説明

赤外線センサシステム

【課題】従来と比べて簡単な構成,制御,信号処理により、室内の温度分布及び人体の存在や挙動の検出を行う赤外線センサシステムを提供すること。
【解決手段】室内の温度分布検出範囲と人体検出範囲が同一エリアとなるようにサーモパイル10,11と焦電型赤外線検出器12を複合化した赤外線センサ1と、サーモパイル信号処理部2と焦電型赤外線検出器信号処理部3と、前記赤外線センサを上下・左右方向に走査する垂直方向駆動手段5及び水平方向駆動手段6と、前記垂直方向駆動手段及び水平方向駆動手段を制御する垂直・水平駆動制御部7と、エリア別赤外線センサ情報記憶部8とで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内の居室の温度分布や人体の存在検出や挙動検出などを行う赤外線センサシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触で温度を測定する方法としては量子型赤外線センサによるものと熱型赤外線センサによるものがあった。量子型赤外線センサは、感度が高く応答は速いが、冷却が必要であり、民生用には不向きである。一方、熱型赤外線センサは、比較的感度は低く応答速度は低いが、冷却不要のため、民生市場で実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図13は、特許文献1に記載された熱型赤外線センサの中で、比較的感度及び応答速度に優れた焦電型赤外線センサを用いた熱画像検出装置を示すものである。図13において、熱画像検出装置は、直線軸上に1次元に配列された複数の焦電型熱検出素子群からなる赤外線センサと、赤外透過レンズと、前記赤外透過レンズを介し、前記焦電型熱検出素子群へ入射する赤外線量を制御するチョッパ機構や前記直線軸に一定角度だけ傾斜させた回転軸と、前記回転軸を中心として前記焦電型熱検出素子群を回転させて2次元の熱画像を得るものである。
【0004】
前記従来の構成では、物体表面の温度検出を行うためには、焦電型熱検出素子群からなる赤外線センサへ入射する赤外線量を制御するチョッパ機構が不可欠である。また、検出熱画像の信頼性や精度を確保するためには、チョッパ開閉と焦電型熱検出素子群から出力される信号の取得及び水平駆動の同調や2次元の熱画像から人体の存在検出や挙動検出を行う必要があった。
【特許文献1】特開平6−105236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような焦電型赤外線センサを用いた熱画像検出装置では、物体表面の温度検出を行うために、焦電型熱検出素子群へ入射する赤外線量を制御するチョッパ機構が不可欠であり、熱画像検出装置の構造が複雑になるという課題を有していた。
【0006】
また、熱画像の取得には、チョッパ開閉と焦電型熱検出素子群から出力される信号の処理と水平駆動の同調や2次元の熱画像の画像処理により人体の存在や人体の挙動検出を行う必要があり、これらの処理のために高性能のマイクロプロセッサを用いて、煩雑な制御や信号処理を実現・実行しなければならないという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、室内の温度分布検出範囲と人体検出範囲が同一エリアとなるようにサーモパイルと焦電型赤外線検出器を複合化した赤外線センサを用いることにより、簡単な構成,制御,信号処理により、室内の温度分布及び人体の存在及び位置の検出や人体の挙動検出を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の赤外線センサシステムは、室内の温度分布検出範囲と人体検出範囲が同一エリアとなるようにサーモパイルと焦電型赤外線検出器を複合化した赤外線センサと、サーモパイル信号処理部と焦電型赤外線検出器信号処理部と、前記赤外線センサを上下・左右方向に走査する垂直方向駆動手段及び水平方向駆動手段
と、前記垂直方向駆動手段及び水平方向駆動手段を制御する垂直・水平駆動制御部と、エリア別赤外線センサ情報記憶部とで構成したものである。
【0009】
これによって、従来と比べて簡単な構成・制御・信号処理により、室内の温度分布及び人体の存在及び位置の検出や人体の挙動検出を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の赤外線センサシステムは、従来と比べて簡単な構成,制御,信号処理により室内の温度分布及び人体の存在及び位置の検出や人体の挙動検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、室内の温度分布検出範囲と人体検出範囲が同一エリアとなるようにサーモパイルと焦電型赤外線検出器を複合化した赤外線センサと、サーモパイル信号処理部と焦電型赤外線検出器信号処理部と、前記赤外線センサを上下・左右方向に走査する垂直方向駆動手段及び水平方向駆動手段と、前記垂直方向駆動手段及び水平方向駆動手段を制御する垂直・水平駆動制御部と、エリア別赤外線センサ情報記憶部とで構成されるものであり、従来と比べて簡単な構成で室内の温度分布を検出することができる。
【0012】
第2の発明は、前記赤外線センサシステムにおいて、水平方向駆動手段により左右方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させて比較的簡単な方法で、より正確な赤外線センサシステムに対して左右方向の人体位置の検出を行うことができる。
【0013】
第3の発明は、前記赤外線センサシステムにおいて、垂直方向駆動手段により上下方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させることにより、比較的簡単な方法で、より正確な赤外線センサシステムに対して前後方向の人体位置の検出や人体の挙動推定を行うことができる。
【0014】
第4の発明は、前記赤外線センサシステムにおいて、水平方向駆動手段により左右方向の赤外線センサの視野角を重複する動作させるとともに、垂直方向駆動手段により上下方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させることにより、赤外線センサシステムに対する人体の左右・前後方向の相対位置の検出を、より正確に行うことができる。
【0015】
第5の発明は、前記赤外線センサシステムにおいて、サーモパイル信号処理部の情報の時間変化を用いて、焦電型赤外線検出器信号処理部の情報を補完することにより人体の存在検出の精度を向上することができる。
【0016】
第6の発明は、前記赤外線センサシステムが搭載された空気調和機において、空気調和機に記憶された空気調和機の設置情報に基づいて、赤外線センサの視野の水平方向駆動範囲を決定することにより人体の存在できない範囲の人体検出を避けることができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における赤外線センサシステムの構成図を示すものである。図1において、1は、室内の温度分布検出範囲と人体検出範囲が同一エリアとなるようにサーモパイルと焦電型赤外線検出器を複合化した赤外線センサである。この赤外線センサ1は、図2のように、サーモパイルの温接点10を、該焦電型赤外線検出器の受光電極12上に形成したことを特徴としている(特開2000−275100号公報参照)。これにより、室内の温度分布検出範囲と人体検出範囲を同一エリアとする赤外線セン
サが構成される。
【0019】
赤外線センサの視野角から入射される赤外線の量に応じた起電力がサーモパイルの温接点10と冷接点11間に生じ、これをサーモパイル信号処理部2にて、出力信号の温度換算を行うことにより、エリア4内の非接触の温度検出が可能となる。また、人の動きに応じて、赤外線センサの視野角から入射される赤外線の変化は、焦電型赤外線検出器12出力の電気信号変化を発生し、これを焦電型赤外線検出器信号処理部3にてフィルタリングすることにより、エリア4内の人体の検出が可能となる。
【0020】
5は、赤外線センサを垂直方向に走査し、温度分布検出と人体検出のエリアを室内の奥行き方向に変化させる垂直方向駆動手段であり、6は、温度分布検出と人体検出のエリアを左右方向に変化させる水平方向駆動手段である。赤外線センサ1は、前記2つの駆動手段により垂直・水平方向駆動制御部7からの命令によって、図1では、A1→A2→A3→A4→・・→A9とエリア内の温度分布検出と人体検出を行い、結果として、室内全体の温度分布検出と人体検出を行う。
【0021】
焦電型赤外線検出器12は、振動や衝撃に対しても信号出力を発生するとともに、サーモパイルも熱時定数が大きいため、垂直・水平駆動制御部7と、サーモパイル信号処理部2と焦電型赤外線検出器信号処理部3は、同調させる。
【0022】
例えば、垂直あるいは。水平走査から1〜2秒経過後にエリア内の温度分布の検出と人体検出を行う。これにより、サーモパイル,焦電型赤外線検出器の特性による誤検知を低減することができる。
【0023】
図3(a)は、焦電型赤外線検出器信号処理部3の出力の時間経過を示したものであり、○はエリア内の人体検出、×は人体不在、_は不定を示している。同時に室内全エリアの人体検出を行うことはできないため、図3(a)のようになる。赤外線センサの垂直・水平走査をN回,N+1回と繰り返し、人体位置情報をエリア別センサ情報記憶部8に蓄えていく。この結果について、統計処理を行うことにより、室内における人体位置の推定が可能となる。
【0024】
また、図3(b)は、サーモパイル信号処理部2の出力の時間経過を示したものであり、エリア内の輻射温度結果を示している。赤外線センサの垂直・水平走査をN回,N+1回と繰り返し、エリア別センサ情報記憶部8に蓄えていくこともできる。
【0025】
これにより、従来と比べて簡単な構成,制御,信号処理により、室内の温度分布及び人体の存在及び位置の検出や人体の挙動検出を行う赤外線センサシステムを提供することができる。
【0026】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態における赤外線センサシステムの構成を示すものである。
【0027】
前述の赤外線センサシステムにおいて、水平方向駆動手段により左右方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させることにより図4のA1−A2−A3,・・,A7−A8−A9のような重複箇所を有する温度分布検出及び人体検出エリアが得られる。例えば、図4のA1とA2において、双方のエリアに赤外線センサシステムにより人体が検出された場合、A1の縦線部とA2横線部の重複エリアに人体が存在すると推定することもできる。つまり、A1とA2の2エリアの人体検出結果の論理和を用いて3エリアの人体位置の推定が可能となる。A2とA3や、更に赤外線センサシステムに対して左右方向に
並ぶA4−A5−A6とA7−A8−A9についても同様のことが言える。
【0028】
これにより、従来と比べて、安価で、簡単な構成,制御,信号処理により、赤外線センサシステムに対して左右方向の人体位置を検出エリア以上に細分化して推定する赤外線センサシステムを提供することができる。
【0029】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態における赤外線センサシステムの構成図を示すものである。
【0030】
前述の赤外線センサシステムにおいて、垂直方向駆動手段により上下方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させることにより図5のA1−A6−A7,・・,A3−A4−A9のような温度分布検出及び人体検出エリアが得られる。例えば、図5のA2とA5において、双方のエリアに赤外線センサシステムにより人体が検出された場合、A2の横線部とA5の縦線部の重複エリアに人体が存在すると推定することもできる。つまり、A2とA5の2エリアの人体検出結果の論理和を用いて3エリアの人体位置の推定が可能となる。A5とA8や、更に赤外線センサシステムに対して前後方向に並ぶA1−A6−A7とA3−A4−A9についても同様のことが言える。
【0031】
図6は、本発明の第3の実施の形態における赤外線センサ視野角の垂直配光図を示すものである。13は、赤外線センサシステムであり、人体検出を行うために室内の高所に設置される。赤外線センサシステム13は、垂直方向に一定の視野角を有しており、垂直方向駆動手段により移動させることによって、例えば、図5のA2,A5,A8に対応する温度分布検出及び人体検出エリアを床面に配することになる。一方、座位14、椅座15、立位16において、人体は高さを有しており、その状態によって、A2−A5−A8で人体が検出されるエリアが異なる。
【0032】
図7は、人体検出エリアに相当する赤外線センサの視野角と在室者の姿勢との関係を示したものである。17は、A2に相当する視野角の範囲のみ人体が検出される限界の範囲概略を示したもので、赤外線センサシステム13の極近傍で、姿勢としては座位と推定できる。18は、A2とA5に相当する視野角に人体が検出される限界の範囲を概略示したものであり、姿勢は問わず、赤外線センサシステム13の比較的近くに人体が存在すると推定できる。19は、A2,A5,A8に相当する視野角に人体が検出される限界範囲を概略示したもので、姿勢は問わず、赤外線センサシステム13の少し離れたところに人体が存在すると推定できる。20は、A5,A8に相当する視野角に人体が検出される限界範囲を概略示したもので、姿勢は問わず、赤外線センサシステム13から比較的離れた所に人体が存在すると推定できる。21は、A8に相当する視野角のみに人体が検出される限界範囲を概略示したもので、姿勢は問わず、赤外線センサシステム13から遠く離れた所に人体が存在すると推定できる。当然のことながら、赤外線センサシステムからの人体までの距離は、赤外線センサの視野角及び仰角に依存する。
【0033】
これらにより、従来と比べて、安価で、簡単な構成,制御,信号処理により、赤外線センサシステムに対して前後方向の人体位置を検出エリア以上に細分化して推定するとともに一部人体の挙動・姿勢を推定する赤外線センサシステムを提供することができる。
【0034】
(実施の形態4)
図8は、本発明の第4の実施の形態における赤外線センサシステムによる人体位置検出エリアの床面分布を示すものである。
【0035】
本発明において、前記赤外線センサシステムは、水平方向駆動手段により左右方向の赤
外線センサの視野角を重複する動作を行うともに、垂直方向駆動手段により上下方向の赤外線センサの視野を重複するように動作を行うことにより、左右方向には、22のような人体検出エリアの重複エリアを確保でき、前後方向には、23のような人体重複エリアが確保できる。
【0036】
これにより、温度分布検出及び人体検出エリアA1・・A9において、赤外線センサシステム13により人体検出を順次行い、人体検出結果の論理和を隣接の温度分布検出及び人体検出エリアA1・・A9を算出することにより、室内を25分割したエリアにおいて人体位置を推定できる。
【0037】
(実施の形態5)
図9は、本発明の第5の実施の形態における赤外線センサシステムによる人体検出の流れを示したものである。赤外線センサシステム13の焦電型赤外線検出器12は、振動・衝撃・外部からの入射赤外線の変化に対しても信号出力を発生するため、赤外線センサの視野角の移動に伴い、人体の挙動による入射赤外線の変化以外の原因により不要な人体検出信号を発生する。そのため視野角移動開始(901)から焦電型赤外線検出器12による人体検出情報取り込みを禁止する(902)。また、視野角移動終了(903)しても焦電型赤外線検出器12の時定数が0.5〜1Hzのため、不要な人体検出信号がT1時間(1〜2秒程度)継続する。したがって、視野角移動終了から更にT1時間は、焦電型赤外線検出器12による人体の存在判定は禁止時間帯となる。
【0038】
図10(a)は、T1時間26に人体の挙動がない場合の焦電型赤外線検出器12の出力信号24とサーモパイル信号処理部により算出されたエリアの輻射温度25の時間変化を示したものである。T1時間26を適切に設定することで、人体在検出の誤検出を回避できる。しかしながら、T1時間26内にのみ、人体の移動や挙動が発生する可能性もある。
【0039】
これに対し、室内の壁や床の温度時定数は長く、サーモパイル信号処理部により求められたエリア輻射温度の時間変化発生は人体の大きな挙動や移動と考えられる。図10(b)は、T1時間26内に人体の移動や挙動が発生に伴う焦電型赤外線検出器12の出力信号24とサーモパイル信号処理部により算出されたエリアの輻射温度25の時間変化を示した。人体の大きな挙動や移動に伴いエリアの輻射温度25の△T以上の時間変化が発生する。
【0040】
したがって、T1時間26内は、サーモパイル信号処理部により求められたエリア輻射温度の△T以上の時間変化検出(904,905,906)により人体の存在判定を行う(907)。
【0041】
これにより、焦電型赤外線検出器の特性によるT1時間26内の人体誤検出を防止できるとともに、T1時間26内での焦電型赤外線検出禁止に対する補完として、サーモパイル信号処理部による人体検出が可能となり、室内あるいはエリア内での人体在判定を確実に行うことができる。
【0042】
(実施の形態6)
図11は、本発明の第6の実施の形態における空気調和機に搭載された赤外線センサシステムの構成を示したものである。サーモパイル信号処理部2、焦電型赤外線検出器信号処理部3、垂直・水平駆動制御部7、エリア別センサ情報記憶部8は、空気調和機の制御装置28内に構成される。また、室内の右端設や左端設置などの空気調和機の設置情報記憶部27も有し、空気調和機の設置情報に基づいて、赤外線センサの視野の水平方向駆動範囲を決定することができる。
【0043】
図12は、室内の右端に空気調和機29が設置された場合の温度分布検出及び人体検出エリアを示したものである。A3,A4,A9は人体が存在できないエリアであり、この3エリアに関しては、温度分布検出及び人体検出が不要である。したがって、A1-A2-A3−A4−A5−A6−A7−A8−A9と順次温度分布検出及び人体検出していたのに対し、空気調和機29の設置状態に対応して、A1-A2−A5−A6−A7−A8と温度分布検出及び人体検出を行うように水平方向駆動手段及び垂直方向駆動手段を制御することができる。
【0044】
これにより、室内の温度分布検出及び人体検出を行うエリア数を削減でき、室内1回あたりの室内の温度分布検出及び人体検出サイクルを短縮することができる。人体位置検出タイムポイントと実際の人体位置の時間差が少なくなり、より精度のよい人体位置情報を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる赤外線センサシステムは、従来と比べて簡単な構成で、室内の温度分布検出及び人体の挙動,位置,在室状況を検出することが可能であり、空気調和機や換気扇や空気清浄器などの用途に適用できる。
【0046】
特に、冷凍サイクルの制御が30〜60秒間隔であるエアコンなどの室内空間の空調快適制御に適している。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態1における赤外線センサシステムの構成図
【図2】温度分布検出範囲と人体検出範囲を同一エリアとする赤外線センサの構成図
【図3】(a)本発明の実施の形態1におけるエリア別情報記憶部における焦電型赤外線検出器信号処理部出力結果の説明図(b)本発明の実施の形態1におけるエリア別情報記憶部におけるサーモパイル信号処理部出力結果の説明図
【図4】本発明の実施の形態1における赤外線センサシステムの構成図
【図5】本発明の実施の形態2における赤外線センサシステムの構成図
【図6】本発明の第3の実施の形態における赤外線センサ視野角の垂直配光図
【図7】赤外線センサ視野角と在室者の姿勢との関係図
【図8】本発明の第4の実施の形態における赤外線センサシステムの人体位置検出エリアの床面分布図
【図9】本発明の第5の実施の形態における赤外線センサシステムの人体検出処理の流れ図
【図10】(a)人体の挙動がない場合の焦電型赤外線検出器出力信号輻射温度の時間変化を示す図(b)人体の挙動がある場合の焦電型赤外線検出器出力信号輻射温度の時間変化を示す図
【図11】本発明の第6の実施の形態における空気調和機に搭載された赤外線センサシステムの構成図
【図12】室内の右端に空気調和機が設置された場合の温度分布検出及び人体検出エリアを示す図
【図13】従来の熱画像検出装置の断面図
【符号の説明】
【0048】
1 赤外線センサ
2 サーモパイル信号処理部
3 焦電型赤外線検出器信号処理部
4 エリア
5 垂直方向駆動手段
6 水平方向駆動手段
7 垂直・水平駆動制御部
8 エリア別センサ情報記憶部
10 サーモパイル温接点
11 サーモパイル冷接点
12 焦電型赤外線検出器
14 座位
15 椅座
16 立位
17 A2の視野角の範囲のみ人体が検出される限界範囲
18 A2とA5の視野角に人体が検出される限界範囲
19 A2,A5,A8の視野角に人体が検出される限界範囲
20 A5,A8の視野角に人体が検出される限界範囲
21 A8の視野角のみに人体が検出される限界範囲
22 左右方向の人体検出エリアの重複エリア
23 前後方向の人体検出エリアの重複エリア
24 焦電型赤外線検出器12の出力信号の時間変化
25 サーモパイル信号処理部により算出されたエリアの輻射温度の時間変化
26 不要な人体検出信号を取得しない時間
27 空気調和機の設置情報記憶部
28 空気調和機の制御装置
29 空気調和機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の温度分布検出範囲と人体検出範囲が同一エリアとなるようにサーモパイルと焦電型赤外線検出器を複合化した赤外線センサと、サーモパイル信号処理部と焦電型赤外線検出器信号処理部と、前記赤外線センサを上下・左右方向に走査する垂直方向駆動手段及び水平方向駆動手段と、前記垂直方向駆動手段及び水平方向駆動手段を制御する垂直・水平駆動制御部と、エリア別赤外線センサ情報記憶部とで構成したことを特徴とする赤外線センサシステム。
【請求項2】
前記赤外線センサシステムにおいて、水平方向駆動手段により左右方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサシステム。
【請求項3】
前記赤外線センサシステムにおいて、垂直方向駆動手段により上下方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサシステム。
【請求項4】
前記赤外線センサシステムにおいて、水平方向駆動手段により左右方向の赤外線センサの視野角を重複するように動作させるとともに、垂直方向駆動手段により上下方向の赤外線センサの視野を重複するように動作させることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサシステム。
【請求項5】
前記赤外線センサシステムにおいて、焦電型赤外線検出器信号処理部の情報とサーモパイル信号処理部の情報の時間変化をもとに室内における人体の位置を推測することを特徴とする請求項1記載の赤外線センサシステム。
【請求項6】
前記赤外線センサシステムが搭載された空気調和機において、空気調和機に記憶された空気調和機の設置情報に基づいて、赤外線センサの視野の水平方向駆動範囲を決定することを特徴とする請求項1,2,4のいずれか1項に記載の赤外線センサシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−226988(P2006−226988A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294808(P2005−294808)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】