説明

走行経路の燃料量計算システム及びその方法

【課題】道路区間別に交通状況に伴う燃料消費量を予測する走行経路の燃料量計算システム及びその方法の提供
【解決手段】
道路区間別交通情報を収集する交通情報収集部、道路区間別交通状況に基づき予測速度を推定し、車両が道路区間を定速走行するときに要する定速走行燃料量を計算する燃料量計算部、道路区間別に各道路区間内で予測速度に応じて発生する加速又は減速走行に要する第1燃料量を計算し、車両が隣接する2つの道路区間を走行するとき、隣接する道路区間の間の予測速度の差によって発生する加速又は減速走行に要する第2燃料量を計算する燃料量補正部、及び第1燃料量及び前記第2燃料量で定速走行燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する制御部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の走行経路の燃料量を計算するシステムに係り、より詳しくは、現在の交通状況における車両の渋滞、速度差をも勘案した燃料量計算システム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションなどの走行経路案内システムは、一般に、使用者の要請に従い出発地及び目的地との間の経路データを提供するものである。このような走行経路案内システムの推薦経路は、燃料消費量を勘案したものではなく、単に車両が早い速度で走行することができるか、有料又は無料で走行することができる経路(高速経路、自動車専用経路、最短経路など)であるかを示すものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年、燃料価格の高騰から、走行距離又は走行時間が多少長くなっても、燃料消費量の少ない経路の案内を望む運転者が増加しているが、これまでの走行経路案内システムの推薦経路は、このような運転者の要望に応えられておらず、道路区間別に交通状況を反映した燃料消費量を計算して知らせる走行経路案内システムの必要性が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−134795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述したような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、道路区間別の交通状況に伴う燃料消費量を予測する、走行経路の燃料量計算システム及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムは、道路区間別交通情報を収集する交通情報収集部、道路区間別交通状況を基に予測速度を推定し、車両が当該道路区間を定速走行するときに必要とする定速走行燃料量を計算する燃料量計算部、当該道路区間で予測速度に対応して発生する加速又は減速走行に伴う第1燃料量を計算し、車両が特定道路区間で隣接する他の道路区間に走行するとき隣接する道路区間の間の予測速度の差によって発生する加速、又は減速走行に伴う第2燃料量を計算する燃料量補正部、及び定速走行燃料量で第1燃料量及び第2燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する制御部を含む。
【0007】
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムの燃料量補正部は、道路区間内に存在する信号灯及び/又は交差点によって発生する加速又は減速走行に要する第3燃料量と、道路区間別に予測速度に応じて発生する停車時間に伴う第4燃料量をさらに計算して制御部へ伝達する。
【0008】
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムの燃料量補正部は、道路区間内に存在する上り坂によって必要となる第5燃料量と、道路区間内に存在する下り坂によって発生する下り坂燃料補正値をさらに計算して制御部へ伝達する。
【0009】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムは、車両情報及び変速パターンマップを用いて複数の経済運転領域を算出し、一定時間の間の経済運転領域データから算出した経済運転領域別累積割合に従い運転者の運転習慣を算出して制御部へ伝達する運転習慣算出部を含み、制御部は、運転者の運転習慣に従い補正燃料量を補正する。
【0010】
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおける定速走行燃料量は、下記の計算式1によって算出される。
〔式1〕
定速走行燃料量=(道路区間別予測速度に対応した車両の走行抵抗)×(道路区間別走行距離)/(道路区間別予測速度に対応した車両のエネルギー効率)…計算式1
【0011】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおける第1燃料量は、下記の計算式2によって算出される。
〔式2〕
第1燃料量=(道路区間の予測速度に対応して設定された道路区間別予測加速度)×(車両の重量)×(道路区間内で発生する加速又は減速走行に伴う予測加速又は減速距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式2
【0012】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおける第2燃料量は下記の計算式3によって算出される。
〔式3〕
第2燃料量=(隣接する道路区間の間の予測速度に対応して設定された道路区間別予測加速度)×(車両の重量)×(予測速度の異なる道路区間移動により発生する加速又は減速走行の距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式3
【0013】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおける第3燃料量は、下記の計算式4によって算出される。
〔式4〕
第3燃料量=(停止後の加速度)×(車両の重量)×(道路区間内で発生する交差点、信号灯により停車し、再度加速した距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)×(信号灯、交差点で車両が停車する確率)…計算式4
【0014】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおける第4燃料量は、下記の計算式式5によって算出される。
〔式5〕
第4燃料量=(道路区間別予測速度に対応して設定された停車時間)×(停車時間当りに必要とする燃料量)…計算式5
【0015】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおける第5燃料量は下記の計算式6によって算出される。
〔式6〕
(車両の重量)×(重力加速度)×sin(道路勾配度)×(上り坂区間距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式6
【0016】
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおける下り坂燃料補正値は、道路区間内の下り坂区間において道路区間別予測速度が下り坂で予め設定された最小車速より大きければ、下り坂区間での定速走行燃料量が必要ないものと処理するように計算される。
【0017】
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムは、道路区間別地図データが格納された地図データベース、出発地及び目的地に対する経路案内の要請を受けると、地図データを用いて出発地及び目的地の間に補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる経路データを選定する経路案内部、及び選定した経路データ及び経路データに対応する補正燃料量を表示する表示部をさらに含む。
【0018】
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムの経路案内部は、車両が経路データの経路を走行中に、予め設定された交差点に進入する度に、出発地と目的地の間で補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる経路データを再選定する。
【0019】
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムの経路案内部は、車両が経路データの経路を走行中に、予め設定された重要基点に進入する度に、出発地と目的地の間で補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる経路データを再選定する。
【0020】
一方、本発明に係る走行経路の燃料量計算方法は、道路区間別交通状況を把握する段階、道路区間別交通状況に伴う予測速度を推定して車両が道路区間別に定速走行するときに要する定速走行燃料量を計算する段階、
道路区間別に各道路区間内で予測速度に応じて発生する加速又は減速走行に必要な第1燃料量を計算する段階、車両が隣接する2つの道路区間を走行するとき、隣接する道路区間の間の予測速度の差によって発生する加速又は減速走行に要する第2燃料量を計算する段階、及び第1燃料量及び第2燃料量で定速走行燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する段階を含むことを特徴的構成とする。
【0021】
また、本発明に係る走行経路の燃料計算方法は、道路区間内に存在する信号灯及び/又は交差点によって発生する加速又は減速走行に必要な第3燃料量を計算する段階、及び道路区間別に予測速度に応じて発生する停車時間に伴う第4燃料量を計算する段階をさらに含む。
【0022】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算方法は、道路区間内に存在する上り坂によって必要となる第5燃料量を計算する段階、及び道路区間内に存在する下り坂によって発生する下り坂燃料補正値を計算する段階をさらに含む。
【0023】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算方法は、車両情報及び変速パターンマップを用いて複数の経済運転領域を算出する段階、及び算出した複数の経済運転領域の一定時間の間の累積から算出した経済運転領域別累積割合に従い運転者の運転習慣を算出して制御部へ伝達し、制御部が、運転者の運転習慣に従い補正燃料量を補正する段階をさらに含む。
【0024】
また、本発明に係る走行経路の燃料量計算方法は、出発地及び目的地に対する経路案内の要請を受けると、地図データを用いて出発地と目的地の間で補正燃料量が最も少ない道路区間などの組み合わせでなる経路データを選定する段階、及び選定した経路データ及び経路データの経路で要する補正燃料量を表示する段階をさらに含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の走行経路の燃料量計算システムによれば、渋滞等の交通状況や、経路中の坂や、信号待ち、交差点通過等に応じて、正確に燃料量を予測することができ、最も使用燃料の少ない経路データを運転者に提供することができる。
【0026】
また、本発明の走行経路の燃料量計算システムによれば、運転者に共通な燃料消費指標だけでなく、運転者の運転習慣のように運転者毎に異なる指標まで反映することができるので、さらに正確な燃料量を予測することができ、運転者は燃料量の最も少ない経路データの提供を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る走行経路の燃料量計算システムの一実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】車両の定速走行時の車速と距離の関係を示す一例である。
【図3】道路区間の構成の一例を示す構成図である。
【図4】道路区間内で加速又は減速走行が発生する時の車速及び距離を示す一例である。
【図5】隣接する道路区間の間で、加速又は減速走行が発生する場合の例の車速と距離を示したものである。
【図6】道路区間で車両の停車時間が発生する場合の車速と距離の関係を示したものである。
【図7】本発明の一実施形態の表示部が燃料節約経路を表示する形態を示す画面キャプチャ図である。
【図8】本発明に係る走行経路の燃料計算システムの一実施形態の燃料量計算方法の順序を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。
本発明に係る走行経路の燃料量計算システムにおいて、地図データは、一定基準に従い区分された複数個の道路区間が設けられている。
道路区間の区分は、大きい交差点を基点にしての区分、一定距離ごとの区分、東部幹線道路、北部幹線道路、オリンピック大路、京釜高速道路といった道路区間の名称に基づいての区分、交通の流れが類似する道路区間をグループ化しての区分、市、都、郡の単位に属する道路区間をグループ化しての区分などで行うことができる。
【0029】
図1は、本発明に係る走行経路の燃料量計算システムの一実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料量計算システム100は、交通情報収集部110、燃料量計算部120、燃料量補正部130、運転習慣算出部140、制御部150、地図データベース160、経路案内部170及び表示部180を含む。
【0030】
交通情報収集部110は、道路区間別に交通情報を収集し、燃料量計算部120は、道路区間別交通情報を用いて車両が道路区間別に定速走行するのに必要な定速走行燃料量を計算する。
【0031】
燃料量補正部130は、道路区間内で発生する渋滞などに伴う追加燃料量(第1燃料量)、隣接する道路区間の間の予測速度間の差による追加燃料量(第2燃料量)、信号灯、交差点に伴う追加燃料量(第3燃料量)、車両の停車時間に伴う燃料量(第4燃料量)、を計算する。
【0032】
運転習慣算出部140は、運転者の運転習慣をデータベース化し、制御部150は、第1燃料量〜第4燃料量、及び運転者の運転習慣に従う補正値を用いて、定速走行燃料量を補正する。
【0033】
経路案内部170は、運転者から出発地及び目的地に対する経路案内の要請を受け、燃料量が最も少なく所要される道路区間の組み合わせでなる経路データを、表示部180を介して運転者に提供する。
【0034】
以下、本実施形態の走行経路の燃料量計算システム100について構成要素別に詳しく説明する。
【0035】
交通情報収集部110は、別途の交通情報収集機関(図示省略)から道路区間別交通情報を収集し、収集した交通情報に基づいて交通状況を把握し、道路区間別に現時点で走行可能な予測速度を設定する。
【0036】
図2は、車両の定速走行時車速及び距離の一例である。
燃料量計算部120は、道路区間別の現時点での予測速度と、後述する地図データベース160に格納された地図データの道路区間距離を用いて、道路区間別に、車両が定速走行するときに必要とする定速走行燃料量を計算する。
【0037】
前記定速走行燃料量は、渋滞などの突発事態がなく、当該道路区間を車両が理想的に走行したときに必要な燃料量を表し、下記の計算式1で算出する。
〔式1〕
定速走行燃料量=(道路区間別予測速度に応じて設定された車両の走行抵抗)×(道路区間別走行距離)/(道路区間別予測速度に応じて設定された車両のエネルギー効率)…計算式1
【0038】
ここで、車両の走行抵抗は、車両が走行するときの抵抗であって、予測速度及び車両の重量毎に設定されている。また、エネルギー効率は、車両の予測速度及び予測加速度に応じて、実際道路区間を運行したときの所要燃料量の実験統計値により道路区間毎に算出したものである。
【0039】
例えば、車両を一定の道路区間で多様な速度及び加速度で定速運行させたときに要した燃料量を実験によって把握し、車両の速度、加速度及び燃料量の相関関係からエネルギー効率を算出する。
【0040】
図3は、道路区間の構成の一例である。
図3に示すように、第1道路区間ないし第3道路区間が存在し、第1道路区間の現在の交通状況における予測速度が40km/hで、走行距離が300mであり、第2道路区間では予測速度が60km/hで、走行距離が500mであり、第3道路区間では予測速度はが50km/hで、走行距離が200mである場合、第1道路区間ないし第3道路区間それぞれのエネルギー(J)は前記第1道路区間ないし第3道路区間のそれぞれの予測速度(40km/h、60km/h、50km/h)から設定された車両の走行抵抗と、それぞれの道路区間別走行距離(300m、60m、200m)を掛け合わせた数値となる。
【0041】
そして、それぞれの区間のエネルギー効率(J/ml)は、所要燃料量の実験統計値に基づいて、第1ないし第3道路区間のそれぞれの区間毎に、それぞれの予測速度から算出される。
【0042】
図4は、道路区間内で加速又は減速走行が発生する時の車速及び距離の一例である。
燃料量補正部130は、道路区間別に各道路区間内で予測速度に応じて発生する加速又は減速走行に伴う第1燃料量を計算する。ここで、第1燃料量は、各道路区間内で渋滞などの発生により、車両が定速運行する時に比べ余計に消費する燃料量である。
【0043】
例えば、第1道路区間の予測速度が40km/h、、第1道路区間の距離が300mの場合、加速又は減速区間の割合を20%とすると、渋滞により加速又は減速走行する区間は60mとなる。また、第2道路区間の予測速度が60km/h、道路区間の距離が500mの場合には、加速又は減速区間の割合を5%とすると、渋滞により加速又は減速走行する区間の距離は25mとなる。
【0044】
このような加速又は減速区間の割合である5%、20%などの値は、道路区間別予測速度に対応した実験統計値(実際に走行したときの走行車速プロファイル及びアクセル操作プロファイルを用いる)から求めたものであり、統計データベース190に格納されている。
【0045】
燃料量補正部130は、統計データベース190より、加速又は減速区間の割合及び加速又は減速区間の割合による加速又は減速距離を、車両が加速又は減速走行するときの道路区間別予測加速度を把握する。
【0046】
道路区間の予測速度に伴う道路区間別予測加速度は、例えば、予測速度が50km/hの場合、予測加速度は1.0m/sといった値であり、前記加速又は減速区間の割合と同様、実験統計値から求めたものであり、統計データベース190に格納されている。
【0047】
ここで、第1燃料量及び後述する第2燃料量、第3燃料量などで加速度を適用するのは、第1燃料量、第2燃料量、第3燃料量が、定速走行燃料量のように一定速度で定速走行したときの燃料量ではなく、加速又は減速走行したときの燃料量であるからである。
このような第1燃料量は、下記の計算式2によって算出する。
〔式2〕
第1燃料量=(道路区間の予測速度に応じて設定された道路区間別予測加速度)×(車両の重量)×(道路区間内で発生する加速又は減速走行に伴う予測加速又は減速距離)/(道路区間別予測速度に応じて設定された車両のエネルギー効率)…計算式2
【0048】
図5は、隣接する道路区間の間で、加速又は減速走行が発生する時の車速及び距離との関係の一例を示したものである。
燃料量補正部130は、車両がある道路区間から隣接する他の道路区間に移行するとき、隣接する道路区間との間で予測速度に差がある場合、予測速度の差によって発生する加速又は減速走行に伴う第2燃料量を計算する。
【0049】
例えば、第1道路区間及び第2道路区間が存在し、第1道路区間の現時点の交通状況に伴う予測速度が40km/h、走行距離が300mであり、第2道路区間は、予測速度60km/h、走行距離500mの場合、車両が第1道路区間の走行を終了し、第2道路区間に進入したとき、第1道路区間と第2道路区間の間の予測速度の差のため、加速又は減速走行が発生する。この例では、第1道路区間と第2道路区間の予測速度の差は20km/hであり、第2道路区間の総距離(第1道路区間と第2道路区間の合計の距離)の10%(加速又は減速区間の割合)が、加速又は減速走行区間となる。
また、第1道路区間と第2道路区間の予測速度の差が40km/hの場合には、第2道路区間の総距離の40%(加速又は減速区間の割合)が加速又は減速走行区間となる。
【0050】
このような隣接する道路区間の間の予測速度の差による加速又は減速区間の割合については、実際の道路区間を走行した実験統計値から求めたものを、統計データベース190に格納している。
【0051】
また、隣接する道路区間の間の予測速度の差による加速又は減速走行が発生する距離を、車両が加速又は減速走行するときの道路区間別予測加速度は、前述の道路区間の間の予測速度の差が40kmの場合の例では、2.0m/sとなり、このような道路区間別予測加速度もまた、実際の道路区間を走行した実験統計値から求めたものを、統計データベース190に格納している。
【0052】
燃料量補正部130は、統計データベース190を参照し、隣接する道路区間の間の予測速度の差による加速又は減速走行が発生する距離の割合と、この距離を車両が加速又は減速走行する道路区間別予測加速度とを把握する。
このような隣接する道路区間の間で予測速度に差がある場合の区間の変わり目で発生する加速又は減速走行に伴う第2燃料量は、下記の計算式3によって算出する。
〔式3〕
第2燃料量=(隣接する道路区間の間の予測速度に対応して設定された道路区間別予測加速度)×(車両の重量)×(予測速度の異なる道路区間移動により発生する加速又は減速走行の距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式3
【0053】
前述の第1燃料量、後述する第3燃料量と第4燃料量は、各道路区間内で発生する燃料量なので、道路区間毎に算出されるが、第2燃料量は、隣接する一組の道路区間毎に算出される。
【0054】
図6は、道路区間で車両の停車時間が発生する場合の車速と距離の関係の一例である(図中、停車時間が発生する部分を停車区間として太線で表記したが、この区間の距離は0mである。)。
道路区間で車両の停車時間が発生する場合、燃料量補正部130は、各道路区間別に存在する信号灯や交差点により発生する加速又は減速走行に伴う第3燃料量をさらに計算する。
第3燃料量は下記の計算式4によって算出される。
〔式4〕
第3燃料量=(停止後の加速度)×(車両の重量)×(道路区間内で発生する交差点、信号灯により停車し、再度加速した距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)×(信号灯、交差点で車両が停車する確率)…計算式4
【0055】
ここで、停止後の加速度は、計算式3の道路区間別予測速度に対応して設定された道路区間別予測加速度とは異なるもので、車両が停止した状態から道路区間別予測速度まで加速するときの加速度であり、例えば、2.0m/sのように、予測速度とはかかわりなく予め設定したものである。
【0056】
例えば、停止後の加速度が2.0m/sで、道路区間別予測速度が50km/hの場合、停止した状態の速度は0km/hなので、等価速度直線運動公式により、道路区間内で交差点や信号灯により停止した後、道路区間別予測速度になるまで加速した距離は、{(道路区間別予測速度)−(停止速度)}/(2×停止後の加速度)になり、{(50)−(0)}/(2×2)なので625mとなる。
そして、交差点や信号灯が当該道路区間に2つ存在すると、625m×2で、道路区間内で交差点や信号灯により停止した後、道路区間別予測速度になるまで加速した距離は、1250mになる。
【0057】
一方、信号灯や交差点で停車する確率は、信号灯や交差点が存在すればいつでも停車するものではなく、例えば、信号灯が青信号であれば、停車することなく通過することが可能なので、実験統計値に基づいて、例えば、30%(0.30)という値が設定される。
燃料量補正部130は、上記停車時間に伴い必要となる燃料量である第4燃料量をさらに計算する。第4燃料量は下記の計算式5によって算出される。
〔式5〕
第4燃料量=(道路区間別予測速度に対応して設定された停車時間)×(停車時間当りに必要とする燃料量)…計算式5
【0058】
ここで、前記道路区間別予測速度に対応して設定された停車時間は、予測速度別に実験統計値に基づいて算出された停車時間であり、停車時間当り所要される燃料量もまた、停車時間に伴う実験統計値に基づいて算出された燃料量である。
制御部150は、第1〜第4燃料量で定速走行燃料量を補正して、道路区間別補正燃料量を計算する。
【0059】
燃料量補正部130は、各道路区間別に存在する上り坂によって発生する必要燃料量、第5燃料量をさらに計算する。
ここで、上り坂は、道路区間で車両毎に設定された最小登板勾配度の値より大きい勾配度の値を有する区間であり、例えば、最小登板勾配度の値が3に設定され、道路区間内で登板勾配度の値が3より高い区間が150mの場合、上り坂の距離は150mに設定されるもので、このような上り坂データは、地図データベース160に格納されている。
このような上り坂に伴う第5燃料量は下記の算式6によって算出される。
〔式6〕
(車両の重量)×(重力加速度)×sin(道路勾配度)×(上り坂区間距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式6
【0060】
制御部150は、第1〜第5燃料量で定速走行燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する。
【0061】
一方、下り坂の場合は、道路区間で車両毎に設定された最小登板勾配度の値より小さい勾配度の値を有する区間であり、例えば、最小登板勾配度の値が3に設定され、道路区間内で登板勾配度の値が3より小さい区間が100mの場合、上り坂の距離は100mに設定されるもので、このような上り坂データは、地図データベース160に格納されている。
【0062】
燃料量補正部130は、道路区間別の下り坂区間で道路区間別予測速度が下り坂で設定された最小車速より大きければ、下り坂区間での定速走行燃料量を0とする内容の下り坂燃料補正値を設定する。
制御部150は、第1〜第5燃料量及び下り坂燃料補正値で定速走行燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する。
【0063】
運転習慣算出部140は、車両情報収集部、計算部などを含み、収集した車両情報を用いて経済運転領域を算出するが、算出した経済運転領域のうち、領域別累積割合に従い運転者の運転習慣を算出する。
【0064】
車両情報収集部は、エンジン制御機及び変速制御機などの車制御機から、車速情報、エンジントルク情報、Throtle Position Sensor(TPS)値、変速パターンデータ、現時点の変速段及びダンパクラッチのオンオフ可否などの車両情報を、車両ネットワークを介して収集する。この時、車速と TPS値はエンジン制御機(図示省略)から収集して変速段とダンパクラッチのオン/オフ可否、及び変速パターンデータは変速制御機(図示省略)から収集する。
もちろん、これら情報は、エンジン制御機と変速器制御機からではなく、車速センサ、TPSなどから直接獲得することもできる。
【0065】
計算部は、車両情報及び変速パターンマップを用いて、現時点の走行状態及び経済運転領域を算出し、さらに、一定時間の間の経済運転領域を累積して、累積した経済運転領域の割合を計算する。
この時、経済運転領域は、最大経済運転領域(グリーン領域)、普通経済運転領域(ホワイト領域)、及び最低経済運転領域(レッド領域)に区分される。
【0066】
計算部が行う経済運転領域の区分は、具体的には、発進モードにおいて時速0〜15km/hの場合に、TPSが1〜A%であればグリーン領域、TPSが0%もしくはA〜B%であればホワイト領域、TPSがB〜100%であればレッド領域であると判断する。
また、計算部は、発進モードにおいて時速16〜70km/hの場合、計算部は、TPSが1〜A´%であればグリーン領域、TPSが0%もしくはA´〜B´%であればホワイト領域、TPSがB´〜100%であればレッド領域であると判断する。
【0067】
前述のA、A´、B、B´の値は、実験統計値に基づいて設定される。
一方、計算部は、減速モード(発進中減速モード、走行中減速モード)時には全てグリーン領域と判断する。
【0068】
計算部は、このように区分した経済運転領域情報を格納し、運転者がグリーン領域で運転した時間、ホワイト領域で運転した時間、レッド領域で運転した時間をそれぞれ累積し、運転者が、グリーン領域、ホワイト領域、レッド領域のそれぞれで運転した時間の累積割合を計算して、運転者の各領域別時間を格納部に格納する。
【0069】
制御部は、格納部に格納された運転者の各領域別時間により、補正燃料量を補正する。
即ち、制御部は、グリーン領域、ホワイト領域の割合が相対的に高い場合のように運転者の運転習慣が良い場合には、補正燃料量を、例えば10%減というように、低減するように補正し、レッド領域の割合が相対的に高い場合のように運転者の運転習慣の悪い場合には、補正燃料量を増加するように補正する。
【0070】
地図データベース160には、道路区間別走行距離及び道路区間の位置情報、識別情報、案内情報などが含まれた道路区間別地図データが格納されている。
【0071】
経路案内部170は、運転者から、別途のキー入力部(図示省略)や外部ナビゲーション端末装置(図示省略)による出発地及び目的地に対する経路案内の要請を受け、地図データを用いて出発地から目的地までの最短経路(早い経路)、高速経路、推薦経路、無料経路、有料経路といった通常行われているような複数個の経路データを算出し、算出した複数個の経路データをもとに、補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせの経路データを選定する。
【0072】
また、経路案内部170の他の実施形態として、経路案内部170は、運転者が経路データを走行中に、分かれ道や交差点に進入する度に、例えば、進入する3km手前で、交差点等から目的地までの残りの距離を対象に、補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせの経路データを再選定して、運転者に提供する。
【0073】
運転者からの経路案内の要請を受けた後にも、交通状況は変化するので、経路案内部170は、走行中に設定された交差点に進入する度に、進入する3km手前ごとに経路データを再選定する。
このことにより、運転者は、変化する交通状況においても、補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる経路データの提供を受けることができる。
【0074】
経路案内部170のさらに他の実施形態として、経路案内部170は、運転者が経路データを走行中に、重要基点、例えば、高速道路と一般道路との分かれ道に進入する度に、進入する3km手前で目的地までの残りの距離を対象に補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる経路データを再選定する。
【0075】
このように、運転者は、変化する交通状況においても、補正燃料量が最も少ない道路区間の経路データの提供を受けることができ、ここで用いる分かれ道などの重要基点は、別途のキー入力部(図示省略)を介して運転者が要請するか、運転者の事前の自動再探索設定に従い設定される。
【0076】
図7は、本実施形態の表示部が燃料節約経路を表示する形態を示す画面キャップチャ図である。
表示部180は、LCDなどに設けられ、算出した経路データ(走行経路、走行距離、所要時間、予想費用などを含む)、及び経路データで要する補正燃料量を表示する。
【0077】
図7の左側には従来技術のシステムの画面キャップチャを示し、右側には本発明に係る実施形態の画面キャップチャを示している。
図7に示すように、最短経路では走行距離が11.4km、燃料消費量が2.1リットルに対し、エコ経路では走行距離が20.9km、燃料消費量が1.8リットル本発明によれば、走行距離が多少長くなっても燃料消費量の少ない経路データを運転者に提供することができる。
【0078】
以下、本発明の走行経路の燃料量計算方法の順序を説明する。
図8は、本発明の走行経路の燃料量計算方法の順序を示すフローチャートである。
まず、交通情報収集部110において、道路区間別の現在交通状況を把握し(S100)、燃料量計算部120において、道路区間別の現時点の交通状況から予測速度を推定し、道路区間別に車両が定速走行するとき必要とする定速走行燃料量を計算する(S102)。
【0079】
次いで、燃料量補正部130において、道路区間別に各道路区間内で、予測速度に応じて発生する加速又は減速走行に要する第1燃料量を計算し(S104)、
車両が道路区間に隣接する他の道路区間に走行するとき、隣接する道路区間の間の予測速度の差によって発生する加速又は減速走行で要する第2燃料量を計算し(S106)、
さらに、道路区間内に存在する信号灯や交差点によって発生する加速又は減速走行で要する第3燃料量を計算する(S108)。
【0080】
さらに、前記燃料量補正部130は、道路区間別に予測速度に応じて発生する停車時間に伴う第4燃料量を計算し(S110)、
道路区間別に上り坂又は下り坂によって発生する第5燃料量又は下り坂燃料補正値を計算し(S111)、次いで、制御部150は、第1燃料量ないし第5燃料量と下り坂燃料補正値で定速走行燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する(S112)。
【0081】
次いで、運転習慣算出部140において、車両情報を用いて経済運転領域を算出し(S114)、算出した経済運転領域の累積割合に従い運転者の運転習慣を設定して制御部150へ伝達し、
制御部150は、運転習慣算出部140が算出した運転者の運転習慣に基づいて補正燃料量を補正する(S116)。
【0082】
次いで、経路案内部170は、運転者からの出発地及び目的地に対する経路案内の要請を受け(S118)、
地図データを用いて出発地及び目的地の間の経路データを燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせを選定し(S120)、
表示部180において、経路案内部170の選定した経路データ及び経路データにおいて必要とされる補正燃料量を表示する(S122)。
【0083】
以上、本発明の好ましい実施形態について、例を挙げて説明したが、本発明の技術的思想はこのような実施形態のみに限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により、本発明の技術的思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形実施が可能であるはずである。
また、本発明はオイルを燃料として用いる車両だけでなく、電気、水素などを動力源として用いる車両にも適用することができるのは自明である。
【符号の説明】
【0084】
100:走行経路の燃料量計算システム
110:交通情報収集部
120:燃料量計算部
130:燃料量補正部
140:運転習慣算出部
150:制御部
160:地図データベース
170:経路案内部
180:表示部
190:統計データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路区間別交通情報を収集する交通情報収集部、
道路区間別交通状況に基づき予測速度を推定し、車両が道路区間を定速走行するときに要する定速走行燃料量を計算する燃料量計算部、
道路区間別に各道路区間内で前記予測速度に応じて発生する加速又は減速走行で要する第1燃料量を計算し、車両が隣接する2つの道路区間を走行するとき、隣接する道路区間の間の予測速度の差によって発生する加速又は減速走行に要する第2燃料量を計算する燃料量補正部、及び
前記第1燃料量及び前記第2燃料量で前記定速走行燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する制御部
を含むことを特徴とする走行経路の燃料量計算システム。
【請求項2】
前記燃料量補正部は、
道路区間内に存在する信号灯及び/又は交差点によって発生する加速又は減速走行で要する第3燃料量と、道路区間別に予測速度に応じて発生する停車時間に伴う第4燃料量を計算して制御部へ伝達することを特徴とする請求項1に記載の走行経路の燃料量計算システム。
【請求項3】
前記燃料量補正部は、道路区間内に存在する上り坂によって必要となる第5燃料量と、道路区間内に存在する下り坂によって発生する下り坂燃料補正値を計算して制御部へ伝達することを特徴とする請求項1に記載の走行経路の燃料量計算システム。
【請求項4】
車両情報及び変速パターンマップを用いて複数の経済運転領域を算出し、一定時間の間の経済運転領域データから算出した経済運転領域別累積割合によって運転者の運転習慣を算出して制御部へ伝達する運転習慣算出部を含み、
前記制御部は、前記運転者の運転習慣に従い前記補正燃料量を補正することを特徴とする請求項1に記載の走行経路の燃料量計算システム。
【請求項5】
前記定速走行燃料量は下記の計算式1によって算出され、
〔式1〕
定速走行燃料量=(道路区間別予測速度に応じて設定された車両の走行抵抗)×(道路区間別走行距離)/(道路区間別予測速度に応じて設定された車両のエネルギー効率)…計算式1
前記第1燃料量は下記の計算式2によって算出され、
〔式2〕
第1燃料量=(道路区間の予測速度に対応して設定された道路区間別予測加速度)×(前記車両の重量)×(道路区間内で発生する加速又は減速走行に伴う予測加速又は減速距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式2
前記第2燃料量は下記の計算式3によって算出されることを特徴とする請求項1に記載の走行経路の燃料量計算システム。
〔式3〕
第2燃料量=(隣接する道路区間の間の予測速度に対応して設定された道路区間別予測加速度)×(車両の重量)×(予測速度の異なる道路区間移動により発生する加速又は減速走行の距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式3
【請求項6】
前記第3燃料量は下記の計算式4によって算出され、
〔式4〕
第3燃料量=(停止後の加速度)×(車両の重量)×(道路区間内で発生する交差点、信号灯により停車し、再度加速した距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)×(信号灯、交差点で車両が停車する確率)…計算式4
前記第4燃料量は下記の計算式5によって算出されることを特徴とする請求項2に記載の走行経路の燃料量計算システム。
〔式5〕
第4燃料量=(道路区間別予測速度に対応して設定された停車時間)×(停車時間当りに必要とする燃料量)…計算式5
【請求項7】
前記第5燃料量は下記の計算式6によって算出され、
〔式6〕
(車両の重量)×(重力加速度)×sin(道路勾配度)×(上り坂区間距離)/(道路区間別予測速度に対応して設定された車両のエネルギー効率)…計算式6
前記下り坂燃料補正値は、道路区間内の下り坂区間において道路区間別予測速度が下り坂で予め設定された最小車速より大きければ、前記下り坂区間での定速走行燃料量が必要ないものと処理するように計算されることを特徴とする請求項3に記載の走行経路の燃料量計算システム。
【請求項8】
道路区間別地図データが格納されたデータベース、
出発地及び目的地に対する経路案内の要請を受けると、前記地図データを用いて出発地及び目的地の間に補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる経路データを選定する経路案内部、及び
選定した前記経路データ及び前記経路データに対応する補正燃料量を表示する表示部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の走行経路の燃料量計算システム。
【請求項9】
前記経路案内部は、
車両が前記経路データの経路を走行中に、予め設定された交差点に進入する度に、出発地及び目的地の間に補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる前記経路データを再選定することを特徴とする請求項8に記載の走行経路の燃料量計算システム。
【請求項10】
前記経路案内部は、
車両が前記経路データの経路を走行中に、予め設定された重要基点に進入する度に、出発地及び目的地の間に補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる前記経路データを再選定することを特徴とする請求項8に記載の走行経路の燃料量計算システム。
【請求項11】
道路区間別交通状況を把握する段階、
前記道路区間別交通状況に伴う予測速度を推定し、車両が道路区間別に定速走行するときに要する定速走行燃料量を計算する段階、
道路区間別に各道路区間内で前記予測速度に応じて発生する加速又は減速走行に必要な第1燃料量を計算する段階、
車両が隣接する2つの道路区間を走行するとき、隣接する道路区間の間の予測速度の差によって発生する加速又は減速走行に必要な第2燃料量を計算する段階、及び
前記第1燃料量及び前記第2燃料量で前記低速走行燃料量を補正し、道路区間別補正燃料量を計算する段階を含む走行経路の燃料量計算方法。
【請求項12】
道路区間内に存在する信号灯及び/又は交差点によって発生する加速又は減速走行に必要な第3燃料量を計算する段階、及び
道路区間別に予測速度に応じて発生する停車時間に伴う第4燃料量を計算する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の走行経路の燃料量計算方法。
【請求項13】
道路区間内に存在する上り坂によって必要となる第5燃料量を計算する段階、及び
道路区間内に存在する下り坂によって発生する下り坂燃料補正値を計算する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の走行経路の燃料量計算方法。
【請求項14】
車両情報及び変速パターンマップを用いて複数の経済運転領域を算出する段階、及び
算出した複数の経済運転領域の一定時間の間の累積から算出した経済運転領域別累積割合に従い運転者の運転習慣を算出して制御部へ伝達し、前記制御部が、前記運転者の運転習慣に従い前記補正燃料量を補正する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の走行経路の燃料量計算方法。
【請求項15】
出発地及び目的地に対する経路案内の要請を受けると、前記地図データを用いて出発地及び目的地の間に補正燃料量が最も少ない道路区間の組み合わせでなる経路データを選定する段階、及び
選定した前記経路データ及び前記経路データの経路で要する補正燃料量を表示する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の走行経路の燃料量計算方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−13672(P2012−13672A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269203(P2010−269203)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】