説明

赤色ガラス、赤色ガラスを製造する方法、並びにそのガラスで得られる着色電球及び管

【課題】赤色を有し、色調が経時的に安定であり、熱衝撃に無感応性でありながら、光束の良好な透過を可能にするガラスを提供する。
【解決手段】ソーダ−石灰−シリカ組成物をベースとしたガラスバッチで、バッチ100重量%当たり、0.01〜1重量%の銅と、0.2〜2重量%のスズと、及び0.01〜2.5重量%のランタニド族の酸化物と、及び/又は酸化銀又は硝酸銀の形態において0.01〜0.5重量%の銀とを含むガラスバッチから形成されるバルク着色赤色ガラス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーダ−石灰−シリカ組成物をベースとしたガラスバッチから形成されるバルク着色赤色ガラスに関する。
【0002】
また、赤色ガラス並びにそのガラスで得られる管及び電球を製造する方法に関する。
【0003】
本発明は、自動車の指示電球(尾灯、ブレーキ灯)の分野において特に適用可能であるが、これに限定されない。
【0004】
「赤色」という用語は、国際標準、特に、CIE 1931として知られている照明関連作業についての国際調査委員会で定義されている領域内に入る赤い色調(ティント)を意味するものと理解されるべきである。
【0005】
ヨーロッパにおいては、ECE規則により定義される比色空間は、X及びY座標が、次の
A (0.657〜0.335)
B (0.665〜0.335)
C (0.735〜0.265)
D (0.730〜0.263)
の台形領域に相当する。
【0006】
これらの点は、本明細書に添付されている図2において示される標準比色空間に相当する、赤色を示すために用意される領域を定義する。
【0007】
照明についての国際委員会は、自らSAE J 578基準による色彩標準を定義しており、その境界は次のとおりである:
黄色境界: Y=0.33;
紫色境界: Y=0.98−X。
【0008】
境界は四角形を定義し、そのグラフ表示は、図2において示される。
【0009】
更に一般的には、GTB(ブリュッセル作業ブループ)は、自動車において赤色の信号発信用に用意される領域を確定するために、ECE及びSAEの両方の領域を含む広い空間を採用した。
【0010】
ソーダ−石灰をベースとしたガラスでこれらの色を得るために通常使用される方法は、カドミウム及びセレンの添加を含む。
【0011】
しかしながら、この方法の使用は、カドミウムを含めたある種の重金属の使用を制限する目的を有するヨーロッパ指令(91/338/ECE)により1991年以来禁止されている。
【0012】
酸化銅をソーダ−石灰ガラスベースに添加するという別の方法を使用して赤色を得ることは可能である。
【0013】
この方法は、装飾照明又は低温用途(赤外放射)を目的したブランクの製造のために、本出願人により長年にわたって使用されている。
【0014】
しかしながら、特に、厚さが薄い(0.5〜1mm)照明ランプの工業的製造において、プロセスを制御することは複雑であり、獲得することは困難である。
【0015】
また、従来の方法は、大きな欠点を有している。何故なら、それらが低い光透過率(放射エネルギーの8〜15%)をもたらし、特に自動車における指示用として使用することのできる製品を供給できないからである。
【0016】
本発明の目的は、色座標が赤色を示す標準定義内に在る赤色ガラスの製造、及び約20%まで改善された全体の光束透過率を有するようにすることを可能にすることができることで、これらの欠点を緩和することである。
【0017】
これを達成するために、本発明は、赤色ガラス、赤色ガラスを製造する方法、並びに従来公知のものよりも実用的要求に良く合致する、このように着色された管及び電球を提案するものであり、特に、規制の対象とされる毒性物質及び/又は環境的に有害な物質、例えば、鉛、カドミウム、セレン又はクロム等を含まないガラスであって、現に有効な国際表示基準の範囲内に入る赤色を有し、それは経時的に安定であり、熱衝撃に無感応性でありながら、光束の良好な透過を可能にするガラスを提案する。
【0018】
この目的のために、本発明は、ガラスバッチが、ガラスバッチ100重量%当たり、0.01〜1重量%の銅、0.2〜2重量%のスズ及び0.01〜2.5重量%のランタニド族の酸化物、及び/又は酸化銀又は硝酸銀の形態において0.01〜0.5重量%の銀を含むことを特徴とする、ソーダ−石灰−シリカ組成物をベースとしたガラスバッチから形成されるバルク着色赤色ガラスを特に提案する。
【0019】
有利な態様においては、以下の配合の1つ以上が採用されても良い:
【0020】
−ランタニドは、エルビウム又はネオジムである;
【0021】
−銅は、赤色酸化第一銅又は銅第一酸化物CuOの形態で導入され、銅の一部分は、塩化第二銅によっても供給される。酸化銅によって供給される金属は、過飽和溶液を形成するように高温で溶解し、ゆっくりした冷却により、その寸法が色調を変える銅金属の粒子の形成を伴い、低温で沈殿する。本明細書においては、この色調は、微細に分離された(原子)状態での金属の選択的吸収が、青色光及び緑色光を吸収することにより赤色光を透過する時に「コロイド状」であると言われる;
【0022】
−銅粒子の寸法は、約10nmから約100nm、更に好ましくは30から70nmの範囲である(ここで、「約」という用語は、±1〜2nmを意味するものと理解されるべきである)。これは、(制御された冷却により)これら2つの値の間で、ガラスが桃色から深紅色の範囲の明暗(shade)を生み出すことが観察されるからである。100nmより上では、透過光における深紅色は、過度に大きい粒子の凝集(非常に遅い冷却による)により、反射光において褐色乳白光を有する。結晶化のこの形態は、例えば、SEM(走査電子顕微鏡)により示すことができる;
【0023】
−スズは、酸化第一スズ(SnO)の形態又は酸化第二スズ(SnO)の形態で導入される。それ自身では着色剤ではないが、スズは、核化剤として作用し、色調の適当な発現を可能にし、その均一性に貢献する。スズは、また、可変原子価の元素であり、式:Cu2++Sn2+=Cu+Sn4+により、イオン銅化合物を還元するのを助ける;
【0024】
−バッチは、粉末のコークス、コール、カーボン、糖、ビスマス、酒石及び/又は金属粉(アンチモン、亜鉛、アルミニウムのレグルス〔regulus〕)から選択される、非常に微細に分離された状態での酸化物の金属銅への変換を助ける還元剤を含む;及び
【0025】
−ガラスは、形成後に、以下の方法において熱処理(徐冷)に掛けられる:
−形成されたガラス(ブランク又は管形状)が、約20分〜約45分の予め決められた時間、一連の少なくとも3つの独立加熱ボックス、例えば、ガラスを炉から取り出すときの温度とガラスをボックスから取り出すときの温度の間で、ボックス2の内部温度が、約520〜580℃、好ましくは約540〜565℃の、流れの順番に1〜7の番号が付けられた7つのボックスを通して運ばれる。
【0026】
実際には、そしてそれ自身公知の方法においては、部品は、毎時間に取り出され、全てのドリフトを表示するように比色チェックが行われる。ドリフトは、コンベヤーの走行速度等の処理パラメータ及び/又は冷却炉(cooling lehr)又はトンネルの1つ以上の領域における温度のような処理変数を変更することにより直ちに修正される。
【0027】
したがって、このようにして製造される赤色ガラスは、毒性又は環境的に有害な物質を含まず、非常に明るいものから非常に暗いものまでの範囲の色の明暗を伴い、その色は経時的に安定であり、高温において熱衝撃又は湿度変化に無感応性であることに注意すべきである。
【0028】
更に、各明暗は、製造中は安定であり、顧客の仕様によって設定された境界内に入るものである。
【0029】
また、本発明は、溶融ガラスの100重量%当たり:
SiO: 69−75%
NaO: 2と8%との間
O: 5と15%との間
: 0.5と4%との間
LiO: 0.1と3%との間
CaO: 5と9%との間
MgO: 0.2と1%との間
Al: 0.2と2%との間
CuO: 0.2と1.5%との間
SnO: 0.2と2%との間
Cl: 0.02と0.3%との間
Er: 0.01と2.5%との間
Nd: 0と2.5%との間
AgO: 0と0.5%との間
を含み、銅の少なくとも一部分が、その役割が精製を助けること及び透過を向上することである塩化第二銅(CuCl)の形態において導入されることが理解される、ソーダ−石灰組成物をベースとしたバルク着色赤色ガラスを提案する。
【0030】
Fe、TiO、ZrO等の元素は意図的に添加されず、不純物として存在する点に注意すべきである。
【0031】
本発明は、また、その物性がおよそ次の様なものであるバルク着色赤色ガラスを提案する(「およそ」という用語は、±10℃の範囲内を意味するものと理解されるべきである):
融点(logη=2):1435℃;
作業点(logη=4):995℃;
軟化点(logη=7.6):690℃;
徐冷点(logη=13):505℃;
Tg(logη=13.3):495℃;
歪点(logη=14.5):475℃;及び
Δl20/300℃=93×10−7
【0032】
また、本発明は、上記赤色ガラスを得るためのガラスバッチを提案する。
【0033】
また、上述のタイプの赤色ガラスで作られるブランク及び/又は管を提案する。
【0034】
このようにして用意される赤色ガラスブランクは、車における表示、家庭及び装飾照明、低温加熱及び乾燥、並びに医療及び医療補助的分野(痛み治療)を目的とした白熱電球を製造するために使用しても良い。
【0035】
また、本発明は、上述の赤色ガラスを得るための方法を提案する。
【0036】
本発明による方法を実施する1つの有利な方法においては、ガラスの色調の明暗は、金属粉末ベースの還元剤の量を、バッチの0.3重量%のレベルまで調整して、加熱炉内部の酸化−還元パラメータを変更することにより調節される。
【0037】
また、本発明は、ブランク及び上述の方法から得られる、例えば、家庭及び装飾照明用の照明装置のための、あるいは自動車における指示手段としての用途のための、赤色ガラスで作られた電球又は管を提案する。
【0038】
炉を出て直ちにガラスのゴブ(gob)から形成されるブランク及び必要とされる色標準に適合するその赤色の色調は、特定の処理を伴う確定的な方法において得られる。
【0039】
上記で分かる通り、赤色の色調は、基本の化学組成及び調節し調整した溶融条件だけではなく、形成後直ちに調節される冷却炉又はトンネルにおける熱処理条件により得られる。
【0040】
本発明は、非限定的実施例の方法により与えられる、本発明の態様の以下の記述を読むことにより一層よく理解される。
【0041】
記述は、添付の図面を参照して行われる。
【0042】
図1は、SiO/RO/R′Oタイプ(ここで、Rは、アルカリ金属元素であり、R′は、アルカリ土類金属元素である)のガラスをベースとしたポッド形状のガラスブランク2を含む、電球1を示す。
【0043】
ブランクは、色が赤色であり、フランスのフォンテンブロー地方の砂で形成されたガラスバッチから作られ、例えば、バッチ100重量%当たり、0.5重量%の銅、1重量%のスズ、2重量%のランタニド酸化物、及び/又は0.2重量%の硝酸銀を含む。
【0044】
電球1は、それ自身公知の方法において、電力供給系への接続のためのキャップ3、及びフィラメント4を含む。
【0045】
したがって、本発明によれば、上述のガラスバッチの使用は、それ自身公知の溶融パラメータ(炉における温度及び滞留時間)の調節を伴い、最適化されたガラスバッチの酸化−還元は好みに合わせられた割合のお陰であり、以下で更に正確に記述される適当な冷却操作の遂行が、所望の色調において直接ブランクを製造することを可能にする。
【0046】
図1A、1B及び1Cは、本発明によるバルク着色ガラスのゴブをブロー成形することにより得られたガラスブランク5、6及び7のその他の態様を示し、ブランク1Cは、例えば、自動車点滅灯用に設計されている。
【0047】
それらの照明部分における電球ブランク用のパリソン8、9及び10の厚さe、e′及びe″は、約0.4mmである。この厚さは、ガラスの重量及びその粘度に依存し、そのばらつきは、約0.2mmまでの範囲であってもよく、上記特徴は、また、図1において示される電球にも適用できる。
【0048】
従来においては、平均値周辺を変動する調節不可能な色変動が原因で、色調が所望の色標準の外側になることに帰着するので、同じパリソンの厚さに対して正確な色調を系統的に与えることは不可能ではないが困難であった。
【0049】
本発明によれば、ばらつきは、大体機械的に調節することのできる厚さの相違のせいだけではないので、色調は、常に、許容される範囲内にある。
【0050】
図2においてプロットされているのは、ECE(ヨーロッパ経済委員会)標準(参照12)及びSAE(自動車技術者協会)標準(参照13)による、本発明によるガラスの赤色四辺形におけるガラスの色特徴を示す色度図11である。これらの標準における赤色に対する境界は、図において広げられた四角形で表示されてもよく、ECE標準12は、色の更に高い純度領域に向う更に広いSAE標準13内に含まれている。
【0051】
星印14、菱形15及び×印16は、以下の平均の電気及び測光学的特性を有するガラス組成に相当する。
【0052】
【表1】

【0053】
このように、本発明で得られる透明性は、従来の赤色ガラスよりも極めて高い(>15%)ことに注意されたい。
【0054】
標準との比較は目視で行われ、比色分析測定は、積分球及び、全体の色値を得るために、既知タイプのコンピュータ、例えば、DP100の名称で知られているミノルタコンピュータに接続された、日本企業のミノルタ社製のChroma−meter CL100の名称の比色計を使用して行われる。
【0055】
更に正確な領域にわたる測定は、次いで、TF6−120の名称のTHOMA(商標)の比色計を使用して行われる。
【0056】
両方の場合において、光源は、標準光源Aであり、その近接(proximal)色温度は2856Kである。この光源は、標準電源装置に接続され、その電圧は13.5Vに調整される。
【0057】
測定は、CIE 1931座標系において、x点及びy点の2点で行われる。測定は、飽和度、主波長及び色度図の中での試料の色の位置、とりわけ、信号送信を対象とした赤色色調を定義する2つの現存する標準に関する位置を定義することを可能とする。
【0058】
この色空間においてプロットされるものは、したがって、銅、スズ及びランタニドの重量含有量が達成可能な2、3の色調明暗を代表する幾何学的記号(星印15、×印17等)である。
【0059】
この比の増加は、多数の異なる明暗を生成する能力を示す。
【0060】
適当な色調の明暗において供給されるブランクは、広範囲な形状及び達成可能な色調を伴う家庭用照明及び/又は装飾ランプを取り付けるために使用されても良い。
【0061】
したがって、製造されたガラスは、装飾を対象とした、例えば、図1、1A及び1Bにおいて示される様な赤色ワニスで被覆された装飾的電球を都合よく置き換えることができる。
【0062】
ブランクを連続的に製造するための方法は、本明細書において更に詳しく記述される本発明の態様による図3及び4を参照して記述される。
【0063】
図3は、本明細書において更に詳しく記述される本発明による方法を実施するための設備20を示す。
【0064】
それは、ガラス溶融炉21、炉からの溶融ガラスで充たすためのチャンネル22、その操作が以下において更に詳しく記述される、ブランクを形成するためのカルーセル24を供給するディストリビューター23、冷却空気供給27及びブロー空気調整/分配28のための圧縮空気供給26のための自動調整及び調節手段25を含む。
【0065】
後者は、特に、コンプレッサー及びブロー成形中に使われる圧力を、自動プロセス調節システムにより安定化させるための手段を含む。
【0066】
次いで、カルーセルは、形成されたブランク29を、冷却炉31を連続的に通過するコンベヤーベルト30に送る。冷却トンネルの目的は、ブランクの温度を約550℃で、例えば、1〜2分の範囲の時間維持して、成型中の機械上で急に冷却(1200℃から580℃まで)された時に創り出されるガラスの内部引張り応力を除去し、次いで、所望の明暗における赤色を得るために、これらのブランクを、室温までゆっくりと(約20〜30分掛けて)下げて冷却する。
【0067】
徐冷炉(annealing lehr)は、このタイプの色調のために適合される。
【0068】
炉の寸法及び複数の加熱領域の配置は、どのようなホットガラス製造における実際の徐冷工程に相当しても影響を及ぼすことなく、リアルタイムに色又はその明暗の安定性を調節することを可能にする。
【0069】
図4及び5においても示される炉は、32、33、34、35、36、37及び38の7つの完全に独立した加熱又は冷却ボックスで構成されている。
【0070】
温度及び調節は、各ボックスにとって特有であり、複数のかつ確実な調整をすることが可能である。
【0071】
全てのボックスは、遠心ファンを備えていて、その目的は、空気を攪拌して、ボックスの全体の体積にわたって低い勾配を維持するためである。
【0072】
ボックス37の内側の、色の発現を補正するための最適温度は、540〜565℃である。
【0073】
次いで、温度は、物品又は比色図における色の位置により、室温に向けて徐々に低下される。
【0074】
炉31を通過するための全所要時間は、約20分〜約45分の間で変動する。
【0075】
自動調節手段39は、コンベヤーベルトの適切な操作を可能にし、ブランクは、500℃/600℃から40℃に冷却するために炉31を通過した後に、例えば、その完成した色を伴って毎分90の割合で連続的に得られた。
【0076】
次いで、それらは、貯蔵のためにトンネル出口40で集められる。
【0077】
ブロー成形による製造のための様々な形成工程/ステーションは、以下で記述される。
【0078】
規定された比率においてバッチを調製後、一連のバッチは、ガラス溶融バッチを供給するために炉中に導入される。ガラスペーストは、公知の方法で、1350℃から1500℃の温度まで加熱され、当業者の能力内で特定された溶融時間の間、この温度で維持される。
【0079】
溶融ペーストは、ボールから約1150℃の温度で取り出されるために、カルーセル24に向けてゆっくりと流動し、次いで、ブランクの形成が、以下の工程により行われる:
【0080】
41. ガラスの調製(ボール温度);
42. ゴブの形成(供給プランジャー);
43. ゴブの切断(剪断);
44. ガラス研磨台上におけるゴブの位置合わせ;
45. ディスク形状へのゴブの加圧;
46. 移送及びテーブル上の堆積;
47. ディスクの局部冷却;
48. 引き延ばし冷却;
49. 装着された割型中への水の噴霧;
50. テーブルの回転の開始;
51. 金型からの過剰水の除去;
52. パリソンの自己形成;
53. リング形成ノズルの降下;
54. パリソン中への第一のブロー成形;
55. パリソンの外側へのブロー成形;
56. パリソン中への第二のブロー成形;
57. 金型の閉鎖;
58. 第一の充填ブロー成形;
59. 第二の仕上げブロー成形;
60. ノズルの上昇;
61. 金型の開放;
62. トーチの再加熱;
63. テーブルの回転の停止;
64. ブランクの中のリングの分離;
65. ブランクの突き出し;
66. リングの突き出し、テーブルの噴霧;
67. テーブルの空気冷却;
68. 対象物の冷却炉への搬送;及び
69. 冷却炉への入場。
【0081】
更に詳しく記述される態様においては、この平衡は、粉末アルミニム等の還元剤の存在により更に高められ、強力な酸化が色の損失を常にもたらす。
【0082】
いうまでもなく、そしてまた前述の結果のとおり、本発明は、更に詳しく記述された態様に限定されない。それどころか、本発明は、その変形の全て、特に、それが管であって、このようにして製造されるブランクではないものを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明により製造されたガラスから製造された電球の側面図である。
【図1A】本発明による電球の様々な形状に対するガラスブランクの側面図である。
【図1B】本発明による電球の様々な形状に対するガラスブランクの側面図である。
【図1C】本発明による電球の様々な形状に対するガラスブランクの側面図である。
【図2】標準比色空間を示す図表であり、その中に、本発明による赤色電球の色が、確実にかつ着実に位置している。
【図3】電球に適用される本発明による方法を実施する1つの方法を実行するための例示の概念的透視図である。
【図4】図3の冷却/徐冷炉の一態様の側面図である。
【図5】図3の冷却/徐冷炉の一態様の平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバッチが、バッチ100重量%当たり、0.01〜1重量%の銅と、0.2〜2重量%のスズと、及び0.01〜2.5重量%のランタニド族の酸化物と、及び/又は酸化銀又は硝酸銀の形態において0.01〜0.5重量%の銀と、を含むことを特徴とする、ソーダ−石灰−シリカ組成物をベースとしたガラスバッチから形成されるバルク着色赤色ガラス。
【請求項2】
ランタニドが、エルビウム又はネオジムであることを特徴とする、請求項1記載の赤色ガラス。
【請求項3】
銅が、赤色酸化第一銅又は銅第一酸化物CuOの形態で導入され、銅の一部分が、塩化第二銅によっても供給されることを特徴とする、請求項1又は2記載の赤色ガラス。
【請求項4】
銅粒子の寸法が、約10nm〜約100nmの範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の赤色ガラス。
【請求項5】
銅粒子の寸法が、約30nm〜約70nmの範囲であることを特徴とする、請求項4記載の赤色ガラス。
【請求項6】
スズが、酸化第一スズ(SnO)の形態又は酸化第二スズ(SnO)の形態で導入されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記載の赤色ガラス。
【請求項7】
バッチが、次の成分:粉末のコークス、コール、カーボン、糖、ビスマス、酒石及び金属粉(アンチモン、亜鉛、アルミニウムのレグルス)から選択される、非常に微細に分離された状態での酸化物の金属銅への変換を助ける還元剤を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載のガラス。
【請求項8】
ソーダ−石灰組成物をベースとしたバルク着色赤色ガラスであって、溶融ガラス100重量%当たり、
SiO: 69−75%
NaO: 2と8%との間
O: 5と15%との間
: 0.5と4%との間
LiO: 0.1と3%との間
CaO: 5と9%との間
MgO: 0.2と1%との間
Al: 0.2と2%との間
CuO: 0.2と1.5%との間
SnO: 0.2と2%との間
Cl: 0.02と0.3%との間
Er: 0.01と2.5%との間
Nd: 0と2.5%との間
AgO: 0と0.5%との間
を含み、銅の少なくとも一部分が、塩化第二銅(CuCl)の形態で導入され、その役割が精製を助けること及び変換を改善することである、赤色ガラス。
【請求項9】
バルク着色赤色ガラスであって、その物性が、およそ次のとおりである赤色ガラス:
融点(logη=2):1435℃;
作業点(logη=4):995℃;
軟化点(logη=7.6):690℃;
徐冷点(logη=13):505℃;
Tg(logη=13.3):495℃;
歪点(logη=14.5):475℃;及び
Δl20/300℃=93×10−7
【請求項10】
ソーダ−石灰−シリカ組成物をベースとしたバッチから赤色ガラスを製造する方法であって、バッチに、100重量%当たり、0.01〜1重量%の銅と、0.2〜2重量%のスズと、及び0.01〜2.5重量%のランタニド酸化物と、及び/又は酸化銀若しくは硝酸銀の形態において0.01〜0.5重量%の銀と、が添加されることを特徴とする方法。
【請求項11】
ランタニドが、エルビウム又はネオジムであることを特徴とする、請求項10記載の赤色ガラスを製造する方法。
【請求項12】
形成後のガラスが、以下の方法において熱処理されることを特徴とする、請求項10及び11のいずれかに記載の方法:
形成されたガラス(ブランク又は管形状)が、約20分から約45分の間の予め決められた時間、ガラスを炉から取り出すときの温度とガラスをボックスから取り出すときの温度の間で、ボックス2の内部温度が約520〜580℃、好ましくは、約540〜565℃の、流れの順番に番号が付けられた一連の少なくとも3つの独立加熱ボックスを通して運ばれる方法。
【請求項13】
銅が、赤色酸化第一銅又は銅第一酸化物CuOの形態で導入され、銅の一部分が、塩化第二銅によっても供給されることを特徴とする、請求項10〜12のいずれか1項記載の赤色ガラスを製造する方法。
【請求項14】
スズが、酸化第一スズ(SnO)の形態又は酸化第二スズ(SnO)の形態で導入されることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項記載の赤色ガラスを製造する方法。
【請求項15】
照明装置用の赤色ガラスで作られた電球であって、自動車用のブレーキ灯又は指示灯として使用するために、請求項1〜9のいずれか1項記載のガラスで作られたブランク又は管から得られる電球。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−55889(P2007−55889A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−200299(P2006−200299)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(506219786)
【氏名又は名称原語表記】VERMONT
【Fターム(参考)】