説明

超分子構造を形成する新規材料、プロセス及び用途

【課題】転移温度以下で超分子構造を形成する材料、そのプロセス及び用途を提供する。
【解決手段】転移温度以下で超分子構造を形成する材料であって、少なくとも1つのC=O及び/又はC=S基及び少なくとも1つのN-H、O-H及び/又はS-H基を含み、下記構造:A(-X-B)n(1)[式中、Aは環状、芳香族及び/又は脂肪族基であり、nは1〜4の数であり、下記構造(2)-(4):-NH-C(Y)-Y-B(2)、-NH-C(Y)-NR-B(3)、-Y-C(Y)-NH-B(4)(ここで、Yは酸素及び/又は硫黄原子であり、Bは少なくとも1つのヘテロ原子を有する有機基であり、該ヘテロ原子はBが線状又は環状であるとき少なくとも2つの炭素原子に結合し、該ヘテロ原子はBが分枝状であるとき少なくとも1つの炭素原子に結合し、Rは水素原子、環状、芳香族及び/又は脂肪族基、又は同一又は異なる別のB基である)の内の1つを有する]を有する材料。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、転移温度以下で超分子構造を形成する新規材料、その材料を調製するためのプロセス及びその用途に関する。
超分子化学は、進行中の「境界を超えた(beyond)」分子化学であり、1より多い分子を含む系である。これら系は非共有相互作用、例えば、水素結合、ファンデルワールス力、pi−pi相互作用及び/又は静電効果などに基づく。例えば、超分子ポリマーは、結果として得られる材料の物性に実質的に寄与する高い物理的結合強度を伴う、共有結合及び特定の二次相互作用の組み合わせを通じたそのポリマー的物性を得た有機化合物である。これらポリマーは、最も代表的には、超分子相互作用と呼ばれる多重水素結合相互作用に基づく追加の物理的相互作用の存在に起因する独自の特性を示す。
【0002】
超分子化合物、例えば、ポリマーは、Lange及びMeijerによるMacromolecules(1995、28、782-783)に記載されている。そこに記載されている方法は、例えば、スチレン及びマレイミドモノマーのラジカル重合であり、列状の3つのH−結合を含むH−結合単位を生成する。得られたポリマーはメラミンと混合されるが、非常にもろく、適切な機械的性質を有しない超分子構造をもたらす。
【0003】
EP 1 310 533 A2には、適切な条件で自己を組み立て、別の類似染料と組み合わさり、そして超分子構造を形成することができる染料を含むインク組成物が記載されている。後者は、相互作用する単位当たり少なくとも3つのアクセプター/ドナー相互作用に基づくが、これらの相互作用の少なくとも1つはヘテロ環単位から起こる。従って、それらは調製が困難であり、それゆえ高価である。
【0004】
Sijbesmaら(Science、278、1601)には、4重の水素結合単位を含む超分子ポリマーが記載されており、その単位は異なるポリマー鎖の間に物理的相互作用を互いにもたらす少なくとも4つのH−ブリッジを形成することができる。この物理的相互作用は、列状の少なくとも4つの水素結合を含む2−ウレイド−4−ピリミドンに基づく自己相補的な単位の間の多重水素結合相互作用(超分子相互作用)に由来する。
【0005】
WO 98/14504 A1には、互いにH−ブリッジを形成するモノマー単位を含む超分子ポリマーが記載されているが、このH−ブリッジ形成モノマー単位は対になって互いに少なくとも4つのH−ブリッジを形成する。好ましくは、このH−ブリッジ形成モノマー単位は自己相補的であり、本質的に平坦な構造を構成する。そのH−ブリッジ形成を与えるモノマー単位は最も代表的にはヘテロ環を含み、複雑であり、それゆえ調製が困難で高価である。
【0006】
US2004/0034190 A1には、通常のモノマーと4重水素結合単位を含むモノマーとの共重合による超分子ポリマーの調製が記載されている。これらモノマーは重合性基(a)、連結部分(b)及び4以上の水素ブリッジを形成できる構造的要素(c)を有する。構造的要素(c)は最も代表的にはヘテロ環を含み、かなり複雑である。従って(c)、特にそのモノマー自体は、調製が非常に困難でそれゆえ高価である。
【0007】
WO2005/042641 A1には、ポリマー主鎖内に4重水素結合単位を含む超分子ポリマーの調製が記載されている。このポリマーにおいて4H−単位を含む少なくとも1つのモノマーが少なくとも2〜4の反応性基を介してポリマー主鎖に組み込まれる。
【0008】
これらケースの全てにおいて水素結合の形成を引き起こす構造的4−H単位は最も代表的にはヘテロ環を含み、複雑であり、それゆえ調製が困難で高価である。それらの剛性により、超分子ポリマーを調製又は使用した場合には、相溶性、溶解性及び加工性に困難があり得る。
【0009】
US 2004/0087755 A1には、超分子ポリマーを形成できる官能基を有するポリウレタン鎖ポリマーが開示されている。それらは代表的にはイソシアネート末端基と反応するヘテロ環アミン類から形成され、結合単位当たり多重のH−結合を生成する。それらの性質に起因してヘテロ環アミン類は他の材料に溶解又は相溶することが困難である。このことが製造できる構造の数及びそれらの用途を制限する。
【0010】
US 6,683,151 B1には、(A)イソシアネート官能化化合物であって、その(A)の総量の少なくとも40wt%が少なくとも約500の分子量を有する化合物と、(B)前記イソシアネート官能化化合物(A)を反応できる窒素含有化合物との反応生成物を含むコンパウンドが記載されている。このイソシアネート官能化化合物(A)は、それ自体、イソシアネートと少なくとも1つの官能基を含む化合物との間の反応生成物であり、後者の少なくとも40%は少なくとも約450の重量平均分子量を有する。窒素含有化合物(B)は、例えば、メラミン、ウレア、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、シアナミド、及び/又はイソシトシンである。(A)及び(B)の反応生成物は約20,000未満の分子量を有し、可逆的な分子間の物理的相互作用を形成できる基の有効量を含み、得られる化合物は転移温度以下の温度でポリマーの機械的物性を示す。この化合物は、非常に複雑で、高価であり、多くの制約によって生成物の設計に大きな柔軟性が与えられない。
【0011】
本発明の目的は異なる温度で可逆的に超分子構造を形成できる新しいタイプの材料を提供することである。率直に言って、それらの組成は容易に変更でき、超分子構造の多くの異なるタイプの物性をもたらし、従って、様々な用途における要求にそれを採用でき、最適化できる。材料の転移温度、親水性及び親油性並びに極性は、その物性を最適化するために容易に調整できなければならない。その前駆体は、容易で多様な合成法及び加工法を可能にするべきであり、得られた生成物は他の材料と容易に溶解及び/又は適合するべきである。前駆体及び生成物の両者は幅広い多様な用途に使用できるように費用に対し効率がよいものであるべきである。さらに、その超分子構造は、高温で良好な安定性を与え、副反応及び/又は酸化反応を回避するものでなければならない。
【0012】
驚くべきことに、これら全ての目的は、少なくとも1つの「C=O」及び/又は「C=S」単位及び少なくとも1つのN−H、O−H及び/又はS−H基を含み、下記構造:
A(−X−B) (1)
[式中、Aは環状、芳香族及び/又は脂肪族基であり、nは1〜4の数であり、−X−Bは、nが2であるとき同一又は異なり、nが3又は4であるとき同一、部分的に同一又は異なり、下記構造(2)〜(4):
−NH−C(Y)−Y−B (2)
−NH−C(Y)−NR−B (3)
−Y−C(Y)−NH−B (4)
(ここで、Yは酸素及び/又は硫黄原子であり、Bは少なくとも1つのヘテロ原子を有する有機基であり、該ヘテロ原子はBが線状又は環状であるとき少なくとも2つの炭素原子に結合し、該ヘテロ原子はBが分枝状であるとき少なくとも1つの炭素原子に結合し、Rは水素原子、環状、芳香族及び/又は脂肪族基、又は同一又は異なる別のB基である)
の内の1つを有する]
を有する材料によって達成されることができる。
【0013】
転移温度は、その温度以下で超分子の相互作用が実質的に材料の物理的性質を変えるという温度を指す。それはレオロジー的測定法によって得られる。G’(T)が低温でG’のプラトー(plateau)であり、G’(T)が高温でG’のプラトーであるとき、転移温度はG’=[G’(T)−G’(T)]/2のときの温度として計算される。転移温度は幅広く、温度範囲にわたって起こる。本発明の材料の転移温度の中間点は約−50℃〜+200℃、好ましくは、約−30℃〜+150℃、より好ましくは、−20℃〜+120℃、特に、−10℃〜+80℃である。
【0014】
転移温度より十分低い温度では、材料は弾性の固体のように挙動し、転移温度より十分高い温度では、液体のように挙動する。例えば、超分子構造は、転移温度より40℃低い温度で約1,000,000Pa以上、好ましくは、約5,000,000Pa以上、特に、約10,000,000Pa以上の高貯蔵弾性率を有する。しかし、転移温度より上に温度が上昇すると、貯蔵弾性率は転移温度よりも40℃高い温度で約100,000Pa以下に、特に、約10,000Pa以下に急速に減少し、それはポリマーセグメントAを有する材料に代表的なものとなる。それらは、この温度で約1,000Pa以下、より好ましくは約100Pa以下、特に、約10Pa以下の貯蔵弾性率を有することが好ましい低分子量材料よりも高い貯蔵弾性率を有する傾向にある。しかし、これら2つの温度で測定した貯蔵弾性率の差が少なくとも約1000Pa、好ましくは、少なくとも約10,000Paであり、これは特にポリマー材料に適用される。しかし、より低分子量の材料のために、それは、好ましくは、少なくとも約100,000Pa、特に、約1,000,000Pa以上である。
【0015】
本発明の材料の超分子構造は可逆的であることが特に重要である。従って、超分子構造は転移温度よりも十分に高い温度に上げると消失する。しかし、温度を転移温度よりも十分に低い温度に再び下げるとこの超分子構造は再び形成される。このサイクルは材料の構造が同じ状態又は同じ状態に近い状態を維持する限り繰り返すことができる。
【0016】
本発明の材料の真の超分子構造は不明であるが、それは有用な三次元構造を形成し、二次元構造のみを形成する傾向にある平坦な化合物よりもより良好な機械的物性を代表的にはもたらす。
【0017】
構造(1)における基Aは、環状、芳香族及び/又は脂肪族性を有する。環状基は芳香族、部分不飽和及び/又は飽和であり、芳香族及び飽和基が好ましい。環状基はまた、窒素、酸素及び/又は硫黄などのヘテロ原子を含むことができるが、そのようなヘテロ環は特に芳香族基であることはあまり望ましくない。脂肪族基は十分に飽和、部分不飽和及び/又はヘテロ原子を含むものとすることができる。好ましい脂肪族基は飽和線状又は分枝状炭化水素である。一つの態様において、Aは約1000未満、好ましくは、約750未満、より好ましくは約500未満、特に、約300未満の低い平均分子量Mnを有する。
【0018】
別の態様において、Aは少なくとも3つのモノマー繰り返し単位を有するオリゴマー又はポリマーのセグメントを含む。これは、代表的には、付加重合体又は段階成長重合体であるが、他のポリマーのタイプも同様に使用できる。そのようなセグメントのタイプに制限はなく、それらは様々な用途の要求のために製品の性能を最適化するための一つの重要な要因である。最も典型的なオリゴマー又はポリマーセグメントは、ホモポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、及びブロックコポリマーであり、例えば、ポリオレフィン、例えば、ポリ(イソブチレン)、ポリ(エチレン−コ−ブチレン)、ポリスチレン類、ポリ(ヒドロキシスチレン)、ポリアクリル類、ポリ(メタ)アクリル酸類、ポリ(メタ)アクリレート類、ポリアルキル(メタ)アクリレート類、ポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリ(メタ)アクリルアミド類、ポリブタジエン、ポリエーテル類、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリブチレングリコール、ポリエステル類、例えば、2〜15の炭素原子を有する1以上の多価アルコール類と2〜14の炭素原子を有する1以上のポリカルボン酸との縮合から形成されるもの、ポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、例えば、いずれかのジオールとジイソシアネートから調製されるもの、ポリウレア(ポリ尿素)類、ポリアセタール類、ポリシロキサン類、ポリビニルエーテル類、ポリビニルエステル類及び/又はポリ(ビニルアセテート)などである。ポリ(イソブチレン)、ポリ(エチレン−コ−ブチレン)、ポリブタジエン、ポリ(エチレングリコール)類及びポリ(プロピレングリコール)類が好ましく、ポリウレタン類及びポリウレア類はあまり好ましくない。
【0019】
さらなる柔軟性の度合いは、これらオリゴマー及び/又はポリマーセグメントの分子量である。それらがちょうど3つのモノマー繰り返し単位を含む場合、分子量はむしろ低い。しかし、それは基本的には制限されない。従って、オリゴマー及び/又はポリマーセグメントを含む基Aの分子量は、非常に高い平均分子量Mnを有することができる。しかし、それはしばしば約100,000未満であることが好ましく、好ましくは、約50,000未満、より好ましくは、約25,000未満、特に、約10,000未満である。
【0020】
そのような高分子量の基Aを調製するための代表的な方法は、ジイソシアネートをヒドロキシル、アミン及び/又はメルカプト末端オリゴマー及び/又はポリマーセグメントと所望の割合で反応させて、その後のさらなる反応に使用できるイソシアネート末端オリゴマー及び/又はポリマーを得ることである。これらの反応はバルク又は溶媒中で行うことができ、当業者によく知られている。
【0021】
材料は式「−X−B」の1〜4の異なる置換基を有することができる。1より多い置換基が存在する場合、それらは同一又は異なることができる。2以上の置換基が存在する場合、それらは全て同一、部分的に同一及び部分的に異なる又は全て異なることができる。多くの場合、2又は3の置換基、特に2つの置換基、が好ましい。1より多い置換基が存在する場合、それが同じであるか類似するときに、それはしばしば有用である。「類似する」は、分子量が100%以下、好ましくは、50%以下、特に、20%以下で異なることを意味する。
【0022】
さらに、分枝基及び/又は環状基のタイプ及び/又は鎖中のヘテロ原子の位置が等しいか、類似することがしばしば有利であるが、必須ではない。例えば、それは10以下の炭素原子、好ましくは5以下の炭素原子、特に3以下の炭素原子で異なることが有利である。
【0023】
有機基Bの平均分子量Mnに関して何ら制限はないが、それは代表的には約5000未満、好ましくは、約1000未満、より好ましくは、約500未満、特に、約150未満である。好ましい脂肪族基は飽和の線状又は分枝状の炭素水素である。鎖の長さに関して制限はないが、C−C50鎖を有することが好ましく、より好ましくは、C−C35鎖、より好ましくは、C−C20鎖、特に、C−C10鎖である。
【0024】
Bが線状又は環状であるとき、それは、少なくとも2つの炭素原子に結合する少なくとも1つのヘテロ原子を含む。Bが分枝状であるとき、ヘテロ原子は少なくとも1つの炭素原子に結合する。A及び/又はBが環状基を含む場合、それらは飽和又は芳香族環状基であることが好ましい。それらはまた、ヘテロ原子を含むことができるが、これは、特に芳香族基の場合にあまり好ましくない。好ましくは、B中のヘテロ原子は窒素、酸素及び/又は硫黄である。よって線状又は環状構造において、エーテル類、チオエーテル類及び/又は第二アミン類が好ましい。分枝構造において、ヘテロ原子はまた、第一アミン類、アルコール類及び/又はチオール類を形成することができる。
【0025】
いくつかの場合において、2以上のヘテロ原子を有することが好ましい。そのような場合、少なくとも1つのヘテロ原子、好ましくは窒素原子を有することが有利であり、そのヘテロ原子は少なくとも2つの炭素原子に結合し、別のヘテロ原子は一つの炭素原子に結合して第一アミン、アルコール及び/又はチオールを形成する。ヘテロ原子は特別な配列中に組み込まれて強力な相互作用を補助するが、それらはまた無作為に分布することができる。
【0026】
さらにBは1以上のハロゲン原子及び/又はカルボン酸基を含む場合がある。これら官能基は鎖の末端に又は末端近くにあることが好ましい。使用される場合には、それらはしばしば少なくとも1つの好適なヘテロ原子とともに存在する。よって、多くの異なる構造がヘテロ原子の量及び位置を変化させることによって容易に得られ、それが生成物に異なる物性を与える。よって、様々な目的のために生成物を最適化することにおいて大きな柔軟性をもって使用することができ、これが本発明の大きな利点である。
【0027】
基A及びBは共に基Xに結合し、基Xは、構造(2)〜(4)に示されるように、一つの炭素原子、少なくとも1つの窒素原子、及び少なくとも1つの酸素原子及び/又は硫黄原子並びに1又は2の水素原子を含む。最も典型的な基は、ウレア、ウレタン、チオウレア及び/又はチオウレタンである。好ましくは、これら基は、イソシアネートとアミンが反応して尿素結合を形成することによって、又はイソシアネートとアルコールが反応してウレタン結合を形成することによって形成される。対応する硫黄含有類似体は、チオイソシアネート及び/又はチオール類を採用することによって得られる。しかし、当業者に知られている他の手段を使用することも可能である。ウレタン及び硫黄含有類似体は、構造(2)で示されるように窒素を通じて、又は構造(4)で示されるようにそれぞれ酸素及び硫黄を通じてAに結合することができる。しかし、ウレア及びウレタン基が好ましく、後者はいずれにしてもAに結合することができる。
【0028】
Xが、構造(3)に示されるようにウレア及び/又はチオウレアであるとき、基Xの一部であるが基BをXに連結する窒素原子は基Rも含む。ここでRは水素原子、環状、芳香族及び/又は脂肪族基、又は同一又は異なる別のB基である。Rが環状、芳香族及び/又は脂肪族基である場合、その鎖の長さに関して制限はないが、C−C50鎖を有することが好ましく、より好ましくは、C−C35鎖、より好ましくは、C−C20鎖、特に、C−C10鎖である。
【0029】
好適な本発明の材料のいくつかを以下に例示する。
【0030】
【化1】

【0031】
【化2】

【0032】
【化3】

【0033】
【化4】

【0034】
【化5】

【0035】
【化6】

【0036】
【化7】

【0037】
一つの態様において、材料は高温で安定であるが非熱的活性化に際して反応できる少なくとも1つの反応性基を含む。これは硬化された材料の固定化を可能にする。従って、材料は最初、例えば、相転移を起こし、その転移温度の上下の温度で非常に異なる粘度プロファイルを与えるキャリア手段として挙動することができる。しかし、最終施用の後、その材料がこの挙動をもはや有しないで不可逆的状態であるべきことがしばしば求められる。これは材料に反応性基を加えることによって得ることができる。それらはAの一部及び/又はBの一部のいずれでもあり得、後者がしばしば(常にではないが)好適である。しかし、これら基が以下に説明する手段によって開始されない限り熱的活性化で反応を起こさないことが本質的に求められる。これは転移温度よりも少なくとも約50℃高い温度、しかし好ましくは、転移温度よりも約75℃以上、より好ましくは、約100℃以上、特に約125℃以上高い温度で、材料が少なくとも数分間、しかし好ましくは、数10分間又は数時間でさえも硬化挙動を示さないことを意味する。
【0038】
そのような反応性基は、限定されないが、例えば、第一、第二及び/又は第三ヒドロキシル、第一及び/又は第二アミン、カルボン酸などの酸、アルデヒド、ケトン、アミド、イソシアネート、エポキシ、無水物、イミド、カルボイミド、オルガノシラン、アルキルハライド、酸ハライド、ラクトン、ラクタム、オキサゾリノン、アジリジン、イミン、オキサゾリジン及び/又は環状カーボネート基、単結合又は異なるC−C二重結合(共役してもよい)などのオレフィン性結合などが挙げられる。それらは、例えば、ビニル−及び/又は(メタ)アクリル残基及び/又はアルケンの一部であり得る。
【0039】
反応性基を含む材料の硬化は、その材料が当業者に知られている手段によって行われる施用後その最終形態を得るときに、起こることが好ましい。それらは、ラジカル、酸素、酸、塩基、水、触媒及び/又は照射、例えば、UV、赤外線、近赤外線、X線、マイクロ波、電子照射及び/又は音波処理に曝露することをなどを含む。
【0040】
本発明の材料を調製することに関して何ら制限はない。実際、それらは当業者に知られているいずれの手段によっても調製することができる。しかし、転移温度以下で超分子構造を形成できる材料を調製するための特に好ましい方法の一つは、少なくとも1つのイソシアネート及び/又はチオイソシアネートと少なくとも1つのアミン、アルコール及び/又はチオールとを反応させることである。本発明のプロセスには、更なる一般的な要件は存在しない。しかし、最も代表的には反応物自体及び得られる製造物が、例えば、反応の、温度、溶媒のタイプ及び量並びにあるとしても継続時間などの反応パラメータを規定する。正確なプロセスは成分材料の化学組成、分子量、及び官能基に依存する。それは溶媒が全く存在しないバルク又は非常に少量の溶媒が有用又は必要な環境で行われることができる。従って、例えば、イソシアネート、アミン又はアルコールなどの成分の1つを溶媒と混合し、その他の反応物をそれなりに添加することを使用できる。特に、固体の原料は、それをアミン及び/又はアルコールと混合する前に、好ましくは、溶媒に溶解及び/又は融解される。よって、バッチ式反応(即ち、反応物の1つをその他のものに、迅速に又は数時間にわたって延長して行うことができる一定の期間で添加して行う反応)を行うことができる。別の方法として、いずれかの連続的混合装置内でそれらを調製することもできる。好ましいプロセス条件は、副生成物の量が最小になり、生成物が容易に加工処理できるような条件であり、溶媒などの別の媒体中に溶解するときは容易に分離できる。そのような分離技術は当業者によく知られており、析出、続いてろ過又は遠心分離、エバポレーション、蒸留、及び/又はドラム乾燥であり得るが、これらに限定されない。
【0041】
本発明の大きな利点はこの驚くほど容易で融通の利くプロセスである。よって、異なる材料の特性を有する非常に多様な材料を容易に調製することができる。例えば、アルキル末端アミン類又はアルコール類が使用される場合、その材料は、例えばヒドロキシル末端反応物が使用される場合よりも疎水性であり、よって、その材料の性質を製品に求められる要件に容易に適合させることができる。例えば、A基の親水性を変化させることによって表面活性化合物を得ることができ、及び/又は、その材料は他の材料に対して適合するものとして容易に最適化することができる。さらに、多くの本発明の材料は標準的な原料を使用して調製でき、費用に対し効率の良い製品をもたらす。
【0042】
その試薬が幾つかの官能基を有する場合、イソシアネートとアミン、アルコール及び/又はチオールとのオリゴマー化及び/又はポリマー化を最小にし又は回避するために、1つのみがイソシアネートと反応することがしばしば好ましい。
【0043】
一つの好ましい態様は反応を溶媒中で行うことである。代表的な溶媒は非プロトン性有機溶媒であり、よって、それらは反応に関与しない。それらは全ての可能な溶媒を含み、何らさらに制限されることはない。そのような溶媒としては、環状、線状及び/又は分枝状のエーテル類、炭化水素類、例えば、アルカン類又はアルケン類、ケトン類、芳香族溶媒、例えば、ピリジン、トルエン及び/又はナフタレン、ハロゲン化溶媒、例えば、メチレンクロライド、並びにその他溶媒であり得るが、これらに限定されない。2以上の異なる溶媒、又は1以上の異なる溶媒の混合物を使用することもできる。使用する溶媒が選ばれた濃度範囲内で少なくとも部分的に混和性であることがしばしば有利である。反応物は溶媒に十分に溶解できることは要求されないことに注目することが重要である。しばしば限られた溶解度で十分であり、よって、反応材料の残りは、典型的には反応媒体中に分散している。これは反応物が固体状である場合に好ましい反応条件であり得る。その理由は、反応を開始する前にその固体が十分に溶解することが要求されないからである。これはまた、固体材料の液相への溶解速度に依存する制御された反応を可能にする。
【0044】
溶媒中の反応物の濃度は、後に除去する必要がある溶媒の量を低減するためにできるだけ高濃度であることが好ましい。しかし、副反応の量を低減するために反応物の濃度を低減することが有用である場合がある。よって、第一の溶媒中のイソシアネートを約25wt%未満の濃度で混合することがしばしば望ましく、好ましくは約15wt%未満、より好ましくは10wt%未満、特に、約5wt%未満である。この範囲内でそれは十分に混和性又は分散性であり、少なくともやや溶解でき、続いてそれは、約0.1wt%を超える濃度で、好ましくは約1wt%を超え、より好ましくは約5wt%を超え、特に約10wt%を超える濃度で第二溶媒に溶解又は分散しているアミン及び/又はアルコールと化合する。ここで、第一及び第二の溶媒は有機非プロトン性溶媒であり、同一又は異なり、使用される濃度範囲内で混和性がある。本発明のプロセスは反応物の添加様式に関して柔軟性がある。よって、それにはどの反応物が最初に添加されなければならないという制限がない。連続合成法に関して、それは不要な副反応を回避するために適切に制御された各反応物の添加量を有することが好ましい。
【0045】
一つの反応部位のみ有するアミン類、アルコール類及び/又はメルカプタン類との反応が製造するためにあまり臨界的でない一方で、反応物、特に、アミン類、アルコール類及び/又はメルカプタン類がイソシアネートと反応できる1より多い基を含む場合、特別な取り扱いが材料を合成するために採用されなければならない。よって、添加様式、濃度、温度並びにその他の反応パラメータは適切に制御される必要がある。反応物の添加がいくつかの場合においてかなり速く(fairly fast)、例えば数分間で、行われることができるが、そのような場合しばしば数時間の添加サイクルを有することが好ましい。
【0046】
一般に、得られる純度が、その材料が更なる精製なしで使用できるのに十分良好であるように反応を制御することが好ましい。そのような純度は50%以上の低さであるが、しばしばそれは75%以上、さらに85%以上、特に90%以上の高さであることが好ましい。好ましい精製手段は有機材料を精製するためによく知られた手段であり、例えば、析出及び/又は抽出である。
【0047】
使用されることができるイソシアネート類に関して何ら制限されない。使用できるものとしては、例えば、モノイソシアネート類、例えば、フェニルイソシアネート、又は、代表的には、有機、ポリイソシアネート類などが挙げられる。本発明の実施に使用できるものとしては、例えば、アルキレンジイソシアネート類、シクロアルキレンジイソシアネート類、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族-芳香族ジイソシアネート類などが挙げられる。好適なイソシアネート含有化合物の特定の例としては、以下のものに限定されないが、エチレンジイソシアネート、エチリデンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート及び/又はそのトリマー、シクロペンチレン-1, 3-ジイソシアネート、シクロ-ヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2-ジフェニルプロパン-4,4'-ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,4-ナフチレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ジフェニル-4,4'-ジイソシアネート、アゾベンゼン-4,4'-ジイソシアネート、ジフェニルスルホン-4,4'-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、ジクロロヘキサ-メチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、1-シクロベンゼン-2,4-ジイソシアネート、4,4',4’’-トリイソシアナトトリフェニルメタン、1,3,5-トリイソシアナト-ベンゼン、2,4,6-トリイソシアナト-トルエン、4,4'-ジメチルジフェニル-メタン-2,2',5,5-テトラテトラジイソシアネートなどが挙げられる。そのような化合物は商業的に入手でき、そのような化合物を合成する方法は当業界でよく知られている。さらに、α,α,α’,α’−テトラメチルキシレンジイソシアネートの種々の異性体を使用することができる。有用な芳香族イソシアネート類としては、例えば、フェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネートの種々の異性体、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート及び/又は2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネートの混合物及び/又はそのトリマー、meta-キシレンジイソシアネート及びpara-キシレンジイソシアネート、4-クロロ-1,3-フェニレンジイソシアネート、1,5-テトラヒドロ-ナフタレンジイソシアネート、4,4'-ジベンジルジイソシアネート及び1,2,4-ベンゼントリイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、1-メトキシフェニル-2,4−ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、混合物の4,4'-ビフェニルジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアネート、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニルジイソシアネート及び3,3'-ジメチルジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネートなどが挙げられる。有用な脂肪族ポリイソシアネート類としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート類、例えば、エチレンジイソシアネート、1,2-ジイソシアナトプロパン、1,3-ジイソシアナトプロパン、1,6-ジイソシアナトヘキサン、1,4-ブチレンジイソシアネート、リジン(lysine)ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート (HDI)、1,4-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などが挙げられる。好適なポリマーのポリイソシアネート類としては、例えば、脂環族及び/又は芳香族ポリイソシアネート類 及び/又は ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート類(ポリマー MDI)などが挙げられる。使用できるイソシアネート類には、カルボジイミド、アロホネート(allophonate)、ウレタン又はイソシアネート構造を含む変性物も含まれる。変性されていないポリマーMDI及び混合物のポリマーMDI及び純粋な2,4及び4,4' MDI及びカルボジイミド変性MDIが好ましい。これらポリイソシアネート類は、当業界で知られている慣用の方法、例えば、対応する有機アミンのホスゲン化(phosgenation)によって調製される。特に好ましいイソシアネート含有化合物はフェニルイソシアネート、メチレンビス (フェニルジイソシアネート) (MDI; 2,4'-MDI, 4,4'-MDI 及びポリマーMDI)、イソホロンジイソシアネート (IPDI) 及び/又はそのトリマー、トルエンジイソシアネート (TDI) 及び/又は そのトリマー、フェニルイソシアネート、水素化4,4'-メチレンビス (フェニルイソシアネート)(HMDI)及び/又はヘキサンジイソシアネート及び/又はそのトリマー及び/又はテトラメチルキシリレンジイソシアネートである。
【0048】
幅広い範囲の異なるアミン類を使用できる。重要なことは、それらが、イソシアネート又はチオイソシアネートと反応する、第一又は第二アミン基以外の上記で定義したようなBの要件を満たすための別のヘテロ原子を含むことである。しかし、一官能性アミンは一般に構造:R1R2NH、ここで、R1及びR2は独立してH又はC1〜C22アルキル、C6〜C28アリール、又はC6〜C28アラルキルであり、少なくとも1つの更なるヘテロ原子、好ましくは、窒素、酸素及び/又は硫黄を含む。それは、そのようなヘテロ原子を含む官能基を含むいずれかの基、例えば、アルコール、第一、第二、第三及び/又は第四アミン、ケトン及びカルボン酸の置換基を含むが、イオン性の基はあまり好ましくない。好適な一官能性アミン類は、配合物中に未反応で存在する場合、低い皮膚刺激性のものであり、例えば、2-アミノ-2-メチルプロパノール又はより高級のアルキルの第一及び第二アミン類、第一及び第二アルカノールアミン類などである。好適な線状ジアミン類の他の例としては、JeffamineTMの範囲、例えば、ポリオキシプロピレンジアミン類(JeffamineTM D230、JeffamineTM D400 及びJeffamineTM D2000 並びにJeffamineTM EDR-148などとして入手できる)、トリエチレングリコールジアミンなどが挙げられる。アルキル置換分枝状ジアミン類としては、例えば、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン及び2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミンなどが挙げられる。環状ジアミン類も使用でき、例えば、イソホロンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ピペラジン及び4,4'-メチレンビス (シクロヘキシルアミン)、4,4'-2,4'及び2,2'-ジアミノジフェニルメタン、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジアミン及びポリオキシプロピレンジアミン類などが挙げられる。アルカノールアミン類は、アミン部分及びヒドロキシル部分を有する化合物である。アルカノールアミン類の好適な例としては、例えば、トリアルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど、2-(メチルアミノ)エタノール、N-メチルジエタノールアミンなどが挙げられる。アミノ基及びアミノ及びヒドロキシから選ばれる更なる基を含む化合物の例としては、ジアミン類、アルカノールアミン類、アミン末端ポリアミド類又はポリエーテル類などが挙げられる。そのような化合物の混合物も使用できる。総ウレタンジオール濃度は1〜99 wt%の範囲内、より好ましくは、約1〜50wt%の範囲内、より好ましくは、約2.5〜25 wt%の範囲内であるが、これに限定されない。有用な多官能性アミン類としては、例えば、ピペラジン、トリス(2-アミノエチル)アミン、アミン末端ポリエーテル類、例えば、JEFFAMINE D230及びJEFFAMINE D400(Huntsman Corporation, Salt Lake City, Utahから)などが挙げられる。さらに、第一及び/又は第二アミン類、例えば、脂肪族アミン類(例えば、1,2-ジアミノエタン)、1,2-ジアミノエタンのオリゴマー(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン又はペンタエチレンヘキサアミン)などが挙げられる。特に好ましいアミン類としては、例えば、ジアルカノールアミン、例えば、ジエタノールアミン、N-(2-アミノアルキル)ジアルカノールアミン、例えば、N-(2-アミノエチル)ジエタノールアミン及び/又は N-(2-アミノエチル)ジブチルアミン、環状構造、例えば、1-(2-アミノエチル)ピペラジンなどが挙げられる。
【0049】
全てのアルコールを、それがBのための要件を満たす更なるヘテロ原子を含む限り、本発明を実施するために使用できる。これには、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、1,1,1-トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、o-メチルグルコシド、ペンタエリスリトール、ソルビトール、スクロース、フルクトース、グルコース、その他のシュガーアルコール、トリエタノールアミン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、2〜14の炭素原子を有する1以上のポリカルボン酸を伴う、2〜15の炭素原子を有する多価アルコールなどが挙げられる。好適な多価アルコールの例としては、グリセロール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、1,4,6-オクタントリオール、グリセロールモノアリルエーテル、グリセロールモノエチルエーテル、2-エチルヘキサンジオール-1,4、シクロヘキサンジオール-1,4、1,2,6-ヘキサントリオール、1,3,5-ヘキサントリオール、 1,3-ビス-(2-ヒドロキシエトキシ)プロパンなどが挙げられる。ポリオール類、例えば、ポリヒドロキシエーテル類 (置換又は非置換ポリアルキレンエーテルグリコール類又はポリヒドロキシポリアルキレンエーテル類)、ポリヒドロキシポリエステル類、ポリオールのエチレン又はプロピレンオキサイド付加物、グリセロールの一置換エステル類、それらの混合物なども使用できる。ポリエーテルポリオール類の例としては、複数のエーテル結合及び少なくとも2つのヒドロキシル基を有し、ヒドロキシル基以外の官能基を実質的に含まない線状及び/又は分枝状ポリエーテルなどが挙げられる。ポリエーテルポリオールの例としては、ポリオキシアルキレン ポリオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどが挙げられる。さらに、ポリオキシアルキレンポリオール類のホモポリマー及びコポリマーも採用できる。特に好ましいポリオキシアルキレンポリオール類のコポリマーとしては、エチレングリコール、プロピレン グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、2-エチルヘキサンジオール-1,3、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン及びエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物との付加物などが挙げられる。多くの好適なポリオール類が市販されている。非限定的な例としては、Voranol P400, P725, P1000, P2000, P4000 (Dow)などが挙げられる。本発明の実施に使用されることができる非限定的な市販のポリエステルポリオール類としては、Dynacol 7360, 7380, 7381 (Degussa-Huls), Rucoflex S-105-30 (Bayer)、Stepanpol PN110 (Stepan)などが挙げられる。好適なポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン コポリマー類及びポリオキシプロピレン付加物は、少なくとも2つの官能基を有するポリエーテルポリオール類である。好ましいアルコール類としては、トリアルカノールアミン、例えば、トリエタノールアミン、ジアルキルアルカノールアミン、例えば、ジアルキルエタノールアミン及び/又はジブチルエタノールアミン、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び/又は ビス (o,o'-2-アミノエチル)エチレングリコール、グリセロール及び誘導体、トリメチロールプロパン及びアルコキシレート化誘導体、ペンタエリスリトール及びアルコキシレート化誘導体、ジペンタエリスリトール及びアルコキシレート化誘導体、トリペンタエリスリトール及びアルコキシレート化誘導体、1,4,6-オクタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、スクロース、グルコース、フルクトース、ポリエーテルトリオール類、プロポキシレート化エチレン ジアミン、プロポキシレート化ジエチレントリアミン 及び/又はマンニッヒポリオール類などが挙げられる。
【0050】
有用なチオール類又はメルカプタン類は、少なくとも2以上の-SH基を有するアルカン、アルケン及びアルキンチオール類を含む脂肪族チオール類、例えば、ポリチオール類、例えば、2,2'-オキシトリス (エタンチオール)、ポリ(オキシエチレン)ジオール類のジ-及びトリ-メルカプトプロピオネートエステル類、チオジグリコール、トリオール類などが挙げられる。しかし、少なくとも1つの他のヘテロ原子、好ましくは窒素及び/又は酸素、を有するモノメルカプタン類及び/又はチオエーテル類も可能である。チオエーテルの場合、分子がジイソシアネートと反応することができる少なくとも1つの基、例えば、アルコール及び/又はエーテルを有することが重要である。さらに、シリコーンポリオール類 及び/又は ポリアミン類及び/又はパーフルオロアルキル官能性ポリオール類、トリメチロールプロパントリス (3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス (3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(チオグリコレート)、トリペンタエリスリトールオクタキス(チオグリコレート)を使用する可能性もある。
【0051】
本発明の材料は、非常に幅広く使用できる。最も典型的な用途は、本発明の材料の超分子挙動の用途である。その理由は、それは上述した温度と比較してその転移温度以下の温度でその非常に異なる特性を付与することである。しかし、これら材料の用途はこれらの使用に制限されない。特に、その材料が例えば粘着付与性及び/又は接着性である更なる特別の性質を有する場合、その材料はそのように使用できる。しかし、好ましい用途は、その材料が最初その転移温度以下の状態であり、続いてその転移温度の付近又は上の温度に増加され、加工工程を行い、続いてその転移温度以下の温度に低下させることである。よって、その材料は最初固体として挙動し、温度が増加すると粘度が低下する。これら材料の大きな利点はその転移温度の範囲がかなり(fairly)幅広く、従って適切な温度を選ぶことによって最大及び最小粘度の間の全ての粘度に基本的に調節できることである。
【0052】
そのような加工工程は基本的には如何なる加工工程でもよい。一つの特に好ましいものは、その材料を別の材料と、特に、ポリマー、他の超分子材料、オリゴマー、モノマー、可塑剤、粘着性付与剤、溶剤、希釈剤、染料、顔料、界面活性剤、及び/又は触媒とをブレンドすることである。別の好ましい加工工程は、その材料を基材に、特に、紙、コート紙、木材、金属、プラスチック、ファブリック、テキスタイル、繊維、及び/又は様々な複合材料、セルロース、アルミニウム、錫、スチール、銅、ポリスチレン、アクリル樹脂(acrylic)、ポリカーボネート、PVC、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン、ABS、ポリエステル、PET、PEN、ポリアミド、ナイロン、ポリウレタンに施すことである。これら基材の表面は、例えば、プライマーの塗布、火炎処理、プラズマ処理、例えば、空気プラズマ処理、及び/又はコロナ処理などの当業界で知られている表面処理を受けているかもしれない。更なる好ましい加工工程は、別の材料を封入し、その後、その材料が異なる条件で放出されることができるようなものである。そのような他の材料は特に医薬品、農薬及び/又は殺菌性化合物、防カビ剤、触媒、芳香剤、薬品、及び/又は染料である。
【0053】
さらに本発明の材料は多くの方法で使用することができる。非限定的な例としては、1又は2成分接着材、特に、ホットメルト接着材、反応性ホットメルト接着材、感圧性接着材、構造接着材、液体接着材及び/又はコンタクト接着材、インク、特に、包装用インク及び/又はイメージング、写真及び/又はインクジェットインクなどの電子用途用インク、さらに保護用、装飾用及び機能性のコーティング、特に、塗料、ワニス及び/又はフローリングなどとしての本発明の材料の使用が挙げられる。さらに、それは押出製品、射出成形、ブロー成形、反応性射出成形、発泡体、エラストマー、界面活性剤、レオロジー改質剤、電子用途に使用されるための材料、特に、半導体パッケージング及びマイクロエレクトロニックアセンブリ、回路材料、コンフォーマルコーティング、熱マネージメント材料、電子デバイス、印刷回路板、コンピュータ部品及び/又はフラットパネルディスプレイにおけるコンポーネントアセンブリ、パーソナルケア用途、例えば、ヘアスプレー、シャンプー、コンディショナー、ローション、日焼け止め、スキンケア調製品、化粧品など、封入剤として、例えば、ドラックデリバリー及び/又は触媒放出など、において使用されることができる。
【0054】
本発明を以下の非限定的実施例によって説明する。
一般的な実験
全ての試薬はAldrich the Chemical Company, Lancaster and Acros Chimicaから購入し、さらに精製を行うことなく入手した状態で使用した。使用したそれぞれの溶媒は、不活性雰囲気下蒸留によって乾燥した。テトラヒドロフラン (THF)はナトリウムベンゾフェノンケチル(sodium benzophenone ketyl)から、アセトンは無水硫酸カルシウムから、ジクロロメタン(CH2Cl2)は水素化カルシウムから、エタノールは4Åのモレキュラーシーブから、それぞれ乾燥した。薄層クロマトグラフィー (TLC)をMerck 5735 Kieselgel 60Fでコートしたアルミニウムシート (10 x 5 cm)上で行った。そのプレートの展開はUVランプ(波長、λ = 365 及び 254 nm)の下で行い、必要な場合、過マンガン酸カリウム溶液で染色した。Sorbisil 60 (0.040-0.063 mm mesh, Merck 9385)を使用してカラムクロマトグラフィーを行った。MDI カルバメートエステル類の融点はDSC走査から得て、オンセット点として表現した。1H 核磁気共鳴 (NMR)スペクトルをBruker AC250 (250 MHz)又はBruker AMX400 (40OMHz)スペクトロメーターで行った(ロックとして重水素化溶媒を、内部標準として残留溶媒又はテトラメチルシランを使用した。)。 13C核磁気共鳴 (NMR)スペクトルをBruker AC250 (62.5 MHz)又はBruker AMX400 (100 MHz)スペクトロメーターで行った。赤外線 (IR)スペクトル分析は、特に言及しない限り、Perkin-Elmer Infrared Fourier Transform spectrometer 1720-Xで、サンプルの調製のためにKBrディスクを使用して行った。低解像度マススペクトルはMicromass liquid chromatography mass spectrometer(LC-MS)と、Waters 996 photodiode array detector及びHewlett Packard series 1050 ポンプとを使用して行った。データはMassLynx (version 3.5)ソフトウェアで得た。示差走査熱量計 (DSC)はTA Instruments DSC 2920 示差走査熱量計で行った。DSCは-50 ℃〜150 ℃及び30℃〜200℃で走査し、3 ℃/minの速度に調節して行った。全ての熱分析データはTA Instruments 万能分析ソフトウェアを使用して分析した。DSC 分析はコンプレックスCpのデリバティブ(示差)のソフトウェア制御されたスムーシング (15°)を含んだ。熱安定性は、TA Instruments Hi-Res TGA 2950 熱重量分析計を使用して評価し、試料を周囲温度〜500℃で、毎分10℃の速度で加熱して温度の関数として試料の重量を監視した。レオロジーはTA Instruments AR 2000 レオメーターを使用して振動モードで評価した。毎分3℃の冷却速度で平行板を使用して、0.1%歪みの振動モードで毎秒10 ラジアンの角周波数で評価した。
【0055】
実施例1(比較)
実施例1.1: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 2-メチルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
乾燥メタノール (〜50 ml)をMDI (2.50 g, 10 mmol)を含むフラスコに加え、その混合物を3時間攪拌した。過剰の溶媒を真空下除去して白色固体として純粋な生成物を得た (3.01 g, 96 %)。
【0056】
【数1】

【0057】
実施例1.2: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸エチルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
MDI (2.50 g, 10 mmol)の乾燥THF(10ml)中の溶液にエタノール (30 ml)を加えた。これを室温で2時間攪拌した。その後溶媒を真空下除去して白色固体を得た。これはシリカ上の酢酸エチルを抽出剤として用いたクロマトグラフィー分離によって精製した。得られた生成物は白色固体だった (3.20 g, 94 %)。
【0058】
【数2】

【0059】
実施例1.3: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 n-プロピルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
MDI (2.00 g, 8 mmol)の乾燥THF(10ml)中の溶液にn−プロパノール (20 ml)を加えた。これを室温で2時間攪拌した。その後溶媒を真空下除去して得られた白色固体をシリカ上の酢酸エチルを抽出剤として用いたクロマトグラフィー分離によって精製した。得られた生成物は白色固体だった (2.30 g, 78 %)。
【0060】
【数3】

【0061】
実施例1.4: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 イソプロピルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
MDI (2.00 g, 8 mmol)の乾燥THF(10ml)中の溶液にイソプロパノール (20 ml)を加えた。これを室温で2時間攪拌した。その後溶媒を真空下除去して白色固体として純粋な生成物を得た(2.77 g, 94 %)。
【0062】
【数4】

【0063】
実施例1.5: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 n-ブチルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
MDI (2.00 g, 8 mmol)の乾燥THF(10ml)中の溶液にn−ブタノール (20 ml)を加えた。これを室温で2時間攪拌した。その後溶媒の部分を真空下除去して得られた白色油状固体をシリカ上の酢酸エチルを抽出剤として用いたクロマトグラフィー分離によって精製した。得られた生成物は白色固体だった (2.67 g, 84 %)。
【0064】
【数5】

【0065】
実施例1.6: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 t-ブチルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
MDI (2.5 g, 10 mmol)を含むフラスコにt−ブタノール (20 ml)を加え、その混合物を50℃で4時間攪拌した。白色の懸濁液が形成され、これを真空下ろ過した。得られた白色固体をエーテルで洗浄し、再び真空下ろ過した。その後その白色固体をシリカ上の酢酸エチルを抽出剤として用いたクロマトグラフィー分離によって精製した。得られた生成物は白色固体だった (1.17 g, 29 %)。
【0066】
【数6】

【0067】
実施例1.7: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 n-ヘキシルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
MDI (2.00 g, 8 mmol)の乾燥THF(10ml)中の溶液にn−ヘキサノール (3.30 ml,32mmol)を加えた。これを室温で2時間攪拌した。その後溶媒を真空下除去して得られた白色固体をシリカ上の酢酸エチルを抽出剤として用いたクロマトグラフィー分離によって精製した。得られた生成物は白色固体だった (1.98 g, 54 %)。
【0068】
【数7】

【0069】
実施例1.8: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 シクロヘキシルエステル)の合成及びキャラクタリゼーション
MDI (2.00 g, 8 mmol)の乾燥THF(10ml)中の溶液にシクロヘキサノール (3.30 ml,32mmol)を加えた。これを室温で2時間攪拌した。その後溶媒を真空下除去して得られた白色固体をシリカ上の酢酸エチルを抽出剤として用いたクロマトグラフィー分離によって精製した。得られた生成物は白色固体だった (2.82 g, 78 %)。
【0070】
【数8】

【0071】
【表1】

【0072】
これら全ての材料はDSC測定によって確認されるような超分子挙動を有する兆候を示さなかった。上記したように融点が観測された。
実施例2(ウレタンの例)
ヒドロキシル末端ビス−ウレタン類の合成のための一般的な実験手順
アルゴン雰囲気下、還流を維持してトリエタノールアミン(3.04 g, 20.4 mmol)の乾燥THF(25ml)中の溶液にビス−イソシアネート(10.0mmol) の乾燥THF(75ml)中の溶液を滴下様式で約90分間にわたり加えた。この混合物をその後加熱し、1時間攪拌し、その後室温に放冷した。その反応物をその後n-ペンタン(350ml)に注ぎ、-78℃に冷却した。白色の析出物が形成され、真空下それをろ過した。この材料はn−ペンタンからさらに2回再析出して、残留溶媒を高真空下除去し、目的の生成物を得た。
【0073】
ブチル末端ビス−ウレタン類の合成のための一般的な実験手順
アルゴン雰囲気下、還流を維持してビス−イソシアネート(10.0mmol) の乾燥THF(50ml)中の溶液にN-ジブチルアミノエタノール (4.23 ml, 21.0 mmol)の乾燥THF中の溶液を加えた。この反応混合物を12時間攪拌加熱し、その後室温に放冷した。
【0074】
【表2】

【0075】
(a)MDIは4,4'-メチレンビス (フェニルイソシアネート)を意味する。
(b)HMDIは水素化4,4'-メチレンビス (フェニルイソシアネート)を意味する。
(c)HDIはヘキサンジイソシアネートを意味する。
【0076】
(d)IPDIはイソホロンジイソシアネートを意味する。
(e)MBPDは3,3’-メチロキシ-4,4'-ビフェニレンジイソシアネートを意味する。
(g)式は添付書類に示す。
【0077】
実施例2.1: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルエステル)(式 F-2.1)の合成及びキャラクタリゼーション
得られた生成物は白色の固体であり、空気及び水分に曝すと物理的形態を透明ゲルに変化させた。
【0078】
【数9】

【0079】
実施例2.2: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステル)(式 F-2.2)の合成及びキャラクタリゼーション
得られた生成物はクロマトグラフィー(シリカ、90:10ジクロロメタン:メタノール)によって精製して、無色のオイルを得た。
【0080】
【数10】

【0081】
実施例2.3: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルエステル)(式 F-2.3)の合成及びキャラクタリゼーション
【0082】
【数11】

【0083】
実施例2.4: 4,4'-メチレンビス (フェニル-カルバミン酸 2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステル)(式 F-2.4)の合成及びキャラクタリゼーション
【0084】
【数12】

【0085】
実施例2.5: 1,6-ビス (カルバミン酸 2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルエステリル)ヘキサン(式 F-2.5)の合成及びキャラクタリゼーション
【0086】
【数13】

【0087】
実施例2.6: 1,6-ビス (カルバミン酸 2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステリル)ヘキサン(式 F-2.6)の合成及びキャラクタリゼーション
【0088】
【数14】

【0089】
実施例2.7: 3-(カルバミン酸 2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルエステラナト)メチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルエステル(式 F-2.7)の合成及びキャラクタリゼーション
【0090】
【数15】

【0091】
実施例2.8: 3-(カルバミン酸 2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステラナト)メチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルカルバミン酸2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステル(式 F-2.8)の合成及びキャラクタリゼーション
【0092】
【数16】

【0093】
実施例2.9: 3,3’-メチロキシ-4,4'-ビフェニレン (カルバミン酸 2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルエステル)(式 F-2.9)の合成及びキャラクタリゼーション
【0094】
【数17】

【0095】
実施例2.10: 3,3’-メチロキシ-4,4'-ビフェニレン (カルバミン酸 2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステル)(式 F-2.10)の合成及びキャラクタリゼーション
【0096】
【数18】

【0097】
実施例3(ウレアの例)
ヒドロキシル末端ビス−ウレア類の合成のための一般的な実験手順
アルゴン雰囲気下、還流を維持して2-アミノエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミン(1.99 g, 13.4 mmol)の乾燥CH2Cl2(25ml)中の溶液にビス−イソシアネート(6.7mmol) の乾燥CH2Cl2(75ml)中の溶液を滴下様式で約90分間にわたり加えた。この混合物をその後還流で加熱し、1時間攪拌し、その後室温に放冷した。その反応物をその後n-ペンタン(350ml)に注ぎ、-78℃に冷却した。白色の析出物が形成され、真空下それをろ過した。この材料はn−ペンタンからさらに2回再析出して、残留溶媒を高真空下除去し、目的の生成物を得た。
【0098】
ブチル末端ビス−ウレア類の合成のための一般的な実験手順
アルゴン雰囲気下、還流を維持して2-アミノエチル-N,N-ビスブチルアミン(3 g, 17.4 mmol)の乾燥THF(10ml)中の溶液をビス−イソシアネート(8.7mmol) の乾燥THF(40ml)中の溶液に加えた。この反応混合物を攪拌し、還流で12時間加熱し、その後室温に放冷した。その溶液を真空下で濃縮し、さらなる精製を必要とすることなく目的の生成物を得た。
【0099】
【表3】

【0100】
(a)AEBHEAは2-アミノエチル-N,N-ビスブチルアミンを意味する。
(b)AEBBAは2-アミノエチル-N,N-ビスブチルアミンを意味する。
(c)MDIは4,4'-メチレンビス (フェニルイソシアネート)を意味する。
【0101】
(d)HMDIは水素化4,4'-メチレンビス (フェニルイソシアネート)を意味する。
(e)HDIはヘキサンジイソシアネートを意味する。
(f)IPDIはイソホロンジイソシアネートを意味する。
【0102】
(g)式は添付書類に示す。
実施例3.1: 3-(2-[ビス-2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルアミノカルボニルアミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミノカルボニル(2-[ビス-2-ヒドロキシエチル)-アミノ]-エチルアミン) (式 F-3.1)の合成及びキャラクタリゼーション
得られた生成物は白色固体だった。
【0103】
【数19】

【0104】
実施例3.2: 4,4'-メチレンビス(フェニル 2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルアミノカルボニルアミン) (式 F-3.1)の合成及びキャラクタリゼーション
得られた生成物は黄色固体だった。
【0105】
【数20】

【0106】
実施例3.4: 4,4'-メチレンビス(シクロヘキシル 2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルアミノカルボニルアミン) (式 F-3.1)の合成及びキャラクタリゼーション
【0107】
【数21】

【0108】
実施例3.8: 3-(2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルアミノカルボニルアミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミノカルボニル(2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルアミン) (式 F-3.1)の合成及びキャラクタリゼーション
【0109】
【数22】

【0110】
実施例4(ポリマーの例)
ヒドロキシル末端変性ポリマー類の合成のための一般的な実験手順
アルゴン雰囲気下、還流を維持してトリエタノールアミン(5.00 g, 0.86 mmol)の乾燥THF(25ml)中の溶液に4,4'-メチレンビス (フェニルイソシアネート)末端のポリマー (1.73mmol) の乾燥THF(75ml)中の溶液を滴下様式で約90分間にわたり加えた。この混合物をその後加熱し、1時間攪拌し、その後室温に放冷した。その反応物をその後メタノール(350ml)に注ぎ、-78℃に冷却した。白色の析出物が形成され、真空下それをろ過した。この材料はメタノールからさらに2回再析出して、残留溶媒を高真空下除去し、目的の生成物を得た。
【0111】
ブチル末端変性ポリマー類の合成のための一般的な実験手順
アルゴン雰囲気下、還流を維持して4,4'-メチレンビス (フェニルイソシアネート)末端のポリマー (0.86mmol) のTHF(50ml)中の攪拌した溶液に2-ヒドロキシエチル-N,N-ビスブチルアミン(0.3 g, 1.73 mmol)を加えた。この混合物を約4時間還流下攪拌し、室温に放冷した。その混合物をメタノール(350ml)に注ぎ、-78℃に冷却した。オフホワイトの析出物が形成され、真空下それをろ過した。この材料はメタノールからさらに2回再析出して、残留溶媒を高真空下除去し、目的の生成物を得た。
【0112】
【表4】

【0113】
(a)HEBBAは2-ヒドロキシエチル-N,N-ビスブチルアミンを意味する。
(b)AEBBAは2-アミノエチル-N,N-ビスブチルアミンを意味する。
(c)MDI-PPGはMDI末端ポリ(プロピレングリコール)を意味する。これは320gの Voranol P2000 ポリ(プロピレングリコール) (Mn = 2000 g/mole)(Dow Chemicalsから) を丸底フラスコに加え、攪拌しながら加熱することにより得た。真空を1時間、110℃で施した。真空を解除した後、80gの4,4'-MDI(Bayerから)を加えた(NCO/OH 2/1)。混合して数分後、真空を再び施し、反応を1時間110℃で続けてイソシアネート末端ポリ(プロピレングリコール)を得た。フリーなMDI含量は約2%だった。
【0114】
(d)MDI-PIBはMDI末端のポリ(イソブチレン)ジオールを意味する。これはMDI-PPGとして得た。(400gのKLP-L2203 ポリ(エチレン-コ-ブチレン)(Mn = 3400g/mole)(Kraton polymersから)をジオールとして使用し、58.8gのMDIを使用してイソシアネート末端ポリ(エチレン-コ-ブチレン)を生成したことを除く。) フリーなMDI含量は約2%だった。
【0115】
(e)MDI-PE-co-BはMDI末端ポリ(エチレン-コ-ブチレン)ジオールを意味する。これはMDI-PPGとして得た。(372.3 g のOppanol DL ポリ(イソブチレン)(Mn =5300 g/mole )(BASFから)をジオールとして使用し、27.7gのMDIを使用してイソシアネート末端ポリ(イソブチレン)を生成したことを除く。) フリーなMDI含量は約2%だった。
【0116】
(f)式はテキストを参照。
(g)n.m.は「測定せず」を意味する。
実施例4.1: 4-(((4'-カルバミン酸2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-エチルエステル)フェニル)メチレン)-フェニル-アミノ-カルボニル末端ポリ(プロピレン)グリコール (式 F-4.1)の合成及びキャラクタリゼーション
【0117】
【数23】

【0118】
実施例4.2: 4-(((4'-カルバミン酸2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-エチルエステル)フェニル)メチレン)-フェニル-アミノ-カルボニル末端ポリ(イソブチレン)ジオール (式 F-4.2)の合成及びキャラクタリゼーション
得られた生成物は透明なゴム状ゲルだった。
【0119】
【数24】

【0120】
実施例4.3: 4-(((4'-カルバミン酸2-[ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-エチルエステル)フェニル)メチレン)-フェニル-アミノ-カルボニル末端ポリ(エチレン-コ-ブチレン)ジオール (式 F-4.3)の合成及びキャラクタリゼーション
【0121】
【数25】

【0122】
実施例4.4: 4-(((4'-カルバミン酸2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステル)フェニル)メチレン)-フェニル-アミノ-カルボニル末端ポリ(プロピレン)グリコール (式 F-4.4)の合成及びキャラクタリゼーション
【0123】
【数26】

【0124】
実施例4.5: 4-(((4'-カルバミン酸2-[ビス-ブチル-アミノ]-エチルエステル)フェニル)メチレン)-フェニル-アミノ-カルボニル末端ポリ(イソブチレン)ジオール (式 F-4.5)の合成及びキャラクタリゼーション
得られた生成物は黄色のオイルだった。
【0125】
【数27】

【0126】
実施例5(超分子挙動のキャラクタリゼーション)
合成された本発明の材料は全てがその転移温度以下で超分子構造を形成する材料の非常に典型的な挙動を示す。よって、この温度以下でそれはより固体に近い挙動を示す。この温度以上でそれはより液体に近い挙動を示す。一方、比較材料は融点までは結晶状態を維持し、その融点はその転移温度よりも有意に高い。
【0127】
材料のいくつかはより詳細にキャラクタライズされ、低温で超分子構造の挙動を支持する。代表的な方法としては、レオロジー測定法、示差走査分析法(DSC)などが挙げられる。TGAデータはその材料の一般的に高い耐熱性を示し、代表的には約200℃以上でのみ分解する。得られたデータは表5にまとめて示す。
【0128】
【表5】

【0129】
(a)G’(max)の温度は貯蔵弾性率G’がその最大値に達する温度を意味する。
(b)G’(min)の温度は貯蔵弾性率G’がその最小値に達する温度を意味する。
(c)範囲は(a)及び(b)で記載される二つの温度の差である。
【0130】
(d)TTRは測定された転移温度を意味する。
(e)TGAデータはその材料の分解温度を示す。
レオロジー的プロットは実施例2.1(式F-2.1)及び2.8(式F-2.8)で得られた生成物のものを示すが、それらは他の全てのものの代表的なものである。図1はその温度に対する貯蔵弾性率G’(単位:Pa)を示す。粘度に関係している貯蔵弾性率は、その転移温度よりもかなり低い温度では非常に高い一定レベルであることが明確に理解できる。しかし、約-30〜0(F-2.8)及び約0〜40℃の温度範囲にわたり、それは定常的に非常に低いレベルに低下する。高温での値に大きな振動的変化があるが、この温度での材料の非常に非粘性な性質の結果として貯蔵弾性率の測定の誤差で生じたものである。
【0131】
示差走査分析(DSC)からの代表的なプロットが図に示されており、図2には式F-2.1の化合物のDSCプロットが、図3には式F-4.2のポリマー化合物のDSCプロットが示されている。左の軸は熱流量(-0.25〜-0.05 W/g)を示し、内側の右の軸はコンプレックスCpのデリベーション(the derivation of the complex Cp: -0.04〜0.10 J/g/℃/min)を示し、二重の矢印で示される外側の右の軸はコンプレックスCp (0.5〜2.5 J/g/℃)を示す。x-軸は-100℃〜+150℃の温度を算定している。それは二つの相の間で転移が起こる温度を示しており、例えば、図2におけるような低温(ca. -13℃)での分子の再秩序化であり、別の温度(ca. +10℃)は水素結合の相互作用の結果としてのものである。図3は図2に類似しており、測定された化合物のポリマーの性質の結果としての多相挙動を示す。
【0132】
しかし、比較実験1.1〜1.8は全て表1に示されるような明瞭な融点を示し、超分子挙動の印が全くない。レオロジー的測定は、材料の融点のみを示しており、表1に示されているようにずっと高い温度である。本発明の材料と比較材料との間には非常に重要な相違があり、本発明の生成物が超分子材料の挙動を示し、比較材料とは対照的であることを強く支持している。
【0133】
さらに、超分子相互作用はまた、1H- 及び 13C- NMR、IR及びUV/Vis スペクトル分析を含む一連のスペクトル分析技術によって研究されてきた。以下の文献において引用されるように超分子構造を支持する類似の観測結果が見出されている。例えば、(a)E. Marand, Q. Huand H. W. Gibson, Macromolecules, 1996, 29, 2555、(b)K. Yamauchi, J. R. Lizotte and T. E. Long, Macromolecules, 2002, 35, 8745、(c)Beijer, F. H.; Sijbesma, R. P.; Kooijman, H.; Spek, A. L.;Meijer, E. W.; J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 6761、(d) G.C. Pimentel, A.L. McClellan, ‘The Hydrogen Bond', W.H. Freeman and Company, 1960、(e)C.-C. Peng and V. Abetz, Macromolecules, 2005, 38, 5575。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】実施例2.1(式F-2.1)及び2.8(式F-2.8)で得られた生成物の温度に対する貯蔵弾性率G’(単位:Pa)の変化を示すプロットである。
【図2】式F-2.1の化合物のDSCプロットである。
【図3】式F-4.2のポリマー化合物のDSCプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転移温度以下で超分子構造を形成する材料であって、
少なくとも1つのC=O及び/又はC=S基及び少なくとも1つのN−H、O−H及び/又はS−H基を含み、
下記構造:
A(−X−B) (1)
[式中、Aは環状、芳香族及び/又は脂肪族基であり、nは1〜4の数であり、−X−Bは、nが2であるとき同一又は異なり、nが3又は4であるとき同一、部分的に同一又は異なり、下記構造(2)〜(4):
−NH−C(Y)−Y−B (2)
−NH−C(Y)−NR−B (3)
−Y−C(Y)−NH−B (4)
(ここで、Yは酸素及び/又は硫黄原子であり、Bは少なくとも1つのヘテロ原子を有する有機基であり、該ヘテロ原子はBが線状又は環状であるとき少なくとも2つの炭素原子に結合し、該ヘテロ原子はBが分枝状であるとき少なくとも1つの炭素原子に結合し、Rは水素原子、環状、芳香族及び/又は脂肪族基、又は同一又は異なる別のB基である)
の内の1つを有する]
を有する材料。
【請求項2】
超分子構造が約−50℃〜+200℃、特に、約−30℃〜+150℃の転移温度を有する、請求項1の材料。
【請求項3】
超分子構造が転移温度より40℃高い温度で低貯蔵弾性率及び転移温度より40℃低い温度で高貯蔵弾性率を有し、これら2つの温度でのこれら2つの貯蔵弾性率の差が少なくとも約1000Pa、特に、少なくとも約10,000Paである、請求項1又は2の材料。
【請求項4】
より高い温度での貯蔵弾性率が約100,000Pa以下、特に、約10,000Pa以下であり、より低い温度での貯蔵弾性率が約1,000,000Pa以上、特に、約5,000,000Pa以上である、請求項3の材料。
【請求項5】
Aは約1000未満の分子量、特に、約750未満の分子量を有する、請求項1〜4のいずれか1つの材料。
【請求項6】
Aは少なくとも3つのモノマー繰り返し単位を有するポリマーセグメント、特に、付加重合体又は段階成長重合体から形成されるオリゴマー及び/又はポリマーセグメントを含む、請求項1〜5のいずれか1つの材料。
【請求項7】
Aは約100,000未満、特に、約25,000未満の数平均分子量Mnを有する、請求項6の材料。
【請求項8】
Bは約5000未満、特に、約1000未満の数平均分子量Mnを有する、請求項1〜7のいずれか1つの材料。
【請求項9】
Bにおける少なくとも1つのヘテロ原子が窒素、酸素及び/又は硫黄である、請求項1〜8のいずれか1つの材料。
【請求項10】
Bにおける少なくとも1つのヘテロ原子が少なくとも2つの炭素原子に結合した少なくとも1つの窒素原子であり、少なくとも1つの更なるヘテロ原子は1つの炭素原子に結合している、請求項1〜9のいずれか1つの材料。
【請求項11】
Xがウレア、ウレタン、チオウレア及び/又はチオウレタン基である、請求項1〜10のいずれか1つの材料。
【請求項12】
前記材料が高温で安定で、非熱的活性化で反応できる少なくとも1つの反応性基を含む、請求項1〜11のいずれか1つの材料。
【請求項13】
前記反応性基が不飽和炭素−炭素結合、ヒドロキシル、第一アミン、第二アミン、酸、アミド、イソシアネート、エポキシ、無水物、イミド、カルボジイミド、オルガノシラン、アルキルハライド、酸ハライド、ラクトン、ラクタム、アゾラクトン、オキサゾリン、アジリジン、イミン、オキサゾリン及び/又は環状カーボネート基である、請求項12の材料。
【請求項14】
前記反応性基の非熱的活性化がラジカル、酸素、酸、塩基、水及び/又は照射、特に、UV、赤外線、近赤外線、X線、マイクロ波、電子及び/又は音波処理によって起こる、請求項12又は13の材料。
【請求項15】
少なくとも1つのイソシアネート及び/又はチオイソシアネートが少なくとも1つのアミン、アルコール及び/又はチオールで反応する、請求項1〜14のいずれか1つの転移温度以下で超分子構造を形成する材料を製造する方法。
【請求項16】
イソシアネートが約25wt%未満、特に、約15wt%未満の濃度で第一の溶媒と混合され、ここで、それは十分に混和性又は分散性であり、少なくともやや溶解性であり、続いて、それを約0.1wt%を超え、特に、約1wt%を超える濃度で第二の溶媒に溶解しているアミン及び/又はアルコールと混合し、第一及び第二の溶媒は有機非プロトン性溶媒であり、同一又は異なり、選ばれた濃度範囲で混和性である、請求項15の方法。
【請求項17】
イソシアネートがフェニルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート及び/又はそのトリマー、水素化4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、トルエンジイソシアネート及び/又はそのトリマー、ヘキサンジイソシアネート及び/又はそのトリマー及び/又はテトラメチルキシリレンジイソシアネートである、請求項15又は16の方法。
【請求項18】
アミンがジアルカノールアミン、特に、ジエタノールアミン、N−(2−アミノアルキル)ジアルカノールアミン、特に、N−(2−アミノエチル)ジエタノールアミン及び/又はN−(2−アミノエチル)ジブチルアミンであり、アルコールがトリアルカノールアミン、特に、トリエタノールアミン、ジアルキルアルカノールアミン、特に、ジアルキルエタノールアミン及び/又はジブチルエタノールアミン、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び/又はビス(O,O’−2−アミノエチル)エチレングリコールである、請求項15〜17のいずれか1つの方法。
【請求項19】
前記材料が最初その転移温度以下であり、続いてその温度をその転移温度付近又はその転移温度以上に上昇させ、加工工程を行い、続いてその温度をその転移温度以下に下げる、請求項1〜14のいずれか1つの材料の使用。
【請求項20】
前記加工工程が(a)前記材料を別の材料、特に、ポリマー、オリゴマー、モノマー、可塑剤、粘着性付与剤、希釈剤、染料、顔料、界面活性剤、溶媒、及び/又は触媒とブレンドする工程、及び/又は(b)前記材料を基材、特に、紙、コート紙、木材、金属、プラスチック、ファブリック/テキスタイル、繊維、及び/又は複合材料に施す工程、及び/又は(c)別の材料、特に、医薬、農薬及び/又は殺菌性化合物、防カビ剤、触媒、芳香剤、薬品及び/又は染料を封入する工程である、請求項19の超分子構造を形成する材料の使用。
【請求項21】
前記材料が接着剤、特に、ホットメルト接着剤、反応性ホットメルト接着剤、感圧性接着剤、液状接着剤、及び/又はコンタクト接着剤、粘着性付与剤、インク、電子インク、インクジェットインク、回転及びスラッシュ成形物品、コーティング、ポリウレタンフォーム中の部品、エラストマー、ペーソナルケア用途、特に、ヘアケア、及び/又は封入材料、特に、ドラックデリバリー及び/又は触媒放出用の封入材料に使用される、請求項1〜14及び/又は19〜20のいずれか1つの材料の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−153890(P2007−153890A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320384(P2006−320384)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(590000824)ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション (112)
【Fターム(参考)】