説明

赤血球の損傷蓄積度を評価する方法及び装置

【課題】
赤血球の損傷蓄積の程度を定量的に測定することが可能な計測装置を提供する。
【解決手段】
板Aと対向するように配置された板Bの間に赤血球含有液体試料を挟み、板Aを締結手段を介して駆動手段によって回転させることにより前記試料にせん断流れを誘起する回転型せん断負荷装置を用いて、前記試料中の赤血球に連続的又は断続的に非生理的な高せん断応力を負荷し、前記赤血球の膜の破断を生じさせる手段と、前記試料に光を入射する送光手段と、前記前記送光手段によって前記試料に入射される光の強度を測定する受光手段Aと、前記送光手段によって前記試料に入射され、前記試料を透過した光を受光する受光手段Bと、前記受光手段A及び前記受光手段Bによって取得した信号を解析する信号解析手段を有し、信号解析結果から前記試料中の赤血球の損傷蓄積度を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
回転型のせん断負荷装置を用いて、赤血球に一定の大きさ或いは時間的に大きさの変化するせん断応力を連続的或いは断続的に負荷し、該赤血球を含む溶液の透過光強度の変化から赤血球の損傷蓄積度を評価する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト赤血球は血液容量の半分近くを占め、酸素運搬の役割を担っている。赤血球はその細胞サイズよりも小さな径の血管を通過するために、変形能を有している。
【0003】
人工心臓血液ポンプ、人工心肺をはじめとする血液接触型の装置を用い、血液を循環させると、前記装置内部の局所において、赤血球に非生理的な大きなせん断応力が負荷され、赤血球膜の破断及び赤血球の崩壊すなわち溶血が発生する。また、前記装置を使用しない状態であっても、例えば、足底に過度の衝撃が加わる運動を長時間にわたって継続した場合には、同様の溶血が発生する。
【0004】
血液ポンプの性能評価試験として実施される一般的な溶血試験では、供試血液ポンプを接続した循環回路に一定量の血液を充填し、所定の条件でポンプを駆動して血液を循環させ、一定時間ごとに回路から血液を採取し、遠心分離した血漿遊離ヘモグロビン濃度を測定する。血漿遊離ヘモグロビン濃度の時間変化から、血液ポンプの血液適合性を評価する。
【0005】
しかしながら、そのような試験方法では、血漿遊離ヘモグロビンのみを評価指標としているため、赤血球膜が損傷しながらも、破断に至っていない血球の存在を無視した評価となり、赤血球膜の損傷を評価することはできない。
【0006】
従来、膜破断に至っていない状態赤血球の損傷の程度を調べる方法として、赤血球の変形能に注目し、これを直接又は間接的に測定する方法がある。
【0007】
例えば、同心円筒粘度計内に赤血球含有溶液を入れ、せん断応力によって伸長された赤血球の回折像の形から赤血球の変形能を測定する、エクタサイトメータを用いる方法では、定量評価のために、取得画像をもとに画像処理手段が必要となる(非特許文献1)。
【0008】
また、マイクロピペットを用いて赤血球膜の一部を吸引し、吸引圧と吸引距離から膜弾性を測定するマイクロピペット法は、個々の赤血球の変形能を測定できる利点があるが、測定には高度な手技が必要である(非特許文献2)。
【0009】
このほか、従来技術として、狭隘流路を通過する赤血球形状を撮影記録した画像や、狭隘流路を赤血球が通過する時間から変形能を評価する方法がある(特許文献1)。この方法によって再現性の高い測定結果を得るためには、試料溶液を極低流量で一定に保ちながら供給する手段が必要となる。
【0010】
また、平行平板型のせん断負荷装置を用い、周期的なせん断流を生成し、その中の赤血球の変形能を光電検出器を用いて測定する装置が提案されている(特許文献2)。
平行平板型せん断負荷装置は、せん断応力を周期的に変化させた繰り返しせん断応力を赤血球に負荷するのには適すが、長時間連続的に一定せん断応力を負荷することができない。赤血球膜に破断を生じさせるのに十分なせん断応力するのには不向きである。通常、モータの回転運動を直線往復運動に変換する機構を必要とし、装置が複雑になる。赤血球変形能を測定するためには、赤血球の崩壊を起こさない程度のせん断応力を負荷する必要がある。また、とくに粘弾性特性を評価するためには、時間的にせん断応力を変化させる必要がある。これらの場合には、平行平板型せん断負荷装置は好適である。しかしながら、この装置は、赤血球の変形能を簡便に測定することができる装置であるが、赤血球損傷の程度を評価するには、赤血球変形能を測定するだけでは不十分な場合がある。さらに、信号処理工程において、受光手段からの信号を周波数解析によって得られる周波数情報と位相情報の少なくとも一方を用いるため、受光手段として、高速応答可能な検出装置が必要となる。
【0011】
血液ポンプを通過する赤血球には非生理的な大きなせん断応力が負荷されるため、一部の赤血球の膜は破断し、赤血球が崩壊し内部のヘモグロビンが漏出する溶血が発生する。血液ポンプの開発においては溶血量を最小化するような設計がなされている。血液ポンプの血液適合性能を評価する場合には、一般的に、米国標準試験法ASTMのF1841−97に準拠した循環試験が行われる。一定量の血液をリザーバ、チューブ、ポンプ及び流路抵抗を調整する装置からなる簡便な循環回路を用い、一定量の血液を所定のポンプ駆動条件において連続循環させ、一定時間間隔ごとに循環回路中から一定量の血液を採取し、該血液から遠心分離により血漿分を分離し、血漿中のヘモグロビン濃度を光学的な方法により測定し、該濃度の時間変化から算出される溶血指標(NIH)に基づいて試験血液ポンプの血液適合性能を評価する。この評価法は血漿遊離ヘモグロビン濃度を基にしているため、赤血球膜の破断に至る前の段階の赤血球の損傷蓄積状態について評価することができない。
【0012】
本発明では、赤血球膜の破断に至る前の段階の赤血球の損傷蓄積状態の程度を赤血球損傷蓄積度とする。赤血球膜の損傷に伴い、赤血球の脆弱性が増すことにより、生体の血液循環系中では、末梢血管をはじめとする局所において赤血球の破壊が起こりうる。近年、血液適合性の良好な溶血量の少ない血液ポンプが開発されるに至り、各機種の血液適合性能を正しく比較するために、前記溶血試験で明らかとなる溶血量のほかに、前記赤血球損傷蓄積度を用いることはきわめて有効である。
【0013】
前記溶血試験の結果は 試験に用いる血液の種類や採血方法及び保存方法等に起因する初期の血球損傷状態により差が生じるため、供試血液の状態を揃えるよう注意を払う必要があるとともに、多数回の試験結果をもとに統計処理を施し、ポンプ性能を評価するのが一般的である。各試験の結果を正確に比較するためには、試験前の赤血球の状態を把握する必要があり、その手段の一つとして前記赤血球損傷蓄積度を測定することは有用である。
【0014】
一般的な血液検査で取得される赤血球についての情報には、全血液単位体積当たりの赤血球数、血液単位体積当たりのヘモグロビン量、赤血球の平均体積、赤血球の平均ヘモグロビン含量、および赤血球の平均ヘモグロビン濃度が含まれる。赤血球の変形し易さ即ち赤血球変形能は赤血球膜の力学的特性に依存するため、赤血球膜の健全性を示す指標となり得る。前記変形能を計測する方法としては、赤血球の直径以下の幅の流路を通過する赤血球を撮影し、該赤血球の形状計測や、該流路に入射した光の該赤血球による散乱光の計測に基づくマイクロフローセル法があるが、液送装置を必要とする。
【0015】
赤血球損傷蓄積にともなう赤血球膜の構造及び力学的特性の変化を調べる手段として、原子間力顕微鏡を用いた膜表面構造の観察及び計測並びに同顕微鏡を用いた膜の局所における弾性係数の測定があるが、高価な装置を要することが、一般血液検査手段として実用化する上で問題となる。また、マクロピペットにより赤血球膜を吸引することによって膜弾性係数を推定する方法があるが、専門家による高度な手技を要する。
【0016】
赤血球損傷蓄積にともなう赤血球膜の力学的特性の変化を調べる手段として、回転型或いは平行平板型のせん断負荷装置を用いて赤血球にせん断応力を時変的に負荷したときの赤血球の変形挙動の高速度撮影画像の解析に基づく粘弾特性評価法がある。前記方法は高価な装置を要することが、一般血液検査手段として実用化する上で問題となる。
【0017】
赤血球膜を損傷させる手段としては、力学的負荷による手段のほかに、薬剤を用いて赤血球膜を化学的に溶解する手段があるが、赤血球膜の破壊の進行を定量評価するためには、赤血球膜を介してヘモグロビンが流出する様子を撮影し、画像解析によって流出量を推定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−145345
【特許文献2】特開2008−170390
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Blood Cells、1975年、1巻、315−321頁
【非特許文献2】Red Cell Shape:Physiology,Pathology,Ultrastructure, Springer、New York、1973年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前項で示したとおり、赤血球損傷蓄積に伴う赤血球膜の構造及び力学的特性の変化を直接又は間接的に調べるために適用できる従来技術では、個々の赤血球について高精度な測定を行うために、原子間力顕微鏡や高速度カメラをはじめとする高額な装置の使用や、高度に訓練された手技が必要になることが問題となる。また、試料中に大量に含まれる赤血球を測定対象とする場合に用いられる方法でも、高速度での画像取得手段及び画像処理手段が必要になり、簡便な特性評価を阻害する要因が数多く存在する。また、試験の迅速性の面でも、問題がある。
本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、赤血球損傷蓄積度を簡便に測定できるようにする手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
赤血球含有液体試料にせん断流れを誘起し、前記試料中の赤血球にせん断応力を連続的に負荷したときに、該赤血球の平均的な損傷蓄積度の違いによって、完全な膜破断すなわち溶血に至るまでの時間が異なることに起因し、前記試料透過光強度の時間変化の差が存在することを見出し、この知見に基づき、上述の問題を解決できる手段として本発明の完成に至った。
【0022】
本発明は次の構成を有する。図1及び図2により説明する。
板A1と対向するように配置された板B2の間に赤血球含有液体試料5を挟み、板A1を締結手段3を介して駆動手段4によって回転させることにより前記試料5にせん断流れを誘起する回転型せん断負荷装置を用いて、前記試料5に含まれる赤血球に連続的又は断続的に非生理的な高せん断応力を負荷し、該赤血球の膜の破断を生じさせることができるまでに至る手段と、前記試料5に光を入射する送光手段6と、前記送光手段6によって前記試料5に入射される光の強度を測定する受光手段A7と、前記送光手段6によって前記試料5に入射され、前記試料5を透過した光を受光する受光手段B8と、前記受光手段A7及び前記受光手段B8によって取得した信号を解析する信号解析手段11、駆動手段4を制御する制御手段A12、締結手段3を制御する制御手段B13、を具備する計測装置。
【0023】
前記試料に誘起するせん断流れにより赤血球に負荷されるせん断応力の大きさは、前記締結手段3と駆動手段4のうち少なくとも1つにより調整される前記板A1と前記板B2との距離、前記駆動手段4により調整される前記板B2の回転速度及び赤血球を分散する溶媒の粘度により調整される前記液体試料5の粘度により変更することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の請求項1記載の赤血球損傷蓄積度計測装置は、回転型せん断負荷装置及び光学的計測装置の組合せであるので、赤血球含有試料に正確に所望のせん断応力を負荷しながらの連続的な試料透過光の信号の測定ができる。
【0025】
また、請求項2記載のせん断負荷手段の構成部品である回転板の試料接触面の一部又は全部は、送光手段から静止板を通して試料に入射された光を反射させるため、受光手段を、送光手段とともに静止板側に配置することができる。
【0026】
さらに、請求項3記載の赤血球損傷蓄積度計測装置は、受光装置によって検出される信号の時間変化をもとに赤血球の損傷蓄積の程度を、高度な画像処理手段を必要とせずに、短時間の試験で定量的に評価することができる。
【0027】
加えて、請求項4記載の赤血球損傷蓄積度計測装置は、せん断負荷手段の構成部品である回転板の回転速度を変化させることにより、赤血球に対し、時間変化するせん断応力を印加することができ、ポンプ内や生体の血液循環系を流動する赤血球が受けるせん断応力と等価のせん断応力を赤血球に印加することができる。
【0028】
以上を要するに、簡単な構成のせん断負荷装置及び光学計測装置により構成される測定装置並びに簡単な信号処理により、赤血球の損傷蓄積度を評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態の概略図である。
【図2】本発明実施における各信号の流れ及び処理の過程を表す図である。
【図3】せん断負荷手段の説明図である。
【図4】実験結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
前記計測装置に装備され前記板B2は、前記送光手段から送出される光を前記試料に入射させるため、少なくとも一部が透明である。また、前記試料透過光を効率よく受光手段B8で受光するためには、前記板A1の前記試料が接触する面の少なくとも一部に光反射手段を設けることが望ましい。
【0031】
前記計測装置は、前記受光手段B8に撮像素子を用いることが可能であり、赤血球損傷蓄積度の測定のほか、赤血球形状の観察も可能である。前記受光手段B8に撮像素子を用いる場合には、前記信号処理手段において画像処理を施し、輝度情報を基に赤血球損傷蓄積度を求める。
【0032】
前記計測装置に装備される前記受光手段A7に前記送光手段から送出される光の一部を分ける光学素子を備えることにより、前記送光手段6として出力の安定性に劣る光源を用いても、前記受光手段A7及び前記受光手段B8の受光信号から前記試料の吸光特性を得ることができる。
【実施例】
【0033】
以下、具体的実施例に基づき、本発明を説明する。
【0034】
図2に示す板A1として、赤血球含有液体試料と接触する面を傾斜させた円錐板を用いる。板A1は金属製とし、試料接触面を鏡面加工することにより、光を反射するようにすることができる。板B2は透明平板とし、水平に配置する。板A1を締結手段を介して駆動手段に接続し、その回転軸が板B2と垂直となるように配置する。
【0035】
浸透圧を血中のそれと同程度に調整した溶液に高分子デキストランを溶かし、粘度を所定の値に調整した粘度調整溶液を用意する。この溶液に新鮮血を微量添加して作成した赤血球含有液体試料を、板A1と板B2に間に配置する。このとき、板A1円錐頂点と平板との間に微小な隙間を設けることにより、板A1の回転時に、板A1と板B2との接触摩擦を防ぐことができる。
【0036】
図3に示すように、板A1を一定回転速度で回転させることにより、板A1及び板B2の間の試料溶液中の赤血球に一定せん断応力を印加する。前記せん断応力の大きさτは、板A1円錐の傾斜角度θ、試料溶液の粘度μ、板A1の回転角速度ω、及び板A1円錐先端と板B2平板との距離gによって調整することができ、板A1の回転軸からの半径方向距離rにおいて、次式で表わされる。
【数1】

【0037】
板A1円錐の傾斜角度を3°、板A1円錐先端と板B2平板との距離を20μm、板A1と板B2との間に挟む試料溶液の量を1ml、試料溶液の粘度を32.3Pa・s、板A1の回転角速度を62.8rad/sとすると、試料溶液5に含まれる赤血球に印加される平均せん断応力は37.2Paとなる。
【0038】
送光手段としてレーザ光源を、受光手段として光パワーメータを用い、前記条件において、内部の赤血球に一定のせん断応力が印加されている試料溶液5に、レーザ光源から光を入射し、試料溶液5を通過した光のパワーを受光手段B8の光パワーメータで測定する。また、入射光の一部をビームスプリッタ9で分割し、受光手段A7の光パワーメータで光パワーを測定する。
【0039】
受光手段A7及び受光手段B8で測定された光パワーは、コンピュータ11に記録され入出力光パワーの比を算出し、その時間変化率を赤血球損傷蓄積度の評価指標とする。
【0040】
以上の形態で、本発明を実施した。採血直後の血液中に含まれるヒト赤血球を遠心分離により密度の大きな加齢赤血球と密度の小さな若い赤血球に分離し、それぞれ5μlを別の前記粘度調整溶液1mlに添加した赤血球含有液体試料を用意し、図2のせん断負荷手段により、それぞれの赤血球にせん断応力を印加した。その結果、図4に示すように、加齢赤血球と若い赤血球の各赤血球を含む試料を透過する前後の光パワーの比の時間変化が異なることから、透過光パワーを測定し、その時間変化から赤血球の加齢度すなわち膜の損傷を評価することが可能であることがわかる。
【0041】
本装置のせん断負荷手段の板A1の回転の速度は、駆動制御手段A12により制御され、また、板A1及び板 B2の間の距離は制御手段B13により制御される。板A1の回転速度は一定、時変的又は断続的に変化させられ、赤血球に対し、時間的、量的に複雑に変化するせん断負荷を与えられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
血液接触型医療機器の血液適合性を評価するために実施される溶血試験の結果は、試験に用いられる血液中の赤血球の損傷の程度に依存する。本発明の赤血球損傷蓄積度評価装置は、試験に用いる血液中の赤血球の損傷蓄積度を簡便に評価するのに利用できる。
【符号の説明】
【0043】
1 板A
2 板B
3 締結手段
4 駆動手段
5 赤血球含有液体試料
6 送光手段
7 受光手段A
8 受光手段B
9 ビームスプリッタ
10 ミラー
11 コンピュータ
12 制御手段A
13 制御手段B


【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤血球含有液体試料中の赤血球の損傷蓄積の程度を測定する、赤血球損傷蓄積度計測装置において、
板A1と対向するように配置された板B2の間に赤血球含有液体試料5を挟み、板A1を締結手段3を介して駆動手段4によって回転させることにより前記試料にせん断流れを誘起する回転型せん断負荷装置を用いて、前記試料中の赤血球に連続的又は断続的に非生理的な高せん断応力を負荷し、前記赤血球の膜の破断を生じさせるためのせん断負荷手段と、
前記試料5に光を入射する送光手段6と、前記送光手段6によって前記試料5に入射される光の強度を測定する受光手段A7と、
送光手段6から板B2を通して試料に入射された光を反射させるため、受光手段を、送光手段とともに静止板側に配置する構造と、
前記送光手段6によって前記試料5に入射され、前記試料5を透過した光を受光する受光手段B8と、
前記受光手段A7及び前記受光手段B8よって取得した信号を解析する信号解析手段11と、
駆動手段4を制御する制御手段A12と、締結手段3を制御する制御手段B13、を具備する計測装置。
【請求項2】
前記赤血球にせん断応力を負荷し、赤血球膜を損傷させる手段として回転型の粘度計を基本としたせん断負荷手段を用い、前記せん断負荷手段が 試料接触面の全部又は一部が透明である静止板と試料接触面の一部又は全部が光を反射するように工夫された回転板を具備する請求項1の装置。
【請求項3】
前記せん断負荷手段の静止板と回転板との間の赤血球含有液体試料にせん断流を生じさせ、赤血球にせん断応力を連続的又は断続的に負荷し続けている間に試料を透過する光の強度或いは輝度を受光装置を用いて測定することを特徴とする装置。
【請求項4】
制御手段A12により駆動手段の回転速度を時間的に変化させることにより、板B2の回転速度を時間的に変化させ、前記せん断負荷手段の静止板と回転板との間の赤血球含有液体試料中の赤血球に印加するせん断応力の大きさを連続的に可変制御する機能を有する請求項1の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−164058(P2011−164058A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30148(P2010−30148)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(306024148)公立大学法人秋田県立大学 (74)
【出願人】(000125369)学校法人東海大学 (352)
【Fターム(参考)】