説明

超電導機器の導体引出構造

【課題】引出部を短くしても、結露による絶縁特性の劣化を抑制することができる超電導機器の導体引出構造を提供する。
【解決手段】冷媒が貯留される冷媒槽12aと、この槽12a内に一端側が導入され、槽12a外に他端側が引き出される引出部1とを具える超電導機器の導体引出構造である。引出部1は、超電導限流素子からなるモジュール11(超電導部)に電気的に接続されて冷媒槽12aの内外で電気的導通をとるリード部2と、このリード部2の外周に設けられる絶縁部3とを有する。そして、この導体引出構造は、引出部1の他端側を絶縁収納部4と外側収納部5とで二重に覆い、外側収納部5内に乾燥エアを充填して、絶縁収納部4や外側収納部5の表面に結露が生じることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一端が冷媒槽を貫通する引出部を用いて、冷媒槽の内外で電力の受け渡しを行う超電導機器の導体引出構造に関するものである。特に、引出部をより短くしても、十分な絶縁特性を有する超電導機器の導体引出構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超電導機器の導体引出構造として、例えば、図4に示す超電導ケーブルの端末構造がある(類似の端末構造:特許文献1参照)。この端末構造は、超電導ケーブル100と、常電導ケーブルといった常温側機器との間で電力の入出力を行うものである。具体的には、超電導ケーブル100の端部から引き出したケーブルコア101の端部を段剥ぎして露出させた超電導導体102に電気的に接続される引出部110と、引出部110の一端側が収納され、液体窒素といった冷媒が充填される冷媒槽120と、冷媒槽120の外周を覆うように配される真空槽121と、引出部110の他端側が収納される碍管113とを具える。引出部110は、第一接続部103、接続導体104、第二接続部105を介して超電導導体102と接続されるリード部111と、リード部111の外周に設けられる絶縁ブッシング112とを具える。碍管113は、真空槽121の外部に突出するように設けられ、その内部に絶縁油やSFガスなどの絶縁流体が充填される。リード部111の他端は、この碍管113から引き出され、図示しない常電導ケーブルなどに接続される。
【0003】
超電導ケーブル以外の超電導機器として、例えば、超電導限流器が検討されている。図5は、磁気遮蔽型超電導限流器の概略構成図である。超電導限流器200は、鉄心コア201と、コア201の外周に配される円筒状の超電導部202と、その外周に配され、銅といった常電導材料からなるコイル203と、コア201・超電導部202・コイル203が浸漬される冷媒を貯留する冷媒槽204と、その外周に配される真空槽205とを具える。この限流器200は、定常運転時、通電されたコイル203がつくる磁界を超電導部202により遮蔽してインピーダンスを小さくする。一方、短絡などの事故時、コイル203に大電流が流れると、超電導部202に加わる磁場が増大し、臨界磁場を超えて超電導部202がクエンチして遮蔽機能が低下すると、コア201に磁束が通ってインピーダンスが増大する。このインピーダンスの増大により、限流器200は、限流器200の下流側に流れる電流を制限する。超電導限流器200は、コイル203の各端部に接続される引出部210を介して真空槽205外に配される常温側機器との間で電力の受け渡しを行う。引出部210はそれぞれ、一端がコイル203の端部に接続され、他端が冷媒槽204及び真空槽205を貫通するリード部211と、リード部211の外周に設けられる絶縁ブッシング212とを具える。つまり、超電導部202とリード部211とは、電磁気的に結合される。引出部210の他端側は、真空槽205の外部に突出するように設けられ、内部に絶縁油やSFガスなどの絶縁流体が充填される碍管213に収納され、リード部211の他端は、碍管213から引き出され、常温側機器に接続される。
【0004】
真空槽の外部は、通常、常温の大気が存在する常温環境である。引出部の一端側は、冷媒槽に導入されて低温状態にあり、真空槽から引き出された他端側は、常温環境に配されてより温度が高い状態にある。そのため、引出部を介して常温の外部から低温の冷媒槽内に熱が侵入する。そこで、従来は、この熱侵入を低減するために引出部の長さを比較的長くして、引出部に十分な温度勾配が設けられるようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002-238144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、引出部の長さを比較的長くすることで、導体引出構造が大型になり易い。特に、図4に示す端末構造のように冷媒槽120や真空槽121を下方に、碍管113を真空槽121の上方に配置する構成、つまり、常温側機器との接続端がより上方に位置する構成は、高さ方向に大きくなる。そのため、この構成では、高さ方向に制限があるスペースに設置できないことがある。比較的狭いスペースに導体引出構造を収納することが要求されることがあり、この要求に対応するには、導体引出構造をできるだけ小型にすることが望まれる。
【0007】
ところが、小型化のために引出部の長さを短くすると、十分な温度勾配を設けることができない。そのため、碍管内の絶縁流体が引出部によって冷却され、更に、冷却された絶縁流体により碍管自体が冷却され、常温の大気に曝されている碍管表面が結露する恐れがある。碍管表面が結露して結露水で濡れると、絶縁特性が劣化し、碍管に求められる絶縁特性を維持することができない恐れがある。
【0008】
この引出部の短尺化に伴う問題は、超電導ケーブルの端末構造だけでなく、超電導限流器やその他の種々の超電導機器、例えば、超電導変圧器、超電導電力貯蔵装置についても生じ得る。
【0009】
そこで、本発明の主目的は、引出部を短尺化しても、絶縁特性の劣化を抑制することができる超電導機器の導体引出構造を提供することにある。本発明の他の目的は、設置安定性がよく、メンテナンス作業性に優れる超電導機器の導体接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、冷媒が貯留される冷媒槽と、この冷媒槽内に一端側が導入され、冷媒槽外に他端側が引き出される引出部とを具える超電導機器の導体引出構造である。上記引出部は、超電導部と電気的に接続される又は電磁気的に結合され、かつ冷媒槽の内側と外側との間で電気的導通をとるリード部と、このリード部の外周に設けられる絶縁部とを有するものとする。このような超電導機器の導体引出構造において、本発明では、特に、引出部の他端側を二重に覆うことで上記主目的を達成する。第一の覆い(絶縁収納部)で上記冷媒槽から突出した上記引出部の他端側を収納し、第二の覆い(外側収納部)で第一の覆いを更に収納する。かつ、内側に配される絶縁収納部は、リード部に貫通されるものとし、外側収納部は、その内部に乾燥エア又は絶縁流体を充填する、或いは、その内部を真空状態とする。
【0011】
この構成により、本発明構造は、引出部の長さを比較的短くてしても、乾燥エアや絶縁流体が存在する、或いは真空状態となっていることで、内側の収納部(絶縁収納部)の表面に結露が生じることを防止できる。かつ、本発明構造は、内側の収納部の存在により、外側収納部が冷却され難くなり、外側収納部の表面に結露が生じることを防止できる。従って、本発明構造は、引出部を短くしても、結露による収納部の絶縁特性の劣化を抑制して、十分な絶縁性能を維持することができる。
【0012】
以下、本発明超電導機器の導体引出構造をより詳しく説明する。
本発明構造における絶縁収納部は、冷媒槽の内外の電気的導通を可能にするリード部が貫通される。従って、絶縁収納部は、リード部と絶縁されるように絶縁構造とする。例えば、セラミックスからなる碍管を絶縁収納部に利用することができる。絶縁収納部の絶縁特性は、後述する外側収納部の構成に応じて調整することができる。絶縁収納部内には、絶縁油やSFなどの絶縁ガスといった絶縁流体を充填すると、絶縁性を高めることができて好ましい。また、絶縁収納部は、冷媒槽の外側に、冷媒槽の外周に真空槽といった断熱槽を具える場合は断熱槽の外側に突出するように設ける。冷媒槽や断熱槽と絶縁収納部とは、冷媒槽や断熱槽が下方に、絶縁収納部が上方となるように、或いは絶縁収納部が下方に、冷媒槽や断熱槽が上方となるように上下方向(垂直方向)に配置してもよいし、冷媒槽や断熱槽の側方から延びるように左右方向(水平方向)に絶縁収納部を配置してもよい。
【0013】
上記絶縁収納部の外周には、後述する外側収納部を設け、外側収納部内には、乾燥エア又は絶縁流体を充填する、或いは、外側収納部内を真空引状態にする。乾燥エアや絶縁流体が充填された空間、或いは真空空間は、結露の原因となる水分が実質的に存在しない。従って、このような空間に絶縁収納部を存在させる本発明構造は、引出部を短くした際、引出部が絶縁収納部を冷却したとしても、絶縁収納部の表面に結露が生じ得ないため、結露発生による絶縁収納部の絶縁特性の劣化を防止することができる。また、絶縁流体を充填する構成では、絶縁流体自体の絶縁性により、引出部に対する絶縁特性をより高めることができる。絶縁流体としては、例えば、絶縁油やSFといった絶縁ガスが好適である。真空引きする構成では、絶縁収納部の表面に結露が生じない程度の真空度となるように真空引きを行う。
【0014】
外側収納部は、絶縁収納部の表面に結露が生じないように、乾燥エアや絶縁流体の漏洩、真空状態の破壊が生じない閉鎖空間とし、構成材料には、代表的には、絶縁材料が好適に利用できる。特に、外側収納部をリード部に貫通される構成とする場合、外側収納部は、上記絶縁収納部と同様にリード部と十分に絶縁される絶縁構造とする。具体的には、セラミックスからなる碍管を外側収納部に利用することができる。両収納部は、同等の絶縁特性を有する構成でも、絶縁特性が異なる構成でもいずれでもよい。
【0015】
なお、絶縁収納部は、その外周が外側収納部に覆われるため、外側収納部よりも絶縁特性が小さい絶縁構造とすることができる。例えば、絶縁収納部と外側収納部との双方を鍔付きの碍管とする場合、絶縁収納部を構成する碍管は、鍔の数や鍔の大きさを変更するなどして外側収納部を構成する碍管よりも簡略化した構成の碍管とする。或いは、絶縁収納部は、鍔を有していない碍管を利用することができる。これに対し、外側収納部は、雨水などに曝される環境に設置されることがあるため、その絶縁特性は、設置環境に応じて所定の絶縁特性を満たすように調整する必要がある。本発明構造では、外側収納部を水分が存在する環境(例えば、通常の大気中)に設置させる場合であっても、その内側に絶縁収納部や乾燥エア、絶縁流体が存在することで、低温にある引出部により冷却されにくい。そのため、本発明構造は、外側収納部の表面に結露が生じにくく、結露の発生による外側収納部の絶縁特性の劣化が起こりにくい。外側収納部内を真空引きする構成では、両収納部の間が断熱構造となるため、両収納部間で熱の出入が行われにくくなる。従って、この構成の外側収納部も、低温にある引出部により冷却されにくく、結露の発生による外側収納部の絶縁特性の劣化が起こりにくい。
【0016】
一方、外側収納部をリード部に貫通されない構成としてもよい。この構成では、外側収納部が引出部に接触しないため、引出部により外側収納部が冷却されず、結露による外側収納部の絶縁特性の劣化問題が生じない。この構成では、外側収納部の内部にリード部の常温側機器との接続端を収納する。そして、この接続端に常温側機器、例えば、CVケーブルと言った常電導ケーブルを接続し、この常温側機器の接続側(一端側)も外側収納部内に収納し、他端を外側収納部に貫通させて配置するように構成することが挙げられる。絶縁収納部に加えて常温側機器をも収納する外側収納部は、例えば、構造物内の区画された空間を利用することができる。上記空間は、例えば、既存の部屋としてもよいし、仕切り部材を利用して区画してもよい。また、外側収納部は、リード部と接触しないように、また十分な絶縁距離が確保されるように構成することが好ましい。
【0017】
外側収納部を構造物内の空間とする場合、冷媒槽や断熱槽も構造物内に設置することが好ましい。特に、冷媒槽などの重量を構造物の床面で支持するように冷媒槽などを設置すると、冷媒槽などの安定性がよい。構造物内において冷媒槽や断熱槽を設置する空間と、絶縁収納部を収納する空間(外側収納部)とを別にすることが好ましい。冷媒槽や断熱槽及びその周辺は、定期的な点検、補修といったメンテナンスが必要であるのに対し、絶縁収納部やリード部と常温側機器との接続箇所などは、点検などの頻度が小さい。従って、外側収納部に冷媒槽などを収納せず、絶縁収納部などのみを収納して、設置空間を区別する構成とすると、絶縁流体の除去と充填、或いは常圧復帰及び真空引き、密閉状態の復帰などの作業を冷媒槽などのメンテンスごとに行う必要がない。従って、この構成は、冷媒槽側のメンテナンス作業を容易に行うことができ、メンテナンス作業性に優れる。
【0018】
冷媒槽などの設置空間と、外側収納部とを構造物内の別の空間にする場合、例えば、構造物内のある床面を有する空間と、この床面の裏面側の天井面を有する空間とを利用することが挙げられる。具体的には、冷媒槽や断熱槽から下方に突出するように絶縁収納部を設ける場合、冷媒槽などを床面に設置し、この床面を貫通して天井面から突出するように絶縁収納部を配置し、外側収納部は、この天井面を含み、絶縁収納部を覆うように区画した空間とすることが挙げられる。この構成では、構造物の床面が本発明構造の重量を支持するため、安定性がよい。
【0019】
本発明構造における引出部は、一端が液体窒素や液体ヘリウムといった冷媒が貯留される冷媒槽内に導入され、他端が冷媒槽外に引き出されて、冷媒槽の内外で電気的導通をとることが可能であり、ステンレスといった金属材料から形成される冷媒槽や断熱槽と絶縁された構成とする。具体的には、銅や銅合金といった常電導材料からなり、超電導部と電気的に又は電磁気的に結合されるリード部と、主として絶縁材料からなり、このリード部の外周を覆う絶縁部とを具える構成が挙げられる。例えば、銅で中実又は中空に形成したリード部を繊維強化プラスチック(FRP)で筒状に形成した絶縁部に挿通配置した引出部が利用できる。絶縁部は、ストレスコーンやFRPと箔電極との積層構造からなるいわゆるコンデンサー方式の電界緩和構造を有していてもよい。
【0020】
上記リード部と超電導機器の超電導部とは、上述のように電気的に接続する構成としてもよいし、電磁気的に結合する構成としてもよい。前者の場合、常電導材料からなる接続部材を介して両者を接続させてもよい。リード部に電気的に接続される超電導部としては、例えば、超電導ケーブルに具える超電導導体や外部超電導層、超電導変圧器や超電導電力貯蔵装置や超電導限流器に具える超電導コイル、超電導限流器に具える超電導限流素子が挙げられる。リード部と電磁気的に結合される超電導部としては、磁気遮蔽型超電導限流器の超電導部が挙げられる。このとき、上記リード部は、上記超電導部と電磁気的な結合を可能にする部材、具体的には、磁気遮蔽型超電導限流器のコイルに接続する。
【0021】
このように本発明構造は、冷媒で極低温に冷却される超電導部を具える種々の超電導機器に利用できる。この超電導部は、超電導機器の種類や構造により、上記リード部が導入される冷媒槽内に配置される場合と、冷媒槽外にある別の冷媒収納機構内に配置される場合とがある。本発明構造では、いずれの場合も適用できる。
【発明の効果】
【0022】
上記構成を具える本発明超電導機器の導体引出構造は、冷媒槽外に引き出される引出部の長さをより短くしても、引出部の常温側端部を収納する絶縁収納部の表面、及び外側収納部の表面の双方に結露が生じることを効果的に防止することができる。従って、本発明構造は、結露水の付着による絶縁特性の劣化を抑制して、十分な絶縁特性を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0024】
ここでは、超電導限流器において本発明導体引出構造を構築した例を説明する。図1は、超電導限流器において本発明導体引出構造を構築した例を示す概略構成図であり、低温容器内において超電導部近傍を誇張して示している。まず、超電導限流器を説明する。超電導限流器10は、複数の超電導限流素子からなるモジュール(超電導部)11と、モジュール11を収納する低温容器12とを具える。低温容器12は、モジュール11を冷却する液体窒素が下方側に貯留される冷媒槽12aと、冷媒槽12aの外周に設けられる真空槽12bとを具えるステンレス製のクライオスタットである。冷媒槽12aは、図示しない支持部材や吊部材により、真空槽12b内に支持されている。冷媒槽12a内は、モジュール11が浸漬される液体層と、その上方に液体冷媒が気化してなる気体層とを有する。この低温容器12は、常温環境に設置しており、この外部環境からの浸入熱などにより液体層が減少することがある。そのため、低温容器12は、図示しない冷凍機、コールドヘッドなどを具えており、これらを利用して冷媒を冷却し、液面を調整する。
【0025】
超電導限流器10は、例えば、電力供給線路を構成する常電導ケーブルや超電導ケーブルといった電力機器に接続しておき、上流側の機器で事故などが生じて大電流が限流器10に流れた際、限流器10よりも下流側の機器に流れる電流が大きくなることを抑制する。より具体的には、超電導限流器10を具える電力供給線路が定常運転を行っている際、モジュール11は、線路の一部として利用され、事故などの際、臨界電流を超えるような大電流がモジュール11に流れると、クエンチして電気抵抗が増大し、この抵抗増大により下流側機器への電流を限流する。
【0026】
このような超電導限流器10と上記ケーブルなどの電力機器との間における電力の受け渡しは、モジュール11に電気的に接続される引出部1を具える導体引出構造により行われる。引出部1は、L字状に屈曲させた銅製の棒状体からなるリード部2と、リード部2の外周に設けられる絶縁部3とを具える。リード部2は、一端が常電導材料からなる接続部13を介してモジュール11に接続され、他端が低温容器12を貫通して、低温容器12の側方から水平方向に引き出されている。絶縁部3は、リード部2における低温容器12を貫通する箇所の外周を覆い、一端が冷媒槽12a内の冷媒に浸漬され、他端が後述する絶縁収納部4内に導入されるように設けられ、リード部2と低温容器12とを絶縁する。この絶縁部3は、リード部2が挿通されるステンレスパイプの外周に繊維強化プラスチック(FRP)と箔電極とを積層した固体絶縁層を具え、両端部をテーパー状にした筒状体である。FRPと箔電極との積層は、いわゆるコンデンサー方式の電界緩和手段であり、テーパー箇所はストレスコーンである。また、絶縁部3は、その外周に図示しないフランジ部を具えており、フランジ部を介して冷媒槽12a、真空槽12bに固定される。図1に示すリード部2に置いて絶縁部3で覆われていない箇所は、図示しない補強絶縁層を設けている。
【0027】
低温容器12から引き出された引出部1の他端側は、絶縁収納部4に収納される。絶縁収納部4は、セラミックスからなる鍔付き碍管であり、内部にSFを充填している。絶縁収納部4は、引出部1の形状に合わせて低温容器12から側方に突出するように、つまりその軸方向が水平方向となるように設けている。
【0028】
更に、この導体引出構造では、絶縁収納部4を収納する外側収納部5を具える。リード部2は、この外側収納部5から端部が引き出されて電力機器と接続される。そこで、外側収納部5は、引出部1に対して要求される絶縁特性を十分に満たすセラミックスからなる鍔付き碍管により構成される。また、外側収納部5は、内部に乾燥エアを充填しており、乾燥エアが十分に乾燥状態を維持できるように閉鎖されている。絶縁収納部4を構成する碍管と、外側収納部5を構成する碍管とは、同程度の絶縁特性を有するように構成しているが、絶縁収納部4の碍管を外側収納部5の碍管よりも簡略化する、例えば、鍔の数を減らしたり、鍔の大きさを小さくしたりして絶縁特性が異なる構成としてもよい。或いは、絶縁収納部4として鍔のない碍管を用いてもよい。
【0029】
引出部1は、モジュール11と接続される一端側が、冷媒槽12aに導入され、冷媒により冷却されることで、冷媒温度といった極低温であり、低温容器12から引き出されて電力機器と接続される他端側が、常温環境からの侵入熱により上記一端側よりも温度が高く、常温により近い温度である。このような引出部1において冷媒槽12aから突出している長さを短くすると、引出部1に十分な温度勾配が設けられず、低温の引出部1により絶縁収納部4が冷却される。しかし、この導体引出構造では、結露の原因となる水分を実質的に含有しない乾燥エア中に絶縁収納部4が存在するため、収納部4の表面に結露が生じることを効果的に防止できる。一方、外側収納部5は、常温環境に配置されるが、その内部に絶縁収納部4が存在することで、引出部1によって冷却されにくくなり、その表面に結露が生じることが抑制され、十分な絶縁特性を維持することができる。従って、絶縁収納部と外側収納部との二重構造の収納部を具える本発明導体引出構造は、引出部の長さを短くしても、優れた絶縁特性を有することができる。特に、図1に示す引出部は、低温容器12の側方から突出するように収納部4、5を設けているため、導体引出構造の高さ方向(図1において上下方向)の大きさをより小さくできる。
【0030】
<変形例1-1>
上記実施例1では、外側収納部の内部に乾燥エアを充填する構成を説明したが、乾燥エアに代えて絶縁油やSFなどの絶縁ガスといった絶縁流体を充填してもよい。この構成も、外側収納部内に結露の原因となる水分が実質的に存在しないため、絶縁収納部が冷却されて低温となっても、絶縁収納部の表面に結露が生じない。従って、この構成も、実施例1と同様に結露発生による絶縁収納部の絶縁特性の劣化防止、及び絶縁収納部の存在による外側収納部の結露発生の抑制といった効果を奏する。これらの効果に加えて、この構成では、絶縁流体自体が有する絶縁特性により、収納部の絶縁特性をより高めることができる。
【0031】
<変形例1-2>
上記の例では、外側収納部の内部に乾燥エアや絶縁流体を充填する構成を説明したが、外側収納部の内部を真空状態としてもよい。この構成も上記の例と同様に外側収納部内に水分が実質的に存在しないため、絶縁収納部の表面に結露が生じない。従って、この構成も、実施例1と同様に結露発生による絶縁収納部の絶縁特性の劣化防止、及び絶縁収納部の存在による外側収納部の結露発生の抑制といった効果を奏する。これらの効果に加えて、この構成では、外側収納部内を真空引きすることで、絶縁収納部と外側収納部との間が断熱されるため、引出部から絶縁収納部を介して外側収納部が冷却されることを効果的に防止することができ、外側収納部の表面に結露がより生じにくい。
【0032】
<変形例1-3>
上記の例では、超電導限流器として、超電導限流素子を具えるものを説明したが、超電導コイルを具えるものや、超電導バルク材からなる筒状の超電導部を具えた磁気遮蔽型のものが利用できる。
【実施例2】
【0033】
次に、超電導ケーブルの端末構造として本発明導体引出構造を構築した例を説明する。図2は、超電導ケーブルにおいて本発明導体引出構造を構築した例を示す概略構成図であり、図中、図4と同一符号は同一物を示す。図2に示す超電導ケーブルの端末構造の基本的構成は、図4に示す従来の超電導ケーブルの端末構造と同様であり、この端末構造の最も特徴とするところは、冷媒槽30から引き出された引出部20の常温側機器との接続側が二重構造の収納部(絶縁収納部23、外側収納部24)に収納されていることにある。
【0034】
この端末構造は、超電導ケーブル100の超電導導体102に電気的に接続される引出部20と、引出部20の一端側が収納され、液体窒素が充填される冷媒槽30と、冷媒槽30の外周を覆うように配される真空槽31とを具える。真空槽31は、常温環境に設置している。また、冷媒槽30には、図示しない冷凍機が接続され、冷媒の冷却を行う。
【0035】
引出部20は、常電導材料からなる第一接続部103・接続導体104・第二接続部105を介して超電導導体102と接続されるリード部21と、リード部21の外周に設けられる絶縁部22とを具える。リード部21は、直線状の銅製の棒状体であり、一端が第二接続部105に接続され、他端が冷媒槽30、真空槽31を貫通して、真空槽31の上方に引き出されている。絶縁部22は、リード部21において両槽30,31を貫通する箇所の外周を覆い、一端が冷媒槽30内の冷媒に浸漬され、他端が後述する絶縁収納部23内に導入されるように設けられ、リード部21と両槽30,31とを絶縁する。絶縁部22の具体的な構成は、実施例1の絶縁部3(図1)と同様である。
【0036】
そして、この端末構造は、真空槽31から引き出された引出部20の他端側を収納する絶縁収納部23を具える。絶縁収納部23は、真空槽31の上方に突出するように、つまりその軸方向が垂直方向となるように設けられたセラミックスからなる鍔付き碍管であり、内部にSFを充填している。
【0037】
更に、この端末構造は、絶縁収納部23を収納する外側収納部24を具える。リード部21は、この外側収納部24から引き出されて常温側機器と接続されるため、外側収納部24は、引出部20に対して要求される絶縁特性を十分に満たすセラミックスからなる鍔付き碍管としている。また、外側収納部24は、内部に乾燥エアを充填しており、乾燥エアが十分な乾燥状態に維持できるように閉鎖されている。
【0038】
このように二重の収納部を具えることで、この端末構造は、引出部20の長さを図4に示す端末構造よりも短くしても、絶縁収納部23の表面や外側収納部24の表面に結露が生じることを効果的に防止し、優れた絶縁特性を有する。
【0039】
なお、図2に示すリード部21における絶縁部22で覆われていない箇所は、図示しない補強絶縁層を設けている。また、超電導導体102、第一接続部103、接続導体104の外周には、補強絶縁層106を設けている。この補強絶縁層106を含む接続導体104の一端、第二接続部105は、上記冷媒槽30に、超電導導体102・第一接続部103・接続導体104の他端は、冷媒槽30に接続した接続用冷媒管107に収納される。接続用冷媒管107は、冷媒槽30と同様に内部に冷媒が充填され、超電導導体102などを冷却する。接続用冷媒管107の外周には、接続用真空管108を設けている。また、接続導体104は、冷媒槽30を貫通しており、その貫通箇所に紡錘状のエポキシユニットを設けている。絶縁部22は、その外周に具えるフランジ部22a,22bを介して各槽30,31に固定される。冷媒槽30は、図示しない支持部材や吊部材により、真空槽31内に支持されている。真空槽31内における冷媒槽30と二重構造の収納部23,24との間には、中間真空部31cを設けて、冷媒槽30の断熱性を高めている。
【0040】
<変形例2-1>
上記実施例2では、外側収納部の内部に乾燥エアを充填する構成を説明したが、乾燥エアに代えて絶縁油やSFなどの絶縁ガスといった絶縁流体を充填してもよい。この構成も実施例2と同様に結露発生による絶縁収納部の絶縁特性の劣化防止、及び絶縁収納部の存在による外側収納部の結露発生の抑制を実現する。更に、この構成は、絶縁流体自体の絶縁特性により、収納部の絶縁特性をより高めることができる。
【0041】
<変形例2-2>
上記の例では、外側収納部の内部に乾燥エアや絶縁流体を充填する構成を説明したが、外側収納部の内部を真空状態としてもよい。この構成も実施例2と同様に結露発生による絶縁収納部の絶縁特性の劣化防止、及び絶縁収納部の存在による外側収納部の結露発生の抑制を実現する。更に、この構成は、引出部から絶縁収納部を介して外側収納部が冷却されることをより効果的に防止できる。
【実施例3】
【0042】
上記実施例1,2では、引出部が外側収納部を貫通する構成について説明した。ここでは、引出部が外側収納部を貫通しない構成について説明する。図3は、超電導ケーブルにおいて本発明導体引出構造を構築した例を示す概略構成図であり、引出部が外側収納部を貫通していない例を示す。また、図3において図2と同一符号は、同一物を示す。図3に示す超電導ケーブルの端末構造の基本的構成は、図2に示す端末構造と同様であり、冷媒槽40から引き出された引出部20の常温側機器との接続側が二重構造の収納部(絶縁収納部25、外側収納部26)に収納されている。特に、この端末構造の特徴とするところは、リード部21の常温側機器との接続側を外側収納部26に貫通させず、外側収納部26内に収納しているところにある。また、この端末構造の他の特徴として、引出部20を冷媒槽40の下方に引き出した構成としている。以下、これらの点を中心に説明し、基本的構成の詳細については省略する。
【0043】
この端末構造の基本的構成は、図2に示す構成の上下を逆転させたものに概ね相当し、冷媒槽40及び真空槽41の上下が入れ替わっており、真空槽41から下方に突出するように絶縁収納部25を具える。絶縁収納部25の基本的構成は実施例2の絶縁収納部23と同様である。但し、絶縁収納部23を上下逆転させた状態で設置させると、設置状態において下方から上方に傾斜して鍔が設けられ、このような鍔では、水切りができない。そこで、絶縁収納部25は、水切り可能なように、設置状態における上方から下方に傾斜するように鍔を形成している。そして、真空槽41を構造物の床面50に設置し、床面50からその裏面側の天井面51に貫通する貫通孔52に冷媒槽40の一部及び真空槽41の一部を挿通して、天井面51から絶縁収納部25を突出するように配置している。このように冷媒槽40及び真空槽41、絶縁収納部25を構造物に設置することで、これらの重量を構造物の床面50で支持することができ、設置安定性がよい。
【0044】
更に、この端末構造は、絶縁収納部25を収納する外側収納部26を具え、外側収納部26は、引出部20の端部が貫通されず、引出部20の端部及び常温側機器(図3では、常電導ケーブル60)の一部を内部に収納している。この外側収納部26は、構造物の空間を区画壁(仕切り部材)で区画して形成している。具体的には、天井面51における絶縁収納部25の突出箇所近傍を含むように区画壁を配置して外側収納部26が形成される。構造物内の既存の部屋を外側収納部に利用してもよい。また、外側収納部26は、その内部に乾燥エアを充填している。そのため、外側収納部26は、乾燥エアが十分に乾燥状態を維持できるように閉鎖可能で、かつ絶縁収納部25などのメンテナンスの際に内部に作業者が出入可能な構成としている。また、天井面51と絶縁収納部25の突出箇所との間には、外側収納部26の気密性を高めるために、シール部材(図示せず)を介在している。
【0045】
外側収納部26内の引出部20(リード部21)の端部には、常電導材料からなる接続部61を介して常電導ケーブル60の一端が接続されている。常電導ケーブル60の他端側は、ケーブル60の中間部に設けられたセラミックスからなるブッシング62を介して外側収納部26から突出させている。外側収納部26におけるブッシング62の貫通箇所には、貫通孔26aを設けており、この孔26aとブッシング62との間にもシール部材(図示せず)を介在させて、外側収納部26が気密に閉鎖されるようにしている。なお、引出部20に接続する常温側機器の構成によっては、ブッシング62を省略してもよい。
【0046】
この端末構造も二重の収納部を具えることで、実施例2と同様に引出部20の長さを短くしても、絶縁収納部25の表面に結露が生じて絶縁特性が劣化することを防止することができる。上記の例では、万が一、水分が付着しても十分に水切りができるように絶縁収納部25の鍔部の向きを絶縁収納部23と逆向きにした構成を説明した。しかし、構造物内の外側収納部26に絶縁収納部を収納することから、雨水などに接触する機会が実質的になく、かつ外側収納部26内に乾燥エアを充填していることから、鍔の付け方を変えた絶縁収納部25ではなく、絶縁収納部23をそのまま用いてもよい。或いは、絶縁収納部25の代わりに鍔のない碍管を用いてもよい。また、この端末構造では、リード部21が外側収納部26を貫通していないため、外側収納部26の表面に結露が生じても、引出部20に要求される絶縁特性が劣化されることがない。
【0047】
更に、この端末構造では、引出部20を真空槽41の下方に引き出すように構成しているため、冷媒槽40内に導入される絶縁部22の端部、具体的には、テーパー形状のストレスコーン部分を常時液体冷媒に浸漬させた状態とすることができる。冷媒槽40内は、通常、加圧状態で液体冷媒を充填し、気化しないようにしているが、事故などで気化したガスは、冷媒槽40の上方に集まる。従って、この端末構造では、冷媒槽40の下方に位置するストレスコーン部分にガスが付着して電気的性能が劣化することがないため、ガスの付着による電気性能の劣化を考慮して余裕をもって絶縁部を形成する必要がなく、絶縁部22をより短く、つまり、引出部20をより短くすることができる。そのため、この端末構造では、例えば、構造物内で高さ方向に制限があるようなスペースであっても、十分構築することができる。
【0048】
加えて、この端末構造では、定期的なメンテナンスが必要となる冷媒槽40及び真空槽41の設置空間と、メンテナンスの頻度が比較的小さい絶縁収納部25の設置空間(外側収納部26)とを異ならせている。そのため、冷媒槽40などのメンテナンスの際に乾燥エアが充填された外側収納部26内に作業者が入ることがないため、メンテナンス作業を容易に行うことができる。また、乾燥エアが充填された外側収納部26内に収納された絶縁収納部25などのメンテナンスを行う際、作業者は、この収納部26内で呼吸できるため、乾燥エアを充填した状態であってもメンテナンス作業を行うことができる。
【0049】
<変形例3-1>
上記実施例3では、外側収納部の内部に乾燥エアを充填する構成を説明したが、乾燥エアに代えて絶縁油やSFなどの絶縁ガスといった絶縁流体を充填してもよい。この構成も実施例3と同様に結露発生による絶縁収納部の絶縁特性の劣化を防止できる。加えて、この構成は、絶縁流体自体の絶縁特性により、引出部に対する絶縁特性の向上といった効果を奏する。また、この構成は、冷媒槽などのメンテナンスの際に外側収納部内の絶縁流体の除去や充填といった作業を行う必要がない。
【0050】
<変形例3-2>
上記の例では、外側収納部の内部に乾燥エアや絶縁流体を充填する構成を説明したが、外側収納部の内部を真空状態としてもよい。この構成も実施例3と同様に結露発生による絶縁収納部の絶縁特性が劣化することを防止できる。また、この構成は、冷媒槽などのメンテナンスの際に外側収納部の常圧復帰や真空引きといった作業を行う必要がない。
【0051】
<変形例3-3>
実施例3では、超電導ケーブルについて説明したが、超電導限流器、超電導変圧器、超電導電力貯蔵器についても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明超電導機器の導体引出構造は、超電導機器と常温側機器との間で電力の受け渡しを行う箇所に好適に構築することができる。超電導機器としては、超電導ケーブル、超電導限流器、超電導変圧器、超電導電力貯蔵装置が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】超電導限流器において本発明導体引出構造を構築した例を示す概略構成図である。
【図2】超電導ケーブルにおいて本発明導体引出構造を構築した例を示す概略構成図である。
【図3】超電導ケーブルにおいて本発明導体引出構造を構築した例を示す概略構成図であり、引出部が外側収納部を貫通していない例を示す。
【図4】従来の超電導ケーブルの端末構造を示す概略構成図である。
【図5】従来の超電導限流器の概略構成図である。
【符号の説明】
【0054】
1,20 引出部 2,21 リード部 3,22 絶縁部 4,23,25 絶縁収納部
5,24,26 外側収納部 10 超電導限流器 11 モジュール 12 低温容器
12a,30,40 冷媒槽 12b,31,41 真空槽 13 接続部 22a,22b フランジ部
26a 貫通孔 31c 中間真空部
50 床面 51 天井面 52 貫通孔
60 常電導ケーブル 61 接続部 62 ブッシング
100 超電導ケーブル 101 ケーブルコア 102 超電導導体 103 第一接続部
104 接続導体 105 第二接続部 106 補強絶縁層 107 接続用冷媒管
108 接続用真空管 110,210 引出部 111,211 リード部 112,212 絶縁ブッシング
113,213 碍管 120,204 冷媒槽 121,205 真空槽 200 超電導限流器
201 鉄心コア 202 超電導部 203 コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が貯留される冷媒槽と、この冷媒槽内に一端側が導入され、冷媒槽外に他端側が引き出される引出部とを具え、この引出部は、超電導部と電気的に接続又は電磁気的に結合され、かつ冷媒槽の内側と外側との間で電気的導通をとるリード部と、このリード部の外周に設けられる絶縁部とを有する超電導機器の導体引出構造であって、
前記冷媒槽から突出した前記引出部の他端側を収納し、かつ前記リード部に貫通される絶縁収納部と、
前記絶縁収納部を収納し、内部に乾燥エア又は絶縁流体が充填される外側収納部とを具えることを特徴とする超電導機器の導体引出構造。
【請求項2】
冷媒が貯留される冷媒槽と、この冷媒槽内に一端側が導入され、冷媒槽外に他端側が引き出される引出部とを具え、この引出部は、超電導部と電気的に接続又は電磁気的に結合され、かつ冷媒槽の内側と外側との間で電気的導通をとるリード部と、このリード部の外周に設けられる絶縁部とを有する超電導機器の導体引出構造であって、
前記冷媒槽から突出した前記引出部の他端側を収納し、かつ前記リード部に貫通される絶縁収納部と、
前記絶縁収納部を収納し、内部が真空引きされた外側収納部とを具えることを特徴とする超電導機器の導体引出構造。
【請求項3】
外側収納部は、リード部に貫通されており、リード部を絶縁する絶縁構造を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導機器の導体引出構造。
【請求項4】
更に、冷媒槽の外周に断熱槽を具え、絶縁収納部は、この断熱槽から突出して設けられており、
前記断熱槽は、構造物の床面に設置され、
前記絶縁収納部は、前記床面を貫通してこの床面の裏面側の天井面から突出するように設置され、
外側収納部は、前記天井面を含むように区画された空間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超電導機器の導体引出構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−266508(P2007−266508A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−92473(P2006−92473)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】