説明

警報器対応システムメータ

【課題】器具判別を行い、CO発生状況を器具毎に監視するとともに、低濃度のCO検出時からCO発生する器具が例え重複判定していても、適切な早期対応を可能とし、信頼性が高く安全性の高い警報器対応システムメータを提供すること。
【解決手段】器具使用開始後にCO警報器14からのCOレベルがいずれかの監視レベルを超過した場合に、器具判別手段28により器具を重複判定した時には、重複した器具各々のCO監視レベル超過カウンタ29をアップし、その後の継続監視により重複判定から単独判定へ移行した場合には単独から外れた器具各々のCO監視レベル超過カウンタ29をダウンし、CO監視レベル超過カウンタ29のいずれかが監視レベルに応じた監視回数に達すると監視回数に到達した器具の器具情報ならびに超過した監視レベル情報を外部や宅内表示装置30へ通信し、高濃度のCO発生時には監視する器具、状況に関わらずガスを遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの使用流量を計測するガスメータと屋内に設置されたCO警報器との連携において、事故の防止のための処置を行う装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ガス機器の経年劣化等による事故が増加し、また消費生活用製品安全法の改正により特定機器の点検が求められている。また、事業者においても供給設備の点検や機器の調査等の保安業務が重要視されている。
【0003】
従来、この種の器具監視装置としては、例えば、特許文献1に記載させたものが知られていた。以下、その構成について図8を参照しながら説明する。
【0004】
図8に示すように、警報器1がガスを検知すると信号線を介し、マイコンメータ2に情報が送られ、更にマイコンメータ2よりNCU3を通し、電話回線4を介して図示していない監視センターに通報する。種々の文献にあるように、警報器1がガス漏れを検知し、マイコンメータ2に送られると、マイコンメータ2はガス供給を停止し、ガス通路を遮断するようになっていた。
【0005】
また、一酸化炭素(以降、COと記載)ガスの濃度レベルに応じて器具の使用制限機能を適切に制御する器具監視装置に関しては、例えば、特許文献2に記載されたものが知られていた。以下、その構成について図9を参照しながら説明する。
【0006】
図9に示すように、例えば、CO警報器14からの漏洩信号「有」を判断したとき、流量情報取得手段12の流量情報からCO漏洩器具を推定し、CO漏洩器具処理手段13に記憶している流量情報との比較結果に応じて、連続使用時間の許容値を短縮方向へ変更するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−306463号公報
【特許文献2】特開2009−211465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来の構成では、警報器が早期にCOガスを検出したとしても、マイコンメータでは通常の器具使用状態の流量を検出しているため、COガス発生器具を特定することができず、また、マイコンメータがガス通路を遮断しガス供給を停止すると、複数の器具使用時にはどの器具がCOガス発生器具であるかわからず、結果として器具の修理、補修が遅れるという課題を有していた。
【0009】
また、CO漏洩器具を推定し、連続使用時間の許容値を短縮方向へ変更しても、推定時に、異なる器具の流量パターンや流量情報が非常に似ている場合にはCO漏洩器具の特定を誤ってしまい適切な対応がとれないという課題を有していた。
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、器具判別を行い、CO発生状況を器具毎に監視するとともに、低濃度のCO検出時からCO発生する器具が例え重複判定していても外部へ通信することにより、適切な早期対応を可能とし、信頼性が高く安全性の高い警
報器対応システムメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来の課題を解決するために、本発明の警報器対応システムメータは、ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、前記遮断手段を制御する制御手段と、流路に流れるガスの流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段によって計測された流量値を処理して流量変化パターンを検出する演算処理手段と、前記流量計測手段によって計測された流量値や前記演算処理手段からの情報により使用器具を判別し登録する器具判別手段と、外部との通信が可能な外部通信手段と、通信手段を備えた宅内表示装置との通信が可能な宅内通信手段と、通信手段を備えたCO警報器と情報通信するCO警報器通信手段と、前記器具判別手段と前記CO警報器通信手段から入力するCOレベルにより器具使用時のCO発生状況を複数の監視レベル毎、且つ、器具別に監視するCO監視レベル超過カウンタと、を備え、前記制御手段は、器具使用開始後に前記CO警報器からのCOレベルがいずれかの監視レベルを超過した場合に、前記器具判別手段が器具使用開始時の初期判定で使用器具を単独の器具と判定した時には使用と判定された器具の該当するCO監視レベル超過カウンタをアップするとともに、初期判定で重複の器具と判定した時には重複した器具各々の該当するCO監視レベル超過カウンタをアップし、その後の前記器具判別手段の継続監視により重複判定から単独判定へ移行した場合には単独から外れた器具各々の該当するCO監視レベル超過カウンタをダウンすることを特徴とするもので、CO監視レベル超過カウンタのいずれかが監視レベルに応じた監視回数に到達した場合には、監視回数に到達したすべての器具情報ならびに超過した監視レベル情報を外部あるいは、宅内表示装置へ通信するとともに、高濃度のCO発生時には監視する器具、状況に関わらずガスを遮断する構成としたものである。
【0012】
これによって、低濃度のCO検出時からCO発生する器具が例え重複判定していても外部へ通信することにより、適切な早期対応を可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の警報器対応システムメータは、危険ではない低濃度のCO発生段階で、器具の異常の兆候を捉え、早期に点検、修理等の対応をとることが可能となり、また、器具の短時間使用を繰り返され単独判定できない場合でもCO発生している器具を最小限に絞り込み、適切な対応が可能となり、また、対応が遅れた場合にも、監視レベルに応じた監視回数を減らすことでCO濃度の上昇に伴い再報知する間隔が短くなることで、確実な対応の実施ならびに安全性の向上が図れ、高濃度CO発生時には器具判別の内容、状況に関わらずガスを遮断することにより安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1〜4における警報器対応システムメータのブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタの概念を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における警報器対応システムメータの器具判定時の処理を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタ更新処理を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタの監視処理を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態3における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタの監視処理を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態4における警報器対応システムメータの非ガス機器CO監視レベル超過カウンタの更新時の処理を示すフローチャート
【図8】従来の第1の器具監視装置のブロック図
【図9】従来の第2の器具監視装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、前記遮断手段を制御する制御手段と、流路に流れるガスの流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、前記流量計測手段によって計測された流量値を処理して流量変化パターンを検出する演算処理手段と、前記流量計測手段によって計測された流量値や前記演算処理手段からの情報により使用器具を判別し登録する器具判別手段と、外部との通信が可能な外部通信手段と、通信手段を備えた宅内表示装置との通信が可能な宅内通信手段と、通信手段を備えたCO警報器と情報通信するCO警報器通信手段と、前記器具判別手段と前記CO警報器通信手段から入力するCOレベルにより器具使用時のCO発生状況を複数の監視レベル毎、且つ、器具別に監視するCO監視レベル超過カウンタと、を備え、前記制御手段は、器具使用開始後に前記CO警報器からのCOレベルがいずれかの監視レベルを超過した場合に、前記器具判別手段が器具使用開始時の初期判定で使用器具を単独の器具と判定した時には使用と判定された器具の該当するCO監視レベル超過カウンタをアップするとともに、初期判定で重複の器具と判定した時には重複した器具各々の該当するCO監視レベル超過カウンタをアップし、その後の前記器具判別手段の継続監視により重複判定から単独判定へ移行した場合には単独から外れた器具各々の該当するCO監視レベル超過カウンタをダウンする構成にしたものである。
【0016】
これにより、器具使用開始時の初期判定により重複判定した場合であっても、器具の継続監視により単独判定した場合には、CO発生器具のCO監視レベル超過カウンタのみアップすることにより、CO発生器具を確実に監視することができ、CO監視レベルを低濃度に設定することにより器具の異常の兆候を捉え、早期に点検、修理等の対応をとることが可能となり、安全性を向上することができる。
【0017】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段を、CO監視レベル超過カウンタと比較する監視回数として監視レベル毎に複数有し、前記CO監視レベル超過カウンタのいずれかが監視レベルに応じた監視回数に到達した場合に、監視回数に到達したすべての器具情報ならびに超過した監視レベル情報を前記外部通信手段あるいは、前記宅内通信手段に出力する構成にしたものである。
【0018】
これにより、器具の短時間使用を繰り返され単独判定できない場合でも、CO発生している器具を最小限に絞り込み、適切な対応が可能となり、また、対応が遅れた場合にも、監視レベルに応じた監視回数を減らすことでCO濃度の上昇に伴い再報知する間隔が短くことで、確実な対応の実施ならびに安全性を向上することができる。
【0019】
第3の発明は、特に、第1または2の発明の制御手段を、CO警報器通信手段により入力するCOレベルを監視する複数の監視レベルのうち、もっともCO濃度の高い監視レベルを超過すると、前記器具判別手段の判定結果および、各々の前記CO監視レベル超過カウンタの回数に関わらず、前記遮断手段に出力し、ガスを遮断する構成にしたものである。
【0020】
これにより、CO発生器具の点検、修理等の対応がとられなかった場合や、突発的な高濃度のCOの発生があっても確実にガスを遮断することができ、安全性を確保することができる。
【0021】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の制御手段を、流量計測手段からの出力によりガス器具が未使用状態であった場合にも、前記CO警報器通信手段により入
力するCOレベルの監視をおこない、非ガス機器としてのCO監視レベル超過カウンタを有する構成にしたものである。
【0022】
これにより、石油機器等のガス以外の器具もCO発生を監視することができ、ガス機器同様に器具の異常の兆候を捉え、早期に点検、修理等の対応をとることが可能となり、安全性を向上することができる。
【0023】
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明に記載の警報器対応システムメータの全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラムである。そして、プログラムであるので汎用コンピュータやサーバーを用いて本発明のプログラムの少なくとも一部を容易に実現できる。また、記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布やインストール作業が簡単にできる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態の説明において、同一構成並びに同一作用効果を奏するところには、同一符号を付して重複した説明を行わないものとする。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1〜4における警報器対応システムメータのブロック図である。
【0026】
図1において、20は警報器対応システムメータであり、ガス供給管21の途中に設けられ、その下流側の配管には各顧客宅内に設置された1台以上のガス器具が接続されている。
【0027】
警報器対応システムメータ20は、流量計測手段22、遮断手段16、制御手段23、宅内通信手段24、外部通信手段25、CO警報器通信手段26、演算処理手段27、器具判別手段28、CO監視レベル超過カウンタ29を有して構成される。
【0028】
流量計測手段22は、ガス供給管21の経路中に接続され、ガス供給管21内のガス流量を計測するものである。
【0029】
遮断手段16は、ガス供給管21の経路中に接続され、制御手段23からの指示に基づいてガス供給管21を閉塞してガスの供給を遮断するものである。
【0030】
制御手段23は、警報器対応システムメータ20内の各部の動作制御の他、各種警告や遮断などの保安処理等をおこなうものである。マイクロコンピュータおよびその周辺回路からなる制御手段23は、所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0031】
演算処理手段27は、流量計測手段22によって計測された流量値を処理して流量変化パターンを検出するものである。
【0032】
器具判別手段28は、流量計測手段22によって計測された流量値や演算処理手段27からの情報により使用器具を判別し登録するものである。
【0033】
宅内通信手段24は、宅内表示装置30と各種情報通信し、宅内表示装置30に各種表示を行うとともに、宅内表示装置30で操作された情報を入力する。
【0034】
外部通信手段25は、有線または無線による通信機能を有し、例えば、公衆回線を介して管理センター(図示せず)と接続される。この外部通信手段25は、各種情報及びコマンドや信号を管理センターとの間で授受するものである。
【0035】
管理センターは、コンピュータ等を有して構成され、管理部の機能を実現するもので、コンピュータ等を構成するプロセッサ及び動作プログラムを含み、プロセッサにおいて所定の動作プログラムを実行して対応する処理をおこなうことにより、各機能が実現される。
【0036】
CO警報器通信手段26は、CO警報器14が検出したCOレベルを通信により入力したり、CO警報器14の健全性の確認のための出力をおこなう。
【0037】
CO監視レベル超過カウンタ29は、CO警報器通信手段26からの入力したCOレベルと、器具判別手段28により判定した器具情報から、器具毎にCOレベルが所定の監視レベルを超過した回数をカウントするものである。
【0038】
以上のように構成された警報器対応システムメータについて、以下、CO監視レベル超過カウンタの更新時の処理に関して、その動作について説明する。
【0039】
図2は本発明の実施の形態1における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタの概念を示すブロック図である。
【0040】
CO監視レベル超過カウンタ29は、器具判別手段28が判定する器具毎に、複数のCO監視レベルに対応したCO監視レベル超過カウンタから構成される。例えば、器具使用時に器具判別手段28が器具aと判定し、CO警報器14が検出したCOレベルが第1監視レベルを超過した場合には、器具aの第1CO監視レベル超過カウンタ29a1をカウントし、器具判別手段28が器具bと判定し、CO警報器14が検出したCOレベルが第2監視レベルを超過した場合には、器具bの第2CO監視レベル超過カウンタ29b2をカウントする。
【0041】
図3は本発明の実施の形態1における警報器対応システムメータの器具判定時の処理を示すフローチャートである。
【0042】
図3において、制御手段23はステップ(以下、Sと表示する)1で、流量があるかどうか判定し、流量がなければ処理を抜け、流量があればS2へ進む。S2では現在の判定器具情報をバッファに待避しておく。S3では器具判別手段28が器具の使用開始直後の流量パターンにより器具を判定する器具初期判定が済んでいるかどうか判定し、器具初期判定済であればS9へ進み、器具初期判定済でなければS4へ進む。S4では器具使用開始から所定時間経過し、初期判定のタイミングかどうか判定し、初期判定タイミングであれば、器具判別手段28により器具の初期判定を実施し、判定した器具の情報を格納する(S5)。S6では器具判別手段28により判定した器具が単独の器具であったかどうか判定し、単独の器具との判定(以下、単独判定と称す)であった場合は、S7で単独判定情報をセットし、単独判定でなかった場合、すなわち、器具aまたは器具bまたは器具cのいずれかといった複数の器具に当てはまり、どの器具かを特定できない判定(以下、重複判定と称す)した場合はS8へ進む。
【0043】
S9では単独判定情報があるかどうか判定し、単独判定情報があればS8へ進み、単独判定情報がなければ、すなわち重複判定時に、S10で器具使用中の流量パターン等の変化から継続監視を実施し、器具判定をおこない、判定器具情報を格納し、S6へ進む。S8ではCO監視レベル超過カウンタの更新処理をおこない、処理を抜ける。
【0044】
ここで、S8のCO監視レベル超過カウンタの更新処理について説明する。
【0045】
図4は、本発明の実施の形態1における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
【0046】
図4において、制御手段23はS11で、第1監視終了情報があるかどうか判定し、第1監視終了情報があればS21へ進み、第1監視終了情報がなければS12で第1CO監視レベル超過カウンタがアップ済かどうか判定し、第1CO監視レベル超過カウンタがアップ済ならばS16へ進み、アップ済でなければ、CO警報器14が検出したCOレベルが第1監視レベル以上かどうか判定し(S13)、第1所定値以上であれば判定器具全ての第1CO監視レベル超過カウンタをアップし(S14)、第1CO監視レベル超過カウンタアップ済をセットする(S15)。
【0047】
S16では、S10の継続監視により判定した判定器具情報とS2で待避したバッファが同じかどうか判定し、異なる場合、判定から外れた器具の第1CO監視レベル超過カウンタをカウントダウンする(S17)。例えば、バッファの内容が器具a、器具b、器具cの時にS10の継続監視により器具a、器具cとなった場合には、判定から外れた器具bの第1CO監視レベル超過カウンタをカウントダウンする。
【0048】
S18では、単独判定情報がセットされているかどうか判定し、単独判定情報があればS19で第1監視終了情報をセットしS21へ進み、単独判定情報がセットされていない場合はS21へ進む。
【0049】
S21では、第2監視終了情報があるかどうか判定し、第2監視終了情報があればS31へ進み、第2監視終了情報がなければS22で第2CO監視レベル超過カウンタがアップ済かどうか判定し、第2CO監視レベル超過カウンタがアップ済ならばS26へ進み、アップ済でなければ、CO警報器14が検出したCOレベルが第2監視レベル以上かどうか判定し(S23)、第2所定値以上であれば判定器具全ての第2CO監視レベル超過カウンタをアップし(S24)、第2CO監視レベル超過カウンタアップ済をセットする(S25)。
【0050】
S26では、S10の継続監視により判定した判定器具情報とS2で待避したバッファが同じかどうか判定し、異なる場合、判定から外れた器具の第2CO監視レベル超過カウンタをカウントダウンする(S27)。S28では、単独判定情報がセットされているかどうか判定し、単独判定情報があればS29で第2監視終了情報をセットしS31へ進み、単独判定情報がセットされていない場合はS31へ進む。
【0051】
S23では、第3監視終了情報があるかどうか判定し、第3監視終了情報があれば処理を抜け、第3監視終了情報がなければS32で第3CO監視レベル超過カウンタがアップ済かどうか判定し、第3CO監視レベル超過カウンタがアップ済ならばS36へ進み、アップ済でなければ、CO警報器14が検出したCOレベルが第3監視レベル以上かどうか判定し(S33)、第3所定値以上であれば判定器具全ての第3CO監視レベル超過カウンタをアップし(S34)、第3CO監視レベル超過カウンタアップ済をセットする(S35)。
【0052】
S36では、S10の継続監視により判定した判定器具情報とS2で待避したバッファが同じかどうか判定し、異なる場合、判定から外れた器具の第3CO監視レベル超過カウンタをカウントダウンする(S37)。S38では、単独判定情報がセットされているかどうか判定し、単独判定情報があればS39で第3監視終了情報をセットし処理を抜ける

【0053】
なお、COレベルと比較する監視レベルとして3段階で説明したが、段階の数についてはこれに限定されるものではない。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、器具使用開始時の初期判定により重複判定した場合であっても、器具の継続監視により単独判定した場合には、CO発生器具のCO監視レベル超過カウンタのみアップすることにより、CO発生器具を確実に監視することができ、CO監視レベルを低濃度に設定することにより器具の異常の兆候を捉え、早期に点検、修理等の対応をとることが可能となり、安全性を向上することができる。
【0055】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタの監視処理を示すフローチャートであり、実施の形態1における図1に示す制御手段23とプログラムのみが異なるだけで、警報器対応システムメータのブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段23は図5に示すS40からS52の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0056】
なお、器具の初期判定、継続監視、CO監視レベル超過カウンタ更新に関する処理は、図3のS1からS10及び図4のS11からS39と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0057】
図5において、制御手段23は、S40で通信情報をクリアし、S41で器具別の第1CO監視レベル超過カウンタが第1監視回数以上かどうか判定し、第1監視回数以上でなければS43へ進み、第1監視回数以上ならばS42で通信情報に該当器具および第1CO監視レベル超過情報を付加し、S43へ進む。S43では、全器具のチェックが終了したかどうか判定し、終了していなければS41へ進み、終了していればS44へ進む。
【0058】
S44では、器具別の第2CO監視レベル超過カウンタが第2監視回数以上かどうか判定し、第2監視回数以上でなければS46へ進み、第2監視回数以上ならばS45で通信情報に該当器具および第2CO監視レベル超過情報を付加し、S46へ進む。S46では、全器具のチェックが終了したかどうか判定し、終了していなければS44へ進み、終了していればS47へ進む。
【0059】
S47では、器具別の第3CO監視レベル超過カウンタが第3監視回数以上かどうか判定し、第3監視回数以上でなければS49へ進み、第3監視回数以上ならばS48で通信情報に該当器具および第3CO監視レベル超過情報を付加し、S49へ進む。S49では、全器具のチェックが終了したかどうか判定し、終了していなければS47へ進み、終了していればS50へ進む。
【0060】
S50では、通信情報に情報があるかどうか判定し、情報があればS51で外部通信手段25へ通信情報を出力し、S52で宅内通信手段24へ通信情報を出力する。
【0061】
なお、各CO監視レベル超過カウンタと比較する各監視回数であるが、監視レベル関わらず同一の回数としてもよい。
【0062】
以上のように、本実施の形態においては、各監視レベルに応じた監視回数をそれぞれ設け、繰り返し外部や宅内表示装置へ通知することが可能となり、また、監視レベルが高いほど監視回数を減らすことにより、CO濃度の上昇に伴い再報知する間隔が短くなり、確実な対応の実施ならびに安全性の向上が図れ、安全性を向上することができる。
【0063】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における警報器対応システムメータのCO監視レベル超過カウンタの監視処理を示すフローチャートであり、実施の形態1における図1に示す制御手段23とプログラムのみが異なるだけで、警報器対応システムメータのブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段23は図6に示すS60からS73の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0064】
なお、器具の初期判定、継続監視、CO監視レベル超過カウンタ更新に関する処理は、図3のS1からS10及び図4のS11からS39と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0065】
図6において、制御手段23は、S60で通信情報をクリアし、S61で器具別の第1CO監視レベル超過カウンタが第1監視回数以上かどうか判定し、第1監視回数以上でなければS63へ進み、第1監視回数以上ならばS62で通信情報に該当器具および第1CO監視レベル超過情報を付加し、S63へ進む。S63では全器具のチェックが終了したかどうか判定し、終了していなければS61へ進み、終了していればS64へ進む。
【0066】
S64では、器具別の第2CO監視レベル超過カウンタが第2監視回数以上かどうか判定し、第2監視回数以上でなければS66へ進み、第2監視回数以上ならばS65で通信情報に該当器具および第2CO監視レベル超過情報を付加し、S66へ進む。S66では、全器具のチェックが終了したかどうか判定し、終了していなければS64へ進み、終了していればS67へ進む。
【0067】
S67では、CO警報器14が検出したCOレベルが第3監視レベル以上かどうか判定し、第3監視レベル以上ならばS71へ進み、第3監視レベル以上でなければS68で通信情報に情報があるかどうか判定し、情報があればS69で外部通信手段25へ通信情報を出力し、S70で宅内通信手段24へ通信情報を出力し処理を抜ける。
【0068】
S71では、遮断手段16へ出力しガスを遮断し、S72で外部通信手段25へ遮断情報を出力し、S73で宅内通信手段24へ遮断情報を出力して処理を抜ける。
【0069】
なお、遮断する監視レベルとして第3監視レベルで説明したが、新たに設けてもよく、段階の数についてはこれに限定されるものではない。
【0070】
以上のように、本実施の形態においては、CO発生器具の点検、修理等の対応がとられなかった場合や、突発的な高濃度のCOの発生があっても確実にガスを遮断することができ、安全性を確保することができる。
【0071】
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4における警報器対応システムメータの非ガス機器CO監視レベル超過カウンタの更新時の処理を示すフローチャートであり、実施の形態1における図1に示す制御手段23とプログラムのみが異なるだけで、警報器対応システムメータのブロック図は図1と同一である。すなわち、制御手段23は図7に示すS80からS94の制御フローを実行するプログラムを格納したものである。
【0072】
図7において、制御手段23は、流量なしかどうか判定し(S80)、流量なしならばS81でCO警報器14が検出したCOレベルが所定値以上かどうか判定し、所定値以上ならば、S82で流量あり時からCOレベルが所定値以上だったかどうか判定し、所定値以上だった場合は処理を抜け、所定値以上でなかった場合は、S83へ進む。
【0073】
S83では、非ガス機器の第1監視終了情報があるかどうか判定し、第1監視終了情報があればS87へ進み、第1監視終了情報がなければS84でCOレベルが第1監視レベル以上かどうか判定し、第1監視レベル以上ならばS85へ進み、第1監視レベル以上でなければS87へ進む。S85では非ガス機器の第1監視レベル超過カウンタをアップし、S86で非ガス機器の第1監視終了情報をセットしS87へ進む。
【0074】
S87では、非ガス機器の第2監視終了情報があるかどうか判定し、第2監視終了情報があればS91へ進み、第2監視終了情報がなければS88でCOレベルが第2監視レベル以上かどうか判定し、第2監視レベル以上ならばS89へ進み、第2監視レベル以上でなければS91へ進む。S89では、非ガス機器の第2監視レベル超過カウンタをアップし、S90で非ガス機器の第2監視終了情報をセットしS91へ進む。
【0075】
S91では、非ガス機器の第3監視終了情報があるかどうか判定し、第3監視終了情報があれば処理を抜け、第3監視終了情報がなければS92でCOレベルが第3監視レベル以上かどうか判定し、第3監視レベル以上ならば非ガス機器の第3監視レベル超過カウンタをアップし(S93)、S94で非ガス機器の第3監視終了情報をセットし処理を抜ける。
【0076】
なお、COレベルと比較する監視レベルとして3段階で説明したが、段階の数についてはこれに限定されるものではない。また、各監視レベルをガス機器と同じレベルで説明したが、非ガス機器用に新たに設けてもよい。
【0077】
以上のように、本実施の形態においては、石油機器等のガス以外の器具もCO発生を監視することができ、ガス機器同様に器具の異常の兆候を捉え、早期に点検、修理等の対応をとることが可能となり、安全性を向上することができる。
【0078】
なお、上記各実施の形態においては制御手段に格納してあるプログラムでマイクロコンピュータを機能させて制御フローを実行しているが、プログラムに代えハードを以って実行することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように、本発明にかかる警報器対応システムメータは、CO警報器だけでなくガス警報器にも利用できることから、器具異常によるガスの微少漏れや配管の微少漏れの検出に対しても適用できる。
【符号の説明】
【0080】
14 CO警報器
16 遮断手段
20 警報器対応システムメータ
21 ガス供給管
22 流量計測手段
23 制御手段
24 宅内通信手段
25 外部通信手段
26 CO警報器通信手段
27 演算処理手段
28 器具判別手段
29 CO監視レベル超過カウンタ
30 宅内表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給管に接続され、ガスの供給や遮断を行う遮断手段と、
前記遮断手段を制御する制御手段と、
流路に流れるガスの流量を一定時間間隔で計測する流量計測手段と、
前記流量計測手段によって計測された流量値を処理して流量変化パターンを検出する演算処理手段と、
前記流量計測手段によって計測された流量値や前記演算処理手段からの情報により使用器具を判別し登録する器具判別手段と、
外部との通信が可能な外部通信手段と、
通信手段を備えた宅内表示装置との通信が可能な宅内通信手段と、
通信手段を備えたCO警報器と情報通信するCO警報器通信手段と、
前記器具判別手段と前記CO警報器通信手段から入力するCOレベルにより器具使用時のCO発生状況を複数の監視レベル毎、且つ、器具別に監視するCO監視レベル超過カウンタと、を備え、
前記制御手段は、器具使用開始後に前記CO警報器からのCOレベルがいずれかの監視レベルを超過した場合に、前記器具判別手段が器具使用開始時の初期判定で使用器具を単独の器具と判定した時には使用と判定された器具の該当するCO監視レベル超過カウンタをアップするとともに、初期判定で重複の器具と判定した時には重複した器具各々の該当するCO監視レベル超過カウンタをアップし、その後の前記器具判別手段の継続監視により重複判定から単独判定へ移行した場合には単独から外れた器具各々の該当するCO監視レベル超過カウンタをダウンすることを特徴とする警報器対応システムメータ。
【請求項2】
前記制御手段は、前記CO監視レベル超過カウンタと比較する監視回数として監視レベル毎に複数有し、前記CO監視レベル超過カウンタのいずれかが監視レベルに応じた監視回数に到達した場合に、監視回数に到達したすべての器具情報ならびに超過した監視レベル情報を前記外部通信手段あるいは、前記宅内通信手段に出力することを特徴とする請求項1記載の警報器対応システムメータ。
【請求項3】
前記制御手段は、前記CO警報器通信手段により入力するCOレベルを監視する複数の監視レベルのうち、もっともCO濃度の高い監視レベルを超過すると、前記器具判別手段の判定結果および、各々の前記CO監視レベル超過カウンタの回数に関わらず、前記遮断手段に出力し、ガスを遮断することを特徴とする請求項1または2記載の警報器対応システムメータ。
【請求項4】
前記制御手段は、前記流量計測手段からの出力によりガス器具が未使用状態であった場合にも、前記CO警報器通信手段により入力するCOレベルの監視をおこない、非ガス機器としてのCO監視レベル超過カウンタを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の警報器対応システムメータ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のガス遮断装置の全てもしくは一部として、コンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−133616(P2012−133616A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285591(P2010−285591)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】