説明

認証装置

【課題】操作キーの操作時における認証データの露見防止に優れたものにすることができる認証装置を提供する。
【解決手段】複数の操作キーの照合用配列と、ユーザ情報と、を対応付けて記憶している照合用配列データベース133a1と、ユーザ情報を入力するカード読取部12と、表示部111に初期配列で表示された複数の操作キーの配列を、ユーザのタッチパネル112の操作により変更する表示制御プログラム133b2を実行したCPU131と、表示制御プログラム133b2を実行したCPU131により初期配列から変更されて作成された認証用配列と、照合用配列データベース133a1に記憶され、カード読取部12により入力されたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、ユーザの認証を行う認証プログラム133b3を実行したCPU131と、を備えるよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暗証番号などの認証データによってユーザを認証してから動作するATM(Automated Teller Machine)や自動開錠装置などの認証装置が知られている。
具体的には、このような認証装置においては、操作画面に表示された操作キーを当該操作画面の上面に設けられたタッチパネルを操作して選択することによって、認証データを入力するようになっている。そのため、認証データ入力時に、ユーザの背後から操作画面が覗き見られてしまって、認証データが露見してしまう場合がある。また、操作画面に表示される操作キーの配列は固定されているため、操作キー選択時のユーザの腕の動きから、認証データが露見してしまう場合もある。
そこで、例えば、ユーザが替わる度に、操作キーの配列を不規則に変更する認証装置(例えば、特許文献1〜3参照)などが提案されている。
【特許文献1】特開2002−358153号公報
【特許文献2】特開2002−032176号公報
【特許文献3】特開2001−350590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の認証装置は、腕の動きから認証データが露見してしまうことは防止できるものの、操作画面が覗き見られてしまった場合については有効ではない。
【0004】
本発明の課題は、操作キーの操作時における認証データの露見防止に優れた認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザ情報と、複数の操作キーの初期配列と、認証開始キーと、を記憶する所定の記録媒体から、当該ユーザ情報と初期配列と認証開始キーとを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた初期配列で配置された複数の操作キーを表示手段に表示させる表示制御手段と、前記複数の操作キーの照合用配列と、前記ユーザ情報と、を対応付けて記憶している記憶手段と、前記複数の操作キーの中から一の操作キーを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された移動可能キーであるか否かを判定する移動可能キー判定手段と、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定された場合に、当該一の操作キーを前記所定のルールに基づいて移動させて前記表示手段に表示させる変更表示制御手段と、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記読取手段により読み取られた認証開始キーと合致するか否かを判定する認証開始キー判定手段と、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーと合致すると判定された場合に、前記変更表示制御手段により前記初期配列から変更されて作成された認証用配列と、前記記憶手段に記憶され、前記読取手段により読み取られたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、ユーザの認証を行う認証手段と、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定されず、且つ、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーと合致すると判定されなかった場合に、当該認証装置が警戒モードである旨を報知する警戒モード報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、所定の初期配列で配置された複数の操作キーを表示手段に表示させる表示制御手段を備える認証装置において、前記複数の操作キーの照合用配列と、ユーザ情報と、を対応付けて記憶している記憶手段と、前記ユーザ情報を入力するユーザ情報入力手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に前記初期配列で表示された複数の操作キーの配列を、ユーザの操作により変更可能とする変更手段と、前記変更手段により前記初期配列から変更されて作成された認証用配列と、前記記憶手段に記憶され、前記ユーザ情報入力手段により入力されたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、前記ユーザの認証を行う認証手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の認証装置において、前記変更手段は、前記複数の操作キーの中から一の操作キーを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された一の操作キーを所定のルールに基づいて移動させることにより、前記複数の操作キーの配列を変更させて前記表示手段に表示させる変更表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の認証装置において、前記選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された移動可能キーであるか否かを判定する移動可能キー判定手段を備え、前記変更表示制御手段は、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定された場合に、当該一の操作キーを前記所定のルールに基づいて移動させて前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の認証装置において、前記選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された認証開始キーであるか否かを判定する認証開始キー判定手段を備え、前記認証手段は、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーであると判定された場合に、前記ユーザの認証を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の認証装置において、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定されず、且つ、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーであると判定されなかった場合に、当該認証装置が警戒モードである旨を報知する警戒モード報知手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の認証装置において、前記警戒モード報知手段により前記報知が行われている間に前記選択手段により第二の操作キーが選択された場合に、当該第二の操作キーが、予め設定された警戒解除キーであるか否かを判定する警戒解除キー判定手段と、前記選択手段により選択された第二の操作キーが、前記警戒解除キー判定手段により警戒解除キーであると判定されなかった場合に、当該認証装置が厳戒モードである旨を報知する厳戒モード報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の認証装置において、前記選択手段により選択された第二の操作キーが、前記警戒解除キー判定手段により警戒解除キーであると判定された場合に、当該認証装置が解除判定モードである旨を報知する判定モード報知手段と、
前記複数の操作キーの中から操作キーを所定の順番で複数個選択することによってコードを入力するコード入力手段と、前記判定モード報知手段により前記報知が行われている間に前記コード入力手段によりコードが入力された場合に、当該コードが、予め設定された警戒解除コードであるか否かを判定する解除コード判定手段と、前記コード入力手段により入力されたコードが、前記解除コード判定手段により警戒解除コードであると判定されなかった場合に、当該認証装置が第二の警戒モードである旨を報知する第二の警戒モード報知手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜8の何れか一項に記載の認証装置において、前記複数の操作キーの初期配列を記憶する所定の記録媒体から、当該初期配列を読み取る読取手段を備え、前記表示制御手段は、前記読取手段により読み取られた初期配列で前記複数の操作キーを前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、表示制御手段によって、読取手段により読み取られた初期配列で配置された複数の操作キーを表示手段に表示させることができ、記憶手段によって、複数の操作キーの照合用配列と、ユーザ情報と、を対応付けて記憶することができ、選択手段によって、複数の操作キーの中から一の操作キーを選択することができ、変更表示制御手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定された場合に、当該一の操作キーを所定のルールに基づいて移動させて表示手段に表示させることができ、認証手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、認証開始キー判定手段により認証開始キーと合致すると判定された場合に、変更表示制御手段により初期配列から変更されて作成された認証用配列と、記憶手段に記憶され、読取手段により読み取られたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、ユーザの認証を行うことができる。すなわち、操作キーの配列自体が認証データであるため、操作キーの操作時におけるユーザの腕の動きから認証データが露見してしまうことを防止できることは勿論、当該認証データは、従来の暗証番号などと比較して複雑であるため、ユーザの背後から操作画面を覗き見たとしても、当該操作画面を一瞥しただけでは認証データを覚えるのは難しい。さらに、初期配列から認証用配列に至るまでに、操作キーの配列を複雑に変更するため、ユーザの背後から操作画面を覗き見たとしても、選択した操作キーや認証データである認証用配列を把握することは難しい。
したがって、従来の暗証番号を入力するものと比べて、操作キーの操作時における認証データの露見防止に優れたものにすることができる。
【0015】
また、移動可能キー判定手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された移動可能キーであるか否かを判定することができ、認証開始キー判定手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、読取手段により読み取られた認証開始キーと合致するか否かを判定することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る移動可能キーが選択された場合にだけ、操作キーの配列を変更することができ、認証すべきユーザのみが知る認証開始キーが選択された場合にだけ、認証を開始することができる。したがって、たとえ認証用配列が漏洩してしまったとしても、認証すべきユーザでなければ、初期配列から認証用配列へ変更することや認証開始指示をすることは困難であるため、セキュリティを強化することができる。
【0016】
また、警戒モード報知手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定されず、且つ、認証開始キー判定手段により認証開始キーと合致すると判定されなかった場合に、当該認証装置が警戒モードである旨を報知することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る移動可能キー及び認証開始キーが選択されなかった場合には、警戒モードになり、その旨をユーザに報知することができるため、当該ユーザの認証用配列を盗用しようとする意欲を損なわせることができることとなって、より一層セキュリティを強化することができる。
【0017】
また、読取手段によって、ユーザ情報と、複数の操作キーの初期配列と、認証開始キーと、を記憶する所定の記録媒体から、当該ユーザ情報と初期配列と認証開始キーとを読み取ることができる。すなわち、初期配列は、固定されたものでなく、ユーザ毎に割り当てられたものであるため、例えば、初期配列を認証用配列に変更するまでの手間を軽減することができる。そして、万が一、所定の記録媒体が盗難されたとしても、当該記録媒体には、ユーザ情報と初期配列と認証開始キーが記憶されているだけで、認証用配列は記憶されていないため、認証データ自体が盗難されたことにならず、より高い安全性を担保することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、表示制御手段によって、所定の初期配列で配置された複数の操作キーを表示手段に表示させることができ、記憶手段によって、複数の操作キーの照合用配列と、ユーザ情報と、を対応付けて記憶することができ、ユーザ情報入力手段によって、ユーザ情報を入力することができ、変更手段によって、表示制御手段により表示手段に初期配列で表示された複数の操作キーの配列を、ユーザの操作により変更可能とすることができ、認証手段によって、変更手段により初期配列から変更されて作成された認証用配列と、記憶手段に記憶され、ユーザ情報入力手段により入力されたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、ユーザの認証を行うことができる。すなわち、操作キーの配列自体が認証データであるため、操作キーの操作時におけるユーザの腕の動きから認証データが露見してしまうことを防止できることは勿論、当該認証データは、従来の暗証番号などと比較して複雑であるため、ユーザの背後から操作画面を覗き見たとしても、当該操作画面を一瞥しただけでは認証データを覚えるのは難しい。したがって、従来の暗証番号を入力するものに比べて、操作キーの操作時における認証データの露見防止に優れたものにすることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、変更手段が備える選択手段によって、複数の操作キーの中から一の操作キーを選択することができ、変更手段が備える変更表示制御手段によって、選択手段により選択された一の操作キーを所定のルールに基づいて移動させることにより、複数の操作キーの配列を変更させて表示手段に表示させることができる。すなわち、初期配列から認証用配列に至るまでに、操作キーの配列を複雑に変更するため、ユーザの背後から操作画面を覗き見たとしても、選択した操作キーや認証データである認証用配列を把握することは難しい。したがって、操作キーの操作時における認証データの露見防止により優れたものにすることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、移動可能キー判定手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された移動可能キーであるか否かを判定することができ、変更表示制御手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定された場合に、当該一の操作キーを所定のルールに基づいて移動させて表示手段に表示させることができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る移動可能キーが選択された場合にだけ、操作キーの配列を変更することができる。したがって、たとえ認証用配列が漏洩してしまったとしても、認証すべきユーザでなければ、初期配列から認証用配列へ変更することは困難であるため、セキュリティを強化することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、認証開始キー判定手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された認証開始キーであるか否かを判定することができ、認証手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、認証開始キー判定手段により認証開始キーであると判定された場合に、ユーザの認証を行うことができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る認証開始キーが選択された場合にだけ、認証を開始することができる。したがって、たとえ認証用配列が漏洩してしまったとしても、認証すべきユーザでなければ、認証開始指示をすることは困難であるため、よりセキュリティを強化することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、警戒モード報知手段によって、選択手段により選択された一の操作キーが、移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定されず、且つ、認証開始キー判定手段により認証開始キーであると判定されなかった場合に、当該認証装置が警戒モードである旨を報知することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る移動可能キー及び認証開始キーが選択されなかった場合には、警戒モードになり、その旨をユーザに報知することができるため、当該ユーザの認証用配列を盗用しようとする意欲を損なわせることができることとなって、より一層セキュリティを強化することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、警戒解除キー判定手段によって、警戒モード報知手段により報知が行われている間に選択手段により第二の操作キーが選択された場合に、当該第二の操作キーが、予め設定された警戒解除キーであるか否かを判定することができ、厳戒モード報知手段によって、選択手段により選択された第二の操作キーが、警戒解除キー判定手段により警戒解除キーであると判定されなかった場合に、当該認証装置が厳戒モードである旨を報知することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る警戒解除キーが選択されなかった場合には、厳戒モードになり、その旨をユーザに報知することができるため、当該ユーザの認証用配列を盗用しようとする意欲を損なわせることができることとなって、さらにセキュリティを強化することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、判定モード報知手段によって、選択手段により選択された第二の操作キーが、警戒解除キー判定手段により警戒解除キーであると判定された場合に、当該認証装置が解除判定モードである旨を報知することができ、コード入力手段によって、複数の操作キーの中から操作キーを所定の順番で複数個選択することによってコードを入力することができ、解除コード判定手段によって、判定モード報知手段により報知が行われている間にコード入力手段によりコードが入力された場合に、当該コードが、予め設定された警戒解除コードであるか否かを判定することができ、第二の警戒モード報知手段によって、コード入力手段により入力されたコードが、解除コード判定手段により警戒解除コードであると判定されなかった場合に、当該認証装置が第二の警戒モードである旨を報知することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る警戒解除キーが選択された場合にだけ、警戒を解除するか否かを判定する解除判定モードになり、そして、認証すべきユーザのみが知る警戒解除コードが入力された場合にだけ、警戒を解除することができるため、認証すべきユーザが、移動可能キーや認証開始キーとは違う操作キーを、誤って選択してしまったために警戒モードになった場合には、当該認証すべきユーザに再度の機会を与えることができる。一方、認証すべきユーザのみが知る警戒解除コードが入力されなかった場合には、第二の警戒モードになり、その旨をユーザに報知することができるため、当該ユーザの認証用配列を盗用しようとする意欲を損なわせることができることとなって、さらに一層セキュリティを強化することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、請求項2〜8の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、読取手段によって、複数の操作キーの初期配列を記憶する所定の記録媒体から、当該初期配列を読み取ることができ、表示制御手段によって、読取手段により読み取られた初期配列で複数の操作キーを前記表示手段に表示させることができる。すなわち、初期配列は、固定されたものでなく、ユーザ毎に割り当てられたものであるため、例えば、初期配列を認証用配列に変更するまでの手間を軽減することができる。そして、万が一、所定の記録媒体が盗難されたとしても、当該記録媒体には、初期配列が記憶されているだけで、認証用配列は記憶されていないため、認証データ自体が盗難されたことにならず、より高い安全性を担保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図を参照して、本発明にかかる認証装置1の最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0027】
<認証装置の構成>
まず、認証装置1の構成について、図1を参照して説明する。
認証装置1は、例えば、図1に示すように、操作部11と、カード読取部12と、制御部13と、などを備えて構成される。各部は、バスBによって接続されている。
【0028】
操作部11は、例えば、図1に示すように、表示部111と、タッチパネル112と、などを備えている。
【0029】
表示部111は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやLCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであり、制御部13から入力される表示信号に従って所与の表示処理を行う。
具体的には、表示部111は、例えば、表示手段として、表示制御プログラム133b2を実行したCPU131(後述)が所定の配列で配置された複数の操作キーを表示させる際に使用される。ここで、表示部111に表示される複数の操作キーは、例えば、図2に示すようなランダムに配置されたテンキーである。
また、表示部111は、例えば、報知プログラム133b4を実行したCPU131(後述)が、認証装置1が警戒モード(後述)、厳戒モード(後述)又は解除判定モード(後述)である旨の報知を行う際に使用される。
【0030】
タッチパネル112は、表示部111の表示画面の上面を覆うように設置されており、ユーザの指などを用いた押圧操作によって押圧入力された所望の入力位置を検出し、その検出信号を制御部13に出力する。
具体的には、タッチパネル112は、例えば、変更手段及び選択手段として、ユーザが表示部111に表示された複数の操作キーの中から一の操作キーを選択する際に使用される。
また、タッチパネル112は、例えば、コード入力手段として、ユーザが表示部111に表示された複数の操作キーの中から操作キーを所定の順番で複数個選択することによってコードを入力する際に使用される。
【0031】
カード読取部12は、例えば、リーダ/ライタ装置などであり、制御部13からの指示に従って、例えば、認証装置1の外面に設けられたカード挿入口(図示省略)から記録媒体としての所定のセキュリティカードが挿入されると、当該セキュリティカードが有する磁気メモリや半導体メモリなどに記憶された情報を読み取って制御部13に入力する。
具体的には、カード読取部12は、例えば、読取手段及びユーザ情報入力手段として、ユーザ情報(後述)と、複数の操作キーの初期配列(後述)と、決定キー(後述)と、などを記憶するセキュリティカードから、当該ユーザ情報と初期配列と決定キーとなどを読み取って制御部13に入力する。無論、セキュリティカードに記憶されたユーザ情報、初期配列、決定キーなどは、ユーザ毎に異なるものであるとする。
ここで、セキュリティカードは、例えば、認証装置1がATMの場合にはキャッシュカードなどであり、認証装置1が自動開錠装置の場合にはカードキーなどである。
【0032】
制御部13は、例えば、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)131、RAM(Random Access Memory)132、記憶部133などを備えている。
【0033】
CPU131は、記憶部133に記憶された認証装置1用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0034】
RAM132は、CPU131によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備える。
【0035】
記憶部133は、認証装置1で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU131によって演算処理された処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部133に記憶されている。
具体的には、記憶部133には、例えば、図1に示すように、照合用配列データベース133a1と、判定プログラム133b1と、表示制御プログラム133b2と、認証プログラム133b3と、報知プログラム133b4と、などが記憶されている。
【0036】
照合用配列データベース133a1は、例えば、記憶手段として、複数の操作キーの照合用配列と、ユーザIDなどのユーザを識別するためのユーザ情報と、を対応付けて記憶している。
【0037】
判定プログラム133b1は、例えば、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キーが、予め設定された移動キーであるか否かを判定すると共に、予め設定された決定キーであるか否かを判定する機能を、CPU131に実現させる。
具体的には、CPU131は、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第一の操作キー)が、移動可能キーとしての移動キーであるか否かを判定する。より具体的には、CPU131は、例えば、表示部111に表示された複数の操作キーのうち、決定キーの上下左右に配置された操作キーを移動キーであると判定する。例えば、表示制御プログラム133b2を実行したCPU131(後述)により図2(a)に示すような配列で配置された複数の操作キーが表示部111に表示され、カード読取部12により読み取られた決定キーが「#」キーであった場合には、CPU131は、「1」キー、「2」キー及び「3」キーを移動キーであると判定する。
また、CPU131は、例えば、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第一の操作キー)が、カード読取部12により読み取られた認証開始キーとしての決定キーと合致するか否かを判定する。
また、CPU131は、例えば、報知プログラム133b4を実行したCPU131(後述)により認証装置1が警戒モードである旨の報知が行われている間にユーザによるタッチパネル112の操作により一の操作キー(第二の操作キー)が選択された場合に、当該第二の操作キーが、移動キーであるか否かを判定すると共に、カード読取部12により読み取られた警戒解除キーとしての決定キーと合致するか否かを判定する。
さらに、判定プログラム133b1は、報知プログラム133b4を実行したCPU131(後述)により認証装置1が解除判定モードである旨の報知が行われている間にユーザによるタッチパネル112の操作によりコードが入力された場合に、当該コードが、予め設定された(例えば、予め記憶部133に記憶された)警戒解除コードであるか否かを判定する機能を、CPU131に実現させる。
CPU131は、かかる判定プログラム133b1を実行することによって、移動可能キー判定手段、認証開始キー判定手段、警戒解除キー判定手段及び解除コード判定手段として機能する。
【0038】
表示制御プログラム133b2は、例えば、所定の配列で配置された複数の操作キーを表示部111に表示させる機能を、CPU131に実現させる。
具体的には、CPU131は、例えば、カード読取部12により読み取られた初期配列で配置された複数の操作キーを表示部111に表示させる。
また、CPU131は、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第一の操作キー)を所定のルールに基づいて移動させることにより、表示部111に初期配列で表示された複数の操作キーの配列を変更させて表示部111に表示させる。より具体的には、CPU131は、例えば、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第一の操作キー)が、判定プログラム133b1を実行したCPU131により移動キーであると判定された場合に、当該第一の操作キー(移動キー)を、所定のルールに基づいて移動させて(例えば、決定キーと入れ替えて)、表示部111に表示させる。例えば、図2(a)に示すような配列で配置された複数の操作キーが表示部111に表示され、決定キーが「#」キーであり、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された第一の操作キーが「1」キーであった場合には、CPU131は、「#」キーと「1」キーとを入れ替えることによって操作キーの配列を変化させて(図2(b))、表示部111に表示させる。ここで、CPU131は、例えば、認証装置1が警戒モード(後述)、厳戒モード(後述)及び解除判定モード(後述)である間は、ユーザによるタッチパネル112の操作により移動キーが選択されても、操作キーの配列を変更させる処理は行わないこととする。
CPU131は、かかる表示制御プログラム133b1を実行することによって、表示制御手段、変更手段及び変更表示制御手段として機能する。
【0039】
認証プログラム133b3は、例えば、表示制御プログラム133b2を実行したCPU131により初期配列から変更されて作成された認証用配列と、照合用配列データベース133a1に記憶され、カード読取部12により読み取られて入力されたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、ユーザの認証を行う機能を、CPU131に実現させる。
具体的には、CPU131は、例えば、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第一の操作キー)が、判定プログラム133b1を実行したCPU131により決定キーと合致すると判定された場合に、ユーザの認証を行う。
CPU131は、かかる認証プログラム133b3を実行することによって、認証手段として機能する。
【0040】
報知プログラム133b4は、例えば、認証装置1が警戒モード、厳戒モード又は解除判定モードである旨を、表示部111を介して報知する機能を、CPU131に実現させる。
ここで、警戒モードとは、認証装置1が、タッチパネル112を操作しているユーザを認証すべきユーザでないと一時的に判断している状態であり、例えば、その後の操作によっては、認証装置1の管理者などに通報したり、或いは、認証処理を行うモードに復帰するモードである。
また、厳戒モードとは、認証装置1が、警戒モード時のユーザの操作に基づいて当該ユーザを認証すべきユーザでないと断定している状態であり、例えば、その旨を、認証装置1の管理者などに通報するモードである。
また、解除判定モードとは、認証装置1が、警戒モード時のユーザの操作に基づいて警戒モードを解除してもよいと一時的に判断している状態であり、例えば、その後の操作によって、警戒モードを解除して認証処理を行うモードに復帰するか否かを判定するモードである。
具体的には、CPU131は、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第一の操作キー)が、判定プログラム133b1を実行したCPU131により移動キーであると判定されず、且つ、判定プログラム133b1を実行したCPU131により決定キーと合致すると判定されなかった場合に、認証装置1が警戒モードである旨を報知する。
また、CPU131は、例えば、認証装置1が警戒モードである間に、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第二の操作キー)が、判定プログラム133b1を実行したCPU131により移動キーであると判定されず、且つ、判定プログラム133b1を実行したCPU131により決定キーと合致すると判定されなかった場合に、認証装置1が厳戒モードである旨を報知する。そして、CPU131は、例えば、認証装置1を管理する管理者などに認証装置1が厳戒モードである旨を通報する。ここで、CPU131は、例えば、認証装置1が厳戒モードになった後は、管理者などにより認証装置1のシステムが初期化されるまで、ユーザによるタッチパネル112の操作により操作キーが選択されても、一切、受け付けないこととする。
また、CPU131は、例えば、認証装置1が警戒モードである間に、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第二の操作キー)が、判定プログラム133b1を実行したCPU131により決定キーと合致すると判定された場合に、認証装置1が解除判定モードである旨を報知する。
また、CPU131は、例えば、認証装置1が解除判定モードである間に、ユーザのタッチパネル112の操作により入力されたコードが、判定プログラム133b1を実行したCPU131により警戒解除コードであると判定されなかった場合に、再度、認証装置1が警戒モード(第二の警戒モード)である旨を報知する。
CPU131は、かかる報知プログラム133b4を実行することによって、警戒モード報知手段、厳戒モード報知手段、判定モード報知手段及び第二の警戒モード報知手段として機能する。
【0041】
<認証装置による処理>
次に、認証装置1による処理について、図3〜図5のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
[認証処理]
まず、認証装置1による認証に関する処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0043】
まず、CPU131は、認証装置1の外面に設けられたカード挿入口(図示省略)からセキュリティカードが挿入されたか否かを判断する(ステップS11)。
【0044】
ステップS11で、セキュリティカードが挿入されていないと判断すると(ステップS11;No)、CPU131は、ステップS11の処理を繰り返して行う。
【0045】
一方、ステップS11で、セキュリティカードが挿入されたと判断すると(ステップS11;Yes)、CPU131は、カード読取部12に指示を出して、当該挿入されたセキュリティカードから、ユーザ情報、初期配列(例えば、図2(a))、決定キー(例えば、「#」キー)などを読み取らせる(ステップS12)。
【0046】
次いで、CPU131は、表示制御プログラム133b2を実行して、ステップS12で読み取らせた初期配列(図2(a))で配置された複数の操作キーを表示部111に表示させる(ステップS13)。
【0047】
次いで、CPU131は、ユーザによるタッチパネル112の操作により表示部111に表示された複数の操作キーの中から一の操作キー(第1の操作キー)が選択されたか否かを判断する(ステップS14)。
【0048】
ステップS14で、一の操作キーが選択されていないと判断すると(ステップS14;No)、CPU131は、ステップS14の処理を繰り返して行う。
【0049】
一方、ステップS14で、一の操作キーが選択されたと判断すると(ステップS14;Yes)、CPU131は、判定プログラム133b1を実行して、当該選択された一の操作キーが移動キー(例えば、「1」キー、「2」キー及び「3」キーの何れか)であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0050】
ステップS15で、選択された一の操作キーが移動キーであると判定すると(ステップS15;Yes)、CPU131は、表示制御プログラム133b2を実行して、当該移動キーであると判定した、ステップS14で選択された操作キー(例えば、「1」キー)と、ステップS12で読み取らせた決定キーに合致する操作キー(「#」キー)とを入れ替えた配列(例えば、図2(b))を表示部111に表示させ(ステップS16)、ステップS14以降の処理を繰り返して行う。
【0051】
一方、ステップS15で、選択された一の操作キーが移動キーでないと判定すると(ステップS15;No)、CPU131は、当該選択された一の操作キーが、ステップS12で読み取らせた決定キー(「#」キー)と合致するか否かを判定する(ステップS17)。
【0052】
ステップS17で、選択された一の操作キーが決定キーと合致すると判定すると(ステップS17;Yes)、CPU131は、認証プログラム133b3を実行して、ステップS12で読み取らせたユーザ情報に対応する照合用配列を照合用配列データベース133a1から取得して(ステップS18)、当該取得した照合用配列と、ステップS18の時点で表示部111に表示される複数の操作キーの配列(認証用配列)とを照合して、ユーザを認証するか否かを判断する(ステップS19)。
【0053】
ステップS19で、照合用配列と認証用配列とが一致しないため、ユーザを認証しないと判断すると(ステップS19;No)、CPU131は、例えば、再度の認証処理を行う旨を、表示部111を介して報知して、ステップS11以降の処理を繰り返して行う。
【0054】
一方、ステップS19で、照合用配列と認証用配列とが一致するため、ユーザを認証すると判断すると(ステップS19;Yes)、CPU131は、認証装置1のセキュリティを開錠して(ステップS20)、所定の処理を実行した後、ステップS11以降の処理を繰り返して行う。
【0055】
また、ステップS17で、選択された一の操作キーが決定キーと合致しないと判定すると(ステップS17;No)、CPU131は、後述する警戒モード処理(図4)に移行する(ステップS21)。
【0056】
[警戒モード処理]
次に、認証装置1による警戒モードにおける処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0057】
まず、CPU131は、報知プログラム133b4を実行して、認証装置1が警戒モードである旨を、表示部111を介して報知する(ステップS31)。
【0058】
次いで、CPU131は、表示制御プログラム133b2を実行して、認証処理(図3)のステップS12で読み取らせた初期配列(図2(a))で配置された複数の操作キーを表示部111に表示させる(ステップS32)。
【0059】
次いで、CPU131は、ユーザによるタッチパネル112の操作により表示部111に表示された複数の操作キーの中から一の操作キー(第二の操作キー)が選択されたか否かを判断する(ステップS33)。
【0060】
ステップS33で、一の操作キーが選択されていないと判断すると(ステップS33;No)、CPU131は、ステップS33の処理を繰り返して行う。
【0061】
一方、ステップS33で、一の操作キーが選択されたと判断すると(ステップS33;Yes)、CPU131は、判定プログラム133b1を実行して、当該選択された一の操作キーが移動キー(「1」キー、「2」キー及び「3」キーの何れか)であるか否かを判定する(ステップS34)。
【0062】
ステップS34で、選択された一の操作キーが移動キーであると判定すると(ステップS34;Yes)、CPU131は、ステップS33以降の処理を繰り返して行う。
【0063】
一方、ステップS34で、選択された一の操作キーが移動キーでないと判定すると(ステップS34;No)、CPU131は、当該選択された一の操作キーが、認証処理(図3)のステップS12で読み取らせた決定キー(「#」キー)と合致するか否かを判定する(ステップS35)。
【0064】
ステップS35で、選択された一の操作キーが決定キーと合致しないと判定すると(ステップS35;No)、CPU131は、報知プログラム133b4を実行して、認証装置1が厳戒モードである旨を、表示部111を介して報知し(ステップS36)、例えば、認証装置1を管理する管理者などに認証装置1が厳戒モードである旨を通報し(ステップS37)、本処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS35で、選択された一の操作キーが決定キーと合致すると判定すると(ステップS35;Yes)、CPU131は、後述する解除判定モード処理(図5)に移行する(ステップS38)。
【0066】
[解除判定モード処理]
次に、認証装置1による解除判定モードにおける処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
まず、CPU131は、報知プログラム133b4を実行して、認証装置1が解除判定モードである旨を、表示部111を介して報知する(ステップS51)。
【0068】
次いで、CPU131は、表示制御プログラム133b2を実行して、認証処理(図3)のステップS12で読み取らせた初期配列(図2(a))で配置された複数の操作キーを表示部111に表示させる(ステップS52)。
【0069】
次いで、CPU131は、ユーザによるタッチパネル112の操作により表示部111に表示された複数の操作キーの中から操作キーが所定の順番で複数個選択されることによって、コードが入力されたか否かを判断する(ステップS53)。
【0070】
ステップS53で、コードが入力されていないと判断すると(ステップS53;No)、CPU131は、ステップS53の処理を繰り返して行う。
【0071】
一方、ステップS53で、コードが入力されたと判断すると(ステップS53;Yes)、CPU131は、判定プログラム133b1を実行して、当該入力されたコードが警戒解除コードであるか否かを判定する(ステップS54)。
【0072】
ステップS54で、入力されたコードが警戒解除コードでないと判定すると(ステップS54;No)、CPU131は、警戒モード処理(図4)に移行する(ステップS55)。
【0073】
一方、ステップS54で、入力されたコードが警戒解除コードであると判定すると(ステップS54;Yes)、CPU131は、認証処理(図3)に移行する(ステップS56)。
【0074】
以上説明した本発明の認証装置1によれば、表示制御プログラム133b2を実行したCPU131によって、カード読取部12によりセキュリティカードから読み取られた初期配列で配置された複数の操作キーを表示部111に表示させることができ、照合用配列データベース133a1によって、複数の操作キーの照合用配列と、ユーザ情報と、を対応付けて記憶することができ、ユーザによるタッチパネル112の操作によって、複数の操作キーの中から一の操作キーを選択することができ、表示制御プログラム133b2を実行したCPU131によって、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された一の操作キー(第一の操作キー)が、判定プログラム133b1を実行したCPU131により移動キーであると判定された場合に、当該第一の操作キーを決定キーと入れ替えることによって移動させて表示部111に表示させることができ、認証プログラム133b3を実行したCPU131によって、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された第一の操作キーが、判定プログラム133b1を実行したCPU131によりカード読取部12によりセキュリティカードから読み取られた決定キーと合致すると判定された場合に、表示制御プログラム133b2を実行したCPU131により初期配列から変更されて作成された認証用配列と、照合用データベース133a1に記憶され、カード読取部12により読み取られたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、ユーザの認証を行うことができる。すなわち、操作キーの配列自体が認証データであるため、操作キーの操作時におけるユーザの腕の動きから認証データが露見してしまうことを防止できることは勿論、当該認証データは、従来の暗証番号などと比較して複雑であるため、ユーザの背後から操作画面を覗き見たとしても、当該操作画面を一瞥しただけでは認証データを覚えるのは難しい。さらに、初期配列から認証用配列に至るまでに、操作キーの配列を複雑に変更するため、ユーザの背後から操作画面を覗き見たとしても、選択した操作キーや認証データである認証用配列を把握することは難しい。
したがって、従来の暗証番号を入力するものに比べて、操作キーの操作時における認証データの露見防止に優れたものにすることができる。
【0075】
また、判定プログラム133b1を実行したCPU131によって、ユーザのタッチパネル112の操作により選択された第一の操作キーが、予め設定された移動キーであるか否かを判定すると共に、カード読取部12により読み取られた決定キーと合致するか否かを判定することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る移動キーが選択された場合にだけ、操作キーの配列を変更することができ、認証すべきユーザのみが知る決定キーが選択された場合にだけ、認証を開始することができる。したがって、たとえ認証用配列が漏洩してしまったとしても、認証すべきユーザでなければ、初期配列から認証用配列へ変更することや認証開始指示をすることは困難であるため、セキュリティを強化することができる。
【0076】
また、報知プログラム133b4を実行したCPU131によって、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された第一の操作キーが、判定プログラム133b1を実行したCPU131により移動キーであると判定されず、且つ、決定キーと合致すると判定されなかった場合に、認証装置1が警戒モードである旨を、表示部111を介して報知することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る移動キー及び決定キーが選択されなかった場合には、警戒モードになり、その旨をユーザに報知することができるため、当該ユーザの認証用配列を盗用しようとする意欲を損なわせることができることとなって、より一層セキュリティを強化することができる。
【0077】
また、カード読取部12によって、ユーザ情報と、複数の操作キーの初期配列と、決定キーと、を記憶する所定のセキュリティカードから、当該ユーザ情報と初期配列と決定キーとを読み取ることができる。すなわち、初期配列は、固定されたものでなく、ユーザ毎に割り当てられたものであるため、例えば、初期配列を認証用配列に変更するまでの手間を軽減することができる。そして、万が一、セキュリティカードが盗難されたとしても、当該セキュリティカードには、ユーザ情報と初期配列と決定キーとが記憶されているだけで、認証用配列は記憶されていないため、認証データ自体が盗難されたことにならず、より高い安全性を担保することができる。
【0078】
また、判定プログラム133b1を実行したCPU131によって、報知プログラム133b4を実行したCPU131により認証装置1が警戒モードである旨の報知が行われている間にユーザによるタッチパネル112の操作により第二の操作キーが選択された場合に、当該第二の操作キーが、予め設定された移動キーであるか否かを判定すると共に、カード読取部12により読み取られた決定キーと合致するか否かを判定することができ、報知プログラム133b4を実行したCPU131によって、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された第二の操作キーが、判定プログラム133b1を実行したCPU131により決定キーであると判定されなかった場合に、認証装置1が厳戒モードである旨を、表示部111を介して報知することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る決定キーが選択されなかった場合には、厳戒モードになり、その旨をユーザに報知することができるため、当該ユーザの認証用配列を盗用しようとする意欲を損なわせることができることとなって、さらにセキュリティを強化することができる。
【0079】
また、報知プログラム133b4を実行したCPU131によって、ユーザによるタッチパネル112の操作により選択された第二の操作キーが、判定プログラム133b1を実行したCPU131により決定キーであると判定された場合に、認証装置1が解除判定モードである旨を、表示部111を介して報知することができ、ユーザによるタッチパネル112の操作によって、複数の操作キーの中から操作キーを所定の順番で複数個選択することによってコードを入力することができ、判定プログラム133b1を実行したCPU131によって、報知プログラム133b4を実行したCPU131により認証装置1が解除判定モードである旨の報知が行われている間にユーザによるタッチパネル112の操作によりコードが入力された場合に、当該コードが、予め設定された(例えば、記憶部133に記憶された)警戒解除コードであるか否かを判定することができ、報知プログラム133b4を実行したCPU131によって、ユーザによるタッチパネル112の操作により入力されたコードが、判定プログラム133b1を実行したCPU131により警戒解除コードであると判定されなかった場合に、再度、認証装置1が警戒モードである旨を報知することができる。すなわち、認証すべきユーザのみが知る決定キーが選択された場合にだけ、警戒を解除するか否かを判定する解除判定モードになり、そして、認証すべきユーザのみが知る警戒解除コードが入力された場合にだけ、警戒を解除することができるため、認証すべきユーザが、移動キーや決定キーとは違う操作キーを、誤って選択してしまったために警戒モードになった場合には、当該認証すべきユーザに再度の機会を与えることができる。一方、認証すべきユーザのみが知る警戒解除コードが入力されなかった場合には、再度、警戒モードになり、その旨をユーザに報知することができるため、当該ユーザの認証用配列を盗用しようとする意欲を損なわせることができることとなって、さらに一層セキュリティを強化することができる。
【0080】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、セキュリティカードには、ユーザ情報、初期配列、決定キーなどを記憶しておくようにしたが、少なくとも、ユーザ情報が記憶されていればよい。この場合、ユーザ情報と、初期配列と、決定キーとを対応付けて記憶しているデータベースを記憶部133に記憶させておくか、或いは、初期配列や決定キーを、ユーザ毎に割り当てるのではなく固定しておく必要がある。
【0081】
所定のルールとして、操作キーの配列を変更する際、移動キーを決定キーと入れ替えることによって移動キーを移動させることとしたが、移動キーを移動させるルールは、この限りではなく、任意である。
【0082】
認証開始キーとしての決定キーと、警戒解除キーとしての決定キーとは、同一であるとしたが、異なっていてもよい。
【0083】
警戒モード処理(図4)のステップS32で、警戒モードである旨を報知した後、カード読取部12により読み取られた初期配列で配置された操作キーを表示するようにしたが、この限りでなく、好適な任意の配列で配置された操作キーを表示するようにしてもよい。
解除判定モード処理(図5)のステップS52でも、同様である。
【0084】
認証処理(図3)でユーザを認証しなかった場合(ステップS19;No)や、解除判定モード処理(図5)で認証処理に移行する場合(ステップS56)には、認証処理(図3)のステップS11に移行するようにしたが、この限りではなく、他のステップ(例えば、ステップS13)に移行するようにしてもよい。
【0085】
警戒モード、厳戒モード、解除判定モードである旨を、表示部111を介して報知するようにしたが、当該報知の方法は、この限りではなく、例えば、音声出力部(図示省略)を介して報知するなど、任意である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明にかかる認証装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】操作キーの配列を変更させる処理を説明するための図である。
【図3】認証装置による認証に関する処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】認証装置による警戒モードにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】認証装置による解除判定モードにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1 認証装置
12 カード読取部(ユーザ情報入力手段、読取手段)
111 表示部(表示手段)
112 タッチパネル(変更手段、選択手段、コード入力手段)
131 CPU(移動可能キー判定手段、認証開始キー判定手段、警戒解除キー判定手段、表示制御手段、変更手段、変更表示制御手段、認証手段、警戒モード報知手段、厳戒モード報知手段、判定モード報知手段、解除コード判定手段、第2の警戒モード報知手段)
133a1 照合用配列データベース(記憶手段)
133b1 判定プログラム(移動可能キー判定手段、認証開始キー判定手段、警戒解除キー判定手段、解除コード判定手段)
133b2 表示制御プログラム(表示制御手段、変更手段、変更表示制御手段)
133b3 認証プログラム(認証手段)
133b4 報知プログラム(警戒モード報知手段、厳戒モード報知手段、判定モード報知手段、第二の警戒モード報知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ情報と、複数の操作キーの初期配列と、認証開始キーと、を記憶する所定の記録媒体から、当該ユーザ情報と初期配列と認証開始キーとを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られた初期配列で配置された複数の操作キーを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記複数の操作キーの照合用配列と、前記ユーザ情報と、を対応付けて記憶している記憶手段と、
前記複数の操作キーの中から一の操作キーを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された移動可能キーであるか否かを判定する移動可能キー判定手段と、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定された場合に、当該一の操作キーを前記所定のルールに基づいて移動させて前記表示手段に表示させる変更表示制御手段と、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記読取手段により読み取られた認証開始キーと合致するか否かを判定する認証開始キー判定手段と、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーと合致すると判定された場合に、前記変更表示制御手段により前記初期配列から変更されて作成された認証用配列と、前記記憶手段に記憶され、前記読取手段により読み取られたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、ユーザの認証を行う認証手段と、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定されず、且つ、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーと合致すると判定されなかった場合に、当該認証装置が警戒モードである旨を報知する警戒モード報知手段と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項2】
所定の初期配列で配置された複数の操作キーを表示手段に表示させる表示制御手段を備える認証装置において、
前記複数の操作キーの照合用配列と、ユーザ情報と、を対応付けて記憶している記憶手段と、
前記ユーザ情報を入力するユーザ情報入力手段と、
前記表示制御手段により前記表示手段に前記初期配列で表示された複数の操作キーの配列を、ユーザの操作により変更可能とする変更手段と、
前記変更手段により前記初期配列から変更されて作成された認証用配列と、前記記憶手段に記憶され、前記ユーザ情報入力手段により入力されたユーザ情報に対応する照合用配列と、を照合して、前記ユーザの認証を行う認証手段と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項3】
請求項2に記載の認証装置において、
前記変更手段は、
前記複数の操作キーの中から一の操作キーを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された一の操作キーを所定のルールに基づいて移動させることにより、前記複数の操作キーの配列を変更させて前記表示手段に表示させる変更表示制御手段と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項4】
請求項3に記載の認証装置において、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された移動可能キーであるか否かを判定する移動可能キー判定手段を備え、
前記変更表示制御手段は、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定された場合に、当該一の操作キーを前記所定のルールに基づいて移動させて前記表示手段に表示させることを特徴とする認証装置。
【請求項5】
請求項4に記載の認証装置において、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、予め設定された認証開始キーであるか否かを判定する認証開始キー判定手段を備え、
前記認証手段は、前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーであると判定された場合に、前記ユーザの認証を行うことを特徴とする認証装置。
【請求項6】
請求項5に記載の認証装置において、
前記選択手段により選択された一の操作キーが、前記移動可能キー判定手段により移動可能キーであると判定されず、且つ、前記認証開始キー判定手段により認証開始キーであると判定されなかった場合に、当該認証装置が警戒モードである旨を報知する警戒モード報知手段を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項7】
請求項6に記載の認証装置において、
前記警戒モード報知手段により前記報知が行われている間に前記選択手段により第二の操作キーが選択された場合に、当該第二の操作キーが、予め設定された警戒解除キーであるか否かを判定する警戒解除キー判定手段と、
前記選択手段により選択された第二の操作キーが、前記警戒解除キー判定手段により警戒解除キーであると判定されなかった場合に、当該認証装置が厳戒モードである旨を報知する厳戒モード報知手段と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項8】
請求項7に記載の認証装置において、
前記選択手段により選択された第二の操作キーが、前記警戒解除キー判定手段により警戒解除キーであると判定された場合に、当該認証装置が解除判定モードである旨を報知する判定モード報知手段と、
前記複数の操作キーの中から操作キーを所定の順番で複数個選択することによってコードを入力するコード入力手段と、
前記判定モード報知手段により前記報知が行われている間に前記コード入力手段によりコードが入力された場合に、当該コードが、予め設定された警戒解除コードであるか否かを判定する解除コード判定手段と、
前記コード入力手段により入力されたコードが、前記解除コード判定手段により警戒解除コードであると判定されなかった場合に、当該認証装置が第二の警戒モードである旨を報知する第二の警戒モード報知手段と、
を備えることを特徴とする認証装置。
【請求項9】
請求項2〜8の何れか一項に記載の認証装置において、
前記複数の操作キーの初期配列を記憶する所定の記録媒体から、当該初期配列を読み取る読取手段を備え、
前記表示制御手段は、前記読取手段により読み取られた初期配列で前記複数の操作キーを前記表示手段に表示させることを特徴とする認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−114960(P2007−114960A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−304644(P2005−304644)
【出願日】平成17年10月19日(2005.10.19)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】