説明

貯玉管理システム、貯玉管理方法及び、コンピュータプログラム

【課題】 貯玉データを適正に管理することができるシステムを提供する。
【解決手段】 貯玉管理システム20は、遊技者が貯玉データを獲得した遊技場を識別するための遊技場識別情報、その遊技場において当該遊技者を識別するための遊技場会員識別情報、遊技者を貯玉管理システム20内で識別するためのシステム識別情報を、相互に関連付けて記憶する。また、遊技場識別情報に関連付けて、この遊技場識別情報で識別される遊技場に貯玉データを有する遊技者の遊技場会員識別情報及び当該遊技者の貯玉データを記憶する。貯玉会員用端末装置30により、遊技者が貯玉データの確認操作を行うと、この操作内容を受信した貯玉管理システム20は、当該遊技者のシステム識別情報に関連付けられた遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報を読み出し、読み出した遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報により貯玉データを抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通常、遊技場側で管理している遊技者毎の貯玉データを、遊技場とは別個独立に管理する貯玉管理システムに関する。遊技者が遊技場で獲得して貯えた遊技価値、例えば玉やメダルが「貯玉」であり、貯玉の累積データが貯玉データである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機やパチスロ遊技機、コイン遊技機等の遊技機を設置した遊技場では、遊技者の来場を目的として様々なサービスが行われている。特に、遊技者が遊技によって得た遊技価値を遊技場内で景品と交換することは、最も代表的なサービスの一つである。
遊技場側では、景品交換サービスを行うために多種多様な景品を用意しており、遊技者は、獲得した遊技価値と等価の景品の中から希望する景品を選択して遊技価値と交換できるようになっている。なお、遊技場のスペースの問題等から予め遊技場内に用意できる景品が限られているため、カタログなどを用いて景品の選択を行えるなどして、景品の種類を増やす努力も行われている。
【0003】
最近は上記の景品交換サービスとは別のサービスとして、貯玉データを用いた再プレイを可能にする貯玉・再プレイサービスも運用されている。貯玉・再プレイサービスによって、遊技者は、複数回の遊技を行って貯玉を相当数貯めておいてから、より高価値の景品と交換することも可能となる。このことは、遊技者の遊技意欲の向上につながっていることが推測される。また、貯玉データを増やすために同じ遊技者が何度も来場して遊技するようになるために、遊技場側においては遊技者の恒常的な獲得につながることが期待されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貯玉・再プレイサービスにおいては、貯玉データの適正な管理が重要である。最近では、貯玉データの保全性を向上させるために、遊技場の他に第三者機関で貯玉データを管理することが行われている。第三者機関に記憶された貯玉データをバックアップとして、遊技場内の貯玉管理システムにトラブルが発生した場合でも遊技者の貯玉データが保証される。
【0005】
遊技者は、例えば遊技場内に備え付けられた端末装置によって、貯玉データを確認することができる。この端末装置は、遊技場で管理されている貯玉データについて遊技者に報知することができる。遊技者は、複数の遊技場で遊技を行うこともある。この場合、遊技者は、各遊技場に貯玉データを持つことになり、各々の遊技場に来場しなければ貯玉データを確認することができない。これは遊技者にとって大変不便である。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑み、貯玉データを適正に管理することができる仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、貯玉管理システム、貯玉管理方法及びコンピュータプログラムを提供する。
本発明の貯玉管理システムは、遊技者が遊技場で獲得した遊技価値の累積データである貯玉データを、当該遊技者を識別するための遊技者識別情報と関連付けて第1データベースに蓄積する貯玉データ管理手段と;遊技者が操作する端末装置からの前記貯玉データに関連付けられた前記遊技者識別情報を含む電文によるアクセスを契機に、当該遊技者に対してアクセス内容に応じて定めた財的価値をもつ価値データの獲得の機会を与えるとともに、これにより前記遊技者が獲得した価値データを、当該電文より抽出した遊技者識別情報と関連付けて第2データベースに蓄積する価値データ管理手段と;前記アクセスが前記貯玉データの照会要求のときは前記第1データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の貯玉データを抽出し、前記アクセスが前記価値データの照会要求のときは前記第2データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の価値データを抽出し、抽出した貯玉データ又は価値データを前記端末装置から当該遊技者に提示させる制御手段;とを有する。
【0008】
このような貯玉管理システムは、遊技場側の情報処理システムを介さずに、遊技者が操作する端末装置から直接アクセスして、様々なサービスの提供を受けることができる。例えば遊技者は、貯玉データを確認するために遊技場に足を運ぶ必要がなく、端末装置を通じて貯玉データを確認することができる。また、その際、アクセス内容に応じて価値データの獲得の機会が与えられるため、システム利用の強い動機付けもなされる。
【0009】
本発明が提供する貯玉管理方法は、遊技者が遊技場で獲得した遊技価値の累積データである貯玉データを当該遊技者を識別するための遊技者識別情報と関連付けて遊技場側の情報処理システムに蓄積する段階と;前記情報処理システムと独立に存在する貯玉管理システムが、前記情報処理システムから前記遊技者識別情報により関連付けられた貯玉データを受信し、受信した貯玉データを前記遊技者識別情報と関連付けて第1データベースに蓄積する段階と;前記貯玉管理システムが、遊技者が操作する端末装置からの前記貯玉データに関連付けられた前記遊技者識別情報を含む電文によるアクセスを契機に、当該遊技者に対してアクセス内容に応じて定めた財的価値をもつ価値データの獲得の機会を与えるとともに、これにより前記遊技者が獲得した価値データを、当該電文より抽出した遊技者識別情報と関連付けて第2データベースに蓄積する段階と;前記貯玉管理システムが、前記アクセスが前記貯玉データの照会要求のときは前記第1データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の貯玉データを抽出し、前記アクセスが前記価値データの照会要求のときは前記第2データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の価値データを抽出し、抽出した貯玉データ又は価値データを前記端末装置に送出させる段階と;前記端末装置が、前記貯玉データ又は価値データを前記遊技者に提示する段階と;を有する貯玉管理方法である。
【0010】
本発明が提供するコンピュータプログラムは、遊技者が操作する端末装置との間で通信を行う機能を有するコンピュータを;遊技者が遊技場で獲得した遊技価値の累積データである貯玉データを、当該遊技者を識別するための遊技者識別情報と関連付けて第1データベースに蓄積する貯玉データ管理手段;遊技者が操作する端末装置からの前記貯玉データに関連付けられた前記遊技者識別情報を含む電文によるアクセスを契機に、当該遊技者に対してアクセス内容に応じて定めた財的価値をもつ価値データの獲得の機会を与えるとともに、これにより前記遊技者が獲得した価値データを、当該電文より抽出した遊技者識別情報と関連付けて第2データベースに蓄積する価値データ管理手段;前記アクセスが前記貯玉データの照会要求のときは前記第1データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の貯玉データを抽出し、前記アクセスが前記価値データの照会要求のときは前記第2データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の価値データを抽出し、抽出した貯玉データ又は価値データを前記端末装置から当該遊技者に提示させる制御手段;として機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技者は、遊技場に足を運ばなくても端末装置を通じて貯玉管理システムにアクセスすることにより、自己が獲得した貯玉データを確認することができる。また、アクセス内容に応じた価値データを獲得する機会が貯玉管理システムより与えられ、入賞したときは相応の価値データを獲得できるので、システム利用の強い動機付けを遊技者に与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の貯玉管理システムを適用した遊技管理システムの一実施形態を示す全体構成図である。遊技管理システム1は、通常、複数の遊技場の各々の場内に設置される情報処理システムである遊技場システム10、遊技場の運営者と異なる第三者機関に設置される貯玉管理システム20、及び遊技者が操作可能な貯玉会員用端末装置30の各個別システムを含んで構成される。貯玉会員用端末装置30は、遊技場内外の任意の場所に設置される。複数の遊技場システム10と貯玉管理システム20、及び、貯玉管理システム20と複数の貯玉会員用端末装置30は、それぞれ広域ネットワークを通じて双方向通信可能な形態で接続される。
【0013】
遊技管理システム1では、遊技者が遊技場で「遊技場会員」の登録を行うことで、当該遊技場の遊技場システム10に貯玉口座が開設される。遊技場会員には、登録された遊技場システム10内で他の遊技者と識別するための「遊技場会員識別情報」が割り当てられる。この遊技場会員識別情報によって、遊技場会員が特定できるようになっている。遊技場システム10に開設された貯玉口座の内容、すなわち、遊技により獲得した貯玉データは、貯玉管理システム20にも記憶される。貯玉管理システム20は、遊技場システムを識別するために各遊技場に「遊技場識別情報」を割り当てており、この遊技場識別情報によって、遊技場システム10つまり遊技場を特定できるようになっている。
【0014】
いずれかの遊技場で遊技場会員となった遊技者は、貯玉管理システム20にさらに会員登録を行うことで、「貯玉会員」として貯玉管理システム20に記憶された自分自身の貯玉データを何時でも確認することができる。
遊技者は、例えば貯玉会員用端末装置30により貯玉管理システム20にアクセスして会員登録を行う。遊技場システム10から会員登録を行うこともできる。貯玉管理システム20は、貯玉会員を一意に識別するために、各貯玉会員に固有の「システム識別情報」を割り当てており、システム識別情報によって貯玉会員を特定できるようになっている。
貯玉管理システム20には、「システム識別情報」と「遊技場識別情報」及び「遊技場会員識別情報」とが互いに関連付けされて記憶されており、システム識別情報から遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報がわかるようになっている。貯玉会員が複数の遊技場で遊技場会員になっている場合には、システム識別情報からすべての遊技場における遊技場会員識別情報がわかるようになっている。
以下、これらの各個別システムを詳細に説明する。
【0015】
<遊技場システム>
遊技場システム10は、遊技場内において遊技場会員に遊技サービスを提供するための複数の遊技機(図示せず)の管理を行うとともに、遊技場会員の貯玉口座に貯えられる貯玉データを遊技場会員毎に記憶する。貯玉データは、貯玉・再プレイサービスに用いる他に、遊技場会員の申し出により所定の換算率で景品に交換されても良い。遊技場システム10は、自身に割り当てられている遊技場識別情報とともに貯玉データを貯玉管理システム20に送信する。貯玉管理システム20への貯玉データの送信は、例えば1日の営業が終了して、遊技場システム10内で各遊技場会員の貯玉データの集計が終えたタイミングで行われる。遊技機の管理については、本願発明とは直接関係がないので、詳細な説明は省略する。
【0016】
遊技場システム10は、種々の周辺機器が接続され、通信機能を備えた一種のコンピュータシステムであり、図2に例示されるように、遊技場会員を認証するためのデータが入力されるデータ入力部11、遊技者が遊技場会員として登録された遊技者かどうかを確認する個人認証部12、貯玉数が入出力される遊技価値管理部13、会員認証に用いるための遊技場会員の個人情報を遊技場会員データベース(以下、データベースを「DB」と略す)14を用いて管理するとともに、入力された貯玉数を遊技場会員毎に貯玉DB15を用いて管理する遊技場会員管理部16、貯玉管理システム20との間で双方向の暗号通信を行うためのデータ送受信部17、各種データを出力するためのデータ出力部18、及び制御部19の機能ブロックを少なくとも備えて構成される。
【0017】
データ入力部11は、周辺機器の一つであるカード挿入機構、機能選択又は新たに生じた遊技価値、貯玉データの引き落とし指示その他の指示を入力するためのテンキー、選択された機能ないし入力されたデータに基づく各種演算を行うための演算手段、上記コンピュータシステムとの間のデータ入出力インタフェースを備えた公知のカードリーダライタ等の少なくとも一つを有するものである。
遊技価値管理部13は、遊技場会員が遊技によって獲得した遊技価値(玉数、メダル数等)を計数する計数機(図示省略)と上記コンピュータシステムとの間のインタフェースである。
【0018】
データ出力部18は、小型液晶ディスプレイ、音声出力装置、またはプリンタ等の情報出力手段及び上記コンピュータシステムとの間のインタフェース手段である。
小型液晶ディスプレイは、各種データやメッセージ等を、遊技場の担当者または遊技場会員が視認できる形態でほぼリアルタイムに提示(表示)するものであり、音声出力装置はメッセージ等を合成音声によって遊技場会員に提示(視聴)するものであり、プリンタはレシート印刷の形でメッセージ等を遊技場担当者または遊技場会員に提示(印刷出力)するものである。これらをすべて具備して出力するデータ等を様々な形態で提供することはサービス向上の観点からは望ましいが、データ等を提示すれば足りるという観点からは、いずれか一つを具備する構成であっても良い。このデータ出力部18は、データ入力部11と一体構成のものであっても良い。
【0019】
データ送受信部17は、例えば公衆通信網を用いて貯玉管理システム20との間で仮想専用線ネットワーク(VPN)を構築にするためのネットワーク用品(セキュリティ・ルータ等)及び上記コンピュータシステムに搭載されたオペレーティングシステム(以下、「OS」という)に上記ネットワーク用品の制御を行なわせるための通信制御プログラムである。「VPN」を実現するための技術については、例えば「日経オープンシステム」No.46(1997年1月)p234等に詳細に記述されている。VPNを実現するためのネットワーク用品及び通信制御プログラムについても既に製品化されているので、これを用いることが便利である。
なお、本実施形態では、遊技場会員に関するデータというセキュリティ性が要求されるデータの送受信を行うことから暗号通信方式を採用するものであるが、VPN以外の他の暗号通信方式を用いても良いのは勿論である。
【0020】
遊技場会員DB14は、遊技場会員となった遊技者の氏名、住所等の個人情報を、遊技場会員識別情報に関連付けして記憶するものである。また、遊技場会員の遊技履歴(遊技日時等)を記憶する。遊技場会員DB14の内容は、遊技場会員の新規登録、削除、個人情報の変更、遊技履歴の更新等に応じて更新される。図3は、このような遊技場会員DB14の内容例を示した図である。
貯玉DB15は、遊技場会員の貯玉データを、当該遊技場会員の遊技場会員識別情報に関連付けして記憶する。貯玉DB15の内容は、遊技場会員の貯玉の蓄積、使用等の申し出に応じて更新される。図4は、このような貯玉DB15の内容例を示した図である。
遊技場会員DB14及び貯玉DB15は、例えば上記コンピュータシステムの大容量記憶装置内に形成される。
【0021】
個人認証部12、遊技場会員管理部16、及び制御部19については、上記コンピュータシステムのOSが所定の(アプリケーション)プログラムを読み込んで実行することにより形成される機能ブロックである。
【0022】
個人認証部12は、データ入力部11から入力されたデータにより、遊技場会員DB14を参照して遊技場会員の認証を行う。認証が行われると、遊技場会員は、当該遊技場会員の貯玉口座に貯えられた貯玉データを使用することができるようになる。
【0023】
遊技場会員管理部16は、遊技場会員DB14及び貯玉DB15を管理する。具体的には、これらのDB14,15へのデータの記録、読み出し、並びに、記録されたデータの更新等を行う。遊技場会員管理部16は、また、遊技者の会員登録の際に入力される個人情報に遊技場会員識別情報を割り当て、遊技場会員DB14に記憶させる。また、遊技者の会員登録の際に、割り当てた遊技場会員識別情報に関連付けして貯玉口座を貯玉DB15に設ける。
【0024】
制御部19は、遊技場システム10の各構成要素の動作を制御するものである。また、遊技場システム10から貯玉管理システム20へ送信する各種電文を作成するとともに、貯玉管理システム20から受信した電文を解読して、解読した電文に応じた処理を各構成要素に実行させる。
【0025】
<貯玉管理システム>
貯玉管理システム20は、複数の遊技場の各々に設置される遊技場システム10より受信した各遊技場の遊技場会員の貯玉データ、遊技者が遊技とは別に獲得した財的価値を表す価値データを一元管理する。この貯玉管理システム20は、各遊技場システム10の貯玉データのバックアップシステムとしての役割も有する。通常、貯玉管理システム20は、各遊技場システム10から1日1回貯玉データを受信して、関連データの更新を行う。但し、各遊技場システム10からリアルタイムで貯玉データを受信し、データの更新を行う運用も可能である。
遊技場会員が、貯玉管理システム20に登録することにより貯玉会員となる。貯玉会員は、貯玉管理システム20から直接種々のサービスを受けることができる。貯玉管理システム20は、また、所定の条件を満たす貯玉会員に対して価値データの一例となるポイントを付与する。所定の条件とは、例えば本システムの利用が挙げられる。例えば利用状況に応じたポイントを貯玉会員に付与する。このポイントの扱いについては、後述する。
【0026】
貯玉管理システム20もまた、通信機能を備えた一種のコンピュータシステムである。図5は、コンピュータシステムが本発明のコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより形成される貯玉管理システム20の機能ブロック図である。貯玉管理システム20は、データ送受信部21、個人認証部22、貯玉会員についてのデータを貯玉会員DB23を用いて管理する貯玉会員管理部25、遊技場毎に貯玉DB24を用いて貯玉データを管理する貯玉管理部26、貯玉会員に付与されるポイントを貯玉会員DB23を用いて管理するポイント管理部27、抽選を行う抽選部28、及び制御部29を少なくとも備えて構成される。
【0027】
データ送受信部21は、遊技場システム10及び貯玉会員用端末装置30との間で双方向の通信、好ましくは暗号通信を行うためのものである。データ送受信部21の機能は、例えば前述のようなVPNを構築するためのネットワーク用品及び通信制御プログラム、あるいはその同等品を利用することにより容易に実現することができる。
【0028】
貯玉会員DB23は、貯玉会員となった遊技者の属性情報、例えば氏名、住所等の個人情報、付与されている価値データ、当該貯玉会員が遊技場会員となっている遊技場の遊技場識別情報、遊技場会員識別情報、及び当該貯玉会員のシステム識別情報を相互に関連付けて記憶するものである。
貯玉会員が複数の遊技場で遊技場会員となっている場合には、すべての遊技場の遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報を記憶する。貯玉会員DB23の内容は、貯玉会員の新規登録、削除、個人情報の変更等に応じて更新される。図6は、このような貯玉会員DB23の例示図である。図6の例では、貯玉会員が2つの遊技場の遊技場会員であり、遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報がそれぞれ2つある。
【0029】
貯玉DB24は、遊技場システム10から送られてくる貯玉データを遊技場毎に記憶するものである。図7は、このような貯玉DB24の例示図である。図7の例では、遊技場を特定するための遊技場識別情報を、当該遊技場から送られてくる貯玉データに関連付けて記憶している。このような構成では、遊技場識別情報と遊技場会員識別情報を特定することにより、所望の遊技場における遊技場会員の貯玉データを特定できるようになる。貯玉DB24は、遊技場システム10から貯玉データが送られてくるたびに更新される。通信負荷の軽減を重視する場合は、更新は1日1回程度とする。通信負荷が問題にならない場合の更新は、1日数回あるいはリアルタイムであっても良い。
貯玉データは、遊技場システム10の貯玉DB15に記録されている貯玉データと同じ内容のものとなる。例えば貯玉DB15の内容を複写して、これに取得元の遊技場の遊技場識別番号を付与して管理することにより貯玉DB24を構築することができる。
【0030】
貯玉会員のシステム識別情報により、貯玉会員DB23を参照して当該貯玉会員が遊技場会員となっている遊技場の遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報が特定される。この遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報により、貯玉DB24を参照して当該貯玉会員の貯玉データが特定される。つまり、貯玉会員のシステム識別情報により、貯玉会員の貯玉データを検索することができる。貯玉会員が複数の遊技場の遊技場会員である場合でも、すべての遊技場の貯玉データを検索することができる。
貯玉会員DB23及び貯玉DB24は、例えば上記コンピュータシステムの大容量記憶装置内に形成される。
【0031】
個人認証部22、貯玉会員管理部25、貯玉管理部26、ポイント管理部27、抽選部28、及び制御部29は、貯玉管理システム20を構築するためのコンピュータシステムのOSが所定の(アプリケーション)プログラムを読み込んで実行することにより形成される機能ブロックである。
【0032】
個人認証部22は、貯玉管理システム20へのアクセスを許可するための個人認証を行う。個人認証部22は、貯玉会員用端末装置30からデータ送受信部21を介して入力される貯玉会員のシステム識別情報を含んだ電文により、会員DB23を参照して貯玉会員の認証を行う。認証が行われると、貯玉会員は、貯玉管理システム20が会員に対して提供する各種サービスを受けることができるようになる。
【0033】
貯玉会員管理部25は、貯玉会員DB23の内容を管理する。例えば、遊技者の会員登録の際に入力される個人情報にシステム識別情報を割り当て、これを貯玉会員DB23に記憶させる。
遊技者の会員登録は、例えば遊技者が貯玉会員用端末装置30により、その遊技者が貯玉データを有する遊技場システム10の遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報を含む個人情報を入力することにより行われる。また、貯玉会員用端末装置30から貯玉会員による貯玉の確認の依頼があると、そのシステム識別情報にもとづいて貯玉会員DB23から当該貯玉会員の遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報を読み出す。なお、遊技者に関する上記の各情報は、貯玉会員用端末装置30からだけでなく、図示しないデータ入力手段(例えばテンキー、キーボード、カードリーダ等)から直接入力するようにしても良い。
【0034】
貯玉管理部26は、遊技場システム10から受信した貯玉データをもとに貯玉DB24の記録、更新、削除等を行う。また、貯玉会員から貯玉照会の要求があると、貯玉DB24から当該貯玉会員の貯玉データを抽出する。これにより、貯玉会員は、貯玉管理システム20で管理している貯玉データを確認できるようになる。
【0035】
ポイント管理部27は、貯玉管理システム20に登録された貯玉会員の個人情報をキーとして、ポイントを管理する。上述したように、ポイントは、貯玉会員のシステム利用状況、例えば貯玉管理システム20の提供する貯玉照会などのサービスを受けたことに対して、利用状況に応じて付与する一種の価値データである。ポイントは、貯玉会員が景品交換を行うときの数値データであっても良く、貯玉会員が使用する優待引替クーポンであっても良く、システム側が独自に提供するサービス、例えば後述する自律的な抽選処理を可能するための基準データであっても良い。ポイント管理は、例えば、予め定めたサービスの内容とポイント数とを関連付けてテーブル化しておき、貯玉会員が利用したサービスの識別情報をもとに該当するポイント数をその貯玉会員に付与することで行う。遊技者が獲得したポイントは、当該貯玉会員のシステム識別情報と関連付けて貯玉会員DB23に蓄積される。
【0036】
抽選部28は、貯玉会員のための抽選処理を行い、入賞(アタリ)のときには、その貯玉会員に特別のサービスを与えるための処理及びそれに付随する処理を行う。ここにいう抽選処理は、後述する貯玉会員用端末装置30から送られる抽選部34からの抽選結果に基づいて行われる。特別のサービスとは、例えばポイント数を増加させ、又は増加するポイントと等価の財的情報、例えば、景品供与、景品との交換券の発行、優待引替クーポンの発行を受ける権利の付与等を内容とする特典情報を付与することである。この特典情報も、ポイントと同じく価値データの一例となるものである。この特典情報も貯玉会員DB23にシステム識別情報と関連付けて蓄積される。また、付随する処理は、例えば会員管理部25を通じて行う貯玉会員DB23への記録(更新)、上記の特典情報を実現するための関係機関への通知処理、ポイントの更新等である。抽選部28による処理の結果は、制御部29を通じて貯玉会員用端末装置30に送られる。
【0037】
制御部29は、貯玉管理システム20の各構成要素の動作を制御するものである。制御部29は、また、貯玉管理システム20から各遊技場システム10及び貯玉会員用端末装置30へ送信する各種電文を作成するとともに、各遊技場システム10及び貯玉会員用端末装置30から受信した電文を解読して、解読した電文に応じた処理を各構成要素あるいはアクセスしてきた貯玉会員用端末装置30に実行させる。
【0038】
<貯玉会員用端末装置>
貯玉会員用端末装置30は、貯玉管理システム20にアクセスするための装置であり、通常は、貯玉管理システム20の貯玉会員によって操作される。上記のアクセスは、例えば、会員登録情報の入力/照会/変更、貯玉会員についての貯玉データ、ポイント又は特典情報の照会、貯玉データ又はポイントの引き落としの指示等である。これにより、貯玉会員は、会員登録、自身の貯玉データ、価値データ(ポイント、特典情報)の確認等を、遊技場外から何時でも行うことができる。貯玉データについていえば、貯玉会員は、複数の遊技場で遊技場会員となっている場合でも、各遊技場に足を運ばずに一つの貯玉会員用端末装置30によりすべての遊技場における貯玉データを確認することができる。
【0039】
貯玉会員用端末装置30も通信機能を備えた一種のコンピュータシステムであり、図8に示されるように、データ送受信部31、データ入力部32、データ出力部33、抽選部34、及び制御部35を少なくとも備えて構成される。
【0040】
データ送受信部31は、貯玉管理システム20との間で双方向の暗号通信を行うためのものであり、前述のようなVPNを構築するためのネットワーク用品及び通信制御プログラム、あるいはその同等品である。
【0041】
データ入力部32は、周辺機器の一つであるカード挿入機構、機能選択又は新たに生じた遊技価値あるいは貯玉データの引き落とし、価値データの引き落としデータ等を入力するためのテンキー、選択された機能ないし入力されたデータに基づく各種演算を行うための演算手段、上記コンピュータシステムとの間のデータ入出力インタフェースを備えた公知のカードリーダライタ等である。
【0042】
データ出力部33は、小型液晶ディスプレイ、音声出力装置またはプリンタ等の情報出力手段及び上記コンピュータシステムとの間のインタフェース手段である。
小型液晶ディスプレイは、各種データやメッセージ等を遊技場の担当者または貯玉会員に視認可能な形態で実時間提示するものであり、音声出力装置はメッセージ等を合成音声によって貯玉会員に提示するものであり、プリンタは貯玉会員に付与されている通帳にその時点の貯玉データを印字するものである。これらをすべて具備して各々出力するデータ等を異なるものにすることはサービス向上の観点からは優れているが、データ等を提示すれば足りるという観点からは、例えばプリンタだけを具備する構成であっても良い。
なお、このデータ出力部33は、データ入力部32と一体構成の、例えばタッチパネル式ディスプレイのようなものであっても良い。
【0043】
抽選部34及び制御部35は、貯玉会員用端末装置30を構築するためのコンピュータシステムのOSが所定の(アプリケーション)プログラムを読み込んで実行することにより形成される機能ブロックである。
【0044】
抽選部34は、貯玉会員に対して抽選の機会を与えるための処理を行う。例えば、貯玉会員が、貯玉会員用端末装置30を操作する際に、小型液晶ディスプレイの初期画面にゲーム用画面を形成する。そして、このゲーム用画面に対する貯玉会員の操作内容により、所定の確率で「アタリ」又は「ハズレ」を決定する。「アタリ」が入賞となる。抽選結果は、直ちに小型液晶ディスプレイに表示することなく、制御部35に送られる。抽選部34は、また、貯玉管理システム20から受け取った抽選処理の結果に基づいて、抽選結果処理を行う。
制御部35は、貯玉会員用端末装置30の各構成要素の動作を制御するものである。また、貯玉会員用端末装置30から貯玉管理システム20へ送信する各種電文を作成するとともに、貯玉管理システム20から受信した電文を解読して、解読した電文に応じた処理を各構成要素に実行させる。
【0045】
[遊技管理システム1の運用形態]
次に、上記のように構成される遊技管理システム1の運用形態を説明する。ここでは、貯玉会員からの照会要求に応じて、その貯玉会員に対して貯玉データを提示するときの動作例を説明する。前提として、遊技場毎の貯玉データが予め貯玉管理システム20の貯玉DB24に記憶されているものとする。また、貯玉データの提示を求める貯玉会員は、1以上の遊技場の遊技場会員であり、且つ貯玉管理システム20に登録した貯玉会員であるものとする。
【0046】
貯玉会員に対して貯玉データを提示するときの処理の流れを図9に示す。図9を参照すると、貯玉会員は、貯玉会員用端末装置30のデータ入力部32から自身のシステム識別情報及び貯玉データの提示要求を入力する。これにより、貯玉会員用端末装置30において、貯玉提示処理が開始される(ステップS10)。
貯玉提示処理が開始されると、貯玉会員用端末装置30は、抽選部34により上記の抽選の機会を貯玉会員に与え、その結果を制御部35に送る(ステップS20)。
制御部35は、データ入力部32から入力されたシステム識別情報、貯玉データの提示要求、並びに、抽選部34の出力結果に基づいて、「システム識別情報・貯玉照会電文」を作成する。このシステム識別情報・貯玉照会電文は、データ送受信部31から貯玉管理システム20へ送信される(ステップS30)。
【0047】
貯玉管理システム20は、貯玉会員用端末装置30から送信されてくるシステム識別情報・貯玉照会電文をデータ送受信部21により受信する(ステップS40)。受信されたシステム識別情報・貯玉照会電文は、制御部29により解読される。制御部29は、電文を解読した内容によって貯玉管理システム20の各構成要素を制御する。これにより、貯玉管理システム20は、貯玉照会処理を開始する。
【0048】
貯玉照会処理では、まず、個人認証部22及び貯玉会員管理部25により貯玉会員の認証、特定を行う(ステップS50)。個人認証部22は、システム識別情報・貯玉照会電文のシステム識別情報により、貯玉会員DB23を参照して当該システム識別情報に該当する貯玉会員の認証を行う。貯玉会員管理部25は、貯玉会員DB23を参照することで、システム識別情報により、当該貯玉会員が遊技場会員として登録されている遊技場の遊技場識別情報及びその遊技場における当該貯玉会員の遊技場会員識別情報を読み出す。
【0049】
貯玉会員管理部25により読み出された遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報は、貯玉管理部26に送られる。貯玉管理部26は、遊技場識別情報及び遊技場会員識別情報により、貯玉DB24を参照して、当該貯玉会員の貯玉データを抽出する(ステップS60)。
【0050】
次いで、制御部29は、受信したシステム識別情報・貯玉照会電文に含まれる抽選結果の「アタリ」、「ハズレ」を確認する。「アタリ」の場合には、抽選部28により抽選処理を行う(ステップS70:アタリ、ステップS80)。すなわち、価値データの付与並びにそれに付随する処理を行い、その結果情報を制御部29に送る。「ハズレ」の場合には、その旨を表す情報を制御部29に送る。
制御部29は、貯玉管理部26により呼び出した貯玉データ及び抽選部28から出力される情報を含む貯玉データ・抽選結果電文を作成し、これを貯玉会員用端末装置30に送信する(ステップS90)。
貯玉データ・抽選結果電文の送信が終了すると、貯玉管理システム20による貯玉照会処理が終了する(ステップS100)。
貯玉照会処理の終了に際しては、ポイント管理部27により、貯玉照会を行ったことに対して相当のポイントを当該貯玉会員に付与する。それに伴い、貯玉会員DB23の当該貯玉会員のポイント数が更新される。
【0051】
貯玉管理システム20から貯玉データ・抽選結果電文を受信した貯玉会員用端末装置30は、制御部35により、この電文中に含まれる抽選結果を確認する(ステップS110、S120)。その結果が「アタリ」であれば、アタリに応じた処理を行う(ステップS120:アタリ、ステップS130)。アタリ処理は、アタリ表示、ポイント又は特典情報の付与並びにそれに付随する処理である。
【0052】
アタリ処理の終了又は抽選結果が「ハズレ」であれば、データ出力部33により貯玉データの表示及び記帳を行う(ステップS140)。記帳の終了により、貯玉データの提示の処理が終了する(ステップS150)。
【0053】
以上のような処理により、貯玉会員は、自身が遊技場会員となっているすべての遊技場の貯玉データを、1つの貯玉会員用端末装置30により確認することができる。
貯玉会員は、貯玉提示処理を開始して記帳が終了するまでの間(ステップS10〜ステップS150)、貯玉会員用端末装置30の前で待機することになる。そこでこの間を利用して、貯玉会員用端末装置30のデータ出力部33により、システム運営者の指示又は他の企業等の依頼に応じた広告・宣伝情報(コマーシャルメッセージ等の各種情報)の提供を行うようにしても良い。この広告・宣伝情報は、図示しない広告・宣伝DBに蓄積しておき、適宜、制御部29が読み出して貯玉会員端末30に表示させるための制御を行う。
あるいは、貯玉管理用情報端末30の抽選部34の機能として、待機中の待ち受け画面にも、ゲーム用画面を小型液晶ディスプレイに表示させ、この待ち受け画面において貯玉会員に抽選の機会を与えるようにしても良い。
【0054】
なお、ステップS20の貯玉会員用端末装置30による抽選及びステップS80の貯玉管理システム20による抽選は、貯玉管理システム20に登録された貯玉会員への貯玉管理システム20からのサービスであり、遊技場システム10とは無関係に行われるのが原則であるが、抽選の結果、入賞したときに貯玉データを加算するという運用も可能である。このときは、入賞の種類と加算する貯玉データとの対応テーブルを設けておけば良い。
【0055】
また、貯玉管理システム20の抽選部28と、貯玉会員用端末装置30の抽選部34の機能を上述した内容と別のものにしても良い。例えば、抽選部34は、小型液晶ディスプレイのメニュー画面の中に、抽選の項目を設け、貯玉会員に上述のポイントのいくつか、あるいは貯玉データを支払わせること等によりゲーム用画面を形成するようにしても良い。また、抽選部28は、貯玉会員が自律的に抽選を行うものではなく、所定の資格を持つ貯玉会員のためにシステム側が任意のタイミングで行うようにしても良い。資格は、例えば、会員登録から1年経過、システムの継続利用1ヶ月、所定のポイント獲得等のようなものである。
【0056】
貯玉会員用端末装置30は、情報KIOSK端末装置等を用いた専用端末装置であっても良いが、貯玉システム20にWWW(World Wide Web)サーバを構築することで、ブラウザを搭載したより汎用性のある、パーソナルコンピュータや携帯電話等により実現することもできる。
【0057】
[他の実施の形態]
上述の遊技管理システムは、貯玉管理システムが1つの場合の例であるが、貯玉管理システムは、複数存在しても良い。例えば図10は、2つの貯玉管理システムAと貯玉管理システムBとを連携動作させた遊技管理システム2の構成例を示している。
この遊技管理システム2における貯玉管理システムA40と貯玉管理システムB50との関係は、図11に示すとおりである。1つの貯玉管理システム20の機能ブロック構成例を示した図5との関係では、貯玉管理システム20の機能ブロック21〜29と同等のものを貯玉管理システムB50の機能ブロック51〜59として具える。但し、貯玉管理部56は、後述するレプリカに基づいて貯玉DB54を構築し、変化があったときには更新する機能が付加される。
【0058】
貯玉管理システムA40は、貯玉管理システム20の機能ブロックのうち、データ送受信部21と同等のデータ送受信部41、貯玉DB24と同等の貯玉DB44を具えるようにする。貯玉管理部46は貯玉管理部26の機能のほか、貯玉DB44と同一の内容のレプリカを作成するとともに、貯玉DB44の記録内容に変化が生じたときに、その変化に連動してレプリカに反映させる機能を有する。制御部49は、制御部29の機能のほかに、レプリカを貯玉管理システムB50に送出させるための制御を行う。そして、貯玉管理システムA40には貯玉DB送信部60を設け、貯玉管理システムB50には、貯玉DB送信部60から送られたデータを受信するための貯玉DB受信部61を設けている。
貯玉DB54は上記のレプリカに基づいて貯玉管理部56より構築されるもので、貯玉DB44に記録された各貯玉会員の貯玉データが変化するたびに、その変化内容が、貯玉DB送信部60を通じて貯玉DB受信部61に伝わり、貯玉管理部56及び制御部59により貯玉DB54の記録内容に反映される。
【0059】
このように構成される遊技管理システム2は、貯玉管理システムA40のデータ送受信部41が遊技場システム10との間でのみデータ送受信を行い、頻繁にアクセスされる可能性が高い貯玉会員用端末装置30と分離されるので、トラフィック輻輳が回避され、効率的な通信が可能になる利点がある。例えば、貯玉管理システムA40は、バッチ処理で全貯玉会員の貯玉データを大量に取り扱い、他方、貯玉管理システムB50は、多数の貯玉会員用端末装置30との間で少ないデータ量で通信を行うという運用が可能になる。逆に、このように分離しないと、貯玉管理システムA40と遊技場システム10との通信中に、貯玉会員用端末装置30からアクセスがあると、その貯玉会員用端末装置30への待ち時間が非常に長くなるおそれがある。また、複数の貯玉管理システムA40を一つの貯玉管理システムB50で一元管理することができる。
【0060】
遊技管理システム2は、また、頻繁に生じる可能性のある詳細な運用変更にも柔軟に対応することができる。例えば貯玉管理システムA40は、外部との間で限定されたデータを扱うので変更は殆ど生じないが、貯玉会員用端末装置30を相手にする貯玉管理システムB50の機能は詳細な変更が頻繁に生じる可能性が高い。通常、システムの運用変更が生じると、未変更の部分に影響を与えないことの確認作業が不可欠になるが、この実施形態によれば、その確認作業を軽減することができる。例えば、変更時には貯玉管理システムB50でデバッグを行い、貯玉管理システムA40との通信部分のみの確認で済ますことができる。また、貯玉管理システムB50は、貯玉会員用端末装置30との間でのみデータ送受信を行うため、貯玉会員用端末装置30から貯玉DB44への不正アクセスの余地を無くすこともできる。
【0061】
[他の実施の形態]
図12は、図10に例示した構成の遊技管理システム2の変形例を示した図である。この遊技管理システム3は、貯玉管理システムB70にアクセスできる端末装置として、貯玉会員用端末装置30のほか、提携法人に配備される提携法人用端末装置80と、貯玉会員用端末装置30の管理法人に配備される管理法人端末装置90とを加えたものである。提携法人用端末装置80は、抽選入賞時の特典情報、表示ないし印字用のコマーシャル情報等を貯玉管理システムB50に設定する。貯玉会員用端末装置管理法人用端末装置90は、抽選入賞の条件、入賞時の特典の選択情報、表示ないし印字用のコマーシャル情報を貯玉管理システムB50に設定する。
【0062】
貯玉管理システムA40,B70が有する機能ブロックは図13に示すとおりとなる。図11に示した遊技管理システム2との対比では、データ送受信部71はデータ送受信部51、個人認証部72は個人認証部52、貯玉会員DB73は貯玉会員DB53、貯玉DB74は貯玉DB54、貯玉会員管理部75は貯玉会員管理部55、貯玉管理部76は貯玉管理部56、ポイント管理部77はポイント管理部57、抽選部78は抽選部58、制御部79は制御部59、貯玉DB受信部62は貯玉受信部61と、それぞれ同じ機能のものである。貯玉管理システムB70は、サービスDB63とサービス管理部64とを付加している。サービスDB63には、提携法人用端末装置80及び貯玉会員用端末装置管理法人用端末装置90より設定された上記の各種情報が記録され、サービス管理部64は、そのためのDB管理を行う。サービス管理部64は、また、抽選部78における抽選又は貯玉会員用端末装置30に表示ないし印字させるコマーシャル情報の、提供側の条件設定及び提供を受ける側の選択条件等を設定する。
【0063】
この実施形態の遊技管理システム3では、抽選部78の抽選に、コマーシャル情報を提供する提携法人が相乗りして当選確率を変更させることで、抽選の仕組みを提携法人の宣伝に活用できる利点がある。また、抽選とは別に、貯玉会員用端末装置30の初期画面等に貯玉会員用端末装置管理法人又は提携法人のコマーシャル情報を効果的に表示することができる利点がある。
【0064】
[他の実施の形態]
図14は、図1に示した遊技管理システム1の変形例を示している。この遊技管理システム4は、貯玉会員の属性情報、例えば、貯玉会員の個人情報及びシステム識別情報の登録の扱いにフレキシブル性をもたせたものである。すなわち、貯玉管理システム20における貯玉会員DB23の内容が、貯玉会員の新規登録、削除、個人情報の変更等に応じて更新される点は上述したとおりであるが、この会員DB23への属性情報の新規登録、削除、変更のルートとして、貯玉会員端末装置30だけでなく、複数の遊技場システム10、遊技者用のパソコンあるいは携帯端末100も加えたものである。
【0065】
例えば、複数の遊技者システム10のいずれかにおいて登録した属性情報、遊技者用のパソコンあるいは携帯端末で登録又は仮登録した属性情報も貯玉会員DB23に新規登録できるようにした。また、既に貯玉会員DB23に登録されている属性情報を遊技場システム10に登録できるようにした。登録に際しては日付及び時刻情報も登録され、この情報をキーとして、複数箇所に登録されている属性情報を常に最新のものに同期して更新する機能も付加している。これは、登録機能及び同期更新機能を貯玉管理システム20の貯玉会員管理部25に持たせるとともに、制御部29に、接続されているすべての端末装置との間で双方向の登録内容の連絡通信を定期的に行う機能を付加することにより実現することができる。
【0066】
このような機能は、図15に示した遊技管理システム5においても付加することができる。この遊技管理システム5は、図10に示した遊技管理システム2又は図12に示した遊技管理システム3おいて、貯玉管理システムA40と貯玉管理システムB50,B70との接続関係を双方向にするとともに、貯玉管理システムB50,B70の制御部59,79に上記の機能を付加したものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の貯玉管理システムを適用した遊技管理システムの一実施形態を示す全体構成図。
【図2】遊技場システムの構成図。
【図3】遊技場会員DBの例示図。
【図4】貯玉DBの例示図。
【図5】貯玉管理システムの構成図。
【図6】会員DBの例示図。
【図7】貯玉DBの例示図。
【図8】貯玉会員用端末装置の構成図。
【図9】貯玉データを提示する処理の処理流れ図。
【図10】遊技管理システムの他の実施形態を示す全体構成図。
【図11】図10における貯玉管理システムの構成図。
【図12】遊技管理システムの他の実施形態を示す全体構成図。
【図13】図12における貯玉管理システムの構成図。
【図14】遊技管理システムの他の実施形態を示す全体構成図。
【図15】遊技管理システムの他の実施形態を示す全体構成図。
【符号の説明】
【0068】
1,2,3,4,5 遊技管理システム
10 遊技場システム
20,40,50,70 貯玉管理システム
11,32 データ入力部
12,22 個人認証部
13 遊技価値管理部
14 遊技場会員DB
15,24,44,54,74 貯玉DB
16 遊技場会員管理部
17,21,31,41,51,71 データ送受信部
18,33 データ出力部
19,29,35,49,59,79 制御部
23,53,73 貯玉会員DB
25,55,75 貯玉会員管理部
26,46,56,76 貯玉管理部
27,57,77 ポイント管理部
28,34,58,78 抽選部
30 貯玉会員用端末装置
60 貯玉DB送信部
61,62 貯玉DB受信部
63 サービスDB
64 サービス管理部
80 提携法人用端末装置
90 管理法人用端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技場で獲得した遊技価値の累積データである貯玉データを、当該遊技者を識別するための遊技者識別情報と関連付けて第1データベースに蓄積する貯玉データ管理手段と;
遊技者が操作する端末装置からの前記貯玉データに関連付けられた前記遊技者識別情報を含む電文によるアクセスを契機に、当該遊技者に対してアクセス内容に応じて定めた財的価値をもつ価値データの獲得の機会を与えるとともに、これにより前記遊技者が獲得した価値データを、当該電文より抽出した遊技者識別情報と関連付けて第2データベースに蓄積する価値データ管理手段と;
前記アクセスが前記貯玉データの照会要求のときは前記第1データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の貯玉データを抽出し、前記アクセスが前記価値データの照会要求のときは前記第2データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の価値データを抽出し、抽出した貯玉データ又は価値データを前記端末装置から当該遊技者に提示させる制御手段;とを有する、
貯玉管理システム。
【請求項2】
前記第1データベースの蓄積内容を複写して成る第3データベースを前記第1データベースとは独立に具えており;
前記貯玉データ管理手段は、前記第1データベースの蓄積内容に変化が生じたときには変化内容を前記第3データベースの蓄積内容に反映させるように構成されており;
前記制御手段は、前記アクセスが前記貯玉データの照会要求のときは前記第1データベースに代えて前記第3データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の貯玉データを抽出する、
請求項1記載の貯玉管理システム。
【請求項3】
前記第1データベースが複数存在しており;
前記第3データベースは、複数の前記第1データベースに蓄積されている貯玉データを集約するものである、
請求項2記載の貯玉管理システム。
【請求項4】
前記第1データベース及び前記第3データベースは、遊技場側の情報処理システムで蓄積されている貯玉データと同じ内容の貯玉データを、前記情報処理システムとは独立に、当該遊技場を識別するための遊技場識別情報及び前記遊技者識別情報と関連付けて蓄積するものであり;
前記制御手段は、前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の遊技場毎の貯玉データを抽出する、
請求項3記載の貯玉管理システム。
【請求項5】
前記価値データ管理手段は、前記遊技者の要求により前記第2データベースに蓄積されている価値データの一部又は全部を引き落とす機能を具える、
請求項1、2又は3記載の貯玉管理システム。
【請求項6】
前記価値データ管理手段は、所定の条件を満たす遊技者を対象とした抽選処理を行う抽選手段と、この抽選手段により入賞したときに前記価値データが表す価値を増加させ、又は前記増加する価値データと等価の財的情報を前記価値データと共に前記第2データベースに蓄積する機能を具える、
請求項1、2又は3記載の貯玉管理システム。
【請求項7】
前記抽選手段は、前記価値データが表す価値が一定以上の遊技者を対象として自律的に前記抽選処理を行う、
請求項6記載の貯玉管理システム。
【請求項8】
広告・宣伝情報を蓄積する広告・宣伝情報蓄積手段をさらに具えており、
前記制御手段は、前記端末装置からアクセスを受けた後、当該アクセス内容に対応する処理結果を返信する前に、前記端末装置に前記広告・宣伝情報蓄積手段から読み取った広告・宣伝情報を当該端末装置から前記遊技者に提示させる、
請求項1乃至7のいずれかの項記載の貯玉管理システム。
【請求項9】
遊技者が遊技場で獲得した遊技価値の累積データである貯玉データを当該遊技者を識別するための遊技者識別情報と関連付けて遊技場側の情報処理システムに蓄積する段階と;
前記情報処理システムと独立に存在する貯玉管理システムが、前記情報処理システムから前記遊技者識別情報により関連付けられた貯玉データを受信し、受信した貯玉データを前記遊技者識別情報と関連付けて第1データベースに蓄積する段階と;
前記貯玉管理システムが、遊技者が操作する端末装置からの前記貯玉データに関連付けられた前記遊技者識別情報を含む電文によるアクセスを契機に、当該遊技者に対してアクセス内容に応じて定めた財的価値をもつ価値データの獲得の機会を与えるとともに、これにより前記遊技者が獲得した価値データを、当該電文より抽出した遊技者識別情報と関連付けて第2データベースに蓄積する段階と;
前記貯玉管理システムが、前記アクセスが前記貯玉データの照会要求のときは前記第1データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の貯玉データを抽出し、前記アクセスが前記価値データの照会要求のときは前記第2データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の価値データを抽出し、抽出した貯玉データ又は価値データを前記端末装置に送出させる段階と;
前記端末装置が、前記貯玉データ又は価値データを前記遊技者に提示する段階と;
を有する貯玉管理方法。
【請求項10】
遊技者が操作する端末装置との間で通信を行う機能を有するコンピュータを;
遊技者が遊技場で獲得した遊技価値の累積データである貯玉データを、当該遊技者を識別するための遊技者識別情報と関連付けて第1データベースに蓄積する貯玉データ管理手段;
遊技者が操作する端末装置からの前記貯玉データに関連付けられた前記遊技者識別情報を含む電文によるアクセスを契機に、当該遊技者に対してアクセス内容に応じて定めた財的価値をもつ価値データの獲得の機会を与えるとともに、これにより前記遊技者が獲得した価値データを、当該電文より抽出した遊技者識別情報と関連付けて第2データベースに蓄積する価値データ管理手段;
前記アクセスが前記貯玉データの照会要求のときは前記第1データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の貯玉データを抽出し、前記アクセスが前記価値データの照会要求のときは前記第2データベースから前記遊技者識別情報により特定される当該遊技者の価値データを抽出し、抽出した貯玉データ又は価値データを前記端末装置から当該遊技者に提示させる制御手段;
として機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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