜3個のヘテロ原子を有する複素環式の環を意味し、アジリジニル、アゼチジニル、ピペリジニル、(モルホリノを含む)モルホリニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラゾリル、ピラゾリニル、テトラヒドロピラニルなどが含まれる。
【0031】
本明細書では、用語「治療する」とは、このような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1種以上の症状の発症もしくは進行を逆行、緩和、阻止、もしくは予防することを指す。用語「治療」とは、本明細書では、「治療する」が直前で定義したとおりであるとき、治療する行為を指す。
【0032】
置換基「R」は、「B基」と「R基」とを結合させる炭素原子に結合させることができ、
たとえば次のような式:
【化21】

で表される。
【0033】
式(I)の好ましい、より好ましい、または最も好ましい化合物のそれぞれの置換基は、次のとおりである:
Hetは、好ましくは、
【化22】

から選ばれる複素環基であり、該複素環基は無置換か、または置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜4個の置換基で置換されており、
Hetは、より好ましくは、
【化23】

の基を表し、この基は無置換か、または置換基αからなる群から選ばれる1個の置換基で置換されており、
該置換基αは、ヒドロキシ基およびハロゲン原子から独立に選ばれ;
Aは、1〜2個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;より好ましくは、Aは、メチレン基を表し;
Bは、1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;より好ましくは、Bは、1〜2個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;最も好ましくは、Bは、メチレン基を表し;
Arは、好ましくは、
【化24】

(R1aは、イソプロピル基、n−プロピル基、またはシクロペンチル基を表し、
2aは、メチル基、フッ素原子、または塩素原子を表す);
【化25】

(R1bは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、またはハロゲン原子を表し、
2bは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す);
【化26】

(R1cはC−Cシクロアルキル(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)、複素環、および−CH−R2cから成る群から選ばれ;
2cは、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、およびC−Cシクロアルキル基(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソ、C−Cアルコキシ、およびヒドロキシ−C−Cアルキルからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)からなる群から選ばれる);
【化27】

(R1dは、水素原子、ハロゲン原子、またはC−Cアルキル基を表し;
2dは、C−Cアルキル基、またはC−Cシクロアルキル基を表す);
【化28】

(R1eは、イソプロピル基、またはシクロペンチル基を表し;
2dは、独立にハロゲン原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
qは、0、1、2、3または4である);
【化29】

(R1fは、水素原子、ハロゲン原子、またはC−Cアルキル基を表し;
2fおよびR3fは、独立にメチル基もしくはエチル基を表すか、またはR2fおよびR3fは、一緒にC−Cアルキレン架橋を形成して3〜5員環を構成する);
【化30】

(R1gは、C−Cアルキル基、−CH−C−Cシクロアルキル基、またはC−Cシクロアルキル基を表し;
2gは、水素原子、またはハロゲン原子を表す);
【化31】

(R1hは、C−Cアルキル基を表し;
2hは、水素原子、またはハロゲン原子を表し;
qは、1または2である);
【化32】

【化33】

(R1iは、C−Cアルキル基を表し;
2iは、水素原子、またはハロゲン原子を表し;
rは、1または2である);
【化34】

(R1jは、C−Cアルキル基を表し;
2jは、水素原子、またはハロゲン原子を表す);または
【化35】

を表し、
Xは、Arが
【化36】

を表すとき、好ましくは−O−を表し;
nは、Arが
【化37】

を表すとき、好ましくは1を表し;
mは、
Arが
【化38】

を表すとき、好ましくは0または1を表し;
最も好ましくは0を表し;
Rは、好ましくは独立に
(i)ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、またはカルボキシル基;
(ii)4〜7個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)5〜7個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、好ましくはヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;該置換基αは、より好ましくは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、好ましくはヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、カルバモイル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;該置換基βは、より好ましくはヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、好ましくは1を表し;
Rは、より好ましくは独立に
(i)ヒドロキシ基;
(ii)4〜6個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜2個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)5〜6個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜2個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、好ましくは1を表し;
Rは、最も好ましくは独立して1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル基、ヒドロキシシクロペンチル基、ヒドロキシテトラヒドロピラニル基、テトラゾリルテトラヒドロピラニル基、テトラゾリルシクロペンチル基、ピペリジニル基、またはモルホリニル基を表す。
【0034】
最も好ましい化合物は、
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
3−イソプロピル−N−((1−(2−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イル)プロピル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2’−オキソスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−1’−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((シス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド・シュウ酸塩;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((シス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
4−((4−(((4−((トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,3R)−3−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((1−ヒドロキシシクロペンチル)メトキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−イソブトキシベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
N−(シス−6−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−(シス−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
1−シクロブチル−N−(シス−6−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]ピペリジン−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−エトキシベンズアミド−;
4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
5−アミノ−6−ブロモ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(R)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(R)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;および
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド,
または、薬学的に許容されるその塩である。
【0035】
いくつかの本発明の化合物は、不斉中心を有する。したがって、その化合物は、(+)および(−)の光学活性のある別々の形、ならびにそのラセミ化合物の形で存在し得る。本発明は、そのようなすべての形をその範囲内に含む。個々の異性体は、最終生成物またはその中間体の調製の際に、光学的に選択を行う反応やクロマトグラフィーによる分離などの知られている方法によって得ることができる。
【0036】
本発明は、1個または複数の原子が自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子と入れ換えられていることを別にすれば式(I)で列挙されるものと同一である同位体標識化合物も含む。本発明の化合物に組み込むことのできる同位体の例には、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、36Clなどの、それぞれ水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が含まれる。前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、そのプロドラッグ、前記化合物の薬学的に許容できるエステル、および前記化合物、前記エステル、もしくは前記プロドラッグの薬学的に許容できる塩は、本発明の範囲内である。本発明のある種の同位体標識化合物、例えば、3Hや14Cなどの放射性同位体が組み込まれている化合物は、薬物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。同位体であるトリチウム、すなわちH、および炭素14、すなわち14Cはいずれも、提示および検出が容易であることから特に好ましい。さらに、重水素、すなわちHなどのより重い同位体で置換すると、より高い代謝安定性、例えばin vivo半減期の延長や投与必要量の減少のためにもたらされる治療上の強みを得ることができ、したがって、状況によっては好ましい。本発明の式(I)の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは、一般に、同位体標識されていない試薬に替えて容易に入手できる同位体標識試薬を使用しながら、上記開示されたスキームおよび/または以下の実施例および調製例で開示する手順を実施して調製することができる。
【0037】
本発明は、式(I)の化合物の、得られる塩の形態を含む。
【0038】
本発明の化合物のいくつかは、薬学的に許容できる非毒性のカチオンを形成することができる場合もある。薬学的に許容できる非毒性の式(I)の化合物のカチオンは、従来の技術によって、例えば、水、またはエタノール、イソプロパノール、これらの混合物などの適切な有機溶媒中で、前記化合物と、化学量論量の適切なアルカリ金属またはアルカリ土類金属(ナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム)の水酸化物またはアルコキシドとを接触させることで調製できる。
【0039】
本発明の酸性の式(I)の化合物の、薬学的に許容できる塩基付加塩の調製に使用する塩基は、アデニン、アルギニン、シトシン、リシン、ベネタミン(すなわち、N−ベンジル−2−フェニルエチルアミン)、ベンザチン(すなわち、N,N−ジベンジルエチレンジアミン)、コリン、ジオラミン(すなわち、ジエタノールアミン)、エチレンジアミン、グルコサミン、グリシン、グアニジン、グアニン、メグルミン(すなわち、N−メチルグルカミン)、ニコチンアミド、オラミン(すなわち、エタノールアミン)、オルニチン、プロカイン、プロリン、ピリドキシン、セリン、チロシン、バリン、トロメタミン(すなわち、トリスもしくはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)などの、非毒性の塩基付加塩、すなわち薬学的に許容できるカチオンを含む塩を生成する塩基である。塩基付加塩は、従来の手順によって調製することができる。
【0040】
本発明のある特定の化合物は、塩基性化合物である限り、様々な無機酸および有機酸と広範な種類の異なる塩を形成することができる。
【0041】
本発明の塩基性の式(I)の化合物の、薬学的に許容できる酸付加塩の調製に使用する酸は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩もしくは重硫酸塩、リン酸塩もしくは酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩もしくは酸性クエン酸塩、酒石酸塩もしくは酒石酸水素塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、カンシル酸塩、エジシラート(すなわち、1,2−エタンジスルホン酸塩)、エストラート(すなわち、ラウリル硫酸塩)、グルセプタート(すなわち、グルコヘプトン酸)、グルコン酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、キシナホ酸塩(すなわち、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)、イセチオン酸塩(すなわち、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、粘液酸塩(すなわち、ガラクタル酸塩)、2−ナフシラート(すなわち、ナフタレンスルホン酸塩)、ステアリン酸塩、コール酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、馬尿酸塩、ラクトビオン酸塩、リシン酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、ナパジシル酸、ニコチン酸、ポリガラクツロン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、タンニン酸、トリプトファナート、ホウ酸塩、炭酸塩、オレイン酸塩、フタル酸塩、パモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)塩)などの非毒性の酸付加塩、すなわち薬学的に許容できるアニオンを含む塩を生成する酸である。酸付加塩は、従来の手順によって調製することができる。
【0042】
適切な塩の総説については、Bergeら、J.Pharm.Sci.、第66巻、1〜19ページ、1977年を参照されたい。
【0043】
式(I)の化合物のバイオプレカーサー(プロドラッグとも呼ぶ)も本発明の範囲内に含まれる。式(I)の化合物のバイオプレカーサーは、生体系で容易に変換されて親化合物である式(I)の化合物へと戻るその化学誘導体である。具体的には、式(I)の化合物のバイオプレカーサーは、対象哺乳動物を含む対象動物、たとえばヒトに投与され、吸収された後に変換されて、親化合物である式(I)の化合物へと戻る。
たとえば、ヒドロキシ基のエステルを作ることによって、ヒドロキシ基を含む式(I)の化合物のバイオプレカーサーを製することが可能である。式(I)の化合物が1つのヒドロキシ基を含むとき、モノエステルのみが考えられる。式(I)の化合物が1以上のカルボキシル基を含むとき、モノエステルおよびジエステル(同じでも、異なるものでもよい)を製することができる。典型的なエステルは、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステルなどの単純なアルカン酸エステルである。さらに、式(I)の化合物がヒドロキシ基を含むとき、バイオプレカーサーは、ハロゲン化アシル(例えば、塩化ピバロイル)との反応によって、ヒドロキシ基をアシルオキシ誘導体(例えば、ピバロイルオキシ誘導体)に変換して製することができる。
当業者によく知られている他の典型的なプロドラッグは、リン酸塩、アミド、エステル、チオエステル、炭酸塩、およびカルバメートの調整品を含む。プロドラッグの使用に関する詳細情報は、Pro−drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14,ACS Symposium Series(T HiguchiとW Stella)およびBioreversible Carriers in Drug Design,Pergamon Press,1987(E B Roche著,米国薬学会)に記載されている。
【0044】
本発明の式(I)の化合物が水和物などの溶媒和化合物を生成し得るとき、そのような溶媒和化合物も本発明の範囲内に含まれる。
【0045】
認知症を治療もしくは予防するための、本発明の化合物の適切な用量は、活性化合物として、1日あたり約0.1〜400mg、好ましくは1日あたり約0.5〜40mg、より好ましくは1日あたり約1〜10mgである。本化合物は、1日1〜4回の投与計画で投与することができる。しかし、場合によっては、これらの制限外の用量を使用することもできる。
【0046】
本発明の化合物は、上述した経路のいずれかによって単独で、または薬学的に許容できる担体もしくは希釈剤と共に投与してよく、このような投与は、1回または複数回の用量で実施することができる。より詳細には、本発明の新規な治療薬は、広範な種類の異なる剤形にして投与することができ、すなわち、薬学的に許容できる様々な不活性担体と組み合わせて、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ剤、ハードキャンディー、粉末、スプレー、クリーム、塗薬、坐剤、ゼリー、ゲル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射溶液、エリキシル、シロップなどの形にすることができる。そのような担体には、固体の希釈剤もしくは充填剤、無菌水性媒質、および様々な非毒性有機溶媒などが含まれる。さらに、経口医薬組成物には、適切に甘味および/または香味を付けることができる。一般に、本発明の治療上有効な化合物は、こうした剤形中に5重量%〜70重量% 、好ましくは10重量%〜50重量%の範囲の濃度レベルで存在する。
【0047】
経口投与では、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カリウム、グリシンなどの様々な賦形剤を含有する錠剤を、デンプン、好ましくはトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、もしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種の複合ケイ酸塩などの様々な崩壊剤、およびポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、アカシアのような造粒結合剤と共に用いることができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルクなどの滑沢剤は、打錠するという目的にはしばしば非常に有用である。同種の固体組成物を、ゼラチンカプセルの充填材として使用してもよく、これに関して好ましい材料には、ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールも含まれる。経口投与に水性懸濁液および/またはエリキシルが望ましいとき、活性成分は、様々な甘味剤もしくは着香剤、着色物質すなわち着色料、所望であればさらに乳化剤および/または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびこれらの様々な組合せなどの希釈剤と組み合わせることができる。
【0048】
非経口投与では、本発明の化合物をゴマ油もしくはラッカセイ油またはプロピレングリコール水溶液に溶かした溶液を用いることができる。水溶液は、必要であれば適切に緩衝剤処理し(好ましくはpH>8)、液体希釈剤をまず等張性にしなければならない。このような水溶液は、静脈内注射の目的に適する。油性溶液は、関節内、筋肉内、および皮下注射の目的に適する。これらすべての溶液の無菌条件下での調製は、当業者によく知られている標準の製薬技術によって容易になされる。さらに、皮膚の炎症状態を治療するとき、本発明の化合物を局所に投与することも可能であり、これは、標準の薬学の慣行に従って、クリーム、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏などとして行うことが好ましい。
【0049】
5−HT4受容体アゴニストとしてこれらの化合物は、WO2005049608、WO2005073222、WO2006090224、WO2007010390、WO2006/090279、WO2005021539、WO2007048623、WO2007068739、およびWO2007096352に開示されている。しかし、認知症の治療のための実施例は、これらの文献に全く開示されていない。
【0050】
本発明はまた、対象哺乳動物を含む対象動物において認知症を治療するための、前記対象への治療有効量の式(I)の化合物、または薬学的に許容できるその塩の投与を含む医薬組成物を提供する。
【0051】
さらに、本発明は、認知症を治療するための、治療有効量の式(I)のキノロンカルボン酸化合物、または薬学的に許容できるその塩を薬学的に許容できる担体とともに含む医薬組成物も提供する。
【0052】
また、本発明は、上記で定義した本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、必要とする患者または対象哺乳動物を含む対象動物に投与することにより、認知症(これは脳におけるAベータの増加、および/またはAchの枯渇に関連付けられている認知症を指す)を治療、または認知症の発症もしくは進行を予防もしくは遅らすための方法を提供する。
【0053】
さらなる態様において、本発明は、認知症を治療、またはその発症もしくは進行を予防もしくは遅らすための医薬の製造における、上記で定義した本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
【0054】
ADの特定の段階で使用が制限される薬物もある。たとえば、メマンチンはADの重症段階でのみ使用されるが、一方、本発明の化合物は、ADのどの段階(軽度の段階、中等度の段階、および重度の段階)の患者にも使用することができる。
【0055】
式Iの化合物は、必要に応じて、ADまたはその症状の治療または予防に有用であることが知られているひとつ以上の追加化合物と組み合わせて投与することができる。このような追加の化合物は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤などの認知改善薬(たとえば、ドネペジルとガランタミン)、NMDA拮抗薬(たとえばメマンチン)、抗ヒスタミン剤(たとえばジメボン、The Lancet,372(2008)207−215)、5−HT6アンタゴニスト(Neurotherapeutics,5(2008)458−469)またはPDE4阻害剤(たとえばAriflo(商標)およびWO03/018579、WO01/46151、WO02/074726およびWO02/098878に開示される化合物のクラス)を含む。このような追加の化合物はまた、たとえば、スタチン(たとえばシンバスタチン)などのコレステロール低下薬を含む。このような追加の化合物は、同様に、脳内におけるAベータの産生または処理を修飾することが知られている化合物(以下「アミロイド修飾化合物」)、たとえば、Aベータの分泌を抑制する化合物(γ−セクレターゼ阻害剤、β−セクレターゼ阻害剤、およびGSK−3αを含む)、Aベータの凝集を阻害する化合物、および選択的にAベータに結合する抗体を含む。このような追加の化合物はまた、WO2004/110443に開示された成長ホルモン分泌促進物質を含む。
【実施例】
【0056】
化合物リスト:
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
3−イソプロピル−N−((1−(2−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イル)プロピル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2’−オキソスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−1’−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド(化合物A);
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((シス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド・シュウ酸塩;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((シス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
4−((4−(((4−((トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,3R)−3−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((1−ヒドロキシシクロペンチル)メトキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−イソブトキシベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
N−(シス−6−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−(シス−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
1−シクロブチル−N−(シス−6−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]ピペリジン−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−エトキシベンズアミド−;
4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
5−アミノ−6−ブロモ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(R)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(R)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;および
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド
【0057】
実施例1:ラット新規物体認識試験(参照した方法:PNAS,101(2003)853−858)
この試験では雄のIGSラット(9週齢、日本チャールスリバー株式会社)を使用した。化合物Aおよび塩酸ドネペジル(対照物質)を、トレーニング試行の60分前およびリテンション試行(retention trial)の60分前に経口投与した。グループごとの動物数は15とした。この試験では、おがくずで床を覆ったオープンフィールドボックス(40×40×40cm)を使用した。トレーニング試行に関しては、ラットに3分間、2つの同一の物体(A1とA2)を探索させた。物体は、様々な形状、色、サイズのものがあるプラスチック製の「レゴブロック」である。ラットの行動を監視し、記録するためにオーバーヘッドカメラとDVDレコーダーを使用した。リテンション試行はトレーニング試行の24時間後に行った。トレーニングで慣れた物体(A3)と新規物体(B)を、トレーニング試行と同じ場所に配置し、ラットに3分間、物体を探索させた。ラットの行動を観察し、記録するためにオーバーヘッドカメラとDVDレコーダーを使用した。
【0058】
物体の探索行動は、<1cmの距離で物体に鼻を向けている、および/または鼻で物体に触れているとして定義した。DVD画像は、実験の処理条件を知らされていない観察者が分析した。認知能力を評価するために、慣れた物体(TA3)および新規物体(TB)の探索に要した時間、および識別指数(DI;(TB−TA3)/(TB+TA3))を測定した。認知機能亢進効果は、DIの増加、TBの増加および/またはTA3の減少として定義した。探索能力の全体的なレベルを評価するために、両方の物体を探索するのに要した時間を測定した。
【0059】
化合物Aについて、バートレットの検定、次いでダネットの多重比較検定を用いて識別指数を解析した。0.1、0.3、1mg/kgの化合物A投与群の識別指数は、ベヒクル投与群のそれに比べ統計的に有意(*p<0.05,**p<0.01)であった。ドネペジルについては、F検定、次いでスチューデントt−検定を用いて識別指数を解析した。ドネペジル投与群の識別指数は、ベヒクル投与群のそれに比べ統計的に有意(p<0.05)であった(図1を参照のこと)。
【0060】
化合物リストに記載の化合物に関して、ラットを用いたこの新規物体認識試験を同様に実施する。識別指数の改善が、すべてのケースで観察される。
【0061】
実施例2:ラットにおける自発的交替試験(参照した方法:Eur.J.Pharmacol.,236(1993)341−345)
この試験では雄のIGSラット(6週齢、日本チャールスリバー株式会社)を使用した。被験物質またはベヒクルを投与した30分後に、スコポラミン溶液または生理食塩水を腹腔内に投与した。腹腔内投与の30分後、ラットを1つのアームの端にこのアームの端部に向けて置き、テストセッションの8分間、迷路内を自由に移動させた。アームへの進入の順序を手作業で記録した。交替行動は、3つの異なるアームを連続的に選択して進入した場合と定義する。自発的交替行動の能力の指標としての交替行動パーセントは、(交替行動数/アームへの総進入数から2を引いた数)x100として算出した。
【0062】
スコポラミン誘発障害下におけるラットの自発交替行動に対する化合物Aの効果を調べた。生理食塩水投与群およびスコポラミン投与群の交替パーセントの値は、それぞれ75.2%および53.9%であった。交替パーセントは、スコポラミン注射により有意に(p<0.01)減少した。ベヒクル投与群との比較において、用量0.3mg/kgおよび1mg/kgの化合物Aは、有意に(p<0.01)交替パーセントを増加させた。0.1mg/kg投与および3mg/kg投与では、化合物Aは統計的有意性はないものの改善傾向を示した(図2を参照のこと)。
【0063】
化合物リストに記載の化合物に関して、ラットを用いたこの自発的交替試験を同様に実施する。自発的交替の改善が、すべてのケースで観察される。
【0064】
実施例3:Tg2576マウスにおけるAベータの減少(参照した方法:J.Neurosci 21(2001)372−381)
スウェーデン変異(APPSWE)を持つヒトアミロイド前駆体タンパク質(APP)遺伝子を発現する雌のTg2576マウスをTaconic Farmsから購入した(カタログ#001349−TF)。
【0065】
Tg2576マウス(実験開始時に31週齢)は1日2回(BID)3週間、0.1mg/kg、1mg/kg、または10mg/kgの化合物Aを0.5%メチルセルロースおよび0.1%ツイーン80からなるベヒクルを用いて経口投与した。最後の投与の3時間後にマウスを安楽死させた。脳組織を集め、1%CHAPSおよびプロテアーゼ阻害剤を含有する氷冷TBS緩衝液を5倍量(50mMトリス−HCl)加え、ホモジナイズした。ホモジネートを4℃で10分間、14,000gで遠心分離し、得られた上清をAベータの可溶性プールとして集めた。ペレットは、最初に脳組織に加えた量と同量の5MグアニジンTBS緩衝液に溶解し、得られたホモジネートをAベータの不溶性プールとして集めた。Aベータ1−40およびAベータ1−42は、市販のELISAキットを用い、その使用説明書に従って定量した。測定は2回ずつ行った。脳内Aベータの最終的な値は、グラム湿脳重量当たりのナノグラムとして表した。Aベータの総量は、可溶性と不溶性のAベータ量の値を合算することによって得た。
【0066】
結果を図3にまとめる。化合物Aを1mg/kg BIDおよび10mg/kg BIDで3週間投与することにより、Tg2576マウスにおいて、全脳のAベータ1−40レベルが有意に減少し、全脳のAベータ1−42のレベルもまた用量依存的かつ実質的に減少した。
【0067】
化合物リストに記載の化合物に関して、Tg2576マウスを用いたこのAベータ減少を同様に実施する。Aベータの減少が、すべてのケースで観察される。
【0068】
実施例4:ラットにおける海馬ACh遊離の増加
化合物Aのラット海馬(HIP)AChレベルの効果は、雄ウイスターラットでマイクロダイアリシスを用いて試験した。実験開始1日前に、ラットを麻酔し、ガイドカニューレを背側海馬に埋め込んだ。手術の1日後、海馬のガイドカニューレを介して透析プローブを挿入し、100nMのエゼリンとともに148mMのNaCl、2.7mMのKCl、1.2mMのCaCl、0.85mMのMgClを含む人工脳脊髄液(aCSF)で灌流した。1時間の平衡期間の後、サンプルの回収を開始した。流出画分は20分ごとに回収した。6つの安定したベースライン画分を集めた後、灌流液を100nMのエゼリンおよび化合物Aを含むaCSFに120分間置き換え、その後、100nMのエゼリンのみを含むaCSFに再び切り替えた。次いで、電気化学検出システムを備えた高速液体クロマトグラフィーを用いて透析画分を分析した。イソプロピルホモコリンを内部標準として用いた。各透析液サンプル中のAChの量は、ACh/IPHCのピーク高さの比から算出した。AChの含有量は、薬剤注入前に3つのサンプルの平均値から計算したベースラインに対するパーセントとして表した。
【0069】
結果を図4にまとめる。ラット海馬に化合物Aを直接注入することにより、ACh濃度は187%に増加した。
【0070】
化合物リストに記載の化合物に関して、このAChのマイクロダイアリシス試験を同様に実施する。AChレベルの増加が、すべてのケースで観察される。
【0071】
(図1から図4の説明)
(図1)
識別指数は、物質探索に要した時間の差を合計探索時間で割ったものとして定義する。
化合物A:識別指数はバートレットの検定、次いでダネットの多重比較検定を用いて解析した(ベヒクルに対してp<0.05,**p<0.01)。ドネペジル(DPZ)については、識別指数は、F検定、次いでスチューデントt−検定を用いて解析した(ベヒクルに対してp<0.05)。
【0072】
(図2)
N=15、平均±標準誤差(SEM)
正常対照に対して++p<0.01(スチューデントt−検定)
スコポラミン対照に対して**p<0.01(ダネット検定)
各処理群間で、アームへの総進入数の有意な変化は認められなかった。
【0073】
(図3)
ベヒクル、1mg/kg治療群および10mg/kg治療群(N=10)、0.1mg/kg治療群(N=9)、平均±標準誤差(SEM)
p<0.05;一元配置分散分析(One−way ANOVA)、次いでダネットの事後分析(Post hoc analysis)
【0074】
(図4)
AChの含有量は、薬剤注入前に3つのサンプルの平均値から計算したベースラインに対するパーセントとして表した。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩は、認知症の治療に有用である。
【0076】
本出願において引用されたすべての刊行物(登録特許、特許出願、および学術論文を包含するが、これらに限定されない)は、参照により本明細書中に組み込まれる。開示した実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は、詳述された具体的な実験が本発明を単に説明しているに過ぎないことを容易に理解できるであろう。本発明の趣旨から逸脱することなく、種々の変更がなされうると認識されるべきである。したがって、本発明は以下の請求項によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象哺乳動物を含む対象動物の認知症を治療するための薬剤の製造における、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用:
【化1】

[式中、
Hetは、Bが直接結合する、1個の窒素原子と4〜7個の炭素原子とを有する複素環基(該複素環基は、無置換か、または置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、およびアミノ基から独立に選ばれ;
Aは、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Bは、共有結合、または1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Arは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)、−O−C−Cアルキル、−O−複素環、および−O−CH−Rから成る群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよいアリール基を表し;
は、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、C−Cシクロアルキル基(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソ、C−Cアルコキシ、およびヒドロキシ−C−Cアルキルからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)からなる群から選ばれ;
Xは、−O−、−S−、−NH−、または−CH−を表し;
nは、0または1を表し;
mは、0または1を表し;
Rは、独立に
(i)オキソ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、またはテトラゾール基;
(ii)3〜8個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)3〜8個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜5個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、アミノ基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシ置換アルキル基、カルボキシル基、アミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノ置換アルキル基、カルバモイル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、1、2、または3を表す。]
【請求項2】
請求項1に記載の使用であって、
Hetは
【化2】

から選ばれる複素環基であり;
該複素環基は、無置換か、または置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜4個の置換基で置換されており;
該置換基αは、ヒドロキシ基およびハロゲン原子から独立に選ばれ;
Aは、1〜2個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Bは、1〜5個の炭素原子を有するアルキレン基を表し;
Arは、
【化3】

(R1aは、イソプロピル基、n−プロピル基、またはシクロペンチル基を表し、
2aは、メチル基、フッ素原子、または塩素原子を表す);
【化4】

(R1bは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、またはハロゲン原子を表し、
2bは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す);
【化5】

(R1cは、C−Cシクロアルキル(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソおよびC−Cアルコキシからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)、複素環、および−CH−R2cから成る群から選ばれ;
2cは、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、およびC−Cシクロアルキル基(該C−Cシクロアルキルは、無置換か、またはヒドロキシ、オキソ、C−Cアルコキシ、およびヒドロキシ−C−Cアルキルからなる群から独立して選ばれる1〜4個の置換基で置換されている)からなる群から選ばれる);
【化6】

(R1dは、水素原子、ハロゲン原子、またはC−Cアルキル基を表し;
2dは、C−Cアルキル基、またはC−Cシクロアルキル基を表す);
【化7】

(R1eは、イソプロピル基、またはシクロペンチル基を表し;
2dは、独立にハロゲン原子、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;
qは、0、1、2、3または4である);
【化8】

(R1fは、水素原子、ハロゲン原子、またはC−Cアルキル基を表し;
2fおよびR3fは、独立にメチル基もしくはエチル基を表すか、またはR2fおよびR3fは、一緒にC−Cアルキレン架橋を形成して3〜5員環を構成する);
【化9】

(R1gは、C−Cアルキル基、−CH−C−Cシクロアルキル基、またはC−Cシクロアルキル基を表し;
2gは、水素原子、またはハロゲン原子を表す);
【化10】

(R1hは、C−Cアルキル基を表し;
2hは、水素原子、またはハロゲン原子を表し;
qは、1または2である);
【化11】

【化12】

(R1iは、C−Cアルキル基を表し;
2iは、水素原子、またはハロゲン原子を表し;
rは、1または2である);
【化13】

(R1jは、C−Cアルキル基を表し;
2jは、水素原子、またはハロゲン原子を表す);または
【化14】

を表し;
Xは、Arが
【化15】

を表すとき−O−を表し;
nは、Arが
【化16】

を表すとき1を表し;
mは、0または1を表し;
Rは、独立に
(i)ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、またはカルボキシル基;
(ii)4〜7個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)5〜7個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、カルバモイル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、1を表す
ことを特徴とする使用。
【請求項3】
請求項2に記載の使用であって、
Hetは
【化17】

を表し、この基は、無置換か、または置換基αからなる群から選ばれる1つの置換基で置換されており;
該置換基αは、ヒドロキシ基から独立に選ばれ;
Aは、メチレン基を表し;
Bは、メチレン基を表し;
mは、Arが
【化18】

のとき、0を表し;
Rは、独立に
(i)ヒドロキシ基;
(ii)4〜6個の炭素原子を有し、かつ置換基αからなる群から独立に選ばれる1〜2個の置換基で置換されているシクロアルキル基、または
(iii)5〜6個の原子を有し、かつ無置換か、もしくは置換基βからなる群から独立に選ばれる1〜2個の置換基で置換されている複素環基を表し;
該置換基αは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
該置換基βは、ヒドロキシ基、カルボキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、およびテトラゾール基から独立に選ばれ;
pは、1を表す
ことを特徴とする使用。
【請求項4】
請求項3に記載の使用であって、
Rは、独立して1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル基、ヒドロキシシクロペンチル基、ヒドロキシテトラヒドロピラニル基、テトラゾリルテトラヒドロピラニル基、テトラゾリルシクロペンチル基、ピペリジニル基、またはモルホリニル基を表す
ことを特徴とする使用。
【請求項5】
請求項1に記載の使用であって、式(I)の化合物は、以下:
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
3−イソプロピル−N−((1−(2−メチル−2−(2H−テトラゾール−5−イル)プロピル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
N−((1−((1−(2H−テトラゾール−5−イル)シクロペンチル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2’−オキソスピロ[シクロペンタン−1,3’−インドリン]−1’−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
N−((1−((シス−1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド・シュウ酸塩;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1,4−ジヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((トランス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((シス−1−ヒドロキシ−4−メトキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−5,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−1−イソプロピル−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
4−((4−(((4−((トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,3R)−3−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1S,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−メトキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−(((1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((1−ヒドロキシシクロペンチル)メトキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−((4−(((4−イソブトキシベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)オキシ)メチル)ピペリジン−1−イル)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
N−(シス−6−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−(シス−6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
1−シクロブチル−N−(シス−6−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]ピペリジン−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
5−フルオロ−N−((3S,5S)−5−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
N−((3S,5S)−5−[(1−ヒドロキシシクロヘキシル)メチル]ピロリジン−3−イル)−1−イソプロピル−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−エトキシベンズアミド−;
4−アミノ−5−クロロ−2−エトキシ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((1,4−ジヒドロキシシクロヘキシル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2−メトキシベンズアミド;
5−アミノ−6−ブロモ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−2−メトキシ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
(S)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(R)−4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド;
(S)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(R)−5−アミノ−6−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−3−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)クロマン−8−カルボキサミド;
(S)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;
(R)−8−アミノ−7−クロロ−N−((1−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)−2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−5−カルボキサミド;および
4−アミノ−5−クロロ−N−((1−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンゾフラン−7−カルボキサミド、
または、薬学的に許容されるその塩
から選ばれることを特徴とする使用。
【請求項6】
式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩と、認知症やその症状の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の追加の化合物とを併用することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
請求項1記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を含む認知症治療のための医薬組成物。
【請求項8】
認知症やその症状の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の追加化合物の治療有効量をさらに含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、対象哺乳動物を含む対象動物における、認知症の治療方法。
【請求項10】
認知症の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の化合物の治療有効量を投与することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、必要としている、対象哺乳動物を含む対象動物に投与することを含む、認知症の治療方法。
【請求項12】
認知症の治療もしくは予防に有用であることが知られているひとつ以上の追加化合物の治療有効量を投与する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
対象哺乳動物を含む対象動物における認知症治療に用いられる請求項1に記載の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−519630(P2013−519630A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536636(P2012−536636)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【国際出願番号】PCT/JP2011/000793
【国際公開番号】WO2011/099305
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(508065961)ラクオリア創薬株式会社 (12)
【Fターム(参考)】