説明

警備システム及び警備方法

【課題】無警備状態となる期間を短縮することが可能な警備システム及び警備方法を提供することを目的としている。
【解決手段】警備装置と、前記警備装置と接続された監視サーバとを含む警備システムであって、前記警備装置は、前記警備装置と前記監視サーバとを接続する通信回線の近傍に設けられた人体感知手段と接続されており、前記通信回線が断線しているか否かを監視するための断線監視信号を所定間隔で前記監視サーバへ送信する通信制御手段と、前記人体感知手段からの信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した信号に基づき、前記断線監視信号を送信する前記所定間隔を変更する間隔変更手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
警備装置と、前記警備装置と接続された監視サーバとを含む警備システム及び警備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特定の警備対象領域を警備する警備装置と、この警備装置を管理する監視サーバとから成る警備システムがある。このような警備システムの通信回線には、例えば一般電話回線やISDN(Integrated Services Digital Network)回線、無線パケット通信回線等の従量課金型の通信回線が用いられる。
【0003】
ところで、警備システムでは、警備装置から発信される火災警報や非常信号、侵入警報等の警備信号を確実に監視サーバへ送り届ける必要があり、通信回線に非常に高い信頼性が要求される。しかしながら、例えば屋外に配線された通信回線等は、人や小動物等により誤って遮断される場合がある。
【0004】
そこで従来の警備システムでは、通信回線が断線していないか否かを監視するために、警備装置から監視サーバへ一定間隔で断線監視信号を送信している。監視サーバは、この断線監視信号を一定間隔で受信している場合に、通信回線が通信可能であると判断する(特許文献1)。従量課金型の通信回線を用いた警備システムでは、このように一定間隔毎に断線監視信号を送信することで、断線監視信号の送信に係る通信費用を削減しつつ通信回線の状態を判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−136357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の警備システムにおいて例えば断線監視信号が3時間毎に送信される場合、最後の断線監視信号が送信された直後に通信回線が断線したときには、最大3時間の間通信不能の状態に陥っていることを検知できず、無警備状態になるという問題があった。
【0007】
本発明では、上記問題を解決すべくなされたものであり、無警備状態となる期間を短縮することが可能な警備システム及び警備方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
【0009】
本発明は、警備装置と、前記警備装置と接続された監視サーバとを含む警備システムであって、前記警備装置は、前記警備装置と前記監視サーバとを接続する通信回線の近傍に設けられた人体感知手段と接続されており、前記通信回線が断線しているか否かを監視するための断線監視信号を所定間隔で前記監視サーバへ送信する通信制御手段と、前記人体感知手段からの信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信した信号に基づき、前記断線監視信号を送信する前記所定間隔を変更する間隔変更手段と、を有する。
【0010】
また本発明の警備システムは、前記人体感知手段が前記警備装置による警備対象領域外に配置されているか否かを判断する領域判別手段を有し、前記間隔変更手段は、前記人体感知手段が前記警備対象領域外に配置されていた場合において前記受信手段が前記人体感知手段から前記信号を受信したとき、前記所定間隔を変更する。
【0011】
また本発明の警備システムにおいて、前記間隔変更手段は、前記受信手段が前記人体感知手段から前記信号を受信した後の前記所定間隔を短くする。
【0012】
また本発明の警備システムにおいて、前記間隔変更手段は、前記所定間隔を短くした後に、前記受信手段が前記人体感知手段から所定時間前記信号を受信しない場合、前記所定間隔を変更前の間隔へ戻す。
【0013】
また本発明の警備システムにおいて、前記警備装置は、前記間隔変更手段により前記所定間隔が変更された後に送信される前記断線監視信号に、変更後の前記所定間隔を示す情報を付加する信号生成手段を有する。
【0014】
本発明は、警備装置と、前記警備装置と接続された監視サーバとを含む警備システムによる警備方法であって、前記警備装置は、前記警備装置と前記監視サーバとを接続する通信回線の近傍に設けられた人体感知手段と接続されており、通信制御手段による、前記通信回線が断線しているか否かを監視するための断線監視信号を所定間隔で前記監視サーバへ送信する通信制御手順と、受信手段による、前記人体感知手段からの信号を受信する受信手順と、間隔変更手段による、前記受信手順において受信した前記信号に基づき、前記断線監視信号を送信する前記所定間隔を変更する間隔変更手順と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、断線監視を行っている警備用の通信回線において、当該通信回線が何らかの理由により切断された場合であっても、無警備状態となる期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態の警備システムのシステム構成を説明する図である。
【図2】本実施形態の警備装置のハードウェア構成を説明するための図である。
【図3】本実施形態の監視サーバのハードウェア構成を説明するための図である。
【図4】警備システムを構成する警備装置と監視サーバの機能構成を説明する図である。
【図5】断線監視信号の送信間隔について説明する図である。
【図6】信号生成部による信号の生成を説明する図である。
【図7】本実施形態の警備システムのフローチャートである。
【図8】人体感知センサは警備対象領域である屋内エリアに設けられた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の警備システムのシステム構成を説明する図である。
【0018】
本実施形態の警備システム100は、警備装置200と監視サーバ300とが通信回線により接続されて構成されている。通信回線とは、例えば電話回線やISDN回線等である。また警備装置200は、無線通信回線201を有し、無線パケット通信を行っても良い。
【0019】
本実施形態の警備システム100では、警備装置200が予め決められた警備対象領域の警備を行う。本実施形態の警備システム100では、警備装置200による警備対象領域として屋内エリアが指定されており、非警備対象領域として屋外エリアが指定されている。
【0020】
本実施形態の警備装置200には、警備対象領域に設けられたセンサ202が接続されており、警備装置200は、センサ202が異常を検知すると、監視サーバ300へ警報を送信する。センサ202は、例えば火災報知器、侵入者センサ、ガス漏れ報知器等である。監視サーバ300において警報が受信されると、監視サーバ300を管理している管制員等が警報に応じた対応を行う。
【0021】
また本実施形態の警備装置200は、警備対象領域外に設けられた人体感知センサ203とも接続されている。人体感知センサ203は、通信回線の近傍に設けられていることが好ましい。
【0022】
本実施形態の警備装置200は、人体感知センサ203により人体が感知されると、通信回線が断線していないか否かを判断するための断線監視信号を監視サーバ300へ送信するタイミングを変更する。より具体的には警備装置200は、警備対象領域外の人体感知センサ203により人体を感知すると、この人体により通信回線が遮断される虞があるものとみなし断線監視信号を監視サーバ300へ送信する間隔を短くする。
【0023】
図2は、本実施形態の警備装置のハードウェア構成を説明するための図である。本実施形態の警備装置200は、入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26、インターフェイス装置27、センサ受信装置28がバスB1を介して接続されている。
【0024】
入力装置21は、例えば警備装置200を操作するために用いられる。出力装置22は、例えば警告音を出力する音声出力手段や、警告メッセージを表示させる表示手段等である。ドライブ装置23は、記録媒体29に記録されたプログラムを補助記憶装置24へドライブする。
【0025】
補助記憶装置24は、インストールされた警備プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、警備装置200の起動時に補助記憶装置24から警備プログラムを読み出して格納する。演算処理装置26は、警備装置200の全体の処理を制御する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納された警備プログラムに従って、後述するような各種処理を実現する。
【0026】
インターフェイス装置27は、モデム、LANカードなどで構成されており、警備装置200を監視サーバ300と接続する為に用いられる。センサ受信装置28は、警備装置200に設けられたセンサ202や人体感知センサ203からの信号を受信する。またセンサ受信装置28は、警備装置200に接続された監視カメラが撮像した画像を受信する。
【0027】
本発明の警備プログラムは、警備装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。警備プログラムは例えば記録媒体29の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。警備プログラムを記録した記録媒体29は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0028】
また、警備プログラムを記録した記録媒体29がドライバ装置23にセットされると、警備プログラムは記録媒体29からドライバ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた警備プログラムは、インターフェイス装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0029】
図3は、本実施形態の監視サーバのハードウェア構成を説明するための図である。本実施形態の監視サーバ400は、入力装置31、出力装置32、ドライブ装置33、補助記憶装置34、メモリ装置35、演算処理装置36、インターフェイス装置37がバスB2を介して接続されている。
【0030】
入力装置31はキーボードやマウスなどで構成され、各種信号を入力するために用いられる。出力装置32はディスプレイ装置などで構成され、各種ウインドウやデータ等を表示するために用いられる。ドライブ装置33は、記録媒体38に記録されたプログラムを補助記憶装置34へドライブする。
【0031】
補助記憶装置34は、インストールされた監視プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置35は、監視サーバ300の起動時に補助記憶装置35から監視プログラムを読み出して格納する。演算処理装置36は、監視サーバ300の全体の処理を制御する。そして、演算処理装置36はメモリ装置35に格納された監視プログラムに従って、後述するような各種処理を実現する。
【0032】
インターフェイス装置37は、モデム、LANカードなどで構成されており、監視サーバ300を警備装置200と接続する為に用いられる。
【0033】
本発明の監視プログラムは、監視サーバ300を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。監視プログラムは例えば記録媒体38の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。監視プログラムを記録した記録媒体38は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。
【0034】
また、監視プログラムを記録した記録媒体38がドライバ装置33にセットされると、監視プログラムは記録媒体38からドライバ装置33を介して補助記憶装置34にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた監視プログラムは、インターフェイス装置37を介して補助記憶装置34にインストールされる。補助記憶装置34は、インストールされた監視プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。
【0035】
以下に、図4を参照して本実施形態の警備システム100を構成する装置の機能について説明する。図4は、警備システムを構成する警備装置と監視サーバの機能構成を説明する図である。
【0036】
本実施形態の警備装置200は、領域判別部210、センサ受信部220、警備状態判断部230、間隔変更部240、信号生成部250、通信制御部260を有する。
【0037】
領域判別部210は、警備装置200と接続されたセンサ202と、人体感知センサ203とが、警備対象領域内にあるか否かを判別する。本実施形態の警備装置200と接続されたセンサ202と人体感知センサ203には、それぞれにIPアドレスが付与されている。また本実施形態の警備装置200では、例えば補助記憶装置24内に、警備対象領域内に設置されたセンサの一覧が格納されている。本実施形態の領域判別部210は、このセンサの一覧と各センサのIPアドレスとに基づき、センサ202と人体感知センサ203とが警備対象領域内にあるか否かを判別する
センサ受信部220は、センサ202、人体感知センサ203からの信号を受信する。警備状態判断部230は、警備装置200が警備状態であるか否かを判断する。本実施形態の警備状態には、警備解除状態及び警備セット状態の2つの状態がある。
【0038】
警備解除状態とは、警備装置200がオフされており警備対象領域内の警備を行っていない状態である。警備解除状態において警備装置200は、センサ202、人体感知センサ203からのセンサ入力を受信しても警報等を発信しない。
【0039】
警備セット状態とは、警備装置200が警備対象領域内の警備を行っている状態である。警備セット状態において警備装置200は、例えばセンサ202からのセンサ入力を受信すると、監視サーバ300へ警報を発信する。
【0040】
尚本実施形態の警備装置200は、警備解除状態及び警備セット状態の何れの状態においても、所定の送信間隔毎に断線監視信号を監視サーバ300へ送信する。本実施形態における断線監視信号とは、警備装置200と監視サーバ300との通信回線が遮断されていないことを確認するために、警備装置200から監視サーバ300へ一定間隔で送信される信号である。
【0041】
間隔変更部240は、警備装置200に接続された人体感知センサ203により人体の接近が感知されると、断線監視信号の送信間隔を変更する。間隔変更部240による断線監視信号の送信間隔を変更の詳細は後述する。
【0042】
信号生成部250は、センサ受信部220が人体感知センサ203からの人体検知信号を受信した後に送信される断線監視信号に付加情報を付加する。信号生成部250の詳細は後述する。
【0043】
通信制御部260は、断線監視信号の送信等、警備装置200と監視サーバ300との通信を制御する。
【0044】
監視サーバ300は、データベース310、信号受信部320、判断間隔変更部330、状態判断部340を有する。
【0045】
本実施形態のデータベース310は、例えば監視サーバ300の補助記憶装置34内に設けられており、状態判断間隔311が格納されている。状態判断間隔311は、状態判断部340による通信回線の状態の判断に用いられる。
【0046】
状態判断部340は、断線監視信号の受信間隔に基づき、通信回線の死活を判断する。より具体的には状態判断部340は、断線監視信号の受信間隔が状態判断間隔311と同様であれば、通信回線及び警備対象領域内を異常なしと判断する。また状態判断部340は、断線監視信号の受信間隔が状態判断間隔311より長くなった場合、通信回線に断線が発生したと判断する。さらに状態判断部340は、断線監視信号の受信間隔が状態判断間隔311より短くなった場合、警備対象領域内になんらかの異変(異常)が発生したと判断しても良い。
【0047】
以下に、本実施形態の間隔変更部240による断線監視信号の送信間隔の変更について説明する。本実施形態の間隔変更部240は、警備状態や時間帯等に応じて送信間隔を変更することもできる。
【0048】
本実施形態の間隔変更部240は、例えばセンサ受信部220が人体感知センサ203からの人体感知信号を受信した場合、単純に断線監視信号の送信間隔を短くする。例えばセンサ受信部220による人体感知信号の受信前の送信間隔が3時間であった場合、人体感知信号を受信した後に始めに送信される断線監視信号からは、送信間隔を1時間に変更する。
【0049】
また本実施形態の間隔変更部240は、例えばセンサ受信部220が人体感知センサ203からの人体感知信号を受信した時、通信制御部260により断線監視信号を監視サーバ300へ送信する。そして間隔変更部240は、人体感知信号の受信時に断線監視信号を送信してから、次の断線監視信号を送信するまでの送信間隔を短くしても良い。
【0050】
さらに本実施形態の間隔変更部240は、断線監視信号の送信間隔を短くしてから所定時間の間センサ受信部220が人体感知信号を受信しない場合、送信間隔を再度元の間隔へ戻しても良い。
【0051】
図5は、断線監視信号の送信間隔について説明する図である。図5(A)は断線監視信号の送信間隔の例を示す図であり、図5(B)は断線監視信号の送信間隔を元に戻すまでの時間の例を示す図である。
【0052】
図5(A)の例では、昼間の警備解除状態における断線監視信号の送信間隔は3時間であり、夜間の警備解除状態における断線監視信号の送信間隔は1時間である。また昼間の警備セット状態における断線監視信号の送信間隔は30分であり、夜間の警備セット状態における断線監視信号の送信間隔は15分である。
【0053】
本実施形態の間隔変更部240は、このように時間帯や警備状態に応じて断線監視信号の送信間隔を変更することができる。尚断線監視信号の送信間隔は、警備装置200において予め設定されていることが好ましい。
【0054】
図5(B)の例は、センサ受信部220の人体検知信号の受信により断線監視信号の送信間隔を短くした後に、再度断線監視信号の送信間隔を元に戻すまでの時間を示している。
【0055】
例えば図5(A)に示す昼間の警備解除状態において、センサ受信部220が人体検知信号を受信し、断線監視信号の送信間隔を3時間よりも短くしたとする。本実施形態の間隔変更部240は、警備解除状態において、断線監視信号の送信間隔を短くしてから30分間センサ受信部220が人体検知信号を受信しなければ、再度断線監視信号の送信間隔を3時間に戻す。
【0056】
また例えば夜間の警備セット状態においてセンサ受信部220が人体検知信号を受信し、間隔変更部240が断線監視信号の送信間隔を15分よりも短くしたとする。本実施形態の間隔変更部240は、警備セット状態において、断線監視信号の送信間隔を短くしてから1時間センサ受信部220が人体検知信号を受信しなければ、断線監視信号の送信間隔を15分に戻す。図5(B)に示す時間も、警備装置200において予め設定されていることが好ましい。
【0057】
このように、本実施形態の間隔変更部240は、警備状態や時間帯に応じて断線監視信号の送信間隔を変更することができる。
【0058】
次に、図6を参照して本実施形態の信号生成部250による信号の生成について説明する。図6は、信号生成部による信号の生成を説明する図である。図6(A)は通常時の断線監視信号の例を示し、図6(B)は付加情報が付与された断線監視信号の例を示す。
【0059】
図6(A)に示す断線監視信号61は、警備装置200から監視サーバ300へ信号を送信することが可能か否かを確認するための確認用信号であり、通常時の断線監視信号である。監視サーバ300において状態判断部340は、信号受信部320によりこの断線監視信号61が状態判断間隔311と同様の間隔で受信された場合、通信回線による通信が可能と判断する。
【0060】
図6(B)に示す断線監視信号61Aは、図6(A)の断線監視信号61に信号生成部250により付加情報62が付加されており、人体感知後の断線監視信号である。
【0061】
本実施形態では、センサ受信部220が人体感知信号を受信すると、信号生成部250は、人体検知信号と、間隔変更部240により変更された送信間隔の値を示す間隔値信号とを確認用信号へ付加し、断線監視信号61Aとする。
【0062】
通信制御部260は、センサ受信部220による人体感知信号の受信により間隔変更部240で断線監視信号の送信間隔が変更された後は、付加情報62が付与された断線監視信号61Aを監視サーバ300へ送信する。
【0063】
監視サーバ300では、信号受信部320が付加情報付きの断線監視信号61Aを受信すると、判断間隔変更部330がデータベース310の状態判断間隔311の値を付加情報62に含まれる間隔値信号に基づき変更する。本実施形態の監視サーバ300では、この処理により、断線監視信号の送信間隔の変更後も、変更後の間隔にしたがって状態判断を行うことができる。
【0064】
以下に図7を参照して本実施形態の警備システム100の動作を説明する。図7は、本実施形態の警備システムのフローチャートである。
【0065】
本実施形態の警備システム100において、警備装置200のセンサ受信部220が人体感知センサ203から人体感知信号を受信すると(ステップS701)、領域判別部210は、人体感知信号を発した人体感知センサ203が警備対象領域外に配置されているか否かを判断する(ステップS702)。
【0066】
ステップS702において警備対象領域外であった場合、間隔変更部240は、断線監視信号の送信間隔を設計された変更間隔に変更する(ステップS703)。続いて信号生成部250は、通常時の断線監視信号に人体検知信号と間隔値信号とを付与した人体感知後の断線監視信号を生成する(ステップS704)。続いて通信制御部260は、人体感知後の付加情報62が付与された断線監視信号61Aを監視サーバ300へ送信する(ステップS705)。
【0067】
監視サーバ300は、信号受信部320により、人体感知後の断線監視信号を受信すると(ステップS706)、判断間隔変更部330は受信した断線監視信号61Aに含まれる付加情報62から、変更後の送信間隔(受信間隔)の値を取得し、データベース310の状態判断間隔311に上書きして変更する(ステップS707)。
【0068】
続いて監視サーバ300の状態判断部340、変更後の状態判断間隔311と同様の間隔で断線監視信号を受信した場合(ステップS708)、通信回線に異常なしと判断する(ステップS709)。ステップS708において変更後の状態判断間隔311と異なる間隔で断線監視信号を受信した場合、状態判断部340は、警備対象領域内に異変が発生したものと判断する(ステップS710)。尚状態判断部340は、状態判断間隔311より短い間隔で断線監視信号を受信した場合は、警備対象領域内の異変と判断し、状態判断間隔311を過ぎても断線監視信号を受信しない場合、通信回線の断線と判断する。
【0069】
尚図7では、警備装置200が人体感知信号を受信した後に付加情報を付与した断線監視信号61Aを生成してから監視サーバ300へ送信するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば警備装置200が人体感知信号を受信した直後に、通常状態の断線監視信号61を監視サーバ300へ送信し、その次に送信する断線監視信号に付加情報を付与しても良い。
【0070】
また図7では示していないが、送信間隔の変更後、所定時間人体感知信号を受信しなかった場合、間隔変更部240は送信間隔を元の通常時の間隔に変更する。この際、信号生成部250は、確認用信号に通常時の送信間隔の値を示す間隔値信号を付加した断線監視信号を生成し、監視サーバ300へ送信しても良い。
【0071】
監視サーバ300では、この断線監視信号を受信すると、判断間隔変更部330がデータベース310の状態判断間隔311を元の送信間隔へ上書きして変更する。
【0072】
以上に説明したように、本実施形態の警備システム100によれば、断線監視信号の送信間隔を変更することにより、警備状態や時間帯に応じた通信回線の状態監視を行うことができる。
【0073】
また本実施形態では、警備対象領域外に設けられた人体感知センサ203により人体感知信号を受信した場合に、断線監視信号の送信間隔を短くすることで、万が一通信回線が断線した場合に無警備状態となる期間を短縮することができる。
【0074】
さらに本実施形態では、一度断線監視信号の送信間隔を短くした後に、所定時間人体感知信号を受信しない場合は、再度送信間隔を通常時の間隔に戻す。したがって本実施形態では、監視サーバ300に警備装置200からの断線監視信号が集中して送信されることを回避でき、監視サーバ300の受信回線の混雑の緩和に貢献することができる。さらに断線監視信号の送信に係る通信費用を削減することができる。
【0075】
また本実施形態では、人体感知センサ203が警備対象領域外の屋外エリアに設置された例を説明したが、これに限定されない。本実施形態では、例えば図8に示す警備システム100Aのように、人体感知センサ203は警備対象領域である屋内エリアに設けられていても良い。図8は、人体感知センサは警備対象領域である屋内エリアに設けられた例を示す図である。この場合も本実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また本実施形態では、警備装置200と監視サーバ300との間の通信回線は、従量課金型として説明したが、この通信回線は常時接続の回線であっても良い。
【0077】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0078】
100 警備システム
200 警備装置
201 無線通信回線
202 センサ
203 人体感知センサ
210 領域判別部
220 センサ受信部
230 警備状態判断部
240 間隔変更部
250 信号生成部
260 通信制御部
300 監視サーバ
310 データベース
320 信号受信部
330 判断間隔変更部
340 状態判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備装置と、前記警備装置と接続された監視サーバとを含む警備システムであって、
前記警備装置は、
前記警備装置と前記監視サーバとを接続する通信回線の近傍に設けられた人体感知手段と接続されており、
前記通信回線が断線しているか否かを監視するための断線監視信号を所定間隔で前記監視サーバへ送信する通信制御手段と、
前記人体感知手段からの信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記信号に基づき、前記断線監視信号を送信する前記所定間隔を変更する間隔変更手段と、を有する警備システム。
【請求項2】
前記警備装置は、
前記人体感知手段が前記警備装置による警備対象領域外に配置されているか否かを判断する領域判別手段を有し、
前記間隔変更手段は、
前記人体感知手段が前記警備対象領域外に配置されていた場合において前記受信手段が前記人体感知手段から前記信号を受信したとき、前記所定間隔を変更する請求項1記載の警備システム。
【請求項3】
前記間隔変更手段は、
前記受信手段が前記人体感知手段から前記信号を受信した後の前記所定間隔を短くする請求項1又は2記載の警備システム。
【請求項4】
前記間隔変更手段は、
前記所定間隔を短くした後に、前記受信手段が前記人体感知手段から所定時間前記信号を受信しない場合、前記所定間隔を変更前の間隔へ戻す請求項1ないし3の何れか一項に記載の警備システム。
【請求項5】
前記間隔変更手段により前記所定間隔が変更された後に送信される前記断線監視信号に、変更後の前記所定間隔を示す情報を付加する信号生成手段を有する請求項1ないし4の何れか一項に記載の警備システム。
【請求項6】
警備装置と、前記警備装置と接続された監視サーバとを含む警備システムによる警備方法であって、
前記警備装置は、前記警備装置と前記監視サーバとを接続する通信回線の近傍に設けられた人体感知手段と接続されており、
通信制御手段による、前記通信回線が断線しているか否かを監視するための断線監視信号を所定間隔で前記監視サーバへ送信する通信制御手順と、
受信手段による、前記人体感知手段からの信号を受信する受信手順と、
間隔変更手段による、前記受信手順において受信した前記信号に基づき、前記断線監視信号を送信する前記所定間隔を変更する間隔変更手順と、を有する警備方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−217054(P2011−217054A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82180(P2010−82180)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】