説明

貯湯式暖房給湯機

【課題】ヒートポンプユニットの故障時に、暖房や給湯に対するヒータの立ち上がりを向上でき、暖房と給湯の両方の加熱にヒータを効果的に利用できる貯湯式暖房給湯機を提供する。
【解決手段】水を加熱するためのヒートポンプユニット1と、ヒートポンプユニット1により加熱された温水を貯える貯湯タンク21と、貯湯タンク21内の上下方向略全体にわたって配置されたコイル状のパイプを含む給湯用熱交換器22と、貯湯タンク21内の中間部に配置された電熱ヒータ23とを備える。上記貯湯タンク21は、電熱ヒータ23近傍かつ上側に設けられた第1暖房往き口と、貯湯タンク21の下部に設けられた暖房戻り口とを有する。そして、上記貯湯タンク21の温水が第1暖房往き口から取り出され、外部の放熱器を介して暖房戻り口から貯湯タンク21内に戻る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯湯式暖房給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯湯式暖房給湯機としては、水を加熱するヒートポンプユニットと、ヒートポンプユニットにより加熱された温水を貯える貯湯タンクとを備え、貯湯タンク内の温水を利用して暖房や給湯を行うものがある(例えば、特開2006−329581号公報(特許文献1)参照)。
【0003】
このような構成の貯湯式暖房給湯機において、貯湯タンク内に配置されたヒータをヒートポンプユニットの故障時の緊急運転や熱量不足のときのバックアップに用いることが考えられる。しかしながら、ヒートポンプユニットの故障時の緊急運転や熱量不足の補助にヒータを用いた貯湯式暖房給湯機では、ヒートポンプユニットに比べて十分な熱量がヒータで得られないため、ヒータのみでは、暖房や給湯に対するヒータの立ち上がりが悪くなるという問題や、暖房と給湯の両方の加熱に利用できないという問題がある。
【特許文献1】特開2006−329581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、この発明の課題は、ヒートポンプユニットの故障時に、暖房や給湯に対するヒータの立ち上がりを向上でき、暖房と給湯の両方の加熱にヒータを効果的に利用できる貯湯式暖房給湯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この発明の貯湯式暖房給湯機は、
水を加熱するためのヒートポンプユニットと、
上記ヒートポンプユニットにより加熱された温水を貯える貯湯タンクと、
上記貯湯タンク内の上下方向略全体にわたって配置されたパイプを含む給湯用熱交換器と、
上記貯湯タンク内の上下方向の中間部に配置されたヒータと
を備え、
上記貯湯タンクは、上記ヒータ近傍かつ上側に設けられた第1暖房往き口と、上記貯湯タンクの下部に設けられた暖房戻り口とを有し、
上記貯湯タンクの温水が上記第1暖房往き口から取り出され、暖房端末を介して上記暖房戻り口から上記貯湯タンク内に戻ることを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、ヒートポンプユニットにより加熱された温水を貯えた貯湯タンクにおいて、パイプを含む給湯用熱交換器に流入した温度の低い給湯水は、貯湯タンク内で熱交換されて、給湯水として出湯される。また、上記貯湯タンクの温水は、ヒータ近傍かつ上側に設けられた第1暖房往き口から取り出された後、暖房端末を介して暖房戻り口から貯湯タンク内に戻ることにより、暖房運転が行われる。そして、ヒートポンプユニットが容量不足のときや故障時は、ヒータを用いて貯湯タンク内の中間部の温水を加熱して、ヒータ近傍かつ上側に設けられた第1暖房往き口から温水を取り出すことによって、ヒータの加熱能力を暖房に補助的に利用することが可能となる。また、ヒートポンプユニットが故障したとき、ヒータを用いて貯湯タンク内の上下方向の中間部の温水を加熱することによって、沸き上げに時間のかかる貯湯タンク内の下側にヒータを配置した場合に比べて、給湯加熱の立ち上がりを向上できる。したがって、ヒートポンプユニットの故障時、暖房や給湯に対するヒータの立ち上がりを向上でき、暖房と給湯の両方の加熱にヒータを効果的に利用できる。
【0007】
また、一実施形態の貯湯式暖房給湯機では、
上記貯湯タンクは、上記貯湯タンクの上部に設けられた第2暖房往き口をさらに有し、
上記貯湯タンクの温水が上記第1暖房往き口または上記第2暖房往き口のいずれか一方から取り出され、暖房端末を介して上記暖房戻り口から上記貯湯タンク内に戻る。
【0008】
上記実施形態によれば、ヒートポンプユニットの故障時に給湯負荷が小さく暖房負荷が大きいときは、ヒータを用いて貯湯タンク内の中間部の温水を加熱して、貯湯タンクの上部に設けられた第2暖房往き口から高温水を取り出すことによって、貯湯タンク内全体の温水を暖房に利用することが可能となる。
【0009】
また、一実施形態の貯湯式暖房給湯機では、上記給湯用熱交換器は、下側から入水して上側から出湯する。
【0010】
上記実施形態によれば、パイプを含む給湯用熱交換器の下側から流入した温度の低い給湯水は、貯湯タンク内の下側の比較的低温の温水域で熱交換され、給湯用熱交換器の上側に向かって流れるに従って貯湯タンク内の上側の高温の温水域で熱交換されて、高温の給湯水となって出湯される。このように、上記貯湯タンク内の温度勾配に従って給湯水が下から上に向かって熱交換により加熱されながら流れるので、貯湯タンク内の温度分布が乱れることがなく、高い熱交換効率が得られる。したがって、給湯用熱交換器の熱交換効率を向上でき、高温の給湯水を供給できる。また、上記貯湯タンク内の上下方向に温度勾配が保たれ、貯湯タンク内の下側の低温水をヒートポンプユニットで加熱することにより、ヒートポンプユニットのCOP(成績係数)を向上できる。
【0011】
また、一実施形態の貯湯式暖房給湯機では、上記給湯用熱交換器は、コイル状のパイプを含む。
【0012】
上記実施形態によれば、給湯用熱交換器にコイル状のパイプを用いることによって、貯湯タンク内の上下方向略全体にわたって給湯用熱交換器を効率よく配置できる。
【0013】
また、一実施形態の貯湯式暖房給湯機では、
上記貯湯タンク内の上記ヒータが配置された中間部およびその中間部よりも上側の領域の温水の温度を検出する温度センサと、
上記温度センサにより検出された上記貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、上記ヒータと上記ヒートポンプユニットを制御すると共に、上記第1暖房往き口または上記第2暖房往き口のいずれから上記貯湯タンクの温水を取り出すかを切り換える制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記ヒートポンプユニットにより上記貯湯タンク内の温水を加熱しても上記温度センサにより検出された上記貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された第1判定温度未満のとき、上記貯湯タンクの温水を上記第2暖房往き口から取り出す一方、上記貯湯タンク内の温水の温度が上記第1判定温度以上のとき、上記貯湯タンクの温水を上記第1暖房往き口から取り出し、
さらに、上記貯湯タンクの温水が上記第2暖房往き口から取り出される状態で、上記温度センサにより検出された上記貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された第2判定温度未満のとき、上記貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された目標温度以上になるまで上記ヒータをオンし、
上記貯湯タンクの温水が上記第2暖房往き口から取り出される状態で上記ヒータをオンすることによって、上記温度センサにより検出された上記貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された第2判定温度以上かつ上記目標温度以上になったとき、上記貯湯タンクの温水を上記第1暖房往き口から取り出す。
【0014】
上記実施形態によれば、ヒートポンプユニットにより貯湯タンク内の温水を加熱しても温度センサにより検出された貯湯タンク内の温水の温度(ヒータが配置された中間部およびその中間部よりも上側の領域の温水の温度)が予め設定された第1判定温度未満のとき、貯湯タンクの温水を第2暖房往き口から取り出すことにより、貯湯タンク内の上側の高温水を暖房に利用して、暖房能力不足を防止できる。一方、上記貯湯タンク内の温水の温度が第1判定温度以上のとき、貯湯タンクの温水を第1暖房往き口から取り出す。さらに、貯湯タンクの温水が第2暖房往き口から取り出される状態では、温度センサにより検出された貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された第2判定温度未満のとき、貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された目標温度以上になるまでヒータをオンする。そうして、貯湯タンクの温水が第2暖房往き口から取り出される状態でヒータをオンすることによって、温度センサにより検出された貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された第2判定温度以上かつ目標温度以上になったとき、貯湯タンクの温水を第1暖房往き口から取り出す。これにより、ヒートポンプユニットが容量不足のときや故障時に、ヒータを用いて貯湯タンク内の中間部の温水を加熱することによって、ヒートポンプユニットの加熱能力を補助することができる。
【0015】
また、一実施形態の貯湯式暖房給湯機では、
上記貯湯タンク内の上記ヒータが配置された中間部およびその中間部よりも上側の領域の温水の温度を検出する温度センサと、
上記温度センサにより検出された上記貯湯タンク内の温水の温度に基づいて、上記ヒータと上記ヒートポンプユニットを制御する制御装置と
を備え、
上記制御装置は、
上記ヒートポンプユニットにより上記貯湯タンク内の温水を加熱しても上記温度センサにより検出された上記貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された温度以上にならないとき、上記貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された目標温度以上になるまで上記ヒータをオンする。
【0016】
上記実施形態によれば、給湯負荷や暖房負荷が大きくヒートポンプユニットの加熱能力が足りないときは、ヒータを用いて貯湯タンク内の中間部の温水を加熱することによって、ヒートポンプユニットの加熱能力を補助することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上より明らかなように、この発明の貯湯式暖房給湯機によれば、ヒートポンプユニットの故障時、暖房や給湯に対するヒータの立ち上がりを向上でき、暖房と給湯の両方の加熱にヒータを効果的に利用できる貯湯式暖房給湯機を実現することができる。
【0018】
また、一実施形態の貯湯式暖房給湯機によれば、ヒートポンプユニットの故障時に給湯負荷が小さく暖房負荷が大きいときは、ヒータを用いて貯湯タンク内の中間部の温水を加熱して、貯湯タンクの上部に設けられた第2暖房往き口から高温水を取り出すことによって、貯湯タンク内全体の温水を暖房に利用することが可能となる。
【0019】
また、一実施形態の貯湯式暖房給湯機によれば、給湯用熱交換器は、貯湯タンクの下側から入水して貯湯タンクの上側から出湯することによって、給湯用熱交換器の熱交換効率を向上でき、高温の給湯水を供給できる。
【0020】
また、一実施形態の貯湯式給湯機によれば、給湯用熱交換器にコイル状のパイプを用いることによって、貯湯タンク内の上下方向略全体にわたって給湯用熱交換器を効率よく配置することができる。
【0021】
また、一実施形態の貯湯式給湯機によれば、ヒートポンプユニットにより貯湯タンク内の温水を加熱しても温度センサにより検出された貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された温度以上にならないときは、貯湯タンク内の温水の温度が予め設定された目標温度以上になるまでヒータをオンするが、それでも予め設定された時間の間ヒータをオンし続けても、貯湯タンク内の温水の温度が目標温度以上にならないときは、貯湯タンクの温水を第2暖房往き口から取り出すことにより、貯湯タンク内の上側の高温水を暖房に利用して、暖房能力不足を防止できる。
【0022】
また、一実施形態の貯湯式給湯機によれば、給湯負荷や暖房負荷が大きくヒートポンプユニットの加熱能力が足りないときは、ヒータを用いて貯湯タンク内の中間部の温水を加熱することによって、ヒートポンプユニットの加熱能力を補助することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の貯湯式暖房給湯機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0024】
図1はこの発明の実施の一形態の貯湯式暖房給湯機の構成を示す回路図である。
【0025】
この貯湯式暖房給湯機は、図1に示すように、ヒートポンプユニット1と、貯湯部2と、図示しない暖房器や給湯器に温水を供給する暖房給湯部を備えている。上記ヒートポンプユニット1には、地球温暖化係数が小さくオゾンを破壊しないCO冷媒を用いている。これにより、ヒートポンプユニット1による出湯温度を高くできる(例えば90℃)。
【0026】
上記ヒートポンプユニット1は、圧縮機11と、上記圧縮機11の吐出側に一端(一次側)が接続された凝縮器(水冷媒熱交換器)12と、上記凝縮器12の他端(一次側)に一端が接続された膨張弁13と、上記膨張弁13の他端に一端が接続され、他端が圧縮機11の吸込側に接続された蒸発器14と、上記蒸発器14に外気を供給する送風ファン15とを有している。上記圧縮機11と凝縮器12と膨張弁13および蒸発器14で冷媒回路を構成している。
【0027】
また、上記圧縮機11の吐出側に、吐出温度を検出する吐出温度センサT1を配置すると共に、吐出圧力を検出する圧力センサ(HPS)16を配置している。また、上記蒸発器14に蒸発器温度を検出する蒸発器温度センサT2を配置し、蒸発器14近傍に、外気温度を検出する外気温度センサT3を配置している。そして、上記吐出温度センサT1と蒸発器温度センサT2と外気温度センサT3および圧力センサ(HPS)16の検出信号に基づいて、沸き上げ制御部20は、圧縮機11,膨張弁13,送風ファン15などを制御する。
【0028】
また、上記貯湯タンク21の下部に設けられた沸き上げ往き接続部21c(図2に示す)に配管L11の一端を接続し、その配管L11の他端を凝縮器12の一端(二次側)に接続している。上記配管L11に、貯湯タンク21下部から凝縮器12側に向かって水を送出する沸き上げ用循環ポンプ24を配設している。上記ヒートポンプユニット1の凝縮器12の他端(二次側)に配管L12の一端を接続し、その配管L12の他端を沸き上げ用三方弁25の入力側に接続している。上記沸き上げ用三方弁25の一方の出力側に配管L24の一端を接続し、その配管L24の他端を暖房用三方弁32の一方の入力側に接続している。さらに、上記暖房用三方弁32の一方の入力側を配管L35を介して貯湯タンク21の上部に設けられた第2暖房往き接続部21d(図2に示し、沸き上げ戻り接続部を兼ねる)に接続している。一方、沸き上げ用三方弁25の他方の出力側に配管L23の一端を接続し、その配管L23の他端を貯湯タンク21の下側に接続している。
【0029】
上記凝縮器12の二次側上流の配管L11に、入水温度を検出する入水温度センサT4を配置し、凝縮器12の二次側下流の配管L12に、出湯温度を検出する出湯温度センサT5を配置している。
【0030】
また、上記貯湯タンク21は、断熱材(図示せず)で囲まれた略円筒形状をしている。上記貯湯タンク21内に、コイル状のパイプからなる給湯用熱交換器22を配置している。この給湯用熱交換器22は、所定の間隔をあけて接続された下側コイル部22aと上側コイル部22bとを有している。上記貯湯タンク21に接続された給水配管L21の一端を、下側コイル部22aの下端に連なる給水口21a(図2)に接続し、貯湯タンク21に接続された給湯配管L22の一端を、上側コイル部22bの上端と接続している。上記給水配管L21と給湯配管L22は、貯湯タンク21の外側で給湯用混合弁31により接続されている。図2に示すように、下側コイル部22aの入口(給水入口)は貯湯タンク21下部の側面側に設けられ、上側コイル部22bの出口(給湯出口)は貯湯タンク21上部の側面側に設けられている。すなわち、給湯用熱交換器22は、加熱されるまえの水が貯湯タンク21下部の側面から入って、加熱された後の湯が貯湯タンク21上部の側面に出るように設けられている。
【0031】
上記給水配管L21を介して外部から供給された水は、下側コイル部22aの下端側から上側コイル22bの上端側に向かって流れて、給湯配管L22を介して給湯器(図示せず)に供給される。
【0032】
また、上記貯湯タンク21は、側面に5つの温度センサT6〜T10を上側から下側に向かって順に互いに離間して配置している。上記温度センサT6により貯湯タンク21内の上側部分の水温を検出し、温度センサT8により貯湯タンク21内の中間部分の水温を検出する。また、上記温度センサT6と温度センサT8の中間で温度センサT7により貯湯タンク21内の水温を検出する。また、上記温度センサT10により貯湯タンク21内の下側部分の水温を検出し、温度センサT8と温度センサT10の中間で温度センサT9により貯湯タンク21内の水温を検出する。この実施形態では、貯湯タンク21内の水温を検出する5つの温度センサT6〜T10を設けたが、貯湯タンク内の水温を検出する温度センサは4以上複数あればよい。かかる複数の温度センサにより、所定の高温の給湯水が貯湯タンクの上からどの高さまで貯湯されているか判断できる。
【0033】
また、上記貯湯タンク21内かつ下側コイル部22aと上側コイル部22bとの間に電熱ヒータ23を配置している。
【0034】
上記貯湯タンク21と給湯用熱交換器22と電熱ヒータ23と沸き上げ用循環ポンプ24と沸き上げ用三方弁25および温度センサT6〜T10で貯湯部2を構成している。
【0035】
次に、上記暖房用三方弁32の他方の入力側に配管L31の一端を接続し、その配管L31の他端を貯湯タンク21の第1暖房往き接続部21f(図2に示す)に接続している。上記第1暖房往き接続部21fは、貯湯タンク21の上側コイル部22bと電熱ヒータ23との間の位置に設けられている。
【0036】
そして、上記暖房用三方弁32の出力側を暖房用混合弁33の一方の入力側に接続し、その暖房用混合弁33の出力側に配管L32の一端を接続している。上記配管L32に、暖房用混合弁33側から順に暖房往き温度センサT11と暖房用循環ポンプ34を配設している。上記配管L32の暖房用循環ポンプ34よりも下流側に、暖房端末の一例としてのラジエータ41,42,…の一端を夫々接続している。また、上記貯湯タンク21の下部に設けられた暖房戻り接続部21g(図3に示す)に配管L33の一端を接続し、その配管L33の他端側にラジエータ41,42,…の他端を夫々接続している。上記配管L33に暖房戻り温度センサT12を配置している。また、上記配管L33の暖房戻り温度センサT12よりも貯湯タンク21側と、暖房用混合弁33の他方の入力側とを配管L34により接続している。
【0037】
上記温度センサT6〜T10と暖房往き温度センサT11および暖房戻り温度センサT12からの検出信号に基づいて、暖房給湯制御部30により沸き上げ用三方弁25と暖房用三方弁32と沸き上げ用循環ポンプ24と暖房用循環ポンプ34を制御する。上記沸き上げ制御部20と暖房給湯制御部30で制御装置を構成している。
【0038】
上記暖房往き温度センサT11と暖房戻り温度センサT12と給湯用混合弁31と暖房用三方弁32と暖房用循環ポンプ34および暖房給湯制御部30が、商用電源により駆動される暖房給湯部を構成している。
【0039】
上記構成の貯湯式暖房給湯機において、貯湯部2の沸き上げ用三方弁25の出力側を配管L24側に切り換え、ヒートポンプユニット1の圧縮機11を駆動すると共に送風ファン15の運転を開始する。さらに、貯湯部2の沸き上げ用循環ポンプ24を駆動する。そうすると、圧縮機11から吐出された高圧ガス冷媒は、凝縮器12で放熱して凝縮することにより液冷媒となった後、膨張弁13で減圧された低圧冷媒は、蒸発器14で外気から熱を吸収して蒸発する。そうして、蒸発器14で蒸発した低圧ガス冷媒は、圧縮機11の吸込側に戻る。このとき、沸き上げ用循環ポンプ24により貯湯タンク21の下部から配管L11を介して凝縮器12の二次側に流入した水は、凝縮器12で加熱されて90℃近い温水となり、配管L12,沸き上げ用三方弁25,配管L24,配管L35,第2暖房往き口52(沸き上げ戻り口)を介して貯湯タンク21の上部に戻る。こうして、貯湯タンク21内の水を沸き上げ用循環ポンプ24と凝縮器12を介して循環させることにより、貯湯タンク21内の水を沸き上げる。貯湯タンク2内の温水は、上側に高温の温水、下側に比較的低温の温水が位置するように湯層(温度分布)が形成されている。
【0040】
なお、ヒートポンプユニット1の起動時などの際に、まだヒートポンプユニット1の凝縮器12から出る温水が十分に高温となっていない場合、該温水は配管L24等を介して貯湯タンク21の上部に戻るのではなく、配管L23を介して貯湯タンク21の下部の第2の沸き上げ戻り口に戻るように、沸き上げ用三方弁25が制御される。このように、温水の温度により戻り口を切り替えるのは、十分に高温になっていない温水を貯湯タンク21の上部に戻すと貯湯タンク21内の温度分布が乱れる可能性があり、これを防止するためである。この沸き上げ用三方弁25の切り替えは、凝縮器12と沸き上げ用三方弁25との間に設けられた出湯温度センサT5の出力に基づいて行われる。
【0041】
次に、暖房運転を行う場合、暖房給湯部3の暖房用三方弁32を、配管L31側と暖房用混合弁33側が接続されるように切り換えて、暖房用循環ポンプ34を駆動する。そうすると、貯湯タンク21の中間部の温水が配管L31,暖房用三方弁32,暖房用混合弁33,暖房用循環ポンプ34を介してラジエータ41,42,…に夫々流入する。そして、上記ラジエータ41,42,…から出た戻り温水は、配管L33を介して貯湯タンク21の下部から貯湯タンク21内に戻る。
【0042】
ここで、上記温度センサT6〜T10からの検出信号と暖房往き温度センサT11により検出された暖房往き温度および暖房戻り温度センサT12により検出された暖房戻り温度に基づいて、暖房給湯制御部30により暖房用混合弁33および暖房用循環ポンプ34を制御する。また、ヒートポンプユニット1による沸き上げと暖房運転を同時に行ってもよい。
【0043】
暖房用三方弁32の切り替えについては、貯湯タンク21内の温水の高温領域が貯湯タンク21の上部から第1暖房往き口51近傍にまで存在している場合(高温水が十分に貯湯されている場合)、貯湯タンク21の中間部から配管L31を介して温水を取り出しラジエータ41,42,…側を循環するように、暖房用三方弁32が制御される。また、貯湯タンク2内の温水の高温領域が第1暖房往き口51近傍にまで存在していない場合(高温水が貯湯タンク21の上部にしか存在しないなど、十分に貯湯されていない場合)、第2暖房往き口52から温水を取り出しラジエータ41,42,…側を循環するように、暖房用三方弁32が制御される。この暖房用三方弁32の切り替えは前記暖房給湯制御部30によって行われる。つまり、上記暖房給湯制御部30は、貯湯タンク2内の各部の温水の温度を検出するための複数の温度センサT6〜T10からの信号に基づいて、高温水の湯量を判断して、暖房用三方弁32の切り替えを行う。暖房用三方弁32の切り替えは第1暖房往き口51の若干下方で、且つ、電熱ヒータ23とほぼ同じ高さに位置する温度センサT8のみに基づいて行われてもよい。
【0044】
次に、給湯運転を行う場合、給湯器(図示せず)の給湯用蛇口を開くと、外部からの給水圧力により供給された水は、給水配管L21,給湯用熱交換器22,給湯配管L22を介して給湯器に流れて、給湯用熱交換器22で加熱された温水が給湯器に供給される。ここで、暖房給湯制御部30により給湯用混合弁31を制御して、給湯器に供給される温水の温度を所望の温度に調節する。なお、上記暖房運転またはヒートポンプユニット1による沸き上げの少なくとも一方と給湯運転を同時に行ってもよい。
【0045】
図2は上記貯湯式暖房給湯機の貯湯タンク21の縦断面図を示し、図3は上記貯湯式暖房給湯機の貯湯タンクの側面図を示し、図4は上記貯湯式暖房給湯機の貯湯タンクの上面図を示している。また、図2は図4に示すII−II線から見た断面図である。図2〜図4において、21aは給水口、21bは給湯口、21cは沸き上げ往き接続部、21dは第2暖房往き接続部、21eは第2の沸き上げ戻り口に連なる沸き上げ戻り接続部、21fは第1暖房往き接続部、21gは暖房戻り接続部、26は犠牲陽極、T6〜T10は温度センサである。なお、図4に示すように、第1暖房往き接続部21fから貯湯タンク21内に犠牲陽極26と略平行に設けられたパイプ27の下端が、電熱ヒータ23近傍かつ上側において開口する第1暖房往き口51である。この第1暖房往き口51から貯湯タンク21内の中間部分の温水が取り出される。
【0046】
図2〜図4に示すように、断熱材(図示せず)で囲まれた略円筒形状の貯湯タンク21内の上下方向略全体にわたって、コイル状のパイプからなる給湯用熱交換器22を配置している。この給湯用熱交換器22は、所定の間隔をあけて接続された下側コイル部22aと上側コイル部22bとを有している。
【0047】
上記構成の貯湯式暖房給湯機では、ヒートポンプユニット1により加熱された温水を貯えた貯湯タンク21において、コイル状のパイプを含む給湯用熱交換器22に流入した温度の低い給湯水は、貯湯タンク21内で熱交換されて、給湯水として出湯される。また、上記貯湯タンク21の温水は、第1暖房往き口51または第2暖房往き口52のいずれか一方から取り出された後、ラジエータ41,42,…を介して暖房戻り口53から貯湯タンク21内に戻ることにより、暖房運転が行われる。そして、ヒートポンプユニット1が容量不足のときや故障時は、電熱ヒータ23を用いて貯湯タンク21内の中間部の温水を加熱して、電熱ヒータ23近傍かつ上側に設けられた第1暖房往き口51から温水を取り出すことによって、電熱ヒータ23の加熱能力を暖房に補助的に利用することが可能となる。また、ヒートポンプユニット1が故障したとき、電熱ヒータ23を用いて貯湯タンク21内の中間部の温水を加熱することによって、沸き上げに時間のかかる貯湯タンク21内の下側に電熱ヒータ23を配置した場合に比べて、給湯加熱の立ち上がりを向上できる。
【0048】
なお、ヒートポンプユニット1の故障時に給湯負荷が小さく暖房負荷が大きいときは、電熱ヒータ23を用いて貯湯タンク21内の中間部の温水を加熱して、貯湯タンク21の上部に設けられた第2暖房往き口52から高温水を取り出すことによって、貯湯タンク21内全体の温水を暖房に優先的に利用することが可能となる。
【0049】
このように、上記貯湯式暖房給湯機では、貯湯タンク21内の上側半分の温水域を主に給湯加熱に用いると共に、貯湯タンク21内の下側半分の温水域を主に暖房に用いている。
【0050】
したがって、上記貯湯式暖房給湯機によれば、ヒートポンプユニット1の故障時、暖房や給湯に対する電熱ヒータ23の立ち上がりを向上でき、暖房と給湯の両方の加熱に1つの電熱ヒータ23を効果的に利用することができる。
【0051】
なお、電熱ヒータ23の制御については、例えば、電熱ヒータ23とほぼ同じ高さの温度センサT8や、電熱ヒータ23よりも若干上方に位置する温度センサT7の出力に基づいて制御されてもよい。すなわち、温度センサT7により検出された水温が所定温度未満である場合(すなわち、所定の高温水が温度センサT7より上方の位置にまでしかない場合)には、貯湯タンク21の高温水の量が十分でないと判断して、電熱ヒータ23をオンし、該電熱ヒータ23オンの状態を温度センサT8により検出された水温が所定温度以上になるまで(すなわち、所定の高温水が温度センサT8の位置に達するまで)継続し、温度センサT8により検出された水温が所定温度以上になった時点で電熱ヒータ23をオフする。電熱ヒータ23とほぼ同じ高さに位置する温度センサT8ではなく、電熱ヒータ23よりも若干高い高さに位置する温度センサT7と電熱ヒータ23とほぼ同じ高さの温度センサT8を用いてヒータのオン/オフを制御するのは、ハンチングを防止するためである。なお、図3から明らかなように第1暖房往き口51は、上から2番目の温度センサT7と、上から3番目で、電熱ヒータ23とほぼ同じ高さの温度センサT8との間の高さに位置する。
【0052】
例えば、温度センサT8に基づく暖房往き口の切り替えの制御と温度センサT7,T8に基づく電熱ヒータ23のオン/オフの切り替えの制御とを合わせて行う場合には、第1暖房往き口51が電熱ヒータ23の近傍かつ上側に設けることが特に有効となる。このような場合、(1)所定の温度まで昇温した高温水が温度センサT8よりも下方の位置にまで存在する場合は、電熱ヒータ23はオフで、暖房往き口は第1暖房往き口51になり、(2)高温水が温度センサT7,T8の間の位置にまで減少した場合は、電熱ヒータ23はオフで暖房往き口は第2暖房往き口52となり、(3)さらに、高温水が温度センサT7よりも上方の位置にまで減少した場合、電熱ヒータ23はオンとなり暖房往き口は第2暖房往き口52となるが、このヒータオンが、高温水が再び温度センサT8の位置に増加するまで継続される。これにより再び(1)の十分に高温水がある状態まで戻る。
【0053】
ここで、電熱ヒータ23が貯湯タンク21下部ではなく第1暖房往き口51の近傍の下方の位置にあるため、温度センサT8,T7間の水を所定の温度にまで昇温させるための時間、つまり、(3)の状態から(1)の状態にまで復帰する時間を短くすることができる。したがって、第2暖房往き口52を用いなければならない時間を減らすことができ、特に、主として貯湯タンク21上部の湯を給湯用に用い、貯湯タンク21下部の湯を暖房用に用いる給湯暖房システムとしては好適である。
【0054】
図5は上記貯湯式暖房給湯機の暖房給湯制御部30の電熱ヒータ23の制御の一例を説明するフローチャートを示しており、以下、図5にしたがって暖房給湯制御部30のヒータ制御を説明する。このヒータ制御は、ヒートポンプユニット1により貯湯タンク21内の温水を加熱しても十分に温度が上がらない場合や、ヒートポンプユニット1の故障時に行う。
【0055】
まず、ヒータ制御の処理がスタートすると、ステップS1で温度センサT8により検出された貯湯タンク21内の中間部分の温度t8が第1判定温度としての所定温度T0未満か否かを判別して、温度t8が所定温度T0未満のときは、ステップS2に進み、暖房用三方弁32を第2暖房往き口52側に切り替えた後、ステップS3に進む。
【0056】
一方、ステップS1で温度t8が所定温度T0未満のときは、ステップS8に進み、暖房用三方弁32を第1暖房往き口51側に切り替えた後、ステップS1に戻る。
【0057】
そして、ステップS3で温度センサT8により検出された貯湯タンク21内の中間部分の温度t8が第2判定温度としての所定温度T0+α(定数)未満か否かを判別して、温度t8が所定温度T0+α未満のときは、ステップS4に進む一方、温度t8が所定温度T0+α以上のとき、ステップS8に進む。
【0058】
次に、ステップS4で温度センサT7により検出された貯湯タンク21内の中間部分よりも上側の温度t7が所定温度T0未満か否かを判別して、温度t7が所定温度T0以上のときは、ステップS5に進み、電熱ヒータ23をオフしてステップS3に戻る。
【0059】
一方、ステップS4で温度t7が所定温度T0未満のときは、ステップS6に進み、電熱ヒータ23をオンしてステップS7に進む。
【0060】
そして、ステップS7で温度t7が目標温度としての所定温度T0+β(定数)未満のときは、ステップS6に戻る一方、温度t7が所定温度T0+β以上のときは、ステップS3に戻る。
【0061】
このフローチャートでは、温度センサT8により検出された温度t8が所定温度T0未満のときは、暖房用三方弁32を切り替えて第2暖房往き口52とし、さらに、その上側の温度センサT7により検出された温度t7が所定温度T0未満のときは、電熱ヒータ23をオンして温度t7が所定温度T0以上になるまで貯湯タンク21内の温水を加熱する。そして、温度t7が所定温度T0+β以上で、かつ、温度t8が所定温度T0+α以上であることを確認すると、暖房用三方弁32を切り替えて第1暖房往き口51とする。
【0062】
なお、図4のフローチャートでは、ステップS1で温度t8が所定温度T0未満のときは、ステップS2において暖房用三方弁32を第2暖房往き口52としたが、ステップS2なしにして、電熱ヒータ23をオンした後に、所定の時間を経過しても温度t7が所定温度T0+β以上にならないときに、暖房用三方弁32を切り替えて第2暖房往き口52とするようにしてもよい。
【0063】
また、上記給湯用熱交換器22の下側から入水して上側から出湯することによって、コイル状のパイプを含む給湯用熱交換器22の下側から流入した低温の水は、貯湯タンク21内の下側の比較的低温の温水域で熱交換され、給湯用熱交換器22の上側に向かって流れるに従って貯湯タンク21内の上側の高温の温水域で熱交換されて、高温の給湯水となって出湯される。このように、上記貯湯タンク21内の温度勾配に従って給湯水が下から上に向かって熱交換により加熱されながら流れるので、貯湯タンク21内の温度分布が乱れることがなく、高い熱交換効率が得られる。したがって、給湯用熱交換器22の熱交換効率を向上でき、高温の給湯水を供給できる。
【0064】
また、上記貯湯タンク21内の上下方向の温度勾配を保ちつつ、貯湯タンク21内の下側の低温水をヒートポンプユニット1で加熱することにより、ヒートポンプユニット1のCOP(成績係数)を向上できる。
【0065】
上記貯湯タンク21内には、沸き上げ状態によるが、下側から上側に向かって略40℃〜90℃の温度分布となり、貯湯タンク21内の温水の温度と給湯用熱交換器22内を流れる水の温度との温度差は、低温水が流入する下側の方が大きくなって上側に行くほど小さくなる。そこで、給湯用熱交換器における熱交換量の均一化を考えた場合、給湯用熱交換器の温度差の大きい下側部分のピッチを大きくできる。したがって、給湯用熱交換器の下側部分の長さを短くすることによって、貯湯タンクの上下方向寸法を小さくでき、貯湯タンクの小型化と軽量化が図れる。
【0066】
また、上記ヒートポンプユニット1に二酸化炭素(CO)を冷媒として用いることによって、地球温暖化対策に貢献でき、さらにHFC冷媒などに比べて凝縮温度が高いので、ヒートポンプユニット1による出湯温度を高くすることができる。
【0067】
また、給湯用熱交換器22にコイル状のパイプを用いることによって、貯湯タンク21内の上下方向略全体にわたって給湯用熱交換器22を効率よく配置することができる。
【0068】
また、ヒートポンプユニット1により貯湯タンク21内の温水を加熱しても、温度センサT8により検出された貯湯タンク21内の温水の温度t8が所定温度T0+α以上にならないとき、かつ、温度センサT7により検出された貯湯タンク21内の温水の温度t7が所定温度T0以上にならないときは、貯湯タンク21内の温水の温度t7が目標温度(T0+β)以上になるまで電熱ヒータ23をオンするが、それでも予め設定された時間の間電熱ヒータ23をオンし続けても、貯湯タンク21内の温水の温度t7が目標温度(T0+β)以上にならないときは、貯湯タンク21の温水を第2暖房往き口52から取り出すことにより、貯湯タンク21内の上側の高温水を暖房に利用して、暖房能力不足を防止することができる。
【0069】
また、給湯負荷や暖房負荷が大きくヒートポンプユニット1の加熱能力が足りないときは、電熱ヒータ23を用いて貯湯タンク21内の中間部の温水を加熱することによって、ヒートポンプユニット1の加熱能力を補助することができる。
【0070】
なお、上記実施形態の温度センサT1〜T12は、サーミスタで構成したが、熱電対等の他の素子を用いてもよい。
【0071】
上記実施の形態では、貯湯タンク21内の中間部に配置されたヒータの一例として電熱ヒータ23を用いたが、ヒータはこれに限らず、他の加熱手段を用いてもよい。また、暖房端末としては、ラジエータに限らず、床暖房パネルやファンコイルなどの他の手段を用いてもよい。
【0072】
なお、上記実施形態では、第1暖房往き口51を電熱ヒータ23の真上に配置したが、ヒータ近傍かつ上側に第1暖房往き口を配置していればよく、ヒータの真上の位置から水平面に沿ってずれた位置に第1暖房往き口を配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1はこの発明の実施の一形態の貯湯式暖房給湯機の構成を示す回路図である。
【図2】図2は上記貯湯式暖房給湯機の貯湯タンクの縦断面図である。
【図3】図3は上記貯湯式暖房給湯機の貯湯タンクの側面図である。
【図4】図4は上記貯湯式暖房給湯機の貯湯タンクの上面図である。
【図5】図5は上記貯湯式暖房給湯機の暖房給湯制御部の電熱ヒータの制御を説明するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱するためのヒートポンプユニット(1)と、
上記ヒートポンプユニット(1)により加熱された温水を貯える貯湯タンク(21)と、
上記貯湯タンク(21)内の上下方向略全体にわたって配置されたパイプを含む給湯用熱交換器(22)と、
上記貯湯タンク(21)内の上下方向の中間部に配置されたヒータ(23)と
を備え、
上記貯湯タンク(21)は、上記ヒータ(23)近傍かつ上側に設けられた第1暖房往き口(51)と、上記貯湯タンク(21)の下部に設けられた暖房戻り口(53)とを有し、
上記貯湯タンク(21)の温水が上記第1暖房往き口(51)から取り出され、暖房端末を介して上記暖房戻り口(53)から上記貯湯タンク(21)内に戻ることを特徴とする貯湯式暖房給湯機。
【請求項2】
請求項1に記載の貯湯式暖房給湯機において、
上記貯湯タンク(21)は、上記貯湯タンク(21)の上部に設けられた第2暖房往き口(52)をさらに有し、
上記貯湯タンク(21)の温水が上記第1暖房往き口(51)または上記第2暖房往き口(52)のいずれか一方から取り出され、暖房端末を介して上記暖房戻り口(53)から上記貯湯タンク(21)内に戻ることを特徴とする貯湯式暖房給湯機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の貯湯式暖房給湯機において、
上記給湯用熱交換器(22)は、下側から入水して上側から出湯することを特徴とする貯湯式暖房給湯機。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1つに記載の貯湯式暖房給湯機において、
上記給湯用熱交換器(22)は、コイル状のパイプを含むことを特徴とする貯湯式暖房給湯機。
【請求項5】
請求項2に記載の貯湯式暖房給湯機において、
上記貯湯タンク(21)内の上記ヒータ(23)が配置された中間部およびその中間部よりも上側の領域の温水の温度を検出する温度センサ(T7,T8)と、
上記温度センサ(T7,T8)により検出された上記貯湯タンク(21)内の温水の温度に基づいて、上記ヒータ(23)と上記ヒートポンプユニット(1)を制御すると共に、上記第1暖房往き口(51)または上記第2暖房往き口(52)のいずれから上記貯湯タンク(21)の温水を取り出すかを切り換える制御装置(20,30)と
を備え、
上記制御装置(20,30)は、
上記ヒートポンプユニット(1)により上記貯湯タンク(21)内の温水を加熱しても上記温度センサ(T7,T8)により検出された上記貯湯タンク(21)内の温水の温度が予め設定された第1判定温度未満のとき、上記貯湯タンク(21)の温水を上記第2暖房往き口(52)から取り出す一方、上記貯湯タンク(21)内の温水の温度が上記第1判定温度以上のとき、上記貯湯タンク(21)の温水を上記第1暖房往き口(51)から取り出し、
さらに、上記貯湯タンク(21)の温水が上記第2暖房往き口(52)から取り出される状態で、上記温度センサ(T7,T8)により検出された上記貯湯タンク(21)内の温水の温度が予め設定された第2判定温度未満のとき、上記貯湯タンク(21)内の温水の温度が予め設定された目標温度以上になるまで上記ヒータ(23)をオンし、
上記貯湯タンク(21)の温水が上記第2暖房往き口(52)から取り出される状態で上記ヒータ(23)をオンすることによって、上記温度センサ(T7,T8)により検出された上記貯湯タンク(21)内の温水の温度が予め設定された第2判定温度以上かつ上記目標温度以上になったとき、上記貯湯タンク(21)の温水を上記第1暖房往き口(51)から取り出すことを特徴とする貯湯式暖房給湯機。
【請求項6】
請求項1に記載の貯湯式暖房給湯機において、
上記貯湯タンク(21)内の上記ヒータ(23)が配置された中間部およびその中間部よりも上側の領域の温水の温度を検出する温度センサ(T7,T8)と、
上記温度センサ(T7,T8)により検出された上記貯湯タンク(21)内の温水の温度に基づいて、上記ヒータ(23)と上記ヒートポンプユニット(1)を制御する制御装置(20,30)と
を備え、
上記制御装置(20,30)は、
上記ヒートポンプユニット(1)により上記貯湯タンク(21)内の温水を加熱しても上記温度センサ(T7,T8)により検出された上記貯湯タンク(21)内の温水の温度が予め設定された温度以上にならないとき、上記貯湯タンク(21)内の温水の温度が予め設定された目標温度以上になるまで上記ヒータ(23)をオンすることを特徴とする貯湯式暖房給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−204300(P2009−204300A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14214(P2009−14214)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】