説明

誤操作判定装置、車両用警告装置及び車両用走行制御装置

【課題】アクセルペダルの誤操作開始から判定までの時間を短くすることができる誤操作判定装置、車両用警告装置及び車両用走行制御装置を得る。
【解決手段】アクセルペダル踏部22における内部の踏面22A側でかつブレーキ側端部22Bには感圧センサ34が設けられており、感圧センサ34によって踏み込み方向の押圧力が検出される。感圧センサ34で押圧力が検出された場合にはアクセルペダル踏部22への操作が判定部によって誤操作と判定される。このため、アクセルペダルのペダルアームが回転移動した状態になる前に誤操作の判定が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセルペダルの誤操作を判定する誤操作判定装置、車両用警告装置及び車両用走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクセルペダルの誤操作に起因した問題を解消するための急発進防止装置がある(例えば、特許文献1参照)。このような装置では、低速時にアクセルペダルが急激に踏み込まれて例えばアクセル信号の電圧がフルアクセル状態の80%以上となった場合にエンジン出力の上昇を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−095162公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置では、アクセルペダルアームが回転移動した状態にならないと誤操作の検出ができないため、アクセルペダルの誤操作開始から判定までに時間がかかり、この点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、アクセルペダルの誤操作開始から判定までの時間を短くすることができる誤操作判定装置、車両用警告装置及び車両用走行制御装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載する本発明の誤操作判定装置は、アクセルペダルの一部を構成し、踏面のブレーキペダル側の端部と前記踏面の幅方向中間部とが幅方向に沿った縦断面視で同一直線上となるように形成され、踏み込み操作されるアクセルペダル踏部と、前記アクセルペダル踏部における内部の踏面側でかつ前記ブレーキペダル側の端部に設けられ、踏み込み方向の押圧力を検出する押圧力検出手段と、前記押圧力検出手段で押圧力が検出された場合に前記アクセルペダル踏部への操作を誤操作と判定する判定手段と、を有する。
【0007】
請求項1に記載する本発明の誤操作判定装置によれば、アクセルペダル踏部は踏面のブレーキペダル側の端部と踏面の幅方向中間部とが幅方向に沿った縦断面視で同一直線上となるように形成されており、このアクセルペダル踏部に対して踏み込み操作がなされる。アクセルペダル踏部における内部の踏面側でかつブレーキペダル側の端部には押圧力検出手段が設けられており、押圧力検出手段によって踏み込み方向の押圧力が検出される。押圧力検出手段で押圧力が検出された場合にはアクセルペダル踏部への操作が判定手段によって誤操作と判定される。このため、アクセルペダルアームが回転移動した状態になる前に誤操作の判定が可能となる。
【0008】
請求項2に記載する本発明の誤操作判定装置は、請求項1記載の構成において、前記アクセルペダル踏部は、前記ブレーキペダル側の端部における踏面が幅方向中間部における踏面に対して踏み込み方向に相対変位可能とされ、前記押圧力検出手段は、前記アクセルペダル踏部の前記ブレーキペダル側の端部における踏面が前記アクセルペダル踏部の幅方向中間部における踏面に対して踏み込み方向に相対変位された状態で前記踏み込み方向の押圧力を検出する。
【0009】
請求項2に記載する本発明の誤操作判定装置によれば、アクセルペダル踏部は、ブレーキペダル側の端部における踏面が幅方向中間部における踏面に対して踏み込み方向に相対変位可能となっている。そして、アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部における踏面がアクセルペダル踏部の幅方向中間部における踏面に対して踏み込み方向に相対変位された場合には、踏み込み方向の押圧力が押圧力検出手段によって検出される。このため、アクセルペダル踏部を踏み込む靴の裏が、アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部における踏面上でかつアクセルペダル踏部の幅方向中間部における踏面よりも低い位置に達しない限り踏み込み方向の押圧力が検出されない。
【0010】
例えば、アクセルペダル踏部を踏み込む靴の裏が車両正面視で車幅方向に殆ど傾いていない状態でかつ当該靴の裏がアクセルペダル踏部の幅方向中間部を含む位置に当接される場合には、当該靴の裏の一部がアクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部を含む部位上にあっても誤操作でない場合があるが、上記構成によれば、このような場合に、踏み込み方向の押圧力が押圧力検出手段によって検出されない設定が可能となる。一方、例えば、アクセルペダル踏部を踏み込む靴の裏が車両正面視でブレーキペダル側へ向けて車両下方側に傾斜した状態でかつ当該靴の裏の一部がアクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部を含む部位上にある場合には、当該靴の裏がアクセルペダル踏部の幅方向中間部を含む位置に当接されていても誤操作である場合があるが、上記構成によれば、このような場合に、踏み込み方向の押圧力が押圧力検出手段によって検出される設定が可能である。
【0011】
請求項3に記載する本発明の誤操作判定装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記押圧力検出手段は、中空状とされて弾性変形可能な絶縁性の弾性体と、前記弾性体の内面に取り付けられて前記アクセルペダル踏部の板厚方向に互いに対向配置されると共に前記踏み込み方向の押圧力が作用した場合には互いに接触する導電性の接触部材と、を備えてかつ前記接触部材が互いに接触することで前記踏み込み方向の押圧力を検出する。
【0012】
請求項3に記載する本発明の誤操作判定装置によれば、弾性体は中空状とされて弾性変形可能で絶縁性を有しており、この弾性体の内面には導電性の接触部材が取り付けられてアクセルペダル踏部の板厚方向に互いに対向配置されると共に、踏み込み方向の押圧力が作用した場合には上下の接触部材が互いに接触する。このように上下の接触部材が接触することで踏み込み方向の押圧力が押圧力検出手段により検出される。このため、簡易な構成でありながら、誤操作の判定が可能となる。
【0013】
請求項4に記載する本発明の誤操作判定装置は、請求項3記載の構成において、前記弾性体の内部において前記アクセルペダル踏部の踏面側には、前記接触部材が車両幅方向に間隔を開けて複数設けられている。
【0014】
請求項4に記載する本発明の誤操作判定装置によれば、弾性体の内部においてアクセルペダル踏部の踏面側には、接触部材が車両幅方向に間隔を開けて複数設けられているので、アクセルペダル踏部が踏み込まれる方向が車両正面視でどちら向きの斜め方向であっても、接触部材が接触する。
【0015】
請求項5に記載する本発明の誤操作判定装置は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の構成において、前記押圧力検出手段は、前記アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向を長手方向として配置されている。
【0016】
請求項5に記載する本発明の誤操作判定装置は、押圧力検出手段は、アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向を長手方向として配置されているので、アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部において、上部側が押圧されても下部側が押圧されても、押圧力が押圧力検出手段によって検出される。
【0017】
請求項6に記載する本発明の誤操作判定装置は、請求項3又は請求項4に記載の構成において、前記弾性体は前記アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向に断続的に配置されている。
【0018】
請求項6に記載する本発明の誤操作判定装置によれば、弾性体はアクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向に断続的に配置されているので、例えば、アクセルペダル踏部が側面視で湾曲状に形成されていても押圧力検出手段をアクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部の形状に沿って容易に配置することができる。
【0019】
請求項7に記載する本発明の車両用警告装置は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の誤操作判定装置と、表示又は音声により乗員に警告をする警告手段と、前記判定手段で前記アクセルペダル踏部への操作が誤操作と判定された場合に、前記警告手段に対し、乗員に誤操作の警告をするように制御する警告制御部と、を有する。
【0020】
請求項7に記載する本発明の車両用警告装置によれば、判定手段でアクセルペダル踏部への操作が誤操作と判定された場合には、警告制御部は、警告手段に対し、乗員に誤操作の警告をするように制御する。これに基づいて警告手段は表示又は音声により乗員に警告をする。
【0021】
請求項8に記載する本発明の車両用走行制御装置は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の誤操作判定装置と、前記判定手段で前記アクセルペダル踏部への操作が誤操作と判定された場合に、前記アクセルペダルを備えた車両の加速を抑制するようにエンジン出力を制御する走行制御部と、を有する。
【0022】
請求項8に記載する本発明の車両用走行制御装置によれば、判定手段でアクセルペダル踏部への操作が誤操作と判定された場合に、アクセルペダルを備えた車両の加速を抑制するように、エンジン出力が走行制御部によって制御される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の誤操作判定装置によれば、アクセルペダルの誤操作開始から判定までの時間を短くすることができるという優れた効果を有する。
【0024】
請求項2に記載の誤操作判定装置によれば、アクセルペダルの誤操作の判定の精度を高めることができるという優れた効果を有する。
【0025】
請求項3に記載の誤操作判定装置によれば、アクセルペダルの誤操作を簡易な構成によって判定することができるという優れた効果を有する。
【0026】
請求項4に記載の誤操作判定装置によれば、アクセルペダル踏部が踏み込まれる方向が車両正面視でどちら向きの斜め方向であっても、アクセルペダルの誤操作を検出することができるという優れた効果を有する。
【0027】
請求項5に記載の誤操作判定装置によれば、アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部において、上部側が押圧されても下部側が押圧されても、アクセルペダルの誤操作を検出することができるという優れた効果を有する。
【0028】
請求項6に記載の誤操作判定装置によれば、仮にアクセルペダル踏部が側面視で湾曲状に形成されていても押圧力検出手段をアクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部の形状に沿って容易に配置することができるという優れた効果を有する。
【0029】
請求項7に記載の車両用警告装置によれば、アクセルペダルの誤操作開始から判定までの時間を短くすることができ、乗員に誤操作を短時間で知らせることができるという優れた効果を有する。
【0030】
請求項8に記載の車両用走行制御装置によれば、アクセルペダルの誤操作開始から判定までの時間を短くすることができ、車両の加速抑制を短時間で行うことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る誤操作判定装置を備えた車両用警告装置及び車両用走行制御装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるアクセルペダル踏部を示す平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面を一部模式化して示す断面図である。
【図4】図2の4−4線に沿った拡大断面図である。
【図5】図4の状態からアクセルペダル踏部のブレーキ側端部が踏まれた状態の一態様を示す断面図である。
【図6】図4のアクセルペダル踏部のブレーキ側端部が斜めに踏まれた状態を示す断面図である。図6(A)はブレーキペダル側からアクセルペダル側へ向けて車両下方側に斜めに踏まれた状態を示す断面図である。図6(B)はアクセルペダル側からブレーキペダル側へ向けて車両下方側に斜めに踏まれた状態を示す断面図である。
【図7】アクセルペダル踏部のブレーキ側端部に設けられた下段部の幅寸法W(横軸)に対して最適な段差寸法t0(縦軸)がどのような関係にあるかを示すグラフである。
【図8】最適な段差寸法が存在することを概念的に示すグラフであり、検出率と踏力との関係を示す。図8(A)は最適な段差寸法とした場合を示すグラフである。図8(B)は段差寸法が最適な段差寸法に比べて非常に小さく設定された場合を示すグラフである。図8(C)は段差寸法が最適な段差寸法に比べて非常に大きく設定された場合を示すグラフである。
【図9】本発明の一実施形態の変形例に係る誤操作判定装置を示す図である。図9(A)は平面図である。図9(B)は図9(A)の9B−9B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(実施形態の構成)
本発明の一実施形態に係る誤操作判定装置を備えた車両用警告装置及び車両用走行制御装置について図1〜図8を用いて説明する。
【0033】
図1には、本発明の一実施形態に係る誤操作判定装置10を備えた車両用警告装置12及び車両用走行制御装置14の概略構成が示されている。図1に示されるブレーキペダル18及びアクセルペダル20は、運転席の前下方側に配置されている。
【0034】
ブレーキペダル18は、踏み込み操作されるブレーキペダル踏部18Aを備えている。ブレーキペダル踏部18Aは、横長の略矩形平板状に形成されており、運転席乗員(ドライバ)によるブレーキ操作状態では、ブレーキペダル踏部18Aに運転席乗員の右足の靴16が載せられることになる(図示省略)。このブレーキペダル踏部18Aはペダルアーム18Bの先端部に取り付けられている。ブレーキペダル18のペダルアーム18Bは、図示しない基端部側が車体側に対して車両幅方向の軸回りに回動可能に支持されている。
【0035】
アクセルペダル20は、ブレーキペダル18の右側に配置され、踏み込み操作されるアクセルペダル踏部22を備えている。アクセルペダル踏部22は、縦長の略矩形平板状に形成されており、運転席乗員による運転状態では、アクセルペダル踏部22に運転席乗員の右足部の靴16が載せられることになる。本実施形態のアクセルペダル20は、所謂オルガンタイプのアクセルペダルとされ、アクセルペダル踏部22の裏面下端側が車体フロア側に設けられたペダル支持部(図示省略)に対して車両幅方向を軸方向とするヒンジピンで回動可能に支持されている。このアクセルペダル踏部22は、ペダルアーム24の先端部に車両幅方向を軸方向とする回動中心軸回りに回動可能に支持されている。また、アクセルペダル20のペダルアーム24は、図示しない基端部側が車体側に対して車両幅方向の軸回りに回動可能に支持されている。
【0036】
図2には、アクセルペダル踏部22が平面図にて示され、図3には、図2の3−3線に沿った断面図が一部模式化されて示され、図4には、図2の4−4線に沿った拡大断面図が示されている。図4に示されるように、アクセルペダル踏部22は、基板としてのペダル基板26上にプレート28が積層されると共に、プレート28にはアクセルペダル踏部22の踏面22A側に柔軟性を有するカバー部材32が配置されている。また、アクセルペダル踏部22における踏面22Aは、幅方向に平面状であり、踏面22Aのブレーキペダル18(図1参照)側の端部22B(この部分の踏面を符号22A2で示す)と、踏面22Aの幅方向中間部22X(この部分の踏面を符号22A1で示す)とが幅方向に沿った縦断面視で略同一直線上となるように形成されている。
【0037】
プレート28は、ペダル基板26上においてブレーキペダル18(図1参照)側の端部を除く全域に配置されている。換言すれば、アクセルペダル踏部22には、ブレーキペダル18(図1参照)側の端部22B(以下、「ブレーキ側端部22B」という。)で一段低く設定された段差部30が、ペダル基板26とプレート28とによって形成されている。なお、段差部30における段差寸法30tの設定については詳細後述する。段差部30における下段部30Bは、アクセルペダル踏部22の長手方向に沿って延在しており、その幅寸法(車両幅方向の寸法)30wはアクセルペダル踏部22の幅寸法22wの10%程度に設定されている。一方、プレート28の踏面22A側に配置されるカバー部材32は、ペダル基板26に対応する全域に配置されている。なお、本実施形態では一例としてカバー部材32はブレーキ側端部22Bのうちのペダル幅方向端末側(図4では後述するチューブスイッチ36に支持される部位よりも左端側)の部位が極僅かに垂れ下がったような状態で配置されている。
【0038】
図2〜図4に示されるように、アクセルペダル踏部22における内部の踏面22A側でかつブレーキ側端部22B(図2、4では左端)には、チューブスイッチ36(広義には「感圧スイッチ」として把握される要素である。)を備えた押圧力検出手段としての感圧センサ34が設けられている。図4に示されるように、チューブスイッチ36は、アクセルペダル踏部22におけるペダル基板26上に設置される弾性体としてのチューブ38を備えている。チューブ38は、中空筒状に形成されて弾性変形可能で絶縁性を有し、軸方向がアクセルペダル踏部22の踏面22Aに沿う方向(本実施形態では、アクセルペダル踏部22の長手方向に沿う方向)とされている。このため、アクセルペダル踏部22は、ブレーキ側端部22Bにおける踏面22A2が幅方向中間部22Xにおける踏面22A1に対して踏み込み方向に相対変位可能(すなわち、幅方向中間部22Xにおける踏面22A1よりも低い位置に押し下げ可能)とされている。
【0039】
また、図2に示されるように、チューブ38は、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bに沿った方向に断続的に(間隔を開けて)複数個配置されている。これにより、感圧センサ34は、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bに沿った方向を長手方向として配置されている。
【0040】
図4に示されるように、チューブ38の内面には、固定接点を構成する導電性の接触部材としてのアルミテープ40Aが取り付けられると共に、可動接点を構成する導電性の接触部材としてのアルミテープ40B、40Cが取り付けられている。
【0041】
アルミテープ40Aは、ペダル基板26への取付側に設けられて車両幅方向に幅広とされると共に、配線42A(図3参照)へ電気的に接続されている。また、図3に示されるように、アクセルペダル踏部22の長手方向に間隔を開けて配置されるアルミテープ40A同士は、配線42Aによって電気的に接続されている。配線42Aの一端側(図中下側)は、リード線等(図示省略)を介して給電部(図示省略)へ電気的に接続され、配線42Aの他端側(図中上側)は、抵抗44(模式化して図示)に接続されている。
【0042】
図4に示されるように、アルミテープ40B、40Cは、アクセルペダル踏部22の踏面22A側に設けられてアルミテープ40Aに対してアクセルペダル踏部22の板厚方向に対向配置されると共に踏み込み方向の押圧力が作用した場合にはアルミテープ40Aに接触する位置に設置されている。より具体的には、一方のアルミテープ40Bは、アルミテープ40Aにおける車両幅方向の一方側端部の対向位置側に配置され、他方のアルミテープ40Cは、アルミテープ40Aにおける車両幅方向の他方側端部の対向位置側に配置されている。すなわち、可動接点を構成するアルミテープ40B、40Cは、車両幅方向に間隔を開けて複数(本実施形態では二枚)設けられている。アルミテープ40B、40Cは、図3に示される配線42Bへ電気的に接続されている。また、アクセルペダル踏部22の長手方向に間隔を開けて配置されるアルミテープ40B、40C(図4参照)同士は、配線42Bによって電気的に接続されている。配線42Bの一端側(図中下側)は、リード線等(図示省略)を介してアースされると共に電流検出素子46(模式化して図示)が電気的に接続され、配線42Bの他端側(図中上側)は、抵抗44を介して配線42Aの他端側に電気的に接続されている。
【0043】
チューブスイッチ36は、図5に示されるように、チューブ38が押し潰されてアルミテープ40B、40Cの少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aへ接触すると導通(短絡)し、図4に示されるように、チューブ38が復元してアルミテープ40B、40Cがアルミテープ40Aから離間すると導通(短絡)が解除される。また、図3に示される電流検出素子46は、アルミテープ40B、40C(図4参照)の少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aへ接触して導通(短絡)すると、この導通(換言すれば抵抗44を介さずに短絡した状態の所定値以上の電流)を検出するようになっている。すなわち、感圧センサ34は、アルミテープ40B、40C(図4参照)の少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aに接触することで踏み込み方向の押圧力(換言すれば、ペダル誤操作状態)を検出するようになっている。
【0044】
以上のように、図4に示されるチューブスイッチ36を備えた感圧センサ34は、図5に示されるように、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bにおける踏面22A2がアクセルペダル踏部22の幅方向中間部22Xにおける踏面22A1に対して踏み込み方向に相対変位された状態で踏み込み方向の押圧力を検出するようになっている。
【0045】
図1に示されるように、電流検出素子46は、ECU48における判定手段としての判定部50に接続されており、図4に示されるアルミテープ40B、40Cの少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aへ接触して導通した状態では、図1に示される判定部50に検出信号を出力するようになっている。また、判定部50は、感圧センサ34で押圧力が検出された場合にアクセルペダル踏部22への操作を誤操作と判定するようになっている。
【0046】
判定部50は、警告制御部としての表示制御部52、及び走行制御部54に接続されており、判定信号を表示制御部52及び走行制御部54に出力するようになっている。表示制御部52は、警告手段としての表示部56に接続されている。また、表示部56は、表示(本実施形態では、燈点滅)により乗員に警告をすることが可能となっている。表示制御部52は、判定部50でアクセルペダル踏部22への操作が誤操作と判定された場合に、信号を出力して表示部56に対し、乗員に誤操作の警告表示(燈点滅)をするように制御している。また、走行制御部54は、エンジン58に接続されており、判定部50でアクセルペダル踏部22への操作が誤操作と判定された場合に、アクセルペダル20を備えた車両(自車両)の加速を抑制する(車速を上げない)ために、信号を出力してエンジン58の回転数を下げてエンジン出力を制御する。なお、走行制御部54は、エンジン58の回転数を下げる制御をする代わりに、エンジントルクを下げる制御をしたり、アクセルペダル20の開度信号を無視する制御をしたりするようにしてもよい。
【0047】
ちなみに、アクセルペダル踏部22の誤操作の前になされる動作の一例として、ブレーキペダル踏部18Aの右端(アクセルペダル踏部22側)が踏み続けられた後にブレーキペダル踏部18Aが踏み外されるような動作が考えられる。
【0048】
次に、図4に示される段差部30における段差寸法30tの設定について、段差部30における下段部30Bの幅寸法30wとの寸法関係で説明する。なお、段差寸法30tと図4に示される設置状態のチューブ38の高さ寸法とは等しい寸法に設定されている。
【0049】
例えば、運転席乗員が図1に示されるアクセルペダル踏部22を誤操作する場合、図5に示されるように、アクセルペダル踏部22を踏み込む靴16の裏(靴底)は、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bを含む部位上にあってかつ車両正面視でブレーキペダル18側(図1参照)へ向けて車両下方側に傾斜した状態になることがある。この誤操作時における靴16の車両正面視での傾き角度は、概ね予め想定することができる(以下、この傾き角度を「想定傾き角度」という。)。ここで、靴16の裏が「想定傾き角度」でアクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bを含む部位上にあってかつ一部がカバー部材32を介してプレート28側に支持された状態を想定すると、この場合の段差部30における下段部30Bの上方側の靴16の裏の位置(以下、この位置を「想定位置」という。)が定まる。そして、段差部30における段差寸法30tは、靴16の裏が「想定位置」に達した状態でアルミテープ40B、40Cの少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aに接触することになるように設定されている。
【0050】
このため、段差部30における段差寸法30tは、段差部30における下段部30Bの幅寸法30wが大きく設定されれば、それに応じて大きく設定される。図7のグラフは、下段部30Bの幅寸法30wに相当する幅寸法W(横軸)に対して、段差寸法30tに相当する最適な段差寸法t0(縦軸)がどのような関係にあるかを示している。
【0051】
また、図8(A)〜図8(C)には、アクセルペダル踏部への踏力と押圧力の検出率との関係がグラフで示されている。図8(A)は、本実施形態と同様に、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に設定された場合であり、図8(B)は、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に比べて非常に小さく設定された場合であり、図8(C)は、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に比べて非常に大きく設定された場合である。図8(A)〜図8(C)では、横軸にアクセルペダル踏部を踏む踏力をとり、縦軸に感圧センサ34と同様の構成の感圧センサによる検出率をとっている。
【0052】
また、各グラフ中のaの線図は、チューブスイッチ(36、図4参照)の上方側から荷重Fa(図4参照)が加えられた場合の特性を示し、各グラフ中のbの線図は、図4のプレート28にてチューブスイッチ36に近い部位の上方側から荷重Fbが加えられた場合の特性を示す。なお、図4の荷重Fbが加えられてその荷重が大きい場合に、感圧センサで押圧力が検出されてしまうのは、荷重Fbの入力によってカバー部材32が変形してしまうことによる。
【0053】
図8(B)に示されるように、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に比べて非常に小さく設定された場合には、線図aでの検出率が100%で線図bでの検出率が0%の範囲、すなわち、正しく検出できる踏力範囲S2があまり広くない。また、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に比べて非常に小さく設定された場合、靴(16)の裏がアクセルペダル踏部(22)のブレーキ側端部(22B)を含む部位上にあれば靴(16)の裏が「想定傾き角度」よりも小さな傾き角度で正常な操作の場合であっても、上下のアルミテープ(40A、40B、40C)が接触して押圧力が検出されてしまう可能性がある。
【0054】
図8(C)に示されるように、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に比べて非常に大きく設定された場合には、線図aでの検出率が100%で線図bでの検出率が0%の範囲、すなわち、正しく検出できる踏力範囲S3があまり広くない。また、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に比べて非常に大きく設定された場合、靴(16)の裏がアクセルペダル踏部(22)のブレーキ側端部(22B)を含む部位上にあってかつ「想定傾き角度」で操作された場合であっても、上下のアルミテープ(40A、40B、40C)が接触せずに押圧力が検出されない可能性がある。
【0055】
これらに対して、図8(A)に示されるように、段差寸法(30t)が最適な段差寸法t0に設定された場合には、線図aでの検出率が100%で線図bでの検出率が0%の範囲、すなわち、正しく検出できる範囲S1が広い。なお、線図bで検出され得る踏力の範囲が、アクセルペダル踏部22を踏む踏力として通常想定される踏力よりも大きな踏力の範囲に設定されることで、基本的に誤検出は抑えられる。以上により、段差寸法(30t)は最適な段差寸法t0に設定されるのが望ましい。
【0056】
(実施形態の作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
【0057】
運転席乗員が図4に示されるアクセルペダル踏部22の誤操作をした場合、すなわち、誤ってアクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bを踏んでしまった場合、図5に示されるチューブスイッチ36のチューブ38が潰れる。これにより、アルミテープ40B、40Cの少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aへ接触して導通すると、この導通(換言すれば抵抗44(図3参照)を介さずに短絡した状態の所定値以上の電流)は、電流検出素子46(図3参照)によって検出される。すなわち、感圧センサ34によって、踏み込み方向の押圧力が検出される。なお、図4に示されるように、踏面22Aのブレーキ側端部22Bと踏面22Aの幅方向中間部22Xとは幅方向に沿った縦断面視で略同一直線上となるように形成されているので、ブレーキ側端部22Bへの無用な押圧は抑えられる。
【0058】
ここで、図5に示されるように、感圧センサ34による検出は、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bにおける踏面22A2がアクセルペダル踏部22の幅方向中間部22Xにおける踏面22A1に対して踏み込み方向に相対変位された状態でなされる。このため、アクセルペダル踏部22を踏み込む靴16の裏が、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bにおける踏面22A2上でかつアクセルペダル踏部22の幅方向中間部22Xにおける踏面22A1よりも低い位置に達しない限り踏み込み方向の押圧力が検出されない。
【0059】
従って、例えば、アクセルペダル踏部22を踏み込む靴16の裏が車両正面視で車幅方向に殆ど傾いていない状態でかつ当該靴16の裏がアクセルペダル踏部22の幅方向中間部22Xを含む位置に当接される場合には、チューブ38が殆ど潰れないので、踏み込み方向の押圧力が感圧センサ34によって検出されない。
【0060】
一方、アクセルペダル踏部22を踏み込む靴16の裏が車両正面視でブレーキペダル18(図1参照)側へ向けて車両下方側に傾斜した状態でかつ当該靴16の裏の一部がアクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bを含む部位上にある場合には、チューブ38が潰れ、踏み込み方向の押圧力が感圧センサ34によって検出される。
【0061】
また、本実施形態では、図2に示されるように、感圧センサ34は、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bに沿った方向を長手方向として配置されているので、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bにおいて、上部側が押圧されても下部側が押圧されても、押圧力が感圧センサ34によって検出される。
【0062】
また、チューブ38はアクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bに沿った方向に断続的に配置されているので、仮にアクセルペダル踏部22が曲面状(側面視で湾曲状)に形成されていても感圧センサ34をアクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bの形状に沿って容易に配置することができる。
【0063】
また、図4に示されるように、チューブ38の内部においてアクセルペダル踏部22の踏面22A側には、アルミテープ40B、40Cが車両幅方向に間隔を開けて複数設けられているので、チューブ38の弾性復元力が容易に確保されると共に、アクセルペダル踏部22が踏み込まれる方向(踏力の向き)が車両正面視でどちら向きの斜め方向であっても、図6(A)及び図6(B)に示されるように、アルミテープ40B、40Cの少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aに接触する。なお、図中の矢印Fは踏み込み荷重(踏力)の方向を示している。
【0064】
アルミテープ40B、40Cの少なくともいずれか一方がアルミテープ40Aに接触することによって、図1に示される感圧センサ34で押圧力が検出されると、電流検出素子46から判定部50に検出信号が出力され、判定部50によってアクセルペダル踏部22への操作が誤操作と判定される。このため、アクセルペダル20のペダルアーム24が回転移動した状態になる前に誤操作の判定が可能となる。
【0065】
そして、判定部50でアクセルペダル踏部22への操作が誤操作と判定された場合には、判定部50から表示制御部52及び走行制御部54に信号が出力される。表示制御部52は、表示部56に対し、乗員に誤操作の警告表示(燈点滅)をするように制御し、これに基づいて表示部56は警告表示(燈点滅)により乗員に警告をする。一方、走行制御部54はエンジン58の出力を制御することで(アクセルペダル20を備えた)自車両の加速を抑制する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る誤操作判定装置10によれば、アクセルペダル20の誤操作開始から判定までの時間(タイムラグ)を短くすることができる。このため、誤操作判定装置10を備えた車両用警告装置12では、乗員(操作者)に誤操作を短時間で知らせることができ、誤操作判定装置10を備えた車両用走行制御装置14では、自車両の加速抑制を短時間で行うことができる。
【0067】
(実施形態の補足説明)
なお、アクセルペダルには、上記実施形態における所謂オルガンタイプのアクセルペダル20に代えて、図9に示されるように、所謂ペンダントタイプのアクセルペダル60が適用されてもよい。所謂ペンダントタイプのアクセルペダル60は、略車両上下方向を長手方向として配置されて側面視で略弓型形状に形成されたペダルアーム(図示省略)と、このペダルアームの下端部に設けられて踏み込み操作されるアクセルペダル踏部62と、を備えている。なお、図9(A)はアクセルペダル踏部62の平面図、図9(B)は図9(A)の9B−9B線に沿った断面図であり、上記実施形態と実質的に同様の構成部には、同一符号を付している。図9(B)に示されるように、アクセルペダル踏部62は側断面視で曲面状(湾曲状)に形成されているが、チューブ38はアクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bに沿った方向に断続的に配置されているので、チューブ38間の隙間でチューブ38同士の位置関係や姿勢を調整でき、感圧センサ34をアクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bの形状に沿って(対応させて)容易に配置することができる。
【0068】
また、上記実施形態では、押圧力検出手段として、チューブスイッチ36を備えた感圧センサ34が適用されているが、押圧力検出手段は、例えば、踏み込み方向の押圧力に応じて電気抵抗値が変化する歪みゲージや、発光素子(LED等)と受光素子とを対向配置すると共にこの間の通過物体を非接触で検知するフォトセンサなどのような他の押圧力検出手段としてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、図5に示されるように、アクセルペダル踏部22は、ブレーキ側端部22Bにおける踏面22A2が幅方向中間部22Xにおける踏面22A1に対して踏み込み方向に相対変位可能な構成とされているが、アクセルペダル踏部が前記構成とされない形態とすることも可能である。換言すれば、上記実施形態では、感圧センサ34は、アクセルペダル踏部22のブレーキ側端部22Bにおける踏面22A2がアクセルペダル踏部22の幅方向中間部22Xにおける踏面22A1に対して踏み込み方向に相対変位された状態で踏み込み方向の押圧力を検出するようになっているが、押圧力検出手段は、アクセルペダル踏部の幅方向中間部における踏面と同じ高さ位置で踏み込み方向の押圧力を検出するようなものとすることも可能である。
【0070】
また、上記実施形態では、チューブ38の内部においてアクセルペダル踏部22の踏面22A側には、アルミテープ40B、40Cが車両幅方向に間隔を開けて複数設けられているが、弾性体の内部においてアクセルペダル踏部の踏面側に単一の接触部材が車両幅方向に幅広に設けられていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、感圧センサ34は、アクセルペダル踏部22、62のブレーキ側端部22Bに沿った方向を長手方向として配置されており、アクセルペダル踏部22の長手方向における広範囲で検出できる観点からはこのような構成が好ましいが、押圧力検出手段がアクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向を長手方向として配置されていない構成も可能である。
【0072】
また、上記実施形態では、チューブ38はアクセルペダル踏部22、62のブレーキ側端部22Bに沿った方向に断続的に配置されており、アクセルペダル踏部が平面状でない場合にはこのような構成が好ましいが、弾性体はアクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向に連続的に配置されていてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、図1に示される車両用警告装置12が警告手段としての表示部56は、燈点滅表示により乗員に警告をする構成となっているが、警告手段は、例えば、文字表示により乗員に警告をする表示部や音声(警告音)により乗員に警告をする警告音発生部等のような他の警告手段であってもよい。また、例えば、警告手段が音声(警告音)により乗員に警告を伝える警告音発生部の場合、警告制御部は、判定手段でアクセルペダル踏部への操作が誤操作と判定された場合に、警告音発生部に対し、乗員に誤操作の警告音を発するように制御する警告制御部となる。
【0074】
また、上記実施形態では、車両用警告装置12及び車両用走行制御装置14の両方が設けられているが、これらのいずれか一方のみが設けられていてもよい。
【0075】
なお、例えば、図6(A)に示されるような状態、すなわち、アルミテープ40Bのみがアルミテープ40Aに接した状態と、図6(B)に示されるような状態、すなわち、すなわち、アルミテープ40Cのみがアルミテープ40Aに接した状態と、を区別して認識できるような構成にすると共に、図6(A)の状態では、上記実施形態と同様の警告表示及びエンジン出力制御を行い、図6(B)の状態では、上記実施形態と同様の警告表示のみを行うような構成としてもよい。
【0076】
また、請求項1の「同一直線上」の概念には、「同一の直線の上」が含まれる他、上記実施形態のように、同一の略直線(ほぼ直線といえる線)の上(略同一直線上)であって、同一の直線の上とした場合と実質的に同様の作用及び効果が得られて実質的に同一直線上と把握されるものも含まれる。
【0077】
なお、上記実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 誤操作判定装置
12 車両用警告装置
14 車両用走行制御装置
18 ブレーキペダル
20 アクセルペダル
22 アクセルペダル踏部
22A 踏面
22B ブレーキ側端部(ブレーキペダル側の端部)
22X 幅方向中間部
34 感圧センサ(押圧力検出手段)
38 チューブ(弾性体)
40A アルミテープ(接触部材)
40B アルミテープ(接触部材)
40C アルミテープ(接触部材)
50 判定部(判定手段)
52 表示制御部(警告制御部)
54 走行制御部
56 表示部(警告手段)
60 アクセルペダル
62 アクセルペダル踏部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセルペダルの一部を構成し、踏面のブレーキペダル側の端部と前記踏面の幅方向中間部とが幅方向に沿った縦断面視で同一直線上となるように形成され、踏み込み操作されるアクセルペダル踏部と、
前記アクセルペダル踏部における内部の踏面側でかつ前記ブレーキペダル側の端部に設けられ、踏み込み方向の押圧力を検出する押圧力検出手段と、
前記押圧力検出手段で押圧力が検出された場合に前記アクセルペダル踏部への操作を誤操作と判定する判定手段と、
を有する誤操作判定装置。
【請求項2】
前記アクセルペダル踏部は、前記ブレーキペダル側の端部における踏面が幅方向中間部における踏面に対して踏み込み方向に相対変位可能とされ、
前記押圧力検出手段は、前記アクセルペダル踏部の前記ブレーキペダル側の端部における踏面が前記アクセルペダル踏部の幅方向中間部における踏面に対して踏み込み方向に相対変位された状態で前記踏み込み方向の押圧力を検出する請求項1記載の誤操作判定装置。
【請求項3】
前記押圧力検出手段は、
中空状とされて弾性変形可能な絶縁性の弾性体と、
前記弾性体の内面に取り付けられて前記アクセルペダル踏部の板厚方向に互いに対向配置されると共に前記踏み込み方向の押圧力が作用した場合には互いに接触する導電性の接触部材と、
を備えてかつ前記接触部材が互いに接触することで前記踏み込み方向の押圧力を検出する請求項1又は請求項2に記載の誤操作判定装置。
【請求項4】
前記弾性体の内部において前記アクセルペダル踏部の踏面側には、前記接触部材が車両幅方向に間隔を開けて複数設けられている請求項3記載の誤操作判定装置。
【請求項5】
前記押圧力検出手段は、前記アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向を長手方向として配置されている請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の誤操作判定装置。
【請求項6】
前記弾性体は前記アクセルペダル踏部のブレーキペダル側の端部に沿った方向に断続的に配置されている請求項3又は請求項4に記載の誤操作判定装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の誤操作判定装置と、
表示又は音声により乗員に警告をする警告手段と、
前記判定手段で前記アクセルペダル踏部への操作が誤操作と判定された場合に、前記警告手段に対し、乗員に誤操作の警告をするように制御する警告制御部と、
を有する車両用警告装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の誤操作判定装置と、
前記判定手段で前記アクセルペダル踏部への操作が誤操作と判定された場合に、前記アクセルペダルを備えた車両の加速を抑制するようにエンジン出力を制御する走行制御部と、
を有する車両用走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−71643(P2012−71643A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216697(P2010−216697)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】