足関節置換人工装具
整形外科用インプラントに適した人工装具は、一つの人工関節面が別の人工関節面と様々な方法で関節運動するのを支援するマルチピースの幹部品を有する。この人工装具はネジもその他の留め具も用いることのない確実な固定手段を提供するスナップ式および/または連結式で取り付けることができる。この人工装具は、超高分子量ポリエチレンなどから作られるプラスチック関節面の取り付けに適応する。この人工装具は脛骨の主軸に対して踵骨、足底部の切開部を介した低侵襲アクセスによって構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる足関節置換システムの使用に非常に適している。この人工装具は、骨の切り込みを作製するため、ならびに人工装具部品を取り付けるために足関節への低侵襲前面アクセスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、足関節置換人工装具およびシステム、ならびに関連する手術器具および手技に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
1970年代の初めから中頃まで、一般にリウマチ、あるいは変形性関節症または外傷性関節炎などが引き起こす足関節の負傷または疾患を持つ患者は、自分の足関節が機能不全になった場合ほとんど選択肢を持たなかった。これらの患者が自分の足関節のいくらかの機能を再構築するのを助ける最も一般的な手段は、固定による関節の閉塞であったが、これは今日も一般的に用いられる手法である。しかし、固定は足関節を硬化させ、また多くの場合は下肢に対する動きを制限して、これが限られた使用や膝関節や股関節へのさらなる圧迫をもたらしていた。
【0003】
人工足関節の最初の使用報告は、恐らく1969年のBuckholzによるものである。普通の人間の関節を模倣することが広く試みられていた足関節の可動域が、置換によって可能となったため、医学界はそのような足関節置換が足関節の利用の増加を広くもたらしたことを認めた。それ以来、足関節置換人工装具の使用はますます一般的になり、設計は改善されていった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、足の自然な動きの大部分を保持しながら沈下や無腐性の緩みの発生を低下させる足関節全置換システムが必要である。治癒の向上と欠陥率の低下を提供するために、そのような器具を取り付けるためのより侵襲性の低い外科手技もまた必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の概要)
本発明は整形外科用人工装具およびシステム、ならびに関連する手術器具および手技を提供する。
【0006】
本発明の一態様は、人工装具のためのマルチピース幹(stem)部品を提供する。このマルチピース幹部品はそれが関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントであろうとなかろうと、人工装具の固定に幹が必要とされる全ての外科手技での使用に適している。このマルチピース幹部品構造は、大きい部品を取り付けるために小さな外科的開口部を使用する低侵襲手技において、骨の成分同士を固定するのに申し分なく適している。二つ以上の小さな幹部品は、より大きな幹部品を作るためにお互い連続してインサイチュで取り付けることができる。マルチピース幹部品の取り付けのための代表的な器具や手順もまた提供される。
【0007】
本発明の別の態様は、関節運動するだけでなく人工関節が軸の周囲を回転できるようにする相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節を提供する。これにより人工装具の機能と寿命を最大限にするために、より一様な面の磨耗が可能になる。
【0008】
本発明の別の態様は、関節運動し軸の周囲を回転するだけでなく、自家骨に対する前方、後方、および側方への移動を提供する相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節を提供する。
【0009】
本発明の別の態様は、それぞれが鞍状形部品を含む、関節運動する人工関節面を提供する。鞍状形は、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される第一の弧によって画定される面を含む、掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる。外形は各面に対して、軸に沿って曲線を描く細長い溝を形成する。
【0010】
本発明の別の態様は、ネジもその他の留め具も用いることのない確実な固定手段を提供するスナップ式および/または連結式で組み立てられる人工関節面を支える人工装具を提供する。
【0011】
本発明の別の態様は、超高分子量ポリエチレンなどから作られるプラスチック関節面の取り付けに適応する人工装具を提供する。
【0012】
本発明の別の態様は、踵骨、足底部の切開部を介した低侵襲アクセスによって、脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる足関節置換システムを提供する。脛骨の軸に沿った骨髄内ガイダンスにより、適切に方向付けられた、足関節への前面アクセスを介した距骨と脛骨の骨の切り込みが可能になる。足関節全システムの適切な全体の配置は、それらが置換する自家の足関節の通常の軸全てとの所望の位置合わせと方向付けにおいて達成され、長期的結果の改善が達成される。
【0013】
本発明の別の態様は、脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技を提供する。望ましくは、低侵襲骨髄内ガイダンスはX線透視可視化を用いて脛骨の主軸に対して構築される。
【0014】
本発明の別の態様は、骨の切り込みの作製と人工装具部品を取り付けるための足関節への低侵襲前面アクセスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技を提供する。
【0015】
本発明の別の態様は、踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築を可能にする人工装具、器具、および手技を提供する。
【0016】
本発明の他の目的、利点、および実施形態は続く記述においてある程度説明されるか、またある程度はこの記述により明らかとなるか、または本発明の実施から学ばれても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(好適な実施形態の説明)
この説明は、開示の簡便性のために論理的セクションに分けられる。セクションIは、後述する足関節全置換システムと方法の解剖学的背景を示すために、読者を下肢および足関節の解剖学に案内する。セクションIIは、足関節全置換システムの脛骨および距骨−踵骨部品と望ましい形状、はめ合わせ、および機能を持つ器具の代表的な実施形態の構造説明を提供する。セクションIIIは、足関節全置換システムの埋め込みに有用なシステム、方法、および技法と、望ましい形状、はめ合わせ、および機能を達成するための器具の代表的な実施形態の説明を提供する。
【0018】
この文書の開示は、当業者が本発明を実施できるようにするため詳細で正確であるが、ここに開示される物理的実施形態は本発明を例示するものにすぎず、これはその他の特異的構造において具体化されてもよい。好適な実施形態が記述されているが、特許請求の範囲で定義される本発明から逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0019】
(I.下肢と足関節の解剖)
図1に示すように、足部は中足骨13と結合する14本の指骨すなわち足の指の骨11を含む。距骨15が脛骨16と腓骨18を支える、7本の足根骨14、ならびにかかとの骨すなわち踵骨17も存在する。足根骨の中で、距骨15と踵骨17は最も大きく互いに隣接している。その他の足根骨は舟状骨19、3本の楔状骨21、および立方骨23を含む。
【0020】
(II.足関節全置換システム)
(A.概略)
図2は足関節全置換システム10を示す。一般的には言えば、システム10は脛骨16への取り付けのために大きさと構造が決定される脛骨の土台12を含む。また図2に示すように、脛骨の土台12は望ましくは脛骨の幹28を含む。このシステムはまた距骨15への取り付けのために大きさと構造が決定される距骨の土台20を含む。また図2に示すように、距骨の土台20は距骨の幹26を含む。
【0021】
脛骨の土台12は脛骨の人工関節面22を持つ。距骨の土台20は距骨の人工関節面24を持つ。脛骨の人工関節面22と距骨の人工関節面24は、関節運動するように相互に大きさと構造が決定される面を持つ。関節運動する関節面22と24は、自家の関節を模倣する可動域を再構築するために取り除かれる(後述のように)自家の足関節面を置換する。
【0022】
関節面22と24は、一般的に人工装具技術に用いられる様々な材料から作られても良く、これにはポリエチレン、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、ゴム、チタン、チタン合金、クロムコバルト、外科用スチール、またはその他の関節全置換金属および/またはセラミック、骨内部成長面、焼結ガラス、人工骨、セメントで結合されていない金属または陶材面、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これに限定されるものではない。関節面22と24は異なる材料を含んでも良い。例えば、脛骨の関節面22はプラスチックまたはその他の非金属材料を含んでもよく、距骨の関節面は金属材料を含む。この反対も当てはまり、あるいは面22と24はそれぞれ同種の材料を含んでも良い(すなわち、金属−金属またはプラスチック−プラスチック)。
【0023】
(B.代表的な実施形態)
脛骨の土台12、距骨の土台20、および/またはそれらが持つ関節運動する人工足関節22と24は様々に構成されてもよく、様々な技術的特徴を有する。構造と特徴の代表的な例をここに説明する。
【0024】
(1.幹)
(a.距骨の幹)
距骨の幹26は様々に大きさと構造が決定されてもよい。図2に示すように、幹26は距骨を踵骨に橋渡しする。この幹26は、もしそれが患者にとって必要または有益なものならば、距骨下関節の固定とともに距骨の土台を支える二重機能を提供する。
【0025】
図2に示すように、置換システム10はReiley U.S.Pat.No.6,663,669に開示される多くの技術的特徴を内蔵する。例えば、距骨の土台20は踵骨17および/または距骨15に固定され、これにより固定に利用できる骨の量を増やすことができる。幹26が提供する距骨下関節の固定は、距骨の土台20の距骨15および踵骨17両方への固定を可能にする。もう一つの方法として、外科技術の当業者に一般的な方法を用いて距骨下関節は固定される、これには、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨および骨髄合成物、プレートとネジ、またはそれらの組み合わせを用いた固定が含まれるがこれに限定されるものではない。
【0026】
利用できる骨基剤の範囲の拡大は人工装具に安定性を提供し、距骨の土台20のネジなどを用いた固定を可能にする。このデザインは人工足関節全体に安定性と圧力吸収を提供し、人工関節の緩みや沈下の可能性を減少させる。
【0027】
なお、距骨を踵骨へ橋渡ししない距骨の幹26を用いた人工関節システムもまた安定性、確実な固定、および寿命を提供することができる。図3に示す距骨の幹26は距骨を踵骨へと橋渡ししない。代わりに、幹26が足関節の後方〜前方へと距骨の前方先端に突出している。距骨の先端は大きな距骨の骨性成分であり、距骨の土台20に取り付けるための大量の骨組織を提供する。必要ならば、距骨下関節は今しがた記述した任意の方法を用いて別々に固定されてもよい。
【0028】
既知の距骨の幹26はどれも、一般的に人工装具技術に用いられる様々な材料から作られても良く、これはチタン、チタン合金、タンタル、クロムコバルト、外科用スチール、ポリエチレン、吸収性ポリマー、またはその他の関節全置換金属および/またはセラミック、骨内部成長面、焼結ガラス、人工骨、セメントで結合されていない金属または陶材面、またはそれらの組み合わせを含むが、これに限定されるものではない。距骨の幹26はさらに、抗菌剤、抗血栓剤、および骨誘導剤、またはそれらの組み合わせなどの様々なコーティングで塗装されてもよい。これらの薬剤はさらに、距骨の幹26表面の孔を充満するかもしれない生分解性担体材料に含まれても良い。ここに文献として盛り込まれているU.S.Pat.No.5,947,893を参照されたい。必要ならば、距骨の幹26は塗装されてもよく、ならびに/または多孔性メッシュ、ヒドロキシアパタイト、またはその他の多孔質表面などの骨質の内への成長を可能にする材料から形成されてもよい。
【0029】
距骨の幹26は適切と見なされるどんな大きさまたは形状であってもよく、望ましくは処置を受ける部位の形態学や配置を考慮して、医師によって選択される。医師は望ましくは、単純X線写真、X線透視検査、またはMRIまたはCTスキャンなどを用いた目的の骨の形態学の事前分析に基づいて、望ましい大きさおよび/または形状を選択する能力がある。大きさおよび/または形状は幹26の周囲の骨への支えおよび/または結合を最適化するために選択される。幹26は長さ2cmから12cm、幅4から14mmの間で可変する。代表的な実施形態において、距骨−踵骨幹26は長さ約65から75mm、幅約7から13mmである。開示される実施形態において幹が円形の断面を持つのに対し、幹は他の様々な断面形状に形成されてもよく、これには楕円形、多角形、不規則性、またはそのいくつかの組み合わせが含まれるが、これに限定されないことを理解すべきである。加えて、回転を減少させるならびに/または防止するために幹はアーチ状に曲げることができ、一定のまたは可変の断面幅であってもよい。
【0030】
距骨の幹26は、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨合成物、ネジ、またはそれらの組み合わせ、または補綴手術の当業者に一般的なその他の固定材料を用いてもよい。
【0031】
後により詳細な説明を加えるが、距骨の土台20の他の部品を距骨の幹26に固定および/またははめることができるように、その全長そのまたはその上面に沿って距骨の幹26は追加的にインターロック部品を持っても良い。
【0032】
(2.脛骨の幹)
距骨の幹26のように、脛骨の幹28関節置換材料または人工装具技術に一般的に用いられる材料であればどのようなものから作られても良く、これは金属、セラミック、チタン、チタン合金、タンタル、クロムコバルト、外科用スチール、ポリエチレン、吸収性ポリマー、またはその他の関節全置換金属および/またはセラミック、骨内部成長面、焼結ガラス、人工骨、セメントで結合されていない金属または陶材面、またはそれらの組み合わせを含むがこれに限定されるものではない。脛骨の幹28はさらに、一つ以上の抗菌剤、抗血栓剤、および骨誘導剤、またはそれらの組み合わせなどのコーティングで塗装されても良い。これらの薬剤はさらに、脛骨の幹28の孔を充満するかもしれない生分解性担体材料に含まれても良い。米国特許第5,947,893号を参照されたい。
【0033】
また距骨の幹26のように、脛骨の幹28は、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨合成物、ネジ、またはそれらの組み合わせ、または補綴手術の当業者に一般的なその他の固定材料を用いて脛骨に固定されても良い。図で示した実施形態では、脛骨の幹28は脛骨16にネジで固定される。もしネジが使われた場合、前方、後方、内側、側方におよび/または斜角で、あるいはその任意の組み合わせで伸びることができる。
【0034】
脛骨の幹28は、長さ20mmから300mm、幅6mmから20mmの間で可変する。好適な実施形態では、脛骨の幹28は好ましくは少なくとも長さ50mmである。当然ながら、患者の体格、彼らの骨寸法、ならびに予想される将来的な患者の運動性次第で、開示される脛骨の幹28が実質的には任意の長さになりうることを理解すべきである。一般的にはより体格が大きく、大きな骨を持ち、予想される運動性が高い患者は(すなわち彼らがかなり歩き回るまたは走り回る場合)、沈下、緩み、ならびに脛骨の骨溶解を防ぐために、安定性の増加と圧力の広範な配分を提供するため、望ましくはより長い幹28を持つことになる。必要ならば、幹28は外側に伸長する羽根などの回転防止機能を内蔵でき、例えば、幹28に沿って配置された長さ0.5から25cm、幅1から3mmで、鋭角または鈍角の先端を持つ一つ以上の羽根、または幹28に対する弓形状、例えば1から10度の範囲の前方または後方または側方、またはそれらのいくつかの組み合わせの弓形状などである。さらに、必要ならば、脛骨の幹28の表面には、望ましくは膝へ向かう角度で、くさび形または突端などの不整があってもよく、これは脛骨の幹28が沈下するのを抑止および/または防止する。他の方法として、脛骨の幹28の幅は幹28の長さに従って変化してもよく、これはさらに回転および/または沈下を抑止および/または防止する。
【0035】
後により詳細な説明を加えるように、幹28をインサイチュで組み立てられるようにおよび/または脛骨の土台12の他の部品を脛骨の幹28に固定できるように、脛骨の幹28はその全長に沿っておよび/またはその下面にインターロック部品を追加的に持ってもよい。
【0036】
(3.マルチピース幹)
図4Aは、それが関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントのどれであれ、インプラントの固定に幹を必要とする外科手技での使用に適するマルチピース脛骨の幹30を図解するものである。図で示した実施形態では、幹30は、先端(すなわち上部)部品32、一つ以上の中間部品34、および底部(すなわち下部)部品36を含む。幹30の骨内の先端部品32の方向への進展を容易にするために、先端部品30は望ましくは凸形またはドーム形である。
【0037】
マルチピース構造は、骨成分同士を低侵襲手技で申し分なく結合するのに適している。この構造はまた、大きい部品を取り付けるために小さな外科的開口部が使用される低侵襲外科手術に申し分なく適している。この構造は大きい部品を、一般的には個々の幹部品32/34/36の挿入方向に直角にすなわち横から取り付けるために小さな外科的開口部を使用できるようにする。このマルチピース幹30の態様は、後の代表的な外科手技の考察の後に非常に明らかとなるだろう。
【0038】
二つ以上の小さい幹部品32/34/36は、より大きな幹部品を作るためにインサイチュで連続して互いに取り付けられる(図4B参照)。例えば、先端部品32は底部部品36に結合されてもよい。他の方法として、一つ以上の中間部品34は所望の長さの幹30を形成するために先端および底部部品32と36の間に配置されてもよい。部品32/34/36は、図のように互いにネジ締めされてもよく、またはモールステーパ、4分の1回転、またはその他の固定方法を用いて取り付けられてもよい。他の方法として、幹部片32/34/36はモールステーパと糸の組み合わせ、またはモールステーパと外部ピンまたはネジの組み合わせを用いて互いにはめ合わせることができる。
【0039】
後により詳細な説明を加えるように、部品32/34/36の一つ以上が、図4Aに示すように骨内部の部品32/34/36の進展を容易にするために、ならびに/または隣接する部品32/34/36の内部へ部品32/24/36をねじ込むためにドライバーまたはその他の工具とかみ合うように内部六角形状38またはその他の非回転構造を含んでも良い。同様に、一つ以上の部品32/34/36はまた、取り付け時に、つかむまたは別の方法で部品32/34/36を固定するためにレンチまたはその他の工具とかみ合うように外部六角形状40またはその他の非回転構造を含んでも良い。
【0040】
後により詳細な説明を加えるように、各部品32/34/36は、足関節内の小さい前方開口部などの小切開を介して個々に取り付けられるように、望ましくは大きさと構造が決定される。このようにして(図4B参照)、(あらかじめ穴を開けられた)脛骨の骨髄内経路内部などのインサイチュで個々の部品32/34/36を互いに連続して結合でき、はじめに先端部品32を骨髄内経路を徐々に上方に進展させることができる。最後の、すなわち底部部品36は、人工足関節の上半分を含むことになる人工装具(例えば、脛骨の土台12)に結合するように大きさと構造が決定される。
【0041】
マルチピース構造は低侵襲手技を用いた取り付けを可能にするだけでなく、もしそれらが単独部品で構成されていたならば達成されないかもしれない長い固定部材または幹を取り付けるための方法を提供する。
【0042】
長いまたは伸長したマルチピース幹30が特に脛骨での使用に非常に適している一方で、マルチピース幹30はその他の長骨または距骨にも同様に使用できる。
【0043】
(4.関節運動する人工足関節)
関節運動する人工足関節22と24は、プラスチック(例えばポリエチレン)、セラミック、または金属またはその組み合わせ(例えば背面金属プラスチック)で作られていても良い。それらは様々な構造を有し、様々な方法で関節運動してもよい。多種の代表的な実施形態を説明のためにここで記述する。
【0044】
(a.嵌合する凹状/凸状面)
図5に示すように、関節運動する面22と24の基本的な配置は玉継手を形成できる。この配置では、関節運動する面22と24は嵌合する凹状と凸状面を含む。ある配置では、脛骨の人工関節面22は凹状半球体を含み、距骨の人工関節面24は、取り付けられた時凹状半球体と結合する凸状半球体を含む。これは、それらが置換する自家の関節面の構造を模倣する。
【0045】
図5に示すように、距骨の面24の凸状半球体は、幹26を使うことなく距骨15内部の穴が開けられたくぼみに差し込まれるボタン状構造を含むことができる。ボタン状構造は幹26を使うことなく、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨合成物、ネジ、またはそれらの組み合わせ、または補綴手術の当業者に一般的なその他の固定材料を用いて固定できる。設置を容易にするために、ボタン状構造はペグ40または同様の付属物を幹自体の代わりに含むことができる。
【0046】
この配置では、面22が幹28に対して動かなくするモールステーパ結合によって脛骨の面22は幹28に固定される。
【0047】
(b.回転凹状/凸状面)
図6は、関節運動する面22と24が関節運動するだけでなく人工関節が脛骨の軸の周囲を回転できるようにする相補的な玉継ぎ手面を含む実施形態を図解する。これにより人工装具の機能と寿命を最大限にするために、より一様な面22と24の磨耗が可能になる。
【0048】
前述した実施形態と同様に、関節運動する面22と24の基本的な配置は玉継手を含む。脛骨の人工関節面22は凹状半球体を含み、距骨の人工関節面24は、取り付けられた時凹状半球体と結合する凸状半球体を含む。
【0049】
距骨の人工関節面24は幹26によって支えられる。面22は、この面22と距骨の間で相対運動が起きないように、モールステーパ結合によって幹26に固定される。
【0050】
脛骨の人工関節面22は土台12によって支えられる。土台12もまた脛骨の幹28にモールステーパ結合によって固定される。土台12と幹28の間に動きは起こらない。しかし、土台12と関節面22の間の結合は回転性のはめ合いを含む。このはめ合いは関節面22上の嵌合する溝25の内部で入れ子状に重なる土台46に従属する円筒環23との間で達成される。この回転性のはめ合いは土台12と相対する幹28の軸の周囲、ひいては幹28が固定されている脛骨の軸の周囲を面22が回転できるようにする。この回転性連結はより自由に脛骨に対する足の回転に適応し、機械的な均衡と安定性を高める。
【0051】
(c.平行移動面)
図7A、7B、および7Cは関節運動する面22と24が関節運動し、脛骨の軸の周囲を回転するだけでなく、嵌合する関節面の脛骨に対する前方、後方、および側方への移動に適応する相補的な玉継ぎ手面を含む実施形態を図解する。
【0052】
先の配置のように(図7Aと7B参照)、脛骨の人工関節面22はカップまたはソケット状の面を含み、距骨の人工関節面24は取り付けられた時脛骨の人工関節面22のカップ状面と結合するボール状面を含む。
【0053】
また先の配置のように(さらに図7Aと7Bを参照)、距骨の人工関節面24は幹26によって支えられる。面22は、この面22と距骨の間で相対運動が起きないように、モールステーパ結合によって幹26に固定される。
【0054】
脛骨の人工関節面22は土台12によって支えられる。土台12もまた脛骨の幹28にモールステーパ結合によって固定される。土台12と幹28の間に動きは起こらない。しかし、土台12と関節面22の間の結合は、関節面22の中の大きい穴42と土台12上の径の小さなツメ44の間の緩い、不干渉のはめ合いを含む。この緩い結合は土台12と関節面22の間の、中距離の対角線上の動きとともに、相対的な前方から後方へだけでなく横方向(側方から側方)の滑動または平行移動を可能にする(図7C参照)。緩い結合はまた、土台12に対して幹28の周囲を面22が回転できるようにする。
【0055】
この緩い結合は、脛骨に対する足の回転とともに脛骨に対する足の前方および横向きの平行移動に適応する。この特徴は一様な磨耗を可能にし、人工装具の機能と寿命を最大限にするために全ての面領域を最大限に利用する。平行移動する玉継ぎ型関節運動は機械的な平衡と安定性を提供する。関節運動する球面22と24は接触域を最大限にし、これにより接触圧力を最小化している。これはまた局所表面応力を最小化し、関節の磨耗を最小化、そして関節の寿命を最大化している。
【0056】
玉継手は関節の可動性を最大化する。これは、歩いたり走ったりしている間の足関節の通常の屈曲に適応する。これはまた通常の足関節の正常な側方から側方の回転を可能にする。
【0057】
(d.鞍状面)
先の実施形態は基本的な関節運動配置として、玉継手を示す。図8Aでは、関節運動する脛骨と距骨の面22と24がそれぞれ鞍状形部品を含むように示される。鞍状形は幾何学的に(好適な実施形態で一定半径である)掃過された弧として特徴付けられ、第一の弧(好適な実施形態で一定半径である)に対して垂直な第二の弧(これもまた好適な実施形態で一定半径である)に沿って掃過される第一の弧によって画定される面を含む。外形は各面22と24に対して、軸に沿って曲線を描く細長い溝を形成する。
【0058】
図8Aに示すように、脛骨の鞍状面22部品の溝は距骨の鞍状面24の溝内で入れ子状に重なる。これにより人工装具の脛骨と距骨の部品の間に接触面が形成される。関節運動は溝の湾曲した軸の両方に沿う、すなわち足の上下の屈曲(図8B参照)に適応するとともに溝の横方向足の横方向(側方から側方)の屈曲(図8C参照)に適応する、この接触面に沿って発生する。
【0059】
関節が安定した静的な平衡の位置の姿勢とることを必要とするので、鞍形接触面は内因性の安定性を持った関節を提供する。一部の患者は足関節を支える周囲の軟部組織が障害されるか弱くなるめに、深い鞍状の溝を必要とするであろう。その他の患者は、彼らの関節がより支持力のある軟部組織を持つため、より浅い鞍状の溝を必要とするかもしれない。より浅い鞍状の溝は関節が脛骨の軸の周囲を回転する能力の向上を提供し、これは望ましい。
【0060】
図8Aから8Cに示すように、鞍状形脛骨の面22は、先に記述した様式のうちどれかを用いて脛骨の幹28に固定されるように大きさと構造が決定されてもよい。図8Aから8Cのように、前述し、図4Aに示すように幹28はマルチピース幹30を含むことができる。距骨の部品は、望ましくは脛骨の部品が関節に挿入された後に取り付けられる。
【0061】
距骨の部品は様々な方法で大きさと構造が決定されてもよい。図9と10に示す実施形態では、距骨の土台20は図3に示す構造を持つ距骨の幹26に固定され、すなわち、幹26は距骨下関節を橋渡しせず、後部〜前部へと距骨15の前方先端に突出する。
【0062】
図11は距骨の幹26を取り付けるために、後方関節入り口から距骨15の前方先端に穴を開ける代表的な技法を図解する。前方から後外側方向に関節内部から穴を開けるのにkワイヤー52が使用される。その後図に示すように足を背屈位に置く。標準的なトロカールカニューレ(図示せず)をkワイヤー52にかぶせて設置し、前方から後方の方向に関節に穴を開けるために進展させる。カニューレ54をトロカール上を通過させ、トロカールを取り除く。カニューレ54は残存し、距骨15への経皮的経路を構築する。カニューレ挿入したドリル56をカニューレ54内のkワイヤー52上に設置する。距骨15前方先端を幹26を受けるのに適切な深さまでドリルで穴を開ける。幹26を取り付ける。
【0063】
距骨の土台20を幹26に固定し、事前に加工した距骨15の先端に入れ子状に重ねる。図10が最も良く示すように、幹26の近位端76は、雄六角形状78またはその他の非回転構造を含み、距骨の土台20の底面74にある雌六角形状80と入れ子状に重なる。距骨の土台20を介して距骨の幹26内部へ進展する押さえネジ82は、幹26と土台20を取り付ける。
【0064】
図で示した実施形態では、鞍状形距骨の人工関節面24は距骨の土台20の上部にはめ込まれ、土台20によって定められる荷重支持入れ子形状内に納まる。距骨の人工関節面24の両側の一対の相対するツメ、すなわち突起68は距骨の土台20上の隆起した支え72の中にある溝70に入れ子状に収まり、面24が距骨の土台20に完全に固定されるのをさらに確実にする。スナップ兼インターロック構造は簡便な距骨の人工関節面24の除去と置換を提供する。
【0065】
面24を取り付ける前に、プラスチックまたはその他の適切な生体適合性材料で作られた採寸ブロックを関節腔に滑り込ませることができ、これにより医師は適切な関節の拡張を提供するための材料の適切な厚さを決定できる。適切な大きさが決定されると、医師は実際の距骨の人工関節面24を関節腔に滑り込ませ、それを土台20上にはめ込む。
【0066】
この処理は人工装具の距骨の側面上のプラスチック関節面の取り付けと使用を可能にする。例えば、距骨の人工関節面24は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの耐久生体適合性プラスチックから形成されても良い。プラスチック部品の脛骨面ではなく距骨面への設置は、最低限の骨の除去量を可能にすると同時に強度および磨耗特性に使用可能なプラスチック材料の最大量を提供する。
【0067】
プラスチック距骨面部品の別の実施形態を図12Aと12Bに示す。部品は今しがた記述した部品の多くの特徴を共有している。さらに、関節面24は間隔のあいた一対の脚状板すなわちスペーサ58の上部の土台20の上に載る。スペーサ58は距骨の人工関節面24の下で面24の両側の面に設置される(図12C参照)。スペーサ58は鞍状形関節面24のアーチ型のへりの下で伸びるツメ59内で入れ子状に収まる上方へアーチを描く面を含む。止め板60は、距骨の人工関節面24が載るスペーサ58の下の土台20の上に取り付けられる。止め板60の両側から突出するフランジ66は、距骨の土台20の溝61に固定される。
【0068】
スペーサ58と板60の厚さと構造は個々の患者のニーズと解剖に適応するように変化しても良い。代表的な実施形態では、スペーサ58と止め板60はそれぞれ約1〜2mmの厚さである。
【0069】
止め板60はバネ式ロックとして機能するような記憶装置として大きさと構造が決定される。距骨アセンブリの部品の全ては、ルービックキューブのようにネジもその他の機械的な留め具も使用することなく互いに擦られるように固定される。
【0070】
それらが全てインターロックされているため、関節腔から部品を押し出すような傾向を持つ誘起エネルギーがないことから、摩擦インターロック設計は安定性を提供する。距骨の部品にかかる前方−後方および中央−側方エネルギーは相当な量であるかもしれないが、距骨の関節面24は距骨の土台20の側壁内部に閉じ込められるように固定されておりしっかりと定位置に保たれる。
【0071】
今しがた記述したスナップ兼インターロックシステムはネジもその他の手段も用いることのない確実な固定方法を提供する。インターロック設計はまた、もし磨滅した場合、距骨の人工関節部品24を交換するための比較的簡便な手段を医師に提供する。高度に磨耗した部品24を交換するために、医師は関節にアクセスするために小さな前部開口部を足関節に作製する。その後医師は止め板60とスペーサ58を取り外し、磨耗した部品24を回収する。新しい部品24を挿入し定位置に固定する。
【0072】
(5.プラスチック、スナップ式脛骨の部品)
スナップ式アセンブリもまた脛骨の部品の中に組み込まれてもよい。図13に示すように、脛骨の土台12は、前述し、図4Aに示したようにマルチピース幹を含むように示される脛骨の幹30を含む。この実施形態では、脛骨の土台12と幹30は望ましくは金属部品を含む。
【0073】
脛骨の土台12は脛骨の人工関節面22を支える。関節面22は望ましくは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの耐久生体適合性プラスチックから作られる。望ましくは、関節面22用に選択されるプラスチックは弾性変形体であり、これは与えられた力に応えて一時的にたわむか曲がるが、恒久的に変形はせず、力が取り除かれるとむしろ自身の通常の構造に戻るものである。この特徴を備えて、関節面22は土台12にはめ合うように大きさと構造が決定される。別のスナップ式アセンブリが金属関節面22と弾性の土台12、または弾性の土台22と弾性の関節面12を含んでもよいことを理解すべきである。
【0074】
関節面22を土台12に固定するために、図13が示すように土台12は向かい合って間隔をあける、内側に傾斜するサイドレール90を含む。サイドレール90は前方から後方の方向に土台12の底面に沿って伸びる。傾斜するサイドレール90はそれらの間に通路92を形成する。
【0075】
人工関節面22の上面(図13参照)はツメ構造94を含む。図15Aから15Cが示すようにツメ構造94を通路92に前方から後方の方向に滑り込ませることにより、ツメ構造94は通路92の内部で入れ子状に収まるように大きさと構造が決定される。
【0076】
図14に示すように、土台12の底面は形成されたくぼみ、すなわち切り欠き96をその前方端部付近に含む。同様に、人工関節面22の上面は上方に突き出す突出物、すなわち戻り止め98をその前方端部付近に含む。戻り止め98は切り欠き96にはまるように大きさと構造が決定される。
【0077】
より詳しくは、力を加えることにより、ツメ構造94は通路92内に進入し滑り込む(図15A参照)。上方に突き出す戻り止め98は最終的に土台12の前方端部に接する。滑り荷重が加えられる間は、弾性の人工関節面22の前方端部は曲がることによってたわむ(図15B参照)。戻り止め98は結果として、土台12の前方端部の下側を動き、切り欠き96が接するまで土台12のボディの底面に沿って滑りこむ(図15C参照)。切り欠き96が接すると、関節面22の弾性エネルギーは戻り止め98を切り欠き96にはめ込む。
【0078】
図13と14が示すように、土台12の底面は、望ましくはその後方端部に沿ってストップフランジ190を含む。関節面22は嵌合する近接する溝192を含み、これは後方の方向に滑り込んでしまう場合に関節面22の土台に対する過度の移動を防ぐためにストップフランジ190と入れ子状に重なる。ストップフランジ190と溝92の固定は切り欠き96内での戻り止め98のスナップ式固定に合わせて起こるように大きさと構造が決定される。
【0079】
図15Dから15Fが示すように、取り付け工具300は関節面22を土台12とのはめ合わせに滑り込ませるのを助けるために提供されてもよい。
【0080】
図で示した実施形態では、取り付け工具300は前方および後方の滑り移動のための手動操作可能なプランジャ306が内蔵されている、通路304を定める主部302を含む。最も後方の位置にプランジャ306を引っ張った状態で(図15D参照)、戻り止め98側を先に関節面22を通路304に取り付けることができる(ツメ構造94は通路304を走るサイドレール内を滑る)。関節面22は通路304内でプランジャ306と近接する位置に設置される。
【0081】
図15Eが示すように、土台12は主部302の遠位端に固定される(例えば、土台12の開口310内にはめ合う主部302の回転防止固定ピン308と共に、土台12のネジ受け314とはめ合う主部302遠位端にある取り付け用ネジ312を用いる)。主部302は土台12の通路92を、関節面22のツメ構造94を受けるような配置に固定する。
【0082】
図15Fが示すように、プランジャ306の前方への進展は関節面22を押し、切り欠き96と戻り止め98がはまるまで主部の通路304から土台の通路92へと押し出す(図15Cが示すように)。ネジ312をネジ受け314から外して工具300を引き戻すと固定ピン308が開口310から外れ、工具300が新しく組み立てられた脛骨の部品から解放される。
【0083】
脛骨の部品が組み立てられると(図16参照)、関節面22のツメ構造94は土台12のサイドレール90内にとらえられ、土台の切り欠き96内に関節面22の戻り止め98がとらえられる、土台12のストップフランジ190内に関節面22の近接する溝192がとらえられる。結果として、関節面22は土台12内にしっかりと保持される、これはまた幹30によって定位置に固定される。関節面22はこれにより距骨の人工関節面24を安定して関節運動するように配置され、(図17参照)、これはまた幹26によって定位置に固定される。
【0084】
(III.埋め込み)
(A.骨髄内ガイダンス)
望ましくは、足関節置換システム10は低侵襲骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる。骨髄内ガイダンスは脛骨の主軸に対して踵骨を介した低侵襲アクセスによって、足底部の切開を介して構築される。脛骨の軸に沿った骨髄内ガイダンスは、足関節への前方アクセスを介した適切に方向付けられた距骨15と脛骨16の骨の切り込みを可能にする。足関節全システム10の適切な全体配置と長期的結果の向上が達成される。
【0085】
骨髄内ガイダンスを組み込む取り付け器具、システム、および手法を用いて、足関節全システム10をそれが置換する自家の足関節の通常全ての軸との望ましい位置合わせと方向付けにおいて取り付けることができる。図18は足関節の回転の前方−後方の軸(Y水平軸)、足関節の回転の通常の中央−側方の軸(X水平軸)、および脛骨の主軸と足関節の配置の通常の上方−下方の軸(Z垂直軸)を含むようなこれらの通常の軸を示す。回転の前方−後方の軸(Y水平軸)の適切な配置を構築し保持することにより、足関節置換システム10は所望の角度の足の底の背屈(「上下の」)を構築し保持する。通常の回転の中央−側方の軸(X水平軸)の適切な配置を構築し保持することにより、システム10は所望の角度の足の内転/外転(「内と外」)を構築し保持する。脛骨の長軸と足関節の配置の通常の上方−下方の軸(Z垂直軸)の適切な配置を構築し保持することにより、X線透視ガイダンスを用いた1度の穴あけステップで骨髄内の支えが踵骨17と距骨15のインライン穴あけによって達成されるように脚部の脛骨の中心軸に対してシステム10は正確に方向付けられる。
【0086】
(B.取り付け器具、システム、および手法)
足関節置換手順での固定を含む手順(例えば、距骨下関節の固定、全距骨固定、または三重関節固定術)とともに、足関節置換手順(すなわち、脛骨と距骨の足関節面のいずれかまたは両方のための人工装具置換の取り付け)での使用に申し分なく適した代表的な取り付け器具、システム、および手法を記述する。
【0087】
代表的な取り付け器具、システム、および手法は(1)足関節と脛骨の位置合わせ、(2)踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築、(3)脛骨と距骨の土台12と20を取り付けるための、距骨と脛骨内に適切に方向付けられた骨の切り込みを作製する目的のための前方アクセスの構築、ならびに(4)脛骨と距骨の土台12と20の取り付けの作業を達成する。
【0088】
これら作業それぞれの代表的な実施形態、関連する器具、システム、および手法をここに記述する。
【0089】
(1.足関節と脛骨の位置合わせ)
図19は人工装具の取り付け手順の際に足関節と脛骨との位置合わせ作業に使用される代表的な位置合わせ工具100を示す。位置合わせ工具100は足支えアセンブリ102と脚支え104を含む。足支えアセンブリ102は、人工装具の取り付け手順の際に足留め106と踵留め108によって足が固定される足支え106を含む。脚部のふくらはぎは脚支え104に適切に固定される。足支えアセンブリ102と脚支え104はともに、取り付け手順の際に脚部に対して足と足関節を保定する。
【0090】
図19が示すように、足支えアセンブリ102は、医師の管理下で垂直すなわち直立状態から(図19に実線で示す)より水平すなわち傾斜状態(図19に点線で示す)方向へ旋回するように大きさと構造が決定される。直立状態では、足関節を通常の前方−後方および中央−側方軸に対して所望の方向に保持するためにアセンブリ102が機能する。前方/後方と中央/側方軸両方の適切な配置を構築し保持することにより、足関節置換システム10は歩行を通じて適切な応力分布を構築し保持する。アセンブリ102は、取り付け手順の際にもし必要になった時は管理された方法において足関節を屈曲させるために旋回できる。足支えアセンブリ102は、医師によって完全直立状態と完全旋回状態の間で任意の所望の方向に固定できる。
【0091】
足支えアセンブリ102はまた、X線透視法を用いて脛骨の主軸との所望の配置で足関節が正確に方向付けられ保持されるようにする。図20が示すように、足支えアセンブリ102は、足支え106に加えて裏板112と、足支え106と裏板112に挟まれる中間板114を含む。
【0092】
中間板114は、足支え106に対する上下の(垂直)運動のために滑り蟻形固定116によって足支え106に固定される。一対の向かい合って間隔をあける位置合わせ棒118は中間板114によって支えられる。位置合わせ棒118は同じ水平板に配置されている。位置合わせ棒118は、使用の際(図19参照)棒118が中央−側方平面において脛骨の両側に配置されるように、中間板から伸びて足支え106の細長い溝120を垂直に通る。中間板114の垂直方向の動きは、足支え106の対側の溝120内で位置合わせ棒118を一致して上下に動かす(図21B参照)。
【0093】
裏板112は、足支え106に対する側方−側方(水平)運動のために滑り蟻形固定122によって中間板114に固定される。一対の向かい合って間隔をあける位置合わせ棒124は裏板112によって支えられる。位置合わせ棒124は同じ垂直平面に配置される。使用の際(図19参照)棒124が前方〜後方平面において脛骨の対面に配置されるように、位置合わせ棒124は裏板112から足支え106の上と下に伸びる。裏板112の水平運動は、足支え106の上と下に一致して側方−側方に位置合わせ棒124を動かす(図21A参照)。
【0094】
裏板112はまた軸受筒126を支える。軸受筒126は中間板114と足支え106内の開口128を通って伸び、足底部が接する足支え106の平面あるいは付近で終了する。軸受筒126の中心は棒118の水平平面と棒124の垂直平面の交差点と一致する。
【0095】
棒118と124は、X線透視法によって可視化される材料から作られる。
【0096】
使用に際して、脚部と足部は外科手術のために準備される。医師は足関節への初期アクセスを得るために、望ましくは前方切開を作製する。足と下肢を足支え106と脚支え104に設置する。医師は足底背屈回転の足関節の軸を見積もり、視覚的に足関節を位置合わせ工具100の回転軸と合わせる。足支え106は、足の母指が基本的に垂直方向を向くように足を回転させるように調整される。前足部と踵はすでに述べた留め具108と110を用いて足支え106に固定される。脚支え104は、脛骨16が床とほぼ平行になるようにふくらはぎに調整される。距骨の滑車の前方〜後方(A−P)ラインが基本的に垂直になるように、望ましくは足とふくらはぎは一直線になる。
【0097】
図17Aと17Bに示すように、X線透視装置130は中央−側方棒118と一直線に並ぶ。並んだ際には、棒118はX線透視法では一本のように見える。医師は棒118が脛骨16の中心軸(Z軸)と一直線に並ぶように中間板114を動かす。適切な手動または電動の配列制御機器(図示せず)がこの目的のために提供されてもよい。棒118とZ軸の所望の中央〜側方の位置合わせが得られたら、中間板112は足支え106に固定される。
【0098】
図18Aと18Bが示すように、X線透視装置130は前方〜後方位置へ90度移動される。X線透視装置130は前方〜後方棒124と一直線に並ぶ。並んだ際、棒124はX線透視法では一本のように見える。医師は棒124が脛骨16の中心軸(Z軸)と一直線に並ぶように裏板112を動かす。適切な手動または電動の配列制御機器(図示せず)がこの目的のために提供されてもよい。棒124とZ軸の所望の中央〜側方の位置合わせが得られたら、裏板112は足支え106に固定される。
【0099】
棒118と122の対は(それぞれ水平および垂直)X線透視手法の視差を最小化するために合わせて使用される。一列に並んだことを表して棒118と122の両方が光学的に一つに「混ざる」場合、脚部と足関節の真の水平または垂直配列がX線上に達成される。棒の各対については、一本の棒が平滑なのに対しもう一本には溝がつけられてもよいなど、一本の棒は透視手法においてもう一本から区別されるように形成される。
【0100】
ひとたび中心化が終了すると、足関節への外科的アクセスを遮るものがなくなるようにガイド棒118と124は全て取り除かれても良い。
【0101】
(2.踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築)
図24は踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築作業に使用される代表的な器具132と手技を示す。器具132は脛骨の中につながる踵骨と距骨を通る骨髄内ガイド経路を構築する足底カニューレ134を含む。
【0102】
裏板112の軸受筒126は、棒118と124の同じ解剖学的目標との位置合わせによって脛骨の軸との位置合わせのために機能する。ゆえに、今しがた述べたように足関節と脛骨を並べるために位置合わせ工具100を使用した後は、足底部を介して上に向かう所望のライン穴あけ位置を得るために棒118と124の位置合わせにより軸受筒126がすでに並べられているため、足底カニューレ134の導入のための足関節と脛骨の中心のインライン穴あけが可能になる。
【0103】
カニューレ134の導入のため各種の低侵襲外科的技法がある。ある代表的な実施形態では、足底部へのアクセスを提供するために軸受筒126は一時的に裏板112から外される(例えばネジを外して)。医師は最初の切開を足底部に作製するのに外科用メスを使用し、軸受筒126を交換する。kワイヤーを用いて設置されるカニューレトロカールは(図示せず)軸受筒126を通して踵骨17が接触するまで足底部へ挿入でき、kワイヤーが踵骨17内に堅くセットされる。次にトロカールを取り除くことができ、kワイヤーを軽くたたいてさらに踵骨17の内部へ入れる。代表的な実施形態では、軸受筒126は直径6mmで、カニューレトロカールは6mmでもよく2.4mmのkワイヤーが入っている。医師はここでカニューレ挿入した第一リーマー(例えば6mm)(図示せず)をkワイヤーの上から操作して踵骨17と距骨15内部へ約30mm進展させる。第一リーマーは足底カニューレ134の挿入用のアクセス経路を開ける。
【0104】
第一リーマーと軸受筒126を回収して、医師はここで足底カニューレ134を挿入できる(図24に示すように)。カニューレ134を定位置におき、第二のリーマー136(例えば5mm)は距骨15を通って脛骨16内部へさらに約100mm穴を開けるためにカニューレ134を介して操作できる。ドリル穴の精度を確かめるために、必要ならば透視法を用いても良い。
【0105】
脛骨に内につながる踵骨と距骨を通って骨髄内ガイド経路が構築された。足底カニューレ134の存在はガイド経路と脛骨の軸の位置合わせを維持する。
【0106】
(3.前方アクセスの構築と距骨と脛骨の骨の切り込みの作製)
図25A、25B、25Cおよび図26は脛骨と距骨の土台12と20を取り付けるために距骨と脛骨に骨の切り込みを作製する目的で足関節への前方アクセスを構築するために使用される代表的な器具138と手技を示す。
【0107】
代表的な実施形態では、器具138は足関節の前方位置で足関節の上部に取り付けられ固定される切断ガイド固定具140を含む。切断ガイド固定具140は、位置合わせ工具100も取り付けられる下層フレーム142に固定される。
【0108】
図25Aが示すように、切断ガイド固定具140は上側骨切断刃ガイド144と下側骨切断刃ガイド146を含む。
【0109】
切断ガイド固定具140はまた、刃ガイド144と146に近接する固定ピン148を受け入れるための開口を含む。代表的な実施形態では、ピン148は2.4mmのスタインマンピン(Steinmann Pin)を含むことができる。一対のピン148は上側刃ガイド144と近接して脛骨16内に穴を開け、もう一対のピン148は下側刃ガイド146に近接して距骨15に穴を開ける。開口フィールド間隔を最大化するために、ピン148は必要ならば固定具140と同一平面状に切断されてもよい。これにより足関節の開口フィールドは図25Aに示すように固定される。
【0110】
図25Aがさらに示すように、切断ガイド固定具140はまた回転防止切り欠きの構築のための開口150を含む。医師は開口を介して操作されるドリルと固定環(例えば4mm)を用いるなどして回転防止切り欠きを作製できる。図25Aが示すように、X線透視法を用いて、足底カニューレ134は上側刃ガイド144と回転防止切り欠き150の目標部位から外れた場所で足内部に保持される。
【0111】
回転防止切り欠きを構築したら、医師は、望ましくは下層骨のおおよその深さをドリルから書き留める。上側および下側鋸刃152と154(図20Bと20C参照)上に、医師は先に測定したドリルの深さに基づいて必要な深さを書き留める。
【0112】
図25Bが示すように、上側鋸刃152は脛骨16上面を切るために上側刃ガイド144を介して操作される。
【0113】
骨の切り込みの作製中に足底カニューレ134を足内部に保持すると、基本的にドリル開けとのこ引き操作の間に関節部品の相対運動が起こらないため精度を高めることができる。ドリル開けとのこ引き操作の間は通常は相当な力が関節に働き、最適な人工装具配置のための所望の方向から外れて関節が動くことがある。足底カニューレ134は、もたらされる切り込みがより高い精度で配置されるように関節部品が互いに対して正しい配置に保たれるのを確実にする助けとなる。
【0114】
透視法を用いて、足底カニューレ134は次に下側刃ガイド146(図25C参照)の邪魔にならないところに回収される。図20Cと21が示すように、下側鋸刃154は下側刃ガイド146を介して操作される。距骨15の底面は先に書き留めた深さに切り込まれる。
【0115】
足底カニューレ134は足内部に再び挿入され、関節腔の両側は側面鋸刃ガイド溝156を用いて切り込まれる(図25A参照)。
【0116】
固定具140とピン148はここで取り除いてよい。丸い骨刀を用いて、関節腔の隅部を切り取る。側面が基本的に垂直になるように、回転防止切り欠き側面の汚れを落とす。緩んだ骨片を取り除き空になった関節腔を洗浄する。図27Aは空になった関節腔158とその他の取り付け器具と脛骨と距骨の土台12と20の部品の挿入のために提供される前方アクセスを示す。
【0117】
(4.幹部品のための通路の作製)
図で示した実施形態では、脛骨と距骨の土台12と20はともに、個別の幹部品を含む。先に述べたように、これらの幹部品は土台に高い固定性と支持性を提供する。これらの幹部品の脛骨と距骨への取り付けのための通路の作製をここで記述する。
【0118】
(a.脛骨の幹のための脛骨の穴あけ)
図27Aと27Bは空になった関節腔158を介する前方アクセスを利用して脛骨の土台12の幹部品が取り付けられる脛骨内部の骨髄内経路の構築の目的に使用される代表的な器具160と手技を示す。
【0119】
代表的な実施形態では、器具160はネジ端を持つ脛骨の幹ドライバー162と、取り外してドライバー162のネジ端に取り付け可能な脛骨の幹リーマー164を含む。足底カニューレ134の取り付け(前述)は、空になった関節腔158が提供する前方アクセスを用いる、リーマー164のドライバー162への固定を可能にする。図27Aに示すように、脛骨の幹ドライバー162のネジ端は足底カニューレ134を介して空になった関節腔158に挿入できる。図27Aが示すように、医師はここで、脛骨の幹リーマー164を空になった関節腔158内に挿入するための、またドライバー162にリーマー164をネジで取り付けるための開口前方アクセスを持つ。
【0120】
リーマー164は望ましくは、先に脛骨16内に形成した5mmの経路にはまる弾丸型の突出部を含む。経路に進入しながら、リーマー164は、図27Bが示すように脛骨の骨髄内経路を拡大する。図27Bが示すように脛骨16にさらに約70mm穴を広げられるようにドライバー162に深さの指標をつけてもよい。
【0121】
医師はリーマー164を関節腔158に露出するためにドライバー162とリーマー164を足底カニューレ134を介して回収してよい。ここで、医師は前方アクセスを介してリーマー164を回収するためにドライバー162からリーマー164を取り外してよい。ドライバー162は足底カニューレ134から回収できる。
【0122】
これにより脛骨の幹の取り付けのための骨髄内経路が構築された。
【0123】
(b.踵骨幹のための距骨と踵骨の穴あけ)
図28Aから28Dは距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路構築の目的に使用される代表的な器具166と手技を示す。距骨の土台20幹部品は距骨−踵骨経路に取り付けることができる。器具166と手技は先に空になった関節腔158を介する前方アクセスによって作動する。
【0124】
代表的な実施形態では、器具166は踵骨ドリルピン固定具168(図28A)と踵骨ガイド方位固定具170(図28B)を含む。ドリルピン固定具168は、最終的に踵骨幹が取り付けられる距骨−踵骨経路の形成のための前方〜後方ドリル角度を構築する。方位固定具170は、ドリル経路の所望の中央〜側方方向付けの構築を支援するためドリルピン固定具168に連結する。
【0125】
ドリルピン固定具168(図28A参照)の使用に先立って、足を足底屈に最大限に回転させるために足支えアセンブリ102をその直立状態から離れて回転させる。図28Aが示すように、ドリルピン固定具168は屈曲した空の関節腔158内部に取り付けられる。定位ピン172がカニューレ134を上方に滑り込み、ピン固定具168の開口に取り付けられる。定位ピンを配置したまま、足底カニューレ134を回収できる。
【0126】
定位固定具170はドリルピン固定具168に取り付けられる(図28Bが示すように)。図で示した実施形態では、ドリルピン固定具168は定位固定具170が取り外し可能で上にはまる付属枝174を含む。定位固定具170はそれらの終端において間隔を介して向かい合う関係に湾曲した経路で入り込む、左右対称配置の中央−側方側枝176を含む。枝176を握りながら、固定具170を側方−側方すわなち回転性に操作できる。定位固定具のそのような動きは同等の動きをピン固定具168に与え、これにより踵骨に対するピン固定具168の中央〜側方方向付けを変化させる。定位固定具170は枝176の終端を踵骨17のいずれかの側面上の等間隔の方向に置くように操作される。
【0127】
図23Cに示すように、ひとたびピン固定具168が位置づけられたら、ピン固定具を距骨15に固定するために一対の固定ピン178がピン固定具168の側孔に挿入される。
【0128】
図28Cがさらに示すように、医師はガイドピン180をピン固定具168の中心孔に入れ、踵骨17内に約65mm差し込む。代表的な実施形態では、ピン160は2.4mmのスタインマンピン(Steinmann Pin)を含む。ガイドピン180を踵骨17に残して、固定ピン178とピン固定具168はここで取り除いても良い。
【0129】
図28Dが示すように、踵骨リーマー182はガイドピン180を覆いながら挿入され踵骨17内に約65mm進入する。最終的に踵骨幹が挿入される作製経路P(図28E参照)を残して踵骨リーマー182を回収する。
【0130】
足支えアセンブリ102を元の直立位置に回転させて戻す。足底カニューレ134を挿入する。
【0131】
この代表的な方法で、踵骨幹の取り付けのための距骨−踵骨横断経路が構築できる。
【0132】
(5.脛骨の幹と土台の取り付け)
図29Aから29Dおよび図30は脛骨の幹30と土台12を取り付ける目的に使用される代表的な器具184と手技を示す。
【0133】
図で示した実施形態では、脛骨の土台12は、図4Aと4Bに示す先に述べた種類のマルチピース幹30で脛骨16内部に固定される。前述した取り付け手順と図27Aと27Bに示すように、マルチピース幹部品30を受けるために骨髄内経路が脛骨内に先に形成された。
【0134】
この取り付け手順では、前述した一連の取り付けのように、マルチピース幹部品30の取り付けは足底カニューレ134が提供する踵骨アクセスとともに空になった関節腔158に提供される前方アクセスを活用する。
【0135】
図29Aが示すように、医師は先端脛骨の幹部品32を先に形成した前方アクセスを介して関節腔158に挿入する。器具184はレンチ200またはその他の適切な工具を含む。レンチ200は先端幹部品32の外部幹面をかみ、先端幹部品32をつかむ。先端幹部品32を先に形成した脛骨の経路内をある程度上方に進入させる。レンチ200脛骨の切り込み面の終端に接し、先端幹部品32の進展が空になった関節腔158の上側境界を越えていることを確認する。
【0136】
図29Bに示すように、中間幹部品34Aを前方切開を介して挿入する。器具184は、足底カニューレ134を介して空になった関節腔158内へ進入する骨髄内ドライバー186を含む。ドライバー186は雄六角形状接続金具188をその遠位端に含む。ドライバー186の六角形状接続金具188は、中間幹部品34Aの内部で内部雌六角形状38とかみ合う(内部雌六角形状38は図4Aに示す)。回転しないように先端幹部品32をレンチ200がつかんだまま、医師は幹部品34Aの雄ネジ端を先端幹部品32の雌ネジ端に回し込むためにドライバー186を回す。これにより先端および中間幹部品32と34Aが取り付けられる。ひとたび堅く締めた後は、レンチ200を先端幹部品32から中間幹部品34Aの幹面へと移動させる。医師は先端幹部品32を空になった関節腔158の境界より上に押して脛骨の経路内に押し上げるために、ドライバー186を軸方向に進展させる。
【0137】
図29Cが示すように、六角形状接続金具188は中間幹部品34Aから回収され、前方アクセスを介した関節腔158への第二の中間幹部品34Bの挿入が可能にするのに十分なくらいドライバー186を引っ込める。今しがた述べた手順を繰り返す。ドライバー186の六角形状接続金具188は第二の中間幹部品34B内部の内部雌六角形状38とかみ合う。回転しないように幹部品34Aをレンチ200でつかんだまま、医師は第二の中間幹部品34Bの雄ネジ端を第一の中間幹部品34Aの雌ネジ端に回し込むためにドライバー186を回す。ひとたび堅く締めた後は、レンチ200を中間幹部品34Bの幹面へと移動させる。医師は、先端幹部品32に先行される第一中間幹部品34Aを空になった関節腔158の境界より上に押して脛骨の経路内に押し上げるために、ドライバー186を軸方向に進展させる。
【0138】
幹30の目標とする最終的な長さに応じて追加的な中間幹部品をこの方式で取り付けられる。
【0139】
同様に、底部幹部品36を挿入したいとき(この部品は図4Aに示す)、そのときに組み立てられた一番端の幹部品から六角形状接続金具188を回収する。前方切開への底部幹部品36の挿入を可能にするのに十分なくらいドライバー186を引っ込める。図29Dが示すように、ドライバー186の六角形状接続金具188は底部幹部品36の内部の内部雌六角形状38とかみ合う。組み立てられた一番端の幹部品(中間幹部品34Bとして図示の目的のために示す)をレンチ200でつかんだまま、医師は底部幹部品36の雄ネジ端を第一の中間幹部品34Aの雌ネジ端に回し込むためにドライバー186を回す。レンチ200を底部幹部品36の幹面へと移動させる。ドライバー186を用いて、空になった関節腔158の境界より上に、組み立てられたマルチピース幹30を軸方向に脛骨の経路内に進展させる。
【0140】
別の処理では、底部幹部品36は内部六角形状を持つ必要がなく、その場合底部幹部品36を関節腔158に挿入されるネジ端ドライバーまたはその他の適した工具を用いてそのときに組み立てられた一番端の幹部品に回し込んでも良い。
【0141】
図30が示すように、底部幹部品36をレンチ200でつかみながら、医師は脛骨の土台12を関節腔に挿入する。医師は、土台12の雄モールス接続金具を対応する底部幹部品36の雌接続金具に挿入するなどして脛骨の土台12を底部幹部品36に取り付けるために足底カニューレ134を介して進展させた、ドライバー186を使用する。
【0142】
必要ならば、土台12に簡便な設置基準のために印をつけてよい。例えば、正面が前方を向くように設置されることを明示するため正面はANT−Rとつけてよい(右足として、またはANT−Lを左足として)(図示せず)。
【0143】
望ましければ、骨セメントを脛骨の土台12の上部に塗布してもよい。次に、幹30を脛骨16と回転防止切り欠き150にしっかりと押し込むために土台12を脛骨16の底部に堅く押し付ける。
【0144】
(6.距骨/踵骨幹と距骨の人工関節面の組み立てと取り付け)
前述のように、図28Aから28Eは距骨の土台20の幹部品26が取り付けられる距骨と踵骨を橋渡しする経路Pを構築する目的に使用される代表的な器具166と手技を示す(図28E参照)。図31は踵骨の幹部品31の経路Pへの取り付けを示す。
【0145】
図31が示すように、足を足底屈に最大限に回転させるために足支えアセンブリ102をその直立状態から離れて回転させる。医師は適切に角度付けられた距骨/踵骨幹26を選択する。幹26を距骨15と踵骨17内に先に形成した経路Pに挿入する。
【0146】
打ちつけブロックアセンブリ204を幹26の近位端上に置く。幹26の近位端のために保護カバー(図示せず)が提供されてもよく、その場合打ちつけブロックアセンブリ204はカバーの上に置かれる。幹26をしっかりと距骨15と踵骨17内に据え付けるためにブロックアセンブリ204を打つ。
【0147】
幹26とブロック204の方向が基本的に距骨15の面に平行であることが望ましい。必要ならば、方向を調製するためにレンチ206またはその他の適切な工具が用いられて良い。ブロック204が距骨15の面と同じ高さになるまで幹26を打つ。次に幹カバー(使用した場合)を取り除く。
【0148】
図32が示すように、レンチ206は幹26の近位端上の接続金具208の下に配置される。医師は距骨の人工関節面24を幹26の上に所望の方向で設置する。必要ならば骨セメントを距骨の人工関節面24の底面に塗布してもよい。木槌またはその他の適切な工具を用いて打ちつけブロック210を打つことにより面24を幹26の上に設置する(図示せず)。次にブロック210を面24の底部が距骨15の面と同じ高さに据え付けられるまで打つ。その後レンチ206を取り除いても良い。
【0149】
(7.脛骨の人工関節面の挿入)
医師は次に採寸ブロック(図示せず)を用いて最適な脛骨の人工関節面22を決定する。
【0150】
図33に示すように、足を足底屈の位置にしたまま、矢印で示すように面22を脛骨の土台12に設置する。必要ならば面22に簡便な設置基準のために印をつけてよい。例えば、印が面22の内側にあるべきことを明示するため正面にMED−Rとつけてよい(右足として、またはMED−Lを左足として)(図示せず)。
【0151】
足は次に適切な関節運動のために確認される。その後切開を洗浄し閉じてよい。
【0152】
(a.代表的な取り付け土台)
図34と35は今しがた記述した形状、はめ合い、および機能の様々な治具、固定具、リーマー、補助土台が堅くならびに簡単に取り付けられてもよい代表的なメイン取り付け土台212を示す。これらの冶具、固定具、リーマー、および補助土台は記述したような一連の作業を達成するための形状、はめ合い、および機能をもち、一連の作業には(1)足関節と脛骨の位置合わせ、(2)踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築、(3)脛骨と距骨の土台12と20を取り付けるための、距骨と脛骨内に適切に方向付けられた骨の切り込みを作製する目的のための前方アクセスの構築、ならびに(4)脛骨と距骨の土台12と20の取り付けが含まれる。遮るもののない足関節への外科的アクセスを可能にするため、これらの冶具、固定具、リーマー、および補助土台は好ましくは要望に応じて取り外し可能である。メイン取り付け土台212は、一部の部品では使い捨てが許容されているものの、望ましくは再使用のための洗浄と滅菌を容易にするように設計される。
【0153】
メイン取り付け土台212の設計は後述するように透視法を用いて達成される最終位置合わせを備える一連の調整を通してあらゆる脚部の大きさに適応するかもしれないものである。
【0154】
(b.人工装具の取り外し)
必要ならばまたは望ましければ、記述した器具および手法は人工装具の簡便な置換を提供する。
【0155】
先に作製した切開を再び開き足を足底屈位に設置する。距骨の人工関節面24を、平たいネジ回しまたはその他の適切な工具を用いて底からてこ上げして取り除く。一部の例では、面24を取り除くために関節を拡張する必要があるかもしれない(例えば約3mm)。必要ならば、面24と除去を助けるために穴に設置したネジに小さな穴をドリルで開けても良い。次にペンチを用いて踵骨幹が緩められ取り除かれる。
【0156】
脛骨の部品を取り除くために、足底カニューレを再び挿入する。脛骨トレーを取り除き、足底カニューレを介して六角形状ドライバーを挿入し連続してネジをはずして幹部品を取り除く。
【0157】
単独で、または組み合わせで以下を含む技術的特徴を開示した:
(1)それが関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントであろうとなかろうと、インプラントの固定に幹が必要とされる全ての外科手技での使用に適しているマルチピース幹部品(例えば図4A参照)。このマルチピース幹部品構造は、大きい部品を取り付けるために小さな外科的開口部を使用する低侵襲手技において骨の成分同士を固定するのに申し分なく適している。二つ以上の小さな幹部品は、大きな幹部品を作るためにお互い連続してインサイチュで(図4B参照)取り付けることができる。マルチピース幹部品の取り付けのための代表的な器具や手順を図29Aから29Dに示す。
【0158】
(2)関節運動するだけでなく人工関節が軸の周囲を回転するのを可能にする相補的な玉継ぎ手面を含む関節運動する人工足関節(例えば図6参照)。これにより人工装具の機能と寿命を最大限にするために、より一様な面の磨耗が可能になる。
【0159】
(3)関節運動し軸の周囲を回転するだけでなく、嵌合する関節面の自然骨に対する前方、後方、および側方への移動を提供する相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節(例えば、図7A、7B、および7C参照)。
【0160】
(4)それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工関節面(例えば図8A参照)。鞍状形は、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される第一の弧によって定められる面を含む掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる。外形は各面に対して、軸に沿って曲線を描く細長い溝を形成する。
【0161】
(5)ネジもその他の留め具も用いることなく確実な固定方法を提供するスナップ式および/または連結式で組み立てられる人工関節面を支える人工装具(例えば、図9、10、12A、および13参照)。
【0162】
(6)超高分子量ポリエチレンなどから作られるプラスチック関節面の取り付けを提供する人工装具。
【0163】
(7)踵骨、足底部の切開部を介した低侵襲アクセスによって、脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる足関節置換システム。脛骨の軸に沿った骨髄内ガイダンスにより、適切に方向付けられた、足関節への前面アクセスを介した距骨と脛骨の骨の切り込みの作製が可能になる。足関節全システムの適切な全体の配置は、それらが置換する通常の足関節の通常の軸の全てとの望ましい位置合わせと方向付けにおいて達成され、長期的結果の改善が達成される。
【0164】
(8)脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技。
【0165】
(9)脛骨の主軸に対して構築されるX線透視可視化を用いた低侵襲骨髄内ガイダンスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技。
【0166】
(10)骨の切り込みの作製と人工装具部品を取り付けるための足関節への低侵襲前面アクセスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技。
【0167】
(11)人踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築を可能にする人工装具、器具、および手技。
【0168】
ここで記述される本発明のその他の実施形態や使用は、開示される本発明の本明細書および実施を考慮すると当業者にとって明らかなものである。ここに参照される全ての文書は参照することにより明確にならびに完全に本書に組み込まれる。本明細書は続く特許請求の範囲により示される本発明の真の精神と範囲を備える場合のみ典型例となるものであると考えられるべきである。当業者によって容易に理解されることから、開示される実施形態それぞれの変形や変更は、続く特許請求の範囲で定められるような本発明の範囲内において容易に行われてよい。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】図1は、人間の下肢と足の骨格の解剖図である。
【図2】図2は、自家の関節を模倣する可動域を再構築するために脛骨の人工関節面と距骨の人工関節面が関節運動するように相互に大きさと構造が決定され、距骨の人工関節面を支え、距骨を踵骨へ橋渡しする距骨の幹を含む足関節全置換システムの透視解剖図である。
【図3】図3は、自家の関節を模倣する可動域を再構築するために脛骨の人工関節面と距骨の人工関節面が関節運動するように相互に大きさと構造が決定され、距骨の人工関節面を支え、距骨を踵骨へ橋渡しすることなく足関節の後方〜前方へと距骨の前方先端に突出する、距骨の幹を含む足関節全置換システムの透視解剖図である。
【図4A】図4Aは、組み立てられた時に、図2または図3のいずれかに示される種類の脛骨の人工関節面を支えるように大きさと構造が決定されるマルチピース脛骨幹の透視分解図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示される、脛骨内に取り付けられ、距骨の人工関節面に関連して脛骨の人工関節面を支えるマルチピース脛骨幹の組立側面図である。
【図5】図5は、関節運動する玉継ぎ人工関節面を含む、足関節全置換システムの側面解剖図である。
【図6】図6は、関節運動するだけでなく、人工関節が脛骨の軸の周囲を回転するのを可能にする相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節の側面解剖図である。
【図7A】図7Aは、関節運動し脛骨の軸の周囲を回転するだけでなく、脛骨に対して嵌合する関節面の前方、後方、および側方への移動を提供する相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節の透視分解図である。
【図7B】図7Bと7Cは、使用のために組み立てられ、取り付けられた時の図7Aに示す関節運動する人工足関節の側面解剖図である。
【図7C】図7Bと7Cは、使用のために組み立てられ、取り付けられた時の図7Aに示す関節運動する人工足関節の側面解剖図である。
【図8A】図8A、8B、および8Cは、関節運動する脛骨と距骨面22と24と、足の上下の屈曲時(図8B)と足の側方の屈曲時(図8C)の面の関節運動を示す図8Bと8Cに示される矢印を含む、それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工足関節の透視図である。
【図8B】図8A、8B、および8Cは、関節運動する脛骨と距骨面22と24と、足の上下の屈曲時(図8B)と足の側方の屈曲時(図8C)の面の関節運動を示す図8Bと8Cに示される矢印を含む、それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工足関節の透視図である。
【図8C】図8A、8B、および8Cは、関節運動する脛骨と距骨面22と24と、足の上下の屈曲時(図8B)と足の側方の屈曲時(図8C)の面の関節運動を示す図8Bと8Cに示される矢印を含む、それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工足関節の透視図である。
【図9】図9は、図3に示す構造を持つ距骨の幹にスナップ方式で固定された鞍状形距骨の人工関節面の透視図である。
【図10】図10は、図9に組み立てられて示される鞍状形の距骨の人工関節面と距骨の幹の透視分解図である。
【図11】図11は、図3と図9に示される種類の距骨の幹を取り付けるために、後方関節入り口から距骨の前方先端にドリルで穴を開ける代表的な技法を図解する解剖図である。
【図12A】図12Aは、超高分子量ポリエチレンなどのプラスチック材料を含んでもよく、距骨の幹上に連結式で組み立てられてもよい距骨の人工関節面を持つ距骨の部品と関節運動する、脛骨の部品を含む足関節全置換システムの透視分解図である。
【図12B】図12Bは、図12Aに示される足関節全置換システムの透視組立図である。
【図12C】図12Cは、図12B内の線12Cに大まかに沿って得られる断面図である。
【図13】図13は、超高分子量ポリエチレンなどのプラスチック材料を含んでも良く、脛骨の幹上にスライドスナップ方式で組み立てられても良い脛骨の人工関節面を持つ脛骨の部品であり、図4Aに示す種類のマルチピース幹になるように示される部品の透視分解図である。
【図14】図14は、図13に示す脛骨の部品の一部を形成し、脛骨のプラスチック人工関節面とのスライドスナップ式の嵌合に適応する土台の底面の透視図である。
【図15A】図15A、15B、および15Cは脛骨のプラスチック人工関節面とスライドスナップ式の嵌合を作り出す図14に示す土台の側断面図である。
【図15B】図15A、15B、および15Cは脛骨のプラスチック人工関節面とスライドスナップ式の嵌合を作り出す図14に示す土台の側断面図である。
【図15C】図15A、15B、および15Cは脛骨のプラスチック人工関節面とスライドスナップ式の嵌合を作り出す図14に示す土台の側断面図である。
【図15D】図15D、15E、および15Fは脛骨のプラスチック人工関節面と図15A、15B、および15Cに示すような土台の間のスライド式嵌合を構成するために操作される取り付け工具の透視図である。
【図15E】図15D、15E、および15Fは脛骨のプラスチック人工関節面と図15A、15B、および15Cに示すような土台の間のスライド式嵌合を構成するために操作される取り付け工具の透視図である。
【図15F】図15D、15E、および15Fは脛骨のプラスチック人工関節面と図15A、15B、および15Cに示すような土台の間のスライド式嵌合を構成するために操作される取り付け工具の透視図である。
【図16】図16は、図13に示す脛骨の部品の組み立て後の側断面図である。
【図17】図17は、図13に示す脛骨の部品の、組み立て後で距骨の部品と関節運動している状態の透視図である。
【図18】図18は、関節の通常の3つのX、Y、およびZ軸を示す、自家の足関節の透視解剖図である。
【図19】図19は、先の図に示される種類の足関節全置換システムを取り付ける手順の際に、足関節を脛骨と合わせる作業を行う位置合わせ工具の透視図である。
【図20】図20は、図19に示す位置合わせ工具の一部を形成する足支えアセンブリの透視分解図である。
【図21A】図21Aおよび21Bは、下肢関節と足関節のX線上の水平および垂直の位置合わせを可能にする、その水平運動および垂直運動の範囲を示す図20に示す足支えアセンブリの組立透視図である。
【図21B】図21Aおよび21Bは、下肢関節と足関節のX線上の水平および垂直の位置合わせを可能にする、その水平運動および垂直運動の範囲を示す図20に示す足支えアセンブリの組立透視図である。
【図22A】図22Aと22Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の垂直の位置合わせを可能にする垂直運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリの側面図と端面図である。
【図22B】図22Aと22Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の垂直の位置合わせを可能にする垂直運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリの側面図と端面図である。
【図23A】図23Aと23Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の水平の位置合わせを可能にする水平運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリ図の上面図と端面図である。
【図23B】図23Aと23Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の水平の位置合わせを可能にする水平運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリ図の上面図と端面図である。
【図24】図24は、踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築作業に使用される代表的な器具と手技の側面図である。
【図25】図25Aは、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製する目的のために、足関節への前面アクセスを構築する目的に使用される代表的な器具と手技の上面図である。
【図25B】図25Bと25Cは、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製するのに使用される、図25Aに示す代表的な器具と手技の側面図である。
【図25C】図25Bと25Cは、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製するのに使用される、図25Aに示す代表的な器具と手技の側面図である。
【図26】図26は、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製するのに使用される図25Aに示す器具と手技の透視上面図である。
【図27A】図27Aと27Bは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して脛骨の土台の幹部品が取り付けられてもよい、脛骨内の骨髄内経路の構築目的に使用される代表的な器具と手技の側面図である。
【図27B】図27Aと27Bは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して脛骨の土台の幹部品が取り付けられてもよい、脛骨内の骨髄内経路の構築目的に使用される代表的な器具と手技の側面図である。
【図28A】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28B】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28C】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28D】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28E】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図29A】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図29B】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図29C】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図29D】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図30】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図31】図31は、図28Aから28Eに示す器具と手技を用いて形成される距骨と踵骨を橋渡しする経路(図28E参照)への踵骨の幹部品の取り付けを側面図に示す。
【図32】図32は、図31に示す器具と手技を用いて取り付けられる踵骨の幹上への距骨の人工関節面の設置を側面図に示す。
【図33】図33は、図29Aから29Dおよび図30に示す器具と手技を用いて取り付けられる土台への脛骨の人工関節面の取り付けを側面図に示す。
【図34】図34は、図19から33に示す形状、はめ合い、および機能の様々な治具、固定具、リーマー、補助土台が堅くならびに簡単に取り付けられてもよい代表的な取り付け土台の左側透視図であり、一連の作業には(1)足関節と脛骨の位置合わせ、(2)踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築;(3)脛骨と距骨の土台を取り付けるための、距骨と脛骨内に適切に方向付けられた骨の切り込みを作製する目的のための前方アクセスの構築、ならびに(4)脛骨と距骨の土台の取り付けが含まれる。
【図35】図35は、図34に示す取り付け土台の右側透視図である。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、足関節置換人工装具およびシステム、ならびに関連する手術器具および手技に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
1970年代の初めから中頃まで、一般にリウマチ、あるいは変形性関節症または外傷性関節炎などが引き起こす足関節の負傷または疾患を持つ患者は、自分の足関節が機能不全になった場合ほとんど選択肢を持たなかった。これらの患者が自分の足関節のいくらかの機能を再構築するのを助ける最も一般的な手段は、固定による関節の閉塞であったが、これは今日も一般的に用いられる手法である。しかし、固定は足関節を硬化させ、また多くの場合は下肢に対する動きを制限して、これが限られた使用や膝関節や股関節へのさらなる圧迫をもたらしていた。
【0003】
人工足関節の最初の使用報告は、恐らく1969年のBuckholzによるものである。普通の人間の関節を模倣することが広く試みられていた足関節の可動域が、置換によって可能となったため、医学界はそのような足関節置換が足関節の利用の増加を広くもたらしたことを認めた。それ以来、足関節置換人工装具の使用はますます一般的になり、設計は改善されていった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、足の自然な動きの大部分を保持しながら沈下や無腐性の緩みの発生を低下させる足関節全置換システムが必要である。治癒の向上と欠陥率の低下を提供するために、そのような器具を取り付けるためのより侵襲性の低い外科手技もまた必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の概要)
本発明は整形外科用人工装具およびシステム、ならびに関連する手術器具および手技を提供する。
【0006】
本発明の一態様は、人工装具のためのマルチピース幹(stem)部品を提供する。このマルチピース幹部品はそれが関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントであろうとなかろうと、人工装具の固定に幹が必要とされる全ての外科手技での使用に適している。このマルチピース幹部品構造は、大きい部品を取り付けるために小さな外科的開口部を使用する低侵襲手技において、骨の成分同士を固定するのに申し分なく適している。二つ以上の小さな幹部品は、より大きな幹部品を作るためにお互い連続してインサイチュで取り付けることができる。マルチピース幹部品の取り付けのための代表的な器具や手順もまた提供される。
【0007】
本発明の別の態様は、関節運動するだけでなく人工関節が軸の周囲を回転できるようにする相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節を提供する。これにより人工装具の機能と寿命を最大限にするために、より一様な面の磨耗が可能になる。
【0008】
本発明の別の態様は、関節運動し軸の周囲を回転するだけでなく、自家骨に対する前方、後方、および側方への移動を提供する相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節を提供する。
【0009】
本発明の別の態様は、それぞれが鞍状形部品を含む、関節運動する人工関節面を提供する。鞍状形は、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される第一の弧によって画定される面を含む、掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる。外形は各面に対して、軸に沿って曲線を描く細長い溝を形成する。
【0010】
本発明の別の態様は、ネジもその他の留め具も用いることのない確実な固定手段を提供するスナップ式および/または連結式で組み立てられる人工関節面を支える人工装具を提供する。
【0011】
本発明の別の態様は、超高分子量ポリエチレンなどから作られるプラスチック関節面の取り付けに適応する人工装具を提供する。
【0012】
本発明の別の態様は、踵骨、足底部の切開部を介した低侵襲アクセスによって、脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる足関節置換システムを提供する。脛骨の軸に沿った骨髄内ガイダンスにより、適切に方向付けられた、足関節への前面アクセスを介した距骨と脛骨の骨の切り込みが可能になる。足関節全システムの適切な全体の配置は、それらが置換する自家の足関節の通常の軸全てとの所望の位置合わせと方向付けにおいて達成され、長期的結果の改善が達成される。
【0013】
本発明の別の態様は、脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技を提供する。望ましくは、低侵襲骨髄内ガイダンスはX線透視可視化を用いて脛骨の主軸に対して構築される。
【0014】
本発明の別の態様は、骨の切り込みの作製と人工装具部品を取り付けるための足関節への低侵襲前面アクセスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技を提供する。
【0015】
本発明の別の態様は、踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築を可能にする人工装具、器具、および手技を提供する。
【0016】
本発明の他の目的、利点、および実施形態は続く記述においてある程度説明されるか、またある程度はこの記述により明らかとなるか、または本発明の実施から学ばれても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(好適な実施形態の説明)
この説明は、開示の簡便性のために論理的セクションに分けられる。セクションIは、後述する足関節全置換システムと方法の解剖学的背景を示すために、読者を下肢および足関節の解剖学に案内する。セクションIIは、足関節全置換システムの脛骨および距骨−踵骨部品と望ましい形状、はめ合わせ、および機能を持つ器具の代表的な実施形態の構造説明を提供する。セクションIIIは、足関節全置換システムの埋め込みに有用なシステム、方法、および技法と、望ましい形状、はめ合わせ、および機能を達成するための器具の代表的な実施形態の説明を提供する。
【0018】
この文書の開示は、当業者が本発明を実施できるようにするため詳細で正確であるが、ここに開示される物理的実施形態は本発明を例示するものにすぎず、これはその他の特異的構造において具体化されてもよい。好適な実施形態が記述されているが、特許請求の範囲で定義される本発明から逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0019】
(I.下肢と足関節の解剖)
図1に示すように、足部は中足骨13と結合する14本の指骨すなわち足の指の骨11を含む。距骨15が脛骨16と腓骨18を支える、7本の足根骨14、ならびにかかとの骨すなわち踵骨17も存在する。足根骨の中で、距骨15と踵骨17は最も大きく互いに隣接している。その他の足根骨は舟状骨19、3本の楔状骨21、および立方骨23を含む。
【0020】
(II.足関節全置換システム)
(A.概略)
図2は足関節全置換システム10を示す。一般的には言えば、システム10は脛骨16への取り付けのために大きさと構造が決定される脛骨の土台12を含む。また図2に示すように、脛骨の土台12は望ましくは脛骨の幹28を含む。このシステムはまた距骨15への取り付けのために大きさと構造が決定される距骨の土台20を含む。また図2に示すように、距骨の土台20は距骨の幹26を含む。
【0021】
脛骨の土台12は脛骨の人工関節面22を持つ。距骨の土台20は距骨の人工関節面24を持つ。脛骨の人工関節面22と距骨の人工関節面24は、関節運動するように相互に大きさと構造が決定される面を持つ。関節運動する関節面22と24は、自家の関節を模倣する可動域を再構築するために取り除かれる(後述のように)自家の足関節面を置換する。
【0022】
関節面22と24は、一般的に人工装具技術に用いられる様々な材料から作られても良く、これにはポリエチレン、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、ゴム、チタン、チタン合金、クロムコバルト、外科用スチール、またはその他の関節全置換金属および/またはセラミック、骨内部成長面、焼結ガラス、人工骨、セメントで結合されていない金属または陶材面、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これに限定されるものではない。関節面22と24は異なる材料を含んでも良い。例えば、脛骨の関節面22はプラスチックまたはその他の非金属材料を含んでもよく、距骨の関節面は金属材料を含む。この反対も当てはまり、あるいは面22と24はそれぞれ同種の材料を含んでも良い(すなわち、金属−金属またはプラスチック−プラスチック)。
【0023】
(B.代表的な実施形態)
脛骨の土台12、距骨の土台20、および/またはそれらが持つ関節運動する人工足関節22と24は様々に構成されてもよく、様々な技術的特徴を有する。構造と特徴の代表的な例をここに説明する。
【0024】
(1.幹)
(a.距骨の幹)
距骨の幹26は様々に大きさと構造が決定されてもよい。図2に示すように、幹26は距骨を踵骨に橋渡しする。この幹26は、もしそれが患者にとって必要または有益なものならば、距骨下関節の固定とともに距骨の土台を支える二重機能を提供する。
【0025】
図2に示すように、置換システム10はReiley U.S.Pat.No.6,663,669に開示される多くの技術的特徴を内蔵する。例えば、距骨の土台20は踵骨17および/または距骨15に固定され、これにより固定に利用できる骨の量を増やすことができる。幹26が提供する距骨下関節の固定は、距骨の土台20の距骨15および踵骨17両方への固定を可能にする。もう一つの方法として、外科技術の当業者に一般的な方法を用いて距骨下関節は固定される、これには、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨および骨髄合成物、プレートとネジ、またはそれらの組み合わせを用いた固定が含まれるがこれに限定されるものではない。
【0026】
利用できる骨基剤の範囲の拡大は人工装具に安定性を提供し、距骨の土台20のネジなどを用いた固定を可能にする。このデザインは人工足関節全体に安定性と圧力吸収を提供し、人工関節の緩みや沈下の可能性を減少させる。
【0027】
なお、距骨を踵骨へ橋渡ししない距骨の幹26を用いた人工関節システムもまた安定性、確実な固定、および寿命を提供することができる。図3に示す距骨の幹26は距骨を踵骨へと橋渡ししない。代わりに、幹26が足関節の後方〜前方へと距骨の前方先端に突出している。距骨の先端は大きな距骨の骨性成分であり、距骨の土台20に取り付けるための大量の骨組織を提供する。必要ならば、距骨下関節は今しがた記述した任意の方法を用いて別々に固定されてもよい。
【0028】
既知の距骨の幹26はどれも、一般的に人工装具技術に用いられる様々な材料から作られても良く、これはチタン、チタン合金、タンタル、クロムコバルト、外科用スチール、ポリエチレン、吸収性ポリマー、またはその他の関節全置換金属および/またはセラミック、骨内部成長面、焼結ガラス、人工骨、セメントで結合されていない金属または陶材面、またはそれらの組み合わせを含むが、これに限定されるものではない。距骨の幹26はさらに、抗菌剤、抗血栓剤、および骨誘導剤、またはそれらの組み合わせなどの様々なコーティングで塗装されてもよい。これらの薬剤はさらに、距骨の幹26表面の孔を充満するかもしれない生分解性担体材料に含まれても良い。ここに文献として盛り込まれているU.S.Pat.No.5,947,893を参照されたい。必要ならば、距骨の幹26は塗装されてもよく、ならびに/または多孔性メッシュ、ヒドロキシアパタイト、またはその他の多孔質表面などの骨質の内への成長を可能にする材料から形成されてもよい。
【0029】
距骨の幹26は適切と見なされるどんな大きさまたは形状であってもよく、望ましくは処置を受ける部位の形態学や配置を考慮して、医師によって選択される。医師は望ましくは、単純X線写真、X線透視検査、またはMRIまたはCTスキャンなどを用いた目的の骨の形態学の事前分析に基づいて、望ましい大きさおよび/または形状を選択する能力がある。大きさおよび/または形状は幹26の周囲の骨への支えおよび/または結合を最適化するために選択される。幹26は長さ2cmから12cm、幅4から14mmの間で可変する。代表的な実施形態において、距骨−踵骨幹26は長さ約65から75mm、幅約7から13mmである。開示される実施形態において幹が円形の断面を持つのに対し、幹は他の様々な断面形状に形成されてもよく、これには楕円形、多角形、不規則性、またはそのいくつかの組み合わせが含まれるが、これに限定されないことを理解すべきである。加えて、回転を減少させるならびに/または防止するために幹はアーチ状に曲げることができ、一定のまたは可変の断面幅であってもよい。
【0030】
距骨の幹26は、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨合成物、ネジ、またはそれらの組み合わせ、または補綴手術の当業者に一般的なその他の固定材料を用いてもよい。
【0031】
後により詳細な説明を加えるが、距骨の土台20の他の部品を距骨の幹26に固定および/またははめることができるように、その全長そのまたはその上面に沿って距骨の幹26は追加的にインターロック部品を持っても良い。
【0032】
(2.脛骨の幹)
距骨の幹26のように、脛骨の幹28関節置換材料または人工装具技術に一般的に用いられる材料であればどのようなものから作られても良く、これは金属、セラミック、チタン、チタン合金、タンタル、クロムコバルト、外科用スチール、ポリエチレン、吸収性ポリマー、またはその他の関節全置換金属および/またはセラミック、骨内部成長面、焼結ガラス、人工骨、セメントで結合されていない金属または陶材面、またはそれらの組み合わせを含むがこれに限定されるものではない。脛骨の幹28はさらに、一つ以上の抗菌剤、抗血栓剤、および骨誘導剤、またはそれらの組み合わせなどのコーティングで塗装されても良い。これらの薬剤はさらに、脛骨の幹28の孔を充満するかもしれない生分解性担体材料に含まれても良い。米国特許第5,947,893号を参照されたい。
【0033】
また距骨の幹26のように、脛骨の幹28は、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨合成物、ネジ、またはそれらの組み合わせ、または補綴手術の当業者に一般的なその他の固定材料を用いて脛骨に固定されても良い。図で示した実施形態では、脛骨の幹28は脛骨16にネジで固定される。もしネジが使われた場合、前方、後方、内側、側方におよび/または斜角で、あるいはその任意の組み合わせで伸びることができる。
【0034】
脛骨の幹28は、長さ20mmから300mm、幅6mmから20mmの間で可変する。好適な実施形態では、脛骨の幹28は好ましくは少なくとも長さ50mmである。当然ながら、患者の体格、彼らの骨寸法、ならびに予想される将来的な患者の運動性次第で、開示される脛骨の幹28が実質的には任意の長さになりうることを理解すべきである。一般的にはより体格が大きく、大きな骨を持ち、予想される運動性が高い患者は(すなわち彼らがかなり歩き回るまたは走り回る場合)、沈下、緩み、ならびに脛骨の骨溶解を防ぐために、安定性の増加と圧力の広範な配分を提供するため、望ましくはより長い幹28を持つことになる。必要ならば、幹28は外側に伸長する羽根などの回転防止機能を内蔵でき、例えば、幹28に沿って配置された長さ0.5から25cm、幅1から3mmで、鋭角または鈍角の先端を持つ一つ以上の羽根、または幹28に対する弓形状、例えば1から10度の範囲の前方または後方または側方、またはそれらのいくつかの組み合わせの弓形状などである。さらに、必要ならば、脛骨の幹28の表面には、望ましくは膝へ向かう角度で、くさび形または突端などの不整があってもよく、これは脛骨の幹28が沈下するのを抑止および/または防止する。他の方法として、脛骨の幹28の幅は幹28の長さに従って変化してもよく、これはさらに回転および/または沈下を抑止および/または防止する。
【0035】
後により詳細な説明を加えるように、幹28をインサイチュで組み立てられるようにおよび/または脛骨の土台12の他の部品を脛骨の幹28に固定できるように、脛骨の幹28はその全長に沿っておよび/またはその下面にインターロック部品を追加的に持ってもよい。
【0036】
(3.マルチピース幹)
図4Aは、それが関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントのどれであれ、インプラントの固定に幹を必要とする外科手技での使用に適するマルチピース脛骨の幹30を図解するものである。図で示した実施形態では、幹30は、先端(すなわち上部)部品32、一つ以上の中間部品34、および底部(すなわち下部)部品36を含む。幹30の骨内の先端部品32の方向への進展を容易にするために、先端部品30は望ましくは凸形またはドーム形である。
【0037】
マルチピース構造は、骨成分同士を低侵襲手技で申し分なく結合するのに適している。この構造はまた、大きい部品を取り付けるために小さな外科的開口部が使用される低侵襲外科手術に申し分なく適している。この構造は大きい部品を、一般的には個々の幹部品32/34/36の挿入方向に直角にすなわち横から取り付けるために小さな外科的開口部を使用できるようにする。このマルチピース幹30の態様は、後の代表的な外科手技の考察の後に非常に明らかとなるだろう。
【0038】
二つ以上の小さい幹部品32/34/36は、より大きな幹部品を作るためにインサイチュで連続して互いに取り付けられる(図4B参照)。例えば、先端部品32は底部部品36に結合されてもよい。他の方法として、一つ以上の中間部品34は所望の長さの幹30を形成するために先端および底部部品32と36の間に配置されてもよい。部品32/34/36は、図のように互いにネジ締めされてもよく、またはモールステーパ、4分の1回転、またはその他の固定方法を用いて取り付けられてもよい。他の方法として、幹部片32/34/36はモールステーパと糸の組み合わせ、またはモールステーパと外部ピンまたはネジの組み合わせを用いて互いにはめ合わせることができる。
【0039】
後により詳細な説明を加えるように、部品32/34/36の一つ以上が、図4Aに示すように骨内部の部品32/34/36の進展を容易にするために、ならびに/または隣接する部品32/34/36の内部へ部品32/24/36をねじ込むためにドライバーまたはその他の工具とかみ合うように内部六角形状38またはその他の非回転構造を含んでも良い。同様に、一つ以上の部品32/34/36はまた、取り付け時に、つかむまたは別の方法で部品32/34/36を固定するためにレンチまたはその他の工具とかみ合うように外部六角形状40またはその他の非回転構造を含んでも良い。
【0040】
後により詳細な説明を加えるように、各部品32/34/36は、足関節内の小さい前方開口部などの小切開を介して個々に取り付けられるように、望ましくは大きさと構造が決定される。このようにして(図4B参照)、(あらかじめ穴を開けられた)脛骨の骨髄内経路内部などのインサイチュで個々の部品32/34/36を互いに連続して結合でき、はじめに先端部品32を骨髄内経路を徐々に上方に進展させることができる。最後の、すなわち底部部品36は、人工足関節の上半分を含むことになる人工装具(例えば、脛骨の土台12)に結合するように大きさと構造が決定される。
【0041】
マルチピース構造は低侵襲手技を用いた取り付けを可能にするだけでなく、もしそれらが単独部品で構成されていたならば達成されないかもしれない長い固定部材または幹を取り付けるための方法を提供する。
【0042】
長いまたは伸長したマルチピース幹30が特に脛骨での使用に非常に適している一方で、マルチピース幹30はその他の長骨または距骨にも同様に使用できる。
【0043】
(4.関節運動する人工足関節)
関節運動する人工足関節22と24は、プラスチック(例えばポリエチレン)、セラミック、または金属またはその組み合わせ(例えば背面金属プラスチック)で作られていても良い。それらは様々な構造を有し、様々な方法で関節運動してもよい。多種の代表的な実施形態を説明のためにここで記述する。
【0044】
(a.嵌合する凹状/凸状面)
図5に示すように、関節運動する面22と24の基本的な配置は玉継手を形成できる。この配置では、関節運動する面22と24は嵌合する凹状と凸状面を含む。ある配置では、脛骨の人工関節面22は凹状半球体を含み、距骨の人工関節面24は、取り付けられた時凹状半球体と結合する凸状半球体を含む。これは、それらが置換する自家の関節面の構造を模倣する。
【0045】
図5に示すように、距骨の面24の凸状半球体は、幹26を使うことなく距骨15内部の穴が開けられたくぼみに差し込まれるボタン状構造を含むことができる。ボタン状構造は幹26を使うことなく、ポリ(メタクリル酸メチル)骨セメント、ヒドロキシアパタイト、粉砕骨合成物、ネジ、またはそれらの組み合わせ、または補綴手術の当業者に一般的なその他の固定材料を用いて固定できる。設置を容易にするために、ボタン状構造はペグ40または同様の付属物を幹自体の代わりに含むことができる。
【0046】
この配置では、面22が幹28に対して動かなくするモールステーパ結合によって脛骨の面22は幹28に固定される。
【0047】
(b.回転凹状/凸状面)
図6は、関節運動する面22と24が関節運動するだけでなく人工関節が脛骨の軸の周囲を回転できるようにする相補的な玉継ぎ手面を含む実施形態を図解する。これにより人工装具の機能と寿命を最大限にするために、より一様な面22と24の磨耗が可能になる。
【0048】
前述した実施形態と同様に、関節運動する面22と24の基本的な配置は玉継手を含む。脛骨の人工関節面22は凹状半球体を含み、距骨の人工関節面24は、取り付けられた時凹状半球体と結合する凸状半球体を含む。
【0049】
距骨の人工関節面24は幹26によって支えられる。面22は、この面22と距骨の間で相対運動が起きないように、モールステーパ結合によって幹26に固定される。
【0050】
脛骨の人工関節面22は土台12によって支えられる。土台12もまた脛骨の幹28にモールステーパ結合によって固定される。土台12と幹28の間に動きは起こらない。しかし、土台12と関節面22の間の結合は回転性のはめ合いを含む。このはめ合いは関節面22上の嵌合する溝25の内部で入れ子状に重なる土台46に従属する円筒環23との間で達成される。この回転性のはめ合いは土台12と相対する幹28の軸の周囲、ひいては幹28が固定されている脛骨の軸の周囲を面22が回転できるようにする。この回転性連結はより自由に脛骨に対する足の回転に適応し、機械的な均衡と安定性を高める。
【0051】
(c.平行移動面)
図7A、7B、および7Cは関節運動する面22と24が関節運動し、脛骨の軸の周囲を回転するだけでなく、嵌合する関節面の脛骨に対する前方、後方、および側方への移動に適応する相補的な玉継ぎ手面を含む実施形態を図解する。
【0052】
先の配置のように(図7Aと7B参照)、脛骨の人工関節面22はカップまたはソケット状の面を含み、距骨の人工関節面24は取り付けられた時脛骨の人工関節面22のカップ状面と結合するボール状面を含む。
【0053】
また先の配置のように(さらに図7Aと7Bを参照)、距骨の人工関節面24は幹26によって支えられる。面22は、この面22と距骨の間で相対運動が起きないように、モールステーパ結合によって幹26に固定される。
【0054】
脛骨の人工関節面22は土台12によって支えられる。土台12もまた脛骨の幹28にモールステーパ結合によって固定される。土台12と幹28の間に動きは起こらない。しかし、土台12と関節面22の間の結合は、関節面22の中の大きい穴42と土台12上の径の小さなツメ44の間の緩い、不干渉のはめ合いを含む。この緩い結合は土台12と関節面22の間の、中距離の対角線上の動きとともに、相対的な前方から後方へだけでなく横方向(側方から側方)の滑動または平行移動を可能にする(図7C参照)。緩い結合はまた、土台12に対して幹28の周囲を面22が回転できるようにする。
【0055】
この緩い結合は、脛骨に対する足の回転とともに脛骨に対する足の前方および横向きの平行移動に適応する。この特徴は一様な磨耗を可能にし、人工装具の機能と寿命を最大限にするために全ての面領域を最大限に利用する。平行移動する玉継ぎ型関節運動は機械的な平衡と安定性を提供する。関節運動する球面22と24は接触域を最大限にし、これにより接触圧力を最小化している。これはまた局所表面応力を最小化し、関節の磨耗を最小化、そして関節の寿命を最大化している。
【0056】
玉継手は関節の可動性を最大化する。これは、歩いたり走ったりしている間の足関節の通常の屈曲に適応する。これはまた通常の足関節の正常な側方から側方の回転を可能にする。
【0057】
(d.鞍状面)
先の実施形態は基本的な関節運動配置として、玉継手を示す。図8Aでは、関節運動する脛骨と距骨の面22と24がそれぞれ鞍状形部品を含むように示される。鞍状形は幾何学的に(好適な実施形態で一定半径である)掃過された弧として特徴付けられ、第一の弧(好適な実施形態で一定半径である)に対して垂直な第二の弧(これもまた好適な実施形態で一定半径である)に沿って掃過される第一の弧によって画定される面を含む。外形は各面22と24に対して、軸に沿って曲線を描く細長い溝を形成する。
【0058】
図8Aに示すように、脛骨の鞍状面22部品の溝は距骨の鞍状面24の溝内で入れ子状に重なる。これにより人工装具の脛骨と距骨の部品の間に接触面が形成される。関節運動は溝の湾曲した軸の両方に沿う、すなわち足の上下の屈曲(図8B参照)に適応するとともに溝の横方向足の横方向(側方から側方)の屈曲(図8C参照)に適応する、この接触面に沿って発生する。
【0059】
関節が安定した静的な平衡の位置の姿勢とることを必要とするので、鞍形接触面は内因性の安定性を持った関節を提供する。一部の患者は足関節を支える周囲の軟部組織が障害されるか弱くなるめに、深い鞍状の溝を必要とするであろう。その他の患者は、彼らの関節がより支持力のある軟部組織を持つため、より浅い鞍状の溝を必要とするかもしれない。より浅い鞍状の溝は関節が脛骨の軸の周囲を回転する能力の向上を提供し、これは望ましい。
【0060】
図8Aから8Cに示すように、鞍状形脛骨の面22は、先に記述した様式のうちどれかを用いて脛骨の幹28に固定されるように大きさと構造が決定されてもよい。図8Aから8Cのように、前述し、図4Aに示すように幹28はマルチピース幹30を含むことができる。距骨の部品は、望ましくは脛骨の部品が関節に挿入された後に取り付けられる。
【0061】
距骨の部品は様々な方法で大きさと構造が決定されてもよい。図9と10に示す実施形態では、距骨の土台20は図3に示す構造を持つ距骨の幹26に固定され、すなわち、幹26は距骨下関節を橋渡しせず、後部〜前部へと距骨15の前方先端に突出する。
【0062】
図11は距骨の幹26を取り付けるために、後方関節入り口から距骨15の前方先端に穴を開ける代表的な技法を図解する。前方から後外側方向に関節内部から穴を開けるのにkワイヤー52が使用される。その後図に示すように足を背屈位に置く。標準的なトロカールカニューレ(図示せず)をkワイヤー52にかぶせて設置し、前方から後方の方向に関節に穴を開けるために進展させる。カニューレ54をトロカール上を通過させ、トロカールを取り除く。カニューレ54は残存し、距骨15への経皮的経路を構築する。カニューレ挿入したドリル56をカニューレ54内のkワイヤー52上に設置する。距骨15前方先端を幹26を受けるのに適切な深さまでドリルで穴を開ける。幹26を取り付ける。
【0063】
距骨の土台20を幹26に固定し、事前に加工した距骨15の先端に入れ子状に重ねる。図10が最も良く示すように、幹26の近位端76は、雄六角形状78またはその他の非回転構造を含み、距骨の土台20の底面74にある雌六角形状80と入れ子状に重なる。距骨の土台20を介して距骨の幹26内部へ進展する押さえネジ82は、幹26と土台20を取り付ける。
【0064】
図で示した実施形態では、鞍状形距骨の人工関節面24は距骨の土台20の上部にはめ込まれ、土台20によって定められる荷重支持入れ子形状内に納まる。距骨の人工関節面24の両側の一対の相対するツメ、すなわち突起68は距骨の土台20上の隆起した支え72の中にある溝70に入れ子状に収まり、面24が距骨の土台20に完全に固定されるのをさらに確実にする。スナップ兼インターロック構造は簡便な距骨の人工関節面24の除去と置換を提供する。
【0065】
面24を取り付ける前に、プラスチックまたはその他の適切な生体適合性材料で作られた採寸ブロックを関節腔に滑り込ませることができ、これにより医師は適切な関節の拡張を提供するための材料の適切な厚さを決定できる。適切な大きさが決定されると、医師は実際の距骨の人工関節面24を関節腔に滑り込ませ、それを土台20上にはめ込む。
【0066】
この処理は人工装具の距骨の側面上のプラスチック関節面の取り付けと使用を可能にする。例えば、距骨の人工関節面24は超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの耐久生体適合性プラスチックから形成されても良い。プラスチック部品の脛骨面ではなく距骨面への設置は、最低限の骨の除去量を可能にすると同時に強度および磨耗特性に使用可能なプラスチック材料の最大量を提供する。
【0067】
プラスチック距骨面部品の別の実施形態を図12Aと12Bに示す。部品は今しがた記述した部品の多くの特徴を共有している。さらに、関節面24は間隔のあいた一対の脚状板すなわちスペーサ58の上部の土台20の上に載る。スペーサ58は距骨の人工関節面24の下で面24の両側の面に設置される(図12C参照)。スペーサ58は鞍状形関節面24のアーチ型のへりの下で伸びるツメ59内で入れ子状に収まる上方へアーチを描く面を含む。止め板60は、距骨の人工関節面24が載るスペーサ58の下の土台20の上に取り付けられる。止め板60の両側から突出するフランジ66は、距骨の土台20の溝61に固定される。
【0068】
スペーサ58と板60の厚さと構造は個々の患者のニーズと解剖に適応するように変化しても良い。代表的な実施形態では、スペーサ58と止め板60はそれぞれ約1〜2mmの厚さである。
【0069】
止め板60はバネ式ロックとして機能するような記憶装置として大きさと構造が決定される。距骨アセンブリの部品の全ては、ルービックキューブのようにネジもその他の機械的な留め具も使用することなく互いに擦られるように固定される。
【0070】
それらが全てインターロックされているため、関節腔から部品を押し出すような傾向を持つ誘起エネルギーがないことから、摩擦インターロック設計は安定性を提供する。距骨の部品にかかる前方−後方および中央−側方エネルギーは相当な量であるかもしれないが、距骨の関節面24は距骨の土台20の側壁内部に閉じ込められるように固定されておりしっかりと定位置に保たれる。
【0071】
今しがた記述したスナップ兼インターロックシステムはネジもその他の手段も用いることのない確実な固定方法を提供する。インターロック設計はまた、もし磨滅した場合、距骨の人工関節部品24を交換するための比較的簡便な手段を医師に提供する。高度に磨耗した部品24を交換するために、医師は関節にアクセスするために小さな前部開口部を足関節に作製する。その後医師は止め板60とスペーサ58を取り外し、磨耗した部品24を回収する。新しい部品24を挿入し定位置に固定する。
【0072】
(5.プラスチック、スナップ式脛骨の部品)
スナップ式アセンブリもまた脛骨の部品の中に組み込まれてもよい。図13に示すように、脛骨の土台12は、前述し、図4Aに示したようにマルチピース幹を含むように示される脛骨の幹30を含む。この実施形態では、脛骨の土台12と幹30は望ましくは金属部品を含む。
【0073】
脛骨の土台12は脛骨の人工関節面22を支える。関節面22は望ましくは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などの耐久生体適合性プラスチックから作られる。望ましくは、関節面22用に選択されるプラスチックは弾性変形体であり、これは与えられた力に応えて一時的にたわむか曲がるが、恒久的に変形はせず、力が取り除かれるとむしろ自身の通常の構造に戻るものである。この特徴を備えて、関節面22は土台12にはめ合うように大きさと構造が決定される。別のスナップ式アセンブリが金属関節面22と弾性の土台12、または弾性の土台22と弾性の関節面12を含んでもよいことを理解すべきである。
【0074】
関節面22を土台12に固定するために、図13が示すように土台12は向かい合って間隔をあける、内側に傾斜するサイドレール90を含む。サイドレール90は前方から後方の方向に土台12の底面に沿って伸びる。傾斜するサイドレール90はそれらの間に通路92を形成する。
【0075】
人工関節面22の上面(図13参照)はツメ構造94を含む。図15Aから15Cが示すようにツメ構造94を通路92に前方から後方の方向に滑り込ませることにより、ツメ構造94は通路92の内部で入れ子状に収まるように大きさと構造が決定される。
【0076】
図14に示すように、土台12の底面は形成されたくぼみ、すなわち切り欠き96をその前方端部付近に含む。同様に、人工関節面22の上面は上方に突き出す突出物、すなわち戻り止め98をその前方端部付近に含む。戻り止め98は切り欠き96にはまるように大きさと構造が決定される。
【0077】
より詳しくは、力を加えることにより、ツメ構造94は通路92内に進入し滑り込む(図15A参照)。上方に突き出す戻り止め98は最終的に土台12の前方端部に接する。滑り荷重が加えられる間は、弾性の人工関節面22の前方端部は曲がることによってたわむ(図15B参照)。戻り止め98は結果として、土台12の前方端部の下側を動き、切り欠き96が接するまで土台12のボディの底面に沿って滑りこむ(図15C参照)。切り欠き96が接すると、関節面22の弾性エネルギーは戻り止め98を切り欠き96にはめ込む。
【0078】
図13と14が示すように、土台12の底面は、望ましくはその後方端部に沿ってストップフランジ190を含む。関節面22は嵌合する近接する溝192を含み、これは後方の方向に滑り込んでしまう場合に関節面22の土台に対する過度の移動を防ぐためにストップフランジ190と入れ子状に重なる。ストップフランジ190と溝92の固定は切り欠き96内での戻り止め98のスナップ式固定に合わせて起こるように大きさと構造が決定される。
【0079】
図15Dから15Fが示すように、取り付け工具300は関節面22を土台12とのはめ合わせに滑り込ませるのを助けるために提供されてもよい。
【0080】
図で示した実施形態では、取り付け工具300は前方および後方の滑り移動のための手動操作可能なプランジャ306が内蔵されている、通路304を定める主部302を含む。最も後方の位置にプランジャ306を引っ張った状態で(図15D参照)、戻り止め98側を先に関節面22を通路304に取り付けることができる(ツメ構造94は通路304を走るサイドレール内を滑る)。関節面22は通路304内でプランジャ306と近接する位置に設置される。
【0081】
図15Eが示すように、土台12は主部302の遠位端に固定される(例えば、土台12の開口310内にはめ合う主部302の回転防止固定ピン308と共に、土台12のネジ受け314とはめ合う主部302遠位端にある取り付け用ネジ312を用いる)。主部302は土台12の通路92を、関節面22のツメ構造94を受けるような配置に固定する。
【0082】
図15Fが示すように、プランジャ306の前方への進展は関節面22を押し、切り欠き96と戻り止め98がはまるまで主部の通路304から土台の通路92へと押し出す(図15Cが示すように)。ネジ312をネジ受け314から外して工具300を引き戻すと固定ピン308が開口310から外れ、工具300が新しく組み立てられた脛骨の部品から解放される。
【0083】
脛骨の部品が組み立てられると(図16参照)、関節面22のツメ構造94は土台12のサイドレール90内にとらえられ、土台の切り欠き96内に関節面22の戻り止め98がとらえられる、土台12のストップフランジ190内に関節面22の近接する溝192がとらえられる。結果として、関節面22は土台12内にしっかりと保持される、これはまた幹30によって定位置に固定される。関節面22はこれにより距骨の人工関節面24を安定して関節運動するように配置され、(図17参照)、これはまた幹26によって定位置に固定される。
【0084】
(III.埋め込み)
(A.骨髄内ガイダンス)
望ましくは、足関節置換システム10は低侵襲骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる。骨髄内ガイダンスは脛骨の主軸に対して踵骨を介した低侵襲アクセスによって、足底部の切開を介して構築される。脛骨の軸に沿った骨髄内ガイダンスは、足関節への前方アクセスを介した適切に方向付けられた距骨15と脛骨16の骨の切り込みを可能にする。足関節全システム10の適切な全体配置と長期的結果の向上が達成される。
【0085】
骨髄内ガイダンスを組み込む取り付け器具、システム、および手法を用いて、足関節全システム10をそれが置換する自家の足関節の通常全ての軸との望ましい位置合わせと方向付けにおいて取り付けることができる。図18は足関節の回転の前方−後方の軸(Y水平軸)、足関節の回転の通常の中央−側方の軸(X水平軸)、および脛骨の主軸と足関節の配置の通常の上方−下方の軸(Z垂直軸)を含むようなこれらの通常の軸を示す。回転の前方−後方の軸(Y水平軸)の適切な配置を構築し保持することにより、足関節置換システム10は所望の角度の足の底の背屈(「上下の」)を構築し保持する。通常の回転の中央−側方の軸(X水平軸)の適切な配置を構築し保持することにより、システム10は所望の角度の足の内転/外転(「内と外」)を構築し保持する。脛骨の長軸と足関節の配置の通常の上方−下方の軸(Z垂直軸)の適切な配置を構築し保持することにより、X線透視ガイダンスを用いた1度の穴あけステップで骨髄内の支えが踵骨17と距骨15のインライン穴あけによって達成されるように脚部の脛骨の中心軸に対してシステム10は正確に方向付けられる。
【0086】
(B.取り付け器具、システム、および手法)
足関節置換手順での固定を含む手順(例えば、距骨下関節の固定、全距骨固定、または三重関節固定術)とともに、足関節置換手順(すなわち、脛骨と距骨の足関節面のいずれかまたは両方のための人工装具置換の取り付け)での使用に申し分なく適した代表的な取り付け器具、システム、および手法を記述する。
【0087】
代表的な取り付け器具、システム、および手法は(1)足関節と脛骨の位置合わせ、(2)踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築、(3)脛骨と距骨の土台12と20を取り付けるための、距骨と脛骨内に適切に方向付けられた骨の切り込みを作製する目的のための前方アクセスの構築、ならびに(4)脛骨と距骨の土台12と20の取り付けの作業を達成する。
【0088】
これら作業それぞれの代表的な実施形態、関連する器具、システム、および手法をここに記述する。
【0089】
(1.足関節と脛骨の位置合わせ)
図19は人工装具の取り付け手順の際に足関節と脛骨との位置合わせ作業に使用される代表的な位置合わせ工具100を示す。位置合わせ工具100は足支えアセンブリ102と脚支え104を含む。足支えアセンブリ102は、人工装具の取り付け手順の際に足留め106と踵留め108によって足が固定される足支え106を含む。脚部のふくらはぎは脚支え104に適切に固定される。足支えアセンブリ102と脚支え104はともに、取り付け手順の際に脚部に対して足と足関節を保定する。
【0090】
図19が示すように、足支えアセンブリ102は、医師の管理下で垂直すなわち直立状態から(図19に実線で示す)より水平すなわち傾斜状態(図19に点線で示す)方向へ旋回するように大きさと構造が決定される。直立状態では、足関節を通常の前方−後方および中央−側方軸に対して所望の方向に保持するためにアセンブリ102が機能する。前方/後方と中央/側方軸両方の適切な配置を構築し保持することにより、足関節置換システム10は歩行を通じて適切な応力分布を構築し保持する。アセンブリ102は、取り付け手順の際にもし必要になった時は管理された方法において足関節を屈曲させるために旋回できる。足支えアセンブリ102は、医師によって完全直立状態と完全旋回状態の間で任意の所望の方向に固定できる。
【0091】
足支えアセンブリ102はまた、X線透視法を用いて脛骨の主軸との所望の配置で足関節が正確に方向付けられ保持されるようにする。図20が示すように、足支えアセンブリ102は、足支え106に加えて裏板112と、足支え106と裏板112に挟まれる中間板114を含む。
【0092】
中間板114は、足支え106に対する上下の(垂直)運動のために滑り蟻形固定116によって足支え106に固定される。一対の向かい合って間隔をあける位置合わせ棒118は中間板114によって支えられる。位置合わせ棒118は同じ水平板に配置されている。位置合わせ棒118は、使用の際(図19参照)棒118が中央−側方平面において脛骨の両側に配置されるように、中間板から伸びて足支え106の細長い溝120を垂直に通る。中間板114の垂直方向の動きは、足支え106の対側の溝120内で位置合わせ棒118を一致して上下に動かす(図21B参照)。
【0093】
裏板112は、足支え106に対する側方−側方(水平)運動のために滑り蟻形固定122によって中間板114に固定される。一対の向かい合って間隔をあける位置合わせ棒124は裏板112によって支えられる。位置合わせ棒124は同じ垂直平面に配置される。使用の際(図19参照)棒124が前方〜後方平面において脛骨の対面に配置されるように、位置合わせ棒124は裏板112から足支え106の上と下に伸びる。裏板112の水平運動は、足支え106の上と下に一致して側方−側方に位置合わせ棒124を動かす(図21A参照)。
【0094】
裏板112はまた軸受筒126を支える。軸受筒126は中間板114と足支え106内の開口128を通って伸び、足底部が接する足支え106の平面あるいは付近で終了する。軸受筒126の中心は棒118の水平平面と棒124の垂直平面の交差点と一致する。
【0095】
棒118と124は、X線透視法によって可視化される材料から作られる。
【0096】
使用に際して、脚部と足部は外科手術のために準備される。医師は足関節への初期アクセスを得るために、望ましくは前方切開を作製する。足と下肢を足支え106と脚支え104に設置する。医師は足底背屈回転の足関節の軸を見積もり、視覚的に足関節を位置合わせ工具100の回転軸と合わせる。足支え106は、足の母指が基本的に垂直方向を向くように足を回転させるように調整される。前足部と踵はすでに述べた留め具108と110を用いて足支え106に固定される。脚支え104は、脛骨16が床とほぼ平行になるようにふくらはぎに調整される。距骨の滑車の前方〜後方(A−P)ラインが基本的に垂直になるように、望ましくは足とふくらはぎは一直線になる。
【0097】
図17Aと17Bに示すように、X線透視装置130は中央−側方棒118と一直線に並ぶ。並んだ際には、棒118はX線透視法では一本のように見える。医師は棒118が脛骨16の中心軸(Z軸)と一直線に並ぶように中間板114を動かす。適切な手動または電動の配列制御機器(図示せず)がこの目的のために提供されてもよい。棒118とZ軸の所望の中央〜側方の位置合わせが得られたら、中間板112は足支え106に固定される。
【0098】
図18Aと18Bが示すように、X線透視装置130は前方〜後方位置へ90度移動される。X線透視装置130は前方〜後方棒124と一直線に並ぶ。並んだ際、棒124はX線透視法では一本のように見える。医師は棒124が脛骨16の中心軸(Z軸)と一直線に並ぶように裏板112を動かす。適切な手動または電動の配列制御機器(図示せず)がこの目的のために提供されてもよい。棒124とZ軸の所望の中央〜側方の位置合わせが得られたら、裏板112は足支え106に固定される。
【0099】
棒118と122の対は(それぞれ水平および垂直)X線透視手法の視差を最小化するために合わせて使用される。一列に並んだことを表して棒118と122の両方が光学的に一つに「混ざる」場合、脚部と足関節の真の水平または垂直配列がX線上に達成される。棒の各対については、一本の棒が平滑なのに対しもう一本には溝がつけられてもよいなど、一本の棒は透視手法においてもう一本から区別されるように形成される。
【0100】
ひとたび中心化が終了すると、足関節への外科的アクセスを遮るものがなくなるようにガイド棒118と124は全て取り除かれても良い。
【0101】
(2.踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築)
図24は踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築作業に使用される代表的な器具132と手技を示す。器具132は脛骨の中につながる踵骨と距骨を通る骨髄内ガイド経路を構築する足底カニューレ134を含む。
【0102】
裏板112の軸受筒126は、棒118と124の同じ解剖学的目標との位置合わせによって脛骨の軸との位置合わせのために機能する。ゆえに、今しがた述べたように足関節と脛骨を並べるために位置合わせ工具100を使用した後は、足底部を介して上に向かう所望のライン穴あけ位置を得るために棒118と124の位置合わせにより軸受筒126がすでに並べられているため、足底カニューレ134の導入のための足関節と脛骨の中心のインライン穴あけが可能になる。
【0103】
カニューレ134の導入のため各種の低侵襲外科的技法がある。ある代表的な実施形態では、足底部へのアクセスを提供するために軸受筒126は一時的に裏板112から外される(例えばネジを外して)。医師は最初の切開を足底部に作製するのに外科用メスを使用し、軸受筒126を交換する。kワイヤーを用いて設置されるカニューレトロカールは(図示せず)軸受筒126を通して踵骨17が接触するまで足底部へ挿入でき、kワイヤーが踵骨17内に堅くセットされる。次にトロカールを取り除くことができ、kワイヤーを軽くたたいてさらに踵骨17の内部へ入れる。代表的な実施形態では、軸受筒126は直径6mmで、カニューレトロカールは6mmでもよく2.4mmのkワイヤーが入っている。医師はここでカニューレ挿入した第一リーマー(例えば6mm)(図示せず)をkワイヤーの上から操作して踵骨17と距骨15内部へ約30mm進展させる。第一リーマーは足底カニューレ134の挿入用のアクセス経路を開ける。
【0104】
第一リーマーと軸受筒126を回収して、医師はここで足底カニューレ134を挿入できる(図24に示すように)。カニューレ134を定位置におき、第二のリーマー136(例えば5mm)は距骨15を通って脛骨16内部へさらに約100mm穴を開けるためにカニューレ134を介して操作できる。ドリル穴の精度を確かめるために、必要ならば透視法を用いても良い。
【0105】
脛骨に内につながる踵骨と距骨を通って骨髄内ガイド経路が構築された。足底カニューレ134の存在はガイド経路と脛骨の軸の位置合わせを維持する。
【0106】
(3.前方アクセスの構築と距骨と脛骨の骨の切り込みの作製)
図25A、25B、25Cおよび図26は脛骨と距骨の土台12と20を取り付けるために距骨と脛骨に骨の切り込みを作製する目的で足関節への前方アクセスを構築するために使用される代表的な器具138と手技を示す。
【0107】
代表的な実施形態では、器具138は足関節の前方位置で足関節の上部に取り付けられ固定される切断ガイド固定具140を含む。切断ガイド固定具140は、位置合わせ工具100も取り付けられる下層フレーム142に固定される。
【0108】
図25Aが示すように、切断ガイド固定具140は上側骨切断刃ガイド144と下側骨切断刃ガイド146を含む。
【0109】
切断ガイド固定具140はまた、刃ガイド144と146に近接する固定ピン148を受け入れるための開口を含む。代表的な実施形態では、ピン148は2.4mmのスタインマンピン(Steinmann Pin)を含むことができる。一対のピン148は上側刃ガイド144と近接して脛骨16内に穴を開け、もう一対のピン148は下側刃ガイド146に近接して距骨15に穴を開ける。開口フィールド間隔を最大化するために、ピン148は必要ならば固定具140と同一平面状に切断されてもよい。これにより足関節の開口フィールドは図25Aに示すように固定される。
【0110】
図25Aがさらに示すように、切断ガイド固定具140はまた回転防止切り欠きの構築のための開口150を含む。医師は開口を介して操作されるドリルと固定環(例えば4mm)を用いるなどして回転防止切り欠きを作製できる。図25Aが示すように、X線透視法を用いて、足底カニューレ134は上側刃ガイド144と回転防止切り欠き150の目標部位から外れた場所で足内部に保持される。
【0111】
回転防止切り欠きを構築したら、医師は、望ましくは下層骨のおおよその深さをドリルから書き留める。上側および下側鋸刃152と154(図20Bと20C参照)上に、医師は先に測定したドリルの深さに基づいて必要な深さを書き留める。
【0112】
図25Bが示すように、上側鋸刃152は脛骨16上面を切るために上側刃ガイド144を介して操作される。
【0113】
骨の切り込みの作製中に足底カニューレ134を足内部に保持すると、基本的にドリル開けとのこ引き操作の間に関節部品の相対運動が起こらないため精度を高めることができる。ドリル開けとのこ引き操作の間は通常は相当な力が関節に働き、最適な人工装具配置のための所望の方向から外れて関節が動くことがある。足底カニューレ134は、もたらされる切り込みがより高い精度で配置されるように関節部品が互いに対して正しい配置に保たれるのを確実にする助けとなる。
【0114】
透視法を用いて、足底カニューレ134は次に下側刃ガイド146(図25C参照)の邪魔にならないところに回収される。図20Cと21が示すように、下側鋸刃154は下側刃ガイド146を介して操作される。距骨15の底面は先に書き留めた深さに切り込まれる。
【0115】
足底カニューレ134は足内部に再び挿入され、関節腔の両側は側面鋸刃ガイド溝156を用いて切り込まれる(図25A参照)。
【0116】
固定具140とピン148はここで取り除いてよい。丸い骨刀を用いて、関節腔の隅部を切り取る。側面が基本的に垂直になるように、回転防止切り欠き側面の汚れを落とす。緩んだ骨片を取り除き空になった関節腔を洗浄する。図27Aは空になった関節腔158とその他の取り付け器具と脛骨と距骨の土台12と20の部品の挿入のために提供される前方アクセスを示す。
【0117】
(4.幹部品のための通路の作製)
図で示した実施形態では、脛骨と距骨の土台12と20はともに、個別の幹部品を含む。先に述べたように、これらの幹部品は土台に高い固定性と支持性を提供する。これらの幹部品の脛骨と距骨への取り付けのための通路の作製をここで記述する。
【0118】
(a.脛骨の幹のための脛骨の穴あけ)
図27Aと27Bは空になった関節腔158を介する前方アクセスを利用して脛骨の土台12の幹部品が取り付けられる脛骨内部の骨髄内経路の構築の目的に使用される代表的な器具160と手技を示す。
【0119】
代表的な実施形態では、器具160はネジ端を持つ脛骨の幹ドライバー162と、取り外してドライバー162のネジ端に取り付け可能な脛骨の幹リーマー164を含む。足底カニューレ134の取り付け(前述)は、空になった関節腔158が提供する前方アクセスを用いる、リーマー164のドライバー162への固定を可能にする。図27Aに示すように、脛骨の幹ドライバー162のネジ端は足底カニューレ134を介して空になった関節腔158に挿入できる。図27Aが示すように、医師はここで、脛骨の幹リーマー164を空になった関節腔158内に挿入するための、またドライバー162にリーマー164をネジで取り付けるための開口前方アクセスを持つ。
【0120】
リーマー164は望ましくは、先に脛骨16内に形成した5mmの経路にはまる弾丸型の突出部を含む。経路に進入しながら、リーマー164は、図27Bが示すように脛骨の骨髄内経路を拡大する。図27Bが示すように脛骨16にさらに約70mm穴を広げられるようにドライバー162に深さの指標をつけてもよい。
【0121】
医師はリーマー164を関節腔158に露出するためにドライバー162とリーマー164を足底カニューレ134を介して回収してよい。ここで、医師は前方アクセスを介してリーマー164を回収するためにドライバー162からリーマー164を取り外してよい。ドライバー162は足底カニューレ134から回収できる。
【0122】
これにより脛骨の幹の取り付けのための骨髄内経路が構築された。
【0123】
(b.踵骨幹のための距骨と踵骨の穴あけ)
図28Aから28Dは距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路構築の目的に使用される代表的な器具166と手技を示す。距骨の土台20幹部品は距骨−踵骨経路に取り付けることができる。器具166と手技は先に空になった関節腔158を介する前方アクセスによって作動する。
【0124】
代表的な実施形態では、器具166は踵骨ドリルピン固定具168(図28A)と踵骨ガイド方位固定具170(図28B)を含む。ドリルピン固定具168は、最終的に踵骨幹が取り付けられる距骨−踵骨経路の形成のための前方〜後方ドリル角度を構築する。方位固定具170は、ドリル経路の所望の中央〜側方方向付けの構築を支援するためドリルピン固定具168に連結する。
【0125】
ドリルピン固定具168(図28A参照)の使用に先立って、足を足底屈に最大限に回転させるために足支えアセンブリ102をその直立状態から離れて回転させる。図28Aが示すように、ドリルピン固定具168は屈曲した空の関節腔158内部に取り付けられる。定位ピン172がカニューレ134を上方に滑り込み、ピン固定具168の開口に取り付けられる。定位ピンを配置したまま、足底カニューレ134を回収できる。
【0126】
定位固定具170はドリルピン固定具168に取り付けられる(図28Bが示すように)。図で示した実施形態では、ドリルピン固定具168は定位固定具170が取り外し可能で上にはまる付属枝174を含む。定位固定具170はそれらの終端において間隔を介して向かい合う関係に湾曲した経路で入り込む、左右対称配置の中央−側方側枝176を含む。枝176を握りながら、固定具170を側方−側方すわなち回転性に操作できる。定位固定具のそのような動きは同等の動きをピン固定具168に与え、これにより踵骨に対するピン固定具168の中央〜側方方向付けを変化させる。定位固定具170は枝176の終端を踵骨17のいずれかの側面上の等間隔の方向に置くように操作される。
【0127】
図23Cに示すように、ひとたびピン固定具168が位置づけられたら、ピン固定具を距骨15に固定するために一対の固定ピン178がピン固定具168の側孔に挿入される。
【0128】
図28Cがさらに示すように、医師はガイドピン180をピン固定具168の中心孔に入れ、踵骨17内に約65mm差し込む。代表的な実施形態では、ピン160は2.4mmのスタインマンピン(Steinmann Pin)を含む。ガイドピン180を踵骨17に残して、固定ピン178とピン固定具168はここで取り除いても良い。
【0129】
図28Dが示すように、踵骨リーマー182はガイドピン180を覆いながら挿入され踵骨17内に約65mm進入する。最終的に踵骨幹が挿入される作製経路P(図28E参照)を残して踵骨リーマー182を回収する。
【0130】
足支えアセンブリ102を元の直立位置に回転させて戻す。足底カニューレ134を挿入する。
【0131】
この代表的な方法で、踵骨幹の取り付けのための距骨−踵骨横断経路が構築できる。
【0132】
(5.脛骨の幹と土台の取り付け)
図29Aから29Dおよび図30は脛骨の幹30と土台12を取り付ける目的に使用される代表的な器具184と手技を示す。
【0133】
図で示した実施形態では、脛骨の土台12は、図4Aと4Bに示す先に述べた種類のマルチピース幹30で脛骨16内部に固定される。前述した取り付け手順と図27Aと27Bに示すように、マルチピース幹部品30を受けるために骨髄内経路が脛骨内に先に形成された。
【0134】
この取り付け手順では、前述した一連の取り付けのように、マルチピース幹部品30の取り付けは足底カニューレ134が提供する踵骨アクセスとともに空になった関節腔158に提供される前方アクセスを活用する。
【0135】
図29Aが示すように、医師は先端脛骨の幹部品32を先に形成した前方アクセスを介して関節腔158に挿入する。器具184はレンチ200またはその他の適切な工具を含む。レンチ200は先端幹部品32の外部幹面をかみ、先端幹部品32をつかむ。先端幹部品32を先に形成した脛骨の経路内をある程度上方に進入させる。レンチ200脛骨の切り込み面の終端に接し、先端幹部品32の進展が空になった関節腔158の上側境界を越えていることを確認する。
【0136】
図29Bに示すように、中間幹部品34Aを前方切開を介して挿入する。器具184は、足底カニューレ134を介して空になった関節腔158内へ進入する骨髄内ドライバー186を含む。ドライバー186は雄六角形状接続金具188をその遠位端に含む。ドライバー186の六角形状接続金具188は、中間幹部品34Aの内部で内部雌六角形状38とかみ合う(内部雌六角形状38は図4Aに示す)。回転しないように先端幹部品32をレンチ200がつかんだまま、医師は幹部品34Aの雄ネジ端を先端幹部品32の雌ネジ端に回し込むためにドライバー186を回す。これにより先端および中間幹部品32と34Aが取り付けられる。ひとたび堅く締めた後は、レンチ200を先端幹部品32から中間幹部品34Aの幹面へと移動させる。医師は先端幹部品32を空になった関節腔158の境界より上に押して脛骨の経路内に押し上げるために、ドライバー186を軸方向に進展させる。
【0137】
図29Cが示すように、六角形状接続金具188は中間幹部品34Aから回収され、前方アクセスを介した関節腔158への第二の中間幹部品34Bの挿入が可能にするのに十分なくらいドライバー186を引っ込める。今しがた述べた手順を繰り返す。ドライバー186の六角形状接続金具188は第二の中間幹部品34B内部の内部雌六角形状38とかみ合う。回転しないように幹部品34Aをレンチ200でつかんだまま、医師は第二の中間幹部品34Bの雄ネジ端を第一の中間幹部品34Aの雌ネジ端に回し込むためにドライバー186を回す。ひとたび堅く締めた後は、レンチ200を中間幹部品34Bの幹面へと移動させる。医師は、先端幹部品32に先行される第一中間幹部品34Aを空になった関節腔158の境界より上に押して脛骨の経路内に押し上げるために、ドライバー186を軸方向に進展させる。
【0138】
幹30の目標とする最終的な長さに応じて追加的な中間幹部品をこの方式で取り付けられる。
【0139】
同様に、底部幹部品36を挿入したいとき(この部品は図4Aに示す)、そのときに組み立てられた一番端の幹部品から六角形状接続金具188を回収する。前方切開への底部幹部品36の挿入を可能にするのに十分なくらいドライバー186を引っ込める。図29Dが示すように、ドライバー186の六角形状接続金具188は底部幹部品36の内部の内部雌六角形状38とかみ合う。組み立てられた一番端の幹部品(中間幹部品34Bとして図示の目的のために示す)をレンチ200でつかんだまま、医師は底部幹部品36の雄ネジ端を第一の中間幹部品34Aの雌ネジ端に回し込むためにドライバー186を回す。レンチ200を底部幹部品36の幹面へと移動させる。ドライバー186を用いて、空になった関節腔158の境界より上に、組み立てられたマルチピース幹30を軸方向に脛骨の経路内に進展させる。
【0140】
別の処理では、底部幹部品36は内部六角形状を持つ必要がなく、その場合底部幹部品36を関節腔158に挿入されるネジ端ドライバーまたはその他の適した工具を用いてそのときに組み立てられた一番端の幹部品に回し込んでも良い。
【0141】
図30が示すように、底部幹部品36をレンチ200でつかみながら、医師は脛骨の土台12を関節腔に挿入する。医師は、土台12の雄モールス接続金具を対応する底部幹部品36の雌接続金具に挿入するなどして脛骨の土台12を底部幹部品36に取り付けるために足底カニューレ134を介して進展させた、ドライバー186を使用する。
【0142】
必要ならば、土台12に簡便な設置基準のために印をつけてよい。例えば、正面が前方を向くように設置されることを明示するため正面はANT−Rとつけてよい(右足として、またはANT−Lを左足として)(図示せず)。
【0143】
望ましければ、骨セメントを脛骨の土台12の上部に塗布してもよい。次に、幹30を脛骨16と回転防止切り欠き150にしっかりと押し込むために土台12を脛骨16の底部に堅く押し付ける。
【0144】
(6.距骨/踵骨幹と距骨の人工関節面の組み立てと取り付け)
前述のように、図28Aから28Eは距骨の土台20の幹部品26が取り付けられる距骨と踵骨を橋渡しする経路Pを構築する目的に使用される代表的な器具166と手技を示す(図28E参照)。図31は踵骨の幹部品31の経路Pへの取り付けを示す。
【0145】
図31が示すように、足を足底屈に最大限に回転させるために足支えアセンブリ102をその直立状態から離れて回転させる。医師は適切に角度付けられた距骨/踵骨幹26を選択する。幹26を距骨15と踵骨17内に先に形成した経路Pに挿入する。
【0146】
打ちつけブロックアセンブリ204を幹26の近位端上に置く。幹26の近位端のために保護カバー(図示せず)が提供されてもよく、その場合打ちつけブロックアセンブリ204はカバーの上に置かれる。幹26をしっかりと距骨15と踵骨17内に据え付けるためにブロックアセンブリ204を打つ。
【0147】
幹26とブロック204の方向が基本的に距骨15の面に平行であることが望ましい。必要ならば、方向を調製するためにレンチ206またはその他の適切な工具が用いられて良い。ブロック204が距骨15の面と同じ高さになるまで幹26を打つ。次に幹カバー(使用した場合)を取り除く。
【0148】
図32が示すように、レンチ206は幹26の近位端上の接続金具208の下に配置される。医師は距骨の人工関節面24を幹26の上に所望の方向で設置する。必要ならば骨セメントを距骨の人工関節面24の底面に塗布してもよい。木槌またはその他の適切な工具を用いて打ちつけブロック210を打つことにより面24を幹26の上に設置する(図示せず)。次にブロック210を面24の底部が距骨15の面と同じ高さに据え付けられるまで打つ。その後レンチ206を取り除いても良い。
【0149】
(7.脛骨の人工関節面の挿入)
医師は次に採寸ブロック(図示せず)を用いて最適な脛骨の人工関節面22を決定する。
【0150】
図33に示すように、足を足底屈の位置にしたまま、矢印で示すように面22を脛骨の土台12に設置する。必要ならば面22に簡便な設置基準のために印をつけてよい。例えば、印が面22の内側にあるべきことを明示するため正面にMED−Rとつけてよい(右足として、またはMED−Lを左足として)(図示せず)。
【0151】
足は次に適切な関節運動のために確認される。その後切開を洗浄し閉じてよい。
【0152】
(a.代表的な取り付け土台)
図34と35は今しがた記述した形状、はめ合い、および機能の様々な治具、固定具、リーマー、補助土台が堅くならびに簡単に取り付けられてもよい代表的なメイン取り付け土台212を示す。これらの冶具、固定具、リーマー、および補助土台は記述したような一連の作業を達成するための形状、はめ合い、および機能をもち、一連の作業には(1)足関節と脛骨の位置合わせ、(2)踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築、(3)脛骨と距骨の土台12と20を取り付けるための、距骨と脛骨内に適切に方向付けられた骨の切り込みを作製する目的のための前方アクセスの構築、ならびに(4)脛骨と距骨の土台12と20の取り付けが含まれる。遮るもののない足関節への外科的アクセスを可能にするため、これらの冶具、固定具、リーマー、および補助土台は好ましくは要望に応じて取り外し可能である。メイン取り付け土台212は、一部の部品では使い捨てが許容されているものの、望ましくは再使用のための洗浄と滅菌を容易にするように設計される。
【0153】
メイン取り付け土台212の設計は後述するように透視法を用いて達成される最終位置合わせを備える一連の調整を通してあらゆる脚部の大きさに適応するかもしれないものである。
【0154】
(b.人工装具の取り外し)
必要ならばまたは望ましければ、記述した器具および手法は人工装具の簡便な置換を提供する。
【0155】
先に作製した切開を再び開き足を足底屈位に設置する。距骨の人工関節面24を、平たいネジ回しまたはその他の適切な工具を用いて底からてこ上げして取り除く。一部の例では、面24を取り除くために関節を拡張する必要があるかもしれない(例えば約3mm)。必要ならば、面24と除去を助けるために穴に設置したネジに小さな穴をドリルで開けても良い。次にペンチを用いて踵骨幹が緩められ取り除かれる。
【0156】
脛骨の部品を取り除くために、足底カニューレを再び挿入する。脛骨トレーを取り除き、足底カニューレを介して六角形状ドライバーを挿入し連続してネジをはずして幹部品を取り除く。
【0157】
単独で、または組み合わせで以下を含む技術的特徴を開示した:
(1)それが関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントであろうとなかろうと、インプラントの固定に幹が必要とされる全ての外科手技での使用に適しているマルチピース幹部品(例えば図4A参照)。このマルチピース幹部品構造は、大きい部品を取り付けるために小さな外科的開口部を使用する低侵襲手技において骨の成分同士を固定するのに申し分なく適している。二つ以上の小さな幹部品は、大きな幹部品を作るためにお互い連続してインサイチュで(図4B参照)取り付けることができる。マルチピース幹部品の取り付けのための代表的な器具や手順を図29Aから29Dに示す。
【0158】
(2)関節運動するだけでなく人工関節が軸の周囲を回転するのを可能にする相補的な玉継ぎ手面を含む関節運動する人工足関節(例えば図6参照)。これにより人工装具の機能と寿命を最大限にするために、より一様な面の磨耗が可能になる。
【0159】
(3)関節運動し軸の周囲を回転するだけでなく、嵌合する関節面の自然骨に対する前方、後方、および側方への移動を提供する相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節(例えば、図7A、7B、および7C参照)。
【0160】
(4)それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工関節面(例えば図8A参照)。鞍状形は、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される第一の弧によって定められる面を含む掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる。外形は各面に対して、軸に沿って曲線を描く細長い溝を形成する。
【0161】
(5)ネジもその他の留め具も用いることなく確実な固定方法を提供するスナップ式および/または連結式で組み立てられる人工関節面を支える人工装具(例えば、図9、10、12A、および13参照)。
【0162】
(6)超高分子量ポリエチレンなどから作られるプラスチック関節面の取り付けを提供する人工装具。
【0163】
(7)踵骨、足底部の切開部を介した低侵襲アクセスによって、脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる足関節置換システム。脛骨の軸に沿った骨髄内ガイダンスにより、適切に方向付けられた、足関節への前面アクセスを介した距骨と脛骨の骨の切り込みの作製が可能になる。足関節全システムの適切な全体の配置は、それらが置換する通常の足関節の通常の軸の全てとの望ましい位置合わせと方向付けにおいて達成され、長期的結果の改善が達成される。
【0164】
(8)脛骨の主軸に対して構築される低侵襲骨髄内ガイダンスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技。
【0165】
(9)脛骨の主軸に対して構築されるX線透視可視化を用いた低侵襲骨髄内ガイダンスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技。
【0166】
(10)骨の切り込みの作製と人工装具部品を取り付けるための足関節への低侵襲前面アクセスを用いた足関節全システムの取り付けを可能にする人工装具、器具、および手技。
【0167】
(11)人踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築を可能にする人工装具、器具、および手技。
【0168】
ここで記述される本発明のその他の実施形態や使用は、開示される本発明の本明細書および実施を考慮すると当業者にとって明らかなものである。ここに参照される全ての文書は参照することにより明確にならびに完全に本書に組み込まれる。本明細書は続く特許請求の範囲により示される本発明の真の精神と範囲を備える場合のみ典型例となるものであると考えられるべきである。当業者によって容易に理解されることから、開示される実施形態それぞれの変形や変更は、続く特許請求の範囲で定められるような本発明の範囲内において容易に行われてよい。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】図1は、人間の下肢と足の骨格の解剖図である。
【図2】図2は、自家の関節を模倣する可動域を再構築するために脛骨の人工関節面と距骨の人工関節面が関節運動するように相互に大きさと構造が決定され、距骨の人工関節面を支え、距骨を踵骨へ橋渡しする距骨の幹を含む足関節全置換システムの透視解剖図である。
【図3】図3は、自家の関節を模倣する可動域を再構築するために脛骨の人工関節面と距骨の人工関節面が関節運動するように相互に大きさと構造が決定され、距骨の人工関節面を支え、距骨を踵骨へ橋渡しすることなく足関節の後方〜前方へと距骨の前方先端に突出する、距骨の幹を含む足関節全置換システムの透視解剖図である。
【図4A】図4Aは、組み立てられた時に、図2または図3のいずれかに示される種類の脛骨の人工関節面を支えるように大きさと構造が決定されるマルチピース脛骨幹の透視分解図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示される、脛骨内に取り付けられ、距骨の人工関節面に関連して脛骨の人工関節面を支えるマルチピース脛骨幹の組立側面図である。
【図5】図5は、関節運動する玉継ぎ人工関節面を含む、足関節全置換システムの側面解剖図である。
【図6】図6は、関節運動するだけでなく、人工関節が脛骨の軸の周囲を回転するのを可能にする相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節の側面解剖図である。
【図7A】図7Aは、関節運動し脛骨の軸の周囲を回転するだけでなく、脛骨に対して嵌合する関節面の前方、後方、および側方への移動を提供する相補的な玉継ぎ手面を含む、関節運動する人工足関節の透視分解図である。
【図7B】図7Bと7Cは、使用のために組み立てられ、取り付けられた時の図7Aに示す関節運動する人工足関節の側面解剖図である。
【図7C】図7Bと7Cは、使用のために組み立てられ、取り付けられた時の図7Aに示す関節運動する人工足関節の側面解剖図である。
【図8A】図8A、8B、および8Cは、関節運動する脛骨と距骨面22と24と、足の上下の屈曲時(図8B)と足の側方の屈曲時(図8C)の面の関節運動を示す図8Bと8Cに示される矢印を含む、それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工足関節の透視図である。
【図8B】図8A、8B、および8Cは、関節運動する脛骨と距骨面22と24と、足の上下の屈曲時(図8B)と足の側方の屈曲時(図8C)の面の関節運動を示す図8Bと8Cに示される矢印を含む、それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工足関節の透視図である。
【図8C】図8A、8B、および8Cは、関節運動する脛骨と距骨面22と24と、足の上下の屈曲時(図8B)と足の側方の屈曲時(図8C)の面の関節運動を示す図8Bと8Cに示される矢印を含む、それぞれが鞍状形部品を含む関節運動する人工足関節の透視図である。
【図9】図9は、図3に示す構造を持つ距骨の幹にスナップ方式で固定された鞍状形距骨の人工関節面の透視図である。
【図10】図10は、図9に組み立てられて示される鞍状形の距骨の人工関節面と距骨の幹の透視分解図である。
【図11】図11は、図3と図9に示される種類の距骨の幹を取り付けるために、後方関節入り口から距骨の前方先端にドリルで穴を開ける代表的な技法を図解する解剖図である。
【図12A】図12Aは、超高分子量ポリエチレンなどのプラスチック材料を含んでもよく、距骨の幹上に連結式で組み立てられてもよい距骨の人工関節面を持つ距骨の部品と関節運動する、脛骨の部品を含む足関節全置換システムの透視分解図である。
【図12B】図12Bは、図12Aに示される足関節全置換システムの透視組立図である。
【図12C】図12Cは、図12B内の線12Cに大まかに沿って得られる断面図である。
【図13】図13は、超高分子量ポリエチレンなどのプラスチック材料を含んでも良く、脛骨の幹上にスライドスナップ方式で組み立てられても良い脛骨の人工関節面を持つ脛骨の部品であり、図4Aに示す種類のマルチピース幹になるように示される部品の透視分解図である。
【図14】図14は、図13に示す脛骨の部品の一部を形成し、脛骨のプラスチック人工関節面とのスライドスナップ式の嵌合に適応する土台の底面の透視図である。
【図15A】図15A、15B、および15Cは脛骨のプラスチック人工関節面とスライドスナップ式の嵌合を作り出す図14に示す土台の側断面図である。
【図15B】図15A、15B、および15Cは脛骨のプラスチック人工関節面とスライドスナップ式の嵌合を作り出す図14に示す土台の側断面図である。
【図15C】図15A、15B、および15Cは脛骨のプラスチック人工関節面とスライドスナップ式の嵌合を作り出す図14に示す土台の側断面図である。
【図15D】図15D、15E、および15Fは脛骨のプラスチック人工関節面と図15A、15B、および15Cに示すような土台の間のスライド式嵌合を構成するために操作される取り付け工具の透視図である。
【図15E】図15D、15E、および15Fは脛骨のプラスチック人工関節面と図15A、15B、および15Cに示すような土台の間のスライド式嵌合を構成するために操作される取り付け工具の透視図である。
【図15F】図15D、15E、および15Fは脛骨のプラスチック人工関節面と図15A、15B、および15Cに示すような土台の間のスライド式嵌合を構成するために操作される取り付け工具の透視図である。
【図16】図16は、図13に示す脛骨の部品の組み立て後の側断面図である。
【図17】図17は、図13に示す脛骨の部品の、組み立て後で距骨の部品と関節運動している状態の透視図である。
【図18】図18は、関節の通常の3つのX、Y、およびZ軸を示す、自家の足関節の透視解剖図である。
【図19】図19は、先の図に示される種類の足関節全置換システムを取り付ける手順の際に、足関節を脛骨と合わせる作業を行う位置合わせ工具の透視図である。
【図20】図20は、図19に示す位置合わせ工具の一部を形成する足支えアセンブリの透視分解図である。
【図21A】図21Aおよび21Bは、下肢関節と足関節のX線上の水平および垂直の位置合わせを可能にする、その水平運動および垂直運動の範囲を示す図20に示す足支えアセンブリの組立透視図である。
【図21B】図21Aおよび21Bは、下肢関節と足関節のX線上の水平および垂直の位置合わせを可能にする、その水平運動および垂直運動の範囲を示す図20に示す足支えアセンブリの組立透視図である。
【図22A】図22Aと22Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の垂直の位置合わせを可能にする垂直運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリの側面図と端面図である。
【図22B】図22Aと22Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の垂直の位置合わせを可能にする垂直運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリの側面図と端面図である。
【図23A】図23Aと23Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の水平の位置合わせを可能にする水平運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリ図の上面図と端面図である。
【図23B】図23Aと23Bはそれぞれ、下肢関節と足関節のX線上の水平の位置合わせを可能にする水平運動の範囲を示す、図21Aと21Bに示す足支えアセンブリ図の上面図と端面図である。
【図24】図24は、踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築作業に使用される代表的な器具と手技の側面図である。
【図25】図25Aは、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製する目的のために、足関節への前面アクセスを構築する目的に使用される代表的な器具と手技の上面図である。
【図25B】図25Bと25Cは、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製するのに使用される、図25Aに示す代表的な器具と手技の側面図である。
【図25C】図25Bと25Cは、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製するのに使用される、図25Aに示す代表的な器具と手技の側面図である。
【図26】図26は、脛骨および距骨の人工装具土台の取り付け用に関節腔を空にするために距骨と脛骨内に骨の切り込みを作製するのに使用される図25Aに示す器具と手技の透視上面図である。
【図27A】図27Aと27Bは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して脛骨の土台の幹部品が取り付けられてもよい、脛骨内の骨髄内経路の構築目的に使用される代表的な器具と手技の側面図である。
【図27B】図27Aと27Bは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して脛骨の土台の幹部品が取り付けられてもよい、脛骨内の骨髄内経路の構築目的に使用される代表的な器具と手技の側面図である。
【図28A】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28B】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28C】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28D】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図28E】図28Aから28Eは、図25A、25B、25C、および26の器具と手技を用いて形成される空の関節腔を介した前方アクセスを利用して距骨の土台20の幹部品が取り付けられる、距骨と踵骨を橋渡しする距骨−踵骨経路の構築の目的に使用される代表的な器具と手技を透視図に示す。
【図29A】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図29B】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図29C】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図29D】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図30】図29Aから29Dおよび図30は、マルチピース脛骨幹の取り付け(図4Aと4Bにも示すように)と土台の取り付けの目的に使用される代表的な器具と手技と、図27Aと27Bに示す器具と手技を用いて形成される脛骨内に形成される骨髄内経路内のインサイチュに組み立てられる幹を透視図に示す。
【図31】図31は、図28Aから28Eに示す器具と手技を用いて形成される距骨と踵骨を橋渡しする経路(図28E参照)への踵骨の幹部品の取り付けを側面図に示す。
【図32】図32は、図31に示す器具と手技を用いて取り付けられる踵骨の幹上への距骨の人工関節面の設置を側面図に示す。
【図33】図33は、図29Aから29Dおよび図30に示す器具と手技を用いて取り付けられる土台への脛骨の人工関節面の取り付けを側面図に示す。
【図34】図34は、図19から33に示す形状、はめ合い、および機能の様々な治具、固定具、リーマー、補助土台が堅くならびに簡単に取り付けられてもよい代表的な取り付け土台の左側透視図であり、一連の作業には(1)足関節と脛骨の位置合わせ、(2)踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路の構築;(3)脛骨と距骨の土台を取り付けるための、距骨と脛骨内に適切に方向付けられた骨の切り込みを作製する目的のための前方アクセスの構築、ならびに(4)脛骨と距骨の土台の取り付けが含まれる。
【図35】図35は、図34に示す取り付け土台の右側透視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工装具の固定用のマルチピース幹アセンブリであって、前記マルチピース幹アセンブリは、前記マルチピース幹アセンブリより小さな外科的開口部を介した挿入のためにそれぞれ大きさと構成が決められた二つ以上の幹部品のアセンブリを含み、前記幹部品のそれぞれは、取り付け部位を備え、前記取り付け部位は、前記幹部品のうちの別のものの嵌合する取り付け部位にインサイチュで連結され得る、マルチピース幹アセンブリ。
【請求項2】
前記インプラントは、関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントのうちの一つを含む、請求項1に記載のマルチピース幹アセンブリ。
【請求項3】
請求項1で定義されるマルチピース幹アセンブリを含む人工装具。
【請求項4】
人工関節面をさらに含む、請求項3に記載の人工装具。
【請求項5】
請求項1に定義されるマルチピース幹アセンブリを提供するステップと、
外科的切開を介して一つの幹部品を挿入するステップと、
前記外科的切開を介して別の幹部品を挿入するステップと、
前記マルチピース幹アセンブリを形成するために前記幹部品同士をインサイチュで連結するステップとを含む方法。
【請求項6】
請求項1に定義されるマルチピース幹アセンブリと、前記軸アセンブリに連結される第一の人工関節面と、前記第一の人工関節面と関節運動して人工関節を形成する第二の人工関節面とを含む、人工装具アセンブリ。
【請求項7】
前記関節運動する人工関節面が、前記人工関節が軸の周囲を回転できるようにする相補的な玉継ぎ手面を含む、請求項6に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項8】
前記相補的な玉継ぎ手面は、関節運動するだけでなく、自然骨に対する前方、後方、および側方への移動に適応する、請求項7に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項9】
関節運動する人工関節面それぞれが、軸に沿って曲線を描く細長い溝を各面に形成するように、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される前記第一の弧によって画定される面を含む、掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる鞍状形部品を含む、請求項6に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項10】
距骨に結合される第一の人工関節面と、脛骨に結合される第二の人工関節面と、人工足関節を形成するように関節運動する前記第一および第二人工関節とを含み、前記関節運動する人工足関節面のそれぞれは、軸に沿って曲線を描く細長い溝を各面に形成するように、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される前記第一の弧によって画定される面を含む、掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる鞍状形部品を含む、人工装具アセンブリ。
【請求項11】
前記人工関節面のうち少なくとも一つが、ネジもその他の留め具も用いることのない確実な固定手段を提供するスナップ式および/または連結式での組み立て手段を含む、請求項10に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項12】
前記人工関節面のうち少なくとも一つが、プラスチック関節面の取り付けに適応する、請求項10に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項13】
前記プラスチック関節面が超高分子量ポリエチレンを含む、請求項12に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項14】
第一の骨に結合される第一の人工関節面と、第二の骨に結合される第二の人工関節面とを含む人工装具アセンブリであって、前記第一および第二の人工関節は、人工関節を形成するように関節運動し、前記人工関節面のうち少なくとも一つが、ネジもその他の留め具も用いることのない確実な固定手段を提供するスナップ式および/または連結式での組み立て手段を含む、人工装具アセンブリ。
【請求項15】
前記人工関節面のうち少なくとも一つがプラスチック関節面の取り付けに適応する、請求項14に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項16】
前記プラスチック関節面が超高分子量ポリエチレンを含む、請求項15に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項17】
足底部の切開部を介する踵骨を介するアクセスによって、脛骨の主軸に対して構築される骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる足関節置換システム。
【請求項18】
脛骨の主軸に対して骨髄内ガイダンスをX線透視可視化を用いて構築するための手段を含む、請求項17に記載の足関節置換システム。
【請求項19】
骨の切り込みを作製するための手段を含む請求項17に記載の足関節置換システム。
【請求項20】
踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路を構築するステップを含む方法。
【請求項1】
人工装具の固定用のマルチピース幹アセンブリであって、前記マルチピース幹アセンブリは、前記マルチピース幹アセンブリより小さな外科的開口部を介した挿入のためにそれぞれ大きさと構成が決められた二つ以上の幹部品のアセンブリを含み、前記幹部品のそれぞれは、取り付け部位を備え、前記取り付け部位は、前記幹部品のうちの別のものの嵌合する取り付け部位にインサイチュで連結され得る、マルチピース幹アセンブリ。
【請求項2】
前記インプラントは、関節インプラント、固定(関節固定術)インプラント、骨切り術固定インプラント、または骨折固定インプラントのうちの一つを含む、請求項1に記載のマルチピース幹アセンブリ。
【請求項3】
請求項1で定義されるマルチピース幹アセンブリを含む人工装具。
【請求項4】
人工関節面をさらに含む、請求項3に記載の人工装具。
【請求項5】
請求項1に定義されるマルチピース幹アセンブリを提供するステップと、
外科的切開を介して一つの幹部品を挿入するステップと、
前記外科的切開を介して別の幹部品を挿入するステップと、
前記マルチピース幹アセンブリを形成するために前記幹部品同士をインサイチュで連結するステップとを含む方法。
【請求項6】
請求項1に定義されるマルチピース幹アセンブリと、前記軸アセンブリに連結される第一の人工関節面と、前記第一の人工関節面と関節運動して人工関節を形成する第二の人工関節面とを含む、人工装具アセンブリ。
【請求項7】
前記関節運動する人工関節面が、前記人工関節が軸の周囲を回転できるようにする相補的な玉継ぎ手面を含む、請求項6に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項8】
前記相補的な玉継ぎ手面は、関節運動するだけでなく、自然骨に対する前方、後方、および側方への移動に適応する、請求項7に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項9】
関節運動する人工関節面それぞれが、軸に沿って曲線を描く細長い溝を各面に形成するように、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される前記第一の弧によって画定される面を含む、掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる鞍状形部品を含む、請求項6に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項10】
距骨に結合される第一の人工関節面と、脛骨に結合される第二の人工関節面と、人工足関節を形成するように関節運動する前記第一および第二人工関節とを含み、前記関節運動する人工足関節面のそれぞれは、軸に沿って曲線を描く細長い溝を各面に形成するように、第一の弧に対して垂直な第二の弧に沿って掃過される前記第一の弧によって画定される面を含む、掃過された弧として幾何学的に特徴付けられる鞍状形部品を含む、人工装具アセンブリ。
【請求項11】
前記人工関節面のうち少なくとも一つが、ネジもその他の留め具も用いることのない確実な固定手段を提供するスナップ式および/または連結式での組み立て手段を含む、請求項10に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項12】
前記人工関節面のうち少なくとも一つが、プラスチック関節面の取り付けに適応する、請求項10に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項13】
前記プラスチック関節面が超高分子量ポリエチレンを含む、請求項12に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項14】
第一の骨に結合される第一の人工関節面と、第二の骨に結合される第二の人工関節面とを含む人工装具アセンブリであって、前記第一および第二の人工関節は、人工関節を形成するように関節運動し、前記人工関節面のうち少なくとも一つが、ネジもその他の留め具も用いることのない確実な固定手段を提供するスナップ式および/または連結式での組み立て手段を含む、人工装具アセンブリ。
【請求項15】
前記人工関節面のうち少なくとも一つがプラスチック関節面の取り付けに適応する、請求項14に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項16】
前記プラスチック関節面が超高分子量ポリエチレンを含む、請求項15に記載の人工装具アセンブリ。
【請求項17】
足底部の切開部を介する踵骨を介するアクセスによって、脛骨の主軸に対して構築される骨髄内ガイダンスを用いて取り付けられる足関節置換システム。
【請求項18】
脛骨の主軸に対して骨髄内ガイダンスをX線透視可視化を用いて構築するための手段を含む、請求項17に記載の足関節置換システム。
【請求項19】
骨の切り込みを作製するための手段を含む請求項17に記載の足関節置換システム。
【請求項20】
踵骨、距骨、および脛骨内を通るインライン骨髄内経路を構築するステップを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図25C】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図28D】
【図28E】
【図29A】
【図29B】
【図29C】
【図29D】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図15E】
【図15F】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図25C】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図28D】
【図28E】
【図29A】
【図29B】
【図29C】
【図29D】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公表番号】特表2008−537689(P2008−537689A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501935(P2008−501935)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/008861
【国際公開番号】WO2006/099270
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(507308315)トペズ オーソペディックス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/008861
【国際公開番号】WO2006/099270
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(507308315)トペズ オーソペディックス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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