説明

識別モデル再構築装置、識別モデル再構築方法及び識別モデル再構築プログラム

【課題】本発明は、識別モデルを利用してダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と共に当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を精度良く識別させる。
【解決手段】本発明は、中継番組データを記録し特徴量を抽出して蓄積し、その特徴量をスポーツ種目の名称と共に用いて、ダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目とそのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築することにより、試合を撮影するためのアングルが変更されても、アングルの変更された複数の中継番組データから抽出して蓄積していた特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて識別モデルを再構築して識別精度の低下を低減させることができ、識別モデルを利用してダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と共に当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を精度良く識別させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は識別モデル再構築装置、識別モデル再構築方法及び識別モデル再構築プログラムに関し、例えば、番組を録画し得る番組録画装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の再生システムは、スポーツの野球やサッカーのような種目(以下、これをスポーツ種目とも呼ぶ)の試合を中継するための番組の番組データを記録するようにして、その番組を録画する。
【0003】
因みに、以下の説明では、スポーツ種目の試合を中継するための番組を、中継番組とも呼び、当該中継番組の番組データを、中継番組データとも呼ぶ。
【0004】
また再生システムは、録画した中継番組の中継番組データに含まれる、時間的に連続する複数フレームの画像データや音声データ等を解析して当該複数フレームの画像データの特徴量や音声データ等の特徴量を抽出する。
【0005】
因みに、以下の説明では、複数フレームの画像データから抽出された特徴量を、画像特徴量とも呼び、その画像特徴量と、音声データ等から抽出された他の特徴量とをまとめて番組特徴量とも呼ぶ。
【0006】
さらに再生システムは、中継番組の番組特徴量を用いて、当該中継番組で中継されていた試合のスポーツ種目を識別する。
【0007】
そして再生システムは、その識別したスポーツ種目に応じた再生ルールで、中継番組データの再生対象部分を再生指示するための再生指示データを生成し、その再生指示データに従い、中継番組データから再生対象部分を抽出して再生する。
【0008】
これにより再生システムは、録画していた中継番組において、例えば、野球のホームランシーンやサッカーのゴールシーンのようなハイライトシーンのみを視聴させていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−60060公報(第17頁、第18頁、第20頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで中継番組については、スポーツ種目毎に、試合を撮影するためのテレビジョンカメラの設置位置や撮影角度等が決められている。
【0010】
そして中継番組については、同じスポーツ種目の試合であれば、異なる日時に行われる試合でも、同じようなシーンをほぼ同じアングルで撮影して中継するように制作されている。
【0011】
このため、かかる構成の再生システムのような従来の番組録画装置には、例えば、番組録画装置の製造メーカにより、すでに放送された中継番組の画像徴量を用いて、スポーツ種目を識別するための識別モデルが構築されている。
【0012】
そして従来の番組録画装置は、識別モデルの構築後に中継番組を録画しても、その識別モデルを利用して、当該録画した中継番組の画像特徴量を用いることで、その中継番組で中継されていた試合のスポーツ種目を識別することができる。
【0013】
ここでスポーツに関する番組としては、上述した中継番組の他にも、一日や一週間のような所定期間に行われた複数のスポーツ種目の試合のハイライトシーン等の種々のシーンを、当該スポーツ種目毎にダイジェストとしてまとめて放送するための番組もある。
【0014】
因みに、以下の説明では、スポーツ種目毎に、その試合の種々のシーンをダイジェストとしてまとめて放送するための番組を、ダイジェスト番組とも呼ぶ。
【0015】
ただしダイジェスト番組については、複数のダイジェストが、放送局側で任意に決められた順番で放送するように制作されている。
【0016】
このためユーザは、ダイジェスト番組をその放送時間帯にリアルタイムで視聴すると、自分の好みのスポーツ種目のダイジェストを視聴する前に、あまり好まないスポーツ種目のダイジェストまでも視聴することになる場合がある。
【0017】
しかしながらダイジェスト番組については、個々のスポーツ種目のダイジェストが、当該スポーツ種目の試合を中継する中継番組から当該試合の種々のシーンを集めるようにして生成されている。
【0018】
このため従来の番組録画装置は、ダイジェスト番組を録画し、当該ダイジェスト番組の番組データ(以下、これをダイジェスト番組データとも呼ぶ)に含まれる複数フレームの画像データから画像特徴量を抽出する。
【0019】
そして従来の番組録画装置は、識別モデルを利用して、ダイジェスト番組の画像特徴量を用いれば、ダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に、当該スポーツ種目のダイジェスト部分を識別し得ると考えられる。
【0020】
すなわち、従来の番組録画装置は、ダイジェスト番組内の個々のダイジェストが、何れのスポーツ種目のダイジェストであるかを識別し得ると考えられる。
【0021】
また従来の番組録画装置は、その識別結果をもとに、ダイジェスト番組データから所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を切り出して再生すれば、当該所望のスポーツ種目のダイジェストのみを視聴させることができるとも考えられる。
【0022】
ところが中継番組については、例えば、視聴者に試合の臨場感をより良く伝えるために、テレビジョンカメラの設置位置や撮影角度等と共に試合を撮影するためのアングル(すなわち、試合を撮影するための視点)が見直される場合がある。
【0023】
そして中継番組については、その見直しの結果として、テレビジョンカメラの設置位置や撮影角度、台数等と共に試合を撮影するためのアングルが、それまでは異なるように変更される場合がある。
【0024】
因みに中継番組については、試合を撮影するためのアングルが新たなアングルに変更されると、この後、試合を撮影するためのアングルが再び見直されて変更されるまでの期間は、当該新たなアングルで試合を撮影するようにして制作される。
【0025】
また何れかのスポーツ種目の中継番組において試合を撮影するためのアングルが変更されると、これに伴いダイジェスト番組についても、当該スポーツ種目のダイジェストに含まれる種々のシーンのアングルが、以前とは異なるものになる。
【0026】
このため従来の番組録画装置では、すでに識別モデルが構築されている状態でアングルが変更されると、その変更後に録画したダイジェスト番組の画像特徴量が、当該識別モデルの構築に使用された中継番組の画像特徴量とは、大幅に異なる場合がある。
【0027】
そして従来の番組録画装置は、このような場合、識別モデルを利用してダイジェスト番組の画像特徴量を用いても、スポーツ種目の識別精度が低下して、ダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に当該スポーツ種目のダイジェスト部分を正確には識別し得なくなるという問題があった。
【0028】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、識別モデルを利用してダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と共に当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を精度良く識別させ得る識別モデル再構築装置、識別モデル再構築方法及び識別モデル再構築プログラムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
かかる課題を解決するため本発明においては、識別モデル再構築装置において、スポーツ種目の試合を中継する中継番組の中継番組データを記録すると共に、当該記録した中継番組データから特徴量を抽出し、当該中継番組データから抽出した特徴量を蓄積して、当該蓄積した特徴量を、対応するスポーツ種目の名称と共に用いて、複数のスポーツ種目のダイジェストを順番に放送するダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に、当該スポーツ種目のダイジェストのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築するようにした。
【0030】
従って本発明では、識別モデル再構築装置において、所望のスポーツ種目の中継番組において試合を撮影するためのアングルが変更されても、当該アングルの変更された複数の中継番組の中継番組データから抽出して蓄積していた特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて識別モデルを再構築して、ダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目の識別精度が低下することを低減させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、識別モデル再構築装置において、スポーツ種目の試合を中継する中継番組の中継番組データを記録すると共に、当該記録した中継番組データから特徴量を抽出し、当該中継番組データから抽出した特徴量を蓄積して、当該蓄積した特徴量を、対応するスポーツ種目の名称と共に用いて、複数のスポーツ種目のダイジェストを順番に放送するダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に、当該スポーツ種目のダイジェストのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築するようにしたことにより、所望のスポーツ種目の中継番組において試合を撮影するためのアングルが変更されても、当該アングルの変更された複数の中継番組の中継番組データから抽出して蓄積していた特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて識別モデルを再構築して、ダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目の識別精度が低下することを低減させることができ、かくして識別モデルを利用してダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と共に当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を精度良く識別させ得る識別モデル再構築装置、識別モデル再構築方法及び識別モデル再構築プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0033】
(1)実施の形態
(1−1)番組録画装置の回路構成
図1において、1は全体として本発明を適用した番組録画装置を示す。かかる番組録画装置1は、デジタル系放送及びアナログ系放送の番組の録画再生機能や、電子番組案内(EPG:Electronic Program Guide)情報の取得機能等を有している。
【0034】
番組録画装置1は、例えば、マイクロコンピュータ構成の制御部2を有している。制御部2は、ハードディスクドライブ3又は不揮発性メモリ4に予め記憶された基本プログラムやアプリケーションプログラム等の各種プログラムを、バス5を介して読み出す。
【0035】
そして制御部2は、各種プログラムに従って、番組録画装置1全体を制御すると共に、所定の演算処理を実行する。また制御部2は、リモートコントローラRMの操作に応じて入力処理部6から与えられる操作コマンドに応じた各種処理も実行する。因みに、以下の説明では、リモートコントローラRMを、リモコンRMとも呼ぶ。
【0036】
これにより制御部2は、リモコンRMの操作等に応じて、デジタル系アンテナ7によって受信したデジタル放送信号をデジタルチューナ部8に取り込む。
【0037】
デジタルチューナ部8は、デジタル系アンテナ7からデジタル放送信号を取り込みながら、当該デジタル放送信号から任意のチャンネル(例えば、リモコンRMの操作により指定されたチャンネル)の放送データを抽出する。
【0038】
またデジタルチューナ部8は、デジタル放送信号から抽出している放送データを、ストリームバッファ9を介して番組単位の番組データとしてハードディスクドライブ3に記録する。このようにして制御部2は、デジタル系放送の番組を録画することができる。
【0039】
また制御部2は、リモコンRMの操作等に応じて、アナログ系アンテナ10によって受信したアナログ放送信号をアナログチューナ部11に取り込む。
【0040】
アナログチューナ部11は、アナログ系アンテナ10からアナログ放送信号を取り込みながら、当該アナログ放送信号から任意のチャンネルの放送信号を抽出して、当該抽出した放送信号を復調器12に送出する。
【0041】
復調器12は、放送信号をNTSC(National Television Standards Committee)規格に準じて復調することによりNTSC信号を生成し、当該生成したNTSC信号をMPEG(Moving Picture Experts Group)エンコーダ13に送出する。
【0042】
MPEGエンコーダ13は、NTSC信号をMPEG規格に準じてエンコードすることでエンコードデータを生成すると共に、当該生成したエンコードデータを、ストリームバッファ9を介して番組単位の番組データとしてハードディスクドライブ3に記録する。このようにして制御部2は、アナログ系放送の番組も録画することができる。
【0043】
さらに制御部2は、リモコンRMの操作等に応じて、ハードディスクドライブ3から番組データを読み出してストリームバッファ9を介してデマルチプレクサ14に送出する。
【0044】
ここで、番組の番組データは、番組映像の映像データと、番組音声の音声データとが時分割多重化されて構成されている。因みに、番組映像の映像データは、時間的に連続な複数フレームの画像データから構成されている。
【0045】
また番組の番組データは、例えば、番組映像にクローズドキャプションと呼ばれる字幕が重畳される場合、その字幕のテキストデータも映像データ及び音声データと共に時分割多重化されて構成されている。
【0046】
さらに番組データを構成する映像データ及び音声データ(またテキストデータ)には、番組の放送時間の時間軸に沿って、当該映像データ及び音声データ(またテキストデータ)の再生を同期させるための時間情報としてのタイムコードが付加されている。
【0047】
デマルチプレクサ14は、番組データを映像データと音声データ(またテキストデータタ)とに分離して、これらをAV(Audio Visual)デコーダ15に送出する。
【0048】
AVデコーダ15は、映像データ及び音声データ(またテキストデータ)それぞれをデコード(すなわち、復号)した後、デジタルアナログ変換することにより映像信号及び音声信号(またテキスト信号)を生成する。
【0049】
そしてAVデコーダ15は、その映像信号(及びテキスト信号)をGUI(Graphical User Interface)重畳器16に送出する。
【0050】
GUI重畳器16は、映像信号にOSD(On Screen Display)等のグラフィックス信号(またテキスト信号)を重畳して、その映像信号を、番組録画装置1にビデオケーブル等を介して外部接続されたディスプレイ17に送出する。
【0051】
またAVデコーダ15は、音声信号を、番組録画装置1にオーディオケーブル等を介して外部接続されたスピーカ18に送出する。
【0052】
これにより制御部2は、ディスプレイ17に対し映像信号に基づく番組映像を表示すると共に、その番組映像の表示に合せてスピーカ18から音声信号に基づく番組音声を出力する。このようにして制御部2は、録画した番組を視聴させることができる。
【0053】
さらにデジタルチューナ部8は、デジタル放送信号から抽出した任意のチャンネルの放送データをデマルチプレクサ19にも送出する。
【0054】
デマルチプレクサ19は、放送データから電子番組案内情報を抽出して、これをデジタル系放送の電子番組案内情報として不揮発性メモリ4に記録する。
【0055】
ここで、電子番組案内情報が各チャンネルで別々に配信されている場合、デマルチプレクサ19は、デジタル系アンテナ7で受信可能な各チャンネルの放送データから電子番組案内情報を抽出して、不揮発性メモリ4に記録する。
【0056】
さらにアナログチューナ部11は、アナログ放送信号から、電子番組案内情報を配信している所定のチャンネルの放送信号を抽出し、当該抽出した放送信号を復調器12に送出する。
【0057】
この際、復調器12は、放送信号をもとにNTSC信号を生成して、当該生成したNTSC信号をVBI(Vertical Blanking Interval)スライサ20に送出する。
【0058】
VBIスライサ20は、NTSC信号から、これに含まれる映像信号を分離すると共に、当該映像信号から、電子番組案内情報が格納されている垂直帰線期間部分を切り出してEPGデコーダ21に送出する。
【0059】
EPGデコーダ21は、映像信号から切り出された垂直帰線期間部分をデコードすることで電子番組案内情報を得て、これをアナログ系放送の電子番組案内情報として不揮発性メモリ4に記録する。このようにして制御部2は、アナログ系放送及びデジタル系放送の電子番組案内情報を取得する。
【0060】
因みに、電子番組案内情報には、例えば、現時点からむこう1週間に放送予定の番組毎の番組情報として、放送局名、放送日時、番組タイトル、ジャンル、番組概要、番組詳細、出演者名等が記述されている。
【0061】
制御部2は、不揮発性メモリ4から電子番組案内情報を読み出し、当該読み出した電子番組案内情報をもとに、放送予定の複数の番組の放送スケジュールを表にした番組表の画面データ(以下、これを番組表画面データとも呼ぶ)を生成する。また制御部2は、その番組表画面データをRAM(Random Access Memory)22に送出して一時記録する。
【0062】
そしてGUI重畳器16は、制御部2の制御のもと、RAM22から番組表画面データを読み出して番組表画面信号を生成しディスプレイ17に送出する。これにより制御部2は、ディスプレイ17に番組表画面信号に基づき、アナログ系放送やデジタル系放送の番組表画面を表示することができる。
【0063】
制御部2は、リモコンRMの操作等により、ディスプレイ17に表示している番組表画面上で任意の番組が選択され視聴予約が指示されると、選択された番組の番組情報(放送局名及び放送日時等)を利用して、番組の視聴日時等を示す視聴予約情報を生成する。
【0064】
そして制御部2は、その視聴予約情報を、例えば不揮発性メモリ4に記録することにより、視聴予約の指示された番組を視聴予約する。
【0065】
また制御部2は、リモコンRMの操作等により、ディスプレイ17に表示している番組表画面上で任意の番組が選択され録画予約が指示されると、選択された番組の番組情報(放送局名及び放送日時等)を利用して、番組の録画日時等を示す録画予約情報を生成する。
【0066】
そして制御部2は、その録画予約情報を、例えば不揮発性メモリ4に記録することにより、録画予約の指示された番組を録画予約する。
【0067】
因みに、制御部2は、番組を録画した場合、その番組の番組情報を番組データと共にハードディスクドライブ3に記録する。
【0068】
さらに制御部2は、リモコンRMの操作等に応じて、図示しないネットワーク機器(例えば、サーバ)から配信される各種データを、ネットワーク端子23及びネットワークコントローラ24を順次介して受信してハードディスクドライブ3に記録する。
【0069】
さらに制御部2は、リモコンRMの操作等に応じて、ハードディスクドライブ3から各種データを読み出すと共に、当該読み出した各種データを、ネットワークコントローラ24及びネットワーク端子23を順次介してネットワーク機器に送信する。このようにして制御部2は、ネットワーク機器との間で各種データの送受を行うこともできる。
【0070】
さらに制御部2は、リモコンRMの操作等に応じて、各種画面データを生成して、当該生成した各種画面データをRAM22に送出して一時記録する。
【0071】
そしてGUI重畳器16は、制御部2の制御のもと、RAM22から各種画面データを読み出して画面信号を生成しディスプレイ17に送出する。これにより制御部2は、ディスプレイ17に画面信号に基づき、各種画面(録画番組一覧画面等)を表示する。
【0072】
ところで上述したアナログ系放送やデジタル系放送の番組としては、スポーツの野球やサッカーのような種目(以下、これをスポーツ種目とも呼ぶ)の試合を中継するための番組がある。
【0073】
またアナログ系放送やデジタル系放送の番組としては、一日や一週間のような所定期間に行われた複数のスポーツ種目の試合のハイライトシーンのような種々のシーンを、当該スポーツ種目毎にダイジェストとしてまとめて放送するための番組もある。
【0074】
因みに、以下の説明では、スポーツ種目の試合を中継するための番組を、中継番組とも呼び、当該中継番組の番組データを、中継番組データとも呼ぶ。
【0075】
また、以下の説明では、スポーツ種目毎に、その試合の種々のシーンをダイジェストとしてまとめて放送するための番組を、ダイジェスト番組とも呼び、当該ダイジェスト番組の番組データを、ダイジェスト番組データとも呼ぶ。
【0076】
図2に示すように、ダイジェスト番組は、放送時間の時間軸に沿って、野球やサッカーのような種々のスポーツ種目のダイジェストと、番組スポンサのコマーシャルメッセージ(CM)とが所定の順番で並べられて構成されている。
【0077】
実際にダイジェスト番組は、当該ダイジェスト番組の先頭や後尾、途中等の所定位置にコマーシャルメッセージが挿入されて構成されている。
【0078】
またダイジェスト番組において個々のスポーツ種目のダイジェストは、1又は複数のシーンから構成されており、個々のシーンは1又は複数のショットから構成されている。
【0079】
一方、中継番組(図示せず)は、放送時間の時間軸に沿って、試合の中継部分と、番組スポンサのコマーシャルメッセージとが順次交互に並べられて構成されている。
【0080】
実際に中継番組は、当該中継番組の先頭や後尾、途中等の所定位置にコマーシャルメッセージが挿入されて構成されている。
【0081】
また中継番組についても、試合の中継部分は1又は複数のシーンから構成されており、個々のシーンは1又は複数のショットから構成されている。
【0082】
ここで、ダイジェスト番組や中継番組において個々のシーンは、例えば、テレビジョンカメラを切り換えずに1つのテレビジョンカメラで撮影され続けた一場面の先頭から後尾まである。
【0083】
またダイジェスト番組や中継番組において個々のショットは、1つのシーンの中でテレビジョンカメラのパンニングやズームによりアングルが変化し始めた時点から、再びパンニングやズームによりアングルが変化し始める時点までの場面である。
【0084】
よってダイジェスト番組や中継番組では、上述のように1つのシーンの中に複数のショットが含まれる(すなわち、複数のショットにより1つのシーンが構成される)場合がある。
【0085】
またダイジェスト番組や中継番組では、1つのシーンの中でアングルがほとんど変化しないと、当該1つのシーンがそのまま1つのショットになる場合もある。
【0086】
因みに、コマーシャルメッセージは、15秒や30秒、45秒等のように予め決められた種々の放送時間の中から、任意に選択された放送時間で制作されている。
【0087】
ところで、番組録画装置1には、例えば、当該番組録画装置1の製造メーカにより、ダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に、当該スポーツ種目のダイジェスト部分を識別するための識別モデルが予め構築されている。
【0088】
すなわち、言い換えれば、番組録画装置1には、ダイジェスト番組内の個々のダイジェストが、何れのスポーツ種目のダイジェストであるかを識別するための識別モデルが予め構築されている。
【0089】
実際に番組録画装置1の製造メーカにより、当該番組録画装置1に識別モデルを予め構築するには、例えば、コンピュータ装置のようなモデル構築装置(図示せず)が用いられる。
【0090】
モデル構築装置は、すでに放送された中継番組の中継番組データから映像データを分離し、当該映像データからコマーシャルメッセージ部分を削除する。
【0091】
そしてモデル構築装置は、そのコマーシャルメッセージ部分を削除した映像データ(以下、これをコマーシャル削除映像データとも呼ぶ)を構成する複数フレームの画像データからそれぞれ特徴量(以下、これを画像特徴量とも呼ぶ)を抽出する。
【0092】
またモデル構築装置は、オペレータに中継番組の内容を実際に視聴させて当該中継番組で中継されていた試合のスポーツ種目を指定させる。
【0093】
さらにモデル構築装置は、その中継番組の画像特徴量を、オペレータによって指定されたスポーツ種目と対応付けるようにしてデータベースに登録する。
【0094】
そしてモデル構築装置は、スポーツ種目毎にある程度の数の画像特徴量を蓄積すると、その画像特徴量を学習データとして用いて所定の学習アルゴリズムで演算処理を実行することにより、スポーツ種目の識別に用いる識別関数を求める。
【0095】
モデル構築装置は、識別関数を求めると、当該識別関数を、番組録画装置1の例えば、ハードディスクドライブ3に記憶させる。
【0096】
またモデル構築装置は、番組録画装置1の例えば、ハードディスクドライブ3に、その識別関数を用いてダイジェスト番組データのダイジェスト部分毎に、当該ダイジェストのスポーツ種目を識別するための種目識別プログラムも記憶させる。
【0097】
このようにしてモデル構築装置は、番組録画装置1において、録画したダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に、当該スポーツ種目のダイジェスト部分を識別するための識別モデルを予め構築している。
【0098】
そして番組録画装置1の制御部2は、ディスプレイ17に表示した、アナログ系放送やデジタル系放送の番組表画面上でダイジェスト番組の録画予約が指示されると、上述したように録画予約情報を生成して当該ダイジェスト番組を録画予約する。
【0099】
そして制御部2は、現在日時が録画予約情報の示すダイジェスト番組の放送日時に到達したことを検出すると、上述と同様にハードディスクドライブ3にダイジェスト番組データを記録するようにしてダイジェスト番組を録画する。
【0100】
制御部2は、例えば、ダイジェスト番組の録画が完了すると、図3に示すように、ダイジェスト番組の映像データを構成する複数フレームの画像データを用いて、当該画像データ毎にスポーツ種目を識別する画像単位識別処理を実行する。
【0101】
この場合、制御部2は、ハードディスクドライブ3から当該ダイジェスト番組のダイジェスト番組データを読み出してストリームバッファ9を介してデマルチプレクサ14に送出する。
【0102】
この際、デマルチプレクサ14は、例えば、ダイジェスト番組データから映像データ及び音声データを分離して、これら映像データ及び音声データをAVデコーダ15に送出する。
【0103】
またAVデコーダ15は、デマルチプレクサ14から与えられた映像データ及び音声データをデコード(すなわち、復号)した後、制御部2に送出する。
【0104】
制御部2は、AVデコーダ15からダイジェスト番組の映像データ及び音声データが与えられると、例えば、その音声データのデータレベルに基づき、当該音声データの先頭から後尾にわたり無音位置をタイムコードとして順次検出する。
【0105】
また制御部2は、音声データの先頭から後尾にわたり順次検出したタイムコードに基づき、順次前後2つの無音位置間の時間を検出して、当該検出した時間をもとに、個々のコマーシャルメッセージ部分の先頭位置及び後尾位置のタイムコードを検出する。
【0106】
そして制御部2は、その検出したコマーシャルメッセージ部分の先頭位置及び後尾位置のタイムコードをもとに、ダイジェスト番組の映像データから、コマーシャルメッセージ部分を削除してコマーシャル削除映像データを生成する。
【0107】
さらに制御部2は、コマーシャル削除映像データから、その先頭から後尾にわたり、例えば0.5秒のような比較的短い所定時間間隔で順次1フレームの画像データを抜き出す。
【0108】
そして制御部2は、コマーシャル削除映像データから順次抜き出した1フレームの画像データ(以下、これを抜出画像データとも呼ぶ)から、当該抜出画像データの画像特徴量を抽出する。
【0109】
実際に制御部2は、抜出画像データに対して間引き処理を施すと共に、個々の画素に対する彩度を変更することにより、当該抜出画像データに基づくフレーム画像よりもサイズの小さい白黒の縮小画像の縮小画像データを生成する。
【0110】
また制御部2は、抜出画像データをグレースケールの画像データに変換した後、当該画像データに基づく画像を複数のブロックに分割する。
【0111】
さらに制御部2は、そのブロック毎に当該ブロック内のエッジ部分の1又は複数箇所で当該エッジ部分の輝度勾配ベクトル(明るさの変化の方向を表すベクトル)を算出する。
【0112】
そして制御部2は、ブロック毎に最大の値を示す輝度勾配ベクトルを検出し、全てのブロックで検出した輝度勾配ベクトルのヒストグラム(以下、これを輝度勾配ヒストグラムとも呼ぶ)を算出する。
【0113】
このようにして制御部2は、抜出画像データから、当該抜出画像データに基づくフレーム画像の絵の形状の特徴を数値化して抽出し、当該フレーム画像の絵の形状の特徴を表す画像特徴量としての縮小画像データ及び輝度勾配ヒストグラムを生成する。
【0114】
さらに制御部2は、抜出画像データに基づき、当該抜出画像データに基づくフレーム画像内の明度(Y)及び色差(Cb、Cr)の分布を表す16ビンのヒストグラム(以下、これを明度色差ヒストグラムとも呼ぶ)を算出する。
【0115】
さらに制御部2は、抜出画像データに基づくフレーム画像を複数のブロックに分割し、そのブロック毎に色空間としての色相、彩度及び輝度の3次元ヒストグラムを算出する。
【0116】
そして制御部2は、そのブロック毎に3次元ヒストグラムの算出結果に基づき、最も度数の高い色を当該ブロックの代表色として検出し、全てのブロックで検出した代表色をまとめた代表色データを生成する。
【0117】
このようにして制御部2は、抜出画像データから、当該抜出画像データに基づくフレーム画像の色の特徴を数値化して抽出し、当該フレーム画像の色の特徴を表す画像特徴量としての明度色差ヒストグラム及び代表色データも生成する。
【0118】
そして制御部2は、複数の抜出画像データから、このような種々の画像特徴量を抽出し終えると、ハードディスクドライブ3から上述した識別関数を読み出す。
【0119】
また制御部2は、その識別関数に順次1つの抜出画像データの画像特徴量を変数として代入すると共に、当該1つの抜出画像データの画像特徴量を変数として代入した識別関数の演算を実行する。
【0120】
これにより制御部2は、抜出画像データ毎に、当該抜出画像データに基づくフレーム画像が個々のスポーツ種目として、それぞれどの程度確からしいかを百分率で表す割合(以下、これを確からしさ率とも呼ぶ)を算出する。
【0121】
そして制御部2は、抜出画像データ毎に、その算出結果をもとに、最も確からしい(すなわち、確からしさ率が最も高い)1つのスポーツ種目を、当該抜出画像データに基づくフレーム画像のスポーツ種目とする。
【0122】
すなわち、制御部2は、抜出画像データ毎に、当該抜出画像データに基づくフレーム画像が何れのスポーツ種目のダイジェストのフレーム画像であるかを識別する。そして制御部2は、全ての抜出画像データについてスポーツ種目を識別すると、画像単位識別処理を終了する。
【0123】
また制御部2は、画像単位識別処理においてコマーシャル削除映像データから抜出画像データを抜き出すと、当該画像単位識別処理と並行に、ダイジェスト番組内のショット毎にスポーツ種目を識別するショット単位識別処理も実行する。
【0124】
図3及び図4に示すように、制御部2は、ショット単位識別処理を開始すると、複数の抜出画像データFD1のうち再生時間軸に沿って順次前後2つの抜出画像データFD1の対応する画素の値を比較し、当該前後2つの抜出画像データFD1の類似度を算出する。
【0125】
因みに、かかる類似度は、例えば、前後2つの抜出画像データFD1各々に基づく2つのフレーム画像の絵が似ているほど高い値を示し、当該前後2つの抜出画像データFD1各々に基づく2つのフレーム画像の絵が異なるほど低い値を示す。
【0126】
そして制御部2は、その類似度に基づき、コマーシャル削除映像データVD1において、ダイジェスト番組の番組映像における個々のショット部分の先頭位置及び後尾位置を、それぞれ抜出画像データFD1に付加されているタイムコードとして順次検出する。
【0127】
実際に制御部2は、コマーシャル削除映像データVD1の先頭の抜出画像データFD1の位置や、互いの類似度が所定の閾値よりも低い前後2つの抜出画像データFD1のうち後側の抜出画像データFD1の位置を個々のショット部分の先頭位置として検出する。
【0128】
また制御部2は、互いの類似度が所定の閾値よりも低い前後2つの抜出画像データFD1のうち前側の抜出画像データFD1の位置や、コマーシャル削除映像データVD1の後尾の抜出画像データFD1の位置を、個々のショット部分の後尾位置として検出する。
【0129】
そして図3及び図5に示すように、制御部2は、個々のショット部分の先頭位置及び後尾位置のタイムコードに基づき、当該ショット部分に含まれる(すなわち、ショット部分の先頭位置から後尾位置までに位置する)複数の抜出画像データFD1を判別する。
【0130】
また制御部2は、ショット部分毎に、当該ショット部分の複数の抜出画像データについて識別したスポーツ種目を集計して、これら複数の抜出画像データについて最も多く識別したスポーツ種目を、当該ショット部分のスポーツ種目にする。
【0131】
すなわち、制御部2は、コマーシャル削除映像データのショット部分毎に、当該ショット部分に基づくショット(すなわち、映像)が、何れのスポーツ種目のダイジェスト内のショットであるかを識別する。そして制御部2は、全てのショット部分についてスポーツ種目を識別すると、ショット単位識別処理を終了する。
【0132】
このようにして制御部2は、ダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目を識別すると共に、当該スポーツ種目のダイジェスト部分をショット単位で識別する。
【0133】
ところで、図6に示すように、制御部2は、個々のショット部分についてスポーツ種目を識別し終えると、再生時間軸に沿って順次前後2つのショット部分について識別したスポーツ種目を比較する。
【0134】
また制御部2は、その比較結果に基づいて、コマーシャル削除映像データVD1の先頭から後尾にわたり、同一のスポーツ種目であると識別したショット部分の連続の有無を検出する。
【0135】
その結果、制御部2は、同一のスポーツ種目であると識別した複数のショット部分が再生時間軸に沿って連続している場合、当該連続する複数のショット部分を、当該スポーツ種目のダイジェスト部分として1つの再生区間に設定する。
【0136】
また制御部2は、何れかのスポーツ種目であると識別したショット部分が単独で存在する場合、当該ショット部分をそのまま、当該スポーツ種目のダイジェスト部分として1つの再生区間に設定する。
【0137】
さらに制御部2は、再生区間毎に、当該再生区間の先頭位置及び後尾位置と、その再生区間の再生により視聴可能なダイジェストのスポーツ種目とを示す再生区間情報を生成する。
【0138】
そして制御部2は、再生区間毎の再生区間情報を、コマーシャル削除映像データVD1の先頭から後尾にわたって再生区間を検出した順番でリスト化して示す種目別再生区間リストを生成する。
【0139】
因みに、以下の説明では、再生区間の先頭位置(すなわち、イン点)を、再生開始位置とも呼び、当該再生区間の後尾位置(すなわち、アウト点)を、再生終了位置とも呼ぶ。
【0140】
実際に制御部2は、連続する複数のショット部分を1つの再生区間とした場合、当該再生区間の再生開始位置を、その再生区間内で最も前に位置する1つのショット部分の先頭位置とする。
【0141】
また制御部2は、連続する複数のショット部分を1つの再生区間とした場合、当該再生区間の再生終了位置を、その再生区間内で最も後に位置する1つのショット部分の後尾位置とする。
【0142】
これに対して制御部2は、1つのショット部分をそのまま1つの再生区間とした場合、当該再生区間の再生開始位置及び再生終了位置を、そのショット部分の先頭位置及び後尾位置とする。
【0143】
そして制御部2は、再生区間情報において再生開始位置や再生終了位置を、対応する抜出画像データに付加されているタイムコードで記述する。
【0144】
このようにして制御部2は、種目別再生区間リストを生成すると、当該種目別再生区間リストをハードディスクドライブ3に送出し、このときスポーツ種目の識別に用いていたダイジェスト番組データに対応付けて記録する。
【0145】
ところで、制御部2は、録画したダイジェスト番組についてダイジェストのスポーツ種目を識別した後、ユーザによりリモコンRMを介して当該ダイジェスト番組の再生が指示され、所望のスポーツ種目が指定されると、ハードディスクドライブ3からダイジェスト番組データと、これに対応付けている種目別再生区間リストとを読み出す。
【0146】
また制御部2は、ダイジェスト番組データについてはストリームバッファ9を介してデマルチプレクサ14に送出し、当該デマルチプレクサ14においてダイジェスト番組データから映像データ及び音声データ(またテキストデータ)を分離させてAVデコーダ15に送出させる。
【0147】
さらに制御部2は、このとき種目別再生区間リストに含まれる複数の再生区間情報の内容を、その並びの順番に従って順次確認するようにして、ユーザにより指定された所望のスポーツ種目と同一のスポーツ種目を示す再生区間情報を検索する。そして制御部2は、その検索した再生区間情報の示す再生開始位置及び再生終了位置をAVデコーダ15に通知する。
【0148】
これによりAVデコーダ15は、デマルチプレクサ14から与えられた映像データ及び音声データ(またテキストデータ)において再生開始位置から再生終了位置までの再生区間をデコード(すなわち、復号)した後、デジタルアナログ変換することにより再生区間映像信号及び再生区間音声信号(また再生区間テキスト信号)を生成する。
【0149】
そしてAVデコーダ15は、その再生区間映像信号(及び再生区間テキスト信号)をGUI重畳器16に送出する。
【0150】
GUI重畳器16は、再生区間映像信号にグラフィックス信号(また再生区間テキスト信号)を重畳して、その再生区間映像信号をディスプレイ17に送出する。またAVデコーダ15は、再生区間音声信号をスピーカ18に送出する。
【0151】
これにより制御部2は、ディスプレイ17に再生区間映像信号に基づきダイジェスト番組内の所望のスポーツ種目のダイジェストの映像を表示すると共に、その表示に合せてスピーカ18から再生区間音声信号に基づき当該ダイジェストの音声を出力する。
【0152】
このようにして制御部2は、録画したダイジェスト番組において、所望のスポーツ種目のダイジェストのみを視聴させることができる。
【0153】
かかる構成に加えて、この番組録画装置1の場合、制御部2は、予め構築されている識別モデルを適宜、再構築し得るようになされている。
【0154】
制御部2は、例えば、番組録画装置1を始めて起動させたとき、RAM22に予め記憶している所望のスポーツ種目を入力させるための種目入力画面データを、GUI重畳器16を介してディスプレイ17に送出する。
【0155】
これにより制御部2は、ディスプレイ17に対し、その種目入力画面データに基づく種目入力画面(図示せず)を表示する。
【0156】
ここで、種目入力画面には、複数のスポーツ種目の名称を入力するための複数の名称入力欄が設けられている。そして種目入力画面には、スポーツ種目毎の名称入力欄に、例えば、「野球」や「やきゅう」、「ベースボール」、「Baseball」等のように、1つのスポーツ種目の名称を漢字や平仮名、カタカナ、ローマ字等のように表記を変えて複数入力し得るようになされている。
【0157】
また種目入力画面には、例えば、「プロ野球」や「高校野球」、「オリンピックの野球」のような1つのスポーツ種目の詳細な分類の名称を、1つのスポーツ種目とみなして、1つのスポーツ種目の名称入力欄に入力することもできる。
【0158】
さらに種目入力画面には、これら「プロ野球」や「高校野球」、「オリンピックの野球」のような1つのスポーツ種目の詳細な分類の名称を、別々のスポーツ種目とみなして、別々のスポーツ種目の名称入力欄に入力することもできる。
【0159】
すなわち、種目入力画面は、ユーザに対し所望のスポーツ種目を、「野球」や「サッカー」のような大きな分類や、「プロ野球」や「高校野球」のような詳細な分類として選択させて入力させ得るようになされている。
【0160】
この状態で制御部2は、例えば、ユーザによりリモコンRMを介して種目入力画面上で1又は複数の所望のスポーツ種目の名称が入力されると、当該入力されたスポーツ種目の名称の単語一覧表を作成する。そして制御部2は、その単語一覧表を例えば、不揮発性メモリ4に記録する。
【0161】
制御部2は、不揮発性メモリ4に単語一覧表を記録すると、例えば、不揮発性メモリ4に記録している電子番組案内情報を更新する毎に、当該不揮発性メモリ4から、その更新した電子番組案内情報を読み出すと共に、その際に単語一覧表も読み出す。
【0162】
そして制御部2は、単語一覧表に掲載している所望のスポーツ種目の名称を、電子番組案内情報内の番組情報と比較するようにして、ユーザにより指定されていた所望のスポーツ種目の中継番組に関する番組情報を探し出す。
【0163】
制御部2は、このようにしてユーザにより指定されていた所望のスポーツ種目の中継番組の番組情報を探し出すと、その番組情報に基づいて上述と同様に録画予約情報を生成するようにして、当該中継番組を自動的に録画予約する。
【0164】
この状態で制御部2は、現在日時が録画予約情報の示す所望のスポーツ種目の中継番組の放送日時に到達したことを検出すると、上述と同様にハードディスクドライブ3に中継番組データと番組情報とを対応付けて記録するようにして、その中継番組を録画する。
【0165】
このようにして制御部2は、録画予約情報に従い、所望のスポーツ種目の中継番組を順次録画する。ただし制御部2は、所望のスポーツ種目の中継番組の録画を始めると、その後、順次録画する所望のスポーツ種目の中継番組の中で、例えば、録画の順番が偶数番目となる中継番組と当該録画の順番が奇数番目となる中継番組とを区別可能にする。
【0166】
すなわち、制御部2は、録画の順番が偶数番目となる所望のスポーツ種目の中継番組を録画する場合、ハードディスクドライブ3に中継番組データと共に、後述するデータベースの構築に利用することを示す構築利用識別情報も送出する。そして制御部2は、ハードディスクドライブ3に対し、その中継番組データと構築利用識別情報とを対応付けて記録する。
【0167】
また制御部2は、録画の順番が奇数番目となる所望のスポーツ種目の中継番組を録画する場合、ハードディスクドライブ3に中継番組データと共に、後述する所望のスポーツ種目の識別精度の確認に利用することを示す精度確認用識別情報も送出する。そして制御部2は、ハードディスクドライブ3に対し、その中継番組データと精度確認用識別情報とを対応付けて記録する。
【0168】
このようにして制御部2は、録画の順番が偶数番目の中継番組を録画すると、図7に示すように、ハードディスクドライブ3から構築利用識別情報をもとに、その偶数番目に録画した当該中継番組の中継番組データを検出して、対応する番組情報と共に読み出す。
【0169】
そして制御部2は、その中継番組データを、ストリームバッファ9を介してデマルチプレクサ14に送出する。
【0170】
この際、デマルチプレクサ14は、例えば、中継番組データから映像データ及び音声データを分離して、これら映像データ及び音声データをAVデコーダ15に送出する。
【0171】
またAVデコーダ15は、デマルチプレクサ14から与えられた映像データ及び音声データをデコード(すなわち、復号)した後、制御部2に送出する。
【0172】
制御部2は、AVデコーダ15から中継番組の映像データ及び音声データが与えられると、例えば、上述したダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目を識別する場合と同様に、当該中継番組の映像データからコマーシャル削除映像データを生成する。
【0173】
また制御部2は、上述したダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目を識別する場合と同様に、そのコマーシャル削除映像データから複数の抜出画像データを順次抜き出すと共に、その抜出画像データ毎に種々の画像特徴量を抽出する。
【0174】
さらに制御部2は、このとき番組情報に基づき、このとき画像特徴量の抽出に用いた中継番組(すなわち、このとき録画した中継番組)のスポーツ種目の名称を検出する。
【0175】
そして制御部2は、抜出画像データ毎の画像特徴量を、スポーツ種目の名称を示す種目情報と共にハードディスクドライブ3に送出する。
【0176】
これにより制御部2は、抜出画像データ毎の画像特徴量を、種目情報と対応付けて画像特徴量管理用のデータベースに登録するようにして、抜出画像データ毎の画像特徴量を種目情報と共にハードディスクドライブ3に記録する。
【0177】
因みに、以下の説明では、抜出画像データ毎の画像特徴量を種目情報と対応付けて登録する画像特徴量管理用のデータベースを、特徴量データベースとも呼ぶ。
【0178】
このようにして制御部2は、録画の順番が偶数番目の中継番組を録画する毎に、当該中継番組の抜出画像データから画像特徴量を抽出し、その画像特徴量を種目情報に対応付けて特徴量データベースに登録するようにして、当該特徴量データベースを構築する。
【0179】
因みに、制御部2は、電子番組案内情報の更新に応じて自動的に中継番組を録画予約した場合には、その録画予約情報に対し、当該制御部2による自動的な録画予約であることを示す識別情報(以下、これを自動予約識別情報とも呼ぶ)を付加している。
【0180】
また制御部2は、ユーザによるリモコンRMの操作に応じて中継番組の録画予約が指示されると、不揮発性メモリ4から単語一覧表を読み出す。
【0181】
さらに制御部2は、単語一覧表と、その録画予約が指示された中継番組の番組情報とに基づき、当該中継番組が、ユーザにより指定されていた所望のスポーツ種目の中継番組であるか否かを判別する。
【0182】
その結果、制御部2は、録画予約が指示された中継番組が、所望のスポーツ種目の中継番組であると、すでに自動的に録画予約していた中継番組の録画予約情報の中から、当該録画予約が指示された中継番組の録画予約情報を探し出す。
【0183】
そして制御部2は、その探し出した録画予約情報に対し、すでに付加していた自動予約識別情報に代えて、ユーザの指示に応じた録画予約であることを示す識別情報(以下、これをユーザ予約識別情報とも呼ぶ)を付加し直す。
【0184】
この状態で制御部2は、録画予約情報に従い所望のスポーツ種目の中継番組を録画すると、その録画した中継番組の録画予約情報に付加していた自動予約識別情報やユーザ予約識別情報も、ハードディスクドライブ3に送出し中継番組データに対応付けて記録する。
【0185】
これにより制御部2は、所望のスポーツ種目の中継番組を録画した場合、ユーザによる録画予約の指示と、当該制御部2による自動的な録画予約との何れに従って、その中継番組を録画したのかを判別し得るようにしている。
【0186】
そして制御部2は、特徴量データベースに画像特徴量を種目情報と対応付けて登録する毎に、その画像特徴量の抽出に用いた中継番組を、ユーザによる録画予約の指示と自動的な録画予約との何れに従って録画したのかを判別する。
【0187】
その結果、制御部2は、画像特徴量の抽出に用いた中継番組を、ユーザによる録画予約の指示に応じて録画していると、この後、ユーザにより削除が指示されるまでの間、その中継番組の中継番組データをハードディスクドライブ3に記録したままにする。
【0188】
これに対して制御部2は、画像特徴量の抽出に用いた中継番組を、自動的な録画予約に従い録画していると、特徴量データベースに対する画像特徴量の登録が完了した時点に、当該中継番組の中継番組データをハードディスクドライブ3から自動的に消去する。
【0189】
これにより制御部2は、ハードディスクドライブ3の空容量が無駄に減らないようにして、所望のスポーツ種目の中継番組が放送される毎に、その中継番組をほぼ確実に録画し得るようにしている。
【0190】
ところで制御部2は、例えば、単語一覧表を記録すると、そのときの日時から、識別モデルを利用した所望のスポーツ種目の識別精度を定期的に確認するために予め選定された2週間又は3週間等のような所定期間を経たときの日時(以下、これを精度確認日時とも呼ぶ)を算出する。
【0191】
また制御部2は、単語一覧表を記録したときの日時から、識別モデルを定期的に再構築するために、予め精度確認用の所定期間によりも長く選定された3ヶ月又は半年等のような所定期間を経たときの日時(以下、これを再構築実行日時とも呼ぶ)も算出する。
【0192】
そして制御部2は、その精度確認日時を示す精度確認日時情報と、再構築実行日時を示す再構築実行日時情報とを、例えば不揮発性メモリ4に記録する。
【0193】
制御部2は、現在日時が精度確認日時情報の示す精度確認日時に到達すると、識別精度確認処理を開始する。
【0194】
この際、図8に示すように、制御部2は、ハードディスクドライブ3から精度確認用識別情報をもとに、録画の順番が奇数番目の1つの中継番組の中継番組データを、対応する番組情報と共に読み出す。そして制御部2は、その中継番組データを、ストリームバッファ9を介してデマルチプレクサ14に送出する。
【0195】
この際、デマルチプレクサ14は、例えば、中継番組データから映像データ及び音声データを分離して、これら映像データ及び音声データをAVデコーダ15に送出する。
【0196】
またAVデコーダ15は、デマルチプレクサ14から与えられた映像データ及び音声データをデコード(すなわち、復号)した後、制御部2に送出する。
【0197】
制御部2は、AVデコーダ15から映像データ及び音声データが与えられると、上述したダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目を識別する場合と同様に、当該映像データからコマーシャル削除映像データを生成する。
【0198】
また制御部2は、上述したダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目を識別する場合と同様に、そのコマーシャル削除映像データから複数の抜出画像データを順次抜き出すと共に、その抜出画像データ毎に種々の画像特徴量を抽出する。
【0199】
さらに制御部2は、上述したダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目を識別する場合と同様に、ハードディスクドライブ3から識別関数を読み出すと共に、その識別関数に順次1つの抜出画像データの画像特徴量を変数として代入して演算を実行する。
【0200】
これにより制御部2は、抜出画像データ毎に、当該抜出画像データに基づくフレーム画像に対する個々のスポーツ種目の確からしさ率を算出し、その算出結果をもとに、当該抜出画像データに基づくフレーム画像のスポーツ種目を識別する。
【0201】
また制御部2は、この際、上述したダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目を識別する場合と同様に、コマーシャル削除映像データにおいて、中継番組の番組映像における個々のショット部分を検出する。
【0202】
そして制御部2は、その検出したショット部分毎に複数の抜出画像データについて識別したスポーツ種目を集計して当該ショット部分のスポーツ種目も識別する。
【0203】
ところで制御部2は、コマーシャル削除映像データにおいて個々のショット部分のスポーツ種目を識別すると、当該ショット部分毎に識別したスポーツ種目を集計する。
【0204】
その結果、制御部2は、これら複数のショット部分について最も多く識別したスポーツ種目を、コマーシャル削除映像データのスポーツ種目にする。すなわち、制御部2は、録画の順番が奇数番目であった中継番組のスポーツ種目を識別する。
【0205】
また制御部2は、このときハードディスクドライブ3から中継番組データと共に読み出していた番組情報に基づき、その録画の順番が奇数番目であった中継番組の本来のスポーツ種目(すなわち、正解のスポーツ種目)を検出する。
【0206】
さらに制御部2は、その中継番組の本来のスポーツ種目と、当該中継番組に対して識別したスポーツ種目とを比較して、その中継番組に対しスポーツ種目を正しく識別し得たか否かを判定する。
【0207】
制御部2は、このように1つの中継番組に対するスポーツ種目の識別の良否を判定すると、引き続きハードディスクドライブ3から、録画の順番が奇数番目であった他の1つの中継番組の番組データも、対応する番組情報と共に読み出す。
【0208】
制御部2は、この場合も同様に中継番組のスポーツ種目を識別し、所望のスポーツ種目を正しく識別し得たか否かを判定する。
【0209】
すなわち、制御部2は、ハードディスクドライブ3から、録画の順番が奇数番目であった他の中継番組の番組データと、対応する番組情報とを順次読み出すようにして、同様に中継番組のスポーツ種目を識別して、その識別の良否を判定する。
【0210】
このようにして制御部2は、例えば、この時点までにハードディスクドライブ3に記録していた、録画の順番が奇数番目の全ての中継番組についてスポーツ種目の識別の良否を判別し終えると、その判定結果を集計する。
【0211】
すなわち、制御部2は、所望のスポーツ種目を正しく識別し得た中継番組の個数を、録画の順番が奇数番目であった中継番組の全数で除算するようにして、当該所望のスポーツ種目の識別に対する正解率(以下、これを識別正解率とも呼ぶ)を算出する。
【0212】
また制御部2は、その識別正解率を、予め選定された規定正解率と比較する。その結果、制御部2は、所望のスポーツ種目に対する識別正解率が規定正解率以上であると、現在の識別モデルによる所望のスポーツ種目の識別精度が規定以上であるとして、識別モデルの再構築を見送り、識別精度確認処理を終了する。
【0213】
これに対して制御部2は、所望のスポーツ種目に対する識別正解率が規定正解率よりも低いと、現在の識別モデルによる所望のスポーツ種目の識別精度が規定よりも低下しているとして、一旦は識別精度確認処理を終了するものの、引き続き再構築処理を開始する。
【0214】
この際、図9に示すように、制御部2は、ハードディスクドライブ3から、その時点までに蓄積していた(すなわち、特徴量データベースに登録していた)全ての画像特徴量を、種目情報に従い所望のスポーツ種目毎に読み出す。
【0215】
また制御部2は、ハードディスクドライブ3から、所望のスポーツ種目毎の画像特徴量の読み出しに合せて、特徴量データベースに登録した種目情報も順次読み出す。
【0216】
そして制御部2は、例えば、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)と呼ばれるクラス分類手法を利用し、サポートベクターライブラリ(LIBSVM)と呼ばれるソフトウェアに従い、スポーツ種目毎の画像特徴量を当該スポーツ種目の名称を示す種目情報と共に学習データとして用いて演算処理を実行する。
【0217】
これにより制御部2は、画像特徴量に基づき、所望のスポーツ種目は識別し、例えば所望のスポーツ種目とは異なるスポーツ種目については、その他として識別するように学習して、その学習結果を反映させた所望のスポーツ種目識別用の識別関数を生成する。
【0218】
これにより制御部2は、新たな識別モデルを仮構築する。ここで、識別モデルの仮構築とは、新たに生成した識別関数をスポーツ種目の識別に用いることができるものの、再構築前の(すなわち、現在の)識別モデルの識別関数もスポーツ種目の識別に用いることができることを示す。
【0219】
すなわち、識別モデルの仮構築とは、新たに識別関数を生成しても、再構築前の識別モデルの識別関数を、その新たな識別関数に更新してはいないこと、言い換えると、再構築前の識別モデルを、新たな識別モデルに更新してはいないことを示す。
【0220】
そして制御部2は、仮構築した識別モデルを利用して(すなわち、新たに生成した識別関数を用いて)、上述した識別精度確認処理と同様の処理を実行する。
【0221】
これにより制御部2は、このとき生成した識別関数を用いて、実際に複数の中継番組のスポーツ種目を識別し、その識別結果をもとに、所望のスポーツ種目に対する識別正解率を算出する。
【0222】
ただし制御部2は、このときには特に、前段の識別精度確認処理で算出していた識別正解率を一時的に規定正解率に設定して、予め選定されていた規定正解率に替えて、当該一時的に設定した規定正解率を、識別精度の良否の判定に用いる。
【0223】
すなわち、制御部2は、新たな識別関数を用いてスポーツ種目を識別するようにして得た所望のスポーツ種目に対する識別正解率を、その一時的に設定した規定正解率と比較するようにして、当該所望のスポーツ種目の識別精度の良否を判定する。
【0224】
その結果、制御部2は、所望のスポーツ種目の識別精度が規定以上(すなわち、識別正解率が一時的に設定した規定正解率以上)であると、このとき生成した識別関数をハードディスクドライブ3に送出して、すでに記録していた識別関数に上書きするように記録する。
【0225】
すなわち、制御部2は、再構築前の識別モデルを仮構築していた識別モデルに更新することにより、識別モデルを再構築して、再構築処理を終了する。
【0226】
これに対して制御部2は、所望のスポーツ種目の識別精度が規定よりも低下している(すなわち、識別正解率が一時的に設定した規定正解率よりも小さい)と、このとき生成した識別関数を破棄して、再構築処理を終了する。
【0227】
すなわち、制御部2は、再構築前の識別モデルを、仮構築していた識別モデルには更新せずに、当該再構築前の識別モデルを、その後も所望のスポーツ種目の識別に利用する。
【0228】
ところで制御部2は、識別モデルの再構築を見送るようにして識別精度確認処理を終了すると、当該終了したときの日時から、再び所定期間を経たときの精度確認日時を算出する。
【0229】
また制御部2は、その新たに算出した精度確認日時を示す精度確認日時情報を不揮発性メモリ4に送出して、すでに記録していた精度確認日時情報に上書きするように記録し、かくして精度確認日時を更新する。
【0230】
これに対して制御部2は、識別精度確認処理に引き続き再構築処理を実行した場合は、その再構築処理が終了すると、当該終了したときの日時から、再び所定期間を経たときの精度確認日時を算出する。
【0231】
また制御部2は、その新たに算出した精度確認日時を示す精度確認日時情報を不揮発性メモリ4に送出して、すでに記録していた精度確認日時情報に上書きするように記録し、かくして精度確認日時を更新する。
【0232】
そして制御部2は、現在日時が、更新した精度確認日時に到達すると、再び上述と同様に識別精度確認処理を実行する。このようにして制御部2は、識別精度確認処理を定期的に実行し、その処理結果に応じて、適宜、再構築処理も実行して識別モデルを再構築する。
【0233】
また制御部2は、現在日時が再構築実行日時情報の示す再構築実行日時に到達すると、図9について上述した場合と同様の再構築処理を実行する。
【0234】
ただし、制御部2は、この際、所望のスポーツ種目の識別に対する識別正解率を算出すると、当該算出した識別正解率を、予め選定されていた規定正解率と比較するようにして、当該所望のスポーツ種目の識別精度の良否を判定する。
【0235】
その結果、制御部2は、所望のスポーツ種目の識別精度が規定以上(すなわち、識別正解率が、予め選定されていた規定正解率以上)であると、このとき生成した識別関数をハードディスクドライブ3に送出して、すでに記録していた識別関数に上書きするように記録する。
【0236】
すなわち、制御部2は、再構築前の識別モデルを仮構築していた識別モデルに更新することにより、識別モデルを再構築して、再構築処理を終了する。
【0237】
これに対して制御部2は、所望のスポーツ種目の識別精度が規定よりも低下している(すなわち、識別正解率が、予め選定されていた規定正解率よりも小さい)と、このとき生成した識別関数を破棄して、再構築処理を終了する。
【0238】
すなわち、制御部2は、再構築前の識別モデルを、仮構築していた識別モデルには更新せずに、当該再構築前の識別モデルを、その後も所望のスポーツ種目の識別に利用する。
【0239】
そして制御部2は、再構築処理が終了すると、当該終了したときの日時から、再び所定期間を経たときの再構築実行日時を算出する。
【0240】
また制御部2は、その新たに算出した再構築実行日時を示す再構築実行日時情報を不揮発性メモリ4に送出して、すでに記録していた再構築実行日時情報に上書きするように記録し、かくして再構築実行日時を更新する。
【0241】
よって制御部2は、現在日時、更新した再構築実行日時に到達すると、再び上述と同様に再構築処理を実行する。このようにして制御部2は、再構築処理を定期的に実行して、適宜、識別モデルを再構築する。
【0242】
ところで、制御部2は、再構築処理が終了すると、その時点にハードディスクドライブ3から中継番組データの画像特徴量を消去するようにして特徴量データベースを一旦初期化する。
【0243】
そして制御部2は、再び所望のスポーツ種目の中継番組を自動的に録画予約し、これに応じて中継番組を録画しながら、上述と同様にして特徴量データベースを再構築する。
【0244】
これにより制御部2は、再構築処理を実行すると、その後は、古い中継番組は用いずに、最近の(すなわち、新たに録画した)中継番組を用いて、所望のスポーツ種目の識別精度の確認や識別モデルの新たな再構築を実行している。
【0245】
因みに、制御部2は、識別モデルを再構築した後に、ダイジェスト番組を録画すると、図3について上述した場合と同様に画像単位識別処理を実行する。
【0246】
これにより制御部2は、ハードディスクドライブ3から、そのダイジェスト番組の番組データを読み出すようにして、コマーシャル削除映像データを生成する。
【0247】
また制御部2は、そのコマーシャル削除映像データから複数の抜出画像データを順次抜き出すと共に、その抜出画像データ毎に種々の画像特徴量を抽出する。
【0248】
さらに制御部2は、ハードディスクドライブ3から、識別関数を読み出すと共に、その識別関数に順次1つの抜出画像データの画像特徴量を変数として代入して演算を実行する。
【0249】
これにより制御部2は、抜出画像データ毎に、当該抜出画像データに基づくフレーム画像に対する所望のスポーツ種目及びその他のスポーツ種目の確からしさ率を算出し、その算出結果をもとに、当該抜出画像データに基づくフレーム画像のスポーツ種目を識別する。
【0250】
また制御部2は、この際、上述と同様にショット単位識別処理も実行することにより、コマーシャル削除映像データにおいて個々のショット部分を検出する。
【0251】
そして図10に示すように、制御部2は、その検出したショット部分毎に複数の抜出画像データについて識別した所望のスポーツ種目及びその他のスポーツ種目を集計して当該ショット部分のスポーツ種目を識別する。
【0252】
このようにして図11に示すように、制御部2は、再構築した識別モデルを利用して、ダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と共に当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を精度良く識別することができる。
【0253】
なお、この実施の形態の場合、制御部2は、ユーザにより所望のスポーツ種目が指定され不揮発性メモリ4に単語一覧表を記録しても、リモコンRMの操作により種目入力画面を表示するように要求されると、ディスプレイ17に種目入力画面を再び表示する。
【0254】
この状態で制御部2は、ユーザによりリモコンRMが操作され、その種目入力画面上で1又は複数の所望のスポーツ種目の名称が改めて入力されると、当該入力されたスポーツ種目の名称の単語一覧表を作成する。
【0255】
そして制御部2は、その単語一覧表を不揮発性メモリ4に送出して、すでに記録していた単語一覧表に上書きするように記録し、かくして単語一覧表を更新する。
【0256】
制御部2は、このように単語一覧表を更新すると、ハードディスクドライブ3から、その時点までに蓄積していた画像特徴量を消去するようにして、特徴量データベースを一旦初期化する。
【0257】
そして制御部2は、その更新した単語一覧表に従い、改めて指定された所望のスポーツ種目の中継番組を自動的に録画予約し、これに応じて中継番組を録画しながら、上述と同様にして特徴量データベースを再構築する。また制御部2は、その再構築した特徴量データベースを用いて上述と同様に識別モデルを再構築する。
【0258】
これにより制御部2は、ユーザのスポーツ種目に対する好みが変化しても、これに対応して、改めて指定された所望のスポーツ種目を識別し得るように識別モデルを再構築することができる。
【0259】
次いで、図12及び図13に示すフローチャートを用いて、上述した一連の識別モデル再構築処理について説明する。
【0260】
制御部2は、番組録画装置1を始めて起動すると(又はユーザにより種目入力画面の表示が要求されると)、ハードディスクドライブ3又は不揮発性メモリ4に予め記憶している識別モデル再構築プログラムに従って図12に示す識別モデル再構築処理手順RT1を開始する。因みに、識別モデル再構築プログラムは、上述した種目識別プログラムを含んで構成されている。
【0261】
制御部2は、かかる識別モデル再構築処理手順RT1を開始すると、ステップSP1においてディスプレイ17に種目入力画面を表示する。
【0262】
この状態で制御部2は、種目入力画面上で所望のスポーツ種目の名称が入力されると、当該入力されたスポーツ種目の名称の単語一覧表を作成すると共に、当該作成した単語一覧表を不揮発性メモリ4に記録して、次のステップSP2に移る。
【0263】
ステップSP2において制御部2は、特徴量データベースを構築するデータベース構築処理を実行する。すなわち、制御部2は、ステップSP2に移ると、図13に示すデータベース構築処理サブルーチンSRT1を開始する。
【0264】
制御部2は、かかるデータベース構築処理サブルーチンSRT1を開始すると、ステップSP21において、不揮発性メモリ4に記録している電子番組案内情報の更新時に、所望のスポーツ種目の中継番組に対する録画予約情報を生成する。
【0265】
そして制御部2は、その録画予約情報に従い、所望のスポーツ種目の中継番組を録画して、次のステップSP22に移る。
【0266】
ステップSP22において制御部2は、録画した中継番組の複数の抜出画像データから画像特徴量を抽出して、次のステップSP23に移る。
【0267】
ステップSP23において制御部2は、所望のスポーツ種目の中継番組において抽出した画像特徴量を、当該中継番組のスポーツ種目の名称を示す種目情報と共にハードディスクドライブ3に送出する。
【0268】
そして制御部2は、複数の画像特徴量を、種目情報と対応付けて特徴量データベースに登録するようにしてハードディスクドライブ3に記録することにより、当該特徴量データベースを構築して、次のステップSP24に移る。
【0269】
ステップSP24において制御部2は、データベース構築処理サブルーチンSRT1を終了する。このようにして制御部2は、データベース構築処理サブルーチンSRT1を終了すると、識別モデル再構築処理手順RT1のステップSP3に移る。
【0270】
ステップSP3において制御部2は、現在日時が精度確認日時に到達したか否かを判別する。このステップSP3において否定結果が得られると、このことは、所望のスポーツ種目に対する定期的な識別精度の確認時期ではないために、当該所望のスポーツ種目の識別精度は確認しないことを表している。制御部2は、ステップSP3において、かかる否定結果を得ると、ステップSP4に移る。
【0271】
ステップSP4において制御部2は、現在日時が再構築実行日時に到達したか否かを判別する。このステップSP4において否定結果が得られると、このことは、識別モデルに対する定期的な再構築の実行時期ではないため、識別モデルの再構築は実行しないことを表している。制御部2は、ステップSP4において、かかる否定結果を得ると、ステップSP2に戻る。
【0272】
よって制御部2は、この後、ステップSP3やステップSP4において肯定結果を得るまでの間は、ステップSP2乃至ステップSP4の処理を繰り返し実行する。
【0273】
これにより制御部2は、所望のスポーツ種目の中継番組を録画する毎に、当該中継番組の画像特徴量を種目情報と対応付けて特徴量データベースに登録するようにして、画像特徴量を蓄積する。
【0274】
ところでステップSP3において肯定結果が得られると、このことは、所望のスポーツ種目に対する定期的な識別精度の確認時期となったため、当該所望のスポーツ種目の識別精度を確認することを表している。制御部2は、ステップSP3において、かかる肯定結果を得ると、ステップSP5に移る。
【0275】
また上述のステップSP4において肯定結果が得られると、このことは、識別モデルに対する定期的な再構築の実行時期となったため、識別モデルの再構築を実行することを表している。制御部2は、ステップSP4において、かかる肯定結果を得ると、ステップSP8に移る。
【0276】
ステップSP5において制御部2は、現在の識別モデルを利用して、所望のスポーツ種目の中継番組において複数の抜出画像データから画像特徴量を抽出すると共に、当該抽出した画像特徴量をもとに当該中継番組のスポーツ種目を識別する。
【0277】
また制御部2は、同様に所望のスポーツ種目の他の複数の中継番組についてもスポーツ種目を順次識別して、次のステップSP6に移る。
【0278】
ステップSP6において制御部2は、複数の中継番組に対するスポーツ種目の識別結果をもとに、所望のスポーツ種目の識別正解率を算出して、次のステップSP7に移る。
【0279】
ステップSP7において制御部2は、その識別正解率をもとに、所望のスポーツ種目の識別精度が規定よりも低下しているか否かを判別する。
【0280】
このステップSP7において否定結果が得られると、このことは、例えば、所望のスポーツ種目の中継番組において試合撮影用のアングルが未だ変更されてはいないため、現在の識別モデルを利用しても、所望のスポーツ種目を正しく識別し得ることを表している。制御部2は、このステップSP7において、かかる否定結果を得ると、ステップSP2に戻る。
【0281】
またステップSP7において肯定結果が得られると、このことは、例えば、所望のスポーツ種目の中継番組において試合撮影用のアングルが変更され、現在の識別モデルを利用したのでは、所望のスポーツ種目を正しく識別し難い可能性があることを表している。制御部2は、このステップSP7において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP8に移る。
【0282】
ステップSP8において制御部2は、その時点までに構築した特徴量データベース内の画像特徴量と、対応する所望のスポーツ種目の名称とを利用して、新たな識別関数を生成することで、識別モデルを仮構築して、次のステップSP9に移る。
【0283】
ステップSP9において制御部2は、所望のスポーツ種目の中継番組において複数の抜出画像データから画像特徴量を抽出すると共に、仮構築した識別モデルを利用して、その画像特徴量を用いて当該中継番組のスポーツ種目を識別する。
【0284】
また制御部2は、同様に所望のスポーツ種目の他の複数の中継番組についてもスポーツ種目を順次識別して、次のステップSP10に移る。
【0285】
ステップSP10において制御部2は、仮構築した識別モデルを利用して複数の中継番組について識別したスポーツ種目の識別結果をもとに、所望のスポーツ種目の識別正解率を算出して、次のステップSP11に移る。
【0286】
ステップSP11において制御部2は、その識別正解率をもとに、所望のスポーツ種目の識別精度が規定以上であるか否かを判別する。
【0287】
このステップSP11において否定結果が得られると、このことは、例えば、試合撮影用のアングルの変更後よりも、当該アングルの変更前の画像特徴量をより多く用いて新たな識別関数を生成したため、その識別関数では、当該アングルの変更後の中継番組の所望のスポーツ種目を正しく識別し難い可能性があることを表している。制御部2は、このステップSP11において、かかる否定結果を得ると、ステップSP13に移る。
【0288】
またステップSP11において肯定結果が得られると、このことは、例えば、試合撮影用のアングルの変更前よりも、当該アングルの変更後の画像特徴量をより多く用いて新たな識別関数を生成したため、その識別関数を用いて、当該アングルの変更後の中継番組の所望のスポーツ種目を正しく識別し得ることを表している。制御部2は、このステップSP11において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP12に移る。
【0289】
ステップSP12において制御部2は、再構築前の識別モデルを仮構築した識別モデルに更新すことにより(すなわち、現在の識別モデルの識別関数を新たな識別関数に更新するすることで)、識別モデルを再構築して、次のステップSP13に移る。
【0290】
ステップSP13において制御部2は、画像特徴量を消去するようにして特徴量データベースを一旦初期化して、ステップSP2に戻ることにより、ステップSP2乃至ステップSP13の処理を繰り返し実行する。
【0291】
このようにして制御部2は、識別モデル再構築処理手順RT1を実行した場合、ステップSP1の処理を実行した後には、ステップSP2乃至ステップSP13の処理を繰り返し実行する。
【0292】
これにより制御部2は、例えば、所望のスポーツ種目の中継番組において試合を撮影するためのアングルが変更されても、アングルの変更後に蓄積していた画像特徴量を用いて、その変更を反映させるように識別モデルを再構築することができる。
【0293】
よって制御部2は、識別モデルを利用した所望のスポーツ種目の識別精度が低下すること低減させ得るようになされている。
【0294】
次いで、図14に示すフローチャートを用いて、ダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を選択的に再生するダイジェスト選択再生処理について説明する。
【0295】
制御部2は、例えば、ユーザによりリモコンRMを介してダイジェスト番組の再生が指示され、所望のスポーツ種目が指定されると、ハードディスクドライブ3に記憶しているダイジェスト選択再生プログラムに従って、図14に示すダイジェスト選択再生処理手順RT2を開始する。
【0296】
制御部2は、かかるダイジェスト選択再生処理手順RT2を開始すると、ステップSP31においてハードディスクドライブ3からダイジェスト番組データと、これに対応付けている種目別再生区間リストとを読み出して、次のステップSP32に移る。
【0297】
ステップSP32において制御部2は、デマルチプレクサ14においてダイジェスト番組データから映像データ及び音声データ(またテキストデータ)を分離させてAVデコーダ15に供給させる。
【0298】
また制御部2は、このとき種目別再生区間リストに含まれる複数の再生区間情報のうち、その並びの順番に従って1番目の再生区間情報の内容に基づき、当該再生区間情報が示す再生区間のスポーツ種目が所望のスポーツ種目であるか否かを判別する。
【0299】
このステップSP32において否定結果が得られると、このことは、ダイジェスト番組データにおいて注目した1つの再生区間が所望のスポーツ種目とは異なる他のスポーツ種目の再生区間であることを表している。制御部2は、このステップSP32において、かかる否定結果を得ると、ステップSP33に移る。
【0300】
そしてステップSP33において制御部2は、種目別再生区間リストにおいて内容確認用の再生区間情報を、複数の再生区間情報の並びの順番に従って次の再生区間情報に切り換えて、ステップSP32に戻る。
【0301】
このようにして制御部2は、この後、ステップSP32において肯定結果を得るまでの間は、ステップSP32及びステップSP33の処理を繰り返し実行する。
【0302】
これにより制御部2は、種目別再生区間リストに含まれる複数の再生区間情報の内容を、その並びの順番に従って順次確認するようにして、所望のスポーツ種目を示す再生区間の再生区間情報を検索する。
【0303】
そしてステップSP32において肯定結果が得られると、このことは、ダイジェスト番組データにおいて注目した1つの再生区間が所望のスポーツ種目の再生区間であることを表している。制御部2は、このステップSP32において、かかる肯定結果を得ると、次のステップSP34に移る。
【0304】
ステップSP34において制御部2は、検索した再生区間情報が示す再生開始位置及び再生終了位置をAVデコーダ15に通知する。
【0305】
よって制御部2は、AVデコーダ15においてダイジェスト番組データの映像データ及び音声データ(またテキストデータ)の再生開始位置から再生終了位置までの再生区間をもとに、再生区間映像信号及び再生区間音声信号(また再生区間テキスト信号)を生成して再生させる。
【0306】
これにより制御部2は、ディスプレイ17に再生区間映像信号に基づき、ダイジェスト番組内の所望のスポーツ種目のダイジェストの映像を表示させると共に、その表示に合せてスピーカ18から再生区間音声信号に基づき、当該ダイジェストの音声を出力させる。
【0307】
このようにして制御部2は、ユーザに対しダイジェスト番組において、所望のスポーツ種目のダイジェストのみを視聴させて、次のステップSP35に移り、ダイジェスト選択再生処理手順RT2を終了する。
【0308】
(1−2)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、番組録画装置1は、ユーザにより所望のスポーツ種目が指定されると、当該指定された所望のスポーツ種目の中継番組を順次録画すると共に、当該録画した中継番組の映像データに含まれる複数の抜出画像データから画像特徴量を抽出する。
【0309】
また番組録画装置1は、中継番組の複数の抜出画像データから抽出した画像特徴量を、当該中継番組のスポーツ種目の名称と対応付けて特徴量データベースに登録するようにして当該画像特徴量を構築する。
【0310】
さらに番組録画装置1は、現在日時が、識別モデルの再構築を実行する再構築実行日時に到達すると、特徴量データベースに対しその時点まで登録していた画像特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて新たな識別関数を生成するようにして識別モデルを再構築する。
【0311】
従って番組録画装置1は、例えば、所望のスポーツ種目の中継番組において試合を撮影するためのアングルが変更されても、当該アングルの変更された中継番組の複数の抜出画像データから抽出して蓄積していた画像特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて識別モデルを再構築することができる。
【0312】
よって番組録画装置1は、所望のスポーツ種目の中継番組におけるアングルの変更に伴い、ダイジェスト番組における所望のスポーツ種目のダイジェストを構成するシーンのアングルが変更されても、ダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と、当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分との識別精度が低下することを低減させることができる。
【0313】
以上の構成によれば、番組録画装置1は、所望のスポーツ種目の中継番組を順次録画して、当該中継番組の複数の画像データから画像特徴量を抽出し、その画像特徴量を所望のスポーツ種目の名称と対応付けて蓄積しておき、所定の時点に、それまで蓄積していた画像特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて新たな識別関数を生成するようにして識別モデルを再構築するようにした。これにより番組録画装置1は、所望のスポーツ種目の中継番組において試合を撮影するためのアングルが変更されても、当該アングルの変更された中継番組の複数の画像データから抽出して蓄積していた画像特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて識別モデルを再構築し、ダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と、当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分との識別精度が低下することを低減させることができる。よって番組録画装置1は、識別モデルを利用してダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と共に当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を精度良く識別することができる。
【0314】
また番組録画装置1は、識別モデルの再構築を実行する毎に、特徴量データベースを一旦初期化して、その時点までに蓄積していた画像特徴量を消去し、改めて所望の中継番組を録画しながら当該中継番組の画像特徴量を所望のスポーツ種目の名称と対応付けて蓄積するようにした。
【0315】
これにより番組録画装置1は、識別モデルの再構築を実行するときに、古い中継番組の画像特徴量を用いて、所望のスポーツ種目の識別精度が低い識別モデルを無駄に仮構築することなく、所望のスポーツ種目の識別精度にアングルの変更をより迅速に反映させ易い、最近放送された中継番組の画像特徴量を用いて識別モデルを仮構築することができる。
【0316】
そして番組録画装置1は、このような識別モデルの再構築を定期的に実行するようにした。従って番組録画装置1は、所望のスポーツ種目の識別精度が低い識別モデルを、そのまま長期にわたり利用し続けることを防止することができる。
【0317】
また番組録画装置1は、識別モデルの再構築の実行周期よりも短い周期で定期的に識別精度の確認も実行するようにした。従って番組録画装置1は、アングルの変更に伴い所望のスポーツ種目の識別精度が低下しても、その低下を極力早い時点に検出することができる。
【0318】
そして番組録画装置1は、このように所望のスポーツ種目の識別精度が低下したことを検出すると、引き続き識別モデルの再構築を実行するようにした。よって番組録画装置1は、識別モデルの再構築の実行時期前でも、所望のスポーツ種目の識別精度が低下したことを検出したときには、識別モデルを再構築して所望のスポーツ種目の識別精度を向上させることができる。
【0319】
さらに番組録画装置1は、再構築処理を実行して識別モデルを仮構築すると、当該仮構築した識別モデルを試験的に利用して、所望のスポーツ種目の複数の中継番組各々のスポーツ種目を識別すると共に、その所望のスポーツ種目の識別正解率を規定正解率と比較して当該識別正解率が規定正解率以上のときのみ(すなわち、識別精度が規定以上のときのみ)、再構築前の識別モデルを仮構築した識別モデルに更新して、かくして識別モデルを再構築するようにした。
【0320】
従って番組録画装置1は、再構築処理を実行した場合に、再構築前(すなわち、現在)の識別モデルによる所望のスポーツ種目の識別精度を低下させるように、識別モデルを再構築することを回避することができる。すなわち、番組録画装置1は、識別モデルの再構築により、所望のスポーツ種目の識別精度が低下することを防止することができる。
【0321】
特に番組録画装置1は、識別モデルによる所望のスポーツ種目の識別精度を確認し、その結果、当該識別精度が規定よりも低下しているために、再構築処理を実行して識別モデルを仮構築したときには、その仮構築した識別モデルを試験的に利用して所望のスポーツ種目を識別して求めた識別正解率を、規定正解率として、先の識別精度の確認の際に求めていた識別正解率と比較する。
【0322】
そして番組録画装置1は、識別正解率が規定正解率以上のときのみ、再構築前(すなわち、現在)の識別モデルを仮構築した識別モデルに更新して、かくして識別モデルを再構築するようにした。
【0323】
従って番組録画装置1は、仮構築した識別モデルを試験的に利用して所望のスポーツ種目を識別したときの識別正解率が、予め規定された規定正解率より低くても、再構築処理に先立って求めていた識別正解率よりも高いと、再構築前の識別モデルによる所望のスポーツ種目の識別精度よりも、再構築後の識別モデルによる所望のスポーツ種目の識別精度を向上させることができる。
【0324】
さらにまた番組録画装置1は、中継番組の映像データからコマーシャルメッセージ部分を削除したうえで画像特徴量を抽出して、識別モデルの再構築に用いるようにした。
【0325】
従って番組録画装置1は、所望のスポーツ種目の中継番組の映像データに含まれるコマーシャルメッセージ部分が識別関数の生成に影響して、所望のスポーツ種目の識別精度が低下することを未然に回避することができる。
【0326】
また番組録画装置1は、ダイジェスト番組についても映像データからコマーシャルメッセージ部分を削除したうえで画像特徴量を抽出して用いて、当該ダイジェスト番組データにおいて所望のスポーツ種目と共に、当該所望のスポーツ種目のダイジェスト部分を識別するようにした。
【0327】
よって番組録画装置1は、ダイジェスト番組データにおいて、所望のスポーツ種目の映像を使用して制作されたコマーシャルメッセージ部分を、所望のスポーツ種目のダイジェスト部分として誤って識別することを、確実に回避することができる。
【0328】
(2)他の実施の形態
(2−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、製造メーカにより番組録画装置1に対し予め識別モデルを構築した状態から、識別モデルを適宜再構築するようにした場合について述べた。
【0329】
しかしながら本発明は、これに限らず、図15に示すように、例えば、番組録画装置1に対し何ら識別モデルを構築してはおかずに、当該番組録画装置1が始めて起動したときに、ユーザに所望のスポーツ種目を指定させ、その指定された所望のスポーツ種目の中継番組を録画しながら画像特徴量を蓄積する。
【0330】
そして番組録画装置1は、所定期間が経過した時点、又はある程度の画像特徴量を蓄積したときに、その時点までに蓄積した画像特徴量を所望のスポーツ種目の名称と共に用いて識別関数を生成して識別モデルを構築するようにしても良い。
【0331】
また番組録画装置1は、このようにして識別モデルを構築した後には、上述した実施の形態と同様に、定期的に識別精度を確認し、また識別モデルの再構築を試みて、当該識別モデルを再構築するようにしても良い。
【0332】
(2−2)他の実施の形態2
また上述した実施の形態においては、識別モデルの再構築に、所望のスポーツ種目の中継番組の画像特徴量を用いるようにした場合について述べた。
【0333】
しかしながら本発明は、これに限らず、識別モデルの再構築に、中継番組の特徴量として画像特徴量と共に、音声データから抽出した音声特徴量、字幕(クローズドキャプション)のテキストデータ、番組情報から抽出した出演者の名前、中継番組に関する詳細情報、放送時間や放送局名等のように、この他種々の情報を特徴量として用いることができる。
【0334】
かかる構成の場合、番組録画装置1は、ダイジェスト番組を録画して所望のスポーツ種目を識別するときにも、当該ダイジェスト番組の画像特徴量と共に、音声データから抽出した音声特徴量、字幕(クローズドキャプション)のテキストデータ、番組情報から抽出した出演者の名前、中継番組に関する詳細情報、放送時間や放送局名等のように、この他種々の情報を特徴量として用いることができる。
【0335】
(2−3)他の実施の形態3
さらに上述した実施の形態においては、所望のスポーツ種目の中継番組を録画して識別モデルの再構築に利用するようにした場合について述べた。
【0336】
しかしながら本発明は、これに限らず、全てのスポーツ種目の中継番組を録画して識別モデルの再構築に利用するようにしても良い。
【0337】
かかる構成によれば、ユーザのスポーツ種目の好みが変化しても、その際にユーザに対し改めて所望のスポーツ種目を指定させて、中継番組を録画し直すことなく、ダイジェスト番組データにおいて、新たな所望のスポーツ種目と共に当該スポーツ種目のダイジェスト部分を識別することができる。
【0338】
(2−4)他の実施の形態4
さらに上述した実施の形態においては、定期的に識別精度を確認したうえで識別モデルの再構築を実行し、また定期的に識別モデルの再構築を実行するようにした場合について述べた。
【0339】
しかしながら本発明は、これに限らず、所定量の画像特徴量を蓄積したときや、ユーザにより識別モデルの再構築を実行するように要求されたときに、これ応じて識別モデルの再構築を実行するようにしても良い。
【0340】
ところで、所定量の画像特徴量を蓄積したときに、これ応じて識別モデルの再構築を実行するような構成によれば、蓄積している画像特徴量が少なすぎて、所望のスポーツ種目を規定以上の識別精度で識別可能な識別モデルをなかなか再構築し得なくなることを防止することができる。
【0341】
またユーザにより識別モデルの再構築を実行するように要求されたときに、これ応じて識別モデルの再構築を実行するような構成によれば、例えば、ユーザが中継番組を視聴してアングルの変更に築いたときに、識別モデルの再構築を実行することができ、アングルの変更に、より迅速に対応することができる。
【0342】
(2−5)他の実施の形態5
さらに上述した実施の形態においては、映像データから順次抜出画像データを抜き出し、当該抜き出した抜出画像データから抽出した画像特徴量を、特徴量データベースの構築や所望のスポーツ種目の識別に用いるようにした場合について述べた。
【0343】
しかしながら本発明は、これに限らず、映像データを構成する複数フレームの画像データのうち、所定間隔又は連続する所定枚数の画像データを合成して1フレーム分の画像データを生成し、当該生成した画像データから抽出した画像特徴量を、特徴量データベースの構築や所望のスポーツ種目の識別に用いるようにしても良い。
【0344】
また本発明は、映像データを構成する全ての画像データそれぞれから抽出した画像特徴量を、特徴量データベースの構築や所望のスポーツ種目の識別に用いるようにしても良い。そして本発明は、これらの構成によっても、上述した実施の形態と同様に効果を得ることができる。
【0345】
(2−6)他の実施の形態6
さらに上述した実施の形態においては、再構築処理を実行する毎に画像特徴量を消去するようにして特徴量データベースを一旦初期化するようにした場合について述べた。
【0346】
しかしながら本発明は、これに限らず、再構築処理を実行する毎に画像特徴量を消去して特徴量データベースを一旦初期化するのではなく、再構築処理を実行する毎に特徴量データベースをもとに現在に最も時点に登録した画像特徴量から順次過去に登録した所定数の画像特徴量を検索して識別関数の生成に用いるようにしても良い。
【0347】
(2−7)他の実施の形態7
さらに上述した実施の形態においては、再構築処理を実行したとき、所望のスポーツ種目の識別精度が規定より低いと、識別モデルの再構築を見送り、次の識別精度の確認時期や識別モデルの再構築時期を待ち受けるようにした場合について述べた。
【0348】
しかしながら本発明は、これに限らず、再構築処理を実行したとき、所望のスポーツ種目の識別精度が規定より低いと、識別モデルの再構築を一旦は見送るものの、次の識別精度の確認時期や識別モデルの再構築時期を待ち受けずに、例えば、識別モデルの再構築を一旦は見送った時点から新たに中継番組を録画するようにして画像特徴量を蓄積し直し、ある程度の画像特徴量を蓄積した時点又は蓄積開始から数日又は1週間のように所定日時に達した時点に、その画像特徴量を用いて、改めて再構築処理を実行するようにしても良い。
【0349】
かかる構成によれば、再構築処理を実行したとき、所望のスポーツ種目の識別精度が規定より低いために識別モデルの再構築を見送っても、極力早い時点に識別モデルを再構築して、所望のスポーツ種目に対する識別精度を向上させることができる。
【0350】
(2−8)他の実施の形態8
さらに上述した実施の形態においては、識別モデルの再構築にサポートベクターマシンを利用するようにした場合について述べた。
【0351】
しかしながら本発明は、これに限らず、ニューラルネットワークや隠れマルコムモデル等のように、この他種々のクラス分類手法を利用して識別モデルを構築及び再構築することができる。
【0352】
(2−9)他の実施の形態9
さらに上述した実施の形態においては、本発明による識別モデル再構築装置を、図1乃至図15について上述した番組録画装置1に適用するようにした場合について述べた。
【0353】
しかしながら本発明は、これに限らず、番組の録画機能を有するコンピュータ装置や携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance )、ゲーム機器等の情報処理装置、またネットワークに接続され、識別モデルを構築して、すでに識別モデルを構築している他の装置に提供することにより、当該他の装置において識別モデルを再構築するサーバ装置等のように、この他種々の構成の識別モデル再構築装置に広く適用することができる。
【0354】
(2−10)他の実施の形態10
さらに上述した実施の形態においては、本発明による識別モデル再構築プログラムを、図1乃至図15について上述した番組録画装置1のハードディスクドライブ3又は不揮発性メモリ4に予め記憶された識別モデル再構築プログラムに適用し、番組録画装置1の制御部2が、その識別モデル再構築プログラムに従って図12について上述した識別モデル再構築処理手順RT1を実行するようにした場合について述べた。
【0355】
しかしながら本発明は、これに限らず、番組録画装置1が識別モデル再構築プログラムの記録されたコンピュータ装置読取可能な記録媒体によって識別モデル再構築プログラムをインストールして、制御部2が、そのインストールした識別モデル再構築プログラムに従って図12について上述した識別モデル再構築処理手順RT1を実行するようにしても良い。
【0356】
さらに番組録画装置1では、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から識別モデル再構築プログラムをインストールするようにしても良い。
【0357】
そして識別モデル再構築プログラムを番組録画装置1にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ装置読取可能な記録媒体としては、例えばフレキシブルディスクのようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0358】
また識別モデル再構築プログラムを番組録画装置1にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ装置読取可能な記録媒体としては、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)のようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0359】
さらに識別モデル再構築プログラムを番組録画装置1にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ装置読取可能な記録媒体としては、DVD(Digital Versatile Disc)等のパッケージメディアで実現しても良い。
【0360】
さらに、かかるコンピュータ装置読取可能な記録媒体としては、パッケージメディアのみならず、各種プログラムが一時的もしくは永続的に記録される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。
【0361】
また、これらコンピュータ装置読取可能な記録媒体に識別モデル再構築プログラムを記録する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用しても良い。
【0362】
さらにコンピュータ装置読取可能な記録媒体に識別モデル再構築プログラムを記録する手段としては、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを介して記録するようにしても良い。
【0363】
(2−11)他の実施の形態11
さらに上述した実施の形態においては、スポーツ種目の試合を中継する中継番組の中継番組データを記録する記録部として、図1乃至図15について上述したハードディスクドライブ3を適用するようにした場合について述べた。
【0364】
しかしながら本発明は、これに限らず、半導体メモリや、光ディスクドライブ等ように、この他種々の構成の記録部を広く適用することができる。
【0365】
(2−12)他の実施の形態12
さらに上述した実施の形態においては、記録部に記録された中継番組データから特徴量を抽出する特徴量抽出部として、図1乃至図15について上述した制御部2を適用するようにした場合について述べた。
【0366】
しかしながら本発明は、これに限らず、CPU(Central Processing Unit)や、記録部に記録された中継番組データから特徴量を抽出するハードウェア回路構成の特徴量抽出回路等のように、この他種々の構成の特徴量抽出部を広く適用することができる。
【0367】
(2−13)他の実施の形態13
さらに上述した実施の形態においては、特徴量抽出部によって中継番組データから抽出された特徴量を蓄積する蓄積部として、図1乃至図15について上述したハードディスクドライブ3を適用するようにした場合について述べた。
【0368】
しかしながら本発明は、これに限らず、半導体メモリや、光ディスクドライブ等ように、この他種々の構成の記録部を広く適用することができる。
【0369】
(2−14)他の実施の形態14
さらに上述した実施の形態においては、蓄積部に蓄積された特徴量を、対応するスポーツ種目の名称と共に用いて、複数のスポーツ種目のダイジェストを順番に放送するダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に、当該スポーツ種目のダイジェストのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築するモデル再構築部として、図1乃至図15について上述した制御部2を適用するようにした場合について述べた。
【0370】
しかしながら本発明は、これに限らず、CPUや、蓄積部に蓄積された特徴量を、対応するスポーツ種目の名称と共に用いて、複数のスポーツ種目のダイジェストを順番に放送するダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいてスポーツ種目と共に、当該スポーツ種目のダイジェストのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築するハードウェア回路構成のモデル再構築回路等のように、この他種々の構成のモデル再構築部を広く適用することができる。
【0371】
(2−15)他の実施の形態15
さらに上述した実施の形態においては、識別モデルを利用して、当該識別モデルの再構築には用いない中継番組の特徴量を用いて当該中継番組のスポーツ種目を識別する種目識別部として、図1乃至図15について上述した制御部2を適用するようにした場合について述べた。
【0372】
しかしながら本発明は、これに限らず、CPUや、識別モデルを利用して、当該識別モデルの再構築には用いない中継番組の特徴量を用いて当該中継番組のスポーツ種目を識別するハードウェア回路構成の種目識別回路等のように、この他種々の構成の種目識別部を広く適用することができる。
【0373】
(2−16)他の実施の形態16
さらに上述した実施の形態においては、種目識別部により複数の中継番組について識別されたスポーツ種目の識別正解率を検出する正解率検出部として、図1乃至図15について上述した制御部2を適用するようにした場合について述べた。
【0374】
しかしながら本発明は、これに限らず、CPUや、種目識別部により複数の中継番組について識別されたスポーツ種目の識別正解率を検出するハードウェア回路構成の正解率検出回路等のように、この他種々の構成の正解率検出部を広く適用することができる。
【0375】
(2−17)他の実施の形態17
さらに上述した実施の形態においては、モデル再構築部により識別モデルが再構築されると、当該再構築の時点までに蓄積部に蓄積されていた特徴量を消去して当該蓄積部を一旦初期化する初期化部として、図1乃至図15について上述した制御部2を適用するようにした場合について述べた。
【0376】
しかしながら本発明は、これに限らず、CPUや、モデル再構築部により識別モデルが再構築されると、当該再構築の時点までに蓄積部に蓄積されていた特徴量を消去して当該蓄積部を一旦初期化するハードウェア回路構成の初期化回路等のように、この他種々の構成の初期化部を広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0377】
本発明は、中継番組を録画可能な番組録画装置やコンピュータ装置、携帯再生機器等の識別モデル再構築装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0378】
【図1】本発明による番組録画装置の回路構成の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】ダイジェスト番組の構成を示す略線図である。
【図3】ダイジェスト番組のダイジェストに対するスポーツ種目の識別の説明に供する略線図である。
【図4】ショット部分の検出の説明に供する略線図である。
【図5】画像単位及びショット単位のスポーツ種目の識別の説明に供する略線図である。
【図6】再生区間情報の生成の説明に供する略線図である。
【図7】特徴量データベースの構築の説明に供する略線図である。
【図8】所望のスポーツ種目に対する識別精度の確認の説明に供する略線図である。
【図9】識別モデルの再構築の説明に供する略線図である。
【図10】再構築後の識別モデルを利用した画像単位及びショット単位のスポーツ種目の識別の説明に供する略線図である。
【図11】再構築後の識別モデルを利用したダイジェスト番組のダイジェストに対するスポーツ種目の識別の説明に供する略線図である。
【図12】識別モデル再構築処理手順を示すフローチャートである。
【図13】データベース構築処理サブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】ダイジェスト選択再生処理手順を示すフローチャートである。
【図15】他の実施の形態による識別モデルの再構築の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
【0379】
1……番組録画装置、2……制御部、3……ハードディスクドライブ、4……不揮発性メモリ、RT1……識別モデル再構築処理手順、SRT1……データベース構築処理サブルーチン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ種目の試合を中継する中継番組の中継番組データを記録する記録部と、
上記記録部に記録された上記中継番組データから特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
上記特徴量抽出部によって上記中継番組データから抽出された上記特徴量を蓄積する蓄積部と、
上記蓄積部に蓄積された上記特徴量を、対応する上記スポーツ種目の名称と共に用いて、複数のスポーツ種目のダイジェストを順番に放送するダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいて上記スポーツ種目と共に、当該スポーツ種目の上記ダイジェストのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築するモデル再構築部と
を具える識別モデル再構築装置。
【請求項2】
上記識別モデルを利用して、当該識別モデルの再構築には用いない上記中継番組の上記特徴量を用いて当該中継番組の上記スポーツ種目を識別する種目識別部と、
上記種目識別部により複数の上記中継番組について識別された上記スポーツ種目の識別正解率を検出する正解率検出部と
を具え、
上記モデル再構築部は、
上記蓄積部に蓄積された上記特徴量を、対応する上記スポーツ種目の名称と共に用いて上記識別モデルを仮構築し、上記種目識別部により、上記仮構築した識別モデルが利用されて複数の上記中継番組の上記スポーツ種目が識別されて、上記正解率検出部により、上記仮構築の識別モデルで識別された複数の上記中継番組の上記スポーツ種目について検出された上記識別正解率が規定正解率以上であると、再構築前の識別モデルを上記仮構築した識別モデルに更新することにより上記識別モデルを再構築する
請求項1に記載の識別モデル再構築装置。
【請求項3】
上記種目識別部は、
上記再構築前の識別モデルを利用して、当該識別モデルの再構築には用いない上記中継番組の上記特徴量を用いて当該中継番組の上記スポーツ種目を識別し、
上記正解率検出部は、
上記種目識別部により、上記再構築前の識別モデルが利用されて複数の上記中継番組について識別された上記スポーツ種目の上記識別正解率を検出し、
上記モデル再構築部は、
上記正解率検出部によって検出された上記識別正解率が上記規定正解率よりも低いと、上記蓄積部に蓄積された上記特徴量を、対応する上記スポーツ種目の名称と共に用いて上記識別モデルを仮構築する
請求項2に記載の識別モデル再構築装置。
【請求項4】
上記モデル再構築部は、
上記正解率検出部により、上記仮構築の識別モデルで識別された複数の上記中継番組の上記スポーツ種目について検出された上記識別正解率が、上記規定正解率として、上記再構築前の識別モデルで識別された複数の上記中継番組の上記スポーツ種目について検出された上記識別正解率以上であると、再構築前の識別モデルを上記仮構築した識別モデルに更新することにより上記識別モデルを再構築する
請求項3に記載の識別モデル再構築装置。
【請求項5】
上記モデル再構築部は、
定期的に、上記蓄積部に蓄積された上記特徴量を、対応する上記スポーツ種目の名称と共に用いて上記識別モデルを仮構築する
請求項4に記載の識別モデル再構築装置。
【請求項6】
上記種目識別部は、
上記モデル再構築部により定期的に上記識別モデルが仮構築される周期よりも短い周期で定期的に、上記再構築前の識別モデルを利用して、当該識別モデルの再構築には用いない複数の上記中継番組の上記特徴量を用いて当該中継番組の上記スポーツ種目を識別する
請求項5に記載の識別モデル再構築装置。
【請求項7】
上記モデル再構築部により上記識別モデルが再構築されると、当該再構築の時点までに上記蓄積部に蓄積されていた上記特徴量を消去して当該蓄積部を一旦初期化する初期化部
を具える請求項6に記載の識別モデル再構築装置。
【請求項8】
スポーツ種目の試合を中継する中継番組の中継番組データを記録すると共に、当該記録した上記中継番組データから特徴量を抽出し、当該中継番組データから抽出した上記特徴量を蓄積する蓄積ステップと、
上記蓄積した上記特徴量を、対応する上記スポーツ種目の名称と共に用いて、複数のスポーツ種目のダイジェストを順番に放送するダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいて上記スポーツ種目と共に、当該スポーツ種目の上記ダイジェストのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築するモデル再構築ステップと
を具える識別モデル再構築方法。
【請求項9】
コンピュータ装置に、
スポーツ種目の試合を中継する中継番組の中継番組データを記録すると共に、当該記録した上記中継番組データから特徴量を抽出し、当該中継番組データから抽出した上記特徴量を蓄積する蓄積ステップと、
上記蓄積した上記特徴量を、対応する上記スポーツ種目の名称と共に用いて、複数のスポーツ種目のダイジェストを順番に放送するダイジェスト番組のダイジェスト番組データにおいて上記スポーツ種目と共に、当該スポーツ種目の上記ダイジェストのダイジェスト部分を識別するための識別モデルを再構築するモデル再構築ステップと
を実行させるための識別モデル再構築プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−28651(P2010−28651A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189890(P2008−189890)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】