説明

走査型テラヘルツセンサの測定誤差を除去する光ファイバケーブルの曲げの制御

テラヘルツ時間領域スペクトロメータ走査型センサシステムは、可動式スキャナヘッドに固定された送信機及び受信機を含む。スキャナヘッドから遠隔に配置された静止レーザから発射される短パルスの形態の光ポンプ光は、関連した光ファイバ送信である時間パルス中継の変動が最小化されるように、制御された光ファイバケーブル配置を通って送信機及び受信機へ配信される。このようにして、光のパルスが光ファイバケーブルを通って送信されている時に、ケーブルの曲げを制御し、したがって、そうしなければ生じる可能性がある時間遅延の変動を最小化するために、光ファイバケーブルの移動は、規定された経路に沿って操作される。レーザから光ファイバ内に発射されたレーザ光のパルスは、一貫した(i)到達時間、(ii)位相持続時間、並びに(iii)偏光状態及びエネルギーでケーブルを出る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、紙又は他のシート製品の特定の成分の存在を検出するためのテラヘルツ放射を用いる走査型センサに関する。特に、この技法は、光のパルスが光ファイバケーブルを通って送信されている時に通常ならば生じる時間パルス遅延の変動が最小化又は除去されるように、レーザからの短パルスの形態の光ポンプ光が、制御された光ファイバケーブル配置を通って送信機及び受信機へ配信される、テラヘルツ時間領域スペクトロメータを用いる。
【0002】
[関連出願の参照]
本出願は、2007年12月31日に出願された米国仮出願第61/009647号明細書の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
製造中にシート材料の選択された特徴の測定値を取得することが、多くの場合、望ましい。シート材料のさまざまな特性は、オフラインの実験室の試験によって検出することができるが、この手順は、多くの場合、サンプルの獲得及び解析に要する時間のために実際的ではない。また、実験室の試験は、実験用に取得されたサンプルが、作製されたシート材料を正確に表していない場合があるという短所も有する。
【0004】
シート材料の実験室の試験の欠点を克服するために、「オンライン」で、すなわち、シート製造機が動作している間、シート製造機上で、シート特性を検出するためのさまざまなセンサシステムが開発されてきた。通常、オンラインセンサデバイスは、製造中にシート材料から成る走行ウェブを定期的にトラバース、すなわち「走査」するように動作される。走査は、通例、幅方向、すなわちシート走行方向に垂直な方向で行われる。シート製造動作に応じて、幅方向の距離は、約12メートル以上にまで及ぶ可能性がある。
【0005】
テラヘルツ時間領域スペクトロメータ(THz−TDS)として知られているテラヘルツシステムは、多くの場合、各パルスが10〜200フェムト秒しか持続しないレーザパルスを使用して、それぞれ約1ピコ秒の間持続する電磁パルス(「T光線」)を生成、検出、及び測定する。T光線は、T光線を合焦し又は平行にするレンズ及びミラーから成る結像系を使用して、さまざまな物体を通じて送信することができる。T光線は、試験対象物体を通過している時、通常、歪められる。T光線信号のこれらの変化を分析して、物体の特性を求めることができる。材料は、検出器を通過するT光線の吸収、分散、及び反射からの歪みの量を測定することによって特徴付けることができる。デジタル信号処理ユニットは、データを処理し、そのデータを、コンピュータスクリーン上に現れるデータに変換する。デジタル信号プロセッサは、THz検出器からのデジタル化されたデータを取り込み、そのデータをスペクトル領域又は時間領域のいずれかで分析する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
多くの合成物が、特徴的な方法(例えば、吸収又は分散)でT光線を変化させるので、分子及び化合物は、分子の「指紋」として働くことができる強い吸収線を示す。T光線分光法は、たとえ物体が可視光では一様に見えても、材料の内部の異なる化学組成を区別することができる。一般的なTHz−TDSデバイスは、バッチ処理の用途向けに設計され、したがって、オンラインの用途向けの配備には適していない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、走査が用いられるリアルタイム産業プロセスにおけるセンシング用途にTHz−TDSを使用するために、光ファイバケーブルが、センサのTHz送信機及びTHz受信機へ比較的長い距離にわたって光ポンプ光を配信するのに用いられるという認識に一部基づいている。光ポンプ光は、好ましくは、持続時間が通常10〜200フェムト秒(fs)である短パルスの形態で配信される。同様に、受信機からの信号も、光ファイバケーブルを通って分光分析器へ送信される。本発明の一特徴は、ファイバを通る送信による時間遅延の変動を最小化し、それによって、センサの測定誤差を実質的に削減又は除去するために、巻き取り機構が光ファイバケーブルの移動を制御するのに用いられるということである。移動光ファイバケーブルを通って送信される光のパルスは、一貫した(i)到達時間、(ii)位相持続時間、並びに(iii)偏光状態及びエネルギーを示す。
【0008】
したがって、本発明の一態様は、サンプルの少なくとも1つの選択された特性を測定する走査型テラヘルツセンサヘッドを、主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間で移動させるための走査型センサシステムであって、
放射のパルスを生成するレーザ源、
放射のパルスを分割して、第1の放射パルス及び第2の放射パルスを発生させるための手段、
レーザ源からの第1の放射パルスによって励起されると、テラヘルツ周波数信号パルスを生成する送信機であって、該送信機は、テラヘルツ周波数信号パルスをサンプルに方向付けるように構成され、該送信機は、可動式キャリッジに固定される、送信機、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバであって、該第1の光ファイバを通って送信される放射のパルスが第2の端部から出て、送信機に方向付けられるように、第1の放射パルスは第1の端部内に方向付けられる、第1の光ファイバ、
サンプルから現れるテラヘルツ周波数放射を受信するための検出器であって、第2の放射パルスによって励起されると検出信号を生成する検出器、
第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバであって、該第2の光ファイバを通って送信される放射のパルスが第2の端部から出て、検出器に方向付けられるように、第2の放射パルスは第1の端部内に方向付けられ、第1の光ファイバ及び該第2の光ファイバは、可動式キャリッジが主走査方向に沿って移動している時、巻き取り機構を通じて移動する、第2の光ファイバ、並びに
可動式キャリッジを主走査方向に沿って駆動するための手段、
を備える走査型センサシステムを対象とする。
【0009】
好ましい実施形態では、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバの双方が、巻き取り機構を通じて操作されているときに同じ程度の曲げを受けるように且つ双方が同じ温度勾配にさらされるように、同じケーブル構造にエンケースされる。このようにして、ソースポンプ光(第1の放射パルス)及び検出器ゲーティング光(第2の放射パルス)の双方は、本質的に同一の経路長を走行し、これら2つの光路の間の差分遅延は最小化される。
【0010】
他の態様において、本発明は、走行製品シートがシート製造機の中を進んでいる時又はシート製造機から出る時、紙等の走行製品シートの1つ又は複数の特徴を検出できるオンライン走査型センサシステムであって、
走行製品シートの両端にわたる支持部材、
支持部材にスライド可能に取り付けられ、送信機が固定される可動式キャリッジであって、送信機は、放射のパルスによって励起されると、テラヘルツ周波数信号パルスを生成し、送信機は、テラヘルツ周波数信号パルスを走行シートに方向付けるように構成される、可動式キャリッジ、
放射のパルスを生成し且つ可動式キャリッジから遠隔に配置されるレーザ源、
放射のパルスを分割して、第1の放射パルス及び第2の放射パルスを発生させるための手段、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバであって、該第1の光ファイバを通って送信される放射のパルスが第2の端部から出て、送信機に方向付けられるように、第1の放射パルスは第1の端部内に方向付けられる、第1の光ファイバ、
サンプルから現れるテラヘルツ周波数放射を受信するための検出器であって、第2の放射パルスによって励起されると検出信号を生成する検出器、
第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバであって、該第2の光ファイバを通って送信される放射のパルスが第2の端部から出て、検出器に方向付けられるように、第2の放射パルスは第1の端部内に方向付けられ、第1の光ファイバ及び該第2の光ファイバは、可動式キャリッジが主走査方向に沿って移動している時、巻き取り機構を通じて移動する、第2の光ファイバ、並びに
可動式キャリッジが、移動シートの幅方向に沿って製品の少なくとも実質的な部分にわたって前後して走査するように、可動式キャリッジを主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間で駆動するための手段、
を備えるオンライン走査型センサシステムを対象とする。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間でサンプルの少なくとも1つの選択された特性を検出する走査型テラヘルツセンサで測定を実行する方法であって、
(a)送信機を可動式キャリッジに固定するステップであって、送信機は、放射のパルスによって励起されると、テラヘルツ周波数信号パルスを生成し、送信機は、テラヘルツ周波数信号パルスを走行シートに方向付けるように構成される、送信機を可動式キャリッジに固定するステップ、
(b)放射のパルスをレーザ生成し且つ可動式キャリッジから遠隔に配置されるレーザ源を設けるステップ、
(c)放射のパルスを分割するステップであって、第1の放射パルス及び第2の放射パルスを発生させる、放射のパルスを分割するステップ、
(c)第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバを設けるステップであって、第1の光ファイバを通って送信される放射のパルスが第2の端部から出て、送信機に方向付けられるように、第1の放射パルスは第1の端部内に方向付けられる、第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバを設けるステップ、
(d)サンプルから現れるテラヘルツ周波数放射を受信し、検出信号を生成する検出器を設けるステップ、
(e)第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバを設けるステップであって、第2の光ファイバを通って送信される放射のパルスが第2の端部から出て、検出器に方向付けられるように、第2の放射パルスは第1の端部内に方向付けられる、第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバを設けるステップ、
(f)可動式キャリッジを主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間で移動させるステップ、
(g)レーザ源を動作させるステップであって、それによって、放射のパルスを第1の光ファイバ及び第2の光ファイバ内に入射させる、レーザ源を動作させるステップ、
を含む方法を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】走査型テラヘルツセンサシステムを示す図である。
【図2A】THz送信機からの時間THzパルスを示す図である。
【図2B】時間トレースのフーリエ変換を示す図である。
【図3A】透過配置の走査型テラヘルツセンサを示す図である。
【図3B】反射配置の走査型テラヘルツセンサを示す図である。
【図3C】反射配置の走査型テラヘルツセンサを示す図である。
【図4A】光ファイバケーブル巻き取り機構の側面模式図である。
【図4B】光ファイバケーブル巻き取り機構の側面模式図である。
【図5】光ファイバケーブル巻き取り機構の上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、移動材料シート又は移動材料ウェブ32の少なくとも1つの特性を監視するためのテラヘルツ時間領域スペクトロメータの構造を示す。このスペクトロメータの基本コンポーネントは、パルスレーザ源2、ビームスプリッタ20、テラヘルツ送信機10、変調電源12、テラヘルツ受信機又はテラヘルツ検出器14、分光分析器4、及び光遅延デバイス8を含む。これらコンポーネントのそれぞれは、従来のデバイスから成る。フェムト秒パルスレーザ等のパルスレーザ源2は、ビームスプリッタ20に方向付けられたポンプ信号38を生成する。ビームスプリッタ20は、ポンプ信号38の光パルスを分割して、励起光44及び検出器ゲーティング光42を生み出す。
【0014】
励起光44は、対物レンズ52によって合焦され、配信光ファイバケーブル又は光ファイバ6内に入射され、配信光ファイバケーブル又は光ファイバ6を通って送信される。励起光44は、送信機10を照射して、テラヘルツ放射、すなわち、ミラー24によって移動シート32に方向付けられるT光線48を生成する。変調電源12は、電気入力36をテラヘルツ送信機10に供給する。移動シート32から出てくるT光線50は、ミラー26によって反射され、検出器14によって捕捉される。ミラー24及び26が用いられるとき、これらミラーは、通常、軸外し放物面鏡である。
【0015】
検出器ゲーティング光42は、光遅延デバイス8に方向付けられる。光遅延デバイス8は、検出器ゲート光42のタイミングと励起光44のタイミングとの間の差を設定又は変更するように働く。光遅延デバイス8は移動可能再帰反射器を含む。移動可能再帰反射器の位置を変化させることによって、検出器ゲーティング光42の光路の長さが変化し、それによって、励起光照射タイミング(T光線生成タイミング)と検出器ゲーティング光照射タイミング(T光線検出タイミング)との間の差が変化し設定される。対物レンズ54は、光遅延デバイス8からの検出器ゲーティング光56を方向付け、その光を配信光ファイバケーブル又は光ファイバ16内に入射させ、受信機又は検出器14内に入射させる。光ファイバケーブル16の端部から出るレーザパルスは、同期検出方式でテラヘルツ受信機を効果的にオンに切り替えるのに使用される。これらの同期パルスのテラヘルツ受信機への到達時間が変更されるとき、テラヘルツパルスは、図2Aに示すように描くことができる。図2Bは、時間トレースの処理されたフーリエ変換を示す。受信機14からの出力46は、通常、増幅されてデジタル化され、分析のためにコンピュータ内に読み込まれる電気信号である。或いは、この電気信号は、デジタル信号プロセッサにおいて分析することができる。この電気信号は、トランスインピーダンス増幅器で増幅することができ、次いで、ロックイン増幅器内に供給することができる。ロックイン検出が用いられる場合、変調されたバイアス電圧が、通常、電源12に印加される。ロックイン検出器は、その後、このバイアス変調と同期される。
【0016】
検出器14は、分光分析器4へ送信される検出信号46を生成する。分光分析器4は、通常、コンピュータである。検出器によって生成された電気信号は、このコンピュータにおいて時間領域又は周波数領域で分析することができる。例えば、この分析は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はデジタル信号プロセッサ(DSP)においても行うことができる。
【0017】
光遅延デバイス8は、検出器光42の光路に位置付けられていたが、光遅延デバイスは、その代わりに励起光44の光路に位置付けることができる。好ましくは、レーザ源2、ビームスプリッタ20、光遅延デバイス8、並びに対物レンズ52及び54は、コンパートメント60に収容される。透過モードの実施形態では、テラヘルツ送信機10及びミラー24は、センサヘッド84に配置されるのに対して、検出器14及びミラー26は、センサヘッド82に配置される。センサヘッドは、関連コンポーネントを収容する任意の適した軽量構造とすることができる。
【0018】
光整流が、THz放射を生成又は検出するのに使用される場合、THz送信機及びTHz受信機はポンプ光の偏光状態に依存するので、光ファイバは、好ましくは、光ファイバに注入される光の直線偏光状態を維持できる光ファイバから選択される。好ましい光ファイバは、フェムト秒パルスレーザで生成された光のパルスの偏光を維持する高複屈折フォトニックバンドギャップファイバ又は単一偏光フォトニックバンドギャップファイバである。THzアンテナを使用してTHz放射の生成及び受信の双方を行うことが多くの場合好ましい。この場合、THz放射の生成及び検出は、偏光の影響を受けないので、無偏波保持光ファイバを使用することが好ましい。
【0019】
走査型テラヘルツセンサとして機能するために、センサヘッド82及び84は、可動式でなければならない。これは、センサヘッド84及び82とそれぞれ光通信する光ファイバケーブル6及び16の移動も対応されなければならないことを意味する。本明細書でさらに説明するように、光ファイバケーブル6及び16は、ケーブルの曲げを制御するために巻き取り機構を通じて配線される。
【0020】
図3Aは、センサヘッド84が、製紙機において紙等の移動シート32の主走査方向に沿った幅方向に沿って前後して走行するように設計されている透過配置の走査型テラヘルツセンサのコンポーネントとの関連における取り入れ機構(take-mechanism)を示す。この幅は、1メートル〜12メートル以上とすることができる。コンパートメント60内のテラヘルツ送信機は、巻き取り機構(take-up mechanism)64を通じて配線される光ファイバケーブル6と光通信する。適した取り込み機構(up-take mechanism)は、Beselt他の米国特許出願公開第2006/0109519号明細書に説明されている。この米国特許出願は、参照により本明細書に援用される。センサヘッド84が、シート32の一方の端部から他方の端部へ移動している時、巻き取りメカニズムは、光ファイバケーブルの曲げを制御する。変調電源12は、従来の可動式電力チェーン(mobile power chain)又は可動式電力トラック(mobile power track)74に組み込むことができる回線又は電線76を介してテラヘルツ送信機10と電気通信する。同様に、同じく移動シート32の幅方向に沿って移動するように設計されたセンサヘッド82についても、センサヘッド82内の検出器は、巻き取り機構62を通じて配線される光ファイバケーブル16と光通信する。最後に、分析器4は、センサヘッド82内の検出器と回線又は電線78を介して電気通信する。電線78は、従来の可動式電力チェーン又は可動式電力トラック76内に組み込むことができる。
【0021】
動作中、デュアルスキャナヘッド82、84の移動は、これらのスキャナヘッドが互いに位置合わせされるように、速度及び方向に関して同期される。分析されるシートの反対側にセンサコンポーネントを有する走査型システムは、例えば、Sheadの米国特許第5,773,714号明細書及びDahlquistの米国特許第5,166,748号明細書に説明されている。これらの米国特許は、参照により本明細書に援用される。好ましくは、コンパートメント60、変調電源12、及び分析器4は、すべて、修理のためのアクセスに容易な、スキャナヘッド82及び84から遠隔の静止位置であって、シート製造機の過酷な環境から離れた静止位置に配置される。
【0022】
図3B及び図3Cは、反射配置の走査型テラヘルツセンサのコンポーネントとの関係における取り入れ機構を示す。図3Bの実施形態では、テラヘルツ送信機10、検出器14、並びにミラー24及び26(図1)は、センサヘッド70に収容される。光ファイバケーブル6及び16は、一緒に束にして単一のケーブルにすることができ、巻き取り機構86を通じて配線することができ、したがって、コンパートメント60内のコンポーネントとセンサヘッド70内のコンポーネントとの間の光通信を提供することができる。可動式電力トラック内に組み込むことができる電線76及び78は、変調電源12及び分析器4とセンサヘッド70内のコンポーネントとの間の電気通信を提供する(92)。コンパートメント60、変調電源12、及び分析器4は、好ましくは、すべて、スキャナヘッド70から遠隔の静止位置に配置される。
【0023】
同じケーブル構造の配信光ファイバケーブル6及び16を有することの利点は、双方のケーブルが、同じ温度環境を経験するということであり、これは、走査型センサシステムに温度変動がある場合に重要となり得る。代替的に、1つの構造に2つのケーブルを有する代わりに、2つのケーブルを横に並べて配備することもでき、この場合、巻き取り機構のプーリーは、本明細書でさらに説明するように2重溝を有する。
【0024】
最後に、図3Cは、単一のセンサヘッド70を有する走査型テラヘルツセンサが反射モードで動作するように構成される一代替的な実施形態を示す。テラヘルツ送信機10、検出器14、並びにミラー24及び26(図1)は、センサヘッド70に収容されるが、光ファイバケーブル6及び16は、本明細書でさらに説明するように、同じ巻き取り機構86を通じて別々に配線される。この配置は、光ファイバケーブルが大幅な温度変動にさらされない場合に特に適している。コンパートメント60が含むコンパートメント60内のコンポーネントと、センサヘッド70内のコンポーネントとの間の光通信が維持される。可動式電力トラック72内に組み込むことができる電線76及び78は、変調電源12及び分析器4と、センサヘッド70内のコンポーネントとの間の電気通信を提供する。
【0025】
図4A及び図4Bは、移動シート又は移動ウェブ240の幅方向に沿ったスキャナヘッド230の移動を容易にするケーブル巻き取り機構210の一実施形態を示す。この巻き取り機構は、光ファイバケーブルを通った送信に付随する時間遅延の変動を最小化する。その結果、移動ファイバを通って送信される光のパルスは、次の特徴、すなわち、(i)送信機ポンプパルスと受信ポンプパルスとの相対的な到達時間、(ii)ポンプパルスの位相持続時間、(iii)偏光状態、及び(iv)ポンプパルスのエネルギーの少なくとも1つ(又はすべて)において一貫性を示す。
【0026】
フレーム212の一方の側には、ピン216によってフレームに固定された第1の固定回転プーリー214が配置される。フレームの他方の側には、ピン220によって固定された第2の固定回転プーリー218が位置付けられる。ピン216とピン220との間の距離は、好ましくは1〜12メートルに及ぶ。2つの固定回転プーリー214、218の直径は、好ましくは同じである。各プーリーは、好ましくは、その外周部に溝を有し、この外周部は、柔軟なケーブルに対応するように寸法合わせされている。
【0027】
剛性部材228によって互いにリンクされた一対の移動可能プーリー又は平行移動プーリー221、224がフレーム212内に位置し、2つの固定プーリー214、218の間に位置付けられる。一対の移動可能プーリー221、224は、それぞれピン222及び226によってレール242に固定される。レール242によって、移動可能プーリー221、224は、固定回転プーリー214、218の間の直線状経路に沿って前後に移動することが可能になる。好ましくは、移動可能プーリー221及び224の直径は同じであるが、それら直径は、好ましくは、固定回転プーリー214、218の直径よりも小さい。4つのプーリー214、218、221、及び224の中心は、好ましくは、水平軸に沿って位置合わせされている。
【0028】
図3Cに示すように、単一の巻き取り機構のみが必要されるように、テラヘルツセンサが反射モードで動作している場合、光ファイバケーブル6(図1)を表す光ファイバケーブル236は、一部が、プーリー221及び218に巻きつけられる。ケーブル236は、センサヘッド230で終端する一方、位置232におけるケーブルは、フレーム212又は他の静止構造に固定される。光ファイバケーブル16(図1)を表すもう1つの光ファイバケーブル237は、一部が、プーリー224及び214に巻き付けられる。ケーブル237も、センサヘッド230で終端する一方、位置234におけるケーブルは、フレーム212又は他の静止構造に固定される。ケーブル236及び237の双方は、過度なたるみを回避するのに十分な張力で固定されるべきである。2つの端部を固定するのに、バネも他の張力デバイスも必要とされない。
【0029】
スキャナヘッド230は、移動シート240の両サイドの間の幅方向に沿って前後にスキャンしている時、ケーブル236及び237に動作可能に接続される。リンクされた平行移動プーリー221、224は、スキャナヘッド230の方向と逆方向に移動するが、2分の1の速度で走行する。このようにして、ケーブル236及び237は、たとえスキャナヘッド230が動いているときであっても、一方の端部232から他方の端部234まで全体にわたってピンと張った状態を維持する。別の実施形態では、巻き取り機構が或る期間にわたって動作している時、一定の量のクリープがケーブルに現れる場合があることが認識されている。したがって、巻き取り機構は、端部232及び234の一方又は双方にバネ又は他の張力デバイスを装備することができる。これによって、ケーブルが過度のたるみを示すことが防止される。代替的に、バネは、一対の移動可能プーリー221、224の間等、巻き取り機構の別の部分に位置付けることができる。この場合、剛性部材228によって接続する代わりに、バネデバイスを有する部材を用いて、移動可能プーリー221、224の2つを接続することができる。
【0030】
明らかなように、図4A及び図4Bに示すようなケーブル巻き取り機構では、光ファイバケーブルは、各光ファイバケーブルの曲げ直径を決定する一連のプーリーの周囲を回ってガイドされる。ケーブルは、規定されたルートを通って操作される。平行移動プーリー221、224のセットによって、ケーブルは、バネもローディングデバイスも必要とすることなく、張力を受けた状態を維持することが可能になる。平行移動プーリーは、一致して移動し、これらのプーリーによって、ケーブルの張力が、各ケーブルの長さの全体にわたって本質的に一定に維持されることが保証される。走査ヘッド230の方向と逆の方向での平行移動プーリーの移動が、スキャナヘッド230を移動させる力に応じて必要とされる場合に、この平行移動プーリーの移動は、各ケーブルをその方向に配送するように働く。図4A及び図4Bに示すように、スキャナヘッド230が、ケーブル巻き取り機構210の一方の側からケーブル巻き取り機構210の中央に向かって移動している時、固定回転プーリー214と平行移動プーリー224との間の一方のケーブルの長さの削減が、固定回転プーリー218と平行移動プーリー221との間の他方のケーブルの長さの対応する増加によってオフセット又は補償される。
【0031】
スキャナヘッド230は、複数の機構により幅方向に沿って前後に進めることができる。一実施形態では、図5に示すように、ケーブル巻き取り機構260は、レール262及び264、固定回転プーリー266及び268、並びに一対の移動プーリー280及び282を含む。一対の移動プーリー280及び282は、ロッド294によってリンクされる。キャリッジ272が、レール262、264の上に置かれる。レール262、264は、キャリッジ272が前後に走行している時にキャリッジ272の低摩擦ガイドとして機能する。キャリッジ272は、ローラを有するプラットフォームとすることができ、スキャナヘッド274を支持する。この配置では、スキャナヘッド274は、分析されるウェブの下に位置付けられる。しかしながら、スキャナヘッド274が、ウェブの上面から特性を測定するためにウェブの真上になるように又はウェブに対して斜めになるように、ケーブル巻き取り機構260を用いることができることが理解される。
【0032】
反射モードでは、スキャナヘッド274は、送信機、検出器、及び関連コンポーネントを収容する一方、パルスレーザ源及び分光分析器は、静止コンパートメント278にある。したがって、検出器信号は、スキャナヘッド274からケーブル270を通ってコンパートメント278へ送信される。キャリッジ272は、駆動プーリー276とモータ290に動作可能に接続される被駆動プーリー288とに巻き付けられたベルト284に接続される。動作中、モータ290の制御は、キャリッジ272の移動の速度及び方向を規制する。代替的に、ベルト284は、一対の移動可能プーリー280、282をリンクするロッド294に直接固定することもできる。このようにして、モータ290の起動によって、ケーブル270も移動する。別の代替案として、モータ290を固定回転プーリー266に動作可能に接続して、スキャナヘッド274を駆動することができる。
【0033】
走査型テラヘルツセンサが、測定されている製品の各側に別々の巻き取り機構を有する図3Aに示すような透過モードで動作している場合、図4A及び図4Bに示すようなケーブル巻き取り機構210は、ケーブル236又は237の一方のみが配信光ファイバケーブル6又は16(図3A)であることを除いて、本質的に、前述したものと同じ方法で動作する。他方のケーブルは、対称性を維持するために非アクティブケーブルを構成することができる。
【0034】
走査型テラヘルツセンサが、単一の巻き取り機構である、図4A及び図4Bに示すようなケーブル巻き取り機構210を有する図3Bに示すような反射モードで動作している場合、ケーブル236又は237の一方は、配信光ファイバケーブル6及び16(図3A)の双方を含む単一ケーブル構造から成る。このようにして、2つの光ファイバケーブルは、同一の広がりを持つ経路に沿って巻き取り機構を通じて配線される。他方のケーブルは、対称性を維持するために非アクティブケーブルを構成することができる。代替的に、2つの配信光ファイバケーブルが、別々ではあるが横に並べて配備される場合、巻き取り機構のプーリーは、それら配信光ファイバケーブルに対応するために2重溝を有する。一対の非アクティブケーブルは、対称性を維持するために横に並べて配備することができる。
【0035】
ケーブル巻き取り機構によって、光学ヘッドが走査中に前後に移動している時の全曲げ損失は、本質的に保存される。これは、2つ以上の異なる波長帯域で相対電力を測定する分光センサを使用するスキャナにとって重要である。光ファイバの曲げ損失は、曲げ半径及び全曲げ長に依存する。可動式光学ヘッドが走査されている時に曲げ長又は曲げ半径が変化した場合、測定誤差が導入される。ケーブル巻き取り機構は、光学ヘッドが移動している時であっても、角度のある曲げ長及び曲げ半径を一定に保つ。これは、さらに、あらゆるセンサ誤差を最小化する。(しかしながら、曲げ位置は変化していることに留意されたい。)光ファイバの曲げ長は、円の弓形部分である円弧の長さに類似している。円弧の曲げ長は、直径と、ラジアンで測定される2つの半径の間の角度との積に等しい。したがって、90度に及ぶ円弧は、45度にしか及ばない同じ半径を有する円弧の2倍の曲げ長を有する。ケーブル巻き取り機構は、走査中、本質的に同じ全曲げ長を維持する。2つの配信光ファイバケーブル6と16との間の曲げ長及び張力を制御することによって、電源と検出器光ファイバケーブルとの間の光路差を保存することが助けられる。これは、さらに、例えば紙といったサンプルの材料特性によって引き起こされるTHzパルスの時間遅延を計測する時間遅延測定における誤差を最小化又は除去する。
【0036】
この走査型システムは、製紙機で繊維状紙シート等のさまざまなウェブ特性又はシート特性を測定するのに用いることができる。しかしながら、この走査型システムは、例えばプラスチックを含む他の材料の特性を測定するのに用いることもできることが理解される。現在の高速機械による製紙の技術では、シート特性を絶えず監視して制御しなければならない。最も頻繁に測定されるシート変数には、製造プロセスのさまざまな段階におけるシートの基本重量、水分含量、繊維配向、温度、及びキャリパ、すなわち厚さが含まれる。製紙デバイスは、当該技術分野において周知であり、例えば、Heの米国特許第5,539,634号明細書、Huの米国特許第5,022,966号明細書、Balakrishnanの米国特許第4,982,334号明細書、Boissevain他の米国特許第4,786,817号明細書、及びAnderson他の米国特許第4,767,935号明細書に説明されている。これらの米国特許は、参照により本明細書に援用される。
【0037】
上記内容は、本発明の原理、好ましい実施形態、及び動作モードを説明したものである。しかしながら、本発明は、論述した特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。したがって、上述した実施形態は、制限的ではなく例示としてみなされるべきであり、当業者は、次の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、それらの実施形態に変更を行えることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル(32)の少なくとも1つの選択された特性を測定する走査型テラヘルツセンサヘッド(82、84)を、主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間で移動させるための走査型センサシステムであって、
放射のパルス(38)を生成するレーザ源(2)と、
前記放射のパルス(38)を分割して、第1の放射パルス(44)及び第2の放射パルス(42)を発生させるための手段と、
前記レーザ源(2)からの前記第1の放射パルス(44)によって励起されると、テラヘルツ周波数信号パルス(48)を生成する送信機(10)であって、該送信機(10)は、前記テラヘルツ周波数信号パルス(48)を前記サンプル(32)に方向付けるように構成され、該送信機(10)は、可動式キャリッジ(272)に固定される、送信機(10)と、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバ(6)であって、該第1の光ファイバ(6)を通って送信される放射のパルスが前記第2の端部から出て、前記送信機(10)に方向付けられるように、前記第1の放射パルス(44)は前記第1の端部内に方向付けられる、第1の光ファイバ(6)と、
前記サンプル(32)から現れるテラヘルツ周波数放射(50)を受信するための検出器(14)であって、前記第2の放射パルス(42)によって励起されると検出信号(46)を生成する検出器(14)と、
第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバ(16)であって、該第2の光ファイバ(16)を通って送信される放射のパルスが前記第2の端部から出て、前記検出器(14)に方向付けられるように、前記第2の放射パルス(42)は前記第1の端部内に方向付けられ、前記第1の光ファイバ(6)及び該第2の光ファイバ(14)は、前記可動式キャリッジ(272)が前記主走査方向に沿って移動している時、巻き取り機構(62、64)を通じて移動する、第2の光ファイバ(16)と、
前記可動式キャリッジ(272)を前記主走査方向に沿って駆動するための手段(276、284、288、290)と
を備える走査型センサシステム。
【請求項2】
前記送信機(10)に接続される変調電気入力源(12)を備える、請求項1に記載の走査型センサシステム。
【請求項3】
前記検出信号(46)を処理する分光分析器(4)を備える、請求項1に記載の走査型センサシステム。
【請求項4】
前記第1の放射パルス(44)は、第1の光路に沿って方向付けられ、前記第2の放射パルス(42)は、第2の光路に沿って方向付けられ、該システムは、前記第1の光路又は前記第2の光路のいずれかの長さを変更するための手段(8)をさらに備える、請求項1に記載の走査型センサシステム。
【請求項5】
前記検出器(10)は、前記サンプル(32)から反射又は透過されるテラヘルツ周波数放射を受信する、請求項1に記載の走査型センサシステム。
【請求項6】
前記第1の光ファイバ(6)及び前記第2の光ファイバ(16)は、同一の広がりを持つ経路に沿い前記巻取り機構を通じて配線される、請求項1に記載の走査型センサシステム。
【請求項7】
走行製品シート(240)がシート製造機の中を進んでいる時又はシート製造機から出る時に前記走行製品シート(240)の1つ又は複数の特徴を検出できるオンライン走査型センサシステムであって、
前記走行製品シート(240)の両端にわたる支持部材(212)と、
前記支持部材(212)にスライド可能に取り付けられ、送信機(10)が固定される可動式キャリッジ(272)であって、前記送信機(10)は、放射のパルス(44)によって励起されると、テラヘルツ周波数信号パルス(48)を生成し、前記送信機(10)は、前記テラヘルツ周波数信号パルス(48)を前記走行シート(240)に方向付けるように構成される、可動式キャリッジ(272)と、
放射のパルス(38)を生成し且つ前記可動式キャリッジ(272)から遠隔に配置されるレーザ源(2)と、
前記放射のパルスを分割して、第1の放射パルス(44)及び第2の放射パルス(42)を発生させるための手段と、
第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバ(6)であって、該第1の光ファイバ(6)を通って送信される放射のパルスが前記第2の端部から出て、前記送信機(10)に方向付けられるように、前記第1の放射パルス(44)は前記第1の端部内に方向付けられる、第1の光ファイバ(6)と、
前記サンプル(240)から現れるテラヘルツ周波数放射(50)を受信するための検出器(14)であって、前記第2の放射パルス(42)によって励起されると検出信号(46)を生成する検出器(14)と、
第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバ(16)であって、該第2の光ファイバ(16)を通って送信される放射のパルスが前記第2の端部から出て、前記検出器(14)に方向付けられるように、前記第2の放射パルス(42)は前記第1の端部内に方向付けられ、前記第1の光ファイバ(6)及び該第2の光ファイバ(14)は、前記可動式キャリッジ(272)が前記主走査方向に沿って移動している時、巻き取り機構(62、64)を通じて移動する、第2の光ファイバ(16)と、
前記可動式キャリッジ(272)が、前記移動シート(240)の幅方向に沿って前記製品の少なくとも実質的な部分にわたって前後して走査するように、前記可動式キャリッジ(272)を前記主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間で駆動するための手段(276、284、288、290)と
を備えるオンライン走査型センサシステム。
【請求項8】
前記検出器(10)は、前記可動式キャリッジ(272)に固定される、請求項7に記載のオンライン走査型センサシステム。
【請求項9】
第1の可動式キャリッジ(82、272)が前記主走査方向に沿って移動している時に前記第1の光ファイバ(6)が第1の巻き取り機構(62)を通じて移動するように、前記送信機(14)は、前記第1の可動式キャリッジ(82、272)に固定され、第2の可動式キャリッジ(84、272)が前記主走査方向に沿って移動している時に前記第2の光ファイバ(16)が第2の巻き取り機構(64)を通じて移動するように、前記検出器(10)は、前記第2の可動式キャリッジ(84、272)に固定される、請求項7に記載のオンライン走査型センサシステム。
【請求項10】
主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間でサンプル(32)の少なくとも1つの選択された特性を検出する走査型テラヘルツセンサで測定を実行する方法であって、
(a)送信機(10)を可動式キャリッジ(272)に固定するステップであって、前記送信機(10)は、放射のパルスによって励起されると、テラヘルツ周波数信号パルス(48)を生成し、前記送信機(10)は、前記テラヘルツ周波数信号パルスを前記走行シート(32)に方向付けるように構成される、送信機(10)を可動式キャリッジ(272)に固定するステップと、
(b)放射のパルス(38)をレーザ生成し且つ前記可動式キャリッジ(272)から遠隔に配置されるレーザ源(2)を設けるステップと、
(c)前記放射のパルス(38)を分割するステップであって、第1の放射パルス(44)及び第2の放射パルス(42)を発生させる、分割するステップと、
(c)第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバ(6)を設けるステップであって、前記第1の光ファイバ(6)を通って送信される放射のパルスが前記第2の端部から出て、前記送信機(10)に方向付けられるように、前記第1の放射パルス(44)は前記第1の端部内に方向付けられる、第1の端部及び第2の端部を有する第1の光ファイバ(6)を設けるステップと、
(d)前記サンプル(32)から現れるテラヘルツ周波数放射を受信し、検出信号(46)を生成する検出器(14)を設けるステップと、
(e)第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバ(16)を設けるステップであって、前記第2の光ファイバ(16)を通って送信される放射のパルスが前記第2の端部から出て、前記検出器(14)に方向付けられるように、前記第2の放射パルス(42)は前記第1の端部内に方向付けられる、第1の端部及び第2の端部を有する第2の光ファイバ(16)を設けるステップと、
(f)前記可動式キャリッジ(272)を前記主走査方向に沿って第1の端部と第2の端部との間で移動させるステップと、
(g)前記レーザ源(2)を動作させるステップであって、放射のパルスを前記第1の光ファイバ(6)及び前記第2の光ファイバ(14)内に入射させる、動作させるステップと
を含む方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−508226(P2011−508226A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539979(P2010−539979)
【出願日】平成20年12月29日(2008.12.29)
【国際出願番号】PCT/CA2008/002296
【国際公開番号】WO2009/082820
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(508322831)ハネウェル・アスカ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】