説明

警備装置、警備システム及び警備方法

【課題】飽きを生じにくくするとともに、異常検出精度を高めた警備装置、警備システム及び警備方法を提供する。
【解決手段】切替部176は、警備モードを警備解除状態に切り替える。記憶部160は、警備解除中メッセージと応答キーワードとを対応付けたテーブルを記憶する。更新部174は、テーブルを更新する。出力制御部178は、警備モードが警備解除状態である場合、警備解除中メッセージを音声出力させる。音声受付部180は、警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける。判定部182は、応答発話が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定し、第1設定時間内に受け付けられた場合に、応答キーワードが含まれているか否かを判定する。通信部140は、応答発話が第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は応答発話に応答キーワードが含まれていない場合に、異常警報を監視センタ200に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備装置、警備システム及び警備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、独居老人などの単身居住者の在宅中の安否を遠隔で確認する技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、おしゃべり電子玩具などを用いて利用者に安否確認のメッセージを報知し、安否確認のメッセージに利用者が応答しなかった場合に、緊急通報信号を通報先に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−023501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような従来技術では、報知するメッセージがROM(Read Only Memory)に記憶されているため、メッセージを更新することができず、飽きが生じ易いという問題がある。
【0006】
また、上述したような従来技術では、侵入者などの第3者がメッセージに応答した場合に、異常を検出できないという問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、飽きを生じにくくするとともに、異常検出精度を高めた警備装置、警備システム及び警備方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる警備装置は、監視センタとネットワークを介して接続される警備装置であって、警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は前記通常警備が解除される警備解除状態に切り替える切替部と、警備解除中メッセージと、当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードと、を対応付けたテーブルを記憶する記憶部と、前記テーブルを更新する更新部と、前記警備モードが前記警備解除状態である場合に、前記警備解除中メッセージを音声出力部に音声出力させる出力制御部と、音声入力部から前記警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける音声受付部と、前記音声受付部により前記応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定し、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられた場合に、前記応答発話に前記応答キーワードが含まれているか否かを判定する判定部と、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は前記応答発話に前記応答キーワードが含まれていない場合に、異常警報を前記監視センタに送信する通信部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の態様にかかる警備システムは、警備装置と、前記警備装置とネットワークを介して接続される監視センタとを、備える警備システムであって、前記警備装置は、警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は前記通常警備が解除される警備解除状態に切り替える切替部と、警備解除中メッセージと、当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードと、を対応付けたテーブルを記憶する記憶部と、前記テーブルを更新する更新部と、前記警備モードが前記警備解除状態である場合に、前記警備解除中メッセージを音声出力部に音声出力させる出力制御部と、音声入力部から前記警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける音声受付部と、前記音声受付部により前記応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定し、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられた場合に、前記応答発話に前記応答キーワードが含まれているか否かを判定する判定部と、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は前記応答発話に前記応答キーワードが含まれていない場合に、異常警報を前記監視センタに送信する通信部と、を備え、前記監視センタは、前記異常警報を受信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の態様にかかる警備方法は、監視センタとネットワークを介して接続される警備装置で実行される警備方法であって、切替部が、警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は前記通常警備が解除される警備解除状態に切り替える切替ステップと、更新部が、警備解除中メッセージと当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードとを対応付けたテーブルを記憶する記憶部に記憶されている前記テーブルを更新する更新ステップと、出力制御部が、前記警備モードが前記警備解除状態である場合に、前記警備解除中メッセージを音声出力部に音声出力させる出力制御ステップと、音声受付部が、音声入力部から前記警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける音声受付ステップと、判定部が、前記音声受付ステップにより前記応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定し、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられた場合に、前記応答発話に前記応答キーワードが含まれているか否かを判定する判定ステップと、通信部が、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は前記応答発話に前記応答キーワードが含まれていない場合に、異常警報を前記監視センタに送信する送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、飽きを生じにくくするとともに、異常検出精度を高めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本実施形態の警備システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施形態の警備装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、本実施形態の安否確認テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、本実施形態の警備装置で行われる処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる警備装置、警備システム及び警備方法の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
まず、本実施形態の警備システムの構成について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の警備システム10の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、警備システム10は、警備装置100と、監視センタ200とを、備える。警備装置100及び監視センタ200は、ネットワーク20を介して接続される。ネットワーク20は、例えば、公衆通信回線などにより実現できる。
【0016】
警備装置100は、監視センタ200の監視先(例えば、単身者の住居)に設置される。警備装置100は、監視先の警備領域内で異常を検出した場合に、一定要件の下、ネットワーク20を介して監視センタ200に警報を送信する。
【0017】
監視センタ200は、警備装置100を用いて監視先を監視するシステムである。監視センタ200は、警備装置100から警報を受信すると、受信した警報に応じて、警備装置100を用いて監視先(住居)の居住者(単身者)への呼びかけを行ったり、警備員に監視先への出動を指示したり、必要に応じて警察や消防などの関係機関に通報したりする。
【0018】
図2は、本実施形態の警備装置100の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、警備装置100は、操作部110と、音声出力部120と、音声入力部130と、通信部140と、検知部150と、記憶部160と、制御部170とを、備える。
【0019】
操作部110は、各種操作入力を行うものであり、例えば、タッチパネルディスプレイ、カードリーダ、及び操作子などの既存の各種入力装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0020】
音声出力部120は、音声を出力するものであり、例えば、スピーカなどの既存の音声出力装置により実現できる。
【0021】
音声入力部130は、音声を入力(集音)するものであり、例えば、マイクなどの既存の音声入力装置により実現できる。
【0022】
通信部140は、ネットワーク20を介して、監視センタ200と通信するものであり、例えば、通信インターフェースなどの既存の通信装置により実現できる。
【0023】
検知部150は、警備領域内の人間の有無など警備領域内の状態変化を検知するものである。これにより、第3者の侵入など警備領域内の異常が検知される。検知部150は、例えば、赤外線の受光量を検知する赤外線センサ、赤外線等の受信の有無を検知する遮断センサ、電磁波の乱れを検知する気配センサ、及びマグネットを用いてスイッチを動作させることによりドアなどの開閉を検知する開閉センサ(マグネットセンサ)などの既存の各種センサの少なくともいずれかにより実現できる。
【0024】
記憶部160は、警備装置100で実行される各種プログラムや警備装置100で行われる各種処理に使用されるデータなどを記憶する。記憶部160は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、RAM(Random Access Memory)などの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な既存の各種記憶装置の少なくともいずれかにより実現できる。
【0025】
記憶部160は、警備解除中メッセージと当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードとを対応付けた安否確認テーブル(テーブルの一例)や、警備中メッセージなどを記憶する。警備解除中メッセージは、監視先(警備領域)の居住者に関連するメッセージであり、警備領域の警備モードが警備解除状態である場合に音声出力され、監視先の居住者の安否確認に用いられる。警備中メッセージは、警備解除状態への切り替えを指示するメッセージであり、警備領域の警備モードが警備状態である場合に音声出力される。警備解除状態及び警備状態については、後ほど説明する。
【0026】
なお本実施形態では、警備解除中メッセージ、応答キーワード、及び警備中メッセージが音声データである場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、テキストデータであってもよい。
【0027】
図3は、安否確認テーブルの一例を示す図である。図3に示す例では、安否確認テーブルは、監視先が属する地域の犯罪発生状況に関する警備解除中メッセージ161と、当該警備解除中メッセージ161に対する応答キーワードである「注意」とを、対応付けている。同様に、安否確認テーブルは、監視先が属する地域の天候に関する警備解除中メッセージ163と、当該警備解除中メッセージ163に対する応答キーワードである「了解」とを、対応付けている。同様に、安否確認テーブルは、例えば趣味など、監視先の居住者が関心のある分野(ここでは、株価)に関する警備解除中メッセージ165と、当該警備解除中メッセージ165に対する応答キーワードである「了解」とを、対応付けている。
【0028】
図2に戻り、制御部170は、警備装置100の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。そして制御部170は、操作受付部172と、更新部174と、切替部176と、出力制御部178と、音声受付部180と、判定部182と、通信制御部184とを、含む。
【0029】
操作受付部172は、操作部110から各種操作の入力を受け付ける。例えば、操作受付部172は、操作部110から、記憶部160に記憶されている安否確認テーブルを更新する更新操作の入力や警備領域の警備モードを切り替える切替操作の入力などを受け付ける。
【0030】
更新部174は、記憶部160に記憶されている安否確認テーブルを更新する。具体的には、更新部174は、監視センタ200から送信され後述の通信制御部184により受信される更新命令(アップロード命令)に従い、安否確認テーブルの警備解除中メッセージを更新命令で受信された警備解除中メッセージに更新したり、安否確認テーブルの応答キーワードを更新命令で受信された応答キーワードに更新したりする。
【0031】
例えば、監視先が属する地域の犯罪発生状況の最新情報が警察署から発表されると、当該最新情報への更新命令が監視センタ200から送信され通信制御部184により受信される。この場合、更新部174は、通信制御部184により受信された更新命令に従い、図3に示す安否確認テーブルの警備解除中メッセージ161を更新命令で受信された最新情報の警備解除中メッセージに更新する。
【0032】
また例えば、監視先が属する地域の天候の最新情報が日本気象協会等から発表されると、当該最新情報への更新命令が監視センタ200から送信され通信制御部184により受信される。この場合、更新部174は、通信制御部184により受信された更新命令に従い、図3に示す安否確認テーブルの警備解除中メッセージ163を更新命令で受信された最新情報の警備解除中メッセージに更新する。
【0033】
また例えば、証券会社等から株価の最新情報が発表されると、当該最新情報への更新命令が監視センタ200から送信され通信制御部184により受信される。この場合、更新部174は、通信制御部184により受信された更新命令に従い、図3に示す安否確認テーブルの警備解除中メッセージ165を更新命令で受信された最新情報の警備解除中メッセージに更新する。
【0034】
また更新部174は、操作受付部172により受け付けられた更新操作に従い、安否確認テーブルの警備解除中メッセージを更新操作で入力された警備解除中メッセージに更新したり、安否確認テーブルの応答キーワードを更新操作で入力された応答キーワードに更新したりする。
【0035】
切替部176は、警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は通常警備が解除される警備解除状態に切り替える。ここで、警備モードとは、警備装置100の状態を示すものであり、警備装置100の動作は、警備モードが示す状態に応じて決定される。なお本実施形態の警備装置100は、警備モードとして、警備状態と警備解除状態とを有している。また、通常警備とは、検知部150により警備領域内の状態変化が検知された場合に、一定要件の下、監視先(警備領域)への第3者の侵入が疑われることを示す侵入警報を監視センタ200に送信することである。
【0036】
具体的には、切替部176は、警備モードを警備状態から警備解除状態に切り替える切替操作の入力が操作受付部172により受け付けられた場合に、警備モードを警備状態から警備解除状態に切り替える。同様に、切替部176は、警備モードを警備解除状態から警備状態に切り替える切替操作の入力が操作受付部172により受け付けられた場合に、警備モードを警備解除状態から警備状態に切り替える。
【0037】
出力制御部178は、警備モードが警備解除状態である場合に、警備解除中メッセージを音声出力部120に音声出力させる。具体的には、出力制御部178は、記憶部160から安否確認テーブルの所定の警備解除中メッセージを読み出し、読み出した警備解除中メッセージの音声データを、DA変換技術などを用いてデジタル信号からアナログ信号に変換して音声出力部120に音声出力させる。特に本実施形態では、出力制御部178は、予め定められた時間又は一定間隔で、警備解除中メッセージを音声出力部120に音声出力させる。
【0038】
また出力制御部178は、警備モードが警備状態であって検知部150により警備領域内の状態変化が検知された場合に警備解除状態への切り替えを指示する警備中メッセージを音声出力部120に音声出力させる。具体的には、出力制御部178は、記憶部160から警備中メッセージを読み出し、読み出した警備中メッセージの音声データを、DA変換技術などを用いてデジタル信号からアナログ信号に変換して音声出力部120に音声出力させる。
【0039】
なお、記憶部160に記憶されている警備解除中メッセージ及び警備中メッセージがテキストデータである場合には、出力制御部178は、記憶部160から読み出したメッセージを音声信号に変換する音声合成処理を行い、音声合成処理により生成した音声信号をDA変換して音声出力部120に音声出力させればよい。
【0040】
音声受付部180は、音声入力部130から警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける。そして音声受付部180は、受け付けた応答発話の音声を、AD変換技術などを用いてアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0041】
判定部182は、音声受付部180により応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定する。具体的には、判定部182は、音声出力部120からの警備解除中メッセージの音声出力が出力制御部178により行われると、予め定められた第1設定時間の計時を開始する。そして判定部182は、第1設定時間の計時が終了するまでに音声受付部180により応答発話の音声入力が受け付けられたか否かを判定する。
【0042】
また判定部182は、音声受付部180により応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられた場合に、応答発話に応答キーワードが含まれているか否かを判定する。具体的には、判定部182は、記憶部160に記憶されている安否確認テーブルを参照して、出力制御部178により音声出力部120から音声出力された警備解除中メッセージに対応付けられた応答キーワードが、音声受付部180により受け付けられた応答発話に含まれているか否かを判定する。
【0043】
例えば、出力制御部178により図3に示す警備解除中メッセージ161が音声出力部120から音声出力され、音声受付部180により「注意します」という応答発話が第1設定時間内に受け付けられたとする。この場合、「注意します」という応答発話に、警備解除中メッセージ161に対応付けられた応答キーワード「注意」が含まれているため、判定部182は、応答発話に応答キーワードが含まれていると判定する。
【0044】
また例えば、出力制御部178により図3に示す警備解除中メッセージ163が音声出力部120から音声出力され、音声受付部180により「了解です」という応答発話が第1設定時間内に受け付けられたとする。この場合、「了解です」という応答発話に、警備解除中メッセージ163に対応付けられた応答キーワード「了解」が含まれているため、判定部182は、応答発話に応答キーワードが含まれていると判定する。
【0045】
また例えば、出力制御部178により図3に示す警備解除中メッセージ165が音声出力部120から音声出力され、音声受付部180により「了解です」という応答発話が第1設定時間内に受け付けられたとする。この場合、「了解です」という応答発話に、警備解除中メッセージ165に対応付けられた応答キーワード「了解」が含まれているため、判定部182は、応答発話に応答キーワードが含まれていると判定する。
【0046】
なお、記憶部160に記憶されている警備解除中メッセージがテキストデータである場合には、判定部182は、音声受付部180により受け付けられた応答発話の音声を音声認識してテキストデータに変換し、変換した応答発話のテキストデータに応答キーワードが含まれているか否かを判定すればよい。
【0047】
また判定部182は、第2設定時間内に切替部176により警備状態から警備解除状態への警備モードの切り替えが行われたか否かを判定する。具体的には、判定部182は、音声出力部120からの警備中メッセージの音声出力が出力制御部178により行われると、予め定められた第2設定時間の計時を開始する。そして判定部182は、第2設定時間の計時が終了するまでに、切替部176により警備状態から警備解除状状態への警備モードの切り替えが行われたか否かを判定する。
【0048】
通信制御部184は、応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は応答発話に応答キーワードが含まれていない場合に、通信部140から監視センタ200に異常警報を送信させる。
【0049】
具体的には、通信制御部184は、音声受付部180により応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられなかったと判定部182により判定された場合に、通信部140から監視センタ200に、監視先(警備領域)の居住者の安否異常が疑われることを示す安否異常警報(通常)を送信させる。
【0050】
また通信制御部184は、音声受付部180により受け付けられた応答発話に応答キーワードが含まれていないと判定部182により判定された場合に、通信部140から監視センタ200に、監視先(警備領域)の居住者の安否異常、及び警備領域への侵入が疑われることを示す安否異常警報(侵入)を送信させる。
【0051】
なお、安否異常警報(通常)は、第1安否異常警報の一例であり、安否異常警報(侵入)は、第2安否異常警報の一例である。
【0052】
また通信制御部184は、第2設定時間内に切替部176により警備状態から警備解除状態への警備モードの切り替えが行われなかったと判定部182により判定された場合に、通信部140から監視センタ200に、警備領域への侵入が疑われることを示す侵入警報を送信させる。
【0053】
また通信制御部184は、監視センタ200から安否確認テーブルの更新命令を受信する。
【0054】
なお、警備装置100は、上述した各部の全てを必須の構成とする必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0055】
図1に戻り、監視センタ200は、警備装置100から警報を受信し、受信した警報に応じた動作を行う。
【0056】
例えば、監視センタ200は、警備装置100から監視先(警備領域)の居住者の安否異常が疑われることを示す安否異常警報(通常)を受信した場合、警備装置100との間で音声通信を確立し、警備装置100が設置された監視先の居住者への呼びかけを、監視センタ200のオペレータに行わせる。そして監視センタ200は、呼びかけに対する監視先の居住者からの応答があれば、警備員への出動要請を行わず、呼びかけに対する監視先の居住者からの応答がなければ、オペレータからの指示に基づき警備員への出動要請を行う。
【0057】
また例えば、監視センタ200は、警備装置100から監視先(警備領域)の居住者の安否異常、及び警備領域への侵入が疑われることを示す安否異常警報(侵入)を受信した場合、警備装置100との間で音声通信を確立し、警備装置100が設置された監視先の警備領域への侵入が疑われる人物への本人確認を、監視センタ200のオペレータに行わせる。そして監視センタ200は、本人確認ができれば、警備員への出動要請を行わず、本人確認ができなければ、オペレータからの指示に基づき警備員への出動要請を行う。
【0058】
また例えば、監視センタ200は、警備装置100から警備領域への侵入が疑われることを示す侵入警報を受信した場合、オペレータからの指示に基づき警備員への出動要請を行う。
【0059】
次に、本実施形態の警備装置の動作について説明する。
【0060】
図4は、本実施形態の警備装置100で行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
まず、出力制御部178は、警備モードが警備状態でない場合(警備解除状態である場合)に(ステップS100でNo)、予め定められた時間又は一定間隔で、記憶部160から安否確認テーブルの警備解除中メッセージを読み出して、音声出力部120に音声出力させる(ステップS102)。
【0062】
なお図示は省略するが、安否確認テーブルは、通信制御部184により受信される更新命令、又は操作受付部172により受け付けられる更新操作に従い、更新部174により更新される。
【0063】
続いて、判定部182は、音声受付部180により応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定する(ステップS104)。
【0064】
音声受付部180により応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられた場合(ステップS104でYes)、判定部182は、応答発話に応答キーワードが含まれているか否かを判定する(ステップS106)。
【0065】
音声受付部180により受け付けられた応答発話に応答キーワードが含まれている場合(ステップS106でYes)、ステップS100へ戻り、再び警備モードの確認が行われる。
【0066】
なお、図示は省略するが、警備モードを警備解除状態から警備状態に切り替える切替操作の入力が操作受付部172により受け付けられると、切替部176により警備モードが警備解除状態から警備状態に切り替えられる。
【0067】
一方、音声受付部180により受け付けられた応答発話に応答キーワードが含まれていない場合(ステップS106でNo)、通信制御部184は、通信部140から監視センタ200に、安否異常警報(侵入)を送信させる(ステップS108)。
【0068】
そして監視センタ200は、警備装置100から安否異常警報(侵入)を受信すると、警備装置100との間で音声通信を確立し、警備領域への侵入が疑われる人物に対する本人確認を、監視センタ200のオペレータに行わせ、本人確認ができれば警備員への出動要請を行わず、本人確認ができなければオペレータからの指示に基づき警備員への出動要請を行う。
【0069】
また、音声受付部180により応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられなかった場合(ステップS104でNo)、通信制御部184は、通信部140から監視センタ200に、安否異常警報(通常)を送信させる(ステップS110)。
【0070】
そして監視センタ200は、警備装置100から安否異常警報(通常)を受信すると、警備装置100との間で音声通信を確立し、警備装置100が設置された監視先の居住者への呼びかけを、監視センタ200のオペレータに行わせ、呼びかけに対する居住者からの応答があれば警備員への出動要請を行わず、呼びかけに対する居住者からの応答がなければオペレータからの指示に基づき警備員への出動要請を行う。
【0071】
また、出力制御部178は、警備モードが警備状態であって(ステップS100でYes)、検知部150により警備領域内の状態変化が検知された場合に(ステップS111でYes)、記憶部160から警備中メッセージを読み出して、音声出力部120に音声出力させる(ステップS112)。なお、検知部150により警備領域内の状態変化が検知されなかった場合(ステップS111でNo)、ステップS100へ戻り、再び警備モードの確認が行われる。
【0072】
続いて、判定部182は、第2設定時間内に切替部176により警備状態から警備解除状態への警備モードの切り替えが行われたか否かを判定する(ステップS114)。
【0073】
第2設定時間内に切替部176により警備状態から警備解除状態への切り替えが行われた場合(ステップS114でYes)、ステップS100へ戻り、再び警備モードの確認が行われる。
【0074】
一方、第2設定時間内に切替部176により警備状態から警備解除状態への切り替えが行われなかった場合(ステップS114でNo)、通信制御部184は、通信部140から監視センタ200に、侵入警報を送信させる(ステップS116)。
【0075】
そして監視センタ200は、警備装置100から侵入警報を受信すると、オペレータからの指示に基づき警備員への出動要請を行う。
【0076】
以上のように本実施形態によれば、安否確認テーブルは更新されるため、監視先の居住者の安否確認に用いられる警備解除中メッセージのバリエーションを豊富にでき、監視先の居住者に安否確認時のやり取り(コミュニケーション)を飽きにくくさせることができる。
【0077】
また本実施形態では、警備解除中メッセージの内容は、監視先が属する地域の情報や監視先の居住者が関心のある情報などの監視先の居住者に関連する内容となっている。従って本実施形態によれば、監視先の居住者に安否確認時のやり取り(コミュニケーション)を更に飽きにくくさせることができ、また、単身者(例えば、独居老人など)の孤独感を和らげることができる。
【0078】
また本実施形態によれば、警備解除中メッセージは一定間隔で音声出力されるため、監視先の居住者に安否確認時のやり取りを自然なコミュニケーションとすることができ、更に飽きにくくさせることができ、また、単身者の孤独感を更に和らげることができる。
【0079】
また本実施形態では、警備解除中メッセージに対する応答発話に応答キーワードが含まれているか否かを判定し、応答キーワードが含まれていない場合には、安否異常警報(侵入)を監視センタ200に送信する。従って本実施形態によれば、侵入者などの第3者によるメッセージの応答を異常として検出でき、これを、安否異常警報(侵入)として監視センタ200に送信することで、的確な対応が可能となる。
【0080】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0081】
例えば上記実施形態では、警備モードが警備解除状態である場合に、無条件で警備解除中メッセージを音声出力していたが、一定時間の間、検知部150による状態変化が検知されなかった場合(居住者が検知されなかった場合)に、警備解除中メッセージを音声出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 警備システム
20 ネットワーク
100 警備装置
110 操作部
120 音声出力部
130 音声入力部
140 通信部
150 検知部
160 記憶部
161、163、165 警備解除中メッセージ
170 制御部
172 操作受付部
174 更新部
176 切替部
178 出力制御部
180 音声受付部
182 判定部
184 通信制御部
200 監視センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視センタとネットワークを介して接続される警備装置であって、
警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は前記通常警備が解除される警備解除状態に切り替える切替部と、
警備解除中メッセージと、当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードと、を対応付けたテーブルを記憶する記憶部と、
前記テーブルを更新する更新部と、
前記警備モードが前記警備解除状態である場合に、前記警備解除中メッセージを音声出力部に音声出力させる出力制御部と、
音声入力部から前記警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける音声受付部と、
前記音声受付部により前記応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定し、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられた場合に、前記応答発話に前記応答キーワードが含まれているか否かを判定する判定部と、
前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は前記応答発話に前記応答キーワードが含まれていない場合に、異常警報を前記監視センタに送信する通信部と、
を備えることを特徴とする警備装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられなかった場合に、前記警備領域に居住する居住者の安否異常が疑われることを示す第1安否異常警報を前記監視センタに送信し、前記応答発話に前記応答キーワードが含まれていない場合に、前記警備領域に居住する居住者の安否異常及び前記警備領域への侵入が疑われることを示す第2安否異常警報を前記監視センタに送信することを特徴とする請求項1に記載の警備装置。
【請求項3】
前記警備解除中メッセージは、前記警備領域に居住する居住者に関連するメッセージであることを特徴とする請求項1又は2に記載の警備装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、予め定められた時間又は一定間隔で、前記警備解除中メッセージを前記音声出力部に音声出力させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の警備装置。
【請求項5】
前記警備領域内の状態変化を検知する検知部と、
前記警備モードを切り替える操作入力を受け付ける操作受付部と、を更に備え、
前記出力制御部は、前記警備モードが前記警備状態であって前記検知部により前記警備領域の状態変化が検知された場合に、前記警備解除状態への切り替えを指示する警備中メッセージを音声出力部に音声出力させ、
前記切替部は、前記操作受付部により前記警備モードを前記警備状態から前記警備解除状態に切り替える操作入力が受け付けられた場合に、前記警備モードを前記警備状態から前記警備解除状態に切り替え、
前記判定部は、第2設定時間内に前記切替部により前記警備状態から前記警備解除状態への切り替えが行われたか否かを判定し、
前記通信部は、前記第2設定時間内に前記警備解除状態への切り替えが行われなかった場合に、前記警備領域への侵入が疑われることを示す侵入警報を前記監視センタに送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の警備装置。
【請求項6】
警備装置と、前記警備装置とネットワークを介して接続される監視センタとを、備える警備システムであって、
前記警備装置は、
警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は前記通常警備が解除される警備解除状態に切り替える切替部と、
警備解除中メッセージと、当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードと、を対応付けたテーブルを記憶する記憶部と、
前記テーブルを更新する更新部と、
前記警備モードが前記警備解除状態である場合に、前記警備解除中メッセージを音声出力部に音声出力させる出力制御部と、
音声入力部から前記警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける音声受付部と、
前記音声受付部により前記応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定し、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられた場合に、前記応答発話に前記応答キーワードが含まれているか否かを判定する判定部と、
前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は前記応答発話に前記応答キーワードが含まれていない場合に、異常警報を前記監視センタに送信する通信部と、
を備え、
前記監視センタは、前記異常警報を受信する
ことを特徴とする警備システム。
【請求項7】
監視センタとネットワークを介して接続される警備装置で実行される警備方法であって、
切替部が、警備領域の警備モードを、通常警備が実行される警備状態又は前記通常警備が解除される警備解除状態に切り替える切替ステップと、
更新部が、警備解除中メッセージと当該警備解除中メッセージに対する応答キーワードとを対応付けたテーブルを記憶する記憶部に記憶されている前記テーブルを更新する更新ステップと、
出力制御部が、前記警備モードが前記警備解除状態である場合に、前記警備解除中メッセージを音声出力部に音声出力させる出力制御ステップと、
音声受付部が、音声入力部から前記警備解除中メッセージに対する応答発話の音声入力を受け付ける音声受付ステップと、
判定部が、前記音声受付ステップにより前記応答発話の音声入力が第1設定時間内に受け付けられたか否かを判定し、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられた場合に、前記応答発話に前記応答キーワードが含まれているか否かを判定する判定ステップと、
通信部が、前記応答発話の音声入力が前記第1設定時間内に受け付けられなかった場合、又は前記応答発話に前記応答キーワードが含まれていない場合に、異常警報を前記監視センタに送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする警備方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−83956(P2012−83956A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229785(P2010−229785)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】