説明

赤外線撮像装置とその製造方法

【課題】赤外線撮像装置の赤外線検知部の支持体の支持強度をあげることを目的とする。
【解決手段】シリコン基板11の主面上に形成された空洞23上にある絶縁部材42に搭載された赤外線検知部13と、この絶縁部材を空洞上に保持する橋部21とを備え、この橋部および絶縁部材の少なくとも一方の断面形状が段差を有するようにした。そのため、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントを大きくでき、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、赤外線検出装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図30は従来の赤外線センサである(特許文献1)。図30aはその要部の平面図、図30bは図30aのAA断面図である。図において、1は半導体基板で、(100)面を主平面とするシリコン基板である。2は半導体基板1の主表面全域に形成されたメンブレン(膜)で、窒化シリコン膜は減圧CVD法で膜厚200nmに形成されたものである。3はメンブレン2の表面に形成されたダイオードで温度検出用センサとして用いられる。ダイオード3は膜厚200nmの多結晶シリコンにボロンと砒素をドープされたP,N半導体層4、5のPN接合部により形成されている。
【0003】
符号6はこのダイオード3を覆って全表面上に形成された保護膜で、減圧CVD法等による膜厚200nmの窒化シリコン膜である。符号7は開口部で、後述の熱絶縁室8を形成するためにエッチング液を注入するための開口で、保護膜6及びメンブレン2を貫通してシリコン基板1に到達するよう形成されている。開口部7は少なくとも2つ、ダイオード3を挟んでほぼ対称に設けられている。このとき開口部7によって残されたメンブレン2の形状は線対称もしくは点対称な平面対称形状に形成されている。ダイオード3はこのような対称形に形成されたメンブレン2の対称軸上もしくは対称点上に設けられている。8は熱絶縁室で、後述の赤外線吸収膜9とシリコン基板との熱絶縁を行うための空洞である。9は
【0004】
赤外線吸収膜で、ダイオード3を含む受光領域上に金黒等が蒸着されて形成されている。
熱絶縁室8は開口部7からアルカリ性溶液、例えば水酸化カリウム水溶液からなるエッチング溶液を注入し異方性エッチングにより形成される。シリコン基板1がエッチングされる領域は、予めシリコン基板1とメンブレン2との間に膜厚70nmの多結晶シリコンからなる犠牲層領域を形成することにより限定される。
【0005】
このような構成とすることにより、シリコン基板1上の主表面を片面処理することにより赤外線センサを製作できるため、赤外線センサのサイズを微細化した場合でも、温度センサとして機能するダイオード3とメンブレン2との位置合わせを簡単に正確におこなうことができるので、安定した検出精度の赤外線センサが実現できる。
【0006】
次にこの赤外線センサの動作について説明する。赤外線がセンサに照射されると、赤外線は赤外線吸収膜9に吸収され、メンブレン2の温度上昇を生じ、ダイオード3によってこれが電気信号に変換される。この時メンブレン2の裏側にシリコン基板1への熱伝達を防止する熱絶縁室8を設けたので、受光部の温度検出を効率よく行うことができる。
【0007】
図31は赤外線センサの他の従来例で、PN接合ダイオード3の両側にP型及びN型の半導体リード4a、4b、5a、5bが分岐するように形成されている。
これによりP型、N型のリードの温度に関係なくダイオードの温度特性が検出される。
この装置はエッチングホール7からエッチングにより中空構造をつくり、形成されている。
【0008】
【特許文献1】特開平3−94127号公報(第4項、第1実施の形態、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように検知部分(PN接合部分)と基板とは熱絶縁をよくするために中空構造を採用している。また検知部分と基板とを結ぶ橋はできるだけ細く熱絶縁を大きく形成されている。
この様に橋部を細く薄くするとセンサの保持強度が極端に低下するという問題点を生ずる。またこの様な構造では振動に弱く、監視用等の可搬型に向かない等の問題点がある。
【0010】
また高密度の検出装置を形成使用しようとすると、赤外線検知部が微小化され、光感度が低下するという問題がある。
【0011】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、シリコン基板と、シリコン基板と空洞を隔てて対向して設けられた絶縁部材と、この絶縁部材上に設けられた赤外線検知部と、シリコン基板に上記絶縁部材を接続し且つ支持する橋部とを備えるものであり、支持体としての剛性を上げるべく、橋部及び絶縁部材の少なくとも一方の断面形状が段差を有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、赤外線検知部を搭載する絶縁部材、およびそれを保持する橋部の少なくとも一つの断面形状が段差を有するようにしたので、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントを大きくでき、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
この発明の装置は、熱型センサによる赤外線検出装置をマトリクス状に配列して、これにより被写体からの赤外線像を感じて撮像する装置に関するものである。
図1にこの発明の赤外線検出装置の検出部の第1の実施の形態の平面図を、また図2に図1のAA断面図を示す。11はシリコン基板で、基板表面が(100)面である。12はシリコン基板11上に形成された第1の絶縁層で、膜厚0.5μmの酸化シリコン層である。13は周辺と分離されたシート状の後述する絶縁部材42上に形成された赤外線検知部で、その絶縁部材42の一部である第1の絶縁層12上に形成された約50μm角のアモルファスシリコン層等で形成されている。23は空洞で、絶縁部材42と後述する橋部21の下のシリコン基板に設けられ、赤外線検知部13をシリコン基板11と熱分離するためのものである。
【0015】
14は空洞23の外側のシリコン基板上の部材の一つである水平信号線で、A1等による配線パターンが第1の絶縁層12上に100μmピッチ程度で形成されている。15は第1の電極で、第1の絶縁層12上に形成され赤外線検知部13の一端と水平信号線14とを接続している。16も空洞23の外側のシリコン基板上の部材の一つの垂直信号線で、水平信号線14と図示していない第2の絶縁層を介して水平信号線14と交差してやはり100μm程度のピッチで形成されている。17は第2の電極で、赤外線検知部13の他の端と垂直信号線16とを接続している。18は第3の絶縁層で、赤外線検知部13及び水平、垂直信号線14、16および第1、第2の電極15、17を覆って形成されている。
【0016】
19、20は第1及び第2のエッチングホールで、水平信号線14及び垂直信号線16で取り囲まれた領域内で赤外線検知部13を平面形状U字形に囲み、あるいは逆U字型に囲み、第3の絶縁層18の表面から第1の絶縁層12を貫通してシリコン基板11表面まで形成されている。21は絶縁部材42を空洞21上に絶縁部材42とこの空洞21の外側のシリコン基板上の部材である水平信号線14と、あるいは絶縁部材42と垂直信号線16とを結んで保持するための橋部である。
橋部21および絶縁部材42の少なくとも一方の断面形状は段差を有している。ここで段差とは、その断面が逆U字型、L字型、H字型等の形状を有するもので、平面でないことをいう。橋部21は第1及び第2のエッチングホール19、20の間にあり上記第1及び第3の絶縁層12、18で第1及び第2の電極15、17が挟持されて形成されている。
このように、絶縁部材42に搭載された赤外線検知部13は一対の橋部21により水平信号線14と垂直信号線16との間に保持されている。
【0017】
次にこの赤外線検出装置の動作について説明する。
図3に赤外線撮像装置の結線図を示す。赤外線検知部13に赤外線が照射されると、赤外線検知部13両端の抵抗変化が生じる。これをH(水平)スキャナ40及びV(垂直)スキャナ41によるスイッチHn、Vnで一つの赤外線検知部13を選択し、その温度上昇による抵抗変化を電圧変化としてアンプ44で増幅して端子52で読みとることにより赤外線強度の測定が可能となる。
図1及び図2で示すように、この装置では、赤外線検知部13及び赤外検知部13からの取り出し電極15、17の下側に空洞23を設け中空構造で支持して熱抵抗を上げ、赤外線検知部13で吸収した熱がシリコン基板11や、外部の水平、垂直信号線14、16に急速に逃げるのを防止して、受光部の検出感度をあげるようにしている。
【0018】
また赤外線検知部13を支持する絶縁部材及びそれを支持する橋部21の断面形状を段差のある形とし、同一断面積での強度を大きくした。
図4は質量が均一な板による両端自由支持梁の撓み量を示したものである。撓み量δmaxは、ヤング率をE、断面2次モーメントをI、梁の中心に掛けられる荷重をP,梁の長さをlとすると、δmax=Pl3 /48EIで表される。ここで断面2次モーメント
は梁の形状により異なる。
図4aに示すように、段差が断面形状平板31の場合、断面2次モーメントIは
【0019】
【数1】

【0020】
で与えられる。ここで幅W,即ち梁の長さlを12μm,厚みd1 =1μmとすると、I
=1となる。
図4bに示すように、段差が断面形状逆U字型32の場合、断面2次モーメントIは
【0021】
【数2】

【0022】
で与えられる。ここで上記の平板31の場合と比較するため段差形状の断面積を同一とし、W2 =4μm,d2 =1μm,W3 =1μm,d3 =4μmとするとI=17となる。

図4cに示すように、段差が断面形状L字型33の場合、断面2次モーメントは
【0023】
【数3】

【0024】
で与えられる。上記の場合と同様にして、W=9μm,d=1μm,m=1μm,s=3μmとするとI=4となる。
以上のことから、梁の段差が逆U字型32、L字型33の場合は平板型31より変形に強いことがわかる。
【0025】
以上のように橋部21および絶縁部材42の少なくとも一方の断面形状に段差を有する赤外線検知部13の支持部材を採用することにより、振動による変形等にも強い赤外線検出装置を形成することができる。
【0026】
本実施の形態では、赤外線検知部を搭載する絶縁部材、脚部およびそれを保持する橋部の少なくとも一つの断面形状が段差を有するようにしたので、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントを大きくでき、支持体としての剛性を上げるように働くので、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができる。
【0027】
また、絶縁部材および橋部の少なくとも一方の断面形状を逆U字型としたので、それらの2次モーメントを上げて支持体としての剛性を上げるように働き、平板型に比べて強度の大きい支持が可能である。これにより赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができる。
【0028】
さらに、絶縁部材および橋部の少なくとも一方の断面形状をL字型としたので、それらの2次モーメントを上げて支持体としての剛性を上げるように働き、平板型に比べて強度の大きい支持が可能となった。逆U字型に比べて剛性の向上効果は小さいが、成膜パターンが簡易という利点がある。これにより赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができる。
【0029】
なおこの実施の形態では光検知部を赤外線検知部13についてのみ説明したが、これが可視領域の光を検知する検知部であっても同様な作用効果があることは言うまでもない。
【0030】
またこの実施の形態1では、赤外線検知部13をアモルファスシリコン層で形成したが他のボロメータ型のセンサを用いても良い。また図5に示すように熱電対型としてもよい。熱電対型センサの材料としては、アルメルークロメル、銅−コンスタンタン、シリコン半導体のPN接合等である。
【0031】
またこの実施の形態1では、赤外線検知部13をアモルファスシリコン層で形成したが、検知部を焦電型としてもよい。焦電型検知部の材料としては、チタン酸鉛、硫酸グリシン、タンタル酸リチウム、ポリ弗化ビニデン等である。
【0032】
実施の形態2.
図6、図7、図8、図1及び図2により、実施の形態1で示した赤外線検知部13及び橋部21の下側が逆U字型梁で形成される赤外線検出装置の製造方法を示す。
図6において、(100)面を表面とするシリコン基板11上に、約100μピッチのマトリクス状に、通常の方法により膜厚約0.5μmの分離酸化層26を形成する。次に分離酸化層26に囲まれた領域内に膜厚約1μmのポリシリコン層等の犠牲層による段差パターン22を形成する。次に段差パターン22を覆ってCVD法により酸化シリコン層等の膜厚0.5μmの第1の絶縁層12を形成する。次に分離酸化層上の第1の絶縁層12上にA1層を成膜しパターニングして図1に示す水平信号線14を形成する。次に水平信号線14上に膜厚0.5μmの第2の絶縁層パターン15(図示せず)を形成する。この上に水平信号線14と交差して垂直信号線16を形成する。
【0033】
次に図1に示すように、水平信号線14と垂直信号線16に囲まれた領域内で、後から形成される赤外線検知部13の一端と水平信号線14とを接続する第1の電極15、及び赤外線検知部13の他端と垂直信号線16とを接続する第2の電極17をA1等を成膜しパターニングすることにより形成する。
次にレジストマスクを施し、図1に示す第1の電極15及び第2の電極17の間にアモルファスシリコン層を成膜し、赤外線検知部13を形成する。
次にCVD法により酸化シリコン層等の図6に示す膜厚0.5μmの第3の絶縁層18を形成する。
次に図7に示すように、第3の絶縁層18表面からシリコン基板11上まで、図1に示す水平信号線14及び垂直信号線16で囲まれた領域内で、赤外線検知部13とこれを水平、垂直信号線14、16に接続する第1、第2の電極15、17を除く部分に反応性イオンエッチング法(RIE)等によりエッチングホール19、20を形成する。
次に図8に示すように、エッチングホール19、20からKOH等のシリコンを異方性エッチングする溶剤を注入し、犠牲層22及びシリコン基板11をエッチングする。これにより、信号線15、17の下側及び赤外線検知部13の下の絶縁部材の下側に段差と赤外線検知部13および第1及び第2の電極の下側に底面が約50μm,深さ2〜5μm程度の空洞23を形成する。
以上の工程が完了すると、図1、図2に示すように、絶縁部材42上に形成された赤外線検知部13が、空洞23上に絶縁部材42を構成する第1及び第2の電極15、17を絶縁層12、18に挟んで形成した断面形状に段差がある幅約12μmの橋部21により、水平及び垂直信号線14、16間に保持された構造が形成される。
【0034】
この実施の形態では、段差パターン22をポリシリコン層で形成したが、これをシリコン異方性エッチング液に溶ける材料、例えば、アルミニウム、銅、クロミウム、鉄、マグネシウム、バナジウム、亜鉛等とすることができる。これは後述する実施の形態でも同様である。

この時用いられる溶剤は、KOH等のアルカリ溶液の他、ヒドラジン、TMAH等が用いられる。
【0035】
次にこの製造方法の動作を説明する。
シリコン基板表面を(100)面としたので、この垂直方向はエッチングされ易く、空洞23はエッチングされにくい(111)面に沿って形成される。
【0036】
シリコン基板11表面の赤外線検知部13及び電極15、17の下側に図6に示す膜厚約1μmポリシリコン層を用いた犠牲層による段差パターン22を形成した後、エッチングホール19、20から44重量%のKOH溶液でエッチングしたので、犠牲層はシリコン層より約100倍も容易にエッチングされるので、空洞23の形成時に赤外線検知部13及び電極15、17の下側に凹部を形成することにより、絶縁部材42および橋部21の断面形状に段差を容易に形成できる。
【0037】
実施の形態3.
図9に、赤外線検知部13の下側は平板の梁とし、橋部21の下側をL字型梁で形成する場合の赤外線検出装置の製造工程の一部を示す断面図を示す。また図10にその完成断面図を示す。
図9に示すように、表面が(100)面であるシリコン基板11上に、赤外線検知部13及び第1及び第2の電極15、17が形成される下側部分に、ポリシリコンによる犠牲層による段差パターン22を形成するようにしたものである。
これを実施の形態2で示したようにエッチングホール19、20からKOH等でエッチングすると図10に示すように、L字型の橋部21が得られる。
この方法によると逆U字型よりは剛性は小さいが、橋部の強度は平板型より大きく充分な保持力があり、犠牲層のパターンが簡易であるという利点がある。
【0038】
実施の形態4.
図11に実施の形態1で示した赤外線検知部13及び橋部21の下側に段差を設けた赤外線検出装置の他の製造方法の一実施の形態を示す。
図11に示すように、平面が(100)面であるシリコン基板11にフォトマスクを施し、シリコン表面の露出部分をドライエッチ、または異方性エッチングして、赤外線検知部13及び第1及び第2の電極15、17が形成される下側部分に凹部の段差パターン47を形成する。次に、CVD法により酸化シリコン層による第1の絶縁層12を形成する。以下の工程は実施の形態2と同様であるので省略する。
図12はこのようにして形成した赤外線検出装置の完成断面図を示す。
【0039】
図11において、上記のようにシリコン基板11上に凹部の段差パターン47を形成した後、膜厚約70nmの更にポリシリコン層46によるパターンを形成して橋部21の下に段差を形成すると共に空洞23のエッチングを行う。このポリシリコン層46はシリコンに比べKOHに対し100倍程度溶け易いので、ポリシリコンのパターンから一斉に下方に空洞23がエッチングされる効果がある。
この方法によれば、犠牲層のパターニングの必要がなく段差の形成が簡易で、工程数を減らすことができる。
【0040】
実施の形態5.
図13にこの発明の赤外線検出装置の第5の実施の形態の断面図を示す。28は赤外線である。実施の形態1の図2に示した断面図において、この発明では空洞23の底面と赤外線検知部13との距離が入射照射される赤外線28の波長の1/4としたものである。例えば赤外線の波長を10μmとすると、赤外線検知部13と空洞23の底との距離は約2.5μmである。
【0041】
この製造方法は、予めシリコンのエッチングレートを測定しておき、エッチング深さに対応したエッチング時間を設定する。また後述する実施の形態12、13、14等の方法によりエッチング深さをモニタしながらエッチング深さを赤外線の波長の1/4に形成する。
【0042】
このような構成をとることにより、上方から照射した赤外線が赤外線検知部13を通過し空洞23の底で反射された光が赤外線検知部13の位置で最大の強度となるので、検出感度を向上することができる。
【0043】
本実施の形態では、実施の形態1に加えて、赤外線検知部と空洞の底部との光学距離を測光波長の1/4としたので、橋部と絶縁部材の2次断面モーメントを上げ、支持体としての剛性を上げるように働くとともに、空洞底面からの反射光の強度を光検知部の位置で最大とするように働く。そのため、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができるとともに、更に微細化された赤外線検知部の感度をあげることができる。
【0044】
実施の形態6.
図14にこの発明の赤外線検出装置の第6の実施の形態の断面図を示す。29は反射膜で、実施の形態1の赤外線検出装置において図2の空洞23の底面に反射膜コートしたものである。
空洞23の底は(100)面の反射率はそれほど高くないので反射膜29により反射率を高めたものである。
【0045】
反射膜29の製造方法は、選択メタルCVD法により行う。例えばWの選択CVDは、6弗化タングステン、水素、シランガスを用いCVD法によりタングステン膜を空洞23の底のシリコン面上に選択的に成長させる。
選択メタルCVD法により形成される他の反射膜29材料としては、モリブデン、アルミニウムも可能である。
このような構成とすることにより、微細な赤外線検知部13の場合でも効率よく検出が可能となる。
【0046】
本実施の形態では、実施の形態1に加えて、赤外線検知部の下部のシリコン基板に形成された空洞の底に反射コートを設けるようにしたものである。そのため、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントを大きくでき、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができるとともに、更に微細化された赤外線検知部の感度をあげることができる。
【0047】
実施の形態7.
実施の形態6では図14に示す反射膜29としてタングステン、モリブデン、アルミニウム等と純金属層を用いたが、WSi2 、TaSi2 、TiSi2 等のシリサイドを用いると
、耐酸化腐食性に強いという効果がある。
この膜の製造方法も選択メタルCVD法を用い、例えばタングステンを空洞23の底に形成した後熱処理してシリサイド化する。
【0048】
実施の形態8.
実施の形態6における反射膜29を金等の膜をメッキ法で形成することができる。
シリコン基板11は導電性があるので、実施の形態2で空洞23まで形成された赤外線検出装置を電解液中に入れ、シリコン基板を陰極としてメッキすると、シリコンの表面が露出している空洞23の底面にのみ金膜を形成することができる。
この方法によれば、CVD装置等が必要なく、製造コストをさげることができる。
【0049】
実施の形態9.
図15および図16に、実施の形態2等における図2の空洞23のエッチング工程において、エッチングが隣接する他の素子にまで広がらないようにするための構造とする一実施の形態を示す。図15において27はエッチングストッパで、分離酸化膜26の下側に形成されたp+層である。
【0050】
この酸化分離膜26及びエッチングストッパ27の製造方法は、シリコン基板11上に酸化シリコンを形成した後窒化シリコン層を形成し、酸化分離膜26の部分をパターニング除去し、この上から濃度1018〜1020/cm3 のボロンを注入してシリコン基板に厚
み0.3〜0.5μmのp+層を形成し、エッチングストッパ27を形成する。つぎにこの基板を酸化処理してエッチングストッパ上に酸化分離膜26を形成する。
【0051】
エッチングストッパ27の動作は、酸化分離膜26の下側のシリコン基板11にエッチングが進行しようとしても、濃度1020/cm3 のp+層のエッチングレートはほとんど
0であるので、エッチングストッパ27のところでエッチングが停止し、エッチングが横へ広がらないようにする。
この構成をとることにより、図16bに示すような分離酸化層26下へのエッチングの食い込み部分28を生じないので、微小な素子の場合でも隣接する素子との連結を防止することができる。
【0052】
本実施の形態では、シリコン基板上に形成された分離酸化膜とその下に形成されたエッチングストッパで区分されたシリコン基板領域内に第1の発明の赤外線検知部を形成するようにしたので、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントを大きくでき、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができるとともに、更に空洞を形成する際に、隣接する赤外線検知部へのエッチングの侵食を小さくでき、微細な赤外線撮像装置が形成できる。これにより微細化した素子間の分離を確実に行うことができる。
【0053】
実施の形態10.
この実施の形態においては、実施の形態2に示す図1及び図2の赤外線検出装置の製造方法において、エッチングホール19、20を形成する方向を、エッチングホール19、20の長手方向(図1の上下方向)が、(100)面が表面であるシリコン基板上で<110>方向となるようにしたものである。
このようにするためには、表面が(100)で、ファセットの方向が(110)面のシリコンウエハを用いてエッチングホールの長手方向をファセットに対して平行或いは垂直方向とする。
【0054】
この実施の形態の動作は、エッチングホールを<110>と平行な直方形とすると、エッチピットはエッチングホールを下底とする逆ピラミット状となるが、<110>方向と傾斜してエッチングホールを形成すると、(100)面はエッチングされ易く、(111)面はエッチングされにくいので、エッチングホールは傾斜した長方形の頂点をむすび<110>に平行な線で結ばれた大きな長方形の孔となってしまう。
このような構成とすることにより、エッチングホールの広がりを少なくすることができる。
【0055】
本実施の形態では、実施の形態1に加えて、マトリクス状に形成する赤外線検知部アレーの形成方法を<110>方向とするようにしたので、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントが大きくでき、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供するとともに、微細化パターンの広がりのない、高密度な赤外線撮像装置を精度良く形成することができる。
【0056】
実施の形態11.
この実施の形態においては、図3で示すように、シリコン基板11上に赤外線検知部13がマトリクス状に配置されて形成される赤外線検出装置の製造方法において、(100)が表面であるシリコン基板11上に、赤外線検知部13の配置方向を<110>方向に平行となるようにしたものである。
この場合も実施の形態13と同様なので、以後の説明を省略する。
【0057】
実施の形態12.
図17はエッチングモニタの一実施の形態を示す図で、第2の実施の形態等の赤外線検知装置の製造方法における図2の赤外線検知部13と空洞23の空洞の底との距離を調節するためのものである。
図17において29は絶縁層で、エッチングされる(100)面を表面とするシリコン基板11上に形成されている。34、35、36はエッチピットで絶縁層29に明けられた〔010〕或いは〔001〕の辺を一辺とする正方形の穴である。
エッチピット35の対角線の長さが目標とするエッチング深さの2倍の寸法で、エッチピット34及び36の対角線長は、エッチピット35のものより短く、或いは長く形成されている。
エッチピット34、35、36は図2のエッチングホール19、20が形成される絶縁膜12、13上で(これが絶縁層29に相当する)エッチングホール19、20の近くに形成される。
【0058】
この様なエッチングモニタを設けることにより、エッチング深さは次のように検知することができる。即ち、エッチングホール19、20からエッチングを開始すると、図17に示すように、上方から観察すると、エッチピット34、35、36は、エッチング開始時の工程1ではエッチピットは正方形パターンを示しているが、エッチングが進み目標深さに到達した工程4ではエッチピット34、35に(111)面に交線による対角線が現れる。この時エッチピット36は各角から正方形の中心に向かって部分的に(111)面の交線が延びてきて(100)面に達して止まって台形型パターンとなっている。この時点でエッチングを停止すれば所定の深さの空洞23が得られる。
このようなモニタを設けることにより、目視によりエッチング深さを正確に知ることができる。
【0059】
本実施の形態では、シリコン基板上の絶縁層に形成したエッチピットに目標とするエッチング深さで(111)の交線が現れるようにしたので、目視で容易にエッチング深さを知ることができ、異方性エッチの終点検出ができる。これにより上述した空洞の製造段階におけるエッチング深さが確認できる。
【0060】
実施の形態13.
図18はエッチングモニタの他の実施の形態を示す図で、第2の実施の形態の赤外線検出装置の製造方法における図2の赤外線検知部13と空洞23の空洞の底との距離を調節するためのものである。
このエッチングモニタの構成も実施の形態12のものと同様に、エッチングされる(100)面を表面とするシリコン基板11上の絶縁層29上に形成された正方形のエッチピット37で構成されている。この実施の形態においては、エッチピット37の対角線長を目標とするエッチング深さの2倍より大きなものとし、更に正方形の各辺の各角からエッチング深さの距離の位置にスリットマーク38を設けるようにしたものである。
【0061】
このエッチングモニタの動作は、実施の形態12で示したように、エッチングが開始されると、エッチングモニタ37の各角から正方形の中心に向かって(111)面の交点による筋が現れ、(100)面のところで止まっている。
目標の深さにエッチングが到達すると、正方形の角からの筋はスリットマーク38まで到達するので、この時点でエッチングを停止するようにする。
このような構成をとることにより、目視により容易にエッチング深さを確認することができる。
【0062】
実施の形態14.
図19はエッチングモニタの更に他の実施の形態の構成を示す図で、第2の実施の形態の赤外線検出装置の製造方法における図2の赤外線検知部13と空洞23の空洞の底との距離を調節するためのものである。
このモニタの構成は、図19に示すように、シリコン基板11の空洞23上の赤外線検知部13上に、空洞23のエッチング中に赤外線28を照射するための赤外線光源39とから構成される。
【0063】
このモニタの動作は、空洞23のエッチング中に、赤外線光源39から赤外線28を赤外線検知部13に照射し、その反射光を検知装置(図示せず)でモニタし、その強度が最小となる時点で空洞23のエッチングを停止するようにする。
この点は赤外線検知部13による吸収が最大となる赤外線検知部13と空洞底との距離が照射光の波長の1/4である位置だからである。
このような構成をとることによりエッチング中にエッチング深さを確認することができる。
【0064】
実施の形態15.
以上の実施の形態における空洞23の大部分はシリコン基板11をエッチングして形成されるものであったが、空洞23をシリコン基板11外に形成することもできる。
【0065】
図20はそのような空洞を形成するプロセスの途中を一画素分について示した立体視図であり、13は赤外線検知部、42は赤外線検知部13をその上に設けた絶縁部材、21は絶縁部材42を脚部50に接続し支持する橋部、22は後にエッチングに除かれて空洞となる犠牲層、14は水平信号線、16は垂直信号線、17は赤外線検知部13の電極であって脚部50、橋部21を通って赤外線検知部13に接続されている。
【0066】
図21は図20のAA線に沿った断面図である。橋部21を形成する絶縁層42、21の断面形状は、犠牲層22の段差が転写されることにより、L字型の段差のある形状となり、機械的に強化された構造となっている。このような段差を絶縁層に作る為に犠牲層22も2段形状となっている。11はシリコン基板、12は絶縁層である。赤外線検知部13と絶縁層12との距離は入射する赤外光の波長の1/4に形成されている。絶縁層12の表面には反射コートが設けられる。
【0067】
図22は完成した一画素分の平面図である。
図23は図20の主要部とその断面図を示すもので、(a)は斜視図、(b)はBB線に沿った断面図、(c)はAA線に沿った断面図、(d)は橋部21と脚部50だけの斜視図である。犠牲層22が2段形状となっており、犠牲層22の段の部分で橋部21の断面形状がL字型となり剛性が高められている。脚部50を犠牲層22の角に形成したので機械的に強くなっている。
【0068】
図24(a)〜(k)は、図20〜23に示す素子の製造プロセスの説明図である。(a)はシリコン基板11の主表面上の厚さ6000Åの絶縁膜SiO2 12の上に犠牲層
22を形成した状態である。犠牲層22はCVD法により多結晶シリコンを積層して形成する。
【0069】
次いで、(b)、(c)のようにレジストパターン54を形成して犠牲層22をドライエッチングして段差を作る。この実施の形態では段差は2μmに形成した。更に(d)、(e)、(f)において、レジストパターンを形成し、犠牲層22を形成する。犠牲層22の厚さは入射赤外光の波長の1/4とする。
絶縁膜12上に厚さ5000Åのアルミニウムでスパッタ法により水平、垂直信号線を形成した後、赤外線検知部を載せる絶縁部材42となる絶縁層を犠牲層22を覆って形成した状態が(g)である。絶縁部材42は例えばCVD法によりSiO2 で1000Åの
厚さで形成される。
【0070】
次いで、水素を含有したCVD法による非晶質シリコンで赤外線検知部13を、スパッタ法により500Åの厚さのタングステンで電極17を夫々形成する。その上のCVD法により窒化シリコン膜18を2000Åの厚さに形成する。この状態を(b)に示す。
次いで、レジストパターンを形成し(i)、ドライエッチングによりエッチホール19を形成する(j)。最後にエッチンホール19を通して犠牲層22の多結晶シリコンを溶出させ空洞23を作る(k)。橋部21の断面形状はL字型で剛性が高められている。
【0071】
本実施の形態では、シリコン基板上の犠牲層に段差パターンを設け、その上に絶縁部材を設けるので、段差パターンが絶縁部材に転写され、赤外線検知部を搭載する絶縁部材、脚部およびそれを保持する橋部の少なくとも一つの断面形状が段差を有するようになる。そのため、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントを大きくでき、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができる。
【0072】
実施の形態16.
空洞23をシリコン基板11外に形成し、且つ橋部の断面形状をT字型として剛性を高める実施の形態を図25、図26に基いて説明する。
【0073】
図25は、犠牲層22上に橋部21および絶縁部材42を形成した状態を示す図で(a)は斜視図、(b)はAA線に沿った断面図、(c)はCC線に沿った断面図である。橋部21および絶縁部材42の断面形状はT字型であり、剛性が高められている。
【0074】
図26(a)〜(g)は、この実施の形態の製造過程の説明図である。(a)はシリコン基板11上にCVD法により厚さ6000Åの酸化シリコン膜を形成し、更に多結晶シリコンにより犠牲層22を形成し、犠牲層22上にレジストパターン54を形成した状態を示す。
【0075】
次に、ドライエッチングにより多結晶シリコン層22に凹型の段差47を形成する(b)。その上に更にレジストパターン54を形成し(c)、ドライエッチングを行い犠牲層22を形成する(d)。
【0076】
水平信号線16を例えばAlのスパッタにより厚さ5000Åに形成した後、犠牲層22を含め全面にCVD法により厚さ1000Åの酸化シリコン膜を形成する。その上にCVD法により水素を含む非晶質シリコンで赤外線検知部13を、スパッタ法によりタングステン電極17を形成する(e)。
その上から、CVD法によりSiN膜18を形成する(e)。
【0077】
次に、レジストパターン(図示せず)を形成し、SiN膜18とSiO2 絶縁膜42を
選択的にエッチングしてエッチングホール19を形成する(f)。エッチングホール19を通して犠牲層ポリシリコン22をKOH溶液で溶出させて空洞23を形成する(g)。橋部21および検知部13を載せる絶縁部材42は断面形状がT字型に形成され、剛性が高められている。
【0078】
実施の形態17.
空洞23をシリコン基板11外に形成し、且つ、橋部の断面形状を逆U字型として剛性を高めた実施の形態の製造過程を図27(a)〜(f)に基いて説明する。
【0079】
シリコン基板11上にSiO2 絶縁膜12とポリシリコンの犠牲層22を形成し、更に
、犠牲層22上にレジストパターン54を形成する(a)。
犠牲層22を選択エッチングして表面に凸形状の段差を形成した後、更にレジストパターン54を形成し(b)、エッチングして犠牲層22を得る(c)。次に、犠牲層22を覆ってSiO2 膜を形成し、その上に非晶質シリコンの赤外線検知部とタングステン電極
を形成し、更にSiN膜を形成する(d)。レジストパターンを形成し、選択エッチングによりエッチングホールを形成し(e)、エッチングホールを通してKOH溶液により犠牲層22を溶かし出して空洞23を形成する(f)。
橋部21および絶縁部材42は逆U字型となっているので剛性が高められている。
【0080】
実施の形態18.
空洞23をシリコン基板11外に形成し、且つ橋部の断面形状をL字型とする他の実施の形態を図28、図29について説明する。
【0081】
図28(a)は一画素分の主要部の犠牲層エッチング前の斜視図、図28(b)は図28(a)のBB線に沿った断面図、図28(c)は図28(a)のAA線に沿った断面図である。この実施の形態では犠牲層22は台形に形成される。橋部21は変型したL字型に形成される。
【0082】
図29(a)〜(f)は、製造過程の説明図である。
シリコン基板11上にSiO2 膜12を形成し、その上にポリシリコンの犠牲層22を
形成しレジストパターン54を形成する(a)。SF6 ガスにより等方性のドライエッチ
ングを行い、台形の犠牲層22を形成する(b)、(c)。信号線16を形成した後、全面にSiO2 絶縁膜42を形成し、その上に非晶質シリコンの赤外線検知部13、タング
ステン電極17を形成し、更にSiN膜18を形成する。その後レジストパターンを形成し、エッチングホール19を形成し(d)、エッチングホール19を通してKOH溶液により犠牲層22を溶出させ、空洞23を形成する。
橋部21は変型したL字型に形成されているので剛性が高められている。
【0083】
以上のように説明した実施の形態15から18では、犠牲層の段差パターンを台形、凹状または凸状としたので、絶縁部材の断面形状を剛性の高い変型L字型、T字型または逆U字型にできる。そのため、段差パターンが絶縁部材等に転写され、赤外線検知部を搭載する絶縁部材、脚部およびそれを保持する橋部の少なくとも一つの断面形状が段差を有するようになる。そのため、橋部或いは絶縁部材の2次断面モーメントを大きくでき、赤外線検知部を支持する支持強度の強い構造を提供することができる。
【0084】
赤外線検知部13には各種赤外線センサが採用可能である。赤外線によって検知膜の抵抗が変化し、これを電流の変化として検知するボロメータ方式の熱赤外センサの他に熱電対型の赤外センサや焦電型の赤外センサも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】この発明の赤外線検出装置の第1の実施の形態の平面図を示す図である。
【図2】図1のAA断面図を示す図である。
【図3】この発明の赤外線検出装置の結線図を示す図である。
【図4】両端自由支持梁の梁の形状と撓みとの関係を示す図である。
【図5】この発明の赤外線検出装置の第1の実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態の赤外線検出装置の製造工程を示すための断面図を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態の赤外線検出装置の製造工程を示すための断面図を示す図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態の赤外線検出装置の製造工程を示すための断面図を示す図である。
【図9】この発明の第3の実施の形態の赤外線検出装置の製造工程を示すための断面図を示す図である。
【図10】この発明の第3の実施の形態の赤外線検出装置の製造工程を示すための断面図を示す図である。
【図11】この発明の第4の実施の形態の赤外線検出装置の製造工程を示すための断面図を示す図である。
【図12】この発明の第4の実施の形態の赤外線検出装置の製造工程を示すための断面図を示す図である。
【図13】この発明の第5の実施の形態の赤外線検出装置の断面図を示す図である。
【図14】この発明の第6の実施の形態の赤外線検出装置の断面図を示す図である。
【図15】この発明の第9の実施の形態の赤外線検出装置の断面図である。
【図16】この発明の第9の実施の形態の赤外線検出装置の断面図である。
【図17】この発明の第12の実施の形態のエッチングモニタの構造を示す平面図である。
【図18】この発明の第13の実施の形態のエッチングモニタの構造を示す平面図である。
【図19】この発明の第14の実施の形態のエッチングモニタの構造を示す平面図である。
【図20】この発明の第15の実施の形態の犠牲層および絶縁部材の構造を示す斜視図である。
【図21】図20の断面図である。
【図22】図20に対応する平面図である。
【図23】図20の主要部の斜視図および断面図である。
【図24】第15の実施の形態の製造過程を示す図である。
【図25】この発明の第16の実施の形態の犠牲層および絶縁部材の構造を示す斜視図および断面図である。
【図26】第16の実施の形態の製造過程を示す図である。
【図27】この発明の第17の実施の形態の製造過程を示す図である。
【図28】この発明の第18の実施の形態の犠牲層および絶縁部材の構造を示す斜視図および断面図である。
【図29】第18の実施の形態の製造過程を示す図である。
【図30】従来の赤外線検出装置の構造を示す図である。
【図31】従来の赤外線検出装置の他の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
11 シリコン基板 12 絶縁層
13 赤外線検知部 15 電極
17 電極 18 絶縁層
19 エッチングホール 20 エッチングホール
21 橋部 22 犠牲層
23 空洞 26 分離酸化膜
27 エッチングストッパ 28 反射コート
29 絶縁層 34 エッチピット
35 エッチピット 36 エッチピット
37 エッチピット 38 スリットマーク
42 絶縁部材 46 犠牲層
47 凹部の段差パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板と、前記シリコン基板の主面上に空間を隔てて対向して設けられた絶縁部材と、この絶縁部材上に設けられた赤外線検知部と、前記シリコン基板に前記絶縁部材を接続し且つ支持する橋部とを備え、該橋部の横断面の形状は橋部の長手方向全域にわたって段差を有することを特徴とする赤外線検出装置。
【請求項2】
絶縁部材自身の断面形状が段差を有することを特徴とする請求項1に記載の赤外線検出装置。
【請求項3】
段差形状が逆U字型、L字型またはT字型のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線検出装置。
【請求項4】
赤外線検知部と空洞の底面との光学距離が測光波長の1/4であることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線検出装置。
【請求項5】
シリコン基板上に犠牲層を形成する工程と、この犠牲層に段差パターンを形成する工程と、前記犠牲層を覆って前記シリコン基板上に絶縁部材を形成する工程と、この絶縁部材上に赤外線検知部を形成する工程と、前記絶縁部材の所定領域をエッチングしてエッチングホール及び前記赤外線検知部の搭載された絶縁部材を前記シリコン基板に接続し且つ支持する橋部をパターニングする工程と、前記エッチングホールから前記犠牲層をエッチングして少なくとも前記橋部の長手方向全域にわたって橋部の横断面に前記犠牲層の段差パターンの転写された段差を形成するとともに前記絶縁部材の下に空洞を形成する工程とを備えた赤外線検出装置の製造方法。
【請求項6】
段差パターンの断面形状が台形、凹状または凸状であることを特徴とする請求項5に記載の赤外線検出装置の製造方法。
【請求項7】
シリコン基板上の橋部を立設する部分に犠牲層の段差パターンを形成することを特徴とする請求項5に記載の赤外線検出装置の製造方法。
【請求項8】
シリコン基板と、前記シリコン基板と空洞を隔てて対向して設けられた絶縁部材と、この絶縁部材上に設けられた赤外線検知部と、前記シリコン基板に前記絶縁部材を接続し且つ支持する橋部とを備え、該絶縁部材の横断面の形状が段差を有することを特徴とする赤外線検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate


【公開番号】特開2006−194894(P2006−194894A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26896(P2006−26896)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【分割の表示】特願平7−66527の分割
【原出願日】平成7年3月24日(1995.3.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】