貯湯式給湯装置
【課題】貯湯タンク内の中温水を積極的に使用するための中温水混合弁を備えたもので、給湯用或いは風呂用混合弁の故障時に安全側に制御する貯湯式給湯装置を提供する。
【解決手段】前記出湯管8からの高温水と前記中温水出湯管29からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁30と、前記中温水混合弁30で混合された湯と前記給水管9から分岐された第1バイパス管38からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端4から給湯させる第1混合弁37と、前記中温水混合弁30で混合された湯と前記給水管9から分岐された第2バイパス管43からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端44から給湯させる第2混合弁41とを備えたもので、前記第1混合弁37或いは第2混合弁41の少なくてもどちらか一方の故障では、中温水混合弁30を出湯管8側を絞り中温水出湯管29側を優先の制御として、火傷の危険を防止した。
【解決手段】前記出湯管8からの高温水と前記中温水出湯管29からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁30と、前記中温水混合弁30で混合された湯と前記給水管9から分岐された第1バイパス管38からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端4から給湯させる第1混合弁37と、前記中温水混合弁30で混合された湯と前記給水管9から分岐された第2バイパス管43からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端44から給湯させる第2混合弁41とを備えたもので、前記第1混合弁37或いは第2混合弁41の少なくてもどちらか一方の故障では、中温水混合弁30を出湯管8側を絞り中温水出湯管29側を優先の制御として、火傷の危険を防止した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は貯湯タンク内の中温水を積極的に使用するための中温水混合弁を備えたもので、給湯用或いは風呂用混合弁の故障時に安全側に制御する貯湯式給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、貯湯タンク内に貯湯された高温水を取り出して暖房や風呂の追焚きの熱源として用いるものが提案されており、熱交換によって温度低下した中温水が貯湯タンク内に戻されると共に、貯湯タンクの中間部からこの中温水を取り出して給湯に用いるものがあった。そして、この中温水は貯湯タンク上部からの高温水と合流し給湯設定温度以上の温度に混合されて給湯されるものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特許第3854169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、給湯用の第1混合弁が高温側で故障した場合、中温水混合弁からの混合水はリモコンの設定温度より所定温度高い温度の温水がそのまま給湯されることとなり、火傷の危険を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決するために、特にその構成を、請求項1では、給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側を絞り中温水出湯管側を優先の制御としたものである。
【0005】
又請求項2では、給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側閉塞で中温水出湯管側全開としたものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、給湯用の第1混合弁或いは風呂用の第2混合弁のどちらか一方でも高温側で故障した時には、出来るだけ高温水を出湯しないように中温水混合弁を制御することで、火傷の危険がない中温水を給湯や風呂に使用出来、修理業者が来るまで使用出来ない不具合が解消されるものであり、常に安心して使用出来るものである。
【0007】
又請求項2によれば、更に確実に中温水が使用されることで、安全であると共に加熱手段による加熱が低温水から行われることによるCOP(エネルギー消費効率)の向上を得ることが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の一実施形態の貯湯式給湯装置を図1〜図10に基づき説明する。なお、図2〜図10中の貯湯タンク内にハッチングした斜線は低温水、二重斜線は中温水、三重斜線は高温水を示し、矢印は湯水の流れ方向を示すものである。
【0009】
この貯湯式給湯装置は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した湯水を給湯に用いるもので、1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を備えた貯湯タンクユニット、3は貯湯タンク内の湯水を加熱するヒートポンプユニット、4は台所や洗面所等に設けられた第1給湯端たる給湯栓、5はこの給湯栓4の近傍に設けられた給湯リモコン、6は浴槽、7は浴室に設けられた風呂リモコンである。
【0010】
前記貯湯タンクユニット1の貯湯タンク2は、上端に出湯管8と、下端に給水管9とが接続され、さらに、下部にヒーポン往き管10と、上部にヒーポン戻り管11とか接続され、前記ヒートポンプユニット3によってヒーポン往き管10から取り出した貯湯タンク2内の湯水を沸き上げてヒーポン戻り管11から貯湯タンク2内に戻して貯湯され、給水管9からの給水により貯湯タンク2内の湯水が押し上げられて貯湯タンク2内上部の高温水が出湯管8から押し出されて給湯されるものである。
【0011】
前記ヒートポンプユニット3は、圧縮機12と凝縮器としての冷媒−水熱交換器13と電子膨張弁14と強制空冷式の蒸発器15で構成された加熱手段としてのヒートポンプ回路16と、貯湯タンク2内の湯水を前記ヒーポン往き管10およびヒーポン戻り管11を介して冷媒−水熱交換器13に循環させるヒーポン循環ポンプ17と、それらの駆動を制御するヒーポン制御部18とを備えており、ヒートポンプ回路16内には冷媒として二酸化炭素が用いられて超臨界ヒートポンプサイクルを構成しているものである。なお、冷媒に二酸化炭素を用いているので、低温水を電熱ヒータなしで約90℃の高温まで沸き上げることが可能なものである。
【0012】
ここで、前記冷媒−水熱交換器13は冷媒と被加熱水たる貯湯タンク2内の湯水とが対向して流れる対向流方式を採用しており、超臨界ヒートポンプサイクルでは熱交換時において冷媒は超臨界状態のまま凝縮されるため効率良く高温まで被加熱水を加熱することができ、被加熱水の冷媒−水熱交換器13入口温度と冷媒の出口温度との温度差が一定になるように前記減圧器14または圧縮機12を制御することで、被加熱水の冷媒−水熱交換器13の入口温度が5〜20℃程度の低い温度であるとCOP(エネルギー消費効率)が3.0以上のとても良い状態で被加熱水を加熱することが可能なものである。
【0013】
19は前記浴槽6の湯水を加熱するための熱交換器で、その一次側には貯湯タンク2上部に接続された高温水往き管20と貯湯タンク2下部に接続された中温水戻り管21とが接続されて熱交循環回路22を構成し、中温水戻り管21途中に設けられた熱交循環ポンプ23の作動により貯湯タンク2から取り出した高温水を熱交換器19に循環させ、熱交換により温度低下した中温水を再び貯湯タンク2内に戻すものである。
【0014】
前記熱交換器19の二次側には、浴槽6の湯水を循環可能に風呂往き管24と風呂戻り管25より構成される風呂循環回路26が接続され、風呂戻り管25途中に設けられた風呂循環ポンプ27の作動により浴槽6の湯水が熱交換器19に循環されて、一次側の高温水により加熱されて浴槽6内の湯水の保温あるいは追焚きが行われるものである。なお、28は風呂戻り管25を循環する浴槽6の湯水の温度を検出する風呂温度センサである。
【0015】
次に、29は前記中温水戻り管21より高く前記出湯管8より低い貯湯タンク2の中間位置に接続された中温水出湯管で、前記熱交換器19で二次側と熱交換して温度低下した中温水を貯湯タンク2から出湯するものである。
【0016】
30は、前記中温水出湯管29の下流に設けられた中温水混合弁で、貯湯タンク2中間位置付近の中温水と貯湯タンク2上端に接続された出湯管8からの高温水とを、その下流の第1出湯管31に設けた出湯温度センサ32で検出する湯温が、給湯リモコン5または風呂リモコン7でユーザーが設定した給湯設定温度(第1給湯設定温度)または風呂設定温度(第2給湯設定温度)より一定温度(例えば5℃)高い温度である任意の所定温度になるように混合比率を制御するものである。
【0017】
ここで、前記中温水出湯管29は出湯口切換弁33を介して貯湯タンク2の中間位置の上下に設けられた第1中温水出湯口34と第2中温水出湯口35に接続され、何れか一方の出湯口から貯湯タンク2の中間位置付近に貯められている中温水を中温水混合弁30に向けて出湯するものであり、下方の第1中温水出湯口34より少し下方の貯湯タンク2側面に設けられた中温水温度センサ36の検出する温度に応じて出湯口切換弁33を切換えるようにしている。
【0018】
次に、37は第1出湯管31からの湯水と給水管9から分岐された第1バイパス管38からの低温水を混合する電動ミキシング弁より構成された給湯混合弁(第1混合弁)であり、その下流の給湯管39に設けた給湯温度センサ40で検出した湯温が給湯リモコン5または風呂リモコン7でユーザーが設定した給湯設定温度になるように混合比率を制御するものである。
【0019】
また、41は前記第1出湯管31から分岐された第2出湯管42からの湯水と、給水管9から分岐された第2バイパス管43からの低温水とを混合する電動ミキシング弁より構成された風呂混合弁(第2混合弁)であり、その下流側の前記風呂循環回路26に連通された第2給湯端たる湯張り管44に設けた湯張り温度センサ45で検出した湯温が風呂リモコン7でユーザーが設定した風呂設定温度になるように混合比率を制御するものである。
【0020】
そして、前記湯張り管44には、風呂循環回路26を介した浴槽6への湯張りの開始/停止を行う湯張り弁46と、浴槽6への湯張り量をカウントする風呂流量カウンタ47が設けられているものである。
【0021】
次に、48は貯湯タンク2の上下方向に複数個配置された貯湯温度センサで、この貯湯温度センサ48が検出する温度情報によって、貯湯タンク2内にどれだけの熱量が残っているかを検知し、そして貯湯タンク2内の上下方向の温度分布を検知するものである。
【0022】
前記給湯リモコン5および風呂リモコン7には、給湯設定温度(第1給湯設定温度)を設定する給湯温度設定スイッチ49、50、および風呂設定温度(第2給湯設定温度)を設定する風呂温度設定スイッチ51、52がそれぞれ設けられていると共に、浴槽6へ風呂設定温度(第2給湯設定温度)の湯を風呂リモコン7の湯張り量設定スイッチ(図示せず)で設定された湯張り量だけ湯張りし所定時間保温させる風呂自動スイッチ53、54がそれぞれ設けられているものである。
【0023】
55は貯湯タンクユニット1内の各センサの入力を受け各アクチュエータの駆動を制御するマイコンを有した給湯制御部である。この給湯制御部55に前記給湯リモコン5および風呂リモコン7が無線または有線により接続されユーザーが任意の給湯設定温度(第1給湯設定温度)および風呂設定温度(第2給湯設定温度)を設定できるようにしているものである。
【0024】
又前記給湯制御部55は、給湯温度センサ40が給湯設定温度(第1給湯設定温度)より数度高い温度ここでは3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側で故障したと判断して、給湯混合弁37の高温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に給湯混合弁37の高温側故障のエラー表示させると共に、中温水混合弁30を出湯管8側を絞って高温水の出湯を少なくし、中温水出湯管29側から優先して火傷の危険がない中温水を多く出湯するように固定制御するものである。
【0025】
一方給湯制御部55は、給湯温度センサ40が給湯設定温度(第1給湯設定温度)より数度低い温度ここでは−3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、給湯混合弁(第1混合弁)37が低温側で故障したと判断して、給湯混合弁37の低温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に給湯混合弁37の低温側故障のエラー表示させると共に、通常の制御でも火傷の心配がないので中温水混合弁30の固定制御は行わないものである。
【0026】
更に給湯制御部55は、湯張り温度センサ45が風呂設定温度(第2給湯設定温度)より数度高い温度ここでは3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側で故障したと判断して、風呂混合弁41の高温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に風呂混合弁41の高温側故障のエラー表示させると共に、中温水混合弁30を出湯管8側を絞って高温水の出湯を少なくし、中温水出湯管29側から優先して火傷の危険がない中温水を多く出湯するように固定制御するものである。
【0027】
更に又給湯制御部55は、湯張り温度センサ45が風呂設定温度(第2給湯設定温度)より数度低い温度ここでは−3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、風呂混合弁(第2混合弁)41が低温側で故障したと判断して、風呂混合弁41の低温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に風呂混合弁41の低温側故障のエラー表示させると共に、通常の制御でも火傷の心配がないので中温水混合弁30の固定制御は行わないものである。
【0028】
なお、56は貯湯タンク2の過圧を逃す過圧逃し弁、57は給水の温度を検出する給水温度センサ、58は給水の圧力を減圧する減圧弁、59は給湯する湯水の量をカウントする給湯流量カウンタである。
【0029】
次に、この一実施形態の作動を説明する。
まず、図2に示す沸き上げ運転について説明すると、深夜電力時間帯になって貯湯温度センサ48が貯湯タンク2内に翌日に必要な熱量が残っていないことを検出すると、給湯制御部55はヒーポン制御部18に対して沸き上げ開始指令を発する。指令を受けたヒーポン制御部18は圧縮機12を起動した後にヒーポン循環ポンプ17を駆動開始し、貯湯タンク2下部に接続されたヒーポン往き管10から取り出した5〜20℃程度の低温水を冷媒−水熱交換器13で70〜90℃程度の高温に加熱し、貯湯タンク2上部に接続されたヒーポン戻り管11から貯湯タンク2内に戻し、貯湯タンク2の上部から順次積層して高温水を貯湯していく。貯湯温度センサ48が必要な熱量が貯湯されたことを検出すると、給湯制御部55はヒーポン制御部18に対して沸き上げ停止指令を発し、ヒーポン制御部18は圧縮機12を停止すると共にヒーポン循環ポンプ17も停止して沸き上げ動作を終了するものである。
【0030】
次に、図3に示す給湯運転について説明すると、給湯栓4を開くと、給水管9からの給水が貯湯タンク2内に流れ込む。そしてこのとき、貯湯タンク2内の中温水温度センサ36の位置には沸き上げられた高温水が貯められているので、中温水温度センサ36は所定値以上の温度を検出し、給湯制御部55によって中温水切換弁33が下側の第1中温水出湯口34側に切換えられて、第1中温水出湯口34から中温水出湯管29を介して中温水混合弁30へ高温水が押し出される。なお、貯湯タンク2内には上部に高温水、下部に低温水が貯められているが、その温度差により比重差が発生し、温度境界層を形成して比重の軽い高温水が上部に、比重の重い低温水が下部に位置するので、互いに混じり合うことはないものである。
【0031】
ここで、給湯制御部55は中温水出湯管29からの湯水と出湯管8からの湯水を混合して中温水混合弁30にて給湯リモコン5または風呂リモコン7で設定された給湯設定温度(第1給湯設定温度)より一定温度以上高い温度となるように中温水混合弁30を適当な比率に調整する。なお、ここでは、中温水出湯管29から流入する湯が高温で給湯設定温度(第1給湯設定温度)より高いため、中温水混合弁30の出湯管8側を閉じることとなる。
【0032】
そして、中温水混合弁30から流出した湯は第1出湯管31を介して給湯混合弁(第1混合弁)36へ流入し、第1バイパス管38からの低温水と混合され、給湯制御部55が給湯混合弁(第1混合弁)36の混合比率を調整し給湯設定温度(第1給湯設定温度)の湯が給湯栓4から給湯される。そして、給湯栓4の閉止によって給湯が終了するものである。
【0033】
ここで、中温水温度センサ36が所定値以下の温度を検出すると、図4に示すように給湯制御部55が出湯口切換弁33を上側の第2中温水出湯口35側に切換え、第2中温水出湯口35から高温水を出湯するようにしている。よって、下側の第1中温水出湯口34付近に高温水あるいは中温水が貯められている場合には第1中温水出湯口34から出湯し、第1中温水出湯口34付近に給水管9からの低温水が貯められている場合は第2中温水出湯口35から出湯されることとなり、貯湯タンク2内の中温水を余すことなく給湯に用いることが可能となるものである。
【0034】
また、前記中温水混合弁30は給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度以上高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにしているので、第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35から出湯する湯水の温度が給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも低い場合は、図5に示すように給湯制御部55により中温水混合弁30の混合比率が調整されて出湯管8からの高温水を用いて給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにし、貯湯タンク2の中間位置からの出湯を優先し、貯湯タンク2の上部に貯められている高温水の使用を最小限に留め、熱源となる高温水をより多く確保することが可能となる。
【0035】
次に、図6に示す浴槽6への湯張り運転について説明すると、給湯リモコン5または風呂リモコン7の風呂自動スイッチ53、54の何れかが操作されると、給湯制御部55が湯張り弁46を開弁する。そして、給水管9からの給水が貯湯タンク2内に流れ込む。そしてこのとき、貯湯タンク2内の中温水温度センサ36の位置には沸き上げられた高温水が貯められているので、中温水温度センサ36は所定値以上の温度を検出し、給湯制御部55によって中温水切換弁33が下側の第1中温水出湯口34側に切換えられて、第1中温水出湯口34から中温水出湯管29を介して中温水混合弁30へ高温水が押し出される。
【0036】
ここで、給湯制御部55は風呂自動スイッチ53、54の入力を受けると、中温水出湯管29からの湯水と出湯管8からの湯水を混合して中温水混合弁30にて給湯リモコン5または風呂リモコン7で設定された風呂設定温度(第2給湯設定温度)より一定温度以上高い温度となるように中温水混合弁30を適当な比率に調整するようにしている。なお、ここでは、中温水出湯管29から流入する湯が高温で風呂設定温度(第2給湯温度)より高い温度であるため、中温水混合弁30の出湯管8側を閉じることとなる。
【0037】
そして、中温水混合弁30から流出した湯は第1出湯管31を介して第2出湯管42へ出湯される。そして第2出湯管42からの高温水は風呂混合弁(第2混合弁)41へ流入し、第2バイパス管43からの低温水と混合され、給湯制御部55が風呂混合弁(第2混合弁)41の混合比率を調整し、風呂設定温度(第2給湯設定温度)の湯が湯張り管44から風呂循環回路26を介して浴槽6へ湯張りされる。ここで、中温水温度センサ36が所定値以下の温度を検出すると、図4で説明した給湯動作の場合と同じく給湯制御部55が出湯口切換弁33を上方の第2中温水出湯口34側に切換え、第2中温水出湯口34から高温水を出湯するようにしている。
【0038】
そして、湯張り管44途中に設けられた風呂流量カウンタ47が所定の湯張り量をカウントすると給湯制御部55が湯張り弁46を閉弁して湯張り運転を終了し、中温水混合弁30での任意の混合温度を給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度高い温度となるようにするものである。
【0039】
次に、図7に示す風呂の保温運転あるいは追焚き運転について説明すると、前記の浴槽6への湯張り運転に引き続き、給湯制御部55は一定時間毎に風呂循環ポンプ27を駆動し、浴槽6内の湯温を風呂温度センサ28により検出する。そして風呂温度センサ28の検出する温度が風呂設定温度(第2給湯設定温度)より所定値以上低下していると、給湯制御部55は熱交循環ポンプ23および風呂循環ポンプ26を駆動開始し、高温水往き管20から取り出した高温水を熱交換器19に流入させ、二次側の浴槽水と熱交換させ風呂の保温運転あるいは追焚き運転を行う。そして、熱交換により温度低下した中温水が中温水戻り管21を介して貯湯タンク2下部に戻り、高温水と入れ替わる形で高温水と中温水の境界面を押し上げるようにして中温水が貯湯されるものである。なお、貯湯タンク2内には上部に高温水、中間部に中温水、下部に低温水が貯められているが、その温度差が20℃程度あれば比重差が発生し、温度境界層を形成して比重の軽い高温水が上部に、中間の中間水が中間部に、比重の重い低温水が下部に位置するので、互いに混じり合うことはないものである。
【0040】
そして、二次側では、熱交換器19にて加熱された浴槽水が浴槽6へ戻って浴槽6内を昇温し、風呂温度センサ28で検出する温度が風呂設定温度(第2給湯設定温度)に達すると、給湯制御部55は熱交循環ポンプ23および風呂循環ポンプ26を駆動停止して保温運転あるいは追焚き運転を停止する。
【0041】
次に、貯湯タンク2内に中温水が貯められた後の給湯運転について説明する。図8に示すように、第1中温水出湯口34付近に中温水が貯められて中温水温度センサ36が中温水を検出している場合は、出湯口切換弁33は第1中温水出湯口34側に切換えられ、給湯混合水栓3の開栓により、給水管9からの給水が貯湯タンク2内に流れ込むと同時に、第1中温水出湯口34から中温水が押し出されて中温水出湯管29を介して中温水混合弁30へ流入する。
【0042】
ここで、第1中温水出湯口34から押し出される湯水の温度が給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも低い場合は、中温水混合弁30の混合比率が調整されて貯湯タンク2上端部の出湯管8からの高温水と混合されて給湯設定温度より一定温度高い温度の湯を供給するようにしている。
【0043】
そして、中温水混合弁30から流出した湯は第1出湯管31を介して給湯混合弁(第1混合弁)36へ流入し、第1バイパス管38からの低温水と混合され、給湯制御部55が給湯混合弁(第1混合弁)36の混合比率を調整し給湯設定温度(第1給湯設定温度)の湯が給湯栓4から給湯される。そして、給湯栓4の閉止によって給湯が終了するものである。
【0044】
ここで、中温水温度センサ36が所定値以下の温度を検出すると、図9に示すように、給湯制御部55が出湯口切換弁33を上側の第2中温水出湯口35側に切換え、第2中温水出湯口35から高温水を出湯するようにしている。よって、下側の第1中温水出湯口34付近に高温水あるいは中温水が貯められている場合には第1中温水出湯口34から出湯し、第1中温水出湯口34付近に給水管9からの低温水が貯められている場合は第2中温水出湯口35から出湯されることとなり、貯湯タンク2内の中温水を余すことなく給湯に用いることが可能となるものである。
【0045】
また、前記中温水混合弁30は給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度以上高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにしているので、第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35から出湯する湯水の温度が給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも低い場合は、給湯制御部55により中温水混合弁30の混合比率が調整されて出湯管8からの高温水を用いて給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにし、貯湯タンク2の中間位置からの出湯を優先し、貯湯タンク2の上部に貯められている高温水の使用を最小限に留め、熱源となる高温水をより多く確保することが可能となる。
【0046】
次に、図10に示す給湯動作中に湯張り運転が開始されるかまたは湯張り運転中に給湯動作が開始される同時給湯時は、給湯制御部55が給湯設定温度(第1給湯設定温度)と風呂設定温度(第2給湯設定温度)を比較し、高い方の温度よりも一定温度高い温度を中温水混合弁30での任意の所定温度とするようにしている。
【0047】
このように、その時々の任意の給湯設定温度に応じて熱源として利用した中温水を可能な限り多く使って給湯を行うことができ、給湯が行われていない側の給湯設定温度が高い場合であっても、中温水混合弁で混合される任意の所定温度を、給湯設定温度の実際に給湯されている側の給湯設定温度よりも一定温度高い温度としているので、中温水を可能な限り多く使って給湯を行うことができると共に、複数の給湯端から同時給湯の要求がある時であっても、中温水混合弁30が高い方の設定温度よりも一定温度高い温度の湯を出湯するので、中温水を有効に使いつつ各々の設定温度の湯を同時に給湯できるもので、熱源となる高温水を無駄に使用することを抑制して熱源としての能力を多く確保できるものである。
【0048】
なお、前記中温水戻り管21は貯湯タンク2最下端の給水管9および下部のヒーポン往き管10よりも高い位置に接続されているため、貯湯タンク2内に熱源として使われた中温水が戻されても、給湯の使用により貯湯タンク2下端から給水管からの低温水が流入することで貯湯タンク2の最下端には低温水が確保されることとなり、次回の沸き上げの際には必ず低温水から沸き上げることができるという効果がある。
【0049】
また、第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35が中温水戻り管21よりも高い位置に設けられているので、中温水戻り管21と第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35との間にある程度の容量を確保でき、熱交換器19で温度低下した中温水をその容量分だけ一時的に貯めておくことができることとなり、中温水出湯管29から出湯させることができない中温水を極力少なくすることができるもので、しかも、第1中温水取出し口34及び第2中温水取出し口35を上下に設けているため、下側の第1中温水取出し口34よりも上に中温水が貯められても、上側の第2中温水取出し口35で中温水を出湯させることができ、熱源として利用されてできた中温水を貯湯タンク2内に無駄に貯めてしまうことなく給湯に有効に利用することができる。
【0050】
ここで、もし中温水戻り管21と第1中温水出湯口34または第2中温水出湯口35とが同じ高さにあった場合には、中温水が中温水戻り管21より高い位置に貯められてしまう場合があり、これを中温水戻り管21と同じ高さにある第1中温水出湯口34または第2中温水出湯口35から取り出すことができないため、中温水が発生すると全く同時にこの中温水を給湯に用いる必要があり、さもなければ多量に給湯を行って中温水が貯湯タンク2上端部に接続された出湯管8にまで押し上げられるまで貯湯タンク2内に中温水が貯湯されてしまうこととなる。しかし、この一実施形態では上記のように中温水戻り管21よりも高い位置に第1中温水出湯口34または第2中温水出湯口35が設けられているため、この高さの差分の容量だけ中温水の発生から利用までの容量的あるいは時間的余裕ができ、中温水をある程度の容量分発生させてから時間的間隔をおいて給湯を行っても中温水を給湯に用いることができる効果がある。
【0051】
このように、給湯の際に熱源として利用された中温水を高温水よりも優先して貯湯タンク2の途中から取り出して給湯するので、高温水を給湯しきるまで中温水を給湯できないと行った不具合がなく、給湯を行う度に貯湯タンク2内の中温水が減って給水管9からの低温水に入れ替わって、深夜の沸き上げ動作を行う時には沸き上げ効率の悪い中温水ではなく、温度の低い低温水をヒートポンプ回路16で沸き上げることとなり、沸き上げの効率が向上しヒートポンプ式給湯装置としてのCOP(エネルギー消費効率)が良くなるものである。
【0052】
次に図3〜図5および図8〜図10に示すように給湯中に給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側でロックし故障した場合では、図11のフローチャートに示す如く、ステップ60で給湯温度センサ40の検出する給湯温度が、給湯設定温度(第1給湯設定温度)+3℃以上かを判断し、YESではステップ61に進み誤検知防止の為に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側で故障したとして、給湯制御部55が給湯混合弁37の高温側故障エラーを出力することにより、ステップ62に進んで各リモコン5、7に給湯混合弁37の高温側故障エラーを表示させ、そしてステップ63に進んで中温水混合弁30を出湯管8側を絞り中温水出湯管29側を優先させて固定制御を行い、火傷の危険がなく中温水も多く出湯出来、しかもCOP(エネルギー消費効率)も図ることが出来るものである。
【0053】
更に給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側でロックし故障した場合では、ステップ60でNOとなり、ステップ64に進み給湯設定温度(第1給湯設定温度)−3℃以下かを判断し、YESではステップ65に進み同じく誤検知防止用に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで給湯混合弁(第1混合弁)37が低温側で故障したとして、給湯制御部55が給湯混合弁37の低温側故障エラーを出力することにより、ステップ66に進んで各リモコン5、7に給湯混合弁37の低温側故障エラー表示のみ行わせるものであり、低温側では火傷の危険がないのでエラー表示のみで、中温水混合弁30の固定制御は行わず通常の制御としているものである。
【0054】
次に図6と図10に示すように風呂の湯張り中に風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側でロックし故障した場合では、図12のフローチャートに示す如く、ステップ67で湯張り温度センサ45の検出する湯張り温度が、風呂設定温度(第2給湯設定温度)+3℃以上かを判断し、YESではステップ68に進み誤検知防止の為に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側で故障したとして、給湯制御部55が風呂混合弁41の高温側故障エラーを出力することにより、ステップ69に進んで各リモコン5、7に風呂混合弁41の高温側故障エラーを表示させ、そしてステップ70に進んで中温水混合弁30を出湯管8側を絞り中温水出湯管29側を優先させて固定制御を行い、火傷の危険がなく中温水も多く出湯出来、しかもCOP(エネルギー消費効率)も図ることが出来るものである。
【0055】
更に風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側でロックし故障した場合では、ステップ67でNOとなり、ステップ71に進み風呂設定温度(第2給湯設定温度)−3℃以下かを判断し、YESではステップ72に進み同じく誤検知防止用に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで風呂混合弁(第2混合弁)41が低温側で故障したとして、給湯制御部55が風呂混合弁41の低温側故障エラーを出力することにより、ステップ73に進んで各リモコン5、7に風呂混合弁41の低温側故障エラー表示のみ行わせるものであり、低温側では火傷の危険がないのでエラー表示のみで、中温水混合弁30の固定制御は行わず通常の制御としているものである。
【0056】
次に図13と図14のフローチャートに示す他の実施形態について説明するが、図11と図12との同一部分には同じ符号を付して説明も省略し、相違部分のみ説明すると、最後のステップ74で、中温水混合弁30を出湯管8側を閉塞し中温水出湯管29側を全開にして固定するように給湯制御部55が制御し、給湯混合弁(第1混合弁)37或いは風呂混合弁(第2混合弁)41とが高温側で故障した場合には、完全に高温水側を閉じて中温水のみとして確実に火傷の危険を回避して、使い勝手より安全性を重視するようにしたものである。
【0057】
なお、この一実施形態では、熱交換器19と熱交循環ポンプ23と風呂循環ポンプ27とを貯湯タンクユニット1内に設けているが、貯湯タンクユニット1とは別体のユニット体に設けるようにしても良く、本発明の要旨を変更しない範囲での実施形態の変更をすることを妨げるものではない。
【0058】
また、この一実施形態では、熱交換器19の二次側に風呂循環回路26を設けているが、床暖房パネルや温水式温風暖房器や温水式パネルコンベクタ、温水式パネルラジエータ等の暖房循環回路を設けても良く、要は貯湯タンク16内の高温水の熱を熱交換器19で熱交換して利用する熱機器であれば何でも良いものである。
【0059】
さらに、貯湯タンク2内の湯水を加熱する手段としてヒートポンプ回路16を例示しているが、これに限られず、貯湯タンク2内に直接配置した電熱ヒータや、貯湯タンク2内の湯水を循環させて電熱ヒータで加熱するようにしても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の一実施形態の概略構成図。
【図2】同一実施形態の沸き上げ運転の作動を説明する図。
【図3】同一実施形態の給湯運転の作動を説明する図。
【図4】同一実施形態の給湯運転の作動を説明する図。
【図5】同一実施形態の給湯運転の作動を説明する図。
【図6】同一実施形態の湯張り運転の作動を説明する図。
【図7】同一実施形態の保温/追焚き運転の作動を説明する図。
【図8】同一実施形態の貯湯タンク内に中温水が存在する場合の給湯運転の作動を説明する図。
【図9】同一実施形態の貯湯タンク内に中温水が存在する場合の給湯運転の作動を説明する図。
【図10】同一実施形態の貯湯タンク内に中温水が存在する場合の給湯/湯張り同時運転の作動を説明する図。
【図11】同一実施形態の給湯運転中に給湯混合弁(第1混合弁)が故障した時のフローチャート。
【図12】同一実施形態の風呂運転中に風呂混合弁(第2混合弁)が故障した時のフローチャート。
【図13】他の実施形態の給湯運転中に給湯混合弁(第1混合弁)が故障した時のフローチャート。
【図14】他の実施形態の風呂運転中に風呂混合弁(第2混合弁)が故障した時のフローチャート。
【符号の説明】
【0061】
2 貯湯タンク
4 給湯栓(第1給湯端)
8 出湯管
9 給水管
16 ヒートポンプ回路(加熱手段)
29 中温水出湯管
30 中温水混合弁
37 給湯混合弁(第1混合弁)
38 第1バイパス管
41 風呂混合弁(第2混合弁)
43 第2バイパス管
44 湯張り管(第2給湯端)
【技術分野】
【0001】
この発明は貯湯タンク内の中温水を積極的に使用するための中温水混合弁を備えたもので、給湯用或いは風呂用混合弁の故障時に安全側に制御する貯湯式給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、貯湯タンク内に貯湯された高温水を取り出して暖房や風呂の追焚きの熱源として用いるものが提案されており、熱交換によって温度低下した中温水が貯湯タンク内に戻されると共に、貯湯タンクの中間部からこの中温水を取り出して給湯に用いるものがあった。そして、この中温水は貯湯タンク上部からの高温水と合流し給湯設定温度以上の温度に混合されて給湯されるものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特許第3854169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、給湯用の第1混合弁が高温側で故障した場合、中温水混合弁からの混合水はリモコンの設定温度より所定温度高い温度の温水がそのまま給湯されることとなり、火傷の危険を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決するために、特にその構成を、請求項1では、給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側を絞り中温水出湯管側を優先の制御としたものである。
【0005】
又請求項2では、給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側閉塞で中温水出湯管側全開としたものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、給湯用の第1混合弁或いは風呂用の第2混合弁のどちらか一方でも高温側で故障した時には、出来るだけ高温水を出湯しないように中温水混合弁を制御することで、火傷の危険がない中温水を給湯や風呂に使用出来、修理業者が来るまで使用出来ない不具合が解消されるものであり、常に安心して使用出来るものである。
【0007】
又請求項2によれば、更に確実に中温水が使用されることで、安全であると共に加熱手段による加熱が低温水から行われることによるCOP(エネルギー消費効率)の向上を得ることが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の一実施形態の貯湯式給湯装置を図1〜図10に基づき説明する。なお、図2〜図10中の貯湯タンク内にハッチングした斜線は低温水、二重斜線は中温水、三重斜線は高温水を示し、矢印は湯水の流れ方向を示すものである。
【0009】
この貯湯式給湯装置は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した湯水を給湯に用いるもので、1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を備えた貯湯タンクユニット、3は貯湯タンク内の湯水を加熱するヒートポンプユニット、4は台所や洗面所等に設けられた第1給湯端たる給湯栓、5はこの給湯栓4の近傍に設けられた給湯リモコン、6は浴槽、7は浴室に設けられた風呂リモコンである。
【0010】
前記貯湯タンクユニット1の貯湯タンク2は、上端に出湯管8と、下端に給水管9とが接続され、さらに、下部にヒーポン往き管10と、上部にヒーポン戻り管11とか接続され、前記ヒートポンプユニット3によってヒーポン往き管10から取り出した貯湯タンク2内の湯水を沸き上げてヒーポン戻り管11から貯湯タンク2内に戻して貯湯され、給水管9からの給水により貯湯タンク2内の湯水が押し上げられて貯湯タンク2内上部の高温水が出湯管8から押し出されて給湯されるものである。
【0011】
前記ヒートポンプユニット3は、圧縮機12と凝縮器としての冷媒−水熱交換器13と電子膨張弁14と強制空冷式の蒸発器15で構成された加熱手段としてのヒートポンプ回路16と、貯湯タンク2内の湯水を前記ヒーポン往き管10およびヒーポン戻り管11を介して冷媒−水熱交換器13に循環させるヒーポン循環ポンプ17と、それらの駆動を制御するヒーポン制御部18とを備えており、ヒートポンプ回路16内には冷媒として二酸化炭素が用いられて超臨界ヒートポンプサイクルを構成しているものである。なお、冷媒に二酸化炭素を用いているので、低温水を電熱ヒータなしで約90℃の高温まで沸き上げることが可能なものである。
【0012】
ここで、前記冷媒−水熱交換器13は冷媒と被加熱水たる貯湯タンク2内の湯水とが対向して流れる対向流方式を採用しており、超臨界ヒートポンプサイクルでは熱交換時において冷媒は超臨界状態のまま凝縮されるため効率良く高温まで被加熱水を加熱することができ、被加熱水の冷媒−水熱交換器13入口温度と冷媒の出口温度との温度差が一定になるように前記減圧器14または圧縮機12を制御することで、被加熱水の冷媒−水熱交換器13の入口温度が5〜20℃程度の低い温度であるとCOP(エネルギー消費効率)が3.0以上のとても良い状態で被加熱水を加熱することが可能なものである。
【0013】
19は前記浴槽6の湯水を加熱するための熱交換器で、その一次側には貯湯タンク2上部に接続された高温水往き管20と貯湯タンク2下部に接続された中温水戻り管21とが接続されて熱交循環回路22を構成し、中温水戻り管21途中に設けられた熱交循環ポンプ23の作動により貯湯タンク2から取り出した高温水を熱交換器19に循環させ、熱交換により温度低下した中温水を再び貯湯タンク2内に戻すものである。
【0014】
前記熱交換器19の二次側には、浴槽6の湯水を循環可能に風呂往き管24と風呂戻り管25より構成される風呂循環回路26が接続され、風呂戻り管25途中に設けられた風呂循環ポンプ27の作動により浴槽6の湯水が熱交換器19に循環されて、一次側の高温水により加熱されて浴槽6内の湯水の保温あるいは追焚きが行われるものである。なお、28は風呂戻り管25を循環する浴槽6の湯水の温度を検出する風呂温度センサである。
【0015】
次に、29は前記中温水戻り管21より高く前記出湯管8より低い貯湯タンク2の中間位置に接続された中温水出湯管で、前記熱交換器19で二次側と熱交換して温度低下した中温水を貯湯タンク2から出湯するものである。
【0016】
30は、前記中温水出湯管29の下流に設けられた中温水混合弁で、貯湯タンク2中間位置付近の中温水と貯湯タンク2上端に接続された出湯管8からの高温水とを、その下流の第1出湯管31に設けた出湯温度センサ32で検出する湯温が、給湯リモコン5または風呂リモコン7でユーザーが設定した給湯設定温度(第1給湯設定温度)または風呂設定温度(第2給湯設定温度)より一定温度(例えば5℃)高い温度である任意の所定温度になるように混合比率を制御するものである。
【0017】
ここで、前記中温水出湯管29は出湯口切換弁33を介して貯湯タンク2の中間位置の上下に設けられた第1中温水出湯口34と第2中温水出湯口35に接続され、何れか一方の出湯口から貯湯タンク2の中間位置付近に貯められている中温水を中温水混合弁30に向けて出湯するものであり、下方の第1中温水出湯口34より少し下方の貯湯タンク2側面に設けられた中温水温度センサ36の検出する温度に応じて出湯口切換弁33を切換えるようにしている。
【0018】
次に、37は第1出湯管31からの湯水と給水管9から分岐された第1バイパス管38からの低温水を混合する電動ミキシング弁より構成された給湯混合弁(第1混合弁)であり、その下流の給湯管39に設けた給湯温度センサ40で検出した湯温が給湯リモコン5または風呂リモコン7でユーザーが設定した給湯設定温度になるように混合比率を制御するものである。
【0019】
また、41は前記第1出湯管31から分岐された第2出湯管42からの湯水と、給水管9から分岐された第2バイパス管43からの低温水とを混合する電動ミキシング弁より構成された風呂混合弁(第2混合弁)であり、その下流側の前記風呂循環回路26に連通された第2給湯端たる湯張り管44に設けた湯張り温度センサ45で検出した湯温が風呂リモコン7でユーザーが設定した風呂設定温度になるように混合比率を制御するものである。
【0020】
そして、前記湯張り管44には、風呂循環回路26を介した浴槽6への湯張りの開始/停止を行う湯張り弁46と、浴槽6への湯張り量をカウントする風呂流量カウンタ47が設けられているものである。
【0021】
次に、48は貯湯タンク2の上下方向に複数個配置された貯湯温度センサで、この貯湯温度センサ48が検出する温度情報によって、貯湯タンク2内にどれだけの熱量が残っているかを検知し、そして貯湯タンク2内の上下方向の温度分布を検知するものである。
【0022】
前記給湯リモコン5および風呂リモコン7には、給湯設定温度(第1給湯設定温度)を設定する給湯温度設定スイッチ49、50、および風呂設定温度(第2給湯設定温度)を設定する風呂温度設定スイッチ51、52がそれぞれ設けられていると共に、浴槽6へ風呂設定温度(第2給湯設定温度)の湯を風呂リモコン7の湯張り量設定スイッチ(図示せず)で設定された湯張り量だけ湯張りし所定時間保温させる風呂自動スイッチ53、54がそれぞれ設けられているものである。
【0023】
55は貯湯タンクユニット1内の各センサの入力を受け各アクチュエータの駆動を制御するマイコンを有した給湯制御部である。この給湯制御部55に前記給湯リモコン5および風呂リモコン7が無線または有線により接続されユーザーが任意の給湯設定温度(第1給湯設定温度)および風呂設定温度(第2給湯設定温度)を設定できるようにしているものである。
【0024】
又前記給湯制御部55は、給湯温度センサ40が給湯設定温度(第1給湯設定温度)より数度高い温度ここでは3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側で故障したと判断して、給湯混合弁37の高温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に給湯混合弁37の高温側故障のエラー表示させると共に、中温水混合弁30を出湯管8側を絞って高温水の出湯を少なくし、中温水出湯管29側から優先して火傷の危険がない中温水を多く出湯するように固定制御するものである。
【0025】
一方給湯制御部55は、給湯温度センサ40が給湯設定温度(第1給湯設定温度)より数度低い温度ここでは−3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、給湯混合弁(第1混合弁)37が低温側で故障したと判断して、給湯混合弁37の低温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に給湯混合弁37の低温側故障のエラー表示させると共に、通常の制御でも火傷の心配がないので中温水混合弁30の固定制御は行わないものである。
【0026】
更に給湯制御部55は、湯張り温度センサ45が風呂設定温度(第2給湯設定温度)より数度高い温度ここでは3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側で故障したと判断して、風呂混合弁41の高温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に風呂混合弁41の高温側故障のエラー表示させると共に、中温水混合弁30を出湯管8側を絞って高温水の出湯を少なくし、中温水出湯管29側から優先して火傷の危険がない中温水を多く出湯するように固定制御するものである。
【0027】
更に又給湯制御部55は、湯張り温度センサ45が風呂設定温度(第2給湯設定温度)より数度低い温度ここでは−3℃以上を所定時間以上ここでは5秒以上検出することで、風呂混合弁(第2混合弁)41が低温側で故障したと判断して、風呂混合弁41の低温側故障エラーを出力し、各リモコン5、7に風呂混合弁41の低温側故障のエラー表示させると共に、通常の制御でも火傷の心配がないので中温水混合弁30の固定制御は行わないものである。
【0028】
なお、56は貯湯タンク2の過圧を逃す過圧逃し弁、57は給水の温度を検出する給水温度センサ、58は給水の圧力を減圧する減圧弁、59は給湯する湯水の量をカウントする給湯流量カウンタである。
【0029】
次に、この一実施形態の作動を説明する。
まず、図2に示す沸き上げ運転について説明すると、深夜電力時間帯になって貯湯温度センサ48が貯湯タンク2内に翌日に必要な熱量が残っていないことを検出すると、給湯制御部55はヒーポン制御部18に対して沸き上げ開始指令を発する。指令を受けたヒーポン制御部18は圧縮機12を起動した後にヒーポン循環ポンプ17を駆動開始し、貯湯タンク2下部に接続されたヒーポン往き管10から取り出した5〜20℃程度の低温水を冷媒−水熱交換器13で70〜90℃程度の高温に加熱し、貯湯タンク2上部に接続されたヒーポン戻り管11から貯湯タンク2内に戻し、貯湯タンク2の上部から順次積層して高温水を貯湯していく。貯湯温度センサ48が必要な熱量が貯湯されたことを検出すると、給湯制御部55はヒーポン制御部18に対して沸き上げ停止指令を発し、ヒーポン制御部18は圧縮機12を停止すると共にヒーポン循環ポンプ17も停止して沸き上げ動作を終了するものである。
【0030】
次に、図3に示す給湯運転について説明すると、給湯栓4を開くと、給水管9からの給水が貯湯タンク2内に流れ込む。そしてこのとき、貯湯タンク2内の中温水温度センサ36の位置には沸き上げられた高温水が貯められているので、中温水温度センサ36は所定値以上の温度を検出し、給湯制御部55によって中温水切換弁33が下側の第1中温水出湯口34側に切換えられて、第1中温水出湯口34から中温水出湯管29を介して中温水混合弁30へ高温水が押し出される。なお、貯湯タンク2内には上部に高温水、下部に低温水が貯められているが、その温度差により比重差が発生し、温度境界層を形成して比重の軽い高温水が上部に、比重の重い低温水が下部に位置するので、互いに混じり合うことはないものである。
【0031】
ここで、給湯制御部55は中温水出湯管29からの湯水と出湯管8からの湯水を混合して中温水混合弁30にて給湯リモコン5または風呂リモコン7で設定された給湯設定温度(第1給湯設定温度)より一定温度以上高い温度となるように中温水混合弁30を適当な比率に調整する。なお、ここでは、中温水出湯管29から流入する湯が高温で給湯設定温度(第1給湯設定温度)より高いため、中温水混合弁30の出湯管8側を閉じることとなる。
【0032】
そして、中温水混合弁30から流出した湯は第1出湯管31を介して給湯混合弁(第1混合弁)36へ流入し、第1バイパス管38からの低温水と混合され、給湯制御部55が給湯混合弁(第1混合弁)36の混合比率を調整し給湯設定温度(第1給湯設定温度)の湯が給湯栓4から給湯される。そして、給湯栓4の閉止によって給湯が終了するものである。
【0033】
ここで、中温水温度センサ36が所定値以下の温度を検出すると、図4に示すように給湯制御部55が出湯口切換弁33を上側の第2中温水出湯口35側に切換え、第2中温水出湯口35から高温水を出湯するようにしている。よって、下側の第1中温水出湯口34付近に高温水あるいは中温水が貯められている場合には第1中温水出湯口34から出湯し、第1中温水出湯口34付近に給水管9からの低温水が貯められている場合は第2中温水出湯口35から出湯されることとなり、貯湯タンク2内の中温水を余すことなく給湯に用いることが可能となるものである。
【0034】
また、前記中温水混合弁30は給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度以上高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにしているので、第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35から出湯する湯水の温度が給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも低い場合は、図5に示すように給湯制御部55により中温水混合弁30の混合比率が調整されて出湯管8からの高温水を用いて給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにし、貯湯タンク2の中間位置からの出湯を優先し、貯湯タンク2の上部に貯められている高温水の使用を最小限に留め、熱源となる高温水をより多く確保することが可能となる。
【0035】
次に、図6に示す浴槽6への湯張り運転について説明すると、給湯リモコン5または風呂リモコン7の風呂自動スイッチ53、54の何れかが操作されると、給湯制御部55が湯張り弁46を開弁する。そして、給水管9からの給水が貯湯タンク2内に流れ込む。そしてこのとき、貯湯タンク2内の中温水温度センサ36の位置には沸き上げられた高温水が貯められているので、中温水温度センサ36は所定値以上の温度を検出し、給湯制御部55によって中温水切換弁33が下側の第1中温水出湯口34側に切換えられて、第1中温水出湯口34から中温水出湯管29を介して中温水混合弁30へ高温水が押し出される。
【0036】
ここで、給湯制御部55は風呂自動スイッチ53、54の入力を受けると、中温水出湯管29からの湯水と出湯管8からの湯水を混合して中温水混合弁30にて給湯リモコン5または風呂リモコン7で設定された風呂設定温度(第2給湯設定温度)より一定温度以上高い温度となるように中温水混合弁30を適当な比率に調整するようにしている。なお、ここでは、中温水出湯管29から流入する湯が高温で風呂設定温度(第2給湯温度)より高い温度であるため、中温水混合弁30の出湯管8側を閉じることとなる。
【0037】
そして、中温水混合弁30から流出した湯は第1出湯管31を介して第2出湯管42へ出湯される。そして第2出湯管42からの高温水は風呂混合弁(第2混合弁)41へ流入し、第2バイパス管43からの低温水と混合され、給湯制御部55が風呂混合弁(第2混合弁)41の混合比率を調整し、風呂設定温度(第2給湯設定温度)の湯が湯張り管44から風呂循環回路26を介して浴槽6へ湯張りされる。ここで、中温水温度センサ36が所定値以下の温度を検出すると、図4で説明した給湯動作の場合と同じく給湯制御部55が出湯口切換弁33を上方の第2中温水出湯口34側に切換え、第2中温水出湯口34から高温水を出湯するようにしている。
【0038】
そして、湯張り管44途中に設けられた風呂流量カウンタ47が所定の湯張り量をカウントすると給湯制御部55が湯張り弁46を閉弁して湯張り運転を終了し、中温水混合弁30での任意の混合温度を給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度高い温度となるようにするものである。
【0039】
次に、図7に示す風呂の保温運転あるいは追焚き運転について説明すると、前記の浴槽6への湯張り運転に引き続き、給湯制御部55は一定時間毎に風呂循環ポンプ27を駆動し、浴槽6内の湯温を風呂温度センサ28により検出する。そして風呂温度センサ28の検出する温度が風呂設定温度(第2給湯設定温度)より所定値以上低下していると、給湯制御部55は熱交循環ポンプ23および風呂循環ポンプ26を駆動開始し、高温水往き管20から取り出した高温水を熱交換器19に流入させ、二次側の浴槽水と熱交換させ風呂の保温運転あるいは追焚き運転を行う。そして、熱交換により温度低下した中温水が中温水戻り管21を介して貯湯タンク2下部に戻り、高温水と入れ替わる形で高温水と中温水の境界面を押し上げるようにして中温水が貯湯されるものである。なお、貯湯タンク2内には上部に高温水、中間部に中温水、下部に低温水が貯められているが、その温度差が20℃程度あれば比重差が発生し、温度境界層を形成して比重の軽い高温水が上部に、中間の中間水が中間部に、比重の重い低温水が下部に位置するので、互いに混じり合うことはないものである。
【0040】
そして、二次側では、熱交換器19にて加熱された浴槽水が浴槽6へ戻って浴槽6内を昇温し、風呂温度センサ28で検出する温度が風呂設定温度(第2給湯設定温度)に達すると、給湯制御部55は熱交循環ポンプ23および風呂循環ポンプ26を駆動停止して保温運転あるいは追焚き運転を停止する。
【0041】
次に、貯湯タンク2内に中温水が貯められた後の給湯運転について説明する。図8に示すように、第1中温水出湯口34付近に中温水が貯められて中温水温度センサ36が中温水を検出している場合は、出湯口切換弁33は第1中温水出湯口34側に切換えられ、給湯混合水栓3の開栓により、給水管9からの給水が貯湯タンク2内に流れ込むと同時に、第1中温水出湯口34から中温水が押し出されて中温水出湯管29を介して中温水混合弁30へ流入する。
【0042】
ここで、第1中温水出湯口34から押し出される湯水の温度が給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも低い場合は、中温水混合弁30の混合比率が調整されて貯湯タンク2上端部の出湯管8からの高温水と混合されて給湯設定温度より一定温度高い温度の湯を供給するようにしている。
【0043】
そして、中温水混合弁30から流出した湯は第1出湯管31を介して給湯混合弁(第1混合弁)36へ流入し、第1バイパス管38からの低温水と混合され、給湯制御部55が給湯混合弁(第1混合弁)36の混合比率を調整し給湯設定温度(第1給湯設定温度)の湯が給湯栓4から給湯される。そして、給湯栓4の閉止によって給湯が終了するものである。
【0044】
ここで、中温水温度センサ36が所定値以下の温度を検出すると、図9に示すように、給湯制御部55が出湯口切換弁33を上側の第2中温水出湯口35側に切換え、第2中温水出湯口35から高温水を出湯するようにしている。よって、下側の第1中温水出湯口34付近に高温水あるいは中温水が貯められている場合には第1中温水出湯口34から出湯し、第1中温水出湯口34付近に給水管9からの低温水が貯められている場合は第2中温水出湯口35から出湯されることとなり、貯湯タンク2内の中温水を余すことなく給湯に用いることが可能となるものである。
【0045】
また、前記中温水混合弁30は給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度以上高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにしているので、第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35から出湯する湯水の温度が給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも低い場合は、給湯制御部55により中温水混合弁30の混合比率が調整されて出湯管8からの高温水を用いて給湯設定温度(第1給湯設定温度)よりも一定温度高い温度の湯を第1出湯管31に供給するようにし、貯湯タンク2の中間位置からの出湯を優先し、貯湯タンク2の上部に貯められている高温水の使用を最小限に留め、熱源となる高温水をより多く確保することが可能となる。
【0046】
次に、図10に示す給湯動作中に湯張り運転が開始されるかまたは湯張り運転中に給湯動作が開始される同時給湯時は、給湯制御部55が給湯設定温度(第1給湯設定温度)と風呂設定温度(第2給湯設定温度)を比較し、高い方の温度よりも一定温度高い温度を中温水混合弁30での任意の所定温度とするようにしている。
【0047】
このように、その時々の任意の給湯設定温度に応じて熱源として利用した中温水を可能な限り多く使って給湯を行うことができ、給湯が行われていない側の給湯設定温度が高い場合であっても、中温水混合弁で混合される任意の所定温度を、給湯設定温度の実際に給湯されている側の給湯設定温度よりも一定温度高い温度としているので、中温水を可能な限り多く使って給湯を行うことができると共に、複数の給湯端から同時給湯の要求がある時であっても、中温水混合弁30が高い方の設定温度よりも一定温度高い温度の湯を出湯するので、中温水を有効に使いつつ各々の設定温度の湯を同時に給湯できるもので、熱源となる高温水を無駄に使用することを抑制して熱源としての能力を多く確保できるものである。
【0048】
なお、前記中温水戻り管21は貯湯タンク2最下端の給水管9および下部のヒーポン往き管10よりも高い位置に接続されているため、貯湯タンク2内に熱源として使われた中温水が戻されても、給湯の使用により貯湯タンク2下端から給水管からの低温水が流入することで貯湯タンク2の最下端には低温水が確保されることとなり、次回の沸き上げの際には必ず低温水から沸き上げることができるという効果がある。
【0049】
また、第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35が中温水戻り管21よりも高い位置に設けられているので、中温水戻り管21と第1中温水出湯口34および第2中温水出湯口35との間にある程度の容量を確保でき、熱交換器19で温度低下した中温水をその容量分だけ一時的に貯めておくことができることとなり、中温水出湯管29から出湯させることができない中温水を極力少なくすることができるもので、しかも、第1中温水取出し口34及び第2中温水取出し口35を上下に設けているため、下側の第1中温水取出し口34よりも上に中温水が貯められても、上側の第2中温水取出し口35で中温水を出湯させることができ、熱源として利用されてできた中温水を貯湯タンク2内に無駄に貯めてしまうことなく給湯に有効に利用することができる。
【0050】
ここで、もし中温水戻り管21と第1中温水出湯口34または第2中温水出湯口35とが同じ高さにあった場合には、中温水が中温水戻り管21より高い位置に貯められてしまう場合があり、これを中温水戻り管21と同じ高さにある第1中温水出湯口34または第2中温水出湯口35から取り出すことができないため、中温水が発生すると全く同時にこの中温水を給湯に用いる必要があり、さもなければ多量に給湯を行って中温水が貯湯タンク2上端部に接続された出湯管8にまで押し上げられるまで貯湯タンク2内に中温水が貯湯されてしまうこととなる。しかし、この一実施形態では上記のように中温水戻り管21よりも高い位置に第1中温水出湯口34または第2中温水出湯口35が設けられているため、この高さの差分の容量だけ中温水の発生から利用までの容量的あるいは時間的余裕ができ、中温水をある程度の容量分発生させてから時間的間隔をおいて給湯を行っても中温水を給湯に用いることができる効果がある。
【0051】
このように、給湯の際に熱源として利用された中温水を高温水よりも優先して貯湯タンク2の途中から取り出して給湯するので、高温水を給湯しきるまで中温水を給湯できないと行った不具合がなく、給湯を行う度に貯湯タンク2内の中温水が減って給水管9からの低温水に入れ替わって、深夜の沸き上げ動作を行う時には沸き上げ効率の悪い中温水ではなく、温度の低い低温水をヒートポンプ回路16で沸き上げることとなり、沸き上げの効率が向上しヒートポンプ式給湯装置としてのCOP(エネルギー消費効率)が良くなるものである。
【0052】
次に図3〜図5および図8〜図10に示すように給湯中に給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側でロックし故障した場合では、図11のフローチャートに示す如く、ステップ60で給湯温度センサ40の検出する給湯温度が、給湯設定温度(第1給湯設定温度)+3℃以上かを判断し、YESではステップ61に進み誤検知防止の為に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側で故障したとして、給湯制御部55が給湯混合弁37の高温側故障エラーを出力することにより、ステップ62に進んで各リモコン5、7に給湯混合弁37の高温側故障エラーを表示させ、そしてステップ63に進んで中温水混合弁30を出湯管8側を絞り中温水出湯管29側を優先させて固定制御を行い、火傷の危険がなく中温水も多く出湯出来、しかもCOP(エネルギー消費効率)も図ることが出来るものである。
【0053】
更に給湯混合弁(第1混合弁)37が高温側でロックし故障した場合では、ステップ60でNOとなり、ステップ64に進み給湯設定温度(第1給湯設定温度)−3℃以下かを判断し、YESではステップ65に進み同じく誤検知防止用に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで給湯混合弁(第1混合弁)37が低温側で故障したとして、給湯制御部55が給湯混合弁37の低温側故障エラーを出力することにより、ステップ66に進んで各リモコン5、7に給湯混合弁37の低温側故障エラー表示のみ行わせるものであり、低温側では火傷の危険がないのでエラー表示のみで、中温水混合弁30の固定制御は行わず通常の制御としているものである。
【0054】
次に図6と図10に示すように風呂の湯張り中に風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側でロックし故障した場合では、図12のフローチャートに示す如く、ステップ67で湯張り温度センサ45の検出する湯張り温度が、風呂設定温度(第2給湯設定温度)+3℃以上かを判断し、YESではステップ68に進み誤検知防止の為に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側で故障したとして、給湯制御部55が風呂混合弁41の高温側故障エラーを出力することにより、ステップ69に進んで各リモコン5、7に風呂混合弁41の高温側故障エラーを表示させ、そしてステップ70に進んで中温水混合弁30を出湯管8側を絞り中温水出湯管29側を優先させて固定制御を行い、火傷の危険がなく中温水も多く出湯出来、しかもCOP(エネルギー消費効率)も図ることが出来るものである。
【0055】
更に風呂混合弁(第2混合弁)41が高温側でロックし故障した場合では、ステップ67でNOとなり、ステップ71に進み風呂設定温度(第2給湯設定温度)−3℃以下かを判断し、YESではステップ72に進み同じく誤検知防止用に、これが5秒以上継続したかを判断して、YESで風呂混合弁(第2混合弁)41が低温側で故障したとして、給湯制御部55が風呂混合弁41の低温側故障エラーを出力することにより、ステップ73に進んで各リモコン5、7に風呂混合弁41の低温側故障エラー表示のみ行わせるものであり、低温側では火傷の危険がないのでエラー表示のみで、中温水混合弁30の固定制御は行わず通常の制御としているものである。
【0056】
次に図13と図14のフローチャートに示す他の実施形態について説明するが、図11と図12との同一部分には同じ符号を付して説明も省略し、相違部分のみ説明すると、最後のステップ74で、中温水混合弁30を出湯管8側を閉塞し中温水出湯管29側を全開にして固定するように給湯制御部55が制御し、給湯混合弁(第1混合弁)37或いは風呂混合弁(第2混合弁)41とが高温側で故障した場合には、完全に高温水側を閉じて中温水のみとして確実に火傷の危険を回避して、使い勝手より安全性を重視するようにしたものである。
【0057】
なお、この一実施形態では、熱交換器19と熱交循環ポンプ23と風呂循環ポンプ27とを貯湯タンクユニット1内に設けているが、貯湯タンクユニット1とは別体のユニット体に設けるようにしても良く、本発明の要旨を変更しない範囲での実施形態の変更をすることを妨げるものではない。
【0058】
また、この一実施形態では、熱交換器19の二次側に風呂循環回路26を設けているが、床暖房パネルや温水式温風暖房器や温水式パネルコンベクタ、温水式パネルラジエータ等の暖房循環回路を設けても良く、要は貯湯タンク16内の高温水の熱を熱交換器19で熱交換して利用する熱機器であれば何でも良いものである。
【0059】
さらに、貯湯タンク2内の湯水を加熱する手段としてヒートポンプ回路16を例示しているが、これに限られず、貯湯タンク2内に直接配置した電熱ヒータや、貯湯タンク2内の湯水を循環させて電熱ヒータで加熱するようにしても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の一実施形態の概略構成図。
【図2】同一実施形態の沸き上げ運転の作動を説明する図。
【図3】同一実施形態の給湯運転の作動を説明する図。
【図4】同一実施形態の給湯運転の作動を説明する図。
【図5】同一実施形態の給湯運転の作動を説明する図。
【図6】同一実施形態の湯張り運転の作動を説明する図。
【図7】同一実施形態の保温/追焚き運転の作動を説明する図。
【図8】同一実施形態の貯湯タンク内に中温水が存在する場合の給湯運転の作動を説明する図。
【図9】同一実施形態の貯湯タンク内に中温水が存在する場合の給湯運転の作動を説明する図。
【図10】同一実施形態の貯湯タンク内に中温水が存在する場合の給湯/湯張り同時運転の作動を説明する図。
【図11】同一実施形態の給湯運転中に給湯混合弁(第1混合弁)が故障した時のフローチャート。
【図12】同一実施形態の風呂運転中に風呂混合弁(第2混合弁)が故障した時のフローチャート。
【図13】他の実施形態の給湯運転中に給湯混合弁(第1混合弁)が故障した時のフローチャート。
【図14】他の実施形態の風呂運転中に風呂混合弁(第2混合弁)が故障した時のフローチャート。
【符号の説明】
【0061】
2 貯湯タンク
4 給湯栓(第1給湯端)
8 出湯管
9 給水管
16 ヒートポンプ回路(加熱手段)
29 中温水出湯管
30 中温水混合弁
37 給湯混合弁(第1混合弁)
38 第1バイパス管
41 風呂混合弁(第2混合弁)
43 第2バイパス管
44 湯張り管(第2給湯端)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側を絞り中温水出湯管側を優先の制御とした事を特徴とする貯湯式給湯装置。
【請求項2】
給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側閉塞で中温水出湯管側全開とした事を特徴とする貯湯式給湯装置。
【請求項1】
給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側を絞り中温水出湯管側を優先の制御とした事を特徴とする貯湯式給湯装置。
【請求項2】
給水管が下端部に接続されていると共に貯湯している高温水を流出させる出湯管が上端部に接続されている貯湯タンクと、この貯湯タンク内の湯水を高温に加熱する加熱手段と、熱交換により生成された中温水を前記貯湯タンクから流出させるための中温水出湯管と、前記出湯管からの高温水と前記中温水出湯管からの中温水を任意の所定温度に混合する中温水混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第1バイパス管からの低温水とを任意の第1給湯設定温度に混合して第1給湯端から給湯させる第1混合弁と、前記中温水混合弁で混合された湯と前記給水管から分岐された第2バイパス管からの低温水とを任意の第2給湯設定温度に混合して第2給湯端から給湯させる第2混合弁とを備えたものに於いて、前記第1混合弁或いは第2混合弁の少なくてもどちらか一方の高温側での故障では、中温水混合弁を出湯管側閉塞で中温水出湯管側全開とした事を特徴とする貯湯式給湯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−103386(P2009−103386A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277143(P2007−277143)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
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