説明

超電導ケーブル

【課題】 ケーブル外径がより小さい超電導ケーブル、及びこの超電導ケーブルを利用した直流送電方法を提供する。
【解決手段】 超電導ケーブル1は、超電導材料からなる超電導導体層4及び外部超電導層6を有するケーブルコア2を2条撚り合わせて断熱管8内に収納させた構成である。各ケーブルコア2は、中心から順にフォーマ3、超電導導体層4、絶縁層5、外部超電導層6、保護層7を具える。単極送電では、両コア2に具える超電導導体層4に単極の電流を流して往路線路とし、両コア2に具える外部超電導層6に帰路電流を流して帰路線路とする。双極送電では、一方のコア2に具える超電導導体層4を正極の送電に用い、他方のコア3に具える超電導導体層4を負極の送電に用い、両コア2の外部超電導層6を中性線層とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のケーブルコアを撚り合わせてなる超電導ケーブル、及びこの超電導ケーブルを利用した直流送電方法に関するものである。特に、ケーブル外径をより小さくすることができる超電導ケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、交流用超電導ケーブルとして、3つのケーブルコアを一括にした三心一括型のケーブルが知られている。図4は、三心一括型の三相交流用超電導ケーブルの断面図である。この超電導ケーブル100は、断熱管101内に3条のケーブルコア102を撚り合わせて収納させた構成である。断熱管101は、外管101aと内管101bとからなる二重管の間に断熱材(図示せず)が配置され、かつ外管101aと内管101bとの間が真空引きされた構成である。断熱管101の外周には、防食層104を具える。各ケーブルコア102は、中心から順にフォーマ200、超電導導体層201、絶縁層202、超電導シールド層203、保護層204を具え、内管101bと各ケーブルコア102とで囲まれる空間103が液体窒素などの冷媒の流路となる。
【0003】
上記超電導ケーブルを用いて交流送電を行うと、インダクタンスによる交流損失が生じたり、短絡時の電流が大きく、このときの損失により温度が過度に上昇する恐れがある。これに対し、交流送電ではなく、超電導ケーブルによる直流送電の場合、交流損失がなく、短絡電流も小さくすることができる。直流用超電導ケーブルとして、特許文献1では、超電導導体と絶縁層とを有するケーブルコアを3条撚り合わせた超電導ケーブルが提案されている。この超電導ケーブルでは、各ケーブルコアをそれぞれ正極コア、負極コア、中性線コアとして双極送電を行う。
【0004】
【特許文献1】特開2003-249130号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の超電導ケーブルでは、1条のケーブルで双極送電を行うことができる。しかし、このケーブルは、1条のケーブルにケーブルコアを3心も具えることからケーブル外径が大きくなるため、布設スペースによっては適用できないことも考えられる。従って、直流送電を行うにあたり、ケーブル外径をより小さくできる超電導ケーブルの開発が望まれる。また、図4に示す交流用超電導ケーブルも1条のケーブルに3心のコアを具えることから、上記特許文献1のケーブルと同様にケーブル外径が大きい。
【0006】
そこで、本発明の主目的は、ケーブル外径がより小さい超電導ケーブルを提供することにある。また、本発明の他の目的は、直流送電に適した超電導ケーブルを提供することにある。更に、本発明の他の目的は、上記超電導ケーブルを利用した直流送電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、1条のケーブルに具えるコア数を少なくすることで上記目的を達成する。
【0008】
即ち、本発明超電導ケーブルは、以下の構成を具える2条のケーブルコアを撚り合わせてなることを特徴とする。各ケーブルコアは、超電導導体層と、前記超電導導体層の外周に設けられる絶縁層と、前記絶縁層の外周に設けられる外部超電導層とを具えるものとする。
【0009】
また、本発明直流送電方法は、上記超電導ケーブルを用いた送電方法であって、ケーブルコアに具える超電導導体層、外部超電導層を以下のように用いて送電を行う。
(単極送電)
両コアに具える超電導導体層を往路線路に用い、両コアに具える外部超電導層を帰路線路に用いる。
(双極送電)
一方のコアに具える超電導導体層を正極及び負極のいずれか一極の送電に用い、他方のコアに具える超電導導体層を他極の送電に用いる。そして、各コアの外部超電導層を中性線層とする。
【0010】
上述の図4に示す交流用超電導ケーブルや、特許文献1の直流用超電導ケーブルでは、冷却時のケーブルコアの収縮代をとるべく、コアを3条撚り合わせ、撚り合わせに弛みを持たせる構成としている。しかし、1条のケーブルに3心のコアを具える構成では、ケーブル径が大きくなってしまう。
【0011】
例えば、中心から順にフォーマ、超電導導体層、絶縁層、銅製のシールド層、保護層を具えるケーブルコアを3条用意し、各コアを正極コア、負極コア、中性線コアとする直流用超電導ケーブルの大きさを考える。フォーマを含む超電導導体層の外径を20mm、絶縁層の厚さを5mm、シールド層の厚さを1mm、保護層の厚さを2mmとすると、3つのコアの包絡円の直径は、(36/√3+18)×2≒77.6mmとなる。更に、各コア間に5mm厚のスペーサを配置して弛みを持たせた場合、このときの包絡円の直径は、(41/√3+18)×2≒83.3mmとなる。
【0012】
一方、直流用超電導ケーブルとして、シールド層を超電導材料にて形成した外部超電導層とし、帰路線路や中性線層として利用する場合、コアを2心とすることができ、上記3心のコアを具える超電導ケーブルよりもケーブル径を小さくすることができる。例えば、上記と同様に中心から順に、フォーマ、超電導導体層、絶縁層、外部超電導層、保護層を具えるケーブルコアを2条用意し、各コアの超電導導体層をそれぞれ正極、負極の送電に用い、両コアの外部超電導層を中性線層とする超電導ケーブルを考える。フォーマを含む超電導導体層の外径を20mm、絶縁層の厚さを5mm、外部超電導層を1mm、保護層の厚さを2mmとすると、2つのコアの包絡円の直径は、(20+5×2+1×2+2×2)×2=72mmとなる。また、各コア間に5mm厚のスペーサを配置して弛みを持たせた場合、その包絡円の直径は、72+5=77mmである。このようにコアを2心とした場合、ケーブルコア3条を撚り合わせた構造の上記超電導ケーブルと比較して、ケーブル径を小さくできる。
【0013】
交流用超電導ケーブルにおいても、2心のケーブルコアを具える超電導ケーブルを多条に用いることで3相交流送電を行うことができ、かつ1条のケーブルのケーブル外径を小さくすることがでできる。
【0014】
そこで、本発明では、コアを2心とすることを規定する。以下、本発明をより詳しく説明する。
【0015】
本発明超電導ケーブルは、超電導導体層と、この超電導導体層の外周に設けられる絶縁層と、この絶縁層の外周に設けられる外部超電導層とを具えるケーブルコア2条を撚り合わせてなるものとする。特に、本発明では、単極送電において外部超電導層を帰路線路として利用し、双極送電において正負極のアンバランス電流を流したり、異常電流を流したりするため、外部超電導層を超電導材料にて形成する。
【0016】
超電導導体層は、例えば、Bi2223系超電導材料からなる複数本のフィラメントが銀シースなどのマトリクス中に配されたテープ状線材を螺旋状に巻回することで形成するとよく、単層でも多層でもよい。多層とする場合、層間絶縁層を設けてもよい。層間絶縁層は、クラフト紙などの絶縁紙やPPLP(住友電気工業株式会社 登録商標)などの半合成絶縁紙を巻回して設けることが挙げられる。このような超電導導体層は、上記超電導材料からなる線材をフォーマの外周に巻回して形成する。フォーマは、銅やアルミニウムなどの金属材料にて形成した中実体でも中空体でもよく、例えば、銅線を複数本撚り合わせた構成のものが挙げられる。上記銅線は、絶縁被覆されたものを利用してもよい。フォーマは、超電導導体層の形状維持部材として機能する。フォーマと超電導導体層との間にクッション層を介在させてもよい。クッション層は、フォーマと超電導線材との間における金属同士の直接接触を回避し、超電導線材の損傷を防止する。特に、フォーマを撚り線構造とした場合、クッション層はフォーマ表面をより平滑な面にする機能も有する。クッション層の具体的材質としては、絶縁紙やカーボン紙が好適に利用できる。
【0017】
絶縁層は、PPLP(登録商標)などの半合成絶縁紙やクラフト紙などの絶縁紙を巻回して形成することが挙げられる。この絶縁層は、超電導導体層と対地間の絶縁に必要な絶縁強度を具えるようにする。
【0018】
本発明超電導ケーブルを直流送電に用いる場合、上記絶縁層には、その径方向(厚さ方向)の直流電界分布が平滑化されるように、絶縁層の内周側の抵抗率が低く、外周側の抵抗率が高くなるようにρグレーディングを施してもよい。このようにρグレーディングを施して、絶縁層の厚さ方向において段階的に抵抗率を異ならせることで、絶縁層の厚さ方向全体の直流電界分布を平滑化でき、絶縁層の厚みを低減することができる。従って、ケーブル外径をより小径にすることができて好ましい。抵抗率を異ならせる層数は、特に問わないが、実用的には、2,3層程度である。特に、これら各層の厚みを均等にすると、直流電界分布の平滑化をより効果的に行える。
【0019】
ρグレーディングを施すには、抵抗率(ρ)の異なる絶縁材料を用いるとよく、例えば、クラフト紙といった絶縁紙を利用する場合、クラフト紙の密度を変化させたり、クラフト紙にジシアンジアミドを添加するなどにより、抵抗率を変えることができる。絶縁紙とプラスチックフィルムからなる複合紙、例えばPPLP(登録商標)の場合、複合紙全体の厚みTに対するプラスチックフィルムの厚みtpの比率k=(tp/T)×100を変えたり、絶縁紙の密度、材質、添加物などを変えることにより、抵抗率を変えることができる。比率kの値は、例えば40%〜90%程度の範囲が好ましい。通常、比率kが大きいほど抵抗率ρが大きくなる。
【0020】
更に、絶縁層は、超電導導体層の近傍に、他の箇所よりも誘電率が高い高ε層を有すると、直流耐電圧特性の向上に加えて、Imp.耐圧特性も向上させることができる。なお、誘電率ε(20℃)は一般的なクラフト紙で3.2〜4.5程度、比率kが40%の複合紙で2.8程度、同60%の複合紙で2.6程度、同80%の複合紙で2.4程度である。特に、比率kが高く、かつ気密度も高めのクラフト紙を用いた複合紙により絶縁層を構成すれば、直流耐電圧とImp.耐圧の双方に優れて好ましい。
【0021】
上記ρグレーディングに加えて、絶縁層は、その内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低くなるように構成してもよい。このεグレーディングも絶縁層の径方向全域に亘って形成する。また、上述のようにρグレーディングを施すことで本発明超電導ケーブルは、直流特性に優れたケーブルとなり、直流送電に好適に利用することができる。一方、現行の送電線路は、大半が交流で構成されている。今後、送電方式を交流から直流へ移行することを考えた場合、直流送電へ移行する前に、過渡的に本発明ケーブルを用いて交流を送電するケースが想定される。例えば、送電線路の一部のケーブルを本発明超電導ケーブルに交換したが残部が交流送電用ケーブルのままであるとか、送電線路の交流送電用ケーブルを本発明超電導ケーブルに交換したが、ケーブルに接続される送電機器は交流用のままとなっている場合などである。この場合、本発明ケーブルで過渡的に交流送電を行い、その後、最終的に直流送電に移行されることになる。そのため、本発明ケーブルにおいては、直流特性に優れているのみならず、交流特性をも考慮した設計とすることが好ましい。交流特性をも考慮した場合、内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低い絶縁層とすることで、サージなどのインパルス特性に優れたケーブルを構築することができる。して、上記過渡期が過ぎて直流送電が行われることになった場合には、過渡期に用いていた本発明ケーブルをそのまま直流ケーブルとして利用することができる。即ち、ρグレーディングに加えてεグレーディングを施した本発明ケーブルは、交流直流両用のケーブルとして好適に利用することができる。
【0022】
通常、上述したPPLP(登録商標)は、比率kを高くすると高ρ低εとなる。そのため、絶縁層の外周側ほど比率kの高いPPLP(登録商標)を用いて絶縁層を構成すれば、外周側ほど高ρになり、同時に外周側ほど低εにできる。
【0023】
一方、クラフト紙は、一般に気密度を高くすると高ρ高εになる。そのため、クラフト紙だけで外周側ほど高ρであると共に外周側ほど低εの絶縁層を構成することは難しい。そこで、クラフト紙を用いる場合は、複合紙と組み合わせて絶縁層を構成することが好適である。例えば絶縁層の内周側にクラフト紙層を形成し、その外側にPPLP層を形成することで、抵抗率ρはクラフト紙層<PPLP層となり、誘電率εはクラフト紙層>PPLP層となるようにすればよい。
【0024】
上記絶縁層上には、外部超電導層を設ける。この外部超電導層は、上記超電導導体層と同様に超電導材料にて形成する。外部超電導層に用いる超電導材料は、上記超電導導体層の形成に利用したものと同様のものを用いてもよい。また、外部超電導層は、接地電位にしておく。本発明超電導ケーブルを利用して双極送電を行う場合、通常、正極電流と負極電流とは、ほとんど同じ大きさであり互いにキャンセルし合うため、中性線層として機能する外部超電導層には、電圧がほとんどかからない。しかし、本発明では、正極と負極でアンバランスが生じた際のアンバランス電流を流したり、一方の極に異常が生じて双極送電から単極送電に変更する際、送電電流と同等の電流を外部超電導層に流す(単極送電の帰路線路として機能させる)ため、外部超電導層を超電導材料にて形成する。外部超電導層の外周には、絶縁を兼ねた保護層を設けることが好ましい。
【0025】
その他、絶縁層の内外周の少なくとも一方、つまり超電導導体層と絶縁層との間や、絶縁層と外部超電導層との間に半導電層を形成してもよい。前者の内部半導電層、後者の外部半導電層を形成することで、超電導導体層と絶縁層の間或いは絶縁層と外部超電導層の間での密着性を高め、部分放電の発生などに伴う劣化を抑制する。
【0026】
上記構成を具えるケーブルコアを2条用意し、2条のコアを撚り合わせた構造とすることで、本発明の超電導ケーブルは、ケーブル冷却時の収縮代を持たせることができる。収縮代を持たせる構成、即ち、熱収縮分を吸収させる構成としては、例えば、各コアの撚り合わせに弛みを持たせたることが挙げられる。弛みを持たせる方法としては、コア間にスペーサを配置してコアを撚り合わせ、撚り合わせたコアを断熱管に収納する際(断熱管形成時)、スペーサを除去する方法が挙げられる。スペーサは、例えば、5mm程度の厚さのフェルトなどが挙げられる。スペーサの厚さは、ケーブルコア径に応じて適宜変更するとよい。
【0027】
本発明超電導ケーブルは、上記2条のコアを撚り合わせて、断熱管内に収納して構成する。断熱管は、例えば、外管と内管とからなる二重構造の管の間に断熱材を配置し、内管と外管間を真空引きする構成が挙げられる。内管内のケーブルコアの外周面と内管の内周面とで囲まれる空間には、ケーブルコアを冷却する液体窒素などの冷媒を充填し、この空間を冷媒流路とする。断熱管の外周には、ポリ塩化ビニルなどの樹脂にて防食層などを設けてもよい。
【0028】
上記断熱管の内管内の冷媒流路を冷媒往路とし、別途、冷媒復路を具える構成とすると、侵入熱を少なくすることができて好ましい。冷媒復路としては、冷媒管を利用することが挙げられる。冷媒管は、2条のコアと撚り合わせた構成とすると、断熱管内に配置し易く好ましい。冷媒管を具えることでケーブル外径が大きくならないように、冷媒管は、その直径をコアの直径未満とし、2心のコアと冷媒管との包絡円の直径が2心のコアの包絡円の直径と同径となるような大きさとする。このような冷媒管は、1つでもよいし、複数具えていてもよい。
【0029】
上記冷媒管は、ケーブル冷却時に収縮可能な伸縮性を有していることが好ましい。伸縮性を有する冷媒管として、例えば、冷媒温度においても強度に優れるステンレスなどの金属材料からなるコルゲート管が挙げられる。伸縮性を有する冷媒管を用いる場合、上記2条のコアの撚り合わせのようにケーブル冷却時に収縮するための弛みを持たせずに2条のコアと撚り合わせてもよい。2条のコアの撚り合わせのように収縮するための弛みを確保しなくても、冷媒管自体の伸縮性により、収縮を吸収することができるからである。また、この冷媒管の外周には、クラフト紙などを巻回して保護層を設けてもよい。保護層を設けることで、冷媒管がコアや断熱管と接触し、これらが損傷するなどの不具合を抑制することができる。
【0030】
上記構成を具える本発明の超電導ケーブルは、両コアに具える超電導導体層を往路線路に用い、両コアに具える外部超電導層を帰路線路に用いることで、単極送電を行うことができる。また、一方のコアの超電導導体層を正極及び負極のいずれか一極の送電に用い、他方のコアの超電導導体層を他極の送電に用い、各コアに具える外部超電導層を中性線層として用いることで、双極送電を行うことができる。更に、双極送電を行っている際、一方の極に異常が生じた場合、例えば、その極の超電導導体層やケーブルに接続される直交流変換器などに異常が生じて、一方の極の送電を停止する場合、異常が生じていない極のコアを利用して、単極送電を行うことができる。このとき、異常が生じていない極のコアの超電導導体層を往路線路、外部超電導層を帰路線路として用いるとよい。なお、単極送電、双極送電のいずれの送電の場合も、両コアの外部超電導層は、接地電位にしておく。
【0031】
本発明超電導ケーブルは、直流送電だけでなく、上述のようにεグレーディングを施した絶縁層を設けることで、交流送電にも好適に利用することができる。単相交流送電を行う場合、この超電導ケーブルを1条用い、各コアの超電導導体層を相の送電に、各コアの外部超電導層をシールド層として利用してもよいし、1心のコアの超電導導体層を相の送電に、このコアの外部超電導層をシールド層として利用し、残り1心を予備心としてもよい。この超電導ケーブルにて単相交流送電後に直流送電を行う場合、単極送電、双極送電のいずれを行ってもよい。3相交流送電を行う場合、本発明超電導ケーブルを2条又は3条用意して、コア数の合計が3心以上となるようにする。2条のケーブルを用いる場合、コア数の合計は、4心となるため、1心を予備心とし、残り3心のコアの超電導導体層をそれぞれの相の送電に利用し、外部超電導層をシールド層として利用するとよい。3条のケーブルを用いる場合、各ケーブルの超電導導体層をそれぞれの相の送電に利用し、外部超電導層をシールド層として利用するとよい。即ち、2心のコアで1相の送電を行うとよい。これらの超電導ケーブルにて3相交流送電後に直流送電を行う場合、各ケーブルはそれぞれ、単極送電、双極送電のいずれを行ってもよい。
【発明の効果】
【0032】
上記構成を具える本発明超電導ケーブルは、ケーブル外径をより小さくしながら、1条のケーブルで双極送電を行うことができる。また、一方の極に異常が生じた際には、双極送電から単極送電に切り替えて送電を行うことができる。更に、本発明超電導ケーブルは、ケーブル外径を大きくすることなく冷媒管を具えることで、侵入熱を小さくすることができる。
【0033】
加えて、本発明超電導ケーブルに具えるコアにおいて、ρグレーディングを施した絶縁層とすることで、絶縁層の厚さ方向の全体にわたって直流電界分布を平滑化して、直流耐電圧特性を改善し、絶縁層の厚みを減少することができる。従って、ケーブル外径をより小さくすることができる。また、ρグレーディングに加えて超電導導体層の近傍が高εとなるように絶縁層を設けることで、上述した直流耐電圧特性の向上に加えて、Imp.耐圧特性も向上できる。特に、絶縁層の内周側ほど高εとし外周側ほど低εとすることで、本発明超電導ケーブルは、交流の電気特性にも優れたケーブルとすることができる。そのため、本発明超電導ケーブルは、直流送電用、交流送電用のそれぞれに好適に利用できるだけでなく、送電方式を交流と直流の間で変更する過渡期においても好適に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0035】
図1(A)は、本発明の超電導ケーブルを用いて単極送電用の直流送電線路を構築した状態を示す概略構成図、(B)は、同ケーブルのケーブルコア間にスペーサを介在させた状態を示す概略断面図である。以下、図中同一符号は同一物を示す。この超電導ケーブル1は、超電導材料からなる超電導導体層4及び外部超電導層6を有するケーブルコア2を2条撚り合わせて断熱管8内に収納させた構成である。各ケーブルコア2は、中心から順にフォーマ3、超電導導体層4、絶縁層5、外部超電導層6、保護層7を具える。
【0036】
本例において超電導導体層4及び外部超電導層6は、Bi2223系超電導テープ線(Ag-Mnシース線)にて形成した。超電導導体層4はフォーマ3の外周に、外部超電導層6は絶縁層5の外周にそれぞれ、上記超電導テープ線を螺旋状に巻回して構成した。フォーマ3は、銅線を複数本撚り合わせたものを用い、フォーマ3と超電導導体層4との間には、絶縁紙によりクッション層(図示せず)を形成した。絶縁層5は、超電導導体層4の外周に半合成絶縁紙(PPLP:住友電気工業株式会社 登録商標)を巻回して構成した。この絶縁層5は、超電導導体層4と対地間の絶縁に必要な絶縁強度を有するように設けた。保護層7は、外部超電導層6の外周にクラフト紙を巻回して設けた。
【0037】
本例では、これらフォーマ3、超電導導体層4、絶縁層5、外部超電導層6、保護層7からなるケーブルコア2を2条用意し、熱収縮に必要な収縮代を有するように弛みを持たせて撚り合わせ、断熱管8内に収納している。本例において断熱管8には、SUSコルゲート管を用い、図4に示す従来の超電導ケーブルと同様に、外管8aと内管8bとからなる二重管の間に断熱材(図示せず)を多層に配置し、かつ二重管内を真空引きした真空多層断熱構成とした。内管8bと2心のケーブルコア2とで囲まれる空間9が液体窒素などの冷媒の流路となる。また、断熱管8の外周には、ポリ塩化ビニルで防食層(図示せず)を形成した。更に、ケーブルコア2間に弛みを持たせて撚り合せるために、図1(B)に示すようにケーブルコア2間にスペーサ90を介在させて撚り合わせ、断熱管8に収納する際(断熱管8を形成する際)にスペーサ90を除去した。本例においてスペーサ90は、断面矩形状の5mm厚みのフェルトを用いた。
【0038】
上記構成を具える本発明の超電導ケーブル1は、直流送電、具体的には双極送電、単極送電のいずれにも用いることができる。まず、単極送電を行う場合を説明する。単極送電を行うには、図1(A)に示すような送電線路を構築するとよい。具体的には、図1(A)において右側のコア2に具える超電導導体層4の一端側に、交流系統(図示せず)に接続される直交流変換器10がリード20,リード21を介して接続され、同超電導導体層4の他端側に、交流系統(図示せず)に接続される直交流変換器11がリード22を介して接続される。図1(A)において左側のコア2に具える超電導導体層4の一端側には、同様に直交流変換器10がリード23,リード21を介して接続され、同超電導導体層4の他端側に、直交流変換器11がリード22を介して接続される。両コア2の外部超電導層6は、リード24,リード25,リード26を介して直交流変換器10に接続され、リード27を介して直交流変換器11に接続される。そして、本例では、リード26を接地している。この接地により、外部超電導層6は接地電位となる。なお、本例では片端接地としたが、リード27も接地して両端接地としてもよい。また、リード20〜27は、超電導導体層4や外部超電導層6と直交流変換器10,11とを電気的に接続するものである。
【0039】
上記構成を具える直流送電線路では、両コア2に具える超電導導体層4に単極の電流を流して往路線路として用い、両コア2に具える外部超電導層6に帰路電流を流して帰路線路として用いることで単極送電を行うことができる。また、この超電導ケーブルは、弛みを持たせて2条のケーブルコアを撚り合わせているため、この弛みにより、冷却時、熱収縮分を吸収することができる。更に、この超電導ケーブル1は、従来のケーブルよりもコア数が少ないため、ケーブル径を小さくすることができる。
【実施例2】
【0040】
次に、双極送電を行う場合を説明する。図2(A)は、本発明の超電導ケーブルを用いて双極送電用の直流送電線路を構築した状態を示す概略構成図、(B)は一方のコアの超電導導体層及び外部超電導層を用いて単極送電を行う直流送電線路を構築した状態を示す概略構成図である。実施例1で用いた超電導ケーブル1は、双極送電にも用いることができる。双極送電を行うには、図2(A)に示すような送電線路を構築するとよい。具体的には、一方のコア2(図2(A)のおいて右側のコア2)に具える超電導導体層4の一端側に、交流系統(図示せず)に接続される直交流変換器12がリード30を介して接続され、同超電導導体層4の他端側に、交流系統(図示せず)に接続される直交流変換器13がリード31を介して接続される。また、このコア2に具える外部超電導層6の一端側に直交流変換器12がリード32,リード33を介して接続され、同外部超電導層6の他端側に、直交流変換器13がリード34を介して接続される。他方のコア2(図2(A)において左側のコア2)に具える超電導導体層4の一端側に、交流系統(図示せず)に接続される直交流変換器14がリード35を介して接続され、同超電導導体層4の他端側に、交流系統(図示せず)に接続される直交流変換器15がリード36を介して接続される。また、このコア2に具える外部超電導層6の一端側に直交流変換器14がリード37,リード33を介して接続され、同外部超電導層6の他端側に、直交流変換器15がリード34を介して接続される。そして、リード33を接地している。この接地により、外部超電導層6は接地電位となる。本例では、リード33のみ接地して片端接地としたが、リード34も接地して両端接地としてもよい。なお、リード30〜37は、超電導導体層4や外部超電導層6と直交流変換器12,13,14,15とを電気的に接続するものである。
【0041】
上記構成により、直交流変換器13、リード31、図2(A)において右側のコア2の超電導導体層4、リード30、直交流変換器12、リード33、リード32、外部超電導層6、リード34という正極順路が構築される。また、直交流変換器15、リード36、図2(A)において左側のコア2の超電導導体層4、リード35、直交流変換器14、リード33、リード37、外部超電導層6、リード34という負極順路が構築される。これら正極順路、負極順路により双極送電を行うことができる。このとき、両コア2の外部超電導層6は、中性線層として利用される他、正負極のアンバランス電流や異常電流を流すのに利用される。なお、本例では、図2(A)において右側のコアを正極、左側のコアを負極に用いたがもちろん逆でもよい。
【0042】
一方、いずれかの極の超電導導体層や直交流変換器に異常が生じて、その極の超電導導体層による送電を停止した際、異常を生じていない極の超電導導体層を利用して単極送電を行うことができる。例えば、図2(A)において左側のコア2や直交流変換器14,15などに異常が生じた場合、即ち、負極に異常が生じた場合、図2(A)において左側のコア2を利用した送電を停止する。このとき、図2(B)に示すように一方のコア2(図2において右側のコア2)を用いた単極送電用の送電線路が構築され、このコア2の超電導導体層4を往路線路、外部超電導層6を帰路線路として単極送電を行うことができる。なお、本例では、負極に異常が生じた場合を説明したが、正極に異常が生じた場合も同様である。このとき、他方のコア2(図2において左側のコア2)の超電導導体層4を往路線路、外部超電導層6を帰路線路として単極送電を行うとよい。
【0043】
上記のように本発明の超電導ケーブルは、1条のケーブルで、双極送電及び単極送電の双方を行うことができる。特に、1条のケーブルに具えるケーブルコア数を2心としたため、3心のコアを具える構成と比較して、ケーブル外径をより小さくできる。
【0044】
上記のように直流送電を行う場合、絶縁層5において内周側の抵抗率が低く、外周側の抵抗率が高くなるようにρグレーディングを施すと、絶縁層の厚み方向の直流電界分布を平滑化することにより、絶縁層の厚みをより小さくできる。抵抗率は、比率kが異なるPPLP(登録商標)を用いることで変化させることができ、比率kが大きくなると抵抗率が高くなる傾向にある。また、絶縁層5において超電導導体層4の近傍に高ε層を設けると、直流耐電圧特性の向上に加えて、Imp.耐圧特性も向上させることができる。高ε層は、例えば、比率kが小さいPPLP(登録商標)を用いて形成することが挙げられる。このとき、高ε層は、低ρ層ともなる。更に、上記ρグレーディングに加えて、内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低くなるように絶縁層5を形成すると、交流特性にも優れる。従って、上記超電導ケーブル1を交流送電にも好適に利用することができる。例えば、以下のように比率kが異なるPPLP(登録商標)を用いて、抵抗率及び誘電率が3段階に異なるように絶縁層を設けることが挙げられる。以下の三層は、内周側から順に具えるとよい(X,Yは定数)。
低ρ層:比率k=60%、抵抗率ρ(20℃)=X Ω・cm、誘電率ε=Y
中ρ層:比率k=70%、抵抗率ρ(20℃)=約1.2X Ω・cm、誘電率ε=約0.95Y
高ρ層:比率k=80%、抵抗率ρ(20℃)=約1.4X Ω・cm、誘電率ε=約0.9Y
【0045】
超電導ケーブル1を用いて3相交流送電を行う場合、超電導ケーブル1を2条又は3条を用意して行うとよい。2条のケーブル1を用いる場合、2条のケーブル1に具える4心のコア2のうち、1心のコア2を予備心とし、残り3心のコア2の超電導導体層4をそれぞれ相の送電に利用し、これらのコア2の外部超電導層6をシールド層として利用するとよい。3条のケーブル1を用いる場合、各ケーブル1をそれぞれ相の送電に利用する。即ち、各ケーブル1に具える2心のコア2で1相の送電を行う。このとき、各ケーブル1に具える2心のコア2の超電導導体層4を相の送電に利用し、これら超電導導体層4の外周に具える外部超電導層6をシールド層として利用する。超電導ケーブル1を用いて単相交流送電を行う場合、超電導ケーブル1を1条用意し、各コア2の超電導導体層4を同じ相の送電に利用し、これら超電導導体層4の外周に具える外部超電導層6をシールド層として利用するとよい。
【0046】
超電導ケーブル1は、上記交流送電を行った後、上述した単極送電や双極送電といった直流送電を行うことも可能である。このようにρグレーディングやεグレーディングを施した絶縁層を具える本発明超電導ケーブルでは、直流交流両用ケーブルとして好適に利用することができる。これらρグレーディング、εグレーディングに関する事項は、後述の実施例3についても同様である。
【実施例3】
【0047】
次に、冷媒往路と冷媒復路との双方を具える構成を説明する。図3は、2条のコアと冷媒管とを撚り合わせてなる本発明の超電導ケーブルの断面模式図である。上記実施例1、2では、断熱管の内管内を冷媒流路とする構成を説明したが、図3に示すように冷媒管40を別途具えて、内管内の空間9を冷媒往路とし、冷媒管40内を冷媒復路としてもよい。このように冷媒の往復路を具えることで、侵入熱を低減することができる。
【0048】
本例では、2つの冷媒管40を用意し、2条のケーブルコア2と撚り合わせた構造とした。特に本例では、冷媒管40として、ステンレス製のコルゲート管を用いた。コルゲート管のように可撓性を有する管を用いた場合、冷媒管40自体の伸縮性により、ケーブル冷却時の収縮を吸収することができる。従って、2条のケーブルコア2と撚り合わせる際、冷媒管40は、上記収縮するための弛みを持たせることなく撚り合わせた。
【0049】
そして、上記冷媒管40は、その直径がケーブルコア2の直径よりも小さいものとし、かつ、図3に示すように2つの冷媒管40と2心のコア2との包絡円(図3の破線円)の直径が2心のコア2の包絡円の直径と等しくなるようにした。そのため、2心のケーブルコア2に加えて冷媒管40を具えていても、この超電導ケーブルは、冷媒管40を具えていない実施例1,2に示す超電導ケーブル1と比較して、ケーブル外径が大きくなることがない。なお、本例では、冷媒管40を2つとしたが、1つでもよいし、3つ以上としてもよい。但し、冷媒管と2心のケーブルコアとの包絡円の直径が2心のコアの包絡円の直径と等しくなるように、冷媒管の大きさを選択する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の超電導ケーブルは、電力送電を行う線路に利用することが好適である。特に、本発明超電導ケーブルは、直流の電力輸送手段の他、送電方式を交流から直流に移行する過渡期において、交流を送電することにも好適に利用できる。また、本発明直流送電方法は、上記本発明超電導ケーブルを用いて直流送電を行う際に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】(A)は、本発明の超電導ケーブルを用いて直流送電線路を構築した状態を示す概略構成図、(B)は、同ケーブルにおいて、ケーブルコア間にスペーサを介在させた状態を示す概略断面図である。
【図2】(A)は、本発明の超電導ケーブルを用いて双極送電用の直流送電線路を構築した状態を示す概略構成図、(B)は一方のコアの超電導導体層及び外部超電導層を用いて単極送電用の直流送電線路を構築した状態を示す概略構成図である。
【図3】2心のケーブルコアと冷媒管とを撚り合わせてなる本発明の超電導ケーブルの断面模式図である。
【図4】三心一括型の三相交流用超電導ケーブルの断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 超電導ケーブル 2 ケーブルコア 3 フォーマ 4 超電導導体層
5 絶縁層 6 外部超電導層 7 保護層 8 断熱管 8a 外管 8b 内管
9 空間 10〜15 直交流変換器
20〜27,30〜37 リード 40 冷媒管 90 スペーサ
100 三相交流用超電導ケーブル 101 断熱管 101a 外管 101b 内管
102 ケーブルコア 103 空間 104 防食層
200 フォーマ 201 超電導導体層 202 絶縁層 203 超電導シールド層
204 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルコアを撚り合わせてなる超電導ケーブルであって、
前記ケーブルコアは、
超電導導体層と、
前記超電導導体層の外周に設けられる絶縁層と、
前記絶縁層の外周に設けられる外部超電導層とを具え、
このケーブルコア2条を撚り合わせて形成されることを特徴とする超電導ケーブル。
【請求項2】
2心のコアの撚り構造が、ケーブル冷却時の収縮代を有することを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブル。
【請求項3】
更に、2心のコアと少なくとも一つの冷媒管とが撚り合わされており、
前記冷媒管は、その直径がコアの直径未満であり、
2心のコアと冷媒管との包絡円の直径が2心のコアの包絡円の直径と同径であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導ケーブル。
【請求項4】
冷媒管は、ケーブル冷却時に収縮可能な伸縮性を有し、ケーブル冷却時に収縮するための弛みを持たせることなく、2心のコアと撚り合わされていることを特徴とする請求項3に記載の超電導ケーブル。
【請求項5】
冷媒管は、金属コルゲート管であることを特徴とする請求項4に記載の超電導ケーブル。
【請求項6】
絶縁層は、その径方向の直流電界分布が平滑化されるように、絶縁層の内周側の抵抗率が低く、外周側の抵抗率が高くなるようにρグレーディングが施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超電導ケーブル。
【請求項7】
絶縁層は、超電導導体層の近傍に、他の箇所よりも誘電率が高い高ε層を有することを特徴とする請求項6に記載の超電導ケーブル。
【請求項8】
絶縁層は、その内周側ほど誘電率εが高く、外周側ほど誘電率εが低く構成されていることを特徴とする請求項6に記載の超電導ケーブル。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の超電導ケーブルを用いた直流送電方法であって、
両コアに具える超電導導体層を往路線路に用い、
両コアに具える外部超電導層を帰路線路に用いて単極送電を行うことを特徴とする直流送電方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかに記載の超電導ケーブルを用いた直流送電方法であって、
一方のコアに具える超電導導体層を正極及び負極のいずれか一極の送電に用い、
他方のコアに具える超電導導体層を他極の送電に用い、
両コアの外部超電導層を中性線層として双極送電を行うことを特徴とする直流送電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−12776(P2006−12776A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72046(P2005−72046)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】