説明

超音波診断装置及び超音波プローブを用いた超音波診断装置並びに超音波診断システム

【課題】プローブの電子回路の消費電力、発熱を増大させることなくプリアンプのノイズレベルを小さくし、ダイナミックレンジを増大して連続波ドプラモード等の受信性能を確保し、良好な超音波画像を得ることが可能な超音波診断装置を提供することである。
【解決手段】超音波プローブ10は、アレイ状に配列された複数の超音波振動子15で超音波を被検体45に送受信し、該被検体45内の組織情報を得て受信される微弱な超音波エコーを増幅するプリアンプ群17を内蔵している。また、超音波振動子15の第1の領域に第1のプリアンプ群17aが接続され、第2の領域に第2のプリアンプ群17bが接続されている。そして、第1のプリアンプ群17aの動作を停止させる動作モードに於いて、第1のプリアンプ群17aに供給されていたバイアス電流を第2のプリアンプ群17bに供給するように制御回路19が切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波ビームを走査してリアルタイムに生体内の画像を得るリアルタイム超音波診断装置及び超音波プローブを用いた超音波診断装置並びに超音波診断システムに関し、特に、電子回路を内蔵したプローブを用いる超音波診断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、超音2次元(2D)アレイプローブ等に於いては、プローブヘッドに電子回路を内蔵し、送信波形の生成、受信エコーの増幅・部分的ビームフォーミングを行うようになってきている。こうした2次元アレイプローブを用いた超音波診断装置は、例えば下記特許文献1に記載されている。
【0003】
また、振動子エレメントサイズが小さくなることによるインピーダンスの上昇を抑えるために、積層圧電体等を用いることも考えられている。
【0004】
例えば、電子回路を内蔵したプローブを用いるリアルタイム超音波診断装置に於いて、プローブハンドルは、超音波振動子群と、パルサー群と、プリアンプ群と、サブアレイビームフォーマ群と、これらを制御する制御回路とで構成される。また、このプローブハンドルと、プローブケーブル、プローブコネクタ及び電子回路群と、プローブコネクタ内制御回路により、超音波プローブが構成される。
【0005】
一方、こうした超音波プローブがプローブコネクタを介して接続される超音波診断装置本体では、本体プリアンプ群で受信遅延加算処理が施された超音波エコー信号が増幅され、増幅された超音波エコー信号が、受信遅延加算回路でタイミングが合わされ、信号処理部で検波されてエンベロープが取り出され、画像処理部で座標変換され、画像表示に適した処理が施されて表示部に表示されることにより、リアルタイムで被観測体内の形態情報が表示される。
【0006】
ところで、被観測体内の血流に対して中心周波数f0の超音波の送受信が行われると、超音波ビームの周波数は流動する血球により、血流速度に比例するドプラ偏移fdを受けて、f0+fdの周波数の超音波エコーが受信される。したがって、そのドプラ偏移周波数fdを検出し、時間的な変化を表示することで、ドプラ画像として血流速度情報を表示することができる。
【0007】
またその際、検出されたドプラ偏移周波数fdを2次元にマッピングし、適切なカラー変換を行って先の超音波画像に重ね合わせて表示することにより、血流速度情報を含む被観測体内の画像をリアルタイムでカラードプラ画像(図示されない)として表示することができる。
【0008】
近年、超音波プローブに2次元アレイ振動子が用いられるようになり、振動子数が数千に増加し、個々の大きさが極めて小さくなってきている。この場合、超音波診断装置にプローブを直接接続すると、ケーブル本数が非常に多く必要であるためにケーブル全体がかなり太くなり、操作に支障をきたすと共に、微小な振動子に駆動用の波形を効率よく伝送すること及び微小な振動子で受信される超音波エコーを高品位で伝送することが困難である。
【0009】
このため、2次元アレイ等の場合は超音波プローブに、送信回路及び受信回路等の電子回路を実装し、数の多い微小振動子の駆動を容易に効率よく行い、また受信された微弱な超音波エコーを効率よく増幅するすると共に、数個単位の振動子毎に部分的な受信ビームフォーミングを行って加算することにより、超音波診断装置に入力する信号線の本数を低減することがしばしば行われている。
【特許文献1】特開2000−139907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、超音波プローブの温度上昇を許容可能なレベルに抑えるため、これらのプローブ内蔵の電子回路が発生する熱を少なくする必要がある。このために、内蔵電子回路に供給できる電源の電力を大きくすることができない、という課題を有している。一方、超音波エコーを増幅するプリアンプ群については、代表的な増幅素子としてFET(電界効果トランジスタ)がほとんどの場合に使用されている。このFETによるプリアンプは、ノイズを低減して広いダイナミックレンジを得るために、図7に示されるように、バイアス電流を多く必要とする。
【0011】
FETM1の入力換算ノイズ(熱雑音)は、以下のようにして求められる。
n =4kT(2/3)・(1/gm)
gm=2・ID /(VGS−VTH
したがって、ノイズを低減するためには、バイアス電流を大きくする必要がある。
【0012】
つまり、連続波ドプラ(SCW)モードのように振幅の大きいクラッタ(心臓壁等からの反射)に重畳した極めて微弱なドプラ信号を増幅するためには、通常のBモード画像を得る場合に比べて倍程度のかなり大きいバイアス電流を供給する必要がある。
【0013】
その結果、プリアンプの発熱が増加してプローブの温度上昇が大きくなり、過大な発熱を生じると共に、内蔵電子回路が正常に動作しなくなる虞れが生じる。これを避けるためにバイアス電流を抑えて使用すると、プリアンプのダイナミックレンジが十分得られず、微弱な信号成分を忠実に増幅することが困難となり、診断に必要な情報を得ることができない。
【0014】
したがって本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プリアンプ等の電子回路を内蔵した2次元アレイプローブ等を使用する超音波診断装置に於いて、プローブの電子回路の消費電力、発熱を増大させることなくプリアンプのノイズレベルを小さくし、ダイナミックレンジを増大して連続波ドプラモード等の受信性能を確保し、良好な超音波画像を得ることが可能な超音波診断装置及び超音波プローブを用いた超音波診断装置並びに超音波診断システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち請求項1に記載の発明は、アレイ状に配列された複数の超音波振動子で超音波を被検体に送受信し、該被検体内の組織情報を得て受信される微弱な超音波エコーを増幅するプリアンプ群を内蔵する超音波プローブを用いる超音波診断装置に於いて、上記複数の超音波振動子の第1の領域に接続される第1のプリアンプ群と、上記複数の超音波振動子の上記第1の領域とは異なる第2の領域に接続される第2のプリアンプ群と、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、該第1のプリアンプ群に供給されていたバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替え制御する制御回路と、を具備することを特徴とする超音波診断装置。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1及び第2のプリアンプ群で消費される電力の総量が上記複数の超音波振動子の第1の領域と第2の領域の比率を変更しても、その上限値を超えないように制御することを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記超音波プローブは、2次元アレイプローブであることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記第1及び第2のプリアンプ群は、上記超音波プローブ、若しくは該超音波プローブを超音波診断装置の本体に接続するためのプローブコネクタに内蔵されていることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードとして、ビームステアリングが可能な連続波ドプラモードが適用可能であることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を制御すると共に、上記第2のプリアンプ群に供給される第2のバイアス電流に加えて上記第1のバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御することを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を、上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替える切り替え手段を有することを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、アレイ状に配列されて超音波を被検体に送受信するもので、第1の領域及び第2の領域を有する複数の超音波振動子と、上記複数の超音波振動子の第1の領域及び第2の領域を駆動して上記超音波を送信させるパルサー群と、上記複数の超音波振動子の第1の領域及び第2の領域で受信された上記被検体内の組織情報を増幅するプリアンプ群と、上記第1の領域に接続される第1のプリアンプ群の動作を停止し、且つ上記第2の領域に接続される第2のパルサー群の動作を停止させる動作モードに於いて、該第1のプリアンプ群に供給されていたバイアス電流を上記第2の領域に接続される第2のプリアンプ群に供給するように制御する制御回路と、を具備することを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1及び第2のプリアンプ群で消費される電力の総量が上記複数の超音波振動子の第1の領域と第2の領域の比率を変更しても、その上限値を超えないように制御することを特徴とする。
【0024】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードとして、ビームステアリングが可能な連続波ドプラモードが適用可能であることを特徴とする。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を制御すると共に、上記第2のプリアンプ群に供給される第2のバイアス電流に加えて上記第1のバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御することを特徴とする。
【0026】
請求項12に記載の発明は、請求項8に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を、上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替える切り替え手段を有することを特徴とする。
【0027】
請求項13に記載の発明は、アレイ状に配列されて超音波を被検体に送受信するもので、第1の領域及び第2の領域を有する複数の超音波振動子と、上記複数の超音波振動子の第1の領域及び第2の領域を駆動して上記超音波を送信させるパルサー群と、上記複数の超音波振動子の第1の領域で受信された上記被検体内の組織情報を増幅する第1のプリアンプ群と、上記複数の超音波振動子の第2の領域で受信された上記被検体内の組織情報を増幅する第2のプリアンプ群と、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、該第1のプリアンプ群に供給されていたバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御する制御回路と、を有する超音波プローブと、上記超音波プローブに接続されて、該超音波プローブで得られた情報を得ると共に電源を供給する超音波診断装置と、を具備することを特徴とする。
【0028】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1及び第2のプリアンプ群で消費される電力の総量が上記複数の超音波振動子の第1の領域と第2の領域の比率を変更しても、その上限値を超えないように制御することを特徴とする。
【0029】
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の発明に於いて、上記超音波プローブは、2次元アレイプローブであることを特徴とする。
【0030】
請求項16に記載の発明は、請求項13に記載の発明に於いて、上記第1及び第2のプリアンプ群は、上記超音波プローブ、若しくは該超音波プローブを超音波診断装置に接続するためのプローブコネクタに内蔵されていることを特徴とする。
【0031】
請求項17に記載の発明は、請求項13に記載の発明に於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードとして、ビームステアリングが可能な連続波ドプラモードが適用可能であることを特徴とする。
【0032】
請求項18に記載の発明は、請求項13に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を制御すると共に、上記第2のプリアンプ群に供給される第2のバイアス電流に加えて上記第1のバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御することを特徴とする。
【0033】
請求項19に記載の発明は、請求項13に記載の発明に於いて、上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を、上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替える切り替え手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、プリアンプ等の電子回路を内蔵した2次元アレイプローブ等を使用する超音波診断装置に於いて、プローブの電子回路の消費電力、発熱を増大させることなくプリアンプのノイズレベルを小さくし、ダイナミックレンジを増大して連続波ドプラモード等の受信性能を確保し、良好な超音波画像を得ることが可能な超音波診断装置及び超音波プローブを用いた超音波診断装置並びに超音波診断システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0036】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るもので、電子回路内蔵プローブを用いたリアルタイム超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に於いて、本実施形態の超音波診断装置は、超音波プローブ10と、この超音波プローブ10が本体側プローブコネクタ25で接続された超音波診断装置本体30とから構成されている。
【0038】
そして、上記超音波プローブ10は、プローブハンドル11と、このプローブハンドル11に一端が接続されたプローブケーブル12と、このプローブケーブル12の他端に接続されたプローブコネクタ13とから構成される。
【0039】
プローブハンドル11は、超音波振動子群15と、パルサー群16と、プリアンプ群17と、サブアレイビームフォーマ群18と、これらを制御するプローブハンドル内制御回路19とで構成される。
【0040】
超音波振動子群15は、例えば、後述するようにN×Mのアレイ状に配列されて成るもので、被観測体45(例えば心臓)に対して超音波を送受信する。パルサー群16は、超音波振動子群15に接続されるもので、プローブハンドル内制御回路19で生成された異なるタイミングに従って超音波振動子群15を駆動して、所定の指向性を有する超音波ビームを発生させるためのものである。これにより、パルサー群16からの電気信号に従って、超音波振動子15から被観測体45に向けて超音波ビームが照射される。
【0041】
プリアンプ群17は、超音波振動子群15から送波された超音波ビームが、被観測体45内の構造物の境界等の音響インピーダンスの異なる界面で反射を受け、当該被観測体45内の構造・動き等の情報を得て、超音波振動子群15で受信される微弱な超音波エコー信号を良好に伝送するために、低雑音増幅またはバッファリング等の処理を行うものである。サブアレイビームフォーマ群18は、上述したプリアンプ群17からの出力信号を数チャネルのグループで遅延時間を与えて加算し、当該超音波プローブ10からの出力信号線の数を減少させるものである。これにより、プローブケーブル12の本数を減少させている。
【0042】
プローブハンドル内制御回路19は、上述したパルサー群16、プリアンプ群17及びサブアレイビームフォーマ群18の動作を制御するためのものである。このプローブハンドル内制御回路19からの制御信号により、プリアンプ群17はバイアス電流等の動作条件を個々に設定できるように構成されている。
【0043】
プローブハンドル11とプローブコネクタ13は、上述したようにプローブケーブル12により接続されている。プローブコネクタ13内は、複数の電子回路から成る電子回路群22と、プローブコネクタ内制御回路21とにより構成されている。上記電子回路群22は、必要に応じて増幅、バッファリング、帯域調整等の超音波エコー信号の追加処理を行う。また、プローブコネクタ内制御回路21は、上記電子回路群22の動作を制御すると共に、後述する超音波診断装置本体30より伝送される制御信号を基にして、プローブハンドル内制御回路19に伝送する制御信号を生成するものである。
【0044】
超音波診断装置本体30は、本体プリアンプ群31と、本体受信遅延加算回路32と、信号処理部33と、画像処理部34と、表示部35と、本体送信遅延回路38と、本体パルサー群39と、本体制御回路40と、操作パネル41とより構成される。
【0045】
本体プリアンプ群31では、超音波プローブ10にて数チャネルのグループで最初の受信遅延加算処理が施された超音波エコー信号が増幅される。これらの増幅された超音波エコー信号は、本体受信遅延加算回路32にてタイミングが合わせられる。そして、上記超音波信号は、信号処理部33にて検波されてエンベロープが抽出される。更に、このエンベロープが抽出された超音波信号は、画像処理部34にて被観測体45の断面に合わせて座標変換されたり、画像表示に適した階調処理等が施されたりした後、表示部35に表示される。これにより、図2に示されるように、リアルタイムで被観測体内の形態情報が、表示部35に表示される。
【0046】
また、本体制御回路40は、超音波診断装置本体30内の各処理部の動作を制御すると共に、プローブコネクタ13のプローブコネクタ内制御回路21に制御情報を伝送するためのものである。操作パネル41は、動作モードとして、ビームステアリングが可能な連続波ドプラ(SCW)モードを行う場合等、操作者が情報を入力或いは選択するための操作を行うための入力手段である。
【0047】
尚、本体送信遅延回路38と本体パルサー群39は、超音波プローブが電子回路を内蔵しない場合、すなわち超音波振動子15を超音波診断装置本体30が駆動する通常のプローブを接続する場合に動作させるものであり、通常、超音波診断装置本体30に内蔵されて構成されるが無くともよい。
【0048】
次に、図3のフローチャートを参照して、本発明の第1の実施形態に於ける超音波診断装置の動作について説明する。
【0049】
図示されない電源装置により電源が投入されると、本ルーチンが開始される。そして、先ずステップS1にて、全チャンネルのプリアンプ群17に対して基本バイアス電流ibを設定する制御コードが転送される。そして、図4(a)に示されるような、N×Mの2Dアレイ状に配列された振動子群50から、N×M個のプリアンプ群17で増幅された超音波エコー信号が、超音波診断装置本体30に転送される。そして、本体プリアンプ群31によって、超音波プローブ10で数チャネルのグループで最初の受信遅延加算処理が施された超音波エコー信号が増幅される。それらの増幅された超音波エコー信号が、本体受信遅延加算回路32でタイミングが合わせられ、信号処理部33で検波されてエンベロープが抽出される。そして、画像処理部34にて、被観測体45の断面に合わせて座標変換が行われると共に、画像表示に適した階調処理等が施される。これにより、ステップS2にて、通常モード、例えばBモード等の画像が表示部35に表示される。
【0050】
この状態に於いて、SCWモードが行われるものとする。すると、ステップS3にて、操作者が超音波診断装置本体30の操作パネル41を操作してSCWモードが選択される。この場合、操作パネル41上の図示されないスイッチがオンされて、SCWモードが選択される。この操作パネル41からの入力に基づいて、本体制御回路40では、超音波診断装置本体30の動作がSCWモードに設定されると共に、超音波プローブ10のプローブコネクタ内制御回路21に制御信号が伝送される。すると、プローブコネクタ内制御回路21では、プローブハンドル内制御回路19にて処理できる形態に制御信号が調整される。そして、この調整された制御信号(制御コード)がプローブハンドル内制御回路19に伝送される。
【0051】
プローブハンドル内制御回路19では、上記制御信号に基づいてパルサー群16及びプリアンプ群17が制御される。これにより、図4(b)に示されるように、N×Mの2Dアレイ状に配列された振動子群50が、超音波の送信を行う領域50aと、受信を行う領域50bに分割される。そして、ステップS4に於いて、受信を行うこのSCW受信領域50bのパルサー群16をオフにするための制御コードが、プローブコネクタ内制御回路21から転送される。
【0052】
更に、続くステップS5にて、送信を行うSCW送信領域のプリアンプ群17aをオフにするための制御コードが、プローブコネクタ内制御回路21から転送される。次いで、ステップS6にて、図4(a)に示されるように、プリアンプ群17aで通常使用しているバイアス電流ibが、SCW受信領域50bのプリアンプ群17bのバイアス電流ibに加算されるように制御が行われる。
【0053】
通常通常のパルス送受信モードは、図4(a)に示されるように、N×Mの2Dアレイ50は、N×Mの全素子で送受信を行い、そのときのN×M個のプリアンプ群17のバイアス電流はibである。そして、SCWモードに於いては、プローブの領域を、送信を行う部分と受信を行う部分に分けて使用する。すなわち、図4(b)に示されるように、(N/2)×Mのアレイ(SCW送信領域)50aと、(N/2)×Mのアレイ(SCW受信領域)50bとに分ける。したがって、送信を行う部分のSCW送信領域50aに接続される(N/2)×M個のプリアンプ群17aはオフ(バイアス電流が0)にされる。そして、これらのSCW送信領域にあるプリアンプ群17aに供給していたバイアス電流(ib)を、SCW受信領域のプリアンプ群17bに加算する。つまり、SCW受信領域のプリアンプ群17bに供給されるバイアス電流はib+ib(=2ib)となり、バイアス電流を増加させる。尚、バイアス電流の増加は、本来オフにされるプリアンプで使用されていた分であるから、内蔵している電子回路の消費電力は増加することはない。
【0054】
本実施形態の場合、プローブハンドル11で消費する電力が所定の値を超えないように制御することにより、プローブハンドル11で発生する熱を増加させることなく、SCWの受信に使用する領域のプリアンプを、ノイズを低減し、ダイナミックレンジが向上した状態で動作させ、振幅の大きいクラッタ(心臓壁などからの反射)に重畳した極めて微弱なドプラ信号を良好に増幅する。その結果、被観測体内の血流に対して中心周波数f0の超音波の送信が行われて、超音波ビームの周波数が心臓や血管の壁の非常に遅い動きと共に、流動する血球により、血流速度に比例するドプラ偏移fdを受けたf0+fdの周波数の微弱な超音波エコーが心臓や血管壁等の非常に遅い動きによる振幅の大きいクラッタ成分に重畳した状態で良好に受信されるので、そのドプラ偏移周波数fdを検出し、時間的な変化を表示することで、図5に示されるようにSCWドプラ画像として血流速度情報が表示される。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0056】
上述した第1の実施形態は、超音波振動子15及びプリアンプ群17の分割を、本体制御回路40、プローブコネクタ内制御回路21及びプローブハンドル11内の制御回路ま制御によるソフトウエア処理によって行っていた。この第2の実施形態は、超音波振動子15及びプリアンプ群17の分割をハードウエアで行うものである。
【0057】
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。尚、電子回路内蔵プローブを用いたリアルタイム超音波診断装置の構成については、上述した第1の実施形態と同じであるので、同一の部分に同一の参照番号を付して説明は省略し、動作についてのみ説明する。
【0058】
図6は、本発明の第2の実施形態に於ける超音波診断装置の動作について説明するフローチャートである。
【0059】
図示されない電源装置により電源が投入されると、本ルーチンが開始される。そして、先ずステップS11にて、全チャンネルのプリアンプ群17に対して基本バイアス電流ibが、図示されない専用のラインよって供給される。そして、本体プリアンプ群31によって、超音波プローブ10で数チャネルのグループで最初の受信遅延加算処理が施された超音波エコー信号が増幅される。それらの増幅された超音波エコー信号が、受信遅延加算回路32でタイミングが合わせられ、信号処理部33で検波されてエンベロープが抽出される。そして、画像処理部34にて、被観測体45の断面に合わせて座標変換が行われると共に、画像表示に適した階調処理等が施される。これにより、ステップS12にて、通常モード、例えばBモード等の画像が表示部35に表示される。
【0060】
ここで、ステップS13にて、SCWモードが行われる。すると、操作者が超音波診断装置本体30の操作パネル41を操作してSCWモードが選択される。この場合、操作パネル41上の図示されないスイッチがオンされて、SCWモードが選択される。この操作パネル41からの入力に基づいて、本体制御回路40では、超音波診断装置本体30の動作がSCWモードに設定されると共に、超音波プローブ10のプローブコネクタ内制御回路21に制御信号が伝送される。すると、プローブコネクタ内制御回路21では、プローブハンドル11内の制御回路19にて処理できる形態に制御信号が調整される。そして、この調整された制御信号(制御コード)がプローブハンドル11内の制御回路19に伝送される。
【0061】
プローブハンドル11内の制御回路19では、上記制御信号に基づいてパルサー群16及びプリアンプ群17が制御される。これにより、図4(b)に示されるように、N×Mの2Dアレイ状に配列された振動子群50が、超音波の送信を行う領域50aと、受信を行う領域50bに分割される。そして、ステップS14に於いて、受信を行うこのSCW受信領域50bのパルサー群16の電源がオフにされる。つまり、電源ラインまたはバイアス電流が、例えばプローブハンドル内制御回路19等に設けられたリレーや半導体スイッチによって遮断される。
【0062】
更に、続くステップS15にて、送信を行うSCW送信領域のプリアンプ群17の電源がオフにされる。つまり、電源ラインまたはバイアス電流が、プローブハンドル内制御回路19等に設けられたリレーや半導体スイッチによって遮断される。次いで、ステップS16にて、図4(a)に示されるように、プリアンプ群17に、上述した専用ラインにて通常使用しているバイアス電流ibの2倍のバイアス電流2ibが供給される。
【0063】
このように構成しても、バイアス電流の増加は、本来オフにされるプリアンプで使用されていた分であるから、内蔵している電子回路の消費電力は増加することはない。
【0064】
尚、本第2の実施形態に於いては、ハードウエアとして、パルサー群16、プリアンプ群17の電源をオフにするためのリレーや半導体スイッチをプローブハンドル内制御回路19内に設けた例で説明したが、これに限られるものではない。例えば、パルサー群16やプリアンプ群17等に設けてもよい。
【0065】
以上述べた第1及び第2の実施形態に於いて、プリアンプ群で消費される電力の総量は、超音波振動子の送信領域と受信領域の比率を変更しても、その上限値を超えないように制御されているのは勿論である。
【0066】
また、上述した第1及び第2の実施形態に於いては、超音波振動子群15は2次元アレイの場合を記述したが、これに限定されるものではない。1次元アレイや不規則に配置されたアレイ状振動子等に関しても、同様の適用が可能である。
【0067】
更に、プリアンプ群17はプローブハンドル11に内蔵されることに限定するものではない。プローブコネクタ13に内蔵することも可能であり、同様の効果を得ることができる。更に、SCWモードに限定されるものでもなく、超音波振動子群15を目的の異なる動作領域に分けて使用するモードについては全く同様の適用が可能である。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0069】
更に、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るもので、電子回路内蔵プローブを用いたリアルタイム超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の超音波診断装置の表示部35にリアルタイムで表示される被観測体内の形態情報の例を示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に於ける超音波診断装置の動作について説明するフローチャートである。
【図4】(a)は通常のパルス送受信モードに於ける超音波振動子とプリアンプ部について説明する図、(b)はSCWモードに於ける超音波振動子とプリアンプ部について説明する図である。
【図5】SCWドプラ画像として表示される血流速度情報の例を示した図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に於ける超音波診断装置の動作について説明するフローチャートである。
【図7】従来の超音波エコーを増幅するFETのバイアス電流とノイズの関係について説明する図である。
【符号の説明】
【0071】
10…超音波プローブ、11…プローブハンドル、12…プローブケーブル、13…プローブコネクタ、15…超音波振動子群、16…パルサー群、17…プリアンプ群、18…サブアレイビームフォーマ群、19…制御回路、21…プローブコネクタ内制御回路、22…電子回路群、25…本体側プローブコネクタ、30…超音波診断装置本体、31…本体プリアンプ群、32…本体受信遅延加算回路、33…信号処理部、34…画像処理部、35…表示部、38…本体送信遅延回路、39…本体パルサー群、40…本体制御回路、41…操作パネル、45…被観測体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状に配列された複数の超音波振動子で超音波を被検体に送受信し、該被検体内の組織情報を得て受信される微弱な超音波エコーを増幅するプリアンプ群を内蔵する超音波プローブを用いる超音波診断装置に於いて、
上記複数の超音波振動子の第1の領域に接続される第1のプリアンプ群と、
上記複数の超音波振動子の上記第1の領域とは異なる第2の領域に接続される第2のプリアンプ群と、
上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、該第1のプリアンプ群に供給されていたバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替え制御する制御回路と、
を具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
上記制御回路は、上記第1及び第2のプリアンプ群で消費される電力の総量が上記複数の超音波振動子の第1の領域と第2の領域の比率を変更しても、その上限値を超えないように制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
上記超音波プローブは、2次元アレイプローブであることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
上記第1及び第2のプリアンプ群は、上記超音波プローブ、若しくは該超音波プローブを超音波診断装置の本体に接続するためのプローブコネクタに内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードとして、ビームステアリングが可能な連続波ドプラモードが適用可能であることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を制御すると共に、上記第2のプリアンプ群に供給される第2のバイアス電流に加えて上記第1のバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を、上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替える切り替え手段を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
アレイ状に配列されて超音波を被検体に送受信するもので、第1の領域及び第2の領域を有する複数の超音波振動子と、
上記複数の超音波振動子の第1の領域及び第2の領域を駆動して上記超音波を送信させるパルサー群と、
上記複数の超音波振動子の第1の領域及び第2の領域で受信された上記被検体内の組織情報を増幅するプリアンプ群と、
上記第1の領域に接続される第1のプリアンプ群の動作を停止し、且つ上記第2の領域に接続される第2のパルサー群の動作を停止させる動作モードに於いて、該第1のプリアンプ群に供給されていたバイアス電流を上記第2の領域に接続される第2のプリアンプ群に供給するように制御する制御回路と、
を具備することを特徴とする超音波プローブを用いた超音波診断装置。
【請求項9】
上記制御回路は、上記第1及び第2のプリアンプ群で消費される電力の総量が上記複数の超音波振動子の第1の領域と第2の領域の比率を変更しても、その上限値を超えないように制御することを特徴とする請求項8に記載の超音波プローブを用いた超音波診断装置。
【請求項10】
上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードとして、ビームステアリングが可能な連続波ドプラモードが適用可能であることを特徴とする請求項8に記載の超音波プローブを用いた超音波診断装置。
【請求項11】
上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を制御すると共に、上記第2のプリアンプ群に供給される第2のバイアス電流に加えて上記第1のバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御することを特徴とする請求項8に記載の超音波プローブを用いた超音波診断装置。
【請求項12】
上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を、上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替える切り替え手段を有することを特徴とする請求項8に記載の超音波プローブを用いた超音波診断装置。
【請求項13】
アレイ状に配列されて超音波を被検体に送受信するもので、第1の領域及び第2の領域を有する複数の超音波振動子と、上記複数の超音波振動子の第1の領域及び第2の領域を駆動して上記超音波を送信させるパルサー群と、上記複数の超音波振動子の第1の領域で受信された上記被検体内の組織情報を増幅する第1のプリアンプ群と、上記複数の超音波振動子の第2の領域で受信された上記被検体内の組織情報を増幅する第2のプリアンプ群と、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、該第1のプリアンプ群に供給されていたバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御する制御回路と、を有する超音波プローブと、
上記超音波プローブに接続されて、該超音波プローブで得られた情報を得ると共に電源を供給する超音波診断装置と、
を具備することを特徴とする超音波診断システム。
【請求項14】
上記制御回路は、上記第1及び第2のプリアンプ群で消費される電力の総量が上記複数の超音波振動子の第1の領域と第2の領域の比率を変更しても、その上限値を超えないように制御することを特徴とする請求項13に記載の超音波診断システム。
【請求項15】
上記超音波プローブは、2次元アレイプローブであることを特徴とする請求項13に記載の超音波診断システム。
【請求項16】
上記第1及び第2のプリアンプ群は、上記超音波プローブ、若しくは該超音波プローブを超音波診断装置に接続するためのプローブコネクタに内蔵されていることを特徴とする請求項13に記載の超音波診断システム。
【請求項17】
上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードとして、ビームステアリングが可能な連続波ドプラモードが適用可能であることを特徴とする請求項13に記載の超音波診断システム。
【請求項18】
上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を制御すると共に、上記第2のプリアンプ群に供給される第2のバイアス電流に加えて上記第1のバイアス電流を上記第2のプリアンプ群に供給するように制御することを特徴とする請求項13に記載の超音波診断システム。
【請求項19】
上記制御回路は、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させる動作モードに於いて、上記第1のプリアンプ群の動作を停止させるべく該第1のプリアンプ群に供給されていた第1のバイアス電流を、上記第2のプリアンプ群に供給するように切り替える切り替え手段を有することを特徴とする請求項13に記載の超音波診断システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−18087(P2008−18087A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−193086(P2006−193086)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】