説明

負荷制御装置、プログラム、負荷制御システム

【課題】余剰電力によって負荷機器が所定の処理を開始した後この処理が完了する前に余剰電力がなくなることによる不利益を回避できるようにする。
【解決手段】負荷制御装置1は、負荷機器4の需用電力および発電装置2の発電電力を測定する測定ユニット11と、測定ユニット11の測定結果に基づいて給湯装置41の動作を制御する制御ユニット10とを備えている。制御ユニット10は、予測部12にて将来の対象期間に生じる余剰電力を予測する。判定部13は、給湯装置41が所定の処理を開始してから完了するまでに必要な電力および時間と予測部12の予測結果とを対比して、対象期間に給湯装置41が余剰電力で上記処理を実行することの可否を判定する。実行部14は、判定部13で上記処理を実行可能と判定されたときに、給湯装置41に制御信号を送信することによって上記処理が開始されるように給湯装置41の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置の余剰電力を用いて負荷機器を稼働させる負荷制御装置、プログラム、負荷制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽電池や燃料電池等の発電装置を需要家に設置し、需要家で必要な電力の一部を発電装置で賄うようにすることが行われている。特に太陽電池の場合、余剰電力の発生時(太陽電池の発電電力が負荷機器の需用電力よりも大きいとき)には、一般的に太陽電池の余剰電力は商用電力系統に逆潮流され電力会社に売電される。
【0003】
ただし、今後さらに太陽電池等が普及するのに伴い、商用電力系統の電力を安定させるという観点から売電が規制されるとの見方もされており、今後、需要家で発生した余剰電力を自由に売電できなくなることも考えられる。また、売電の単価が大幅に安くなるなど、売電によるメリットが小さくなることも考えられる。このような場合に、需要家に蓄電池を設置して余剰電力を貯めること(蓄電)も可能であるが、蓄電池を導入することによる需要家の負担増大や、蓄電池が満充電であればそれ以上電力を貯めることができないという問題がある。
【0004】
これに対して、売電や蓄電以外の方法で余剰電力を有効利用するシステムとして、余剰電力を(貯湯式)給湯装置の稼働に用いるようにしたシステムが提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1記載のシステムでは、発電電力に余剰電力が見込まれる場合に、給湯装置の最低蓄熱量の値を引き上げ、このとき給湯装置の実際の蓄熱量が最低蓄熱量を下回っていれば、発電装置の発電電力により給湯装置を稼働して湯を沸かし増しする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−158027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したように余剰電力を何らかの負荷機器(たとえば給湯装置)の稼働に用いる場合、負荷機器が何らかの処理を開始した後、この処理が完了する前に余剰電力がなくなると、以下のような問題を生じる可能性がある。
【0007】
すなわち、給湯装置であれば、所定量の湯を沸かす処理を開始したものの、処理が完了(沸上完了)の前に余剰電力がなくなると、湯沸しの処理を途中で終了することになる。その結果、給湯装置は、余剰電力が発生する度に処理の開始、終了を繰り返すことになり、同じ処理を1回で完了する場合に比べて余剰電力の利用効率が悪くなる。
【0008】
あるいは、処理の完了前に余剰電力がなくなった場合に、給湯装置が処理を継続するために商用電力系統から電力供給を受けることも考えられるが、そうすると余剰電力を利用する目的で湯沸しを開始したにもかかわらず最終的には買電せざるを得なくなる。したがって、場合によっては、本来なら買電単価の安い深夜に実行すればよい処理(湯沸し)を、日中に開始したがために買電単価の高い日中に買電せざるを得なくなり、需要家が損をする可能性がある。
【0009】
本発明は上記事由に鑑みて為されており、余剰電力によって負荷機器が所定の処理を開始した後この処理が完了する前に余剰電力がなくなることによる不利益を回避できる負荷制御装置、プログラム、負荷制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の負荷制御装置は、発電装置から負荷機器へ電力供給され、前記発電装置の発電電力が不足する場合に商用電力系統から前記負荷機器へ電力供給を行う電力供給システムに用いられる負荷制御装置であって、前記負荷機器の需用電力および前記発電装置の発電電力を測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて前記負荷機器に含まれる被制御機器の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記発電電力が前記需用電力より大きい場合における前記発電電力と前記需用電力との差分を余剰電力として、現在から所定時間経過するまでの対象期間に生じる前記余剰電力を予測する予測部と、前記被制御機器が所定の処理を開始してから完了するまでに必要な電力および時間と前記予測部の予測結果とを対比して、前記対象期間に前記被制御機器が前記余剰電力で前記処理を実行することの可否を判定する判定部と、前記判定部で前記処理を実行可能と判定されたときに、前記被制御機器に制御信号を送信することによって、前記処理が開始されるように前記被制御機器の動作を制御する実行部とを有することを特徴とする。
【0011】
この負荷制御装置において、前記被制御機器は電気式給湯装置であり、前記処理は所定量の湯を沸かすための処理であることが望ましい。
【0012】
あるいは、この負荷制御装置において、前記被制御機器は蓄電池を充電する充電装置であり、前記処理は所定量の電気エネルギーを蓄電するための処理であることが望ましい。
【0013】
この負荷制御装置において、前記処理は、開始から一定の既定時間で完了させる処理であって、前記予測部は、前記既定時間ごとに、現在から当該既定時間経過するまでの期間を前記対象期間として当該対象期間の前記余剰電力を予測し、前記判定部は、当該既定時間ごとに、前記被制御機器の前記処理に必要な電力と前記予測部の予測結果とを対比することがより望ましい。
【0014】
あるいは、この負荷制御装置において、前記予測部は、前記処理の開始から完了までに掛かる時間より短い単位時間ごとに、前記対象期間における前記余剰電力を予測し、前記判定部は、当該単位時間ごとに、前記被制御機器の前記処理に必要な電力と前記予測部の予測結果とを対比することがより望ましい。
【0015】
この負荷制御装置において、前記判定部は、前記被制御機器が直近の前記処理に用いた電力の履歴を用いて、前記被制御機器の前記処理に必要な電力を求めることがより望ましい。
【0016】
この負荷制御装置において、前記測定部は、前記商用電力系統から前記負荷機器へ供給される電力を買電電力として測定し、前記制御部は、前記実行部からの前記制御信号により前記被制御機器が前記処理を実行中に前記買電電力が所定の買電閾値を超えると、前記処理を停止させる処理停止部をさらに有することがより望ましい。
【0017】
この負荷制御装置において、前記被制御機器は、前記処理を開始するための操作入力を受け付ける操作部を有し、前記制御部は、前記操作部の操作により前記被制御機器が前記処理を開始した場合には、当該処理が完了するまで前記判定部での判定を行わないことがより望ましい。
【0018】
この負荷制御装置において、前記電力供給システムには前記発電装置の発電電力を貯める蓄電装置が設けられており、前記測定部は、前記蓄電装置の残量を測定し、前記制御部は、前記蓄電装置の残量が所定の充電閾値未満の場合に前記余剰電力が発生していれば当該余剰電力にて前記蓄電装置を充電するように前記蓄電装置を制御する充電制御部をさらに有し、前記蓄電装置の残量が前記充電閾値以上の場合に前記予測部での予測および前記判定部での判定を行うことがより望ましい。
【0019】
この負荷制御装置において、前記予測部は、過去の一定期間における前記発電電力の履歴を用いて、前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することがより望ましい。
【0020】
この負荷制御装置において、前記予測部は、過去の一定期間における前記発電電力の履歴と前記需用電力の履歴とを用いて、前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することがより望ましい。
【0021】
この負荷制御装置において、サーバと通信を行う通信部をさらに備え、前記発電装置は太陽電池を含み、前記予測部は、前記通信部を介して前記サーバから前記対象期間の天気情報を取得し、当該天気情報から予測される前記対象期間における前記太陽電池の発電電力を用いて、前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することがより望ましい。
【0022】
この負荷制御装置において、サーバと通信を行う通信部をさらに備え、前記発電装置は太陽電池を含み、前記測定部は、測定した過去の前記発電電力の履歴と前記需用電力の履歴とを天気情報に対応付けて前記サーバに格納し、前記予測部は、前記通信部を介して前記サーバから前記対象期間の前記天気情報に対応する前記発電電力および前記需用電力の履歴とを取得し、当該履歴に基づいて前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することがより望ましい。
【0023】
本発明のプログラムは、発電装置から負荷機器へ電力供給され、前記発電装置の発電電力が不足する場合に商用電力系統から前記負荷機器へ電力供給を行う電力供給システムにおいて、前記負荷機器の需用電力および前記発電装置の発電電力を測定する測定部の測定結果に基づいて前記負荷機器に含まれる被制御機器の動作を制御するのに用いられるコンピュータを、前記発電電力が前記需用電力より大きい場合における前記発電電力と前記需用電力との差分を余剰電力として、現在から所定時間経過するまでの対象期間に生じる前記余剰電力を予測する予測部、前記被制御機器が所定の処理を開始してから完了するまでに必要な電力および時間と前記予測部の予測結果とを対比して、前記対象期間に前記被制御機器が前記余剰電力で前記処理を実行することの可否を判定する判定部、前記判定部で前記処理を実行可能と判定されたときに、前記被制御機器に制御信号を送信することによって、前記処理が開始されるように前記被制御機器の動作を制御する実行部として機能させる。
【0024】
本発明の負荷制御システムは、上述の負荷制御装置と、前記被制御機器とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、余剰電力によって負荷機器が所定の処理を開始した後この処理が完了する前に余剰電力がなくなることによる不利益を回避できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施形態1に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1に係る負荷制御装置の制御ブロックの動作を示す説明図である。
【図3】実施形態2に係る電力供給システムの概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態2に係る負荷制御装置の制御ブロックの動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施形態1)
本実施形態の負荷制御装置1は、図1に示すように発電装置2を備えた電力供給システムに用いられる。この電力供給システムは、発電装置2が商用電力系統3と系統連系しており、需要家における負荷機器4へ発電装置2から電力供給し、発電装置2の発電電力が不足する場合には商用電力系統3から負荷機器4へ電力供給する。図1の例では、負荷制御装置1の制御対象となる被制御機器は電気式の給湯装置41であって、この給湯装置(被制御機器)41は、電力供給システムにおいて発電装置2または商用電力系統3からの電力供給対象となる複数の負荷機器4の1つである。
【0028】
ここでは、電力供給システムが一般的な戸建住宅からなる需要家に導入されている場合を例として説明するが、これに限らず、電力供給システムは集合住宅の各住戸や施設、工場等に導入されていてもよい。なお、図1では、電力のやり取りが行われる強電系の接続線を破線で示し、情報(信号)のやり取りが行われる弱電系の接続線を実線で示している。
【0029】
発電装置2は、自然エネルギー(太陽光)を利用して直流電力を生成する太陽電池21と、太陽電池21と分電盤5との間に挿入された太陽電池用のパワーコンディショナ(図1には「太陽電池用パワコン」と記載)22とを有している。太陽電池21は、日射量に応じて発電電力が変動するため、基本的には昼間に発電を行い夜間に発電を停止する。
【0030】
パワーコンディショナ22は、太陽電池21からの直流電力を商用電力系統3の位相に同期した交流電力に変換するインバータ回路(図示せず)を有している。パワーコンディショナ22の出力は宅内に設置され負荷機器4が接続された分電盤5に接続されており、太陽電池21の発電電力はパワーコンディショナ22および分電盤5を介して負荷機器4に供給される。分電盤5は商用電力系統3にも接続されており、発電装置2の発電電力のみでは負荷機器4の総需用電力を賄えない場合(つまり「発電電力<需用電力」となる場合)、負荷機器4には商用電力系統3から電力供給される。
【0031】
さらに、パワーコンディショナ22は、太陽電池21の発電電力に余剰分(以下、「余剰電力」という)が生じたときに、余剰電力を商用電力系統3に逆潮流して電力会社に売電する機能を有している。ここでいう余剰電力は、発電装置2の発電電力が負荷機器4で消費される需用電力より大きい場合における発電電力と需用電力との差分、つまり発電装置2の発電電力から負荷機器4の需用電力を差し引いた電力である。また、パワーコンディショナ22は、商用電力系統3の停電検出時にインバータ回路の動作を停止させ、分電盤5との間に挿入された解列リレー(図示せず)を解列させる保護装置(図示せず)を有しており、太陽電池21の単独運転を防止する。
【0032】
商用電力系統3は、単相三線式であって、中性極と一対の電圧極との3線からなる引込線(図示せず)によって住宅に引き込まれ、分電盤5に接続されている。分電盤5は、主幹ブレーカ(図示せず)および複数個の分岐ブレーカ(図示せず)等を収納し、各分岐ブレーカに負荷機器4が接続されている。
【0033】
負荷機器4は、給湯装置41の他、住宅内の各所に配置されたテレビ受像機、音楽プレーヤ、パーソナルコンピュータ等の電気機器や、コンセント、壁スイッチ等の配線器具や、エアコン(空調機器)、照明設備等の設備機器などを含んでいる。ここでの負荷機器4は、全て交流電力の供給を受けて動作する交流駆動型の機器であるが、直流電力の供給を受けて動作する直流駆動型の機器を含んでいてもよい。
【0034】
給湯装置41は、他の負荷機器4と共に分電盤5の分岐ブレーカに接続されており、発電装置2あるいは商用電力系統3から電力供給を受けて動作する。この給湯装置41は、湯水を貯める貯湯タンク(図示せず)と、貯湯タンクに貯められる湯水を加熱する加熱装置(図示せず)とを有し、貯湯タンク内の湯水によって給湯を行う貯湯式の給湯装置である。加熱装置は、ヒートポンプ方式であって、貯湯タンクと共に宅外に設置されている。
【0035】
この種の給湯装置41は周知であるから詳しい説明は省略するが、貯湯タンクは、断熱構造を採用し内部が常に湯水で充満されており、底部(給水口)から給水され加熱された湯水を上部から戻すので、内部において湯水は上方ほど高温となる。そこで、給湯装置41は、貯湯タンク内に上下方向に複数配置された温度センサ(図示せず)の出力により貯湯タンク上端からどの位置まで湯水が所定温度(たとえば90℃)の湯となっているかを検出し、残湯量を判断する。なお、ここでいう残湯量とは、貯湯タンク内の湯水のうち所定温度以上の湯の量を意味する。
【0036】
負荷制御装置1は、図1に示すように被制御機器たる給湯装置41の動作を制御する制御部を構成する制御ユニット10と、負荷機器4の需用電力および発電装置2の発電電力を測定する測定部を構成する測定ユニット11とを備えている。負荷制御装置1は、被制御機器(ここでは給湯装置41)と共に負荷制御システムを構成する。
【0037】
本実施形態では、制御ユニット10と測定ユニット11とは別体であって相互に通信可能に構成されているが、この構成に限らず、負荷制御装置1は、制御部と測定部とを一つの筐体内に具備していてもよい。
【0038】
測定ユニット11は、分電盤5から負荷機器4への電力供給路上に設けられた電流センサの出力を用いて、負荷機器4で実際に消費されている電力(需用電力の実績値)の瞬時値を定期的に測定する。さらに、測定ユニット11は、発電装置2のパワーコンディショナ22と通信することにより、発電装置2の発電電力の他、太陽電池21やパワーコンディショナ22の仕様あるいはエラー(異常)などの情報をパワーコンディショナ22から取得する。ここで、発電装置2の発電電力については、測定ユニット11は、太陽電池21で実際に生成されている電力(発電電力の実績値)の瞬時値を測定する。
【0039】
また、本実施形態では、測定ユニット11は商用電力系統3との間で授受(売電、買電)されている売買電力と、給湯装置41に関連する装置情報とについても定期的に取得している。売買電力については、測定ユニット11は、商用電力系統3と分電盤5との間の電力供給路上に設けられた電流センサの出力を用いて、商用電力系統3との間で実際に授受されている電力(売買電力の実績値)の瞬時値を定期的に測定する。給湯装置41の装置情報については、測定ユニット11は、給湯装置41と通信することにより、給湯装置41の残湯量、給湯装置41の仕様、エラー(異常)などの情報を給湯装置41から直接取得する。
【0040】
このように測定ユニット11は給湯装置41およびパワーコンディショナ22の各々と通信可能に構成されており、詳しくは後述するが制御ユニット10が給湯装置41を制御するための制御信号についても、測定ユニット11から給湯装置41に送信される。
【0041】
測定ユニット11は、上述のようにして定期的に取得したデータ(測定結果等)を、メモリ(図示せず)に下記表1のような形式で管理テーブルとして記憶する。ここで、管理テーブルには、測定ユニット11が取得したデータ(測定結果等)だけでなく、これらに簡単な演算を施した積算値等のデータも格納される。測定ユニット11は、管理テーブル上のデータを制御ユニット10へ定期的に送信する。なお、表1において、「主幹電力」は商用電力系統3との売買電力を表し、「負荷機器1消費電力」ないし「負荷機器N消費電力」は各負荷機器4における需用電力を表している。
【0042】
【表1】


制御ユニット10は、測定ユニット11から受信したデータ(測定結果等)に基づいて、被制御機器である給湯装置41の動作を制御信号によって制御する。具体的には、制御ユニット10は、測定ユニット11の測定結果を用いて将来の余剰電力を予測する予測部12と、余剰電力で給湯装置41に所定の処理を実行させることの可否を判定する判定部13と、給湯装置41を実際に制御する実行部14とを有している。本実施形態では、制御ユニット10はマイコン(マイクロコンピュータ)を主構成とし、メモリ(図示せず)に記憶されているプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0043】
予測部12は、測定ユニット11の測定結果を用いて、現在から所定時間(たとえば1時間)経過するまでの対象期間に発電装置2で生じる余剰電力(発電電力−需用電力)を予測する。つまり、予測部12は、現在から所定時間先までの将来の対象期間について、余剰電力の発生状況を予測する。ここで、予測部12は、測定ユニット11の測定結果のうち現在の需用電力および発電電力の瞬時値を基にして、これに現在時刻や過去の履歴等を組み合わせて対象期間の余剰電力を予測する。
【0044】
本実施形態では、制御ユニット10は、測定ユニット11からのデータを用いて、過去の一定期間(たとえば1週間)における発電電力の履歴と需用電力の履歴とを時系列に従って履歴情報として記憶しており、予測部12は履歴情報を用いて余剰電力を予測する。つまり、制御ユニット10は、発電電力、需用電力の各々を単位時間(たとえば10分)ごとに履歴情報として記憶し、予測部12では、対象期間と同じ時間帯の履歴情報を用いて、上記単位時間ごとに発電電力、需用電力の変化の傾向を求める。予測部12は、このようにして求めた変化の傾向に、現在の需用電力および発電電力を当てはめることにより、対象期間の余剰電力を単位時間ごとに予測する。
【0045】
また、上述した余剰電力の予測方法は一例に過ぎず、予測部12は、たとえば需用電力に大きな変動がない場合に発電電力の履歴情報のみを用いて余剰電力を予測したり、現在の気温、湿度等の情報を組み合わせて余剰電力を予測したりすることもできる。
【0046】
判定部13は、被制御機器である給湯装置41が所定の処理を開始してから完了するまでに必要な電力および時間と、予測部12の予測結果とを対比して、対象期間に給湯装置41が余剰電力で上記処理を実行することの可否を判定する。判定部13での判定対象となる処理(以下、「対象処理」という)は、開始から完了までにある程度の時間が掛かる処理であることが望ましく、本実施形態では一例として給湯装置41が所定量の湯を沸かすための沸き増し処理を対象処理とする。たとえば、100Lの湯を沸かす対象処理に、給湯装置41が常時450Wの電力消費で1時間掛かる仮定とすれば、判定部13は、450W以上の余剰電力が今後1時間に亘って確保されるか否かによって、対象処理の可否を判定する。
【0047】
言い換えれば、判定部13は、予測部12で予測された対象期間の余剰電力から、給湯装置41での対象処理に必要な電力を対象処理の開始から完了まで確保できるか否かを判定する。なお、対象処理により沸かす湯量は、測定ユニット11が取得した給湯装置41の現在の残湯量、仕様によって適宜決定され、100Lに限らず、たとえば200Lでも300Lでもよい。たとえば容量が460Lの貯湯タンクで残湯量が300Lであれば、判定部13は、100Lの湯を沸かす処理を対象処理とする。
【0048】
ただし、予測部12の予測結果は飽くまで予測に過ぎず、実際の余剰電力とは異なる。そこで、判定部13は、対象処理に必要な電力値に所定のマージンを加えた値を電力閾値とし、この電力閾値と予測部12の予測結果(余剰電力)とを対比することにより、対象処理に必要な電力を確保できるかを判定する。つまり、100Lの湯を沸かす処理を対象処理とする上述の例では、判定部13は、たとえば電力閾値を500Wとし、予測部12で予測された対象期間の単位時間ごとの余剰電力を電力閾値(500W)と対比する。このとき、対象期間の全単位時間において、予測部12の予測結果(余剰電力)がたとえば600Wで電力閾値(500W)以上であれば、判定部13は、対象処理に必要な電力を常に確保でき対象処理を実行可能であると判定する。
【0049】
ここにおいて、対象期間の長さと予測部12が余剰電力を予測する時間間隔(単位時間)とは、対象処理の開始から完了までに掛かる時間を基準に設定されている。判定部13が対象処理に必要な電力と予測部12の予測結果とを対比する時間間隔は、予測部12が余剰電力を予測する時間間隔と同じ単位時間である。
【0050】
対象期間の長さは、対象処理の開始から完了までに掛かる時間以上に設定され、単位時間は、対象処理の開始から完了までに掛かる時間よりも十分に短く設定される。上述の100Lの湯を沸かす対象処理を例とすれば、対象期間はたとえば1時間に設定され、単位時間はたとえば10分に設定される。要するに、予測部12は、現在から1時間先までの余剰電力を10分単位で予測し、この場合、判定部13は、給湯装置41での対象処理に必要な電力を現在から1時間先まで10分単位で予測部12の予測結果と対比することになる。なお、対象期間は1時間に限らず、たとえば12時間、24時間、48時間など任意に設定され、単位時間についても10分に限らず、たとえば1分、5分、30分など任意に設定される。
【0051】
実行部14は、判定部13で対象処理を実行可能と判定されたときに、給湯装置41に制御信号を送信することによって対象処理が開始されるように、制御信号によって給湯装置41の動作を実際に制御する。すなわち、給湯装置41での対象処理に必要な電力を対象処理の開始から完了まで確保できると判定部13で判定されると、実行部14は、給湯装置41に処理開始を指示する制御信号を送信することにより、給湯装置41に対象処理を開始させる。一方、判定部13で対象処理を実行不可と判定されたときには、実行部14は、給湯装置41に処理不許可を指示する制御信号を送信することにより、給湯装置41での対象処理を禁止する。
【0052】
なお、本実施形態では、制御ユニット10は測定ユニット11を介して給湯装置41と接続されているので、制御ユニット10内の実行部14は測定ユニット11に対して制御信号を送信し、測定ユニット11がこの制御信号を給湯装置41に送信する。つまり、実行部14は測定ユニット11を経由して給湯装置41に制御信号を送信する。
【0053】
負荷制御装置1からの制御信号を受信した給湯装置41は、制御信号の内容に従って対象処理を実行するか否かを決定する。給湯装置41は、処理開始の制御信号を受信すると、対象処理を開始し、処理不許可の制御信号を受信すると、対象処理が禁止された不許可モードに移行する。不許可モードにおいては、給湯装置41は、宅内に設置された給湯コントローラ(図示せず)に対象処理が禁止されている旨を表示し、給湯コントローラでユーザにより対象処理(所定量の沸き増し処理)を指示する操作が為されても、対象処理を実行しない。すなわち、本実施形態では、負荷制御装置1は、処理開始の制御信号により給湯装置41に処理を実行させるだけでなく、処理不許可の制御信号により給湯装置41に積極的に処理を禁止させることも可能である。
【0054】
上記構成により、負荷制御装置1は、発電装置2の発電電力に余剰電力が生じたときに、余剰電力にて給湯装置41を稼働させることにより余剰電力を有効に利用することが可能である。
【0055】
また、本実施形態においては、制御ユニット10は、測定ユニット11からデータを受信すると、予測部12での余剰電力の予測および判定部13での実行可否の判定に先立って、まず測定ユニット11の測定結果に基づいて現在の余剰電力の有無を判断する。このとき、制御ユニット10は、余剰電力がある(つまり、発電電力>需用電力)と判断すると、続けて、電力会社への売電が可能であるか否かを判断し、売電が不可と判断されて初めて予測部12での予測および判定部13での判定に移行する。つまり、本実施形態の負荷制御装置1は、余剰電力の発生時に、余剰電力の利用方法として給湯装置41よりも売電を優先する。
【0056】
次に、上述した構成の制御ユニット10の動作について図2を参照して説明する。
【0057】
制御ユニット10は、測定ユニット11からのデータを受信すると(図2のS1:yes)、そのデータ(測定結果)に基づいてまず現在の余剰電力の有無を判断する(S2)。このとき、たとえば需用電力が1.9kW、発電電力が2.5kWのように発電電力の方が需用電力よりも大きければ、制御ユニット10は、余剰電力ありと判断し(S2:yes)、続けて電力会社への売電の可否を判断する(S3)。
【0058】
制御ユニット10は、電力会社からの供給電圧(系統電圧)が高くパワーコンディショナ22の出力電圧が系統電圧を超えることができなかったり(電圧上昇抑制問題)、電力会社からの要請により発電が規制されたりする場合に、売電不可と判断する(S3:yes)。制御ユニット10は、売電不可と判断すると(S3:yes)、予測部12にて、将来の対象期間に生じる余剰電力を単位時間ごとに予測する(S4)。それから、制御ユニット10は判定部13にて、給湯装置41が対象処理を開始してから完了するまでに必要な電力と予測部12の予測結果とを単位時間ごとに対比し(S5)、対象期間に給湯装置41が余剰電力で対象処理を実行することの可否を判定する(S6)。
【0059】
このとき、たとえば対象期間の全体に亘って余剰電力が600W、電力閾値が500Wのように予測部12の予測結果(余剰電力)が電力閾値以上であれば、制御ユニット10は、対象処理を実行可能と判定部13で判定する(S6:yes)。この場合、制御ユニット10は、処理開始の制御信号を実行部14から測定ユニット11経由で給湯装置41に送信する(S7)。
【0060】
一方、制御ユニット10は、S2で余剰電力なしと判断した場合(S2:no)、あるいはS3で売電可能と判断した場合(S3:no)、またはS6で対象処理を実行不可と判断した場合(S6:no)、処理不許可の制御信号を給湯装置41へ送信する(S8)。制御ユニット10は、上記S1〜S8を繰り返し実行する。
【0061】
以上説明した負荷制御装置1によれば、判定部13は、予測部12で予測された将来(対象期間)の余剰電力を用いて、給湯装置(被制御機器)41が余剰電力で対象処理を実行することの可否を判定するので、対象処理の途中で余剰電力がなくなることを回避できる。すなわち、負荷制御装置1は、予測される対象期間の余剰電力にて対象処理の開始から完了まで必要な電力を確保できると判定された場合に対象処理を実行させるので、給湯装置41が対象処理を開始した後これが完了する前に余剰電力がなくなることを回避できる。したがって、被制御機器である給湯装置41は、余剰電力が発生する度に対象処理の開始、終了を繰り返すことや、対象処理を継続するために商用電力系統3から電力供給を受けることによる不利益(電力利用効率の悪化や買電による損失)を回避することができる。
【0062】
言い換えれば、負荷制御装置1は、開始から完了までにある程度の時間が掛かる被制御機器の処理の開始タイミングを、予測部12で予測される余剰電力の発生状況に応じてシフトさせることにより、余剰電力を被制御機器の稼働に有効に利用する。とくに、本実施形態では、被制御機器が給湯装置41であって所定量の湯の沸き増し処理に余剰電力が利用されるので、通常、夜間に予定されている沸き増し処理の開始タイミングを、日中の余剰電力発生時に前倒しすることができる。したがって、もともと沸き増し処理を実行する予定であった夜間には、沸き増し処理が不要になった分だけ電力に余裕が生じることになる。
【0063】
また、本実施形態では、予測部12が余剰電力を予測する時間間隔、つまり判定部13が対象処理に必要な電力と予測部12の予測結果とを対比する時間間隔である単位時間は、対象処理の開始から完了までに掛かる時間よりも十分に短く設定されている。そのため、負荷制御装置1は、対象期間において対象処理が開始してから完了するまでの間、対象処理に必要な電力を余剰電力で継続して確保できるか否かを判定できることになり、被制御機器に対象処理を間断なく実行させることができる。
【0064】
さらにまた、本実施形態では、予測部12は、過去の一定期間における発電電力の履歴を用いて、対象期間に生じる余剰電力を予測しているので、発電装置2の過去の実績に基づいて将来の余剰電力を比較的精度よく予測することができる。つまり、発電装置2の発電電力の変化の傾向は需要家ごとにばらつくことがあるが、予測部12は、過去の実績に基づけば対象期間における発電電力の変化の予測が立てやすく、余剰電力の予測精度が向上する。
【0065】
さらに、予測部12は、過去の一定期間における需用電力の履歴も、発電電力の履歴と併せて用いているので、余剰電力の予測精度がより一層高くなる。つまり、需用電力の変化の傾向は需要家における生活パターンなどにより異なるが、予測部12は、過去の実績に基づけば対象期間における需用電力の変化の予測が立てやすく、余剰電力の予測精度が一層向上する。
【0066】
ところで、負荷制御装置1によって制御される被制御機器は給湯装置41に限らず、処理の開始タイミングをシフト可能な機器であればよく、たとえば食器洗浄機、洗濯機などであってもよい。ただし、被制御機器は、熱エネルギーを蓄積する給湯装置41のようにエネルギーを蓄積する機器であることが望ましく、一例として、蓄電池を充電する充電装置、具体的には電気自動車の蓄電池(バッテリ)を充電する充電装置などであることが望ましい。充電装置の場合、被制御機器が余剰電力を利用して実行する対象処理は、所定量の電気エネルギーを蓄電するための処理である。
【0067】
このようにエネルギーを蓄積する機器が被制御機器であれば、蓄積するエネルギー量に応じて対象処理に必要な時間を調整することができ、短時間だけ発生する余剰電力についても、被制御機器で有効に利用できる。言い換えれば、これらの被制御機器においては、途中で処理が止まったとしても、処理が止まるまでに蓄積したエネルギーは無駄にならないため、余剰電力を有効利用できる。この点で、食器洗浄機や洗濯機のように、一旦開始した処理が途中で止まると意味を成さない機器とは相違する。
【0068】
さらに、被制御機器が余剰電力を利用して実行する対象処理は、消費電力が常に一定である必要はなく、洗濯乾燥機の洗濯から乾燥までの一連の処理のように、途中で消費電力が変動する処理であってもよい。
【0069】
また、1台の負荷制御装置1に対して被制御機器が複数あってもよく、この場合、判定部13は、判定対象となる対象処理の候補を複数設定し、その中から実行可能な対象処理を選択するように構成されていてもよい。この場合、各対象処理に優先順位を付加しておくことにより、負荷制御装置1は、実行可能な対象処理が複数あったときに、優先度の高い対象処理を優先的に実行させることができる。
【0070】
なお、負荷制御装置1は、1回の対象期間において対象処理を複数回実行するだけの余剰電力を確保できる場合には、1回の対象期間の間に対象処理を複数回実行させるように被制御機器を制御してもよい。ここで、1回の対象期間の間に同一の対象処理を複数回実行させる場合、負荷制御装置1は、対象処理を毎回終了させるのではなく、連続して複数回分の対象処理を実行させるように被制御機器を制御することが望ましい。たとえば、対象処理が給湯装置41での100Lの湯の沸き増し処理である場合、負荷制御装置1は、対象期間において100Lの沸き増し処理を実行後、間断なくさらに100Lの沸き増し処理を実行するように、給湯装置41の動作を制御する。
【0071】
(実施形態2)
本実施形態の負荷制御装置1は、図3に示すように蓄電装置6およびサーバ7に接続されている点が実施形態1の負荷制御装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0072】
蓄電装置6は、発電装置2の発電電力を貯める蓄電池61と、蓄電池61と分電盤5との間に挿入された蓄電池用のパワーコンディショナ(図3には「蓄電池用パワコン」と記載)62とを有している。
【0073】
パワーコンディショナ62は蓄電池61の充電および放電を行う。つまり、パワーコンディショナ62は、たとえば昼間に太陽電池21の出力によって蓄電池61を充電し、夜間には蓄電池61に蓄積された電力をインバータ回路(図示せず)にて交流電力に変換して出力する。パワーコンディショナ62の出力は宅内に設置され負荷機器4が接続された分電盤5に接続されており、蓄電池61の放電出力はパワーコンディショナ62および分電盤5を介して負荷機器4に供給される。
【0074】
負荷制御装置1は、測定ユニット11が蓄電装置6のパワーコンディショナ62と通信可能に構成されている。測定ユニット11は、蓄電装置6のパワーコンディショナ62と通信することにより、蓄電池61の残量(電力残量)、蓄電池61やパワーコンディショナ62の仕様あるいはエラー(異常)などの情報をパワーコンディショナ62から取得する。このようにして測定ユニット11は、蓄電装置6の残量を測定する。
【0075】
制御ユニット10は、測定ユニット11経由で蓄電装置6のパワーコンディショナ62に充放電信号を送信することにより蓄電池61の充放電を制御する充電制御部15を有している。本実施形態においては、制御ユニット10は、測定ユニット11からデータを受信すると、予測部12での余剰電力の予測および判定部13での実行可否の判定に先立って、まず測定ユニット11の測定結果に基づいて蓄電池61の充電の可否を判断する。
【0076】
すなわち、制御ユニット10は、余剰電力が発生すると電力会社への売電が可能であるか否かを判断し、売電が不可と判断されると、充電制御部15にて蓄電池61の残量が所定の充電閾値未満か否かによって蓄電池61の充電の可否を判断する。このとき、蓄電池61の残量が充電閾値未満であれば、制御ユニット10は、充電制御部15から測定ユニット11経由で充電開始の充放電信号をパワーコンディショナ62に送信することにより、パワーコンディショナ62に余剰電力で充電を開始させる。
【0077】
一方、蓄電池61の残量が充電閾値以上であれば、制御ユニット10は、充電制御部15から測定ユニット11経由で充電不許可の充放電信号をパワーコンディショナ62に送信し、且つ予測部12での予測および判定部13での判定に移行する。つまり、本実施形態の負荷制御装置1は、余剰電力の発生時に、余剰電力の利用方法として給湯装置41よりも蓄電装置6の充電を優先する。
【0078】
負荷制御装置1からの充放電信号を受信した蓄電装置6は、充放電信号の内容に従って蓄電池61の充電を実行するか否かを決定する。蓄電装置6は、充電開始の充放電信号を受信すると、蓄電池61の充電を開始し、充電不許可の充放電信号を受信すると、蓄電池61の充電が禁止された不許可モードに移行する。
【0079】
サーバ7は、インターネットのような公衆網に接続されており、公衆網を介して負荷制御装置1に接続されている。サーバ7は、公衆網上の天気情報サーバ(図示せず)から天気情報(過去の実績と将来の予報とを含む)を定期的に取得する。ここで、サーバ7は、対象となる地域を予め設定可能であって、設定された地域に関して天気情報を取得する。なお、天気情報は、少なくとも「晴れ」、「くもり」、「雨」の別を含み、他に、気温や風の具合などを含んでいてもよい。
【0080】
負荷制御装置1は、サーバ7と通信を行う通信部16を制御ユニット10に備えている。ここで、測定ユニット11は、測定した過去の発電電力の履歴と需用電力の履歴とを履歴情報として、制御ユニット10の通信部16から定期的(たとえば10分間隔)にサーバ7へ送信しサーバ7に格納する。このとき、サーバ7は、下記表2に例示するように、受信した各時間帯の履歴情報をその日の天気情報と対応付けて履歴テーブルとして記憶する。言い換えれば、サーバ7は、「晴れ」、「くもり」、「雨」の天気別に履歴情報(需用電力、発電電力)を記憶することになる。なお、表2では、発電電力、需用電力の各々について10分ごとに平均を取って履歴情報としている。
【0081】
【表2】


一方で、制御ユニット10の予測部12は、通信部16を介してサーバ7から少なくとも対象期間の天気情報(予報)に対応する履歴情報を取得する。本実施形態では、予測部12は、サーバ7から対象期間の天気情報(予報)と、過去一定期間分(たとえば2週間分)の履歴テーブルとを定期的に取得する。予測部12は、履歴テーブルの中から対象期間の天気情報に対応する履歴情報を抽出し、抽出した履歴情報に基づいて対象期間に生じる余剰電力を予測する。要するに、対象期間の天気情報(予報)が「雨」であれば、予測部12は、履歴テーブルの中から「雨」に対応する履歴情報を抽出し、この履歴情報に基づいて対象期間の余剰電力を予測する。
【0082】
次に、上述した構成の制御ユニット10の動作について図4を参照して説明する。制御ユニット10の動作は、図4のS12〜S15、S18,S19,S24を除き、基本的には実施形態1で説明した図2の動作と同様である。ここでは、表2の例において、3月23日23時に、24時間先(24日23時)までを対象期間とする場合を例に説明する。
【0083】
制御ユニット10は、測定ユニット11からのデータを受信すると(S11:yes)、サーバ7へのデータ(履歴情報)の送信タイミングか否かを判断し(S12)、送信タイミングであれば測定ユニット11から取得したデータをサーバ7へ送信する(S13)。送信タイミングでないかあるいはサーバ7へのデータ送信が完了すれば、制御ユニット10は、サーバ7からのデータ(天気情報、履歴テーブル)の受信タイミングか否かを判断し(S14)、受信タイミングであればサーバ7からデータを受信する(S15)。
【0084】
受信タイミングでないかあるいはサーバ7からのデータ受信が完了すれば、制御ユニット10は、測定ユニット11からのデータ(測定結果)に基づいてまず現在の余剰電力の有無を判断する(S16)。このとき、発電電力の方が需用電力よりも大きければ、制御ユニット10は、余剰電力ありと判断し(S16:yes)、続けて電力会社への売電の可否を判断する(S17)。
【0085】
制御ユニット10は、売電不可と判断すると(S17:yes)、充電制御部15にて、蓄電池61の残量と充電閾値とを比較し(S18)、残量が充電閾値以上であれば(S18:yes)、充電不許可の充放電信号を蓄電装置6へ送信する(S19)。充電不許可の充放電信号を送信後、制御ユニット10は、予測部12にて、将来の対象期間に生じる余剰電力を単位時間ごとに予測する(S20)。
【0086】
このとき、制御ユニット10がサーバ7から受信した天気情報(予報)において、対象期間(23日23時〜24日23時)の天気が「雨」であったとすると、予測部12は、履歴テーブル中の「雨」に対応する履歴情報を用いて対象期間の余剰電力を予測する。ここでは、現在日時が3月23日23時であるので、過去7日分の雨の日の履歴情報は3月9日、10日、11日、12日、18日、19日、22日の各0時〜23時の履歴情報となる。表2の例では、たとえば雨の日の11時00分〜11時10分についての過去7日分の平均値は、需用電力で0.27kWとなり、発電電力で0kWとなる。そのため、予測部12は、対象期間に含まれている24日の11時00分〜11時10分の需用電力を0.27kW、発電電力を0kWと予測する。
【0087】
このように、予測部12は、対象期間の最初(23日23時)から最後(24日23時)まで、単位時間(ここでは10分)ごとに、同じ天気の履歴情報から需用電力、発電電力を予測し、余剰電力を予測する。なお、予測部12が余剰電力を予測するのに用いる履歴情報は7日分に限らず、3日分でも1ヶ月分でも、履歴テーブルに含まれている範囲内で任意に設定することができる。
【0088】
それから、制御ユニット10は判定部13にて、給湯装置41が対象処理を開始してから完了するまでに必要な電力と予測部12の予測結果とを単位時間ごとに対比し(S21)、対象期間に給湯装置41が余剰電力で対象処理を実行することの可否を判定する(S22)。このとき、予測部12の予測結果(余剰電力)が電力閾値以上であれば、制御ユニット10は、対象処理を実行可能と判定部13で判定する(S22:yes)。この場合、制御ユニット10は、処理開始の制御信号を実行部14から測定ユニット11経由で給湯装置41に送信する(S23)。
【0089】
一方、制御ユニット10は、余剰電力なしと判断した場合(S16:no)、あるいは売電可能と判断した場合(S17:no)、または対象処理を実行不可と判断した場合(S22:no)、処理不許可の制御信号を給湯装置41へ送信する(S25)。また、S18で残量が充電閾値未満であった場合(S18:no)、制御ユニット10は、充電開始の充放電信号を蓄電装置6へ送信した上で(S24)、処理不許可の制御信号を給湯装置41へ送信する(S25)。
【0090】
制御ユニット10は、上記S11〜S25を繰り返し実行する。
【0091】
以上説明した負荷制御装置1によれば、充電制御部15は余剰電力が発生していても蓄電池61の残量が所定の充電閾値未満であれば余剰電力にて蓄電池61を充電するので、余剰電力の利用方法として給湯装置41よりも蓄電池61の充電を優先することになる。つまり、充電制御部15は、余剰電力で蓄電装置6の充電が可能であれば、給湯装置41よりも優先して蓄電装置6の充電に余剰電力を使用するので、余剰電力を有効利用することができる。
【0092】
また、本実施形態では、予測部12は、サーバ7から取得した対象期間の天気情報(予報)に対応する履歴情報に基づいて、対象期間の余剰電力を予測するので、将来の余剰電力を精度よく予測することができる。すなわち、発電装置2が、太陽電池21のように自然エネルギー(太陽光)を用いて電力を生成し天気によって発電電力が変化する装置を含む場合、発電電力、需用電力のトレンドは天気に大きく影響されることになる。そのため、予測部12は、対象期間と同じ天気の履歴情報に基づいて発電電力、需用電力を予測することにより、余剰電力の予測精度が向上する。
【0093】
なお、発電装置2が太陽電池21でなくたとえば風力発電機を含む場合には風向きや風速を天気情報に含み、予測部12は、風向きや風速別に余剰電力を予測することが望ましい。このように、天気情報に含まれる情報は、発電装置2に応じて適宜設定される。
【0094】
ところで、本実施形態の負荷制御装置1は、履歴情報をサーバ7に送信するのではなく、実施形態1と同様に、測定ユニット11自身に過去の一定期間(たとえば1週間)分の履歴情報を記憶するように構成されていてもよい。この場合、負荷制御装置1は、サーバ7から対象期間の天気情報(予報)のみを取得し、予測部12は、取得した天気情報から予測される対象期間における太陽電池21の発電電力を用いて、対象期間に生じる余剰電力を予測する。
【0095】
すなわち、負荷制御装置1は、過去の履歴情報が天気と対応付けられていなくても、サーバ7から受信する天気情報によって対象期間の天気を特定できれば、対象期間の天気が不明な場合に比べれば、対象期間における発電装置2の発電電力の予測精度が向上する。これにより、負荷制御装置1は、予測部12での演算処理の負担を抑制しながらも、対象期間の余剰電力についてはある程度の精度を期待できるという利点がある。
【0096】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0097】
(実施形態3)
本実施形態の負荷制御装置1は、判定部13での判定対象となる対象処理が、開始からある一定の既定時間で完了させる処理である点が実施形態1の負荷制御装置1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0098】
本実施形態では、負荷制御装置1は、対象処理に必要な既定時間を基準にして、予測部12での余剰電力の予測および判定部13での実行可否の判定を行う。すなわち、予測部12は、この既定時間ごとに、現在からさらに既定時間経過するまでの期間を対象期間として、対象期間における余剰電力を予測する。判定部13は、この既定時間ごとに、被制御機器である給湯装置41の対象処理に必要な電力と予測部12の予測結果とを対比する。
【0099】
換言すると、本実施形態においては、予測部12が余剰電力を予測する時間間隔(単位時間)と、余剰電力の予測の対象である対象期間の時間長さとは、いずれも対象処理と同じ時間長さ(既定時間)に設定されている。これにより、負荷制御装置1は、既定時間ごとに既定時間先までの余剰電力を予測し、この余剰電力にて給湯装置41が対象処理を実行可能か否かを判定する。
【0100】
たとえば、給湯装置41が湯沸し時において常時450Wの電力を消費し、既定時間が10分であると仮定すれば、判定部13は、450W以上の余剰電力が今後10分に亘って確保されるか否かによって、対象処理の可否を判定する。具体的には、負荷制御装置1は、既定時間(10分)ごとに、予測部12にて10分後までの余剰電力を予測し、判定部13にて被制御機器である給湯装置41が対象処理に必要とする電力と、予測部12の予測結果とを対比する。このとき判定部13は、対象処理に必要な電力値に所定のマージンを加えた電力閾値(500W)と予測部12の予測結果(余剰電力)とを対比し、予測結果が電力閾値以上であれば、対象処理に必要な電力を確保でき対象処理を実行可能であると判定する。
【0101】
つまり、この場合、給湯装置41は沸かす湯量ではなく沸き増し処理を継続する時間(既定時間)によって対象処理の内容が規定されることになり、結果的に、既定時間(10分)を最小単位として沸き増し処理を実行する。そのため、判定部13にて対象処理を実行可能と判定されたときには、給湯装置41は、対象期間の開始から終了までの既定時間に亘って対象処理を実行することになる。さらに、対象期間の終了時点においては、負荷制御装置1は、次の対象期間での余剰電力を予測して対象処理の可否を判定するので、複数の対象期間で連続して対象処理が可能と判定した場合には、給湯装置41に対象処理を間断なく実行させることができる。つまり、継続的に十分な余剰電力が生じている場合には、負荷制御装置1は、対象期間において10分間の沸き増し処理を実行後、次の対象期間において間断なくさらに10分間の沸き増し処理を実行するように、給湯装置41の動作を制御する。
【0102】
なお、既定時間は10分に限らず、たとえば1分、5分、30分など任意に設定される。
【0103】
また、判定部13は、1日1回予め決められている設定時刻になると、給湯装置41が過去の一定期間において実際に対象処理を実行した際に消費した電力の履歴を用いて対象処理に必要な電力を求める。判定部13は、設定時刻ごとに対象処理に必要な電力を更新し、常に、最新の情報(電力)を用いて対象処理の実行可否を判定する。具体的に説明すると、制御ユニット10は、設定時刻になると、直近の一定期間に給湯装置41が実際に沸き増し処理を実行した際に使用した電力量から時間平均を算出し、その値を対象処理に必要な電力とする。
【0104】
このように、判定部13は、直近の実際の処理に掛かった電力の履歴に基づいて、対象処理に必要な電力を求めるので、季節やユーザの使用パターンなどの影響を加味した実際の対象処理に必要な電力に近い値を用いて、対象処理の実行可否を判定することができる。したがって、負荷制御装置1は、対象処理に必要な電力の値が固定されている場合に比べて、判定部13での対象処理の実行可否の判定の信頼性が高くなるという利点がある。
【0105】
ところで、本実施形態においては、負荷制御装置1は、常に判定部13にて対象処理の実行可否の判定を行うのではなく、以下のような場合には実行可否の判定を行わない。
【0106】
すなわち、制御ユニット10は、実行部14からの制御信号により給湯装置41が対象処理を実行中に、測定ユニット11で測定されている買電電力が所定の買電閾値を超えると対象処理を強制的に停止させ、その後、しばらくは実行可否の判定を行わない。具体的には、制御ユニット10は、実行部14からの制御信号により給湯装置41が対象処理を実行中に、買電電力が所定の買電閾値を超えると対象処理を直ちに停止させる処理停止部(図示せず)を有している。
【0107】
処理停止部は、たとえば測定ユニット11で測定される買電電力量(既定時間ごとに0にリセットされる)を買電閾値と対比し、買電電力量が買電閾値を超えたことをもって、処理不許可の制御信号により給湯装置41に対象処理を停止させる。その後、買電電力量がリセットされて買電閾値を下回るまでは、制御ユニット10は、判定部13での実行可否の判定を実施しない。ただし、買電電力量は既定時間ごとに0にリセットされるので、ある対象期間中に買電電力量が買電閾値を超えたとしても、この対象期間の終了時点では買電電力量がリセットされて、負荷制御装置1は、次の対象期間での対象処理の可否を判定することになる。
【0108】
また、制御ユニット10は、給湯装置41がユーザからの操作入力を受け付ける操作部としての給湯コントローラにて沸き増し処理を開始するための操作入力を受け、沸き増し処理(対象処理)を実行しているときにも、判定部13での実行可否の判定を行わない。
【0109】
すなわち、被制御機器たる給湯装置41は、負荷制御装置1からの制御信号ではなく、ユーザに直接操作されることによって沸き増し処理を開始している場合には、ユーザの操作が優先されることになる。言い換えれば、給湯装置41は、ユーザからの操作によって沸き増し処理を開始すると、この沸き増し処理が完了するまでは、負荷制御装置1からの制御信号によって対象処理を開始、あるいは停止することはない。
【0110】
以上説明した負荷制御装置1によれば、既定時間ごとに、次の既定時間の余剰電力にて対象処理に必要な電力を確保できると判定された場合に対象処理を実行させるので、給湯装置41が対象処理を開始した後、完了する前に余剰電力がなくなることを回避できる。とくに、既定時間が短く設定されていると、負荷制御装置1は、比較的短いスパンで余剰電力の発生を予測し、十分な余剰電力が発生する場合にはこれを対象処理に利用できるので、余剰電力の利用効率が高くなる。
【0111】
また、本実施形態では、制御ユニット10は、給湯装置41が対象処理を実行中に買電電力が所定の買電閾値を超えると対象処理を強制的に停止させるので、予測部12での予測に反して余剰電力が少なかった場合などに、買電電力の増加による損失を軽減できる。つまり、負荷制御装置1は、予測部12で十分な余剰電力が発生すると予測して給湯装置41に対象処理を開始させたものの、発電電力、需用電力の予測が外れて余剰電力が十分に得られなかった場合には、対象処理のために買電せざるを得ない場合がある。買電してまで給湯装置41に対象処理を継続させると買電電力が無駄に増加してユーザの損失となることがあるが、負荷制御装置1は、このような場合には対象処理を停止させて買電電力の増加を抑制するので、結果的に、損失を最小限に抑えることができる。
【0112】
さらにまた、負荷制御装置1は、給湯装置41がユーザからの操作によって処理を開始した場合、この処理が完了するまでは制御信号によって対象処理を開始あるいは停止させることはないので、ユーザの操作が優先されて利便性が高くなる。つまり、負荷制御装置1は、ユーザの操作により給湯装置41が開始した動作している場合には、余剰電力の有無にかかわらず、この処理を途中で停止させるようなことはない。
【0113】
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
【0114】
なお、実施形態3にて説明した構成は、実施形態2にて説明した構成と組み合わせて適用してもよい。
【符号の説明】
【0115】
1 負荷制御装置
2 発電装置
3 商用電力系統
4 負荷機器
6 蓄電装置
10 制御ユニット(制御部)
11 測定ユニット(測定部)
12 予測部
13 判定部
14 実行部
15 充電制御部
16 通信部
21 太陽電池
41 給湯装置(被制御機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置から負荷機器へ電力供給され、前記発電装置の発電電力が不足する場合に商用電力系統から前記負荷機器へ電力供給を行う電力供給システムに用いられる負荷制御装置であって、
前記負荷機器の需用電力および前記発電装置の発電電力を測定する測定部と、
前記測定部の測定結果に基づいて前記負荷機器に含まれる被制御機器の動作を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記発電電力が前記需用電力より大きい場合における前記発電電力と前記需用電力との差分を余剰電力として、現在から所定時間経過するまでの対象期間に生じる前記余剰電力を予測する予測部と、
前記被制御機器が所定の処理を開始してから完了するまでに必要な電力および時間と前記予測部の予測結果とを対比して、前記対象期間に前記被制御機器が前記余剰電力で前記処理を実行することの可否を判定する判定部と、
前記判定部で前記処理を実行可能と判定されたときに、前記被制御機器に制御信号を送信することによって、前記処理が開始されるように前記被制御機器の動作を制御する実行部とを有する
ことを特徴とする負荷制御装置。
【請求項2】
前記被制御機器は電気式給湯装置であり、前記処理は所定量の湯を沸かすための処理であることを特徴とする請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項3】
前記被制御機器は蓄電池を充電する充電装置であり、前記処理は所定量の電気エネルギーを蓄電するための処理であることを特徴とする請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項4】
前記処理は、開始から一定の既定時間で完了させる処理であって、
前記予測部は、前記既定時間ごとに、現在から当該既定時間経過するまでの期間を前記対象期間として当該対象期間の前記余剰電力を予測し、前記判定部は、当該既定時間ごとに、前記被制御機器の前記処理に必要な電力と前記予測部の予測結果とを対比することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項5】
前記予測部は、前記処理の開始から完了までに掛かる時間より短い単位時間ごとに、前記対象期間における前記余剰電力を予測し、前記判定部は、当該単位時間ごとに、前記被制御機器の前記処理に必要な電力と前記予測部の予測結果とを対比することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記被制御機器が直近の前記処理に用いた電力の履歴を用いて、前記被制御機器の前記処理に必要な電力を求めることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項7】
前記測定部は、前記商用電力系統から前記負荷機器へ供給される電力を買電電力として測定し、
前記制御部は、前記実行部からの前記制御信号により前記被制御機器が前記処理を実行中に前記買電電力が所定の買電閾値を超えると、前記処理を停止させる処理停止部をさらに有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項8】
前記被制御機器は、前記処理を開始するための操作入力を受け付ける操作部を有し、
前記制御部は、前記操作部の操作により前記被制御機器が前記処理を開始した場合には、当該処理が完了するまで前記判定部での判定を行わないことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項9】
前記電力供給システムには前記発電装置の発電電力を貯める蓄電装置が設けられており、
前記測定部は、前記蓄電装置の残量を測定し、
前記制御部は、前記蓄電装置の残量が所定の充電閾値未満の場合に前記余剰電力が発生していれば当該余剰電力にて前記蓄電装置を充電するように前記蓄電装置を制御する充電制御部をさらに有し、前記蓄電装置の残量が前記充電閾値以上の場合に前記予測部での予測および前記判定部での判定を行うことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項10】
前記予測部は、過去の一定期間における前記発電電力の履歴を用いて、前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項11】
前記予測部は、過去の一定期間における前記発電電力の履歴と前記需用電力の履歴とを用いて、前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項12】
サーバと通信を行う通信部をさらに備え、
前記発電装置は太陽電池を含み、
前記予測部は、前記通信部を介して前記サーバから前記対象期間の天気情報を取得し、当該天気情報から予測される前記対象期間における前記太陽電池の発電電力を用いて、前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項13】
サーバと通信を行う通信部をさらに備え、
前記発電装置は太陽電池を含み、
前記測定部は、測定した過去の前記発電電力の履歴と前記需用電力の履歴とを天気情報に対応付けて前記サーバに格納し、
前記予測部は、前記通信部を介して前記サーバから前記対象期間の前記天気情報に対応する前記発電電力および前記需用電力の履歴とを取得し、当該履歴に基づいて前記対象期間に生じる前記余剰電力を予測することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項14】
発電装置から負荷機器へ電力供給され、前記発電装置の発電電力が不足する場合に商用電力系統から前記負荷機器へ電力供給を行う電力供給システムにおいて、前記負荷機器の需用電力および前記発電装置の発電電力を測定する測定部の測定結果に基づいて前記負荷機器に含まれる被制御機器の動作を制御するのに用いられるコンピュータを、
前記発電電力が前記需用電力より大きい場合における前記発電電力と前記需用電力との差分を余剰電力として、現在から所定時間経過するまでの対象期間に生じる前記余剰電力を予測する予測部、
前記被制御機器が所定の処理を開始してから完了するまでに必要な電力および時間と前記予測部の予測結果とを対比して、前記対象期間に前記被制御機器が前記余剰電力で前記処理を実行することの可否を判定する判定部、
前記判定部で前記処理を実行可能と判定されたときに、前記被制御機器に制御信号を送信することによって、前記処理が開始されるように前記被制御機器の動作を制御する実行部
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
請求項1ないし13のいずれか1項に記載の負荷制御装置と、前記被制御機器とを備えることを特徴とする負荷制御システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−110951(P2013−110951A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−80774(P2012−80774)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】