警報システム、警報連携方法、緊急警報装置及び警報器
【課題】警報器との連携により緊急警報装置を設置していない部屋やFM放送受信環境の良くない場所でも地震発生を知ることを可能とする。
【解決手段】緊急警報装置25は放送による緊急地震速報信号または津波警報信号を含む緊急地震情報信号を検出して報知と共に地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を住警器10−1〜10−6に向けて送信する。住警器10−1〜10−6は、警戒エリアの火災を検知して報知すると共にセンサ障害やローバッテリー障害を検知し、緊急警報装置25に対して火災または障害を示すイベント信号に自己の識別情報を含めて送信し、更に緊急警報装置25から地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を受信した場合に緊急地震速報または津波警報を示す情報を報知する。緊急警報装置25では送信元の識別情報に基づき障害を検知している住警器が判るようにして障害警報が出力される。
【解決手段】緊急警報装置25は放送による緊急地震速報信号または津波警報信号を含む緊急地震情報信号を検出して報知と共に地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を住警器10−1〜10−6に向けて送信する。住警器10−1〜10−6は、警戒エリアの火災を検知して報知すると共にセンサ障害やローバッテリー障害を検知し、緊急警報装置25に対して火災または障害を示すイベント信号に自己の識別情報を含めて送信し、更に緊急警報装置25から地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を受信した場合に緊急地震速報または津波警報を示す情報を報知する。緊急警報装置25では送信元の識別情報に基づき障害を検知している住警器が判るようにして障害警報が出力される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災やガス漏れなどの異常を検知して警報する警報器に緊急地震速報や地震速報を出力させる警報システム、警報連携方法、緊急警報装置及び警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異常を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【0003】
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部の検出信号から火災を検知すると警報部から音声メッセージなどにより火災警報を出すようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報が行われると、他の住警器でも連動して警報を行う、連動型の住警器システムも提案されている。
【0005】
このような住警器システムでは、住警器で火災を検知した場合には、火災を検知した連動元の住警器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」との音声メッセージを出力するようにしている。住警器で警報が行われた場合、住警器に設けている警報停止スイッチを操作すると、警報を停止するようにしている。
【0006】
また、近年、住警器の低消費電力化が推し進められた結果、電池寿命が例えば10年以上といった長寿命が保証されており、その間、電池交換は不要である。長期間使用して電池寿命に近づき、電池電圧(残り容量)の低下が検出されると、電池切れ予告警報(以下、「ローバッテリー障害警報」と言う)を出力して電池交換を促すようにしている。
【0007】
ローバッテリー障害警報の出力開始後(電池電圧低下検出後)は、引き続き所定時間(例えば72時間)以上にわたって断続的なローバッテリー警報出力が可能であれば良いものとされており、即ち、所定時間以内に電池交換が行われれば問題ないものとされている。一般的には、この期間中も正常な監視動作が出来るように設計されていることから、ローバッテリー警報は火災警報のように緊急性の高い警報ではない。
【0008】
従ってローバッテリー障害警報としては、従来、就寝時間帯である夜間から早朝にかけての音響警報出力を極力避けるために、電池電圧の低下を検出してから所定時間経過後に電池切れ警報をスピーカから出力させる火災警報器(特許文献1)や、電池電圧が所定の電圧以下に低下している場合、電池の低下を報知するために電源ランプ等を点灯又は点滅させ、この状態でスイッチ操作を行うと、電池交換を促す内容を含んだ音声メッセージをスピーカから出力させる電池式警報器(特許文献2)が知られている。
【0009】
また、ユーザが長期間不在中に電池電圧の低下が検出された場合には、ローバッテリー障害警報を必要最小限の電力消費で可能な限り長期間継続して出力し続け、ユーザが帰宅した際に、確実に気付いてスイッチ操作で電池切れが分かるようにした警報器も提案されている(特許文献3)。
【0010】
また従来の住警器にあっては、通常の監視状態で警報停止スイッチを操作すると、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異常などの自己点検が実行され、点検結果を報知するようにしている。点検結果の報知は、異常がなければ、例えば「正常です」といった内容を含む音声メッセージを出力して行い、もしセンサ故障等を検出していれば「ピッ 故障です」といった音声メッセージを出力して行う。
【0011】
このようなローバッテリー障害警報やセンサ障害警報などについて連動型の住警器システムでは、障害を検知した住警器で連動元を示す障害警報を出力し、他の住警器で連動先を示す障害警報を出力するようにしている。
【0012】
一方、テレビ放送、FM放送及びAM放送を利用して地震情報を知らせる地震警報システムとして、地震などの大規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる緊急警報放送があり、また、地震が発生した場合に揺れが到達する前に、強い揺れが予想される地域に対し予測を発表する緊急地震速報がある。
【0013】
緊急警報放送は、東海地震の警戒宣言が発令された場合、津波警報が発表された場合、或いは自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに、テレビ放送、FM放送及びAM放送により緊急警報信号を送信して受信機の電源を自動的にオンし、緊急警報放送を再生出力させる。
【0014】
また緊急地震速報は、推定最大震度5弱以上で発表となり、テレビ放送、FM放送及びAM放送により緊急地震速報信号を送信し、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する。
【0015】
このような緊急警報放送や緊急地震速報に対応して専用の受信機として機能する緊急警報装置が実用化され、普及している。
【0016】
例えば緊急地震速報に対応した緊急警報装置にあっては、例えば特定のFMラジオ放送を選局して受信待機状態にあり、緊急地震速報が所定のチャイム音を2回流した後に例えば「緊急地震放送です。強い揺れに警戒してください」という自動音声を2回流すことから、例えば最初のチャイム音を解析して緊急地震速報信号を検出して放送再生動作を起動し、チャイム音に続く自動音声をスピーカから設定音量で出力して地震発生を知らせるようにしている。
【0017】
また緊急警報放送に対応した緊急警報装置にあっては、アナログ放送の緊急警報放送の場合は、開始信号として最初に送られてくる可聴音域の電子音(ピロピロ音)であるFSK信号を検知した場合に放送再生動作を起動し、津波警報などの緊急警報放送を受信再生するようにしている。
【0018】
更に、緊急地震速報と緊急警報放送の両方に対応した緊急警報装置も実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154579号公報
【特許文献3】特開2009−244937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、このような従来の緊急警報装置にあっては、緊急警報装置からの音が聞こえる範囲でしか緊急地震速報や津波警報の放送を聴くことができず、緊急警報装置を部屋毎に設置する必要があるが、高コストとなり、また各所に設置スペースを確保しなければならないといった問題がある。
【0021】
また、基本的には放送受信機であることから、FM放送やAM放送を受信する場合には、部屋によっては電波事情が悪く電波が充分な強度で受信できない場合があり、このような場所に設置しても有効に機能しない恐れもある。
【0022】
一方、複数の住警器を連動させる連動型の住警器システムにあっては、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価にできるというメリットがあるが、ある住警器が火災を検知して連動元警報を出力し、他の住警器が連動先警報を出力した場合、何れの住警器が火災を検知しているかが判り難く、住警器全体の状況が把握しにくいという問題がある。
【0023】
この問題はローバッテリー障害警報やセンサ障害警報などについても同様であり、ある住警器が障害を検知して連動元を示す障害警報を出力し、他の住警器が連動先示す障害警報を出力した場合、何れの住警器が障害を検知しているかが判り難く、住警器全体の障害状況が把握しにくいという問題がある。
【0024】
本発明は、警報器との連携によりにより緊急警報装置を設置していない部屋や放送電波の受信環境の良くない場所であっても地震発生を知ることを可能すると共に緊急警報装置に警報器に対する受信機としての機能を持たせて障害を起した警報器の状況を容易に把握可能とする警報システム、警報連携方法、緊急警報装置及び警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
(警報システム)
本発明は、警報器と緊急警報装置とを連携させ、警報器で警戒エリアの異常を検知した場合に異常を報知すると共に緊急警報装置に異常を示すイベント信号を送って異常を報知させ、緊急警報装置で放送による緊急地震情報信号を検出した場合に緊急地震情報信号緊を再生出力すると共に警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送って緊急地震情報を報知させる警報システムに於いて、
警報器は、障害を検知した場合に障害警報を出力させると共に前記緊急警報装置に対して自己の警報器識別情報を含む障害を示すイベント信号を送信し、
緊急警報装置は、警報器から障害を示すイベント信号を受信した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力することを特徴とする。
【0026】
ここで、緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知(地震報知)と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号である。
【0027】
警報システムに設けた緊急警報装置は、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を報知する報知部と、
警報器から送信されたイベント信号を受信する受信制御部と、
装置イベント信号を警報器に送信する送信制御部と、
放送受信部による緊急地震情報信号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、装置イベント検出部で警報器からの異常を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
装置イベント検出部で前記警報器からの障害を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設ける。
【0028】
緊急警報装置の報知部は音声出力部を備え、緊急警報装置の障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させる。
【0029】
緊急警報装置の報知部は警報器表示部を備え、緊急警報装置の障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させるム。
【0030】
警報システムに設けた警報器は、電池電源で動作し、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下およびセンサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、障害検知部による障害検知、及び操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信処理部と、
他の警報器からのイベント信号および緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信処理部と、
イベント検出部で異常を検知した場合に、報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を受信した場合に、報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
イベント検出部で緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号受信を検出した場合に、緊急地震情報を報知部に出力させる地震報知処理部と、
イベント検出部で障害検知を検出した場合に、報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設ける。
【0031】
警報器の障害検知部は、
電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出するローバッテリー障害監視部と、
センサ部に対し所定の自己点検を実行してセンサ障害を検出するセンサ障害監視部と、
を備え、
警報器の障害報知処理部は、
イベント検出部でローバッテリー障害監視部によるローバッテリー障害検出を検出した場合に、報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させ、
イベント検出部でセンサ障害監視部によるセンサ障害検出を検出した場合に、報知部からセンサ障害警報を出力させると共にセンサ障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させる。
【0032】
(緊急警報装置)
本発明は、異常を検知して異常を報知する警報器と連携し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置に於いて、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
警報器から送信されたイベント信号を受信する受信制御部と、
装置イベント信号を警報器に送信する送信制御部と、
放送受信部による緊急地震情報信号号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、装置イベント検出部で警報器からの異常を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
装置イベント検出部で警報器からの障害を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0033】
ここで、報知部は音声出力部を備え、障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させる。
【0034】
報知部は警報器表示部を備え、障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させる。
【0035】
(警報器)
本発明は、電池電源で動作し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置と連携し、警戒エリアの異常を検知して異常を報知する警報器に於いて、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下およびセンサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報,異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、障害検知部による障害検知、及び操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信処理部と、
他の警報器からのイベント信号および緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信処理部と、
イベント検出部で異常を検知した場合に、報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を受信した場合に、報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
イベント検出部で緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号受信を検出した場合に、緊急地震情報報知を示す情報を報知部に報知させる地震報知処理部と、
イベント検出部で障害検知を検出した場合に、報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設けたことを特徴とする。
【0036】
ここで、障害検知部は、
電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出する電池電圧低下監視部と、
センサ部をはじめとする所定の自己点検を実行し、点検結果として正常又は障害を検出する点検処理部と、
を備え、
障害報知処理部は、
イベント検出部で前記電池電圧低下監視部によるローバッテリー障害の検出を検出した場合に、報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させ、
イベント検出部で点検処理部による障害検出を検出した場合に、報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、警報器でローバッテリー障害やセンサ障害などの障害を検知して警報した場合、緊急警報装置にも障害を示すイベント信号が警報器識別情報と共に送られ、緊急警報装置は、警報器から受信したイベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定した障害警報、例えば警報器番号や警報器設置場所を示した障害を示す音声メッセージの出力や表示が行われ、連動する複数の警報器から見て緊急警報装置は障害監視の受信機として機能し、警報器による障害検知状態を一括して管理することが可能となり、障害を検知して警報した警報器を知って適切な対応をとることができる。
【0038】
また本発明によれば、警報器で火災などの異常を検知して警報した場合についても、緊急警報装置にも異常を示すイベント信号が警報器識別情報と共に送られ、緊急警報装置は、警報器から受信したイベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定した異常警報、例えば警報器番号や警報器設置場所を示した音声メッセージの出力や表示が行われ、連動する複数の警報器から見て緊急警報装置は異常監視の受信機として機能し、警報器による異常検知状態を一括して管理することが可能となり、異常を検知して作動した警報器を知って適切な対応をとることができる。
【0039】
また、本発明によれば、例えば火災などの異常を検知して異常警報を出力する1または複数の警報器で構成された住宅用の警報システムに、放送による緊急地震速報または津波警報を含む緊急地震情報放送を受信して再生する緊急警報装置を連携させることで、緊急警報装置で放送による緊急地震速報または津波警報を受信した場合に、地震報知または津波報知を示すイベント信号を警報システム内の警報器に送信し、それを受信した各警報器から地震発生や津波到来を知らせ、例えば住宅の一箇所に緊急警報装置を設置しているだけで、警報器を設置している他の部屋で地震発生や津波到来を知らせることができ、緊急警報装置が最小限の台数で済むことから低コストで済み、また警報器が設置されていれば、他の部屋に居ても確実に地震発生や津波到来を知って即座に対応することができる。
【0040】
また緊急警報装置は警報器に連携していることから、緊急警報装置の報知可能エリアが拡大されるので、報知対象エリアが緊急警報装置に設けた報知部からの報知可能エリア外であっても警報器の報知可能エリア内にあれば良く、従って緊急警報装置は自身の報知可能エリアにとらわれず放送が良好に受信できる電波事情の良い場所を選んで設置することができ、放送による緊急地震速報や津波警報を確実に受信して緊急警報装置自身及び連携している警報器から地震発生や津波到来を知らせることができ、また警報器を設置していない場所に緊急警報装置を設置した場合にも、その場所で火災警報などの異常を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】緊急警報装置及び住警器で構成される本発明による監視システムを設置した住宅を示した説明図
【図2】本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図
【図3】本発明による緊急警報装置の外観を示した説明図
【図4】図1の警報システムに設けた住警器の実施形態を示したブロック図
【図5】本実施形態で使用するイベント信号および装置イベント信号のフォーマットを示した説明図
【図6】図1の警報システムに設けた緊急警報装置の実施形態を示したブロック図
【図7】図6の緊急警報装置のメモリに設けた送信元符号管理テーブルを示した説明図
【図8】図4の住警器による監視処理を示したフローチャート
【図9】図8に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図10】図9に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図11】図6の緊急警報装置による処理を示したフローチャート
【図12】図11に続く緊急警報装置による処理を示したフローチャート
【図13】デジタルTV放送を受信する緊急警報装置の実施形態を示したブロック図
【図14】AM放送を受信する緊急警報装置の実施形態を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は住宅に対する本発明による警報システムの設置状態を示した説明図である。図1の例にあっては、住宅24に設けられている居間、台所、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの警戒エリアに火災を検知して警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)10−1〜10−6が設置され、居間のFM電波環境の良い場所には緊急警報装置25が設置されている。ここで、緊急警報装置25は特許請求の範囲に記載した地震速報装置に対応する。
【0043】
住警器10−1〜10−6は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について監視を行い、ここでは6台で住宅全体の火災監視を行っている。いま住宅24の台所で万一、火災が発生したとすると、住警器10−2が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0044】
住警器10−2が発報するとき、住警器10−2は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−1,10−3〜10−6に対し、火災を示すイベント信号(火災イベント信号)を無線により送信する。他の住警器10−1,10−3〜10−6は、連動元の住警器10−2からの火災発生を示すイベント信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【0045】
ここで有効受信とは、受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致したときに、このイベント信号を有効受信したことを検出する。また住警器10−1〜10−6から送信するイベント信号には、送信元の住警器を示す識別情報として例えば送信元符号が含まれている。なお、イベント信号を有効受信した住警器100は必要に応じイベント信号の中継送信を行う。
【0046】
住警器が検出する自己のイベントとしては、上述の火災発生だけでなく、火災復旧、警報停止操作等があり、また他の警報器や緊急警報装置25からの各種イベント信号の有効受信も含まれる。これらについては後述する。
【0047】
連動元となった住警器10−2の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−1,10−3〜10−6にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。
【0048】
また連動元となった住警器10−2の警報に伴う警報表示としては、例えばLEDを点灯させる。一方、連動先の住警器10−1,10−3〜10−6にあっては、LEDを点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0049】
なお、連動元のLEDを点滅とし、連動先のLEDを明滅としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLEDの明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDが採用できる。
【0050】
住警器10−1〜10−6が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
【0051】
このとき例えば、連動元である住警器10−2で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器10−1〜10−6の警報(警報音出力および/または警報表示出力)を停止し、連動先である住警器10−1,10−3〜10−6の何れかで警報停止操作が行われた場合には、住警器10−2の警報は停止せず、住警器10−1,10−3〜10−6の警報を停止するようにする。なお、以下の説明において、住警器10−1〜10−6を区別しないで総称する場合には、住警器10という。
【0052】
また住警器10は電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出して連動元(障害元)を示すローバッテリー障害警報を出力すると共に、他の住警器及び緊急警報装置25にローバッテリー障害を示すイベント信号(ローバッテリー障害イベント信号)を送信し、連動先(障害先)を示すローバッテリー障害警報を出力させる。
【0053】
連動元を示すローバッテリー障害警報は、住警器10のスピーカから例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点灯し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLEDによる表示を複数回行う処理を繰り返す。連動先を示すローバッテリー障害警報は、住警器10のスピーカから例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点滅し、その後は、一定時間毎に「ピッ 別の警報器が電池切れです」といった音声出力とLEDによる点滅を行わせる。
【0054】
更に住警器10はセンサ障害を検出して連動元(障害元)を示すセンサ障害警報を出力すると共に、他の住警器及び緊急警報装置25にセンサ障害を示すイベント信号(センサ障害イベント信号)を送信し、連動先(障害先)を示すローバッテリー障害警報を出力させる。
【0055】
住警器10で検出するセンサ障害には、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異常などが含まれており、住警器10はセンサ障害を検出するための自己点検をバックグラウンドで実行して点検結果をメモリに記憶している。
【0056】
また住警器10は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチを操作した場合、バックグラウンドで実行してメモリに記憶している自己点検の結果を参照し、正常又は障害を報知する。
【0057】
住警器10はセンサ障害を検出した場合、スピーカから連動元(障害元)を示す障害警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、LEDを例えば点灯し、その後は一定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLEDの点灯による表示を複数回繰り返す。
【0058】
また住警器10はセンサ障害を検出した場合、センサ障害を示すイベント信号(センサ障害イベント信号)を他の住警器や緊急警報装置25に送信することで、例えば「ピッ 別の警報器が故障です」や「ピッ 警報器が故障です」といった警報音を出力させると共に連動元とは異なる表示、例えば点滅を行わせる。
【0059】
緊急警報装置25は、自己のイベントとして放送設備から送信される緊急地震情報信号としての緊急地震速報信号や津波警報信号を検出して再生出力すると共に、住警器10に緊急地震情報報知示す装置イベント信号として、緊急地震速報報知(以下「地震報知」という)や津波報知を示す装置イベント信号を送信する。緊急警報装置25が検出するイベントとしては、上述の緊急地震速報信号受信の他に操作部の操作、住警器10からの火災、障害などを示すイベント信号の有効受信等がある。
【0060】
緊急警報装置25により受信再生する緊急地震情報放送には、緊急地震速報(EEW:Earthquake Early Warning)と緊急警報放送(EWS:Emergency Warning System)がある。緊急地震速報は、一般向けの場合、推定最大震度5弱以上で気象庁から発表される警報であり、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する放送である。緊急地震速報は例えば「(チャイム音2回)緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を2回繰り返す。緊急警報装置100は、例えば最初のチャイム音の信号を解析して緊急地震速報信号を検知して受信待機状態から再生動作に切り替え、「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を設定音量で出力する。
【0061】
緊急警報放送は、地震などの対規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる警報であり、待機状態にあるテレビやラジオ受信機のスイッチを自動的にオンさせる。緊急警報放送の開始と終了には、第1種開始信号、第2種開始信号及び終了信号を使用する。第1種開始信号は、東海地震の警戒宣言が発表された場合、または自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに送信され、受信機を自動的にオンさせる。また。第2種開始信号は、津波警報が発表された場合にのみ送信され、同じは受信機を自動的にオンさせる。終了信号は第1種または第2種開始信号の送信から所定時間後に送信され、受信機を自動的にオフざせる。また受信機の動作を確認するために試験信号を例えば月1回所定の時刻に送信しており、この試験信号は終了信号と同一であり、終了信号のみを受信した場合は受信機が正常に動作するかの確認動作を行わせる。
【0062】
なお、以下の説明にあっては、緊急警報放送による第2種開始信号の検出を、津波警報信号の検出という。また本実施形態にあっては、警緊急地震速報と緊急警報放送の中の第2種開始信号による津波警報信号に対応するが、第1種開始信号による緊急警報は除外しているが、必要に応じて追加しても良い。
【0063】
本実施形態の住警器10は、緊急警報装置25の設置に伴い、緊急警報装置25から地震報知を示す装置イベント信号を有効受信した場合に、地震報知を示す情報として音声メッセージを所定回数(1回を含む)又は所定時間繰り返し出力する。地震報知を示す情報を示す音声メッセージとしては例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」とする。
【0064】
また住警器10は、緊急警報装置25から津波報知を示す装置イベント信号を有効受信した場合、津波報知を示す情報を音声メッセージを所定回数(1回を含む)出力するか又は所定時間出力する。津波報知を示す情報を示す音声メッセージとしては例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください」を出力する。
【0065】
また緊急警報装置25は住警器10から火災イベント信号を受信すると、火災イベント信号に含まれる送信元符号に基づき火災を検知した住警器を判別し、何れの住警器が火災を検知したか示す音声メッセージによる警報音を出力する。緊急警報装置25の火災警報音としては例えば「ウーウー 1番の火災警報器が作動しました 確認してください」または「ウーウー 居間の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージとする。
【0066】
また緊急警報装置25は火災警報音と共にLEDの点灯、点滅、明滅などにより火災を表示すると共に火災を検知した住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名などの情報を表示灯や液晶ディスプレイにより表示する。
【0067】
このような緊急警報装置25による火災を検知した住警器を示す報知により、緊急警報装置25を、連動型の住警器10−1〜10−6を用いた火災報知システムにおける火災受信機の役割を担う装置として利用することができ、住警器10−1〜10−6の火災監視状況を一括管理することが可能になる。
【0068】
また緊急警報装置25は住警器10からローバッテリー障害イベント信号を有効受信すると、ローバッテリー障害イベント信号に含まれる送信元符号に基づきローバッテリー障害を判定した住警器を検出し、何れの住警器がローバッテリー障害を検出したか示す音声メッセージによる警報音を出力する。緊急警報装置25のローバッテリー障害警報音としては例えば「ピッ 1番の火災警報器が電池切れです 」または「ピッ 居間の火災警報器が電池切れです」といった音声メッセージとする。
【0069】
また緊急警報装置25はローバッテリー障害警報音と共にLEDの点灯、点滅、明滅などによりローバッテリー障害を表示すると共にローバッテリー障害を検出した住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名などの情報を表示灯や液晶ディスプレイにより表示する。
【0070】
このような緊急警報装置25によるローバッテリー障害を検知した住警器を示す報知により、緊急警報装置25を、連動型の住警器10−1〜10−6を用いた火災報知システムにおける火災受信機の役割を担う装置として利用することができ、住警器10−1〜10−6のローバッテリー障害を一括管理することが可能になる。
【0071】
また緊急警報装置25は自己点検を行った住警器10から例えばセンサ障害イベント信号を有効受信すると、センサ障害イベント信号に含まれる送信元符号に基づきセンサ障害を判定した住警器を検出し、何れの住警器がセンサ障害を検出したか示す音声メッセージによる警報音を出力する。緊急警報装置25のセンサ障害警報音としては例えば「ピッ 1番の火災警報器が故障です 」または「ピッ 居間の火災警報器が故障です」といった音声メッセージとする。
【0072】
また緊急警報装置25はセンサ障害警報音と共にLEDの点灯、点滅、明滅などによりセンサ障害を表示すると共にセンサ障害を検出した住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名などの情報を表示灯や液晶ディスプレイにより表示する。
【0073】
このような緊急警報装置25によるセンサ障害を検知した住警器を示す報知により、緊急警報装置25を、連動型の住警器10−1〜10−6を用いた火災報知システムにおける火災受信機の役割を担う装置として利用することができ、住警器10−1〜10−6のセンサ障害などの故障を一括管理することが可能になる。
【0074】
ここで、住警器10にあっては、ローバッテリー障害またはセンサ障害を検出して障害警報を出力した後は、一定時間毎に、障害警報音と障害表示を複数回繰り返しているが、その場合にも、ローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号を送信することで、緊急警報装置25側で障害警報音と障害表示を複数回繰り返し出力するようにしても良い。
【0075】
なお、緊急警報装置25は商用電源で動作していことから、一度、ローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号を受信して障害警報音と警報表示により障害警報を出力した後は、障害警報表示は継続させ、警報操作による障害警報表示を停止するようにしても良い。
【0076】
また緊急警報装置25を住警器10の何れかと同じ場所に設置した場合には、両方から地震報知や津波報知が音声が出力されて聞き取り辛くなる。そこで本実施形態にあっては住警器10に地震報知や津波報知の出力を禁止する禁止モードをモードスイッチの操作により設定可能としており、緊急警報装置25と同じ場所(警報、報知範囲が重複する場所)に設置される住警器については禁止モードを設定しておくことで、緊急警報装置25から地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を受信しても、地震報知または津波報知を示す情報は出力しないようにする。
【0077】
禁止モード設定機能は、同じ場所に複数の住警器が設置されている場合にも同じように利用することが出来る。
【0078】
このように、禁止モード設定機能は住警器側に設けられても良いが、一般的には住警器10のほうが緊急警報装置25に比べて設置台数が多いことが想定されるので、システム機器の全体コスト等を考慮して、緊急警報装置25に設けるものとしても良い。このようにすれば、設置台数の多い住警器10に禁止モード設定機能を搭載する必要が無くなり、システム機器の全体コストを抑えることができ、禁止モード設定の有無を確認する場合も緊急警報装置のみについて行えば良いなど、運用が複雑になることを防ぐ効果がある。
【0079】
また緊急警報装置25と住警器10の重複報知と住警器同士の重複報知を併せて考慮する場合には、住警器10と緊急警報装置25の両方に禁止モード設定機能を設けて、設置状況等に応じてそれぞれに設定できるようにしても良い。このとき当然、同じ場所に緊急警報装置25が複数設置される場合の、緊急警報装置同士の重複報知も回避するよう設定が可能となる。
【0080】
もちろん、警報や報知音が重複して出力されるような設置状況であっても、必ずしも禁止モード設定を利用する必要は無く、利用者の判断で適宜に選択して設定する。
【0081】
また図1にあっては、住警器10−2で火災を検知して警報した場合に他の住警器10−1,10−3〜10−6及び緊急警報装置25に火災発生を示すイベント信号を送信する経路をイベント通信経路11aとして示し、また緊急警報装置25から地震放置または津波報知を示す装置イベント信号を送信する経路を装置イベント通信経路11bとして示している。なお、住警器10−1〜10−6で受信されたイベント信号又は装置イベント信号は、それぞれ他の住警器に中継されるが、その通信経路は省略している。
【0082】
図2は本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。なお、取付フック15を設けているほうを上側とする。
【0083】
図2において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。
【0084】
カバー12に設けた複数の開口部の内部には検煙部16を備え、検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
【0085】
警報停止スイッチ20は住警器10の機能の自己点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ20が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると機能点検を実施して結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報中または障害警報中でない状態を指す。
【0086】
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ(図示せず)とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、プッシュスイッチが押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED122の作動状態が外部から視認できるようにしている。
【0087】
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0088】
なお図2の住警器10にあっては、検煙部16を備え、火災に伴い発生する煙に基づいて火災を検知する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異常(異状)を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。そして、本発明の警報システムは、これら各種の警報器を混在させて構成しても良い。
【0089】
図3は本発明による緊急警報装置の実施形態外観を示した説明図であり、FM放送を受信する場合を例にとっている。図3(A)の緊急警報装置25にあっては、箱形筐体の前面の右側に監視灯112と警報灯114を設けており、例えば商用AC電源で動作する。監視灯112は緊急地震速報や津波警報放送を含む緊急地震情報放送の受信待機状態で緑に点灯して正常な動作状態にあることを示しており、選局したFM放送の受信が不安定になると点滅し、更に、FM放送の周波数に正しく選局されていない場合は消灯する。警報ランプ114は緊急地震情報放送の受信再生時に例えば赤に点灯する。
【0090】
箱形筐体の背後にはFMアンテナ75と住警器用のアンテナ85が設置されている。更に箱形筐体の上面には音響穴(図示せず)が設けられ、内蔵したスピーカからの音を出力する。
【0091】
箱形筐体の前面左側には表示部として液晶パネル116が設けられ、住警器10から火災イベント信号を有効受信した場合に、火災イベント信号に含まれる送信元符号に基づき火災を検知して警報している住警器を検出し、検出した住警器を示す番号表示や設置場所を示す地区表示(部屋名表示など)を行う。
【0092】
また液晶パネル116には、住警器10からローバッテリー障害イベント信号またはセンサ障害イベント信号を有効受信した場合に、各イベント信号に含まれる送信元符号に基づきローバッテリー障害またはセンサ障害を検知して警報している住警器を検出し、検出した住警器を示す番号表示や設置場所を示す地区表示(部屋名表示など)を行う。
【0093】
また液晶パネル114の下側には警報停止スイッチ108が設けられる。警報停止スイッチ108は火災警報中、ローバッテリー障害警報中、またはセンサ障害警報中に操作すると警報音と警報表示を停止する。また警報停止スイッチ108を操作した場合には、警報停止を示す装置イベント信号を住警器10に送信し、少なくとも連動先となっている住警器の警報音と警報表示を停止するようにしても良い。
【0094】
また、箱形筐体の例えば底面には操作部(図示せず)が設けられ、選局釦、ボリューム、選局セット釦に加え、試験スイッチや警報停止スイッチを設けている。なお、液晶パネル116は選局操作時の周波数表示も行う。
【0095】
図3(B)は本発明による緊急警報装置の他の実施形態外観を示した説明図である。図3(B)の緊急警報装置25は図3(A)に設けた液晶パネル116に代えて火災を検知した住警器を示す例えば8個のLEDを配列した住警器表示灯118を設けたことを特徴とする。
【0096】
住警器表示灯118には例えば住警器番号1〜8が表示されており、住警器の送信元符号と住警器番号の関係をテーブル登録しておくことで、住警器から受信した火災を示すイベント信号に含まれる送信元符号に対応する番号のLEDを点灯または点滅して火災、ローバッテリー障害またはセンサ障害を検知している住警器を示すようにする。
【0097】
図4は図1の警報システムに設けた住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0098】
図4において、住警器は居間に設置した住警器10−1について示しているが、他の住警器10−2〜10−6についても同様の構成となる。
【0099】
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、メモリ32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
【0100】
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−6との間でイベント信号を無線により送受信できるようにし、更に緊急警報装置25からの装置イベント信号を受信できるようにしている。無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
【0101】
もちろん無線通信部30としては、日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0102】
なお、アンテナ31、送信回路42及び送信処理部60を併せて送信部とし、アンテナ31、受信回路44及び受信処理部62を併せて送信部とする。
【0103】
無線通信部30の送信回路42におけるイベント信号の送信は、所定時間T1、例えばT1=3秒に亘りイベント信号を送信する動作を、所定時間T2、例えばT2=2秒の休止時間を空けて例えば4回繰り返している。このT1=3秒送信、T=2秒休止は特定小電力無線局の標準規格に準拠したものである。またT1=3秒の送信動作は、その内の最初から例えば2.8秒はダミー信号の送信であり、残り0.2秒の時間にイベント信号の反復送信を行う。
【0104】
また、無線通信部30の受信回路44による受信は、住警器10−1と同じグループに属する他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号又は緊急警報装置25から装置イベント信号を間欠受信する。間欠受信は、所定周期T3毎に、例えばT3=7秒毎に受信可能時間T4、例えばT4=100ミリ秒のあいだ受信動作を繰り返しており、受信可能時間T4の間に送信ダミー信号をキャリアセンスにより検知すると所定時間のあいだ連続受信に切替えてダミー信号に続くイベント信号または装置イベント信号を受信する。
【0105】
なお、受信した信号はプロセッサ28に設けた受信処理部62で解読される。以下、この解読までを含めて受信と呼ぶことがある。また特に、解読の結果有効な信号と判定されることを区別して表す場合には有効受信と呼ぶ。
【0106】
また無線通信部30は、住警器10−1自身が火災又は火災以外の事象を検知してイベント信号を送信した場合、または緊急警報装置25からの装置イベント信号を受信して他の住警器に送信した場合、住警器10−1と同じグループに属し、これを受信した他の住警器10−2〜10−6から、当該イベント信号を正常に受信したことを示す確認応答信号(以下「ACK信号」と云う)が有効受信されるか否か監視している。
【0107】
他の住警器のうち、ACK信号が受信されないものを検知した場合、住警器10−1はACK信号が受信された他の住警器または緊急警報装置25に対し中継要求有りイベント信号または装置イベント信号を送信し、中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号を受信した住警器または緊急警報装置25からAKC信号未応答の住警器または緊急警報装置25へ中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号を中継送信させる。中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号を中継受信したAKC信号未応答の住警器は中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号に対しACK信号を返信し、このACK信号が他の住警器の中継(返信の中継)を経て連動元の住警器10−1で受信される。これによってもACK信号が受信されない住警器または緊急警報装置25がある場合には、通信障害等と判定し、所定の障害対応処理等を行う。
【0108】
メモリ32には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番48、各住警器を特定する住警器識別情報となる送信元符号50、図1のように住宅に設置した住警器10−1〜10−6で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
【0109】
図5は本実施形態で連動警報に使用するイベント信号フォーマットを概略的に示した説明図であり、装置イベント信号も同じになる。図5において、イベント信号46は連番48、送信元符号50、グループ符号52及びイベント符号54で構成されている。
【0110】
連番48はイベント信号の順番を示す連続番号であり、各端末(住警器、緊急警報装置)それぞれにイベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。また、連番48は住警器10及び緊急警報装置25の各々で非同期に生成している。連番48は住警器10や緊急警報装置25間の、主に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【0111】
送信元符号50は住警器識別情報として用いられる例えば26ビットの符号であり、例えば住警器10、緊急警報装置25のシリアル番号等を利用している。グループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−6及び緊急警報装置25につき例えば同じグループ符号が設定されている。
【0112】
なおグループ符号52としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、例えば予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。すなわち、イベント信号を受信した各端末(住警器、緊急警報装置)がそれをもとに自己と同一グループの端末からの信号であるか否かを判定できるものであれば、どのような符号であっても良い。
【0113】
イベント符号54は、火災、ガス漏れ(例えばガス漏れ警報器やガス漏れ検出機能を併せ持つ住警器等の場合)などのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ガス漏れ
0011=警報停止(火災警報停止、ガス漏れ警報停止、障害警報停止)
0100=復旧(火災復旧、ガス漏れ復旧、障害復旧)
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
0111=地震報知
1000=津波報知
としている。
【0114】
なお、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、ビット数を増やすことで、当然これも事象符号に追加することができる。また、中継送信するイベント信号または装置イベント信号には、送信元(連動元)の住警器を示す識別符号と中継を行う住警器の識別符号の両方を付加する。更に、送信先を指定する識別符号を付加しても良い。
【0115】
また、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、例えば「1111」に割り当てることで当然これも事象符号に追加することができる。また、その他例えば「0000」を定期的な通信確認用に割り当てても良い。もちろん、ビット数を増やすことで更に多くの事象符号を割り当てることができる。
【0116】
再び図1を参照するに、センサ部34には、煙を検出して煙濃度に応じた検出信号を出力する検煙部16を設けている。前述のように、センサ部34には検煙部16に代えて、火災による温度を検出して検出信号を出力する素子やセンサ、火災に伴うその他の物理現象変化を検出して検出信号を出力する各種素子やセンサを設けても良い。
【0117】
報知部36には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ56と警報表示等を行うLED22が設けられている。スピーカ56は、図示しない音声合成回路部から、自己が保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常その他を表示する。スピーカ56に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED22に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器を併設するなどしても良い。
【0118】
操作部38には警報停止スイッチ20とモードスイッチ21が設けられている。警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ56により火災や障害の警報音を出力しているとき又はLED22により警報表示を行っているときにのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音は停止し、警報表示は停止または警報音停止から所定時間後に停止するといった警報停止処理が行われる。
【0119】
一方、連動元または連動先を示す火災警報または障害警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ20を操作すると、ビルトインテストとしてバックグラウンドで実行されてメモリ32に記憶されている所定の自己点検結果を参照し、報知部36のスピーカ56から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
【0120】
なお、自己点検はビルトインテストとしてバックグラウンドで行わずに、通常状態で警報停止スイッチ20の操作を検出した場合(点検を指示した場合)に実行するようにしても良い。また、障害警報中に警報停止スイッチ20が操作された場合には、所定の自己点検動作を実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。そして、このとき障害状態が解消(障害復旧)している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止(復旧)処理に移行しても良い。
【0121】
操作部38に設けたモードスイッチ21は本体裏面などに設けたディップスイッチ等であり、地震報知や津波報知の報知禁止モードをオン、オフ設定することができる。モードスイッチ21のオンにより禁止モードを設定(オン)すると、緊急警報装置25から地震報知や津波報知を示す装置イベント信号を受信しても、報知部36からの地震報知出力や津波報知出力は行われない。
【0122】
この機能を利用して、例えば緊急警報装置25が設置されている部屋に住警器10も設置されているような場合や、同じ部屋に住警器10が複数台設置されている場合等に、必要に応じてその部屋の所定機器だけに情報出力させることができるので、複数の機器で重複しての情報出力を避けることができ、この場合例えば禁止設定された住警器の電池消耗を抑制することができる等の効果が得られる。
【0123】
電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
【0124】
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部58、送信処理部60、受信処理部62、異常報知処理部64、地震報知処理部65及び障害処理部66の機能が設けられ、障害処理部66にはセンサ障害監視部68とローバッテリー障害監視部70の機能が設けられている。
【0125】
イベント検出部58は、センサ部34の煙検出信号出力から検知した火災の有無、操作部38による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部34の煙検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧、センサ障害やローバッテリー障害等のイベントを検出する。またイベント検出部58は受信回路44及び受信処理部62を介して他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号及び緊急警報装置25からの装置イベント信号の解読結果として得られたイベント信号有効受信の有無およびそのイベント内容を検出する。
【0126】
送信処理部60は、イベント検出部58によるセンサ部34の煙検出信号出力からの火災検知、操作部38による警報停止、センサ部34の煙検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧等の自己のイベントを検出した場合に、検出したイベント内容を示すイベント信号を、無線通信部30の送信回路42を介してアンテナ31から連動先の住警器や緊急警報装置に送信させる。また送信処理部60は他の住警器や緊急警報装置25から有効に受信したイベント信号を、必要に応じて中継送信する。
【0127】
受信処理部62は、他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号及び緊急警報装置25からの装置イベント信号を、アンテナ31から無線通信部30の受信回路44を介して受信し解読する。
【0128】
なお、緊急警報装置25から受信する装置イベント信号の種類としては、地震報知や津波報知を示す装置イベント信号、図3の緊急警報装置25に設けた警報停止スイッチ108の操作によって住警器10の火災警報等を停止させる場合の警報停止を示す装置イベント信号等がある。
【0129】
異常報知処理部64は、イベント検出部58で自己の異常として火災を検知した場合にイベント検出部58から信号を受け、スピーカ56から連動元を示す警報音を出力させると共に、LED22を例えば点灯駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信する。
【0130】
具体的に説明すると、異常報知処理部64は、センサ部34に設けた検煙部16の煙検出信号に基づきイベント検出部58で火災を検知した場合に、イベント検出部58からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき報知部36に対しスピーカ56から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED22を点灯させて連動元を示す警報表示制御を行い、更に、送信処理部64および送信回路42を介して火災を示すイベント信号をアンテナ31から他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に向けて送信させる。
【0131】
また異常報知処理部64は、無線通信部30の受信回路44により他の住警器10−2〜10−6の何れかから火災イベント信号を有効受信したことをイベント検出部58で検出した場合に、報知部36のスピーカ56から連動先を示す警報音(報知音)例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを繰り返し出力させると共にLED22を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行う。
【0132】
一方、住警器10−1からの火災を示すイベント信号が緊急警報装置25で有効受信された場合、緊急警報装置25はスピーカから例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージによる警報音を繰り返し出力させると共に火災を検知した住警器を特定する警報表示を行う。
【0133】
障害処理部66にはローバッテリー障害監視部68とセンサ障害監視部70との機能が設けられ、ビルトインテストとしてバックグラウンドで定期的に自動実行されている。
【0134】
ローバッテリー障害監視部70は、所定の測定時間間隔、例えばT3=4時間間隔で図示しない電圧検出回路を介して直接的又は間接的に、電池電源40から供給される電源電圧をA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害の検出を予備判定し、更にローバッテリー障害検出の仮判定が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害と判定(確定)し、ローバッテリー障害フラグをセットしてメモリ32に記憶する。
【0135】
センサ障害監視部68は、所定の測定時間間隔、例えばT1=1秒間隔でセンサ部34の検煙部16から出力される煙検出信号をA/D変換により読み込んでメモリ32のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔T2=10分毎に、メモリ32のバッファ領域に保持している10分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回った時に出力停止状態である等としてセンサ部34の障害と判定し、センサ障害フラグをセットしてメモリ32に記憶する。
【0136】
このように煙濃度検出信号の10分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部16に設けている受光素子故障や受光素子からの出力信号線断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いためセンサ障害とする。
【0137】
なお、センサ部16にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することができる。その他、スピーカ56への出力線の断線や他の回路故障、通信異常等を同様に障害監視することができる。このような障害についても、検出後はセンサ障害と同様の処理を行ことから、本実施形態にあってはセンサ障害と総称している。
【0138】
異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定又はローバッテリー障害の判定が検出された場合、報知部36のスピーカ56からの警報音とLED22の表示により連動元を示すセンサ障害警報又はローバッテリー障害警報を出力させる。
【0139】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定又はローバッテリー障害の判定が検出された場合に、報知部36のスピーカ56から警報音および/またはLED22の表示により連動元を示すセンサ障害警報またはローバッテリー障害警報を出力させと共に、異常警報処理部64はセンサ障害イベント信号またはローバッテリー障害イベント信号を有線通信部30の送信回路42からアンテナ31を介して他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信し、住警器10−2〜10−6および緊急警報装置25に、連動先を示すセンサ障害警報又はローバッテリー障害警報を警報音および/または表示で行わせる。
【0140】
更に異常報知処理部64は、受信回路44および受信処理部62を介して他の住警器10−2〜10−6の何れかからセンサ障害イベント信号又はローバッテリー障害イベント信号を有効に受信したことをイベント検出部58で検出した場合に、報知部36のスピーカ56からの警報音と、LED22の表示とにより連動先を示すセンサ障害警報又はローバッテリー障害警報を出力させる。
【0141】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定を検出した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力すると共にLED22を例えば点灯し、その後は一定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
【0142】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定を検出した場合、送信処理部60および送信回路42を介してセンサ障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信することで、連動先を示すセンサ障害警報を出力させる。このとき、警報音として例えば「ピッ 別の警報器が故障です」や「ピッ 警報器が故障です」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0143】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でローバッテリー障害の判定を検出した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すローバッテリー障害の警報音としてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLED22を例えば点灯し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
【0144】
また警報処理部64は、イベント検出部58でローバッテリー障害の判定を検出した場合、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」や「ピッ 警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0145】
また異常報知処理部64は連動元を示す火災警報音または連動先を示す火災警報音の出力中に警報停止スイッチ20の操作を検出した場合、又は他の住警器10−2〜10−6の何れか又は緊急警報装置25からの警報停止を示すイベント信号又は装置イベント信号受信を検出した場合、スピーカ56からの音声メッセージとLED22の警報表示による火災警報の出力を停止する。このときはLED22による警報表示については、所定時間継続した後に停止しても良い。なお、連動元を示す火災警報中には、警報停止を示すイベント信号や装置イベント信号受信があっても、少なくとも警報音の出力は継続させるようにしても良い。
【0146】
更に異常報知処理部64は、連動元を示すセンサ障害又はローバッテリー障害警報の出力中に操作部38に設けた警報停止スイッチ20の警報停止操作を検出した場合、自己の連動元を示す警報音を停止すると共に障害表示を所定時間継続させた後に停止し、更に連動先を示す障害警報出力中の他の住警器10−2〜10−6、緊急警報装置25に警報停止イベント信号を送信して、住警器10−2〜10−6および緊急警報装置25の障害警報音と障害表示を停止させる。
【0147】
地震報知処理部65は、受信回路44および受信処理部62を介して緊急警報装置25から地震報知を示す装置イベント信号の有効受信をイベント検出部58で検出した場合に、地震報知を示す情報として例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から所定時間又は所定回数(1回を含む)出力させると共にLED22を点灯、点滅又は明滅させる。
【0148】
また地震報知処理部65は、受信回路44および受信処理部62を介して緊急警報装置25から津波報知を示す装置イベント信号の有効受信有りを装置イベント検出部58で検出した場合に、津波報知を示す情報として例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から所定時間又は所定回数(1回を含む)出力させると共にLED22を点灯、点滅又は明滅させる。
【0149】
また、地震報知処理部65は、モードスイッチ21の設定オン操作により地震報知及び津波報知を示す情報の出力を禁止する禁止モードの設定をイベント検出部58で検出した場合には、緊急警報装置25から地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を受信しても、地震報知または津波報知を示す情報の音声メッセージ出力及び表示は行わない。
【0150】
また、禁止モード設定するモードスイッチを後に説明する緊急警報装置25の操作部に設ける場合には、モードスイッチの設定により緊急警報装置25からの火災警報出力を禁止するようにしても良い。
【0151】
また、音声メッセージや音響出力を禁止した場合でも、表示だけは行うようにしても良く、その逆に表示だけを禁止しても良い。更にこれを別に指定できるようにしても良い。即ち、出力禁止の設定は、地震報知と地震報知試験、また音響出力と表示出力について、適宜選択設定できるようにする。
【0152】
このようにすれば、報知出力を行うイベントの種類に応じて、その報知方法を選択的に設定できるようになり、利用者の希望や機器の設置状況によって適宜の報知パターンとすることができるので、使い勝手が良い。
【0153】
図6は図1の警報システムに設けた緊急警報装置の実施形態を示したブロック図であり、FM放送を受信する場合を例にとっている。図6において、緊急警報装置25は、プロセッサ72、アンテナ75を備えたFM受信部74、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、無線通信部84、メモリ86で構成され、プロセッサ72にはプログラムの実行で実現する機能として解析部94、装置イベント検出部96、地震報知制御部98、送信制御部100、受信制御部102、異常報知制御部104および障害報知制御部106が設けられている。操作部80には警報停止スイッチ108が設けられている。
【0154】
ここで、アンテナ75を備えたFM受信部74は放送受信部を構成し、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81は緊急警報装置25の報知部を構成する。また、アンテナ85、送信回路90および送信制御部100を併せて送信部とし、更に、アンテナ85、受信回路92および受信制御部102を併せて受信部としている。
【0155】
FM受信部74は操作部80の操作で選局したFM局にチューナを同調してFMアンテナ75を介してFM放送電波を受信し、音声信号として復調して出力している。音声増幅部76は待機状態では動作を停止しており、そのためスピーカ78から受信されたFM放送の再生出力は行われない。
【0156】
プロセッサ72の解析処理により緊急地震速報信号または津波警報信号の受信が検出されると音声増幅部76が動作状態に切り替えられ、その時、FM受信部74から再生出力された緊急地震速報または津波警報の放送内容を、音声増幅部76を介してスピーカ78から出力する。表示部80は受信待機表示、緊急地震速報受信表示、津波警報表示、選局周波数表示、などのFM放送受信に必要な表示を行う。
【0157】
住警器番号表示部81は例えば図3(A)の液晶パネル116又は図3(B)の住警器表示灯118で実現され、住警器10から火災を示すイベント信号有効受信を装置イベント検出部96で検出した場合、イベント信号に含まれた送信元符号に基づき火災を検知して警報している住警器を検出し、住警器番号の表示や住警器設置場所を示す地区名表示を行う。
【0158】
無線通信部84には送信回路90と受信回路92が設けられ、アンテナ85から住警器10に装置イベント信号を無線送信し、住警器10からイベント信号を受信できるようにしている。無線通信部84としては、住警器10−1と同様に、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30またはSTD−T67に準拠した構成を備える。
【0159】
メモリ86には、住警器10−1のメモリ32と同様に、イベント信号の順番を示す連続番号である連番、緊急警報装置を特定する自己の識別情報となる送信元符号、連動グループを構成するためのグループ符号が格納され(図示せず)、更に送信元符号管理テーブル1106が格納されている。
【0160】
送信元符号管理テーブル110は住警器10−1〜10−6の送信元符号に対応して住警器番号や設置場所を示す地区名(部屋名)などが予め格納され、住警器10から火災イベント信号、センサ障害イベント信号またはローバッテリー障害イベント信号の有効受信を装置イベント検出部98で検出した場合、各イベント信号に含まれた送信元符号に基づき送信元管理テーブル106を参照して住警器番号や地区名(部屋名)を取得して火災、センサ障害またはローバッテリー障害を検知した住警器やその設置場所を特定する音声メッセージや警報表示を可能としている。
【0161】
プロセッサ72に設けた装置イベント検出部96は、解析部94による緊急地震速報の最初に流れるチャイム音の受信を解析処理により検出すると緊急地震速報信号受信を検出し、地震報知制御部98に指示して音声増幅部76を所定時間動作してスピーカ78から緊急地震速報の再生出力を行わせると共に、地震報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部98から送信回路90及びアンテナ85を介して住警器10側に地震報知を示す装置イベント信号を送信し、地震報知を示す情報を出力させる。解析部96による緊急地震速報のチャイム音の解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
【0162】
また装置イベント検出部98は、解析部94による緊急警報放送における第2種開始信号の受信を解析処理により検出すると津波警報信号の有効受信有りを検出し、地震報知制御部98に指示して音声増幅部72を動作してスピーカ74から津波警報の再生出力させる共に、津波報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部98から送信回路90及びアンテナ85を介して住警器10側に津波報知を示す装置イベント信号を送信し、津波報知を示す情報を出力させる。
【0163】
また装置イベント検出部96は解析部94による緊急地震速報信号または津波警報信号の有効受信の検出に加え、受信制御部102による住警器10からのイベント信号有効受信等の装置イベントを検出する。
【0164】
異常報知制御部104は、装置イベント検出部98で住警器10の何れかからの、火災を示すイベント信号有効受信を検出した場合に、有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号に基づき火災を検出している警報器を検出し、音声増幅部76を動作してスピーカ78から火災を検知している住警器を示す例えば「ウーウー ○番の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力させると共に住警器表示部81に火災を検知している住警器を示す番号や設置している地区名(部屋名)を示す表示を行わせる。
【0165】
異常報知制御部104は、装置イベント検出部98で住警器10の何れかからの火災復旧、警報停止を示すイベント信号の有効受信、または警報停止スイッチ92の操作を検出した場合に、火災警報音と火災表示を停止させる。
【0166】
また操作部80に火災警報の禁止を設定するモードスイッチを設け、住警器10と同じ場所に緊急警報装置25を設置する場合や、火災警報の連動報知を必要としない場合は、モードスイッチの操作で火災警報の報知を禁止するようにしても良い。この場合、住警器表示部78による火災を検知した住警器を示す表示は残しておくことが望ましい。
【0167】
緊急警報装置25の電源は商用AC電源であっても良いし、電池としても良い。更にその他の専用電源であっても良い。
【0168】
図7は図6の緊急警報装置のメモリに設けた送信元符号管理テーブルを示した説明図である。図7において、送信元符号管理テーブル110には、例えば図3(B)の緊急警報装置25の住警器表示灯118の数に対応した住警器番号1〜8が準備され、図1に示した住警器10−1〜10−6の識別情報となる送信元符号ID1〜ID6が住警器番号1〜6に対応して予め登録され、更に設置場所の部屋名が予め登録されている。
【0169】
図6の緊急警報装置25にあっては、装置イベント検出部96で住警器からのイベント信号有効受信を検出した場合、異常報知制御部104が有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号IDxにより送信元符号管理テーブル110を検索し、送信元符号IDxに一致する住警器番号と設置場所を示す部屋名を取得し、火災を示す音声メッセージによる警報音に住警器番号や設置場所を示す内容を含めて出力し、また住警器表示器81に火災を検知している住警器を示す住警器番号表示や地区名表示を行う。
【0170】
図8乃至図10は図4の住警器10−1における監視処理の例を示したフローチャートである。他の住警器10−2〜10−6についても同じ処理となる。図8において、住警器10−1の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モードの設定の有無を含む各種設定の読み込みを実行し、異常がなければステップS2に進み、火災を監視している。ステップS1で初期化異常があった場合には報知部36でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0171】
センサ部34から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災が検知され、ステップS2で火災検知を検出してステップS3に進み、連番、火災を検知している住警器を特定する送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に無線送信した後、ステップS4で報知部36のスピーカ56から音声メッセージやブザー音等による警報音とLED22の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0172】
続いて、ステップS5でセンサ部34からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検出しており、火災復旧を検出するとステップS6で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信した後、ステップS7でスピーカ56からの警報音とLED22の点灯による警報表示とによる連動元を示す火災警報を停止する。なお、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0173】
続いてステップS8で警報停止スイッチ20の操作有無を検出し、スイッチ操作を検出するとステップS9で警報中の有無を検出する。ステップS9で警報中を検出すると、ステップS10に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信し、ステップS11に進んでスピーカ56からの連動元を示す警報音出力を停止し、LED22の点灯による警報表示を消灯する。なお、LED22は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0174】
ステップS9で警報中でないと検出した場合には、ステップS8で検出した警報停止スイッチの操作を点検指示動作と認定し、所定の点検動作を実施して結果を報知するようにしているが、図示を省略している。
【0175】
続いて図9のステップS12に進み、他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信有無を検出している。他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信有りを検出すると、ステップS13に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ56から警報音を出力し、LED22の点滅による警報表示を行う。
【0176】
次にステップS14で他の住警器からの火災復旧を示すイベント信号の有効受信有無を検出しており、火災復旧を示すイベント信号の有効受信有りを検出すると、ステップS15に進んで連動先の警報として行っているスピーカ56からの警報音出力とLED22の点滅による警報表示を停止する。
【0177】
次にステップS16で他の住警器からの警報停止を示すイベント信号又は緊急警報装置25からの警報停止を示す装置イベント信号の有効受信の有無をチェックしており、警報停止を示すイベント信号又は装置イベント信号の有効受信有りを検出すると、ステップS17に進んで警報中の有無を検出し、警報中を検出するとステップS18に進んで連動先としての警報音出力を停止し、警報表示も停止する。
【0178】
続いてステップS19で地震報知の禁止モード設定の有無を検出し、禁止モードの設定が無ければステップS20に進んで地震報知を示すイベント信号の有効受信有無を検出しており、緊急警報装置25からの地震報知を示す装置イベント信号の有効受信有りを検出するとステップS21で地震報知を示す例えば「ピーピー 緊急地震速報です 強い揺れに警戒してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から1又は複数回出力すると共にLED22を例えば点灯する。
【0179】
続いてステップS22で津波報知を示すイベント信号の有効受信の有無を検出しており、緊急警報装置25からの津波報知を示す装置イベント信号の有効受信有りを検出するとステップS23で津波報知を示す例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から1又は複数回出力すると共にLED22を例えば点灯する。
【0180】
ステップS19で地震報知の禁止モード設定を検出した場合、ステップS20〜S23はスキップし、地震報知や津波報知を示す装置イベント信号の受信を検出しても地震報知または津波報知を示す音声メッセージを出力しない。これは図1のように住警器10−1が緊急警報装置25と同じ部屋に設置されている場合である。なお、ステップS19とステップS20は順番を入れ替えても良い。
【0181】
続いて図10のステップS22に進み、ローバッテリー障害の有無を検出し、ローバッテリー障害有りを検出するとステップS23に進んでメモリ32にローバッテリー障害フラグをグセットして記憶すると共に定期通報タイマを起動する。
【0182】
続いてステップS24で障害元を示すローバッテリー障害の警報出力と警報表示を行った後、ステップS25でローバッテリー障害イベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信する。
【0183】
続いてステップS26に進み、センサ障害の有無を検出し、センサ障害有りを検出するとステップS27に進んでメモリ32にセンサ障害フラグをセットして記憶すると共に定期通報タイマを起動する。
【0184】
続いてステップS28で障害元を示すセンサ障害の警報出力と警報表示を行った後、ステップS29でセンサ障害イベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信する。
【0185】
続いてステップS30でメモリ32にローバッテリー障害またはセンサ障害を示す障害フラグがセットされているか否か検出し、障害フラグのセットを検出するとステップS31に進み、ステップS23またはS27で起動した定期鳴動タイマによる定期鳴動タイミングか否か検出し、定期鳴動タイミングを検出するとステップS32に進み、そのときローバッテリー障害フラグがセットされていればローバッテリー障害警報を出力し、センサ障害フラグがセットされていれば、センサ障害警報を出力する。
【0186】
続いてステップS33で警報停止スイッチ20の操作の有無を検出しており、操作有りを検出するとステップS34に進み、点検処理の実行によりセットされた障害フラグがメモリ32に記憶されているか否か検出し、障害フラグの記憶無しを検出した場合はステップS35に進み、正常報知として例えば火災警報音と警報表示の試験報知を行う。この試験報知では火災警報音の音量を下げた状態で1回だけ出力し、住警器10が正常に動作することを利用者に知らせる。
【0187】
ステップS34で障害フラグの記憶有りを検出した場合は、ステップS36に進み、そのときローバッテリー障害フラグの記憶有りを検出した場合はローバッテリー障害警報を出力し、センサ障害フラグの記憶有りを検出した場合は、センサ障害警報を出力する。このためローバッテリー障害またはセンサ障害の検出で障害警報が出された後は、定期鳴動タイマによる所定時間毎の障害警報の出力に加え、通常状態での警報停止スイッチ20の操作検出による点検指示入力の検出時にも障害警報を出力することになる。以上の処理を電源オフによる動作停止指示が検出されるまで繰り返す。
【0188】
なお、図8乃至図10のフローチャートでは、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号を受信した場合の処理は省略しているが、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号の有効受信有りを検出した場合、連動先を示すローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報を警報音と警報表示で行う。
【0189】
図11及び図12は図5に示した緊急警報装置25の処理例を示したフローチャートである。図11において、緊急警報装置25の電源を投入するとステップS40で初期化及び自己診断を行い、エラーが無ければステップS41に進んで操作部80の選局操作によりFM局の選局処理を行う。
【0190】
続いてステップS42の受信待機動作に移行する。受信待機動作はFM受信部74を動作してFM放送電波を受信再生しているが、音声増幅部76の動作は停止してスピーカ78から放送を流していない状態である。
【0191】
続いてステップS43で緊急地震速報のチャイム音受信有無を解析部94の解析処理を通じて検出しており、チャイム音受信を検出するとステップS44に進み、音声増幅部76を動作することで、そのとき受信している緊急地震速報の放送をスピーカ78から所定の設定音量で出力する。
【0192】
次にステップS45で送信制御部100、無線通信部84の送信回路90及びアンテナ85を介して、住警器10に地震報知を示す装置イベント信号を送信する。続いてステップ46で所定時間の経過を待ってステップS47に進み、音声増幅部76の動作を停止することで、放送音の出力を停止する。
【0193】
続いてステップS48で津波警報信号の受信有無を解析部94の解析処理を通じて検出しており、津波警報信号の有効受信有りを検出するとステップS49に進み、音声増幅部76を動作することで、そのとき受信している緊急警報放送による津波警報をスピーカ78から設定音量で出力する。
【0194】
次にステップS50で送信制御部100、無線通信部84の送信回路90及びアンテナ85を介して、住警器10へ津波報知を示す装置イベント信号を送信する。続いてステップ52で緊急警報放送における終了信号の有効受信を解析部94の解析処理を通じて検出するとステップS43に進み、音声増幅部76の動作を停止することで、放送音の出力を停止する。
【0195】
続いて図12のステップS53に進み、住警器10の何れかからの火災を示すイベント信号の有効受信の有無を検出している。ステップS53で住警器10の何れかからの火災を示すイベント信号有効受信を検出すると、ステップS54に進んで有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索し、火災を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名を取得し、ステップS55で、火災を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所の部屋名を含む音声メッセージによる火災の警報音をスピーカ78から出力し、また、住警器表示器81により住警器番号や設置場所の部屋名を表示する。
【0196】
次にステップS56で操作部82に設けた警報停止スイッチ108の操作による警報停止指示の有無と併せて住警器10の何れかからの火災復旧を示すイベント信号または警報停止を示すイベント信号有効受信の有無を検出しており、操作による警報停止指示または火災復旧を示すイベント信号受信有りまたは警報停止を示すイベント信号有効受信有りを検出すると、ステップS57に進んで警報中の有無を検出し、警報中を検出するとステップS58に進んで火災警報音および警報表示を停止する。
【0197】
ここで、操作部82に設けた警報停止スイッチ108の操作指示入力の検出に基づいて警報を停止する場合には、無線通信部84の送信回路90からアンテナ85を介して住警器10へ警報停止を示す装置イベント信号を送信する。
【0198】
また、ステップS58の火災警報表示の停止については、住警器10の何れかからの火災復旧を示すイベント信号または警報停止を示すイベント信号の有効受信有りを検出した場合、有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索して火災復旧または警報停止した住警器の住警器番号や部屋名を取得し、住警器表示部78の対応する表示を停止する。
【0199】
続いてステップS59に進み、住警器10の何れかからのローバッテリー障害を示すイベント信号の有効受信の有無を検出している。ステップS54で住警器10の何れかからのローバッテリー障害を示すイベント信号有効受信を検出すると、ステップS55に進んで有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索し、ローバッテリー障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名を取得し、ステップS61で、ローバッテリー障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所の部屋名を含む音声メッセージによる火災の警報音をスピーカ78から出力し、また、住警器表示器81により住警器番号や設置場所の部屋名を表示する。
【0200】
続いてステップS62に進み、住警器10の何れかからのセンサ障害を示すイベント信号の有効受信の有無を検出している。ステップS62で住警器10の何れかからのセンサ障害を示すイベント信号有効受信を検出すると、ステップS63に進んで有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索し、センサ障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名を取得し、ステップS64で、ローバッテリー障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所の部屋名を含む音声メッセージによる火災の警報音をスピーカ78から出力し、また、住警器表示器81により住警器番号や設置場所の部屋名を表示する。以上の処理をステップS65で電源オフによる動作停止指示が検出されるまで繰り返す。
【0201】
図13は図1に設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、テレビ放送(デジタルTV放送)を受信解析して緊急地震速報信号または津波警報信号を検出して地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を住警器へ送信するようにしたことを特徴とする。
【0202】
これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0203】
図13において、緊急警報装置25は、プロセッサ72、TVアンテナ122を接続したデジタルTV受信部120、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84で構成され、プロセッサ72にはプログラムの実行で実現する機能として解析部94、装置イベント検出部96、地震報知制御部98、送信制御部100、受信制御部102、異常報知制御部104及び障害報知制御部106を設けている。操作部82には警報停止スイッチ108を設け、メモリ86には送信元符号管理テーブル110を設けている。
【0204】
ここで、プロセッサ72、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84は、図6に示した緊急警報装置25と基本的に同じであり、デジタルTV受信部120、TVアンテナ122及びプロセッサ68の解析部94が本実施形態に固有のものとなる。なお、デジタルTV受信部120にはワンセグとして知られた携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスの受信部であっても良い。
【0205】
デジタルTV受信部120は操作部82の操作で選局されたTV局、例えばNHK(R)にチューナを同調してそのテレビ放送電波を受信し、音声信号を復調して出力している。
【0206】
プロセッサ72に設けた解析部94は、デジタルTV受信部120で受信復調されたTV放送音声データ信号およびTV放送データ信号を入力して解析し、緊急地震速報信号又は津波警報信号の有効受信の有無を検出している。
【0207】
プロセッサ728に設けた装置イベント検出部96は、解析部94により、緊急地震速報放送信号の最初に流れる2回のチャイム音を示す音声データ信号の解析により緊急地震速報信号の有効受信を検出した場合、これに基づき音声増幅部76を所定時間動作して緊急地震速報を再生してスピーカ78から出力すると共に、地震報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部100により無線通信部84の送信回路90からアンテナ85を介して住警器10側に地震報知を示す装置イベント信号を送信し、地震報知を示す情報を出力させる。解析部94による緊急地震速報のチャイム音解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
【0208】
また、装置イベント検出部96は、解析部94により、緊急警報放送の最初の10秒間に流れる第2種開始信号を示す緊急警報放送識別子が有効受信されたことを解析して検出した場合、津波警報信号が有効受信されたとみなし、これに基づき音声増幅部76を動作して津波警報放送を再生してスピーカ78から出力すると共に、津波報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部100により無線通信部84の送信回路90からアンテナ85を介して住警器10側に津波報知を示す装置イベント信号を送信し、津波報知を示す情報を出力させる。
【0209】
また装置イベント検出部96は、解析部94により第2種開始信号の解析検知から所定時間後に送信されてくる終了信号を示す緊急警報放送識別子の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部76の動作を停止してスピーカ78から放送音の出力を停止する。
【0210】
図14は図1に設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、AM放送を受信解析して緊急地震速報信号または津波警報信号を検出して地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を住警器へ送信するようにしたことを特徴とする。
【0211】
これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0212】
図14において、緊急警報装置25は、プロセッサ72、AMアンテナ132を接続したAM受信部130、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84で構成され、プロセッサ72にはプログラムの実行で実現する機能として解析部94、装置イベント検出部96、自陣報知制御部98、送信制御部100、受信制御部102、異常報知制御部104及び障害報知制御部106を設けている。操作部82には警報停止スイッチ108を設け、メモリ86には送信元符号管理テーブル110を設けている。
【0213】
ここで、プロセッサ72、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84は、図6に示した緊急警報装置25と基本的に同じであり、AM受信部130、AMアンテナ132及びプロセッサ72の解析部94が本実施形態に固有のものとなる。
【0214】
AM受信部130は操作部82の操作で選局されたAM局にチューナを同調させてその放送電波を受信し、音声信号として復調して出力している。
【0215】
プロセッサ72に設けた解析部94は、AM受信部130で受信復調されたAM放送音声信号を入力して解析し、緊急地震速報信号または津波警報信号の有効受信の有無を検知しており、その詳細は図6のFM放送音声信号を解析して制御する場合と基本的に同じになる。
【0216】
なお、上記の実施形態は、緊急警報装置で緊急地震速報信号と津波警報信号の両方の受信を検出して処理しているが、緊急警報装置で緊急地震速報信号と津波警報信号のいずれか一方の受信を検出して処理するようにしても良い。ここで、緊急地震速報信号のみの受信を検出して処理する場合には、上記の実施形態における緊急警報装置25を緊急地震速報装置25と読み替え、且つ津波警報に関する部分を削除した内容の実施形態とすれば良い。
【0217】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
【0218】
また、緊急警報装置の他の実施形態として、緊急警報装置に住警器の機能を設け、緊急警報装置で火災等の異常を検知して連動元として警報すると共に他の住警器にイベント信号を送信して連動先として警報させても良い。
【0219】
また、警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、所定の警報器が緊急警報装置と連携できるものであれば良い。一部の警報器は連動し、他の警報器は連動しないものとしても良い。更に、警報器は1台であることを妨げない。一方で、緊急警報装置を複数台設けても良い。このとき、緊急警報装置間でも相互に連携連動できるようにしても良い。
【0220】
また、警報器や緊急警報装置間の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
【0221】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチ、モードスイッチとして示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【0222】
また、住警器(住宅用火災警報器)の警報出力機能を禁止することは規格上できないが、住警器以外の適宜の警報器を使用する場合には、警報器側の異常警報を禁止させるモード設定機能を設けることもできる。このようにすれば、例えば緊急警報装置からの異常(住警器の場合の火災にあたる)警報を出力させる代わりに、緊急警報装置の近隣に設置されている警報器からの異常警報を禁止させるパターンを採ることもできる。
【0223】
また、住警器から緊急警報装置への異常警報(火災警報等)の連動出力は、表示のみで行わせるようにしても良い。例えば、ブザー音や音声メッセージ等の音響警出力は住警器だけで充分足りるが、電力消費の大きなフラッシュライト等を用いて異常発生の視覚的な報知効果を高めたいといった場合には、商用電源や専用電源等を使用していることで電力消費を抑える必要性が比較的低い緊急警報装置に当該フラッシュライト等の表示装置を設けて、住警器の異常(火災)警報に連動して動作させて表示報知の効果を高めても良い。
【0224】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
【0225】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
【0226】
また、緊急警報装置は、放送による緊急地震速報や津波警報を上記実施の形態のように直接受信しても良いし、別の装置や設備を介して間接的に受信しても良い。また、緊急地震情報や津波警報は例えば市町村等の地域防災無線設備から送信されるものであっても良く、この場合に緊急警報装置は当該防災無線信号から緊急地震情報や津波警報を検出する受信部と解析部を備えることになる。
【0227】
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のLEDによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
【0228】
また、緊急警報装置、住警器(警報器)の表示部は、異常(上記実施の形態では火災)警報用表示部と緊急地震速報報知用表示部とをそれぞれ個別に設けても良い。
【0229】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
【0230】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【0231】
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
【0232】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0233】
10,10−1〜10−6:住警器
12:カバー
14:本体
16:検煙部
17:取付フック
18:音響孔
20:警報停止スイッチ
21:モードスイッチ
22:LED
24:住宅
25:緊急警報装置
28,72:プロセッサ
31,84:アンテナ
30,82:無線通信部
32,86:メモリ
34:センサ部
36:報知部
38:操作部
40:電池電源
42,90:送信回路
44,92:受信回路
46:イベント信号
48:連番
50:送信元符号
52:グループ符号
54:イベント符号
56,78::スピーカ
58:イベント検出部
60:送信処理部
62:受信処理部
64:警報処理部
65:緊急地震速報処理部
66:障害処理部
68:電池電圧低下監視部
70:点検処理部
74:FM受信部
75:FMアンテナ
76:音声増幅部
80:表示部
81:住警器表示部
82:操作部
94:解析部
96:装置イベント検出部
98:地震報知制御部
100:送信制御部
102:受信制御部
104:異常報知制御部
106:障害報知制御部
110:送信元符号管理テーブル
120:デジタルTV受信部
130:AM受信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災やガス漏れなどの異常を検知して警報する警報器に緊急地震速報や地震速報を出力させる警報システム、警報連携方法、緊急警報装置及び警報器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅における火災やガス漏れなどの異常を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
【0003】
このような住警器にあっては、住警器内にセンサ部と警報部を一体に備え、センサ部の検出信号から火災を検知すると警報部から音声メッセージなどにより火災警報を出すようにしており、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
【0004】
また、複数の住警器間で通信を行うことによって、任意の住警器で火災警報が行われると、他の住警器でも連動して警報を行う、連動型の住警器システムも提案されている。
【0005】
このような住警器システムでは、住警器で火災を検知した場合には、火災を検知した連動元の住警器は、例えば「ウーウー火災警報器が作動しました 確認してください」との音声メッセージを出力するようにしている。住警器で警報が行われた場合、住警器に設けている警報停止スイッチを操作すると、警報を停止するようにしている。
【0006】
また、近年、住警器の低消費電力化が推し進められた結果、電池寿命が例えば10年以上といった長寿命が保証されており、その間、電池交換は不要である。長期間使用して電池寿命に近づき、電池電圧(残り容量)の低下が検出されると、電池切れ予告警報(以下、「ローバッテリー障害警報」と言う)を出力して電池交換を促すようにしている。
【0007】
ローバッテリー障害警報の出力開始後(電池電圧低下検出後)は、引き続き所定時間(例えば72時間)以上にわたって断続的なローバッテリー警報出力が可能であれば良いものとされており、即ち、所定時間以内に電池交換が行われれば問題ないものとされている。一般的には、この期間中も正常な監視動作が出来るように設計されていることから、ローバッテリー警報は火災警報のように緊急性の高い警報ではない。
【0008】
従ってローバッテリー障害警報としては、従来、就寝時間帯である夜間から早朝にかけての音響警報出力を極力避けるために、電池電圧の低下を検出してから所定時間経過後に電池切れ警報をスピーカから出力させる火災警報器(特許文献1)や、電池電圧が所定の電圧以下に低下している場合、電池の低下を報知するために電源ランプ等を点灯又は点滅させ、この状態でスイッチ操作を行うと、電池交換を促す内容を含んだ音声メッセージをスピーカから出力させる電池式警報器(特許文献2)が知られている。
【0009】
また、ユーザが長期間不在中に電池電圧の低下が検出された場合には、ローバッテリー障害警報を必要最小限の電力消費で可能な限り長期間継続して出力し続け、ユーザが帰宅した際に、確実に気付いてスイッチ操作で電池切れが分かるようにした警報器も提案されている(特許文献3)。
【0010】
また従来の住警器にあっては、通常の監視状態で警報停止スイッチを操作すると、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異常などの自己点検が実行され、点検結果を報知するようにしている。点検結果の報知は、異常がなければ、例えば「正常です」といった内容を含む音声メッセージを出力して行い、もしセンサ故障等を検出していれば「ピッ 故障です」といった音声メッセージを出力して行う。
【0011】
このようなローバッテリー障害警報やセンサ障害警報などについて連動型の住警器システムでは、障害を検知した住警器で連動元を示す障害警報を出力し、他の住警器で連動先を示す障害警報を出力するようにしている。
【0012】
一方、テレビ放送、FM放送及びAM放送を利用して地震情報を知らせる地震警報システムとして、地震などの大規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる緊急警報放送があり、また、地震が発生した場合に揺れが到達する前に、強い揺れが予想される地域に対し予測を発表する緊急地震速報がある。
【0013】
緊急警報放送は、東海地震の警戒宣言が発令された場合、津波警報が発表された場合、或いは自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに、テレビ放送、FM放送及びAM放送により緊急警報信号を送信して受信機の電源を自動的にオンし、緊急警報放送を再生出力させる。
【0014】
また緊急地震速報は、推定最大震度5弱以上で発表となり、テレビ放送、FM放送及びAM放送により緊急地震速報信号を送信し、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する。
【0015】
このような緊急警報放送や緊急地震速報に対応して専用の受信機として機能する緊急警報装置が実用化され、普及している。
【0016】
例えば緊急地震速報に対応した緊急警報装置にあっては、例えば特定のFMラジオ放送を選局して受信待機状態にあり、緊急地震速報が所定のチャイム音を2回流した後に例えば「緊急地震放送です。強い揺れに警戒してください」という自動音声を2回流すことから、例えば最初のチャイム音を解析して緊急地震速報信号を検出して放送再生動作を起動し、チャイム音に続く自動音声をスピーカから設定音量で出力して地震発生を知らせるようにしている。
【0017】
また緊急警報放送に対応した緊急警報装置にあっては、アナログ放送の緊急警報放送の場合は、開始信号として最初に送られてくる可聴音域の電子音(ピロピロ音)であるFSK信号を検知した場合に放送再生動作を起動し、津波警報などの緊急警報放送を受信再生するようにしている。
【0018】
更に、緊急地震速報と緊急警報放送の両方に対応した緊急警報装置も実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2007−094719号公報
【特許文献2】実用新案登録第3154579号公報
【特許文献3】特開2009−244937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、このような従来の緊急警報装置にあっては、緊急警報装置からの音が聞こえる範囲でしか緊急地震速報や津波警報の放送を聴くことができず、緊急警報装置を部屋毎に設置する必要があるが、高コストとなり、また各所に設置スペースを確保しなければならないといった問題がある。
【0021】
また、基本的には放送受信機であることから、FM放送やAM放送を受信する場合には、部屋によっては電波事情が悪く電波が充分な強度で受信できない場合があり、このような場所に設置しても有効に機能しない恐れもある。
【0022】
一方、複数の住警器を連動させる連動型の住警器システムにあっては、専用の受信設備等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価にできるというメリットがあるが、ある住警器が火災を検知して連動元警報を出力し、他の住警器が連動先警報を出力した場合、何れの住警器が火災を検知しているかが判り難く、住警器全体の状況が把握しにくいという問題がある。
【0023】
この問題はローバッテリー障害警報やセンサ障害警報などについても同様であり、ある住警器が障害を検知して連動元を示す障害警報を出力し、他の住警器が連動先示す障害警報を出力した場合、何れの住警器が障害を検知しているかが判り難く、住警器全体の障害状況が把握しにくいという問題がある。
【0024】
本発明は、警報器との連携によりにより緊急警報装置を設置していない部屋や放送電波の受信環境の良くない場所であっても地震発生を知ることを可能すると共に緊急警報装置に警報器に対する受信機としての機能を持たせて障害を起した警報器の状況を容易に把握可能とする警報システム、警報連携方法、緊急警報装置及び警報器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
(警報システム)
本発明は、警報器と緊急警報装置とを連携させ、警報器で警戒エリアの異常を検知した場合に異常を報知すると共に緊急警報装置に異常を示すイベント信号を送って異常を報知させ、緊急警報装置で放送による緊急地震情報信号を検出した場合に緊急地震情報信号緊を再生出力すると共に警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送って緊急地震情報を報知させる警報システムに於いて、
警報器は、障害を検知した場合に障害警報を出力させると共に前記緊急警報装置に対して自己の警報器識別情報を含む障害を示すイベント信号を送信し、
緊急警報装置は、警報器から障害を示すイベント信号を受信した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力することを特徴とする。
【0026】
ここで、緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知(地震報知)と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号である。
【0027】
警報システムに設けた緊急警報装置は、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を報知する報知部と、
警報器から送信されたイベント信号を受信する受信制御部と、
装置イベント信号を警報器に送信する送信制御部と、
放送受信部による緊急地震情報信号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、装置イベント検出部で警報器からの異常を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
装置イベント検出部で前記警報器からの障害を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設ける。
【0028】
緊急警報装置の報知部は音声出力部を備え、緊急警報装置の障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させる。
【0029】
緊急警報装置の報知部は警報器表示部を備え、緊急警報装置の障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させるム。
【0030】
警報システムに設けた警報器は、電池電源で動作し、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下およびセンサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、障害検知部による障害検知、及び操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信処理部と、
他の警報器からのイベント信号および緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信処理部と、
イベント検出部で異常を検知した場合に、報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を受信した場合に、報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
イベント検出部で緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号受信を検出した場合に、緊急地震情報を報知部に出力させる地震報知処理部と、
イベント検出部で障害検知を検出した場合に、報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設ける。
【0031】
警報器の障害検知部は、
電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出するローバッテリー障害監視部と、
センサ部に対し所定の自己点検を実行してセンサ障害を検出するセンサ障害監視部と、
を備え、
警報器の障害報知処理部は、
イベント検出部でローバッテリー障害監視部によるローバッテリー障害検出を検出した場合に、報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させ、
イベント検出部でセンサ障害監視部によるセンサ障害検出を検出した場合に、報知部からセンサ障害警報を出力させると共にセンサ障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させる。
【0032】
(緊急警報装置)
本発明は、異常を検知して異常を報知する警報器と連携し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置に於いて、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
警報器から送信されたイベント信号を受信する受信制御部と、
装置イベント信号を警報器に送信する送信制御部と、
放送受信部による緊急地震情報信号号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、装置イベント検出部で警報器からの異常を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
装置イベント検出部で警報器からの障害を示すイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設けたことを特徴とする。
【0033】
ここで、報知部は音声出力部を備え、障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させる。
【0034】
報知部は警報器表示部を備え、障害報知制御部は、装置イベント検出部で障害を示す警報器からのイベント信号受信を検出した場合に、イベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させる。
【0035】
(警報器)
本発明は、電池電源で動作し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置と連携し、警戒エリアの異常を検知して異常を報知する警報器に於いて、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下およびセンサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報,異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、障害検知部による障害検知、及び操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信処理部と、
他の警報器からのイベント信号および緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信処理部と、
イベント検出部で異常を検知した場合に、報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を受信した場合に、報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
イベント検出部で緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号受信を検出した場合に、緊急地震情報報知を示す情報を報知部に報知させる地震報知処理部と、
イベント検出部で障害検知を検出した場合に、報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設けたことを特徴とする。
【0036】
ここで、障害検知部は、
電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出する電池電圧低下監視部と、
センサ部をはじめとする所定の自己点検を実行し、点検結果として正常又は障害を検出する点検処理部と、
を備え、
障害報知処理部は、
イベント検出部で前記電池電圧低下監視部によるローバッテリー障害の検出を検出した場合に、報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させ、
イベント検出部で点検処理部による障害検出を検出した場合に、報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び緊急警報装置に送信させる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、警報器でローバッテリー障害やセンサ障害などの障害を検知して警報した場合、緊急警報装置にも障害を示すイベント信号が警報器識別情報と共に送られ、緊急警報装置は、警報器から受信したイベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定した障害警報、例えば警報器番号や警報器設置場所を示した障害を示す音声メッセージの出力や表示が行われ、連動する複数の警報器から見て緊急警報装置は障害監視の受信機として機能し、警報器による障害検知状態を一括して管理することが可能となり、障害を検知して警報した警報器を知って適切な対応をとることができる。
【0038】
また本発明によれば、警報器で火災などの異常を検知して警報した場合についても、緊急警報装置にも異常を示すイベント信号が警報器識別情報と共に送られ、緊急警報装置は、警報器から受信したイベント信号に含まれる警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定した異常警報、例えば警報器番号や警報器設置場所を示した音声メッセージの出力や表示が行われ、連動する複数の警報器から見て緊急警報装置は異常監視の受信機として機能し、警報器による異常検知状態を一括して管理することが可能となり、異常を検知して作動した警報器を知って適切な対応をとることができる。
【0039】
また、本発明によれば、例えば火災などの異常を検知して異常警報を出力する1または複数の警報器で構成された住宅用の警報システムに、放送による緊急地震速報または津波警報を含む緊急地震情報放送を受信して再生する緊急警報装置を連携させることで、緊急警報装置で放送による緊急地震速報または津波警報を受信した場合に、地震報知または津波報知を示すイベント信号を警報システム内の警報器に送信し、それを受信した各警報器から地震発生や津波到来を知らせ、例えば住宅の一箇所に緊急警報装置を設置しているだけで、警報器を設置している他の部屋で地震発生や津波到来を知らせることができ、緊急警報装置が最小限の台数で済むことから低コストで済み、また警報器が設置されていれば、他の部屋に居ても確実に地震発生や津波到来を知って即座に対応することができる。
【0040】
また緊急警報装置は警報器に連携していることから、緊急警報装置の報知可能エリアが拡大されるので、報知対象エリアが緊急警報装置に設けた報知部からの報知可能エリア外であっても警報器の報知可能エリア内にあれば良く、従って緊急警報装置は自身の報知可能エリアにとらわれず放送が良好に受信できる電波事情の良い場所を選んで設置することができ、放送による緊急地震速報や津波警報を確実に受信して緊急警報装置自身及び連携している警報器から地震発生や津波到来を知らせることができ、また警報器を設置していない場所に緊急警報装置を設置した場合にも、その場所で火災警報などの異常を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】緊急警報装置及び住警器で構成される本発明による監視システムを設置した住宅を示した説明図
【図2】本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図
【図3】本発明による緊急警報装置の外観を示した説明図
【図4】図1の警報システムに設けた住警器の実施形態を示したブロック図
【図5】本実施形態で使用するイベント信号および装置イベント信号のフォーマットを示した説明図
【図6】図1の警報システムに設けた緊急警報装置の実施形態を示したブロック図
【図7】図6の緊急警報装置のメモリに設けた送信元符号管理テーブルを示した説明図
【図8】図4の住警器による監視処理を示したフローチャート
【図9】図8に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図10】図9に続く住警器の監視処理を示したフローチャート
【図11】図6の緊急警報装置による処理を示したフローチャート
【図12】図11に続く緊急警報装置による処理を示したフローチャート
【図13】デジタルTV放送を受信する緊急警報装置の実施形態を示したブロック図
【図14】AM放送を受信する緊急警報装置の実施形態を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は住宅に対する本発明による警報システムの設置状態を示した説明図である。図1の例にあっては、住宅24に設けられている居間、台所、子供部屋、主寝室、階段室のそれぞれの警戒エリアに火災を検知して警報する無線式の住警器(住宅用火災警報器)10−1〜10−6が設置され、居間のFM電波環境の良い場所には緊急警報装置25が設置されている。ここで、緊急警報装置25は特許請求の範囲に記載した地震速報装置に対応する。
【0043】
住警器10−1〜10−6は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅各所の、それぞれ対応する監視領域について監視を行い、ここでは6台で住宅全体の火災監視を行っている。いま住宅24の台所で万一、火災が発生したとすると、住警器10−2が火災を検知して警報を開始する。この火災を検知して警報を開始することを、住警器における「発報」という。
【0044】
住警器10−2が発報するとき、住警器10−2は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−1,10−3〜10−6に対し、火災を示すイベント信号(火災イベント信号)を無線により送信する。他の住警器10−1,10−3〜10−6は、連動元の住警器10−2からの火災発生を示すイベント信号を有効受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての警報動作を行う。
【0045】
ここで有効受信とは、受信したイベント信号に含まれるグループ符号がメモリに登録しているグループ符号に一致したときに、このイベント信号を有効受信したことを検出する。また住警器10−1〜10−6から送信するイベント信号には、送信元の住警器を示す識別情報として例えば送信元符号が含まれている。なお、イベント信号を有効受信した住警器100は必要に応じイベント信号の中継送信を行う。
【0046】
住警器が検出する自己のイベントとしては、上述の火災発生だけでなく、火災復旧、警報停止操作等があり、また他の警報器や緊急警報装置25からの各種イベント信号の有効受信も含まれる。これらについては後述する。
【0047】
連動元となった住警器10−2の警報動作としては、例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。一方、連動先の住警器10−1,10−3〜10−6にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力する。
【0048】
また連動元となった住警器10−2の警報に伴う警報表示としては、例えばLEDを点灯させる。一方、連動先の住警器10−1,10−3〜10−6にあっては、LEDを点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLEDによる警報表示を区別できるようにしている。
【0049】
なお、連動元のLEDを点滅とし、連動先のLEDを明滅としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLEDの明滅または点滅、点灯表示であっても良い。また例えば赤色LEDと黄色LEDを設け、連動元は赤色LEDを駆動し、連動先は黄色LEDを駆動するといった2色表示としても良い。もちろん、2つのLEDを一体として、赤色と黄色の両方を発光可能な2色LEDが採用できる。
【0050】
住警器10−1〜10−6が警報音を出している状態で、警報停止スイッチを操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
【0051】
このとき例えば、連動元である住警器10−2で警報停止操作が行われた場合には、全ての住警器10−1〜10−6の警報(警報音出力および/または警報表示出力)を停止し、連動先である住警器10−1,10−3〜10−6の何れかで警報停止操作が行われた場合には、住警器10−2の警報は停止せず、住警器10−1,10−3〜10−6の警報を停止するようにする。なお、以下の説明において、住警器10−1〜10−6を区別しないで総称する場合には、住警器10という。
【0052】
また住警器10は電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出して連動元(障害元)を示すローバッテリー障害警報を出力すると共に、他の住警器及び緊急警報装置25にローバッテリー障害を示すイベント信号(ローバッテリー障害イベント信号)を送信し、連動先(障害先)を示すローバッテリー障害警報を出力させる。
【0053】
連動元を示すローバッテリー障害警報は、住警器10のスピーカから例えば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点灯し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLEDによる表示を複数回行う処理を繰り返す。連動先を示すローバッテリー障害警報は、住警器10のスピーカから例えば「ピッ 別の警報器が電池切れです」を複数回連続出力すると共にLEDを例えば点滅し、その後は、一定時間毎に「ピッ 別の警報器が電池切れです」といった音声出力とLEDによる点滅を行わせる。
【0054】
更に住警器10はセンサ障害を検出して連動元(障害元)を示すセンサ障害警報を出力すると共に、他の住警器及び緊急警報装置25にセンサ障害を示すイベント信号(センサ障害イベント信号)を送信し、連動先(障害先)を示すローバッテリー障害警報を出力させる。
【0055】
住警器10で検出するセンサ障害には、センサや検出回路、音声報知回路故障の有無、汚損等による感度異常などが含まれており、住警器10はセンサ障害を検出するための自己点検をバックグラウンドで実行して点検結果をメモリに記憶している。
【0056】
また住警器10は通常状態で点検スイッチとして機能する警報停止スイッチを操作した場合、バックグラウンドで実行してメモリに記憶している自己点検の結果を参照し、正常又は障害を報知する。
【0057】
住警器10はセンサ障害を検出した場合、スピーカから連動元(障害元)を示す障害警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力させると共に、LEDを例えば点灯し、その後は一定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLEDの点灯による表示を複数回繰り返す。
【0058】
また住警器10はセンサ障害を検出した場合、センサ障害を示すイベント信号(センサ障害イベント信号)を他の住警器や緊急警報装置25に送信することで、例えば「ピッ 別の警報器が故障です」や「ピッ 警報器が故障です」といった警報音を出力させると共に連動元とは異なる表示、例えば点滅を行わせる。
【0059】
緊急警報装置25は、自己のイベントとして放送設備から送信される緊急地震情報信号としての緊急地震速報信号や津波警報信号を検出して再生出力すると共に、住警器10に緊急地震情報報知示す装置イベント信号として、緊急地震速報報知(以下「地震報知」という)や津波報知を示す装置イベント信号を送信する。緊急警報装置25が検出するイベントとしては、上述の緊急地震速報信号受信の他に操作部の操作、住警器10からの火災、障害などを示すイベント信号の有効受信等がある。
【0060】
緊急警報装置25により受信再生する緊急地震情報放送には、緊急地震速報(EEW:Earthquake Early Warning)と緊急警報放送(EWS:Emergency Warning System)がある。緊急地震速報は、一般向けの場合、推定最大震度5弱以上で気象庁から発表される警報であり、強い揺れが予想される地域に対し、地震動により重大な災害が起こるおそれのある旨を警告する放送である。緊急地震速報は例えば「(チャイム音2回)緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を2回繰り返す。緊急警報装置100は、例えば最初のチャイム音の信号を解析して緊急地震速報信号を検知して受信待機状態から再生動作に切り替え、「緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」を設定音量で出力する。
【0061】
緊急警報放送は、地震などの対規模災害が発生した場合や、津波警報が発表された場合などに行われる警報であり、待機状態にあるテレビやラジオ受信機のスイッチを自動的にオンさせる。緊急警報放送の開始と終了には、第1種開始信号、第2種開始信号及び終了信号を使用する。第1種開始信号は、東海地震の警戒宣言が発表された場合、または自治体の知事や長から避難指示が発動された場合などに送信され、受信機を自動的にオンさせる。また。第2種開始信号は、津波警報が発表された場合にのみ送信され、同じは受信機を自動的にオンさせる。終了信号は第1種または第2種開始信号の送信から所定時間後に送信され、受信機を自動的にオフざせる。また受信機の動作を確認するために試験信号を例えば月1回所定の時刻に送信しており、この試験信号は終了信号と同一であり、終了信号のみを受信した場合は受信機が正常に動作するかの確認動作を行わせる。
【0062】
なお、以下の説明にあっては、緊急警報放送による第2種開始信号の検出を、津波警報信号の検出という。また本実施形態にあっては、警緊急地震速報と緊急警報放送の中の第2種開始信号による津波警報信号に対応するが、第1種開始信号による緊急警報は除外しているが、必要に応じて追加しても良い。
【0063】
本実施形態の住警器10は、緊急警報装置25の設置に伴い、緊急警報装置25から地震報知を示す装置イベント信号を有効受信した場合に、地震報知を示す情報として音声メッセージを所定回数(1回を含む)又は所定時間繰り返し出力する。地震報知を示す情報を示す音声メッセージとしては例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください。」とする。
【0064】
また住警器10は、緊急警報装置25から津波報知を示す装置イベント信号を有効受信した場合、津波報知を示す情報を音声メッセージを所定回数(1回を含む)出力するか又は所定時間出力する。津波報知を示す情報を示す音声メッセージとしては例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください」を出力する。
【0065】
また緊急警報装置25は住警器10から火災イベント信号を受信すると、火災イベント信号に含まれる送信元符号に基づき火災を検知した住警器を判別し、何れの住警器が火災を検知したか示す音声メッセージによる警報音を出力する。緊急警報装置25の火災警報音としては例えば「ウーウー 1番の火災警報器が作動しました 確認してください」または「ウーウー 居間の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージとする。
【0066】
また緊急警報装置25は火災警報音と共にLEDの点灯、点滅、明滅などにより火災を表示すると共に火災を検知した住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名などの情報を表示灯や液晶ディスプレイにより表示する。
【0067】
このような緊急警報装置25による火災を検知した住警器を示す報知により、緊急警報装置25を、連動型の住警器10−1〜10−6を用いた火災報知システムにおける火災受信機の役割を担う装置として利用することができ、住警器10−1〜10−6の火災監視状況を一括管理することが可能になる。
【0068】
また緊急警報装置25は住警器10からローバッテリー障害イベント信号を有効受信すると、ローバッテリー障害イベント信号に含まれる送信元符号に基づきローバッテリー障害を判定した住警器を検出し、何れの住警器がローバッテリー障害を検出したか示す音声メッセージによる警報音を出力する。緊急警報装置25のローバッテリー障害警報音としては例えば「ピッ 1番の火災警報器が電池切れです 」または「ピッ 居間の火災警報器が電池切れです」といった音声メッセージとする。
【0069】
また緊急警報装置25はローバッテリー障害警報音と共にLEDの点灯、点滅、明滅などによりローバッテリー障害を表示すると共にローバッテリー障害を検出した住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名などの情報を表示灯や液晶ディスプレイにより表示する。
【0070】
このような緊急警報装置25によるローバッテリー障害を検知した住警器を示す報知により、緊急警報装置25を、連動型の住警器10−1〜10−6を用いた火災報知システムにおける火災受信機の役割を担う装置として利用することができ、住警器10−1〜10−6のローバッテリー障害を一括管理することが可能になる。
【0071】
また緊急警報装置25は自己点検を行った住警器10から例えばセンサ障害イベント信号を有効受信すると、センサ障害イベント信号に含まれる送信元符号に基づきセンサ障害を判定した住警器を検出し、何れの住警器がセンサ障害を検出したか示す音声メッセージによる警報音を出力する。緊急警報装置25のセンサ障害警報音としては例えば「ピッ 1番の火災警報器が故障です 」または「ピッ 居間の火災警報器が故障です」といった音声メッセージとする。
【0072】
また緊急警報装置25はセンサ障害警報音と共にLEDの点灯、点滅、明滅などによりセンサ障害を表示すると共にセンサ障害を検出した住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名などの情報を表示灯や液晶ディスプレイにより表示する。
【0073】
このような緊急警報装置25によるセンサ障害を検知した住警器を示す報知により、緊急警報装置25を、連動型の住警器10−1〜10−6を用いた火災報知システムにおける火災受信機の役割を担う装置として利用することができ、住警器10−1〜10−6のセンサ障害などの故障を一括管理することが可能になる。
【0074】
ここで、住警器10にあっては、ローバッテリー障害またはセンサ障害を検出して障害警報を出力した後は、一定時間毎に、障害警報音と障害表示を複数回繰り返しているが、その場合にも、ローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号を送信することで、緊急警報装置25側で障害警報音と障害表示を複数回繰り返し出力するようにしても良い。
【0075】
なお、緊急警報装置25は商用電源で動作していことから、一度、ローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号を受信して障害警報音と警報表示により障害警報を出力した後は、障害警報表示は継続させ、警報操作による障害警報表示を停止するようにしても良い。
【0076】
また緊急警報装置25を住警器10の何れかと同じ場所に設置した場合には、両方から地震報知や津波報知が音声が出力されて聞き取り辛くなる。そこで本実施形態にあっては住警器10に地震報知や津波報知の出力を禁止する禁止モードをモードスイッチの操作により設定可能としており、緊急警報装置25と同じ場所(警報、報知範囲が重複する場所)に設置される住警器については禁止モードを設定しておくことで、緊急警報装置25から地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を受信しても、地震報知または津波報知を示す情報は出力しないようにする。
【0077】
禁止モード設定機能は、同じ場所に複数の住警器が設置されている場合にも同じように利用することが出来る。
【0078】
このように、禁止モード設定機能は住警器側に設けられても良いが、一般的には住警器10のほうが緊急警報装置25に比べて設置台数が多いことが想定されるので、システム機器の全体コスト等を考慮して、緊急警報装置25に設けるものとしても良い。このようにすれば、設置台数の多い住警器10に禁止モード設定機能を搭載する必要が無くなり、システム機器の全体コストを抑えることができ、禁止モード設定の有無を確認する場合も緊急警報装置のみについて行えば良いなど、運用が複雑になることを防ぐ効果がある。
【0079】
また緊急警報装置25と住警器10の重複報知と住警器同士の重複報知を併せて考慮する場合には、住警器10と緊急警報装置25の両方に禁止モード設定機能を設けて、設置状況等に応じてそれぞれに設定できるようにしても良い。このとき当然、同じ場所に緊急警報装置25が複数設置される場合の、緊急警報装置同士の重複報知も回避するよう設定が可能となる。
【0080】
もちろん、警報や報知音が重複して出力されるような設置状況であっても、必ずしも禁止モード設定を利用する必要は無く、利用者の判断で適宜に選択して設定する。
【0081】
また図1にあっては、住警器10−2で火災を検知して警報した場合に他の住警器10−1,10−3〜10−6及び緊急警報装置25に火災発生を示すイベント信号を送信する経路をイベント通信経路11aとして示し、また緊急警報装置25から地震放置または津波報知を示す装置イベント信号を送信する経路を装置イベント通信経路11bとして示している。なお、住警器10−1〜10−6で受信されたイベント信号又は装置イベント信号は、それぞれ他の住警器に中継されるが、その通信経路は省略している。
【0082】
図2は本発明による無線式の住警器の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面図を、図2(B)に側面図を示している。なお、取付フック15を設けているほうを上側とする。
【0083】
図2において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成されている。カバー12の中央には、周囲に複数の煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検知するようにしている。
【0084】
カバー12に設けた複数の開口部の内部には検煙部16を備え、検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
【0085】
警報停止スイッチ20は住警器10の機能の自己点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ20が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると機能点検を実施して結果を報知する。ここで通常状態とは、少なくとも火災警報中または障害警報中でない状態を指す。
【0086】
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたプッシュスイッチ(図示せず)とで構成されている。即ち、スイッチカバーを押圧操作すると、プッシュスイッチが押圧されるようになっている。スイッチカバー内部のプッシュスイッチ近傍には、点線で示すように警報等表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯、点滅、明滅作動すると、作動光が警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED122の作動状態が外部から視認できるようにしている。
【0087】
また本体14の裏側上部には略中央部に挿通孔を有する取付フック15が設けられており、設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック15の挿通孔にビスを通して引っかけることで、壁面に住警器10を所謂壁掛け状に固定設置することができる。
【0088】
なお図2の住警器10にあっては、検煙部16を備え、火災に伴い発生する煙に基づいて火災を検知する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異常(異状)を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。そして、本発明の警報システムは、これら各種の警報器を混在させて構成しても良い。
【0089】
図3は本発明による緊急警報装置の実施形態外観を示した説明図であり、FM放送を受信する場合を例にとっている。図3(A)の緊急警報装置25にあっては、箱形筐体の前面の右側に監視灯112と警報灯114を設けており、例えば商用AC電源で動作する。監視灯112は緊急地震速報や津波警報放送を含む緊急地震情報放送の受信待機状態で緑に点灯して正常な動作状態にあることを示しており、選局したFM放送の受信が不安定になると点滅し、更に、FM放送の周波数に正しく選局されていない場合は消灯する。警報ランプ114は緊急地震情報放送の受信再生時に例えば赤に点灯する。
【0090】
箱形筐体の背後にはFMアンテナ75と住警器用のアンテナ85が設置されている。更に箱形筐体の上面には音響穴(図示せず)が設けられ、内蔵したスピーカからの音を出力する。
【0091】
箱形筐体の前面左側には表示部として液晶パネル116が設けられ、住警器10から火災イベント信号を有効受信した場合に、火災イベント信号に含まれる送信元符号に基づき火災を検知して警報している住警器を検出し、検出した住警器を示す番号表示や設置場所を示す地区表示(部屋名表示など)を行う。
【0092】
また液晶パネル116には、住警器10からローバッテリー障害イベント信号またはセンサ障害イベント信号を有効受信した場合に、各イベント信号に含まれる送信元符号に基づきローバッテリー障害またはセンサ障害を検知して警報している住警器を検出し、検出した住警器を示す番号表示や設置場所を示す地区表示(部屋名表示など)を行う。
【0093】
また液晶パネル114の下側には警報停止スイッチ108が設けられる。警報停止スイッチ108は火災警報中、ローバッテリー障害警報中、またはセンサ障害警報中に操作すると警報音と警報表示を停止する。また警報停止スイッチ108を操作した場合には、警報停止を示す装置イベント信号を住警器10に送信し、少なくとも連動先となっている住警器の警報音と警報表示を停止するようにしても良い。
【0094】
また、箱形筐体の例えば底面には操作部(図示せず)が設けられ、選局釦、ボリューム、選局セット釦に加え、試験スイッチや警報停止スイッチを設けている。なお、液晶パネル116は選局操作時の周波数表示も行う。
【0095】
図3(B)は本発明による緊急警報装置の他の実施形態外観を示した説明図である。図3(B)の緊急警報装置25は図3(A)に設けた液晶パネル116に代えて火災を検知した住警器を示す例えば8個のLEDを配列した住警器表示灯118を設けたことを特徴とする。
【0096】
住警器表示灯118には例えば住警器番号1〜8が表示されており、住警器の送信元符号と住警器番号の関係をテーブル登録しておくことで、住警器から受信した火災を示すイベント信号に含まれる送信元符号に対応する番号のLEDを点灯または点滅して火災、ローバッテリー障害またはセンサ障害を検知している住警器を示すようにする。
【0097】
図4は図1の警報システムに設けた住警器の実施形態を示したブロック図である。これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0098】
図4において、住警器は居間に設置した住警器10−1について示しているが、他の住警器10−2〜10−6についても同様の構成となる。
【0099】
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、メモリ32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
【0100】
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−6との間でイベント信号を無線により送受信できるようにし、更に緊急警報装置25からの装置イベント信号を受信できるようにしている。無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
【0101】
もちろん無線通信部30としては、日本国内以外で使用する場合は、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
【0102】
なお、アンテナ31、送信回路42及び送信処理部60を併せて送信部とし、アンテナ31、受信回路44及び受信処理部62を併せて送信部とする。
【0103】
無線通信部30の送信回路42におけるイベント信号の送信は、所定時間T1、例えばT1=3秒に亘りイベント信号を送信する動作を、所定時間T2、例えばT2=2秒の休止時間を空けて例えば4回繰り返している。このT1=3秒送信、T=2秒休止は特定小電力無線局の標準規格に準拠したものである。またT1=3秒の送信動作は、その内の最初から例えば2.8秒はダミー信号の送信であり、残り0.2秒の時間にイベント信号の反復送信を行う。
【0104】
また、無線通信部30の受信回路44による受信は、住警器10−1と同じグループに属する他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号又は緊急警報装置25から装置イベント信号を間欠受信する。間欠受信は、所定周期T3毎に、例えばT3=7秒毎に受信可能時間T4、例えばT4=100ミリ秒のあいだ受信動作を繰り返しており、受信可能時間T4の間に送信ダミー信号をキャリアセンスにより検知すると所定時間のあいだ連続受信に切替えてダミー信号に続くイベント信号または装置イベント信号を受信する。
【0105】
なお、受信した信号はプロセッサ28に設けた受信処理部62で解読される。以下、この解読までを含めて受信と呼ぶことがある。また特に、解読の結果有効な信号と判定されることを区別して表す場合には有効受信と呼ぶ。
【0106】
また無線通信部30は、住警器10−1自身が火災又は火災以外の事象を検知してイベント信号を送信した場合、または緊急警報装置25からの装置イベント信号を受信して他の住警器に送信した場合、住警器10−1と同じグループに属し、これを受信した他の住警器10−2〜10−6から、当該イベント信号を正常に受信したことを示す確認応答信号(以下「ACK信号」と云う)が有効受信されるか否か監視している。
【0107】
他の住警器のうち、ACK信号が受信されないものを検知した場合、住警器10−1はACK信号が受信された他の住警器または緊急警報装置25に対し中継要求有りイベント信号または装置イベント信号を送信し、中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号を受信した住警器または緊急警報装置25からAKC信号未応答の住警器または緊急警報装置25へ中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号を中継送信させる。中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号を中継受信したAKC信号未応答の住警器は中継要求有りのイベント信号または装置イベント信号に対しACK信号を返信し、このACK信号が他の住警器の中継(返信の中継)を経て連動元の住警器10−1で受信される。これによってもACK信号が受信されない住警器または緊急警報装置25がある場合には、通信障害等と判定し、所定の障害対応処理等を行う。
【0108】
メモリ32には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番48、各住警器を特定する住警器識別情報となる送信元符号50、図1のように住宅に設置した住警器10−1〜10−6で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
【0109】
図5は本実施形態で連動警報に使用するイベント信号フォーマットを概略的に示した説明図であり、装置イベント信号も同じになる。図5において、イベント信号46は連番48、送信元符号50、グループ符号52及びイベント符号54で構成されている。
【0110】
連番48はイベント信号の順番を示す連続番号であり、各端末(住警器、緊急警報装置)それぞれにイベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。また、連番48は住警器10及び緊急警報装置25の各々で非同期に生成している。連番48は住警器10や緊急警報装置25間の、主に無線通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
【0111】
送信元符号50は住警器識別情報として用いられる例えば26ビットの符号であり、例えば住警器10、緊急警報装置25のシリアル番号等を利用している。グループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−6及び緊急警報装置25につき例えば同じグループ符号が設定されている。
【0112】
なおグループ符号52としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、例えば予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。すなわち、イベント信号を受信した各端末(住警器、緊急警報装置)がそれをもとに自己と同一グループの端末からの信号であるか否かを判定できるものであれば、どのような符号であっても良い。
【0113】
イベント符号54は、火災、ガス漏れ(例えばガス漏れ警報器やガス漏れ検出機能を併せ持つ住警器等の場合)などのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては4ビット符号を使用しており、例えば
0001=火災
0010=ガス漏れ
0011=警報停止(火災警報停止、ガス漏れ警報停止、障害警報停止)
0100=復旧(火災復旧、ガス漏れ復旧、障害復旧)
0101=センサ障害
0110=ローバッテリー障害
0111=地震報知
1000=津波報知
としている。
【0114】
なお、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、ビット数を増やすことで、当然これも事象符号に追加することができる。また、中継送信するイベント信号または装置イベント信号には、送信元(連動元)の住警器を示す識別符号と中継を行う住警器の識別符号の両方を付加する。更に、送信先を指定する識別符号を付加しても良い。
【0115】
また、先述した「中継要求有り」を示す符号はここでは省略しているが、例えば「1111」に割り当てることで当然これも事象符号に追加することができる。また、その他例えば「0000」を定期的な通信確認用に割り当てても良い。もちろん、ビット数を増やすことで更に多くの事象符号を割り当てることができる。
【0116】
再び図1を参照するに、センサ部34には、煙を検出して煙濃度に応じた検出信号を出力する検煙部16を設けている。前述のように、センサ部34には検煙部16に代えて、火災による温度を検出して検出信号を出力する素子やセンサ、火災に伴うその他の物理現象変化を検出して検出信号を出力する各種素子やセンサを設けても良い。
【0117】
報知部36には警報音等を出力する音響出力器であるスピーカ56と警報表示等を行うLED22が設けられている。スピーカ56は、図示しない音声合成回路部から、自己が保持している各種の音声メッセージや警報音等を、図示しない増幅部を介して出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常その他を表示する。スピーカ56に代えて、ブザー等を用いても良い。またLED22に代え、2色LEDや液晶表示器等を設けても良い。もちろん、LEDと液晶表示器を併設するなどしても良い。
【0118】
操作部38には警報停止スイッチ20とモードスイッチ21が設けられている。警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ56により火災や障害の警報音を出力しているとき又はLED22により警報表示を行っているときにのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示は停止され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音は停止し、警報表示は停止または警報音停止から所定時間後に停止するといった警報停止処理が行われる。
【0119】
一方、連動元または連動先を示す火災警報または障害警報を行っていない通常状態においては、警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ20を操作すると、ビルトインテストとしてバックグラウンドで実行されてメモリ32に記憶されている所定の自己点検結果を参照し、報知部36のスピーカ56から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
【0120】
なお、自己点検はビルトインテストとしてバックグラウンドで行わずに、通常状態で警報停止スイッチ20の操作を検出した場合(点検を指示した場合)に実行するようにしても良い。また、障害警報中に警報停止スイッチ20が操作された場合には、所定の自己点検動作を実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることができる。そして、このとき障害状態が解消(障害復旧)している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止(復旧)処理に移行しても良い。
【0121】
操作部38に設けたモードスイッチ21は本体裏面などに設けたディップスイッチ等であり、地震報知や津波報知の報知禁止モードをオン、オフ設定することができる。モードスイッチ21のオンにより禁止モードを設定(オン)すると、緊急警報装置25から地震報知や津波報知を示す装置イベント信号を受信しても、報知部36からの地震報知出力や津波報知出力は行われない。
【0122】
この機能を利用して、例えば緊急警報装置25が設置されている部屋に住警器10も設置されているような場合や、同じ部屋に住警器10が複数台設置されている場合等に、必要に応じてその部屋の所定機器だけに情報出力させることができるので、複数の機器で重複しての情報出力を避けることができ、この場合例えば禁止設定された住警器の電池消耗を抑制することができる等の効果が得られる。
【0123】
電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
【0124】
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部58、送信処理部60、受信処理部62、異常報知処理部64、地震報知処理部65及び障害処理部66の機能が設けられ、障害処理部66にはセンサ障害監視部68とローバッテリー障害監視部70の機能が設けられている。
【0125】
イベント検出部58は、センサ部34の煙検出信号出力から検知した火災の有無、操作部38による警報停止指示入力の有無や点検指示入力の有無、センサ部34の煙検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧、センサ障害やローバッテリー障害等のイベントを検出する。またイベント検出部58は受信回路44及び受信処理部62を介して他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号及び緊急警報装置25からの装置イベント信号の解読結果として得られたイベント信号有効受信の有無およびそのイベント内容を検出する。
【0126】
送信処理部60は、イベント検出部58によるセンサ部34の煙検出信号出力からの火災検知、操作部38による警報停止、センサ部34の煙検出信号出力が低下して火災検知状態が解消される火災復旧等の自己のイベントを検出した場合に、検出したイベント内容を示すイベント信号を、無線通信部30の送信回路42を介してアンテナ31から連動先の住警器や緊急警報装置に送信させる。また送信処理部60は他の住警器や緊急警報装置25から有効に受信したイベント信号を、必要に応じて中継送信する。
【0127】
受信処理部62は、他の住警器10−2〜10−6からのイベント信号及び緊急警報装置25からの装置イベント信号を、アンテナ31から無線通信部30の受信回路44を介して受信し解読する。
【0128】
なお、緊急警報装置25から受信する装置イベント信号の種類としては、地震報知や津波報知を示す装置イベント信号、図3の緊急警報装置25に設けた警報停止スイッチ108の操作によって住警器10の火災警報等を停止させる場合の警報停止を示す装置イベント信号等がある。
【0129】
異常報知処理部64は、イベント検出部58で自己の異常として火災を検知した場合にイベント検出部58から信号を受け、スピーカ56から連動元を示す警報音を出力させると共に、LED22を例えば点灯駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信する。
【0130】
具体的に説明すると、異常報知処理部64は、センサ部34に設けた検煙部16の煙検出信号に基づきイベント検出部58で火災を検知した場合に、イベント検出部58からその旨を示す信号を受け取り、これに基づき報知部36に対しスピーカ56から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火事です 火事です」の音声メッセージを繰り返し出力させる制御を行うと共に、LED22を点灯させて連動元を示す警報表示制御を行い、更に、送信処理部64および送信回路42を介して火災を示すイベント信号をアンテナ31から他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に向けて送信させる。
【0131】
また異常報知処理部64は、無線通信部30の受信回路44により他の住警器10−2〜10−6の何れかから火災イベント信号を有効受信したことをイベント検出部58で検出した場合に、報知部36のスピーカ56から連動先を示す警報音(報知音)例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージを繰り返し出力させると共にLED22を例えば点滅させて連動先を示す警報表示を行う。
【0132】
一方、住警器10−1からの火災を示すイベント信号が緊急警報装置25で有効受信された場合、緊急警報装置25はスピーカから例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」となる音声メッセージによる警報音を繰り返し出力させると共に火災を検知した住警器を特定する警報表示を行う。
【0133】
障害処理部66にはローバッテリー障害監視部68とセンサ障害監視部70との機能が設けられ、ビルトインテストとしてバックグラウンドで定期的に自動実行されている。
【0134】
ローバッテリー障害監視部70は、所定の測定時間間隔、例えばT3=4時間間隔で図示しない電圧検出回路を介して直接的又は間接的に、電池電源40から供給される電源電圧をA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下の時にローバッテリー障害の検出を予備判定し、更にローバッテリー障害検出の仮判定が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害と判定(確定)し、ローバッテリー障害フラグをセットしてメモリ32に記憶する。
【0135】
センサ障害監視部68は、所定の測定時間間隔、例えばT1=1秒間隔でセンサ部34の検煙部16から出力される煙検出信号をA/D変換により読み込んでメモリ32のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔T2=10分毎に、メモリ32のバッファ領域に保持している10分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回った時に出力停止状態である等としてセンサ部34の障害と判定し、センサ障害フラグをセットしてメモリ32に記憶する。
【0136】
このように煙濃度検出信号の10分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部16に設けている受光素子故障や受光素子からの出力信号線断線、受光アンプの停止などの障害が発生したことによるものである可能性が高いためセンサ障害とする。
【0137】
なお、センサ部16にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合にも、各種の処理により、同様にセンサ障害を検出することができる。その他、スピーカ56への出力線の断線や他の回路故障、通信異常等を同様に障害監視することができる。このような障害についても、検出後はセンサ障害と同様の処理を行ことから、本実施形態にあってはセンサ障害と総称している。
【0138】
異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定又はローバッテリー障害の判定が検出された場合、報知部36のスピーカ56からの警報音とLED22の表示により連動元を示すセンサ障害警報又はローバッテリー障害警報を出力させる。
【0139】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定又はローバッテリー障害の判定が検出された場合に、報知部36のスピーカ56から警報音および/またはLED22の表示により連動元を示すセンサ障害警報またはローバッテリー障害警報を出力させと共に、異常警報処理部64はセンサ障害イベント信号またはローバッテリー障害イベント信号を有線通信部30の送信回路42からアンテナ31を介して他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信し、住警器10−2〜10−6および緊急警報装置25に、連動先を示すセンサ障害警報又はローバッテリー障害警報を警報音および/または表示で行わせる。
【0140】
更に異常報知処理部64は、受信回路44および受信処理部62を介して他の住警器10−2〜10−6の何れかからセンサ障害イベント信号又はローバッテリー障害イベント信号を有効に受信したことをイベント検出部58で検出した場合に、報知部36のスピーカ56からの警報音と、LED22の表示とにより連動先を示すセンサ障害警報又はローバッテリー障害警報を出力させる。
【0141】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定を検出した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すセンサ障害の警報音として例えば「ピッ 故障です」を複数回連続出力すると共にLED22を例えば点灯し、その後は一定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
【0142】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でセンサ障害の判定を検出した場合、送信処理部60および送信回路42を介してセンサ障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信することで、連動先を示すセンサ障害警報を出力させる。このとき、警報音として例えば「ピッ 別の警報器が故障です」や「ピッ 警報器が故障です」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0143】
また異常報知処理部64は、イベント検出部58でローバッテリー障害の判定を検出した場合、報知部36のスピーカ56から連動元(障害元)を示すローバッテリー障害の警報音としてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力すると共にLED22を例えば点灯し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
【0144】
また警報処理部64は、イベント検出部58でローバッテリー障害の判定を検出した場合、ローバッテリー障害イベント信号を他の住警器10−2〜10−6や緊急警報装置25に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」や「ピッ 警報器が電池切れです」を出力させると共に連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
【0145】
また異常報知処理部64は連動元を示す火災警報音または連動先を示す火災警報音の出力中に警報停止スイッチ20の操作を検出した場合、又は他の住警器10−2〜10−6の何れか又は緊急警報装置25からの警報停止を示すイベント信号又は装置イベント信号受信を検出した場合、スピーカ56からの音声メッセージとLED22の警報表示による火災警報の出力を停止する。このときはLED22による警報表示については、所定時間継続した後に停止しても良い。なお、連動元を示す火災警報中には、警報停止を示すイベント信号や装置イベント信号受信があっても、少なくとも警報音の出力は継続させるようにしても良い。
【0146】
更に異常報知処理部64は、連動元を示すセンサ障害又はローバッテリー障害警報の出力中に操作部38に設けた警報停止スイッチ20の警報停止操作を検出した場合、自己の連動元を示す警報音を停止すると共に障害表示を所定時間継続させた後に停止し、更に連動先を示す障害警報出力中の他の住警器10−2〜10−6、緊急警報装置25に警報停止イベント信号を送信して、住警器10−2〜10−6および緊急警報装置25の障害警報音と障害表示を停止させる。
【0147】
地震報知処理部65は、受信回路44および受信処理部62を介して緊急警報装置25から地震報知を示す装置イベント信号の有効受信をイベント検出部58で検出した場合に、地震報知を示す情報として例えば「ピーピー 緊急地震速報です。強い揺れに警戒してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から所定時間又は所定回数(1回を含む)出力させると共にLED22を点灯、点滅又は明滅させる。
【0148】
また地震報知処理部65は、受信回路44および受信処理部62を介して緊急警報装置25から津波報知を示す装置イベント信号の有効受信有りを装置イベント検出部58で検出した場合に、津波報知を示す情報として例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から所定時間又は所定回数(1回を含む)出力させると共にLED22を点灯、点滅又は明滅させる。
【0149】
また、地震報知処理部65は、モードスイッチ21の設定オン操作により地震報知及び津波報知を示す情報の出力を禁止する禁止モードの設定をイベント検出部58で検出した場合には、緊急警報装置25から地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を受信しても、地震報知または津波報知を示す情報の音声メッセージ出力及び表示は行わない。
【0150】
また、禁止モード設定するモードスイッチを後に説明する緊急警報装置25の操作部に設ける場合には、モードスイッチの設定により緊急警報装置25からの火災警報出力を禁止するようにしても良い。
【0151】
また、音声メッセージや音響出力を禁止した場合でも、表示だけは行うようにしても良く、その逆に表示だけを禁止しても良い。更にこれを別に指定できるようにしても良い。即ち、出力禁止の設定は、地震報知と地震報知試験、また音響出力と表示出力について、適宜選択設定できるようにする。
【0152】
このようにすれば、報知出力を行うイベントの種類に応じて、その報知方法を選択的に設定できるようになり、利用者の希望や機器の設置状況によって適宜の報知パターンとすることができるので、使い勝手が良い。
【0153】
図6は図1の警報システムに設けた緊急警報装置の実施形態を示したブロック図であり、FM放送を受信する場合を例にとっている。図6において、緊急警報装置25は、プロセッサ72、アンテナ75を備えたFM受信部74、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、無線通信部84、メモリ86で構成され、プロセッサ72にはプログラムの実行で実現する機能として解析部94、装置イベント検出部96、地震報知制御部98、送信制御部100、受信制御部102、異常報知制御部104および障害報知制御部106が設けられている。操作部80には警報停止スイッチ108が設けられている。
【0154】
ここで、アンテナ75を備えたFM受信部74は放送受信部を構成し、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81は緊急警報装置25の報知部を構成する。また、アンテナ85、送信回路90および送信制御部100を併せて送信部とし、更に、アンテナ85、受信回路92および受信制御部102を併せて受信部としている。
【0155】
FM受信部74は操作部80の操作で選局したFM局にチューナを同調してFMアンテナ75を介してFM放送電波を受信し、音声信号として復調して出力している。音声増幅部76は待機状態では動作を停止しており、そのためスピーカ78から受信されたFM放送の再生出力は行われない。
【0156】
プロセッサ72の解析処理により緊急地震速報信号または津波警報信号の受信が検出されると音声増幅部76が動作状態に切り替えられ、その時、FM受信部74から再生出力された緊急地震速報または津波警報の放送内容を、音声増幅部76を介してスピーカ78から出力する。表示部80は受信待機表示、緊急地震速報受信表示、津波警報表示、選局周波数表示、などのFM放送受信に必要な表示を行う。
【0157】
住警器番号表示部81は例えば図3(A)の液晶パネル116又は図3(B)の住警器表示灯118で実現され、住警器10から火災を示すイベント信号有効受信を装置イベント検出部96で検出した場合、イベント信号に含まれた送信元符号に基づき火災を検知して警報している住警器を検出し、住警器番号の表示や住警器設置場所を示す地区名表示を行う。
【0158】
無線通信部84には送信回路90と受信回路92が設けられ、アンテナ85から住警器10に装置イベント信号を無線送信し、住警器10からイベント信号を受信できるようにしている。無線通信部84としては、住警器10−1と同様に、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30またはSTD−T67に準拠した構成を備える。
【0159】
メモリ86には、住警器10−1のメモリ32と同様に、イベント信号の順番を示す連続番号である連番、緊急警報装置を特定する自己の識別情報となる送信元符号、連動グループを構成するためのグループ符号が格納され(図示せず)、更に送信元符号管理テーブル1106が格納されている。
【0160】
送信元符号管理テーブル110は住警器10−1〜10−6の送信元符号に対応して住警器番号や設置場所を示す地区名(部屋名)などが予め格納され、住警器10から火災イベント信号、センサ障害イベント信号またはローバッテリー障害イベント信号の有効受信を装置イベント検出部98で検出した場合、各イベント信号に含まれた送信元符号に基づき送信元管理テーブル106を参照して住警器番号や地区名(部屋名)を取得して火災、センサ障害またはローバッテリー障害を検知した住警器やその設置場所を特定する音声メッセージや警報表示を可能としている。
【0161】
プロセッサ72に設けた装置イベント検出部96は、解析部94による緊急地震速報の最初に流れるチャイム音の受信を解析処理により検出すると緊急地震速報信号受信を検出し、地震報知制御部98に指示して音声増幅部76を所定時間動作してスピーカ78から緊急地震速報の再生出力を行わせると共に、地震報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部98から送信回路90及びアンテナ85を介して住警器10側に地震報知を示す装置イベント信号を送信し、地震報知を示す情報を出力させる。解析部96による緊急地震速報のチャイム音の解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
【0162】
また装置イベント検出部98は、解析部94による緊急警報放送における第2種開始信号の受信を解析処理により検出すると津波警報信号の有効受信有りを検出し、地震報知制御部98に指示して音声増幅部72を動作してスピーカ74から津波警報の再生出力させる共に、津波報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部98から送信回路90及びアンテナ85を介して住警器10側に津波報知を示す装置イベント信号を送信し、津波報知を示す情報を出力させる。
【0163】
また装置イベント検出部96は解析部94による緊急地震速報信号または津波警報信号の有効受信の検出に加え、受信制御部102による住警器10からのイベント信号有効受信等の装置イベントを検出する。
【0164】
異常報知制御部104は、装置イベント検出部98で住警器10の何れかからの、火災を示すイベント信号有効受信を検出した場合に、有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号に基づき火災を検出している警報器を検出し、音声増幅部76を動作してスピーカ78から火災を検知している住警器を示す例えば「ウーウー ○番の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージによる警報音を出力させると共に住警器表示部81に火災を検知している住警器を示す番号や設置している地区名(部屋名)を示す表示を行わせる。
【0165】
異常報知制御部104は、装置イベント検出部98で住警器10の何れかからの火災復旧、警報停止を示すイベント信号の有効受信、または警報停止スイッチ92の操作を検出した場合に、火災警報音と火災表示を停止させる。
【0166】
また操作部80に火災警報の禁止を設定するモードスイッチを設け、住警器10と同じ場所に緊急警報装置25を設置する場合や、火災警報の連動報知を必要としない場合は、モードスイッチの操作で火災警報の報知を禁止するようにしても良い。この場合、住警器表示部78による火災を検知した住警器を示す表示は残しておくことが望ましい。
【0167】
緊急警報装置25の電源は商用AC電源であっても良いし、電池としても良い。更にその他の専用電源であっても良い。
【0168】
図7は図6の緊急警報装置のメモリに設けた送信元符号管理テーブルを示した説明図である。図7において、送信元符号管理テーブル110には、例えば図3(B)の緊急警報装置25の住警器表示灯118の数に対応した住警器番号1〜8が準備され、図1に示した住警器10−1〜10−6の識別情報となる送信元符号ID1〜ID6が住警器番号1〜6に対応して予め登録され、更に設置場所の部屋名が予め登録されている。
【0169】
図6の緊急警報装置25にあっては、装置イベント検出部96で住警器からのイベント信号有効受信を検出した場合、異常報知制御部104が有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号IDxにより送信元符号管理テーブル110を検索し、送信元符号IDxに一致する住警器番号と設置場所を示す部屋名を取得し、火災を示す音声メッセージによる警報音に住警器番号や設置場所を示す内容を含めて出力し、また住警器表示器81に火災を検知している住警器を示す住警器番号表示や地区名表示を行う。
【0170】
図8乃至図10は図4の住警器10−1における監視処理の例を示したフローチャートである。他の住警器10−2〜10−6についても同じ処理となる。図8において、住警器10−1の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化、自己診断、禁止モードの設定の有無を含む各種設定の読み込みを実行し、異常がなければステップS2に進み、火災を監視している。ステップS1で初期化異常があった場合には報知部36でその旨を報知して、動作を途中停止するか或いは再度ステップS1の処理を行うようにしているが、図示を省略している。
【0171】
センサ部34から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災が検知され、ステップS2で火災検知を検出してステップS3に進み、連番、火災を検知している住警器を特定する送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に無線送信した後、ステップS4で報知部36のスピーカ56から音声メッセージやブザー音等による警報音とLED22の例えば点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
【0172】
続いて、ステップS5でセンサ部34からの煙検出信号が低下して火災検知状態が解消する火災復旧の有無を検出しており、火災復旧を検出するとステップS6で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信した後、ステップS7でスピーカ56からの警報音とLED22の点灯による警報表示とによる連動元を示す火災警報を停止する。なお、LED22による警報表示は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0173】
続いてステップS8で警報停止スイッチ20の操作有無を検出し、スイッチ操作を検出するとステップS9で警報中の有無を検出する。ステップS9で警報中を検出すると、ステップS10に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信し、ステップS11に進んでスピーカ56からの連動元を示す警報音出力を停止し、LED22の点灯による警報表示を消灯する。なお、LED22は所定時間経過後に消灯しても良い。
【0174】
ステップS9で警報中でないと検出した場合には、ステップS8で検出した警報停止スイッチの操作を点検指示動作と認定し、所定の点検動作を実施して結果を報知するようにしているが、図示を省略している。
【0175】
続いて図9のステップS12に進み、他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信有無を検出している。他の住警器からの火災を示すイベント信号の有効受信有りを検出すると、ステップS13に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ56から警報音を出力し、LED22の点滅による警報表示を行う。
【0176】
次にステップS14で他の住警器からの火災復旧を示すイベント信号の有効受信有無を検出しており、火災復旧を示すイベント信号の有効受信有りを検出すると、ステップS15に進んで連動先の警報として行っているスピーカ56からの警報音出力とLED22の点滅による警報表示を停止する。
【0177】
次にステップS16で他の住警器からの警報停止を示すイベント信号又は緊急警報装置25からの警報停止を示す装置イベント信号の有効受信の有無をチェックしており、警報停止を示すイベント信号又は装置イベント信号の有効受信有りを検出すると、ステップS17に進んで警報中の有無を検出し、警報中を検出するとステップS18に進んで連動先としての警報音出力を停止し、警報表示も停止する。
【0178】
続いてステップS19で地震報知の禁止モード設定の有無を検出し、禁止モードの設定が無ければステップS20に進んで地震報知を示すイベント信号の有効受信有無を検出しており、緊急警報装置25からの地震報知を示す装置イベント信号の有効受信有りを検出するとステップS21で地震報知を示す例えば「ピーピー 緊急地震速報です 強い揺れに警戒してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から1又は複数回出力すると共にLED22を例えば点灯する。
【0179】
続いてステップS22で津波報知を示すイベント信号の有効受信の有無を検出しており、緊急警報装置25からの津波報知を示す装置イベント信号の有効受信有りを検出するとステップS23で津波報知を示す例えば「ピーピー 津波警報が発令されました。海岸には近づかず、高台に避難してください」といった音声メッセージを報知部36のスピーカ56から1又は複数回出力すると共にLED22を例えば点灯する。
【0180】
ステップS19で地震報知の禁止モード設定を検出した場合、ステップS20〜S23はスキップし、地震報知や津波報知を示す装置イベント信号の受信を検出しても地震報知または津波報知を示す音声メッセージを出力しない。これは図1のように住警器10−1が緊急警報装置25と同じ部屋に設置されている場合である。なお、ステップS19とステップS20は順番を入れ替えても良い。
【0181】
続いて図10のステップS22に進み、ローバッテリー障害の有無を検出し、ローバッテリー障害有りを検出するとステップS23に進んでメモリ32にローバッテリー障害フラグをグセットして記憶すると共に定期通報タイマを起動する。
【0182】
続いてステップS24で障害元を示すローバッテリー障害の警報出力と警報表示を行った後、ステップS25でローバッテリー障害イベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信する。
【0183】
続いてステップS26に進み、センサ障害の有無を検出し、センサ障害有りを検出するとステップS27に進んでメモリ32にセンサ障害フラグをセットして記憶すると共に定期通報タイマを起動する。
【0184】
続いてステップS28で障害元を示すセンサ障害の警報出力と警報表示を行った後、ステップS29でセンサ障害イベント信号を他の住警器及び緊急警報装置25に送信する。
【0185】
続いてステップS30でメモリ32にローバッテリー障害またはセンサ障害を示す障害フラグがセットされているか否か検出し、障害フラグのセットを検出するとステップS31に進み、ステップS23またはS27で起動した定期鳴動タイマによる定期鳴動タイミングか否か検出し、定期鳴動タイミングを検出するとステップS32に進み、そのときローバッテリー障害フラグがセットされていればローバッテリー障害警報を出力し、センサ障害フラグがセットされていれば、センサ障害警報を出力する。
【0186】
続いてステップS33で警報停止スイッチ20の操作の有無を検出しており、操作有りを検出するとステップS34に進み、点検処理の実行によりセットされた障害フラグがメモリ32に記憶されているか否か検出し、障害フラグの記憶無しを検出した場合はステップS35に進み、正常報知として例えば火災警報音と警報表示の試験報知を行う。この試験報知では火災警報音の音量を下げた状態で1回だけ出力し、住警器10が正常に動作することを利用者に知らせる。
【0187】
ステップS34で障害フラグの記憶有りを検出した場合は、ステップS36に進み、そのときローバッテリー障害フラグの記憶有りを検出した場合はローバッテリー障害警報を出力し、センサ障害フラグの記憶有りを検出した場合は、センサ障害警報を出力する。このためローバッテリー障害またはセンサ障害の検出で障害警報が出された後は、定期鳴動タイマによる所定時間毎の障害警報の出力に加え、通常状態での警報停止スイッチ20の操作検出による点検指示入力の検出時にも障害警報を出力することになる。以上の処理を電源オフによる動作停止指示が検出されるまで繰り返す。
【0188】
なお、図8乃至図10のフローチャートでは、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号を受信した場合の処理は省略しているが、他の住警器からローバッテリー障害またはセンサ障害を示すイベント信号の有効受信有りを検出した場合、連動先を示すローバッテリー障害警報またはセンサ障害警報を警報音と警報表示で行う。
【0189】
図11及び図12は図5に示した緊急警報装置25の処理例を示したフローチャートである。図11において、緊急警報装置25の電源を投入するとステップS40で初期化及び自己診断を行い、エラーが無ければステップS41に進んで操作部80の選局操作によりFM局の選局処理を行う。
【0190】
続いてステップS42の受信待機動作に移行する。受信待機動作はFM受信部74を動作してFM放送電波を受信再生しているが、音声増幅部76の動作は停止してスピーカ78から放送を流していない状態である。
【0191】
続いてステップS43で緊急地震速報のチャイム音受信有無を解析部94の解析処理を通じて検出しており、チャイム音受信を検出するとステップS44に進み、音声増幅部76を動作することで、そのとき受信している緊急地震速報の放送をスピーカ78から所定の設定音量で出力する。
【0192】
次にステップS45で送信制御部100、無線通信部84の送信回路90及びアンテナ85を介して、住警器10に地震報知を示す装置イベント信号を送信する。続いてステップ46で所定時間の経過を待ってステップS47に進み、音声増幅部76の動作を停止することで、放送音の出力を停止する。
【0193】
続いてステップS48で津波警報信号の受信有無を解析部94の解析処理を通じて検出しており、津波警報信号の有効受信有りを検出するとステップS49に進み、音声増幅部76を動作することで、そのとき受信している緊急警報放送による津波警報をスピーカ78から設定音量で出力する。
【0194】
次にステップS50で送信制御部100、無線通信部84の送信回路90及びアンテナ85を介して、住警器10へ津波報知を示す装置イベント信号を送信する。続いてステップ52で緊急警報放送における終了信号の有効受信を解析部94の解析処理を通じて検出するとステップS43に進み、音声増幅部76の動作を停止することで、放送音の出力を停止する。
【0195】
続いて図12のステップS53に進み、住警器10の何れかからの火災を示すイベント信号の有効受信の有無を検出している。ステップS53で住警器10の何れかからの火災を示すイベント信号有効受信を検出すると、ステップS54に進んで有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索し、火災を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名を取得し、ステップS55で、火災を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所の部屋名を含む音声メッセージによる火災の警報音をスピーカ78から出力し、また、住警器表示器81により住警器番号や設置場所の部屋名を表示する。
【0196】
次にステップS56で操作部82に設けた警報停止スイッチ108の操作による警報停止指示の有無と併せて住警器10の何れかからの火災復旧を示すイベント信号または警報停止を示すイベント信号有効受信の有無を検出しており、操作による警報停止指示または火災復旧を示すイベント信号受信有りまたは警報停止を示すイベント信号有効受信有りを検出すると、ステップS57に進んで警報中の有無を検出し、警報中を検出するとステップS58に進んで火災警報音および警報表示を停止する。
【0197】
ここで、操作部82に設けた警報停止スイッチ108の操作指示入力の検出に基づいて警報を停止する場合には、無線通信部84の送信回路90からアンテナ85を介して住警器10へ警報停止を示す装置イベント信号を送信する。
【0198】
また、ステップS58の火災警報表示の停止については、住警器10の何れかからの火災復旧を示すイベント信号または警報停止を示すイベント信号の有効受信有りを検出した場合、有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索して火災復旧または警報停止した住警器の住警器番号や部屋名を取得し、住警器表示部78の対応する表示を停止する。
【0199】
続いてステップS59に進み、住警器10の何れかからのローバッテリー障害を示すイベント信号の有効受信の有無を検出している。ステップS54で住警器10の何れかからのローバッテリー障害を示すイベント信号有効受信を検出すると、ステップS55に進んで有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索し、ローバッテリー障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名を取得し、ステップS61で、ローバッテリー障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所の部屋名を含む音声メッセージによる火災の警報音をスピーカ78から出力し、また、住警器表示器81により住警器番号や設置場所の部屋名を表示する。
【0200】
続いてステップS62に進み、住警器10の何れかからのセンサ障害を示すイベント信号の有効受信の有無を検出している。ステップS62で住警器10の何れかからのセンサ障害を示すイベント信号有効受信を検出すると、ステップS63に進んで有効受信したイベント信号に含まれる送信元符号により送信元符号管理テーブル110を検索し、センサ障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所を示す部屋名を取得し、ステップS64で、ローバッテリー障害を検知している住警器を示す住警器番号や設置場所の部屋名を含む音声メッセージによる火災の警報音をスピーカ78から出力し、また、住警器表示器81により住警器番号や設置場所の部屋名を表示する。以上の処理をステップS65で電源オフによる動作停止指示が検出されるまで繰り返す。
【0201】
図13は図1に設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、テレビ放送(デジタルTV放送)を受信解析して緊急地震速報信号または津波警報信号を検出して地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を住警器へ送信するようにしたことを特徴とする。
【0202】
これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0203】
図13において、緊急警報装置25は、プロセッサ72、TVアンテナ122を接続したデジタルTV受信部120、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84で構成され、プロセッサ72にはプログラムの実行で実現する機能として解析部94、装置イベント検出部96、地震報知制御部98、送信制御部100、受信制御部102、異常報知制御部104及び障害報知制御部106を設けている。操作部82には警報停止スイッチ108を設け、メモリ86には送信元符号管理テーブル110を設けている。
【0204】
ここで、プロセッサ72、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84は、図6に示した緊急警報装置25と基本的に同じであり、デジタルTV受信部120、TVアンテナ122及びプロセッサ68の解析部94が本実施形態に固有のものとなる。なお、デジタルTV受信部120にはワンセグとして知られた携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービスの受信部であっても良い。
【0205】
デジタルTV受信部120は操作部82の操作で選局されたTV局、例えばNHK(R)にチューナを同調してそのテレビ放送電波を受信し、音声信号を復調して出力している。
【0206】
プロセッサ72に設けた解析部94は、デジタルTV受信部120で受信復調されたTV放送音声データ信号およびTV放送データ信号を入力して解析し、緊急地震速報信号又は津波警報信号の有効受信の有無を検出している。
【0207】
プロセッサ728に設けた装置イベント検出部96は、解析部94により、緊急地震速報放送信号の最初に流れる2回のチャイム音を示す音声データ信号の解析により緊急地震速報信号の有効受信を検出した場合、これに基づき音声増幅部76を所定時間動作して緊急地震速報を再生してスピーカ78から出力すると共に、地震報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部100により無線通信部84の送信回路90からアンテナ85を介して住警器10側に地震報知を示す装置イベント信号を送信し、地震報知を示す情報を出力させる。解析部94による緊急地震速報のチャイム音解析は、例えば特許文献3に記載されたベクトル相関法などで行う。
【0208】
また、装置イベント検出部96は、解析部94により、緊急警報放送の最初の10秒間に流れる第2種開始信号を示す緊急警報放送識別子が有効受信されたことを解析して検出した場合、津波警報信号が有効受信されたとみなし、これに基づき音声増幅部76を動作して津波警報放送を再生してスピーカ78から出力すると共に、津波報知を示す装置イベント信号を生成し、送信制御部100により無線通信部84の送信回路90からアンテナ85を介して住警器10側に津波報知を示す装置イベント信号を送信し、津波報知を示す情報を出力させる。
【0209】
また装置イベント検出部96は、解析部94により第2種開始信号の解析検知から所定時間後に送信されてくる終了信号を示す緊急警報放送識別子の受信を解析して検知した場合、これに基づき音声増幅部76の動作を停止してスピーカ78から放送音の出力を停止する。
【0210】
図14は図1に設けた緊急警報装置の他の実施形態を示したブロック図であり、本実施形態にあっては、AM放送を受信解析して緊急地震速報信号または津波警報信号を検出して地震報知または津波報知を示す装置イベント信号を住警器へ送信するようにしたことを特徴とする。
【0211】
これは一例であり、各機能の分離、統合は任意に行うことができる。また各機能のそれぞれの任意の一部または全部は、ソフトウェア(プログラム)によって実行されるものであっても、ハードウェアによって実行されるものであっても良い。
【0212】
図14において、緊急警報装置25は、プロセッサ72、AMアンテナ132を接続したAM受信部130、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84で構成され、プロセッサ72にはプログラムの実行で実現する機能として解析部94、装置イベント検出部96、自陣報知制御部98、送信制御部100、受信制御部102、異常報知制御部104及び障害報知制御部106を設けている。操作部82には警報停止スイッチ108を設け、メモリ86には送信元符号管理テーブル110を設けている。
【0213】
ここで、プロセッサ72、音声増幅部76、スピーカ78、表示部80、住警器表示部81、操作部82、メモリ86、アンテナ85が接続された無線通信部84は、図6に示した緊急警報装置25と基本的に同じであり、AM受信部130、AMアンテナ132及びプロセッサ72の解析部94が本実施形態に固有のものとなる。
【0214】
AM受信部130は操作部82の操作で選局されたAM局にチューナを同調させてその放送電波を受信し、音声信号として復調して出力している。
【0215】
プロセッサ72に設けた解析部94は、AM受信部130で受信復調されたAM放送音声信号を入力して解析し、緊急地震速報信号または津波警報信号の有効受信の有無を検知しており、その詳細は図6のFM放送音声信号を解析して制御する場合と基本的に同じになる。
【0216】
なお、上記の実施形態は、緊急警報装置で緊急地震速報信号と津波警報信号の両方の受信を検出して処理しているが、緊急警報装置で緊急地震速報信号と津波警報信号のいずれか一方の受信を検出して処理するようにしても良い。ここで、緊急地震速報信号のみの受信を検出して処理する場合には、上記の実施形態における緊急警報装置25を緊急地震速報装置25と読み替え、且つ津波警報に関する部分を削除した内容の実施形態とすれば良い。
【0217】
また、上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムやそれら各種の警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
【0218】
また、緊急警報装置の他の実施形態として、緊急警報装置に住警器の機能を設け、緊急警報装置で火災等の異常を検知して連動元として警報すると共に他の住警器にイベント信号を送信して連動先として警報させても良い。
【0219】
また、警報器同士は必ずしも連動するものでなくても良く、所定の警報器が緊急警報装置と連携できるものであれば良い。一部の警報器は連動し、他の警報器は連動しないものとしても良い。更に、警報器は1台であることを妨げない。一方で、緊急警報装置を複数台設けても良い。このとき、緊急警報装置間でも相互に連携連動できるようにしても良い。
【0220】
また、警報器や緊急警報装置間の各連携は無線通信によるものでなくても良く、有線通信によっても、また有線と無線を適宜混在させるものであっても良い。
【0221】
また、上記の実施形態で警報停止スイッチ、モードスイッチとして示した操作手段は、必ずしもスイッチである必要は無く、リモコン装置等を使用して外部からの通信によって警報履歴出力を指示するもの等、どのような手段や方法を適用しても良い。
【0222】
また、住警器(住宅用火災警報器)の警報出力機能を禁止することは規格上できないが、住警器以外の適宜の警報器を使用する場合には、警報器側の異常警報を禁止させるモード設定機能を設けることもできる。このようにすれば、例えば緊急警報装置からの異常(住警器の場合の火災にあたる)警報を出力させる代わりに、緊急警報装置の近隣に設置されている警報器からの異常警報を禁止させるパターンを採ることもできる。
【0223】
また、住警器から緊急警報装置への異常警報(火災警報等)の連動出力は、表示のみで行わせるようにしても良い。例えば、ブザー音や音声メッセージ等の音響警出力は住警器だけで充分足りるが、電力消費の大きなフラッシュライト等を用いて異常発生の視覚的な報知効果を高めたいといった場合には、商用電源や専用電源等を使用していることで電力消費を抑える必要性が比較的低い緊急警報装置に当該フラッシュライト等の表示装置を設けて、住警器の異常(火災)警報に連動して動作させて表示報知の効果を高めても良い。
【0224】
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等ができる。
【0225】
また、上記実施の形態で示した各機器のプロセッサは、その機能の一部又は全部を、例えばワイヤードロジック等による他の手段に代えることができる。プロセッサを含め他の電気的、機能的構成は適宜に統廃合することもできる。
【0226】
また、緊急警報装置は、放送による緊急地震速報や津波警報を上記実施の形態のように直接受信しても良いし、別の装置や設備を介して間接的に受信しても良い。また、緊急地震情報や津波警報は例えば市町村等の地域防災無線設備から送信されるものであっても良く、この場合に緊急警報装置は当該防災無線信号から緊急地震情報や津波警報を検出する受信部と解析部を備えることになる。
【0227】
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のLEDによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
【0228】
また、緊急警報装置、住警器(警報器)の表示部は、異常(上記実施の形態では火災)警報用表示部と緊急地震速報報知用表示部とをそれぞれ個別に設けても良い。
【0229】
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
【0230】
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
【0231】
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
【0232】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0233】
10,10−1〜10−6:住警器
12:カバー
14:本体
16:検煙部
17:取付フック
18:音響孔
20:警報停止スイッチ
21:モードスイッチ
22:LED
24:住宅
25:緊急警報装置
28,72:プロセッサ
31,84:アンテナ
30,82:無線通信部
32,86:メモリ
34:センサ部
36:報知部
38:操作部
40:電池電源
42,90:送信回路
44,92:受信回路
46:イベント信号
48:連番
50:送信元符号
52:グループ符号
54:イベント符号
56,78::スピーカ
58:イベント検出部
60:送信処理部
62:受信処理部
64:警報処理部
65:緊急地震速報処理部
66:障害処理部
68:電池電圧低下監視部
70:点検処理部
74:FM受信部
75:FMアンテナ
76:音声増幅部
80:表示部
81:住警器表示部
82:操作部
94:解析部
96:装置イベント検出部
98:地震報知制御部
100:送信制御部
102:受信制御部
104:異常報知制御部
106:障害報知制御部
110:送信元符号管理テーブル
120:デジタルTV受信部
130:AM受信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報器と緊急警報装置とを連携させ、前記警報器で警戒エリアの異常を検知した場合に異常を報知すると共に前記緊急警報装置に異常を示すイベント信号を送って異常を報知させ、前記緊急警報装置で放送による緊急地震情報信号を検出した場合に前記緊急地震情報信号を再生出力すると共に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送って緊急地震情報を報知させる警報システムに於いて、
前記警報器は、障害を検知した場合に障害警報を出力させると共に前記緊急警報装置に対して自己の警報器識別情報を含む障害を示すイベント信号を送信し、
前記緊急警報装置は、前記警報器から障害を示すイベント信号を受信した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力することを特徴とする警報システム。
を特定して異常を報知することを特徴とする警報システム。
【請求項2】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする警報システム。
【請求項3】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急警報装置は、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を報知する報知部と、
前記警報器から送信されたイベント信号を受信する受信部と、
装置イベント信号を前記警報器に送信する送信部と、
前記放送受信部による緊急地震情報信号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
前記装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、前記装置イベント検出部で前記警報器からの異常を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
前記装置イベント検出部で前記警報器からの障害を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設けたことを特徴とする警報システム。
【請求項4】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急警報装置の報知部は音声出力部を備え、
前記緊急警報装置の障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させることを特徴とする警報システム。
【請求項5】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急警報装置の報知部は警報器表示部を備え、
前記緊急警報装置の障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させることを特徴とする警報システム。
【請求項6】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記警報器は、電池電源で動作し、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報、異常警報又は障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
前記センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、前記障害検知部による障害検知、及び前記操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号および前記緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信部と、
前記イベント検出部で異常を検知した場合に、前記報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
前記イベント検出部で前記緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号の有効受信を検出した場合に、緊急地震情報を前記報知部に出力させる地震報知処理部と、
前記イベント検出部で障害検知を検出した場合に、前記報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設けたことを特徴とする警報システム。
【請求項7】
請求項6記載の警報システムに於いて、前記障害検知部は、
前記電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出するローバッテリー障害監視部と、
前記センサ部に対する所定の自己点検を実行してセンサ障害を検出するセンサ障害監視部と、
を備え、
前記障害報知処理部は、
前記イベント検出部で前記ローバッテリー障害監視部による前記ローバッテリー障害の検出を検出した場合に、前記報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させ、
前記イベント検出部で前記センサ障害監視部による障害検出を検出した場合に、前記報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させることを特徴とする警報システム。
【請求項8】
警報器と緊急警報装置とを連携させ、前記警報器で警戒エリアの異常を検知した場合に異常を報知すると共に前記緊急警報装置に異常を示すイベント信号を送って異常を報知させ、前記緊急警報装置で放送による緊急地震情報信号を検出した場合に前記緊急地震情報信号を再生出力すると共に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送って緊急地震情報を報知させる警報連携方法に於いて、
前記警報器は、障害を検知した場合に障害警報を出力させると共に前記緊急警報装置に対して自己の警報器識別情報を含む障害を示すイベント信号を送信し、
前記緊急警報装置は、前記警報器から障害を示すイベント信号を受信した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力することを特徴とする警報システム。
を特定して異常を報知することを特徴とする警報連携方法。
【請求項9】
請求項8記載の警報連携方法に於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする警報連携方法。
【請求項10】
異常を検知して異常を報知する警報器と連携し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置に於いて、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
警報器から送信されたイベント信号を受信する受信部と、
装置イベント信号を前記警報器に送信する送信部と、
前記放送受信部による緊急地震情報信号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
前記装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、前記装置イベント検出部で前記警報器からの異常を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
前記装置イベント検出部で前記警報器からの障害を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設けたことを特徴とする緊急警報装置。
【請求項11】
請求項10記載の緊急警報装置に於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする緊急警報装置。
【請求項12】
請求項10記載の緊急警報装置に於いて、
前記報知部は音声出力部を備え、
前記障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させることを特徴とする緊急警報装置。
【請求項13】
請求項10記載の緊急警報装置に於いて、
前記報知部は警報器表示部を備え、
前記障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させることを特徴とする緊急警報装置。
【請求項14】
電池電源で動作し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置と連携し、警戒エリアの異常を検知して異常を報知する警報器に於いて、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報、異常警報又は障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
前記センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、前記障害検知部による障害検知、及び前記操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号および前記緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信部と、
前記イベント検出部で異常を検知した場合に、前記報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を有効受信した場合に、前記報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
前記イベント検出部で前記緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号受信を検出した場合に、緊急地震情報信を前記報知部に報知させる地震報知処理部と、
前記イベント検出部で障害検知を検出した場合に、前記報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項15】
請求項14記載の警報器に於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする警報器。
【請求項16】
請求項14記載の警報器に於いて、前記障害検知部は、
前記電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出するローバッテリー障害監視部と、
前記センサ部に対し所定の自己点検を実行して障害を検出するセンサ障害監視部と、
を備え、
前記障害報知処理部は、
前記イベント検出部で前記ローバッテリー障害監視部による前記ローバッテリー障害の検出を検出した場合に、前記報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させ、
前記イベント検出部で前記センサ障害監視部によるセンサ障害検出を検出した場合に、前記報知部からセンサ障害警報を出力させると共にセンサ障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させることを特徴とする警報器。
【請求項1】
警報器と緊急警報装置とを連携させ、前記警報器で警戒エリアの異常を検知した場合に異常を報知すると共に前記緊急警報装置に異常を示すイベント信号を送って異常を報知させ、前記緊急警報装置で放送による緊急地震情報信号を検出した場合に前記緊急地震情報信号を再生出力すると共に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送って緊急地震情報を報知させる警報システムに於いて、
前記警報器は、障害を検知した場合に障害警報を出力させると共に前記緊急警報装置に対して自己の警報器識別情報を含む障害を示すイベント信号を送信し、
前記緊急警報装置は、前記警報器から障害を示すイベント信号を受信した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力することを特徴とする警報システム。
を特定して異常を報知することを特徴とする警報システム。
【請求項2】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする警報システム。
【請求項3】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急警報装置は、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を報知する報知部と、
前記警報器から送信されたイベント信号を受信する受信部と、
装置イベント信号を前記警報器に送信する送信部と、
前記放送受信部による緊急地震情報信号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
前記装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、前記装置イベント検出部で前記警報器からの異常を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
前記装置イベント検出部で前記警報器からの障害を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設けたことを特徴とする警報システム。
【請求項4】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急警報装置の報知部は音声出力部を備え、
前記緊急警報装置の障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させることを特徴とする警報システム。
【請求項5】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記緊急警報装置の報知部は警報器表示部を備え、
前記緊急警報装置の障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させることを特徴とする警報システム。
【請求項6】
請求項1記載の警報システムに於いて、
前記警報器は、電池電源で動作し、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報、異常警報又は障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
前記センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、前記障害検知部による障害検知、及び前記操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号および前記緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信部と、
前記イベント検出部で異常を検知した場合に、前記報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
前記イベント検出部で前記緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号の有効受信を検出した場合に、緊急地震情報を前記報知部に出力させる地震報知処理部と、
前記イベント検出部で障害検知を検出した場合に、前記報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設けたことを特徴とする警報システム。
【請求項7】
請求項6記載の警報システムに於いて、前記障害検知部は、
前記電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出するローバッテリー障害監視部と、
前記センサ部に対する所定の自己点検を実行してセンサ障害を検出するセンサ障害監視部と、
を備え、
前記障害報知処理部は、
前記イベント検出部で前記ローバッテリー障害監視部による前記ローバッテリー障害の検出を検出した場合に、前記報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させ、
前記イベント検出部で前記センサ障害監視部による障害検出を検出した場合に、前記報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させることを特徴とする警報システム。
【請求項8】
警報器と緊急警報装置とを連携させ、前記警報器で警戒エリアの異常を検知した場合に異常を報知すると共に前記緊急警報装置に異常を示すイベント信号を送って異常を報知させ、前記緊急警報装置で放送による緊急地震情報信号を検出した場合に前記緊急地震情報信号を再生出力すると共に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送って緊急地震情報を報知させる警報連携方法に於いて、
前記警報器は、障害を検知した場合に障害警報を出力させると共に前記緊急警報装置に対して自己の警報器識別情報を含む障害を示すイベント信号を送信し、
前記緊急警報装置は、前記警報器から障害を示すイベント信号を受信した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力することを特徴とする警報システム。
を特定して異常を報知することを特徴とする警報連携方法。
【請求項9】
請求項8記載の警報連携方法に於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする警報連携方法。
【請求項10】
異常を検知して異常を報知する警報器と連携し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置に於いて、
AM放送、FM放送又はテレビ放送のいずれかの放送信号を受信する放送受信部と、
緊急地震情報、異常警報及び障害警報を出力する報知部と、
警報器から送信されたイベント信号を受信する受信部と、
装置イベント信号を前記警報器に送信する送信部と、
前記放送受信部による緊急地震情報信号の受信、イベント信号の受信をはじめとする自己のイベントを検出する装置イベント検出部と、
前記装置イベント検出部で緊急地震情報信号受信を検出した場合に前記警報器に緊急地震情報報知を示す装置イベント信号を送信して報知させ、前記装置イベント検出部で前記警報器からの異常を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき異常を検知した警報器を特定して異常警報を出力させる異常報知制御部と、
前記装置イベント検出部で前記警報器からの障害を示すイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき障害を検知した警報器を特定して障害警報を出力させる障害報知制御部と、
を設けたことを特徴とする緊急警報装置。
【請求項11】
請求項10記載の緊急警報装置に於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする緊急警報装置。
【請求項12】
請求項10記載の緊急警報装置に於いて、
前記報知部は音声出力部を備え、
前記障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記音声出力部から障害を検知した警報器を示す音声メッセージによる警報音を出力させることを特徴とする緊急警報装置。
【請求項13】
請求項10記載の緊急警報装置に於いて、
前記報知部は警報器表示部を備え、
前記障害報知制御部は、前記装置イベント検出部で障害を示す前記警報器からのイベント信号の有効受信を検出した場合に、前記イベント信号に含まれる前記警報器識別情報に基づき前記警報器表示部に障害を検知した警報器を示す情報を表示させることを特徴とする緊急警報装置。
【請求項14】
電池電源で動作し、放送による緊急地震情報信号を検出して報知する緊急警報装置と連携し、警戒エリアの異常を検知して異常を報知する警報器に於いて、
警戒エリアの物理的現象を検出して検出信号を出力するセンサ部と、
電池電源の電圧低下および前記センサ部の故障をはじめとする障害を検知する障害検知部と、
緊急地震情報、異常警報又は障害警報を出力する報知部と、
外部から所定の処理を指示する操作部と、
前記センサ部の検出信号出力から検知した異常の有無、前記障害検知部による障害検知、及び前記操作部による停止操作をはじめとする自己のイベントを検出するイベント検出部と、
前記イベント検出部で検出したイベントを示すイベント信号に自己の警報器識別情報を含めて送信する送信部と、
他の警報器からのイベント信号および前記緊急警報装置からの装置イベント信号を受信する受信部と、
前記イベント検出部で異常を検知した場合に、前記報知部から連動元を示す異常警報を出力させると共に、異常を示すイベント信号を他の警報器に送信させ、一方、他の警報器から異常を示すイベント信号を有効受信した場合に、前記報知部から連動先を示す異常警報を出力させる異常報知処理部と、
前記イベント検出部で前記緊急警報装置から緊急地震情報報知を示す装置イベント信号受信を検出した場合に、緊急地震情報信を前記報知部に報知させる地震報知処理部と、
前記イベント検出部で障害検知を検出した場合に、前記報知部から障害警報を出力させると共に障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させる障害報知処理部と、
を設けたことを特徴とする警報器。
【請求項15】
請求項14記載の警報器に於いて、
前記緊急地震情報信号は、緊急地震速報信号と津波警報信号の少なくともいずれか一方であり、
前記緊急地震情報報知を示す装置イベント信号は、緊急地震速報報知と津波報知の少なくともいずれか一方を示す装置イベント信号であることを特徴とする警報器。
【請求項16】
請求項14記載の警報器に於いて、前記障害検知部は、
前記電池電源から供給される電圧の低下からローバッテリー障害を検出するローバッテリー障害監視部と、
前記センサ部に対し所定の自己点検を実行して障害を検出するセンサ障害監視部と、
を備え、
前記障害報知処理部は、
前記イベント検出部で前記ローバッテリー障害監視部による前記ローバッテリー障害の検出を検出した場合に、前記報知部からローバッテリー障害警報を出力させると共にローバッテリー障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させ、
前記イベント検出部で前記センサ障害監視部によるセンサ障害検出を検出した場合に、前記報知部からセンサ障害警報を出力させると共にセンサ障害を示すイベント信号を他の警報器及び前記緊急警報装置に送信させることを特徴とする警報器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−243219(P2011−243219A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−159777(P2011−159777)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159777(P2011−159777)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】
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