説明

読書装置、制御方法、及びプログラム

【課題】記憶媒体に対する処理をより短時間で完了することを目的とする。
【解決手段】記憶媒体を捕捉し、記憶媒体を識別可能な媒体識別情報を記憶媒体から取得すると、媒体識別情報を情報処理装置に送信し、記憶媒体との相互認証後に読み出される記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報を記憶媒体から受信し、媒体識別情報と利用可能な処理識別情報とが予め対応付けられた情報をもとに特定される、上記送信された媒体識別情報に対応付けられている処理識別情報を情報処理装置から受信し、記憶媒体から受信した処理識別情報と情報処理装置から受信した処理識別情報とが一致するか否かに応じて記憶媒体に対する処理を実行することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読書装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RWは、非接触ICカードに対する処理(サービス)毎に、利用できない非接触ICカードを識別するサービスIDを含むリスト(ネガ情報など)を保持し、捕捉した非接触ICカードとの相互認証の際に取得した当該非接触ICカードのサービスIDと上記リストとにより、当該非接触ICカードの正当性を判断している。
また、上記リストが上位のサーバに設けられている場合、RWは、相互認証の際に取得した上記サービスIDをサーバに送信し、サーバで非接触ICカードの正当性が判断され、その結果をサーバから取得し、当該非接触ICカードの正当性を判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−186450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のRWでは、相互認証の後に非接触ICカード(記憶媒体の一例)の正当性が判断され、その結果に基づいて非接触ICカードに対する処理が実行されるので、非接触ICカードに対する処理を完了するまでに多くの時間を要している。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、記憶媒体に対する処理をより短時間で完了することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明に係る読書装置は、情報処理装置、及び記憶媒体と通信可能な読書装置であって、前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報を前記記憶媒体から取得すると、前記媒体識別情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、前記記憶媒体との相互認証後に読み出される前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報を前記記憶媒体から受信し、媒体識別情報と利用可能な処理識別情報とが予め対応付けられた情報をもとに特定される前記送信手段で送信された前記媒体識別情報に対応付けられている処理識別情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、前記記憶媒体から受信した前記処理識別情報と前記情報処理装置から受信した前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る読書装置は、記憶媒体と通信可能に接続され、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報と前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報とが予め対応付けられて記憶された記憶部を有する読書装置であって、前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体の前記媒体識別情報を前記記憶媒体から取得する取得手段と、前記記憶媒体と相互認証を行って前記記憶媒体の前記処理識別情報を前記記憶媒体から受信する第1の処理と、前記取得手段で取得された前記媒体識別情報に対応付けられている利用可能な処理識別情報を前記記憶部から読み出す第2の処理とを並行して行う処理手段と、前記第1の処理で受信された前記処理識別情報と前記第2の処理で読み出された前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
なお、本発明は、システム、記録媒体などとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記憶媒体に対する処理をより短時間で完了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】通信システムの構成の一例を示す図である。
【図2】通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
【図3】各装置のハードウェアの構成の一例を示す図である。
【図4】記憶装置に記憶されるデータの一例を示す図である。
【図5】各装置のモジュールの構成の一例を示す図である。
【図6】RW実行処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図7】不正媒体検出処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図8】RW実行処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【図9】通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
【図10】RW実行処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す図である。本通信システムは、サーバ100、RW(リーダライタ)200、及び媒体300を含んで構成される。サーバ100は、情報処理装置(コンピュータ)の一例である。RW200は、読書装置(コンピュータ)の一例である。媒体300は、記憶媒体(コンピュータ)の一例であり、接触ICカード、非接触ICカード、お財布機能を有する携帯電話、PDA機能を有する携帯電話、モバイル端末などである。なお、本実施形態では、媒体300としては、非接触ICカードを想定して説明するが、その他の記憶媒体であってもよい。
サーバ100及びRW200は、ネットワーク900を介して通信可能に接続される。なお、通信の形態については、有線、無線、有線および無線の混合など、特定の形態に限定されるものではない。また、RW200及び媒体300では、無線の通信が行われる。例えば、RW200からキャリアが送信されて電磁誘導により媒体300に電力が供給され、キャリアの変調によりRW200と媒体300間で通信が行われる。
【0013】
次に、本通信システムにおける通信制御について図2を用いて説明する。図2は、本通信システムのシーケンスの一例を示す図である。なお、図2では、上段に従来の通信システムの例を示し、下段に本通信システムの例を示す。
従来の通信システムでは、例えば、媒体915が価値を保持する形式の電子マネーで決済が行われる際、媒体915が利用可能な媒体であるかを判定するために、利用ができない媒体のリスト(利用ができない媒体に係るサービスに個別のサービスIDのリストであり、いわゆるネガ情報)が用いられて、媒体915が利用可能な媒体であることが確認されている(不正媒体検出処理)。
このネガ情報は、大量の情報であるので、RW910でネガ情報を保管する場合、大容量の記憶装置が必要となり、RW910の価格を高くする一因となる。
また、RW910で保持できるネガ情報の量には限度があるので、ある一定の期間使用されていない媒体は受け付けない等の仕組みが必要となる。このような仕組みでは、例えば、ある一定の期間使用されていない媒体については利用できなくなるので、物品の販売の機会の損失につながるおそれがある。
【0014】
これらのことは、サーバ905にネガ情報を配置し、サーバ905で不正媒体検出処理を行うことで解決できる。より具体的には、従来の通信システムでは、媒体915から取得したサービスIDをサーバ905に照会し、オンラインで媒体915がネガ情報に該当しないことを確認し、決済が許可されている。
しかしながら、サーバ905との通信が発生する上、サービスIDについては媒体915との相互認証が終了するまで取得することができないので、決済の完了までの時間が長くなり、電子マネーの利便性が損なわれる問題がある。
【0015】
そこで、本実施形態では、不正媒体検出処理をサーバ100で行う構成(オンラインの環境)において、決済等のサービスの完了までの時間をより短縮する構成について説明する。
また、本実施形態の概要について説明すると、図2に示すように、従来の通信システムでは、シーケンシャルに処理が行われていたが、本通信システムでは、相互認証等の処理(SQ15)と不正媒体検出処理(SQ21)とが並行して行われる。即ち、本通信システムは、SQ15及びSQ21の処理を平行して行うことにより、決済等のサービスの完了までにT時間の短縮が可能となる。
【0016】
より具体的には、まず、RW200は、媒体300を捕捉し、媒体300を識別可能なID(A)を媒体300に要求する(SQ5)。ID(A)は、媒体識別情報の一例であり、媒体300との通信の一連のシーケンスにおいて初期の段階で得られる媒体300に固有の識別子であり、製造番号などである。続いて、媒体300は、要求を受け取ると、ID(A)をRW200に送信する(SQ10)。
続いて、RW200は、ID(A)を受信すると、サーバ100にID(A)を送信すると共に、媒体300との相互認証等の処理を開始する(SQ15)。
また、サーバ100は、ID(A)を受信すると、不正媒体検出処理を行い、その結果をRW200に送信する(SQ21)。なお、不正媒体検出処理の詳細については後述する。
【0017】
また、RW200は、媒体300に対する処理(サービス)を識別可能なID(B)を媒体300から受信し、不正媒体検出処理の結果をサーバ100から受信すると、受信した情報を用いて媒体300が利用できるかを確認する(SQ22)。ID(B)は、処理識別情報の一例であり、媒体300に係るサービスに個別の識別子であり、媒体300の鍵が秘密である環境においては偽装ができない識別子である。なお、ID(B)は、上述したサービスID(媒体300を識別可能であり、かつ媒体300に係るサービスを識別可能である識別子)に対応するものであってもよい。
即ち、RW200は、偽装され得るID(A)が用いられて不正媒体検出処理が行われる場合でも、偽装ができないID(B)を確認することにより、媒体300の正当性について正確に判断できる。
【0018】
また、RW200は、媒体300が利用できると判断した場合、媒体300に対する処理に必要となる情報(残高を示す金額情報など)の読み込み要求(カードコマンド)を生成し、読み込み要求を媒体300に送信する(SQ35)。媒体300は、読み込み要求を受信すると、指定された情報を規定の記憶領域から読み込み(読み出し)、読み込んだ情報をRW200に送信する(SQ40)。
また、RW200は、読み込まれた情報を受信すると、読み込まれた情報をもとに書き込み要求(カードコマンド)を生成し、書き込み要求を媒体300に送信する(SQ45)。媒体300は、書き込み要求を受信すると、指定された情報を規定の記憶領域に書き込み、その結果をRW200に送信する(SQ50)。
そして、RW200は、決済処理を完了(決済終了)する(SQ55)。なお、相互認証の方法については、公知の方法を用いることができるので、その詳細な説明については省略する。また、媒体300における読込処理、書込処理については、公知の技術を用いて行うことができるので、その詳細な説明については省略する。
【0019】
次に、各装置のハードウェアの構成について図3を用いて説明する。図3は、各装置のハードウェアの構成の一例を示す図である。
図3(A)は、サーバ100のハードウェアの構成の一例を示す図である。サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、HDD(Hard disk drive)140、入出力デバイス150、及びI/F(interface)160を含んで構成される。
【0020】
CPU110は、サーバ100全体の制御を司る。例えば、CPU110は、ROM120に記憶されている各種のプログラム等を実行し、後述するサーバ100の機能、フローチャートに係る処理を実現する。
ROM120は、各種のプログラム、各種の処理の際に使用するデータ等の各種のデータを記憶する。なお、ROM120は、各種のデータを記憶する記憶装置の一例である。RAM130は、CPU110の主メモリ、ワークエリア等として機能する。なお、RAM130は、各種のデータを一時的に記憶する一時記憶装置の一例である。
HDD140は、大容量の記憶領域を有する外部記憶装置の一例である。入出力デバイス150は、ディスプレイ、マウス、キーボードなどを含んで構成され、例えばマウス、キーボードなどのユーザによる操作(ユーザ操作)に応答して、データを入力或いは出力する。I/F160は、有線又は無線の通信を行うための通信インタフェースであり、例えば、LANケーブル等の各種のケーブルを介してネットワーク900に接続する。
【0021】
図3(B)は、RW200のハードウェアの構成の一例を示す図である。RW200は、CPU210、ROM220、RAM230、RF(Radio Frequency)回路240、ANT(antenna)250、及びI/F260を含んで構成される。
CPU210は、RW200全体の制御を司る。例えば、CPU210は、ROM220に記憶されている各種のプログラム等を実行し、後述するRW200の機能、フローチャートに係る処理を実現する。
【0022】
ROM220は、各種のプログラム、各種の処理の際に使用するデータ等の各種のデータを記憶する。ROM220は、電気的にデータの書き込み、データの消去が可能なメモリであり、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などである。なお、ROM220は、各種のデータを記憶する記憶装置の一例である。RAM230は、CPU210の主メモリ、ワークエリア等として機能する。なお、RAM230は、各種のデータを一時的に記憶する一時記憶装置の一例である。
RF回路240は、ANT250と高周波信号のやりとりを行うと共に、電力の供給と、データの変調および復調とを行う。ANT250は、高周波信号(高周波エネルギー)を電波(電磁波)として空間に放射(送信)する。また、ANT250は、空間の電波(電磁波)を高周波信号(高周波エネルギー)に変換(受信)する。I/F260は、有線又は無線の通信を行うための通信インタフェースであり、例えば、各種のケーブルを介してネットワーク900に接続する。
本実施形態は、上述の構成に限られるものではない。例えば、RW200は、各種の情報を入出力可能なタッチパネル式のディスプレイ等を有していてもよい。また、例えば、RW200は、上記タッチパネル形式のディスプレイとI/F260を介して通信可能に接続されていてもよい。
【0023】
図3(C)は、媒体300のハードウェアの構成の一例を示す図である。媒体300は、CPU310、ROM320、RAM330、RF回路340、及びANT350を含んで構成される。
CPU210は、媒体300全体の制御を司る。例えば、CPU310は、ROM320に記憶されている各種のプログラム等を実行し、後述する媒体300の機能を実現する。
【0024】
ROM320は、各種のプログラム、各種の処理の際に使用するデータ等の各種のデータを記憶する。なお、ROM320は、各種のデータを記憶する記憶装置の一例である。RAM330は、CPU310の主メモリ、ワークエリア等として機能する。なお、RAM330は、各種のデータを一時的に記憶する一時記憶装置の一例である。
RF回路340は、ANT350と高周波信号のやりとりを行うと共に、電力の供給と、データの変調および復調とを行う。ANT350は、高周波信号(高周波エネルギー)を電波(電磁波)として空間に放射(送信)する。また、ANT350は、空間の電波(電磁波)を高周波信号(高周波エネルギー)に変換(受信)する。
【0025】
次に、サーバ100に記憶されるデータについて説明する。図4は、HDD140に記憶されるデータ(テーブル)の一例を示す図である。不正媒体検出処理では、図4(A)に示すテーブル410、或いは図4(B)及び図4(C)に示すテーブル420、430が用いられる。なお、不正媒体検出処理におけるテーブルの使用例については後述する。
テーブル410には、ID(A)とID(B)とID(B)が利用可能であるか否かを示す情報とが対応付けられて記憶されている。また、テーブル420には、利用不可のID(A)が記憶されている。なお、テーブル420は、上述したネガ情報に対応するものである。また、テーブル430には、ID(A)と利用可能なID(B)とが対応付けられて記憶されている。
【0026】
次に、各装置のモジュールの構成について図5を用いて説明する。図5は、各装置のモジュールの構成の一例を示す図である。各モジュールの機能は、各装置の各CPUにより各プログラムが実行されることにより実現される。ただし、各モジュールの機能の一部又は全部については、専用のハードウェアにより実現されてもよい。
図5(A)は、サーバ100のモジュールの構成の一例を示す図である。サーバ100は、制御部170、記憶部180、及び通信部190を有する。
制御部170は、記憶部180、及び通信部190を制御し、サーバ100全体を制御する。記憶部180は、制御部170からの指示に基づいてRAM130、HDD140等の記憶装置のデータ、例えばHDD140に設けられている各種のテーブルのデータについての読み出し、書き込み等を行う。通信部190は、制御部170からの指示に基づいてI/F160を介してRW200と通信を行う。例えば、通信部190は、制御部170の制御のもと各種のコマンドをI/F160を介してRW200に送信する。
【0027】
図5(B)は、RW200のモジュールの構成の一例を示す図である。RW200は、制御部270、記憶部280、及び通信部290を有する。
制御部270は、記憶部280及び通信部290を制御し、RW200全体を制御する。記憶部280は、制御部270からの指示に基づいてROM220、RAM230等の記憶装置のデータについての読み出し、書き込み等を行う。例えば、記憶部280は、制御部270の制御のもとROM220内のデータを取得する。
通信部290は、制御部270からの指示に基づいてI/F260を介してサーバ100と通信を行う。例えば、通信部290は、I/F260を介して、サーバ100からの各種のコマンドを受信し、制御部270に通知する。また、通信部290は、制御部270からの指示に基づいてRF回路240及びANT250を介して媒体300と通信を行う。例えば、通信部290は、RF回路240及びANT250を介して、制御部270の制御のもとカードコマンドを媒体300に送信する。
【0028】
図5(C)は、媒体300のモジュールの構成の一例を示す図である。媒体300は、制御部370、記憶部380、及び通信部390を有する。
制御部370は、記憶部380及び通信部390を制御し、媒体300全体を制御する。記憶部380は、制御部370からの指示に基づいてROM320、RAM330等の記憶装置のデータについての読み出し、書き込み等を行う。
通信部390は、制御部370からの指示に基づいてRF回路340及びANT350を介してRW200と通信を行う。例えば、通信部390は、制御部370の制御のもとカードコマンドに対する処理を行い、処理の結果など(カードコマンドへの応答)を、RF回路340及びANT350を介してRW200に送信する。
【0029】
次に、RW200が実行する処理(RW実行処理)について図6を用いて説明する。図6は、RW実行処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
まず、制御部270は、媒体300を捕捉し(S5)、媒体300からID(A)を取得する。続いて、制御部270は、取得したID(A)をサーバ100に送信する(S10)。続いて、制御部270は、媒体300との相互認証を行う(S15)。なお、相互認証が行われると、媒体300は、RW200にID(B)を送信し、RW200は、ID(B)を受信する。
続いて、制御部270は、不正媒体検出処理の結果をサーバ100から受信したか否かを判断する(S20)。このとき、制御部270は、受信したと判断した場合、S25に処理を移し、他方、受信していないと判断した場合、S20に処理を移す。
【0030】
S25では、サーバ100から送信された不正媒体検出処理の結果に媒体300から送信されたID(B)が含まれているか否か、より具体的にはサーバ100から送信されたID(B)と媒体300から送信されたID(B)とが等しいか否か(一致するか否か)を判断する。このとき、等しいと判断した場合、S30に処理を移し、他方、等しくないと判断した場合、処理を終了する。
S30では、制御部270は、媒体300に対する読込(SQ35)、書込(SQ45)などの媒体処理を行い、処理を終了する。
【0031】
次に、サーバ100が実行する不正媒体検出処理について図7を用いて説明する。図7は、不正媒体検出処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
まず、制御部170は、ID(A)をRW200から受信したか否かを判断する(S105)。このとき、制御部170は、ID(A)を受信したと判断した場合、S110に処理を移し、他方、ID(A)を受信していないと判断した場合、S105に処理を移す。
S110では、制御部170は、利用可能なID(B)をHDD140から読み出す。より具体的には、制御部170は、ID(A)に対応付けられている利用可能なID(B)をテーブル410から読み出す。なお、制御部170は、ID(B)が利用可能であるか否かは、当該ID(A)及びID(B)に対応付けられている有効/無効を示す情報により判断する。
【0032】
ここで、本実施形態は、上述の構成に限られるものではない。例えば、テーブル420及びテーブル430を用いて利用可能なID(B)を読み出す構成を採用してもよい。
より詳細に説明すると、制御部170は、まず、ID(A)がテーブル420に格納されているか否かを判断する。ここで、テーブル420は、ネガ情報に対応するものであるので、ID(A)がテーブル420に格納されているということは、媒体300が不正な媒体である(利用が制限されている)ことを意味し、他方、ID(A)がテーブル420に格納されていないということは、媒体300が不正な媒体でない(利用が許可されている)ことを意味する。
また、制御部170は、ID(A)がテーブル420に格納されていないと判断した場合、ID(A)に対応付けられているID(B)をテーブル430から読み出す。この構成でも、利用可能なID(B)を読み出すことができる。
【0033】
また、例えば、テーブル430のみを用いて利用可能なID(B)を読み出す構成を採用してもよい。なお、テーブル430では、ID(A)と利用可能なID(B)とが対応付けられているので、テーブル430は、いわゆるポジ情報に対応するものである。
より詳細に説明すると、制御部170は、まず、RW200より受信したID(A)がテーブル430に格納されているか否かを判断する。ここで、ID(A)がテーブル430に格納されているということは、媒体300が不正な媒体でないことを意味し、他方、ID(A)がテーブル430に格納されていないということは、媒体300が不正な媒体であることを意味する。
そして、制御部170は、ID(A)がテーブル430に格納されていると判断した場合、ID(A)に対応付けられているID(B)をテーブル430から読み出す。この構成でも、利用可能なID(B)を読み出すことができる。
【0034】
また、例えば、制御部170は、ID(A)とID(B)とが対応付けられたテーブルから、RW200から送信されたID(A)に対応するID(B)を読み出し、読み出したID(B)が、利用不可であるID(B)のみを記憶したテーブルに存在するか否かを確認する構成を採用してもよい。この構成でも、利用可能なID(B)を読み出すことができる。
付言するならば、上述した構成以外の構成を排除するものではない。
【0035】
続いて、制御部170は、利用可能なID(B)を読み出すことができたか否かを判断する(S115)。このとき、制御部170は、読み出すことができたと判断した場合、S120に処理を移し、他方、読み出すことができなかったと判断した場合、S125に処理を移す。
S120では、制御部170は、不正媒体検出処理の結果として、読み出したID(B)をRW200に送信する。S125では、制御部170は、不正媒体検出処理の結果として、エラーをRW200に送信する。
【0036】
また、本実施形態は、上述した構成に限られるものではない。例えば、RW200は、媒体300との相互認証後にID(B)を取得すると、取得したID(B)をサーバ100に送信し、サーバ100は、受信したID(B)と読み出したID(B)とから媒体300が不正な媒体であるか否かを判断し、その判断の結果をRW200に送信する構成としてもよい。
このように、本実施形態によれば、RW200及び媒体300の相互認証と不正媒体検出処理とが並行して実行されるので、決済等のサービスに要する時間を短縮することができる。
また、不正媒体検出処理で用いる大量の情報をRW200で保持する必要がないので、安価なRW200を提供することができる。また、不正媒体検出処理で用いる大量の情報をリソースが豊富なサーバ100に設けることで、媒体300の利用期間の制限を撤廃できる。
【0037】
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態に比して、決済等のサービスに要する時間をより短縮する構成について図8を用いて説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態の構成と同一の構成については同一の符号を用いて、その説明を適宜省略する。
図8は、RW実行処理に係るフローチャートの一例を示す図である。ここでは、S150、S155の処理について主に説明する。
制御部270は、S15において相互認証を行うと、続いてS150においてカードコマンドを生成する。より具体的には、制御部270は、媒体300から受信したID(B)を用いて、決済に係る情報を媒体300から読み込み、決済結果を書き込むためのカードコマンド(ライトコマンド)を生成する。即ち、制御部270は、サーバ100からの不正媒体検出処理による結果を受け取るまでの時間に、書込処理を指示する直前までの処理(媒体300からの残高の読み込み等)を行っている。
【0038】
また、制御部270は、S25においてサーバ100からのID(B)と媒体300からのID(B)とが等しいと判断した場合、S155の処理を行う。S155では、制御部270は、生成したカードコマンドを媒体300に送信する。
本実施形態によれば、媒体処理のうちライトコマンドを送信する処理以外の処理が不正媒体検出処理の結果を待っている間に行われるので、決済等のサービスに要する時間を更に短縮することができる。
【0039】
<第3の実施形態>
本実施形態では、不正媒体検出処理をRW200で行う構成について図9及び図10を用いて説明する。なお、本実施形態では、第1の実施形態の構成と同一の構成については同一の符号を用いて、その説明を適宜省略する。
まず、図9を用いて本実施形態に係る通信システムのシーケンスについて説明する。図9は、本通信システムのシーケンスの一例を示す図である。なお、図9では、上段に従来の例を示し、下段に本通信システムの例を示す。
図9に示すように、従来の通信システムでは、シーケンシャルに処理が行われていたが、本通信システムでは、相互認証等の処理(SQ15)と不正媒体検出処理(SQ21)とが並行して行われる。即ち、本通信システムは、これらの処理を平行して行うことにより、決済等のサービスの完了までにU時間の短縮が可能となる。
【0040】
次に、RW200が実行する処理(RW実行処理)について図10を用いて説明する。図10は、RW実行処理に係るフローチャートの一例を示す図である。
まず、制御部270は、媒体300を捕捉し(S205)、媒体300からID(A)を取得する。続いて、制御部270は、第1のスレッド(第1の処理の一例)にて媒体300との相互認証を行う(S210)。
また、この際、制御部270は、第1のスレッドとは異なる第2のスレッド(第2の処理の一例)にID(A)を送信(通知)し、第2のスレッドにて利用可能なID(B)をテーブル410から読み出す。ここで、テーブル410は、RW200のROM220に記憶されている。なお、利用可能なID(B)の読み出し方法については、第1の実施形態と同様であるので、その詳細については説明を省略する。
【0041】
続いて、制御部270は、利用可能なID(B)を読み出すことができたか否かを判断する(S220)。このとき、制御部270は、読み出すことができたと判断した場合、S225に処理を移し、他方、読み出すことができなかったと判断した場合、S245に処理を移す。
S225では、制御部270は、不正媒体検出処理の結果として、読み出したID(B)を第1のスレッドに送信(通知)する。また、S245では、制御部270は、不正媒体検出処理の結果として、エラーを第1のスレッドに送信する。
続いて、制御部270は、不正媒体検出処理の結果を受信したか否かを判断する(S230)。このとき、制御部270は、受信したと判断した場合、S235に処理を移し、他方、受信していないと判断した場合、S230に処理を移す。
S235では、制御部270は、読み出したID(B)と媒体300から受信したID(B)とが等しいか否かを判断する。このとき、等しいと判断した場合、S240に処理を移し、他方、等しくないと判断した場合、処理を終了する。
S240では、制御部270は、媒体処理を行い、処理を終了する。
【0042】
本実施形態によれば、不正媒体検出処理をRW200で行う構成(オフラインの環境)において、RW200及び媒体300の相互認証と不正媒体検出処理とが並行して実行されるので、決済等のサービスに要する時間をより短縮することができる。
なお、本実施形態は、上述の構成に限られるものではない。例えば、相互認証と不正媒体検出処理とを並行して実行する構成として、2つのスレッドを用いる構成を示したが、他の公知の構成を採用してもよい。
【0043】
<その他の実施形態>
また、本実施形態は、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク等)を介してシステム或いは装置に供給し、システム或いは装置の制御装置(CPU、MPU等)がプログラムを読み出して実行する構成であってもよい。
また、上述した各実施形態の構成は、適宜組み合わせて採用することができる。
以上、上述した構成によれば、記憶媒体に対する処理をより短時間で完了することができるようになる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0045】
100 サーバ
200 RW
300 媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置、及び記憶媒体と通信可能な読書装置であって、
前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報を前記記憶媒体から取得すると、前記媒体識別情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、
前記記憶媒体との相互認証後に読み出される前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報を前記記憶媒体から受信し、媒体識別情報と利用可能な処理識別情報とが予め対応付けられた情報をもとに特定される前記送信手段で送信された前記媒体識別情報に対応付けられている処理識別情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記記憶媒体から受信した前記処理識別情報と前記情報処理装置から受信した前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行手段と、を有することを特徴とする読書装置。
【請求項2】
前記実行手段は、前記記憶媒体との相互認証後に、前記記憶媒体に対する処理のうちの前記記憶媒体に対する書き込み処理以外の処理を行い、前記一致すると判断した場合、前記記憶媒体に対する処理のうちの前記書き込み処理を実行することを特徴とする請求項1記載の読書装置。
【請求項3】
記憶媒体と通信可能に接続され、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報と前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報とが予め対応付けられて記憶された記憶部を有する読書装置であって、
前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体の前記媒体識別情報を前記記憶媒体から取得する取得手段と、
前記記憶媒体と相互認証を行って前記記憶媒体の前記処理識別情報を前記記憶媒体から受信する第1の処理と、前記取得手段で取得された前記媒体識別情報に対応付けられている利用可能な処理識別情報を前記記憶部から読み出す第2の処理とを並行して行う処理手段と、
前記第1の処理で受信された前記処理識別情報と前記第2の処理で読み出された前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行手段と、を有することを特徴とする読書装置。
【請求項4】
情報処理装置、及び記憶媒体と通信可能な読書装置における制御方法であって、
前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報を前記記憶媒体から取得すると、前記媒体識別情報を前記情報処理装置に送信する送信工程と、
前記記憶媒体との相互認証後に読み出される前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報を前記記憶媒体から受信し、媒体識別情報と利用可能な処理識別情報とが予め対応付けられた情報をもとに特定される前記送信工程で送信された前記媒体識別情報に対応付けられている処理識別情報を前記情報処理装置から受信する受信工程と、
前記記憶媒体から受信した前記処理識別情報と前記情報処理装置から受信した前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
記憶媒体と通信可能に接続され、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報と前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報とが予め対応付けられて記憶された記憶部を有する読書装置における制御方法であって、
前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体の前記媒体識別情報を前記記憶媒体から取得する取得工程と、
前記記憶媒体と相互認証を行って前記記憶媒体の前記処理識別情報を前記記憶媒体から受信する第1の処理と、前記取得工程で取得された前記媒体識別情報に対応付けられている利用可能な処理識別情報を前記記憶部から読み出す第2の処理とを並行して行う処理工程と、
前記第1の処理で受信された前記処理識別情報と前記第2の処理で読み出された前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項6】
情報処理装置、及び記憶媒体と通信可能なコンピュータを、
前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報を前記記憶媒体から取得すると、前記媒体識別情報を前記情報処理装置に送信する送信手段と、
前記記憶媒体との相互認証後に読み出される前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報を前記記憶媒体から受信し、媒体識別情報と利用可能な処理識別情報とが予め対応付けられた情報をもとに特定される前記送信手段で送信された前記媒体識別情報に対応付けられている処理識別情報を前記情報処理装置から受信する受信手段と、
前記記憶媒体から受信した前記処理識別情報と前記情報処理装置から受信した前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行手段として機能させるプログラム。
【請求項7】
記憶媒体と通信可能に接続され、前記記憶媒体を識別可能な媒体識別情報と前記記憶媒体に対する処理を識別可能な処理識別情報とが予め対応付けられて記憶された記憶部を有するコンピュータを、
前記記憶媒体を捕捉し、前記記憶媒体の前記媒体識別情報を前記記憶媒体から取得する取得手段と、
前記記憶媒体と相互認証を行って前記記憶媒体の前記処理識別情報を前記記憶媒体から受信する第1の処理と、前記取得手段で取得された前記媒体識別情報に対応付けられている利用可能な処理識別情報を前記記憶部から読み出す第2の処理とを並行して行う処理手段と、
前記第1の処理で受信された前記処理識別情報と前記第2の処理で読み出された前記処理識別情報とが一致するか否かに応じて前記記憶媒体に対する処理を実行する実行手段として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−50910(P2013−50910A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189470(P2011−189470)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(593092482)JR東日本メカトロニクス株式会社 (85)
【Fターム(参考)】