説明

貯蔵タンクの排出装置

【課題】鉱石・土砂・穀類・セメント等の貯蔵量が多く粉粒体のブリッジを発生せることなく、均一に連続して排出することができる貯蔵タンクが要望されていた
【解決手段】貯蔵タンク内の粉粒体の排出方法は、漏斗状容器の直管部の下側に水平回転する回転漏斗部を接続し、回転漏斗部の上側に接続した旋回リングを架台に設けたガイドロ−ラ−と回転漏斗部の下側を架台に設けた旋回ベアリングとで荷重を支持する。斜面部の外側に装着した従動スプロケットを側方に設置した減速駆動モ−タ−に軸着した駆動スプロケットにチェ−ンを懸け渡して回転漏斗部を水平回転させる。回転漏斗部内の央部に設けた陣笠の周囲の掻落羽根で直管部の粉粒体を掻落ながら、斜面部の排出羽根と排出スクリュ−により下側の絞管に搬送し、絞管を挿入した排出ガイドのゲイトバルブを介して貯蔵タンク内の粉粒体をブリッジを発生させずに排出口から排出したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を一時的に貯蔵タンク(レシ−バ−タンクを含む。)に貯留し、下部の絞部を有するホッパ−の排出口から、貯蔵タンク内で粉粒体のブリッジを発生せることなく、さらに詳しくは貯蔵量が多く、且つ連続して効率よく確実に排出を行うことができる貯蔵タンクが要求されている。
【0002】
鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を貯蔵タンクの下部から排出する場合、貯蔵タンク内での移動速度は、中心部が最も早く周辺部が遅くなる。貯蔵タンク内に連続して粉粒物を供給すると中心部に供給された物が先に排出され、周辺部の粉粒物が停滞して居着状態が発生するため、貯蔵タンクの有効容量を減少させるだけでなく、貯蔵タンクからの粉粒物供給品質と排出品質とは異なるため、穀類では腐敗による品質劣化、セメント等の吸湿性粉体では停滞することで有効容量が極端に減少するため、貯蔵タンク内で粉粒体の停滞をなくして、貯蔵タンクから均一に排出する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来の貯蔵タンクから粉粒体の排出方法は、高圧空気を噴出させる、斜面部を変形させる、内部を攪拌させる、下部を振動させる、ロ−タリ−フィ−ダ−や排出羽根で掻きだすなどの様々な排出方法があるが、下記のような問題点を有していた。
【0004】
貯蔵タンク下部の斜面部にスリットを設け、この隙間から高圧空気を噴射して粉粒体のブリッジを防止する方法。貯蔵タンク上部から高圧空気を噴射するパイプを挿入して上下させながら噴射する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)この方法では、鉱石や土砂は困難であり、又粉塵の飛散による作業環境の改善が要求されていた。
【0005】
また、貯蔵タンクの材質を可橈性材質(例えば、ゴム・塩化ビニ−ル・帆布など。)の貯蔵袋とし、斜面部を動力を用いて持ち上げて漏斗状にして排出する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)然し乍らこの方法では、少量の貯蔵量で比重の軽い粉体には対応できるが、鉱石・土砂・穀類や大量に貯蔵することが困難であった。
【0006】
また、ホッパ−の排出部を2段の排出室とし、弁を設けた排出室を上下に可動させることで貯留物を排出させる方法が知られている(例えば、特許文献4及び5参照。)然し乍らこの方法も、構造が複雑で開弁に多くのエネルギ−が必要なことと、比重の軽い粉粒体には対応できるが、鉱石・土砂・穀類等の排出に対応することは困難であった。
【0007】
また、貯蔵タンクの排出室に設けた縦方向で駆動モ−タ−により回転する排出装置を用いて粉粒体を排出する方法が知られている(例えば、特許文献6参照。)然し乍らこの方法も、比重の軽い粉粒体には対応することができるが、鉱石・土砂・穀類等を排出させることが困難なことと、ブリッジを防止することが出来ずその改善が要望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特開平10−167380号公報
【特許文献2】 特開平5−31948号公報
【特許文献3】 特開平6−144483号公報
【特許文献4】 特開2010−260574号公報
【特許文献5】 特開2001−88897号公報
【特許文献6】 特開2010−52883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上述べた従来の貯蔵タンクから収容された粉粒体を排出する場合、収容物の移動速度は中心部が最も早く、周辺部に近づくにつれ遅くなる、従って連続して供給していくと、新たに中心部に供給された物が先に排出され、周辺部の収容物が停滞して膠着状態(例えばブリッジなど。)が発生するため、貯蔵タンク有効容量を減少だけでなく、貯蔵タンクに投入した品質と排出された品質とが異るため、穀類においては腐敗あるいは品質劣化となり、セメント等の吸湿性粉体は固化して貯蔵タンクの有効容量が極端に減少するため、その解決方法が要望されていた。
【0010】
本発明は上記目的を達成するために鑑みてなされたものであり、鋭意研究の結果、貯蔵タンク内部でブリッジ現象やラットホ−ル現象を起こさず、貯蔵タンクから均一に連続して排出することができる、貯蔵タンクを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、本発明は上記の目的を達成するために、鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を一時的に貯蔵するタンクとなる、漏斗状容器の直管部の下側に、回転自在に水平回転する回転漏斗部を接続した漏斗状容器の、直管部を架台に防振ゴムを介して設置し、漏斗状容器の直管部に回転自在に接続して設けた、回転漏斗部上側の縁部に接続した旋回リングを架台に設けたガイドロ−ラ−で回転自在に支持することで、鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を大量に貯蔵タンクに収容することができる。
【0012】
回転漏斗部の斜面部の外側に接続した従動スプロケットを側方に設置した減速駆動モ−タ−に軸着した駆動スプロケットにチェ−ンを懸け渡して縦方向で水平回転させる。漏斗部の内側に設けた排出スクリュ−の上端部を中間位置に掻落羽根を設置した水平ブレ−ドで保持し、排出スクリュ−の下端部は漏斗部の排出口に固定し、回転漏斗部内側の斜面部には排出羽根が固定されており、ゲイトバルブを内挿した排出ガイドの中に回転自在に挿入され、直管部に収容された鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を、貯蔵タンクの内部でブリッジを発生することなく排出口から均一的に排出させることができる。
【0013】
また、第2の解決手段は、漏斗状容器の直管部に回転自在に接続した、回転漏斗部上側の縁部に接続した旋回リングを架台に設けたガイドロ−ラ−で支持する他に、回転漏斗部の下端部にはリブ板で補強された支持リングを、架台に設けた排出ガイドの外側に設けた旋回ベアリングとの2ヵ所で回転自在に支持することで、鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を大量に貯蔵タンクに収容することができる。
【0014】
また、第3の解決手段は、漏斗状容器の直管部の下端の周囲に磁性リングを設置し、回転自在に接続した回転漏斗部の上側の縁部に接続した旋回リングの上端に磁性リングを設置し、重なり合う磁性リングの間に磁性流体を注入してその周囲を環状嵌合リングにより囲むことで、回転自在に密封して鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体の品質劣化を発生させず大量に貯蔵タンクに収容することができる。
【0015】
上記第1の解決手段による作用は次の通りである。即ち、鉱石・土砂・穀類・セメント等の比重の重い大容量の粉粒体を一時的に貯蔵するタンクとするために、漏斗状容器の直管部の下側に、回転自在に水平回転する回転漏斗部を接続した漏斗状容器の、直管部を架台に直管受座を介して設置し、漏斗状容器の直管部の下側に回転自在に接続して設けた、回転漏斗部の上側の縁部に接続した旋回リングで加重を受け、架台に設けたガイドロ−ラ−により回転自在に支持することで、鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を大量に貯蔵タンクに収容させたものである。
【0016】
回転漏斗部の斜面部の外側に接続した従動スプロケットを側方に設置した減速駆動モ−タ−に軸着した駆動スプロケットにチェ−ンを懸け渡して水平回転させる。回転漏斗部内の央部に陣笠直下の排出スクリュ−の上端を中間位置に掻落羽根を設置した水平ブレ−ドで固定し、排出スクリュ−の下端を排出羽根を設置した斜面部に固定し、回転漏斗部の絞管はゲイトバルブを内挿した排出ガイドの中に回転自在に挿入されている。回転漏斗部を回転させることで、直管部に収容された鉱石・穀類・土砂・セメントなどの粉粒体をブリッジを発生させることなく、排出口から均一に排出させたものである。
【0017】
また、第2の解決手段による作用は、漏斗状容器の直管部に回転自在に接続した、回転漏斗部の上側の縁部に接続した旋回リングを架台に設けたガイドロ−ラ−で回転自在に支持する他に、回転漏斗部の下端部にはリブ板で補強された支持リングを接続して絞管を排出ガイドの中に挿入し、架台に設けた排出ガイドの外側に設けた旋回ベアリングとの2ヵ所で回転自在に支持することで、鉱石・土砂・穀類・セメント等の比重の重い粉粒体を大量に貯蔵タンクに収容することができ、貯蔵タンクの内部で貯蔵された粉粒体をブリッジを発生させることなく、排出口から均一に排出させたものである。
【0018】
また、第3の解決手段による作用は、漏斗状容器の直管部の下端の外周に磁性リングを設置し、回転自在に接続する回転漏斗部の上側の縁部に接続した旋回リングの上端の外周に磁性リングを設置し、直管部と回転漏斗部との重なり合う磁性リングとの間に磁性流体を注入してその周囲を環状嵌合リングにより封止して、回転自在に漏斗状容器を密封したことで、鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を外気に含まれる湿気による品質劣化、外気による酸化をを防止し、大量に貯蔵された粉粒体をブリッジを発生させることなく、排出口から均一に排出できるという効果を発揮する。
【発明の効果】
【0019】
上述したように本発明の貯蔵タンクは、貯蔵タンクから収容された粉粒体を排出する場合、収容物の移動速度は中心部が最も早く、周辺部に近づくにつれ遅くなる、従って連続して供給していくと、新たに中心部に供給された物が先に排出され、周辺部の収容物が停滞して貯蔵タンクの内部で膠着状態が発生するため、貯蔵タンク有効容量を減少だけでなく、貯蔵タンクからの収容物の供給品質と排出品質とが異るため、穀類においては腐敗あるいは品質劣化となり、セメント等の吸湿性粉体は固化して貯蔵タンクの有効容量が極端に減少することが無く、貯蔵タンクの内部で膠着状態が発生することなく均一に排出させることができる高性能な貯蔵タンクを提供することができる。
【0020】
また、鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を一時的に貯蔵するタンクとなる、漏斗状容器の直管部の下側に、回転自在に水平回転する回転漏斗部を接続した漏斗状容器の、直管部を架台に防振ゴムを介して設置し、漏斗状容器の直管部に回転自在に接続して設けた、回転漏斗部上側の縁部に接続した旋回リングを架台に設けたガイドロ−ラ−で回転自在に支持することにより、嵩比重の大きい鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を大量に貯蔵タンクに収容しても、貯蔵タンクの内部で膠着状態が発生することなく貯蔵することができる。
【0021】
また、漏斗部の内側に設けた排出スクリュ−の上端部を中間位置に掻落羽根を設置した水平ブレ−ドで保持し、排出スクリュ−の下端部は漏斗部の排出口に固定し、回転漏斗部内側の斜面部には排出羽根が固定されており、ゲイトバルブを内挿した排出ガイドの中に回転自在に挿入され、直管部に収容された粉粒体を膠着させること無く、排出口から強制的に排出でき、貯蔵タンクに貯蔵する粉粒体の種類に左右されることなく対応でき、ブリッジの発生を防止して、環境保全に対応して敏速に排出することが実現でき、設置費用その他の維持管理費用が安価な優れた経済効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】 本発明の貯蔵タンクの排出装置の側面断面図
【図2】 図1のA−A線に沿う平面図
【図3】 図1のB−B線に沿う平面図
【図4】 図1のC−C線に沿う平面図
【図5】 図1のD−D線に沿う平面図
【発明の実施するための形態】
【0023】
以下本発明の鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を一時的に貯蔵する、貯蔵タンクの第1実施例を図1〜図4に基づいて説明する。尚、本発明はこれに限定されるものでなく、貯蔵タンクに収納する粉粒体に応じて適宜組み合わせて変更できるものである。
【0024】
貯蔵タンク1となる、漏斗状容器3の直管部4の頂部には、貯蔵する粉粒体を搬入する投入口7に開閉可能で密閉できる上蓋10が設置されている。直管部4の下側に、回転自在に水平回転する回転漏斗部5を接続した漏斗状容器3を、漏斗状容器3の直管部4の側面の上下に接続した直管受座12を介して、地盤面に4本の脚部で定着された剛性な架台11の上端部と中間部に設けた支持部19に直管部4の直管受座12を設置してボルトにより脱着自在に架台11に固定されている。
【0025】
漏斗状容器3の直管部4の下側には、回転自在に水平回転する回転漏斗部5の内側に直管部4の下端部を収容し、回転漏斗部5外側の上縁部に接続した旋回リング14により、漏斗状容器3に投入された粉粒体の荷重を回転漏斗部5の旋回リング14で受け止め、架台11に設けたガイドロ−ラ−26により回転自在に支持させている。回転漏斗部5の下端部の絞管6は排出ガイド61の中に回転自在に挿入されている、排出ガイド61に設けられた開閉装置44により駆動されるゲイトバルブ67により閉止されている。
【0026】
回転漏斗部5の斜面部9の外側の中間位置に接続して設けた従動スプロケット65を、側方の架台11に設置した減速駆動モ−タ−43に軸着した駆動スプロケット64とにチェ−ン66を懸け渡して可変速できる減速駆動モ−タ−43に電力を印可することで、回転漏斗部5を任意な回転数で水平回転させる。回転漏斗部5の内部の央部の上側に陣笠48を設置し、その直下に排出スクリュ−30の上端部を中間位置に掻落羽根28を設置した水平ブレ−ド41により回転漏斗部5に固定し、排出スクリュ−30の下端部は排出羽

【0027】
鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を貯蔵タンク下部の排出口8から排出する場合、貯蔵タンク内での移動速度は、中心部が最も早く周辺部が遅くなる。貯蔵タンク内に連続して粉粒物を供給すると中心部に供給された物が先に排出され、周辺部の粉粒物が停滞して膠着状態が発生するため、貯蔵タンクの有効容量を減少させるだけでなく、貯蔵タンクからの粉粒物供給品質と排出品質とは異なるため、穀類では腐敗による品質劣化、セメント等の吸湿性粉体では停滞することで有効容量が極端に減少するため、貯蔵タンク内で粉粒体の停滞をなくして、貯蔵タンクから均一に排出するには。
【0028】
回転漏斗部5を低速度で水平回転させると、直管部4に収容された粉粒体は央部に設けられた陣笠48により、中心部の移動速度が制限され、水平ブレ−ド41に設置した掻落羽根28により直管部4に収容された粉粒体が均一に回転漏斗部5の中に移動し、央部に縦方向で回転する排出スクリュ−30と、斜面部9に設置した排出羽根29により下部の絞管6部に均等に搬送され、排出ガイド61に設けられた開閉装置44により駆動されるゲイトバルブ67を開放することで、貯蔵タンクに貯蔵された粉粒体をブリッジを発生させることなく下部の排出口8から均一に排出させることができる。
【0029】
以下本発明の鉱石・土砂・セメントなど比重の重い粉粒体を一時的に貯蔵する、貯蔵タンクの第2実施例を図1〜図5に基づいて説明する。尚、本発明はこれに限定されるものでなく、貯蔵タンクに収納する粉粒体に応じて適宜変更できるものである。
【0030】
貯蔵タンク1となる、漏斗状容器3の直管部4の頂部には、貯蔵する粉粒体を搬入する投入口7に開閉可能で密閉できる上蓋10が設置されている。直管部4の下側に、回転自在に水平回転する回転漏斗部5を接続した漏斗状容器3を、漏斗状容器3の直管部4の側面の上下に接続した直管受座12を介して、地盤面に4本の脚部で定着された剛性な架台11の上端部と中間部に設けた支持部19に直管部4の直管受座12を設置してボルトにより脱着自在に架台11に固定され、漏斗状容器3に投入された粉粒体の荷重を回転漏斗部5の旋回リング14で受け止め、架台11に設けたガイドロ−ラ−26により回転自在に支持させている。回転漏斗部5の下端部の絞管6は排出ガイド61の中に回転自在に挿入されている。
【0031】
回転漏斗部5上側の縁部に接続した旋回リング14を架台11に設けたガイドロ−ラ−26で回転自在に支持する他、回転漏斗部5の下側の斜面部9の外側をリブ受座20で補強した支持リング16を接続して絞管6を排出ガイド61の中に挿入し、架台11の中央部に設けた排出ガイド61の外側の旋回ベアリング17とにより、回転漏斗部5を上下の2ヵ所で回転自在に支持することで、鉱石・土砂・セメントなど比重の重い粉粒体を貯蔵しても回転漏斗部5を低速度で水平回転させることができる。
【0032】
直管部4に収容された粉粒体は央部に設けられた陣笠48により、中心部の移動速度が制限され、水平ブレ−ド41に設置した掻落羽根28により直管部4に収容された粉粒体が均一に回転漏斗部5の中に移動し、央部に縦方向で回転する排出スクリュ−30と、斜面部9に設置した排出羽根29により下部の絞管6の内部に均等に搬送され、排出ガイド61に設けられた開閉装置44により駆動されるゲイトバルブ67を開放することで、貯蔵タンクに貯蔵された粉粒体をブリッジを発生させることなく下部から均一に排出することができる。
【0033】
以下本発明の第3実施例である穀類・化成品・セメントなど吸湿性のある粉粒体を貯蔵しても品質の劣化を防止することができる密閉性能のある、貯蔵タンクの回転接合部の密閉方法を図1〜図4に基づいて説明する。尚、本発明はこれに限定されるものでなく、貯蔵タンクに収納する粉粒体に応じて適宜変更できるものである。
【0034】
貯蔵タンク1となる、漏斗状容器3の直管部4の頂部には、貯蔵する粉粒体を搬入する投入口7に開閉可能で密閉できる上蓋10が設置されている。直管部4の下側に、回転自在に水平回転する回転漏斗部5を接続した漏斗状容器3を、漏斗状容器3の直管部4の側面の上下に接続した直管受座12を介して、地盤面に4本の脚部で定着された剛性な架台11の上端部と中間部に設けた支持部19に直管部4の直管受座12を設置してボルトにより脱着自在に架台11に固定されている。
【0035】
漏斗状容器3の直管部4の下側には、回転自在に水平回転する回転漏斗部5の内側に直管部4の下端部を収容し、回転漏斗部5外側の上縁部に接続した旋回リング14により、漏斗状容器3に投入された粉粒体の荷重を回転漏斗部5の旋回リング14で受け止め、架台11に設けたガイドロ−ラ−26により回転自在に支持させている。回転漏斗部5の下端部の絞管6は排出ガイド61の中に回転自在に挿入されている、排出ガイド61に設けられた開閉装置44により駆動されるゲイトバルブ67により閉止され、排出時には開閉装置44によりゲイトバルブ67を開くことにより排出口8より排出される。
【0036】
回転漏斗部5の斜面部9の外側の中間位置に接続して設けた従動スプロケット65を、側方の架台11に設置した減速駆動モ−タ−43に軸着した駆動スプロケット64とにチェ−ン66を懸け渡して可変速できる減速駆動モ−タ−43に電力を印可することで、回転漏斗部5を任意な回転数で水平回転させる。回転漏斗部5の内部の央部の上側に陣笠48を設置し、その直下に排出スクリュ−30の上端部を中間位置に掻落羽根28を設置した水平ブレ−ド41により回転漏斗部5に固定し、排出スクリュ−30の下端部は排出羽根29を設置した斜面部9の下部の絞管6に固定されている。
【0037】
漏斗状容器3の直管部4の下端の外周に磁性リング22を設置し、回転自在に接続する回転漏斗部5の上側の縁部に接続した旋回リング14の上端の外周に磁性リング22を設置し、直管部4と回転漏斗部5との重なり合う磁性リング22との間に磁性流体24を注入して、その周囲を環状嵌合リング15により封止することで直管部4の下側を回転自在に漏斗状容器3を密封したことにより、穀類・化成品・セメント等の粉粒体を外気に含まれる湿気による品質劣化、外気による酸化作用による品質劣化を防止し、大量に貯蔵された粉粒体をブリッジ現象やラットホ−ル現象をを発生させることなく、排出口8から均一に排出できるという効果を発揮する。
【符号の説明】
【0038】
1 排出貯留タンク
3 漏斗状容器
4 直管部
5 回転漏斗部
6 絞管
7 投入口
8 排出口
9 斜面部
11 架台
14 旋回リング
15 環状嵌合リング
16 支持リング
17 旋回ベアリング
20 リブ受座
22 磁性リング
24 磁性流体
26 ガイドロ−ラ−
28 掻落羽根
29 排出羽根
30 排出スクリュ−
41 水平ブレ−ド
43 減速駆動モ−タ−
44 開閉装置
48 陣笠
60 旋回リング
61 排出ガイド
62 ガイドロ−ラ−
64 駆動スプロケット
65 従動スプロケット
66 チェ−ン
67 ゲイトバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱石・土砂・穀類・セメント等の粉粒体を一時的に貯蔵するタンクとなる、上部に投入口(7)を設けた漏斗状容器(3)の直管部(4)の下側に、回転自在に水平回転する回転漏斗部(5)を接続した漏斗状容器(3)の直管部(4)を、架台(11)に直管受座(12)を介して設置し、回転漏斗部(5)上側の縁部に接続した旋回リング(14)を架台(11)に設けたガイドロ−ラ−(26)で回転自在に支持して絞管(6)を排出ガイド(61)の中に挿入し、斜面部(9)外側に接続した従動スプロケット(65)を側方に設置した減速駆動モ−タ−(43)に軸着した駆動スプロケット(64)にチェ−ン(66)を懸け渡して水平回転させる。回転漏斗部(5)内の央部に陣笠(48)その直下の排出スクリュ−(30)の上端を中間位置に掻落羽根(28)を設置した水平ブレ−ド(41)で固定し、排出スクリュ−(30)の下端を排出羽根(29)を設置した斜面部(9)に固定し、回転漏斗部(5)の絞管(6)はゲイトバルブ(67)を内挿した排出ガイド(61)の中に回転自在に挿入されている。回転漏斗部(5)を回転させることで直管部(4)に収容された粉粒体を、排出口(8)から均一に排出させることを特徴とした貯蔵タンクの排出装置。
【請求項2】
漏斗状容器(3)の直管部(4)に回転自在に接続した、回転漏斗部(5)上側の縁部に接続した旋回リング(14)を架台(11)に設けたガイドロ−ラ−(26)で回転自在に支持する他、回転漏斗部(5)の下側の斜面部(9)外側をリブ受座(20)で補強した支持リング(16)を接続して絞管(6)を排出ガイド(61)の中に挿入し、架台(11)に設けた排出ガイド(61)の外側の旋回ベアリング(17)とにより、回転漏斗部(5)を上下の2ヵ所で回転自在に支持したことを特徴とした請求項1記載の貯蔵タンクの排出装置。
【請求項3】
漏斗状容器(3)の直管部(4)の下端の外周に磁性リング(22)を設置し、回転自在に接続する回転漏斗部(5)に接続した旋回リング(14)の上端の外周に磁性リング(22)を設置し、直管部(4)と回転漏斗部(5)の重なり合う磁性リング(22)の間に磁性流体(24)を注入してその周囲を環状嵌合リング(15)により封止して、回転自在に漏斗状容器(3)を密封したことを特徴とした請求項1及び2記載の貯蔵タンクの排出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−53000(P2013−53000A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206603(P2011−206603)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(311010833)
【出願人】(000183680)
【Fターム(参考)】