説明

足場

【課題】船舶のタンクや圧力容器のような大型構造物の内部に作業面を成すデッキを設置し、そのデッキの両端部に作業空間を提供するプラットホーム部が組立て積層された足場において、その構造を改善することで作業デッキの重さを分散させ、撓み発生量が低減されるようにし、大規模な構造物の場合においても使用可能な足場を提供する。
【解決手段】大型構造物51の内部作業用足場において、作業面を形成するデッキ54、上記デッキの下部に一体化されて上記デッキを底面で支える支持部材52、上記デッキの両端上部に組立て積層されて垂直壁面の作業空間を提供するサイドプラットホーム部56、そして天井作業時の作業空間を確保するための上端プラットホーム部58を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は船舶のタンクあるいは圧力容器のような大型構造物の内部に設置して作業空間を提供する足場に関するもので、船舶のタンクのような大型構造物の内部に作業面を成すデッキが設置され、そのデッキの両端部に作業空間を提供するプラットホーム部が組立て積層された足場に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に足場は、構造物が完成する前段階で設置され、作業者の接近及び作業が容易に進められるように空間を提供する。普通、建築物のような構造物は建築物の外部に足場が設置されるが、圧力容器、タンク、ドームなどのような構造物の内部工事の際に外部に設置される足場とは多少異なる。
【0003】
韓国特許登録番号第0174764号(アメリカ特許第5613573号)に開示された、従来の技術による足場の横断面図である図1を参照すると、従来の技術による足場は構造物(1)の内部に設置され、底面から2本の支柱(3)が設置される。また、上記支柱(3)の両側外部面には片持ち梁形態で可変の高さに装着されたモジュロールプラットホーム(6)が設置される。また、上記2本の支柱(3)の間には、これらを互いに支持して上記モジュロールプラットホーム(6)によって増えた重さを支えるために、左右連結構造材として少なくとも2つの横断部材(4、5)が設置される。
【0004】
また、上記足場には上記モジュロールプラットホーム(6)に近づくための接近手段(7)が設置されるが、このような接近手段(7)は上記支柱(3)内に、あるいは、それに接するように配列される。
【0005】
ここで、上記支柱(3)は上記足場の縦軸と一直線に配列された少なくとも2つ、具体的には3つの柱脚列(9a、9b、9c)を具備しており、上記柱脚列は上記支柱(3)に対する柱脚列の少なくとも1つの列(ライン)は任意に調節ができるよう設置される。
【0006】
また、図1に表示されたa、b及びcは後述する荷重分析のための測定点である。
【0007】
最近、前記韓国特許登録番号第0174764号に記載されたLNG船防熱工事用足場に対して、足場の組立て及び分解撤去における手間の省力化、作業効率及び信頼性の向上などのために改良した特許出願として特許文献1、特許文献2等がある。
【特許文献1】特開2004−17844
【特許文献2】特開2002−331989
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術による足場は、上記構造物(1)が大きくなるにつれて足場も大きくなり、上記支柱(3)も長くなり、また上記の横断部材(4、5)の幅が広くなるにつれて撓みが大きくなり、これによって上記足場の安全性が落ちるため、より剛性の強い部材が必要になってくる。そして資材費の増加だけでなく、足場の組立て及び分解撤去に多くの時間を要してしまうという問題点がある。また、従来の技術による足場は、上記横断部材(4、5)が上記支柱(3)に固定されることで、上記支柱(3)と繋がれる部位に荷重の集中が発生する。この時、上記支柱(3)に発生する応力集中現象を図2の(a)と(b)を参照して詳述すると次のようになる。
【0009】
従来の技術による足場の設計荷重を示した図2の(a)と、図2の設計荷重を示したダイヤグラムである図2の(b)を参照すると、設計荷重に対する応力は力F1に表示され、底面から1次横断部材(4)までの距離はA1で、1次横断部材(4)から2次横断部材(5)までの距離はB1である。また、力F1が加えられるところと支柱(3)との距離はC1である。
【0010】
この時の荷重分析は、上記1次横断部材(4)及び2次横断部材(5)が上記支柱(3)と繋がれる地点の固定程度がビーム構造に近いのでビーム理論を適用した場合、支柱(3)の先端部に適用されるモーメント(M0)は数1のように、力F1と距離C1の倍になる。また、1次横断部材(4)に作用されるモーメント(M1)は数2のように、モーメント(M0)と距離B1を支柱(3)の全体の長さ(A1+B1)で割った数値の倍である。.
【0011】
【数1】

【0012】
【数2】

【0013】
図2の(a)から分かるように、従来の技術は2つの横断部材を中心に上記支柱の変形が現われ、2つの横断部材の間の幅が増大すると自然に変形量δ1の量も増加する。したがって、δ1を減らすためには2つの支柱の剛性及び横断部材の剛性も増大させなければならない。従来の足場システムでは、区間A1及びB1、特にB1区間で荷重方向と鉛直の方向の撓み(δ1)は与えられる荷重が大きくなればなるほど、すなわち、横断部材間の空間が大きくなるほど大きくなってしまう。同じく、大きなモーメントの発生で部材力もやはり大きくなる。
【0014】
本発明の目的は、前述した従来の技術の問題点を解決するためのものとして、足場の構造を改善して横断部材の撓み発生量が低減するようにし、特に足場下部の剛性を増加させることで構造物が大きくなっても安全性は高く、そして足場を構成する資材の使用量が減少できる足場を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を果たすための本発明の一実施例による足場は、大型構造物の内部作業のための足場において、上記構造物の下端部で横方向に作業面を形成するデッキ(deck)と;底面に所定の間隔で設置され、上部に上記デッキが設置される支持部材であって、上記デッキの下部に一体に形成されて上記デッキを底面で支持する支持部材と;上記デッキの両端上部にマトリックス(matrix)状に組立て積層されて作業空間を提供するサイドプラットホーム(side platform)部と;上記サイドプラットホーム部の両上端部の間を連結して構造物の形態によって上部作業が必要な場合に作業空間を提供する上部プラットホーム部とを含む。
【0016】
このように、作業面を形成するデッキと上記デッキを支持する支持部材とが一体型フレーム構造で形成されることによって従来の足場に比べて剛性が増大し、足場の組立てに必要な資材が節減できる効果がある。また、本発明の足場においてサイドプラットホーム部が上記デッキ上に載せられた構造になっていることから、構造物の大きさの拡大に伴う拡張性は上記デッキ上の横方面に大きくなる。
【0017】
本発明の他の実施例によると、上記支持部材は上記デッキの両端部から所定距離内で形成されるので上記支持部材の側面と上記デッキの底面を連結する補強リブを含み、支持部材とデッキの連結部の強度を大きくさせることが望ましい。
【0018】
また、上記デッキの両端の下部はストッパー(stopper)によって上記構造物上の上記デッキを支持することが望ましい。これは、上記デッキの両端部は下部の支持部材の支持位置により上部に設置されたサイドプラットホーム部の荷重によって下部への撓め応力が発生することもあるので、これを支持するためである。また、上記デッキの上部に設置されたサイドプラットホーム部の側面はタンクのような構造物の両壁面とサイドストッパー(side stopper)によって支持されることが望ましい。
【0019】
また、上記ストッパーは端部の長さを調節するための長さ調節部を含むのが望ましく、これによって上記ストッパーの長さが調節され上記サイドストッパーの末端部が接触する構造物の壁面でも作業することが可能になる。
【0020】
また、上記支持部材の下端にはそれぞれ2つ以上のレッグライン(leg line、柱脚列)が設けられていて、上記レッグラインは任意に高さの調節が可能なので底面での作業が容易である。
【0021】
本発明の構造物に使われる足場は陸上用タンクの内面の設置工事や海上用タンクの設置工事のように内部空間での作業が必要な構造物を意味する。望ましくはLNG船のLNGタンク内面に防熱体を取り付ける工事用の足場である。
【発明の効果】
【0022】
前述のように構成された本発明による、中空の大型構造物内部作業などに使われる足場は、デッキの撓み発生量が低減され、特に規模の大きい構造物でも使用可能である。
【0023】
また、足場の多くの区間でモーメント量が減少されるので剛性が向上される。これによって部材数を更に減らすことができ、足場の組立て及び分解撤去に要する時間も少なくなるという長所がある。また、サイドストッパーが設置された区間においても小さな反力を有するようになり、より安全性の高い足場の提供が可能になるという長所もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を添付した図面を参照し、詳しく説明する。
【0025】
図3は本発明による足場の実施の一形態を示す横断面図である。
【0026】
本発明による足場は、大型構造物(51)の製作や高い所などでの作業の際、作業者用の作業空間と物などの置き場とを提供する。
【0027】
上記足場は、底面に所定の間隔で支持部材(52)が設置され、上記支持部材(52)の上部には作業面を形成するデッキ(54)が設置される。そこで、上記デッキ(54)は大型構造物(51)の内部の作業ができるよう、上記デッキ(54)上にサイドプラットホーム部(56)が積層設置された支持構造物の形態で構成される。
【0028】
上記デッキ(54)は荷重の分散のために、タンクの底から約1/3の高さに設置される。
【0029】
また、上記支持部材(52)には上記デッキ(54)の応力を補強するため、上記支持部材(52)の側面と上記デッキ(54)の底面とを連結する補強リブ(53)が設置される。
【0030】
上記デッキ(54)の下部には上記デッキ(54)を支持する支持部材(52)が一体型で設置されている。上記補強リブ(53)は上記デッキ(54)の両端部に、それぞれ構造物の壁面に沿って設置される。上記補強リブ(53)はその下部に上記構造物の壁面に沿ってレッグライン(59a、59b、59c)を具備している。上記レッグライン(59a、59b、59c)は従来の技術の柱脚列に対応するものとして、それぞれの支持部材(52)の下端に2つ以上のラインで構成することができ、それぞれのレッグライン(59a、59b、59c)は大型構造物(51)の下部に設けられる。
【0031】
図3を参考とすると、上記レッグライン(59a、59b、59c)は3つのラインで構成されており、上記レッグライン(59a、59b、59c)は任意の高さで調節が可能なので、支持部材(52)下端での設置工事を容易に行うことができる。このような高さの調節の構成については、上記特開2004−17844及び特開2002−331989に詳しく記載されており、本発明でも同一構成の採用が可能である。
【0032】
上記デッキ(54)は資材保管のための広い空間を提供し、下部では上記支持部材(52)によって非常に限られた空間だけを占める。上記デッキ(54)はトラス構造で下部の支持部材(52)と一体化されたフレーム構造になっているので、強い力を支持することができ、特に、上記大型構造物(51)の大きさが増す場合にも、従来の足場の1次横断部材(4)で発生する撓みや剛性の低下等の問題点は発生しない。このように、安定した構造を形成するため、本発明の足場はその組立てに必要な資材の必要量が減少するだけでなく、足場の組立てと分解撤去に要する時間も短縮できる利点がある。
【0033】
一方、上記デッキ(54)の上部両端部には上記大型構造物(51)の垂直壁面の設置工事時の作業を行うための空間を提供する、サイドプラットホーム部(56)が設置される。
【0034】
上記サイドプラットホーム部(56)はマトリックス形象の構造で成り立っているので、その下部のデッキ(54)に載せられており、上記サイドプラットホーム部(56)の端部には上記モジュロール部材が片持ち梁(cantilever)形態または張り出し方式(overhang manner)で可変の高さに装着される。これによって作業者が大型構造物(51)の側壁に容易に近づくことができる。上記サイドプラットホーム部(56)の上端部には隣接したサイドプラットホーム部(56)の上端部と繋がれて上部作業のための上部プラットホーム部(58)が設置される。
【0035】
図5を見ると、上記サイドプラットホーム部(56)は作業者が作業することができる空間を提供する大梁(56a)と、上記大梁(56a)を支持するビーム部材(56b)を含む。更に、上記サイドプラットホーム部(56)は上記大梁(56a)の先端部には水平方向に伸縮可能なテレスコ梁(56c)を含む。これにより、上記大型構造物(51)の側壁に沿って上記テレスコ梁(56c)の引き出し又は受け入りができ、上記大型構造物(51)との接近性が向上される。
【0036】
上記上部プラットホーム部(58)は上部作業ができるようにするだけではなく、それぞれのサイドプラットホーム部(56)を固定させ、内側または外側へ力または反力が発生しないようにする。また、サイドプラットホーム部(56)の側部は上記サイドプラットホーム部(56)が横方向に押されることを防止するために、上記大型構造物(51)の内側面に沿って上記サイドプラットホーム部(56)を支持するサイドストッパー(side stopper)(57)(60)の列(ライン)を有することができる。
【0037】
図5は本発明による足場の実施の一形態でのサイドストッパーの詳細図で、上記サイドストッパー(57)(60)は上記サイドプラットホーム部(56)の横力によって、上記サイドプラットホーム部(56)の適当な高さの位置(2ヵ所以上の位置)で上記構造物(51)の内側面に沿ってライン(line)を形成しながら設置される。
【0038】
これによって上記サイドプラットホーム部(56)は上記サイドストッパー(57)(60)及び上記上部プラットホーム部(58)によって左右への動きを制限し構造物の安全性を大きく向上させる。
【0039】
また、上記サイドストッパー(57)(60)の端部には上記サイドストッパー(57)(60)の長さを調節するための長さ調節部(P)を含む。上記サイドストッパー(57)(60)は、上記長さ調節部(P)を調節することで上記サイドストッパー(57)(60)の端部が上記大型構造物(51)の側壁に触れるように伸び、上記サイドプラットホーム部(56)の横力を支持するようにし、上記サイドストッパーの末端部と接触する大型構造物(51)の壁面での作業が必要な場合、長さを縮め大型構造物(51)の壁面の作業を行うことができる。下記のデッキ下端部のストッパー(55)も同じ方式で伸縮することができる。
【0040】
一方、上記サイドプラットホーム部(56)の下端と対応する位置に上記支持部材(52)が設置される場合、上記サイドプラットホーム部(56)による垂直荷重は上記デッキ(54)の最末端にも及ぶので、このような荷重を受けるデッキ(54)の末端部は下の方向に撓め応力が発生することがある。このような撓め応力を支持するために、上記デッキの両端下側部は1つ以上の下部ストッパー(stopper)(55)の列によって上記構造物から支持される。
【0041】
一方、上記サイドプラットホーム部(56)の内側には作業の時作業者の移動空間を提供する接近手段が具備される。上記接近手段は上記マトリックス構造のサイドプラットホーム部(56)をジグザグ型に移動できる階段(L)で設置可能であり、また、別途の駆動部を設置し垂直方向に昇降できる(図示されていない)エレベーターで設置することも可能である。
【0042】
また、図3に示されたd、e、及びfは、後述の荷重分析のための測定点である。
【0043】
図4の(a)と(b)は、本発明による足場の実施の一形態での設計荷重を示した図及びそのダイヤグラムで、設計荷重に対する反力は力F2に表示し、底面からデッキ(54)までの距離はA2で、上記デッキ(54)から上部プラットホーム部(58)までの距離はB2である。また、力F2が加えられる点と力の作用点との距離はC2である。
【0044】
この時の荷重分析は、上記デッキ(54)のA2区間でビーム理論を適用すれば、その値が少し上がる傾向があるものの、上記デッキ(54)の上記サイドプラットホーム部(56)と完全フレーム構造で結合し、その結合の程度(stiffness)が高いのでビーム理論を適用することは難しい。しかし、足場の大部分を占める区間B2は大体ビーム構造に近く、ビーム理論を適用すると、その値がかなり減少する。
【0045】
この時、上記デッキ(54)に作用されるモーメントは数3のように、力F2と距離C2の倍になる。また、上記の上部プラットホーム部(58)に作用されるモーメント(M1)は数4のように、モーメント(M0)と距離B2を全体の長さ(A2+B2)で割った値の倍になる。
【0046】
【数3】

【0047】
【数4】

【0048】
図4の(a)から分かるように、本発明は上記デッキ(54)と上部プラットホーム部(58)に変形が生じるようになるものの、上記デッキ(54)が上記サイドプラットホーム部(56)と堅く繋がれ、上記デッキ(54)の両端部で力が分散される。これによって上記デッキ(54)の変形量δ2が発生する。ここで発生する変形量δ2は従来の足場で発生する変形量δ1と比べ、非常に小さいものである。
【0049】
特に、区間A2でのモーメントは従来と類似しているが、大部分のモーメントが発生するB2区間では変形量δ2の大きさが非常に小さい。このような結果から判断すれば、デッキを含む足場の大きさを更に拡大させることが可能になる。
【0050】
また、本発明による足場は、上記デッキ(54)と上部プラットホーム部(58)の部材数を減らしても従来のモーメント量を維持することができる。
【0051】
図4の(c)は2つ以上のサイドストッパーを使う場合の変位を表すもので、2つ以上のサイドストッパーを使って少なくとも1つ以上の力を支持しているので、荷重による変形量(δ3)は一層小さくなる。
【0052】
一方、本院の発明者たちは、本発明による足場と、韓国特許登録番号第0174764号に掲載されている従来技術による足場("デュアリブ形態")との強度の比較分析を行うため、構造解析を実施した。
【0053】
構造解析のための荷重条件は同一条件の設計示方書に準じた。境界条件も実際作業時発生する作業条件及び図6に適用し図示された条件を考慮した。図6で(a)、(b)、(c)はそれぞれ荷重条件ケース1、ケース2、ケース3に当たる。
【0054】
構造解析の結果を評価するための設計基準(design criteria)はAISC(American Institute of Steel Construction)の規則に従う。
【0055】
ここでは'ユニティ チェック(Unity Check(UC))'という概念を用い、構成された部材について評価するが、その基準は次の通りである。また、AISC評価式にはビーム(beam)要素の曲げ/引張応力及び坐屈(buckling)応力についてすでに適用(interaction)されている。
【0056】
【表1】

【0057】
従来の技術による足場と、本発明による足場との構造解析の結果は下の表2の通りである。
【0058】
【表2】

【0059】
このように、上記表2を見てみると、従来の技術(例えば、デュアリブ形態)の足場は最大撓みが28.16mm、26.66mm、35.06mmであるのに対し、本発明(DSME形態)の足場は最大撓みが24.91mm、23.39mm、29.85mmと測定されている。また、本発明では必要な部材数も少ないことが分かる。
【0060】
このような測定結果から、本発明の足場は従来の足場に比べて撓みの発生が少なく、これは上記足場が変形しないことを意味すると同時に、構造的にもより安定していることが分かる。
【0061】
上記の表2の結果のように、柱の役目をする2つのフレーム構造に上下部の2つの橋(bridge)形態のトラスを置いた従来技術の足場より、本発明による足場は少ない撓みの発生と高い強度、全体的な反力面においてもはるかに良い値を示している。
【0062】
これによって、本発明による足場は、モーメント量及び上記サイドストッパー(side stopper)(57)(60)の設置された区間B2での側反力が減少されるので、上記足場の部材数を減らせるだけでなく構造的にも安定化する。
【0063】
以上のように本発明による大型構造物の建造に使われる足場を例示した図面を参照し説明したが、本発明は上記で説明した実施例と図面だけに限らず、特許請求範囲内及び本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者によって様々な修正及び変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】従来技術による足場の横断面図である。
【図2】従来技術による足場の設計荷重を示した図及びそのダイヤグラムである。
【図3】本発明による足場の実施の一形態を示す横断面図である。
【図4】本発明による足場の実施の一形態での設計荷重を示した図及びそのダイヤグラムである。
【図5】本発明による足場の実施の一形態でのサイドストッパーの詳細図である。
【図6】本発明による足場の実施の一形態と従来技術による足場の、構造解析のための条件を示した簡略図である。
【符号の説明】
【0065】
51 大型構造物
52 支持部材
53 補強リブ
54 デッキ
55 下部ストッパー
56 サイドプラットホーム部
57 サイドストッパー
58 上部プラットホーム部
59a レッグライン
59b レッグライン
59c レッグライン
60 サイドストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型構造物の内部作業のための足場において、
上記構造物の下端部で横方向に作業面を形成するデッキと;
底面に所定の間隔で設置され、上部に上記デッキが設置される支持部材であって、上記デッキの下部に一体に形成されて上記デッキを底面に支持する支持部材と;
上記デッキの両端上部にマトリックス(matrix)状に組立て積層されて作業空間を提供するサイドプラットホーム部と;
上記サイドプラットホーム部の両上端部の間を連結して作業空間を提供する上部プラットホーム部とを有することを特徴とする足場。
【請求項2】
上記支持部材は上記デッキの両端部で所定距離の内側で形成され、
上記支持部材の側面と上記デッキの底面を繋ぐ補強リブを有することを特徴とする請求項1に記載の足場。
【請求項3】
上記デッキの両端下側部は1つ以上のストッパー(stopper)によって上記構造物から支持されることを特徴とする請求項1に記載の足場。
【請求項4】
上記サイドプラットホーム部の側部は、構造物の両壁面のサイドストッパー(side stopper)によって支持されることを特徴とする請求項1に記載の足場。
【請求項5】
上記ストッパーは、長さ調節が可能なことを特徴とする請求項3に記載の足場。
【請求項6】
上記サイドストッパーは、長さ調節が可能なことを特徴とする請求項4に記載の足場。
【請求項7】
上記支持部材下端にはそれぞれ2つ以上のレッグラインが固定されており、上記レッグラインは任意に高さ調節が可能なことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の足場。
【請求項8】
上記大型構造物は、LNGタンクであることを特徴とする請求項7に記載の足場。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−150214(P2009−150214A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331353(P2008−331353)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【分割の表示】特願2005−218862(P2005−218862)の分割
【原出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(503032452)大宇造船海洋株式会社 (14)
【Fターム(参考)】